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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/04 20210101AFI20230808BHJP
   F24C 1/00 20060101ALI20230808BHJP
   F24C 7/02 20060101ALI20230808BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
F24C7/04 A
F24C1/00 360A
F24C7/02 320Z
F24C7/02 340G
A47J37/06 361
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019156508
(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公開番号】P2021032545
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】木村 智志
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 紀子
(72)【発明者】
【氏名】樋熊 芳史
(72)【発明者】
【氏名】宮城 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】川口 弘昭
(72)【発明者】
【氏名】三宅 一也
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-150775(JP,A)
【文献】特開2017-072303(JP,A)
【文献】特開2010-210118(JP,A)
【文献】特開2005-274033(JP,A)
【文献】特開2012-229875(JP,A)
【文献】特開平07-158856(JP,A)
【文献】特表2005-525524(JP,A)
【文献】特開2007-327676(JP,A)
【文献】国際公開第2018/042695(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第2003-0095661(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1318874(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/00- 7/10
A47J 37/00-37/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を内部に収容する調理室と、
前記被調理物を加熱する加熱手段と、
前記調理室内に水をミスト状にして噴出するミスト供給手段と、
前記調理室内の温度を検出する庫内温度検出手段と、
前記被調理物を加熱調理するように前記加熱手段および前記ミスト供給手段を制御する加熱調理制御部と、を備え、
前記加熱調理制御部は、前記調理室内の温度が100℃より高い所定の温度に達したときに前記水を噴出するように前記ミスト供給手段を制御し、
前記ミスト供給手段は、前記水をミスト状にするノズルと、当該ノズル内に連通し、前記ミスト状にした水を前記調理室内の空間に向けて噴出する複数のミスト噴出孔と、を有し、
前記ミスト供給手段が1回に噴出する前記水の量の上限は、気化できる上限以下の前記水の量になるように、前記調理室の容量と、前記所定の温度と、前記水の温度とにより決定され、
前記1回で噴出する水の量を、前記水の量の上限を超えない範囲で設定できるように前記加熱調理制御部を構成することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記ミスト噴出孔は、前記ミスト状にした水を前記被調理物に向けて噴出するように構成されることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記加熱調理制御部は、前記ミスト供給手段が前記水を複数回噴出するように制御し、
前記調理室内が前記所定温度に保たれるときに、前記ミスト供給手段が前記水を噴出してから再度噴出するまでの時間が設定できるように前記加熱調理制御部を構成することを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記加熱手段が、前記被調理物を熱風コンベクション加熱するオーブン加熱手段であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過熱水蒸気を使用して被調理物を加熱調理するオーブンレンジなどの加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の加熱調理器では、被調理物となる食品を内部に収容する箱体と、食品を加熱する水蒸気を発生させる水蒸気発生装置と、この水蒸気を加熱する加熱ヒータとを備え、加熱ヒータにより加熱された水蒸気(過熱水蒸気)を噴出孔より食品へ噴出することにより、この食品を加熱調理するものが開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3856788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の加熱調理器では、被調理物への加熱時の減塩・脱油の機能を有することができる。しかし、過熱水蒸気を被調理物に噴出することで加熱調理しているため水分過多で被調理物が水っぽくなってしまっていた。また余分な水分が調理室内に残留するため、ドレインの量が多くなってしまい、水受けや調理室のお手入れが手間であった。その一方で、例えばオーブン加熱で被調理物を加熱調理した場合は加熱過多になってしまって被調理物を焦がさずに焼くことが困難であり、いずれにしても被調理物の本来の美味しさ、特に野菜の本来の美味しさを引き出すことが困難であった。
【0005】
またユーザより、加熱調理器において従来にない魅力ある新メニューが望まれていた。
【0006】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、加熱時の減塩・脱油の機能を有しつつ、被調理物の本来の美味しさを引き出すことができる加熱調理器を提供することを第1の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被調理物を内部に収容する調理室と、前記被調理物を加熱する加熱手段と、前記調理室内に水をミスト状にして噴出するミスト供給手段と、前記調理室内の温度を検出する庫内温度検出手段と、前記被調理物を加熱調理するように前記加熱手段および前記ミスト供給手段を制御する加熱調理制御部と、を備え、前記加熱調理制御部は、前記調理室内の温度が100℃より高い所定の温度に達したときに前記水を噴出するように前記ミスト供給手段を制御し、前記ミスト供給手段は、前記水をミスト状にするノズルと、当該ノズル内に連通し、前記ミスト状にした水を前記調理室内の空間に向けて噴出する複数のミスト噴出孔と、を有し、前記ミスト供給手段が1回に噴出する前記水の量の上限は、気化できる上限以下の前記水の量になるように、前記調理室の容量と、前記所定の温度と、前記水の温度とにより決定され、前記1回で噴出する水の量を、前記水の量の上限を超えない範囲で設定できるように前記加熱調理制御部を構成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
発明によれば、ミスト状の水を瞬時に過熱水蒸気に気化させて、調理室内の被調理物を適度な水分子(過熱水蒸気)で加熱するため、加熱時の減塩・脱油の機能を有することができる。また被調理物を焦がさすに焼くことで、被調理物の本来の美味しさを引き出すことができる。
【0010】
発明によれば、従来のスチームを使った蒸し料理と比較して、水っぽさを低減して美味しく焼くことができる。また使用する水の量を半減できるためにドレインの量を減少させ、ほとんど無くすることができ、水受けや調理室のお手入れを容易にすることができる。そしてオーブン加熱時に少量のミストを供給するように加熱調理制御部がポンプ駆動手段に制御信号を送出することにより、被調理物の加熱時の温度ムラを減少させ、かつ、被調理物の調理時間を短縮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態を示す加熱調理器の外観斜視図である。
図2】同上、扉を開けた時の正面前方から見た図である。
図3】同上、側面から見た縦断面図である。
図4】同上、キャビネットやオーブン後板を外した状態の正面前方から見た図である。
図5】同上、側面から見たマイクロ波発生装置とその周辺の要部縦断面図である。
図6】同上、本体の内部構造を示す概略図である。
図7】(A)同上、ミスト供給装置の構造を示す概略図、および(B)同上、ミスト噴出時の本体の構造を示す概略図である。
図8】同上、主な電気的構成を示すブロック図である。
図9】同上、スチーム調理のメニューを選択したときの本体の動作を示すフローチャートである。
図10】従来と本実施形態で、塩鮭をスチーム加熱するときの調理室内の庫内温度と、調理室内の高温の場所の検出温度および低温の場所の検出温度と、ヒータ駆動手段に入力する電圧との推移をあらわしたタイミングチャート、および加熱後の塩鮭の各部のできあがり温度や仕上がりの結果を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る好ましい実施形態について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。
【0014】
先ず図1図7に基づいて、加熱調理器としてのオーブンレンジの全体構成を説明すると、1は略矩形箱状に構成される本体で、この本体1は、製品となるオーブンレンジの外郭を覆う部材として、金属製のキャビネット2を備えている。また3は、本体1の前面に設けられる開閉自在な扉である。
【0015】
扉3の上部には、縦開きの扉3を開閉するときに手をかける開閉操作用のハンドル4を備えており、扉3の下部には、表示や報知や操作のための操作パネル部5を備えている。操作パネル部5は、調理の設定内容や進行状況などを表示する表示手段6の他に、加熱調理に関する各種の操作入力を可能にする操作手段7が配設される。扉3の内部で操作パネル部5の後側には、図示しないが、表示手段6や操作手段7などの制御を行なうために、操作パネルPC(印刷回路)板が配置される。
【0016】
本体1の下部には、本体1の前面より着脱が可能な給水カセット8と水受け9が各々配設される。給水カセット8は、後述のミスト供給装置43から噴出するミストの供給源として、液体となる水を入れる有底状の容器である。なお給水カセット8に、この水の温度を検出する水温検出手段を設けてもよい。また水受け9は、本体1からの食品カスや水滴、蒸気などを受ける有底状の容器である。
【0017】
本体1の左右側面と上面を形成するキャビネット2は、本体1ひいてはオーブンレンジの底面を形成するオーブン底板11を覆うように、本体1の前面を形成するオーブン前板12と、本体1の後面を形成するオーブン後板13との間に設けられる。また本体1には、加熱調理すべき被調理物Sを内部に収容する調理室14と、調理室14の温度を検出する温度検出素子たるサーミスタ15が設けられる。調理室14の前面はオーブン前板12に達していて、被調理物Sを出し入れするために開口しており、この開口を扉3で開閉する構成となっている。また庫内温度検知手段となるサーミスタ15は、調理室14内部において、扉3の近傍に配設される。
【0018】
調理室14の内面を形成する周壁は、天井壁14aと、底壁14bと、左側壁14cと、右側壁14dと、奥壁14eとからなる。調理室14の奥壁14eは、その中央に吸込み口16を備えており、吸込み口16の周囲には複数の吹出し口17を備えている。また、調理室14の上壁面となるドーム状の天井壁14aに対向して、本体1の上部には、調理室14の上方から被調理物Sを輻射加熱するグリル用の上ヒータ18が設けられ、本体1の底部には、調理室14内に電波であるマイクロ波を供給するために、マグネトロンを含むマイクロ波発生装置19が設けられる。これにより、上ヒータ18への通電に伴う熱放射によって、調理室14内に収容した被調理物Sを上方向からグリル加熱し、またマイクロ波発生装置19への通電動作により、調理室14内に収容した被調理物Sにマイクロ波を放射して、被調理物Sをレンジ加熱する構成となっている。
【0019】
調理室14の左側壁14cと右側壁14dには、調理室14の内部に金属製の角皿21を吊設状態で収納保持するために、左右一対の棚支え22を上下二段に備えている。ここで使用する角皿21は、上面を開口した有底凹状で、その他は無孔に形成される収容部21Aと、収容部21Aの上端より外側水平方向に延設されるフランジ部21Bとにより構成される。またフランジ部21Bには、角皿21を通して熱風の流通を可能にする通気孔21Cが開口形成される。図2では、調理室14の内部で下段の棚支え22に角皿21のフランジ部21Bを載せて、収容部21Aに被調理物Sを載せた状態を示しているが、調理に応じて角皿21を上段の棚支え22にだけ載せたり、2枚の角皿21を上段と下段の棚支え22に各々載せたりしてもよく、角皿21に代えて、焼き網(図示せず)などの別な付属品を収容保持してもよい。また上述したマイクロ波発生装置19によるレンジ加熱では、調理室14の内部に角皿21や焼き網などを入れずに、調理室14の内部で被調理物Sをレンジ加熱の可能な容器(図示せず)に入れて加熱調理することができる。
【0020】
24は、本体1の内部において、調理室14の室外後方から下方にかけて具備されるオーブン加熱用の熱風ユニットである。この熱風ユニット24は、被調理物Sの加熱手段として、奥壁14eに取付けられる凸状のケーシング26と、空気を加熱する熱風ヒータ27と、調理室14内に加熱した空気を送り込んで循環させる熱風ファン28と、熱風ファン28を所定方向に回転させる電動の熱風モータ29と、熱風モータ29からの駆動力を熱風ファン28に伝達する伝達機構30と、により概ね構成される。奥壁14eとケーシング26との間の内部空間として、調理室14の室外後方に形成された加熱室31には、熱風ヒータ27と熱風ファン28がそれぞれ配設される一方で、本体1の内部に形成された調理室14とオーブン底板11との間の下部空間32には、熱風モータ29が配設される。そして、熱風ユニット24全体を後側外方から覆うように、本体1の後部にオーブン後板13が配設される。
【0021】
本実施形態の熱風ファン28は、軸方向に取り入れた空気を、回転時の遠心力によって、軸方向と直角な放射方向に吐き出すいわゆる遠心ファンとして設けられており、管状の熱風ヒータ27は熱風ファン28の放射方向を取り囲んで配置される。発熱部でもある熱風ヒータ27は、例えばシーズヒータ、マイカヒータ、石英管ヒータやハロゲンヒータなどを用いる。前述した吸込み口16や熱風吹出し口17は、調理室14と加熱室31との間を連通する通風部として機能するものである。
【0022】
そして本実施形態では、熱風モータ29への通電に伴い熱風ファン28が回転駆動すると、調理室14の内部から吸込み口16を通して吸引された空気が、熱風ファン28の放射方向に吹出して、通電した熱風ヒータ27により加熱され、熱風吹出し口17を通過して、調理室14内に熱風が供給される。これにより、調理室14の内外で熱風を循環させる経路が形成され、調理室14内の被調理物Sを熱風コンベクション加熱する構成となっている。
【0023】
続いて、被調理物Sを加熱する加熱手段として、マイクロ波加熱手段としてのマイクロ波発生装置19と、その周辺の細部構造について説明する。調理室14の底壁14bは、金属板材34に形成された凹状のアンテナ収納部35の上面開口を、セラミック板などのマイクロ波が透過可能な底板36で覆うことで構成される。マイクロ波が透過不能な金属板材34は、底壁14bの周囲部のみならず、左側壁14cや、右側壁14dや、奥壁14eを一体的に形成するもので、底板36を除く調理室14の内面は、全てマイクロ波が透過不能な材料で形成される。
【0024】
マイクロ波発生装置19は、マイクロ波の供給源となるマグネトロン(図示せず)の他に、本体1内部の下部空間32において、マグネトロンで発振されたマイクロ波をアンテナ収納部35の直下に導く導波管37と、導波管37の下方に配設されるアンテナモータ38と、その下端部が導波管37の内部に配置され、アンテナモータ38の回転軸に取付け固定されるアンテナホルダ39と、アンテナホルダ39内に挿入固定される円柱状のケーブル軸40と、その中心にケーブル軸40の上端部が取付け固定され、アンテナ収納部35の内部で回動可能に設けられるアンテナ41と、により主に構成される。アンテナ収納部35の上面開口を底板36で塞いだ状態では、調理室14の底壁14bを形成する平板状の底板36に対向して、アンテナ41の全体が底板36と平行に配置される。
【0025】
調理室14の左側壁14cには、ミスト供給装置43に連通するミスト噴出孔44が設けられる。調理室14へのミスト供給手段として、本体1の内部に設けられるミスト供給装置43は、供給される液体である水をミスト状にするノズル45と、給水カセット8とノズル45との間に連結する給水管46と、給水カセット8からの水をノズル45に導く給水ポンプ47と、を備え、ノズル45内に連通して複数のミスト噴出孔44を有している。このように構成することで、噴出孔から調理室内に飽和蒸気や過熱蒸気を噴出させる従来の蒸気供給装置と比較して、水Wをスチームにするスチームエンジンを設ける必要がないため、費用の低減をすることができる。
【0026】
図7Aはミスト供給装置43の構造を示す概略図であり、図7Bはミスト噴出時の本体1の構造を示す概略図である。図7Aおよび図7Bを参照して、本実施形態のミスト供給装置43の動作を説明すると、給水カセット8に水Wを収容した状態で給水ポンプ47が駆動されると、給水ポンプ47は、給水管46を用いて給水カセット8内の水を吸い上げてノズル45に送る。給水カセット8から送られた水Wは、ノズル45によりミスト化され、図7Bに示されるように、ミスト噴出孔44から調理室14の内部にミストMが供給される。そのため調理室14内の温度が大気圧でセ氏100℃(以下、温度の値は大気圧でセ氏での温度の値とする)より高い場合は、このミストMが調理室14内で瞬時に気化して過熱水蒸気になることにより、調理室14内に入れられた被調理物Sを適度な水分子(過熱水蒸気)ですばやく、ムラなく加熱する構成となっている。なお、このミストMが調理室14内の被調理物Sに向けて噴出するように構成されてもよい。また本実施形態ではミスト噴出孔44やノズル45が左側壁14cに配設され、ミスト噴出孔44は複数設けられているが、図7Bに示されるように、ミスト噴出孔44やノズル45が調理室14の右側壁14dに配設されてもよく、ミスト噴出孔44も1つだけ設けられているように構成されてもよい。またノズル45を右側壁14dの外側に、例えば赤外線センサーホルダーにより固定するように構成してもよい。
【0027】
図8は、上記オーブンレンジの主な電気的構成を図示したものである。同図において、51はマイクロコンピュータにより構成される制御手段であり、この制御手段51は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、記憶手段としてのメモリや、計時手段としてのタイマや、入出力デバイスなどを備えている。
【0028】
制御手段51の入力ポートには、前述したキーやタッチパネルによる操作手段7の他に、検出素子となる赤外線センサ53Aにスイング機構を装備して構成され、調理室14内全体の温度分布を検出することで、そこに収容された被調理物Sの表面温度を赤外線センサ53Aで検出可能にする被調理物温度検出手段53と、調理室14内の温度を検出するサーミスタ15などの庫内温度検出手段54と、熱風モータ29の回転を検出する熱風モータ回転検出手段55と、扉3の開閉状態を検出する扉開閉検出手段56と、マイクロ波発生装置19を構成するアンテナの原点位置を検出するアンテナ位置検出手段57とが、それぞれ電気的に接続される。
【0029】
制御手段51の出力ポートには、前述した表示手段6の他に、マイクロ波発生装置19のマグネトロンやその駆動手段を含むマイクロ波加熱手段61と、グリル加熱用の上ヒータ18やオーブン加熱用の熱風ヒータ27をそれぞれ通断電させるリレーなどのヒータ駆動手段62と、調理室14内にマイクロ波を放射するアンテナを回転駆動させるためのアンテナ駆動手段63と、熱風モータ29を回転駆動させるための熱風モータ駆動手段64と、ミスト供給装置43の給水ポンプ47を動作させるためのポンプ駆動手段65が、それぞれ電気的に接続される。
【0030】
制御手段51は、操作手段7からの操作信号と、被調理物温度検出手段53や、庫内温度検出手段54や、熱風モータ回転検出手段55や、扉開閉検出手段56や、アンテナ位置検出手段57からの各検出信号を受けて、計時手段からの計時に基づく所定のタイミングで、マイクロ波加熱手段61と、ヒータ駆動手段62と、アンテナ駆動手段63と、熱風モータ駆動手段64と、ポンプ駆動手段65に駆動用の制御信号を出力し、また表示手段6に表示用の制御信号を出力する機能を有する。こうした機能は、記憶媒体としての前記メモリに記録したプログラムを、制御手段51が読み取ることで実現するが、特に本実施形態では、制御手段51を加熱調理制御部67と、表示報知制御部68として機能させるプログラムを備えている。
【0031】
加熱調理制御部67は、主に被調理物Sの加熱調理に係る各部の動作を制御するもので、操作手段7の操作に伴う操作信号を受け取ると、扉開閉検出手段56からの検出信号により、扉3が閉じていると判断した場合に、その操作信号に応じて、マイクロ波加熱手段61や、ヒータ駆動手段62や、アンテナ駆動手段63や、熱風モータ駆動手段64や、ポンプ駆動手段65に制御信号を送出して、調理室14内の被調理物Sに対する加熱調理を制御する。また、様々な加熱調理を実行するための被調理物Sの材料や加熱条件などを含む調理情報として、予め複数の調理メニューが前記メモリに記憶保持されており、加熱調理制御部67は操作手段7に組み込まれたメニュー選択設定手段7Aが適宜操作されると、その中から選択された一乃至複数の調理メニューを、これから加熱調理を行なう特定の調理メニューとして設定し、その調理メニューに従う所定の手順で被調理物Sを自動的に加熱調理する構成となっている。
【0032】
メニュー選択設定手段7Aは、具体的には表示手段6となるLED表示器の表面上に設けられ、LED表示器に表示される複数のメニューの中から特定のメニューを選択可能にするタッチキーと、当該タッチキーの操作により特定のメニューを選択した状態で押動操作されると、その特定のメニューが加熱調理制御部67により設定記憶され、特定のメニューに従う所定の手順で、被調理物Sの加熱調理を開始させるスタートキーと、により構成される。なお、これはあくまでも一例であり、メニュー選択設定手段7Aをどのような構成にするかは特に限定しない。
【0033】
次に上記構成のオーブンレンジについて、その作用を詳しく説明する。予め調理室14内に被調理物Sを入れた状態で、ハンドル4を手で握りながら扉3を閉め、メニュー選択設定手段7Aなどにより特定の調理メニューを選択操作した後に、被調理物Sの加熱調理開始を指示すると、制御手段51のメモリに組み込まれた制御プログラムに従って、選択した調理メニューに対応して生成された制御信号が、制御手段51の出力ポートから所定のタイミングで出力され、被調理物Sが加熱調理される。
【0034】
ここで、例えばオーブン加熱のメニューを選択した場合、加熱調理制御部67は庫内温度検出手段54からの検出信号を受けて、調理室14内が設定した温度に加熱されるように、ヒータ駆動手段62と熱風モータ駆動手段64に各々制御信号を送出し、熱風ヒータ27と熱風モータ29の通断電を制御する。これにより、熱風モータ29に発生した回転力が熱風ファン28に伝達し、熱風ファン28が加熱室31の内部で回転して、その回転速度が熱風モータ回転検出手段55により加熱調理制御部67に取り込まれる。また熱風ファン28の回転により、調理室14から吸込み口16を通して加熱室31に吸込んだ空気を通電した熱風ヒータ27側に送り出し、ここで加熱された空気が吹出し口17を通して調理室14に熱風として供給することで、調理室14内の被調理物Sが熱風コンベクション加熱される。
【0035】
またレンジ調理のメニューを選択した場合、加熱調理制御部67は被調理物温度検出手段53からの検出信号を受けて、被調理物Sが設定した温度に加熱されるように、アンテナ位置検出手段57からの検出信号で、アンテナ41の原点位置を確認しながら、マイクロ波加熱手段61とアンテナ駆動手段63に適切な制御信号をそれぞれ送出する。これにより、マイクロ波発生装置19のマグネトロンやアンテナ41が動作して、回転するアンテナ41の表面から発生したマイクロ波が調理室14内に供給され、調理室14内の被調理物Sが高周波加熱される。
【0036】
さらに、グリル調理のメニューを選択した場合、加熱調理制御部67は庫内温度検出手段54からの検出信号を受けて、調理室14内が設定した温度に加熱されるように、ヒータ駆動手段62により上ヒータ18の通断電を制御し、調理室14内の被調理物Sが上方向からグリル加熱される。
【0037】
ここで、ミスト過熱水蒸気を使った蒸し料理(スチーム調理)のメニューを選択した場合の作用について、図9のフローチャートに基づいて説明する。ステップS0でメニュー選択設定手段7Aによりスチーム調理のメニューを選択操作し、被調理物Sの加熱調理開始を指示するとステップS1に移行する。
【0038】
ステップS1では、制御手段51のタイマが計時を開始するとともに、加熱調理制御部67は庫内温度検出手段54からの検出信号を受けて、調理室14内が設定した温度Tであるセ氏200℃(以下、温度の値はセ氏での温度の値とする)に加熱されるように、ヒータ駆動手段62により上ヒータ18の通断電を制御する。なお本体1に下ヒータが設けられている場合は、加熱調理制御部67は上ヒータ18に加えて、この下ヒータもヒータ駆動手段62により通断電を制御して、調理室14内が設定した温度である200℃に加熱されるように構成してもよい。また本実施形態では上述したグリル加熱により調理室14内の温度を上昇させているが、後述の実施例1に記載するように、上述したオーブン加熱により調理室14内の温度を上昇させてもよい。
【0039】
また次のステップS2において、加熱調理制御部67は調理室14の庫内温度が200℃に達しているかどうかを、庫内温度検出手段54からの検出信号により判断する。調理室14の庫内温度が200℃に達していないと加熱調理制御部67が判断した場合(ステップS2で「No」)、ステップS1に移行して加熱調理制御部67は調理室14内が200℃に加熱されるように、ヒータ駆動手段62により上ヒータ18の通断電を制御する。その一方で、調理室14の庫内温度が200℃に達していると加熱調理制御部67が判断した場合(ステップS2で「Yes」)、ステップS3に移行する。
【0040】
ステップS3では、加熱調理制御部67はポンプ駆動手段65に制御信号を送出し、ミスト供給装置43に組み込まれた給水ポンプ47の動作を制御する。これにより、ミスト噴出孔44から調理室14の内部に水Wを噴出してミストMを供給している。調理室14の内部にミストMが供給されると、調理室14内が200℃に加熱されているためにミストMを瞬時に過熱水蒸気に気化する。また、このとき気化しなかったミストMも、調理室14のいずれかの壁14a~14eに接触することで蒸発し、過熱水蒸気に気化する。これにより、調理室14内の被調理物Sが適度な水分子(過熱水蒸気)ですばやく、ムラなく加熱される。
【0041】
このとき1回で噴出される水Wの量は、以下のように計算される。ここで、水1gが蒸発して気体になるのに必要な熱量が2.256kJ、水1gの温度を1℃高めるのに必要な熱量が4.186J/(g・K)、水を蒸発させる環境である空気湿度100%の比熱が1.030kJ/kg・K、1m中の空気の密度が1.293kg/mとする。
【0042】
本体1の庫内である調理室14の容量Vが26リットル、スチーム調理のメニューで設定した温度Tが200℃、水Wの温度が20℃である場合、1m中の空気を1℃上昇させるのに必要なエネルギーは(1)の式で与えられる。
(式1)
また1リットルの空気が200℃から100℃まで低下するときに放出する熱量は(2)の式で与えられる。
(式2)
ここで、20℃で1gの水が気化するときに必要な熱量は(3)の式で与えられる。
(式3)
そのため20℃で1gの水を気化させるために必要な200℃の空気の量は(4)の式で与えられる。
(式4)
また容量Vが26リットルの調理室14内の空気が200℃から100℃まで低下するときに放出する熱量は(5)の式で与えられる。
(式5)
そのため、この熱量で気化できる水の量は(6)の式で与えられる。
(式6)
したがって上述の条件の場合、ステップS3では、気化できる上限の1.33ミリリットル以下の水Wを噴出するように、加熱調理制御部67は給水ポンプ47の動作を制御している。なお1回で噴出する水Wの量を、当該上限を超えない範囲でユーザが設定できるように加熱調理制御部67を構成してもよい。
【0043】
図9のフローチャートに戻って説明すると、ステップS3で調理室14の内部にミストMを供給した後、ステップS4に移行する。ステップS4では、加熱調理制御部67は、選択されたスチーム調理のメニューが調理終了したかどうかを、制御手段51のタイマからの信号により判断する。制御手段51のタイマがまだ計時をしており、選択されたスチーム調理のメニューが調理終了していないと加熱調理制御部67が判断した場合(ステップS4で「No」)、ステップS1に移行する。ここで、ステップS3でミストMが気化されて過熱水蒸気になることにより、このときの調理室14内の庫内温度は200℃より低下しているため、加熱調理制御部67は再度、調理室14内が200℃に加熱されるように、ヒータ駆動手段62により上ヒータ18の通断電を制御する。そして制御手段51のタイマの計時が終了するまで、加熱調理制御部67は上述したステップS1~S4の動作を繰り返す。このとき、ステップS3で水Wを噴出してから、再度ステップS3で水Wを噴出するまでの時間が設定されており、本実施形態では、庫内温度が200℃に保たれている場合、1分に1回ステップS3で水Wを噴出するように設定されている。なお、水Wを噴出するまでの時間をユーザが設定できるように加熱調理制御部67を構成してもよい。
【0044】
その一方で、制御手段51のタイマの計時が終了しており、選択されたスチーム調理のメニューが調理終了したと加熱調理制御部67が判断した場合(ステップS4で「Yes」)、ステップS5に移行して被調理物Sの加熱調理を終了する。
【0045】
こうして本実施形態では、ミストMを瞬時に過熱水蒸気に気化させて、調理室14内の被調理物Sを適度な水分子(過熱水蒸気)ですばやく、ムラなく加熱するため、噴出孔から調理室内に飽和蒸気や過熱蒸気を噴出させる従来のスチームを使った蒸し料理と同様に、加熱時の減塩・脱油の機能を有することができる。また被調理物Sを焦がさすに焼くことで、被調理物Sの本来の美味しさ、特に野菜の本来の美味しさを引き出すことができる。そして気化できる上限の1.33ミリリットル以下の水WをミストMとして噴出するため、従来のスチームを使った蒸し料理と比較して、水っぽさを低減して美味しく焼くことができる。また使用する水Wの量を半減できるためにドレインの量を減少させ、ほとんど無くすることができ、水受け9や調理室14のお手入れを容易にすることができる。
【0046】
またステップS1の庫内加熱にオーブン加熱を使用する場合、オーブン加熱の温度と、ミストMの供給量、すなわち水Wの供給量との組み合わせで、多様な調理メニューに適用でき、従来にない魅力ある新メニューを創出することができる。
【0047】
そして1回で噴出する水Wの量を、当該上限を超えない範囲でユーザが設定できるように加熱調理制御部67を構成しているため、例えば、オーブン加熱時に少量のミストMを供給するように加熱調理制御部67がポンプ駆動手段65に制御信号を送出することにより、被調理物Sの加熱時の温度ムラを減少させ、かつ、被調理物Sの調理時間を短縮させることができる。
【実施例1】
【0048】
次に、本実施形態のオーブンレンジのスチーム調理のレシピと従来のオーブンレンジのスチーム調理のレシピとの加熱試験の結果について、図10を参照して説明する。図10は、これらのレシピのそれぞれについて、庫内温度検出手段54であるサーミスタ15で検出した調理室14内の庫内温度Tと、今回測定された調理室14内の高温の場所の検出温度tおよび低温の場所の検出温度tと、ヒータ駆動手段62や従来のオーブンレンジのスチーム加熱手段に入力する電圧Vとの推移をあらわしたタイミングチャートを比較したものであり、被調理物温度検出手段53である赤外線センサ53Aで検出した加熱後の2切れの塩鮭の切り身の各部のできあがり温度や仕上がりの結果も比較している。
【0049】
これらのレシピに共通して、設定温度は250℃で、被調理物Sである塩鮭の加熱時間全体が18分になるように加熱している。これは従来のレシピが、スチーム加熱の調理メニューの場合は予熱ありで300度の11分~16分で加熱調理され、オーブン加熱の調理メニューの場合は予熱ありで250度の11分~16分で加熱調理されることから各数値が採用された。また本実施形態のオーブンレンジでは、図9で上述したステップS1の庫内加熱にオーブン加熱を使用しており、ステップS2では検出温度tが250℃に達しているかどうかを判断し、検出温度tが250℃に保たれている場合、1分に1回ステップS3で水Wを噴出するように設定されている。
【0050】
図10の比較結果として、本実施形態のオーブンレンジのスチーム調理および従来のオーブンレンジのスチーム調理で、庫内温度Tと、検出温度tと、低温の場所の検出温度tと、電圧Vとが略同一となる結果となった。また従来のオーブンレンジのスチーム調理では、1切れ目の塩鮭の切り身のできあがり温度が95℃、89℃、96℃であり、2切れ目の塩鮭の切り身のできあがり温度が96℃、93℃、92℃であり、いずれもしっとりと焼きあがっていた。その一方で本実施形態のオーブンレンジのスチーム調理では、1切れ目の塩鮭の切り身のできあがり温度が88℃、85℃、86℃であり、2切れ目の塩鮭の切り身のできあがり温度が81℃、84℃、83℃であり、いずれもしっとりと焼きあがっていた。このことより、本実施形態のオーブンレンジのスチーム調理は塩鮭を焦がさすに焼きあげることができ、従来のオーブンレンジのスチーム調理のレシピと比較しても、同程度の美味しい塩鮭を加熱調理できるとの効果を確認できた。
【0051】
以上のように、本実施形態のオーブンレンジは、被調理物Sを内部に収容する調理室14と、被調理物Sを加熱する加熱手段としての上ヒータ18や熱風ユニット24と、調理室14内に水Wをミスト状のミストMにして噴出するミスト供給手段としてのミスト供給装置43と、調理室14内の温度を検出する庫内温度検出手段54と、被調理物Sを加熱調理するように上ヒータ18や熱風ユニット24、ミスト供給装置43の給水ポンプ47を制御する加熱調理制御部67と、を備え、加熱調理制御部67は、調理室14内の温度が100℃より高い所定の温度であるスチーム調理のメニューで設定した温度T、例えば200℃に達したときに水Wを噴出するように給水ポンプ47を制御する構成としている。
【0052】
この場合、ミストMを瞬時に過熱水蒸気に気化させて、調理室14内の被調理物Sを適度な水分子(過熱水蒸気)で加熱するため、加熱時の減塩・脱油の機能を有することができる。また被調理物Sを焦がさすに焼くことで、被調理物Sの本来の美味しさを引き出すことができる。
【0053】
また本実施形態のオーブンレンジは、ミスト供給装置43が1回に噴出する水Wの量の上限は、調理室14の容量Vと、スチーム調理のメニューで設定した温度Tと、水Wの温度とにより決定され、1回で噴出する水Wの量を、前記上限を超えない範囲で設定できるように加熱調理制御部67を構成している。
【0054】
例えば、調理室14の容量Vが26リットル、設定した温度Tが200℃、水Wの温度が20℃である場合、気化できる上限の1.33ミリリットル以下の水Wを1回で噴出するように、加熱調理制御部67は給水ポンプ47の動作を制御している。そのため、従来のスチームを使った蒸し料理と比較して、水っぽさを低減して美味しく焼くことができる。また使用する水Wの量を半減できるためにドレインの量を減少させ、ほとんど無くすることができ、水受け9や調理室14のお手入れを容易にすることができる。そして例えば、オーブン加熱時に少量のミストMを供給するように加熱調理制御部67がポンプ駆動手段65に制御信号を送出することにより、被調理物Sの加熱時の温度ムラを減少させ、かつ、被調理物Sの調理時間を短縮させることができる。
【0055】
また本実施形態のオーブンレンジは、加熱調理制御部67は、ミスト供給装置43が水Wを複数回噴出するように制御し、調理室14内が設定した温度Tに保たれるときに、ミスト供給装置43が水Wを噴出してから再度噴出するまでの時間が設定できるように加熱調理制御部67を構成している。
【0056】
この場合、従来のスチームを使った蒸し料理と比較して、水っぽさを低減して美味しく焼くことができる。また使用する水Wの量を半減できるためにドレインの量を減少させ、ほとんど無くすることができ、水受け9や調理室14のお手入れを容易にすることができる。
【0057】
また本実施形態のオーブンレンジは、加熱手段として被調理物Sを熱風コンベクション加熱するオーブン加熱手段である熱風ユニット24を採用しており、オーブン加熱の温度と、ミストMの供給量、すなわち水Wの供給量との組み合わせで、多様な調理メニューに適用でき、従来にない魅力ある新メニューを創出することができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、本実施形態のミスト供給装置43は従来の蒸気供給装置と大幅な構造の変更がないため、例えばノズル45を付加して本実施形態のオーブンレンジと同様の効果を発揮させてもよい。さらに、ミスト供給装置43などの各部の構成や形状は、図示したものに限定されず、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 オーブンレンジ本体(加熱調理器)
14 調理室
18 上ヒータ(加熱手段)
24 熱風ユニット(加熱手段、オーブン加熱手段)
43 ミスト供給装置(ミスト供給手段)
44 ミスト噴出孔
45 ノズル
47 給水ポンプ(ミスト供給手段)
54 庫内温度検出手段
67 加熱調理制御部
M ミスト
S 被調理物
T 設定した温度
V 調理室の容量
W 水
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10