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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20230808BHJP
【FI】
A63F5/04 601A
A63F5/04 651
A63F5/04 650
A63F5/04 661
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021006610
(22)【出願日】2021-01-19
(65)【公開番号】P2022110896
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2022-03-15
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】能冨 晃輔
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-102903(JP,A)
【文献】特許第6679123(JP,B1)
【文献】特開2020-195554(JP,A)
【文献】特開2018-175114(JP,A)
【文献】特開2019-092652(JP,A)
【文献】特開2020-198930(JP,A)
【文献】特開2019-037705(JP,A)
【文献】特開2018-139925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F5/04、7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技を行うことが可能な遊技機において、
筐体と、
前記筐体の前面に回動可能に設けられた前扉と、
遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な有利状態制御手段と、
画像を表示可能な画像表示手段と、
遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちのいずれかを設定可能な設定手段と、を備え、
前記画像表示手段は、前記有利状態が終了することを特定可能な有利状態終了画像と、
前記設定手段により設定されている設定値を示唆する設定示唆画像と、遊技者に所定の注意を喚起する注意喚起画像と、を同時期に表示可能であり、
前記前扉は、第1状態と、第2状態と、第3状態とに回動可能であり、
前記第1状態は、前記前扉が閉じており、前記前扉の被支持部材が前記筐体の支持部材に支持されており、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法が第1寸法となっている状態であり、
前記第2状態は、前記前扉が開いており、前記前扉の前記被支持部材が前記筐体の前記支持部材に当接しておらず、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法が第1寸法よりも小さい第2寸法となっている状態であり、
前記第3状態は、前記前扉が閉じており、前記前扉の前記被支持部材が前記筐体の前記支持部材に当接しており、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法が第1寸法よりも小さい第3寸法となっている状態であり、
前記第1寸法は、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きく、
前記第2寸法も、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きく、
前記第3寸法も、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きいことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
識別情報の変動表示を行い、前記変動表示が停止したときの表示結果に基づいて入賞が発生可能な遊技機において、
筐体と、
前記筐体の前面に回動可能に設けられた前扉と、
遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な有利状態制御手段と、
内部抽選を行う内部抽選手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
画像を表示可能な画像表示手段と、を備え、
前記画像表示手段は、前記内部抽選の結果が特定結果であった場合に、該特定結果に基づく入賞が発生可能となるように前記導出操作手段の操作を補助する入賞補助画像と、前記有利状態が終了することを特定可能な有利状態終了画像と、を表示可能であり、
前記入賞補助画像と前記有利状態終了画像の表示開始のタイミングは、前記変動表示が停止可能となる前であり、
前記前扉は、第1状態と、第2状態と、第3状態とに回動可能であり、
前記第1状態は、前記前扉が閉じており、前記前扉の被支持部材が前記筐体の支持部材に支持されており、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法が第1寸法となっている状態であり、
前記第2状態は、前記前扉が開いており、前記前扉の前記被支持部材が前記筐体の前記支持部材に当接しておらず、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法が第1寸法よりも小さい第2寸法となっている状態であり、
前記第3状態は、前記前扉が閉じており、前記前扉の前記被支持部材が前記筐体の前記支持部材に当接しており、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法が第1寸法よりも小さい第3寸法となっている状態であり、
前記第1寸法は、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きく、
前記第2寸法も、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きく、
前記第3寸法も、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きいことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、各リールは、遊技者がスタートスイッチを操作することにより回転を開始し、また、遊技者が各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で回転を停止するものがある。このような遊技機では、全てのリールの回転を停止したときに導出された表示結果に従って入賞が発生する。
【0003】
入賞となる役の種類としては、例えば小役、特別役、再遊技役といった種類がある。ここで、小役の入賞では、小役の種類毎に定められた数のメダルが払い出されるという利益を遊技者が獲得できる。また、特別役の入賞では、例えば次のゲームからレギュラーボーナスやビッグボーナスといった遊技者にとって有利な有利状態へ移行されるという利益を獲得できる。また、再遊技役の入賞では、賭数の設定に新たなメダルを消費することなく次のゲームを行うことができるという利益を獲得できる。
【0004】
このような遊技機として、有利状態が終了する終了遊技において、有利状態における遊技結果に関する情報を表示する終了演出を実行する遊技機が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-175270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
昨今、遊技中に行われる各種演出が興趣に富んだ遊技機が登場している。このような中で、終了演出についてもその演出効果を向上させることが求められている。
【0007】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、終了演出の演出効果を向上させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、第1の発明は、遊技を行うことが可能な遊技機において、筐体と、前記筐体の前面に回動可能に設けられた前扉と、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な有利状態制御手段と、画像を表示可能な画像表示手段と、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちのいずれかを設定可能な設定手段と、を備え、前記画像表示手段は、前記有利状態が終了することを特定可能な有利状態終了画像と、前記設定手段により設定されている設定値を示唆する設定示唆画像と、遊技者に所定の注意を喚起する注意喚起画像と、を同時期に表示可能であり、前記前扉は、第1状態と、第2状態と、第3状態とに回動可能であり、前記第1状態は、前記前扉が閉じており、前記前扉の被支持部材が前記筐体の支持部材に支持されており、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法が第1寸法となっている状態であり、前記第2状態は、前記前扉が開いており、前記前扉の前記被支持部材が前記筐体の前記支持部材に当接しておらず、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法が第1寸法よりも小さい第2寸法となっている状態であり、前記第3状態は、前記前扉が閉じており、前記前扉の前記被支持部材が前記筐体の前記支持部材に当接しており、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法が第1寸法よりも小さい第3寸法となっている状態であり、前記第1寸法は、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きく、前記第2寸法も、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きく、前記第3寸法も、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きいことを特徴とする。
【0009】
また、上記の課題を解決するために、第2の発明は、識別情報の変動表示を行い、前記変動表示が停止したときの表示結果に基づいて入賞が発生可能な遊技機において、筐体と、前記筐体の前面に回動可能に設けられた前扉と、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な有利状態制御手段と、内部抽選を行う内部抽選手段と、遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、画像を表示可能な画像表示手段と、を備え、前記画像表示手段は、前記内部抽選の結果が特定結果であった場合に、該特定結果に基づく入賞が発生可能となるように前記導出操作手段の操作を補助する入賞補助画像と、前記有利状態が終了することを特定可能な有利状態終了画像と、を表示可能であり、前記入賞補助画像と前記有利状態終了画像の表示開始のタイミングは、前記変動表示が停止可能となる前であり、前記前扉は、第1状態と、第2状態と、第3状態とに回動可能であり、前記第1状態は、前記前扉が閉じており、前記前扉の被支持部材が前記筐体の支持部材に支持されており、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法が第1寸法となっている状態であり、前記第2状態は、前記前扉が開いており、前記前扉の前記被支持部材が前記筐体の前記支持部材に当接しておらず、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法が第1寸法よりも小さい第2寸法となっている状態であり、前記第3状態は、前記前扉が閉じており、前記前扉の前記被支持部材が前記筐体の前記支持部材に当接しており、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法が第1寸法よりも小さい第3寸法となっている状態であり、前記第1寸法は、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きく、前記第2寸法も、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きく、前記第3寸法も、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きいことを特徴とする。
【0010】
また、上記の課題を解決するために、第3の発明は、識別情報の変動表示を行い、前記変動表示が停止したときの表示結果に基づいて入賞が発生可能な遊技機において、筐体と、前記筐体の前面に回動可能に設けられた前扉と、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な有利状態制御手段と、内部抽選を行う内部抽選手段と、遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、画像を表示可能な画像表示手段と、を備え、前記画像表示手段は、前記内部抽選の結果が特定結果であった場合に、該特定結果に基づく入賞が発生可能となるように前記導出操作手段の操作を補助する入賞補助画像と、前記有利状態が終了することを特定可能な有利状態終了画像と、を表示可能であり、前記入賞補助画像および前記有利状態終了画像の表示開始のタイミングは、前記変動表示が停止可能となる前であり、前記有利状態終了画像は、前記変動表示が終了するまでは、前記有利状態において前記有利状態終了画像が表示されるまでに遊技者に付与された遊技価値に関する情報を含み、前記変動表示が終了した後は、前記有利状態に亘って遊技者に付与された遊技価値に関する情報を含み、前記画像表示手段は、前記変動表示が終了した後に前記有利状態終了画像を表示しているときに、遊技者に所定の注意を喚起する注意喚起画像を表示可能であり、前記前扉は、第1状態と、第2状態とに回動可能であり、前記第1状態は、前記前扉が閉じており、前記前扉の被支持部材が前記筐体の支持部材に支持されており、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法が第1寸法となっている状態であり、前記第2状態は、前記前扉が開いており、前記前扉の前記被支持部材が前記筐体の前記支持部材に当接しておらず、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法が第1寸法よりも小さい第2寸法となっている状態であり、前記第1寸法は、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きく、前記第2寸法も、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1~第3の本発明によると、終了演出の演出効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(a)は本発明の実施形態例に係るスロットマシンの正面図であり、(b)はスロットマシンの前扉に設けられたメインモニタを示す正面図である。
図2】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
図3】当選エリアを説明するための図である。
図4】遊技状態の遷移を説明するための図である。
図5】遊技区間の遷移を説明するための図である。
図6】遊技制御基板のメイン処理を示したフローチャートである。
図7】メイン処理内の抽選処理を示したフローチャートである。
図8】演出制御基板のサブ側割込処理を示したフローチャートである。
図9】サブ処理内のAT終了画像表示処理を示したフローチャートである。
図10】AT終了画像処理により行われる終了演出の具体例を示す説明図である。
図11】昇格画像が表示されるときの具体例を示す図である。
図12】スロットマシンの前扉の背面側を示す斜視図である。
図13図12に示す前扉の右側板に設けられた被支持部材を示す拡大図である。
図14図13の被支持部材を示す拡大図である。
図15】スロットマシンンの筐体の前面側を示す斜視図である。
図16図15に示す筐体の右側板に設けられた支持部材を示す拡大図である。
図17図16に示す支持部材の拡大図である。
図18】前扉が第1状態にあるときの図1のS-S線断面図である。
図19】前扉が第2状態にあるときの図1のS-S線断面図である。
図20】前扉が第3状態にあるときの図1のS-S線断面図である。
図21】(a)は遊技球の直径を示す図、(b)はメダルの厚みを示す図、(c)はメダルの直径を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態例について図面を参照しながら説明する。
【0014】
(スロットマシンの基本構成)
図1(a)に示すように、本発明の実施形態例に係るスロットマシンSは、筐体1、および筐体1の前面に回動可能に設けられた前扉2を備えている。
【0015】
また、スロットマシンSは、透明な表示窓3、表示窓3に対応した筐体1の内部に配設されたリール4~6、前扉2の中央右側に設けられたメダル投入口7、各リール4~6の回転を開始させるためのスタートレバー8、各リール4~6の回転をそれぞれ停止させるためのストップボタン9~11、メダル払出口12、および受け皿13を備えている。また、メダル投入口7の右下方には、鍵穴付きのシリンダ錠14が設けられている。例えば遊技場の管理者が専用キー(ドアキー)をその鍵穴に差し込んで、シリンダ錠14を時計回りに捻じると、前扉2の開放が可能な状態となる。詳細は後述するが、前扉2は、その開放状態に応じて、第1状態、第2状態、および第3状態に回動可能となっている。
【0016】
さらに、スロットマシンSは、ストップボタン9~11の操作順序(打順)および操作タイミングを含む操作態様の指示機能に係る条件装置を識別可能とする情報(以下、指示情報という。)を表示するメインモニタ15、遊技の進行に応じて演出を実行する演出装置(例えば液晶表示器16やスピーカ17等)、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETボタン18、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算ボタン19、所定の演出を実行するときに遊技者の操作が受け付けられる演出用スイッチ20、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器21、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器22を備えている。
【0017】
メインモニタ15は、図1(b)に示すように、指示機能を作動可能とするAT(アシストタイム)に制御可能とする有利区間において、指示機能の作動時に指示情報を表示する指示情報表示器15aと、有利区間の滞在を遊技者に報知する有利区間表示器15bと、を備えている。
【0018】
指示情報表示器15aは、7セグメント表示器から成り、例えば、最初に左ストップボタン9、次に中ストップボタン10、最後に右ストップボタン11を操作する打順1を指示する指示情報を数字の「1」で表示する。なお、打順2は、左ストップボタン9→右ストップボタン11→中ストップボタン10の順序であり、指示情報表示器15aは打順2の指示情報を数字の「2」で表示する。同様に、打順3は中→左→右の順序、打順4は中→右→左の順序、打順5は右→左→中の順序、打順6は右→中→左の順序であり、指示情報表示器15aは、打順3~6の指示情報をそれぞれ数字の「2」~「6」で表示する。
【0019】
有利区間表示器15bは、その内部にLEDを有しており、ATに制御不可能とする非有利区間においてLEDを消灯させ、有利区間においてLEDを点灯させることにより有利区間の滞在を報知する。
【0020】
スロットマシンSは、筐体1の内部に図示しない電源ユニットを備えており、電源ユニットは、スロットマシンSの出玉率(メダルの投入総数に対する払出総数の割合)を示す設定値を変更するための設定キーおよび設定変更ボタンを有している。
【0021】
スロットマシンSには6段階の出玉率が設けられており、これら6段階の出玉率が設定値1~6にそれぞれ対応付けられている。遊技場の管理者は、設定値を変更可能な設定変更モードにおいて設定変更ボタン23(図2参照)等を操作することにより、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値1~6のうちのいずれかを設定可能となる。なお、本実施形態では、設定値6が最も出玉率が高く、設定値1が最も出玉率が低い。
【0022】
リール4~6は、1つのリールユニット30として構成されており、対応するステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転する。リール4~6が停止している状態では、各リール4~6の外周面に配列されている連続する3つの図柄(以下、それぞれ上段図柄、中段図柄、下段図柄という。)が表示窓3にそれぞれ表示されて、遊技者は3行3列に配置された合計9個の図柄を目視することができる。
【0023】
そして、各リール4~6を回転させることで、各リール4~6の図柄が表示窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール4~6の回転を停止させることで、表示窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0024】
表示窓3には、各リール4~6の上段図柄、中段図柄および下段図柄がそれぞれ停止する上段停止位置、中段停止位置および下段停止位置が設けられており、図1に示すように、リール4~6の停止位置をそれぞれ組み合わせた入賞ラインLが設定されている。
【0025】
本実施形態のスロットマシンSにおいてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入口7から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETボタン18を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL(図1参照)が有効となり、スタートレバー8の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施形態では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0026】
入賞ラインとは、各リール4~6の表示窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施形態では、図1に示すように、リール4の中段、リール5の中段、リール6の中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
【0027】
ゲームが開始可能な状態でスタートレバー8を操作すると、各リール4~6が回転し、各リール4~6の図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップボタン9~11を操作すると、対応するリール4~6の回転が停止し、表示窓3に表示結果が導出表示される。
【0028】
そして、全てのリール4~6が停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLに予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール4~6の表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口12(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLに、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール4~6の表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0029】
また、本実施形態におけるスロットマシンSにあっては、ゲームが開始されて各リール4~6が回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップボタン9~11が操作されたときに、当該ストップボタン9~11に対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップボタン9~11の操作から対応するリール4~6の回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
【0030】
リール4~6は、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップボタン9~11が操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
【0031】
このため、例えば、ストップボタン9~11のいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール4~6各々において、ストップボタン9~11のうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインLに表示させることができる。
【0032】
各リール4~6の外周面には、複数種類の図柄が一定の間隔で配列されている。左リール4の外周面に配置されている一の図柄と、中リール5の外周面に配置されている一の図柄と、右リール6の外周面に配置されている一の図柄とで構成された図柄の組合せが複数種類設けられ、一つの図柄組合せに一つの役が予め対応付けられている。
【0033】
役は、RBB作動への移行契機となるRBB役、メダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技役(REP1~REP4)、所定枚数のメダルを遊技者に払い出し可能な小役(NML1~NML29)に大別される。
【0034】
以下の説明において、RBB役に対応する図柄組合せが入賞ラインLに表示されたことを「RBB役の入賞」、再遊技役に対応する図柄組合せが入賞ラインLに表示されたことを「再遊技役の入賞」、小役に対応する図柄組合せが入賞ラインLに表示されたことを「小役の入賞」と、それぞれいう。
【0035】
(スロットマシンSの電気的構成)
図2は、スロットマシンSの概略的な電気的構成を示したブロック図である。図2に示すように、スロットマシンSは、遊技の進行を制御する遊技制御基板100(主制御部)と、遊技の進行に応じた演出を制御する演出制御基板300(副制御部)とを含む制御基板が設けられている。また、遊技制御基板100と演出制御基板300との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、遊技制御基板100から演出制御基板300への一方向のみに制限される。
【0036】
(遊技制御基板100)
遊技制御基板100は、中央処理装置であるメインCPU100a、プログラム等が格納されたメインROM100b、ワークエリアとして機能するメインRAM100c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシンS全体を統括的に制御する。なお、メインRAM100cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データが消去されることなく保持される。
【0037】
メインCPU100aは、メインROM100bから読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシンSにおけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。
【0038】
メインRAM100cは、ゲーム制御用のワークエリアを提供し、ワークRAMとして使用される。なお、この実施の形態では、メインCPU100aには、外部メモリとしてSRAMが接続されており、この外部メモリは、少なくとも一部が、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間は外部メモリの少なくとも一部の内容が保存される。なお、本実施形態では、外部メモリの全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間は外部メモリの全ての内容が保存される。なお、この実施の形態において、バックアップRAMとしての外部メモリには、例えば、電源断が発生したときに、後述する内部抽選に関する制御で用いるデータや、メダルの払出に関する制御で用いるデータ、リールの回転および停止に関する制御で用いるデータ、コマンドの入出力に関する制御で用いるデータなどが格納される。
【0039】
メインROM100bには、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、メインROM100bには、メインCPU100aが各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、メインROM100bには、メインCPU100aが遊技制御基板100から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
【0040】
メインRAM100cには、スロットマシンSにおけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリアが設けられている。メインRAM100cとしては、例えばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。メインCPU100aには、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。例えば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはメインCPU100aがメインCPU100aから命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、メインCPU100aにおける1命令の実行時間ごとに行われることになる。
【0041】
また、メインRAM100cには、設定値に関する制御を行う設定手段190が設けられている。設定手段190は、設定値を記憶する記憶領域を有しており、設定変更モードにおいて設定変更ボタン23(図2参照)が操作される毎に、その記憶領域に記憶されている設定値を設定1→設定2→設定3→・・・→設定6→設定1→・・・の順序で変動させる。また、設定手段190は、設定変更モードにおいてスタートレバー8が操作されることによりその記憶領域に記憶されている設定値を確定させて設定変更モードを終了させる。
【0042】
メインCPU100aは、サブCPU300aに各種のコマンドを送信する。メインCPU100aからサブCPU300aへ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブCPU300aからメインCPU100aへ向けてコマンドが送られることはない。
【0043】
メインCPU100aは、遊技制御基板100に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメインCPU100aは、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
【0044】
また、メインCPU100aは、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施の形態では、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎にメイン側タイマ割込処理を実行する。なお、タイマ割込処理の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0045】
また、メインCPU100aは、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
【0046】
また、遊技制御基板100は、メインCPU100aが、メインROM100bに格納されたプログラムに基づきメインRAM100cと協働することで機能する、初期化手段110、ベット手段120、内部抽選手段130、リール制御手段140、判定手段150、払出制御手段160、遊技状態制御手段170、コマンド送信手段180、コマンド送信手段180等の機能部を有する。
【0047】
遊技制御基板100では、メダル投入口7へのメダルの投入を検出する投入メダルセンサ7a、MAXBETボタン18、スタートレバー8およびストップボタン9~11から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU100aが種々の処理を実行する。
【0048】
初期化手段110は、電源の投入時やリセット時に遊技制御基板100における初期化処理を実行する。
【0049】
ベット手段120は、遊技に使用するためのメダルをベットする。
【0050】
内部抽選手段130は、スタートレバー8の遊技開始操作が行われたタイミングで内部抽選用の乱数を取得し、この取得された乱数と現在の遊技状態の種類とに基づいて、複数種類の当選エリアの中から1つの当選エリアを決定する内部抽選を実行する。具体的には、遊技状態に対応する内部抽選テーブルを参照して、取得した内部抽選用の乱数に基づいて1つの当選エリアを決定する。なお、スタートレバー8の操作を遊技開始操作と称することがあり、内部抽選で決定した当選エリアに対応付けられている役を当選役と称することがある。
【0051】
内部抽選の結果に基づいて設定した当選フラグが小役または再遊技役に係るものである場合には、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように、次回の遊技の開始前までに解除する。また、RBBに係る当選フラグ(以下、RBBフラグと称することがある)を設定した場合には、RBB役が入賞するまでRBBフラグを持ち越し、RBB役が入賞するとRBBフラグを解除する。なお、内部抽選の結果に応じて設定される当選フラグのことを条件装置ともいう。
【0052】
リール制御手段140は、スタートレバー8の操作に応じて、左リール4、中リール5、右リール6を回転制御し、回転している左リール4、中リール5、右リール6にそれぞれ対応したストップボタン9~11の操作に応じて、対応する左リール4、中リール5、右リール6を停止制御する。
【0053】
また、遊技制御基板100には、ステッピングモータ200が接続されている。リール制御手段140は、スタートレバー8の操作信号に応じて送信される、左リール4、中リール5、右リール6の回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ200を駆動する。また、メインCPU100aは、ストップボタン9~11の操作信号に応じて左リール4、中リール5、右リール6それぞれの停止信号および回転位置検出回路の検出信号に基づいて、ステッピングモータ200の駆動を停止する。
【0054】
また、リール制御手段140は、各ストップボタン9~11の停止操作時から190ms以内に、押下操作された停止ボタンに対応するリールの回転を停止させる。なお、各リール4~6は、対応する停止ボタンの操作タイミングから最大で4コマ分だけ回転可能となる。つまり、リール制御手段140は、ストップボタンの操作タイミングで入賞ラインLの位置に表示されている任意の図柄を基準として、当該図柄を含めて5個の範囲内に位置する図柄を入賞ラインLに表示可能なように対応するリールを停止させる。
【0055】
なお、以下の説明において、停止ボタンの操作タイミングに拘わらず入賞ラインLに表示させることができる図柄のみで構成された図柄組合せのことを「PB=1の図柄組合せ」といい、停止ボタンの操作タイミングに応じて入賞ラインLに表示させることができる図柄を含んでいる図柄組合せのことを「PB≠1の図柄組合せ」という。
【0056】
また、リール制御手段140は、当選フラグに応じて、メダル払出枚数の最も多い役に対応する図柄組合せを優先的に入賞ラインLに表示するようにリールを停止する枚数優先制御、図柄組合せの個数が最も多くなる役に対応する図柄組合せを優先的に入賞ラインLに表示するようにリールを停止する個数優先制御、RBB役よりも再遊技役および小役を優先して入賞させる役付け優先制御の何れかの制御により、最も引き込み優先順位の高い図柄を検索するロジック演算、および/または、予めメインROMに記憶された停止制御テーブル(図示省略)の参照に基づいて、当選フラグに対応する役に係る図柄組合せのうち優先順位の最も高い図柄を入賞ラインLに表示するように引き込み、かつ、当選フラグに対応する役以外の役に対応付けられた図柄組合せを入賞ラインLに表示しないよう蹴飛ばし、各停止ボタンに対応するリールを停止させる。
【0057】
判定手段150は、当選役に対応する図柄組み合わせが入賞ラインL上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが入賞ラインL上に表示されることを単に入賞という場合がある。
【0058】
払出制御手段160は、当選役に対応する図柄組み合わせが入賞ラインL上に表示されたこと(入賞したこと)に基づいて、メダルの払い出しが発生する場合は当該当選役に対応する枚数のメダルを払い出す。また、遊技制御基板100には、メダル払出装置201が接続されており、払出制御手段160は、メダルの払出枚数を計数しながらメダルを排出する。
【0059】
遊技状態制御手段170は、内部抽選の結果や判定手段150の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。
【0060】
コマンド送信手段180は、ベット手段120、内部抽選手段130、リール制御手段140、判定手段150、払出制御手段160、遊技状態制御手段170等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定し、決定したコマンドを演出制御基板300に順次送信する。
【0061】
また、遊技制御基板100には乱数発生回路が設けられている。乱数発生回路は、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。遊技制御基板100の乱数発生回路によって生成される乱数(以下、内部抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、内部抽選手段130が当選エリアを決定するために用いられる。
【0062】
(演出制御基板300)
また、演出制御基板300は、遊技制御基板100と同様に、中央処理装置であるサブCPU300a、プログラム等が格納されたサブROM300b、ワークエリアとして機能するサブRAM300c等を含む各種半導体集積回路を有し、遊技制御基板100からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM300cにもメインRAM100c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。
【0063】
サブCPU300aは、メインCPU100aと同様に、割込機能を備えており、メインCPU100aからのコマンド受信時に割込を発生させて、メインCPU100aから送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU300aは、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させてサブ側タイマ割込処理を実行する。
【0064】
また、サブCPU300aは、メインCPU100aとは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
【0065】
サブRAM300cは、液晶表示やランプ表示、音出力などの各種演出制御用のワークエリアを提供し、ワークRAMとして使用される。
【0066】
また、演出制御基板300では、サブCPU300aが、サブROM300bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM300cと協働することで機能する、初期化手段310、コマンド受信手段320、演出制御手段330等の機能部を有する。
【0067】
初期化手段310は、演出制御基板300における初期化処理を実行する。
【0068】
コマンド受信手段320は、遊技制御基板100等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。
【0069】
演出制御手段330は、遊技状態に応じた演出の制御を行う。また、演出制御手段330には演出用スイッチ20が接続されており、この演出用スイッチ20の検出信号が入力されるようになっている。さらに、演出制御手段330には、液晶表示器16、スピーカ17、その他、リールを裏側から照明するリールLEDなどの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御手段330による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御手段330は、メインCPU100aから送信されるコマンドに従って、複数種類の演出状態(非AT演出状態,AT演出状態)の間で演出状態を移行させ、内部抽選の結果や遊技区間(非有利区間,有利区間)の設定・解除および演出状態の種別等に応じて演出を複数種類の中から決定し、該決定した演出を演出装置に実行させる。さらに、演出制御手段330は、遊技の状況に応じて演出態様を決定し、決定した遊技の演出を実行する。
【0070】
演出制御手段330により決定された遊技の演出では、各種画像が液晶表示器16に表示される。本実施形態では各種画像には、AT終了画像、設定示唆画像、注意喚起画像、および入賞補助画像が含まれる。AT終了画像は、指示機能を作動可能とするATが終了することを特定可能な画像である。また、設定示唆画像は、設定手段190の記憶領域に記憶されている設定値を示唆する画像である。また、注意喚起画像は、遊技者に対してのめり込み防止等の注意を喚起する画像である。さらに、入賞補助画像は、ATに制御されているときに、内部抽選で正解役(特定の役)と不正解役とが重複した当選エリアに当選したときに、その正解役の入賞条件となるストップボタン9~11の正解操作態様を報知する画像である。これら画像の表示態様の詳細については、後述する。
【0071】
(役の構成)
次に、役の構成について説明する。
【0072】
図3に示すように、役は、複数種類の当選エリアの何れかに対応付けられている。当選エリアは、何れの役も対応付けられていない「不当選エリア」(同図の0番。以下、不当選という。)、小役のみが対応付けられている「小役エリア」(同図の1番~29番)、再遊技役のみが対応付けられている「再遊技役エリア」(同図の30番~33番)、RBB役のみが対応付けられている「RBBエリア」(同図の34番。以下、RBBという。)に分別される。
【0073】
小役エリアには、「打順ベル」(打順ベルA~D)が含まれている。打順ベルには、入賞により8枚のメダルを払い出す8枚役(NML1~6)と、入賞により1枚のメダルを払い出す1枚役(NML7~26)とが重複して対応付けられている。例えば、図3において詳細な図示を省略しているが、打順ベルA1には、8枚役としてのNML1と、1枚役としてのNML7,10,19,23とが重複して対応付けられている。なお、打順ベルA1以外の打順ベルについては打順ベルA1と同様の構成を成しているため、それらの説明を省略する。
【0074】
打順ベルは、停止ボタンの操作態様(打順および操作タイミング)に応じて8枚役の入賞を可能とする当選エリアである。より詳細に説明すると、打順ベルは、内部抽選の当選時に、打順1~6のうち何れか一の打順(以下、正解打順という。)で停止ボタンの操作が行われた場合に、この操作タイミングに拘わらず必ず8枚役を入賞させる一方で、正解打順と異なる打順(以下、不正解打順という。)で停止操作が行われた場合に、この停止操作の操作タイミングに拘わらず必ず1枚役を入賞させ、あるいは、この操作タイミングに応じて1枚役を入賞可能とする当選エリアである。
【0075】
小役エリアには、打順ベルの他にも、小役ALL(1番)、1枚役ALL(2番)、スイカ(27番)、チェリー1(28番)、チェリー2(29番)が含まれている。これら小役エリアのうちスイカ、チェリー1およびチェリー2は、ATに制御させる契機となる当選エリア(以下、特別エリアという。)である。
【0076】
再遊技役エリアには、REP1が単独で対応付けられた「通常リプ」(30番)、REP2とREP1とが重複して対応付けられた「赤7揃い」(31番)、REP3とREP1とが重複して対応付けられた「青7揃い」(32番)、REP4とREP1とが重複して対応付けられた「BAR揃い」(33番)が含まれている。
【0077】
本実施形態では、ATに制御している有利区間(AT区間)において、「赤7揃い」、「青7揃い」および「BAR揃い」(以下、BNS揃いという。)の何れかに当選したことに基づいて、正解打順を示す補助演出を液晶表示器16で実行する遊技を開始させる構成になっている。
【0078】
本実施形態では、リール4~6の停止態様に基づいて、RBB役、REP1~4、NML1~29のそれぞれに対応する図柄組合せの何れかが入賞ラインLに表示(入賞)可能となる。
【0079】
そして、小役の入賞に基づいて該小役に予め対応付けられた所定枚数のメダルが払い出される。例えば、RBB内部において、打順ベルA1に当選したとき、8枚役(NML1)を入賞させる正解打順(打順1)で停止ボタンの操作が行われたことにより8枚役が入賞した場合に8枚のメダルが払い出され、1枚役を入賞させる不正解打順(打順2)で停止ボタンの操作が行われたこと、または、1枚役を入賞させることが可能な不正解打順(打順3~打順6)で且つ1枚役を入賞させる操作タイミングで停止ボタンの操作が行われたことにより、1枚役が入賞した場合に1枚のメダルが払い出される。
【0080】
また、再遊技役の入賞に基づいて規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技が設定される。
【0081】
遊技状態制御手段170は、通常状態、RBB内部、RBB作動の間で遊技状態の移行を制御する。以下に、当選エリア、内部抽選テーブル、遊技状態のそれぞれについて、図3,4を用いて説明する。
【0082】
(遊技状態について)
図4に示すように、通常状態では、RBBを含む全ての当選エリアが内部抽選の対象となっている内部抽選テーブルAを参照して内部抽選を行う(図3)。RBBにはRBB役が単独で対応付けられており、RBB役にはPB≠1の図柄組合せが対応付けられている。このため、RBBの当選時に停止ボタンの操作タイミングに応じてRBB役が入賞しなかった場合にRBB内部に移行させ(a)、RBB役が入賞した場合にRBB作動に移行させる(b)。なお、内部抽選テーブルAにおいて、RBBの当選確率は高確率(例えば約1/4)に設定されているため、通常状態の滞在期間は短い期間となる。
【0083】
本実施形態では、RBBに当選した遊技でRBB役が入賞した場合には、当該遊技中に遊技状態を通常状態からRBB内部を経由させてRBB作動に移行させるように構成されているが、この構成に限られず、RBBに当選した遊技でRBB役が入賞した場合に、当該遊技中にRBB内部を経由させることなく通常状態からRBB作動に直接的に移行させるように構成されていても良い。
【0084】
RBB内部では、RBBを内部抽選の対象から除外している内部抽選テーブルBを参照して内部抽選を行う(図3)。RBB内部では、RBBフラグが設定されているが、RBB役よりも小役および再遊技役の入賞を優先させる役付け優先制御によりリール制御が行われるため、不当選に当選した遊技(RBBフラグが単独で設定されている遊技)に限りRBB役の入賞を可能とし、RBB役が入賞するとRBBフラグを解除してRBB作動に移行させる(b)。
【0085】
RBB作動では、不当選、小役ALLおよび1枚役ALLのみを内部抽選の対象としている内部抽選テーブルCを参照して内部抽選を行う(図3)。小役ALLには全ての小役(NML1~29)が対応付けられ、小役ALLに当選した場合、停止ボタンの操作態様(打順および操作タイミング)に拘わらず、8枚役の何れかを入賞させるように各リール4~6を停止させる。また、1枚役ALLには1枚役(NML7~26)のみが対応付けられ、1枚役ALLに当選した場合、停止ボタンの操作態様に拘わらず、1枚役の何れかを入賞させるように各リール4~6を停止させる。この内部抽選テーブルCにおいて、小役ALLおよび1枚役ALLの当選確率はそれぞれ高確率(例えば約1/2)に設定されているため、RBB作動ではメダルの獲得が容易となる。そして、RBB作動において、メダル払出総数が所定枚数(例えば24枚)を超過すると、RBB作動を終了させて通常状態に移行させる(c)。
【0086】
ここで、本実施形態では、ATの制御を管理する遊技区間として、非有利区間と有利区間とを設定可能としている。有利区間は、ATに制御していない「非AT区間」と、ATに制御している「AT区間」とを含んでいる。AT区間では、打順ベルの当選時に、正解打順の指示情報を指示情報表示器15aで表示するとともに、この正解打順の指示情報を示す演出画像である入賞補助画像を液晶表示器16に表示させる。これに対し、非有利区間および非AT区間では、打順ベルの当選時に、正解打順の指示情報を指示情報表示器15aで表示しないようにするとともに、この正解打順の指示情報を示す入賞補助画像を液晶表示器16に表示させないようにする。これにより、AT区間では、打順ベルの当選時に8枚役を入賞させる正解打順を遊技者に示してメダルの獲得を容易とする。
【0087】
そして、本実施形態では、RBB内部における不当選の当選時に停止ボタンの操作タイミングに応じてRBB役を入賞させることができることから、遊技者の意思により、遊技状態をRBB内部からRBB作動に移行させることが可能である。ただし、本実施形態では、遊技状態がRBB内部に滞在している場合に限り、ATに制御している有利区間(AT区間)において、打順ベルの当選時に指示機能を作動させて、8枚役を入賞させる正解打順を遊技者に報知可能としている。このため、遊技状態がRBB内部に滞在し、且つ、遊技区間がAT区間に設定されている状態(以下、RBB内部ATという。)では、一般的に、遊技者は不当選の当選時にRBB役を入賞させない態様で停止ボタンを操作することにより遊技を進めることになる。つまり、AT区間において遊技状態をRBB内部に滞在させることにより、多くのメダルを獲得することができる。
【0088】
そして、図3に示すように、RBB内部において、複数種類の正解役が互いに重複せずに当選するため、正解役を入賞させることができる機会を多くすることができ、その結果、例えば、RBB内部ATにおいて補助演出が行われることで、メダルを獲得しやすくできる。一方、RBB作動では、複数種類の正解役が重複して当選するため、正解役を入賞させることができる機会が少ないので、他の遊技状態におけるATよりも正解役を入賞させることができる機会が減り、遊技者が所有するメダルを増やしにくくしている。したがって、本実施形態では、RBB内部よりも入賞に係る当選役の当選確率が高いというRBB作動の機能を備えつつ、メダルの獲得性能の面ではRBB作動がRBB内部に劣るという仕様(アクセルAT)を実現することができる。
【0089】
(遊技区間について)
前述したように、本実施形態では、ATの制御を管理する遊技区間として、非有利区間と有利区間とを設定可能としている。有利区間は、ATに制御していない「非AT区間」と、ATに制御している「AT区間」とを含んでいる。
【0090】
そして、メインCPU100aは、ATに制御していない有利区間(非AT区間)においてATに制御させるか否かを決定するAT抽選を行う。具体的には、非AT区間における内部抽選で特別エリア(スイカ、チェリー1、チェリー2)に当選した場合に、所定の当選確率(例えば約1/4~約1/50)でAT抽選を実行する。なお、AT抽選の実行契機となる当選エリア(特別エリア)に属する役をレア役と称することがある。
【0091】
そして、メインCPU100aは、AT抽選の当選に基づいてATに制御する。具体的には、AT抽選の当選と同期して、あるいは、AT抽選の当選後に予め定められた所定回数(例えば1回や10回)の遊技が行われるとATに制御する。なお、非AT区間でAT抽選に当選したことによりATに制御した場合の有利区間がAT区間である。
【0092】
また、メインCPU100aは、AT抽選に当選した場合にATのゲーム数を決定する。具体的には、AT抽選の当選に基づいて、ATのゲーム数を100回および200回の何れかに決定する。なお、メインCPU100aがATのゲーム数を決定した場合には、このゲーム数をメインRAM100cに設けられたATゲーム数カウンタにセットする。
【0093】
本実施形態では、ATのゲーム数を100回に決定した場合には、「BAR揃い」(33番)の当選に基づいて100回のAT遊技を実行し、ATのゲーム数を200回に決定した場合には、「赤7揃い」(31番)又は「青7揃い」(32番)の当選に基づいて200回のAT遊技を実行する。
【0094】
そして、メインCPU100aは、AT抽選の当選に基づいてATに制御した後に、BNS揃い(赤7揃い,青7揃い,BAR揃い)に当選したことに基づいて、ATゲーム数カウンタにセットされているATのゲーム数の減算を開始する。具体的には、BNS揃いに当選した次の遊技からATのゲーム数の減算を開始し、ATゲーム数カウンタにセットされているATのゲーム数が「0」となると、その減算を停止する。
【0095】
図3に示すように、本実施形態では、赤7揃いにREP2、青揃いにREP3がそれぞれ対応付けられており、REP2にはPB≠1の「赤7図柄-赤7図柄-赤7図柄」の図柄組合せ、REP3にはPB≠1の「青7図柄-青7図柄-青7図柄」の図柄組合せ、がそれぞれ対応付けられている。そして、ATのゲーム数を「200回」に決定した場合において、ATの制御後に「赤7揃い」に当選したとき、右ストップボタン11を最初に停止する(以下、右第1停止という。)ように指示する指示情報を指示情報表示器15aに表示させるとともに、演出制御手段330が「赤7を狙え」といった演出(以下、赤7指示演出という。)を液晶表示器16に実行させる。このとき、右第1停止で赤7図柄を入賞ラインLに表示させるタイミングで各ストップボタン9~11が操作された場合には、リール制御手段140は、赤7揃いに対応付けられているREP1の入賞を阻止するとともにREP2を入賞させる。そして、メインCPU100aは、REP2が入賞したか否かに拘わらず、赤7揃いに当選した次の遊技から、遊技の実行毎にメインRAMに記憶されているATのゲーム数カウンタから「1」を減算する。つまり、RBB内部ATでは、赤7揃いの当選に基づいて200回のAT遊技(以下、赤7遊技という。)を開始させる。
【0096】
同様に、AT抽選の当選に基づいてATのゲーム数を「200回」に決定した場合、ATに制御した後に「青7揃い」に当選したとき、右第1停止の指示情報を指示情報表示器15aに表示させるとともに、液晶表示器16に「青7を狙え」といった演出(以下、青7指示演出という。)を表示する。このとき、右第1停止で青7図柄を入賞ラインLに表示させるタイミングで各ストップボタン9~11が操作された場合には、青7揃いに対応付けられているREP1の入賞を阻止するとともにREP3を入賞させる。そして、メインCPU100aは、REP3が入賞したか否かに拘わらず、青7揃いに当選した次の遊技から、遊技の実行毎にメインRAMに記憶されているATのゲーム数カウンタから「1」を減算する。つまり、RBB内部ATでは、青7揃いの当選に基づいて200回のAT遊技(以下、青7遊技という。)を開始させる。
【0097】
また、本実施形態では、BAR揃いにREP4が対応付けられており、REP4にはPB≠1の「BAR図柄-BAR図柄-BAR図柄」の図柄組合せが対応付けられている。そして、AT抽選の当選に基づいてATのゲーム数を「100回」に決定した場合、ATに制御した後に「BAR揃い」に当選したとき、右ストップボタン11を最初に操作する右第1停止の指示情報を指示情報表示器15aに表示させるとともに、演出制御手段330が「BARを狙え」といった演出(以下、BAR指示演出という。)を液晶表示器16に実行させる。このとき、右第1停止でBAR図柄を入賞ラインLに表示させるタイミングで各ストップボタン9~11が操作された場合には、リール制御手段140は、BAR揃いに対応付けられているREP1の入賞を阻止するとともにREP4を入賞させる。そして、メインCPU100aは、REP4が入賞したか否かに拘わらず、BAR揃いに当選した次の遊技から、遊技の実行毎にメインRAMに記憶されているATのゲーム数カウンタから「1」を減算する。つまり、RBB内部ATでは、BAR揃いの当選に基づいて100回のAT遊技(以下、BAR遊技という。)を開始させる。
【0098】
また、メインCPU100aは、AT区間においても、レア役に当選したときにAT抽選を実行する。そして、AT区間でAT抽選に当選した場合にはATゲーム数カウンタにゲーム数をセットすることによってATのゲーム数を上乗せする。
【0099】
また、本実施形態では、有利区間の強制終了条件として、有利区間における遊技の回数(以下、区間遊技数と称することある)が上限の「1500回」に到達し、あるいは、有利区間における純増枚数(換言すると、有利区間内で最もメダルが減少した最下点からの差枚数であり、いわゆるMYである。)が「2400枚」を超えると、メインCPU100aは有利区間を強制的に解除して、非有利区間を設定するように構成されている。
【0100】
そして、メインCPU100aは、有利区間において、有利区間の強制終了条件が満たされたことにより有利区間を強制的に解除した場合に、この有利区間の解除と同期してATの制御を強制的に終了させる。
【0101】
また、メインCPU100aは、遊技区間がATに制御していない非有利区間および非AT区間である場合に、指示情報を指示情報表示器15aに一切表示しないようにメインモニタ15を制御する一方、遊技区間がAT区間である場合に、指示情報表示器15aに指示情報を表示可能なようにメインモニタ15を制御する。
【0102】
なお、メインCPU100aは、有利区間を解除して、非有利区間を設定した場合には、メインRAM100cに記憶されているAT権利を含む指示機能に関する遊技情報を全てクリア(破棄)する。
【0103】
図5に示すように、非有利区間において、内部抽選の結果に拘わらず、内部抽選が行われたことに基づいて、有利区間を設定するか否かを決定する有利区間設定抽選を実行する。つまり、複数種類の当選エリアのうち何れの当選エリアに当選した場合であっても有利区間設定抽選を実行する。
【0104】
そして、メインCPU100aは、有利区間設定抽選に当選した場合に、有利区間設定抽選に当選した次の遊技の開始時に有利区間(非AT区間)を設定し(a)、有利区間設定抽選に当選しなかった場合に、非有利区間の設定を維持する。
【0105】
なお、本実施形態では、有利区間設定抽選の当選確率は、内部抽選で決定された当選エリアの種別に拘わらず全て100%に設定されている。このため、非有利区間における1回の遊技で必ず有利区間設定抽選が実行されて有利区間設定抽選に当選し、次の遊技でATに制御していない有利区間(非AT区間)を設定する。つまり、非有利区間は1回の遊技に限り設定されることになり、遊技の全体で有利区間の占める割合が極めて高くなる。つまり、本実施形態では、一般的に、遊技区間は非AT区間に設定されていることになる。
【0106】
なお、本実施形態において、有利区間設定抽選の当選確率が100%以外の当選確率であっても良い。この場合、非有利区間において、内部抽選の結果に拘わらず、内部抽選が行われたことに基づいて有利区間設定抽選を実行するが、有利区間設定抽選の当選確率は100%ではないため、非有利区間における遊技回数は複数回となり得る。また、本実施形態において、内部抽選で決定された当選エリアの種別に応じて有利区間設定抽選の当選確率が異なる構成であっても良いし、内部抽選の結果に応じて有利区間設定抽選を実行しない構成であっても良い。
【0107】
メインCPU100aは、非AT区間において、AT抽選の当選に基づいて、まず、AT区間のうち、100回のAT遊技(BAR遊技)または200回のAT遊技(赤7又は青7遊技)で構成されたAT区間を設定する(b)。メインCPU100aは、AT区間でAT抽選に当選した場合にはATのゲーム数を上乗せする。また、メインCPU100aは、AT区間において、ATゲーム数カウンタにセットされたゲーム数が消化されると再度非AT区間を設定する(c)。
【0108】
そして、メインCPU100aは、有利区間において有利区間の強制終了条件が成立したことに基づいて、有利区間を解除するとともに非有利区間を設定する(d)。なお、上述のように、有利区間の強制終了条件には、区間遊技数が規定の回数(例えば1500回)に到達したことと、有利区間における純増枚数が規定の枚数(例えば2400枚)を超えたことが含まれている。
【0109】
また、メインCPU100aは、有利区間を設定している場合に有利区間表示器15bを点灯させ、非有利区間を設定している場合に有利区間表示器15bを消灯させる。具体的には、有利区間を設定した時に有利区間表示器15bを点灯させ、この点灯を有利区間が解除されるまで維持し、有利区間の解除と同期して有利区間表示器15bを消灯させる。
【0110】
(演出状態の遷移について)
サブCPU300aは、遊技区間の移行に応じて、演出状態の移行を制御する。演出状態は、非AT演出状態とAT演出状態に大別される。非AT区間では非AT演出状態に制御する。また、AT区間ではAT演出状態に制御する。
【0111】
サブCPU300aは、AT演出状態では、内部抽選で打順ベルA~Dのいずれかに当選した場合に入賞補助画像を液晶表示器16に表示させるよう制御する。また、サブCPU300aは、ATの最終遊技において、AT終了画像、設定示唆画像、および注意喚起画像を液晶表示器16に表示させるよう制御する。
【0112】
(遊技制御基板100のメイン処理)
図6は、メインCPU100aが実行するメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、メインCPU100aのメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(MAXBETボタン18、スタートレバー8、ストップボタン9~11)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
【0113】
メイン処理では、メインCPU100aは、初期化処理(S100)を実行した後は、ベット処理(S200)、抽選処理(S300)、リール回転処理(S400)、リール停止処理(S500)、判定処理(S600)、払出処理(S700)、ゲーム終了時処理(S800)を順に実行し、ゲーム終了時処理(S800)が終了すると、再びベット処理(S200)に戻る。
【0114】
(ステップS100)
ステップS100における初期化処理では、メインCPU100aは、電源スイッチを介してスロットマシンSの電源を投入し、通電状態になると、遊技開始に備え初期化処理を実行する。メインCPU100aは、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM100cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、リール4~6の回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各リール4~6が回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM100cの初期化(RAMクリア)は行われない。
【0115】
(ステップS200)
ステップS200におけるベット処理では、メインCPU100aは、遊技者によるMAXBETボタン18の操作、または、メダル投入口7へのメダルの投入を通じてメダルをベットすることにより、掛数を設定する。また、メインCPU100aは、掛数が設定されたことを示す投入コマンドを生成し、生成された投入コマンドを演出制御基板300に送信する。
【0116】
(ステップS300)
ステップS300における抽選処理では、メインCPU100aは、スタートレバー8に対する遊技開始操作を有効化し、スタートレバー8の操作待ち状態に移行する。ここで、メインCPU100aは、遊技者によるスタートレバー8の操作に応じて、スタートレバー8が操作された時点における1の内部抽選乱数を取得する。そして、メインCPU100aは、図3に示した内部抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の内部抽選テーブルを決定するとともに、取得した内部抽選乱数が、決定した内部抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選エリアまたは不当選を抽選結果として決定する。また、メインCPU100aは、内部抽選において当選役「RBB」が決定されると、遊技状態を通常状態からRBB内部に移行させる。
【0117】
また、メインCPU100aは、スタートレバー8の操作に応じて抽選結果が決定された後、内部抽選の抽選結果(当選エリアまたは不当選)や遊技状態に関する情報等を含む内部抽選コマンドを生成し、生成された内部抽選コマンドを演出制御基板300に送信する。
【0118】
(ステップS400)
ステップS400におけるリール回転処理では、メインCPU100aは、スタートレバー8が操作されると、ステッピングモータ200を駆動して左リール4、中リール5、右リール6を回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール4、中リール5、右リール6の回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール4、中リール5、右リール6の回転を開始し、左リール4、中リール5、右リール6の全てが定速回転となったところで、ステップS500に処理を移す。
【0119】
(ステップS500)
ステップS500におけるリール停止処理では、メインCPU100aは、ストップボタン9~11を有効化し、遊技者によるストップボタン9~11の操作を受け付けると、その操作に対応する左リール4、中リール5、右リール6のいずれかを停止制御する。この場合、メインCPU100aは、ストップボタン9~11を有効化すると、その旨の情報を含むコマンドを演出制御基板300に送信する。
【0120】
また、メインCPU100aは、ストップボタン9~11のいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップボタン9~11の情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、生成された停止コマンドを順次、演出制御基板300に送信する。
【0121】
(ステップS600)
ステップS600における判定処理では、メインCPU100aは、入賞ラインL上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、メインCPU100aは、RBB内部において、入賞ラインL上に表示された図柄組み合わせが当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせであれば、遊技状態をRBB内部からRBB作動に移行させる。また、メインCPU100aは、入賞ラインL上に表示された図柄組み合わせや、入賞ラインL上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、生成された入賞コマンドを演出制御基板300に送信する。
【0122】
(ステップS700)
ステップS700における払出処理では、メインCPU100aは、ステップS600における判定結果に基づき、例えば、入賞ラインL上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行する。また、メインCPU100aは、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、生成された払出コマンドを演出制御基板300に送信する。
【0123】
(ステップS800)
ステップS800におけるゲーム終了時処理では、メインCPU100aは、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。例えば、入賞ラインL上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、メインCPU100aは、通常状態においてRBBに当選した場合は遊技状態を通常状態からRBB内部に移行させるための処理を実行する。また、メインCPU100aは、RBB内部においてRBBが入賞した場合は遊技状態をRBB内部からRBB作動に移行させるための処理を実行する。また、メインCPU100aは、RBB作動においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をRBB作動から通常状態に移行させるための処理を実行する。このように、メインCPU100aは、入賞ラインL上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、当該1遊技を終了する。
【0124】
なお、メインCPU100aは、有利区間開始フラグや有利区間終了フラグがセットされていることに基づいて有利区間や非有利区間の設定を行う。
【0125】
また、メインCPU100aは、遊技状態の変更に応じた遊技状態コマンドを生成し、生成された遊技状態コマンドをコマンドバッファにセットする。セットされたコマンドは、メインCPU100aの割込処理において演出制御基板300に送信される。これにより、サブCPU300aは、有利区間であるか否かや、AT区間であるか否かを識別することができる。
【0126】
ステップS200からステップS800までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS800までを繰り返すこととなる。
【0127】
(抽選処理S300)
図7は、上記ステップS300の抽選処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0128】
(ステップS301)
まず、メインCPU100aは遊技区間がAT区間であるか否かを判定する。遊技区間がAT区間である場合はステップS302に進む。遊技区間がAT区間でない場合はステップS305に進む。
【0129】
(ステップS302)
メインCPU100aは、AT区間でのゲーム数をカウントするATゲーム数カウンタのカウント値を1減算する。なお、ATゲーム数カウンタには、AT抽選に当選したときにゲーム数がセットされ、AT区間でAT抽選に当選したときにも上乗せ分のゲーム数がセットされる。よって、ATゲーム数カウンタのカウント値が0になったときはAT区間が終了することが特定される。
【0130】
(ステップS303)
次いで、メインCPU100aは、ATゲーム数のカウント値が0になったか否かを判定する。すなわち、AT区間の終了条件が成立したか否か判定する。カウント値が0になっていない場合、すなわちAT区間の終了条件が成立していない場合はステップS305に進む。カウント値が0になっている場合、すなわちAT区間の終了条件が成立した場合はステップS304に処理を移す。
【0131】
(ステップS304)
次いで、メインCPU100aは、ATが終了することを示す終了コマンドを生成し、生成した終了コマンドをコマンドバッファにセットする。また、それまでにオンにセットされていたATフラグをオフにセットする。なお、セットされたコマンドは、メインCPU100aの割込処理において演出制御基板300に送信される。
【0132】
(ステップS305)
メインCPU100aは内部抽選を行う。
【0133】
(ステップS306)
メインCPU100aは、上記ステップS305において当選エリア「レア役」が決定された否かを判定する。その結果、当選エリア「レア役」が決定されていれば、ステップS307に処理を移し、当選エリア「レア役」が決定されていなければ処理を終了する。
【0134】
(ステップS307)
メインCPU100aは、ATに制御するか否かを決定するAT抽選を実行する。AT抽選では、ATでのゲーム数も併せて決定する。
【0135】
(ステップS308)
メインCPU100aは、上記ステップS307において実行されたAT抽選に当選したか否かを判定する。そして、AT抽選に当選した場合はステップS309に処理を移す。AT抽選に当選しなかった場合はステップS311に処理を移す。
【0136】
(ステップS309)
メインCPU100aは、上記ステップS308においてAT抽選に当選したと判定した場合は、ATでのゲーム数をカウントするATゲーム数カウンタにATでのゲーム数をセットする。
【0137】
(ステップS310)
メインCPU100aは、ATに制御することを示すATフラグをオンにセットする。
【0138】
(ステップS311)
メインCPU100aは、AT抽選の結果を示すAT抽選コマンドをコマンドバッファにセットして処理を終了する。セットされたコマンドは、メインCPU100aの割込処理において演出制御基板300に送信される。
【0139】
なお、上記ステップS301~ステップS311において設定、変更されたカウンタ値やフラグのオンオフの情報は、内部抽選コマンドとして演出制御基板300に送信される。なお、本実施形態では、非有利区間では有利区間設定抽選が実行され、有利区間が設定される。
【0140】
抽選処理でセットされたコマンドは、メイン側割込処理で行われるコマンド送信処理によって、演出制御基板300に送信される。演出制御基板300は、送信されたコマンドに基づいてサブ処理を実行することになる。
【0141】
(演出制御基板300のサブ処理)
図8は、演出制御基板300のサブ処理を示したフローチャートである。
【0142】
(ステップS1100)
電源スイッチを介してスロットマシンSの電源が投入され、通電状態になると、サブCPU300aは、遊技開始に備え初期化処理を実行する。サブCPU300aは、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをサブRAM300cに保持している。
【0143】
(ステップS1200)
サブCPU300aは、メインCPU100aからのコマンドが受信されているか否か判定する。その結果、コマンドが受信されていれば、ステップS1300に処理を移し、コマンドが受信されていなければ、ステップS1400に処理を移す。
【0144】
(ステップS1300)
上記ステップS1200においてコマンドが受信されていると判定されれば、サブCPU300aは、当該受信されたコマンドに基づいて種々の処理を実行する。
【0145】
(ステップS1400)
サブCPU300aは、演出用スイッチ20の検出信号を解析し、その解析結果に基づいて種々の処理を行う。
【0146】
(ステップS1500)
サブCPU300aは、遊技の状況に応じて、ATが終了することを特定可能なAT終了画像を表示する処理(AT終了画像表示処理)を実行する。
【0147】
(ステップS1600)
サブCPU300aは、実行が決定された各種演出の実行情報(タイムテーブル)を参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行い、ステップS1200からの処理を繰り返す。この処理では、液晶表示器16の表示画像を挿入したり切り替えたりし、また、各種のコマンドを各デバイスに送信する。これにより各種演出が実行されることとなる。
【0148】
(AT終了画像表示処理S1500)
図9は、上記ステップS1500のAT終了画像表示処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0149】
(ステップS1510)
サブCPU300aは、ゲームが開始したか否かを判定する。具体的には、スタートレバー8が操作されたことに基づいて図7の抽選処理で内部抽選が行われたときに送信されるコマンドに基づいて、ゲームが開始したと判定し、ステップS1520に処理を移す。また、内部抽選が行われ、少なくともストップボタン9~11のいずれかが操作された場合は、ステップS1550に処理を移す。
【0150】
(ステップS1520)
サブCPU300aは、ATの最終ゲームであるか否かを判定する。具体的には、メインCPU100aから終了コマンドが送信された場合(図7のステップS304参照)はATの最終ゲームであると判定し、ステップS1530に処理を移す。また、メインCPU100aから終了コマンドが送信されていない場合は処理を終了する。
【0151】
(ステップS1530)
サブCPU300aは、メインCPU100aから送信されたコマンドに基づいて、内部抽選で打順ベルA~Dのいずれか当選したか否かを判定する。打順ベルA~Dのいずれかに当選した場合はステップS1540aに処理を移す。また、打順ベルA~Dのいずれかに当選しなかった場合はステップS1540bに処理を移す。
【0152】
(ステップS1535)
サブCPU300aは、メインCPU100aから送信されたコマンドに基づいて、ストップボタン9~11が有効化される前であるか否かを判定する。つまり、リール4~6が停止可能となる前である否かを判定する。ストップボタン9~11が有効化される前である場合、ステップS1540aに処理を移す。ストップボタン9~11が有効化される前でない場合、処理を終了する。
【0153】
(ステップS1540a)
サブCPU300aは、当選した打順ベルA~Dのいずれかの正解打順の指示情報を示す入賞補助画像のデータをセットする。
【0154】
(ステップS1540b)
サブCPU300aは、AT終了演出を行うために、ATが終了することを特定可能なAT終了画像のデータをセットして処理を終了する。このAT終了画像には、ATの最終ゲームを除く遊技で遊技者に付与されたメダルの獲得枚数に関する情報が含まれる。なお、ステップS1540a,S1540bの処理に基づいて、サブCPU300aは、図8のステップS1600の演出実行処理において、入賞補助画像およびAT終了画像を液晶表示器16に表示させ、AT終了演出を開始させることになる(詳細は後述)。
【0155】
(ステップS1550)
サブCPU300aは、ゲームが終了しているか否かを判定する。具体的には、内部抽選が行われ、全てのストップボタン9~11が操作された場合はゲームが終了したと判定し、ステップS1560に処理を移す。それ以外の場合は処理を終了する。
【0156】
(ステップS1560)
サブCPU300aは、ステップS1520と同様にして、ATの最終ゲームであるか否かを判定する。ATの最終ゲームである場合はステップS1570に進む。ATの最終ゲームでない場合は処理を終了する。
【0157】
(ステップS1570a)
サブCPU300aは、AT終了画像のデータをセットする。このAT終了画像には、ATの最終ゲームを含む遊技で遊技者に付与されたメダルの獲得枚数に関する情報が含まれる。
【0158】
(ステップS1570b)
サブCPU300aは、遊技者に対してのめり込み防止等の注意を喚起する注意喚起画像のデータをセットする。
【0159】
(ステップS1570c)
サブCPU300aは、設定手段190の記憶領域に記憶されている設定値を示唆する設定示唆画像のデータをセットし処理を終了する。なお、ステップS1570a,S1570b,S1570cの処理でセットされたデータに基づいて、サブCPU300aは、図8のステップS1600の演出実行処理において、AT終了画像、注意喚起画像、および設定示唆画像を液晶表示器16に表示させ、AT終了演出を終了させることになる(詳細は後述)。
【0160】
(具体例)
AT終了演出の具体例について図10(a)~(c)を参照して説明する。
【0161】
図10(a)は、ATの最終ゲームの開始したときの様子を示しており、図10(b)は、ATの最終ゲームで右リール6が停止したときの様子を示しており、図10(c)は、ATの最終ゲームで全てのリール4~6が停止したときの様子を示している。
【0162】
図10(a)に示すように、ATの最終ゲームが開始すると、リール4~6の変動表示が停止可能となる前から、AT終了演出が開始してAT終了画像900および入賞補助画像910が液晶表示器16に表示される。つまり、AT終了画像900および入賞補助画像910の表示開始のタイミングは、リール4~6が停止可能となる前である。
【0163】
AT終了画像900では、今回のゲームがATの終了するゲームであることを示す情報900aとして「AT最終ゲーム!!」という文字が表示されている。また、ATの最終遊技を除く遊技で遊技者に付与されたメダルに関する情報が表示されており、この情報には、これまでに行われたATのセット数に相当する総バトル数に関する情報900bと、そのAT全体で獲得したメダルの枚数に関する情報900cとが含まれる。総バトル数に関する情報900bとして「総バトル数 3」が表示され、メダルの枚数に関する情報900cとして「TOTAL 300枚」が表示されている。なお、図10(a)で表示されているAT全体で獲得したメダルの枚数に関する情報900cは、ATにおいてAT終了画像900が表示されるまでに遊技者に付与されたメダルの枚数を示している。
【0164】
また、この最終ゲームでは、打順ベルA~Dのいずれかに当選したことに基づいて、AT終了画像900上に入賞補助画像910が表示されている。この入賞補助画像910では、ストップボタン9~11を右→中→左の打順6で操作することを遊技者に対して報知している。このように、本実施形態では、ATが終了する最終ゲームにおいて内部抽選の結果が打順ベルA~Dのいずれかの当選であった場合に、入賞補助画像910と、AT終了画像900とをリール4~6の変動表示が終了する前から表示可能となっている。
【0165】
図10(b)に示すように、ストップボタン9~11が有効化されて遊技者が右ストップボタン11を操作したことに基づいて、右リール6が停止して、入賞補助画像910のうち右ストップボタン11に相当する画像は表示されなくなり、左ストップボタン9および中ストップボタン10に相当する画像が表示されている。なお、AT終了画像900は図10(a)のときと変わりない。
【0166】
図10(c)に示すように、遊技者が中ストップボタン10、左ストップボタン9を順次操作したことに基づいて、全てのリール4~6が停止し、当選した打順ベルA~Dのいずれかが入賞している。このとき表示されているAT終了画像900では、ATの最終遊技を含む遊技で遊技者に付与されたメダルに関する情報が表示される。つまり、この例では入賞により10枚のメダルが払い出されたため、AT全体で獲得したメダルの枚数に関する情報900cが「TOTAL 310」枚に更新表示されている。なお、図10(c)で表示されているAT全体で獲得したメダルの枚数に関する情報900cは、図10(a)の場合とは異なり、ATにおける最初の遊技から最終の遊技に亘って遊技者に付与されたメダルの枚数を示している。また、入賞補助画像910は、遊技者が第3停止である左ストップボタン9を操作したときから表示されなくなっている。さらに、ATの終了するゲームであることを示す情報900aとして「AT終了」という文字が表示されている。
【0167】
また、図10(c)に示すように、全てのリール4~6が停止した後に、AT終了画像900上に設定示唆画像920が表示されている。この設定示唆画像920には、海岸を歩いているキャラクタCが1人だけ表示されていることから、例えば設定値が「1」かもしれないことを遊技者に対して示唆している。
【0168】
また、図10(c)に示すように、全てのリール4~6が停止した後に、設定示唆画像920上に注意喚起画像930が表示される。この注意喚起画像930では、「のめり込みに注意しましょう。 パチスロは適度に楽しむ遊びです。」と表示され、遊技者に対してのめり込み防止の注意を喚起している。このように、本実施形態では、AT終了画像900を表示しているときに、設定示唆画像920と注意喚起画像930を同時期に表示可能となっている。なお、注意喚起画像930の表示開始のタイミングは、全てのリール4~6が停止してメダルの枚数に関する情報900c(図10(c)では「TOTAL 310枚」)の更新表示が完了したタイミグである。
【0169】
このように、このスロットマシンSは、AT終了画像900を液晶表示器16に表示さているときに、設定示唆画像920と、注意喚起画像930と、を同時期に表示可能となっている。言い換えると、このスロットマシンSは、設定示唆画像920を液晶表示器16に表示させているときに、AT終了画像900と、注意喚起画像930と、を同時期に表示可能になっている。さらに言い換えると、このスロットマシンSは、注意喚起画像930を液晶表示器16に表示さているときに、AT終了画像900と、設定示唆画像920と、を同時期に表示可能となっている。
【0170】
このようなスロットマシンSによれば、AT終了演出において、単にATの遊技結果を示すAT終了画像900を表示するだけでなく、設定示唆画像920および注意喚起画像930を同時期に表示できるので、AT終了演出の演出効果を向上させることができる。
【0171】
また、ATの最終遊技において打順ベルA~Dのいずれかに当選した場合に、入賞補助画像910と、ATの最終遊技を除く遊技で遊技者に付与されたメダルに関する情報を示すAT終了画像900と、をリール4~6が停止可能となる前から表示可能である。よって、AT終了画像900でATの遊技結果を遊技者に確実に示すとともに、ATの最終遊技で打順を間違えないように入賞補助画像910を遊技者に確実に示すことができる。よって、AT終了演出の演出効果を向上させることができる。
【0172】
さらに、AT終了画像900では、リール4~6が停止するまでは、ATの最終遊技を除く遊技で遊技者に付与されたメダルに関する情報が表示され、リール4~6が停止した後は、ATの最終遊技を含む遊技で遊技者に付与されたメダルに関する情報が表示される。よって、遊技者に対してATの最終遊技を含む遊技で獲得できた正確なメダルの枚数を表示可能であり、しかもATの最終遊技でメダルが更新表示されると遊技者の遊技意欲が低下することを抑制できる。したがって、AT終了演出の演出効果を向上させることができる。
【0173】
なお、本実施形態では図10の(c)の後、つまりATが終了した後に、昇格画像が表示される場合がある。この昇格画像は、設定値がAT終了演出における設定示唆画像920で示唆されていたときよりも高いことを確定させる画像である。昇格画像には、設定値が2以上であることを確定させる2以上確定画像、設定値が3以上であることを確定させる3以上確定画像、設定値が4以上であることを確定させる4以上確定画像、設定値が5以上であることを確定させる5以上確定画像、および設定値が6であることを確定させる6確定画像が含まれる。そして、本実施形態では、これらの画像は、ATが終了する毎に確定される設定値が段階的に高くなるように表示可能となっている。以下において、昇格画像が表示されるときの具体例について図11を参照して説明する。
【0174】
(具体例)
例えば図10(c)で示したようにATが終了し、スタートレバー8が操作されたことに基づいて、昇格画像を表示するか否かの昇格表示抽選が行われる。昇格表示抽選に当選した場合は図11(d2)に示す2以上確定画像950が液晶表示器16に表示され、昇格表示抽選に当選しなかった場合は図11(d1)に示す演出状態が通常モードに移行したことを特定可能な通常背景画像960が表示される。上述のようにAT終了演出における設定示唆画像920で設定値1が示唆されているため、ここでは昇格画像として2以上確定画像950が表示されることになる。なお、スタートレバー8が操作されてから2以上確定画像950が表示されるまでの間に、図10(c)に示す設定示唆画像920が一旦縮小表示され、ストップボタン9~11のいずれかが操作されることで、2以上確定画像950が表示されるようにしても良い。また、昇格表示抽選の当選確率は、例えば12.50%に設定されるが、この値に限定されることなく、適宜設定可能である。
【0175】
2以上確定画像が表示された後に、スタートレバー8が操作されると、図11(d3)に示すように通常背景画像が表示され、演出状態が通常モードに移行する。通常モードにおいて、レア役の当選に基づいてAT抽選に当選すると、再度ATに制御される。そして、このATが終了したときに、図11(e1)に示すように2以上確定画像950が表示される。その後、スタートレバー8が操作されたことに基づいて、再度昇格表示抽選が行われ、昇格表示抽選に当選した場合は昇格画像として図11(e3)に示すように3以上確定画像970が表示され、昇格表示抽選に当選しなかった場合は図11(e2)に示すように通常背景画像960が表示される。
【0176】
その後も、ATが終了する毎に、それ以前に確定されていた設定値よりも高い設定値を確定させる昇格画像が段階的に表示されるようになっている。なお、一度、昇格画像で所定の設定値以上であることが確定されると、スロットマシンSが電断または設定変更されるまでは所定の設定値よりも低い設定値を確定させる昇格画像は表示されない。また、例えば3以上確定画像が表示された後に、4以上確定画像を表示させることなく、5以上確定画像または6確定画像を表示させるように、確定表示させる設定値を1段階以上とばして表示させても良い。
【0177】
このように構成されたスロットマシンSによれば、ATが終了する毎に確定される設定値が段階的に高くなるように昇格画像を表示可能なので、設定値が如何なる値に設定されているかについて遊技者の興味を惹き付けることができる。また、設定値が容易に判別されることを防止でき、仮に設定示唆画像920により示唆された設定値が1である場合でも、その後に2以上確定画像が表示される可能性があるので、遊技者が遊技を即時に止めることを防止できる。
【0178】
(筐体の支持部材と前扉の被支持部材について)
次に、図12図17を参照して筐体1と前扉2の構成について説明する。なお、以下においては、前後左右の方向はスロットマシンSに正対する遊技者を基準として規定されるものとする。
【0179】
図12に示すように、前扉2の背面側の右下部には上下方向に延びる右側板2aが設けられ、右側板2aの内側に隣接するように被支持部材40が設けられる。被支持部材40は、後方(筐体1側)に突出しており、前扉2が閉まっているときに筐体1の後述する支持部材50(図16,17参照)によって支持される。
【0180】
図13,14に示すように、前扉2の被支持部材40は、平板部41と、ローラ部42と、を有する。平板部41は、前扉2の右側板2aの内側から後方に突出するよう設けられる。また、平板部41は、右側板2aとの間に隙間が形成されるように内側に折り曲げられ、この隙間にローラ部42が配置される。ローラ部42は、軸部43を介して平板部41の先端に軸支され、軸部43を中心として回転可能になっている。また、ローラ部42は、前後方向において右側板2aよりも後方に突出しており、前扉2を閉じるときにローラ部42の方が右側板2aよりも先に筐体1側と接触するようになっている。
【0181】
図15に示すように、筐体1の右側板1aには、前扉2の被支持部材40と対向する位置に支持部材50が設けられる。支持部材50は、ベース板51を介して右側板1aに取り付けられる。
【0182】
図16,17に示すように、支持部材50は、案内部52と、支持部53と、阻止部54と、を有する。案内部52は前方傾斜するように形成され、その後端側が支持部53の前端側と接続する。案内部52は、前扉2を閉じるときに被支持部材40のローラ部42と当接可能になっている。ローラ部42が案内部52に当接した状態で、遊技場の管理者が前扉2を後方に押し込むことで、ローラ部42は案内部52上を移動して支持部53上に案内される。
【0183】
支持部53は、ローラ部42を下方から支持する。また、支持部53は後方傾斜するように形成され、その後端側が阻止部54と接続する。そのため、ローラ部42は、支持部53上において阻止部54に向かって容易に移動可能となっている。
【0184】
阻止部54は、支持部53に対して垂直に立設されており、ローラ部42の後方への移動を阻止するストッパとして機能する。
【0185】
前扉2は、その開閉状態に応じて、第1状態と、第2状態と、第3状態と、に回動可能になっている。以下、図18~20を参照して、前扉2の第1~第3状態について説明する。なお、図18~20に示す断面は図1のS-S線断面であり、このS-S線断面は、筐体1または前扉2の右側辺から遊技メダル1~2枚程度内側の位置を筐体1の載置面Zに対して垂直に切断した断面である。また、この位置の後方近傍には、前扉2の被支持部材40および筐体1の支持部材50が設けられている。
【0186】
図18に示すように、前扉2の第1状態は、前扉2が閉じており、前扉2の被支持部材40のローラ部42が、筐体1の支持部材50の阻止部54と当接した状態で支持部53上に載置されている状態である。第1状態において、前扉2の下辺部2bと筐体1の載置面Zとの間には、第1隙間G1が形成されている。第1隙間G1の上下方向の寸法は、第1寸法L1(約3mm~5mm)に設定される。第1寸法L1は、図21(a)に示すような遊技球Bの直径(約11mm)よりも小さく、図21(b)に示すようなメダルMの厚さ(約1.6mm~約1.7mm)よりも大きい。
【0187】
図19に示すように、前扉2の第2状態は、前扉2が開いており、前扉2の被支持部材40のローラ部42が、筐体1の支持部材(の案内部52)と当接していない状態である。第2状態において、前扉2の下辺部2bと筐体1の載置面Zとの間には、第2隙間G2が形成されている。第2隙間G2の上下方向の寸法は、第2寸法L2(約2~3mm)に設定される。第2寸法L2は、第1寸法L1(図18参照)と同様に、遊技球Bの直径(図21(a)参照)よりも小さく、メダルMの厚さ(図21(b)参照)よりも大きい。また、第2状態において、前扉2の開放角度(回動角度)は10度以下となっており、第2寸法はこの開放角度の範囲内において概ね一定の値となっている。
【0188】
図20に示すように、前扉2の第3状態は、前扉2が閉じており、前扉2の被支持部材40のローラ部42が、筐体1の支持部材50(の案内部52)と当接している状態である。第3状態において、前扉2の下辺部2bと筐体1の載置面Zとの間には、第3隙間G3が形成されている。第3隙間G3の上下方向の寸法は、第3寸法L3(約2mm~3mm)に設定される。第3寸法L3は、第1寸法L1(図18参照)および第2寸法L2(図18参照)と同様に、遊技球Bの直径(図21(a)参照)よりも小さく、メダルMの厚さ(図21(b)参照)よりも大きい。
【0189】
また、図示は省略するが、前扉2が第3状態にあるとき、正面視において前扉2の右辺から筐体1の右辺までの寸法は、第4寸法L4(約33mm)に設定される。第4寸法L4は、図21(c)に示すようなメダルMの直径(約25mmや約30mm)よりも大きい。また、第3状態において、前扉2の開放角度(回動角度)は第2状態における前扉2の開放角度未満となっている。
【0190】
このように、前扉2の開閉状態に応じて、前扉2の下辺部2bと筐体1の載置面Zとの間に異なる大きさの隙間G1~G3が形成される。つまり、前扉2が第1状態にあるときには第1寸法L1の第1隙間G1が形成され、前扉2が第2状態にあるときには第2寸法L2の第2隙間G2が形成され、前扉2が第3状態にある場合には第3寸法L3の第3隙間G3が形成される。そして、第1~第3寸法L1,L2,L3の大小関係は、L3≒L2≦L1となっている。
【0191】
以上、本実施形態に係るスロットマシンSによれば、前扉2が第1状態および第2状態の何れの状態でも、前扉2の下辺部2bと筐体1の載置面Zとの間に形成される隙間(第1隙間G1、第2隙間G2)の寸法(第1寸法L1、第2寸法L2)は、遊技メダルの厚みよりも大きくなっている。よって、前扉2を第2状態から第1状態または第1状態から第2状態に回動させる場合でも、その回動をメダルに阻止されることを防止できる。
【0192】
特に、前扉2には各種演出装置等の重量がある装置が取り付けられており、前扉2を開いたとき、前扉2はその自重により若干下方に下がってしまう。そのため、前扉2の下辺部2bと筐体1の載置面Zとの間に形成される隙間の上下方向の寸法が、メダルの厚みよりも小さくなる場合がある。この場合、前扉2を開閉するときに、その隙間にメダルが食い込んでしまい、前扉2の開閉ができなくなったり、前扉2自体が破損してしまう虞があった。しかしながら、本実施形態では、前扉2が第1状態および第2状態にあるときに、前扉2の下辺部2bと筐体1の載置面Zとの隙間にメダルが食い込まないように設計されている。具体的には、その隙間にメダルが入り込んでも、そのメダルと前扉2の下辺部2bとが接触しないように隙間の大きさが設定されている。したがって、前扉2を第2状態から第1状態または第1状態から第2状態に回動するときに、その回動をメダルに阻止されることなくスムーズに行え、さらに前扉2自体が破損してしまうことも防止できる。
【0193】
また、前扉2が第3状態にある場合でも、前扉2の下辺部2bと筐体1の載置面Zとの間に形成される隙間(第3隙間G3)の寸法(第3寸法L3)は、遊技メダルの厚みよりも大きくなっている。よって、前扉2を第3状態から第2状態または第2状態から第3状態に回動するときに、その回動をメダルに阻止されることなくスムーズに行え、さらに前扉2自体が破損してしまうことも防止できる。
【0194】
また、前扉2が第1~第3状態のいずれの状態でも、前扉2の下辺部2bと筐体1の載置面Zとの間に形成される隙間(第1~第3隙間G1~G3)の上下方向の寸法(第1~第3寸法L1~L3)が遊技球の直径よりも小さい。よって、仮にスロットマシンSの近くにパチンコ機が配置されており、そのパチンコ機で用いられる遊技球が転がってきても、その遊技球が前扉2の下辺部2bと筐体1の載置面Zとの隙間に入り込めないように設計されている。したがって、前扉2の下辺部2bと筐体1の載置面Zとの隙間に遊技球が入り込むことに起因して、前扉2をスムーズに回動できなくなることを防止でき、さらに前扉2自体が破損してしまうことも防止できる。
【0195】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、遊技を行うことが可能な遊技機(本例では、スロットマシンS)において、筐体(本例では、筐体1)と、前記筐体の前面に回動可能に設けられた前扉(本例では、前扉2)と、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、AT)に制御可能な有利状態制御手段(本例では、メインCPU100a、遊技状態制御手段170)と、画像を表示可能な画像表示手段(本例では、サブCPU300a、演出制御手段330)と、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちのいずれかを設定可能な設定手段(本例では、設定手段190)と、を備え、前記画像表示手段は、前記有利状態が終了することを特定可能な有利状態終了画像(本例では、図10に示すAT終了画像900)と、前記設定手段により設定されている設定値を示唆する設定示唆画像(本例では、図10(c)に示す設定示唆画像920)と、遊技者に所定の注意を喚起する注意喚起画像(本例では、図10(c)に示す注意喚起画像930)と、を同時期に表示可能であり、前記前扉は、第1状態(本例では、図18に示す状態)と、第2状態(本例では、図19に示す状態)とに回動可能であり、前記第1状態は、前記前扉が閉じており、前記前扉の被支持部材(本例では、図12~14の被支持部材40)が前記筐体の支持部材(本例では、図15~17の支持部材50)に支持されており、前記前扉の所定の下辺部(本例では、図18の下辺部2b)から前記筐体の載置面(本例では、図18の載置面Z)までの隙間(本例では、第1隙間G1)の寸法が第1寸法(本例では、第1寸法L1)となっている状態であり、前記第2状態は、前記前扉が開いており、前記前扉の前記被支持部材が前記筐体の前記支持部材に当接しておらず、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間(本例では、図19の第2隙間G2)の寸法が第1寸法よりも小さい第2寸法(本例では、第2寸法L2)となっている状態であり、前記第1寸法は、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きく、前記第2寸法も、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きい。よって、終了演出の演出効果を向上させることができる。
【0196】
また、本実施形態では、識別情報(本例では、各リール4~6の外周面に配列されている複数の図柄)の変動表示を行い、前記変動表示が停止したときの表示結果に基づいて入賞が発生可能な遊技機(本例では、スロットマシンS)において、筐体(本例では、筐体1)と、前記筐体の前面に回動可能に設けられた前扉(本例では、前扉2)と、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、AT)に制御可能な有利状態制御手段(本例では、メインCPU100a、遊技状態制御手段170)と、内部抽選を行う内部抽選手段(本例では、内部抽選手段130)と、遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(本例では、ストップボタン9~11)と、画像を表示可能な画像表示手段(本例では、サブCPU300a、演出制御手段330)と、を備え、前記画像表示手段は、前記内部抽選の結果が特定結果であった場合(本例では、打順ベルA~Dのいずれかに当選した場合)に、該特定結果に基づく入賞が発生可能となるように前記導出操作手段の操作を補助する入賞補助画像(本例では、入賞補助画像910)と、前記有利状態が終了することを特定可能な有利状態終了画像(本例では、AT終了画像900)と、を表示可能であり、前記入賞補助画像と前記有利状態終了画像の表示開始のタイミングは、前記変動表示が停止可能となる前であり(本例では、図10(a)においてAT終了画像900と入賞補助画像910とを表示)、前記前扉は、第1状態(本例では、図18に示す状態)と、第2状態(本例では、図19に示す状態)とに回動可能であり、前記第1状態は、前記前扉が閉じており、前記前扉の被支持部材(本例では、図12~14の被支持部材40)が前記筐体の支持部材(本例では、図15~17の支持部材50)に支持されており、前記前扉の所定の下辺部(本例では、図18の下辺部2b)から前記筐体の載置面(本例では、図18の載置面Z)までの隙間(本例では、図18の第1隙間G1)の寸法が第1寸法(本例では、図18の第1寸法L1)となっている状態であり、前記第2状態は、前記前扉が開いており、前記前扉の前記被支持部材が前記筐体の前記支持部材に当接しておらず、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間(本例では、図19の第2隙間G2)の寸法が第1寸法よりも小さい第2寸法(本例では、図19の第2寸法L2)となっている状態であり、前記第1寸法は、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きく、前記第2寸法も、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きい。よって、終了演出の演出効果を向上させることができる。
【0197】
さらに、本実施形態では、識別情報(本例では、各リール4~6の外周面に配列されている図柄)の変動表示を行い、前記変動表示が停止したときの表示結果に基づいて入賞が発生可能な遊技機(本例では、スロットマシンS)において、筐体(本例では、筐体1)と、前記筐体の前面に回動可能に設けられた前扉(本例では、前扉2)と、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、AT)に制御可能な有利状態制御手段(本例では、メインCPU100a、遊技状態制御手段170)と、内部抽選を行う内部抽選手段(本例では、内部抽選手段130)と、遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(本例では、ストップボタン9~11)と、画像を表示可能な画像表示手段(本例では、サブCPU300a、演出制御手段330)と、を備え、前記画像表示手段は、前記内部抽選の結果が特定結果であった場合(本例では、打順ベルA~Dのいずれかに当選した場合)に、該特定結果に基づく入賞が発生可能となるように前記導出操作手段の操作を補助する入賞補助画像(本例では、入賞補助画像910)と、前記有利状態が終了することを特定可能な有利状態終了画像(本例では、AT終了画像900)と、を表示可能であり、前記入賞補助画像および前記有利状態終了画像の表示開始のタイミングは、前記変動表示が停止可能となる前であり(本例では、図10(a)においてAT終了画像900と入賞補助画像910とを表示)、前記有利状態終了画像は、前記変動表示が終了するまでは、前記有利状態において前記有利状態終了画像が表示されるまでに遊技者に付与された遊技価値に関する情報を含み(本例では、図10(a)においてAT全体で獲得したメダルの枚数に関する情報900bとして「TOTAL 300枚」と表示)、前記変動表示が終了した後は、前記有利状態に亘って遊技者に付与された遊技価値に関する情報を含み(本例では、図10(c)においてAT全体で獲得したメダルの枚数に関する情報900bとして「TOTAL 310枚」と表示)、前記画像表示手段は、前記変動表示が終了した後に前記有利状態終了画像を表示しているときに、遊技者に所定の注意を喚起する注意喚起画像を表示可能であり(本例では、図10(c)においてリール4~6の停止後に注意喚起画像930を表示)、前記前扉は、第1状態(本例では、図18に示す状態)と、第2状態(本例では、図19に示す状態)とに回動可能であり、前記第1状態は、前記前扉が閉じており、前記前扉の被支持部材(本例では、図12~14の被支持部材40)が前記筐体の支持部材(本例では、図15~17の支持部材50)に支持されており、前記前扉の所定の下辺部(本例では、図18の下辺部2b)から前記筐体の載置面(本例では、図18の載置面Z)までの隙間(本例では、図18の第1隙間G1)の寸法が第1寸法(本例では、図18の第1寸法L1)となっている状態であり、前記第2状態は、前記前扉が開いており、前記前扉の前記被支持部材が前記筐体の前記支持部材に当接しておらず、前記前扉の所定の下辺部から前記筐体の載置面までの隙間の寸法(本例では、図19の第2隙間G2)が第1寸法よりも小さい第2寸法(本例では、図19の第2寸法L2)となっている状態であり、前記第1寸法は、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きく、前記第2寸法も、遊技球の直径よりは小さく、遊技メダルの厚さよりも大きい。よって、終了演出の演出効果を向上させることができる。
【0198】
(変形例)
上記実施形態において、前扉2は上扉と下扉とを有し、これら上扉と下扉が別々に筐体1に開閉自在に軸支される構成でも良い。この場合、上記前扉2の被支持部材の構成を下扉に適用すれば、上記と同様の効果を奏することができる。
【0199】
上記実施形態において、有利状態としてATを搭載したスロットマシンSを挙げて説明したが、これに限定されない。例えば小役の当選確率が高確率に設定された所謂リアルボーナスを搭載したスロットマシンや、ATに制御され、かつRTに制御される所謂ARTを搭載したスロットマシンにも本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0200】
S スロットマシン
1 筐体
Z 筐体の載置面
2 前扉
2b 下辺部(所定の下辺部)
9~11 ストップボタン(導出操作手段)
40 被支持部材
50 支持部材
100a メインCPU(有利状態制御手段)
170 遊技状態制御手段(有利状態制御手段)
300a サブCPU(画像表示手段)
330 演出制御手段(画像表示手段)
130 内部抽選手段
190 設定手段
900 AT終了画像(有利状態終了画像)
910 入賞補助画像
920 設定示唆画像
930 注意喚起画像
G1 第1隙間(隙間)
G2 第2隙間(隙間)
L1 第1寸法
L2 第2寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21