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特許7327886電池箱解錠装置、電池箱及び電池箱迅速電池交換システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】電池箱解錠装置、電池箱及び電池箱迅速電池交換システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 50/64 20190101AFI20230808BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20230808BHJP
   B60L 53/80 20190101ALI20230808BHJP
【FI】
B60L50/64
B60K1/04 A
B60L53/80
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021184268
(22)【出願日】2021-11-11
(62)【分割の表示】P 2020536592の分割
【原出願日】2018-12-29
(65)【公開番号】P2022040114
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】201711482887.2
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519236387
【氏名又は名称】上海電巴新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI DIANBA NEW ENERGY TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 1,No.4766,Jiangshan Road,Nicheng Town,Pudong New Area Shanghai 201308 China
(73)【特許権者】
【識別番号】519236398
【氏名又は名称】奥動新能源汽車科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】AULTON NEW ENERGY AUTOMOTIVE TECHNOLOGY GROUP
【住所又は居所原語表記】Block 1, Room 606, No. 1 Yichuang Street, China-Singapore Guangzhou Knowledge City, Huangpu District, Guangzhou, Guangdong 510700, China
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チャンピン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、チュンホア
(72)【発明者】
【氏名】チウ、タンリャン
【審査官】岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-021101(JP,U)
【文献】中国実用新案第205601588(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第103786562(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 50/64
B60K 1/04
B60L 53/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池箱解錠装置であって、
伸縮機構と、伝動機構と、施錠機構とを含み、
前記施錠機構は、施錠機構電池箱の箱体を電気自動車の電池固定フレームに施錠して固定するために用いられ、
前記伸縮機構は、解錠外力により、前記伝動機構に対して伸縮運動し、
前記伝動機構は、一端が前記伸縮機構に接続され、他端が前記施錠機構に接続され、
前記伸縮機構の伸縮運動により、前記伸縮機構と前記施錠機構との間を運動するように前記伝動機構が動かされ、前記伝動機構の運動により、前記施錠機構の施錠又は解錠が制御され、
前記伝動機構は、駆動柱と、従動柱と、接続ロッドと、伝動ロッドと、案内部とを含み、
前記駆動柱は、前記伸縮機構に接続され、前記従動柱は、前記伝動ロッドの一端に接続され、前記接続ロッドは、前記駆動柱及び前記従動柱にそれぞれ接続され、前記駆動柱の軸を中心に回転可能であり、前記従動柱の軸を中心に回転可能であり、
前記伝動ロッドの他端が前記施錠機構に接続され、
前記伸縮機構は、前記伸縮機構の伸縮運動に伴って前記駆動柱を駆動し、駆動柱及び従動柱は、接続ロッドを介して連動し、従動柱は、駆動柱の運動方向とは異なる方向に沿って駆動柱の両側に向かって案内部に沿って運動し、駆動柱の縦モーメントを伝動ロッドの横モーメントに変換し、案内部によって従動柱の横運動を案内する、
ことを特徴とする電池箱解錠装置。
【請求項2】
前記案内部には、前記伝動ロッドの運動方向に沿って延在する従動案内孔が形成され、前記従動柱は、前記従動案内孔内をスライドするように前記従動案内孔を穿通し、
前記案内部には、前記伸縮機構の伸縮方向に沿って延在する駆動案内孔が形成され、前記駆動柱は、前記駆動案内孔内をスライドするように前記駆動案内孔を穿通する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電池箱解錠装置。
【請求項3】
前記案内部には、伝動案内孔が形成され、前記伝動ロッドは、前記伝動案内孔内を運動するように前記伝動案内孔を穿通する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電池箱解錠装置。
【請求項4】
前記伝動ロッドは、駆動プルロッドと、第1リターンスプリングと、従動プルロッドとを含み、前記駆動プルロッドは、前記従動柱に接続され、前記従動プルロッドに接続され、前記従動プルロッドは、前記施錠機構に接続され、前記第1リターンスプリングは、前記駆動プルロッドにスリーブされ、一端が前記案内部に接続され、他端が前記駆動プルロッドに接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電池箱解錠装置。
【請求項5】
取付座を含み、前記伸縮機構は、前記取付座に穿設され、解錠外力により、前記伝動機構に対して前記取付座内を伸縮運動する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電池箱解錠装置。
【請求項6】
前記伸縮機構は、伸縮ロッドと、中空軸とを含み、前記取付座は、前記中空軸の外側にスリーブされ、前記伸縮ロッドは、前記中空軸内を伸縮運動可能なように前記中空軸に穿設され、前記伝動機構の一端に接続される、
ことを特徴とする請求項5記載の電池箱解錠装置。
【請求項7】
前記中空軸には、前記伸縮ロッドの伸縮方向に沿って延在する二次案内孔が形成され、前記伝動機構の一端は、前記二次案内孔に沿ってスライド可能なように穿通し、前記伝動機構の一端と前記伸縮ロッドとの接続部は、前記中空軸に位置する、
ことを特徴とする請求項6に記載の電池箱解錠装置。
【請求項8】
前記中空軸の前記取付座から離間する一端には、固定座が接続され、前記中空軸には、第2リターンスプリングがスリーブされ、前記第2リターンスプリングは、一端が前記固定座に接続され、他端が前記伝動機構の一端に接続される、
ことを特徴とする請求項6に記載の電池箱解錠装置。
【請求項9】
前記伸縮ロッドは、押動部と、伝動軸とを含み、前記伝動軸は、前記中空軸に穿設され、
前記押動部は、前記取付座の前記中空軸から離間する一端に穿設され、前記伝動軸は、前記伝動機構の一端に接続され、前記押動部は、前記伝動軸の前記伝動機構の一端から離間する端部に当接する、
ことを特徴とする請求項6に記載の電池箱解錠装置。
【請求項10】
前記押動部は、ボタンと、フランジと、凹陥部と、当接柱とを含み、前記凹陥部は、前記ボタンの前記伝動軸に近接する一端に凹設され、前記フランジは、前記凹陥部の周囲に環設され、前記当接柱は、前記伝動軸に当接するように前記ボタンに穿設される、
ことを特徴とする請求項9に記載の電池箱解錠装置。
【請求項11】
前記施錠機構は、施錠ケースと、前記施錠ケース内に設けられる連動部、施錠ブラケット、戻止施錠舌片及びメイン施錠舌片とを含み、
前記連動部は、前記伝動機構の前記伸縮機構から離間する一端に接続され、
前記戻止施錠舌片は、一端が前記施錠ブラケット接続され、他端が前記施錠ケースから弾性的に延出可能であり、
前記施錠ブラケットは、前記連動部に係設され、前記施錠ブラケットは、記伝動機構の運動により、前記施錠ブラケットが前記戻止施錠舌片の伸縮方向に沿って伸縮するように前記連動部が動かされ、
前記メイン施錠舌片は、前記施錠ブラケットに接続され、前記施錠ブラケットの伸縮運動により、前記施錠ケースから延出し又は前記施錠ケースに没入するように動かされる、
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の電池箱解錠装置。
【請求項12】
前記連動部は、解錠プッシュロッドと、解錠揺動ロッドと、施錠揺動ロッドとを含み、前記解錠プッシュロッドは、前記伝動機構の運動方向に沿って運動するように前記伝動機構の一端に接続され、
前記解錠揺動ロッドは、前記解錠プッシュロッドに接続され、前記施錠ケースに固定された揺動軸に枢着され、前記解錠プッシュロッドの運動により、前記揺動軸を中心に揺動するように動かされ、
前記施錠揺動ロッドは、一端が前記施錠ケースに固定された回転軸に枢着され、他端が前記解錠揺動ロッドの前記解錠プッシュロッドから離間する一端に架設され、
前記施錠ブラケットは、前記施錠揺動ロッドの前記解錠揺動ロッドから離間する一端に係設され、前記施錠揺動ロッドが前記回転軸を中心に回転することにより、前記戻止施錠舌片の伸縮方向に沿って運動するように動かされる、
ことを特徴とする請求項11に記載の電池箱解錠装置。
【請求項13】
前記施錠ブラケットには、連動するスライド爪及びストッパ爪を有する施錠片が固定され、前記戻止施錠舌片は、スライド斜面を有し、前記スライド爪が前記スライド斜面に沿ってスライドすることにより、前記メイン施錠舌片の没入経路に進入し又は前記メイン施錠舌片の没入経路から退出するように前記ストッパ爪が動かされる、
ことを特徴とする請求項11に記載の電池箱解錠装置。
【請求項14】
前記施錠ケースには、前記施錠ケースから延出するように前記施錠ケースに穿設され、軸方向に伸縮可能であり、自転により解錠位置から施錠位置まで回転し、施錠柱を有する安全軸がさらに設けられ、前記安全軸が前記施錠位置まで回転するとき、前記メイン施錠舌片は、前記施錠ケースから延出し、前記施錠柱は、前記メイン施錠舌片の後端に当接する、
ことを特徴とする請求項11に記載の電池箱解錠装置。
【請求項15】
前記安全軸には、感知柱が設けられ、前記施錠ケースには、前記感知柱の位置を検出するためのセンサが設けられ、前記安全軸が前記施錠位置まで回転するとき、前記センサは、前記感知柱に正対する、
ことを特徴とする請求項14に記載の電池箱解錠装置。
【請求項16】
前記施錠ケースの前記施錠機構電池箱の箱体から離間する内面には、解錠位置及び施錠位置が開いて設けられる圧板が固定され、前記安全軸には、前記安全軸に伴って回転し、前記解錠位置と前記施錠位置との間を切り替えるための位置決め柱が設けられる、
ことを特徴とする請求項14に記載の電池箱解錠装置。
【請求項17】
前記電池箱解錠装置は、外筐をさらに含み、前記伝動機構及び前記施錠機構が前記外筐に設けられ、前記取付座及び前記伸縮機構が前記伸縮機構の伸縮方向に沿って伸縮可能に前記外筐に設けられる、
ことを特徴とする請求項5から10のいずれか1項に記載の電池箱解錠装置。
【請求項18】
前記取付座は、前記伸縮機構の前記伝動機構から離間する一端にスリーブされる電磁石吸盤を含む、
ことを特徴とする請求項5から10のいずれか1項に記載の電池箱解錠装置。
【請求項19】
電池箱であって、
箱体と、
請求項5から10のいずれか1項に記載の電池箱解錠装置とを含み、
前記取付座は、前記伸縮機構の前記箱体から離間する一側に設けられ、前記伸縮機構及び前記伝動機構は、前記箱体の端部に設けられ、前記施錠機構は、前記箱体の側部に設けられ、
前記伸縮機構は、前記箱体の端部に対して伸縮運動し、前記伝動機構は、前記箱体の端部に沿って運動する、
ことを特徴とする電池箱。
【請求項20】
前記施錠機構の数は、二つであり、二つの前記施錠機構は、前記箱体の二つの側部に対向して設けられ、
前記伝動機構の数は、二つであり、二つの前記伝動機構は、前記伸縮機構の両側にそれぞれ位置し、
前記伸縮機構は、二つの前記伝動機構を介して施錠又は解錠させるように二つの施錠機構を同時に動かす、
ことを特徴とする請求項19に記載の電池箱。
【請求項21】
電池箱迅速電池交換システムであって、
電池固定フレームと、電池交換装置と、請求項19又は20に記載の電池箱とを含み、
前記電池固定フレームは、前記施錠機構と施錠されるように組み合わせられる施錠部を有し、
前記電池交換装置は、電池交換装置吸盤及び前記伸縮機構に対応して設けられるように前記電池交換装置吸盤に伸縮可能に穿設される解錠ロッドを含み、前記解錠ロッドの延出運動により、没入するように前記伸縮機構が押し動かされ、前記施錠部と解錠するように前記施錠機構が動かされ、前記電池交換装置吸盤は、前記取付座を吸着することにより前記電池交換装置と前記電池箱とを接続する、
ことを特徴とする電池箱迅速電池交換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願日が2017年12月29日である中国特許出願CN201711482887.2の優先権を主張する。本願は、上記中国特許出願の全文を引用する。
本発明は、電池箱電池交換装置分野に関し、特に電池箱解錠装置、電池箱及び電池箱迅速電池交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
石油資源の不足と環境保護に対する人々の意識の高まりにより、電動車両の使用は、ますます広くなり、傾向となっている。電動車両の使用に対応するために、電池交換ステーションも登場しており、電池交換ステーションでは、電池交換ロボットにより電動車両の電池箱に対する迅速な電池交換が実現される。
【0003】
従来技術において、電池交換装置と接続するための電池箱における接続機構は通常、固定フレームと施錠又は解錠するための電池箱における施錠機構とは別に設けられ、施錠機構は通常、電池箱の両側に設けられる。電池交換装置を使用して電池箱を電池固定フレームから取り外して分離させるとき、電池交換装置の解錠機構は、電池箱の両側における施錠機構をそれぞれ解錠することにより、電池箱の取り外し作業が完了する。しかしながら、実際の使用過程において、電池交換装置の解錠機構と電池箱の施錠機構は、ハードコンタクトの方式を採用して解錠操作を行っている。この方式は、解錠機構及び施錠機構における部品の磨耗を引き起こしやすく、複雑な位置合わせ操作を行う必要があり、解錠精度が悪く、解錠不完全により電池交換装置で電池箱を引き出せないという問題を引き起こし、電池交換装置の電池交換効率にもある程度影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【0004】
本発明により解決されるべき技術的問題は、従来技術において電池箱を解錠するときに施錠及び解錠部材を損傷しやすく、解錠精度が悪いという欠点を克服し、電池箱解錠装置、電池箱及び電池箱迅速電池交換システムを提供することである。
【0005】
本発明は、下記技術的手段によって上記技術的問題を解決する。
【0006】
電池箱解錠装置は、取付座と、伸縮機構と、伝動機構と、電池箱の箱体を電動車両の電池固定フレームに施錠して固定するための施錠機構とを含み、前記伸縮機構は、解錠外力により、前記伝動機構に対して前記取付座内を伸縮運動するように前記取付座に穿設され、前記伝動機構は、一端が前記伸縮機構に接続され、他端が前記施錠機構に接続され、前記伸縮機構の伸縮運動により、前記伸縮機構と前記施錠機構との間を運動するように前記伝動機構が動かされ、前記伝動機構の運動により、前記施錠機構の施錠又は解錠が制御される。
【0007】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記伝動機構は、前記伸縮機構に接続される駆動柱と、従動柱と、前記駆動柱及び前記従動柱の軸を中心に回転可能なように前記駆動柱及び前記従動柱にそれぞれ接続される接続ロッドと、一端が前記従動柱に接続され、他端が前記施錠機構に接続される伝動ロッドと、案内部とを含み、前記案内部には、前記伝動ロッドの運動方向に沿って延在する従動案内孔が形成され、前記従動柱は、前記従動案内孔内をスライドするように前記従動案内孔を穿通する。本好適実施手段によれば、伸縮機構を採用して、運動させるように駆動柱を動かし、駆動柱及び従動柱は、接続ロッドを介して連動し、従動柱は、駆動柱の運動方向とは異なる方向に沿って駆動柱の両側に向かって案内部に沿って運動し、駆動柱の縦モーメントを伝動ロッドの横モーメントに変換し、案内部によって従動柱の横運動を案内することにより、伝動機構の連動効果がより正確かつスムーズになり、電池箱の内部空間が節約される。
【0008】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記案内部には、前記伸縮機構の伸縮方向に沿って延在する駆動案内孔が形成され、前記駆動柱は、前記駆動案内孔内をスライドするように前記駆動案内孔を穿通する。本好適実施手段によれば、伸縮機構により駆動柱をプッシュプルする過程において、駆動柱の運動は常に同じ直線上にあり、モーメント伝達過程における力損失が回避され、エネルギ利用率が向上する。
【0009】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記案内部には、伝動案内孔が形成され、前記伝動ロッドは、前記伝動案内孔内を運動するように前記伝動案内孔を穿通する。本好適実施手段によれば、プッシュプル過程における伝動ロッドの他の方向への揺れや変位の発生が回避される。
【0010】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記伝動ロッドは、駆動プルロッドと、一端が前記案内部に接続され、他端が前記駆動プルロッドに接続されるように前記駆動プルロッドに套設される第1リターンスプリングと、前記施錠機構に接続される従動プルロッドとを含み、前記駆動プルロッドは、前記従動柱及び前記従動プルロッドに接続される。本好適実施手段によれば、第1リターンスプリングを利用して駆動プルロッドに伝達されたモーメントを保存し、さらに第1リターンスプリングの圧縮によって発生する復元力を利用して初期位置に復元させるように駆動プルロッドに当該モーメントを解放する。これにより、次回の解錠操作が行われるとき、伸縮機構、駆動プルロッド、従動プルロッド及び施錠機構は、いずれも初期位置に位置することができ、次のステップにおる解錠に便利である。
【0011】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記伸縮機構は、前記伝動機構の一端に接続される伸縮ロッドと、中空軸とを含み、前記取付座は、前記中空軸の外側に套設され、前記伸縮ロッドは、前記中空軸内を伸縮運動可能なように前記中空軸に穿設される。本好適実施手段によれば、伸縮ロッドの外側に中空軸が套設され、伸縮ロッドが伸縮運動するときに中空軸によって保護及び案内され、湾曲による損傷又は伸縮運動の方向が伸縮ロッドの軸線から逸脱することがないようにすることができる。
【0012】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記中空軸には、前記伸縮ロッドの伸縮方向に沿って延在する二次案内孔が形成され、前記伝動機構の一端は、前記二次案内孔に沿ってスライド可能なように穿通し、前記伝動機構の一端と前記伸縮ロッドとの接続部は、前記中空軸に位置する。本好適実施手段によれば、伝動機構の一端に位置する駆動柱は、中空軸によって保護及び案内されるように中空軸内を運動することができるとともに、空間を節約することもできる。
【0013】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記中空軸の前記取付座から離間する一端には、固定座が接続され、前記中空軸には、一端が前記固定座に接続され、他端が前記伝動機構の一端に接続される第2リターンスプリングが套設される。本好適実施手段によれば、伝動機構は、解錠の力伝達が完了した後、次の解錠操作が迅速に接続されるように第2リターンスプリングの復元力によって自動的にリセットすることができる。
【0014】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記伸縮ロッドは、前記取付座の前記中空軸から離間する一端に穿設される押動部と、前記伝動機構の一端に接続されるように前記中空軸に穿設される伝動軸とを含み、前記押動部は、前記伝動軸の前記伝動機構の一端から離間する端部に当接する。本好適実施手段によれば、伸縮ロッドは、二部分構造を採用し、一定の「湾曲」空間が与えられる。すなわち、押動部は、伝動軸に対して伝動軸の径方向にわずかに変位することができ、一体型伸縮ロッドが二つの部材間に穿設されるときに二つの部材間の相対的な変位による湾曲の問題が回避される。
【0015】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記押動部は、ボタンと、フランジと、前記ボタンの前記伝動軸に近接する一端に凹設される凹陥部と、前記伝動軸に当接するように前記ボタンに穿設される当接柱とを含み、前記フランジは、前記凹陥部の周囲に環設される。本好適実施手段によれば、フランジと第2リターンスプリングの組み合わせにより、伸縮ロッドは、取付座及び中空軸にしっかりと位置決めされるとともに、第2リターンスプリングの復元力によって取付座から弾き出されることもない。
【0016】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記施錠機構は、施錠ケースと、前記伝動機構の前記伸縮機構から離間する一端に接続されるように前記施錠ケース内に設けられる連動部と、前記連動部に係設される施錠ブラケットと、一端が前記施錠ケースに固定され、他端が前記施錠ケースから弾性的に延出可能な戻止施錠舌片と、メイン施錠舌片とを含み、前記施錠ブラケットは、前記戻止施錠舌片に接続され、前記伝動機構の運動により、前記施錠ブラケットが前記戻止施錠舌片の伸縮方向に沿って伸縮するように前記連動部が動かされ、前記メイン施錠舌片は、前記施錠ブラケットに接続され、前記施錠ブラケットの伸縮運動により、前記施錠ケースから延出し又は前記施錠ケースに没入するように動かされる。本好適実施手段によれば、連動部が伝動機構の解錠外力をメイン施錠舌片に伝達するとき、メイン施錠舌片は、後退して解錠する。このとき、戻止施錠舌片はエネルギ蓄積部材として力を蓄積し、連動部に外力がないとき、戻止施錠舌片は、蓄積された力を解放し、連動部を押し退けるとともに、施錠ブラケットを介して施錠ケースから弾き出されるようにメイン施錠舌片を動かし、解錠及びリセットの操作全体が迅速かつ正確である。
【0017】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記連動部は、前記伝動機構の運動方向に沿って運動するように前記伝動機構の一端に接続される解錠プッシュロッドと、前記解錠プッシュロッドに接続されるように前記施錠ケースに固定された揺動軸に枢着され、前記解錠プッシュロッドの運動により、前記揺動軸を中心に揺動するように動かされる解錠揺動ロッドと、一端が前記施錠ケースに固定された回転軸に枢着され、他端が前記解錠揺動ロッドの前記解錠プッシュロッドから離間する一端に架設される施錠揺動ロッドとを含み、前記施錠ブラケットは、前記施錠揺動ロッドの前記解錠揺動ロッドから離間する一端に係設され、前記施錠揺動ロッドが前記回転軸を中心に回転することにより、前記戻止施錠舌片の伸縮方向に沿って運動するように動かされる。本好適実施手段によれば、解錠揺動ロッド及び施錠揺動ロッドを利用して解錠プッシュロッドが受けた解錠外力を戻止施錠舌片に正確に伝達する。
【0018】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記施錠ブラケットには、連動するスライド爪及びストッパ爪を有する施錠片が固定され、前記戻止施錠舌片は、スライドスロープを有し、前記スライド爪が前記スライドスロープに沿ってスライドすることにより、前記メイン施錠舌片の没入経路に進入し又は前記メイン施錠舌片の没入経路から退出するように前記ストッパ爪が動かされる。本好適実施手段によれば、スライド爪により、ストッパ爪を制御し、メイン施錠舌片が施錠状態にあるとき、ストッパ爪は、メイン施錠舌片を戻止する役割を果たす。
【0019】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記施錠ケースには、前記施錠ケースから延出するように前記施錠ケースに穿設され、軸方向に伸縮可能であり、自転により解錠位置から施錠位置まで回転し、施錠柱を有する安全軸がさらに設けられ、前記安全軸が前記施錠位置まで回転するとき、前記メイン施錠舌片は、前記施錠ケースから延出し、前記施錠柱は、前記メイン施錠舌片の後端に当接する。本好適実施手段によれば、前記施錠機構に安全軸を組み合わせる構造を利用することにより、施錠機構の操作が簡単かつ便利になり、安全性能及び知能化の程度が高く、二次施錠状態において、外力からのすべての誤操作は、いずれも施錠状態に影響を与えることはない。
【0020】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記安全軸には、感知柱が設けられ、前記施錠ケースには、前記感知柱の位置を検出するためのセンサが設けられ、前記安全軸が前記施錠位置まで回転するとき、前記センサは、前記感知柱に正対する。本好適実施手段によれば、センサを採用して信号を出すことにより、使用者は施錠機構が解錠状態にあるか施錠状態にあるかを明確に区別することができる。
【0021】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記施錠ケースの前記電池箱の箱体から離間する内面には、解錠位置及び施錠位置が開いて設けられる圧板が固定され、前記安全軸には、前記安全軸に伴って回転し、前記解錠位置と前記施錠位置との間を切り替えるための位置決め柱が設けられる。本好適実施手段によれば、安全軸の二次安全の信頼性が向上する。
【0022】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、電池箱解錠装置は、外筐をさらに含み、前記伝動機構及び前記施錠機構が外筐に設けられ、前記取付座及び前記伸縮機構が前記伸縮機構の伸縮方向に沿って伸縮可能に外筐に設けられる。本好適実施手段によれば、伝動機構及び施錠機構が露出することが回避され、伝動機構及び施錠機構が損傷から保護される。
【0023】
好ましくは、本発明に係る電池箱解錠装置において、前記取付座は、前記伸縮機構の前記伝動機構から離間する一端にスリーブされる電磁石吸盤を含む。本好適実施手段によれば、電磁石に通電することで電池箱を外部装置に便利に吸着して接続することができ、自動化及び知能化の程度が高い。
【0024】
電池箱は、箱体と、電池箱解錠装置とを含み、前記取付座は、前記伸縮機構の前記箱体から離間する一方側に設けられ、前記伸縮機構及び前記伝動機構は、前記箱体の端部に設けられ、前記施錠機構は、前記箱体の側部に設けられ、前記伸縮機構は、前記箱体の端部に対して伸縮運動し、前記伝動機構は、前記箱体の端部に沿って運動する。
【0025】
好ましくは、本発明に係る電池箱において、前記施錠機構の数は、二つであり、二つの前記施錠機構は、前記箱体の二つの側部に対向して設けられ、前記伝動機構の数は、二つであり、二つの前記伝動機構は、前記伸縮機構の両側にそれぞれ位置し、前記伸縮機構は、二つの前記伝動機構を介して施錠又は解錠させるように二つの施錠機構を同時に動かす。本好適実施手段によれば、電池箱解錠装置は、従来技術における電池箱の箱体の両側にそれぞれ設けられるものから解錠点及び動力点が一つになるものに変更されることにより、電池箱の機能点及び故障点が簡略化され、外部装置を使用して電池箱を解錠するときの解錠精度及び成功率が向上する。
【0026】
電池箱迅速電池交換システムは、前記施錠機構と施錠されるように組み合わせられる施錠部を有する電池固定フレームと、電池交換装置吸盤及び前記伸縮機構に対応して設けられるように前記電池交換装置吸盤に伸縮可能に穿設される解錠ロッドを含む電池交換装置と、電池箱とを含み、前記解錠ロッドの延出運動により、没入するように前記伸縮機構が押し動かされ、前記施錠部と解錠するように前記施錠機構が動かされ、前記電池交換装置吸盤は、前記取付座を吸着することにより前記電池交換装置と前記電池箱とを接続する。
【0027】
本分野の常識に合致することに基づいて、上記各好適条件を任意に組み合わせて本発明の各好適実施例を得ることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る電池箱解錠装置、電池箱及び電池箱迅速電池交換システムによれば、伝動機構を利用して、解錠外力による伸縮機構の伸縮運動によって発生するモーメントを施錠機構に伝達し、複数の機能部材を同じ電池箱に統合することにより、一点操作による多点解錠を実現し、自動解錠及び施錠を実現することができるとともに、機械構造が簡略化され、安全で信頼性が高く、連動効果が正確であり、解錠精度が高く、両側に位置する解錠装置及び施錠機構のハード接続による施錠及び解錠部材の損傷の問題が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施例に係る電池箱解錠装置の斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係る電池箱解錠装置における伸縮機構の概略図である。
図3】本発明の一実施例に係る電池箱解錠装置における伝動機構の概略図である。
図4】本発明の一実施例に係る電池箱解錠装置における案内部の概略図である。
図5】本発明の一実施例に係る電池箱解錠装置における施錠機構の内部概略図である。
図6】本発明の一実施例に係る電池箱解錠装置における施錠機構の接続概略図である。
図7】本発明の一実施例に係る電池箱の正面図である。
図8】本発明の一実施例に係る電池箱が電池固定フレームに取り付けるときの概略図である。
図9】本発明の一実施例に係る電池箱迅速電池交換システムの解錠概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、好適実施例を挙げ、図面を参照しながら本発明をより明確かつ完全に説明する。
【0031】
なお、本発明の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語で指示されている方向又は位置関係は、図面に示されている方向又は位置関係に基づいており、本発明の説明及び説明の簡略化の便宜のためだけであり、示された装置又は要素が特定の方向を有し、特定の方向で構築及び操作されなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本発明を限定するものとして理解することはできない。
【0032】
図1図6に示すように、本発明の一実施例によれば、取付座1と、伸縮機構2と、伝動機構3と、施錠機構4とを含む電池箱解錠装置が開示される。施錠機構4は、電池箱の箱体6を電気自動車の電池固定フレーム7に施錠して固定するために用いられる。伸縮機構2は、解錠外力により、伝動機構3に対して取付座1内を伸縮運動するように取付座1に穿設される。伝動機構3は、一端が伸縮機構2に接続され、他端が施錠機構4に接続される。伸縮機構2の伸縮運動により、伸縮機構2と施錠機構4との間を運動するように伝動機構3が動かされる。伝動機構3の運動により、施錠機構4の施錠又は解錠が制御される。
【0033】
具体的には、ハイブリッド車では、電池の電力が不足していて電池交換が必要な場合、外部装置を使用して電池箱を迅速に解錠する必要があるため、電池箱にも対応する解錠装置を装備して、迅速な解錠の目的を達成する必要がある。従来技術において、外部装置は、両側に位置する電池箱解錠装置に対して電池箱の箱体6を両側から押圧して電池固定フレーム7から分離させ、通常の電池交換時間は約10分で、電池交換時間も長い。本実施例に係る電池箱解錠装置は、従来の電池箱解錠装置と比較して、装置全体の構造がコンパクトであり、体積が大きくなく、操作が敏感であり、最も重要なことは、電池交換時間が6分未満であり、効率がほぼ2倍になったことである。本実施例に係る電池箱解錠装置において、伸縮機構2は、解錠外力により、電池箱の箱体6に対して取付座1内を伸縮運動し、伝動機構3が伸縮機構2の両側に向かって電池箱の箱体6の表面に沿ってプッシュプル運動させるように伝動機構3を動かし、最終的には電池固定フレーム7と施錠又は解錠させるように施錠機構4を動かし、伸縮機構2は、解錠外力を伝動機構3に伝達し、伝動機構3は、さらに当該解錠外力を施錠機構4に伝達する。一点制御による多点施錠及び解錠の連動機構により、自動的及び知能的な解錠、施錠制御が実現されるとともに、機械構造が簡略化され、安全で信頼性が高く、連動効果が正確である。
【0034】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、伝動機構3は、駆動柱31と、従動柱32と、接続ロッド33と、伝動ロッド34と、案内部35とを含む。駆動柱31は伸縮機構2に接続され、従動柱32は伝動ロッド34の一端に接続され、接続ロッド33は、駆動柱31及び従動柱32にそれぞれ接続され、駆動柱31の軸を中心に回転可能であり、従動柱32の軸を中心に回転可能であり、伝動ロッド34の他端は施錠機構4に接続される。案内部35には、伝動ロッド34の運動方向に沿って延在する従動案内孔351が形成される。従動柱32は、従動案内孔351内をスライドするように従動案内孔351を穿通する。具体的には、伝動機構3は中核部材であり、本発明の目的を実現するために、本実施例に係る電池交換装置8の解錠装置において、伝動機構3の構造は、五つの部材を含み、そのうち、駆動柱31は、伸縮機構2によって駆動され、伸縮運動により電池箱の箱体6に対する方向の力が発生し、駆動柱31は、伸縮運動に伴って運動し、接続ロッド33を介して案内部35における従動案内孔351に沿って駆動柱31の両側に向かって運動させるように従動柱32を動かす。このとき、駆動柱31及び従動柱32に対する接続ロッド33の二つの回転運動により、駆動柱31に発生した電池箱の箱体6に対する方向の力を、本実施例において、案内部35は、フレーム構造であり、従動案内孔351は、当該フレーム構造に形成される。従動柱32は、従動案内孔351に沿ってフレーム構造に運動するように従動案内孔351を穿通する。本好適実施手段によれば、伸縮機構2を採用して、運動させるように駆動柱31を動かし、駆動柱31及び従動柱32は、接続ロッド33を介して連動し、従動柱32は、駆動柱31の運動方向とは異なる方向に沿って駆動柱31の両側に向かって案内部35に沿って運動し、駆動柱31の縦モーメントを伝動ロッド34の横モーメントに変換し、案内部35によって従動柱32の横運動を案内することにより、伝動機構3の連動効果がより正確かつスムーズになり、電池箱の内部空間が節約される。
【0035】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、案内部35には、伸縮機構2の伸縮方向に沿って延在する駆動案内孔352が形成される。駆動柱31は、駆動案内孔352内をスライドするように駆動案内孔352を穿通する。具体的には、従動案内孔351とは異なる方向に、案内部35に駆動案内孔352が形成されており、駆動柱31は、駆動案内孔352に沿って案内部35内を運動するように駆動案内孔352を穿通する。本実施例において、好ましくは、従動案内孔351は、駆動案内孔352よりも電池箱の箱体6に近接し、従動案内孔351は、駆動案内孔352の両側に設けられ、駆動案内孔352は、従動案内孔351に対して垂直である。本好適実施手段によれば、伸縮機構2が駆動柱31をプッシュプルする過程において、駆動柱31の運動は常に同じ直線上にあり、モーメント伝達過程における力損失が回避され、エネルギ利用率が向上する。
【0036】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、案内部35には、伝動案内孔353が形成されており、伝動ロッド34は、伝動案内孔353内を運動するように伝動案内孔353を穿通する。具体的には、案内部35のフレーム構造の側面には、伝動ロッド34がプッシュプル運動するときに案内する役割を果たすための伝動案内孔353が形成される。本好適実施手段によれば、プッシュプル過程における伝動ロッド34の他の方向への揺れや変位の発生が回避される。
【0037】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、伝動ロッド34は、駆動プルロッド341と、第1リターンスプリング342と、従動プルロッド343とを含み、駆動プルロッド341は、従動柱32に接続され、従動プルロッド343に接続され、従動プルロッド343は、施錠機構4に接続され、第1リターンスプリング342は、駆動プルロッド341に套設されており、第1リターンスプリング342の一端が案内部35に接続され、他端が駆動プルロッド341に接続される。具体的には、伝動ロッド34は三つの部分を有し、駆動プルロッド341は、従動柱32の力を受けてプッシュプル運動を形成することにより、プッシュプル運動させるように従動プルロッド343を動かし、第1リターンスプリング342は、プッシュプル運動によるプッシュプル力を吸収することにより、解錠外力が取り除かれた後、第1リターンスプリング342は、蓄積されたプッシュプル力を解放して、駆動プルロッド341をリセットする。本好適実施手段によれば、第1リターンスプリング342を利用して駆動プルロッド341に伝達されたモーメントを保存し、さらに第1リターンスプリング342の圧縮によって発生する復元力を利用して初期位置に復元させるように駆動プルロッド341に当該モーメントを解放し、これにより、次回の解錠操作が行われるとき、伸縮機構2、駆動プルロッド341、従動プルロッド343及び施錠機構4は、いずれも初期位置に位置することができ、次のステップにおる解錠に便利である。
【0038】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、伸縮機構2は、伸縮ロッド21と、中空軸22とを含み、取付座1は、中空軸22の外側に套設されており、伸縮ロッド21は、中空軸22内を伸縮運動可能なように中空軸22に穿設されており、伝動機構3の一端に接続される。具体的には、中空軸22は、案内部35のフレーム構造に穿設され、伸縮ロッド21は、中空軸22に穿設される。解錠外力が加わるとき、伸縮ロッド21は伸縮運動し、中空軸22は運動しない。本好適実施手段によれば、伸縮ロッド21の外側に中空軸22が套設され、伸縮ロッド21が伸縮運動するときに中空軸22によって保護及び案内され、湾曲による損傷又は伸縮運動の方向が伸縮ロッド21の軸線から逸脱することがないようにすることができる。
【0039】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、中空軸22には、伸縮ロッド21の伸縮方向に沿って延在する二次案内孔221が形成される。伝動機構3の一端は、二次案内孔221に沿ってスライド可能なように穿通する。伝動機構3の一端と伸縮ロッド21との接続部は、中空軸22に位置する。具体的には、中空軸22には、駆動柱31の案内孔に対応して二次案内孔221が形成される。伝動機構3の一端に位置する駆動柱31は、伸縮ロッド21に伴って運動するように案内部35のフレーム構造における駆動柱31の案内孔及び中空軸22における二次案内孔221を順次穿通する。本好適実施手段によれば、伝動機構3の一端に位置する駆動柱31は、中空軸22によって保護及び案内されるように中空軸22内を運動することができるとともに、空間を節約することもできる。
【0040】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、中空軸22の取付座1から離間する一端には、固定座23が接続される。中空軸22には、一端が固定座23に接続され、他端が伝動機構4の一端に接続される第2リターンスプリング24が套設される。具体的には、取付座1に外力が加わるとき、軸方向に運動するように中空軸22が押し動かされるため、次の解錠操作への影響を回避するために、外力が取り除かれると中空軸22及び取付座1が初期位置に復元可能なように、第2リターンスプリング24が必要となる。本好適実施手段によれば、伝動機構4は、解錠の力伝達が完了した後、次の解錠操作が迅速に接続されるように第2リターンスプリング24の復元力によって自動的にリセットすることができる。
【0041】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、伸縮ロッド21は、取付座1の中空軸22から離間する一端に穿設される押動部211と、伝動機構4の一端に接続されるように中空軸22に穿設される伝動軸212とを含む。押動部211は、伝動軸212の伝動機構4の一端から離間する端部に当接する。具体的には、伸縮ロッド21は、伸縮運動のステップを数百回から千回繰り返した後、その長さや太さによる折り曲げの問題は免れ難いため、本実施例において、伸縮ロッド21は、押動部211及び伝動軸212の二つの部分を有する構造とする。押動部211と伝動軸212とは固定的に接続されておらず、伝達軸212により押動部211を取付座1に当接させるようにして構造を安定させている。本好適実施手段によれば、伸縮ロッド21は、二部分構造を採用し、一定の「湾曲」空間が与えられる。すなわち、押動部211は、伝動軸212に対して伝動軸212の径方向にわずかに変位することができ、一体型伸縮ロッド21が二つの部材間に穿設されるときに二つの部材間の相対的な変位による湾曲の問題が回避される。
【0042】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、押動部211は、ボタン2111と、フランジ2112と、凹陥部2113と、当接柱2114とを含み、凹陥部2113は、ボタン2111の伝動軸212に近接する一端に凹設され、フランジ2112は、凹陥部2113の周囲に環設され、当接柱2114は、伝動軸212に当接するようにボタン2111に穿設される。具体的には、第2リターンスプリング24の復元力により、押動部211が取付座1から弾き出されて次の解錠操作に影響を与えるとともに、押動部211が解錠外力を受けて押し込まれるとき、中空軸22の存在によりその伸縮運動が制限される可能性がある。そのため、押動部211は四つの部分を含み、ボタン2111は、解錠外力を受けるためのものであり、フランジ2112は、押動部211が取付座1から弾き出されることを防止するためのものであり、凹陥部2113は、押動部211の伸縮距離が延長されるように中空軸22を収容するためのものであり、当接柱2114は、伸縮させるように伝動軸212を動かすためのものである。本好適実施手段によれば、フランジ2112と第2リターンスプリング24の組み合わせにより、伸縮ロッド21は、取付座1及び中空軸22にしっかりと位置決めされるとともに、第2リターンスプリング24の復元力によって取付座1から弾き出されることもない。
【0043】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、施錠機構4は、施錠ケース41と、施錠ケース41内に設けられる連動部42、施錠ブラケット43、戻止施錠舌片44及びメイン施錠舌片45とを含む。連動部42は、伝動機構3の伸縮機構2から離間する一端に接続され、戻止施錠舌片44は、一端が施錠ケース41に固定され、他端が施錠ケース41から弾性的に延出可能であり、施錠ブラケット43は、連動部42に係設され、施錠ブラケット43は、戻止施錠舌片44に接続され、伝動機構3の運動により、施錠ブラケット43が戻止施錠舌片44の伸縮方向に沿って伸縮するように連動部42が動かされる。メイン施錠舌片45は、施錠ブラケット43に接続され、施錠ブラケット43の伸縮運動により、施錠ケース41から延出し又は施錠ケース41に没入するように動かされる。連動部42が伝動機構3の解錠外力をメイン施錠舌片45に伝達するとき、メイン施錠舌片45は、後退して解錠する。このとき、戻止施錠舌片44はエネルギ蓄積部材として力を蓄積し、連動部42に外力がないとき、戻止施錠舌片44は、蓄積された力を解放し、連動部42を押し退けるとともに、施錠ブラケット43を介して施錠ケース41から弾き出されるようにメイン施錠舌片45を動かし、解錠及びリセットの操作全体が迅速かつ正確である。
【0044】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、連動部42は、解錠プッシュロッド421と、解錠揺動ロッド422と、施錠揺動ロッド423とを含む。解錠プッシュロッド421は、伝動機構3の運動方向に沿って運動するように伝動機構3の一端に接続される。解錠揺動ロッド422は、解錠プッシュロッド421に接続され、施錠ケース41に固定された揺動軸に枢着され、解錠プッシュロッド421の運動により、揺動軸を中心にして揺動するように動かされる。施錠揺動ロッド423は、一端が施錠ケース41に固定された回転軸に枢着され、他端が解錠揺動ロッド422の解錠プッシュロッド421から離間する一端に架設される。施錠ブラケット43は、施錠揺動ロッド423の解錠揺動ロッド422から離間する一端に係設され、施錠揺動ロッド423が回転軸を中心に回転することにより、戻止施錠舌片44の伸縮方向に沿って運動するように施錠ブラケット43が動かされる。それにより、解錠揺動ロッド422及び施錠揺動ロッド423を利用して解錠プッシュロッド421が受けた解錠外力を戻止施錠舌片44に正確に伝達する。
【0045】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、施錠ブラケット43には、施錠片46が固定され、施錠片46は、連動するスライド爪461及びストッパ爪462を有し、戻止施錠舌片44は、スライド斜面を有し、スライド爪461がスライド斜面に沿ってスライドすることにより、メイン施錠舌片45の没入経路に進入し又はメイン施錠舌片45の没入経路から退出するようにストッパ爪462が動かされる。本好適実施手段によれば、スライド爪461により、ストッパ爪462を制御し、メイン施錠舌片45が施錠状態にあるとき、ストッパ爪462は、メイン施錠舌片45を戻止する役割を果たす。
【0046】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、施錠ケース41には、施錠ケース41から延出するように施錠ケース41に穿設され、軸方向に伸縮可能であり、自転により解錠位置から施錠位置まで回転し、施錠柱471を有する安全軸47がさらに設けられる。安全軸47が施錠位置まで回転するとき、メイン施錠舌片45は、施錠ケース41から延出し、施錠柱471は、メイン施錠舌片45の後端に当接する。本好適実施手段によれば、前記施錠機構4に安全軸47を組み合わせる構造を利用することにより、施錠機構4の操作が簡単かつ便利になり、安全性能及び知能化の程度が高く、二次施錠状態において、外力からのすべての誤操作は、いずれも施錠状態に影響を与えることはない。
【0047】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、安全軸47には、感知柱472が設けられる。施錠ケース41には、感知柱472の位置を検出するためのセンサ48が設けられる。安全軸47が施錠位置まで回転するとき、センサ48は、感知柱472に正対する。センサ48を採用して信号を出すことにより、使用者は施錠機構4が解錠状態にあるか施錠状態にあるかを明確に区別することができる。
【0048】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、施錠ケース41の電池箱の箱体6から離間する内面には、解錠位置及び施錠位置が開いて設けられる圧板49が固定される。安全軸47には、安全軸47に伴って回転し、解錠位置と施錠位置との間を切り替えるための位置決め柱473が設けられる。本実施例において、施錠ケース41の内面には圧板49が固定され、センサ48は圧板49の内側に固定され、安全軸47は、圧板49及び施錠ケース41を穿通し、軸方向に弾性的に押し込み又は弾き出し可能であり、それに設けられた位置決め柱473と組み合わせて解錠位置と施錠位置との間を切り替えることにより、使用者は、手動操作を行うことができ、安全軸47の二次安全の信頼性が向上する。
【0049】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、電池箱解錠装置は、外筐5をさらに含み、伝動機構3及び施錠機構4が外筐5に設けられ、取付座1及び伸縮機構2が伸縮機構2の伸縮方向に沿って伸縮可能に外筐5に設けられ、伝動機構3及び施錠機構4が露出することが回避され、伝動機構3及び施錠機構4が損傷から保護される。
【0050】
本実施例に係る電池箱解錠装置において、取付座1は、伸縮機構2の伝動機構3から離間する一端にスリーブされる電磁石吸盤を含む。具体的には、電池箱の動力点及び解錠点を一つにし、電池箱の機能部材及び故障点を簡略化し、運営の成功率を向上させるために、外部動力装置と吸着して接続されるように動力点として電磁石吸盤を使用する。本好適実施手段によれば、電磁石に通電することで電池箱を外部装置に便利に吸着して接続することができ、自動化及び知能化の程度が高い。
【0051】
図7に示すように、本発明によれば、箱体6と、電池箱解錠装置とを含む電池箱が開示される。取付座1は、伸縮機構2の箱体6から離間する一方側に設けられる。伸縮機構2及び伝動機構3は、箱体6の端部に設けられる。施錠機構4は、箱体6の側部に設けられる。伸縮機構2は、箱体6の端部に対して伸縮運動する。伝動機構3は、箱体6の端部に沿って運動する。
【0052】
本実施例に係る電池箱において、施錠機構4の数は、二つであり、二つの施錠機構4は、箱体6の二つの側部に対向して設けられる。伝動機構3の数は、二つであり、二つの伝動機構3は、伸縮機構2の両側にそれぞれ位置する。伸縮機構2は、二つの伝動機構3を介して施錠又は解錠させるように二つの施錠機構4を同時に動かす。本好適実施手段によれば、電池箱解錠装置は、従来技術における電池箱の箱体の両側にそれぞれ設けられるものから解錠点及び動力点が一つになるものに変更されることにより、電池箱の機能点及び故障点が簡略化され、外部装置を使用して電池箱を解錠するときの解錠精度及び成功率が向上する。
【0053】
図8及び図9に示すように、本発明によれば、電池固定フレーム7と、電池交換装置8と、電池箱とを含む電池箱迅速電池交換システムが開示される。電池固定フレーム7は、施錠機構4と施錠されるように組み合わせられる施錠部71を有する。電池交換装置8は、電池交換装置吸盤81と、電池交換装置吸盤81に伸縮可能に穿設される解錠ロッド82とを含み、解錠ロッド82は、伸縮機構2に対応して設けられ、解錠ロッド82の延出運動により、没入するように伸縮機構2が押し動かされ、施錠部71と解錠するように施錠機構4が動かされ、電池交換装置吸盤81は、取付座1を吸着することにより電池交換装置8と電池箱とを接続する。
【0054】
電池交換装置8の解錠ロッド82が延出し、電池箱の取付座1の中央の伸縮ロッド21を押し動かす。伸縮ロッド21は、電池箱の箱体6に向かって一定距離運動させるように駆動柱31を動かす。駆動柱31は、接続ロッド33を介して両側に向かって運動させるように従動柱32を押し動かす。一好適実施例において、駆動柱31は8mm運動し、駆動柱31の両側にある従動柱32はそれぞれ4mm運動する。推力を変えずに運動方向を変えることにより、両側に向かって押し動かされるように伝動ロッド34が動かされ、没入するように施錠機構4のメイン施錠舌片45が動かされ、それにより解錠が完了する。電池箱の箱体6を電池固定フレーム7に施錠する必要がある場合、手動又は制御装置によってリセットするように伸縮ロッド21を押し動かし、電池固定フレーム7に均等に進入させるように電池箱の箱体6を押し動かし、所定の位置に到達すると電池箱の施錠機構4は自動的に施錠する。手動又は制御装置によって安全軸を4790°回転させ、センサ48が安全施錠信号をトリガして、施錠が完全であることを確認し、施錠が完了する。
【0055】
電池箱の箱体6が電池固定フレーム7に押し込まれるとき、戻止施錠舌片44は没入するが一定の圧着力を維持しており、メイン施錠舌片45は延出して電池固定フレーム7と係合し、電池箱は施錠状態となる。90度回転されるように使用者が手動で安全軸47を回し又は制御装置により自動で安全軸47を回転させるとき、安全軸47の施錠柱471は、メイン施錠舌片45に当接し、安全軸47及びメイン施錠舌片45は常に安全に施錠する。施錠柱471が所定位置に到達すると、感知させて安全な施錠信号を示す有効な信号を送信させるようにセンサ48をトリガし、電池箱の施錠状態には、二つ目の安全が掛けられる。電池箱を交換するときは、安全軸47を手動又は制御装置によりリセットする必要があり、施錠ブラケット43が下がり、メイン施錠舌片45は、戻止施錠舌片44の蓄積された力を利用して自動的に没入し、電池箱は電池固定フレーム7から退出することができ、解錠機能が実現される。
【0056】
本発明に係る電池箱解錠装置、電池箱及び電池箱迅速電池交換システムによれば、伝動機構3を利用して、解錠外力による伸縮機構2の伸縮運動によって発生するモーメントを施錠機構4に伝達し、複数の機能部材を同じ電池箱に統合することにより、一点操作による多点解錠を実現し、自動解錠及び施錠を実現することができるとともに、機械構造が簡略化され、安全で信頼性が高く、連動効果が正確であり、解錠精度が高く、両側に位置する解錠装置及び施錠機構4のハード接続による施錠及び解錠部材の損傷の問題が回避される。
【0057】
以上、本発明の具体的な実施形態について説明したが、当業者は、これが単なる例による説明であり、本発明の保護範囲が添付の特許請求の範囲によって限定されることを理解すべきである。当業者は、本発明の原理及び本質から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更又は修正を加えることができるが、これらの変更及び修正は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1、取付座
2、伸縮機構
21、伸縮ロッド
211、押動部
2111、ボタン
2112、フランジ
2113、凹陥部
2114、当接柱
212、伝動軸
22、中空軸
221、二次案内孔
23、固定座
24、第2リターンスプリング
3、伝動機構
31、駆動柱
32、従動柱
33、接続ロッド
34、伝動ロッド
341、駆動プルロッド
342、第1リターンスプリング
343、従動プルロッド
35、案内部
351、従動案内孔
352、駆動案内孔
353、伝動案内孔
4、施錠機構
41、施錠ケース
42、連動部
421、解錠プッシュロッド
422、解錠揺動ロッド
423、施錠揺動ロッド
43、施錠ブラケット
44、戻止施錠舌片
45、メイン施錠舌片
46、施錠片
461、スライド爪
462、ストッパ爪47、安全軸
471、施錠柱
472、感知柱
473、位置決め柱
48、センサ
49、圧板
5、外筐
6、箱体
7、電池固定フレーム
71、施錠部
8、電池交換装置
81、電池交換装置吸盤
82、解錠ロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9