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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】清浄組成物およびこれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/50 20060101AFI20230808BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20230808BHJP
   A61L 9/14 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
C11D3/50
A61L9/01 H
A61L9/14
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019143148
(22)【出願日】2019-08-02
(62)【分割の表示】P 2017516727の分割
【原出願日】2015-09-25
(65)【公開番号】P2020000884
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2019-09-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】62/055,844
(32)【優先日】2014-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/143,862
(32)【優先日】2015-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゲイル マリー フランケンバッハ
(72)【発明者】
【氏名】ジュディス アン ホリングシェード
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン アンソニー ホレンシアク
【合議体】
【審判長】関根 裕
【審判官】安積 高靖
【審判官】門前 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-336337号公報(JP,A)
【文献】特開平06-220495号公報(JP,A)
【文献】特開平10-017894号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D1/00-19/00
A61L9/00-9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地清浄組成物であって、粘度が、1mPa・s~50,000mPa・sであり、前記清浄組成物が、清浄組成物全体の重量を基準として、
(a)総量で0.0001%~0.07%の1~20種類の悪臭低減材料であって、1,1,2,3,3-ペンタメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-4H-インデン-4-オン;3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルアセテート;1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-オール;2-(8-イソプロピル-6-メチルビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2-イル)-1,3-ジオキソラン;(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン;(Z)-シクロオクタ-4-エン-1-イルメチルカーボネート;7-メチルオクチルアセテート;ドデカン酸エチル;4,5-エポキシ-4,11,11-トリメチル-8-メチレンビシクロ(7.2.0)ウンデカン;1,3,4,6,7,8α-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4α-メタノフタレン-8(5H)-オン;8,8-ジメチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロピオネート;(Z)-ノナ-6-エン-1-オール;(E)-デカ-4-エナール;(1-メチル-2-((1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)メチル)シクロプロピル)メタノール;2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール;(E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルパルミテート;3-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール;3-(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)プロパナール;2,2,6,6,7,8,8-ヘプタメチルデカヒドロ-2H-インデノ[4,5-b]フラン;(R,Z)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ペンタ-1-エン-3-オン;(E)-3,7-ジメチルオクタ-1,3,6-トリエン;1-(5,5-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン;(E)-シクロヘキサデカ-5-エン-1-オン;2-イソプロピル-5-メチルフェノール;およびこれらの混合物からなる群から選択される悪臭低減材料と、
(b)0.01%~3%の可溶化剤であって、前記可溶化剤が非起泡性界面活性剤または低起泡性界面活性剤であるものと、
(c)1つ以上の香料原材料であって、前記清浄組成物が、1:20,000~3000:1の前記悪臭低減材料の部分対香料の部分の重量比率を有する香料原材料と、
(d)90%~99.5%の水
を含み、
前記清浄組成物がアニオン性界面活性剤を含まない、布地清浄組成物。
【請求項2】
前記悪臭低減材料は、選択されたもの全体で、Blocker Indexが3未満であり、および/またはBlocker Indexの平均が3~0.001である、請求項1に記載の清浄組成物。
【請求項3】
前記悪臭低減材料は、それぞれ、MORVが少なくとも0.5である、請求項1に記載の清浄組成物。
【請求項4】
前記悪臭低減材料は、それぞれ、MORVが少なくとも0.5である、請求項2に記載の清浄組成物。
【請求項5】
前記悪臭低減材料は、選択されたもの全体で、Fragrance Fidelity Indexの平均が3~0.001であるか、または、前記選択された悪臭低減材料中の悪臭低減材料は、それぞれ、Fragrance Fidelity Indexが3未満である、請求項1に記載の清浄組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の清浄組成物であって、前記組成物は、少なくとも12個の炭素原子を含むイソアルカン、四級アミン部分を含む化合物、潤滑剤、さらなる溶媒グリコール、アルコール、シリコーン、防腐剤、抗菌剤、pH調整剤、キャリア、昆虫忌避剤、金属塩、シクロデキストリン、機能性ポリマー、消泡剤、酸化防止剤、酸化剤、キレート化剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される補助成分を含む、清浄組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の清浄組成物であって、1,1,2,3,3-ペンタメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-4H-インデン-4-オン;3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルアセテート;1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-オール;2-(8-イソプロピル-6-メチルビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2-イル)-1,3-ジオキソラン;(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン;(Z)-シクロオクタ-4-エン-1-イルメチルカーボネート;7-メチルオクチルアセテート;ドデカン酸エチル;4,5-エポキシ-4,11,11-トリメチル-8-メチレンビシクロ(7.2.0)ウンデカン;1,3,4,6,7,8α-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4α-メタノフタレン-8(5H)-オン;8,8-ジメチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロピオネート;(Z)-ノナ-6-エン-1-オール;(E)-デカ-4-エナール;(1-メチル-2-((1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)メチル)シクロプロピル)メタノール;2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール;(E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルパルミテート;3-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール;3-(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)プロパナール;2,2,6,6,7,8,8-ヘプタメチルデカヒドロ-2H-インデノ[4,5-b]フラン;(R,Z)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ペンタ-1-エン-3-オン;(E)-3,7-ジメチルオクタ-1,3,6-トリエン;1-(5,5-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン;(E)-シクロヘキサデカ-5-エン-1-オン;2-イソプロピル-5-メチルフェノール;およびこれらの混合物からなる群から選択される、総量で0.0001%~0.07%の3~20種類の悪臭低減材料を含む、清浄組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の清浄組成物であって、1,1,2,3,3-ペンタメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-4H-インデン-4-オン;3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルアセテート;1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-オール;2-(8-イソプロピル-6-メチルビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2-イル)-1,3-ジオキソラン;(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン;(Z)-シクロオクタ-4-エン-1-イルメチルカーボネート;7-メチルオクチルアセテート;ドデカン酸エチル;4,5-エポキシ-4,11,11-トリメチル-8-メチレンビシクロ(7.2.0)ウンデカン;1,3,4,6,7,8α-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4α-メタノフタレン-8(5H)-オン;8,8-ジメチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロピオネート;(Z)-ノナ-6-エン-1-オール;(E)-デカ-4-エナール;(1-メチル-2-((1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)メチル)シクロプロピル)メタノール;2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール;(E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルパルミテート;3-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール;3-(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)プロパナール;2,2,6,6,7,8,8-ヘプタメチルデカヒドロ-2H-インデノ[4,5-b]フラン;(R,Z)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ペンタ-1-エン-3-オン;(E)-3,7-ジメチルオクタ-1,3,6-トリエン;1-(5,5-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン;(E)-シクロヘキサデカ-5-エン-1-オン;2-イソプロピル-5-メチルフェノール;およびこれらの混合物からなる群から選択される、総量で0.0001%~0.07%の4~20種類の悪臭低減材料を含む、清浄組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の清浄組成物であって、1,1,2,3,3-ペンタメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-4H-インデン-4-オン;3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルアセテート;1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-オール;2-(8-イソプロピル-6-メチルビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2-イル)-1,3-ジオキソラン;(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン;(Z)-シクロオクタ-4-エン-1-イルメチルカーボネート;7-メチルオクチルアセテート;ドデカン酸エチル;4,5-エポキシ-4,11,11-トリメチル-8-メチレンビシクロ(7.2.0)ウンデカン;1,3,4,6,7,8α-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4α-メタノフタレン-8(5H)-オン;8,8-ジメチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロピオネート;(Z)-ノナ-6-エン-1-オール;(E)-デカ-4-エナール;(1-メチル-2-((1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)メチル)シクロプロピル)メタノール;2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール;(E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルパルミテート;3-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール;3-(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)プロパナール;2,2,6,6,7,8,8-ヘプタメチルデカヒドロ-2H-インデノ[4,5-b]フラン;(R,Z)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ペンタ-1-エン-3-オン;(E)-3,7-ジメチルオクタ-1,3,6-トリエン;1-(5,5-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン;(E)-シクロヘキサデカ-5-エン-1-オン;2-イソプロピル-5-メチルフェノール;およびこれらの混合物からなる群から選択される、総量で0.0001%~0.07%の5~20種類の悪臭低減材料を含む、清浄組成物。
【請求項10】
請求項1~9に記載の清浄組成物を含むデバイスであって、前記デバイスは、トリガー式噴霧器、手動のエアロゾル噴霧器、自動エアロゾル噴霧器、芯を含有するデバイス、ファンデバイスおよびサーマルドロップオンデマンドデバイスからなる群から選択される、デバイス。
【請求項11】
悪臭を制御する方法であって、悪臭を含む場所および/または悪臭を発生しそうな場所と、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物およびその混合物からなる群から選択される組成物とを接触させることを含む方法。
【請求項12】
前記接触させる工程が、前記場所と、十分な量の請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物とを接触させ、前記場所の計画された表面積1平方メートルあたり、0.1ミリグラム(mg)~10,000mgの前記総量の悪臭低減材料を有する前記悪臭を与えることを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清浄組成物、および悪臭低減組成物を含み、粘度が約1mPa・s~約50,000mPa・sの組成物を含む、清浄組成物を含むデバイス、およびこのような組成物の製造方法および使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無香料または低香料製品は、香料入り商品より自然で、より控え目と考えられる場合があり、消費者に好まれる。悪臭を抑制するための無香料または低香料製品のメーカーは、悪臭を低減するうえで悪臭低減成分またはその他の技術(例えばフィルター)に頼っている。しかし、例えば、アミン系の悪臭(例えば、魚および尿)、チオール系およびスルフィド系の悪臭(例えば、ニンニクおよびタマネギ)、C2~C12カルボン酸系の悪臭(例えば、身体およびペットの臭い)、インドール系の悪臭(例えば、糞便および臭い息)、短鎖脂肪族アルデヒド系の悪臭(例えば、脂)およびゲオスミン系の悪臭(例えば、カビ/白カビ)のような悪臭を効果的に制御することは困難な場合があり、ある製品が悪臭を著しく減らすのに必要な時間は、悪臭に対する製品の効能について消費者に疑いを抱かせることがある。多くの場合、メーカーは、これら困難な悪臭をマスキングするために芳香香料を組み込んでいる。
【0003】
残念ながら、悪臭制御技術は、典型的には、悪臭をもっと強い香りで覆い隠すため、この悪臭制御技術で処理された芳香を放つ場所または芳香を放たない場所の香りを妨害する。したがって、現行の悪臭制御技術の限定的な性質は、特に制限されている。したがって、必要なことは、香料コミュニティが多くの状況/用途で望ましいレベルの特徴を運ぶことができるような、広範囲の悪臭制御技術である。驚くべきことに、出願人は、感覚細胞への悪臭の到達をブロックすることに加え、望ましい目標を達成するために、悪臭制御技術は、このような感覚細胞が、他の分子(例えば、香り分子)に向かって開いたままでなければならないことを認識した。結果として、開示される悪臭低減組成物は、清浄組成物の香りを過度に妨害せず、これらの技術を含むデバイス、およびこのような清浄組成物およびデバイスで処理された芳香を放つ場所または芳香を放たない場所の香りを過度に妨害しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、清浄組成物、および悪臭低減組成物を含み、粘度が約1mPa・s~約50,000mPa・sの組成物を含む、清浄組成物を含むデバイス、およびこのような組成物の製造方法および使用方法に関する。開示される悪臭低減組成物は、清浄組成物の香りを過度に妨害せず、これらの技術を含むデバイス、およびこのような清浄組成物およびデバイスで処理された芳香を放つ場所または芳香を放たない場所の香りを過度に妨害しない。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書で使用する場合、「MORV」は、目的材料について計算された悪臭低減値である。材料のMORVは、このような材料が、1種類以上の悪臭の検知を減らすか、またはなくしさえする能力を示す。本出願の目的のために、材料のMORVは、本出願の試験方法の章に見出される方法に従って計算される。
【0006】
本明細書で使用する場合、「香料」という用語は、悪臭低減材料を含まない。したがって、組成物の香料部分は、香料の組成が決定されたとき、組成物中に見出される任意の悪臭低減材料(例えば、本明細書に記載されるような悪臭低減材料)を含まない。簡単に言うと、ある材料の悪臭低減値「MORV」が、本特許請求の範囲に引用されるMORVの範囲内である場合、このような材料は、この特許請求の範囲の目的のための悪臭低減材料である。
【0007】
本明細書で使用する場合、「悪臭」とは、排便にともなう複合臭のようなほとんどの人々にとって一般的に不快であるか不愉快である化合物を意味する。
【0008】
本明細書で使用する場合、「中和する」または「中和」とは、化合物または製品が悪臭化合物を低減するか、または除去する能力を意味する。臭気の中和は、所定の状況で複数種の悪臭化合物のいくつかのみに作用するか、または1種の悪臭化合物の一部のみに作用する、部分的なものであってよい。悪臭化合物は、新しい化学物質を生じる化学反応、金属イオン封鎖、キレート化、会合、または悪臭化合物をそれほど悪臭が強くないかまたは無悪臭にする他の相互作用によって中和されてもよい。臭気マスキングまたは臭気ブロッキングは、悪臭化合物の状態変化に相当する変化が一切ない、悪臭を知覚する能力の変化であるのに対して、中和は、悪臭化合物の変化があるという点で、臭気マスキングや臭気ブロッキングと区別することができる。悪臭中和は、知覚および分析測定可能(例えば、ガスクロマトグラフ)な悪臭の低減をもたらす。したがって、ある悪臭低減組成物が真の悪臭中和をもたらすならば、その組成物は気相および/または液相中の悪臭を低減するであろう。
【0009】
本願で使用する場合、用語「臭気ブロッキング」は、人間の嗅覚を鈍くすることができる化合物の能力を意味する。
【0010】
本明細書で使用する場合、用語「a」および「an」は、「少なくとも1つ」を意味する。
【0011】
本明細書で使用する場合、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含んでいる(including)」は、非限定的であることを意味する。
【0012】
別途指定されない限り、成分または組成物の濃度は全て、当該成分または組成物の活性部分に関するものであり、このような成分または組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒または副生成物は除外される。
【0013】
全ての百分率および比率は、別途指定されない限り、重量で計算される。全ての百分率および比率は、別途指定されない限り、全組成物を基準にして計算される。
【0014】
本明細書の全体を通じて与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい数値限定を、そのようなより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含するものと理解すべきである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての最小数値限定は、より大きい全ての数値限定を、そのようなより大きい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るより狭い全ての数値範囲を、そのような狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように包含する。
【0015】
悪臭低減材料
適切な悪臭低減材料の非限定的なセットを以下の表に提示する。使用を簡単にするために、表1~3のそれぞれの材料は、「番号」に示されたそれぞれの表の列にみられる数識別子が割り当てられる。表4は、表1の部分的なセットであり、表5は、表2の部分的なセットであり、表6は、表3の部分的なセットであり、表4、5および6は、それぞれ表1~3にみられる数識別子と同じ数識別子を使用する。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2-1】
【0018】
【表2-2】
【0019】
【表2-3】
【0020】
【表2-4】
【0021】
【表2-5】
【0022】
【表2-6】
【0023】
【表2-7】
【0024】
【表2-8】
【0025】
【表2-9】
【0026】
【表2-10】
【0027】
【表2-11】
【0028】
【表2-12】
【0029】
【表2-13】
【0030】
【表2-14】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4-1】
【0033】
【表4-2】
【0034】
【表4-3】
【0035】
【表4-4】
【0036】
【表4-5】
【0037】
【表4-6】
【0038】
【表5-1】
【0039】
【表5-2】
【0040】
【表5-3】
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】
表1~6の材料は、以下の1つ以上によって供給することができる。
プレインズボロ、NJ、米国のFirmenich Inc.ニューヨーク、NYのInternational Flavor and Fragrance Inc.米国;Takasago Corp.テターボロ、NJ USA;Takasago Corp.テターボロ、NJ USA;Sigma-Aldrich/SAFC Inc.カールスバッド,CA USA;およびBedoukian Research Inc.ダンベリー,CT USA。
【0044】
上の表1~6に列挙したそれぞれの材料の実際のMORV値は、以下の通りである。
【0045】
【表8-1】
【0046】
【表8-2】
【0047】
【表8-3】
【0048】
【表8-4】
【0049】
【表8-5】
【0050】
【表8-6】
【0051】
【表8-7】
【0052】
【表8-8】
【0053】
【表8-9】
【0054】
【表8-10】
【0055】
【表8-11】
【0056】
【表8-12】
【0057】
【表8-13】
【0058】
【表8-14】
【0059】
【表8-15】
【0060】
【表8-16】
【0061】
【表8-17】
【0062】
清浄組成物および方法
清浄組成物であって、粘度が、約1mPa・s~約50,000mPa・s、好ましくは、約1mPa・s~約2000mPa・s、最も好ましくは、約1mPa・s~約400mPa・sであり、pHが、約3~約10、好ましくは、約4~約8、最も好ましくは、約5~約8であり、前記清浄組成物が、清浄組成物全体の重量を基準として、
(a)総量が約0.0001%~約2%、好ましくは、約0.0001%~約1.5%、さらに好ましくは、約0.001%~約1%、最も好ましくは、約0.007%~約0.7%の1種類以上の悪臭低減材料、好ましくは、1~約75種類の悪臭低減材料、さらに好ましくは、1~約50種類の悪臭低減材料、さらに好ましくは、1~約35種類の悪臭低減材料、最も好ましくは、1~約20種類の悪臭低減材料であって、前記悪臭低減材料は、それぞれ、MORVが少なくとも0.5、好ましくは、0.5~10、さらに好ましくは、1~10、最も好ましくは、1~5であり、好ましくは、前記悪臭低減材料は、それぞれ、Universal MORVを有するか、または、前記総量の悪臭低減材料は、Blocker Indexが3未満、さらに好ましくは、約2.5未満、さらになお好ましくは、約2未満、さらになお好ましくは、約1未満、最も好ましくは、0であり、および/または、Blocker Indexの平均が3~約0.001である、悪臭低減材料;および
(b)約0.01%~約3%、好ましくは、約0.4%~約1%、さらに好ましくは、約0.1%~約0.5%、最も好ましくは、約0.1%~約0.3%の可溶化剤であって、好ましくは、前記可溶化剤は界面活性剤、溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは
(i)好ましくは、前記界面活性剤は、非イオン性界面活性剤を含み;
(ii)好ましくは、前記溶媒は、アルコール、ポリオールおよびこれらの混合物を含む、可溶化剤;
(c)場合により、補助成分を含む、清浄組成物
が開示される。
【0063】
粘度が下がるにつれて、噴霧能力が向上し、布地への浸透性が向上する。酸性の臭気および塩基性の臭気の両方を中和するために、pH5~8が有用であり、このことが、臭気中和組成物で有用である。また、ある種の成分が極端なpHで安定ではない場合であっても、香料の安定性を高めるのに役立つ。少ない材料を用いるので、配合の複雑さを減らすのに役立ち、そのため、組成物の製造費用を安くするのに役立つ。臭気低減材料のブロッカー指数(BI)が小さいほど、悪臭の検知が小さくなる。
【0064】
可溶化剤の範囲が狭くなるにつれて、処理中または使用中に望ましい気泡が存在せずに、必要な可溶化を維持することができる。費用の理由から、量が少ない方がよい。最後に、非イオン性界面活性剤は、カチオン性抗菌剤(「quat」)、PEIポリマーなどの他の成分との適合性が高い。
【0065】
前記清浄組成物の一態様において、前記総量の悪臭低減材料は、Blocker Indexが3未満、さらに好ましくは約2.5未満、さらになお好ましくは、約2未満、さらになお好ましくは、約1未満、最も好ましくは、0であり、および/またはBlocker Indexの平均が3~約0.001である。
【0066】
前記清浄組成物の一態様において、前記悪臭低減材料は、それぞれ、MORVが少なくとも0.5、好ましくは、0.5~10、さらに好ましくは、1~10、最も好ましくは、1~5であり、好ましくは、前記悪臭低減材料は、それぞれ、Universal MORVを有する。
【0067】
前記清浄組成物の一態様において、前記総量の悪臭低減材料は、Fragrance Fidelity Indexの平均が3~約0.001Fragrance Fidelity Indexであり、好ましくは、前記総量の悪臭低減材料中の悪臭低減材料の総量は、Fragrance Fidelity Indexが3未満、好ましくは、2未満、さらに好ましくは、1未満であり、最も好ましくは、前記総量の悪臭低減材料中の悪臭低減材料は、それぞれ、Fragrance Fidelity Indexが0である。
【0068】
前記清浄組成物の一態様において、前記清浄組成物は、1つ以上の香料原材料を含み、前記悪臭低減材料の部分と香料の部分の重量比率は、約1:20,000~約3000:1、好ましくは、約1:10,000~1,000:1、さらに好ましくは、5000:1~約500:1、最も好ましくは、約1:15~約2:1である。この比率の範囲が狭いほど、MORV材料に由来する臭気と、香料の香りのバランスが向上する。
【0069】
前記清浄組成物の一態様において、前記悪臭低減材料は、表1の材料およびこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、前記材料は、表1の材料1、2、3、4、7、9、10、11、13、14、16、17、18、21、22、23、25、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、42、43、47、48、49、50、52、57、61、62、63、64、65、67、68、69、70、71、74、75、76、77、78、79、80、82、83、85、91、92、93、98、100、101、102、103、104、105、106、108、109、110、112、113、114、117、119、120、122、123、126、128、130、134、135、137、140、141、142、143、145、146、148、149、152、153、155、156、158、159、161、162、167、168、170、174、175、176、177、178、179、182、183、184、185、186、187、189、190、192、193、195、196、197、199、206、208、209、210、211、212、215、218、221、227、228、229、230、231、233、234、238、242、243、244、246、247、249、252、253、254、256、259、260、261、263、267、269、271、274、276、277、278、280、281、285、286、288、289、290、292、293、294、295、296、300、301、303、307、316、317、318、321、322、323、324、325、328、329、330、331、332、333、334、335、336、338、339、342、343、344、347、349、350、352、353、356、358、359、360、361、362、363、364、368、369、370、371、372、373、374、375、377、378、381、385、386、388、390、391、394、397、398、407、413、414、415、416、417、418、421、424、425、426、428、429、432、436、441、444、445、449、450、453、457、459、461、462、463、464、465、466、467、468、470、471、473、474、475、478、479、480、482、484、485、486、487、488、491、493、497、498、501、502、503、505、519、520、521、524、527、529、530、531、532、534、537、541、544、546、548、550、551、552、553、555、558、559、560、561、562、563、565、566、567、568、569、570、571、572、573、574、577、578、580、581、582、584、586、587、589、591、592、594、595、599、600、601、603、604、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、618、620、621、624、625、626、627、628、631、632、633、635、636、638、639、644、649、650、653、655、658、659、660、661、663、668、671、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、686、691、692、693、694、696、697、698、700、702、704、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、730、731、733、735、736、738、741、742、746、748、750、752、754、757、758、763、764、766、767、768、769、770、771、772、774、775、776、778、781、782、786、788、791、792、800、802、803、804、805、806、807、814、821、824、826、827、828、829、831、833、834、837、839、840、849、850、852、856、864、865、866、868、869、870、871、872、873、876、877、878、879、881、884、885、886、890、892、893、894、897、905、908、912、913、914、916、919、920、922、923、924、925、926、927、928、929、930、933、937、939、941、942、943、945、946、947、948、950、951、953、954、955、959、962、965、967、969、973、974、976、978、980、982、985、988、993、998、1000、1003、1006、1007、1008、1009、1010、1012、1016、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1031、1032、1033、1035、1036、1037、1038、1042、1043、1045、1046、1047、1053、1057、1059、1060、1062、1063、1064、1065、1066、1067、1070、1072、1073、1075、1077、1078、1082、1083、1085、1089、1090、1091、1093、1095、1097、1099、1102、1104、1105、1107、1111、1113、1116、1117、1120、1121、1125、1126、1129、1131、1135、1136、1137、1138、1139、1140、1142、1143、1144、1145、1146、1147、1148、1149、表2の材料2、23、141、185、227、230、246、248、343、359、565、631、659、674、678、679、715、758、1028、1097、表3の材料12、19、20、24、26、27、53、54、55、59、72、73、81、84、96、97、107、111、115、116、125、133、147、150、151、154、157、163、166、169、181、191、194、198、201、204、205、213、214、232、237、239、255、258、264、270、273、275、282、283、284、287、302、306、308、310、312、314、319、346、354、355、365、366、376、379、387、400、412、419、420、437、438、439、440、442、443、447、448、454、455、469、472、477、481、492、495、496、504、509、510、512、515、517、518、522、525、526、528、535、536、538、540、542、547、549、554、556、557、575、576、579、583、585、588、602、605、617、619、640、641、645、647、651、652、662、664、665、667、672、687、699、701、703、740、743、744、745、755、760、761、777、779、784、789、796、797、799、808、810、811、812、817、819、820、832、835、836、838、845、846、847、848、851、858、875、880、882、883、888、889、891、899、900、901、902、903、904、909、918、921、931、940、956、958、960、971、977、981、983、986、987、994、995、1001、1002、1004、1005、1011、1017、1018、1019、1030、1039、1040、1041、1051、1052、1054、1055、1058、1061、1069、1071、1074、1076、1079、1081、1084、1088、1098、1110、1112、1115、1118、1119、1122、1127、1128、1133、1134、1141およびこれらの混合物からなる群から選択され;前記材料は、表1の材料1、2、3、4、7、9、10、11、13、14、16、17、18、21、22、23、25、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、42、43、47、48、49、50、52、57、61、62、63、64、65、67、68、69、70、71、74、75、76、77、78、79、80、82、83、85、91、92、93、98、100、101、102、103、104、105、106、108、109、110、112、113、114、117、119、120、122、123、126、128、130、134、135、137、140、141、142、143、145、146、148、149、152、153、155、156、158、159、161、162、167、168、170、174、175、176、177、178、179、182、183、184、185、186、187、189、190、192、193、195、196、197、199、206、208、209、210、211、212、215、218、221、227、228、229、230、231、233、234、238、242、243、244、246、247、249、252、253、254、256、259、260、261、263、267、269、271、274、276、277、278、280、281、285、286、288、289、290、292、293、294、295、296、300、301、303、307、316、317、318、321、322、323、324、325、328、329、330、331、332、333、334、335、336、338、339、342、343、344、347、349、350、352、353、356、358、359、360、361、362、363、364、368、369、370、371、372、373、374、375、377、378、381、385、386、388、390、391、394、397、398、407、413、414、415、416、417、418、421、424、425、426、428、429、432、436、441、444、445、449、450、453、457、459、461、462、463、464、465、466、467、468、470、471、473、474、475、478、479、480、482、484、485、486、487、488、491、493、497、498、501、502、503、505、519、520、521、524、527、529、530、531、532、534、537、541、544、546、548、550、551、552、553、555、558、559、560、561、562、563、565、566、567、568、569、570、571、572、573、574、577、578、580、581、582、584、586、587、589、591、592、594、595、599、600、601、603、604、606、607、608、609、610、611、612、613、614、615、616、618、620、621、624、625、626、627、628、631、632、633、635、636、638、639、644、649、650、653、655、658、659、660、
661、663、668、671、673、674、675、676、677、678、679、680、681、682、683、684、686、691、692、693、694、696、697、698、700、702、704、706、707、708、709、710、711、712、713、714、715、716、717、718、719、720、721、722、723、724、725、726、727、730、731、733、735、736、738、741、742、746、748、750、752、754、757、758、763、764、766、767、768、769、770、771、772、774、775、776、778、781、782、786、788、791、792、800、802、803、804、805、806、807、814、821、824、826、827、828、829、831、833、834、837、839、840、849、850、852、856、864、865、866、868、869、870、871、872、873、876、877、878、879、881、884、885、886、890、892、893、894、897、905、908、912、913、914、916、919、920、922、923、924、925、926、927、928、929、930、933、937、939、941、942、943、945、946、947、948、950、951、953、954、955、959、962、965、967、969、973、974、976、978、980、982、985、988、993、998、1000、1003、1006、1007、1008、1009、1010、1012、1016、1020、1021、1022、1023、1024、1025、1026、1027、1028、1029、1031、1032、1033、1035、1036、1037、1038、1042、1043、1045、1046、1047、1053、1057、1059、1060、1062、1063、1064、1065、1066、1067、1070、1072、1073、1075、1077、1078、1082、1083、1085、1089、1090、1091、1093、1095、1097、1099、1102、1104、1105、1107、1111、1113、1116、1117、1120、1121、1125、1126、1129、1131、1135、1136、1137、1138、1139、1140、1142、1143、1144、1145、1146、1147、1148、1149、表2の材料2、23、141、185、227、230、246、248、343、359、565、631、659、674、678、679、715、758、1028、1097およびこれらの混合物からなる群から選択され、さらに好ましくは、前記材料は、表4の材料7、14、39、48、183、199、206、212、215、229、260、261、281、329、335、353、360、441、484、487、488、501、566、567、569、570、573、574、603、616、621、624、627、632、663、680、684、694、696、708、712、714、726、750、764、775、776、788、804、872、919、927、933、978、1007、1022、1024、1027、1029、1035、1038、1060、1089、1107、1129、1131、1136、1137、1140、1142、1143、1144、1145、1148、1149、表5の材料248からなる群から選択され、最も好ましくは、前記材料は、表4の材料261、680、788、1129、1148、1149およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0070】
前記清浄組成物の一態様において、前記清浄組成物は、3以下のlog P、好ましくは、0.1~3のlog Pを有する1つ以上の悪臭低減材料を含む悪臭低減材料を含み、好ましくは、前記1つ以上の悪臭低減材料は、表1の材料4;16;17;34;37;42;43;61;65;70;82;98;106;108;110;112;113;117;126;130;141;143;146;155;156;167;168;170;179;187;190;193;199;218;247;249;254;256;259;278;281;286;288;321;323;332;350;353;373;374;375;377;394;407;417;425;436;445;450;464;474;485;493;527;530;531;546;551;553;555;580;581;586;587;595;612;636;638;639;649;655;658;730;733;736;738;742;748;767;768;792;803;807;824;829;833;834;864;897;923;928;929;937;946;955;962;974;976;982;993;1012;1020;1021;1026;1036;1037;1059;1064;1066;1072;1083;1085;1111;1117;1125;1139;1146;194;2;141;204;3;228;26;34;37;43;53;65;70;73;82;84;96;97;98;106;107;108;110;115;116;125;126;143;146;163;166;169;187;194;198;201;205;213;214;239;254;255;256;258;282;284;286;288;314;323;365;366;374;375;376;379;400;407;417;419;439;442;443;474;485;491;492;526;528;538;542;549;554;555;556;576;579;585;588;617;636;638;640;647;651;664;665;699;701;730;740;742;743;760;761;777;784;789;792;796;797;805;807;810;811;812;817;832;833;845;846;851;858;865;882;883;902;918;921;931;937;946;956;977;981;1002;1004;1020;1026;1036;1039;1040;1041;1071;1079;1084;1091;1098;1110;1111;1112;1119;1122;1133;1139;1146;およびこれらの混合物からなる群から選択され、さらに好ましくは、前記悪臭低減材料は、表1の材料4;16;17;34;37;42;43;61;65;70;98;106;108;110;112;113;126;130;141;143;146;155;156;167;168;170;179;187;190;193;199;218;247;249;256;259;278;281;286;288;332;347;350;353;373;374;375;377;394;407;415;417;425;436;445;254;256;258;178;450;464;474;485;491;493;205;228;231;527;530;531;546;551;553;580;581;586;587;595;612;638;639;655;658;668;683;730;733;738;742;767;768;772;786;792;803;824;829;834;864;865;897;923;924;937;946;962;969;974;976;980;982;1020;1021;1027;1036;1037;1042;1059;1064;1083;1085;1091;1111;1117;1125;1139;1146、表2の材料141およびこれらの混合物からなる群から選択され、最も好ましくは、前記悪臭低減材料は、表4の材料199;281;353;627;1027およびこれらの混合物からなる群から選択される。上述のすべての材料は、log Pが3未満であるため、清浄組成物の水相に留まり、これを含む溶液に長く留まり、硬質表面を良好に処理する。上述の材料のなかで、さらに好ましいもの、最も好ましいものは、鍵となるすべての悪臭を中和するのに効果的であるため、特に好ましい。
【0071】
前記清浄組成物の一態様において、悪臭低減材料と前記1つ以上の香料原材料を合わせた合計重量を基準として、10%未満、好ましくは、5%未満、さらに好ましくは、1%未満の前記悪臭低減材料および前記1つ以上の香料原材料が、不飽和アルデヒド部分を含む。
【0072】
前記清浄組成物の一態様において、前記悪臭低減材料は、表1~3の悪臭低減材料302;288;50;157;1017;888;64;1054;832;375;745;504;505;140;1012;498;103;356;908;1127;475;918;687;611;9;141;602;913;1005;521;10;215;335;378;360;565;1136;1129;655;369;914;757;478;889;891;358;973;162;554;522;125;26;418;92;586;1026;218;31;871;829;1066;287;269;769;701;1118;70;946;142;109;108またはこれらの混合物からなる群から選択されない。
【0073】
前記清浄組成物の一態様において、悪臭低減材料と前記1つ以上の香料原材料を合わせた合計重量を基準として、50%未満、好ましくは、25%未満、さらに好ましくは、15%未満の前記悪臭低減材料および前記1つ以上の香料原材料が、log Pが3以上を有し、好ましくは、前記組成物は水を含む。
【0074】
前記清浄組成物の一態様において、前記組成物は、少なくとも12個の炭素原子を含むイソアルカン、四級アミン部分を含む化合物、潤滑剤、さらなる溶媒グリコール、アルコール、シリコーン、防腐剤、抗菌剤、pH調整剤、キャリア、昆虫忌避剤、金属塩、シクロデキストリン、機能性ポリマー、消泡剤、酸化防止剤、酸化剤、キレート化剤およびこれらの混合物からなる群から選択される補助成分を含み、
(a)好ましくは、前記潤滑剤は、炭化水素、さらに好ましくは、2個以上の分岐を含む炭化水素を含む潤滑剤からなる群から選択される材料を含み、
(b)好ましくは、四級アミン部分を含む化合物は、少なくとも10個の炭素原子を含む。
【0075】
出願人の清浄組成物を含むデバイスであって、前記デバイスが、好ましくは、トリガー式噴霧器、手動のエアロゾル噴霧器、自動エアロゾル噴霧器、芯を含有するデバイス、ファンデバイスおよびサーマルドロップオンデマンドデバイスからなる群から選択されるデバイスが開示される。
【0076】
悪臭を制御する方法であって、悪臭を含む場所および/または悪臭を発生しそうな場所と、本明細書に記載する清浄組成物およびその混合物からなる群から選択される生成物とを接触させることを含む方法が開示される。
【0077】
前記方法の一態様において、前記接触させる工程が、前記場所と、十分な量の本明細書に開示される組成物とを接触させ、前記臭気に対し、前記場所の計画された表面積1平方メートルあたり、約0.1ミリグラム(mg)~約10,000mg、好ましくは、約1mg~5,000ng、最も好ましくは、約5mg~約1000mgの前記総量の悪臭低減材料を与えることを含む。一態様において、少ない範囲の悪食低減材料は、多い量よりも良好に機能し、その場所が過剰に濃厚になるのを防ぐ。
【0078】
移動系
カウンタートップ、テーブルおよび床を洗浄するために一般的に用いられるような本発明の組成物を、硬質表面洗浄剤と共に使用してもよい。適切な床洗浄液は、本譲受人によって、WetJetの名称で交換可能な容器に入れて販売される。洗浄溶液は、特に、同一譲受人の米国特許第6,814,088号の教示に従って製造されてもよい。使い捨ての床シートと組み合わせて、容器を、床洗浄設備と共に使用し、床洗浄設備から分注されてもよい。適切なスプレー設備も、本譲受人によって、WetJetの名称で販売される。適切な容器およびそのための備品は、同一譲受人の米国特許第6,386,392号および/または第7,172,099号の教示に従って製造されてもよい。床洗浄設備は、共有されているUS 2013/0319463号の教示に従って、蒸気を分注してもよい。または、再充填可能な容器を利用してもよい。
【0079】
所望な場合、本発明の組成物を、あらかじめ湿らせたシートと共に使用してもよい。洗浄シートをあらかじめ湿らせた場合、好ましくは、目標とする表面(例えば、床)を洗浄する液体であらかじめ湿らせるが、洗浄後のすすぎ操作を必要としない。洗浄シートに、乾燥基材1グラムあたり、少なくとも1、1.5または2グラムの洗浄溶液を乗せてもよいが、典型的には、1グラムあたり5グラム以下であってもよい。同一譲受人のUS 6,716,805号の教示に従って、典型的にはすすぎ操作が存在しないため、洗浄溶液は、ストリーキングを最低限にする界面活性剤(例えば、APG界面活性剤)を含んでいてもよい。
【0080】
Mr.CleanおよびMr.Proper.の名称で本譲受人によって販売されるような、盛り上がった固い表面のために本発明の組成物を使用してもよい。組成物を、当該技術分野でよく知られているように、トリガー噴霧器またはエアロゾル噴霧器から分注してもよい。エアロゾル噴霧器は、噴射剤の圧力を用いて組成物を分注し、一方、トリガー噴霧器は、手動での操作によって組成物を圧送することによって、組成物を分注する。適切なエアロゾル分注器は、バルブに浸漬管または袋を有していてもよく、同一譲受人のUS 2015/0108163号および/またはUS 2011/0303766号に従っていてもよい。適切なトリガー噴霧器は、同一譲受人のUS 8,322,631号に従っていてもよい。
【0081】
補助材料
本発明の目的には必須でないが、以下に例示される補助剤の非限定的なリストは、本発明の組成物に使用するのに適しており、例えば、本発明の特定の態様に望ましく組み込まれ、混合物の相安定性を補助または向上させるために、布地への清浄組成物の移動を補助または向上させるために、生物学的汚染物質による清浄組成物の分解を防ぐために、さらなる利点を付け加えるために、または、香料、着色料、染料などの場合にように、組成物の審美性を変えてもよい。このような追加成分の正確な性質およびそれを組み込む濃度は、組成物の物理形態および使用される作業の性質に依存する。適切な補助材料としては、限定されないが、pH緩衝剤、可溶化助剤、抗菌剤、防腐剤、湿潤剤、溶媒、香料または他の成分が挙げられる。
【0082】
上述の通り、補助成分は、本出願人らの組成物には必須ではない。したがって、出願人の組成物の特定の態様は、以下の補助材料の1つ以上を含まない。pH緩衝剤、可溶化助剤、抗菌剤、防腐剤、湿潤剤、溶媒、香料または他の成分。しかしながら、1つ以上の補助剤が存在する場合、かかる1つ以上の補助剤は、以下に詳述されるように存在することができる。
【0083】
緩衝剤
本発明の清浄組成物は、緩衝剤を含んでいてもよく、緩衝剤は、カルボン酸、またはマレイン酸のようなジカルボン酸、クエン酸またはポリアクリル酸のような多塩基酸であってもよい。この酸は立体的に安定していてもよく、所望のpHを維持するために、本発明の組成物で使用してもよい。緩衝剤は、トリエタノールアミンのような塩基、またはクエン酸ナトリウムのような有機酸塩を含んでいてもよい。本発明の清浄組成物のpHは約3~約8、あるいは約4~約7、あるいは約5~約8、あるいは約6~約8、あるいは約6~約7、あるいは約7、あるいは約6.5であってもよい。
【0084】
クエン酸のようなカルボン酸は、金属イオンキレートとして機能する場合があり、水溶性の低い金属塩を形成することができる。このように、ある実施形態において、清浄組成物は、クエン酸を本質的に含まない。緩衝剤は、アルカリ性、酸性、または中性であってもよい。
【0085】
本発明の清浄組成物用のその他の好適な緩衝剤としては、生物学的緩衝剤が挙げられる。いくつかの例は、窒素含有物質、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)またはN-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)のようなスルホン酸緩衝剤であり、これらのpKaは中性付近の6.2~7.5であり、中性のpHにおいて十分な緩衝力を発揮する。他の例は、リシンのようなアミノ酸、またはモノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンのような低級アルコールアミンである。他の窒素含有緩衝剤は、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン(HOCH2)3CNH3(トリス)、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパノール、グルタミン酸二ナトリウム、N-メチルジエタノールアミド、2-ジメチルアミノ-2-メチルプロパノール(DMAMP)、1,3-ビス(メチルアミン)-シクロヘキサン、1,3-ジアミノ-プロパノールN,N’-テトラ-メチル-1,3-ジアミノ-2-プロパノール、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン(ビシン)、およびN-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(トリシン)である。上記のいずれかの混合物も許容可能である。
【0086】
清浄組成物は、緩衝剤をその組成物の少なくとも約0重量%、あるいは少なくとも約0.001重量%、あるいは少なくとも約0.01重量%含んでもよい。また、本発明の組成物は、緩衝剤をその組成物の約1%以下、あるいは約0.75重量%以下、あるいは約0.5重量%以下含んでもよい。
【0087】
可溶化剤
本発明の清浄組成物は、無色透明の溶液を生成するために、過剰な疎水性有機材料、特に、ある種の本発明の悪臭低減材料、香料材料、さらに、組成物に加えてもよいが、組成物に容易に溶解しない任意成分(例えば、害虫忌避剤、酸化防止剤など)を可溶化するために、可溶化助剤を含んでもよい。好適な可溶化助剤は、非起泡性または低起泡性界面活性剤のような界面活性剤である。好適な界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、およびこれらの混合物である。
【0088】
ある実施形態において、清浄組成物は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびこれらの混合物を含有する。一実施形態において、本発明の清浄組成物は、エトキシル化された硬化ヒマシ油を含む。本組成物中で使用可能な1種類の好適な硬化ヒマシ油は、Basophor(商標)(BASFから入手可能)として販売される。
【0089】
アニオン性界面活性剤および/または洗剤用界面活性剤を含む清浄組成物では、布地が汚れの影響を受けやすくなる場合があり、および/または、溶液が布地から蒸発すると、許容できない目に見える染みが布地上に残る場合がある。一部の実施形態において、清浄組成物は、アニオン性界面活性剤および/または洗剤用界面活性剤を含まない。
【0090】
可溶化剤が存在するとき、可溶化剤は典型的には、清浄組成物の約0.01重量%~約3重量%、あるいは約0.05重量%~約1重量%、あるいは約0.01重量%~約0.05重量%の濃度で存在する。
【0091】
抗菌性化合物
本発明の清浄組成物は、空気中または無生物表面上の微生物を減少させる化合物を有効量含んでもよい。抗菌性化合物は、ヒトの皮膚またはペットと接触した室内表面(カウチ、枕、ペットの寝具およびカーペッ等)の上に典型的に存在するグラム陰性およびグラム陽性の菌および真菌に有効である。このような微生物種は、肺炎杆菌(Klebsiella pneumoniae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、黒カビ(Aspergillus niger)、肺炎杆菌(Klebsiella pneumoniae)、化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)、豚コレラ菌(Salmonella choleraesuis)、大腸菌(Escherichia coli)、毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)を含む。ある実施形態において、抗菌性化合物は、H1-N1、ライノウイルス、RSウイルス、1型ポリオウイルス、ロタウイルス、A型インフルエンザ、1型および2型単純ヘルペス、A型肝炎およびヒトコロナウイルスのようなウイルスにも有効である。
【0092】
本発明の清浄組成物に適した抗菌性化合物は、布地の外観を損傷(例えば、変色、黄変などの着色、脱色)させない任意の有機物質でもあることができる。水溶性抗菌性化合物としては、有機硫黄化合物、ハロゲン化化合物、環状有機窒素化合物、低分子量アルデヒド、四級化合物、デヒドロ酢酸、フェニルおよびフェノキシ化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0093】
一実施形態において、四級化合物が使用される。清浄組成物に使用するのに適した市販の四級化合物の例は、Lonza Corporationから入手可能なBarquat;Lonza CorporationからBardac(登録商標)2250の商品名で販売されるジデシルジメチルアンモニウムクロリドクワットである。
【0094】
抗菌性化合物は、清浄組成物の約500重量ppm~約7000重量ppm、あるいは約1000重量ppm~約5000重量ppm、あるいは約1000重量ppm~約3000重量ppm、あるいは約1400重量ppm~約2500重量ppmの量で存在してもよい。
【0095】
防腐剤
本発明の清浄組成物は防腐剤を含んでもよい。防腐剤は、本発明中に、所定期間にわたって腐敗を防ぐか、または、不注意にも入り込んでしまった微生物の増殖を防ぐのに十分であるが、清浄組成物の臭気中和性能に寄与するのに十分ではない量で含まれる。換言すれば、防腐剤は、微生物によって生じる臭気を消す目的で組成物を堆積させる表面上の微生物を殺す抗菌性化合物として使用されているのではない。むしろ、清浄組成物の貯蔵寿命を長くする目的で、清浄組成物の腐敗を防ぐために防腐剤が用いられる。
【0096】
防腐剤は、布地の外観に損傷(例えば変色、着色、脱色)を生じさせない任意の有機防腐剤の物質であってもよい。好適な水溶性防腐剤としては、有機硫黄化合物、ハロゲン化化合物、環状有機窒素化合物、低分子量アルデヒド、パラベン、プロパンジオール物質、イソチアゾリノン、四級化合物、ベンゾエート、低分子量アルコール、デヒドロ酢酸、フェニルおよびフェノキシ化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0097】
本発明で使用するための市販の水溶性防腐剤の非限定的な例とは、Rohm and Haas Co.によってKathon(登録商標)CGの商品名で1.5%水溶液として入手可能な防腐剤である、約77%の5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンと約23%の2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンの混合物;HenkelからBronidox L(登録商標)の商品名で入手可能な5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン;InolexからBronopol(登録商標)の商品名で入手可能な2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール;クロロヘキシジンおよび例えば、酢酸およびジグルコン酸を用いたその塩として一般的に知られる、1,1’-ヘキサメチレンビス(5-(p-クロロフェニル)ビグアニド;LonzaからGlydant Plus(登録商標)の名称で入手可能な、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオンと3-ブチル-2-ヨードプロピニルカルバメートの95:5混合物;Sutton Laboratories,Inc.からGermall(登録商標)の商品名で入手可能であり、ジアゾリジニルウレアとして一般的に知られる、N-[1,3-ビス(ヒドロキシメチル)2,5-ジオキソ-4-イミダゾリジニル]-N,N’-ビス(ヒドロキシ-メチル)ウレア;イミダゾリジニルウレアとして一般的に知られる、例えば、Abiol(登録商標)の商品名で3V-Sigmaから、Unicide U-13(登録商標)の商品名でInduchemから、Germall 115(登録商標)の商品名でSutton Laboratories,Inc.から入手可能なN,N”-メチレンビス{N’-[1-(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソ-4-イミダゾリジニル]ウレア};Nuosept(登録商標)Cの商品名でHuels Americaから入手可能なポリメトキシ二環オキサゾリジン;ホルムアルデヒド;グルタルアルデヒド;Cosmocil CQ(登録商標)の商品名でICI Americas,Inc.から入手可能であるか、またはMikrokill(登録商標)の商品名でBrooks,Incから入手可能なポリアミノプロピルビグアニドデヒドロ酢酸;およびKoraloneTMB-119の商品名でRohm and Hass Corporationから入手可能なベンズイソチアゾリノンが挙げられる。
【0098】
防腐剤の好適な濃度は、清浄組成物の約0.0001重量%~約0.5重量%、あるいは約0.0002重量%~約0.2重量%、あるいは約0.0003重量%~約0.1重量%である。
【0099】
本発明の清浄組成物は、ポリエステルおよびナイロンのような疎水性表面上に、清浄組成物が容易かつより均一に広がるような低い表面張力を与える湿潤剤を含んでもよい。本発明の水溶液は、このような湿潤剤がないと、十分には広がらないことがわかっている。本組成物によって処理した物質をユーザーがすぐに使える状態にできるように、組成物が広がることによって、組成物がより速く乾く。さらに、湿潤剤を含有する組成物は、改良された悪臭中和のために、疎水性の油性汚れによりよく浸透するだろう。湿潤剤を含有する組成物は、「衣服着用中」の静電気制御性を向上させることもできる。濃縮組成物では、湿潤剤は、濃縮水性組成物中の抗菌性活性物質および香料のような多くの活性物質の分散を促す。
【0100】
湿潤剤の非限定的な例としては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーが挙げられる。好適なブロックポリオキシエチレン-ポリプロピレンポリマー界面活性剤としては、初期の反応性水素化合物として、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパンおよびエチレンジアミンに基づくものが挙げられる。初期化合物とC12~18脂肪族アルコールなどの単一の反応性水素原子との連続したエトキシル化およびプロポキシル化によって作られるポリマー化合物は、一般に、シクロデキストリンと相溶性ではない。BASF-Wyandotte Corp.(ワイアンドット、ミシガン)によってPluronic(登録商標)およびTetronic(登録商標)と命名された特定のブロックポリマー界面活性剤化合物は、容易に入手可能である。
【0101】
この種の湿潤剤の非限定的な例は、米国特許第5,714,137号に記載されており、例えば、Momentive Performance Chemical,Albany,New Yorkから入手可能なSilwet(登録商標)界面活性剤が挙げられる。例示的なSilwet界面活性剤は、以下の通りである。
【0102】
【表9】
およびこれらの混合物。
【0103】
本発明の別の態様において、清浄組成物は、布地を回復させ、例えば、その表面の外観(しわの減少、改良された色外観、改良または回復された布地の形状)を回復させる。布地の外観の回復に役立つ補助成分は、安定で分離しない組成物を生成するのに必要な界面活性剤、乳化剤および溶媒と合わせて、水溶性または混和性の四級アンモニウム界面活性剤および水不溶性油成分から選択される。ある種の非限定的な好ましい乳化剤は、ソルビタンエステル、およびアルキレンオキシドで修飾されたソルビタンエステル、例えば、Tween(登録商標)20ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、分岐型界面活性剤、例えばGuerbetアルコール、またはGuerbetアルコールで修飾されたアルキレンオキシド、例えば、Lutensol(登録商標)XL 70(オキシラン,モノ(2-プロピルヘプチル)エーテルを有するオキシラン,2-メチル-,ポリマー、BASF)である。本発明のこの態様において、湿潤剤を含むことは任意であるが、好ましい。湿潤剤は、組成物を広げるのに役立ち、噴霧中の組成物の起泡を減らすのに役立つ。ある種の好ましい湿潤剤としては、超湿潤剤として当該技術分野で知られる種類の湿潤剤が挙げられる。理論によって束縛されないが、超湿潤剤は、表面に非常に効率よく充填され、きわめて低い平衡表面張力が得られる。このような界面活性剤の非限定的な例としては、Surfynol(登録商標)465およびSurfynol(登録商標)104PG 50(Dow Chemicals)のようなSurfynols(登録商標)が挙げられる。
【0104】
水溶性または混和性の四級アンモニウム界面活性剤:
典型的には、本発明の組成物に含まれる最低濃度の水溶性クアットは、組成物の合計重量を基準として、少なくとも約0.01重量%、好ましくは、少なくとも約0.05重量%、さらに好ましくは、少なくとも約0.1重量%、さらになお好ましくは、少なくとも約0.2重量%である。典型的には、組成物に含まれる最大濃度の水溶性四級剤は、組成物の合計重量を基準として、約20%まで、好ましくは、約10%未満、さらに好ましくは、約3%未満である。典型的には、水溶性四級剤は、組成物中に約0.2%~約1.0%の量で存在する。
【0105】
具体的には、好ましい水溶性四級化合物は、ジアルキル四級界面活性剤化合物である。適切な四級界面活性剤としては、限定されないが、下式を有する四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、
【0106】
【化1】
式中、R1およびR2は、独立して、C1~C4アルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、ベンジルおよび-(C24O)xHからなる群から選択され、xは、約2~約5の値を有し;Xは、アニオンであり;(1)R3およびR4は、それぞれ、C6~C14アルキルであるか、または(2)R3は、C6~C18アルキルであり、R4は、C1~C10アルキル、C1~C10ヒドロキシアルキル、ベンジルおよび-(C24O)xHからなる群から選択され、xは、2~5の値を有する。本発明において好ましい非対称性四級化合物は、R3およびR4が同一ではなく、好ましくは一方が分枝状で、もう一方が直鎖状の化合物である。
【0107】
非対称性四級化合物の一例は、Xがメチルサルフェートイオンであり、R1およびR2がメチル基であり、R3が、モノ不飽和部が5%未満の水素添加タロー基であり、R4が2-エチルヘキシル基である、ARQUAD HTL8-MSである。ARQUAD HTL8-MSは、オランダのArnhemのAkzo Nobel Chemicalから入手できる。
【0108】
対称性四級化合物の一例は、Xが炭酸塩および重炭酸塩であり、R1およびR2がメチル基であり、R3およびR4がC10アルキル基である、UNIQUAT 22c50である。UNIQUAT 22c50は、北アメリカのLonzaの登録商標であり、アレンデール、ニュージャージーのLonza Incorporatedから入手可能である。
【0109】
適切な水溶性四級化合物の別の例は、Lonzaから入手可能であり、以下の構造を有するN-セチルエチルモルホリニウムエトサルフェートであるBARQUAT CME-35である。
【0110】
【化2】
【0111】
油成分
本発明の油成分は、マイクロエマルションによって組成物に組み込まれる実質的に水不溶性の材料を表す。前記油成分は、非香料原材料であり、非悪臭低減材料である。典型的には、組成物に含まれる油成分の最小濃度は、少なくとも約0.001%、好ましくは、少なくとも約0.005%、さらに好ましくは、少なくとも約0.01%であり、典型的には、油成分の最大濃度は、約5%まで、好ましくは、約3%未満、さらに好ましくは、1.5未満であり;典型的な濃度は、約0.05%~約1%の範囲である。油成分は、単一成分または混合物であってもよく、通常は、ある種の有益剤を組成物に組み込むことを表し、例えば、非限定的な例は、柔軟性またはしわ低減/開放の利益を与える。典型的には、油成分は、置換または非置換の炭化水素などを含む。噴霧製品のために、組成物への組み込みを容易にし、乾燥したときにノズルが詰まる可能性を減らすために、油成分または混合物が室温で液体であることが好ましい。
【0112】
本発明の油成分は、実質的に水不溶性であり、マイクロエマルションを形成する。実質的に水不溶性とは、成分のlog Pが約1より大きいことを意味する。約1のlog Pは、その成分が、水よりもオクタノールに約10倍分配される傾向があることを示す。油混合物中のいくつかの好ましいが、非限定的な構成要素は、分岐した炭化水素であり、香料が使用されるときは、香料である。
【0113】
水性キャリア
本発明の清浄組成物は水性キャリアを含んでもよい。使用される水性キャリアは、蒸留水、脱イオン水または水道水であってもよい。水は、水溶液である組成物に任意の量で存在していてもよい。ある実施形態において、水は、前記清浄組成物の約85%~99.5%、または約90%~約99.5%、または約92%~約99.5%、または約95%の量で存在していてもよい。少量の低分子量一価アルコール(例えば、エタノール、メタノールおよびイソプロパノール)またはポリオール(例えば、エチレングリコールおよびプロピレングリコール)を含有する水も有用な場合がある。しかし、揮発性低分子量一価アルコール(例えば、エタノールおよび/またはイソプロパノール)は、これらの揮発性有機化合物が、燃焼性の問題および環境汚染の問題の両方に寄与し得るため、限定されるべきである。少量の低分子量一価アルコールが、本発明の組成物中に存在する場合、香料およびある種の防腐剤のための安定化剤としてのこれらのアルコールの添加に起因して、一価アルコールの濃度は、清浄組成物の1重量%~約5重量%、または約6重量%未満、または約3重量%未満、または約1重量%未満であってもよい。
【0114】
他の成分
また清浄組成物は、快楽効果を供給するだけの(すなわち、悪臭を中和しないが、快い香りは供給する)香料原材料を含んでもよい。適切な香料は、米国特許第6,248,135号に開示され、その全体が参考として本明細書に組み込まれる。例えば、清浄組成物は、悪臭を中和するための揮発性アルデヒドと快楽をもたらす香料アルデヒドの混合物を含んでよい。
【0115】
本発明の清浄組成物に悪臭制御成分中の揮発性アルデヒド以外の香料が配合される場合、香料と悪臭制御成分中の揮発性アルデヒドの総量は、清浄組成物の約0.015重量%~約1重量%、あるいは約0.01重量%~約0.5重量%、あるいは約0.015重量%~約0.3重量%であってよい。
【0116】
清浄組成物はさらに希釈剤を含んでもよい。例示的な希釈剤としては、ジプロピレングリコールメチルエーテルおよび3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノールおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0117】
場合により、既知の目的のために、本発明の清浄組成物に補助剤を加えてもよい。このような補助剤としては、限定されないが、亜鉛塩、銅塩およびこれらの混合物を含む水溶性金属塩;静電防止剤;昆虫および蛾の忌避剤;着色剤;酸化防止剤;アロマセラピー剤およびこれらの混合物が挙げられる。
【0118】
清浄組成物は、本発明の悪臭低減組成物に加え、他の悪臭低減技術を含んでいてもよい。限定されないが、アミン官能性ポリマー、金属イオン、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、ポリオール、酸化剤、活性炭およびこれらの組み合わせが挙げられるだろう。
【0119】
香料移動技術
本発明の組成物は、処理された基材からの香料成分の堆積および放出を安定化し、高める1つ以上の香料移動技術を含んでいてもよい。このような香料移動技術を使用し、処理された基材から香料が放出する寿命を長くすることもできる。香料移動技術、特定の香料移動技術を製造する方法、およびこの種の香料移動技術の使用は、米国特許出願公開第2007/0275866(A1)号に開示されている。
【0120】
一態様において、本発明の組成物は、約0.001%~約20%、または約0.01%~約10%、または約0.05%~約5%、またはさらに、約0.1%~約0.5%の香料移動技術を含んでいてもよい。一態様において、前記香料移動技術は、香料マイクロカプセル、プロ香料、ポリマー粒子、官能基化されたシリコーン、ポリマー支援型移動、分子支援型移動、繊維支援型移動、アミン支援型移動、シクロデキストリン、デンプンに包まれたアコード(accord)、ゼオライトおよび無機キャリア、およびこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0121】
一態様において、前記香料移動技術は、有益剤を壁材料で少なくとも部分的に包み込むことによって作られる香料マイクロカプセルを含んでいてもよい。前記有益剤は、3-(4-t-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール、3-(4-t-ブチルフェニル)-プロパナール、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-2-メチルプロパナール、および2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、β-ダマセノン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、メチル-7,3-ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3-オン、2-[2-(4-メチル-3-シクロヘキセニル-1-イル)プロピル]シクロペンタン-2-オン、2-sec-ブチルシクロヘキサノン、およびβ-ジヒドロイオノン、リナロール、エチルリナロール、テトラヒドロリナロール、およびジヒドロミルセノールのような香料からなる群から選択される材料を含んでいてもよい。好適な香料材料は、Givaudan Corp.(Mount Olive,New Jersey,USA)、International Flavors & Fragrances Corp.(South Brunswick,New Jersey,USA)、またはQuest Corp.(Naarden,Netherlands)から入手することができる。一態様において、マイクロカプセルの壁材料は、メラミン、ポリアクリルアミド、シリコーン、シリカ、ポリスチレン、ポリウレア、ポリウレタン、ポリアクリレート系材料、ゼラチン、スチレン無水リンゴ酸、ポリアミド、およびこれらの混合物を含んでいてもよい。一態様において、前記メラミン壁材料は、ホルムアルデヒドで架橋したメラミン、ホルムアルデヒドで架橋したメラミン-ジメトキシエタノール、およびこれらの混合物を含んでいてもよい。一態様において、前記ポリスチレン壁材料は、ジビニルベンゼンで架橋したポリスチレンを含んでいてもよい。一態様において、前記ポリウレア壁材料は、ホルムアミドで架橋した尿素、グルタルアルデヒドで架橋した尿素、およびこれらの混合物を含んでいてもよい。一態様において、上記ポリアクリレート系材料は、メチルメタクリレート/ジメチルアミノメチルメタクリレートから形成されたポリアクリレート、アミンアクリレートおよび/またはメタクリレートと強酸とから形成されたポリアクリレート、カルボン酸アクリレートおよび/またはメタクリレートモノマーと強塩基とから形成されたポリアクリレート、アミンアクリレートおよび/またはメタクリレートモノマーとカルボン酸アクリレートおよび/またはカルボン酸メタクリレートモノマーとから形成されたポリアクリレート、およびこれらの混合物を含んでいてもよい。一態様において、香料マイクロカプセルは、堆積助剤、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、またはこれらの混合物でコーティングされていてもよい。好適なコーティングは、ポリビニルホルムアルデヒド、部分ヒドロキシル化ポリビニル、ホルムアルデヒド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。一態様において、マイクロカプセルは、香料マイクロカプセルを含んでもよい。一態様において、1種類以上のマイクロカプセル(例えば、異なる有益剤を含む2種類のマイクロカプセル)を使用してもよい。
【0122】
一態様において、前記香料送達技術は、アミン反応製品(ARP)またはチオ反応製品を含んでいてもよい。アミン官能基および/またはチオ官能基が1つ以上のPRMと予備反応して反応生成物を生成することから、「反応性」ポリマー性アミンまたはポリマーチオールという呼び方をすることもできる。典型的には、反応性アミンは、一級および/または二級アミンであり、ポリマーの一部であってもモノマー(非ポリマー)であってもよい。また、このようなARPは、さらなるPRMと混合されてポリマー支援型送達効果および/またはアミン支援型送達効果を提供することもできる。ポリマー性アミンの非限定的な例としては、ポリエチレンイミン(PEI)などのポリアルキルイミン、またはポリビニルアミン(PVAm)に基づくポリマーが挙げられる。モノマー(非ポリマー)アミンの非限定的な例としては、ヒドロキシルアミン(例えば、2-アミノエタノール)およびそのアルキル置換誘導体、ならびに香料族アミン(例えば、アントラニレート)が挙げられる。ARPは、香料とあらかじめ混合しておいてもよく、リーブオン用途またはリンスオフ用途では別個に添加してもよい。別の態様において、例えば、酸素、リンまたはセレンなどの窒素および/または硫黄以外のヘテロ原子を含有する物質をアミン化合物の代わりに使用することができる。さらに別の態様では、前述の代替化合物をアミン化合物と併用してもよい。さらなる別の態様では、1つの分子が、アミン部分と、代替ヘテロ原子部分(例えば、チオール、ホスフィン、およびセレノール)のうちの1つ以上とを含有していてよい。その効果としては、香料の送達が向上すること、ならびに香料の放出制御が挙げられる。好適なARPならびにその製造方法は、米国特許出願第2005/0003980(A1)号および米国特許第6,413,920(B1)号に見ることができる。
【0123】
空気および布地を清浄する送達形態
本発明の組成物を、大気または不活性表面(例えば、布地清浄剤としての布地表面)に揮発性物質を運ぶためのデバイスに使用してもよい。このようなデバイスを、種々の様式で構築してもよい。
【0124】
例えば、このデバイスは、通電された空気清浄機(すなわち、電気、または化学反応によって動く。例えば、触媒燃料系、または太陽電池によって動くなど)として使用するように構成されていてもよい。例示的な通電された空気清浄デバイスとしては、加熱要素、ファンアセンブリなどを含んでいてもよい電力移動補助手段が挙げられる。さらに特定的には、デバイスは、米国特許第7,223,361号に記載される電源プラグ型の空気清浄機;加熱要素および/またはファン要素を備える電池(再充電可能な電池)によって働く空気清浄機であってもよい。通電されたデバイスにおいて、揮発性材料移動エンジンを、揮発性芳香材料を核酸するための電力移動補助手段の近くに配置してもよい。移動補助手段を最適に拡散するために、揮発性芳香材料を配合してもよい。
【0125】
通電されていない空気清浄機として使用するために、デバイスを構成してもよい。例示的な通電されていない空気清浄機は、材料を揮発させ、受動的に(すなわち、通電手段を備えていない)空気に拡散するのを補助するような容器、および場合により、毛細管手段または吸い取り手段、または発散する表面を含む。さらに具体的な例としては、米国特許第8,709,337号および第8,931,711号に開示されるように、揮発性材料を入れるための液体容器を備える移動エンジン、液体容器を閉じ込めるための多孔性膜が挙げられる。
【0126】
デバイスは、従来のトリガー噴霧器および事前の圧縮および/または中の流体のためのバッファー系を有するトリガー噴霧器を含め、エアロゾル-噴霧器またはノナエアロゾル噴霧器として使用するように構成されてもよい。この実施形態では、送達エンジンは、ユーザーの要望時に、または自動的に大気に揮発性材料を送達するプログラムによって、揮発性材料を送達することができる。
【0127】
装置はまた、精製された空気および揮発性材料の両方を大気に送達するために、空気浄化システムと共に使用するために構成されてもよい。非限定的な例には、小さな空間(例えば、寝室、バスルーム、自動車等)、および家全体の集中空調/暖房(例えばHVAC)における使用のために、イオン化および/または濾過技術を使用する空気浄化システムが挙げられる。
【0128】
試験方法
混合物、限定されないが、最終製品(例えば、消費成否に)から悪臭低減材料を分離し、GC-MSおよび/またはNMRを含む分析方法によって同定してもよい。
【0129】
粘度試験方法
直径40mmの平行な鋼鉄板と、500μmのギャップサイズを用い、TA instruments(ニューキャッスル、DE、USA)製のAR 550レオメーター/粘度計を用い、粘度を測定する。20s-1での高い剪断粘度は、対数剪断速度を0.1s-1~25s-1まで21℃で3分間かけて変えることによって得られる。
【0130】
飽和蒸気圧(VP)を決定するための試験方法
試験する芳香混合物中の各PRMについて、飽和蒸気圧(VP)値を計算する。個々のPRMのVPは、Advanced Chemistry Development Inc.(ACD/Labs)(トロント、カナダ)から入手可能なVP Computational Model、バージョン14.02(Linux)を用いて計算され、torrの単位で表される25°でのVP値を与える。ACD/実験室の蒸気圧モデルは、ACD/実験室モデルの装置の一部である。
【0131】
オクタノール/水分配係数の対数(logP)を決定するための試験方法
試験する芳香混合物中の各PRMについて、オクタノール/水の分配係数のlof値(logP)を計算する。個々のPRMのlogP値は、Advanced Chemistry Development Inc.(ACD/Lab)(トロント、カナダ)から入手可能なConsensus logP Computational Model、バージョン14.02(Linux)を用いて計算され、無単位のlogP値が得られる。ACD/LabのConsensus logP Computational Modelは、ACD/実験室モデルの装置の一部である。
【0132】
分子記述子の作成のための試験方法
本明細書に記載するコンピュータによる値試験方法に関与する計算を行うために、必要な最初の情報は、試験する芳香中の各PRMの属性、芳香の割合としての重量%、モル%を含み、芳香組成物中のすべてのPRMが計算に含まれる。さらに、これらのPRMそれぞれについて、本明細書に記載する分子記述子の作成のための試験方法に従って決定されるように、分子構造、種々のコンピュータによって誘導される分子記述子の値も必要である。
【0133】
芳香混合物または組成物中の各PRMについて、その分子構造を使用し、種々の分子記述子を計算する。分子構造は、American Chemical Society(コロンブス、オハイオ、米国)の一部門であるChemical Abstract Service(「CAS」)によって与えられるグラフィック分子構造図によって決定される。これらの分子構造は、各PRMのインデックス名またはCAS番号を探すことによって、CAS Chemical Registry Systemデータベースから得てもよい。PRMについて、その試験がCAS Chemical Registry Systemデータベースにまだ列挙されていない場合には、他のデータベースまたは情報源を使用し、その構造を決定してもよい。潜在的に1つより多い異性体が存在するPRMの場合、分子記述子の計算は、PRMを表すように選択される異性体の1つの分子構造を用いて行われる。異性体の選択は、異性体の分子構造の相対的な伸長量によって決定される。この異性体は、所与のPRMのすべての異性体の中で、PRMを表すために選択される最も関係がある異性体である。PRMの他の潜在的な異性体の構造は、この計算から除外される。最も関係がある異性体の分子構造を、PRMの濃度と組み合わせ、この濃度は、存在するPRMのすべての異性体の存在を反映している。
【0134】
分子エディターまたは分子スケッチングソフトウエアプログラム、例えば、ChemDraw(CambridgeSoft/PerkinElmer Inc.,Waltham,Massachusetts,U.S.A.)を使用し、各PRMを表す二次元分子構造を複製する。分子構造は、接続していないフラグメント(例えば、対イオンを含まない単一構造)を有する中性種として表されるべきである(四級窒素原子は許容される)。以下に記載するwinMolconnプログラムは、適切な数の水素原子を加えることによって、脱プロトン化された官能基を中性形態に変換することができ、対イオンを捨てるだろう。
【0135】
各PRMの場合、分子スケッチングソフトウエアを使用し、PRMの分子構造を記述するファイルを作成する。その後、各PRMの種々の分子記述子を誘導するために、PRMの分子構造を記述するファイルは、コンピュータソフトウエアプログラムwinMolconn、バージョン1.0.1.3(Hall Associates Consulting,Quincy,Massachusetts,U.S.A.、www.molconn.com)に伝達される。このように、winMolconnソフトウエアプログラムは、許容範囲の選択しである構造の記述方法とファイルフォーマットを示す。これらの選択肢としては、MACCS SDFフォーマット化されたファイル(すなわち、Structure-Data File);またはSimplified Molecular Input Line Entry Specification(すなわち、SMILESストリング構造ラインの記述法)のいずれかが挙げられ、単純なテキストファイルに、「.smi」または「.txt」の拡張子と共に一般的に使用される。SDFファイルは、マルチラインレコードのフォーマットでそれぞれの分子構造を表し、一方、SMILES構造のためのsyntaxは、白いスペースが存在しない単一のテキスト列である。SMILESストリングの後の同じ列に構造名または識別子を加え、空間によって分割することによって、SMILESストリングに構造名または識別子を加えてもよい(例えば、C1=CC=CC=C1ベンゼン)。
【0136】
winMolconnソフトウエアプログラムを使用し、各PRMについて多くの分子記述子を作成し、次いで、これを表のフォーマットで出力する。その後、winMolconnによって誘導される具体的な分子識別子を、各PRMについて、飽和蒸気圧(VP);沸点(BP);オクタノール/水分配係数の対数(logP);臭気検出閾値(ODT);悪臭低減値(MORV);および/または普遍的な悪臭低減値(Universal MORV)のような値を計算するために、種々のコンピュータモデル試験方法のために入力として(すなわち、数式の変数項として)使用する。このモデルの試験法の計算に使用される分子記述子のラベルは、winMolconnプログラムによって報告されるのと同じラベルであり、その記載および定義は、winMolconnの書籍に列挙されるだろう。以下は、winMolconnソフトウエアプログラムをどのように実行し、組成物中の各PRMの必要な分子構造記述子を作成するのかについての一般的な記載である。
【0137】
winMolconnを用いた分子構造記述子の計算。
(1)MACCS Structure-Data File(SDFファイルまたはSMILESファイルとも呼ばれる)の形態で、1つ以上の芳香成分の分子構造をアセンブリングする。
(2)バージョン1.0.1.3のwinMolconnプログラムを用い、適切なコンピュータで実施し、上述のSDFファイルまたはSMILESファイルを入力として用い、このプログラムから入手可能な分子記述子全体を計算する。
a.winMolconnの出力は、ASCIIテキストファイルの形態であり、典型的には、スペース区切りされており、入力ファイルのそれぞれの構造について、第1の列に構造識別子を含み、残りの列にそれぞれの分子記述子を含んでいる。
(3)スプレッドシートソフトウエアプログラムまたはある種の他の適切な技術を用い、テキストファイルを列に分ける。分子記述子のラベルは、得られた表の第1列にみつかる。
(4)分子記述子のラベルによって特定され、それぞれのモデルに必要な入力に対応する記述子の列を発見し、抽出する。
a.winMolconn分子記述子のラベルは、ケースセンシティブであることを注記しておく。
【0138】
MORVおよびUniversal MORVの計算
1.)入力分子記述子の値は、以下の4つの式において、上の方法によって決定されるような値である。
a)MORV=-8.5096+2.8597×(dxp9)+1.1253×(knotpv)-0.34484×(e1C2O2)-0.00046231×(idw)+3.3509×(idcbar)+0.11158×(n2pag22)
b)MORV=-5.2917+2.1741×(dxvp5)-2.6595×(dxvp8)+0.45297×(e1C2C2d)-0.6202×(c1C2O2)+1.3542×(CdCH2)+0.68105×(CaasC)+1.7129×(idcbar)
c)MORV=-0.0035+0.8028×(SHCsatu)+2.1673×(xvp7)-1.3507×(c1C1C3d)+0.61496×(c1C1O2)+0.00403×(idc)-0.23286×(nd2)
d)MORV=-0.9926 - 0.03882×(SdO) + 0.1869×(Ssp3OH)+2.1847×(xp7)+0.34344×(e1C3O2)-0.45767×(c1C2C3)+0.7684×(CKetone)
式(a)は、悪臭であるトランス-3-メチル-2-ヘキセン酸(カルボン酸系の悪臭)を減らすことにおける材料の有効性に関係する。
式(b)は、悪臭であるトリメチルアミン(アミン系の悪臭)を減らすことにおける材料の有効性に関係する。
式(c)は、悪臭である3-メルカプト-3-メチルヘキサン-1-オール(チオール系の悪臭)を減らすことにおける材料の有効性に関係する。
式(d)は、悪臭であるスカトール(インドール系の悪臭)を減らすことにおける材料の有効性に関係する。
2.)本明細書の目的のために、材料のMORVは、式(1)(a)~(1)(d)からの最も高いMORV値である。
3.)上の式(1)(a)~(1)(d)からのすべてのMORV値が0.5より大きい場合、その材料は、Universal MORVを有する。
【0139】
悪臭低減化合物にFragrance Fidelity Index(FFI)およびBlocker Index(BI)を割り当てるための方法
本発明の消費製品で使用するのに適したブロッカー材料は、香りの検知を妨害せずに悪臭を減らすという能力について選択される。材料の選択は、臭気の強さをランク付けするための2つの参照スケールから試験サンプル材料に2つの指数を割り当てることによって行われる。この2つの参照スケールは、Fragrance Fidelity Index(FFI)スケールとBlocker Index(BI)スケールである。FFIは、試験サンプル材料が、別の香料と合わせたときに緩衝し得る検知可能な臭気を付与する能力をランク分けしており、BIは、試験サンプル材料が悪臭の検知を減らす能力をランク分けしている。FFIおよびBIの参照スケールについて、試験サンプルに指数を割り当てるための2つの方法を以下に与える。
【0140】
試験サンプルにFFIを割り当てるための方法
FFI参照スケールについて、試験サンプルにFFIを割り当てるための方法の第1の工程は、FFI参照見本を作成することである。このスケールのための見本は、きれいな布地見本を既知の量の既知の濃度のエチルバニリン溶液で処理することによって作られる。この試験のための布地見本は、EMCからPC50/50として注文される白いポリコットン編み地(10センチメートル×10センチメートル(4インチ×4インチ))の見本である。供給業者は、最初に見本を作成するように指示され、この作成は、香料を含まない洗剤で2回洗浄し、3回すすぐことを含む。
【0141】
FFI参照見本の製造
50%/50% EtOH/水を、25ppm、120ppm、1000ppmの濃度で希釈剤として用い、エチルバニリンの3種類の溶液を製造する。3種類の溶液13μLをそれぞれピペットできれいな見本の中央に置き、見本の中央部に直径約1cmの溶液を得た。これにより、見本にピペットで置かれた溶液の濃度に基づき、3種類の異なる臭気レベルの官能スケールを作成する。換気フードの中で30分間乾燥させた後、見本をアルミホイル箔で包み、処理した見本に臭気が混入するのを防ぐ。きれいな未処理の見本も、FFIスケールの臭気強度について、最も低い参照固定点として含まれる。FFI参照スケール見本は、0.5~12時間以内に使用し、12時間後には廃棄すべきである。グレーダーが試験サンプルを評価するとき、見本をスケール固定点として使用し、表7に示されるようなFragrance Fidelity Index(FFI)を割り当てる。
【0142】
少なくとも4の香気判定者/専門的なグレーダーを使用し、FFIスケールにおいて、エチルバニリン見本をランク分けする。香気判定者/専門的なグレーダーは、スケールに対する十分な識別能力を示すことが必要である。香気判定者/専門的なグレーダーは、0~3のスケールに従って、見本をランク分けする。表7に示されるように、パネルは、見本間に統計的な差を示さなければならない。
【0143】
【表10】
【0144】
専門的なグレーダーは、4つの見本のうち、2.5の全範囲で、許容範囲で識別しなければならない。表1のグレーダー2は、わずか2の範囲しかないため、パネルから除外する。専門的なグレーダーのパネルは、スケールの中で見本を統計学的に識別する能力も示さなければならない。
【0145】
【表11】
【0146】
参照見本は、FFI参照スケールについて、0、1、2および3のFFIを表す(表9)。専門的なグレーダーは、それぞれ、0(最も低い臭気強度)から開始し、3(最も高い臭気強度)で終わるように臭いをかぐことによって、FFI参照見本の臭気の強度を自分で習得すべきである。試験サンプル材料によって見本が処理される前に、この作業を行うべきである。
【0147】
【表12】
【0148】
試験材料で処理された見本の製造
きれいな見本を13μLの既知の濃度の試験サンプル材料で処理し、きれいな見本の上に約1cmの溶液を得る。参照見本と同様に、試験サンプル材料見本を換気フードの中で30分間乾燥させ、次いで、汚染を防ぐためにアルミニウム箔で包む。試験材料見本およびFFI参照見本は、互いに2時間以内に製造すべきである。試験材料見本は、0.5~12時間以内に使用し、12時間後には廃棄しなければならない。
【0149】
試験材料へのFFIの割り当て
少なくとも2の香気判定者/専門的なグレーダーを用い、試験サンプルにFFIグレードを割り当てる。香気判定者/専門的なグレーダーは、見本を、鼻の中央部を覆うように鼻から2.5センチメートル(1インチ)の位置に保持し、試験サンプルを布地の上にピペットで置くことによって試験サンプル見本の臭いをかぎ、次いで、FFI参照スケール固定見本を参照として使用し、試験サンプルにFFIグレードを割り当てる。試験サンプル見本に、表9に示されるFFIスケールについて、FFIグレードまたはいくつかの数を割り当てる。試験サンプル材料が、3より大きなグレードに割り当てられる場合、その試験材料は、ブロッカー材料ではなく、または、低い濃度で悪臭ブロッカー機能を有するかどうかを決定するために、材料濃度を下げ、再評価する必要がある。
【0150】
試験サンプルにBIを割り当てるための方法
BI参照スケールについて、試験サンプルにBIを割り当てるための方法の第1の工程は、BI参照見本を作成することである。このスケールのための見本は、きれいな布地見本を既知の量の既知の濃度のイソ吉草酸溶液で処理することによって作られる。この試験のための布地見本は、EMCからPC50/50として注文される白いポリコットン編み地(10センチメートル×10センチメートル(4インチ×4インチ))の見本である。供給業者は、最初に見本を作成するように指示され、この作成は、香料を含まない洗剤で2回洗浄し、3回すすぐことを含む。
【0151】
BI参照見本の製造
50%/50%のEtOH/水を希釈剤として用い、0.08%イソ吉草酸の1種類の溶液を製造する。BIスケールは、悪臭を適用していない1つのきれいな見本を含む。3種類の他の見本は、それぞれ、異なる体積の0.08%イソ吉草酸が適用される。1つのきれいな見本には、2μLの0.08%イソ吉草酸溶液をピペットで置き、次の見本には5μLの0.08%イソ吉草酸溶液をピペットで置き、最後のきれいな見本には、20μLのイソ吉草酸をピペットで置く。これらの溶液は、見本の中央部にピペットで置かれる。これにより、見本にピペットで置かれた0.08%イソ吉草酸溶液の体積に基づき、3種類の異なる臭気レベルの官能スケールを作成する。換気フードの中で30分間乾燥させた後、見本をアルミホイル箔で包み、処理した見本に臭気が混入するのを防ぐ。きれいな未処理の見本も、BIスケールの臭気強度について、最も低い参照固定点として含まれる。BI参照スケール見本は、0.5~12時間以内に使用し、12時間後には廃棄すべきである。グレーダーが試験サンプルを評価するとき、見本をスケール固定点として使用し、表12に示されるようなBlocker Index(BI)を割り当てる。
【0152】
少なくとも4の香気判定者/専門的なグレーダーを使用し、BIスケールにおいて、イソ吉草酸見本をランク分けする。香気判定者/専門的なグレーダーは、スケールに対する十分な識別能力を示すことが必要である。香気判定者/専門的なグレーダーは、0~3のスケールに従って、見本をランク分けする。表10に示されるように、グレーダーのパネルは、見本間に統計的な差を示さなければならない。
【0153】
【表13】
【0154】
専門的なグレーダーは、4つの見本のうち、2.5の全範囲で、許容範囲で識別しなければならない。専門的なグレーダーのパネルは、スケールの中で見本を統計学的に識別する能力も示さなければならない。専門的なグレーダー2は、見本間を識別する能力を示さず、パネルから除外される(表11を参照)。
【0155】
【表14】
【0156】
参照見本は、BI参照スケールについて、0、1、2および3のBIを表す(表12)。専門的なグレーダーは、それぞれ、0(最も低い臭気強度)から開始し、3(最も高い臭気強度)で終わるように臭いをかぐことによって、BI参照見本の臭気の強度を自分で習得すべきである。このことは、試験材料で見本が処理される前に行われるべきである。
【0157】
【表15】
【0158】
悪臭見本を製造し、試験材料で処理
BIを評価するために、試験材料を悪臭のする見本に適用し、試験材料の悪臭をどのようにブロックするかを決定する。悪臭のついた見本は、きれいな見本を20μLの0.08%イソ吉草酸溶液で処理することによって作られる。イソ吉草酸で処理された悪臭のついた見本を換気フード中、30分間乾燥させる。悪臭のついた見本を乾燥させた後、既知の濃度の試験材料溶液(1ppm~100ppm)を、悪臭のついた見本にピペットで置く。試験材料溶液を、イソ吉草酸溶液を適用し、直径約1cmのスポットを作った場所の上から試験材料溶液を適用する。BI参照見本と同様に、イソ吉草酸+試験材料見本を換気フードの中で30分間乾燥させ、次いで、汚染を防ぐためにアルミニウム箔で包む。イソ吉草酸+試験材料の見本およびBI参照見本は、互いに2時間以内に製造すべきである。イソ吉草酸+試験材料見本は、参照見本と同様に1~12時間で塩得しなければならない。BIを決定するために、時には、試験材料を約1~約100ppmのいくつかのレベルで評価する必要がある。
【0159】
試験材料へのBIの割り当て
少なくとも2の香気判定者/専門的なグレーダーを用い、試験サンプルにBIグレードを割り当てる。専門的なグレーダーは、見本を、鼻の中央部を覆うように鼻から2.5センチメートル(1インチ)の位置に保持し、試験サンプルを布地の上にピペットで置くことによってイソ吉草酸/試験材料見本の臭いをかぎ、次いで、BI参照スケール固定見本を参照として使用し、イソ吉草酸/試験材料見本にBIグレードを割り当てる。試験サンプル見本に、表のBIスケールについて、BIグレードまたはいくつかの数を割り当てる。イソ吉草酸+試験材料見本の周囲がBI参照スケールで3より大きい場合には、この材料がブロッカーではなく、ブロッカー機能を達成するために、試験材料の濃度を下げる必要があることを示す。
【0160】
【表16】
【0161】
低い濃度で優れた性能を有する悪臭制御化合物
悪臭制御化合物が、低い濃度で優れた悪臭制御を与えるという好ましい挙動の非限定例を以下にいくつか示す。これらの非限定的なデータは、悪臭がブロックされ、マスキングされているのではないさらなる匹敵するデータを与える。
【0162】
【表17】
【0163】
低い濃度での悪臭低減化合物の再試験
以下の実施例は、悪臭制御化合物が高濃度で臭気ブロッキング(BI>2.5)を示すことができなかった場合に、もっと低い濃度で合格するかどうかを再試験すべきであることを示す。
【0164】
【表18】
【実施例
【0165】
実施例1 悪臭低減化合物を含む組成物
本発明において、嗅覚によって気づくことができるようになる前に、ブレンドは、もっと割合が高い生成物の組成物で有用であるため、ブレンドは、もっと強力な悪臭低減を可能にする。以下は、悪臭低減化合物の非限定例である。
【0166】
【表19】
【0167】
実施例2 悪臭低減化合物を含む組成物
【0168】
【表20】
【0169】
実施例3 悪臭低減組成物
【0170】
【表21】
【0171】
実施例4 悪臭低減組成物
【0172】
【表22】
【0173】
実施例5 悪臭低減組成物
【0174】
【表23】
【0175】
実施例6 悪臭低減組成物
【0176】
【表24】
【0177】
実施例7 悪臭低減組成物
以下の悪臭低減悪臭低減組成物を、列挙した成分を合わせることによって製造する。すべての成分は、全悪臭低減組成物の重量パーセントである。
【0178】
【表25】
【0179】
実施例8 布地噴霧用の液体布地清浄組成物
悪臭低減組成物を含有する、布地清浄組成物として使用するための液体組成物の例
【0180】
【表26】
【0181】
得られる布地用洗浄噴霧製品は、布地表面を処理するために使用したとき、処理された表面の悪臭を減らすのに効果的である。この実施例の組成物について、上述のFFIおよびBIを試験した。結果を以下に示す。
【0182】
【表27】
【0183】
実施例9 布地噴霧組成物
実施例4に示される組成物を利用して、悪臭低減組成物を用いて布地清浄噴霧組成物を調製する。
【0184】
【表28】
【0185】
実施例9の組成物は、悪臭低減組成物に加え、臭気に与える影響が小さな香料を含む。以下に示すデータは、ブロッキング材料を用い、臭気に与える影響が小さいまま維持されている。
【0186】
【表29】
【0187】
本明細書で開示する寸法および値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値およびその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0188】
あらゆる相互参照または関連特許、または関連出願を含む、本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、その文献が本願で開示または特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを認めるものではなく、またはその文献が単独で、あるいは任意のその他の参照文献との任意の組み合わせにおいて、かかる発明のいずれかを参照、教示、示唆または開示することを認めるものでもない。さらに、本文書における用語の任意の意味または定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味または定義と競合する程度に、本文書におけるその用語に与えられた意味または定義が適用されるものとする。
【0189】
以上、本発明の特定の諸実施形態を図示、説明したが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく他の様々な変更および改変を行いうる点は当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更および修正が、添付の特許請求の範囲に網羅されるものとする。