(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】データを送信するための航空機通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 40/02 20090101AFI20230808BHJP
H04W 4/42 20180101ALI20230808BHJP
H04W 84/06 20090101ALI20230808BHJP
H04W 76/15 20180101ALI20230808BHJP
【FI】
H04W40/02
H04W4/42
H04W84/06
H04W76/15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018020032
(22)【出願日】2018-02-07
【審査請求日】2021-01-22
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エドワード・マティアス
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ワイ・リー
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン・ロバート・アンドリュー・サンデル
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02378676(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0042272(US,A1)
【文献】特表2011-501490(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0093219(US,A1)
【文献】特開2003-069623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(100)内のインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ(122)であって、インターネット・プロトコル通信リンクを用いて、前記航空機(100)にリモートな地上局(104)のグループにデータ(106)を送信するように構成されたインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ(122)と、
前記航空機(100)内の航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)であって、前記インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ(122)に接続され、航空機空地データ通信システム通信リンク(126)または前記インターネット・プロトコル通信リンクのうち少なくとも1つを用いて、航空機システム(116)から前記地上局(104)のグループに前記データ(106)を送信するように構成された航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)と
を備える、航空機通信システム(108)であって、
前記航空機通信システムが、前記航空機通信システム内のデータルーティングのステータスを、前記航空機通信システムのディスプレイシステム上で搭乗員に表示し、前記航空機の飛行中に前記インターネット・プロトコル通信リンクの使用を有効または無効にするためのインタフェースを前記搭乗員に提供し、前記インターネット・プロトコル通信リンクの利用可能性を、提供する、ように構成され、
前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)は、前記データ(106)を送信するための前記航空機空地データ通信システム通信リンク(126)を、衛星通信リンク、超高周波通信リンク、および高周波通信リンクを含むグループから選択し、
前記航空機(100)内の前記インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ(122)は、前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)に利用可能な追加の航空機空地データ通信システム通信リンク(126)である集約されたインターネット・プロトコル通信リンク(125)として、インターネット・プロトコル通信リンク(124)を集約し、
前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)が前記集約されたインターネット・プロトコル通信リンク(125)を選択するとき、前記インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ(122)は、地上無線ネットワーキング通信リンク、セルラ地上通信リンク、Lバンド衛星通信リンク、Kuバンド衛星通信リンク、およびKaバンド衛星通信リンクを含むグループから前記インターネット・プロトコル通信リンクを選択する、航空機通信システム(108)。
【請求項2】
前記航空機(100)内の航空機システム(200)が、前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)に接続され、前記航空機システム(200)は、設定された通信リンク優先度のもとで、前記データ(106)が前記インターネット・プロトコル通信リンクを用いて送信されるべきことを示す、媒体選択フィールド(206)内のインジケータ(204)を設定する、請求項1に記載の航空機通信システム(108)。
【請求項3】
前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)は、前記データ(106)が前記インターネット・プロトコル通信リンクを用いて送信されるべきことを前記インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ(122)に示す、前記データ(106)の宛先フィールド(210)内のインジケータ(204)を設定する、請求項1または2に記載の航空機通信システム(108)。
【請求項4】
前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)は、前記データ(106)を生成する航空機システム(200)の識別子または設定された通信リンク優先度のうち少なくとも1つに基づいて、前記データ(106)が前記インターネット・プロトコル通信リンクを用いて送信されるべきかどうかを判定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の航空機通信システム(108)。
【請求項5】
前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)は、安全性に無関係な前記データ(106)を、前記インターネット・プロトコル通信リンクを介して送信するように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の航空機通信システム(108)。
【請求項6】
前記データ(106)が、フライト段階イベントデータ、フライト計画、気象情報、機器ヘルスおよび整備データ(106)、pingメッセージ、テスト・メッセージ、または搭乗員メッセージのうち少なくとも1つを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の航空機通信システム(108)。
【請求項7】
航空機通信システム(108)においてデータ(106)を送信するための方法であって、
航空機(100)内の航空機空地データ通信システム内の航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)で、前記航空機(100)内の航空機システム(116)から前記データ(106)を受信するステップと、
前記航空機システム(116)から受信した前記データ(106)を地上局(104)のグループに送信するために、航空機空地データ通信システム通信リンク(126)またはインターネット・プロトコル通信リンクのうち少なくとも1つを選択するステップと、
前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)が前記データ(
106)を送信するために前記インターネット・プロトコル通信リンクを選択するときに、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ(122)を用いて前記データ(106)を送信するステップであって、前記インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ(122)は、インターネット・プロトコル通信リンクを用いて、前記航空機(100)にリモートな前記地上局(104)のグループにデータ(106)を送信するように構成される、ステップと
を含む方法であって、
前記方法が、前記航空機通信システム内のデータルーティングのステータスを、前記航空機通信システムのディスプレイシステム上で搭乗員に表示するステップと、前記航空機の飛行中に前記インターネット・プロトコル通信リンクの使用を有効または無効にするためのインタフェースを前記搭乗員に提供するステップと、前記インターネット・プロトコル通信リンクの利用可能性を、提供するステップと、をさらに含み、
前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)は、前記データ(106)を送信するための前記航空機空地データ通信システム通信リンク(126)を、衛星通信リンク、超高周波通信リンク、および高周波通信リンクを含むグループから選択し、
前記航空機(100)内の前記インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ(122)は、前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)に利用可能な追加の航空機空地データ通信システム通信リンク(126)である集約されたインターネット・プロトコル通信リンク(125)として、インターネット・プロトコル通信リンク(124)を集約し、
前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)が前記集約されたインターネット・プロトコル通信リンク(125)を選択するときに、前記インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ(122)により、地上無線ネットワーキング通信リンク、セルラ地上通信リンク、Lバンド衛星通信リンク、Kuバンド衛星通信リンク、およびKaバンド衛星通信リンクを含むグループから前記インターネット・プロトコル通信リンクを選択する、方法。
【請求項8】
前記航空機(100)内の航空機システム(200)が、前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)に接続され、
前記航空機システム(200)により、設定された通信リンク優先度のもとで、前記データ(106)が前記インターネット・プロトコル通信リンクを用いて送信されるべきことを示す、媒体選択フィールド(206)内のインジケータ(204)を設定するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)により、前記データ(106)が前記インターネット・プロトコル通信リンクを用いて送信されるべきことを前記インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ(122)に示す、前記データ(106)の宛先フィールド(210)内のインジケータ(204)を設定するステップをさらに含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)により、前記データ(106)を生成する航空機システム(200)の識別子および設定された通信リンク優先度に基づいて、前記データ(106)が前記インターネット・プロトコル通信リンクを用いて送信されるべきかどうかを判定するステップをさらに含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ(114)は、安全性に無関係な前記データ(106)を、前記インターネット・プロトコル通信リンクを介して送信するように構成される、請求項7から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記データ(106)が、フライト段階イベントデータ(106)、フライト計画、気象情報、機器ヘルスおよび整備データ(106)、pingメッセージ、テスト・メッセージ、または搭乗員メッセージのうち少なくとも1つを含む、請求項7から11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、航空機に関し、詳細には、航空機通信システムを用いて航空機から地上局にデータを送信することに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機により行われる通信は音声通信および他のタイプのデータを含む。例えば、商用飛行機は、航空機空地データ通信システム(aircraft communication addressing and reporting system)を用いて地上局とデータを交換する。このタイプのシステムはACARSとも称される。航空機空地データ通信システムは、航空機と地上局の間でメッセージを送信するためのデジタル・データリンク・システムである。典型的に、この送信は無線周波数信号および衛星信号を用いて行われる。地上局は、航空機オペレータ、サービス・プロバイダ、またはいくつかの他のサードパーティによって操作されてよい。
【0003】
航空機がより複雑になり、より多くの電子システムを含むようになったことで、航空機によって地上局に送信されるデータの量が増大している。例えば、航空機空地データ通信システムは、フライトの各主要段階の開始時に、ならびに航空機の動作中に連続的に、データを送信しうる。航空機空地データ通信システムはまた、データを地上局から受信しうる。
【0004】
商用飛行機と地上局の間で交換されるこの情報は、例えば、機器ヘルス、フライト計画、エンジン動作データ、大気温度、気象情報、および他の適切なタイプの情報を含む。電子システムの複雑度および数が商用飛行機において増大するにつれて、送信されるデータの量もまた増大する。
【0005】
航空機空地データ通信システムによって使用される通信リンク上のこのデータの送信は、現在、送信されるデータの量のために高い動作コストを有する。送信されるデータの量が増大すると、当該データを送信するためのコストも、現在使用されている航空機空地データ通信システムにおいて必要なコストよりも増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、上述の問題ならびに他の起こりうる問題の少なくともいくつかを考慮した方法および装置を提供することが望ましい。例えば、航空機から地上局にデータを送信することについての技術的問題を克服する方法および装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施態様は、航空機通信システムを提供する。航空機通信システムは、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータおよび航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータを含む。航空機内に配置されたインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータは、インターネット・プロトコル通信リンクを用いて、航空機にリモートな地上局のグループにデータを送信するように構成される。航空機内に配置された航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータは、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータに接続される。航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータは、航空機空地データ通信システム通信リンクまたはインターネット・プロトコル通信リンクのうち少なくとも1つを用いて、航空機システムから地上局のグループにデータを送信するように構成される。
【0008】
本開示の別の実施態様は、航空機通信システムにおいてデータを送信するための方法を提供する。方法は、航空機内の航空機空地データ通信システム内の航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータで、航空機内の航空機システムからデータを受信するステップを含む。方法は、航空機システムから受信したデータを地上局のグループに送信するために、航空機空地データ通信システム通信リンクまたはインターネット・プロトコル通信リンクのうち少なくとも1つを選択するステップを含む。方法は、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータがデータを送信するためにインターネット・プロトコル通信リンクを選択するとき、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータを用いてデータを送信するステップを含む。インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータは、インターネット・プロトコル通信リンクを用いて、航空機にリモートな地上局のグループにデータを送信するように構成される。
【0009】
これらの特徴および機能は、本開示の様々な実施形態と独立して実現でき、または、詳細が以下の説明および図面を参照して理解できる、さらに別の実施形態に組み合わされてもよい。
【0010】
例示的な実施形態の新規な特徴と信ずる特徴が添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な実施形態、ならびに好適な使用モード、さらにその目的および特徴は、添付図面と併せて読んだときに、本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照して最も良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】例示的な実施形態に従う航空機通信環境のブロック図である。
【
図2】例示的な実施形態に従うデータを送信する航空機システムのブロック図である。
【
図3】例示的な実施形態に従うデータを地上局に送信するためのデータフローの例の図である。
【
図4】例示的な実施形態に従う航空機通信システムでデータを送信するためのプロセスの流れ図である。
【
図5】例示的な実施形態に従う通信リンクを選択するためのプロセスの流れ図である。
【
図6】例示的な実施形態に従う通信リンクを選択するためのプロセスの流れ図である。
【
図7】例示的な実施形態に従うインターネット・プロトコル通信リンクを選択するためのプロセスの流れ図である。
【
図8】例示的な実施形態に従うインターネット・プロトコル通信リンクを選択するためのプロセスの流れ図である。
【
図9】例示的な実施形態に従うデータ処理システムのブロック図である。
【
図10】例示的な実施形態に従う航空機の製造およびサービス方法のブロック図である。
【
図11】例示的な実施形態を実装しうる航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な実施形態は1つまたは複数の異なる検討事項を認識し考慮する。例えば、例示的な実施形態は、データの送信が、航空機空地データ通信システムで実装される規格を用いることを要求しうることを認識し考慮する。例示的な実施形態は、安全性データが規格を用いてこのタイプのシステムを通じて送信されうることを認識し考慮する。例示的な実施形態はまた、他のタイプのデータが特定の規格を用いて送信を要求しなくてもよいことを認識し考慮する。そのタイプのデータは、特定の規格を用いて送信されることを要求されるものに対してコスト、速度、および他の利点を提供しうるネットワークを用いて送信されてもよい。
【0013】
例示的な実施形態は、航空機から地上局に送信される大量のデータがしばしば安全性に関連しないことを認識し考慮する。例えば、例示的な実施形態は、航空機の安全性に関連しない整備情報、エンジン動作データ、および他の情報を送信してもよいことを認識し考慮する。例示的な実施形態は、安全性に関連しないデータが、一般に航空機空地データ通信システムにより使用されるものと異なる他の通信リンクを用いて送信されうることを認識し考慮する。当該実施形態は、これらの他のタイプの通信リンクが、現在航空機空地データ通信システムにより使用されるものと比較してより低いコストを有しうることを認識し考慮する。
【0014】
したがって、例示的な実施形態は、データを送信するための方法および装置を提供する。1つの例示的な例では、航空機通信システムは、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータおよび航空機内の航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータを含む。インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータは、インターネット・プロトコル通信リンクを用いて、航空機にリモートな地上局のグループにデータを送信するように構成される。航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータは、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータに接続され、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータは、航空機空地データ通信システム通信リンクまたはインターネット・プロトコル通信リンクのうち少なくとも1つを用いて、航空機システムから地上局のグループにデータを送信するように構成される。
【0015】
次に図面、特に、
図1を参照すると、航空機通信環境のブロック図の例示が例示的な実施形態に従って示されている。この例示的な例において、航空機通信環境102内の航空機100が地上局104のグループと通信する。
【0016】
本明細書で使用する際、「のグループ(group of)」とは、参照アイテムとともに使用されるとき、1つまたは複数のアイテムを意味する。例えば、地上局104のグループは、地上局104の1つまたは複数である。
【0017】
この例示的な例において、航空機100は、データ106を地上局104のグループと交換する。データ106は、フライト段階イベントデータ、フライト計画、気象情報、機器ヘルスおよび整備データ、pingメッセージ、テスト・メッセージ、搭乗員メッセージ、または他の適切なタイプのデータのうち少なくとも1つを含む。
【0018】
本明細書で使用する際、「のうち少なくとも1つ(at least one of)」というフレーズは、アイテムのリストとともに使用されるとき、リストされたアイテムの1つまたは複数の異なる組合せを使用してもよく、リスト内の各アイテムのうち1つのみが必要であってもよいことを意味する。換言すれば、「のうち少なくとも1つ」とは、アイテムの任意の組合せおよび任意の数のアイテムをリストから使用してもよいが、当該リスト内のアイテムの全てが要求されるわけではないことを意味する。アイテムは、特定のオブジェクト、モノ、またはカテゴリであってもよい。
【0019】
例えば、限定ではなく、「アイテムA、アイテムB、またはアイテムCのうち少なくとも1つ」は、アイテムA、アイテムAおよびアイテムB、またはアイテムBを含んでよい。この例はまた、アイテムA、アイテムB、およびアイテムCまたはアイテムBおよびアイテムCを含んでもよい。勿論、これらのアイテムの任意の組合せが存在してもよい。いくつかの例示的な例において、「のうち少なくとも1つ」が、例えば、限定ではなく、アイテムAのうち2つ、アイテムBのうち1つ、およびアイテムCのうち10個、アイテムBのうち4つおよびアイテムCのうち7つ、または他の適切な組合せであってもよい。
【0020】
この例示的な例において、航空機100は航空機通信システム108を含む。示すように、航空機空地データ通信システム110は航空機通信システム108に存在する。航空機空地データ通信システム110は航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114を含む。
【0021】
この例示的な例において、航空機空地データ通信システム110は、AEEC(Airlines Electronic Engineering Committee)からの1つまたは複数のARINC規格を用いて実装される。航空機システム116は航空機空地データ通信システム110に接続される。航空機システム116はデータ106を生成し送信してもよい。
【0022】
航空機通信システム108はまた、インターネット・プロトコル通信システム118を含む。インターネット・プロトコル通信システム118はインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122を含む。航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114およびインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122によるデータの送信は、ファイル転送プロトコルサービス(FTPS)または他の適切なプロトコルのような様々なプロトコルを用いて実装されてもよい。
【0023】
示すように、航空機100内のインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122は、インターネット・プロトコル通信リンク124を用いて航空機100にリモートな地上局104のグループにデータ106を送信するように構成される。さらに、航空機100内の航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114はインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122に接続される。
【0024】
航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114は、いくつかの異なる方法でインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122に接続されてよい。この接続は、これらの構成要素間のデータ106の通信を可能する接続である。接続は、有線リンク、光リンク、無線リンクまたは他のタイプの接続を含んでよい。
【0025】
この例示的な例において、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114は、航空機空地データ通信システム通信リンク126のうち少なくとも1つを用いて、または、インターネット・プロトコル通信リンク124の1つまたは複数を用いてインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122を介して、航空機システム116から地上局104のグループにデータ106を送信するように構成される。
【0026】
この例において、インターネット・プロトコル通信リンク124が集約され、集約されたインターネット・プロトコル通信リンク125が航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114によりデータ106を送信するために使用するために選択された場合に、集約されたインターネット・プロトコル通信リンク125として、インターネット・プロトコル通信リンク124の1つまたは複数を選択してデータ106を送信するインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122を有する航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114に提供される。換言すれば、インターネット・プロトコル通信リンク124は、データ106を送信するために存在する実際の通信リンクであるが、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122は、集約されたインターネット・プロトコル通信リンク125を、データ106を送信するために使用されうる通信リンクとして航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114に提供する。
【0027】
示すように、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114は、データ106を地上局104のグループに送信するための集約されたインターネット・プロトコル通信リンク125を選択することで、このデバイスがインターネット・プロトコル通信リンク124を選択することを可能とするプロセスを含む。このように、集約されたインターネット・プロトコル通信リンク125が、現在利用可能な航空機空地データ通信システム通信リンク126に加えて、データ106を送信するために使用されうる追加のサービスとして提供される。
【0028】
この例示的な例において、地上局104のグループは、データ106を受信しうる1つまたは複数の地上局である。地上局は、データ106を受信するための機器を有する物理的施設である。示すように、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122および航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114は、地上局104の同一または異なるものにデータ106を送信してもよい。
【0029】
さらに、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114は、衛星通信リンク、超高周波通信リンク、高周波通信リンク、またはいくつかの他の適切なタイプの通信リンクを含むグループから、データ106を送信するための航空機空地データ通信システム通信リンク126を選択する。
【0030】
また、航空機100内のインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122は、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114により選択されうる追加の航空機空地データ通信システム通信リンクとして、集約されたインターネット・プロトコル通信リンク125を提供する。換言すれば、複数のタイプのインターネット・プロトコル通信リンクを、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122による使用のために提供してもよい。これらのインターネット・プロトコルリンクの全ては、この例示的な例におけるデータ106を送信するためにインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122による選択のための単一のインターネット・プロトコル通信リンクとして、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114に提供される。
【0031】
示すように、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114は、データ106を送信するためのインターネット・プロトコル通信リンク124を選択してもよい。航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114が集約されたインターネット・プロトコル通信リンク125を選択すると、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122は、地上無線ネットワーキング通信リンク、セルラ地上通信リンク、Lバンド衛星通信リンク、Kuバンド衛星通信リンク、Kaバンド衛星通信リンク、またはインターネット・プロトコル通信のためのいくつかの他の適切なリンクを含むグループからインターネット・プロトコル通信リンク124の1つまたは複数を選択する。
【0032】
次に
図2を参照すると、データを送信する航空機システムのブロック図の例示が例示的な実施形態に従って示されている。この例示的な例において、航空機システム200は、
図1におけるブロック形式で示されるように航空機100内の航空機システム116内のシステムである。
【0033】
この例示的な例において、航空機システム200はデータ202を生成し送信する。これは
図1のデータ106内のデータである。データ202を送信する際に、航空機システム200は、設定された通信リンク優先度のもとでインターネット・プロトコル通信リンク124を用いてデータ202が送信されうることを示す、媒体選択フィールド206内のインジケータ204を設定する。示すように、媒体選択フィールド206は、データ202を含むメッセージ208内のフィールドである。
【0034】
この例において、媒体選択フィールド206は航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114により検査される。インジケータ204、またはインジケータ204に対する特定の値の存在は、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114に、メッセージ208をインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122にルーティングさせる。航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114は、メッセージ208をデータ202および対応するフィールド、即ち、インジケータ213および宛先フィールド210を含むメッセージ211に変換することで、このルーティングを実現する。メッセージ211内のインジケータ213の存在は、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122に、インターネット・プロトコル通信リンク124の1つまたは複数を用いて、メッセージ211内のデータ202を地上局104のグループに送信させる。
【0035】
別の例示的な例において、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114は、航空機システム200により生成されたデータ202が、データ202を生成する航空機システム200の識別子に基づいて、インターネット・プロトコル通信リンク124の1つまたは複数を用いて送信されるかどうかを判定する。航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114は、データ202がインターネット・プロトコル通信リンク124を用いて送信されることを示す、データ202を含むメッセージ211内の宛先フィールド210においてインジケータ213を設定してもよい。メッセージ211がついでインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122にルーティングされる。インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122は、宛先フィールド210内のインジケータ213を識別する際に、インターネット・プロトコル通信リンク124の1つまたは複数を用いてデータ202を送信する。
【0036】
例示的な例において、通信リンクの選択は、送信されているデータのタイプに基づいてもよい。例えば、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114は、インターネット・プロトコル通信リンク124の1つまたは複数を通じて、安全性に無関係なデータ202を送信するように構成される。
【0037】
さらに、一般に地上局104のグループに送信されるデータ202はブロックに分割される。この例示的な例において、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114は、インターネット・プロトコル通信リンク124の1つまたは複数を用いてデータ202を地上局104のグループに送信するときに、データ202をブロックに分割することなく、データ202を送信する。
【0038】
図1における航空機通信システム108内の異なる
構成要素をソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはその組合せで実装してもよい。これらの異なる
構成要素は、例えば、航空機
空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122、または航空機通信システム108内でデータを処理する他のデバイスのうち少なくとも1つを含んでもよい。ソフトウェアが使用されるとき、航空機通信システム108により実施される動作を、プロセッサ・ユニットのようなハードウェア上で実行するように構成されたプログラム・コードで実装してもよい。ファームウェアが使用されるとき、航空機通信システム108により実施される動作をプログラム・コードおよびデータで実装してもよく、プロセッサ・ユニットで実行するために永続メモリに格納してもよい。ハードウェアが使用されるとき、ハードェアは、航空機通信システム108内で動作を実施するように動作する回路を含んでもよい。
【0039】
例示的な例において、ハードェアは、回路システム、集積回路、特殊用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理デバイス、またはいくつかの動作を実施するように構成されたいくつかの他の適切なタイプのハードウェアのうち少なくとも1つから選択された形をとってもよい。プログラム可能論理デバイスにより、デバイスはいくつかの動作を実施するように構成されてもよい。デバイスは、後の時点で再構成されるか、または、いくつかの動作を実施するように永続的に構成されてもよい。プログラム可能論理デバイスは、例えば、プログラム可能論理アレイ、プログラム可能アレイ論理、フィールドプログラム可能論理アレイ、フィールドプログラム可能ゲートアレイ、および他の適切なハードウェア・デバイスを含む。
【0040】
航空機通信システム108は、物理ハードウェア・システムであり、1つまたは複数のデータ処理システムを含む。複数のデータ処理システムが存在するとき、これらのデータ処理システムは通信媒体を用いて互いと通信する。通信媒体はネットワークであってもよい。データ処理システムを、コンピュータ、サーバコンピュータ、タブレット、またはいくつかの他の適切なデータ処理システムのうち少なくとも1つから選択してもよい。
【0041】
次に
図3を参照すると、地上局にデータを送信するためのデータフローの例示が例示的な実施形態に従って示されている。この例示的な例において、異なるタイプの通信リンクを用いてデータを送信するためのデータフローが示される。
【0042】
この例において、航空機システム300は、
図1における航空機システム116内の航空機システムである。航空機システム300は、データ302を生成し、航空機
空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114に送信する。示すように、航空機
空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114は、航空機
空地データ通信システム・トランシーバ306のうち1つを用いて、データ302を航空機
空地データ通信システム地上局304に送信してもよい。この例において、航空機
空地データ通信システム・トランシーバ306は、航空機
空地データ通信システム通信リンクを用いてデータ302を送信する。示すように、航空機
空地データ通信システム・トランシーバ306は、航空機
空地データ通信システム・サービス・プロバイダ307と通信する。サービス・プロバイダは、例えば、限定ではなく、AEROTHAI、ARINC、AVICOM、およびSITA-OnAirを含む。
【0043】
次に、航空機空地データ通信システム・サービス・プロバイダ307がデータ302をデータ消費者308に送信する。データ消費者308は、例えば、航空会社、サードパーティ、整備サービス、政府機関、またはいくつかの他の適切なエンティティであってもよい。
【0044】
航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114からのこのデータ302のフローは、航空機空地データ通信システムのデータフロー310である。このデータフローは、航空機内の航空機空地データ通信システムにより現在使用される通信リンクを利用する。
【0045】
この例示的な例において、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114は、インターネット・プロトコル通信リンクを使用してデータ302の一部または全部を送信すると選択してもよい。この事例において、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114は、データ302をインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122に送信する。インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122は、インターネット・プロトコル・トランシーバ314のうち1つを用いて、データ302をインターネット・プロトコル地上局312に送信する。インターネット・プロトコル・トランシーバ314は、1つまたは複数のインターネット・プロトコル通信リンクを用いてデータ302を送信する。
【0046】
データ302は、インターネット・プロトコル地上局312で受信され、サービス・プロバイダ316に送信される。この例において、サービス・プロバイダ316は、航空機製造者、アビオニクス製造者、またはいくつかの他のサードパーティサービス・プロバイダであってもよい。サービス・プロバイダ316は、データ302をデータ消費者308に送信する。
【0047】
示すように、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122を介した航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114からデータ消費者308へのデータ302のフローは、インターネット・プロトコル・データフロー318である。このデータフローは、データを地上局におよび最終的にはデータ消費者308に送信するために航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114により使用するために追加される追加のデータフローである。このデータフローは、航空機空地データ通信システム・データフロー310と比較してより低いコストを提供してもよい。さらに、インターネット・プロトコル・データフロー318はまた、航空機空地データ通信システム・データフロー310と比較してより高い帯域幅、信頼性、または送信速度のうち少なくとも1つを有してもよい。
【0048】
1つの例示的な例では、航空機空地データ通信システム通信リンクを用いてデータを送信するような、データを航空機から地上局に送信する際の技術的問題を克服する1つまたは複数の技術的解決策が提供される。結果として、1つまたは複数の技術的解決策は、現在使用される航空機空地データ通信システム通信リンクと比較してより低いコスト、より高速な送信速度、より高い帯域幅、高い信頼性、または他の所望の特性のうち少なくとも1つでデータの送信を可能とする技術的効果を提供しうる。
【0049】
結果として、
図1の航空機通信システム108は、航空機通信システム108内の航空機
空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114またはインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122のうち少なくとも1つが、データ106を地上局104のグループに送信する際のより大きな柔軟性を可能とする、特殊目的コンピュータシステムとして動作する。特に航空機
空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114またはインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122のうち少なくとも1つは、様々な例示的な例で説明したように
図1の地上局104のグループに
図1のデータ106を送信するように構成された航空機
空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114またはインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122のうち少なくとも1つを有さない現在利用可能な汎用システムと比較して、航空機通信システム108を特殊目的コンピュータシステムに変換する。
【0050】
図1から
図3の航空機通信環境102および様々な構成要素の例示は、例示的な実施形態が実装されうる方式への物理的なまたはアーキテクチャ的な限定を示唆するものではない。示されたものに加えてまたはその代わりに、他の構成要素を使用してもよい。いくつかの構成要素は不要であってもよい。また、ブロックはいくつかの機能的構成要素を例示するために提供されている。これらのブロックの1つまたは複数を、結合、分割するか、または例示的な実施形態で実装されるとき異なるブロックに結合し分割してもよい。
【0051】
例えば、図示していないが、航空機通信システム108はまた、データ106を地上局104に送信するための送信器またはトランシーバのうち少なくとも1つを含む。さらに、航空機通信システム108はまた、地上局104のグループからデータ106を受信するための受信機のグループを含む。送信器またはトランシーバは、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114またはインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122のうち少なくとも1つに接続される。これらのネットワーク・ルータは、送信器またはトランシーバのうち少なくとも1つにデータ106を地上局104のグループに送信させるのに必要なコマンド、命令、または他の情報を送信する。別の例示的な例において、1つまたは複数の航空機空地データ通信システム通信リンクを航空機空地データ通信システム通信リンク126に加えて提供してもよい。
【0052】
別の例として、航空機通信システム108内のデータルーティングのステータスが、航空機通信システム108内のディスプレイシステム上で搭乗員に表示されてもよい。航空機100の飛行中にインターネット・プロトコル通信リンクの使用を有効または無効にするためのインタフェースを搭乗員に提供してもよい。別の例として、インターネット・プロトコル通信リンク124の利用可能性が、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114、航空機システム116、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122、または航空機通信システム108内の他のデバイスのうち少なくとも1つに提供されてもよい。
【0053】
次に
図4を参照すると、航空機通信システムでデータを送信するためのプロセスの流れ図が例示的な実施形態に従って示されている。
図4に示されたプロセスを航空機通信システム108で実装してもよい。特に、1つまたは複数の動作は、航空機
空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114またはインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122のうち少なくとも1つを用いて実装されてもよい。これらの動作を、ハードウェア・プロセッサ・ユニットにより処理されるプログラム・コードまたは他のタイプの命令で実装してもよい。
【0054】
プロセスは、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータで航空機内の航空機システムからデータを受信することにより開始する(動作400)。航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータは、航空機システムから受信したデータを地上局のグループに送信するために、航空機空地データ通信システム通信リンクまたはインターネット・プロトコル通信リンクのうち少なくとも1つを選択する(動作402)。
【0055】
プロセスは、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータがデータを送信するためのインターネット・プロトコル通信リンクを選択するとき、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータを用いてデータを送信する(動作404)。プロセスはその後終了する。インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータは、インターネット・プロトコル通信リンクを用いて航空機にリモートな地上局のグループにデータを送信するように構成される。
【0056】
次に
図5を参照すると、通信リンクを選択するためのプロセスの流れ図が例示的な実施形態に従って示されている。
図5に示されたプロセスを
図1における航空機
空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114で実装してもよい。このプロセスはソフトウェア、ハードウェア、またはいくつかのその組合せを用いて実装されてもよい。ソフトウェアは、様々な動作を実施するためのプロセッサ・ユニットにより処理されるプログラム・コードの形をとってもよい。
【0057】
プロセスは、地上局に送信するためのデータを受信することにより開始する(動作500)。プロセスは、データを生成する航空機システムを識別する(動作502)。動作502において、航空機システムはいくつかの異なる方法で識別されてもよい。例えば、航空機システムに対する含まれる識別子または航空機システムのデータを、航空機空地データ通信システム通信ネットワーク・ルータで確立された通信リンクに基づいて識別してもよい。
【0058】
プロセスは、航空機システムの識別子または設定された通信リンク優先度のうち少なくとも1つに基づいて通信リンクを選択し(動作504)、プロセスはその後終了する。例えば、いくつかの航空機システムは、
図1および
図2における航空機
空地データ通信システム通信リンク126で実装されるような、データが
規格により送信されることを要求するデータを生成してもよい。他の航空機システムは、特定の
規格を使用することを要求するデータを生成しなくてもよい。例えば、安全性に関連する航空機システムが、航空機
空地データ通信システム通信リンク126によりデータが送信されることを要求してもよく、安全性に関連しない他の航空機システムが、それらのデータを、インターネット・プロトコル通信リンク124の1つまたは複数を用いて送信させてもよい。
【0059】
図6を参照すると、通信リンクを選択するためのプロセスの流れ図の例示が例示的な実施形態に従って示されている。
図6に示されたプロセスを
図1における航空機
空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114で実装してもよい。このプロセスはソフトウェア、ハードウェア、またはいくつかのその組合せを用いて実装されてもよい。ソフトウェアが、様々な動作を実施するプロセッサ・ユニットにより処理されるプログラム・コードの形をとってもよい。
【0060】
プロセスは、航空機システムから受信されたデータを検査することにより開始する(動作600)。動作600において、データが、航空機内の航空機システムにより発信されるメッセージで受信される。
【0061】
データがインターネット・プロトコル通信リンクにより送信されうることを示すインジケータがメッセージ内の媒体選択フィールドにおいて設定されるかどうかおよびインターネット・プロトコル通信リンクが最も好適な利用可能なリンクであるかどうかが判定される(動作602)。データが、利用可能性、速度、レイテンシ、または他の適切な因子のような、インターネット・プロトコル通信リンクに関する1つまたは複数の異なる条件に基づいて送信されてもよい。いくつかのケースでは、データは常に、インターネット・プロトコル通信リンクが利用可能である限り、インターネット・プロトコル通信リンクを用いて、送信されてもよい。
【0062】
インジケータが設定され、インターネット・プロトコル通信が最も好適な利用可能なリンクである場合、プロセスは、データを送信する際に使用するためのインターネット・プロトコル通信リンクを選択し(動作604)、プロセスはその後終了する。そうでなければ、プロセスは、データを送信する際に使用するための航空機空地データ通信システム通信リンクを選択し(動作606)、プロセスはその後終了する。
【0063】
次に
図7を参照すると、インターネット・プロトコル通信リンクを選択するためのプロセスの流れ図が例示的な実施形態に従って示されている。
図7に示されたプロセスを
図1における航空機
空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ114で実装してもよい。このプロセスは、ソフトウェア、ハードウェア、またはいくつかのその組合せを用いて実装されてもよい。ソフトウェアは、異なる動作を実施するプロセッサ・ユニットにより処理されるプログラム・コードの形をとってもよい。
【0064】
プロセスは、宛先フィールド内のインジケータを設定することにより開始する(動作700)。この例において、インジケータは、データを含むメッセージ内の宛先フィールドにおいて設定される。インジケータは当該フィールド内の特定の値を用いることにより設定されてもよい。この例において、インジケータは、インターネット・プロトコル通信リンクがデータを送信するために使用されることを示す。
【0065】
プロセスはついで、メッセージをインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータにルーティングする(動作702)。プロセスはその後終了する。
【0066】
次に
図8を参照すると、インターネット・プロトコル通信リンクを選択するためのプロセスの流れ図が例示的な実施形態に従って示されている。
図8に示されたプロセスを
図1におけるインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ122で実装してもよい。このプロセスは、ソフトウェア、ハードウェア、またはいくつかのその組合せを用いて実装されてもよい。ソフトウェアは、異なる動作を実施するプロセッサ・ユニットにより処理されるプログラム・コードの形をとってもよい。
【0067】
プロセスは、地上局への送信のための航空機システムからデータを識別することにより開始する(動作800)。この例において、データを、データがインターネット・プロトコル指示リンクを用いて送信されうることを示すように設定されたインジケータを有するメッセージで受信してもよい。このインジケータを、データを含むメッセージ内の宛先フィールドに配置してもよい。他の例示的な例において、データは、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータから受信されたメッセージとして識別されてもよい。
【0068】
プロセスは、データを地上局に送信するために利用可能なインターネット・プロトコル通信リンクのグループからインターネット・プロトコル通信リンクを選択する(動作802)。この例において、特定のインターネット・プロトコル通信リンクの選択は、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータではなくインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータにより実施される。この例示的な例において、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータは、データを送信するために使用しうるインターネット・プロトコル通信リンクのグループを表す集約されたインターネット・プロトコル通信リンクで提供される。
【0069】
特定の通信リンクを選択するためのプロセスがインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータに配置される。プロセスは、負荷分散、データのタイプ、データの量、発信元の航空機システム、地上局、または他の適切な因子のような因子を考慮しうるポリシを含む。ポリシは、データを送信する特定のインターネット・プロトコル通信リンクを選択するために使用されるルールのグループを提供する。
【0070】
プロセスはついで、選択されたインターネット・プロトコル通信リンクを用いてデータを送信する(動作804)。プロセスはその後終了する。
【0071】
異なる図示した実施形態における流れ図およびブロック図は、例示的な実施形態における装置および方法のいくつかの可能な実装のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点、流れ図またはブロック図内の各ブロックはモジュール、セグメント、機能、または動作またはステップの一部のうち少なくとも1つを表してもよい。例えば、ブロックの1つまたは複数がプログラム・コード、ハードウェア、またはプログラム・コードおよびハードウェアの組合せとして実装されてもよい。ハードウェアで実装されるとき、ハードェアは、例えば、流れ図またはブロック図内の1つまたは複数の動作を実施するように製造または構成された集積回路の形をとってもよい。プログラム・コードおよびハードウェアの組合せとして実装されるとき、実装はファームウェアの形をとってもよい。流れ図またはブロック図内の各ブロックは、異なる動作を実施する特殊目的ハードウェア・システムまたは特殊目的ハードウェアの組合せおよび特殊目的ハードウェアにより実行されるプログラム・コードを用いて実装されてもよい。
【0072】
例示的な実施形態のいくつかの代替的な実装において、ブロックに示す機能を、図面で示した順序以外で実行してもよい。例えば、いくつかのケースでは、連続で示された2つのブロックを実施するときに並列に実施してもよく、またはブロックを場合によっては、関与する機能に応じて、逆順に実施してもよい。また、他のブロックを、流れ図またはブロック図において示されたブロックに加えて追加してもよい。
【0073】
次に
図9を参照すると、データ処理システムのブロック図の例示が例示的な実施形態に従って示されている。データ処理システム900を、
図1における航空機通信システム108内のネットワーク・ルータまたは他のデバイスのような1つまたは複数のデータ処理システムを実装するために使用してもよい。この例示的な例において、データ処理システム900は通信フレームワーク902を含み、これは、プロセッサ・ユニット904、メモリ906、永続記憶908、通信ユニット910、入出力ユニット912、およびディスプレイ914の間の通信を提供する。この例において、通信フレームワークがバス・システムの形をとってもよい。
【0074】
プロセッサ・ユニット904は、メモリ906にロードしうるソフトウェアに対する命令を実行する役割を果たす。プロセッサ・ユニット904は、特定の実装に応じて、いくつかのプロセッサ、マルチプロセッサ・コア、またはいくつかの他のタイプのプロセッサであってもよい。
【0075】
メモリ906および永続記憶908は、記憶デバイス916の例である。記憶デバイスは、例えば、限定ではなく、データ、機能的形態のプログラム・コード、または他の適切な情報のうち少なくとも1つのような情報を一時的に、永続的に、または一時的におよび永続的に格納できる任意のハードウェアである。記憶デバイス916をまた、これらの例示的な例において、コンピュータ可読記憶デバイスと称してもよい。メモリ906は、これらの例において、例えば、ランダム・アクセス・メモリまたは任意の他の適切な揮発性または不揮発性記憶デバイスであってもよい。永続記憶908は当該特定の実装に応じて様々な形をとってもよい。
【0076】
例えば、永続記憶908が1つまたは複数の構成要素またはデバイスを含んでもよい。例えば、永続記憶908は、ハード・ドライブ、固体ハード・ドライブ、フラッシュ・メモリ、再書込み可能光ディスク、再書込み可能磁気テープ、またはそれらのいくつかの組合せであってもよい。永続記憶908により使用される媒体が取外し可能であってもよい。例えば、取外し可能ハード・ドライブを永続記憶908に使用してもよい。
【0077】
通信ユニット910は、これらの例示的な例において、他のデータ処理システムまたはデバイスとの通信を提供する。これらの例示的な例において、通信ユニット910はネットワーク・インタフェース・カードである。
【0078】
入出力ユニット912は、データ処理システム900に接続されうる他のデバイスとのデータの入出力を可能とする。例えば、入出力ユニット912は、キーボード、マウス、またはいくつかの他の適切な入力デバイスのうち少なくとも1つを介してユーザ入力に対する接続を提供してもよい。さらに、入出力ユニット912は出力をプリンタに送信してもよい。ディスプレイ914は情報をユーザに表示するための機構を提供する。
【0079】
オペレーティング・システム、アプリケーション、またはプログラムのうち少なくとも1つに対する命令は、記憶デバイス916に配置されてもよく、記憶デバイス916は、通信フレームワーク902を通じてプロセッサ・ユニット904と通信する。異なる実施形態の当該プロセスは、コンピュータ実装される命令を用いてプロセッサ・ユニット904により実施されてもよく、命令は、メモリ906のようなメモリに配置されてもよい。
【0080】
これらの命令は、プロセッサ・ユニット904内のプロセッサにより読み取られ実行されうるプログラム・コード、コンピュータ使用可能プログラム・コード、またはコンピュータ可読プログラム・コードと称される。異なる実施形態におけるプログラム・コードが、メモリ906または永続記憶908のような異なる物理またはコンピュータ可読記憶媒体で具現化されてもよい。
【0081】
プログラム・コード918は、選択的に取外し可能であるコンピュータ可読媒体920上に機能的形態で配置され、プロセッサ・ユニット904による実行のためにデータ処理システム900にロードまたは転送されうる。プログラム・コード918およびコンピュータ可読媒体920は、これらの例示的な例においてコンピュータ・プログラム製品922を形成する。一例において、コンピュータ可読媒体920は、コンピュータ可読記憶媒体924またはコンピュータ可読信号媒体926であってもよい。
【0082】
これらの例示的な例において、コンピュータ可読記憶媒体924は、プログラム・コード918を伝播または送信する媒体ではなく、プログラム・コード918を格納するために使用される物理または有形記憶デバイスである。あるいは、プログラム・コード918を、コンピュータ可読信号媒体926を用いてデータ処理システム900に転送してもよい。コンピュータ可読信号媒体926は、例えば、プログラム・コード918を含む伝播されたデータ信号であってもよい。例えば、コンピュータ可読信号媒体926は、電磁気信号、光学的信号、または任意の他の適切なタイプの信号のうち少なくとも1つであってもよい。これらの信号が、無線通信リンク、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、ワイヤ、または任意の他の適切なタイプの通信リンクのような通信リンクのうち少なくとも1つで送信されてもよい。
【0083】
データ処理システム900に対して示された異なる構成要素は、異なる実施形態が実装されうる方式に対するアーキテクチャ制限を意味するものではない。異なる例示的な実施形態を、これらの示されたものに加えてまたはその代わりに、データ処理システム900に対する構成要素を含むデータ処理システムで実装してもよい。
図9に示す他の構成要素は示した例示的な例から変更されたものを含むことができる。異なる実施形態が、プログラム・コード918を実行できる任意のハードウェア・デバイスまたはシステムを用いて実装されてもよい。
【0084】
本開示の例示的な実施形態を、
図10に示す航空機製造およびサービス方法1000および
図11に示す航空機1100の文脈で説明してもよい。先ず
図10を参照すると、航空機製造およびサービス方法のブロック図の例示が例示的な実施形態に従って示されている。事前生産の間に、航空機製造およびサービス方法1000が
図11における航空機1100の仕様および設計1002、および
材料調達1004を含んでもよい。
【0085】
生産の間に、
図11における航空機1100の
構成要素および部分組立品の製造1006およびシステム統合1008が行われる。その後、
図11における航空機1100が
就航中1012に配置するために
認証および搬送1010を受けてもよい。カスタマによる
就航中1012の間に、
図11における航空機1100はルーチン
整備および保守点検1014に対してスケジュールされ、これは修正、再構成、改良、および他の
整備または
保守点検を含んでもよい。
【0086】
航空機製造およびサービス方法1000のプロセスの各々はシステムインテグレータ、サードパーティ、オペレータ、またはいくつかのその組合せにより実施または実行されてもよい。これらの例において、オペレータはカスタマであってもよい。この説明の目的のため、システムインテグレータは、限定ではなく、任意の数の航空機製造者および主要システム下請会社を含んでよく、サードパーティは限定ではなく、任意の数のベンダ、下請会社、およびサプライヤを含んでよく、かつオペレータは、航空会社、リース会社、軍事機関、サービス組織、等であってよい。
【0087】
次に
図11を参照すると、例示的な実施形態が実装されうる航空機のブロック図の例示が示されている。この例において、航空機1100は、
図10における航空機製造およびサービス方法1000により生産され、複数のシステム1104および
内部1106を有する機体1102を含んでもよい。システム1104の例は、推進システム1108、電気システム1110、油圧システム1112、および環境システム1114の1つまたは複数を含む。任意の数の他のシステムを含めてもよい。航空宇宙の例が示されているが、異なる例示的な実施形態を自動車業界のような他の業界に適用してもよい。
【0088】
本明細書で具現化された装置および方法を、
図10における航空機製造およびサービス方法1000の段階のうち少なくとも1つの間で使用してもよい。1つの例示的な例では、
図10における
構成要素および部分組立品の製造1006で生産された
構成要素または
部分組立品を、航空機1100が
図10における
就航中101
2に生産された
構成要素または
部分組立品と同様な方式で製造してもよい。
【0089】
さらに別の例として、1つまたは複数の装置実施形態、方法実施形態、またはその組合せを、
図10における
構成要素および部分組立品の製造1006およびシステム統合1008のような生産段階の間に利用してもよい。例えば、航空機通信システム108を、システム統合1008の間に航空機1100内で実装してもよい。
【0090】
1つまたは複数の装置実施形態、方法実施形態、またはその組合せを、航空機1100が
就航中101
2に、
図10における
整備および保守点検1014の間に、またはその両方で利用してもよい。航空機通信システム108を、航空機1100が
就航中101
2に運用して、データを送信するためのコストの削減を可能としてもよい。航空機通信システム108を、現在航空機
空地データ通信システムにより使用される他のタイプの通信リンクに加えてまたはその代わりに、インターネット・プロトコル通信リンクを用いてデータを送信する当該例示的な例における特徴を含むように、航空機1100内で追加または修正してもよい。
【0091】
いくつかの異なる例示的な実施形態の使用が、航空機1100のアセンブリを実質的に利用し、航空機1100のコストを削減してもよく、またはその両方が航空機1100のアセンブリを利用して航空機1100のコストを削減してもよい。航空機通信システム108の使用により、データ106を、インターネット・プロトコル通信リンク124を用いて送信してもよい。このように、データ106を地上局104のグループに送信するためのコストを削減しうる。
【0092】
したがって、航空機空地データ通信システム通信リンクを用いてデータを送信するような、航空機から地上局へのデータ送信に関する技術的問題を克服する1つまたは複数の技術的解決策が提供される。結果として、1つまたは複数の技術的解決策は、現在使用される航空機空地データ通信システム通信リンクと比較して、より低いコスト、より高い送信速度、より高い帯域幅、高い信頼性、または他の所望の特性のうち少なくとも1つでデータの送信を可能とする技術的効果をもたらす。
【0093】
例示的な例において、データのいくつかは、航空機空地データ通信システム110で実装される規格を用いて送信を要求してもよい。例えば、安全性データを、このネットワークを通じて送信してもよい。他のタイプのデータは特定の規格を用いて送信を要求しなくてもよい。このタイプのデータはインターネット・プロトコル通信システム118を用いて送信されてもよい。
【0094】
さらに、例示的な例は、地上局、サービス・プロバイダ、および他のエンティティにより使用される現在のハードウェアおよびソフトウェア・システムを維持する能力を提供する。インターネット・プロトコル通信リンクの追加は、これらのエンティティがそれらのシステムを変更することを要求しない。その代わり、新たなシステムを追加するか、または、他のエンティティがインターネット・プロトコル通信リンクに対して設計されたシステムを使用してもよい。
【0095】
さらに、本開示は以下の項に従う実施形態を含む。
【0096】
第1項として、航空機通信システムは、
航空機内のインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータであって、インターネット・プロトコル通信リンクを用いて、航空機にリモートな地上局のグループにデータを送信するように構成されたインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータと、
航空機内の航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータであって、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータに接続され、航空機空地データ通信システム通信リンクまたはインターネット・プロトコル通信リンクのうち少なくとも1つを用いて、航空機システムから地上局のグループにデータを送信するように構成された航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータと、を備える。
【0097】
第2項として、第1項の航空機通信システムにおいて、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータは、データを送信するための航空機空地データ通信システム通信リンクを、衛星通信リンク、超高周波通信リンク、および高周波通信リンクを含むグループから選択する。
【0098】
第3項として、第2項の航空機通信システムにおいて、航空機内のインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータは、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータに利用可能な追加の航空機空地データ通信システム通信リンクである集約されたインターネット・プロトコル通信リンクとして、インターネット・プロトコル通信リンクを集約する。
【0099】
第4項として、第3項の航空機通信システムにおいて、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータが集約されたインターネット・プロトコル通信リンクを選択するとき、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータは、地上無線ネットワーキング通信リンク、セルラ地上通信リンク、Lバンド衛星通信リンク、Kuバンド衛星通信リンク、およびKaバンド衛星通信リンクを含むグループからインターネット・プロトコル通信リンクを選択する。
【0100】
第5項として、第1項から第4項のいずれか一項の航空機通信システムにおいて、航空機内の航空機システムは、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータに接続され、航空機システムは、設定された通信リンク優先度のもとで、データがインターネット・プロトコル通信リンクを用いて送信されるべきことを示す、媒体選択フィールド内のインジケータを設定する。
【0101】
第6項として、第1項から第5項のいずれか一項の航空機通信システムにおいて、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータは、データがインターネット・プロトコル通信リンクを用いて送信されるべきことをインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータに示す、データの宛先フィールド内のインジケータを設定する。
【0102】
第7項として、第1項から第6項のいずれか一項の航空機通信システムにおいて、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータは、データを生成する航空機システムの識別子または設定された通信リンク優先度のうち少なくとも1つに基づいて、データがインターネット・プロトコル通信リンクを用いて送信されるべきかどうかを判定する。
【0103】
第8項として、第1項から第7項のいずれか一項の航空機通信システムにおいて、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータは、安全性に無関係なデータを、インターネット・プロトコル通信リンクを介して送信するように構成される。
【0104】
第9項として、第1項から第8項のいずれか一項の航空機通信システムにおいて、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータは、インターネット・プロトコル通信リンクを用いて地上局のグループにデータを送信するとき、データをブロックに分割することなく、データを送信する。
【0105】
第10項として、第1項から第9項のいずれか一項の航空機通信システムにおいて、データは、フライト段階イベントデータ、フライト計画、気象情報、機器ヘルスおよび整備データ、pingメッセージ、テスト・メッセージ、または搭乗員メッセージのうち少なくとも1つを含む。
【0106】
第11項として、航空機通信システムでデータを送信するための方法は、
航空機内の航空機空地データ通信システム内の航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータで、航空機内の航空機システムからデータを受信するステップと、
航空機システムから受信したデータを地上局のグループに送信するために、航空機空地データ通信システム通信リンクまたはインターネット・プロトコル通信リンクのうち少なくとも1つを選択するステップと、
航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータがデータを送信するためにインターネット・プロトコル通信リンクを選択するとき、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータを用いてデータを送信するステップであって、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータは、インターネット・プロトコル通信リンクを用いて、航空機にリモートな地上局のグループにデータを送信するように構成される、ステップと、を含む。
【0107】
第12項として、第11項の方法において、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータは、データを送信するための航空機空地データ通信システム通信リンクを、衛星通信リンク、超高周波通信リンク、および高周波通信リンクを含むグループから選択する。
【0108】
第13項として、第12項の方法において、航空機内のインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータは、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータに利用可能な追加の航空機空地データ通信システム通信である集約されたインターネット・プロトコル通信リンクとして、インターネット・プロトコル通信リンクを集約する。
【0109】
第14項として、第13項の方法は、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータが集約されたインターネット・プロトコル通信リンクを選択するとき、インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータにより、地上無線ネットワーキング通信リンク、セルラ地上通信リンク、Lバンド衛星通信リンク、Kuバンド衛星通信リンク、およびKaバンド衛星通信リンクを含むグループからインターネット・プロトコル通信リンクを選択するステップをさらに含む。
【0110】
第15項として、第11項から第14項のいずれか一項の方法において、航空機内の航空機システムは、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータに接続され、当該方法は、
航空機システムにより、設定された通信リンク優先度のもとで、データがインターネット・プロトコル通信リンクを用いて送信されるべきことを示す、媒体選択フィールド内のインジケータを設定するステップをさらに含む。
【0111】
第16項として、第11項から第15項のいずれか一項の方法は、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータにより、データがインターネット・プロトコル通信リンクを用いて送信されるべきことをインターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータに示す、データの宛先フィールド内のインジケータを設定するステップをさらに含む。
【0112】
第17項として、第11項から第16項のいずれか一項の方法は、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータにより、データを生成する航空機システムの識別子および設定された通信リンク優先度に基づいて、データがインターネット・プロトコル通信リンクを用いて送信されるべきかどうかを判定するステップをさらに含む。
【0113】
第18項として、第11項から第17項のいずれか一項の方法において、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータは、安全性に無関係なデータを、インターネット・プロトコル通信リンクを介して送信するように構成される。
【0114】
第19項にとして、第11項から第18項のいずれか一項の方法において、航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータは、インターネット・プロトコル通信リンクを用いて地上局のグループにデータを送信するとき、データをブロックに分割することなく、データを送信する。
【0115】
第20項として、第11項から第19項のいずれか一項の方法において、データは、フライト段階イベントデータ、フライト計画、気象情報、機器ヘルスおよび整備データ、pingメッセージ、テスト・メッセージ、または搭乗員メッセージのうち少なくとも1つを含む。
【0116】
異なる例示的な実施形態の説明は、例示および説明を目的として提供されており、網羅的であったり、実施形態を開示した形態に限定したりする意図はない。異なる例示的な例は、アクションまたは動作を実施する構成要素を説明する。例示的な実施形態において、構成要素は、説明したアクションまたは動作を実施するように構成されてもよい。例えば、構成要素は、例示的な例において当該構成要素により実施されるものとして説明したアクションまたは動作を実施する能力を当該構成要素に提供する構造に対する構成または設計を有してもよい。
【0117】
多くの修正例および変形例が当業者には明らかであろう。さらに、異なる例示的な実施形態は、他の所望の実施形態と比較して異なる特徴を提供してもよい。選択された実施形態は、当該実施形態の原理および実際の適用を最も良く説明し、考慮される特定の利用に適する様々な修正とともに様々な実施形態に関して本開示を当業者が理解できるようにするために選択および説明されている。
【符号の説明】
【0118】
100 航空機
102 航空機通信環境
104 地上局
106 データ
108 航空機通信システム
110 航空機空地データ通信システム
114 航空機空地データ通信システム・ネットワーク・ルータ
116 航空機システム
118 インターネット・プロトコル通信システム
122 インターネット・プロトコル・ネットワーク・ルータ
124 インターネット・プロトコル通信リンク
125 集約されたインターネット・プロトコル通信リンク
126 航空機空地データ通信システム通信リンク
200 航空機システム
202 データ
204 インジケータ
206 媒体選択フィールド
208 メッセージ
210 宛先フィールド
211 メッセージ
213 インジケータ
300 航空機システム
302 データ
304 航空機空地データ通信システム地上局
306 航空機空地データ通信システム・トランシーバ
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308 データ消費者
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312 インターネット・プロトコル地上局
314 インターネット・プロトコル・トランシーバ
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318 インターネット・プロトコル・データフロー
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