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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】飲料供給システムの洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/07 20060101AFI20230808BHJP
【FI】
B67D1/07
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019235782
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021104814
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180194
【弁理士】
【氏名又は名称】利根 勇基
(72)【発明者】
【氏名】吉原 慶太
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-026045(JP,A)
【文献】特開2004-168319(JP,A)
【文献】特開2012-144267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料供給システムの洗浄装置であって、
前記飲料供給システムは、
飲料を収容する飲料収容容器と、
前記飲料収容容器に装着可能なディスペンスヘッドと、
ガス供給源と、
前記ガス供給源と前記ディスペンスヘッドとを接続するガス供給路と、
飲料冷却管と、該飲料冷却管に接続されたタップとを含む飲料ディスペンサと、
前記ディスペンスヘッドと前記飲料冷却管とを接続する飲料移送路と
を備え、
前記ディスペンスヘッドは前記飲料供給システムの洗浄時に水を前記飲料移送路に供給するように構成され、
当該飲料供給システムの洗浄装置は、水を前記飲料移送路から前記飲料冷却管をバイパスして前記タップに供給するバイパス路を備える、飲料供給システムの洗浄装置。
【請求項2】
前記バイパス路は、前記飲料ディスペンサの外部において前記飲料移送路に接続され、前記飲料ディスペンサの外部に延在する、請求項1に記載の飲料供給システムの洗浄装置。
【請求項3】
前記バイパス路は、前記飲料ディスペンサの内部において前記飲料移送路に接続され、前記飲料ディスペンサの内部に延在する、請求項1に記載の飲料供給システムの洗浄装置。
【請求項4】
水を収容する水収容容器を更に備え、
前記ディスペンスヘッドは前記飲料供給システムの洗浄時に前記水収容容器に装着される、請求項1から3のいずれか1項に記載の飲料供給システムの洗浄装置。
【請求項5】
水を供給する水供給源と前記ディスペンスヘッドとを接続する水供給路と、
前記ガス供給路を開閉するガス開閉弁及び前記水供給路を開閉する水開閉弁の少なくとも一方と、
水とガスとが前記ディスペンスヘッドを介して前記飲料移送路に交互に供給されるように前記ガス開閉弁及び前記水開閉弁の少なくとも一方を制御する制御装置と
を更に備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の飲料供給システムの洗浄装置。
【請求項6】
前記バイパス路を開閉するバイパス弁を更に備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の飲料供給システムの洗浄装置。
【請求項7】
前記バイパス路を開閉するバイパス弁を更に備え、
前記制御装置は前記バイパス弁を制御する、請求項5に記載の飲料供給システムの洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料供給システムの洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスによって飲料収容容器から移送された飲料を飲料ディスペンサから外部に供給する飲料供給システムが知られている(例えば特許文献1、2)。斯かる飲料供給システムのユーザは飲料ディスペンサから容器(グラス等)に飲料を注ぐことによって所望の量の飲料を容易に得ることができる。
【0003】
しかしながら、飲料供給システムによる飲料の供給が終了した後には、飲料の流路に飲料が残される。残された飲料は、飲料の劣化、微生物の繁殖等を引き起こすおそれがある。このため、飲料の味の低下を防止するために、飲料供給システムの洗浄が定期的に行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-168319号公報
【文献】特開2000-016495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、特許文献1には、飲料の流路に通水することで飲料供給システムを洗浄することが記載されている。しかしながら、飲料を冷却するために飲料ディスペンサに設けられた飲料冷却管がコイル状の細長い管であるため、水が飲料冷却管を流れるときの圧力損失が大きくなる。この結果、飲料の流路に供給された水の流速が低下し、ひいては水の洗浄力が低下する。
【0006】
上記課題に鑑みて、本発明の目的は、飲料供給システムを水で洗浄するときの水の洗浄力を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の要旨は以下のとおりである。
【0008】
(1)飲料供給システムの洗浄装置であって、前記飲料供給システムは、飲料を収容する飲料収容容器と、前記飲料収容容器に装着可能なディスペンスヘッドと、ガス供給源と、前記ガス供給源と前記ディスペンスヘッドとを接続するガス供給路と、飲料冷却管と、該飲料冷却管に接続されたタップとを含む飲料ディスペンサと、前記ディスペンスヘッドと前記飲料冷却管とを接続する飲料移送路とを備え、前記ディスペンスヘッドは前記飲料供給システムの洗浄時に水を前記飲料移送路に供給するように構成され、当該飲料供給システムの洗浄装置は、水を前記飲料移送路から前記飲料冷却管をバイパスして前記タップに供給するバイパス路を備える、飲料供給システムの洗浄装置。
【0009】
(2)前記バイパス路は、前記飲料ディスペンサの外部において前記飲料移送路に接続され、前記飲料ディスペンサの外部に延在する、上記(1)に記載の飲料供給システムの洗浄装置。
【0010】
(3)前記バイパス路は、前記飲料ディスペンサの内部において前記飲料移送路に接続され、前記飲料ディスペンサの内部に延在する、上記(1)に記載の飲料供給システムの洗浄装置。
【0011】
(4)水を収容する水収容容器を更に備え、前記ディスペンスヘッドは前記飲料供給システムの洗浄時に前記水収容容器に装着される、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の飲料供給システムの洗浄装置。
【0012】
(5)水を供給する水供給源と前記ディスペンスヘッドとを接続する水供給路と、前記ガス供給路を開閉するガス開閉弁及び前記水供給路を開閉する水開閉弁の少なくとも一方と、水とガスとが前記ディスペンスヘッドを介して前記飲料移送路に交互に供給されるように前記ガス開閉弁及び前記水開閉弁の少なくとも一方を制御する制御装置とを更に備える、上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の飲料供給システムの洗浄装置。
【0013】
(6)前記バイパス路を開閉するバイパス弁を更に備え、前記制御装置は前記バイパス弁を制御する、上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の飲料供給システムの洗浄装置。
【0014】
(7)前記バイパス路を開閉するバイパス弁を更に備え、前記制御装置は前記バイパス弁を制御する、上記(5)に記載の飲料供給システムの洗浄装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、飲料供給システムを水で洗浄するときの水の洗浄力を高めることができる。また、抽出タップのような洗浄部位に対する洗浄の確実性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の第一実施形態に係る飲料供給システムの洗浄装置が適用される飲料供給システムの構成を概略的に示す図である。
図2図2は、本発明の第一実施形態に係る洗浄装置の構成を概略的に示す図である。
図3図3は、本発明の第二実施形態に係る洗浄装置の構成を概略的に示す図である。
図4図4は、本発明の第三実施形態に係る洗浄装置の構成を概略的に示す図である。
図5図5は、本発明の第四実施形態に係る洗浄装置の構成を概略的に示す図である。
図6図6は、図5の制御装置の構成を概略的に示す図である。
図7図7は、洗浄処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。
図8図8は、水弾制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
【0018】
<第一実施形態>
最初に、図1及び図2を参照して、本発明の第一実施形態について説明する。
【0019】
<飲料供給システム>
図1は、本発明の第一実施形態に係る飲料供給システムの洗浄装置が適用される飲料供給システムの構成を概略的に示す図である。飲料供給システム1は、ガス供給源10、飲料収容容器20、飲料ディスペンサ30、ディスペンスヘッド50、ガス供給路60及び飲料移送路70を備える。飲料供給システム1は、ガス供給源10から供給されたガスによって飲料収容容器20から移送された飲料を飲料ディスペンサ30から外部に供給する。飲料供給システム1のユーザ(以下、単に「ユーザ」と称する)は飲料ディスペンサ30から容器200に飲料を注ぐことによって所望の量の飲料を容易に得ることができる。
【0020】
ガス供給路60はガス供給源10とディスペンスヘッド50とを接続する。ガス供給路60は、例えば、ガス供給ホースとして構成され、ガスの圧力に耐えうる様々な材料(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等)から形成される。
【0021】
飲料移送路70はディスペンスヘッド50と飲料ディスペンサ30とを接続する。飲料移送路70は、例えば、飲料移送ホースとして構成され、飲料及びガスの圧力に耐えうる様々な材料(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等)から形成される。
【0022】
以下、飲料供給システム1の各構成要素について詳細に説明する。
【0023】
ガス供給源10は、炭酸ガス(二酸化炭素ガス)、窒素ガス、圧縮空気等のガスを供給する。ガス供給源10はガス減圧弁11を含み、ガス供給源10から供給されるガスの圧力はガス減圧弁11によって調整される。ガス供給源10は例えばガスボンベとして構成される。ガス供給源10はガス供給路60に接続され、ガス供給源10から供給されたガスはガス供給路60及びディスペンスヘッド50を通して飲料収容容器20に供給される。
【0024】
飲料収容容器20は飲料を収容する。例えば、飲料収容容器20は発泡性飲料を収容する。発泡性飲料には、ビール、ビール風アルコール飲料、ビールテイスト飲料、酎ハイ、ウィスキー含有飲料(ウィスキー、ハイボール等)、炭酸ジュース等が含まれる。ビール風アルコール飲料には、発泡酒、麦芽以外の原料から生成され又は発泡酒に麦由来のアルコール飲料が混ぜられたビール風味の発泡アルコール飲料(いわゆる第三のビール)等が含まれる。ビールテイスト飲料には、ノンアルコールビール等が含まれる。飲料収容容器20は、例えば、発泡性飲料を収容する飲料樽として構成される。
【0025】
なお、飲料収容容器20は非発泡性飲料を収容してもよい。非発泡性飲料には、コーヒー、ワイン等が含まれる。
【0026】
飲料収容容器20は、飲料収容容器20の口金として機能する公知のスピアバルブ(図示せず)を含む。スピアバルブは飲料収容容器20の頂部から飲料収容容器20の底部付近まで延在する。
【0027】
ディスペンスヘッド50は飲料収容容器20に装着可能である。飲料供給システム1によって飲料が供給されるとき、ディスペンスヘッド50は、飲料収容容器20、具体的には飲料収容容器20のスピアバルブ(図示せず)に装着される。
【0028】
ディスペンスヘッド50は流体流入口51及び流体流出口52を含む。ガス供給路60は、流体流入口51に接続され、ディスペンスヘッド50及びスピアバルブを介して飲料収容容器20の内部と流体連通する。したがって、ガス供給路60はディスペンスヘッド50を介して飲料収容容器20に接続されている。また、飲料移送路70は、流体流出口52に接続され、ディスペンスヘッド50及びスピアバルブを介して飲料収容容器20の内部と流体連通する。したがって、飲料移送路70はディスペンスヘッド50を介して飲料収容容器20に接続されている。
【0029】
また、ディスペンスヘッド50は操作レバー53を含む。操作レバー53は、ユーザによって操作され、例えば上方位置と下方位置との間で切り替えられる。操作レバー53が上方位置にあるとき、ディスペンスヘッド50は、ガス供給路60と飲料収容容器20の内部との流体連通を遮断し、飲料収容容器20内へのガスの供給を禁止する。このため、飲料収容容器20に収容された飲料が枯渇して飲料収容容器20が新たな飲料収容容器に交換されるときには、ユーザによって操作レバー53の位置が上方位置に設定される。
【0030】
一方、操作レバー53が下方位置にあるとき、ディスペンスヘッド50は、ガス供給路60と飲料収容容器20の内部とを流体連通させ、飲料収容容器20内へのガスの供給を許可する。このため、飲料収容容器20から飲料ディスペンサ30に飲料が移送されるとき、すなわち飲料ディスペンサ30から外部に飲料を供給するときには、ユーザによって操作レバー53の位置が下方位置に設定される。飲料収容容器20内にガスが供給されると、ガスによって飲料の液面が押し下げられ、飲料がスピアバルブ通って上昇して飲料収容容器20から飲料移送路70に押し出される。
【0031】
飲料ディスペンサ30は、ガス供給源10から供給されたガスによって飲料収容容器20から移送された飲料を外部(飲料ディスペンサ30の外部)に供給する。図1には、カバーが取り外された状態の飲料ディスペンサ30が示される。飲料ディスペンサ30は、コイル状の飲料冷却管31と、タップ32と、冷却水槽33と、冷却装置34とを含む。
【0032】
飲料移送路70はディスペンスヘッド50と飲料ディスペンサ30の飲料冷却管31とを接続する。飲料冷却管31の一方の端部は飲料移送路70に接続され、飲料冷却管31の他方の端部はタップ32に接続される。飲料収容容器20から移送された飲料は飲料冷却管31を通ってタップ32に到達する。このとき、ユーザによってタップ32のハンドルが操作される(例えばハンドルが手前に引かれる)と、タップ32の弁が開放され、タップ32から容器200(ジョッキ、グラス等)に飲料が注がれる。容器200は、ユーザによってタップ32の下方に予め設置される。なお、飲料がビールである場合、タップ32は、ハンドルが手前に引かれたときにはビールを供給し、ハンドルが奥に押されたときには泡を供給するように構成されていてもよい。
【0033】
ユーザは冷却水槽33に水を予め供給し、冷却水槽33は水で満たされる。冷却装置34は、冷凍機(図示せず)と、コイル状の冷媒流通管35と、攪拌機36とを含む。冷却装置34は、冷凍機から冷媒流通管35に供給された冷媒によって冷媒流通管35の周囲に氷を生成し、氷によって冷却水槽33内の水を冷却する。攪拌機36は、冷却水槽33内の水の温度が均一になるように冷却水槽33内の水を攪拌する。飲料ディスペンサ30に移送された飲料は、飲料冷却管31を通過するとき、冷却水槽33内の冷却水によって冷却される。このため、飲料供給システム1は、飲料収容容器20内の飲料が常温であったとしても、所望の冷えた飲料を飲料ディスペンサ30から外部に供給することができる。
【0034】
<飲料供給システムの洗浄装置>
飲料供給システム1による飲料の供給が終了した後には、飲料の流路に飲料が残される。残された飲料は、飲料の劣化、微生物の繁殖等を引き起こす。このため、飲料の味の低下を防止するためには、例えば営業終了時等に飲料供給システム1を定期的に洗浄する必要がある。
【0035】
本実施形態では、飲料供給システム1の洗浄装置(以下、単に「洗浄装置」と称する)が飲料供給システム1の洗浄を行う。具体的には、洗浄装置は、飲料供給システム1の飲料の流路、すなわちディスペンスヘッド50、飲料移送路70及び飲料ディスペンサ30(飲料冷却管31及びタップ32)を洗浄する。
【0036】
図2は、本発明の第一実施形態に係る洗浄装置の構成を概略的に示す図である。洗浄装置は、水を収容する水収容容器21を備える。水収容容器21は例えば洗浄樽として構成される。水収容容器21にはユーザによって水が供給され、水収容容器21内の水は飲料供給システム1の洗浄に用いられる。
【0037】
ディスペンスヘッド50は飲料供給システム1の洗浄時に水を飲料移送路70に供給するように構成される。本実施形態では、ディスペンスヘッド50は、水収容容器21に装着可能であり、飲料供給システム1の洗浄時に飲料収容容器20の代わりに水収容容器21に装着される。
【0038】
ユーザは、ディスペンスヘッド50を水収容容器21に装着した後、ディスペンスヘッド50の操作レバー53を下方位置に移動させる。この結果、水収容容器21内にガスが供給され、水が水収容容器21から飲料移送路70に押し出される。
【0039】
その後、ユーザによってタップ32のハンドルが操作される(例えばハンドルが手前に引かれる)と、タップ32の弁が開放され、ユーザによって予め設置されたバケツのような回収容器(図示せず)にタップ32から水が排出される。このとき、飲料の流路に残された飲料が排出され、飲料の流路が洗浄される。
【0040】
しかしながら、飲料ディスペンサ30の飲料冷却管31がコイル状の細長い管であるため、水が飲料冷却管31を流れるときの圧力損失が大きくなる。この結果、水収容容器21から供給される水の流速が低下し、ひいては水の洗浄力が低下する。
【0041】
そこで、本実施形態では、飲料移送路70からタップ32に水を直接供給することによって、ディスペンスヘッド50、飲料移送路70及びタップ32を洗浄する。具体的には、図2に示されるように、洗浄装置は、飲料移送路70とタップ32とを直接接続するバイパス路2を備える。
【0042】
バイパス路2は、水を飲料移送路70から飲料冷却管31をバイパスしてタップ32に供給する。バイパス路2は、例えば、バイパスホースとして構成され、水及びガスの圧力に耐えうる様々な材料(例えば、ポリエチレン(PE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等)から形成される。なお、バイパス路2は、金属等の樹脂以外の材料から形成されていてもよい。バイパス路2の内径は飲料冷却管31の内径よりも大きく、バイパス路2の長さは飲料冷却管31の長さよりも短い。
【0043】
例えば、バイパス路2と飲料移送路70とが接続される箇所には第1継手3が設けられ、バイパス路2とタップ32とが接続される箇所には第2継手4が設けられる。第1継手3は飲料移送路70の内部と連通し、第2継手4はタップ32内の流路と連通する。
【0044】
飲料の供給時には、バイパス路2は飲料供給システム1に接続されない。このとき、飲料収容容器20からディスペンスヘッド50を介して飲料移送路70に供給された飲料は飲料冷却管31を通ってタップ32から注出される。
【0045】
飲料供給システム1の洗浄時には、ユーザは、飲料冷却管31を最初に洗浄すべく、バイパス路2が接続されていない状態でタップ32から水を排出する。このとき、水収容容器21からディスペンスヘッド50を介して飲料移送路70に供給された水は飲料冷却管31を通ってタップ32から排出される。バイパス路2が接続されないときには、キャップ等の閉塞部材が第1継手3及び第2継手4にそれぞれ装着され、飲料又は水が外部に漏れることが防止される。
【0046】
その後、ユーザは、タップ32の弁を閉じるようにタップ32のハンドルを操作し、バイパス路2を飲料供給システム1に接続する。具体的には、ユーザは、バイパス路2の一方の端部を第1継手3を介して飲料移送路70に接続し、バイパス路2の他方の端部を第2継手4を介してタップ32に接続する。図2に示されるように、バイパス路2は、飲料ディスペンサ30の外部において飲料移送路70に接続され、飲料ディスペンサ30の外部に延在する。このため、バイパス路2の着脱を容易に行うことができる。
【0047】
バイパス路2が接続された状態でタップ32の弁が開放されると、水収容容器21からディスペンスヘッド50を介して飲料移送路70に供給された水は、飲料冷却管31よりも圧力損失が小さいバイパス路2を通ってタップ32から排出される。このとき、飲料冷却管31の洗浄時よりも水の流速が速くなるため、水の洗浄力を高めることができる。このため、ディスペンスヘッド50、飲料移送路70及びタップ32を高い洗浄力で洗浄することができ、飲料供給システム1をより清潔に保つことができる。また、ディスペンスヘッド50及びタップ32を洗浄するためにこれらを分解することが不要となり、又はこれらを分解する頻度を低減することができる。
【0048】
<第二実施形態>
第二実施形態に係る洗浄装置は、基本的に第一実施形態における洗浄装置と同様である。このため、以下、本発明の第二実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0049】
図3は、本発明の第二実施形態に係る洗浄装置の構成を概略的に示す図である。洗浄装置は、バイパス路2を開閉するバイパス弁5を更に備える。バイパス弁5はバイパス路2に配置される。バイパス弁5は、例えば手動の開閉弁であり、ユーザによって操作される。
【0050】
第一実施形態と同様に、バイパス路2の一方の端部は第1継手3を介して飲料移送路70に接続され、バイパス路2の他方の端部は第2継手4を介してタップ32に接続される。第二実施形態では、バイパス路2は飲料供給システム1に接続されたままであり、バイパス弁5の開閉によって水の流路が切り替えられる。このため、バイパス路2の着脱が不要となり、飲料供給システム1の洗浄が容易になる。
【0051】
具体的には、飲料の供給時には、ユーザによってバイパス弁5が閉じられ、バイパス路2が閉塞される。この結果、飲料収容容器20からディスペンスヘッド50を介して飲料移送路70に供給された飲料は飲料冷却管31を通ってタップ32から注出される。また、飲料冷却管31の洗浄時にも、ユーザによってバイパス弁5が閉じられ、バイパス路2が閉塞される。この結果、水収容容器21からディスペンスヘッド50を介して飲料移送路70に供給された水は飲料冷却管31を通ってタップ32から排出される。
【0052】
一方、ディスペンスヘッド50、飲料移送路70及びタップ32の更なる洗浄時には、ユーザによってバイパス弁5が開かれ、バイパス路2が開放される。この結果、水収容容器21からディスペンスヘッド50を介して飲料移送路70に供給された水はバイパス路2を通ってタップ32から排出される。このことによって、ディスペンスヘッド50、飲料移送路70及びタップ32を高い洗浄力で洗浄することができる。
【0053】
なお、バイパス弁5が省略され、飲料移送路70の上流側をバイパス路2又は飲料移送路70の下流側に選択的に接続する手動の三方弁が第1継手3の代わりに設けられてもよい。この場合、この三方弁が、バイパス路2を開閉するバイパス弁として機能する。
【0054】
<第三実施形態>
第三実施形態に係る洗浄装置は、基本的に第一実施形態における洗浄装置と同様である。このため、以下、本発明の第三実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0055】
図4は、本発明の第三実施形態に係る洗浄装置の構成を概略的に示す図である。洗浄装置は、水を飲料移送路70から飲料冷却管31をバイパスしてタップ32に供給するバイパス路2’を備える。バイパス路2’の一方の端部は第1継手3’を介して飲料移送路70に接続され、バイパス路2’の他方の端部は第2継手4’を介してタップ32に接続される。第三実施形態では、バイパス路2’は、飲料ディスペンサ30’の内部において飲料移送路70に接続され、飲料ディスペンサ30’の内部に延在する。
【0056】
洗浄装置は、バイパス路2’を開閉するバイパス弁5’を更に備える。バイパス弁5’はバイパス路2’に配置される。バイパス弁5’は、例えば手動の開閉弁であり、ユーザによって飲料ディスペンサ30’の外部から操作されるように構成される。
【0057】
第三実施形態では、バイパス路2’は飲料移送路70及びタップ32に接続されたままであり、バイパス弁5’の開閉によって流路が切り替えられる。このため、バイパス路2’の着脱が不要となり、飲料供給システム1の洗浄が容易になる。
【0058】
具体的には、飲料の供給時には、ユーザによってバイパス弁5’が閉じられ、バイパス路2’が閉塞される。この結果、飲料収容容器20からディスペンスヘッド50を介して飲料移送路70に供給された飲料は飲料冷却管31を通ってタップ32から注出される。また、飲料冷却管31の洗浄時にも、ユーザによってバイパス弁5’が閉じられ、バイパス路2’が閉塞される。この結果、水収容容器21からディスペンスヘッド50を介して飲料移送路70に供給された水は飲料冷却管31を通ってタップ32から排出される。
【0059】
一方、ディスペンスヘッド50、飲料移送路70及びタップ32の更なる洗浄時には、ユーザによってバイパス弁5’が開かれ、バイパス路2’が開放される。この結果、水収容容器21からディスペンスヘッド50を介して飲料移送路70に供給された水はバイパス路2’を通ってタップ32から排出される。このことによって、ディスペンスヘッド50、飲料移送路70及びタップ32を高い洗浄力で洗浄することができる。また、第三実施形態では、バイパス路2’が飲料ディスペンサ30’の内部において飲料移送路70に接続されるため、飲料移送路70のほとんどの部分を高い洗浄力で洗浄することができる。
【0060】
なお、バイパス弁5’が省略され、飲料移送路70の上流側をバイパス路2又は飲料移送路70の下流側に選択的に接続する手動の三方弁が第1継手3’の代わりに設けられてもよい。この場合、この三方弁が、バイパス路2’を開閉するバイパス弁として機能する。また、バイパス路2’の下流側の端部は、飲料ディスペンサ30’の内部において飲料冷却管31とタップ32との間に接続されていてもよい。
【0061】
<第四実施形態>
第四実施形態に係る洗浄装置は、基本的に第一実施形態における洗浄装置と同様である。このため、以下、本発明の第四実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0062】
図5は、本発明の第四実施形態に係る洗浄装置の構成を概略的に示す図である。洗浄装置は水供給路90及び制御ボックス40を更に備える。水供給路90は、水を供給する水供給源100と、ディスペンスヘッド50とを接続する。ガス供給路60の一部及び水供給路90の一部は、制御ボックス40内に配置され、制御ボックス40によって外部から隠される。なお、図5には、制御ボックス40の内部が示されている。
【0063】
水供給路90には水減圧弁110が設けられ、水供給源100から供給される水の圧力は水減圧弁110によって調整される。水供給源100は例えば水道栓として構成される。
【0064】
ガス供給路60及び水供給路90は、制御ボックス40内で一つの共有流路に統合され、共有流路を介してディスペンスヘッド50’に接続される。ガス供給路60は第3継手41を介して制御ボックス40に接続される。第3継手41は制御ボックス40のガス流入口として機能する。水供給路90は第4継手42を介して制御ボックス40に接続される。第4継手42は制御ボックス40の水流入口として機能する。ガス供給路60及び水供給路90の共有流路は第5継手43を介して制御ボックス40に接続される。第5継手43は制御ボックス40の流体流出口として機能する。
【0065】
第四実施形態では、飲料供給システム1の洗浄時に、水収容容器21の代わりに水供給源100から飲料移送路70に水が供給され、飲料収容容器20はディスペンスヘッド50’に接続されたままとなる。このことによって、飲料供給システム1の洗浄のために飲料収容容器20を水収容容器21に取り替える手間を無くすことができる。
【0066】
ディスペンスヘッド50’は、飲料又は水を飲料移送路70に選択的に供給すべく、ガス供給路60及び水供給路90の共有流路に接続された流体流入口51と、飲料移送路70に接続された流体流出口52との接続状態を切り替えるように構成されている。
【0067】
具体的には、ディスペンスヘッド50’は、操作レバー53(図1参照)を含み、ユーザによって操作レバー53が操作されたときに流体流入口51と流体流出口52との接続状態を切り替える。例えば、操作レバー53は、上下方向に移動可能であり、3つの位置(上方位置、中間位置及び下方位置)の間で切り替えられる。
【0068】
ディスペンスヘッド50は、操作レバー53が下方位置にあるときに、流体流入口51と飲料収容容器20の内部とを接続し、飲料収容容器20の内部と流体流出口52とを接続する。すなわち、ディスペンスヘッド50は、操作レバー53が下方位置にあるときに、ガス供給路60及び水供給路90の共有流路を飲料収容容器20の内部を介して飲料移送路70に接続する。
【0069】
ディスペンスヘッド50は、操作レバー53が中間位置にあるときに、流体流入口51と流体流出口52とを直接接続し、流体流入口51及び流体流出口52を飲料収容容器20の内部から遮断する。すなわち、ディスペンスヘッド50は、操作レバー53が中間位置にあるときに、ガス供給路60及び水供給路90の共有流路を飲料移送路70に直接接続する。
【0070】
ディスペンスヘッド50は、操作レバー53が上方位置にあるときに、流体流入口51、飲料収容容器20の内部及び流体流出口52を互いから遮断する。すなわち、ディスペンスヘッド50は、操作レバー53が上方位置にあるときに、ガス供給路60及び水供給路90の共有流路を飲料収容容器20の内部及び飲料移送路70に接続しない。
【0071】
洗浄装置は制御装置80を更に備える。制御装置80は、制御ボックス40内に配置され、制御ボックス40によって外部から隠される。
【0072】
図6は、図5の制御装置80の構成を概略的に示す図である。制御装置80は、メモリ81、周辺回路82及びプロセッサ83を含む。メモリ81及び周辺回路82は信号線を介してプロセッサ83に接続されている。制御装置80は例えばマイコン又はシーケンサーとして構成される。
【0073】
メモリ81は、例えば、揮発性の半導体メモリ(例えば、RAM)及び不揮発性の半導体メモリ(例えば、ROM)を有する。メモリ81は、プロセッサ83によって実行されるプログラム、プロセッサ83によって各種処理が実行されるときに使用される各種データ等を記憶する。
【0074】
周辺回路82は、プロセッサ83が各種処理を実行するために必要な追加の要素(例えばタイマ等)を含む。プロセッサ83は、一つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)を有し、各種処理を実行する。
【0075】
図5に示されるように、洗浄装置は、ガス開閉弁61、ガス逆止弁62、水開閉弁91、水逆止弁92及び流量センサ93を更に備える。これらは、制御ボックス40内に配置され、制御ボックス40によって外部から隠される。
【0076】
ガス開閉弁61は、ガス供給路60に配置され、ガス供給路60を開閉する。ガス開閉弁61は制御装置80に電気的に接続され、制御装置80はガス開閉弁61を制御する。ガス開閉弁61は例えば電磁弁である。
【0077】
ガス逆止弁62は、ガス供給路60に配置され、ガスの逆流(ガス供給源10への流れ)を防止する。本実施形態では、ガス逆止弁62はガス開閉弁61よりも下流側のガス供給路60に配置される。
【0078】
水開閉弁91は、水供給路90に配置され、水供給路90を開閉する。水開閉弁91は制御装置80に電気的に接続され、制御装置80は水開閉弁91を制御する。水開閉弁91は例えば電磁弁である。
【0079】
水逆止弁92は、水供給路90に配置され、水の逆流(水供給源100への流れ)を防止する。本実施形態では、水逆止弁92は水開閉弁91よりも下流側の水供給路90に配置される。
【0080】
流量センサ93は、水供給路90に配置され、水供給路90を流れる水の流量を検出する。本実施形態では、流量センサ93は水開閉弁91よりも上流側の水供給路90に配置される。流量センサ93は制御装置80に電気的に接続され、流量センサ93の出力は制御装置80に入力される。なお、流量センサ93は水開閉弁91及び水逆止弁92よりも下流側の水供給路90に配置されてもよい。
【0081】
本実施形態では、ガス開閉弁61は非通電時にガス供給路60を開き且つ通電時にガス供給路60を閉じるように構成される。一方、水開閉弁91は非通電時に水供給路90を閉じ且つ通電時に水供給路90を開くように構成される。
【0082】
ユーザは、飲料ディスペンサ30から飲料を供給するとき、ディスペンスヘッド50の操作レバー53を下方位置に設定する。操作レバー53が下方位置にあるときには、ガス供給路60及び水供給路90の共有流路が飲料収容容器20の内部を介して飲料移送路70に接続される。このとき、ガス開閉弁61及び水開閉弁91には電力が供給されていないため、ガス開閉弁61はガス供給路60を開き、水開閉弁91は水供給路90を閉じる。このため、ガス供給路60から飲料収容容器20にガスが供給され、ガスによって飲料がディスペンスヘッド50及び飲料移送路70を通して飲料ディスペンサ30に移送される。
【0083】
また、ユーザは、飲料収容容器20を交換するとき、ディスペンスヘッド50の交換レバーを上方位置に設定する。操作レバー53が上方位置にあるときには、ガス供給路60及び水供給路90の共有流路が飲料収容容器20の内部及び飲料移送路70に接続されない。このため、飲料収容容器20を交換するときのガス漏れを防止することができる。
【0084】
また、ユーザは、飲料供給システム1を洗浄するとき、ディスペンスヘッド50の操作レバー53を中間位置に設定し、飲料ディスペンサ30のタップ32を開く。操作レバー53が中間位置にあるときには、ガス供給路60及び水供給路90の共有流路が飲料移送路70に直接接続される。このため、水供給源100から供給された水によって飲料移送路70及び飲料ディスペンサ30を洗浄するときに、水が飲料収容容器20の内部に流入することを防止することができる。
【0085】
水の流速を更に速めて水の洗浄力を更に高めるためには、一度に供給する水の量を少なくすることが考えられる。しかしながら、水の量が少ない場合には、飲料移送路70内の抵抗によって飲料移送路70内に水を流すことができない。そこで、第四実施形態では、飲料供給システム1の洗浄時に水とガスとを飲料移送路70に交互に供給する。このことによって、少ない量の水を間欠的に供給することができ、ひいては水の洗浄力を更に高めることができる。
【0086】
このため、制御装置80は、水とガスとが飲料移送路70に交互に供給されるように水開閉弁91及びガス開閉弁61の少なくとも一方を制御する。具体的には、制御装置80は、水供給路90から飲料移送路70に基準量の水が供給されるようにガス開閉弁61及び水開閉弁91の少なくとも一方を制御することと、ガス供給路60から飲料移送路70にガスが供給されるようにガス開閉弁61及び水開閉弁91の少なくとも一方を制御することとを交互に繰り返す水弾制御を実行する。水弾制御では、ガスによって飲料移送路70に水が間欠的に供給され、いわゆる水弾洗浄が行われる。
【0087】
また、制御装置80は、流量センサ93の出力に基づいて水弾制御において水供給路90から飲料移送路70に供給された水の量の推定値を算出し、推定値が基準量に達するようにガス開閉弁61及び水開閉弁91の少なくとも一方を制御する。すなわち、制御装置80は、水弾制御において水供給路90から飲料移送路70に供給された水の量の推定値が基準量に達したときに水開閉弁91を閉じ且つガス開閉弁61を開く。このことによって、水弾制御において飲料移送路70に供給される水の量が水圧の変化等によって変動することを抑制することができ、ひいては水弾制御において洗浄力が低下することを抑制することができる。
【0088】
また、洗浄装置は、バイパス路2を開閉するバイパス弁5”を更に備える。バイパス弁5”はバイパス路2に配置される。バイパス弁5”は制御装置80に電気的に接続され、制御装置80はバイパス弁5”を制御する。バイパス弁5”は例えば電磁弁である。本実施形態では、バイパス弁5”は非通電時にバイパス路2を閉じ且つ通電時にバイパス路2を開くように構成される。なお、バイパス弁5”は、制御ボックス40内に配置され、制御ボックス40によって外部から隠されていてもよい。
【0089】
<洗浄処理>
図7は、洗浄処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは制御装置80(具体的にはプロセッサ83)によって繰り返し実行される。
【0090】
最初に、ステップS101において、制御装置80は、ユーザによって洗浄モードが選択されたか否かを判定する。例えば、制御ボックス40に設けられたボタンのような入力装置を介してユーザによって洗浄モードが選択され、制御装置80は入力装置の出力信号に基づいて洗浄モードの選択の有無を判定する。ステップS101において洗浄モードが選択されなかったと判定された場合、本制御ルーチンは終了する。
【0091】
一方、ステップS101において洗浄モードが選択されたと判定された場合、本制御ルーチンはステップS102に進む。このとき、バイパス弁5”は閉じられている。ステップS102では、制御装置80は、飲料冷却管31を洗浄すべく、図8に示される水弾制御を実行する。
【0092】
図8は、水弾制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。最初に、ステップS201において、制御装置80は、水開閉弁91を開き、ガス開閉弁61を閉じる。具体的には、制御装置80は水開閉弁91及びガス開閉弁61に電力を供給する。
【0093】
次いで、ステップS202において、制御装置80は流量センサ93の出力を取得する。
【0094】
次いで、ステップS203において、制御装置80は、流量センサ93の出力に基づいて、水弾制御において水供給路90から飲料移送路70に供給された水の量の推定値EAを算出する。具体的には、制御装置80は、流量センサ93によって検出された水の流量を積算することによって水の量の推定値EAを算出する。
【0095】
次いで、ステップS204において、制御装置80は、水の量の推定値EAが基準量A以上であるか否かを判定する。
【0096】
ステップS204において水の量の推定値EAが基準量A未満であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS202に戻る。すなわち、水の供給が継続される。
【0097】
一方、ステップS204において水の量の推定値EAが基準量A以上であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS205に進む。
【0098】
ステップS205では、制御装置80は所定時間だけ水開閉弁91を閉じ且つガス開閉弁61を開く。具体的には、制御装置80は所定時間だけ水開閉弁91及びガス開閉弁61に電力を供給しない。
【0099】
次いで、ステップS206において、制御装置80は実行回数Nを更新する。具体的には、制御装置80は現在の実行回数Nに1を加算することによって新たな実行回数Nを算出する。本制御ルーチンが開始されるときの実行回数Nの初期値はゼロである。
【0100】
次いで、ステップS207において、制御装置80は、実行回数Nが閾値回数Nth以上であるか否かを判定する。閾値回数Nthは予め定められる。ステップS207において実行回数Nが閾値回数Nth未満であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS201に戻る。すなわち、水弾制御が継続される。
【0101】
一方、ステップS207において実行回数Nが閾値回数Nth以上であると判定された場合、本制御ルーチンは終了する。すなわち、水弾制御が終了する。
【0102】
なお、ステップS202~ステップS204が削除され、ステップS201において制御装置80は所定時間だけ水開閉弁91を開き且つガス開閉弁61を閉じてもよい。所定時間は、水弾制御において水供給路90から飲料移送路70に供給される水の量が基準量になるように予め定められる。この場合、流量センサ93は省略される。
【0103】
図7に戻ると、ステップS102の水弾制御の後、ステップS103において、制御装置80はバイパス弁5”を開く。すなわち、制御装置80はバイパス弁5”に電力を供給する。
【0104】
次いで、ステップS104において、制御装置80は、ディスペンスヘッド50、飲料移送路70及びタップ32を更に洗浄すべく、図8に示される水弾制御を実行する。このとき、水及びガスは飲料移送路70からバイパス路2を通ってタップ32から排出される。
【0105】
ステップS104の水弾制御の後、ステップS105において、制御装置80はバイパス弁5”を閉じる。すなわち、制御装置80はバイパス弁5”への電力供給を停止する。ステップS105の後、本制御ルーチンは終了する。
【0106】
なお、バイパス弁5”を開いているときの水弾制御が、バイパス弁5”を閉じているときの水弾制御よりも先に行われてもよい。また、バイパス弁5”を開いているときの水弾制御と、バイパス弁5”を閉じているときの水弾制御との間で、閾値回数Nthが異なっていてもよい。
【0107】
また、ステップS102において、制御装置80は水弾制御の代わりに所定時間だけ水開閉弁91を開き且つガス開閉弁61を閉じてもよい。この場合、飲料冷却管31には水が連続的に供給される。
【0108】
また、水供給路90から飲料移送路70に供給される水の圧力が、ガス供給路60から飲料移送路70に供給されるガスの圧力よりも高い場合には、ガス開閉弁61及び水開閉弁91の両方が開いているときに水が飲料移送路70に供給される。このため、この場合、水弾制御において、ガス開閉弁61が常に開かれ、水開閉弁91の開閉のみが制御装置80によって制御されてもよい。また、この場合、ガス開閉弁61は省略されてもよい。
【0109】
また、ガス供給路60から飲料移送路70に供給されるガスの圧力が、水供給路90から飲料移送路70に供給される水の圧力よりも高い場合には、ガス開閉弁61及び水開閉弁91の両方が開いているときにガスが飲料移送路70に供給される。このため、この場合、水弾制御において、水開閉弁91が常に開かれ、ガス開閉弁61の開閉のみが制御装置80によって制御されてもよい。また、この場合、水開閉弁91は省略されてもよい。
【0110】
また、バイパス弁5”は、手動の開閉弁であり、ユーザによって操作されてもよい。また、バイパス弁5”が省略され、バイパス路2が着脱可能であってもよい。また、バイパス弁5”が省略され、飲料移送路70の上流側をバイパス路2又は飲料移送路70の下流側に選択的に接続する三方弁(手動弁又は電磁弁)が第1継手3の代わりに設けられてもよい。この場合、この三方弁が、バイパス路2を開閉するバイパス弁として機能する。
【0111】
また、ガス逆止弁62、水逆止弁92及び水減圧弁110の少なくとも一つは省略されてもよい。
【0112】
以上、本発明に係る好適な実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。例えば、飲料冷却管31及び冷媒流通管35は蛇腹状等の他の形状を有していてもよい。
【0113】
また、上述した実施形態は、任意に組み合わせて実施可能である。例えば、第二実施形態において、バイパス弁5が電磁弁であり、制御装置によって制御されてもよい。同様に、第三実施形態において、バイパス弁5’が電磁弁であり、制御装置によって制御されてもよい。また、第四実施形態において、バイパス路2は、飲料ディスペンサ30の内部において飲料移送路70に接続され、飲料ディスペンサ30の内部に延在してもよい。
【符号の説明】
【0114】
1 飲料供給システム
2 バイパス路
10 ガス供給源
20 飲料収容容器
30 飲料ディスペンサ
31 飲料冷却管
32 タップ
50 ディスペンスヘッド
60 ガス供給路
70 飲料移送路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8