(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】カリウムチャネル調節剤としてのテトラヒドロ―1H―ベンザゼピン化合物ならびにその調製および応用
(51)【国際特許分類】
C07D 223/16 20060101AFI20230808BHJP
A61K 31/55 20060101ALI20230808BHJP
C07D 409/06 20060101ALI20230808BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20230808BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230808BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20230808BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
C07D223/16 A CSP
A61K31/55
C07D409/06
A61P9/00
A61P25/00
A61P25/04
A61P25/08
(21)【出願番号】P 2021571381
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(86)【国際出願番号】 CN2020092401
(87)【国際公開番号】W WO2020238917
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-11-30
(31)【優先権主張番号】201910473074.X
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518358228
【氏名又は名称】シャンハイ ジムン バイオファーマ,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI ZHIMENG BIOPHARMA INC.
【住所又は居所原語表記】Room A302, A304, Building 1, 1976 Gaoke Middle Road, China(Shanghai)Pilot Free Trade Zone, Pudong New Area, Shanghai 201210, China
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】リャン,ボウ
(72)【発明者】
【氏名】ジン,チウ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ファンミン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ツィジュン
(72)【発明者】
【氏名】フア,ボウ
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/000694(WO,A1)
【文献】特表2010-536771(JP,A)
【文献】国際公開第2004/096767(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/029623(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Aに示される化合物またはその薬学的に許容される塩であって、
【化1】
ここで、
R
1は、C
6―10アリール基(aryl group)、N、OまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子(heteroatoms)を含む4~7員ヘテロアリール基(heteroaryl group)からなる群の置換または非置換の基から選択され、前記置換とは、ハロゲン(Halogen)、ニトロ基(nitro group)、シアノ基(cyano group)、C
1―6アルキル基(alkyl group)、C
3―6シクロアルキル基(cycloalkyl group)、C
1―6アルコキシ基(alkoxy group)、C
3―6シクロアルコキシ基(cycloalkoxy group)、ハロゲン化(halogenated)C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基、C
1―6アルキルアミン基(alkylamin group)からなる群から選択される一つまたは複数の置換基によって置換されることを指し、
R
2およびR
3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1―6アルキル基、C
1―6アルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基からなる群から選択され、
R
4は、C
1―6アルキル基、C
3―6シクロアルキル基からなる群の置換または非置換の基から選択され、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C
1―6アルキル基、C
1―6アルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基、C
2―6アルケニル基(alkenyl group)、C
2―6アルキニル基(alkynyl group)、C
3―6シクロアルキル基からなる群から選択される一つまたは複数の置換基によって置換されることを指し、
mは、0、1、2、3、4、5、6からなる群から選択されることを特徴とする、前記化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
R
1は、置換されたC
6―10アリール基であり、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C
1―6アルキル基、C
3―6シクロアルキル基、C
1―6アルコキシ基、C
3―6シクロアルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基、C
1―6アルキルアミン基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、
R
2およびR
3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1―6アルキル基、C
1―6アルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基からなる群から選択され、
R
4は、C
1―6アルキル基、C
3―7シクロアルキル基からなる群の置換または非置換の基から選択され、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C
1―6アルキル基、C
1―6アルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基、C
2―6アルケニル基、C
2―6アルキニル基、C
3―6シクロアルキル基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、
mは、0、1、2、3、4、5、6からなる群から選択されることを特徴とする
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
R
1は、置換されたC
6―10アリール基であり、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C
1―6アルキル基、C
3―6シクロアルキル基、C
1―6アルコキシ基、C
3―6シクロアルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基、C
1―6アルキルアミン基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、
R
2およびR
3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1―6アルキル基、C
1―6アルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基からなる群から選択され、
R
4は、非置換のC
3―7シクロアルキル基であり、
mは、0、1、2、3、4、5、6からなる群から選択されることを特徴とする
請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
R
1は、N、OまたはSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む置換または非置換の4~7員ヘテロアリール基であり、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C
1―6アルキル基、C
3―6シクロアルキル基、C
1―6アルコキシ基、C
3―6シクロアルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基、C
1―6アルキルアミン基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、
R
2およびR
3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1―6アルキル基、C
1―6アルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基からなる群から選択され、
R
4は、C
1―6アルキル基、C
3―7シクロアルキル基からなる群の置換または非置換の基から選択され、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C
1―6アルキル基、C
1―6アルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基、C
2―6アルケニル基、C
2―6アルキニル基、C
3―6シクロアルキル基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、
mは、0、1、2、3、4、5、6からなる群から選択されることを特徴とする
請求項
1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
R
1は、N、OまたはSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む置換された4~7員ヘテロアリール基であり、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C
1―6アルキル基、C
3―6シクロアルキル基、C
1―6アルコキシ基、C
3―6シクロアルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基、C
1―6アルキルアミン基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、
R
2およびR
3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1―6アルキル基、C
1―6アルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基からなる群から選択され、
R
4は、C
1―6アルキル基、C
3―7シクロアルキル基からなる群の非置換の基から選択され、
mは、0、1、2、3、4、5、6からなる群から選択されることを特徴とする
請求項1
または4に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
前記化合物は、
【化2】
からなる群から選択されることを特徴とする
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の調製方法であって、
【化3】
式Pに示される化合物を式Qに示される化合物と反応させて、式Aに示される化合物を得る段階を含み、
ここで、R
1、R
2、R
3、R
4およびmは、請求項1に記載のとおりであり、
Qは、ハロゲン、ヒドロキシル基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の調製方法。
【請求項8】
医薬組成物であって、
一つまたは複数の薬学的に許容されるベクター、および一つまたは複数の請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含むことを特徴とする、前記医薬組成物。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の
、薬物の調製のための使用であって
、
前記薬物は、
1)カリウムイオンチャネルに関連する疾患の予防および/または治療、
2)哺乳動物のカリウムチャネル中のイオン電流の調節(例えば、アップレギュレーションまたはダウンレギュレーション)、および
3)カリウムチャネルのイオン電流の異常(例えば、増加または減少)に応答する病症または状態の予防、治療および/または抑制からなる群から選択される用途に使用されることを特徴とする、前記
使用。
【請求項10】
前記薬物は、中枢神経系の病症または状態、疼痛、脳卒中、神経変性疾患、ニューロンの過剰興奮状態からなる群から選択される病症または状態の予防および/または治療に使用されることを特徴とする
請求項9に記載の
使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物医学の分野に関し、具体的には、カリウムチャネル調節剤としてのテトラヒドロ―1H―ベンザゼピン化合物ならびにその調製および応用に関する。
【背景技術】
【0002】
Kv7カリウムチャネルは、電圧依存性カリウムイオンチャネルであり、低閾値の活性化、遅い活性化および非活性化という特徴を有する。Kv7カリウムチャネルは、五つのファミリーメンバー(Kv7.1―Kv7.5)を有し、すべてのKv7カリウムチャネルメンバーは、類似した学構造を有し、即ち、四つのサブユニットによって一つの機能性チャネルを形成し、各サブユニットは、六つの膜貫通セグメント(S1―S6)を含む。ここで、S4は、膜電位変化の感知および構造変化の制御等の分野に重要な役割を果たす電圧感知領域であり、S1―S6は、チャネル孔領域の主要構成部分であり、カリウムチャネル開放剤の主要な組み合わせおよび作用領域である。KV7.1カリウムチャネルは、末梢組織に分布し、心筋Iksを仲介するために心臓で発現し、その突然変異がLong Q―T症候群を引き起こす可能性ある非神経経路である。Kv7.2―Kv7.5カリウムチャネルは、神経系に広く分布し、様々な生理学的活性を有するニューロンM電流の基礎である。Kv7.2およびKv7.3カリウムチャネル遺伝子突然変異は、良性家族性新生児痙攣(Benign familial neonatal convulsions,BFNC)等の様々な異なる癲癇表現型を引き起こす可能性があり、これらは、ニューロン興奮性の調節におけるM電流の役割を完全に示す。Kv7.4カリウムチャネルは、蝸牛殻および脳幹聴覚核の外有毛細胞で高度に発現しており、その突然変異は、遺伝性難聴を引き起こす可能性がある。Kv7.5カリウムチャネルは、骨格筋および脳に高度に発現しており、その突然変異は、網膜症を引き起こす可能性がある。癲癇、不安神経症および難聴などの多くの疾患の共通する特徴は、高い膜興奮性であり、M電流の分子基礎としてKv7カリウムチャネルは、膜電位の変化を感知することで開放することができ、抑制性カリウム電流をアップレギュレートすることにより、膜興奮性を抑制し、Kv7カリウムチャネルは、高い神経興奮性を代表とする疼痛および精神的疾患において重要な意味を有する。
【0003】
レチガビン(Retigabine)は、癲癇を治療する薬物であり、現在、英国、ドイツ、デンマークで販売が承認された。研究によると、レチガビンの効果は、電位依存性カリウムチャネル(KCNQs)に関連しており、ここで、KCNQ2/3チャネルに作用してM型カリウム電流を調節することは、主な作用メカニズムである。
【0004】
レチガビン(RTG)は、2011年に市販された初めて成人部分発症性癲癇の補助治療に使用されたKv7カリウムチャネル開放剤である。抗癲癇効果があることに加えて、RTGは、不安症、神経痛、神経変性疾患等の治療にも使用されることができる。RTGは、様々な癲癇モデルにおいて癲癇の発作を効果的に軽減または防止することができる。RTGは、最大電気ショック(MES)モデルによって引き起こされる強直発作およびPTZによって誘発される間代発作の両方に効果的な抗癲癇効果を示す。さらに、RTGは、N―メチル―D―アスパラギン酸(N―methyl―D―aspartate、NMDA)、ペニシリン、ピクロトキシン、カイニン酸(Kainic acid、KA)等による癲癇発作を防止することができる。キンドリングモデルは、様々な抗癲癇薬物のスクリーニングに適用され、当該モデルに対するRTGの效果は、他のモデルより強い。すべてのKv7カリウムチャネルメンバーおよび他のチャネルに対するRTGの広範囲影響のため、その選択性が低いため、潜在的な副作用がある可能性がある。大量の報道は、RTGは、中枢神経系に関連する有害事象の発生率が高く、めまい、疲労、失語症、言語障害、腎結石および尿閉等の腎臓および尿路系疾患を含む平衡障害等の他の副作用、心停止、一過性の非持続性寝室頻拍等の心臓関連疾患を引き起こす可能性があり、網膜の変色、皮膚、爪等の青/紫の色素沈着をさらに引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、式Aに示される化合物ならびにその調製方法およびカリウムイオンチャネル開放剤としてのその用途を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、式Aに示される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、
【化1】
ここで、
R
1は、C
6―10アリール基、N、OまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロアリール基からなる群の置換または非置換の基から選択され、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C
1―6アルキル基、C
3―6シクロアルキル基、C
1―6アルコキシ基、C
3―6シクロアルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基、C
1―6アルキルアミン基からなる群から選択される一つまたは複数の置換基によって置換されることを指し、
R
2およびR
3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1―6アルキル基、C
1―6アルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基からなる群から選択され、
R
4は、C
1―6アルキル基、C
3―6シクロアルキル基からなる群の置換または非置換の基から選択され、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C
1―6アルキル基、C
1―6アルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基、C
2―6アルケニル基、C
2―6アルキニル基、C
3―6シクロアルキル基からなる群から選択される一つまたは複数の置換基によって置換されることを指し、
mは、0、1、2、3、4、5、6からなる群から選択される。
別の好ましい例において、
R
1は、置換されたC
6―10アリール基であり、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C
1―6アルキル基、C
3―6シクロアルキル基、C
1―6アルコキシ基、C
3―6シクロアルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基、C
1―6アルキルアミン基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、
R
2およびR
3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C
1―6アルキル基、C
1―6アルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基からなる群から選択され、
R
4は、C
1―6アルキル基、C
3―7シクロアルキル基からなる群の置換または非置換の基から選択され、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C
1―6アルキル基、C
1―6アルコキシ基、ハロゲン化C
1―6アルキル基、ハロゲン化C
1―6アルコキシ基、C
2―6アルケニル基、C
2―6アルキニル基、C
3―6シクロアルキル基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、
mは、0、1、2、3、4、5、6からなる群から選択される。
【0007】
別の好ましい例において、
R1は、置換されたC6―10アリール基であり、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C1―6アルキル基、C3―6シクロアルキル基、C1―6アルコキシ基、C3―6シクロアルコキシ基、ハロゲン化C1―6アルキル基、ハロゲン化C1―6アルコキシ基、C1―6アルキルアミン基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、
R2およびR3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1―6アルキル基、C1―6アルコキシ基、ハロゲン化C1―6アルキル基、ハロゲン化C1―6アルコキシ基からなる群から選択され、
R4は、非置換のC3―7シクロアルキル基であり、
mは、0、1、2、3、4、5、6からなる群から選択される。
【0008】
別の好ましい例において、R1は、置換されたC6―10アリール基であり、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C1―6アルキル基、C3―6シクロアルキル基、C1―6アルコキシ基、C3―6シクロアルコキシ基、ハロゲン化C1―6アルキル基、ハロゲン化C1―6アルコキシ基、C1―6アルキルアミン基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指す。
【0009】
別の好ましい例において、R1は、ハロゲン化フェニル基、より具体的には、モノフルオロフェニル等のハロゲン化C6―10アリール基である。
別の好ましい例において、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1―6アルキル基、C1―6アルコキシ基、ハロゲン化C1―6アルキル基、ハロゲン化C1―6アルコキシ基からなる群から選択される。
【0010】
別の好ましい例において、R4は、C1―6アルキル基、C3―7シクロアルキル基からなる群の置換または非置換の基から選択され、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C1―6アルキル基、C1―6アルコキシ基、ハロゲン化C1―6アルキル基、ハロゲン化C1―6アルコキシ基、C2―6アルケニル基、C2―6アルキニル基、C3―6シクロアルキル基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指す。
【0011】
別の好ましい例において、R4は、非置換のC3―7シクロアルキル基である。
別の好ましい例において、mは、0、1、2、3、4、5、6からなる群から選択される。
【0012】
別の好ましい例において、
R1は、N、OまたはSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む置換または非置換の4~7員ヘテロアリール基であり、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C1―6アルキル基、C3―6シクロアルキル基、C1―6アルコキシ基、C3―6シクロアルコキシ基、ハロゲン化C1―6アルキル基、ハロゲン化C1―6アルコキシ基、C1―6アルキルアミン基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、
R2およびR3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1―6アルキル基、C1―6アルコキシ基、ハロゲン化C1―6アルキル基、ハロゲン化C1―6アルコキシ基からなる群から選択され、
R4は、C1―6アルキル基、C3―7シクロアルキル基からなる群の置換または非置換の基から選択され、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C1―6アルキル基、C1―6アルコキシ基、ハロゲン化C1―6アルキル基、ハロゲン化C1―6アルコキシ基、C2―6アルケニル基、C2―6アルキニル基、C3―6シクロアルキル基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、
mは、0、1、2、3、4、5、6からなる群から選択される。
【0013】
別の好ましい例において、
R1は、N、OまたはSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む置換された4~7員ヘテロアリール基であり、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C1―6アルキル基、C3―6シクロアルキル基、C1―6アルコキシ基、C3―6シクロアルコキシ基、ハロゲン化C1―6アルキル基、ハロゲン化C1―6アルコキシ基、C1―6アルキルアミン基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指し、
R2およびR3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1―6アルキル基、C1―6アルコキシ基、ハロゲン化C1―6アルキル基、ハロゲン化C1―6アルコキシ基からなる群から選択され、
R4は、C1―6アルキル基、C3―7シクロアルキル基からなる群の非置換の基から選択され、
mは、0、1、2、3、4、5、6からなる群から選択される。
【0014】
別の好ましい例において、R1は、N、OまたはSから選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む置換された4~7員ヘテロアリール基であり、前記置換とは、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、C1―6アルキル基、C3―6シクロアルキル基、C1―6アルコキシ基、C3―6シクロアルコキシ基、ハロゲン化C1―6アルキル基、ハロゲン化C1―6アルコキシ基、C1―6アルキルアミン基からなる群から選択される1、2、3、4または5個の置換基によって置換されることを指す。
【0015】
別の好ましい例において、R1は、ハロゲン化チオフェン等の、N、OまたはSから選択されるヘ1、2または3個のテロ原子を含むハロゲン置換の4~7員ヘテロアリール基である。
別の好ましい例において、R4は、C1―6アルキル基、C3―7シクロアルキル基からなる群の非置換の基から選択される。
【0016】
別の好ましい例において、
前記化合物は、
【化2】
からなる群から選択される。
【0017】
本発明の第2の態様は、本発明第1の態様に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の調製方法を提供し、
【化3】
式Pに示される化合物を式Qに示される化合物と反応させて、式Aに示される化合物を得る段階を含み、
ここで、R
1、R
2、R
3、R
4およびmは、本発明の第1の態様に記載のとおりであり、
Qは、ハロゲン、ヒドロキシル基からなる群から選択される。
【0018】
本発明の第3の態様は、一つまたは複数の薬学的に許容されるベクター、および一つまたは複数の本発明第1の態様に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0019】
本発明の第4の態様は、薬物の調製に使用される等の、本発明の第1の態様に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の用途を提供し、前記薬物は、
1)カリウムイオンチャネルに関連する疾患の予防および/または治療、
2)哺乳動物のカリウムチャネル中のイオン電流の調節(例えば、アップレギュレーションまたはダウンレギュレーション)、および
3)カリウムチャネルのイオン電流の異常(例えば、増加または減少)に応答する病症または状態の予防、治療および/または抑制からなる群から選択される用途に使用される。
【0020】
別の好ましい例において、前記薬物は、中枢神経系の病症または状態、疼痛、脳卒中、神経変性疾患、ニューロンの過剰興奮状態からなる群から選択される病症または状態の予防および/または治療に使用される。
別の好ましい例において、前記中枢神経系の病症または状態は、癲癇発作疾患である。
【0021】
別の好ましい例において、前記疼痛は、炎症性疼痛、神経因性疼痛、片頭痛状態、アロディニア(allodynia)、痛学過敏痛、幻肢痛および癌関連疼痛からなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記神経変性疾患は、アルツハイマー病、ハンチントン病、多発性硬化症、筋萎縮性側方硬化症、AIDS誘発性脳症和由ルベラウイルス、ヘルペスウイルス、ボレリアおよび/または未知の病原体によって引き起こされる他の感染関連脳症、クロイツフェルトヤコブ(Creutzfeld―Jakob)病、パーキンソン病、ならびに外傷誘発性神経変性からなる群から選択される。
【0022】
別の好ましい例において、前記ニューロンの過剰興奮状態は、薬物離脱または中毒の状態である。
別の好ましい例において、前記癲癇発作疾患は、痙攣、癲癇および癲癇重積状態からなる群から選択される。
別の好ましい例において、前記神経因性疼痛は、糖尿病性神経障害に関連する神経因性疼痛または片頭痛に関連する神経因性疼痛である。
【0023】
本発明の第5の態様は、一つまたは複数の本発明の第1の態様に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、カリウムイオンチャネル調節剤を提供する。
別の好ましい例において、前記カリウムイオンチャネル調節剤は、カリウムイオンチャネル開放剤である。
【0024】
本発明の第6の態様は、予防および/または治療有効な量の本発明の第1の態様に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩または本発明の第3の態様に記載の医薬組成物を必要とする対象に投与する段階を含む、カリウムイオンチャネルに関連する疾患を予防および/または治療する方法を提供する。
別の好ましい例において、前記カリウムイオンチャネルに関連する疾患は、中枢神経系の病症または状態、疼痛、脳卒中、神経変性疾患、ニューロンの過剰興奮状態からなる群から選択される。
【発明の効果】
【0025】
本発明の範囲内で、本発明の上記の各技術的特徴と以下(例えば、実施例)に具体的に説明される各技術的特徴との間を、互いに組み合わせることにより、新しいまたは好ましい技術的解決策を構成することができることに理解されたい。スペースに限りがあるため、ここでは繰り返さない。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明者らは、長期にわたる詳細な研究の後、構造を最適化にすることにより、優れたカリウムチャネル開放活性、薬物動態(例えば、脳血液比のパフォーマンス等)および安全性を有しかつ構造が新しい式Aに示される化合物を偶然に調整した。これに基づいて、本発明者らは反発明を完成させた。
【0027】
用語
本発明において、特に明記しない限り、使用される用語は、当業者によって知られている一般的な意味を有する。
本発明において、「ハロゲン」という用語は、F、Cl、BrまたはIを指す。
【0028】
本発明において、「C1―6アルキル基」とは、例えば、メチル基(methyl group)、エチル基(ethyl group)、プロピル基(propyl group)、イソプロピル基(isopropyl group)、ブチル基(butyl group)、イソブチル基(isobutyl group)、tert―ブチル基(tert-butyl group)、ネオペンチル基(neopentyl group)、tert―ペンチル基(tert-pentyl group)、または類似の基(similar group)等の、1~6個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルキル基を指す。
【0029】
本発明において、「C2―6アルケニル基」という用語は、ビニル基(vinyl group)、プロペニル基(propenyl group)、ブテニル基(butenyl group)、イソブテニル基(isobutenyl group)、ペンテニル基(pentenyl group)およびヘキセニル基(hexenyl group)等を非限定的に含む、一つの二重結合を含む2~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケニル基を指す。
【0030】
本発明において、「C2―6アルキニル基」という用語は、エチニル基(ethynyl group)、プロピニル基(propynyl group)、ブチニル基(butynyl group)、イソブチニル基(isobutynyl group)、ペンチニル基(pentynyl group)およびヘキシニル基(hexynyl group)等を非限定的に含む、一つの三重結合を含む2~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキニル基を指す。
【0031】
本発明において、「C3―6シクロアルキル基」という用語は、シクロプロピル基(cyclopropyl group)、シクロブチル基(cyclobutyl group)、シクロペンチル基(cyclopentyl group)、およびシクロヘキシル基(cyclohexyl)等を非限定的に含む、環に3~6個の炭素原子を有する環状アルキル基を指す。
【0032】
本発明において、「C1―6アルコキシ基」という用語は、メトキシ基(methoxy group)、エトキシ基(ethoxy group)、プロポキシ基(propoxy group)、イソプロポキシ基(isopropoxy group)およびブトキシ基(butoxy group)等を非限定的に含む、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルコキシ基を指す。好ましくは、C1―4アルコキシ基である。
【0033】
本発明において、「芳香環」または「アリール基」という用語は、同じ意味を有し、好ましくは、「C6―10アリール基」である。「C6―10アリール基」という用語は、フェニル基、ナフチル基等の、環にヘテロ原子を含まない6~10個の炭素原子を有する芳香族環基を指す。
【0034】
本発明において、「芳香族複素環」または「ヘテロアリール基」という用語は、同じ意味を有し、一つまたは複数のヘテロ原子を含む複素芳香族基を指す。例えば、「N、OまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロアリール基」とは、N、OまたはSから選択される1~3個のヘテロ原子および1~6個の炭素原子を含む芳香族複素環を指す。非限定的な例としては、フリル基(furyl group)、チエニル基(thienyl group)、ピリジル基(pyridyl group)、ピラゾリル基(pyrazolyl group)、ピロリル基(pyrrolyl group)、N―アルキルピロリル基(N-alkylpyrrolyl group)、ピリミジニル基(pyrimidinyl group)、ピラジニル基(pyrazinyl group)、イミダゾリル基(imidazolyl group)、テトラゾリル基(tetrazolyl group)等を含む。前記ヘテロアリール基環は、アリール基、複素環基またはシクロアルキル環に縮合していてもよく、ここで、親構造に結合している環は、ヘテロアリール基環である。ヘテロアリール基は、任意の置換または非置換であり得る。
【0035】
本発明において、「C1―6アルキルアミン基」という用語は、C1―6アルキル―NH―の構造を有する基を指す。
本発明において、「ハロゲン化」という用語は、ハロゲンによって置換されることを指す。
【0036】
本発明において、「置換」という用語は、特定の基の一つまたは複数の水素原子が特定の置換基によって置換されることを指す。特定の置換基は、前述の各置換基、または各実施例に示される置換基である。特に明記しない限り、ある置換された基は、当該基の任意の置換可能な位置に特定のグループから選択される置換基を有してもよく、前記置換基は、同じ位置で同じであっても異なってもよい。当業者は、本発明によって意図される置換基の組み合わせは、安定であるか、または化学的に実現可能な組み合わせであることを理解すべきである。前記置換基の例としては(これらに限定されない)、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシ基(―COOH)、C1―C6アルキル基、C2―C6アルケニル基、C2―C6アルキニル基、C3―C8シクロアルキル基、3~12員複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、C1―C8アルデヒド基、C2―C10アシル基、C2―C10エステル基、アミノ基、C1―C6アルコキシ基、C1―C10スルホニル基等である。
【0037】
本発明において、「複数」という用語は、2、3、4、5、6、7、8、9、および10等を含む(これらに限定されない)。
【0038】
化合物
本発明の化合物とは、式Aに示される化合物またはその立体異性体または光学異性体、またはその薬学的に許容される塩を指す。
別の好ましい例において、前記化合物において、R1、R2、R3、R4およびmのいずれかは、それぞれ実施例1~8で調製された具体的な化合物中に対応する基である。
【0039】
特に明記しない限り、本発明のすべての化合物において、各キラル炭素原子(キラル中心)は、選択的に、R配置またはS配置、またはR配置およびS配置の混合物であり得る。
【0040】
本明細書に使用されるように、単独で、または他の置換基の一部としての場合、「アルキル基」という用語は、炭素原子のみを含む直鎖(即ち、非分岐鎖)または分岐鎖飽和炭化水素基、または直鎖和分岐鎖の組み合わせを指す。アルキル基の前の炭素原子数が限定される場合(例えば、C1―6アルキル基)、前記アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert―ブチル基、または類似の基を含む、1~6個の炭素原子を含む。
【0041】
本明細書に使用されるように、単独で、または他の置換基の一部としての場合、「C1―6アルコキシ基」という用語は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert―ブトキシ基、または類似の基を含む、C1―6アルキル―オキシ―を指す。
【0042】
本明細書に使用されるように、単独で、または他の置換基の一部としての場合、「C3―6シクロアルキル基」という用語は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、または類似の基を含む、3~6個の炭素原子を含む環状アルキル基を指す。
【0043】
本明細書に使用されるように、単独で、または他の置換基の一部としての場合、「C3―6シクロアルケニル基」という用語は、例えば、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、または類似の基を含む、一つまたは二つのアルケニル基を有することができる、3~6個の炭素原子を有する環状アルケニル基を指す。
【0044】
本明細書に使用されるように、単独で、または他の置換基の一部としての場合、「C2―6鎖アルケニル基」という用語は、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、または類似の基を含む、一つまたは複数のアルケニル基を有することができる、3~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルケニル基を指す。
【0045】
本明細書に使用されるように、単独で、または他の置換基の一部としての場合、「C2―6アルキニル基」という用語は、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、およびまたは類似の基を含む、一つまたは複数のアルキニル基を有することができる、2~6個の炭素原子を有する分岐鎖または直鎖のアルキニル基を指す。
【0046】
本発明の化合物は、より優れたカリウムイオンチャネル開放活性、理想的イオンチャネル選択性、理想的な薬物動態特性、優れた安全性およびより優れた安全性およびより良好なインビボ薬力を有し、疼痛、癲癇、および脳卒中等の疾患の治療に使用されることができる。
【0047】
本明細書に使用されるように、「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物と、薬物としての使用に適した酸または塩基とによって形成される塩を指す。薬学的に許容される塩は、無機塩および有機塩を含む。好ましい塩は、本発明の化合物が酸によって形成される塩である。塩形成に適合された塩の酸は、例えば、塩酸(hydrochloric acid)、臭化水素酸(hydrobromic acid)、フッ化水素酸(hydrofluoric acid)、硫酸(sulfuric acid)、硝酸(nitric acid)、リン酸(phosphoric acid)等の無機酸(inorganic acids)、例えば、ギ酸(Formic acid)、酢酸(acetic acid)、トリフルオロ酢酸(trifluoroacetic acid)、プロピオン酸(propionic acid)、シュウ酸(oxalic acid)、マロン酸(malonic acid)、コハク酸(succinic acid)、フマル酸(fumaric acid)、マレイン酸(Maleic acid)、乳酸(lactic acid)、リンゴ酸(malic acid)、酒石酸(tartaric acid)、クエン酸(citric acid)、ピクリン酸(picric acid)、サリチル酸(salicylic acid)、安息香酸(benzoic acid)、メタンスルホン酸(Methanesulfonic acid)、エタンスルホン酸(ethanesulfonic acid)、p―トルエンスルホン酸(p-toluenesulfonic acid)、ベンゼンスルホン酸(benzenesulfonic acid)、ナフタレンスルホン酸(naphthalenesulfonic acid)、コハク酸(succinic acid)、ナフタレンジスルホン酸(1,5)(naphthalene disulfonic acid(1,5))、アシアチン酸(asiatic acid)、吉草酸(valeric acid)、ジエチル酢酸(diethyl acetic acid)、マロン酸(malonic acid)、ピメリン酸(pimelic acid)、アジピン酸(adipic acid)、スルファミンさん(sulfamic acid)、フェニルプロピオン酸(phenylpropionic acid)、グルコン酸(gluconic acid)、アスコルビン酸(ascorbic acid)、ニコチン酸(nicotinic acid)、イソニコチン酸(isonicotinic acid)等の有機酸、および例えば、プロリン(proline)、フェニルアラニン(phenylalanine)、アスパラギン酸(aspartic acid)、グルタミン酸(glutamic acid)等のアミノ酸を含むが、これらに限定されない。
【0048】
別のタイプの好ましい塩は、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩)、アルカリ度類金属塩(例えば、マグネシウム塩またはカルシウム塩)、ならびに例えば、メチルアミン塩(methylamine salt)、エチルアミン塩(ethylamine salt)、プロピルアミン塩(propylamine salt)、ジメチルアミン塩(dimethylamine salt)、トリメチルアミン塩(trimethylamine salt)、ジエチルアミン塩(diethylamine salt)、トリエチルアミン塩(triethylamine salt)、tert―ブチルアミン塩(tert-butylamine salt)、エチレンジアミン塩(ethylenediamine salt)、ヒドロキシエチルアミン塩(hydroxyethylamine Salt)、ジヒドロキシエチルアミン塩(dihydroxyethylamine salt)、トリヒドロキシエチルアミン塩(trihydroxyethylamine salt)、およびそれぞれモルホリン(morpholine)、ピペラジン(piperazine)、リジン(lysine)によって形成されるアミン塩等の、アンモニウム塩(例えば、低級アルカノールアンモニウム塩および他の薬学的に許容されるアミン塩)等の、本発明の化合物と塩基とによって形成される塩である。
【0049】
前記「立体異性体」または「光学異性体」とは、本発明の化合物に関するキラル炭素原子がR配置、S配置、またはその組み合わせであり得る。
【0050】
調製方法
以下、本発明の式Aの構造化合物の調製方法をより詳細に説明するが、これらの具体的な方法は、本発明を何等制限するものではない。本発明の化合物は、本明細書に記載のまたは当該技術分野で公知の様々な合成方法を組み合わせることにより簡単に調製することができ、このような組み合わせは、本発明が属する当業者によって容易に実施することができる。
【0051】
典型的には、本発明の化合物の調製プロセスは、以下のとおりであり、ここで、使用される原料および試薬は、特に明記しない限り、すべて市販の経路を通じて購入することができる。
【化4】
式Pに示される化合物を式Qに示される化合物と反応させて、式Aに示される化合物を得、
ここで、R
1、R
2、R
3、R
4およびmは、上記のとおりであり、
Qは、ハロゲン、ヒドロキシル基からなる群から選択される。
【0052】
医薬組成物および投与方法
本発明の化合物は、優れたKCNQ2/3開放活性を有するため、本発明の化合物および主な有効成分として本発明の化合物を含む医薬組成物は、カリウムイオンチャネルに関連する疾患の治療、予防および緩和に使用されることができる。先行技術によると、本発明の化合物は、癲癇、炎症性疼痛、神経因性疼痛、片頭痛、不眠症、神経変性疾患、不安障害、脳卒中、コカイン乱用、ニコチン離脱、アルコール離脱または耳鳴り等の疾患の治療に使用されることができる(これらに限定されない)。
【0053】
本発明の医薬組成物は、安全かつ有効な量の範囲の本発明の化合物またはその薬理学的に許容される塩および薬理学的に許容される賦形剤またはベクターを含む。前記「安全かつ有効な量」とは、深刻な副作用を引き起こさずに状態を大幅に改善するのに十分な化合物の量を指す。通常、医薬組成物は、1~2000mgの本発明の化合物/薬剤、より好ましくは、5~200mgの本発明の化合物/薬剤を含む。好ましくは、前記「1回投与量」は、一つのカプセルまたは錠剤である。
【0054】
前記「薬学的に許容されるベクター」とは、ヒトへの使用に適しており、十分な純度および十分に低い毒性を有していなければならない、一つまたは複数の適合性個体または液体の充填剤またはゲル物質を指す。「適合性」とは、組成物の各成分が、本発明の化合物およびそれらの間で、化合物の効力を著しく低下させることなく、互いにブレンドすることができることを指す。薬学的に許容されるベクターの一部の例としては、セルロース(cellulose)およびその誘導体(derivative)(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム(sodium carboxymethyl cellulose)、エチルセルロースナトリウム(sodium ethyl cellulose)、酢酸セルロース(cellulose acetate)等)、ゼラチン(gelatin)、タルク(talc)、固体潤滑剤(solid lubricant)(例えば、ステアリン酸(stearic acid)、ステアリン酸マグネシウム(magnesium stearate))、硫酸カルシウム(Calcium sulfate)、植物油(vegetable oil)(例えば、大豆油(soybean oil)、ゴマ油(sesame oil)、落花生油(peanut oil)、オリーブ油(olive oil)等)、ポリオール(polyol)(例えば、プロピレングリコール(propylene glycol)、グリセリン(glycerin)、マンニトール(mannitol)、ソルビトール(sorbitol)等)、乳化剤(emulsifier)(例えば、トゥイーンR(TweenR))、湿潤剤(wetting agent)(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(sodium lauryl sulfate))、着色剤(coloring agent)、香味剤(flavoring agent)、安定剤(stabilizer)、酸化防止剤(antioxidant)、防腐剤(preservative)、パイロジェンフリー水(pyrogen-free water)等を含む。
【0055】
前記医薬組成物は、注射剤、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤または顆粒剤である。
本発明の化合物または医薬組成物の投与方法は、特に制限されないが、代表的な投与方法は、経口、直腸、非経口(静脈内、筋肉内または皮下)、および局所投与等を含むが、これらに限定されない。
【0056】
経口投与用の固形剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤および顆粒剤を含む。これらの固形剤形において、活性化合物は、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム等の少なくとも一つの従来の不活性賦形剤(またはベクター)と混合されるか、または、(a)デンプン(starch)、ラクトース(lactose)、スクロース(sucrose)、グルコース(glucose)、マンニトールおよびケイ酸(silicic acid)等の充填剤または相溶化剤、(b)ヒドロキシメチルセルロース(hydroxymethyl cellulose)、アルギン酸塩(alginate)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、スクロース(sucrose)およびアラビアゴム(gum arabic)等の結合剤(Binder)、(c)グリセリンなどの保湿剤(Humectant)、(d)寒天(agar)、炭酸カルシウム(calcium carbonate)、ジャガイモデンプン(potato starch)またはタピオカデンプン(tapioca starch)、アルギン酸(alginic acid)、特定の複合ケイ酸塩、および炭酸ナトリウム(sodium carbonate)等の崩壊剤(Disintegrant)、(e)パラフィン(paraffin)等のリターダー(retarding solvent)、(f)第四級アミン化合物(quaternary amine compounds)等の吸収促進剤(Absorption accelerator)、(g)セチルアルコール(cetyl alcohol)およびグリセリルモノステアレート(glyceryl monostearate)等の湿潤剤、(h)カオリン(kaolin)等の吸着剤(Sorbent)、および(i)タルク、ステアリン酸カルシウム(calcium stearate)、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール(solid polyethylene glycol)、ラウリル硫酸ナトリウム等の潤滑剤(Lubricant)、またはその混合物等の成分と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤において、剤形は、緩衝剤も含むことができる。
【0057】
錠剤、シュガーピル、カプセル剤、丸剤および顆粒剤等の固形剤形は、腸溶性コーティングおよび当技術分野で公知の他の材料等の、コーティングおよびシェル材料を用いて調製することができる。それらは、乳白剤を含むことができ、さらに、このような組成物の活性化合物または化合物の放出は、消化管の特定の部分で遅延的な方式で放出することができる。使用可能な埋め込み成分の例としては、高分子物質およびワックスである。必要に応じて、活性化合物は、一つまたは複数の上基賦形剤とマイクロカプセルを形成することができる。
【0058】
経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容される乳濁剤、溶液、懸濁液、シロップまたはチンキ剤を含む。活性化合物に加えて、液体剤形は、水または他の溶媒等の当技術分野で従来から使用されている不活性希釈剤、および、例えば、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、炭酸エチル、プロピレングリコール、1,3―ブタンジオール、ジメチルホルムアミドおよび、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、蓖麻子油およびゴマ油またはこれらの物質の混合物等の可溶化剤および乳化剤を含むことができる。
【0059】
これらの不活性希釈剤に加えて、組成物は、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤および香料等の補助剤も含むことができる。
活性化合物に加えて、懸濁液は、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよび脱水ソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メトキシドアルミニウムおよび寒天またはそれらの物質の混合物等の懸濁剤を含むことができる。
【0060】
非経口注射用の組成物は、生理学的に許容される滅菌含水または無水溶液、分散液、懸濁液または乳濁剤、および滅菌注射可能溶液または分散液に再構成するための滅菌粉末を含むことができる。適切な水性および非水性ベクター、希釈剤、溶媒または賦形剤は、水、エタノール、ポリオールおよびその適切な混合物を含む。局所投与用の本発明の化合物の剤形は、軟膏剤、粉末剤、パッチ剤、スプレー剤および吸入剤を含む。活性成分は、滅菌条件下で、生理学的に許容されるベクターおよび任意の防腐剤、緩衝剤、または必要に応じて必要となる可能性のある推進剤と混合される。
【0061】
本発明の化合物は、単独で、または他の薬学的に許容される化合物と組み合わせて投与することができる。
医薬組成物を使用する場合、本発明の化合物の安全かつ有効な量が、治療を必要とする哺乳動物(例えば、ヒト)に適用され、ここで、投与時の投与量は、薬学的に考慮される有効投与量であり、体重が60kgであるヒトの場合、1日とうよりょうは、一般に1~2000mg、好ましくは、5~500mgである。もちろん、具体的な投与量は、投与経路、患者の健康状態等の要因をさらに考慮する必要があり、これらは、すべて熟練した医師のスキル範囲内にある。
【0062】
従来の技術と比較して、本発明は、次のような主な利点を有する。
(1)前記化合物は、より優れた脳対血液比特性等の、より優れた薬物動態特性を有する。
(2)前記化合物は、より優れたカリウムイオンチャネル開放活性、より優れたイオンチャネル選択性、より優れた薬物動態特性、優れたインビボ効力およびより優れた安全性を有する。
(3)前記化合物は、カリウムイオンチャネルの活性に影響を及ぼす疾患および病症の治療および/または予防の使用に期待される。
【0063】
以下、本発明は、具体的実施例と併せてされに説明される。これらの実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の実施例において、具体的条件を示さない実験方法は、通常、例えば、Sambrookら、分子クローニング:実験マニュアル(New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989)に記載される条件等の従来の条件、またはメーカーによって提案された条件に従う。特に明記されない限り、パーセンテージおよび部数は、重量によって計算される。
【0064】
別に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての専門用語および科学的用語は、当業者によく知られている用語と同じ意味を持つ。さらに、記載された内容と類似または同等の任意の方法および材料は、すべて本発明の方法に適用されることができる。本明細書に記載の好ましい実施方法と材料とは、デモンストレーションのみの目的として使用される。
【0065】
以下の実施例で使用される実験材料および試薬は、特に明記しない限り、市販のチャネルから入手することができる。
【0066】
実施例1.化合物A1の調製
【化5】
段階1:7―ニトロ―1,3,4,5―テトラヒドロ―2H―1―ベンザゼピン―2―オン(化合物2)
0℃下で、濃HNO
3(4mL)と濃H
2SO
4(40mL)とを均等に混合し、1,3,4,5―テトラヒドロ―2H―1―ベンザゼピン―2―オン(4.0g、0.024mol)をゆっくりと加え、反応混合物を0℃下で20分間反応させ、終了後氷水に注ぎ、固体が析出し、ろ過し、乾燥して、白色固体である化合物2の粗生成物(5.6g)を得る。
MS(ESI):C
10H
10N
2O
3の計算値206、実測値207[M+H]
+。
【0067】
段階2:7―アミノ―1,3,4,5―テトラヒドロ―2H―1―ベンザゼピン―2―オン(化合物3)
パラジウム炭素(1.5g、0.014mol)を化合物2(5.0g、0.024mol)のエタノール(100mL)溶液に加え、水素ガス保護下で、室温下で混合物を一晩攪拌する。パラジウム炭素を濾去し、溶媒を濃縮および除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物3(2.5g、収率:59%)を得る。
MS(ESI):C10H12N2Oの計算値176、実測値177[M+H]+。
【0068】
段階3:7―アミノ―6,8―ジブロモ―1,3,4,5―テトラヒドロ―2H―1―ベンザゼピン―2―オン(化合物4)
化合物3(500mg、2.8mmol)、メタノール(20mL)、ジクロロメタン(50mL)、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド(2.2g、5.6mmol)および炭酸カルシウム(2.5g、7.06mmol)を100mLのナス型フラスコに加え、混合物を室温下で30分間反応させ、次にろ過し、溶媒を濃縮および除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物4(900mg、収率:95%)を得る。
MS(ESI):C10H10Br2N2Oの計算値332、実測値333[M+H]+。
【0069】
段階4:7―アミノ―6,8―ジメチル―1,3,4,5―テトラヒドロ―2H―1―ベンザゼピン―2―オン(化合物5)
化合物4(660mg、1.97mmol)、1,4―ジオキサン(50mL)、メチルボロン酸(450mg、8.0mmol)および炭酸カリウム(800mg、5.8mmol)を100mLの三つ口フラスコに加え、窒素ガスで3回置換し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(450mg、0.38mmol)を加え、反応混合物を120℃下で一晩反応させ、次にろ過し、溶媒を濃縮および除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物5の粗生成物(600mg)を得る。
MS(ESI):C12H16N2Oの計算値204、実測値205[M+H]+。
【0070】
段階5:7―アミノ―1―(4―フルオロベンジル)―6,8―ジメチル―1,3,4,5―テトラヒドロ―2H―1―ベンザゼピン―2―オン(化合物6)
0℃下で、化合物5(500mg、2.4mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に水素化ナトリウム(70mg、2.9mmol)を加え、窒素ガス保護下で、混合物を室温下で10分間攪拌し、再加入1―(ブロモメチル)―4―フルオロベンゼン(460mg、2.4mmol)を加える。反応混合物を室温下で1時間攪拌し、次に、適量の冰および酢酸エチルを加え、抽出し、乾燥し、溶媒を濃縮および除去し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物6(350mg、収率:45.9%)を得る。
MS(ESI):C19H21FN2Oの計算値312、実測値313[M+H]+。
【0071】
段階6:1―(4―フルオロベンジル)―6,8―ジメチル―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンザゼピン―7―アミン(化合物7)
0℃下で、水素化アルミニウムリチウム(128mg、3.36mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に化合物6(350mg、1.12mmol)をゆっくりと加える。混合物を70℃に加熱して、1時間攪拌し、室温に冷却し、次に、氷水(0.13mL)を順序にゆっくりと加え、酢酸エチル(50mL*3)で抽出し、抽出液に十分な無水硫酸マグネシウムを加え、ろ過し、濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物7(275mg、収率:82.3%)を得る。
MS(ESI):C19H23FN2の計算値298、実測値299[M+H]+。
【0072】
段階7:N―(1―(4―フルオロベンジル)―6,8―ジメチル―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンザゼピン―7―イル)―3,3―ジメチルブタンアミド(化合物A1)
化合物7(270mg、0.9mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に3,3―ジメチルブチリルクロリド(147mg、1.09mmol)およびトリエチルアミン(183mg、1.8mmol)を加え、混合物を室温下で1時間攪拌する。水および酢酸エチルを加え、抽出し、乾燥して水を除去し、溶媒を濃縮および除去し、残留物に少量の溶媒(石油エーテル:酢酸エチル=3.5:1)を加えて50℃下でに加熱し、熱いうちにろ過した後、ろ過ケーキを乾燥して、化合物A1(97mg、収率:27%)を得る。
【0073】
MS(ESI):C25H33FN2Oの計算値396、実測値397[M+H]+。
1H NMR(400MHz,CD3OD):δ7.46―7.40(m,2H),7.07―6.99(m,2H),6.76(s,1H),4.27(s,2H),2.98―2.93(m,2H),2.90―2.83(m,2H),2.32(s,2H),2.20(s,3H),2.16(s,3H),1.65―1.52(m,4H),1.15(s,9H)。
【0074】
実施例2.化合物A2の調製
【化6】
3―シクロペンチル―N―(1―(4―フルオロベンジル)―6,8―ジメチル―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンザゼピン―7―イル)プロピルアミド(化合物A2)
化合物7(200mg、0.67mmol、1.0eq.)のジクロロメタン(20mL)溶液に3―シクロペンチルプロピオニルクロリド(161.5mmol、1.01mmol、1.5eq.)およびトリエチルアミン(135.6mg、1.34mmol、2.0eq.)を加え、混合物を室温下で0.5時間攪拌する。TLCによって反応の完了を監視する(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)。反応液に100mLのジクロロメタンを加え、純水で洗浄する(30mL*3)。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥して水を除去し、溶媒を濃縮および除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(PE/EA=100/1~2:1)によって、白色固体である化合物A2(161mg、収率:57%)を得る。
【0075】
LCMS:[M+H]+=423.2。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.97(s,1H),7.43(dd,5.7Hz,2H),7.14(t,2H),6.69(s,1H),4.23(s,2H),2.67(m,4H),2.27(m,2H),2.02(s,3H),2.05(s,3H),1.82―1.72(m,3H),1.65―1.55(m,4H),1.55―1.42(m,6H),1.18―1.03(m,2H)。
【0076】
実施例3.化合物A3の調製
【化7】
N―(1―(4―フルオロベンジル)―6,8―ジメチル―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンザゼピン―7―イル)ブタンアミド(化合物A3)の調製
化合物7(200mg、0.67mmol、1.0eq.)のジクロロメタン(20mL)溶液に塩化ブチリル(107mg、1.007mmol、1.5eq.)およびトリエチルアミン(170mg、1.678mmol、2.5 eq)を加え、混合物を室温下で0.5時間攪拌する。TLCによって反応の完了を監視する(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)。反応液に20mLのジクロロメタンを加え、純水で洗浄する(30mL*3)。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥して水を除去し、溶媒を濃縮および除去し、残留物に15mLの溶媒(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)を加えて室温下で0.5時間攪拌した後、ろ過し、ろ過ケーキを乾燥して、白色固体である化合物A3(188mg、収率:76%)を得る。
【0077】
LCMS:[M+H]+=369.3
1H NMR(400MHz,DMSO―d6)δ8.97(s,1H),7.43(dd,2H),7.19―7.08(m,2H),6.70(s,1H),4.24(s,2H),2.82(s,4H),2.30―2.20(m,2H),2.04(d,6H),1.70―1.55(m,2H),1.50(s,4H),0.94(t,3H)。
【0078】
【0079】
段階1:2―(2―メチルブト―3―イン―2―イル)マロン酸ジエチル(化合物3)
マロン酸ジエチル1(10g、62.5mmol)、EtOH(100mL)、3―クロロ―3―メチルブト―1―イン2(13g,125mmol)およびNaOEt(6.3g,93.7mmol)を250mLのナス型フラスコに加え、反応液を60℃下で8時間攪拌する。反応終了後、純水(100mL)を加えてクエンチし、EA(150mL×3)で抽出する。合併された有機層をNa2SO4で乾燥し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーカラム(溶出剤PE/EA=100:5)によって精製して、黄色油状物である2―(2―メチルブト―3―イン―2―イル)マロン酸ジエチル3(2.5g,17%)を得、LCMS:[M+H]+=227.1
【0080】
段階2:3,3―ジメチルペント―4―イノエート(化合物4)
2―(2―メチルブト―3―イン―2―イル)マロン酸ジエチル3(1.0g、4.4mmol)、LiCl(570mg、13.4mmol)、DMF(5mL)および純水(0.5mL)をマイクロ波管に加え、マイクロ波180℃下で3時間反応させ、反応終了後室温に冷却し、反応液を純水(50mL)に注ぎ、酢酸エチル(50mL*3)で抽出し、合併された有機相を濃縮乾固して、3,3―ジメチルペント―4―イノエート(黄色油状物4、550mg、81%)を得る。
LCMS:[M+H]+=155.1
【0081】
段階3:3,3―ジメチルペント―4―イノ酸(化合物5)
3,3―ジメチルペント―4―イノエート4(550mg、3.6mmol)、LiOH.H2O(570mg、13.5mmol)、メタノール(4mL)、純水(2mL)を25mLのナス型フラスコに加え、25℃下で攪拌しながら2時間反応させる。濃縮してほとんどの溶媒を除去し、純水(50mL)を加え、酢酸エチルで水相(50mL*3)を抽出し、有機相を合併する。有機相を乾燥し、カラムクロマトグラフィー(PE/EA=10:3)によって、3,3―ジメチルペント―4―イノ酸(化合物5,100mg、22%)を得、LCMS:[M+H]+=127.1。
【0082】
段階4:N―(1―(4―フルオロベンジル)―6,8―ジメチル―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンザゼピン―7―イル)―3,3―ジメチルペント―4―インアミド(化合物A4)
3,3―ジメチルペント―4―イノ酸(化合物5,63mg、0.5mmol)、HATU(293mg、0.75mmol)、DIEA(193mg、1.5mmol)および化合物6(150mg、0.5mmol)を5mLのTHFに加え、攪拌し、50℃に加熱して16時間反応させる。反応終了後濃縮し、カラムクロマトグラフィー(PE/EA=2:1)によって、白色固体であるN―(1―(4―フルオロベンジル)―6,8―ジメチル―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンザゼピン―7―イル)―3,3―ジメチルペント―4―インアミド(化合物A4,36mg、17%)を得る。
【0083】
LCMS:[M+H]+=407.1
1H NMR(400MHz,DMSO―d6):δ8.98(s,1H),7.41(dd,2H),7.12(t,2H),6.68(s,1H),4.22(s,2H),2.95(s,1H),2.81(s,4H),2.43(s,2H),2.05(d,6H),1.49(s,4H),1.32(s,6H)。
【0084】
実施例5.化合物A5の調製
【化9】
化合物A4の合成方法を参照して、白色固体であるN―(1―(4―フルオロベンジル)―6,8―ジメチル―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンザゼピン―7―イル)―2―(1―メチルシクロプロピル)アセトアミドA5(146mg、55%)を得る。
【0085】
LCMS:[M+H]+=395.3
1H NMR(400MHz,DMSO―d6):δ8.85(s,1H),7.43(t,2H),7.14(t,2H),6.71(s,1H),4.24(s,2H),2.83(s,4H),2.18(s,2H),2.08(s,3H),2.05(s,3H),1.51(s,4H),1.14(s,3H),0.54(s,2H),0.31(s,2H)。
【0086】
実施例6.化合物A6の調製
【化10】
化合物A1の1―(4―フルオロベンジル)―6,8―ジメチル―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンザゼピン―7―アミン(化合物7)の合成方法を参照し、調製して、化合物3(1―((5―クロロチオフェン―2―イル)メチル)―6,8―ジメチル―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンザゼピン―7―アミン,120mg、0.375mmol、54%)を得る。
【0087】
化合物A1の合成方法を参照し、調製して、白色固体であるN―(1―((5―クロロチオフェン―2―イル)メチル)―6,8―ジメチル―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンザゼピン―7―イル)―3,3―ジメチルブタンアミド(化合物A6,98.6mg、0.236mmol、63%)を得る。
1H NMR(400MHz,DMSO):δ8.94(s,1H),6.93(s,2H),6.73(s,1H),4.38(s,2H),2.85―2.78(m,4H),2.21(s,2H),2.09(d,6H),1.58―1.50(m,4H),1.05(s,9H)。
【0088】
実施例7.化合物A7の調製
【化11】
化合物A6の合成方法を参照し、調製して、白色固体であるN―(1―((5―フルオロチオフェン―2―イル)メチル)―6,8―ジメチル―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンザゼピン―7―イル)―3,3―ジメチルブタンアミド(A7,85.4mg、0.212mmol、収率:65%)を得る。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ8.95(s,1H),6.80―6.69(m,2H),6.52―6.50(m,1H),4.32(s,2H),2.91―2.74(m,4H),2.19(s,2H),2.07(s,6H),1.57―1.49(m,4H),1.05(s,9H)。
【0089】
実施例8.化合物A8の調製
【化12】
化合物A6の合成方法を参照し、調製して、白色固体である3―シクロペンチル―N―(1―((5―フルオロチオフェン―2―イル)メチル)―6,8―ジメチル―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンザゼピン―7―イル)プロピルアミド(化合物A8,99.4mg、収率:70%)を得る。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ9.01(s,1H),6.75―6.72(m,2H),6.52―6.50(m,1H),4.32(s,2H),2.92―2.73(m,4H),2.35―2.25(m,2H),2.05(s,6H),1.79―1.75(m,3H),1.62―1.49(m,10H),1.12(br,2H)。
【0090】
実施例9.化合物A9の調製
【化13】
化合物A1の合成方法を参照し、調製して、白色固体であるN―(1―(4―クロロベンジル)―6,8―ジメチル―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンゾ[b]アザ―7―イル)―3,3―ジメチルブタンアミド(化合物A9,98.7mg,収率:25%)を得る。
LC―MS:[M+H]
+=413.2/415.2
1H NMR(400MHz,DMSO):δ8.91(s,1H),7.43―7.36(m,4H),7.36(d,J=8.2Hz,2H),6.68(s,1H),4.23(s,2H),2.82(s,4H),2.18(s,2H),2.06(s,3H),2.04(s,3H),1.51(s,4H),1.03(s,9H)。
【0091】
実施例10.化合物A10の調製
【化14】
化合物A1の合成方法を参照し、調製して、白色固体であるN―(1―(4―ブロモベンジル)―6,8―ジメチル―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンゾ[b]アザ―7―イル)―3,3―ジメチルブタンアミド(化合物A10,223mg,収率:58%)を得る。
LC―MS:[M+H]
+=457.2/459.2
1H NMR(400MHz,DMSO):δ8.92(s,1H),7.51(d,J=8.4Hz,2H),7.36(d,J=8.2Hz,2H),6.68(s,1H),4.23(s,2H),2.82(s,4H),2.18(s,2H),2.08(s,3H),2.06(s,3H),1.51(s,4H),1.03(s,9H)。
【0092】
実施例11.化合物A11の調製
【化15】
化合物A1の合成方法を参照し、調製して、白色固体であるN―(6,8―ジメチル―1―(4―メチルベンジル)―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンゾ[b]アザ―7―イル)―3,3―ジメチルブタンアミド(化合物A11,233.3mg,収率:67.5%)を得る。
LC―MS:[M+H]
+=393.3
1H NMR(400MHz,DMSO):δ8.91(s,1H),7.28(d,J=7.8Hz,2H),7.13(d,J=7.8Hz,2H),6.69(s,1H),4.20(s,2H),2.82(s,4H),2.27(s,3H),2.18(s,2H),2.07(s,3H),2.04(s,3H),1.50(s,4H),1.05(s,9H)。
【0093】
実施例12.化合物A12の調製
【化16】
化合物A1の合成方法を参照し、調製して、白色固体であるN―(6,8―ジメチル―1―(4―(トリフルオロメチル)ベンジル)―2,3,4,5―テトラヒドロ―1H―ベンゾ[b]アザ―7―イル)―3,3―ジメチルブタンアミド(化合物A12,66mg,収率:24%)を得る。
LC―MS:[M+H]
+=447.2.
1H NMR(400MHz,DMSO):δ7.58(d,J=8.0Hz,2H),7.52(d,J=8.0Hz,2H),6.70(s,1H),6.60(s,1H),4.33(s,2H),3.11―3.05(m,2H),2.92(s,2H),2.85(s,2H),2.29(s,2H),2.21(s,3H),2.18(s,3H),1.40(t,J=7.2Hz,2H),1.15(s,9H)。
【0094】
実施例13.カリウムイオンチャネル開放剤活性の試験(FDSS/μCELL検出)
1.実験方法:
1.1.実験過程
細胞の準備:CHO―KCNQ2細胞を175cm2の培養フラスコで培養し、細胞密度が60~80%になったら、培地を取り除き、7mLのPBS(Phosphate Buffered Saline、リン酸塩緩衝液)で1回洗浄し、次に3mLの0.25%トリプシン(Trypsin)を加えて消化する。消化完了後、7mLの培地(90%DMEM/F12+10%FBS+500μg/mLのG418)を加えて中和し、800rpmで3分間遠心分離し、上澄みを吸引し、5mLの培地を加えて懸濁し、細胞をカウントする。
【0095】
細胞プレーティング:細胞カウントの結果により、密度を3x104細胞/ウェルに調整し、室温下で30分間静置した後、37℃のCO2インキュベーターに置いて、一晩培養し、細胞の密度が約80%に達するように、16~18時間培養する。
蛍光染料のインキュベーション:細胞培地を捨て、80μL/ウェルのローディング緩衝液を加え、室温下で、暗所で60分間インキュベートする。
【0096】
化合物のインキュベーション:ローディング緩衝液を捨て、調製された化合物溶液を80μL/ウェルに加え、室温下で、暗所で20分間インキュベートする。
蛍光データの収集:FDSS/μCELL機器を使用して、リアルタイムの蛍光信号を記録し、励起波長は、480nmであり、発光波長は、540nmであり、1秒に1回記録し、10秒のベースラインを記録した後、20μL/ウェルの刺激緩衝液を加え始め、180秒の終わりまで記録を続ける。
【0097】
1.2.溶液の調製
ローディング緩衝液:10mL/プレート、調製方法は、次のとおりである。
【表1】
【0098】
試験緩冲:100mL/プレート,配制方式如下:
【表2】
【0099】
刺激緩衝液:5mL/プレート、調製方法は、次のとおりである。
【表3】
【0100】
上記緩衝液は、市販キット由来で、キット名は、FluxOR potassium ion channel assayであり、メーカーブランドは、invitrogenであり、製品番号は、F10017であり、ロット番号は、913728である。
【0101】
1.3.化合物の準備
20mMのDMSO化合物の母液を調製し、20mMの化合物の母液10μLを20μLのDMSO溶液に取り、八つの中間濃度に3倍連続希釈し、それぞれ中間濃度の化合物を試験緩衝液に取り、200倍に希釈して、試験する必要のある最終濃度を得、80μLを検出プレートに加える。
【0102】
最高の試験濃度は、100μMであり、八つの濃度は、それぞれ100、33.33、11.11、3.70、1.23、0.41、0.137および0.045μMである。各濃度は、3デュープリケートウェルである。
最終試験濃度のDMSO含有量は、0.5%を超えず、この濃度のDMSOは、KCNQ2カリウムチャネルに影響を与えない。
【0103】
1.4.データ分析
実験データは、Excel2007およびGraphPad Prism5.0ソフトウェアで分析し、180秒の比率を統計して活性化効果を計算する。化合物の活性化効果は、次の式で計算される。
【数1】
【0104】
1.5.品質管理
環境:温度~25℃
試薬:FluxORTM検出キット(Invitrogen、Cat#F0017)
報告の実験データは、Z’Factor>0.5の標準を満たす必要がある。
【0105】
2.測定結果:表1を参照し、ここで、EC50小さいほど、対応する化合物の活性が高いことを示す。
【表4】
【0106】
上記試験方法の参照文献:
Zhaobing Gaoら、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)、2010、285(36):28322―28332。
【0107】
実施例14.薬物動態の研究
1)研究目的:雄ICRマウスにおける化合物A1およびA4のインビボ薬物動態特徴および血液脳関門の状態を得るためである。
【0108】
2)実験内容
健康な雄ICRマウス(体重範囲は、18~22gである)を取り、24匹/グループおよび3匹/時点に分け、12時間以上絶食し(経口投与グループのみ)、投与し、0.083(ivのみ)、0.25、0.5、1、2、4、6(poのみ)、8および24時間の時点で心臓穿刺により採血し、少なくとも0.3mLの全血をEDTA―K2抗凝固チューブに採取し、30分内に遠心分離して(6000rpm、8分間、4℃)血漿を取り、―20℃で冷凍保存する。同時に、経口グループの脳組織を採取し、生理食塩水で洗浄した後、吸収紙で乾燥させ、秤量し、―20℃で冷凍保存する。
【0109】
実験結果:得られた血中薬物濃度データに従って、WinNonlinR7.0ソフトウェア(Pharsight会社、米国)の非コンパートメントモデルを使用して、投与後の薬物動態パラメーターを計算する。
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
神経約にとって脳血液比は、非常に重要であり、表4から、本発明の化合物は、優れた脳血液比を有し、より優れた効力および優れた安全性をもたらすことが分かる。
【0114】
実施例15.安全性研究
1)目的
化合物B1、B2、A1、A2、A6、A7およびA8をSDラットに単回尾静脈内注射で投与した毒性反応を観察して、最大耐量を決定し、後続の毒性試験の設計のために参照を提供する。
【化17】
【0115】
2)方法
雄Sprague―Dawley(SD)ラット(SPF級)を選択し、グループに分け(各グループ3匹のラット)、尾静脈内注射によって投与する。単回投与し、投与48時間後観察する。試験期間中に、毎日2回の籠側観察および2回の詳細な臨床観察(投与当日の観察は、投与前および投与2時間後行う)を行う。毒性研究動物の体重を毎日測定して記録し、各動物の摂餌量を毎日24±1時間測定して記録する。試験(D3)の最終機関に、二酸化炭素吸入麻酔の方法で安楽死させ、腹部大動脈/静脈瀉血の方法によって動物の脂肪を確実にし、肉眼解剖学的検査および記録を行う。
【0116】
3)結果
単回静脈内注射投与は、0(溶媒対照)であり、すべての動物に異常反応は見られない。
【表8】
【0117】
以上の実験結果から、本発明の一連の化合物は、0.3mg/kgの用量で明らかな毒性反応を示さず、化合物A1およびA7は、1mg/kgの用量で一過性の軽微な毒性反応を示し、残りの化合物は、明らかな毒性反応をしめさなかったことが分かる。化合物B1は、0.3mg/kgで許容されない毒性反応を示し、化合物B2は、1mg/kgで許容されない毒性反応を示す。従って、B1およびB2の化合物と比較して、本発明の化合物は、より優れた安全性を有する。
【0118】
本発明で言及されたすべての文書は、あたかも各文書が個別に参照として引用されたかのように、本出願における参照として引用される。さらに、本発明の上記の教示内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または修正を加えることができ、これらの同等の形態も、本出願の添付の請求範囲によって定義される範囲に含まれる。