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特許7327781マッチング支援装置、マッチング支援方法、コンピュータプログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】マッチング支援装置、マッチング支援方法、コンピュータプログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230808BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019100019
(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公開番号】P2020194387
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】397077955
【氏名又は名称】株式会社三井住友銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】山本 賢治
(72)【発明者】
【氏名】伊勢本 祐介
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-171198(JP,A)
【文献】特開2017-078985(JP,A)
【文献】特開2010-113387(JP,A)
【文献】特開2017-027158(JP,A)
【文献】特開2002-024511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスを提供する複数の提供者のいずれかのサービスを受ける複数の享受者のうち2以上の享受者同士のマッチングを支援するマッチング支援装置であって、
前記複数の享受者各々を、各享受者がサービスを受ける提供者に紐づけて管理する管理手段と、
前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生する第1種案件に係る情報である第1種案件情報を格納する第1データベースと、前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生しない第2種案件に係る情報である第2種案件情報を格納する第2データベースとへのアクセスを、前記複数の提供者に対して許可するとともに、前記第2データベースへのアクセスを、前記複数の享受者に対して許可するアクセス制御手段と、
を備えることを特徴とするマッチング支援装置。
【請求項2】
前記管理手段は、前記マッチングのための交渉が開始された前記第1種案件である交渉中案件に係る情報である交渉中案件情報を、第3データベースに格納し、
前記管理手段は、前記交渉中案件情報に、対応する前記第1種案件情報に係る前記マッチングを希望する享受者である希望者を示す希望者情報と、前記希望者の交渉相手としての享受者である候補者を示す候補者情報との少なくとも一方を付与する
ことを特徴とする請求項1に記載のマッチング支援装置。
【請求項3】
前記アクセス制御手段は、前記希望者情報により示される希望者と、前記希望者に紐づけられた提供者と、前記候補者情報により示される候補者と、前記候補者に紐づけられた提供者とに対して、前記交渉中案件情報へのアクセスを許可することを特徴とする請求項2に記載のマッチング支援装置。
【請求項4】
前記交渉中案件について前記マッチングが成立したときに、前記希望者情報により示される希望者に紐づけられた提供者と、前記候補者情報により示される候補者に紐づけられた提供者とが異なることを条件に、各提供者の成功報酬を決定する分配手段を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のマッチング支援装置。
【請求項5】
サービスを提供する複数の提供者のいずれかのサービスを受ける複数の享受者のうち2以上の享受者同士のマッチングを支援するマッチング支援装置であって、
(i)前記複数の享受者各々を、各享受者がサービスを受ける提供者に紐づけて管理するとともに、(ii)前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生する案件であって、且つ、前記マッチングのための交渉が開始された案件である交渉中案件に係る情報である交渉中案件情報に、前記マッチングを希望する享受者である希望者を示す希望者情報と、前記希望者の交渉相手としての享受者である候補者を示す候補者情報とを付与する管理手段と、
前記交渉中案件について前記マッチングが成立したときに、前記希望者情報により示される希望者に紐づけられた提供者と、前記候補者情報により示される候補者に紐づけられた提供者とが異なることを条件に、各提供者の成功報酬を決定する分配手段と、
を備えることを特徴とするマッチング支援装置。
【請求項6】
サービスを提供する複数の提供者のいずれかのサービスを受ける複数の享受者のうち2以上の享受者同士のマッチングを支援するマッチング支援装置におけるマッチング支援方法であって、
前記マッチング支援装置が、前記複数の享受者各々を、各享受者がサービスを受ける提供者に紐づけて管理する管理工程と、
前記マッチング支援装置が、前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生する第1種案件に係る情報である第1種案件情報を格納する第1データベースと、前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生しない第2種案件に係る情報である第2種案件情報を格納する第2データベースとへのアクセスを、前記複数の提供者に対して許可するとともに、前記第2データベースへのアクセスを、前記複数の享受者に対して許可するアクセス制御工程と、
を含むことを特徴とするマッチング支援方法。
【請求項7】
コンピュータに、請求項6に記載のマッチング支援方法を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のコンピュータプログラムが記録された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッチング支援装置、マッチング支援方法、コンピュータプログラム及び記録媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、例えば、以下に示す企業間提携支援システムが提案されている。即ち、該システムは、企業間提携を希望する自己の顧客企業に係る複数の基本情報を含むデータベースを有する複数の末端仲介装置と、複数の提携希望企業に夫々対応する複数の相手先条件を含むデータベースを有する中央仲介装置とを備えて構成されている。複数の末端仲介装置各々は、中央仲介装置から複数の相手先条件を取得する。複数の末端仲介装置各々は、複数の基本情報の中に、少なくとも一つの相手先条件と一致するものがある場合に、条件一致のステータスを中央仲介装置に送信する。中央仲介装置は、複数の末端仲介装置のうち一の末端仲介装置のデータベースに含まれる第1の企業の基本情報と、複数の相手先条件のうち一の相手先条件とが一致し、且つ、複数の末端仲介装置のうち他の末端仲介装置のデータベースに含まれ、上記一の相手先条件を提示した第2の企業の基本情報と、上記第1の企業が提示した他の相手先条件とが一致した場合、一の末端仲介装置及び他の末端仲介装置各々に対して一致情報を送信する。つまり、企業間提携を希望する2つの企業双方の基本情報が互いに相手先条件と一致した場合にだけ、中央仲介装置から末端仲介装置へ一致情報が送信される(特許文献1参照)。その他関連する技術として、特許文献2及び3が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-79963号公報
【文献】特開2006-190099号公報
【文献】国際公開第2011/007721号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、相手先条件の設定によっては、提携候補企業が見つかりにくかったり、提携の交渉が開始された後にミスマッチが判明したりする可能性があるという技術的問題点がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、マッチングの機会を増やすことができるマッチング支援装置、マッチング支援方法、コンピュータプログラム及び記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のマッチング支援装置の一の態様は、サービスを提供する複数の提供者のいずれかのサービスを受ける複数の享受者のうち2以上の享受者同士のマッチングを支援するマッチング支援装置であって、前記複数の享受者各々を、各享受者がサービスを受ける提供者に紐づけて管理する管理手段と、前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生する第1種案件に係る情報である第1種案件情報を格納する第1データベースと、前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生しない第2種案件に係る情報である第2種案件情報を格納する第2データベースとへのアクセスを、前記複数の提供者に対して許可するとともに、前記第2データベースへのアクセスを、前記複数の享受者に対して許可するアクセス制御手段と、を備える。
【0007】
本発明のマッチング支援装置の他の態様は、サービスを提供する複数の提供者のいずれかのサービスを受ける複数の享受者のうち2以上の享受者同士のマッチングを支援するマッチング支援装置であって、(i)前記複数の享受者各々を、各享受者がサービスを受ける提供者に紐づけて管理するとともに、(ii)前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生する案件であって、且つ、前記マッチングのための交渉が開始された案件である交渉中案件に係る情報である交渉中案件情報に、前記マッチングを希望する享受者である希望者を示す希望者情報と、前記希望者の交渉相手としての享受者である候補者を示す候補者情報とを付与する管理手段と、前記交渉中案件情報に係る交渉中案件について前記マッチングが成立したときに、前記希望者情報により示される希望者に紐づけられた提供者と、前記候補者情報により示される候補者に紐づけられた提供者とが異なることを条件に、各提供者の成功報酬を決定する分配手段と、を備える。
【0008】
本発明のマッチング支援方法の一態様は、サービスを提供する複数の提供者のいずれかのサービスを受ける複数の享受者のうち2以上の享受者同士のマッチングを支援するマッチング支援装置におけるマッチング支援方法であって、前記マッチング支援装置が、前記複数の享受者各々を、各享受者がサービスを受ける提供者に紐づけて管理する管理工程と、前記マッチング支援装置が、前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生する第1種案件に係る情報である第1種案件情報を格納する第1データベースと、前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生しない第2種案件に係る情報である第2種案件情報を格納する第2データベースとへのアクセスを、前記複数の提供者に対して許可するとともに、前記第2データベースへのアクセスを、前記複数の享受者に対して許可するアクセス制御工程と、を含む。
【0009】
本発明のコンピュータプログラムの一の態様は、コンピュータに、上述したマッチング支援方法の一の態様を実行させる。
【0010】
本発明の記録媒体の一の態様は、上述したコンピュータプログラムの一の態様が記録された記録媒体である。
【発明の効果】
【0011】
上述したマッチング支援装置の一態様及び他の態様、並びに、マッチング支援方法、コンピュータプログラム及び記録媒体各々の一の態様によれば、マッチング機会を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係るマッチング支援システムの全体構成を示す構成図である。
図2】実施形態に係るクラウドサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るCPU内に実現される機能ブロックを示すブロック図である。
図4】実施形態に係るマッチング支援システムにおける認証処理を示すフローチャートである。
図5】実施形態に係るマッチング支援システムの構成概念を示す概念図である。
図6】実施形態に係るクラウドサーバにおけるアクセス制御処理を示すフローチャートである。
図7】実施形態に係るクラウドサーバにおける報酬請求分配処理を示すフローチャートである。
図8】実施形態の第1変形例に係るCPU内に実現される機能ブロックを示すブロック図である。
図9】実施形態の第2変形例に係るCPU内に実現される機能ブロックを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
マッチング支援装置、マッチング支援方法、コンピュータプログラム及び記録媒体に係る実施形態を図面に基づいて説明する。以下では、企業間提携を支援するマッチング支援システム1を用いて、マッチング支援装置、マッチング支援方法、コンピュータプログラム及び記録媒体に係る実施形態を説明する。尚、マッチング支援システム1におけるクラウドサーバ10が、「マッチング支援装置」の一例に相当する。
【0014】
(全体構成)
実施形態に係るマッチング支援システムの全体構成について図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係るマッチング支援システムの全体構成を示す構成図である。
【0015】
図1において、マッチング支援システム1は、プラットフォーマが提供するクラウドサーバ10と、仲介事業者Aが保有する認証サーバ31、端末装置32及び顧客データベース33と、仲介事業者Bが保有する認証サーバ41、端末装置42及び顧客データベース43と、仲介事業者Cが保有する認証サーバ51、端末装置52及び顧客データベース53と、仲介事業者A、B又はCの顧客企業である複数の企業(団体含む)各々が保有する端末装置201~209と、を備えて構成されている。クラウドサーバ10、認証サーバ31、41及び51、並びに、端末装置32、42、52及び201~209は、例えばインターネット等の広域通信網20を介して、接続されている。尚、「データベース」を、以降、適宜“DB”と表記する。また、仲介事業者の数は任意の数であってもよい。企業に保有される端末装置の数(即ち、顧客企業である複数の企業の数)もまた任意の数であってもよい。
【0016】
顧客DB33には、仲介事業者Aの顧客企業である複数の企業各々に係る顧客情報が格納されている。顧客情報には、少なくとも(i)顧客企業を特定するための識別情報、及び、(ii)顧客企業が広域通信網20を介して仲介事業者Aにアクセスするための認証情報が含まれている。同様に、顧客DB43には、仲介事業者Bの顧客企業である複数の企業各々に係る顧客情報が格納されている。顧客DB53には、仲介事業者Cの顧客企業である複数の企業各々に係る顧客情報が格納されている。認証サーバ31、41及び51、並びに、端末装置32、42、52及び201~209には、既存の各種態様を適用可能であるので、その説明を省略する。
【0017】
ここで、仲介事業者A、B及びCは、夫々の顧客企業に対して、企業間提携の仲介又は斡旋に係るサービスを提供する。このような仲介事業者A、B及びCの一例としては、金融機関が挙げられる。当該マッチング支援システム1は、仲介事業者A、B及びC、更には、該仲介事業者A、B又はCの顧客企業である複数の企業が、クラウドサーバ10を介して、企業間提携に係る情報を共有可能に構成されている。
【0018】
(クラウドサーバ)
クラウドサーバ10について図2を参照して説明を加える。図2は、実施形態に係るクラウドサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0019】
図2において、クラウドサーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16を備えている。CPU11、RAM12、ROM13、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16は、データバス17を介して相互に接続されている。
【0020】
CPU11は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、CPU11は、RAM12、ROM13及び記憶装置14のうちの少なくとも一つが記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、CPU11は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。CPU11は、ネットワークインタフェースを介して、クラウドサーバ10の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、読み込んでもよい)。CPU11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行することで、RAM12、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16を制御する。当該実施形態では特に、CPU11が読み込んだコンピュータプログラムを実行すると、CPU11内には、企業間提携の支援を行うための論理的な機能ブロックが実現される。つまり、CPU11は、企業間提携の支援を行うためのコントローラとして機能可能である。尚、CPU11内で実現される機能ブロックの構成については、後に図3を参照しながら詳述する。
【0021】
RAM12は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶する。RAM12は、CPU11がコンピュータプログラムを実行している際にCPU11が一時的に使用するデータを一時的に記憶する。RAM12は、例えば、D-RAM(Dynamic RAM)であってもよい。
【0022】
ROM13は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを記憶する。ROM13は、その他に固定的なデータを記憶していてもよい。ROM13は、例えば、P-ROM(Programmable ROM)であってもよい。
【0023】
記憶装置14は、クラウドサーバ10が長期的に保存するデータを記憶する。記憶装置14は、CPU11の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置14は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0024】
入力装置15は、クラウドサーバ10の管理者からの入力指示を受け取る装置である。入力装置15は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0025】
出力装置16は、クラウドサーバ10に関する情報を外部に対して出力する装置である。例えば、出力装置16は、クラウドサーバ10に関する情報を表示可能な表示装置であってもよい。
【0026】
(機能ブロック及びその動作)
次に、CPU11内で実現される機能ブロックの構成について図3を参照して説明する。図3は、実施形態に係るCPU内に実現される機能ブロックを示すブロック図である。
【0027】
図3に示すように、CPU11内には、企業間提携を支援するための論理的な機能ブロックとして、認証部111、識別部112、アクセス管理部113、情報管理部114、交渉支援部115及び報酬請求分配部116が実現される。
【0028】
認証部111は、当該クラウドサーバ10のユーザの認証処理を行う。ここで、該認証処理について図4を参照して具体的に説明する。図4は、実施形態に係るマッチング支援システムにおける認証処理を示すフローチャートである。尚、図4における「ユーザ」は、仲介事業者(ここでは、仲介事業者A、B及びC)であってもよいし、企業(ここでは、仲介事業者A、B及びCのいずれかの顧客企業)であってもよい。
【0029】
図4において、先ず、ユーザが、端末装置32、42、52及び201~209のいずれかを介して、クラウドサーバ10にアクセスすると(ステップS101)、クラウドサーバ10の認証部111は、所定の仲介事業者選択画面を表示する(ステップS102)。
【0030】
ユーザにより一の仲介事業者(ここでは、仲介事業者A、B又はC)が選択されると、認証部111は、該選択された一の仲介事業者の認証サーバ(ここでは、認証サーバ31、41又は51)にリダイレクトする(ステップS103)。該認証サーバは、ユーザが利用している端末装置に認証画面を表示する(ステップS104)。
【0031】
ユーザが利用している端末装置から認証サーバへ認証情報が送信されると(ステップS105)、該認証サーバは、例えば顧客DB(ここでは、顧客DB33、43又は53)に格納されている顧客情報を参照して、認証が成功したか否かを判定する(ステップS106)。ステップS106の処理において、認証が成功しない(即ち、失敗した)と判定された場合(ステップS106:No)、当該認証処理は終了される。このとき、認証サーバは、例えば「識別情報又はパスワードが違います」等の認証が失敗したことを示すメッセージを表示してよい。
【0032】
ステップS106の処理において認証が成功したと判定された場合(ステップS106:Yes)、認証サーバは、クラウドサーバ10に対して、例えばCookie等の認証した証を発行する(ステップS107)。その後、クラウドサーバ10は、ユーザが利用している端末装置に、クラウドサーバ10へのログインが成功したことを示す所定の画面を表示する(ステップS108)。
【0033】
このように、クラウドサーバ10では仲介事業者の認証サーバを用いてユーザの認証処理が行われるので、クラウドサーバ10のユーザは、必ず、仲介事業者に紐づけられることとなる。
【0034】
上述したように、クラウドサーバ10のユーザは仲介事業者に紐づけられているので、クラウドサーバ10は、ユーザを階層的に管理することができる。具体的には、クラウドサーバ10は、例えば図5に示すように、仲介事業者に係る階層よりも下位に顧客企業に係る階層が位置するような階層構造でユーザを管理してよい。
【0035】
図3に戻り、識別部112は、当該クラウドサーバ10にログインしたユーザを、ユーザDB144に格納されているユーザ情報を参照して識別する。ユーザDB144に格納されているユーザ情報は、典型的には、当該クラウドサーバ10への初回ログイン時に生成される。ユーザ情報には、例えばユーザを識別するためのユーザID、該ユーザに紐づけられている仲介事業者を識別するための仲介事業者ID、連絡先等が含まれている。
【0036】
アクセス管理部113は、ユーザによる、有料DB141、無料DB142及び商談DB143へのアクセスの許可/不許可を決定する(即ち、アクセス制御を行う)。
【0037】
有料DB141には、企業間提携が成立した場合に成功報酬が発生する案件に係る情報(以降、適宜“有料案件情報”と称する)が格納されている。無料DB142には、成功報酬が発生しない案件に係る情報(以降、適宜“無料案件情報”と称する)が格納されている。商談DB143には、有料案件情報により示される案件のうち、提携先候補との交渉が開始された案件に係る情報(以降、適宜“交渉中有料案件情報”と称する)が格納されている。商談DB143には更に、無料案件情報により示される案件のうち、提携先候補との交渉が開始された案件に係る情報(以降、適宜“交渉中無料案件情報”)も格納されている。
【0038】
有料案件情報及び無料案件情報は、企業間提携を希望するユーザとしての企業により登録される。尚、有料案件情報及び無料案件情報は、企業からの依頼を受けた仲介事業者により登録されてもよい。有料案件情報及び無料案件情報各々には、例えば、企業間提携を希望するユーザとしての企業に係る情報(例えば企業名、業務内容、資本情報、担当者名、担当者連絡先、紐づけられている仲介事業者等)、提携先に望む条件に係る情報(例えば企業規模、業務内容等)、提携により解決したい課題(即ち、ニーズ)等が含まれている。
【0039】
有料案件情報により示される案件については、仲介事業者が提携先候補を探して、企業間提携を希望する企業に紹介する(即ち、仲介事業者が提携先候補を仲介又は斡旋する)。それ故、企業間提携が成立した場合には成功報酬が発生する。つまり、企業間提携を希望する企業は、仲介事業者による提携先候補の仲介又は斡旋を希望する案件を、有料案件情報として登録する。従って、有料案件情報が格納されている有料DB141には、仲介事業者としてのユーザだけがアクセス可能であればよい。
【0040】
無料案件情報により示される案件については、主に、企業間提携を希望する企業自身が、無料DB142に格納されている他の無料案件情報を参照して提携先候補を探す。つまり、企業間提携を希望する企業は、自身で提携先候補を探す案件を、無料案件情報として登録する。尚、クラウドサーバ10のユーザのうち、一の無料案件情報を登録していないユーザとしての企業が、該一の無料案件情報を参照して、提携先候補に立候補してもよい。また、仲介事業者が、有料案件情報に係る提携先候補を探す際に、無料DB142に格納されている無料案件情報を参照してもよい。従って、無料案件情報が格納されている無料DB142には、当該クラウドサーバ10にログインした全てのユーザがアクセス可能であることが好ましい。
【0041】
商談DB143には、交渉中有料案件情報又は交渉中無料案件情報により示される案件の当事者としてのユーザだけがアクセス可能である。該当事者は、企業間提携を希望するユーザ(即ち、有料案件情報又は無料案件情報を登録したユーザ)、該ユーザに紐づけられている仲介事業者、提携先候補、及び、該提携先候補に紐づけられている仲介事業者である。上記当事者としてのユーザに係るユーザ情報には、交渉中有料案件情報又は交渉中無料案件情報が存在することを示す情報(例えばフラグ)が付与されてよい。
【0042】
さて、アクセス管理部113によるアクセス制御処理について、図6のフローチャートを参照して具体的に説明する。
【0043】
図6において、アクセス管理部113は、識別部112によるユーザの識別結果を参照して、該ユーザに係る識別情報をユーザDB144から取得する(ステップS201)。次に、アクセス管理部113は、上記取得された識別情報に基づいて、ユーザが仲介事業者であるか否かを判定する(ステップS202)。
【0044】
ステップS202の処理において、ユーザが仲介事業者であると判定された場合(ステップS202:Yes)、アクセス管理部113は、有料DB141、無料DB142及び商談DB143へのアクセスを許可する(ステップS204)。尚、商談DB143へのアクセスが許可されても、仲介事業者は、該商談DB143に格納されている全ての交渉中有料案件情報及び交渉中無料案件情報を閲覧することはできず、ユーザが関係する交渉中有料案件情報(又は交渉中無料案件情報)だけが閲覧可能である。
【0045】
ステップS202の処理において、ユーザが仲介事業者ではないと判定された場合(ステップS202:No)、アクセス管理部113は、上記取得された識別情報に基づいて、ユーザが関係する交渉中有料案件情報又は交渉中無料案件があるか否か(言い換えれば、ユーザが交渉中有料案件情報又は交渉中無料案件により示される案件の当事者であるか否か)を判定する(ステップS203)。
【0046】
ステップ203の処理において、ユーザが関係する交渉中有料案件情報又は交渉中無料案件があると判定された場合(ステップS203:Yes)、アクセス管理部113は、無料DB142及び商談DB143へのアクセスを許可する(ステップS205)。他方、ステップS203の処理において、ユーザが関係する交渉中有料案件情報及び交渉中無料案件がないと判定された場合(ステップS203:No)、アクセス管理部113は、無料DB142だけへのアクセスを許可する(ステップS206)。
【0047】
図3に戻り、情報管理部114は、有料DB141、無料DB142、商談DB143及びユーザDB144各々に格納されている情報を管理する(例えば、情報の登録、更新、削除等を行う)。情報管理部114は、具体的には、有料案件情報又は無料案件情報により示される案件で提携先候補との交渉が開始された場合、提携先候補との交渉が開始された案件である交渉中案件に係る交渉中有料案件情報又は交渉中無料案件情報を商談DB143に格納する。このとき、情報管理部114は、交渉中有料案件情報又は無料案件情報に、企業間提携を希望するユーザ(即ち、有料案件情報又は無料案件情報を登録したユーザ)である希望者、該希望者に紐づけられている仲介事業者、提携先候補、及び、該提携先候補に紐づけられている仲介事業者各々を示す情報(例えばタグ)を付与する。
【0048】
情報管理部114は、商談DB143に格納されている交渉中有料案件情報又は無料案件情報により示される案件で企業間提携が成立した場合、企業間提携が成立したことを示す情報(例えばフラグ)を交渉中有料案件情報及び/又は対応する有料案件情報、或いは、交渉中無料案件情報及び/又は対応する無料案件情報に付与する。尚、企業間提携が成立したことは、案件の当事者による入力(例えば、提携成立を示すボタンがクリックされたこと等)から検出すればよい。
【0049】
交渉支援部115は、当該クラウドサーバ10にログインしたユーザに、例えばメール機能、チャット機能、スケジュール機能等の、提携先候補との連絡及び交渉に役立つツールを提供する。
【0050】
報酬請求分配部116は、交渉中有料案件情報(又は、該交渉中有料案件情報に対応する有料案件情報)により示される案件のうち企業間提携が成立した案件について、成功報酬の請求処理及び分配処理を行う。当該マッチング支援システム1では、有料案件情報を登録したユーザとしての企業(即ち、企業間提携を希望する企業)が成功報酬を支払い、企業間提携に関わった仲介事業者が成功報酬を受け取る(このとき、複数の仲介事業者が企業間提携に関わった場合は、該複数の仲介事業者で成功報酬を分配する)。
【0051】
成功報酬の分配について図5を参照して具体的に説明する。例えば、企業A1が有料案件情報を登録して、仲介事業者Aの斡旋により、企業A3との企業間提携が成立した場合、該企業間提携に関わった仲介事業者は、仲介事業者Aだけなので、該仲介事業者Aが、企業A1が支払った成功報酬を全額受け取る。
【0052】
例えば、企業A1が有料案件情報を登録して、仲介事業者Bの斡旋により、企業B2との企業間提携が成立した場合、該企業間提携に関わった仲介事業者は、仲介事業者A及びBなので、該仲介事業者A及びB各々が、企業A1が支払った成功報酬の50%を受け取る。
【0053】
例えば、企業A1が有料案件情報を登録して、仲介事業者Bの斡旋により、企業B2及び企業C3との企業間提携が成立した場合、該企業間提携に関わった仲介事業者は、仲介事業者A、B及びCなので、該仲介事業者A、B及びC各々が、企業A1が支払った成功報酬の約33.3%を受け取る。
【0054】
つまり、各仲介事業者は、成功報酬の“100/(企業間提携に関わった仲介事業者の数)”%を受け取る。
【0055】
報酬請求分配部116による請求処理及び分配処理について、図7のフローチャートを参照して具体的に説明する。
【0056】
図7において、報酬請求分配部116は、新たに企業間提携が成立した案件があるか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301の処理において、新たに企業間提携が成立した案件がないと判定された場合(ステップS301:No)、当該処理は終了される。その後、所定期間(例えば数十ミリ秒から数秒等)が経過した後に、再度ステップS301の処理が行われる。つまり、報酬請求分配部116は、新たに企業間提携が成立した案件が現れるまで待機状態になる。
【0057】
ステップS301の処理において、新たに企業間提携が成立した案件があると判定された場合(ステップS301:Yes)、報酬請求分配部116は、新たに企業間提携が成立した案件の当事者(即ち、企業間提携を希望するユーザ、該ユーザに紐づけられている仲介事業者、提携先、及び、該提携先に紐づけられている仲介事業者)に係る識別情報を取得する(ステップS302)。
【0058】
次に、報酬請求分配部116は、上記取得された識別情報に基づいて、企業間提携を希望するユーザを特定して、成功報酬請求情報(例えば請求書に係る情報)を生成する(ステップS303)。該生成された成功報酬請求情報に基づく請求書は、企業間提携を希望するユーザに自動的に送付されてよい。
【0059】
ステップS303の処理と並行して、報酬請求分配部116は、上記取得された識別情報に基づいて、企業間提携に関わった仲介事業者を特定する(ステップS304)。続いて、報酬請求分配部116は、ステップS304の処理において特定された仲介事業者が複数であるか否かを判定する(ステップS305)。
【0060】
ステップS305の処理において、特定された仲介事業者が複数であると判定された場合(ステップS305:Yes)、報酬請求分配部116は、成功報酬の分配率(上述した“100/(企業間提携に関わった仲介事業者の数)”%)を決定する(ステップS306)。該決定された成功報酬の分配率を示す情報は、企業間提携に関わった仲介事業者に自動的に送付されてよい。
【0061】
ステップS305の処理において、特定された仲介事業者が複数ではないと判定された場合(ステップS305:No)、当該処理は終了される。この場合、ステップS304の処理において特定された単独の仲介事業者に、成功報酬に係る情報が自動的に送付されてよい。
【0062】
尚、当該マッチング支援システム1では、企業間提携を希望する企業は、プラットフォーマに対して所定の成功報酬を支払う。そして、企業間提携に関わった仲介事業者は、プラットフォーマから分配率に応じた成功報酬を受け取る。
【0063】
実施形態に係る「アクセス管理部113」、「情報管理部114」及び「報酬請求分配部116」は、夫々、後述する付記における「アクセス制御手段」、「管理手段」及び「分配手段」の一例に相当する。実施形態に係る「有料案件情報」、「無料案件情報」、「有料DB141」、「無料DB142」及び「商談DB143」は、夫々、後述する付記における「第1種案件情報」、「第2種案件情報」、「第1データベース」、「第2データベース」及び「第3データベース」の一例に相当する。実施形態に係る「仲介事業者」及び「企業(団体含む)」は、夫々、後述する付記における「提供者」及び「享受者」の一例に相当する。
【0064】
(技術的効果)
企業間提携を希望する企業から提携先候補の斡旋を依頼された仲介事業者は、該仲介事業者が抱えている顧客企業のうちから提携先候補を探すことが多い。仮に仲介事業者が地方銀行である場合、抱えている顧客企業が比較的少ない又は該顧客企業の規模が比較的小さいことが多い。すると、提携先候補が見つかりにくく、結果として、企業間提携の機会を逃してしまうおそれがある。
【0065】
しかるに当該マッチング支援システム1では、有料DB141に登録された有料案件情報を、当該当該マッチング支援システム1に参加している全ての仲介事業者が参照することができる。そして、有料案件情報により示される案件には企業間提携が成立したときの成功報酬があるので、仲介事業者が、自身が抱えている顧客企業から提携先候補を積極的に探すことが期待できる。企業間提携を希望する企業の視点から見れば、当該マッチング支援システム1を利用することにより、複数の仲介事業者に同時に提携先候補の斡旋を依頼することができる。
【0066】
また、当該マッチング支援システム1では、無料DB142に登録された無料案件情報については、仲介事業者だけでなく、クラウドサーバ10のユーザとしての企業(即ち、仲介事業者の顧客企業)も参照することができる。このため、企業間提携を積極的に希望していない(即ち、有料案件情報も無料案件情報も登録していない)企業であっても、無料案件情報を参照することにより、提携先候補として立候補しようという企業が現れる可能性がある。しかも当該マッチング支援システム1では、交渉支援部115によりチャット機能等が提供されるので、比較的容易にして、無料案件情報を登録した企業に連絡をすることができる。
【0067】
従って、当該マッチング支援システム1によれば、マッチングの機会を増やすことができる。これらの技術的効果は、少なくとも、アクセス管理部113が、有料DB141へのアクセスを仲介事業者に限る一方、無料DB142へのアクセスをクラウドサーバ10の全てのユーザに許可するという構成により奏される。
【0068】
上述したように、クラウドサーバ10へログインしようとするユーザに対して、仲介事業者の認証サーバを用いた認識処理が行われる。顧客企業に当該マッチング支援システム1の利用を許可するに際し、各仲介事業者は、顧客企業について、例えば信用調査に基づく審査等の何らかの審査を行うことが期待できる。このため、無料DB142へのアクセスをクラウドサーバ10の全てのユーザに許可しても(言い換えれば、クラウドサーバ10の全てのユーザに無料DB142を開放しても)、無料案件情報を登録した企業が何らかの損害を被ることを好適に抑制することができる。
【0069】
当該マッチング支援システム1では、有料案件情報により示される案件について企業間提携が成立した場合、報酬請求分配部116により、該有料案件情報を登録したユーザ(即ち、企業間提携を希望する企業)に対する成功報酬請求情報が生成される。該成功報酬請求情報は、典型的には、プラットフォーマの名義で生成されるので、企業間提携が成立した有料案件情報を登録したユーザは、典型的には、プラットフォーマに対して成功報酬を支払うこととなる。
【0070】
また、有料案件情報により示される案件について企業間提携が成立した場合、報酬請求分配部116により、企業間提携に関わった仲介事業者に対する成功報酬の分配率が決定される。そして、仲介事業者には、プラットフォーマから上記決定された分配率に応じた成功報酬が支払われる。
【0071】
このように、当該マッチング支援システム1では、報酬請求分配部116(即ち、プラットフォーマ)が、成功報酬の請求及び分配を一元管理している。当該マッチング支援システム1では特に、成功報酬の分配率は等分である。このため、当該マッチング支援システム1によれば、成功報酬をめぐる争いを好適に抑制することができる。
【0072】
<第1変形例>
図8に示すように、クラウドサーバ10のCPU11内には、アクセス管理部113及び情報管理部114が実現される一方で、アクセス管理部113及び情報管理部114以外の機能ブロックが実現されなくてもよい。この場合であっても、図6に示すアクセス制御処理が行われれば、有料DB141へのアクセスが仲介事業者に限られる一方、無料DB142へのアクセスがクラウドサーバ10の全てのユーザに対して許可される。従って、マッチングの機会を増やすことができる。
【0073】
尚、認証部111、識別部112、交渉支援部115及び報酬請求分配部116は、例えばクラウドサーバ10のCPU11とは異なる他のCPU内に実現されてもよいし、例えばクラウドサーバ10をマスタマシンとするスレーブマシンのCPU内に実現されてもよい。
【0074】
<第2変形例>
図9に示すように、クラウドサーバ10のCPU11内には、情報管理部114及び報酬請求分配部116が実現される一方で、情報管理部114及び報酬請求分配部116以外の機能ブロックが実現されなくてもよい。この場合であっても、図7に示す請求処理及び分配処理が行われれば、報酬請求分配部116が、成功報酬の請求及び分配を一元管理する。従って、成功報酬をめぐる争いを好適に抑制することができる。
【0075】
尚、認証部111、識別部112、アクセス管理部113及び交渉支援部115は、例えばクラウドサーバ10のCPU11とは異なる他のCPU内に実現されてもよいし、例えばクラウドサーバ10をマスタマシンとするスレーブマシンのCPU内に実現されてもよい。
【0076】
当該マッチング支援システム1は、上述した企業間提携に限らず、例えば、人材斡旋(就職、転職、人材派遣等)、宿泊斡旋、車両斡旋(タクシー配車、カーシェアリング、ライドシェア等)、不動産仲介、電子商取引(特に希少品)、等にも適用可能である。
【0077】
<付記>
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
【0078】
(付記1)
付記1に記載のマッチング支援装置は、サービスを提供する複数の提供者のいずれかのサービスを受ける複数の享受者のうち2以上の享受者同士のマッチングを支援するマッチング支援装置であって、前記複数の享受者各々を、各享受者がサービスを受ける提供者に紐づけて管理する管理手段と、前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生する第1種案件に係る情報である第1種案件情報を格納する第1データベースと、前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生しない第2種案件に係る情報である第2種案件情報を格納する第2データベースとへのアクセスを、前記複数の提供者に対して許可するとともに、前記第2データベースへのアクセスを、前記複数の享受者に対して許可するアクセス制御手段と、を備えることを特徴とするマッチング支援装置である。
【0079】
(付記2)
付記2に記載のマッチング支援装置は、前記管理手段は、前記マッチングのための交渉が開始された前記第1種案件である交渉中案件に係る情報である交渉中案件情報を、第3データベースに格納し、前記管理手段は、前記交渉中案件情報に、対応する前記第1種案件情報に係る前記マッチングを希望する享受者である希望者を示す希望者情報と、前記希望者の交渉相手としての享受者である候補者を示す候補者情報との少なくとも一方を付与することを特徴とする付記1に記載のマッチング支援装置である。
【0080】
(付記3)
付記3に記載のマッチング支援装置は、前記アクセス制御手段は、前記希望者情報により示される希望者と、前記希望者に紐づけられた提供者と、前記候補者情報により示される候補者と、前記候補者に紐づけられた提供者とに対して、前記交渉中案件情報へのアクセスを許可することを特徴とする付記2に記載のマッチング支援装置である。
【0081】
(付記4)
付記4に記載のマッチング支援装置は、前記交渉中案件について前記マッチングが成立したときに、前記希望者情報により示される希望者に紐づけられた提供者と、前記候補者情報により示される候補者に紐づけられた提供者とが異なることを条件に、各提供者の成功報酬を決定する分配手段を備えることを特徴とする付記2又は3に記載のマッチング支援装置である。
【0082】
(付記5)
付記5に記載のマッチング支援装置は、サービスを提供する複数の提供者のいずれかのサービスを受ける複数の享受者のうち2以上の享受者同士のマッチングを支援するマッチング支援装置であって、(i)前記複数の享受者各々を、各享受者がサービスを受ける提供者に紐づけて管理するとともに、(ii)前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生する案件であって、且つ、前記マッチングのための交渉が開始された案件である交渉中案件に係る情報である交渉中案件情報に、前記マッチングを希望する享受者である希望者を示す希望者情報と、前記希望者の交渉相手としての享受者である候補者を示す候補者情報とを付与する管理手段と、前記交渉中案件情報に係る交渉中案件について前記マッチングが成立したときに、前記希望者情報により示される希望者に紐づけられた提供者と、前記候補者情報により示される候補者に紐づけられた提供者とが異なることを条件に、各提供者の成功報酬を決定する分配手段と、を備えることを特徴とするマッチング支援装置である。
【0083】
(付記6)
付記6に記載のマッチング支援方法は、サービスを提供する複数の提供者のいずれかのサービスを受ける複数の享受者のうち2以上の享受者同士のマッチングを支援するマッチング支援方法であって、前記複数の享受者各々を、各享受者がサービスを受ける提供者に紐づけて管理する管理工程と、前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生する第1種案件に係る情報である第1種案件情報を格納する第1データベースと、前記マッチングが成立したときに成功報酬が発生しない第2種案件に係る情報である第2種案件情報を格納する第2データベースとへのアクセスを、前記複数の提供者に対して許可するとともに、前記第2データベースへのアクセスを、前記複数の享受者に対して許可するアクセス制御工程と、を含むことを特徴とするマッチング支援方法である。
【0084】
(付記7)
付記7に記載のコンピュータプログラムは、コンピュータに、付記6に記載のマッチング支援方法を実行させるコンピュータプログラムである。
【0085】
(付記8)
付記8に記載の記録媒体は、付記7に記載のコンピュータプログラムが記録された記録媒体である。
【0086】
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うマッチング支援装置、マッチング支援方法、コンピュータプログラム及び記録媒体
もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
1…マッチング支援システム、10…クラウドサーバ、31、41、51…認証サーバ、33、43、53…顧客DB、111…認証部、112…識別部、113…アクセス管理部、114…情報管理部、115…交渉支援部、116…報酬請求分配部、141…有料DB、142…無料DB、143…商談DB、144…ユーザDB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9