(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】アレイ基板及びその製造方法、ディスプレイパネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230808BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230808BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20230808BHJP
【FI】
G09F9/30 349C
G09F9/00 338
G09F9/00 366Z
G09F9/30 338
G09F9/30 348A
H10K59/10
(21)【出願番号】P 2019546829
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(86)【国際出願番号】 CN2018121271
(87)【国際公開番号】W WO2019218659
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】201810473898.2
(32)【優先日】2018-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 震
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107657231(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106847872(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106298859(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105336751(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107945660(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107977632(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0162606(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
G06F3/033-3/039
G09F9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板であって、
ベース基板と、
前記ベース基板上に位置し、光透過孔を含む遮光層と、
前記遮光層の前記ベース基板から離れた側に位置する薄膜トランジスタのアクティブ層と、
前記ベース基板上に位置し、前記光透過孔に連通している第1貫通孔を含む絶縁層とを含み、
前記絶縁層は、緩衝層、パッシベーション層、ゲート絶縁層及び層間絶縁層の少なくとも1つを含み、
前記アレイ基板は、接続電極をさらに備えており、前記接続電極は、前記緩衝層、前記パッシベーション層、前記ゲート絶縁層及び前記層間絶縁層の少なくとも1つを貫通している第3貫通孔を介して前記遮光層に接続される、アレイ基板。
【請求項2】
前記第1貫通孔の前記ベース基板での正投影が前記アクティブ層の前記ベース基板での正投影と重ならない請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記光透過孔の前記ベース基板での正投影が完全に前記第1貫通孔の前記ベース基板での正投影内にある請求項1又は2に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記第1貫通孔及び前記光透過孔に充填される充填構造をさらに備える請求項1-3のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記第1貫通孔及び前記光透過孔は、前記充填構造により完全に充填されている請求項4に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記絶縁層の前記ベース基板から離れた側に位置し、前記充填構造とは一体に形成された充填層をさらに備える請求項4又は5に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記充填層は、パッシベーション層、ゲート絶縁層、層間絶縁層及び平坦化層のうちのいずれか一つを含む請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項8】
ソース及びドレインをさらに備え、前記ソースと前記ドレインは、前記パッシベーション層、前記ゲート絶縁層及び前記層間絶縁層の少なくとも1つを貫通している第2貫通孔を介して、それぞれ前記アクティブ層に接続される請求項1-7のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記光透過孔は、少なくとも部分的に前記アレイ基板の画素の間に位置する請求項1-8のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記ベース基板の前記遮光層から離れた側に位置するイメージングデバイスをさらに備え、前記イメージングデバイスは、前記ベース基板に垂直な方向に少なくとも部分的に前記光透過孔と重なる請求項1-9のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項11】
ディスプレイパネルであって、請求項1-10のいずれか1項に記載のアレイ基板を備えるディスプレイパネル。
【請求項12】
表示装置であって、請求項1-10のいずれか1項に記載のアレイ基板又は請求項11に記載のディスプレイパネルを備える表示装置。
【請求項13】
アレイ基板の製造方法であって、
ベース基板を提供するステップと、
前記ベース基板上に遮光膜層を形成するステップと、
前記遮光膜層上に薄膜トランジスタのアクティブ層を形成するステップと、
前記アクティブ層を形成した後、前記遮光膜層をパターニングして、光透過孔を含む遮光層を形成するステップとを含むアレイ基板の製造方法。
【請求項14】
絶縁層を形成し、第1貫通孔の前記ベース基板での正投影が前記アクティブ層の前記ベース基板での正投影と重ならないように前記絶縁層をパターニングして前記第1貫通孔を形成し、前記第1貫通孔を介して前記遮光膜層をパターニングして前記光透過孔を形成するステップをさらに含む請求項13に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項15】
前記第1貫通孔及び前記光透過孔に充填される充填構造を形成するステップをさらに含む請求項
14に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項16】
前記充填構造は、前記第1貫通孔及び前記光透過孔を完全に充填する請求項
15に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項17】
前記絶縁層に充填層を形成するステップをさらに含み、前記充填構造は、前記充填層の一部となる請求項
15に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項18】
前記充填層は、パッシベーション層、ゲート絶縁層、層間絶縁層及び平坦化層のうちのいずれか一つを含む請求項
17に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項19】
前記絶縁層の形成には、緩衝膜層、パッシベーション膜層、ゲート絶縁膜層及び層間絶縁膜層の少なくとも1つの形成を含む請求項14-
18のいずれか1項に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項20】
接続電極を形成し、前記緩衝膜層、前記パッシベーション膜層、前記ゲート絶縁膜層及び前記層間絶縁膜層の少なくとも1つを貫通している第3貫通孔を形成するステップをさらに含み、前記接続電極は、前記第3貫通孔を介して前記遮光層に接続される請求項
19に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項21】
前記ベース基板の前記遮光層から離れた側にイメージングデバイスを提供するステップをさらに含み、
前記イメージングデバイスは、前記ベース基板に垂直な方向に少なくとも部分的に前記光透過孔と重なる請求項13-
20のいずれか1項に記載のアレイ基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2018年5月17日に提出した中国特許出願第201810473898.2号、名称「アレイ基板及びその製造方法、ディスプレイパネル及び表示装置」の優先権を主張し、上記中国特許出願に開示されている全内容を引用により本開示の実施例の一部としてここに組み込む。
【0002】
本開示の実施例は、アレイ基板及びその製造方法、ディスプレイパネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル決済とモバイル情報交換の急速な発展に伴い、表示装置に適用できる簡便で効果的なセキュリティ技術に対するニーズがますます高まっている。指紋認識技術、掌紋認識技術や虹彩認識技術などの生体認識技術は、徐々にモバイル電子機器に採用されてきた。
【0004】
単独したイメージングモジュールを導入することによって表示装置に指紋認識又は掌紋認識などの生体認識機能を付与すると、表示装置の体積、重量、コスト及び消費電力が増加してしまい、それは、現在の消費者の電子製品、特に大衆消費電子製品への要求や期待に反することになる。
【0005】
アンダースクリーン指紋認識技術に基づく表示装置では、単独した指紋認識モジュールを設置する必要がないため、画面の下部額縁の寸法が小さく、全画面化を実現しやすく、油汚れ、水ジミ、埃塵に対する耐性を有するなどの長所を有するため、アンダースクリーン指紋認識技術に基づく表示装置は、幅広く注目されている。
【発明の概要】
【0006】
本開示の少なくとも1つの実施例は、アレイ基板を提供し、該アレイ基板は、
ベース基板と、
前記ベース基板上に位置し、光透過孔を含む遮光層と、
前記遮光層の前記ベース基板から離れた側に位置する薄膜トランジスタのアクティブ層と、
前記ベース基板上に位置し、前記光透過孔に連通している第1貫通孔を含む絶縁層とを備える。
【0007】
本開示のいくつかの実施例において、前記第1貫通孔の前記ベース基板での正投影が前記アクティブ層の前記ベース基板での正投影と重ならない。
本開示のいくつかの実施例において、前記光透過孔の前記ベース基板での正投影が完全に前記第1貫通孔の前記ベース基板での正投影内にある。
【0008】
本開示のいくつかの実施例において、アレイ基板は、前記第1貫通孔及び前記光透過孔に充填される充填構造をさらに備える。
【0009】
本開示のいくつかの実施例において、前記第1貫通孔及び前記光透過孔は、前記充填構造により完全に充填される。
【0010】
本開示のいくつかの実施例において、アレイ基板は、前記絶縁層の前記ベース基板から離れた側に位置し、前記充填構造とは一体に形成される充填層をさらに備える。
【0011】
本開示のいくつかの実施例において、前記充填層は、パッシベーション層、ゲート絶縁層、層間絶縁層及び平坦化層のうちのいずれか一つを含む。
【0012】
本開示のいくつかの実施例において、前記絶縁層は、緩衝層、パッシベーション層、ゲート絶縁層及び層間絶縁層の少なくとも1つを含む。
【0013】
本開示のいくつかの実施例において、アレイ基板は、ソース及びドレインをさらに備え、前記ソースと前記ドレインは、前記パッシベーション層、前記ゲート絶縁層及び前記層間絶縁層の少なくとも1つを貫通している第2貫通孔を介してそれぞれ前記アクティブ層に接続される。
【0014】
本開示のいくつかの実施例において、アレイ基板は、前記緩衝層、前記パッシベーション層、前記ゲート絶縁層及び前記層間絶縁層の少なくとも1つを貫通している第3貫通孔を介して前記遮光層に接続される接続電極をさらに備える。
【0015】
本開示のいくつかの実施例において、前記光透過孔は、少なくとも部分的に前記アレイ基板の画素の間に位置する。
【0016】
本開示のいくつかの実施例において、アレイ基板は、前記ベース基板の前記遮光層から離れた側に位置するイメージングデバイスをさらに備え、前記イメージングデバイスは、前記ベース基板に垂直な方向に少なくとも部分的に前記光透過孔と重なる。
【0017】
本開示の少なくとも1つの実施例は、上記いずれかのアレイ基板を備えるディスプレイパネルをさらに提供する。
【0018】
本開示の少なくとも1つの実施例は、上記いずれかのアレイ基板又は上記いずれかのディスプレイパネルを備える表示装置をさらに提供する。
【0019】
本開示の少なくとも1つの実施例は、アレイ基板の製造方法をさらに提供し、該製造方法は、
ベース基板を提供するステップと、
前記ベース基板上に遮光膜層を形成するステップと、
前記遮光膜層上に薄膜トランジスタのアクティブ層を形成するステップと、
前記アクティブ層を形成した後、前記遮光膜層をパターニングして、光透過孔を含む遮光層を形成するステップとを含む。
【0020】
本開示のいくつかの実施例において、該方法は、絶縁層を形成し、第1貫通孔の前記ベース基板での正投影が前記アクティブ層の前記ベース基板での正投影と重ならないように前記絶縁層をパターニングして前記第1貫通孔を形成し、前記第1貫通孔を介して前記遮光膜層をパターニングして前記光透過孔を形成するステップをさらに含む。
【0021】
本開示のいくつかの実施例において、該方法は、前記第1貫通孔及び前記光透過孔に充填される充填構造を形成するステップをさらに含む。
【0022】
本開示のいくつかの実施例において、前記充填構造は、前記第1貫通孔及び前記光透過孔を完全に充填する。
【0023】
本開示のいくつかの実施例において、該方法は、前記絶縁層上に充填層を形成するステップをさらに含み、前記充填構造は、前記充填層の一部となる。
【0024】
本開示のいくつかの実施例において、前記充填層は、パッシベーション層、ゲート絶縁層、層間絶縁層及び平坦化層のうちのいずれか一つを含む。
【0025】
本開示のいくつかの実施例において、前記絶縁層の形成には、緩衝膜層、パッシベーション膜層、ゲート絶縁膜層及び層間絶縁膜層の少なくとも1つの形成を含む。
【0026】
本開示のいくつかの実施例において、該方法は、接続電極を形成し、及び前記緩衝膜層、前記パッシベーション膜層、前記ゲート絶縁膜層及び前記層間絶縁膜層の少なくとも1つを貫通している第3貫通孔を形成するステップをさらに含み、前記接続電極は、前記第3貫通孔を介して前記遮光層に接続される。
【0027】
本開示のいくつかの実施例において、該方法は、前記ベース基板の前記遮光層から離れた側にイメージングデバイスを提供するステップをさらに含み、前記イメージングデバイスは、前記ベース基板に垂直な方向に少なくとも部分的に前記光透過孔と重なる。
【0028】
本開示の実施例の技術案を明瞭に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明するが、勿論、以下の説明における図面は、本開示のいくつかの実施例に関するものに過ぎず、本開示を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1B】
図1Aに示す駆動バックプレーンを示す例示的な構造図である。
【
図2A】駆動バックプレーンの製造方法を示す模式図である。
【
図2B】駆動バックプレーンの製造方法を示す模式図である。
【
図2C】駆動バックプレーンの製造方法を示す模式図である。
【
図2D】駆動バックプレーンの製造方法を示す模式図である。
【
図2E】駆動バックプレーンの製造方法を示す模式図である。
【
図3A】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す例示的なフローチャートである。
【
図3B】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板を示す例示的な構造図である。
【
図3C】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板を示す例示的な平面図である。
【
図3D】
図3Bに示す充填構造及び平坦化層を示す模式図である。
【
図4A】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図4B】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図4C】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図4D】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図4E】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図4F】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図4G】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図4H】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図4I】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図4J】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図4K】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図4L】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図4M】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図4N】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図4O】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法を示す模式図である。
【
図5A】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法により製造されるアレイ基板を示す別の例示的な構造図である。
【
図5B】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法により製造されるアレイ基板を示すさらに別の例示的な構造図である。
【
図5C】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法により製造されるアレイ基板を示すさらに別の例示的な構造図である。
【
図5D】本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法により製造されるアレイ基板を示すさらに別の例示的な構造図である。
【
図6】本開示の少なくとも1つの実施例に係るディスプレイパネル及び表示装置を示す模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明瞭かつ完全に説明する。勿論、説明する実施例は、本開示の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。説明する本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力を必要とせずに想到しうるすべてのほかの実施例は、本開示の保護範囲に属する。
【0031】
特に断らない限り、本開示に使用されている技術用語又は科学用語は、本開示の当業者が理解しうる一般的な意味である。本開示に使用されている「第1」、「第2」及び類似した用語は、いかなる順番、数量又は重要性を示すものでもなく、異なる構成部分を区別するために過ぎない。同様に、「1つ」、「一」又は「該」などの類似した用語も、数量の制限を示すものではなく、少なくとも1つが存在することを意味する。「含む」又は「備える」などの類似した用語は、該用語の前に記載の素子又は物品が該単語の後に挙げられている素子又は物品及びその同等物を含み、ほかの素子又は物品を排除しないことを意図する。「接続」又は「接続されている」などの類似した用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接か間接かを問わず、電気的接続を含む。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係を示すものに過ぎず、説明対象の絶対位置が変わると、この相対位置関係もそれに対応して変化する。
【0032】
図1Aは、アンダースクリーン指紋認識機能を有する表示装置である。
図1Aに示されるように、該表示装置は、駆動バックプレーン581、発光層553、積層した膜層582及びカバープレート583を備える。たとえば、発光層553は、複数の発光ユニット(未図示)を含む。たとえば、駆動バックプレーン581は、遮光層513、薄膜トランジスタ512(
図1B参照)及びイメージングデバイス515を備える。遮光層513は、複数の光透過領域(すなわち孔)及び複数の光透過領域を離間させるための遮光領域584を備える。薄膜トランジスタ512は、表示駆動回路に用いられて複数の発光ユニットを駆動して発光させる。イメージングデバイス515は、複数のイメージング画素を含み得る。たとえば、カバープレート583は、該表示装置の関連膜層をかき傷から保護する。積層した膜層582は、空気中の水蒸気や酸素による酸化の問題を低減させるために、パッケージ層などを含んでもよい。実際の応用の要件に応じて、積層した膜層582は、ほかの膜層(たとえば、電極層)をさらに含んでもよく、ここで重複説明を省略する。
【0033】
たとえば、指の皮膚に入射される光線(たとえば、発光ユニットから射出する光線)が拡散反射され、一部の拡散反射光線が表示装置に戻り、遮光層513の光透過領域(すなわち、遮光層の孔514)を介してイメージングデバイス515に入射され(
図2D参照)、それによって、イメージングデバイス515は、指の指紋に対してイメージングを行い、さらに
図1Aに示す表示装置は、アンダースクリーン指紋認識機能を実現する。
【0034】
図1Bは、
図1Aに示す駆動バックプレーン581を示す例示的な構造図である。
図1Bに示されるように、該駆動バックプレーン581は、ベース基板511、遮光層513、緩衝層521、薄膜トランジスタ512のアクティブ層516、薄膜トランジスタ512のゲート絶縁層522、薄膜トランジスタ512のゲート523、薄膜トランジスタ512のパッシベーション層524、層間絶縁層525、薄膜トランジスタ512のソース529及びドレイン526、平坦化層527、第1電極552及び画素画定層555を備える。たとえば、遮光層513は、複数の光透過領域(すなわち、複数の孔514)及び複数の光透過領域を離間させるための遮光領域584を含む。たとえば、遮光層513は、金属で製造可能であるが、実際の応用の要件に応じて、遮光層513は、遮光機能を有するほかの材料で製造してもよい。
【0035】
発明者は、現在の駆動バックプレーン581の製造プロセスにおいて、薄膜トランジスタ512の特性を確保するために、薄膜トランジスタ512のアクティブ層516の遮光層513での正投影と隣接する遮光層513の光透過領域(すなわち、遮光層の孔514)との間には大きな間隔が必要であり、指定された解像度に基づき、遮光層513の光透過領域(すなわち、遮光層の孔)の直径が小さくなり、このため、イメージングデバイス515に入射された指からの拡散反射光線の強度が小さくなり、さらにイメージングデバイス515のイメージング品質が低下する(たとえば、イメージングデバイス515から出力した画像の信号対雑音比が小さい)ことを見出した。
【0036】
また、発明者は、遮光層513のフローティングによる寄生容量及び薄膜トランジスタ512のキンク効果を避けるように、遮光層513に電気的に接続された接続電極571を介して遮光層513に通電することで、遮光層513に蓄積された電荷を放出できることを見出した。しかし、発明者は、接続電極571を形成するには、少なくとも一回のパターニング工程を追加する必要があることを見出した。遮光層の孔514を形成するには、少なくとも一回のパターニング工程を追加する必要があることを考慮すると、アンダースクリーン指紋認識機能を有する駆動バックプレーン581及び表示装置を製造するために、少なくとも2回のパターニング工程を追加することになり、その結果、駆動バックプレーン581及び表示装置の製造効率を大幅に低下させるとともに、製造コストを高める。
【0037】
以下、
図2A-
図2Dを参照しながら、上記少なくとも1つの問題を解決する方法を例示的に説明する。たとえば、
図2A-
図2Dには、駆動バックプレーン581の製造方法が示されている。たとえば、
図2A-
図2Dに示されるように、駆動バックプレーン581の製造方法は、ステップS511~ステップS518を含む。
【0038】
ステップS511:ベース基板511を提供する(
図2A参照)。後続で形成される各構造の位置についての説明の便宜上、
図2Aには、イメージングデバイス515が示されているが、イメージングデバイス515は、後で設置してもよい。
【0039】
ステップS512:ベース基板511に金属材料(たとえば金属Mo)からなる遮光層513を形成し、遮光層513をパターニングして孔514を形成する(
図2A参照)。
【0040】
ステップS513:遮光層513に絶縁材料から成る緩衝層521を形成し、緩衝層521に薄膜トランジスタ512のアクティブ層516を形成する(
図2B参照)。
【0041】
ステップS514:緩衝層521をパターニングして第3ビアホール533を形成し(
図2B参照)、遮光層513を露出させる。
【0042】
ステップS515:薄膜トランジスタ512のアクティブ層516に、薄膜トランジスタ512のゲート絶縁層522、薄膜トランジスタ512のゲート523、薄膜トランジスタ512のパッシベーション層524及び層間絶縁層525(
図2C参照)を順次形成する。
【0043】
ステップS516:薄膜トランジスタ512のゲート絶縁層522、薄膜トランジスタ512のパッシベーション層524及び層間絶縁層525をパターニングして、第2ビアホール531及び第4ビアホール534を形成する(
図2C参照)。
【0044】
ステップS517:表示領域561には、第2ビアホール531を介してアクティブ層516に接触するソース529及びドレイン526を形成し、周辺領域562には、第3ビアホール533及び第4ビアホール534を介して遮光層513に接触する接続電極571を形成する(
図2D参照)。
ステップS518:ソース529、ドレイン526及び接続電極571上に平坦化層527、第1電極552及び画素画定層555を形成し、第1電極552は、平坦化層527でのビアホールを介してソース又はドレインに接続される(
図2D参照)。
【0045】
たとえば、ステップS513では、緩衝層521への薄膜トランジスタ512のアクティブ層516の形成には、緩衝層521上にアモルファスシリコン層を形成して、アモルファスシリコン層をアニールすることでアモルファスシリコン層を多結晶シリコン層に転化することを含む。たとえば、アモルファスシリコン層に対するアニールプロセスは、レーザ光(たとえば、エキシマレーザーが出力するレーザ光)をアモルファスシリコン層に照射することと、アモルファスシリコン層がレーザ光を吸収して熱を発生させ、徐々に表層溶融状態から完全溶融状態になることと、降温過程に、アモルファスシリコン層が多結晶シリコン層に転化することとを含む。
【0046】
発明者は、遮光層513には複数の孔があるため、レーザ光をアモルファスシリコン層に照射する過程に、遮光層513において遮光層の孔514に近い領域及び遮光層の孔514から離れた領域では温度差(たとえば温度勾配)が存在し、それにより多結晶シリコン層の遮光層の孔514に近い領域(たとえば、遮光層513での正投影と遮光層の孔514との間の間隔がたとえば1ミクロン未満の領域)の結晶粒子の形態に悪影響を及ぼし、さらに薄膜トランジスタ512の特性の劣化を引き起こすことを見出した。
図2Eには、遮光層の孔を被覆しているアモルファスシリコン層を結晶化して得た多結晶シリコン層の走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)の写真が示されており、この写真から明らかなように、孔(写真の円形部分)の内部及び孔のエッジ部分に対応した多結晶シリコン結晶粒子は、ほかの部分とは異なる影響を受けている。
【0047】
従って、薄膜トランジスタ512の特性を確保するために、薄膜トランジスタ512のアクティブ層516の遮光層513での正投影については、隣接する遮光層513の光透過領域との間には、予め残された間隔PDがプロセスの精度誤差に対応した第1所定間隔PD1(たとえば、0.6ミクロン)だけでなく、アニール温度差(たとえば温度勾配)に対応した第2所定間隔PD2(たとえば、1ミクロン又は2ミクロン)を含む。付加した第2所定間隔PD2のため、遮光層513の光透過領域の直径が小さくなり(たとえば、6.5ミクロン又は5.5ミクロン)、従って、イメージングデバイス515に入射された指からの拡散反射光線の強度を低下させ、それによりイメージングデバイス515が出力した画像の信号対雑音比を低減させる。
【0048】
また、遮光層513に対するパターニング及び緩衝層521に対するパターニングが2つの独立した工程であり、且つ遮光層の孔514を形成するための少なくとも一回のパターニング工程を追加する必要があるため、アンダースクリーン指紋認識機能を有する駆動バックプレーン581及び表示装置を製造するには、少なくとも2回のパターニング工程を追加し、アンダースクリーン指紋認識機能を有するとともに薄膜トランジスタのキンク効果を抑制できる駆動バックプレーン581及び表示装置を製造するには、少なくとも三回のパターニング工程を追加することになり、その結果、駆動バックプレーン581及び表示装置の製造効率を大幅に低下させるとともに、製造コストを高める。
【0049】
【0050】
本開示の実施例は、アレイ基板及びその製造方法、ディスプレイパネル及び表示装置を提供する。該アレイ基板及びその製造方法、ディスプレイパネル及び表示装置は、イメージング品質を向上できる。
【0051】
本開示の少なくとも1つの実施例に係る該アレイ基板は、ベース基板、遮光層、薄膜トランジスタのアクティブ層、及び絶縁層を備える。遮光層は、前記ベース基板上に位置し、光透過孔を含む。薄膜トランジスタのアクティブ層は、前記遮光層の前記ベース基板から離れた側に位置する。絶縁層は、前記ベース基板上に位置する。前記絶縁層は、前記光透過孔に連通している第1貫通孔を含む。
【0052】
本開示の少なくとも1つの実施例は、アレイ基板を提供し、該アレイ基板は、ベース基板、遮光層及び薄膜トランジスタを備える。遮光層は、ベース基板と薄膜トランジスタとの間に位置し且つ光透過孔を含み、薄膜トランジスタは、遮光層のベース基板から離れた側に順次設置されたアクティブ層及びパッシベーション層を含み、パッシベーション層は、アクティブ層のベース基板から離れた側に位置し、パッシベーション層は、光透過孔に連通している第1ビアホールを含む。本開示の実施例では、第1ビアホールを用いて光透過孔を形成できる。第1ビアホールは、薄膜トランジスタ以外の領域に位置する。
【0053】
たとえば、遮光層の光透過孔のベース基板での正投影が完全に第1ビアホールのベース基板での正投影内にあるが、それに制限されない。たとえば、光透過孔は、第1ビアホールを介して遮光層をパターニングすることによって形成される。使用されるエッチングプロセスのため、遮光層の光透過孔のベース基板での正投影が第1ビアホールのベース基板での正投影とは多少異なる。
【0054】
以下、いくつかの例にて本開示の実施例に係るアレイ基板を非限定的に説明するが、下述するように、矛盾しない限り、これら具体例における異なる特徴を互いに組み合わせて新しい例を構成することができ、これら新しい例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0055】
図3Bに示されるように、該アレイ基板100は、ベース基板111、遮光層113及び薄膜トランジスタ112を備える。遮光層113は、ベース基板111と薄膜トランジスタ112との間に位置し且つ光透過孔114を含む。薄膜トランジスタ112は、遮光層113のベース基板111から離れた側に順次設置されたアクティブ層116及びパッシベーション層124を含む。たとえば、アクティブ層116は、半導体層であり、たとえば、アクティブ層116は、多結晶シリコン層を含み、且つ、該多結晶シリコン層は、アニールプロセスを利用してアモルファスシリコン層から形成される。たとえば、ベース基板111、遮光層113及び薄膜トランジスタ112の製造方法については、本開示の実施例に係るアレイ基板の製造方法を参照すればよいので、ここで重複説明を省略する。
【0056】
図3Bに示されるように、パッシベーション層124は、第1ビアホール132を含み、遮光層の光透過孔114のベース基板111での正投影が完全に第1ビアホール132のベース基板111での正投影内にあるが、それに制限されない。たとえば、パッシベーション層124に第1ビアホール132が設置されることによって、薄膜トランジスタのアクティブ層が形成された後(たとえば、パッシベーション層124を形成する)遮光層113をパターニングして光透過孔114を形成することが可能になり、それによって、アクティブ層を形成するアニールプロセスでは、遮光層による温度差がなくなり、アクティブ層の異なる部分の結晶形態への影響がなくなる。従って、遮光層は、薄膜トランジスタのアクティブ層の形成に悪影響を与えることがなく、このため、遮光層の光透過孔によるアクティブ層への悪影響を低減させるのに遮光層の光透過孔の直径を低減させる必要がなくなり、イメージングデバイスに入射される指からの拡散反射光線の強度をさらに向上させ、イメージングデバイスが出力した画像の信号対雑音比を向上させる。以下は、各実施例を参照して説明する。
【0057】
なお、本開示では、遮光層の光透過孔114が円形である場合を例にして本開示の実施例を例示的に説明したが、本開示の実施例は、それに制限されず、実際の応用の要件に応じて、遮光層の光透過孔114は、楕円形、四角形などの形状としてもよい。
【0058】
図3Bに示されるように、第1ビアホール132のベース基板111での正投影がアクティブ層116のベース基板111での正投影とは重ならない。たとえば、第1ビアホール132は、隣接する薄膜トランジスタの間に位置する。また、たとえば、第1ビアホール132は、隣接する薄膜トランジスタのアクティブ層116の間に位置する。
【0059】
たとえば、遮光層の光透過孔114のベース基板111での正投影が第1ビアホール132のベース基板111での正投影とは完全に重なり、このような場合は、遮光層の光透過孔114のベース基板111での正投影と第1ビアホール132のベース基板111での正投影とは、同じ形状及び寸法を有し、このため、製造プロセスを簡略化させることができる。
【0060】
図3Bに示されるように、薄膜トランジスタ112は、アクティブ層116とパッシベーション層124との間に設置されたゲート絶縁層122及びゲート123と、パッシベーション層124のアクティブ層116から離れた側に設置されたソース129及びドレイン126とをさらに備える。第1ビアホール132は、ゲート絶縁層122を貫通して形成され、ソース129及びドレイン126は、ゲート絶縁層122及びパッシベーション層124に形成された第2ビアホール131を介してアクティブ層116に接触する。
【0061】
図3Bに示されるように、アレイ基板100は、層間絶縁層125、第1コンデンサ電極141及び第2コンデンサ電極142をさらに備える。第1コンデンサ電極141及び第2コンデンサ電極142は、ベース基板111に垂直な方向に少なくとも部分的に重なり(たとえば、完全に重なる)コンデンサを形成してもよく、該コンデンサは、たとえば、画素回路の信号記憶、閾値補償機能などを実現しうる。
【0062】
図3Bに示されるように、層間絶縁層125は、パッシベーション層124とソース129及びドレイン126が位置する層との間に設置され、第1コンデンサ電極141は、ゲート絶縁層122とパッシベーション層124との間に設置される。この場合、第1コンデンサ電極141は、ゲート123を形成する第1パターニングプロセスにおいて形成することができ、このようにしてプロセスの複雑度を低減できる。第2コンデンサ電極142は、パッシベーション層124と層間絶縁層125との間に設置され、この場合、第2コンデンサ電極142は、遮光層の光透過孔114を形成する第2パターニングプロセスにおいて形成され、このようにしてプロセスの複雑度をさらに低減できる。
【0063】
図3B及び
図3Dに示されるように、アレイ基板100は、充填構造199をさらに備え、充填構造199は、第1ビアホール132及び光透過孔114に充填され、すなわち充填構造199は、パッシベーション層124及び遮光層113を貫通している。この場合、上記各層を貫通する第1ビアホール132は、単一材料で充填され、それにより、光透過孔114の上方での各種膜層の間の界面反射(たとえば、ゲート絶縁層122とパッシベーション層124の間の界面反射)により遮光層の光透過孔114を透過する光線の強度を低減させるような現象を防止できる。従って、第1ビアホール132に充填構造199が設置されることにより、イメージングデバイス115に入射される指からの拡散反射光線の強度をさらに向上させ、またイメージングデバイス115が出力した画像の信号対雑音比を向上させる。たとえば、
図3Bに示されるように、第1ビアホール132及び光透過孔114は、充填構造199により完全に充填されている。
【0064】
図3Bに示されるように、アレイ基板100は、平坦化層127をさらに備え、平坦化層127は、層間絶縁層125のアクティブ層116から離れた側に設置される。この場合、第1ビアホール132は、平坦化層127を形成する材料で充填され得る。すなわち、平坦化層127及び充填構造199の製造材料が同じであり、且つベース基板111に垂直な方向に対向した充填構造199の表面がそれぞれ平坦化層127及びベース基板111に接続され、平坦化層127及び充填構造199が一体化して形成できるので、平坦化層127と充填構造199との間の界面をなくすことが可能になる。たとえば、ここでの平坦化層127は、充填層FLとして第1ビアホール132及び光透過孔114を充填できるが、本開示の実施例では、充填層FLは、平坦化層127ではなく、ほかの絶縁材料の層を使用してもよい。たとえば、充填層FLは、パッシベーション層124、ゲート絶縁層122及び層間絶縁層125のうちのいずれかを使用してもよく、それについては、後述する実施例において説明する。
【0065】
平坦化層127及びベース基板111に接触する充填構造199を設置することで、複数の膜層の間の界面反射による遮光層の光透過孔114を透過した光線の強度低下を防止できる。たとえば、複数の膜層の間の界面反射は、緩衝層121とゲート絶縁層122との間の界面反射、パッシベーション層124とゲート絶縁層122との間の界面反射、層間絶縁層125とパッシベーション層124との間の界面反射、及び平坦化層127と層間絶縁層125との間の界面反射を含む。従って、イメージングデバイス115に入射された指からの拡散反射光線の強度を向上させ、またイメージングデバイス115が出力した画像の信号対雑音比を向上させる。
【0066】
なお、示されていないほかの実施例では、遮光層における光透過孔114を形成するステップとほかのステップとの関係の相違に応じて、遮光層における光透過孔114は、ゲート絶縁層122、パッシベーション層124又は層間絶縁層125を形成する材料で充填されてもよい。
【0067】
図3Bに示されるように、アレイ基板100は、表示領域161と周辺領域162とを含み、表示領域161は、アレイ状に配列した表示画素を含み、表示画素は、それぞれ少なくとも1つの発光素子を含み、周辺領域162は、表示領域161を取り囲んで設置されるようにしてもよい。
図3Bに示されるように、アレイ基板100は、ゲート絶縁層122及びパッシベーション層124に位置する第3ビアホール133、層間絶縁層125に位置する第4ビアホール134、及び層間絶縁層125が形成された後であって平坦化層127の前に形成された接続電極171をさらに備える。
【0068】
図3Bに示されるように、第3ビアホール133のベース基板111での正投影が第4ビアホール134のベース基板111での正投影とは少なくとも部分的に重なり、この場合、該接続電極171は、第3ビアホール133及び第4ビアホール134を介して(第3ビアホール133及び第4ビアホール134に設置された電極充填構造198を介して)遮光層113に接触できるので、接続電極171を経由して遮光層113に通電して遮光層113に蓄積された電荷を放出し、それにより遮光層113のフローティングによる寄生容量及び薄膜トランジスタ112のキンク効果を避け、さらに表示品質を向上させる。
【0069】
図3Bに示されるように、第3ビアホール133及び第4ビアホール134は、アレイ基板100の周辺領域162に位置し、このようにして表示領域161の正常表示を避ける。接続電極171は、第4ビアホール134及び第3ビアホール133を介して遮光層113に接触できるが、本開示の実施例では、それに制限されない。
【0070】
図3Bに示されるように、第3ビアホール133のベース基板111での正投影が完全に第4ビアホール134のベース基板111での正投影内にあり、それにより充填構造198の均一性を向上させ、さらに遮光層113に蓄積された電荷をよりよく放出することができるが、本開示の実施例では、それに制限されない。
【0071】
本開示の実施例では、絶縁層は、少なくとも一層を含んでもよいし、積層構造としてもよい。たとえば、
図3B中の絶縁層ISLは、緩衝層121、パッシベーション層124、ゲート絶縁層122及び層間絶縁層125を含むが、絶縁層ISLは、パッシベーション層124、ゲート絶縁層122及び層間絶縁層125のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0072】
図3Bに示されるように、第1貫通孔H1は、絶縁層ISLを貫通している。たとえば、
図3Bに示されるように、第1貫通孔H1は、緩衝層121、パッシベーション層124、ゲート絶縁層122及び層間絶縁層125を貫通しており、ほかの実施例では、絶縁層ISLによって、必要に応じて調整してもよい。
【0073】
たとえば、ソース129及びドレイン126は、パッシベーション層124、ゲート絶縁層122及び層間絶縁層125の少なくとも1つを貫通している第2貫通孔H2を介してアクティブ層116に接触する。
図3Bに示されるように、ソース129及びドレイン126は、パッシベーション層124、ゲート絶縁層122及び層間絶縁層125を貫通する第2貫通孔H2を介してアクティブ層116に接触する。
【0074】
なお、アレイ基板100の具体的な構造は、
図3Bに示した構造に制限されず、実際の応用の要件に応じて、本開示の実施例に係るアレイ基板100は、
図5A-
図5Dに示した構造として実現されてもよく、その具体的な構造及び製造方法については、本開示の実施例に係るアレイ基板の製造方法を参照すればよいので、ここで重複説明を省略する。
【0075】
本開示の少なくとも1つの実施例は、ディスプレイパネル10及び表示装置20をさらに提供し、
図6には、本開示の少なくとも1つの実施例に係るディスプレイパネル10及び表示装置20の例示的なブロック図が示されている。たとえば、
図6に示されるように、該ディスプレイパネル10は、本開示のいずれかの実施例に係るアレイ基板100を含み、該表示装置20は、本開示のいずれかの実施例に係るアレイ基板100又は本開示のいずれかの実施例に係るディスプレイパネル10を含む。該ディスプレイパネル10及び表示装置20は、イメージング品質を向上させることができる。
【0076】
たとえば、該表示装置20は、携帯電話、タブレットPC、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータなど、表示機能を有する任意の製品又は部材であり得る。なお、該ディスプレイパネル10及び表示装置20のほかの不可欠な構成部分(たとえば薄膜トランジスタ制御装置、画像データ符号化/復号化装置、行走査ドライバ、列走査ドライバ、クロック回路等)としては、適用できる通常の部材が使用可能であり、これらは、当業者にとって自明なことであるので、ここで詳細説明を省略し、本発明の制限とならない。
【0077】
本開示の少なくとも1つの実施例は、アレイ基板の製造方法を提供し、該製造方法は、前記ベース基板を提供するステップと、前記ベース基板上に遮光層を形成するステップと、前記遮光層上に前記薄膜トランジスタを形成するステップとを含む。たとえば、前記薄膜トランジスタの形成には、前記薄膜トランジスタのアクティブ層の形成が含まれる。前記薄膜トランジスタのアクティブ層が形成された後に、前記遮光層をパターニングして光透過孔を形成する。
【0078】
以下、いくつかの例にて本開示の実施例に係るアレイ基板の製造方法を非限定的に説明するが、下述するように、矛盾しない限り、これら具体例における異なる特徴を互いに組み合わせて新しい例を構成することができ、これら新しい例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0079】
アレイ基板の製造方法は、
ベース基板を提供するステップと、
前記ベース基板上に遮光膜層を形成するステップと、
前記遮光膜層上に薄膜トランジスタのアクティブ層を形成するステップとを含み、
たとえば、
図3Aに示されるように、本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板の製造方法は、ステップS10~ステップS40を含む。
【0080】
ステップS10:ベース基板を提供する。
【0081】
ステップS20:前記ベース基板上に遮光膜層を形成する。
【0082】
ステップS30:前記遮光膜層上に薄膜トランジスタのアクティブ層を形成する。
【0083】
ステップS40:前記アクティブ層を形成した後、前記遮光膜層をパターニングして、光透過孔を含む遮光層を形成する。
【0084】
たとえば、パターニングプロセスを用いて遮光膜層をパターニングして光透過孔を形成するが、本開示の実施例では、それに制限されない。たとえば、遮光層の光透過孔は、すべてアレイ基板の表示領域に設置されてもよく、本開示の実施例では、それに制限されない。また、たとえば、実際の応用の要件に応じて、遮光層の光透過孔の一部は、アレイ基板の周辺領域に設置されてもよい。
【0085】
たとえば、薄膜トランジスタのアクティブ層が形成された後に遮光膜層をパターニングして光透過孔を形成することによって、アクティブ層を形成するアニールプロセスでは、遮光膜層による温度差がなくなり、アクティブ層の異なる部分の結晶形態への影響がなくなる。従って、遮光膜層は、薄膜トランジスタのアクティブ層の形成に悪影響を与えることがなく、このため、遮光層の光透過孔によるアクティブ層への悪影響を低下させるのに遮光層の光透過孔の直径を低減させる必要がなくなり、イメージングデバイスに入射された指からの拡散反射光線の強度をさらに向上させ、イメージングデバイスが出力した画像の信号対雑音比を向上させる。以下は、各実施例を参照して説明する。
【0086】
図3Bは、本開示の少なくとも1つの実施例に係るアレイ基板を示す例示的な構造図であり、
図3Aに示したアレイ基板の製造方法により得られ得る。たとえば、該アレイ基板100は、ベース基板111、ベース基板111上に形成された遮光層113及び薄膜トランジスタ112を備える。たとえば、該アレイ基板100は、さらに発光素子151を含む。
【0087】
たとえば、薄膜トランジスタ112は、発光素子151を発光駆動する駆動トランジスタ、及びデータ信号を駆動トランジスタに印加するか否かを制御するスイッチングトランジスタなどを含む。たとえば、薄膜トランジスタ112は、遮光層113上に順次設置されたアクティブ層116、ゲート絶縁層122、ゲート123、パッシベーション層124、及びソース129とドレイン126を含む。ここで、ソース129及びドレイン126は、ゲート絶縁層122及びパッシベーション層124に形成された第2ビアホール131を介してアクティブ層116に接触しうる。
【0088】
なお、本開示の少なくとも1つの実施例のアレイ基板の製造方法は、
図3Bに示したようなトップゲート型薄膜トランジスタの製造に適用できるだけでなく、ボトムゲート型薄膜トランジスタの製造に適用でき、ここで詳細説明を省略する。
【0089】
たとえば、遮光層113は、金属材料(たとえば金属モリブデン)で製造され、この場合、
図3Bに示されるように、遮光層113と薄膜トランジスタ112との間にさらに緩衝層121が設置されることで、遮光層113と薄膜トランジスタ112とが電気的に絶縁している。たとえば、遮光層113は、非金属材料(たとえば非透光性の金属酸化物たとえば酸化クロム)で製造され、この例では、緩衝層が設置されなくてもよい。ベース基板111の遮光層113から離れた側には、イメージングデバイス115がさらに設置され、イメージングデバイス115は、ベース基板111に垂直な方向に遮光層の光透過孔114とは少なくとも部分的に重なり、それにより、イメージングデバイス115に入射された指からの拡散反射光線の強度を向上させ、また、イメージングデバイス115が出力した画像の信号対雑音比を向上させる。たとえば、イメージングデバイス115は、それに照射された光の強度に応答して指紋の画像を合成して指紋を認識できるが、それに制限されない。
【0090】
たとえば、
図3Cに示されるように、アレイ基板は、複数の発光素子151、複数の光透過孔114及び複数のイメージングデバイス115を備える。複数の発光素子151、複数の光透過孔114及び複数のイメージングデバイス115は、それぞれアレイ状に配列されており、各光透過孔114とそれに対応したイメージングデバイス115のベース基板111での正投影とが少なくとも部分的に重なり、各光透過孔114のベース基板111での正投影が隣接する発光素子151のベース基板111での正投影の間に設置される。複数の発光素子151及び複数の光透過孔114の設置方式は、
図3Cの方式に制限されない。たとえば、
図3Cの水平方向において、8-10個の発光素子151おきに1つのイメージングデバイス115が設置されてもよい。
【0091】
たとえば、
図3Bに示されるように、薄膜トランジスタ112のベース基板111から離れた側には、平坦化層127、及び平坦化層127における第5ビアホール135を介して薄膜トランジスタ112のソース又はドレインに接触する発光素子151がさらに設置される。たとえば、発光素子151は、有機発光ダイオードであり、順次設置された第1電極152、画素画定層155、発光層153及び第2電極154を含み、第1電極152及び第2電極154は、それぞれ陽極及び陰極としてもよいが、本開示の実施例では、それに制限されない。別の例では、平坦化層127のベース基板111から離れた側には、第1電極152及び画素画定層155だけ設置されて駆動バックプレーンを形成するようにしてもよい、この場合、発光層153及び第2電極154は、後続の製造工程において形成され得る。
【0092】
図3B及び3Cに示されるように、アレイ基板は、複数の画素Pを含み、光透過孔114は、少なくとも部分的に画素Pの間に位置する。たとえば、画素Pは、最小の発光ユニットである。画素Pは、発光素子151を含むが、それに制限されない。たとえば、画素は、液晶表示装置における表示画素である。たとえば、光透過孔114のベース基板での正投影が画素Pのベース基板での正投影内にある。光透過孔114の位置は、必要に応じて選択可能であり、遮光性素子/部材により遮断されなければよい。たとえば、光線が薄膜トランジスタにおけるゲート、ソース及びドレインなどの素子により遮断されて光透過孔114を透過できなくなることを防止するために、光透過孔114のベース基板での正投影が薄膜トランジスタのベース基板での正投影と重ならないようにする。
【0093】
図3Bに示されるように、緩衝層121、ゲート絶縁層122、パッシベーション層124及び層間絶縁層125には、第1ビアホール132が形成されて光透過孔114を露出させる。たとえば、平坦化層127を形成する材料が第1ビアホール132に充填され、すなわち、上記各層を貫通する第1ビアホール132が単一の材料で充填され、それにより光透過孔114の上方での各種の膜層の間の界面反射(たとえば、ゲート絶縁層122とパッシベーション層124との間の界面反射)により遮光層の光透過孔114を透過する光線の強度を低減させるような現象を防止できる。従って、平坦化層127を形成する材料を第1ビアホール132に充填することで、イメージングデバイス115に入射された指からの拡散反射光線の強度をさらに向上させ、またイメージングデバイス115が出力した画像の信号対雑音比を向上させる。
【0094】
たとえば、
図3Bに示されるように、該アレイ基板100は、アレイ基板100の周辺領域162に設置された接続電極171をさらに備え、該接続電極171は、第3ビアホール133を介して遮光層113に接触し、且つ接続電極171を経由して遮光層113に通電して遮光層113に蓄積された電荷を放出し、それにより遮光層113のフローティングによる寄生容量及び薄膜トランジスタ112のキンク効果を避け、さらに表示品質を向上させる。
【0095】
本開示の実施例では、接続電極171は、第3貫通孔H3を介して遮光層113に接続される。第3貫通孔H3は、接続電極171と遮光層との間の絶縁層を貫通するビアホールである。第3貫通孔H3は、第3ビアホール133であってもよいが、それに制限されない。たとえば、接続電極171とゲート123が同層に設置される場合、第3貫通孔H3は、ゲート絶縁層だけを貫通してもよい。
【0096】
たとえば、
図3Bに示されるように、該アレイ基板100は、第1コンデンサ電極141及び第2コンデンサ電極142をさらに備え、第1コンデンサ電極141及び第2コンデンサ電極142は、ベース基板111に垂直な方向に少なくとも部分的に重なり(たとえば、完全に重なる)コンデンサを形成してもよく、該コンデンサは、たとえば、画素回路の信号記憶、閾値補償機能などを実現しうる。
【0097】
たとえば、
図3Bに示されるように、アレイ基板100が第1コンデンサ電極141及び第2コンデンサ電極142をさらに備える場合、該アレイ基板100は、パッシベーション層124と平坦化層127との間に設置された層間絶縁層125をさらに備え、第1コンデンサ電極141は、薄膜トランジスタ112のゲート絶縁層122とパッシベーション層124との間に設置され、第2コンデンサ電極142は、薄膜トランジスタ112のパッシベーション層124と層間絶縁層125との間に設置されてもよく、このようにしてプロセスの複雑度を減少させるが、本開示の実施例では、それに制限されない。
【0098】
たとえば、
図3Bに示されるように、該アレイ基板100は、画素画定層155のベース基板111から離れた側の表面に設置された複数のスペーサー156と、複数のスペーサー156のベース基板111から離れた側の表面に設置されたカバープレート(
図3Bには未図示)とをさらに含む。たとえば、各スペーサー156のアレイ基板100での正投影が第1電極152のアレイ基板100での正投影とは間隔を開けて設置され、それによって、カバープレートに印加された力の発光層153への伝達を防止し、さらに該アレイ基板100を備えるディスプレイパネル10の表示品質を確保できる。別の例では、複数のスペーサー156が設置されなくてもよい。
【0099】
たとえば、以下、
図4A-
図4Oを参照しながら本開示の実施例に係るアレイ基板の製造方法を例示的に説明し、最終的に得られたアレイ基板は、
図3Bに示したアレイに対応しているが、必要に応じて変更することが可能であり、ある層構造、たとえば遮光層における光透過孔の上方の層構造などを増減したりする。従って、本開示の実施例は、図示した実施例に制限されない。たとえば、
図4A-
図4Oに示されるように、該アレイ基板の製造方法は、ステップS201~ステップS216を含む。
【0100】
ステップS201:ベース基板111を提供する(
図4A参照)。
【0101】
たとえば、ベース基板111は、フレキシブルなベース基板111であるが、本開示の実施例では、それに制限されず、実際の応用の要件に応じて、ベース基板111は、曲げられない剛性ベース基板(たとえば、ガラス基板や半導体ベース基板)であってもよい。たとえば、フレキシブルなベース基板111は、金属箔、薄板ガラス又はプラスチック基板(たとえば、ポリイミド製基板)であってもよいが、本開示の実施例では、それに制限されない。たとえば、ベース基板111の曲げ半径の最小値が10ミリメートル-30ミリメートル(たとえば20ミリメートル)であってもよいが、本開示の実施例では、それに制限されない。たとえば、ベース基板111の曲げ半径の最小値が20ミリメートルである場合、ベース基板111を半径20ミリメートルの円柱に1万回巻き付けた後にも、ベース基板111は、正常に作動できる。
【0102】
たとえば、実際の応用の要件に応じて、ベース基板111の一側の表面(すなわち、ベース基板111の遮光層113から離れた側の表面)には、イメージングデバイス115が設置され、該イメージングデバイス115は、ベース基板111に垂直な方向に遮光層の光透過孔114とは少なくとも部分的に重なってもよい。
図4Aにはイメージングデバイス115が示されているが、該イメージングデバイス115は、アレイ基板の製造終了後にベース基板111の一側に取り付けるようにしてもよい。
【0103】
たとえば、イメージングデバイス115の構造及びタイプは、具体的には、実際の応用の要件に応じて設定することができ、本開示の実施例では、それについて特に限定しない。たとえば、イメージングデバイス115は、複数のイメージング画素を含み、各イメージング画素は、それに照射された光信号を電気信号に変換するフォトダイオードと、フォトダイオードに電気的に接続されて、フォトダイオードが光信号収集状態であるか否か、及び光信号を収集する時間を制御するスイッチングトランジスタとを含み得る。たとえば、フォトダイオードのタイプ及び設置形態については、実際の応用の要件に応じて設定することができ、本開示の実施例では、それについて特に限定しない。たとえば、フォトダイオードは、PIN接合型感光ダイオード又は感光トランジスタなどとしてもよく、それによりフォトダイオードの応答速度を向上できる。
【0104】
ステップS202:ベース基板111上に遮光膜層1130を形成する(
図4B参照)。
【0105】
たとえば、遮光膜層1130は、金属、吸光材料、黒色遮光材料又はほかの利用可能な材料で製造される。たとえば、遮光膜層1130が金属である場合、遮光膜層1130は、モリブデン金属であってもよい。たとえば、本開示では、遮光膜層1130が金属である場合を例にして本開示の実施例を例示的に説明するが、本開示の実施例では、それに制限されない。たとえば、実際の応用の要件に応じて、遮光膜層1130を形成する前に、ベース基板111上にパッシベーション層(未図示)を形成してもよく、該パッシベーション層は、空気中の水蒸気や酸素による酸化の問題を低減させて、たとえば絶縁機能を果たす。
【0106】
ステップS203:遮光膜層1130上に緩衝膜層1210を形成する(
図4C参照)。
【0107】
たとえば、緩衝膜層1210は、透明絶縁材料で製造され、緩衝膜層1210の対向側に設置された遮光膜層1130と薄膜トランジスタ112とを電気的に絶縁させる。たとえば、緩衝膜層1210は、無機材料又は有機材料で形成され、緩衝膜層1210は、たとえば、有機樹脂、酸化ケイ素(SiOx)、酸素窒化ケイ素(SiNxOy)又は窒化ケイ素(SiNx)で形成され得るが、本開示の実施例では、それに制限されない。
【0108】
ステップS204:緩衝膜層1210上に薄膜トランジスタ112のアクティブ層116を形成する(
図4D参照)。
【0109】
たとえば、薄膜トランジスタ112のアクティブ層116の形成には、先ずアモルファスシリコン層を形成して、次にアモルファスシリコン層をアニールすることでアモルファスシリコン層を多結晶シリコン層に転化し、その後、多結晶シリコン層をパターニングしてパターニングしたアクティブ層を得ることを含む。たとえば、アモルファスシリコン層に対するアニールプロセスは、レーザ光(たとえば、エキシマレーザーが出力するレーザ光)をアモルファスシリコン層に照射することと、アモルファスシリコン層がレーザ光を吸収して熱を発生させ、徐々に表層溶融状態から完全溶融状態になることと、降温過程に、アモルファスシリコン層が多結晶シリコン層に転化することとを含む。たとえば、アモルファスシリコン層に対するアニールプロセスの方法は、具体的には、たとえばエキシマレーザーによるアニールプロセスを参照すればよいので、ここで重複説明を省略する。該結晶化プロセスは、金属誘起結晶化(MIC)プロセス(たとえば、金属誘起横方向結晶化プロセス(MILC))、固相結晶化(SPC)プロセスや順次横方向結晶化(SLC)プロセスなどの結晶化プロセスなどであってもよい。たとえば、アクティブ層116は、アクティブ膜層を形成してアクティブ膜層をパターニングすることによって形成され得る。たとえば、アクティブ膜層は、ベース基板に被覆された面状構造である。たとえば、アクティブ膜層は、少なくともアレイ基板100の表示領域161に被覆されている。
【0110】
薄膜トランジスタ112のアクティブ層116は、半導体材料を用いて製造され、たとえば、該実施例の別の例では、アクティブ層116は、金属酸化物半導体材料を用いて製造され、該金属酸化物半導体材料は、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)、酸化亜鉛などを含む。該金属酸化物半導体材料の薄膜を形成した後、この薄膜をアニールすることで、その電気特性を改善する。
【0111】
以下、
図4D及び
図4Jを参照しながら説明するように、薄膜トランジスタ112のアクティブ層116が形成された後、遮光膜層1130をパターニングして光透過孔114を形成し、それにより遮光層113を形成する。アクティブ層をアニールする過程において、遮光膜層1130には遮光層の光透過孔114による温度差が存在しないため、薄膜トランジスタ112のアクティブ層116の遮光層113での正投影と隣接する遮光層の光透過孔114との間には、アニール温度差に対応した第2所定間隔PD2(たとえば、1ミクロン又は2ミクロン)を設定する必要がなく、従って、遮光層の光透過孔114の直径がそれに応じて増加し(たとえば、半径が2ミクロン又は4ミクロン増加する)、それによって、イメージングデバイス115に入射された指からの拡散反射光線の強度を向上させ、またイメージングデバイス115が出力した画像の信号対雑音比を向上させる。
【0112】
ステップS205:アクティブ層116上に薄膜トランジスタ112のゲート絶縁膜層1220を形成する(
図4E参照)。
【0113】
たとえば、薄膜トランジスタ112のゲート絶縁膜層1220は、無機材料又は有機材料で形成され、ゲート絶縁膜層1220は、たとえば有機樹脂、酸化ケイ素(SiOx)、酸素窒化ケイ素(SiNxOy)又は窒化ケイ素(SiNx)で形成されてもよいが、本開示の実施例では、それに制限されない。
【0114】
ステップS206:ゲート絶縁膜層1220上に、第1コンデンサ電極141及び薄膜トランジスタ112のゲート123を形成する(
図4F参照)。
【0115】
たとえば、薄膜トランジスタ112のゲート123及び第1コンデンサ電極141は、いずれも金属材料(たとえば、銅、アルミニウム又はアルミニウム合金)で形成されるが、本開示の実施例では、それに制限されない。なお、
図4Fに示した薄膜トランジスタ112のゲート123及び第1コンデンサ電極141は、異なる充填パターンを用いるが、プロセスを簡略化させて製造コストを低減させるために、薄膜トランジスタ112のゲート123及び第1コンデンサ電極141は、同一材料を用いて製造できる。たとえば、
図4Fに示されるように、薄膜トランジスタ112のゲート123と第1コンデンサ電極141は、アレイ基板に垂直な方向における厚さが異なる。別の例では、薄膜トランジスタ112のゲート123と第1コンデンサ電極141とは、アレイ基板に垂直な方向における厚さが同じであってもよい。
【0116】
ステップS207:薄膜トランジスタ112のゲート123上に薄膜トランジスタ112のパッシベーション膜層1240を形成する(
図4G参照)。
【0117】
たとえば、薄膜トランジスタ112のパッシベーション膜層1240は、無機又は有機絶縁材料で形成され、パッシベーション膜層1240は、たとえば有機樹脂、酸化ケイ素(SiOx)、酸素窒化ケイ素(SiNxOy)又は窒化ケイ素(SiNx)で形成されてもよいが、本開示の実施例では、それに制限されない。
【0118】
ステップS208:薄膜トランジスタ112のパッシベーション膜層1240及び薄膜トランジスタ112のゲート絶縁膜層1220に、第1ビアホール132及び第3ビアホール133を形成する(
図4H参照)。
【0119】
たとえば、パターニングプロセスによって薄膜トランジスタ112のパッシベーション膜層1240及び薄膜トランジスタ112のゲート絶縁膜層1220に、第1ビアホール132及び第3ビアホール133を形成することで、ゲート絶縁中間層1221及びパッシベーション中間層1241を形成する。たとえば、該アレイ基板100が緩衝層121の材料をさらに含む場合、第1ビアホール132及び第3ビアホール133は、緩衝膜層1210を貫通して緩衝中間層1211を形成し、遮光膜層1130を露出させる。
【0120】
たとえば、パターニングプロセスによって薄膜トランジスタ112のパッシベーション膜層1240及び薄膜トランジスタ112のゲート絶縁膜層1220に、第1ビアホール132及び第3ビアホール133を形成するに当たって、以下のステップS101-ステップS103を含み得る。
【0121】
ステップS101:パッシベーション膜層1240にフォトレジストをコーティングし、露光工程、現像工程を経て、フォトレジストパターンを形成する。
【0122】
ステップS102:フォトレジストパターンから露出させたゲート絶縁膜層1220及びパッシベーション膜層1240をエッチングし(たとえば、乾式エッチング)、第1ビアホール132及び第3ビアホール133を形成する。
【0123】
ステップS103:残りのフォトレジストを除去する。
【0124】
たとえば、同一のパターニングプロセスにおいて第1ビアホール132及び第3ビアホール133を形成できるため、遮光膜層1130をパターニングするための第1ビアホール132を形成するには、ビアホールパターニング工程を追加せずに済み、それによって、アレイ基板100及び表示装置の製造効率の低下を防止し、アレイ基板100及び表示装置の製造コストの増大を避ける。
【0125】
ステップS209:薄膜トランジスタ112のパッシベーション中間層1241上にコンデンサ電極金属層191を形成する(
図4I参照)。なお、コンデンサ電極金属層191を形成するとき、コンデンサ電極金属層191を形成する材料が第1ビアホール132及び第3ビアホール133に充填されないように、第1ビアホール132及び第3ビアホール133を遮断してもよいが、本開示の実施例では、それに制限されない。
【0126】
ステップS210:コンデンサ電極金属層191をパターニングして第2コンデンサ電極142を形成し、且つ、同一の工程において、第1ビアホール132を介して遮光膜層1130をパターニングして、遮光層113の光透過孔114を形成する(
図4J参照)。
【0127】
たとえば、同一のパターニング工程においてコンデンサ電極金属層191及び遮光膜層1130をパターニングすることによって、遮光層の光透過孔114を形成するために一回のパターニング工程を追加せずに済み、従って、ステップS210とステップS208を組み合わせることで、光透過孔114の直径を増大できるとともに、遮光膜層1130をパターニングするための第1ビアホール132を形成するにはパターニング工程を追加する必要がないだけでなく、通常のアレイ基板の製造方法における遮光膜層1130のパターニング工程(光透過孔114を形成するため)を省略でき、それによって、本開示の実施例に係るアレイ基板の製造方法は、アレイ基板100及び表示装置の製造効率(たとえば、駆動バックプレーン又はアレイ基板の生産能力が1ヵ月に24,000枚から1ヵ月に32,000枚に上がる)をさらに向上させ、さらにアレイ基板100及び表示装置の製造コストを低減させる。
【0128】
たとえば、コンデンサ電極金属層191は、遮光層113を製造する材料(たとえば、モリブデン金属)と同じ材料で製造でき、この場合、同一のパターニング工程においてコンデンサ電極金属層191及び遮光膜層1130をパターニングしても、コンデンサ電極金属層191及び遮光膜層1130の材料の性質が同じであるため、優れたエッチング効果は得られる。
ステップS211:第2コンデンサ電極142上に層間絶縁膜層1250を形成する(
図4K参照)。
【0129】
たとえば、層間絶縁膜層1250は、透明絶縁材料で製造される。たとえば、層間絶縁膜層1250は、無機材料又は有機材料で形成され、層間絶縁膜層1250は、たとえば有機樹脂、酸化ケイ素(SiOx)、酸素窒化ケイ素(SiNxOy)又は窒化ケイ素(SiNx)で形成されてもよいが、本開示の実施例では、それに制限されない。
【0130】
ステップS212:層間絶縁膜層1250、薄膜トランジスタ112のパッシベーション中間層1241及び薄膜トランジスタ112のゲート絶縁中間層1221に第2ビアホール131を形成して、アクティブ層116のソース領域とドレイン領域とを露出させ、且つ、同一の工程において層間絶縁膜層1250に第6ビアホール136及び第4ビアホール134を形成して、それぞれ第1ビアホール132及び第3ビアホール133を露出させ(
図4L参照)、さらに第1貫通孔H1、第2貫通孔H2及び第3貫通孔H3を形成する。
【0131】
たとえば、パターニングプロセスによって層間絶縁膜層1250、薄膜トランジスタ112のパッシベーション中間層1241及びゲート絶縁中間層1221に第2ビアホール131を形成し、且つ層間絶縁膜層1250に第6ビアホール136及び第4ビアホール134を形成するに当たって、以下のステップS111-ステップS113を含む。
【0132】
ステップS111:層間絶縁膜層1250上にフォトレジストをコーティングし、露光工程、現像工程を経て、フォトレジストパターンを形成する。
【0133】
ステップS112:フォトレジストパターンから露出させた層間絶縁膜層1250、薄膜トランジスタ112のパッシベーション中間層1241及びゲート絶縁中間層1221をエッチングし(たとえば、乾式エッチング)、第1ビアホール132及び第3ビアホール133を形成する。
【0134】
ステップS113:残りのフォトレジストを除去する。
【0135】
たとえば、同一パターニングプロセスにおいて第2ビアホール131、第6ビアホール136及び第4ビアホール134を形成できるため、第6ビアホール136及び第4ビアホール134(それぞれ第1ビアホール132及び第3ビアホール133を露出させることに用いられる)を形成するために一回のパターニング工程を追加せずに済み、それによって、アレイ基板100及び表示装置の製造効率をさらに向上させ、アレイ基板100及び表示装置の製造コストを低減させる。
【0136】
たとえば、層間絶縁層125の形成の前後にそれぞれ第1ビアホール132と第6ビアホール136を形成することによって、1回のパターニング(たとえば、第2ビアホール131を形成するためのパターニング工程において第1ビアホール132を形成する)におけるエッチング深さ不足により第1ビアホール132から遮光層113を露出できないという問題を解決する。
【0137】
たとえば、別の例では、ステップS212では、第2ビアホール131を形成するとき、第6ビアホール136を形成しないと(すなわち、ステップS211において第1ビアホール132及び遮光層の光透過孔114に充填されて層間絶縁層125を形成するための材料を除去しない)、最終的に層間絶縁層125の材料が第1ビアホール132及び遮光層の光透過孔114に充填され(
図5A参照)、それによって、界面反射を低減させ、さらにイメージングデバイス115に入射された指からの拡散反射光線の強度を向上させ、また且つイメージングデバイス115が出力した画像の信号対雑音比を向上させる。
【0138】
ステップS213:薄膜トランジスタ112のソース129及びドレイン126を形成し、層間絶縁層125、パッシベーション層124及びゲート絶縁層122における第2ビアホール131を介してアクティブ層116に接触させる。且つ、同一工程において、接続電極171を形成し、層間絶縁層125における第4ビアホール134、及びパッシベーション層124、ゲート絶縁層122及び緩衝層121における第3ビアホール133を介して遮光層113に接触させる(
図4M参照)。
【0139】
たとえば、薄膜トランジスタ112のソース129及びドレイン126を形成する工程において接続電極171を形成することによって、遮光層113のフローティングによる寄生容量及び薄膜トランジスタ112のキンク効果を避け、且つさらなる導電性材料堆積工程及びパターニング工程を追加せずに済み、それによって、アレイ基板100及び表示装置の製造効率をさらに向上させ、アレイ基板100及び表示装置の製造コストをさらに低減させる。
【0140】
ステップS214:ソース129及びドレイン126の上に平坦化層127を形成し、平坦化層127を形成する材料で第6ビアホール136、第1ビアホール132及び遮光層の光透過孔114を充填する(
図4N参照)。
【0141】
たとえば、平坦化層127は、透明絶縁材料で製造される。たとえば、平坦化層127は、無機材料又は有機材料で形成され、平坦化層127は、たとえば有機樹脂、酸化ケイ素(SiOx)、酸素窒化ケイ素(SiNxOy)又は窒化ケイ素(SiNx)で形成されてもよいが、本開示の実施例では、それに制限されない。
【0142】
たとえば、平坦化層127を形成する材料を第6ビアホール136、第1ビアホール132及び遮光層の光透過孔114に充填することによって、各膜層の間の界面反射(たとえば、界面反射は、緩衝層121とゲート絶縁層122との間の界面反射、パッシベーション層124とゲート絶縁層122との間の界面反射、層間絶縁層125とパッシベーション層124との間の界面反射、及び平坦化層127と層間絶縁層125との間の界面反射を含む)により遮光層の光透過孔114を透過する光線強度が低下することを避ける。従って、イメージングデバイス115に入射された指からの拡散反射光線の強度をさらに向上させ、またイメージングデバイス115が出力した画像の信号対雑音比を向上させる。
【0143】
ステップS215:平坦化層127のベース基板111から離れた側に発光素子151を形成する。たとえば、発光素子151は、平坦化層127における第5ビアホール135を介してソース又はドレインに電気的に接続され、それによって、発光素子151は、薄膜トランジスタ112により発光駆動される。たとえば、発光素子151は、有機発光ダイオードであってもよいが、本開示の実施例では、それに制限されない。わかりやすくするために、発光素子151の製造方法については後述するので、ここで重複説明を省略する。
【0144】
ステップS216:発光素子151のベース基板111から離れた側(発光素子151の画素画定層155のベース基板111から離れた側の表面上)に間隔を開けて設置された複数のスペーサー156を形成する(
図4O参照)。
【0145】
たとえば、各スペーサー156のアレイ基板100での正投影と第1電極152のアレイ基板100での正投影とが間隔を空けて設置されることによって、カバープレートに印加された力の発光層153への伝達を防止し、さらに該アレイ基板100を備えるディスプレイパネル10の表示品質を確保できる。たとえば、スペーサー156は、発光素子151の発光層153及び第2電極154を形成する前に形成されてもよいが、本開示の実施例では、それに制限されず、実際の応用の要件に応じて、スペーサー156は、発光素子151の発光層153及び第2電極154を形成した後に形成されてもよい。
【0146】
たとえば、ほかの例では、アレイ基板100には接続電極171の設置が必要ではない場合、該アレイ基板の製造方法では、それぞれステップS208及びステップS212において第3ビアホール133及び第4ビアホール134を形成することも、ステップS213において接続電極171を形成することも不要である。
【0147】
たとえば、ほかの例では、アレイ基板100には第1コンデンサ電極141及び第2コンデンサ電極142を設置してコンデンサを形成する必要がない場合、該アレイ基板の製造方法は、ステップS209、ステップS210及びステップS211を実行すること、ステップS206において第1コンデンサ電極141を形成すること、及びステップS212において第6ビアホール136及び第4ビアホール134を形成することが不要になる。この場合、薄膜トランジスタ112のソース129、ドレイン126及び接続電極171は、パッシベーション層124のベース基板111から離れた側の表面に設置されてもよく、ソース129及びドレイン126は、パッシベーション層124及びゲート絶縁層122における第2ビアホール131を介してアクティブ層116に接触し、且つ接続電極171は、パッシベーション層124、ゲート絶縁層122及び緩衝層121における第3ビアホール133を介して遮光層113に接触し、また、平坦化層127の材料が第1ビアホール132及び遮光層の光透過孔114に充填されて、界面反射を減少させるとともに、イメージングデバイス515に入射された光線の強度を高める。
【0148】
たとえば、第1ビアホール132は、薄膜トランジスタ112のパッシベーション層124を形成した後であって第2コンデンサ電極142を形成する前(すなわち、ソース129及びドレイン126を形成する前)に形成される場合に制限されず、第1ビアホール132及び薄膜トランジスタ112の各膜層の製造順序については、実際の応用の要件に応じて設定できるが、本開示の実施例では、それについて特に限定しない。
【0149】
たとえば、ほかの例では、ゲート絶縁層122を形成する後であってゲート123を形成する前に、ゲート絶縁層122に第1ビアホール132を形成して遮光層113を露出させ、且つ、たとえばゲート123を形成すると同時に、第1ビアホール132を介して遮光層113をパターニングして光透過孔を形成する。たとえば、薄膜トランジスタ112のアクティブ層116を形成した後に遮光層113をパターニングして光透過孔を形成することによって、遮光層の光透過孔114の直径を増大でき、それによって、イメージングデバイス115に入射された指からの拡散反射光線の強度を向上させ、またイメージングデバイス115が出力した画像の信号対雑音比を向上させる。この場合、
図5Bに示されるように、ゲート123上にパッシベーション層124を形成すると同時に、パッシベーション層124を形成する材料で第1ビアホール132及び遮光層の光透過孔114を充填し、後では、層間絶縁層125、平坦化層127のパターニング過程に光透過孔114を露出させないようにし、それによって、光透過孔114は、最終的にパッシベーション層124で充填されることになり(
図5B参照)、遮光層の光透過孔114に対応した領域では、緩衝層121とゲート絶縁層122との間の界面反射及びパッシベーション層124とゲート絶縁層122との間の界面反射が存在しないため、イメージングデバイス115に入射された指からの拡散反射光線の強度をある程度向上させ、またイメージングデバイス115が出力した画像の信号対雑音比を向上させる。
【0150】
たとえば、ほかの例では、層間絶縁層125を形成した後であってソース129及びドレイン126を形成する前に、ゲート絶縁層122、パッシベーション層124、層間絶縁層125に第2ビアホール131、第1ビアホール132及び第3ビアホール133を形成するようにしてもよい。たとえば、第1ビアホール132及び第3ビアホール133のエッチング深さが同じであり、且つ両者が第2ビアホール131のエッチング深さより大きくなるようにするために、ハーフトーンマスクエッチング技術が利用可能であり、エッチング方法として、具体的には、通常のハーフトーンマスクエッチング技術を参照すればよいので、ここで詳細説明を省略する。たとえば、層間絶縁層125を形成した後であってソース129及びドレイン126を形成する前に第1ビアホール132を形成することによって、第2ビアホール131を製造するパターニング工程のみにおいて第1ビアホール132及び第3ビアホール133を形成することができ、この場合、遮光層の光透過孔114の直径を増大できるだけでなく、2回のパターニング工程を減少でき、さらに、イメージング品質を向上できるとともに、アレイ基板100及び表示装置の製造効率をさらに向上させ、またアレイ基板100及び表示装置の製造コストを低減させる。この場合、ソース129及びドレイン126の上に平坦化層127を形成すると同時に平坦化層127を形成する材料で第1ビアホール132及び遮光層の光透過孔114を充填することができ(
図5C参照)、それによって、界面反射を低減させ、さらにイメージングデバイス115に入射された指からの拡散反射光線の強度を向上させ、またイメージングデバイス115が出力した画像の信号対雑音比を向上させる。
【0151】
たとえば、ほかの例では、
図4Dに示すように、パターニングのアクティブ層116を形成した後、緩衝層121をパターニングして、遮光層113を露出させる第1ビアホール132及び第3ビアホール133を形成し、次に該第1ビアホール132を介して遮光層113をパターニングして、光透過孔114を形成する。該緩衝層121における第1ビアホール132は、その後、ゲート絶縁層122により充填され(
図5D参照)、それによって、遮光層113の光透過孔114は、ゲート絶縁層122により充填され、その後、パッシベーション層124、層間絶縁層125又は平坦化層127のパターニング過程において光透過孔114を露出させない。それによって、光透過孔114は、最終的にゲート絶縁層122により充填され(
図5D参照)、遮光層の光透過孔114に対応した領域では、緩衝層121とゲート絶縁層122との間の界面反射が存在しないため、イメージングデバイス115に入射された指からの拡散反射光線の強度をある程度向上させ、またイメージングデバイス115が出力した画像の信号対雑音比を向上させる。たとえば、該第1ビアホール132を介して遮光層113をパターニングして光透過孔114を形成すると同時に、第3ビアホール133を介して遮光層113をパターニングして別の孔を形成できる。このような場合、
図5Dにおける接続電極171は、該別の孔に充填されて遮光層113に電気的に接続される。
【0152】
たとえば、以下、
図4Oを参照しながら、本開示の実施例に係る発光素子151の製造方法を例示的に説明する。たとえば、
図4Oに示されるように、平坦化層127のベース基板111から離れた側に発光素子151を形成するに当たって、以下のステップS121-ステップS126を含む。
【0153】
ステップS121:平坦化層127に第5ビアホール135を形成する(
図4O参照)。
【0154】
たとえば、平坦化層127に第5ビアホール135を形成する方法については、具体的には、ステップS101-ステップS103を参照すればよいので、ここで重複説明を省略する。
【0155】
ステップS122:発光素子151の第1電極152を形成し、第1電極152を第5ビアホール135を介して薄膜トランジスタ112のソース又はドレイン126に接触させる(
図4O参照)。
【0156】
たとえば、第1電極152は、陽極であってもよいが、本開示の実施例では、それに制限されない。たとえば、第1電極152は、反射電極を含んでもよく、それによって、発光素子151から発光する光を表示側に反射し、さらに発光素子151の発光効率を向上させ、またイメージングデバイス115への影響を低減させる。たとえば、第1電極152は、酸化インジウムスズ(ITO)と金属層とを積層してなるものとしてもよいが、本開示の実施例では、それに制限されない。
【0157】
ステップS123:第1電極152上に画素画定層155を形成する(
図4O参照)。
【0158】
たとえば、画素画定層155は、透明絶縁材料で製造されてもよいが、本開示の実施例では、それに制限されない。
【0159】
ステップS124:画素画定層155をパターニングして、画素画定層155に開口を形成して、第1電極152を露出させる(
図4O参照)。
【0160】
たとえば、パターニングプロセスによって画素画定層155をパターニングして、画素画定層155において開口を形成できるが、本開示の実施例では、それに制限されない。
【0161】
ステップS125:第1電極152上に発光素子151の発光層153を形成する。
【0162】
たとえば、発光層153は、波長が発光層153の製造材料により決められる光線を発光する。発光層153は、たとえば赤色光、緑色光又は青色光を発光でき、このため、発光層153が複数の発光ユニットを含む場合、ディスプレイパネルは、カラー画像を表示できる。
【0163】
たとえば、発光層153の製造材料は、実際の応用の要件に応じて設定できるが、本開示の実施例では、それについて特に限定しない。たとえば、発光層153を製造する材料には、有機蛍光発光材料又は有機リン光発光材料を含む。たとえば、有機蛍光発光材料の場合は、DCM、DCJTB、DCJ、DCJTなどの材料のうちの少なくとも1種を含む発光材料は赤色光を発光でき、C-545T(クマリン)、C-545MT、キナクリドン(QA)、多芳香族炭化水素(PAH)などの材料のうちの少なくとも1種を含む発光材料は緑色光を発光でき、TBP、DSA-Ph、BD1、BD2などの材料のうちの少なくとも1種を含む発光材料は青色光を発光でき、DCJTBとTBPの両方を含む有機蛍光発光材料は白色光を含む。有機リン光発光材料の場合は、PtOEP、Btp2Ir(acac)、Ir(piq)2(acac)などの材料のうちの少なくとも1種を含む発光材料は、赤色光を発光でき、Ir(ppy)3、Ir(mppy)3、(ppy)2Ir(acac)などの材料のうちの少なくとも1種を含む発光材料は、緑色光を発光でき、FIrpic、FIrtaz、FIrN4などの材料のうちの少なくとも1種を含む発光材料は、青色光を発光できる。
【0164】
ステップS126:発光層153上に第2電極154を形成する(
図4O参照)。たとえば、第1電極152及び第2電極154のそれぞれに電圧が印加されると、発光層153は発光する。
【0165】
たとえば、第1電極152が陽極でありうる場合、第2電極154は、陰極としてもよいが、本開示の実施例では、それに制限されない。たとえば、第2電極154は、透明導電性材料又は薄い金属で製造され、それにより、第2電極154は、透明又は半透明性(たとえば、第2電極154は、それぞれ透明導電性酸化物材料及び透明合金材料から成る)を有するようにしてもよいが、本開示の実施例では、それに制限されない。
【0166】
本開示の実施例は、アレイ基板及びその製造方法、ディスプレイパネル及び表示装置を提供する。該アレイ基板及びその製造方法、ディスプレイパネル及び表示装置は、イメージング品質を向上できる。
【0167】
図4O及び5Cに示されるように、絶縁層ISLは、緩衝層121、パッシベーション層124、ゲート絶縁層122及び層間絶縁層125であり、平坦化層127は、充填層FLとして機能する。第1貫通孔H1は、緩衝層121、パッシベーション層124、ゲート絶縁層122及び層間絶縁層125を貫通する。
【0168】
図5Aに示されるように、絶縁層ISLは、緩衝層121、パッシベーション層124及びゲート絶縁層122であり、層間絶縁層125は、充填層FLとして機能する。第1貫通孔H1は、緩衝層121、パッシベーション層124及びゲート絶縁層122を貫通する。
【0169】
図5Bに示されるように、絶縁層ISLは、緩衝層121及びゲート絶縁層122であり、充填層FLは、パッシベーション層124である。第1貫通孔H1は、緩衝層121及びゲート絶縁層122を貫通する。
【0170】
図5Dに示されるように、絶縁層ISLは、緩衝層121であり、充填層FLは、ゲート絶縁層122として機能する。第1貫通孔H1は、緩衝層121を貫通している。
【0171】
図4O及び5A-5Dにおいて、第2貫通孔H1は、パッシベーション層124、ゲート絶縁層122及び層間絶縁層125を貫通している。第3貫通孔H3は、緩衝層121、パッシベーション層124、ゲート絶縁層122及び層間絶縁層125を貫通している。
【0172】
なお、以下の点について説明する。
(1)本発明の実施例の図面では、本発明の実施例に係る構造のみを示しており、ほかの構造は、通常の設計を参照すればよい。
(2)明瞭さから、本発明の実施例を説明するための図面において、層又は構造の厚さ及び寸法が拡大されている。なお、層、膜、領域又は基板のような素子が別の素子の「上」又は「下」に位置する場合、該素子は、別の素子の「上」又は「下」に「直接」位置してもよく、中間素子が存在してもよい。
(3)矛盾しない限り、本発明の同一実施例及び異なる実施例における特徴を互いに組み合わせ得る。
【0173】
以上、一般的な説明及び実施形態にて本開示を詳細に説明したが、本開示の実施例に基づいていくつかの修正や改良を行えることは、当業者にとって自明なことである。従って、本開示の主旨から逸脱せずに行われるこれら修正や改良はいずれも本開示の保護範囲に属する。
【0174】
以上は、本開示の好適な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲を制限することを意図せず、本開示の保護範囲は、添付した特許請求の範囲により定められる。
【符号の説明】
【0175】
10 ディスプレイパネル
20 表示装置
100 アレイ基板
111 ベース基板
112 薄膜トランジスタ
113 遮光層
114 光透過孔
115 イメージングデバイス
116 アクティブ層
121 緩衝層
122 ゲート絶縁層
123 ゲート
124 パッシベーション層
125 層間絶縁層
126 ドレイン
127 平坦化層
129 ソース
131 第2ビアホール
132 第1ビアホール
133 第3ビアホール
134 第4ビアホール
135 第5ビアホール
136 第6ビアホール
141 第1コンデンサ電極
142 第2コンデンサ電極
151 発光素子
152 第1電極
153 発光層
154 第2電極
155 画素画定層
156 スペーサー
161 表示領域
162 周辺領域
171 接続電極
191 コンデンサ電極金属層
198 電極充填構造
199 充填構造
511 ベース基板
512 薄膜トランジスタ
513 遮光層
514 孔
515 イメージングデバイス
516 アクティブ層
521 緩衝層
522 ゲート絶縁層
523 ゲート
524 パッシベーション層
525 層間絶縁層
526 ドレイン
527 平坦化層
529 ソース
531 第2ビアホール
533 第3ビアホール
534 第4ビアホール
552 第1電極
553 発光層
555 画素画定層
561 表示領域
562 周辺領域
571 接続電極
581 駆動バックプレーン
582 膜層
583 カバープレート
584 遮光領域
1130 遮光膜層
1210 緩衝膜層
1211 緩衝中間層
1220 ゲート絶縁膜層
1221 ゲート絶縁中間層
1240 パッシベーション膜層
1241 パッシベーション中間層
1250 層間絶縁膜層