(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】ディスク状記録媒体管理装置、ディスク状記録媒体管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/06 20060101AFI20230808BHJP
G11B 20/12 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
G06F3/06 301Z
G06F3/06 302J
G06F3/06 301N
G11B20/12
(21)【出願番号】P 2019017495
(22)【出願日】2019-02-01
【審査請求日】2022-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】小田 尚樹
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-128157(JP,A)
【文献】特開2008-242587(JP,A)
【文献】特開2007-042178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/06
G11B 20/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク状記録媒体をフォーマットする場合、前記ディスク状記録媒体の内周側ほど外周側より大きなサイズのセクタでフォーマットを実行する、フォーマット手段と、
前記ディスク状記録媒体へのアクセスを制御する、制御手段と、
を有することを特徴とするディスク状記録媒体管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のディスク状記録媒体管理装置であって、
前記フォーマット手段は、前記セクタのアドレスと、前記セクタのアドレスに関連付けられたセクタサイズとを有する前記フォーマットを実行するために用いるフォーマット要求情報を取得し、取得した前記フォーマット要求情報に基づいて、前記ディスク状記録媒体をフォーマットさせる
ことを特徴とするディスク状記録媒体管理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のディスク状記録媒体管理装置であって、
前記フォーマット手段は、複数の異なる大きさのセクタサイズで前記ディスク状記録媒体をフォーマットさせる
ことを特徴とするディスク状記録媒体管理装置。
【請求項4】
(a)ディスク状記録媒体をフォーマットする場合、前記ディスク状記録媒体の内周側ほど外周側より大きなサイズのセクタでフォーマットを実行する、ステップと、
(b)前記ディスク状記録媒体へのアクセスを制御する、ステップと、
を有することを特徴とするディスク状記録媒体管理方法。
【請求項5】
請求項
4に記載のディスク状記録媒体管理方法であって、
前記(a)のステップにおいて、前記セクタのアドレスと、前記セクタのアドレスに関連付けられたセクタサイズとを有する前記フォーマットを実行するために用いるフォーマット要求情報を取得し、取得した前記フォーマット要求情報に基づいて、前記ディスク状記録媒体をフォーマットさせる
ことを特徴とするディスク状記録媒体管理方法。
【請求項6】
請求項
4又は
5に記載のディスク状記録媒体管理方法であって、
前記(a)のステップにおいて、複数の異なる大きさのセクタサイズで前記ディスク状記録媒体をフォーマットさせる
ことを特徴とするディスク状記録媒体管理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
(a)ディスク状記録媒体をフォーマットする場合、前記ディスク状記録媒体の内周側ほど外周側より大きなサイズのセクタでフォーマットを実行する、ステップと、
(b)前記ディスク状記録媒体へのアクセスを制御する、ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項
7に記載のプログラムであって、
前記(a)のステップにおいて、前記セクタのアドレスと、前記セクタのアドレスに関連付けられたセクタサイズとを有する前記フォーマットを実行するために用いるフォーマット要求情報を取得し、取得した前記フォーマット要求情報に基づいて、前記ディスク状記録媒体をフォーマットさせる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項
7又は
8に記載のプログラムであって、
前記(a)のステップにおいて、複数の異なる大きさのセクタサイズで前記ディスク状記録媒体をフォーマットさせる
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク状記録媒体を管理するディスク状記録媒体管理装置、ディスク状記録媒体管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ディスク状記録媒体を制御する装置として、例えば、ディスク制御装置が知られている。ディスク制御装置には、一般的にデータを高密度で記憶するため、ディスク状記録媒体の外周側のセクタ数をディスク内部側のセクタ数より多くして記録密度の均一化を図る定記録密度方式(Constant Density Recording)が採用されている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、複数のディスク状記録媒体を管理するボリューム管理装置が開示されている。具体的には、そのボリューム管理装置は、異なるディスク状記録媒体ごとのアクセス性能の違いに起因する非効率性を低減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したディスク制御装置は、定記録密度方式を採用しているため、ディスク状記録媒体の外周側と内周側とでデータ転送レートが異なる。その理由は、ディスク状記録媒体は角速度が一定になるように回転が制御されているため、ディスク状記録媒体の内周側よりも外周側の方が、データ転送レートが高くなるためである。
【0006】
言い換えれば、セクタ数の多い外周側は、回転待ち時間が短くなるので、ディスク状記録媒体へのアクセスに対するレイテンシが良くなる。一方、セクタ数の少ない内周側は、レイテンシが悪くなる。
【0007】
また、特許文献1に開示されているボリューム管理装置は、複数のディスク状記録媒体におけるアクセス性能の違いに起因する非効率性を低減するもので、単体のディスク状記録媒体を効率よく使用することに着目していない。
【0008】
本発明の目的の一例は、ディスク状記録媒体を効率よく使用する、ディスク状記録媒体管理装置、ディスク状記録媒体管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるディスク状記録媒体管理装置は、
ディスク状記録媒体をフォーマットする場合、前記ディスク状記録媒体の内周側ほど外周側より大きなサイズのセクタでフォーマットを実行する、フォーマット部と、
前記ディスク状記録媒体へのアクセスを制御する、制御部と、
を有することを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるディスク状記録媒体管理方法は、
(a)ディスク状記録媒体をフォーマットする場合、前記ディスク状記録媒体の内周側ほ
ど外周側より大きなサイズのセクタでフォーマットを実行する、ステップと、
(b)前記ディスク状記録媒体へのアクセスを制御する、ステップと、
を有することを特徴とする。
【0011】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、
コンピュータに、
(a)ディスク状記録媒体をフォーマットする場合、前記ディスク状記録媒体の内周側ほど外周側より大きなサイズのセクタでフォーマットを実行する、ステップと、
(b)前記ディスク状記録媒体へのアクセスを制御する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明によれば、ディスク状記録媒体を効率よく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、ディスク状記録媒体管理装置1の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、ディスク状記録媒体管理装置を有するシステムの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、フォーマットの説明をするための図である。
【
図4】
図4は、フォーマット要求情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、ディスク状記録媒体管理装置の動作の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、ディスク状記録媒体管理装置のフォーマットの動作の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、ディスク状記録媒体管理装置の書き込み動作の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、ディスク状記録媒体管理装置を実現するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について、
図1から
図8を参照しながら説明する。
【0015】
[装置構成]
最初に、
図1を用いて、本実施の形態におけるディスク状記録媒体管理装置1の構成について説明する。
図1は、ディスク状記録媒体管理装置1の一例を示す図である。
【0016】
図1に示すディスク状記録媒体管理装置1は、ディスク状記録媒体を効率よく使用するために用いられる装置である。また、
図1に示すように、ディスク状記録媒体管理装置1は、フォーマット部2と、制御部3とを有する。
【0017】
このうち、フォーマット部2は、ディスク状記録媒体をフォーマットする場合、ディスク状記録媒体の内周側ほど外周側より大きなサイズのセクタでフォーマットを実行する。制御部3は、ディスク状記録媒体へのアクセス(書き込み、読み出し)を制御する。
【0018】
このように、本実施の形態においては、ディスク状記録媒体の内周側を外周側より大きなサイズのセクタにし、データサイズに応じて内周側と外周側とを使い分けることで、ディスク状記録媒体を効率よく使用することができる。
[システム構成]
続いて、
図2を用いて、本実施の形態におけるディスク状記録媒体管理装置1の構成をより具体的に説明する。
図2は、ディスク状記録媒体管理装置を有するシステムの一例を示す図である。
【0019】
図2に示すように、本実施の形態におけるシステム20は、ディスク状記録媒体管理装置1に加えて、情報処理装置21、ディスク制御装置22を有する。ディスク制御装置22は、ディスク状記録媒体23を有する。
【0020】
システム20について説明する。
ディスク状記録媒体管理装置1は、ディスク制御装置22に対してデータの読み出し、書き込みなどのアクセスを行う装置である。具体的には、ディスク状記録媒体管理装置1は、ディスク制御装置22が有するディスク状記録媒体23に対するアクセスの内容を表す要求情報を情報処理装置21から受信する。その後、ディスク状記録媒体管理装置1は、ディスク制御装置22に対して、受信したアクセス要求の内容に従い、ディスク状記録媒体23へのデータ書き込み、又はディスク状記録媒体23からのデータの読み出しをさせる。
【0021】
情報処理装置21は、プロセッサ、メモリなどのハードウェアを有する装置である。具体的には、情報処理装置21は、パーソナルコンピュータ、サーバなどが考えられる。
【0022】
ディスク制御装置22は、ディスク状記録媒体23へのアクセスを制御する装置である。具体的には、ディスク制御装置22は、円盤状の磁気ディスク(ディスク状記録媒体)を回転させ、磁気ヘッドを用いてディスク状記録媒体23に対して、データの書き込み、又はデータの読み出しを行う。ディスク制御装置22は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などである。
【0023】
なお、
図2の例では、ディスク状記録媒体管理装置1、情報処理装置21、ディスク制御装置22は、それぞれを単体の装置としたが、二つ以上の装置を組み合わせた、一体型の装置としてもよい。
【0024】
ディスク状記録媒体管理装置1について具体的に説明する。
フォーマット部2は、ディスク状記録媒体23をフォーマットする場合、ディスク状記録媒体23の内周側23aの記憶領域を外周側23bの記憶領域より大きなサイズのセクタでフォーマットする。
【0025】
フォーマット部2について、
図3、
図4を用いて具体的に説明する。
図3は、フォーマットの説明をするための図である。
図4は、フォーマット要求情報のデータ構造の一例を示す図である。
【0026】
フォーマット部2は、まず、フォーマット要求情報41を情報処理装置21から取得する。続いて、フォーマット部2は、取得したフォーマット要求情報41に基づいて、
図3に示すように、ディスク状記録媒体23の内周側23aの記憶領域と、外周側23bの記憶領域とをフォーマットする。
【0027】
すなわち、フォーマット部2は、
図3に示すように、あらかじめ設定された内周側23aに対応する記憶領域をセクタサイズAでフォーマットする。また、フォーマット部2は、
図3に示すように、あらかじめ設定された外周側23bに対応する記憶領域をセクタサイズB(<セクタサイズA)でフォーマットする。
【0028】
図3の例では、セクタのサイズとして、セクタサイズAとセクタサイズBの二種類を用い、セクタサイズAは4k[byte]とし、セクタサイズBは512[byte]とする。
【0029】
また、
図4に示したフォーマット要求情報41は、ディスク状記録媒体23を
図3に示
したフォーマットを行う場合に用いる情報である。フォーマット要求情報41は、
図4に示すように、内周側23aの記憶領域のセクタから順にセクタのアドレス「0」「1」「2」「3」「4」……とセクタサイズを表す「A」とが関連付けられ、続いて外周側23bの記憶領域のセクタから順にセクタのアドレス「n」「n+1」「n+2」「n+3」「n+4」……とセクタサイズを表す「B」とが関連付けられている。なお、
図4において「n」は、すくなくとも5以上の整数である。
【0030】
なお、上述したセクタサイズA、B及び記憶領域の大きさは、例えば、レイテンシに応じて決定する。また、セクタサイズA、B及び記憶領域の大きさは、情報処理装置21が扱うデータの種類、ハードウェアの性能、ソフトウェアの性能、利用者の要望などにより決定される。
【0031】
なお、
図3、
図4の例では、セクタサイズA、Bを4k[byte]、512[byte]としたが、セクタサイズはこれらのサイズに限定されるものではない。例えば、二つ以上の異なるセクタサイズを用いて、フォーマットを実行してもよい。
【0032】
制御部3は、ディスク状記録媒体23にデータを書き込む場合、内周側23aのセクタには内周側23aのセクタサイズ以上のデータを書き込み、外周側23bのセクタには内周側23aのセクタサイズ未満のデータを書き込む。
【0033】
具体的には、制御部3は、書き込みをする場合、まず、情報処理装置21から、ディスク状記録媒体23にデータを書き込みするために用いる書き込み要求情報を取得する。続いて、制御部3は、取得した書き込み要求情報から、ディスク状記録媒体23に書き込みをするために用いるデータのサイズを取得し、取得したデータサイズに基づいて、当該データを書き込む記憶領域を選択する。
【0034】
続いて、制御部3は、選択した記憶領域のセクタにデータを書き込む。
図3の例では、フォーマットをしたディスク状記録媒体23にデータを書き込む際、制御部3は、情報処理装置21から取得したデータのサイズが4k[byte]以上である場合、ディスク制御装置22を制御して、内周側23aの記憶領域にデータを書き込ませる。また、制御部3は、取得したデータが512[byte]未満である場合、ディスク制御装置22を制御して、外周側23bの記憶領域にデータを書き込ませる。
【0035】
また、制御部3は、読み出しをする場合、まず、情報処理装置21から、ディスク状記録媒体23に記憶されているデータを読み出すために用いる読み出し要求情報を取得する。続いて、制御部3は、取得した読み出し要求情報から、ディスク状記録媒体23にデータのアドレスを取得し、取得したアドレスに基づいて、記憶領域からデータを読み出す。
【0036】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態におけるディスク状記録媒体管理装置の動作について
図5、
図6、
図7を用いて説明する。
図5は、ディスク状記録媒体管理装置の動作の一例を示す図である。
図6は、ディスク状記録媒体管理装置のフォーマットの動作の一例を示す図である。
図7は、ディスク状記録媒体管理装置の書き込み動作の一例を示す図である。
【0037】
なお、以下の説明においては、適宜
図2から
図4を参酌する。また、本実施の形態では、ディスク状記録媒体管理装置を動作させることによって、ディスク状記録媒体管理方法が実施される。よって、本実施の形態におけるディスク状記録媒体管理方法の説明は、以下のディスク状記録媒体管理装置の動作説明に代える。
【0038】
ディスク状記録媒体管理装置1は、
図5に示すように、ディスク制御装置22が有する
ディスク状記録媒体23に対してフォーマットを実行する(ステップA1)。すなわち、ディスク状記録媒体23にアクセスできるようにする。
【0039】
具体的には、ステップA1において、ディスク状記録媒体管理装置1が有するフォーマット部2は、ディスク状記録媒体23をフォーマットする場合、ディスク状記録媒体23の内周側23aの記憶領域に生成するセクタのサイズを、外周側23bの記憶領域に生成するセクタのサイズより大きくする。
【0040】
次に、ディスク状記録媒体管理装置1は、上述したフォーマットが終了した後、ディスク状記録媒体23へのアクセス(データの書き込み、呼び出し)をする場合、アクセスの制御をする(ステップA2)。
【0041】
具体的には、ステップA2において、ディスク状記録媒体管理装置1が有する制御部3は、情報処理装置21からディスク状記録媒体23への書き込み要求がある場合、内周側23aのセクタには内周側23aのセクタサイズ以上のデータを書き込み、外周側23bのセクタには内周側23aのセクタサイズ未満のデータの書き込みをする。
【0042】
ステップA1の動作について、
図6を用いて詳細に説明する。
図6に示すように、ステップB1において、フォーマット部2は、まず、情報処理装置21からフォーマット要求情報を取得する。
【0043】
続いて、ステップB2において、フォーマット部2は、取得したフォーマット要求情報に基づいて、アドレスとセクタサイズを取得する。例えば、フォーマット部2は、
図4に示すフォーマット要求情報41を取得し、フォーマット要求情報41からセクタのアドレスと、セクタサイズを取得する。
【0044】
続いて、ステップB3において、フォーマット部2は、取得したアドレスとセクタサイズとに基づいて、フォーマットを実行する。例えば、フォーマット部2は、ディスク状記録媒体23の内周側23aの記憶領域に生成されるセクタのサイズを、外周側23bの記憶領域に生成されるセクタより大きなサイズとする。
【0045】
図3の例では、フォーマット部2は、あらかじめ設定された内周側23aに対応する記憶領域をセクタサイズAでフォーマットする。また、フォーマット部2は、あらかじめ設定された外周側23bに対応する記憶領域をセクタサイズB(<セクタサイズA)でフォーマットする。なお、
図3の例では、セクタのサイズとして、セクタサイズAとセクタサイズBの二種類を用い、セクタサイズAを4k[byte]とし、セクタサイズBを512[byte]とする。
【0046】
また、上述したセクタサイズA、B及び記憶領域の大きさは、例えば、レイテンシに応じて決定する。すなわち、角速度が一定になるように回転が制御されているディスク状記録媒体23の内周側23aと外周側23bとで、データ転送レートが同じ又は近い値となるように決定する。
【0047】
また、セクタサイズA、B及び記憶領域の大きさは、情報処理装置21が扱うデータの種類、ハードウェアの性能、ソフトウェアの性能、利用者の要望などにより決定される。
【0048】
なお、
図3、
図4の例では、セクタサイズA、Bを4k[byte]、512[byte]としたが、セクタサイズはこれらのサイズに限定されるものではない。例えば、二つ以上の異なるセクタサイズを用いて、フォーマットを実行してもよい。
【0049】
ステップA2のデータを書き込み動作について、
図7を用いて詳細に説明する。
図7に示すように、ステップC1において、制御部3は、まず、情報処理装置21から、ディスク状記録媒体23にデータを書き込みするために用いる書き込み要求情報を取得する。
【0050】
続いて、ステップC2において、制御部3は、取得した書き込み要求情報から、ディスク状記録媒体23に書き込みするデータのサイズを取得する。そして、ステップC3において、制御部3は、取得したデータサイズに基づいて、ディスク状記録媒体23へデータを書き込む記憶領域を選択する。
【0051】
続いて、ステップC4において、制御部3は、選択した記憶領域のセクタにデータを書き込む(ステップC4)。
図3の例では、フォーマットをしたディスク状記録媒体23にデータを書き込む場合、制御部3は、取得したデータのサイズが4k[byte]以上である場合、ディスク制御装置22を制御して、内周側23aの記憶領域にデータを書き込ませる。また、制御部3は、取得したデータが512[byte]未満である場合、ディスク制御装置22を制御して、外周側23bの記憶領域にデータを書き込ませる。
【0052】
また、制御部3は、読み出しをする場合、まず、情報処理装置21から、ディスク状記録媒体23に記憶されているデータを読み出すために用いる読み出し要求情報を取得する。続いて、制御部3は、取得した読み出し要求情報から、ディスク状記録媒体23にデータのアドレスを取得し、取得したアドレスに基づいて、記憶領域からデータを読み出す。
【0053】
[本実施の形態の効果]
以上のように本実施の形態によれば、ディスク状記録媒体の内周側を外周側より大きなサイズのセクタにし、データサイズに応じて内周側と外周側とを使い分けることで、ディスク状記録媒体を効率よく使用することができる。
【0054】
また、本実施の形態によれば、内周側6aを外周側6bより大きなサイズのセクタにすることで、小さなデータをディスク状記録媒体に対するアクセスのレイテンシを保つことができる。
【0055】
また、大容量のデータに対するアクセスをする場合、小さなサイズのセクタを用いてデータを分割、フラグメント化しないように、ディスク状記録媒体の回転速度の遅い内周側23aの連続したセクタを使用することで、ディスク状記録媒体を効率的に使用できる。
【0056】
[プログラム]
本発明の実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、
図5に示すステップA1からA2、
図6に示すステップB1からB3、
図7に示すステップC1からC4を実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態におけるディスク状記録媒体管理装置とディスク状記録媒体管理方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、フォーマット部2、制御部3として機能し、処理を行なう。
【0057】
また、本実施の形態におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されてもよい。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、フォーマット部2、制御部3のいずれかとして機能してもよい。
【0058】
[物理構成]
ここで、実施の形態におけるプログラムを実行することによって、ディスク状記録媒体管理装置を実現するコンピュータについて
図8を用いて説明する。
図8は、本発明の実施
の形態におけるディスク状記録媒体管理装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0059】
図8に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。なお、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)を備えていてもよい。
【0060】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであってもよい。
【0061】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置があげられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0062】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0063】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)などの汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体があげられる。
【0064】
[付記]
以上の実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)から(付記12)により表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0065】
(付記1)
ディスク状記録媒体をフォーマットする場合、前記ディスク状記録媒体の内周側ほど外周側より大きなサイズのセクタでフォーマットを実行する、フォーマット部と、
前記ディスク状記録媒体へのアクセスを制御する、制御部と、
を有することを特徴とするディスク状記録媒体管理装置。
【0066】
(付記2)
付記1に記載のディスク状記録媒体管理装置であって、
前記フォーマット部は、前記セクタのアドレスと、前記セクタのアドレスに関連付けられたセクタサイズとを有する前記フォーマットを実行するために用いるフォーマット要求情報を取得し、取得した前記フォーマット要求情報に基づいて、前記ディスク状記録媒体
をフォーマットさせる
ことを特徴とするディスク状記録媒体管理装置。
【0067】
(付記3)
付記1又は2に記載のディスク状記録媒体管理装置であって、
前記フォーマット部は、複数の異なる大きさのセクタサイズで前記ディスク状記録媒体をフォーマットさせる
ことを特徴とするディスク状記録媒体管理装置。
【0068】
(付記4)
付記1から3のいずれか一つに記載のディスク状記録媒体管理装置であって、
前記制御部は、前記ディスク状記録媒体にデータを書き込む場合、前記内周側のセクタには前記内周側のセクタサイズ以上のデータを書き込み、前記外周側のセクタには前記内周側のセクタサイズ未満のデータを書き込む
ことを特徴とするディスク状記録媒体管理装置。
【0069】
(付記5)
(a)ディスク状記録媒体をフォーマットする場合、前記ディスク状記録媒体の内周側ほど外周側より大きなサイズのセクタでフォーマットを実行する、ステップと、
(b)前記ディスク状記録媒体へのアクセスを制御する、ステップと、
を有することを特徴とするディスク状記録媒体管理方法。
【0070】
(付記6)
付記5に記載のディスク状記録媒体管理方法であって、
前記(a)のステップにおいて、前記セクタのアドレスと、前記セクタのアドレスに関連付けられたセクタサイズとを有する前記フォーマットを実行するために用いるフォーマット要求情報を取得し、取得した前記フォーマット要求情報に基づいて、前記ディスク状記録媒体をフォーマットさせる
ことを特徴とするディスク状記録媒体管理方法。
【0071】
(付記7)
付記5又は6に記載のディスク状記録媒体管理方法であって、
前記(a)のステップにおいて、複数の異なる大きさのセクタサイズで前記ディスク状記録媒体をフォーマットさせる
ことを特徴とするディスク状記録媒体管理方法。
【0072】
(付記8)
付記5から7のいずれか一つに記載のディスク状記録媒体管理方法であって、
前記(b)のステップにおいて、前記ディスク状記録媒体にデータを書き込む場合、前記内周側のセクタには前記内周側のセクタサイズ以上のデータを書き込み、前記外周側のセクタには前記内周側のセクタサイズ未満のデータを書き込む
ことを特徴とするディスク状記録媒体管理方法。
【0073】
(付記9)
コンピュータに、
(a)ディスク状記録媒体をフォーマットする場合、前記ディスク状記録媒体の内周側ほど外周側より大きなサイズのセクタでフォーマットを実行する、ステップと、
(b)前記ディスク状記録媒体へのアクセスを制御する、ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【0074】
(付記10)
付記9に記載のプログラムであって、
前記(a)のステップにおいて、前記セクタのアドレスと、前記セクタのアドレスに関連付けられたセクタサイズとを有する前記フォーマットを実行するために用いるフォーマット要求情報を取得し、取得した前記フォーマット要求情報に基づいて、前記ディスク状記録媒体をフォーマットさせる
ことを特徴とするプログラム。
【0075】
(付記11)
付記9又は10に記載のプログラムであって、
前記(a)のステップにおいて、複数の異なる大きさのセクタサイズで前記ディスク状記録媒体をフォーマットさせる
ことを特徴とするプログラム。
【0076】
(付記12)
付記9から11のいずれか一つに記載のプログラムであって、
前記(b)のステップにおいて、前記ディスク状記録媒体にデータを書き込む場合、前記内周側のセクタには前記内周側のセクタサイズ以上のデータを書き込み、前記外周側のセクタには前記内周側のセクタサイズ未満のデータを書き込む
ことを特徴とするプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上のように本発明によれば、ディスク状記録媒体を効率よく使用することができる。本発明は、ディスク状記録媒体へのデータを記録することが必要な分野において有用である。
【符号の説明】
【0078】
1 ディスク状記録媒体管理装置
2 フォーマット部
3 制御部
20 システム
21 情報処理装置
22 ディスク制御装置
23 ディスク状記録媒体
23a 内周側
23b 外周側
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス