(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】蒸着用マスク
(51)【国際特許分類】
C23C 14/04 20060101AFI20230808BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20230808BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
C23C14/04 A
H05B33/14 A
H05B33/10
(21)【出願番号】P 2019064273
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】10-2018-0067675
(32)【優先日】2018-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】キム サンフン
(72)【発明者】
【氏名】リ スンジン
【審査官】篠原 法子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/027830(WO,A1)
【文献】特開2015-028214(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0065143(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0325143(US,A1)
【文献】特開2012-132096(JP,A)
【文献】特開2015-127441(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107435131(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0179390(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00-14/58
H05B 33/00-33/28
H05B 44/00
H05B 45/60
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパターン孔が配列されたパターン部が配置されるパターニング領域と、
第1方向で前記パターニング領域の両端と隣接して配置される複数のボンディング領域と、を含み、
前記パターン部は、
第1パターン孔が設けられた第1パターン部と、
第2パターン孔が設けられ、前記第1方向で前記第1パターン部の両端と前記ボンディング領域との間に配置される複数の第2パターン部と、を含み、
前記第1パターン孔のうち互いに隣接する前記第1パターン孔間の最小距離と定義される第1距離より、前記第2パターン孔のうち互いに隣接する前記第2パターン孔間の最小距離と定義される第2距離のほうが大き
く、
前記第1パターン孔のそれぞれの大きさは、前記第2パターン孔のそれぞれの大きさと同じであり、
前記第2パターン孔は、前記第1方向に複数行で設けられ、
偶数行の前記第2パターン孔は、奇数行の前記第2パターン孔に対して、前記第1方向に交差する第2方向にシフトしている蒸着用マスク。
【請求項2】
前記第2距離は、20μm以上である請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項3】
前記第2パターン部のそれぞれは、
前記ボンディング領域に隣接し、前記第2パターン孔が設けられた第1部分と、
前記第1部分と前記第1パターン部との間に設けられ、前記第1パターン孔が設けられた第2部分と、を含む請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項4】
複数のパターン孔が配列されたパターン部が配置されるパターニング領域と、
第1方向で前記パターニング領域の両端と隣接して配置される複数のボンディング領域と、を含み、
前記パターン部は、
第1パターン孔が設けられた第1パターン部と、
第2パターン孔が設けられ、前記第1方向で前記第1パターン部の両端と前記ボンディング領域との間に配置される複数の第2パターン部と、を含み、
前記第1パターン孔のうち互いに隣接する前記第1パターン孔間の最小距離と定義される第1距離より、前記第2パターン孔のうち互いに隣接する前記第2パターン孔間の最小距離と定義される第2距離のほうが大きく、
前記第2パターン部のそれぞれは、
前記ボンディング領域に隣接し、前記第2パターン孔が設けられた第1部分と、
前記第1部分と前記第1パターン部との間に設けられ、前記第1パターン孔が設けられた第2部分と、を含み、
前記第2パターン部のそれぞれは、
前記第1部分と前記ボンディング領域との間に配置される第3パターン孔が設けられた第3部分を更に含み、
前記第3パターン孔のうち互いに隣接する前記第3パターン孔間の最小距離と定義される第3距離は、前記第2距離より大き
い蒸着用マスク。
【請求項5】
前記第1パターン部は、
前記第1方向に離隔して配列され、前記第1パターン孔が定義される複数の蒸着部と、
隣接する前記蒸着部の間に配置される少なくとも一つの遮断部と、を含む請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項6】
前記遮断部の開口率は、前記蒸着部のそれぞれの開口率より小さい請求項
5に記載の蒸着用マスク。
【請求項7】
前記遮断部の開口率は0である請求項
6に記載の蒸着用マスク。
【請求項8】
複数のパターン孔が配列されたパターン部が配置されるパターニング領域と、
第1方向で前記パターニング領域の両端と隣接して配置される複数のボンディング領域と、を含み、
前記パターン部は、
第1パターン孔が設けられた第1パターン部と、
第2パターン孔が設けられ、前記第1方向で前記第1パターン部の両端と前記ボンディング領域との間に配置される複数の第2パターン部と、を含み、
前記第1パターン孔のうち互いに隣接する前記第1パターン孔間の最小距離と定義される第1距離より、前記第2パターン孔のうち互いに隣接する前記第2パターン孔間の最小距離と定義される第2距離のほうが大きく、
前記第1パターン部は、
前記第1方向に離隔して配列され、前記第1パターン孔が定義される複数の蒸着部と、
隣接する前記蒸着部の間に配置される少なくとも一つの遮断部と、を含み、
前記遮断部の開口率は、前記蒸着部のそれぞれの開口率より小さく、
前記遮断部に複数の第4パターン孔が設けられ、前記第4パターン孔のそれぞれの大きさは前記第1パターン孔のそれぞれの大きさと同じであ
る蒸着用マスク。
【請求項9】
前記第4パターン孔のうち互いに隣接する前記第4パターン孔間の最小距離は、前記第2距離以上である請求項
8に記載の蒸着用マスク。
【請求項10】
複数のパターン孔が配列されたパターン部が配置されるパターニング領域と、
第1方向で前記パターニング領域の両端と隣接して配置される複数のボンディング領域と、を含み、
前記パターン部は、
第1パターン孔が設けられた第1パターン部と、
第2パターン孔が設けられ、前記第1方向で前記第1パターン部の両端と前記ボンディング領域との間に配置される複数の第2パターン部と、を含み、
前記第1パターン孔のうち互いに隣接する前記第1パターン孔間の最小距離と定義される第1距離より、前記第2パターン孔のうち互いに隣接する前記第2パターン孔間の最小距離と定義される第2距離のほうが大きく、
前記第1パターン部は、
前記第1方向に離隔して配列され、前記第1パターン孔が定義される複数の蒸着部と、
隣接する前記蒸着部の間に配置される少なくとも一つの遮断部と、を含み、
前記遮断部の開口率は、前記蒸着部のそれぞれの開口率より小さく、
前記遮断部に複数の第4パターン孔が設けられ、前記第4パターン孔のそれぞれの大きさは前記第1パターン孔のそれぞれの大きさより小さ
い蒸着用マスク。
【請求項11】
前記第4パターン孔のうち互いに隣接する前記第4パターン孔間の最小距離は、前記第1距離と同じである請求項
10に記載の蒸着用マスク。
【請求項12】
前記第1方向で前記ボンディング領域の両端と隣接して配置されるカッティング部を更に含み、
前記カッティング部のそれぞれは、前記第1パターン孔が定義されたダミーパターン部を含む請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項13】
前記カッティング部のそれぞれに、前記第1方向の外側から内側に凹んだクランピング溝が定義される請求項
12に記載の蒸着用マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蒸着用マスク及びそれを含むマスク組立体に関し、蒸着の精密度及び均一度が向上する蒸着用マスク及びそれを含むマスク組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置のうち、有機発光表示装置は自発光型素子が用いられた表示装置であって、視野が広くコントラストが優秀なだけでなく、応答速度が速いという長所を有するため、次世代装置として注目を浴びている。このような有機発光表示装置は、互いに対向する電極の間に少なくとも発光層を含む中間層を有する。前記中間層は様々な方法で生成されるが、そのうちの一つの方法が蒸着法である。蒸着法を利用して有機発光表示装置を製造するためには、基板が形成される薄膜のパターンと同じパターンの開口部を有する蒸着用マスク、例えば、ファインメタルマスク(Fine Metal Mask:FMM)を基板に密着させ、蒸着物質を蒸着用マスクを介して基板に蒸着して所望のパターンの薄膜を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第10,083,997号明細書
【文献】韓国特許第10-2015-0096590号公報
【文献】韓国特許第10-2017-0102143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、蒸着の精密度及び均一度が向上された蒸着用マスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例による蒸着用マスクは、複数のパターン孔が配列されたパターン部が配置されるパターニング領域と、第1方向で前記パターニング領域の両端と隣接して配置される複数のボンディング領域と、を含み、前記パターン部は、第1パターン孔が設けられた第1パターン部と、第2パターン孔が設けられ、前記第1方向で前記第1パターン部の両端と前記ボンディング領域との間に配置される複数の第2パターン部と、を含み、前記第1パターン孔のうち互いに隣接する前記第1パターン孔間の最小距離と定義される第1距離より、前記第2パターン孔のうち互いに隣接する前記第2パターン孔間の最小距離と定義される第2距離のほうが大きい。
【0006】
前記第1パターン孔のそれぞれの大きさは、前記第2パターン孔のそれぞれの大きさと同じである。
【0007】
前記第2距離は、20μm以上である。
【0008】
前記第2パターン部のそれぞれは、前記ボンディング領域に隣接し、前記第2パターン孔が設けられた第1部分と、前記第1部分と前記第1パターン部との間に設けられ、前記第1パターン孔が設けられた第2部分と、を含む。
【0009】
前記第1部分に少なくとも2行以上の第2パターン孔が設けられる。
【0010】
前記第2パターン部のそれぞれは、前記第1部分と前記ボンディング領域との間に配置される第3パターン孔が設けられた第3部分を更に含み、前記第3パターン孔のうち互いに隣接する前記第3パターン孔間の最小距離と定義される第3距離は、前記第2距離より大きい。
【0011】
前記第1パターン部は、前記第1方向に離隔して配列され、前記第1パターン孔が定義される複数の蒸着部と、隣接する前記蒸着部の間に配置される少なくとも一つの遮断部と、を含む。
【0012】
前記遮断部の開口率は、前記蒸着部のそれぞれの開口率より低い。
【0013】
前記遮断部の開口率は0である。
【0014】
前記遮断部に複数の第4パターン孔が設けられ、前記第4パターン孔のそれぞれの大きさは前記第1パターン孔のそれぞれの大きさと同じである。
【0015】
前記第4パターン孔のうち互いに隣接する前記第4パターン孔間の最小距離は、前記第2距離以上である。
【0016】
前記遮断部に複数の第4パターン孔が設けられ、前記第4パターン孔のそれぞれの大きさは前記第1パターン孔のそれぞれの大きさより小さい。
【0017】
前記第4パターン孔のうち互いに隣接する前記第4パターン孔間の最小距離は、前記第1距離と同じである。
【0018】
前記遮断部の開口率は、前記蒸着部のそれぞれの開口率と同じである。
【0019】
前記遮断部の前記第1方向幅は、前記第2パターン部の前記第1方向幅とは異なる。
【0020】
前記第1パターン孔間の最大距離は、前記第2距離と同じである。
【0021】
前記第1方向で前記ボンディング領域の両端と隣接して配置されるカッティング部を更に含み、前記カッティング部のそれぞれは、前記第1パターン孔が定義されたダミーパターン部を含む。
【0022】
前記カッティング部のそれぞれに、前記第1方向の外側から内側に凹んだクランピング溝が定義される。
【0023】
本発明の実施例によるマスク組立体は、フレームセットと、前記フレームセットの中に安着され、それぞれが第1方向に延長された複数の蒸着用マスクと、を含み、前記フレームセットは、枠状を有する支持フレームと、前記第1方向と交差する第2方向に延長されて前記第1方向に配列され、前記第2方向両端が前記支持フレームに締結される複数の支持台と、を含み、前記蒸着用マスクのそれぞれは、前記第1方向両端に定義され、前記支持フレームに固定される複数のボンディング領域と、前記ボンディング領域の間に定義され、所定の間隔を置いて一定に配置される複数のパターン孔が設けられたパターン部が配置されるパターニング領域と、を含み、前記パターン部は、前記パターン部の中心に配置され、複数の第1パターン孔が設けられた第1パターン部と、前記第1方向において前記第1パターン部の両端と前記ボンディング領域との間に配置され、それぞれの少なくとも一部の領域に複数の第2パターン孔が設けられた複数の第2パターン部と、を含み、前記第2パターン孔のうち互いに隣接する第2パターン孔間の最小距離は、前記第1パターン孔のうち互いに隣接する第1パターン孔間の最小距離より大きい。
【0024】
前記第1パターン孔のそれぞれの大きさは、前記第2パターン孔のそれぞれの大きさと同じである。
【0025】
前記支持台は、前記第1方向に配列され、前記第1パターン部の一部と重畳する少なくとも一つの第1支持台と、前記支持台のうち前記第1方向の最外殻に配置され、前記蒸着用マスクのそれぞれの前記第2パターン部と重畳する第2支持台と、を含む。
【0026】
前記第1パターン部は、前記第1方向に離隔して配列され、前記第1パターン孔が設けられた複数の蒸着部と、前記蒸着部との間に配置され、前記第1支持台と重畳する少なくとも一つの遮断部と、を含む。
【0027】
前記第2支持台のそれぞれの第1方向の幅は、前記第1支持台のそれぞれの前記第1方向の幅とは異なる。
【0028】
前記ボンディング領域開口率は0である。
【0029】
前記支持フレームの前記第2方向内側のそれぞれに前記第1方向に配列される複数の結合溝が設けられ、前記複数の結合溝に前記支持台の両端が挿入される。
【0030】
前記第2パターン孔のうち互いに隣接する第2パターン孔間の最小距離は、20μm以上である。
【0031】
前記第2パターン部に少なくとも2行以上の第2パターン孔が設けられる。
【0032】
本発明の実施例による蒸着用マスクは、所定の間隔を置いて一定に配列され、大きさが同じ複数のパターン孔が設けられたパターニング領域と、第1方向で前記パターニング領域の両端と隣接して配置される複数のボンディング領域と、を含み、前記パターニング領域において、前記ボンディング領域と隣接する一部の領域に設けられた前記パターン孔のうち互いに隣接するパターン孔間の最小距離は、前記パターニング領域で前記一部の領域を除いた領域に定義された前記パターン孔のうち互いに隣接するパターン孔間の最小距離より大きい。
【0033】
本発明の実施例による蒸着用マスクは、所定の間隔を置いて一定に配列され、複数のパターン孔が設けられたパターン部を含むパターニング領域と、第1方向で前記パターニング領域の両端と隣接して配置される複数のボンディング領域と、を含み、前記パターン部は、第1配列関係を有して配列されるパターン孔が設けられた第1パターン部と、少なくとも一部の領域に第2配列関係を有して配列されるパターン孔が設けられた複数の第2パターン部と、を含み、前記第2配列間系を有して配列される前記パターン孔間の最小距離は、前記第1配列間系を有して配列される前記パターン孔間の最小距離より大きい。
【0034】
前記第2配列関係を有して配列される前記パターン孔間の最小距離は、20μm以上である。
【0035】
前記パターン孔のそれぞれの直径は、17μm以上22μm以下である。
【0036】
前記第2配列関係を有して配列される前記パターン孔は、少なくとも2行以上に設けられている。
【発明の効果】
【0037】
本発明の実施例によると、蒸着工程の蒸着の精密度及び均一度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の一実施例によるマスク組立体の斜視図である。
【
図2】
図1に示した支持フレームセットの斜視図である。
【
図3】カッティング部が切断されたマスク組立体の斜視図である。
【
図4】本発明の実施例による蒸着装置を概略的に示す断面図である。
【
図7】
図6に示した第1パターン部の拡大図である。
【
図9】本発明の他の実施例による第2パターン部の拡大図である。
【
図10】本発明の他の実施例による第2パターン部の拡大図である。
【
図12】本発明の他の実施例による遮断部の拡大図である。
【
図13】本発明の他の実施例による遮断部の拡大図である。
【
図14】本発明の他の実施例による遮断部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の利点及び特徴、及びそれらを達成する方法は、添付した図面と共に詳細に後述する実施例を参照すると明確になるはずである。しかし、本発明は以下に開示される実施例に限らず、互いに異なる様々な形態に実現されるはずである。但し、本実施例は本発明の開示が完全になるように、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであって、本発明は特許請求の範囲によって定義されるのみである。明細書全体にわたって、同じ参照符号は同じ構成要件を指す。
【0040】
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」と称されるのは、他の素子または層の直上だけでなく、中間に他の層または他の素子を介在する場合を全て含む。
【0041】
素子が「直上(directly on)」または「すぐ上」と称されるのは、中間に他の素子または他の層を介在しないことを示す。「及び/または」は、言及されたアイテムのそれぞれ及び一つ以上の全ての組み合わせを含む。
【0042】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは、図面に示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は、図面に示されている方向に加えて、使用時または動作時に互いに異なる方向を含む用語して理解すべきである。明細書全体にわたって、同じ参照符号は同じ構成要素を指す。
【0043】
たとえ第1、第2などが多様な素子、構成要素及び/またはセクションを述べるために使用されても、これらの素子、構成要素及び/またはセクションはこれらの用語に限らないことはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用されるものである。よって、以下で言及する第1素子、第1構成要素または第1セクションは、本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素、または第2セクションであってもよいことはもちろんである。
【0044】
本明細書において、記述する実施例は本発明の理想的な概略図である平面図及び断面図を参照して説明される。よって、製造技術及び/または許容誤差などによって例示図の形態が変更され得る。よって、本発明の実施例は、図示した特定の形態に限らず、製造工程によって生成される形態の変化も含む。よって、図面で例示した領域は概略的な属性を有し、図面で例示された領域の模様は素子の領域の特定の形態を例示するためのものであって、発明の範疇を制限するためのものではない。
【0045】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例をより詳細に説明する。
【0046】
図1は本発明の一実施例によるマスク組立体の斜視図であり、
図2は
図1に示した支持フレームセットの斜視図である。
図3は、カッティング部が切断されたマスク組立体の斜視図である。
【0047】
図1乃至
図3を参照すると、本発明の実施例によるマスク組立体100は、後述する対象基板SUB(
図4)に有機物を蒸着する工程に使用される。例示的に、マスク組立体100は有機発光素子(図示せず)を製作するための有機物蒸着工程に使用されてもよい。
【0048】
本発明の実施例によるマスク組立体100は、フレームセット10及び複数の蒸着用マスク20を含む。
【0049】
マスク組立体100は、支持フレーム11及び複数の支持台12、13を含む。支持フレーム11は、四角枠状を有する。支持フレーム11の中央にフレーム開口FOPが定義される。
【0050】
図1乃至
図3に示した支持フレーム11は、第1方向DR1に短辺を有し、平面上において、第1方向DR1と交差する第2方向DR2に長辺を有する矩形を有する。しかし、本発明は、本実施形態に係る支持フレーム11の形状に限定されない。後述する蒸着用マスク20の大きさ及び個数に応じて、支持フレーム11の第1方向DR1及び第2方向DR2のそれぞれにおける長さが決定される。
【0051】
支持台12、13のそれぞれは棒状を有する。支持台12、13のそれぞれは第2方向DR2に延長される。支持台12、13は第1方向DR1に沿って配列される。支持台12、13は支持フレーム11の内側に配置され、フレーム開口FOPを複数個に区画する。支持台12、13は後述する蒸着用マスク20を支持する役割を有する。
【0052】
支持台12、13は少なくとも一つの第1支持台12及び複数の第2支持台13を含む。
図1乃至
図3では、第1支持台12が複数に提供される場合が例示されている。
【0053】
複数の第1支持台12は、第1方向DR1に沿って所定間隔を置いて配列される。2つの第2支持台13は、支持台12、13のうち第1方向DR1で最外殻に配置される。つまり、2つの第2支持台13の間に複数の第1支持台12が配列される。
【0054】
本実施例によると、支持台12、13間の距離は一定である。しかし、本発明はこれに限定されない。例示的に、後述する対象基板SUB(
図4)の上に蒸着しようとする領域の大きさ及び形状応じて支持台12、13間の距離を異なるように設定してもよい。
【0055】
本実施例によると、第1支持台12の第1方向DR1の幅は、第2支持台13の第1方向幅DR1の幅とは異なる。
図1乃至
図3では、第2支持台13の第1方向DR1の幅が第1支持台12の第1方向DR1の幅より大きい場合が例示されている。しかし、本発明は、本実施形態に係る第1支持台12及び第2支持台13の第1方向DR1の幅の大きさに限定されない。第1支持台12及び第2支持台13の第1方向DR1の幅は、後述する対象基板SUB(
図4)の上に蒸着しようとする領域の大きさ及び形状に応じて異なるように設定されてもよい。
【0056】
本実施例によると、フレーム開口FOPと隣接する支持フレーム11の内側のうち、第2方向DR2で向かい合う内側に複数の結合溝GRが設けられる。結合溝GRは、第2方向DR2で向かい合うように対をなす。複数対の結合溝GRは第1方向DR1に配列される。
【0057】
複数対の結合溝GRは支持台12、13と一対一に対応する。支持台12、13のそれぞれの両端は、一対の結合溝GRに締結されて支持フレーム11に固定される。
【0058】
本実施例によると、第2支持台13は支持フレーム11の第1方向DR1内側と接触する。つまり、支持フレーム11の第1方向DR1内側と第2フレーム13との間には開口が形成されない。
【0059】
本実施例では支持台12、13が支持フレーム11に形成された結合溝GRに挿入される構成が説明されているが、本発明は、本実施形態に係る支持台12、13と支持フレーム11の結合方式に限定されない。
【0060】
蒸着用マスク20は、フレームセット10の上に安着される。本実施例によると、フレームセット10の支持台12、13のそれぞれの上面は、支持フレーム11の上面と同じ平面上に配置される。よって、蒸着用マスク20がフレームセット10の上に安定的に安着される。
【0061】
蒸着用マスク20は第1方向DR1に延長される。蒸着用マスク20は第2方向DR2に配列される。
【0062】
蒸着用マスク20のそれぞれは、マスクユニット21及び複数のカッティング部22を含む。
【0063】
マスクユニット21は第1方向DR1に延長される。マスクユニット21は、フレームセット10によって実質的に支持される部分である。つまり、マスクユニット21の第1方向DR1両端は、支持フレーム11の前記長辺の一部と重畳する。支持フレーム11の前記長辺の一部と重畳するマスクユニット21の領域は、溶接工程のようなボンディング工程を介して維持フレーム11の前記長辺の一部にボンディングされる。
【0064】
カッティング部22は、マスクユニット21の第1方向DR1の両端に隣接して配置される。例示的に、カッティング部22はマスクユニット21の第1方向DR1の両端に接続されてもよい。つまり、マスクユニット21は2つのカッティング部22の間に配置されてもよい。カッティング部22はフレームセット10と接触しない。
【0065】
本実施例によると、フレームセット10の上に安着される前の蒸着マスク20のそれぞれは、固定部材(図示せず)によって支持される。例示的に、固定部材(図示せず)はクランプ(Clamp)であってもよい。蒸着用マスク20のそれぞれの両端に配置されたカッティング部22のそれぞれが固定部材(図示せず)に固定されることで、蒸着用マスク20が支持される。また、固定部材(図示せず)はカッティング部22のそれぞれを固定すると共に蒸着用マスク20に引張力を加える。前記引張力の方向は第1方向DR1と平行する。
【0066】
本実施例によると、マスクユニット21と支持フレーム11との間のボンディング工程が完了した後、カッティング部22が切断される。
図3では、カッティング部22が切断されたマスク組立体100Aが示されている。つまり、切断工程が完了したマスク組立体100Aはフレームセット10及びマスクユニット21のみを含む。以下、
図5乃至
図8において、蒸着用マスク20に関して詳細に後述する。
【0067】
図4は、本発明の実施例による蒸着装置を概略的に示す断面図である。
【0068】
図4を
図3と共に参照すると、上述したマスク組立体100Aは、有機物蒸着工程に使用される。
【0069】
詳しくは、本発明の実施例による蒸着装置1000は、チャンバCHB、蒸着源S、ステージSTG、移動プレートPP、及びマスク組立体100Aを含む。蒸着源S、ステージSTG、移動プレートPP、及びマスク組立体100Aは、チャンバCHB内に配置される。
【0070】
チャンバCHBは密閉空間を形成する。チャンバCHBは少なくとも一つのゲートGTを備える。ゲートGTを介してチャンバCHBが開閉される。マスク組立体100A及び対象基板SUBは、チャンバCHBに備えられたゲートGTを介して出入する。
【0071】
蒸着源Sは、チャンバCHB内の下部に配置される。蒸着源Sは蒸着物質を含む。この際、蒸着物質は昇華または気化が可能な物質であって、無機物、金属、また有機物のうち一つ以上を含む。本実施例による蒸着源Sは、有機発光素子(図示せず)を製作するための有機物を含む場合を例示的に説明している。
【0072】
ステージSTGは蒸着源Sの上部に配置される。ステージSTGの上にマスク組立体100Aが安着される。マスク組立体100Aは蒸着源Sに対向する。
図3に示したマスク組立体100AのI-I'線の断面が
図4に示されている。ステージSTGは、マスク組立体100Aの支持フレーム11と重畳してマスク組立体100Aを支持する。ステージSTGは、支持フレーム11に設けられたフレーム開口FOP(
図1及び
図2)と重畳しない。つまり、ステージSTGは蒸着源Sから基板SUBに供給される蒸着物質の移動経路の外側に配置される。
【0073】
マスク組立体100Aの上には対象基板SUBが配置される。マスク組立体100Aのマスクユニット21が含むパターンによって、対象基板SUBに有機物が蒸着される。
【0074】
本実施例によると、移動プレートPPが対象基板SUBをマスク組立体100Aの上に整列させる。例示的に、移動プレートPPは、静電気力または磁気力を発生して対象基板SUBを移動させてもよい。移動プレートPPは上下または左右に移動可能である。
【0075】
本実施例の他の実施例による移動プレートPPは、対象基板SUBをマスク組立体100Aの上に固定する機能を有する。対象基板SUBが移動プレートPPによってマスク組立体100Aに固定されることで、蒸着工程の精密性が向上する。
【0076】
本実施例によると、蒸着源Sの蒸着物質は昇華または気化されて、マスク組立体100Aのマスクユニット21及び基板SUBに供給される。マスクユニット21によって遮断された基板SUBの上の領域には蒸着物質が供給されない。
【0077】
【0078】
上述したように、本発明の実施例による蒸着用マスク20は、マスクユニット21及び複数のカッティング部22を含む。
【0079】
図5を参照すると、マスクユニット21は第1方向DR1に配列される複数の領域を含む。詳しくは、マスクユニット21は、マスクユニット21の中央に定義されるパターニング領域PA及び複数のボンディング領域BAを含む。ボンディング領域BAは、第1方向DR1でパターニング領域PAの両端と隣接して配置される。例示的に、ボンディング領域BAは第1方向DR1でパターニング領域PAの両端に接続されてもよい。
【0080】
パターニング領域PAは、上述した支持フレーム11(
図2)で定義されたフレーム開口FOP(
図2)と重畳する。パターニング領域PAに複数のパターン孔(図示せず)が設けられたパターン部PTが配置される。
【0081】
ボンディング領域BAのそれぞれは、上述した支持フレーム11の長辺の一部と重畳する。つまり、ボンディング領域BAのそれぞれの第1方向DR1の幅は、支持フレーム11の長辺の第1方向DR1の幅と同じである。ボンディング領域BAには前記パターン孔(図示せず)が設けられていない。つまり、前記ボンディング領域BAのそれぞれの開口率は0である。
【0082】
パターン部PTは、第1パターン部PT1及び複数の第2パターン部PT2を含む。本実施例によると、第1パターン部PT1及び第2パターン部PT2のそれぞれに複数のパターン孔(図示せず)が設けられている。
【0083】
第1パターン部PT1は、複数の蒸着部AT及び少なくとも一つの遮断部NATを含む。詳しくは、例示的に、
図5に示したように、第1パターン部PT1はN個の蒸着部AT及びN-1個の遮断部NATを含む。
【0084】
蒸着部ATは第1方向DR1に離隔して配列される。蒸着部ATのそれぞれは、上述した対象基板SUB(
図4)の上に蒸着物質が実質的に蒸着される領域と対応する。つまり、蒸着部ATはマスク組立体100Aによって露出される領域を含む。
【0085】
遮断部NATのそれぞれは、隣接する蒸着部ATの間に配置される。つまり、遮断部NATのそれぞれは、蒸着部ATを隣接する蒸着部ATから隔離する。遮断部NATは、上述した第1支持台12(
図1及び
図2)によってカバーされ、蒸着工程の際に蒸着物質が提供されない領域を含む。
【0086】
本実施例によると、蒸着部AT及び遮断部NATのそれぞれに、所定の距離を置いて一定に配列される複数のパターン孔(図示せず)が設けられている。つまり、蒸着部AT及び遮断部NATのそれぞれに配列される複数のパターン孔(図示せず)は第1配列関係を有する。蒸着部AT及び遮断部NATのそれぞれは第1開口率を有する。例示的に、蒸着部AT及び遮断部NATのそれぞれに第1パターン孔(図示せず)が設けられてもよい。以下、
図6乃至
図8においてより詳細に後述する。
【0087】
第2パターン部PT2は、第1方向DR1で第1パターン部PT1の両端に配置される。第2パターン部PT2のそれぞれは、第1パターン部PT1の両端とボンディング領域BAとの間に配置される。例示的に、第2パターン部PT2のそれぞれは第1パターン部PT1の両端とボンディング領域BAとを連結してもよい。詳しくは、第2パターン部PT2のそれぞれは第1パターン部PT1の最外殻に配置される蒸着部ATとボンディング領域BAを連結する。第2パターン部PT2のそれぞれは、上述した第2支持台13(
図1及び
図2)によってカバーされ、蒸着工程の際に蒸着物質が提供されない領域を含む。
【0088】
本実施例によると、第2パターン部PT2のそれぞれの第1方向DR1の幅は、遮断部NATのそれぞれの第1方向幅DR1の幅とは異なる。
図5では、第2パターン部PT2のそれぞれの第1方向DR1の幅が遮断部NATのそれぞれの幅より大きい場合が例示的に示されている。しかし、本発明は、本実施形態に係る第2パターン部PT2のそれぞれ及び遮断部NATの第1方向DR1の幅の大きさに限定されない。第2パターン部PT2のそれぞれ及び遮断部NATの第1方向DR1の幅は、対象基板SUB(
図4)の上に蒸着しようとする領域の大きさ及び形状に応じて異なるように設定されてもよい。
【0089】
本実施例によると、第2パターン部PT2のそれぞれに所定の距離を置いて一定に配列される複数のパターン孔(図示せず)が設けられている。第2パターン部PT2のそれぞれに配列される複数のパターン孔(図示せず)の一部は第2配列関係を有する。第2パターン部PT2のそれぞれの少なくとも一部は第2開口率を有する。例示的に、第2パターン部PT2のそれぞれに第2パターン孔(図示せず)が設けられてもよい。以下、
図6乃至
図8においてより詳細に後述する。
【0090】
カッティング部22のそれぞれは、マスクユニット21の第1方向DR1の外側に配置される。つまり、マスクユニット21の両端はカッティング部22と接続される。
【0091】
カッティング部22は、カッティング部22のそれぞれの第1方向DR1の外側に配置される複数のクランピング部CPを含む。クランピング部CPは、上述した固定部材(図示せず)によって固定される。
【0092】
本実施例によると、クランピング部CPの間にクランピング溝CGが設けられている。クランピング溝CGは、第1方向DR1で蒸着用マスク20の外側から内側に凹んだ形状を有する。
図5では、クランピング溝CGの内周面が曲面を含むように示されている。この場合、蒸着用マスク20に加えられる引張力によって蒸着用マスク20が変形する又は破損する現象を緩和することができる。
【0093】
本実施例によるカッティング部22のそれぞれは、ダミーパターン部DPを更に含む。ダミーパターン部DPは、マスクユニット21のボンディング領域BAと隣接する。例示的に、ダミーパターン部DPはマスクユニット21のボンディング領域BAと連結されてもよい。つまり、ダミーパターン部DPは、クランピング部CPとボンディング領域BAとの間に配置されてもよい。
【0094】
本実施例によると、ダミーパターン部DPに複数のパターン孔(図示せず)が設けられている。本発明は、本実施形態に係るダミーパターン部DPに設けられたパターン孔(図示せず)の個数、形状、及び配列関係、またはダミーパターン部DPの開口率に限定されない。例示的に、ダミーパターン部DPは蒸着部ATと同じ開口率を有する。つまり、ダミーパターン部DPに第1配列関係を有する第1パターン孔(図示せず)が設けられている。
【0095】
ダミーパターン部DPは、クランピング部CPからパターン部PTに伝達される引張力を吸収する機能を有する。よって、ダミーパターン部DPは、蒸着用マスク20に印加される引張力によってパターン部PTに変形が発生する現象を緩和することができる。
【0096】
本実施例では、カッティング部22のそれぞれが一つのダミーパターン部DPを含む構成が開示されているが、本発明は、本実施形態に係るカッティング部22が含むダミーパターン部DPの個数に限定されない。
【0097】
図6は、
図5に示したA領域の拡大図である。
図7は
図6に示した第1パターン部の拡大図であり、
図8は
図6に示した第1部分の拡大図である。
【0098】
図6乃至
図8を参照すると、本発明の実施例による第1パターン部PT1は第1開口率を有する。詳しくは、第1パターン部PT1に複数の第1パターン孔H1が設けられている。第1パターン孔H1は、第1パターン部PT1が占める蒸着マスク20の領域の上でマトリックス状に配列される。第1パターン孔H1のそれぞれの大きさ及び形状は、上述した対象基板SUBの上に区画される一つのセルの大きさに対応する。つまり、対象基板SUBの上に蒸着しようとするパターンの大きさに応じて、第1パターン孔H1の直径が異なるように設計される。例示的に、第1パターン孔H1のそれぞれの直径は、約17μm以上22μm以下であってもよい。
【0099】
図7では、第1パターン孔H1のそれぞれの形状が八角形である場合を示している。しかし、これ以外にも本発明の他の実施例による第1パターン孔H1のそれぞれは、多角形、円形、または楕円形など、多様な形状を有してもよい。
【0100】
第1パターン孔H1は第1配列関係を有する。つまり、第1パターン孔H1のうち互いに隣接する第1パターン孔H1間の最小距離は第1距離D1と定義される。本実施例によると、第1距離D1は約15μm乃至18μmである。
【0101】
本実施例によると、第2パターン部PT2のそれぞれの少なくとも一部の領域に複数の第2パターン孔H2が設けられている。
【0102】
詳しくは、第2パターン部PT2のそれぞれは第1部分AR1及び第2部分AR2を含む。第1部分AR1及び第2部分AR2は第1方向に配列される。第1部分AR1は第2部分AR2より第1方向DR1でマスクユニット21の外側に配置される。つまり、第1部分AR1はボンディング領域BAと隣接して配置される。第2部分AR2は第1部分AR1と第1パターン部PT1との間に配置される。例示的に、第2部分AR2は第1部分AR1と第1パターン部とを連結してもよい。
【0103】
第1部分AR1は第2開口率を有する。第2開口率は第1開口率より小さい。詳しくは、第1部分AR1には複数の第2パターン孔H2が定義される。第2パターン孔H2は、第1部分AR1が占める蒸着マスク20の領域の上で複数の行をなす。第1部分AR1の第1方向DR1の幅は、第2パターン孔H2の行の個数に応じて異なり得る。本実施例によると、第1部分AR1に少なくとも2行以上の第2パターン孔H2が設けられている。第2パターン孔H2の行は第1方向DR1に配列され、互いに交互に配置される。第2パターン孔H2のそれぞれの大きさ及び形状は、第1パターン孔H1のそれぞれの大きさ及び形状と同じである。
【0104】
本実施例によると、第2パターン孔H2は第2配列関係を有する。第2パターン孔H2のうち互いに隣接する第2パターン孔H2間の最小距離は第2距離D2と定義される。本実施例によると、第2距離D2は第1距離D1より大きい。例示的に、第2距離D2は約20μm以上であってもよい。
【0105】
第2部分AR2には複数の第1パターン孔H1が定義される。つまり、第2部分AR2に配列されたパターン孔H1は第1配列関係を有する。第1パターン孔H1は、第2部分AR2が占める蒸着マスク20の領域の上でマトリックス状に配列される。本実施例において、第2部分AR2の開口率は第1パターン部PT1の開口率と同じである。つまり、第2部分AR2に定義された第1パターン孔H1間の最小距離は約15μm乃至18μmである。
【0106】
本実施例において、第1パターン部PT1及び第2部分AR2のそれぞれの第1パターン孔H1間の最大距離(
図7において斜め方向に位置する第1パターン孔H1間の距離)は第2距離D2と同じである。
【0107】
本発明の実施例とは異なり、パターン部PTが第2パターン部PT2を含まない場合、つまり、パターン部PTが第2パターン部PT2の第1部分AR1を含まない場合、第1開口率を有するパターン部PTは、開口率が0であるボンディング領域BAと直接接続される。この場合、ボンディング領域BAとパターン部PTの開口率の差によって、クランピング部CPにおいて発生した引張力が伝達される過程でボンディング領域BAとパターン部PTとの間の境界領域にストレスが発生する。それによって、ボンディング領域BAと隣接するパターン部PTの第1パターン孔H1が変形される、又は蒸着用マスク20がフレームセット10の上でアライメントずれを起こす恐れがある。しかし、本発明の実施例によると、パターン部PTが第1開口率より小さい第2開口率を有する第2パターン部PT2を含む、つまり、第2パターン部PT2がボンディング領域BAと第1パターン部PT1との間に配置されるため、ボンディング領域BAとパターン部PTとの間の境界領域にストレスが集中する現象が緩和される。
【0108】
結果的に、本実施例によると、蒸着用マスクの耐久性が向上されて、蒸着工程の蒸着の精密度及び均一度が向上する。
【0109】
図9及び
図10のそれぞれは、本発明の他の実施例による第2パターン部の拡大図である。
図11は、
図10に示した第3部分の拡大図である。
【0110】
説明の便宜上、本発明の上記実施例とは異なる点を中心に説明するが、省略された部分は本発明の上記実施例と同様の特徴を有する。また、上述した構成要素に関しては図面符号を併記し、前記構成要素に関する重複説明は省略する。
図9及び
図10のそれぞれは、
図6に示した領域に対応する。
【0111】
図9を参照すると、本発明の他の実施例による蒸着用マスク20-1の第2パターンPT2-1のそれぞれは第1部分AR1のみを含む。つまり、本実施例による第2パターン部PT2-1は上述した第2部分AR2を含まない。第1部分AR1に関する構成は上述した第1部分AR1の構成と同じであるため、説明を省略する。
【0112】
図10及び
図11を参照すると、本発明の他の実施例による蒸着用マスク20-2の第2パターンPT2-2のそれぞれは第3部分AR3を更に含む。つまり、第2パターン部PT2-2のそれぞれは第1乃至第3部分AR1~AR3を含む。
【0113】
本実施例による第3部分AR3は第3開口率を有する。第3開口率は第2開口率より小さい。詳しくは、第3部分AR3には複数の第3パターン孔H3が設けられている。第3パターン孔H3は、第3部分AR3が占める蒸着マスク20-2の領域の上でマトリックス状に配列される。第3パターン孔H3のそれぞれの大きさ及び形状は、第1パターン孔H1及び第2パターン孔H2のそれぞれの大きさ及び形状と同じである。
【0114】
本実施例によると、第3パターン孔H3は第3配列関係を有する。第3パターン孔H3のうち互いに隣接する第3パターン孔H3間の最小距離は第3距離D3と定義される。本実施例によると、第3距離D3は第2距離D2より大きい。例示的に、第3距離D3は約50μm以上であってもよい。本実施例によると、パターン部PT2-2とボンディング領域BAとの間の境界にストレスが集中する形状をより効果的に緩和することができる。
【0115】
説明の便宜上、本発明の上記実施例とは異なる点を中心に説明するが、省略された部分は本発明の上記実施例と同様の特徴を有する。
【0116】
図12乃至
図14は、本発明の他の実施例による遮断部の拡大図である。
【0117】
説明の便宜上、本発明の上記実施例とは異なる点を中心に説明するが、省略された部分は本発明の上記実施例と同様の特徴を有する。また、上述した構成要素に関しては図面符号を併記し、前記構成要素に関する重複説明は省略する。
図12及び
図14は、
図5に示した領域Bに対応する。
【0118】
図12乃至
図14を参照すると、本発明の他の実施例による蒸着用マスク20-3、20-4、20-5の遮断部NAT-3、NAT-4、NAT-5のそれぞれの開口率は、蒸着部ATのそれぞれの開口率より小さい。
【0119】
図12に示したように、本発明の他の実施例による蒸着用マスク20-3の遮断部NAT-3のそれぞれはパターン孔を含まない。つまり、本実施例による遮断部NAT-3のそれぞれの開口率は0である。この際、蒸着部ATのそれぞれは第1開口率を有する。つまり、蒸着部ATのそれぞれには第1配列関係を有する第1パターン孔H1が設けられている。第1パターン孔H1に関する構成は上述した実施例における第1パターン孔H1の構成と同じであるため、説明を省略する。
【0120】
また、
図13に示したように、本発明の他の実施例による蒸着用マスク20-4の遮断部NAT-4のそれぞれは、第1開口率より小さい第4開口率を有する。この際、蒸着部ATのそれぞれは第1開口率を有する。詳しくは、遮断部NAT-4のそれぞれには複数の第4パターン孔H4が設けられ、蒸着部ATのそれぞれには第1パターン孔H1が設けられている。第1パターン孔H1に関する構成は上述した実施例における第1パターン孔H1の構成と同じであるため、説明を省略する。
【0121】
第4パターン孔H4は、遮断部NAT-4のそれぞれが占める蒸着マスク20-4の領域の上で複数の行をなす。複数の行は第1方向DR1に配列され、互いに交互に配置される。本実施例において、第4パターン孔H4のそれぞれの大きさ及び形状は、第1及び第3パターン孔H1、H3のそれぞれの大きさ及び形状と同じである。
【0122】
第4パターン孔H4は第4配列関係を有する。第4パターン孔H4のうち互いに隣接する第4パターン孔H4間の最小距離は第4距離(図示せず)と定義される。本実施例によると、第4距離(図示せず)は第1距離D1より大きい。例示的に、第4距離(図示せず)は第2距離D2より大きいか同じであってもよい。つまり、第4距離D4は約20μm以上であってもよい。
【0123】
また、
図14に示したように、本発明の他の実施例による蒸着用マスク20-5の遮断部NAT-5のそれぞれは、第1開口率より小さい第4開口率を有する。詳しくは、遮断部NAT-5のそれぞれには複数の第4パターン孔H4が設けられ、蒸着部ATのそれぞれには第1パターン孔H1が設けられている。第1パターン孔H1に関する構成は上述した実施例における第1パターン孔H1の構成と同じであるため、説明を省略する。
【0124】
第4パターン孔H4は、遮断部NAT-4のそれぞれが占める蒸着マスク20-5の領域の上でマトリックス状を有する。本実施例によると、第4パターン孔H4のそれぞれの大きさは、第1及び第3パターン孔H3のそれぞれの大きさより小さい。また、第4パターン孔H4のうち互いに隣接する第4パターン孔H4の上の最小距離は第1距離D1(
図6)と同じである。
【0125】
これまで実施例を参照して説明したが、該当技術分野における熟練した当業者は、下記特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更し得ることを理解できるはずである。また、本発明の開示された実施例は本発明の技術思想を限定するためのものではなく、下記特許請求の範囲及びそれと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれると解釈すべきである。
【符号の説明】
【0126】
1000:状着装置
100、100A:マスク組立体
10:フレームセット
11:支持フレーム
12:第1支持台
13:第2支持台
GR:結合溝
CHB:チャンバ
GT:ゲート
PP:移動プレート
STG:ステージ
S:蒸着源
20:蒸着用マスク
21:マスクユニット
22:カッティング部
CP:クランピング部
CG:クランピング溝
BA:ボンディング領域
PA:パターニング領域
PT:パターン部
DP:ダミーパターン部
PT1:第1パターン部
PT2:第2パターン部
AT:蒸着部
NAT:遮断部
AR1:第1部分
AR2:第2部分
H2:パターン孔