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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】表示装置、及び画像表示方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/74 20060101AFI20230808BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230808BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20230808BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20230808BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20230808BHJP
   G03B 21/26 20060101ALI20230808BHJP
   G03B 21/62 20140101ALI20230808BHJP
【FI】
H04N5/74 D
G09G3/20 680C
G09G3/20 680D
G09G3/20 641P
G09G3/34 D
G09G3/36
G03B21/00 D
G03B21/00 E
G03B21/26
G03B21/62
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018223895
(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公開番号】P2020088739
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514025328
【氏名又は名称】株式会社オクテック
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】コプフ ピエール
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼茂 宏之
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-517337(JP,A)
【文献】特開2001-075733(JP,A)
【文献】国際公開第2015/056295(WO,A1)
【文献】特開平05-216119(JP,A)
【文献】特開2004-077865(JP,A)
【文献】特開2006-047729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/74
H04N 9/31
G09G 3/00-5/00
G03B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面に投影された光を反射させ、第2面に投影された光を透過させるスクリーンと、
元画像から設定値より低い値を有する画素を抽出して生成された第1画像が入力され、入力された前記第1画像を前記スクリーンの第1面に投影するフロントプロジェクタと、
前記スクリーンの第2面側に配置されており、前記元画像から設定値より高い値を有する画素を抽出して生成された第2画像が入力され、入力された前記第2画像を表示するリア表示部と、
前記スクリーンの前記第2面と前記リア表示部との間に配置されており、前記リア表示部から出射する光の一部を遮光するマスクと
を備え、
前記マスクは、前記元画像から生成された透過マップ画像であって、前記第2画像中の前記設定値より高い値を有する画素の部分を透過し、それ以外の部分を遮光するための透過マップ画像が入力され、入力された前記透過マップ画像に基づいて、前記リア表示部から出射される光において、前記設定値より高い値を有する画素の部分を透過し、それ以外の部分を遮光し、
前記元画像の実際の輝度を表示する場合、前記フロントプロジェクタへの入力階調値と該入力階調値に基づく前記スクリーン上での輝度との関係を規定する輝度補正データベース、前記リア表示部への入力階調値と該入力階調値に基づく前記スクリーン上での輝度との関係を規定する輝度補正データベース、前記マスクへの入力階調値と該入力階調値に基づく前記マスクの透過率との関係を規定する透過率データベース、並びに、前記スクリーンの前記第1面に投影された光の反射率及び前記第2面に投影された光の透過率に基づいて、前記元画像を実際の輝度で表示するための前記第1画像、前記第2画像、及び前記透過マップ画像を生成する生成部
を更に備える
表示装置。
【請求項2】
前記リア表示部は、前記第2画像を前記マスクに投影する第2のプロジェクタである、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2のプロジェクタは、1チップDLP(デジタル・ライト・プロセッシング)プロジェクタ又は3チップDLPプロジェクタである、請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2のプロジェクタは、カラーホイールを除去した1チップDLPプロジェクタである、請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2のプロジェクタは、LCDプロジェクタである、請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
入力された元画像から設定値より低い値を有する画素を抽出して第1画像を生成し、
前記元画像から設定値より高い値を有する画素を抽出して第2画像を生成し、
前記元画像から、前記第2画像中の前記設定値より高い値を有する画素の部分を透過し、それ以外の部分を遮光するための透過マップ画像を生成し、
第1面に投影された光を反射させ、第2面に投影された光を透過させるスクリーンの前記第1面側に配置されたフロントプロジェクタにより、前記第1画像を前記スクリーンに投影し、
前記スクリーンの前記第2面側に配置したリア表示部により前記第2画像を表示し、
前記スクリーンの前記第2面と前記リア表示部との間に配置したマスクにより、前記透過マップ画像に基づいて、前記リア表示部により表示された前記第2画像中の前記設定値より高い値を有する画素の部分を透過し、それ以外の部分を遮光し、
前記元画像の実際の輝度を表示する場合、前記フロントプロジェクタへの入力階調値と該入力階調値に基づく前記スクリーン上での輝度との関係を規定する輝度補正データベース、前記リア表示部への入力階調値と該入力階調値に基づく前記スクリーン上での輝度との関係を規定する輝度補正データベース、前記マスクへの入力階調値と該入力階調値に基づく前記マスクの透過率との関係を規定する透過率データベース、並びに、前記スクリーンの前記第1面に投影された光の反射率及び前記第2面に投影された光の透過率に基づいて、前記元画像を実際の輝度で表示するための前記第1画像、前記第2画像、及び前記透過マップ画像を生成する、
画像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、及び画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプロジェクタから投影される画像をスクリーン上で重畳することにより、1台のプロジェクタでは実現できない高解像度、高輝度な大画面画像を生成する表示システムが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-103286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の表示システムでは、明るい領域が明るい程、また明るい領域が大きい程、コントラスト率が低下するという問題点を有していた。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、コントラスト率が良好である表示装置、及び画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る表示装置は、第1面に投影された光を反射させ、第2面に投影された光を透過させるスクリーンと、元画像から設定値より低い値を有する画素を抽出して生成された第1画像が入力され、入力された前記第1画像を前記スクリーンの第1面に投影するフロントプロジェクタと、前記スクリーンの第2面側に配置されており、前記元画像から設定値より高い値を有する画素を抽出して生成された第2画像が入力され、入力された前記第2画像を表示するリア表示部と、前記スクリーンの前記第2面と前記リア表示部との間に配置されており、前記リア表示部から出射する光の一部を遮光するマスクとを備え、前記マスクは、前記元画像から生成された透過マップ画像であって、前記第2画像中の前記設定値より高い値を有する画素の部分を透過し、それ以外の部分を遮光するための透過マップ画像が入力され、入力された前記透過マップ画像に基づいて、前記リア表示部から出射される光において、前記設定値より高い値を有する画素の部分を透過し、それ以外の部分を遮光し、前記元画像の実際の輝度を表示する場合、前記フロントプロジェクタへの入力階調値と該入力階調値に基づく前記スクリーン上での輝度との関係を規定する輝度補正データベース、前記リア表示部への入力階調値と該入力階調値に基づく前記スクリーン上での輝度との関係を規定する輝度補正データベース、前記マスクへの入力階調値と該入力階調値に基づく前記マスクの透過率との関係を規定する透過率データベース、並びに、前記スクリーンの前記第1面に投影された光の反射率及び前記第2面に投影された光の透過率に基づいて、前記元画像を実際の輝度で表示するための前記第1画像、前記第2画像、及び前記透過マップ画像を生成する生成部を更に備える
【0008】
一態様に係る画像表示方法は、入力された元画像から設定値より低い値を有する画素を抽出して第1画像を生成し、前記元画像から設定値より高い値を有する画素を抽出して第2画像を生成し、前記元画像から、前記第2画像中の前記設定値より高い値を有する画素の部分を透過し、それ以外の部分を遮光するための透過マップ画像を生成し、第1面に投影された光を反射させ、第2面に投影された光を透過させるスクリーンの前記第1面側に配置されたフロントプロジェクタにより、前記第1画像を前記スクリーンに投影し、前記スクリーンの前記第2面側に配置したリア表示部により前記第2画像を表示し、前記スクリーンの前記第2面と前記リア表示部との間に配置したマスクにより、前記透過マップ画像に基づいて、前記リア表示部により表示された前記第2画像中の前記設定値より高い値を有する画素の部分を透過し、それ以外の部分を遮光し、前記元画像の実際の輝度を表示する場合、前記フロントプロジェクタへの入力階調値と該入力階調値に基づく前記スクリーン上での輝度との関係を規定する輝度補正データベース、前記リア表示部への入力階調値と該入力階調値に基づく前記スクリーン上での輝度との関係を規定する輝度補正データベース、前記マスクへの入力階調値と該入力階調値に基づく前記マスクの透過率との関係を規定する透過率データベース、並びに、前記スクリーンの前記第1面に投影された光の反射率及び前記第2面に投影された光の透過率に基づいて、前記元画像を実際の輝度で表示するための前記第1画像、前記第2画像、及び前記透過マップ画像を生成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像のコントラスト率が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る表示システムの構成を示す斜視図である。
図2】表示システムの構成を示す側面図である。
図3】Rプロジェクタがモノクロのプロジェクタであり、透明液晶がカラー液晶である場合の色の表現を示す説明図である。
図4】実施の形態1に係る画像処理装置の内部構成を説明するブロック図である。
図5】実施の形態1に係る画像処理装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
図6】変形例の表示システムを示す側面図である。
図7】実施の形態4に係る表示システムを示す斜視図である。
図8】実施の形態5に係る表示システムを示す側面図である。
図9】実施の形態5に係る表示システムの構成を示すブロック図である。
図10】スクリーンの正面側の観測点から見た実施例1の画像を示す写真である。
図11】スクリーンの正面側の観測点から見た比較例1の画像を示す写真である。
図12】スクリーンの正面側の観測点から見た比較例2の画像を示す写真である。
図13】スクリーンの正面側の観測点から見た比較例3の画像を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る表示システム10の構成を示す斜視図、図2は表示システム10の構成を示す側面図である。
実施の形態1に係る表示システム10は、2台のリアプロジェクタ(以下、Rプロジェクタという)1,1と、マスクとしての透明液晶(液晶パネル)2と、スクリーン3と、1台のフロントプロジェクタ(以下、Fプロジェクタという)4と、画像処理装置5とを備える。Rプロジェクタ1、透明液晶2、スクリーン3、Fプロジェクタ4により表示装置が構成される。
Rプロジェクタ1,Fプロジェクタ4は、投影画像が相互に重畳するように配置されており、スクリーン3上で投影画像を重ね合わせることにより一の光学像を表示する。
【0012】
スクリーン3はリアプロジェクタ用のスクリーンであり、光を透過及び反射させる。スクリーン3は、反射と透過の割合及び拡散のバランスが取れたものを用いる。Rプロジェクタ1から投影される画像をある程度ぼかし、モアレ現象を抑えるために、スクリーン3のRプロジェクタ1側の面に光拡散用のフィルム等を貼ってもよい。また、前記面にRプロジェクタ1からの光を鑑賞視点に集めるためにレンズフィルム等を貼ってもよい。
【0013】
透明液晶2は、スクリーン3の背面に配置されている。透明液晶2は、通常の液晶ディスプレイから光源や導光板等を除いた構成を有し、即ち偏光板、カラーフィルタ基板、透明電極、配向膜、液晶層、配向膜、透明電極、アクティブマトリクス基板、偏光板を有する。Rプロジェクタ1が投光する画像の反射損失を抑えるために、透明液晶2のRプロジェクタ1側に反射防止フィルム等を貼ってもよい。
【0014】
Rプロジェクタ1は、スクリーン3の背面側から画像を投影するプロジェクタであり、入力画像の明るい部分を表示するために用いられる。Rプロジェクタ1は、画像処理装置5により生成された画像(高輝度再現用の階調データに基づく画像)を透明液晶2上に投影する。透明液晶2における光の透過率を制御することにより、画像処理装置5にて生成された画像の高輝度部分を透過し、それ以外の部分を遮光して、高輝度部分を再現する画像をスクリーン3上に投影する。
【0015】
Rプロジェクタ1は、カラーホイールを除去した、1チップDLP(Digital Light Processing:登録商標)プロジェクタである。Rプロジェクタ1がDLP等の、偏光技術を用いない場合、Rプロジェクタ1の投光経路は偏光に依存しないので、Rプロジェクタ1と透明液晶2との偏光の向きを合わせたり、偏光の影響による輝度補正及び色補正を行ったりする必要がない。
【0016】
Rプロジェクタ1がカラーホイールを除去され、モノクロのプロジェクタとされることにより、より強い光で投光が可能となり、画像内の高輝度表示部分における明るさを確保できる。カラーの透明液晶を用いることにより、色を良好に再現できる。
図3は、Rプロジェクタ1がモノクロのプロジェクタであり、透明液晶2がカラー液晶である場合の色の表現を示す説明図である。
Rプロジェクタ1から、白黒の、コントラストが大きい画像が透明液晶2へ投影される。透明液晶2において、白を例えば赤に変換し、黒の部分を遮光することで、Rプロジェクタ1がモノクロのプロジェクタでも、コントラストが大きいカラー画像を表示することができる。
【0017】
Rプロジェクタ1が投光する画素のピッチが透明液晶2の画素のピッチに近いとモアレ現象が発生しやすいため、Rプロジェクタ1の解像度を変える、又は各Rプロジェクタ1の投影領域を分け、投影画像のブレンディングを行うことで画素ピッチを変えることが好ましい。
【0018】
Fプロジェクタ4は、スクリーン3の正面側から画像を投影するプロジェクタであり、入力画像の暗い部分を表示するために用いられる。Fプロジェクタ4は、画像処理装置5により生成された画像(低輝度再現用の階調データに基づく画像)をスクリーン3上に投影する。Fプロジェクタ4は、投射レンズの前方にNDフィルタ(ND : Neutral Density)等の減光フィルタを設け、Fプロジェクタ4から出射されるカラー画像を減光してスクリーン3上に投影することにしてもよい。
【0019】
画像処理装置5は、汎用又は専用のコンピュータ装置であり、例えばHDRカメラや2次元輝度計等の撮像装置6(図4参照)によって撮像されたデジタル形式の画像データが入力される。画像処理装置5は、入力された画像データに基づく入力画像から設定値より高い値を有する高輝度部分を再現する高輝度再現用の階調データを生成し、生成した階調データをRプロジェクタ1へ出力する。画像処理装置5は、入力画像の設定値より低い値を有する低輝度部分を再現する低輝度再現用の階調データを生成し、生成した階調データをFプロジェクタ4へ出力する。また、画像処理装置5は、透明液晶2における透過を制御するための透過マップ画像の階調データを生成し、生成した階調データを透明液晶2へ出力する。
【0020】
Rプロジェクタ1及びFプロジェクタ4の投影画像と、スクリーン3の位置対応はキャリブレーションしておく。Rプロジェクタ1及びFプロジェクタ4から投影した所定の画像を、カメラ(不図示)で撮影し、プロジェクタの姿勢及び投影領域を得る。Rプロジェクタ1及びFプロジェクタ4を同一の視点からのカメラでキャリブレーションを行うのが困難である場合は、スクリーン3に位置が分かる印(ARマーカー等)を付けて撮影する等してカメラのスクリーン3からの位置関係を把握することで複数視点からのキャリブレーションを行う。透明液晶2の透光の制御可能領域は、透明液晶2に所定の画像を表示し、適切な照明を当てて取得する、又は透明液晶2の支持構造等に印を付けてカメラで撮影することで正確な位置を取得する。以上のようにして、Rプロジェクタ1、透明液晶2、スクリーン3、Fプロジェクタ4の姿勢を把握し、表示したい画像を重ね合わせることができる。
【0021】
本実施の形態では、高輝度再現用の階調データと低輝度再現用の階調データとを分離して生成し、これらの階調データに基づきRプロジェクタ1,Fプロジェクタ4から画像を投影し、コントラスト率の低下の原因となる高輝度再現用のRプロジェクタ1からの低輝度で表示したい部分の光量を透明液晶2により低減した状態で、スクリーン3上に一の光学像を形成する。このような構成により、本実施の形態では、高輝度再現用のRプロジェクタ1から投影される画像で、低輝度で表示したい部分の光量を低減することができ、スクリーン3上に形成される光学像のコントラストの低下を抑えることを可能としている。
【0022】
図4は、実施の形態1に係る画像処理装置5の内部構成を説明するブロック図である。画像処理装置5は、例えば、制御部51、記憶部52、入力部53、及び出力部54を備える。
【0023】
制御部51は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備える。制御部51が備えるROMには、上記ハードウェア各部の動作を制御するための制御プログラム等が記憶される。制御部51内のCPUは、ROMに記憶された制御プログラムや後述する記憶部52に記憶された各種プログラムを実行し、上記ハードウェア各部の動作を制御する。なお、制御部51が備えるRAMには、各種プログラムの実行中に一時的に利用されるデータが記憶される。
【0024】
なお、制御部51は、上記の構成に限定されるものではなく、シングルコアCPU、マルチコアCPU、マイコン、揮発性又は不揮発性のメモリ等を含む一又は複数の処理回路であればよい。
【0025】
記憶部52は、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク等を用いた記憶装置を備える。記憶部52には、CPUによって実行される各種コンピュータプログラム(以下、プログラムという)P、及び各種プログラムPを実行する際に用いられるデータ等が記憶される。記憶部52が記憶するプログラムPには、例えば、入力部53を通じて入力される画像データを処理するための画像処理プログラムが含まれる。また、記憶部52が記憶するデータには、スクリーン3上で所定の表示輝度値(実輝度)を得るために、スクリーン3上の位置に関連付けて階調値と輝度との関係を規定する輝度補正データベースを含めてもよい。
【0026】
記憶部52に記憶されるプログラムPは、プログラムPを読み取り可能に記録した記録媒体55により提供されてもよい。記録媒体55は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の可搬型のメモリである。記録媒体55に記録される各種プログラムPは、図に示していない読取装置を用いて記録媒体から読み取られ、画像処理装置5が備える記憶部52にインストールされる。また、画像処理装置5が外部通信装置と通信可能な通信部を備える場合、記憶部52に記憶されるプログラムPは、通信部を介した通信により提供されてもよい。
【0027】
入力部53は、画像データを出力することが可能な外部装置を接続する接続インタフェースを備える。ここで、接続インタフェースに接続される外部装置は、例えば、デジタルカメラ、車載カメラ等の撮像装置6である。また、外部装置は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、ゲーム機等の情報処理装置であってもよく、DVD再生装置等の画像再生装置であってもよい。入力部53を通じて画像処理装置5内に入力される画像データは、例えば各画素をRGBの各階調値によって表したデータである。
【0028】
制御部51は、入力部53を通じて入力された画像データから、高輝度再現用の階調データ、低輝度再現用の階調データ、及び透過マップ画像を生成する処理を実行する。また、制御部51は、スクリーン3上に表示した画像が実輝度を示すように、輝度補正データベースを参照して階調値を補正する処理を実行してもよい。制御部51が実行する処理内容については、後に詳述する。
【0029】
出力部54は、Rプロジェクタ1、Fプロジェクタ4、及び透明液晶2を接続する接続インタフェースを備える。出力部54は、制御部51によって生成された高輝度再現用の階調データをRプロジェクタ1へ出力し、低輝度再現用の階調データをFプロジェクタ4へ出力し、透過マップ画像の階調データを透明液晶2へ出力する。
【0030】
なお、本実施の形態では、Rプロジェクタ1、Fプロジェクタ4、及び透明液晶2へ出力する階調データを生成する処理、及び階調値を補正する処理を制御部51が実行する構成としたが、画像処理装置5内に各種演算回路、バッファメモリ等を備える画像処理部を設け、この画像処理部に上述した処理を実行させる構成であってもよい。
【0031】
以下、画像処理装置5が実行する処理の手順について説明する。
図5は、実施の形態1に係る画像処理装置5が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
画像処理装置5の制御部51は、入力部53を通じて入力画像に係る画像データを取得する(S1)。制御部51が取得する画像データは、例えば各画素がRGB等の階調値によって表されたデータである。また、制御部51が取得する画像データは、各画素における値が、CIE(Commission Internationale de l'Eclairage)で定めるCIE表色系の三刺激値データX、Y、Zを用いて表現したデータであってもよく、CIELAB(CIE L*a*b*)値、CIERGB(CIE Red Green Blue)値、その他任意の形式により表現されても良い。
【0032】
制御部51は、取得した入力画像において設定値以上の値を有する画素を抽出し、抽出した画素を再配置して階調値を補正することによって高輝度再現用のRプロジェクタ1へ出力する階調データ(画像)を生成する(S2)。
【0033】
制御部51は、取得した入力画像において設定値未満の値を有する画素を抽出し、抽出した画素を再配置して階調値を補正することによって低輝度再現用のFプロジェクタ4へ出力する階調データ(画像)を生成する(S3)。
制御部51は、記憶部52に記憶されている輝度補正データベースを参照し、入力画像を構成する各画素の階調値を補正した低輝度再現用のFプロジェクタ4へ出力する階調データ(画像)を生成する(S3)。なお、S3の設定値をS2の設定値よりも高く設定し、S3の設定値よりも低い値を有する画像を抽出してもよい。
【0034】
制御部51は、画像処理装置5にて生成された高輝度用画像の高輝度部分を透過し、それ以外の部分を遮光して、高輝度部分を再現する透過マップ画像を生成する(S4)。
なお、本フローチャートでは、便宜的に、高輝度再現用の階調データを生成した後に低輝度再現用の階調データ、及び透過マップ画像を生成する手順としたが、低輝度再現用の階調データを生成した後に高輝度再現用の階調データを生成する手順としてもよく、高輝度再現用の階調データ及び低輝度再現用の階調データを並行して生成する手順としてもよい。
【0035】
次いで、制御部51は、出力部54を通じて、S2で生成した高輝度再現用の階調データをRプロジェクタ1へ出力し、S3で生成した低輝度再現用の階調データをFプロジェクタ4へ出力し、S4で生成した透過マップ画像の階調データを透明液晶2へ出力する(S5)。
【0036】
入力画像の実際の輝度の表示を目的とせずに、高コントラストの画像を表示したい場合は、表示画像内の高輝度表示したい領域のみを透過させ、それ以外の領域を遮光する画像を透明液晶2に入力する。入力画像に近い画像を表示したい場合、透明液晶2への入力値と遮光率(透過率)との関係、及びスクリーン3の光の透過率及び反射率を測定し、これらのデータに基づいてFプロジェクタ4、スクリーン3、透明液晶2、及びRプロジェクタ1に入力する画像を作成する。
【0037】
実輝度表示のための輝度補正を行う場合、記憶部52に、Rプロジェクタ1の輝度補正データベース、Fプロジェクタ4の輝度補正データベース、並びに透明液晶2及びスクリーン3の透過率データベースを記憶しておく必要がある。透明液晶2及びスクリーン3の透過率及び反射率は見る角度によって異なるため、いずれのデータベースも実輝度表示を行う対象(目及びカメラ等)と同一の位置からキャリブレーションを行う。具体的には、透明液晶2及びスクリーン3に階調値が一定の画像を入力し、空間内の一つの視点から、2次元輝度計で測定するか、スポット輝度計で多数点を測定することで、前記視点を対象とした輝度分布を得る。事前に取得したRプロジェクタ1及びFプロジェクタ4への入力階調値と投光する明るさや色との関係、並びにRプロジェクタ1及びFプロジェクタ4への入力階調値と透過率との関係と、得られた輝度分布とを組み合わせることで、実輝度表示をするためのデータが得られる。Rプロジェクタ1及びFプロジェクタ4への入力階調値と透過率を最大透過率で割った値の関係が、スクリーン3を見る角度によって変化する場合は、見る角度を考慮した輝度分布の補正が必要である。
【0038】
表示可能な最大輝度を表示する場合、Rプロジェクタ1に最大入力階調値を送信し、透明液晶2で透過するように白を入力すればよい。それより低い輝度を表示する場合、Rプロジェクタ1に入力する階調値を低くするか、透明液晶2に入力する階調値を低くするか、またはその両方を行うというように自由度がある。最終的に、透明液晶2及びスクリーン3を通過したRプロジェクタ1からの表示とFプロジェクタ4からの表示を足し合わせた輝度や色が、入力画像データの輝度や色と等しくなるように画像を作成し、Rプロジェクタ1、透明液晶2、及びFプロジェクタ4に入力すればよい。
【0039】
Rプロジェクタ1及びFプロジェクタ4の台数は、上記の場合に限定されない。
図6は、変形例の表示システム14を示す側面図である。
変形例の表示システム14は、Rプロジェクタ1の数が3台であり、Fプロジェクタ4の数が2台であること以外は、実施の形態1に係る表示システム10と同様の構成を有する。Rプロジェクタ1及びFプロジェクタ4の台数は、図1及び図2に示した場合に限定されない。Rプロジェクタ1及びFプロジェクタ4の台数は各一台であってもよく、任意の台数を有するRプロジェクタ1及びFプロジェクタ4を組み合わせてもよい。
【0040】
複数のプロジェクタを用いる場合、Rプロジェクタ1及びFプロジェクタ4の全てのプロジェクタが画像表示領域を覆うように画像を投影し重ね合わせてもよいし、表示したい領域を分割、分配し、各プロジェクタが担当した投影領域の端をエッジブレンディング及び輝度補正をして実輝度表示をするようにしてもよい。
スクリーン3の枚数も一枚の場合に限定されず、スクリーン3を複数つなぎ合わせ、各スクリーン3に夫々、Rプロジェクタ1及びFプロジェクタ4から画像が投影されるようにしてもよい。複数のスクリーン3を用いることで、広視野角で実輝度の表示を実現できる。
【0041】
また、コントラスト率を向上させるために、透明液晶2を2枚重ねることにしてもよい。
【0042】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る表示システム10は、Rプロジェクタ1がカラーホイールを除去していない1チップDLPプロジェクタ又は3チップDLPプロジェクタであること以外は、実施の形態1に係る表示システム10と同様の構成を有する。
Rプロジェクタ1がDLPプロジェクタであるので、偏光角度を考慮せずに、Rプロジェクタ1、透明液晶2、Fプロジェクタ4の制御を行うことができる。
本実施の形態においては、Rプロジェクタ1はカラーのプロジェクタである。透明液晶2をモノクロの透明液晶にすることで、透明液晶2の透過率を上げ、より明るい画像を表示することができる。
【0043】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る表示システム10は、Rプロジェクタ1が液晶プロジェクタ又はLCOS(Liquid crystal on silicon:登録商標)プロジェクタであること以外は、実施の形態1に係る表示システム1と同様の構成を有する。
Rプロジェクタ1がDLPプロジェクタである場合と異なり、PWM(Pulse-width Modulation)制御に依存していないため、表示システム10を車載カメラ等の検証にも適用できる。
液晶プロジェクタ又はLCOSプロジェクタである場合、偏光技術を用いるので、Rプロジェクタ1と透明液晶2との偏光の向きを合わせたり、偏光の影響による輝度補正及び色補正を行ったりする必要がある。
【0044】
(実施の形態4)
図7は、実施の形態4に係る表示システム15を示す斜視図である。図7中、図1と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
表示システム15においては、透明液晶2に代えて、マスクとしてエレクトロクロミックガラス21をスクリーン3の背面に配置している。エレクトロクロミックガラス21により、微弱電流のスイッチング作用を用いて遮光制御を行うことができる。
マスクとして、エレクトロクロミックガラス21を用いる代わりに、機械的な開閉機構が複数搭載された板を用いて、透光させる部分を選択するようにしてもよい。
また、透過させたい箇所に孔が空いた板を用い、画像を変更させる都度、板を取り替えることにしてもよい。この場合、構成が簡単であり、材料コストも低い。しかし、マスクの遮光の動的な制御が困難であるため、用途が静止画に限定される。
【0045】
本実施の形態においては、マスクが偏光に依存しないので、任意のRプロジェクタ1を選択することができる。表示システム15は、省エネルギーであり、静止画の表示に適している。
【0046】
(実施の形態5)
図8は実施の形態5に係る表示システム16を示す側面図、図9は実施の形態5に係る表示システム16の構成を示すブロック図である。図8図9中、図2図4と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
実施の形態5に係る表示システム16は、Rプロジェクタ1の代わりにディスプレイ11を有すること以外は、実施の形態1に係る表示システム10と同様の構成を有する。
ディスプレイ11としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ等が挙げられる。
マスクとしては透明液晶2の代わりに、エレクトロクロミックガラス21、開閉機構を有する板、又は孔を有する板を用いることができる。
ディスプレイ11として液晶ディスプレイを用い、マスクとして透明液晶2を用いた場合、ディスプレイ11と透明液晶2との偏光の向きを合わせたり、輝度補正及び色補正を行ったりする必要がある。
観測者は、ディスプレイ11から発され透明液晶2等のマスク及びスクリーン3を透過した画像、及びFプロジェクタ4から投影されスクリーン3で反射した画像を合わせた画像を見ることとなる。
【実施例
【0047】
以下、実施の形態1の車と街灯が含まれた夜間のシーンを表示する実施例を具体的に説明するが、この実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
実施の形態1に係る表示システム10を用いた。Rプロジェクタ1はカラーフィルタを除去した1チップDLPであり、Fプロジェクタ4の投射レンズの前方にNDフィルタを設けてある。車のリアランプ部分と街灯のみが白い画像をRプロジェクタ1に入力し、車のリアランプ部分が赤色で、街灯が白く、他の部分が黒い画像を透明液晶2に入力し、夜間のシーンの画像を、NDフィルタを投射レンズ前方に設置したFプロジェクタ4に入力した。図10は、スクリーン3の正面側の観測点から見た実施例1の画像を示す写真である。
【0048】
[比較例1]
実施の形態1に係る表示システム10を用い、車のリアランプ部分と街灯のみが白い画像をRプロジェクタ1に入力し、車のリアランプ部分が赤色で、それ以外の画素全てが白色の画像を透明液晶2に入力し、夜間のシーンの画像を、NDフィルタを投射レンズ前方に設置したFプロジェクタ4に入力した。図11は、スクリーン3の正面側の観測点から見た比較例1の画像を示す写真である。
【0049】
[比較例2]
実施の形態1に係る表示システム10を用い、Fプロジェクタ4は用いず、車のリアランプ部分と街灯のみが白い画像をRプロジェクタ1に入力し、車のリアランプ部分が赤色で、街灯が白く、他の部分が黒い画像を透明液晶2に入力した。図12は、スクリーン3の正面側の観測点から見た比較例2の画像を示す写真である。
【0050】
[比較例3]
実施の形態1に係る表示システム10を用い、Fプロジェクタ4は用いず、車のリアランプ部分と街灯のみが白い画像をRプロジェクタ1に入力し、車のリアランプ部分が赤色で、それ以外の画素全てが白色の画像を透明液晶2に入力した。図13は、スクリーン3の正面側の観測点から見た比較例3の画像を示す写真である。
【0051】
図10の実施例1の画像と、図11図13の比較例1~3の画像とを比較することにより、Fプロジェクタ4及びRプロジェクタ1を有する表示システム10において、高輝度画素を抽出して作成した透過マップ画像を透明液晶2に入力した場合に得られる合成画像は、コントラストが大きく、鮮明であることが証明された。
【0052】
プロジェクタの特性として、投影する画像中に高輝度の部分が存在すると、画像全体が明るくなり、本来の「黒」で表現すべき部分が明るくなる。
実施例1においては、Fプロジェクタ4から投影する画像から、高輝度の部分を除いており、また、投影レンズの前方にNDフィルタを設置し、投影する画像の光量を全体として低減しているため、夜道等の暗い部分が良好に投影される。Rプロジェクタ1は、高輝度の部分を投影するので、本来の「黒」の部分も多少明るくなるところ、透明液晶2により遮光するので、低輝度部分への悪影響が防止されている。
プロジェクタのコントラスト率には限界があり、夜道の街灯や車のリアランプの光等を実際通りには表現できない。Rプロジェクタ1を用いることで、明るい部分を実際の通りに明るく表示できる。
【0053】
以上のように、本発明の一態様に係る表示装置は、第1面に投影された光を反射させ、第2面に投影された光を透過させるスクリーンと、入力された第1画像を前記スクリーンの第1面に投影するフロントプロジェクタと、前記スクリーンの第2面側に配置されており、入力された第2画像を表示するリア表示部と、前記スクリーンの前記第2面と前記リア表示部との間に配置されており、前記リア表示部から出射する光の一部を遮光するマスクとを備える。
【0054】
上記構成によれば、リア表示部から出射する光の一部をマスクにより遮光した状態でスクリーンに投影された画像と、フロントプロジェクタからスクリーンに投影された画像とが合成されるので、合成画像のコントラスト率が良好である。
【0055】
上述の表示装置において、前記表示部は、前記第2画像を前記マスクに投影する第2のプロジェクタであってもよい。
【0056】
上記構成によれば、表示部がディスプレイではなく、プロジェクタであるので、高輝度画像が得られる。
【0057】
上述の表示装置において、前記第2のプロジェクタは、1チップDLPプロジェクタ又は3チップDLPプロジェクタであってもよい。
【0058】
上記構成によれば、第2のプロジェクタが液晶プロジェクタ又はLCOSプロジェクタである場合と異なり、偏光技術を用いないので、リア表示部とマスクとの偏光の向きを合わせたり、偏光の影響による輝度補正及び色補正を行ったりする必要がない。
【0059】
上述の表示装置において、前記第2のプロジェクタは、カラーホイールを除去した1チップDLPプロジェクタであってもよい。
【0060】
上記構成によれば、第2のプロジェクタがモノクロのプロジェクタであり、白黒の、コントラストが大きい画像がマスクへ投影される。マスクにおいて、白を他の色に変換して元画像の色を再現し、黒の部分を遮光することで、コントラストが大きい画像を表示できる。
【0061】
上述の表示装置において、前記第2のプロジェクタは、LCDプロジェクタであってもよい。
【0062】
上記構成によれば、第2のプロジェクタはPWM制御に依存していないため、表示装置を車載カメラ等の検証にも用いることができる。
【0063】
本発明の一態様に係る表示システムは、上述の表示装置と、入力された元画像から設定値より低い値を有する画素を抽出して前記第1画像を生成する第1画像生成部と、前記元画像から設定値より高い値を有する画素を抽出して前記第2画像を生成する第2画像生成部とを有する画像処理装置とを備える。
【0064】
上記構成によれば、元画像から高輝度部分と低輝度部分とを分離し、コントラスト率の低下の原因となる高輝度再現用のリア表示部からの低輝度で表示したい部分の光量を低減した状態で、リア表示部から投影された画像とフロントプロジェクタから投影された画像とが合成されるので、該画像のコントラスト率が良好である。
【0065】
本発明の一態様に係る画像表示方法は、入力された元画像から設定値より低い値を有する画素を抽出して第1画像を生成し、前記元画像から設定値より高い値を有する画素を抽出して第2画像を生成し、第1面に投影された光を反射させ、第2面に投影された光を透過させるスクリーンの前記第1面側に配置されたフロントプロジェクタにより、前記第1画像を前記スクリーンに投影し、前記スクリーンの前記第2面側に配置したリア表示部により前記第2画像を表示し、前記スクリーンの前記第2面と前記リア表示部との間に配置したマスクにより、前記リア表示部から出射する光の一部を遮光する。
【0066】
上記構成によれば、元画像から高輝度部分と低輝度部分とを分離し、コントラスト率の低下の原因となる高輝度再現用のリア表示部からの低輝度で表示したい部分の光量を低減した状態で、リア表示部から投影された画像とフロントプロジェクタから投影された画像とを合成するので、該画像のコントラスト率が良好である。
【0067】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0068】
1 Rプロジェクタ
2 透明液晶
21 エレクトロクロミックガラス
3 スクリーン
4 Fプロジェクタ
5 画像処理装置
11 ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13