(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】水槽用ファン装置
(51)【国際特許分類】
A01G 9/02 20180101AFI20230808BHJP
A01K 63/00 20170101ALI20230808BHJP
【FI】
A01G9/02 D
A01K63/00 B
(21)【出願番号】P 2020011769
(22)【出願日】2020-01-28
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】593069130
【氏名又は名称】株式会社アクアデザインアマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】天野 しのぶ
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-004821(JP,A)
【文献】特開2001-028966(JP,A)
【文献】特開2004-143983(JP,A)
【文献】実公昭49-005386(JP,Y1)
【文献】特開平05-126373(JP,A)
【文献】実開昭62-195028(JP,U)
【文献】特開2015-012841(JP,A)
【文献】特開2018-050585(JP,A)
【文献】特開2005-080589(JP,A)
【文献】特開2011-231989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00 - 9/08
A01K 63/00 - 63/10
A01G 31/00 - 31/06
F24F 7/04 - 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽の周壁部にして水面より上方に設けられた貫通孔に取り付けられる取付本体と、この取付本体に設けられ前記貫通孔から前記水槽内外の空気を通過せしめる回転翼体とを備えた水槽用ファン装置であって、前記取付本体は、前記回転翼体が設けられる第一部材と、この第一部材と分離自在に連結される第二部材とで構成され、前記第一部材及び前記第二部材の少なくとも一方若しくは双方には前記貫通孔に挿通される挿通部が設けられ、前記第一部材と前記第二部材とは前記周壁部を挟持する状態で連結される構成であり、前記第一部材及び前記第二部材における前記周壁部の内外取付け位置を変えることで前記回転翼体の送風方向が切り換え可能に構成されていることを特徴とする水槽用ファン装置。
【請求項2】
請求項1記載の水槽用ファン装置において、前記第一部材は前記回転翼体が収納される筒状体であり、この第一部材には排液孔が貫通状態に設けられていることを特徴とする水槽用ファン装置。
【請求項3】
請求項2記載の水槽用ファン装置において、前記第一部材には前記回転翼体を回転せしめる電動駆動源が収納され、この電動駆動源から延設された電気コードを挿通せしめる挿通孔部が前記第一部材に設けられていることを特徴とする水槽用ファン装置。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項に記載の水槽用ファン装置において、前記水槽は、周壁部,天壁部及び底壁部を有する直方体形状であり、この水槽内に霧を発生させる霧発生部を備えていることを特徴とする水槽用ファン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水槽用ファン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、例えば植物を観賞するための装置として、特願2019-86905号に開示される観賞装置(以下、従来例)を提案している。
【0003】
この従来例は、六面がガラス板で覆われた立方体形状の水槽内に観賞用の植物を配設する植物配設部と、この植物配設部に霧を導出させる霧発生導出部とを備えたものであり、例えば植物として陸上植物(熱帯植物)を採用した場合、その植物が生育する自然の雰囲気、即ち、熱帯雨林のような霧のかかった多湿な雰囲気を演出することができ、しかも、その植物の育成に適した量の水分を与えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、前述したような水槽内の植物育成環境を良好にすべく、更なる開発を進めた結果、極めて商品価値の高い水槽用ファン装置を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
水槽50の周壁部51にして水面より上方に設けられた貫通孔51aに取り付けられる取付本体1と、この取付本体1に設けられ前記貫通孔51aから前記水槽50内外の空気を通過せしめる回転翼体5とを備えた水槽用ファン装置であって、前記取付本体1は、前記回転翼体5が設けられる第一部材2と、この第一部材2と分離自在に連結される第二部材3とで構成され、前記第一部材2及び前記第二部材3の少なくとも一方若しくは双方には前記貫通孔51aに挿通される挿通部4が設けられ、前記第一部材2と前記第二部材3とは前記周壁部51を挟持する状態で連結される構成であり、前記第一部材2及び前記第二部材3における前記周壁部51の内外取付け位置を変えることで前記回転翼体5の送風方向が切り換え可能に構成されていることを特徴とする水槽用ファン装置に係るものである。
【0008】
また、請求項1記載の水槽用ファン装置において、前記第一部材2は前記回転翼体5が収納される筒状体であり、この第一部材2には排液孔6が貫通状態に設けられていることを特徴とする水槽用ファン装置に係るものである。
【0009】
また、請求項2記載の水槽用ファン装置において、前記第一部材2には前記回転翼体5を回転せしめる電動駆動源7が収納され、この電動駆動源7から延設された電気コード7aを挿通せしめる挿通孔部8が前記第一部材2に設けられていることを特徴とする水槽用ファン装置に係るものである。
【0010】
また、請求項1~3いずれか1項に記載の水槽用ファン装置において、前記水槽50は、周壁部51,天壁部52及び底壁部53を有する直方体形状であり、この水槽50内に霧Mを発生させる霧発生部9を備えていることを特徴とする水槽用ファン装置に係るものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上述のように構成したから、水槽内の植物育成環境を良好にすることができるなど、極めて商品価値の高い水槽用ファン装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図7】本実施例の要部の動作を説明する平断面図である。
【
図9】本実施例の要部の動作を説明する平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0014】
例えば水槽50の周壁51aの内面に第一部材2を配すると共に外面に第二部材3を配し、この第一部材2及び第二部材3の少なくとも一方若しくは双方に設けられた挿通部4を貫通孔51aに挿通させた状態として、第一部材2と第二部材3とを連結する。
【0015】
この状態で回転翼体5を回転させると、例えば水槽50の内側から外側へ、若しくは、水槽50の外側から内側へと、回転翼体5の送風方向の貫通孔51aを通過する空気流が発生する。
【0016】
また、この貫通孔51aを通過する空気流を変えたい場合には、第一部材2と第二部材3を分離させて周壁部51から取り外し、この取り外した第一部材2と第二部材3における水槽50の内外取付位置を変えて連結すると、回転翼体5の送風方向が切り換わることになり、貫通孔51aを通過する空気流の方向が逆向きに変わる。
【0017】
即ち、本発明は、第一部材2と第二部材3における水槽50の内外取付位置の変更(回転翼体5の送風方向の変更)により、水槽50内への送風(給気)と水槽50外への送風(排気)が可能となる。
【0018】
例えば、水槽50内の湿度調整や温度調整を目的として給気したり排気したりし、また、植物によっては育成に必要とされる風(葉を揺らす空気流)を生じさせることを目的として給気するなど、育成する植物に応じた良好な植物育成環境を得るための給気と排気とを選択することができる。
【0019】
その他にも、水槽50内の植物育成環境を良好にするだけでなく、例えば、給気により水槽50内に風を生じさせて自然に近い雰囲気を作り出すことができる(植物を観賞体として体裁良く飾ることができる。)。
【実施例】
【0020】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0021】
本実施例は、水槽50に取り付けられる水槽用ファン装置Fである。
【0022】
この水槽用ファン装置Fを取り付ける水槽50として、特願2019-86905号に開示される水槽50を採用しており、正面側に観賞体が設けられた観賞壁面部10aと、この観賞壁面部10aの正面側に霧Mを導出させる霧発生部9とを備えたものである。尚、本実施例の観賞体としては、本出願人が提案する特許第4628341号に開示される観賞水草体であったり、
図1,2に図示したように陸上植物や、木や岩などの植物観賞用レイアウトに使用される各種素材などが採用される。その他、例えば樹脂や金属で出来た立体的な造形物であったり、絵や書などの平面的な造形物であっても良いのは勿論であり、また、観賞体は観賞壁面部10aに直接設けても所定距離を介した前方位置に設けても良く、要は観賞壁面部10aの正面側に設けられる。
【0023】
また、この水槽50は、六面(周壁部51,天壁部52及び底壁部53)がガラスで覆われた直方体形状である。
【0024】
具体的には、水槽50は、
図1,2に図示したように適宜な透明部材(ガラス板材)製の周壁部51(正面板,背面板,左側面板,右側面板)及び底壁部53(底面板)から成り、この正面板の高さが左側面板及び右側面板よりも低く設定されることで正面開口部及び上面開口部が連設状態に設けられたものであり、この水槽50の下部には土や石や水などを配設し得る収納空間部(水溜め部)が設けられている。
【0025】
また、この水槽50aの正面開口部を開閉し正面周壁部51の一部を構成する透明な正面開閉板51’が設けられると共に、上面開口部を開閉し天壁部52を構成する透明な上面開閉板52’が設けられている。
【0026】
また、正面開閉板51’は、左側面板若しくは右側面板のいずれか一方の前端部に水平回動自在に設けられている。
【0027】
具体的には、本実施例では、
図1に図示したように正面開閉板51’の右端部に合成樹脂製の取付部材54を設け、この取付部材54の上下両端部には凸部が設けられており、上部の凸部は、後述するガイド部材56の先端部に設けられた凹部に回動自在に嵌合し、下部の凸部は、左側面板の前端部と正面板との連設部位に設けられた凹部に回動自在に嵌合する。
【0028】
従って、正面開閉板51’は、右側面板の前端部に水平回動自在となり、例えば観賞体の位置を変えたりメンテナンスしたい場合など、正面開閉板51’を開放して行うことができる。
【0029】
符号55は、正面開閉板51’の閉塞状態を保持する磁石(磁性体)である。
【0030】
また、上面開閉板52’は、左側面板及び右側面板の上端部に前後スライド移動自在に設けられている。
【0031】
具体的には、本実施例では、
図1,2に図示したように左側面板及び右側面板の上端部に合成樹脂製のガイド部材56を設け、このガイド部材56には凹段状のガイド部が設けられており、この左右のガイド部に上面開閉板52’の左右端部をスライド移動自在(摺動自在)に載置して架設状態となるように構成されている。
【0032】
従って、上面開閉板52’は、左側面板及び右側面板の上端部に前後スライド移動自在となり、霧Mが導出される水槽50内の湿度を調整したり、水槽50に納まりきらない大きさの観賞体を外部に飛び出した状態で設けたりする場合など、上面開閉板52’を適宜開閉して行うことができる。
【0033】
また、周壁部51のうち左側面板にして水面(収納空間部(水溜め部))より上方となる前側位置に貫通孔51aが設けられている。
【0034】
この貫通孔51aは、所定径を有し水槽50の内外への通気を可能にするための円形孔であり、本実施例では、この貫通孔51aを介して後述する水槽用ファン装置Fが取り付けられる。
【0035】
また、水槽50には観賞ユニット10が設けられている。
【0036】
観賞ユニット体10は、
図1に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成された矩形の箱状体を有し、この箱状体は水槽50内に出し入れ自在に設けられている。
【0037】
この箱状体の正面板には、正面側に観賞体(植物)が設けられる観賞壁面部10aが設けられている。
【0038】
この観賞壁面部10aは、その表面に所定長を有する断面円形の突起が複数設けられており、これら突起同士の間隔は観賞体を係止配設し得る適宜な間隔に設定されている。
【0039】
また、観賞壁面部10aには、後述する霧発生部9から導出された霧Mを導出する霧導出口部が設けられている。
【0040】
霧発生部9は、観賞壁面部10aの背面側に設けられる水収納部に、水に超音波の振動エネルギーを付与して霧を発生する公知構造の超音波発生装置を設けて構成されている。
【0041】
従って、水収納部(霧発生部9)で発生した霧Mが霧導出口部から観賞壁面部10aの正面側に導出される。
【0042】
尚、本実施例は、水搬送構造を介して収納空間部(水溜め部)の水を水収納部へ搬送するように構成されている。
【0043】
水槽用ファン装置Fは、水槽50の周壁部51に設けられた貫通孔51aに取り付けられる取付本体1と、この取付本体1に設けられ貫通孔51aから水槽50内外の空気を通過せしめる回転翼体5とを備えている。
【0044】
具体的には、取付本体1は、第一部材2と、この第一部材2と分離自在に連結される第二部材3とで構成されている。
【0045】
第一部材2は、
図3に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成した円筒体であり、この第一部材2内には後述する回転翼体5及びこの回転翼体5を回転させる電動駆動源7が収納される。
【0046】
また、第一部材2の一端開口部には、通気を可能にする十字形状の架設部2aが一体成形されている。
【0047】
この架設部2aの内面部には、第一部材2内に配された回転翼体5及び電動駆動源7が固定され、一方、架設部2aの外面部には、水槽50の貫通孔51aに挿通される十字形状の挿通部4が突設されている。
【0048】
この挿通部4は、
図3に図示したように架設部2aの外面部中央位置に突設された基部4aと、この基部4aから放射状に設けられる4つのリブ状部4bとで構成されており、この挿通部4の外周縁は水槽50の貫通孔51aに嵌挿する寸法に設けられている。
【0049】
この挿通部4を水槽50の貫通孔51aに嵌挿させた際、第一部材2の一端面は周壁部51の面に当接することになる。
【0050】
また、この挿通部4には、後述する第二部材3の凸状の連結部3bを回り止め状態で嵌合連結する凹状の被連結部4a’が設けられている。
【0051】
尚、挿通部4を第二部材3に設けても良いし、この第二部材3の連結部3bを凹状として第一部材2の被連結部4a’を凸状としても良い。
【0052】
また、第一部材2は、他端開口部にカバー部材2’が設けられている。
【0053】
このカバー部材2’は、
図3に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成された環状体であり、このカバー部材2’の内側には、通気を可能にする十字形状の架設部2bが設けられている。
【0054】
また、カバー部材2’は、第一部材2内に回転翼体5及び電動駆動源7を収納した後、第一部材2の他端開口部に連結される。
【0055】
また、第一部材2には、電動駆動源7から折り曲げ起伏動自在に延設された電気コード7aを挿通せしめる挿通孔部8が設けられており、この挿通孔部8は、第一部材2の周面から架設部2aまでの位置に貫通孔を設けて構成されている。
【0056】
この挿通孔部8により、電動駆動源7の電気コード7aを第一部材2の外部に配することができ、更に、この電気コード7aを起き状態として第一部材2の長さ方向に配することもできるし、電気コード7aを伏し状態として第一部材2の径方向に配することも可能となる(
図4参照)。
【0057】
また、第一部材2の周面対向位置には、一対の排液孔6が貫通状態に設けられている。
【0058】
即ち、第一部材2には回転翼体5が設けられ第一部材2の下部には水(水滴)が溜まるが、この排液孔6により、第一部材2の内面に付着した水を排出することができる(
図5参照)。
【0059】
符号11は第一部材2に設けられる回転翼体5の送風方向を示す矢印である。
【0060】
第二部材3は、
図3に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成した環状体であり、この第二部材3の内側には、通気を可能にする十字形状の架設部3aが設けられている。
【0061】
この架設部3aの中心部には、挿通部4の凹状の被連結部4aに回り止め状態で嵌合連結する凸状の連結部3bが設けられている。
【0062】
従って、第一部材2と第二部材3とは周壁部51を挟持する状態で連結され、この際、第二部材3の内面は周壁部51の面に当接することになる。
【0063】
また、第二部材3は、第一部材2の外縁部に凹部3cが設けられ、この凹部3cは、前述した第一部材2の挿通孔部8と同様、第一部材2の長さ方向に配された電気コード7aを挿通させるように構成されている。
【0064】
回転翼体5は、
図3~5に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で形成されたプロペラファンであり、回転中心軸部5bの周囲に複数の羽根部材5bを設けて構成されている。
【0065】
また、この回転翼体5を回転させる電動駆動源7は、公知構造の電動モーターであり、この電動駆動源7の回転軸部7bに回転翼体5の回転中心軸部5bが連結される。
【0066】
尚、本実施例では、電動駆動源の内部構造に防滴処理を施しており、具体的には、電子回路(基板)及び回転軸部7bを支持するベアリングの表面に水を弾き遮水する効果のある樹脂(撥水性を有する防水樹脂)をスプレーで吹き付けてコーティングしている。
【0067】
本実施例は上述のように構成したから、例えば水槽50の周壁51aの内面に第一部材2を配すると共に外面に第二部材3を配し(
図6参照)、この第一部材2に設けられた挿通部4を貫通孔51aに挿通させた状態として、第一部材2の被連結部4a’と第二部材3の連結部3bとを連結する。
【0068】
この状態で回転翼体5を回転させると、水槽50の内側から外側へと、回転翼体5の送風方向の貫通孔51aを通過する空気流が発生する(
図7参照)。
【0069】
また、この貫通孔51aを通過する空気流を変えたい場合には、第一部材2と第二部材3を分離させて周壁部51から取り外し、この取り外した第一部材2と第二部材3における水槽50の内外取付位置を変えて連結すると、回転翼体5の送風方向が切り換わることになり、貫通孔51aを通過する空気流の方向が逆向きに変わる(
図8,9参照)。
【0070】
即ち、本実施例は、第一部材2と第二部材3における水槽50の内外取付位置の変更(回転翼体5の送風方向の変更)により、水槽50内への送風(給気)と水槽50外への送風(排気)が可能となる。
【0071】
例えば、水槽50内の湿度調整や温度調整を目的として給気したり排気したりし、また、植物によっては育成に必要とされる風(葉を揺らす空気流)を生じさせることを目的として給気するなど、育成する植物に応じた良好な植物育成環境を得るための給気と排気とを選択することができる。
【0072】
その他にも、水槽50内の植物育成環境を良好にするだけでなく、例えば、給気により水槽50内に風を生じさせて自然に近い雰囲気を作り出すことができる(植物を観賞体として体裁良く飾ることができる。)。
【0073】
具体的には、前述したように霧発生部9を備えた水槽50で使用される場合、給気は湿度のメリハリを好む植物の育成や小型ランなどの育成必要な微風を起こすために使用される。水槽50の中は、外気よりも湿度が高い為、給気することで一時的に湿度を下げることができる。
【0074】
排気は、霧発生部9から導入される霧Mを水槽50内に充満させる目的や、水槽50内の湿度を急激に下げない換気に使用される。高湿度を好む植物に適した使い方となる。また、排気には、水槽50内の熱を外に逃がす効果もあり、高湿且つ冷涼な環境を好む植物に適することになる。
【0075】
よって、本実施例によれば、水槽50内の植物育成環境を良好にすることができ、しかも、水槽50への脱着が良好に行われる。
【0076】
また、本実施例は、第一部材2は回転翼体5が収納される筒状体であり、この第一部材2には排液孔6が貫通状態に設けられているから、第一部材2内で付着する水を外部に排出することができる。
【0077】
また、本実施例は、第一部材2には回転翼体5を回転せしめる電動駆動源7が収納され、この電動駆動源7から延設された電気コード7aを挿通せしめる挿通孔部8が第一部材2に設けられているから、この電気コード7aが水槽50への取り付けに邪魔になることが無く、しかも、この電気コード7aを体裁が悪くならないように配線することができる。
【0078】
また、水槽50は、周壁部51,天壁部52及び底壁部53を有する直方体形状であり、この水槽50内に霧Mを発生させる霧発生部9を備えているから、この水槽50内に発生する霧Mをコントロールして植物育成環境を良好にすることができ、しかも、植物を観賞体とした際の体裁を良好にすることができる。
【0079】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0080】
M 霧
1 取付本体
2 第一部材
3 第二部材
4 挿通部
5 回転翼体
6 排液孔
7 電動駆動源
7a 電気コード
8 挿通孔部
50 水槽
51 周壁部
51a 貫通孔
52 天壁部
53 底壁部