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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】排ガス設備のためのゾンデ接続用パイプ
(51)【国際特許分類】
   F01N 13/08 20100101AFI20230808BHJP
   B21D 53/84 20060101ALN20230808BHJP
【FI】
F01N13/08 Z
B21D53/84 B
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020026050
(22)【出願日】2020-02-19
(65)【公開番号】P2020133637
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2020-02-19
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】10 2019 001 246.1
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520050956
【氏名又は名称】プーレム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Purem GmbH
【住所又は居所原語表記】Homburger Strasse 95, 66539 Neunkirchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ディーター アッカーマン
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】水野 治彦
【審判官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/59683(US,A1)
【文献】特開2009-127604(JP,A)
【文献】特開2018-127604(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-124714(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N1/00-1/24
F01N5/00-5/04
F01N13/00-13/20
F01N3/00-3/38
F01N9/00-11/00
F02N31/00-39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面とは異なる幾何学形状を有する面に取り付けるための、排ガス設備のためのゾンデ接続用パイプ(1)であって、
前記ゾンデ接続用パイプ(1)は、中空円柱状に、内径を伴って構成されている第1のボディ(2)を有しており、前記第1のボディ(2)は、第1の端面(13)における第1の平面の円環面(5)と第2の端面(17)とを有しており、前記第1のボディ(2)は、自身の第2の端面(17)の領域において、第2の平面の円環面(6)を有しており、前記第2の平面の円環面(6)には循環している隆起部(18)が設けられており、
前記ゾンデ接続用パイプ(1)は、第2のボディ(7)を有しており、前記第2のボディ(7)は、鍛造部品、焼結部品または薄板からの深絞り加工部品として構成されており、かつ、第1の端部(14)に平坦化方法によって後処理されている平らな円環面(9)を有しており、かつ前記平らな円環面(9)の内側に通路(12)を有しており、前記通路(12)の直径は、前記第1のボディ(2)の内径以上であり、
記第1のボディ(2)は、前記循環している隆起部(18)によって前記第2のボディ(7)の前記平らな円環面(9)と接しており、かつ、前記第1のボディ(2)を、循環している溶接継ぎ目(10)によって、前記第2のボディ(7)と気密性を有するように接続されている、ゾンデ接続用パイプ(1)において、
前記平らな円環面(9)は、前記第2のボディ(7)の前記第1の端部(14)において、前記平らな円環面(9)の形状公差が0.2mmの範囲にあるように、平坦化方法によって後処理されており、
前記循環している隆起部(18)が、前記第2の平面の円環面(6)の外側面に、前記隆起部(18)の外側面が前記第1のボディ(2)の側壁に接しているように設けられており、
前記第2のボディ(7)は、前記排ガス設備の湾曲した接続面(16)と接続するための第2の端部(15)を有し、前記第2の端部(15)は、前記ゾンデ接続用パイプ(1)と前記接続面(16)との気密性の接続を可能にするように、平面からの前記接続面(16)の幾何学形状的な偏差を補償するように湾曲している、
ことを特徴とする、排ガス設備のためのゾンデ接続用パイプ(1)。
【請求項2】
記平らな円環面(9)の内径は前記通路(12)の直径以上であり、かつ前記平らな円環面(9)の外径は前記第1のボディ(2)の外径以上であり、
組み立てられた状態において、前記第1のボディ(2)と前記第2のボディ(7)が前記循環している隆起部(18)の領域および前記平らな円環面(9)の領域において相互に接しているように、前記第1のボディ(2)と前記第2のボディ(7)は相互に配置されており、循環している溶接継ぎ目(10)によって相互に溶接されている、
請求項1記載の、排ガス設備のためのゾンデ接続用パイプ(1)。
【請求項3】
前記第1のボディ(2)は前記第2の端面(17)において、前記第1のボディ(2)の外径が前記通路(12)の直径以下である部分(8)を有しており、当該部分(8)は、前記通路(12)内部に延在している、請求項1または2記載の、排ガス設備のためのゾンデ接続用パイプ(1)。
【請求項4】
前記部分(8)は前記第2のボディ(7)の前記通路(12)内に突出している、請求項3記載の、排ガス設備のためのゾンデ接続用パイプ(1)。
【請求項5】
前記第2のボディ(7)の前記平らな円環面(9)の半径方向内側は中空であり、
前記第2のボディ(7)の前記第2の端部(15)は、前記第2の端部(15)の終端面が、前記平らな円環面(9)に対して平行でない平面に位置するように構成されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載のゾンデ接続用パイプ(1)。
【請求項6】
前記第2のボディ(7)は、前記平らな円環面(9)に続いて、湾曲したまたは部分的に円柱状に構成されている領域へ移行する、請求項1から4までのいずれか1項記載のゾンデ接続用パイプ(1)。
【請求項7】
前記第1のボディ(2)は、鋼からの旋盤加工部品として構成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のゾンデ接続用パイプ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス設備に測定ゾンデ、例えばラムダゾンデを取り付けるためのゾンデ接続用パイプに関する。このような目的のために、開口部が排ガス設備のハウジング内に設けられ、接続用パイプがこの開口部内に挿嵌され、ハウジングが再び気密に閉じられている状態になるようにハウジングと溶接される。接続用パイプは通常、雌ねじ山を有しており、この雌ねじ山に各ゾンデを螺合することができる。接続用パイプの、外側に位置する端面には、平面のシーリング面が設けられている。ねじ山にゾンデを螺合する際に、ゾンデのシーリング面が接続用パイプのシーリング面に押し当てられ、これによって開口部が気密に閉じられることが保証される。
【0002】
排ガス設備の幾何学的形状は基本的には、排ガス設備が組み込まれるべき各車両に合うようにされている。一般的には、エンジンルーム内およびフロアパネル領域内の使用可能な空間はぎりぎりの大きさにされているので、手間をかけて排ガス設備を使用可能な空間内に構築しなければならない。
【0003】
特に、排ガス設備から突出している構成部分、例えば冒頭に記載した測定ゾンデを収納するのは困難である。したがって、すべての状況に適合するだろう標準接続用パイプを使用するための十分な空間は設けられていない。これらの理由から、各車両タイプに対して、別々の接続用パイプが必要になる。
【0004】
さらに、接続用パイプは、しばしば、平らな構成部分ではなく、自由形状部分に溶着される。これは通常、鍛造部品または鋳造部品としての構成を必要にする。ねじ山と平面の面を生成するために、このような鍛造部品または鋳造部品は次に、さらなる作業ステップにおいて処理されなければならない。この結果、ゾンデ接続用パイプの製造コストは極めて高くなる。
【0005】
さらに、シーリング面の寸法安定性およびねじ山の強度に対する要求が高い。一方では、密閉性が保証されなければならず、他方では、触媒設備の耐用年数を超えて、ゾンデの交換が必要になり得る。しかし、ゾンデ交換時にねじ山が損傷すると、触媒ハウジング全体の交換が必要になり得る。
【0006】
欧州特許出願公開第2270320号明細書から、例えば、完全に、薄板からの深絞り加工部品として製造されているゾンデ接続用パイプが既知である。このような方式で、ゾンデ接続用パイプは安価に製造されるが、密閉性および強度に対する上述した要求はいずれにせよ保証されない。
【0007】
本発明の課題は、容易かつ安価に製造可能でありながらも、良好な密閉性、高い強度およびねじ山の長い耐用年数が保証される、標準接続用パイプを提供することである。
【0008】
上述の課題は、独立請求項に記載されている構成要件によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0009】
本発明は、シンプルな幾何学的形状を有する標準構成部分として、適切な材料、例えば鋼からゾンデ接続用パイプを製造し、各排ガス設備に合わせられている別の構成部分を介して、排ガス設備と接続するという全体的な考えに基づいている。したがって、元来の接続用パイプは中空円柱として、例えば鋼からの旋盤加工部品として、全タイプの車両に対して大量に安価に製造される。別の構成部分は、例えば鍛造部品または焼結部品として同様に安価に製造されてもよい。なぜならこの構成部分には、もはやねじ山が設けらなくてよいからである。このようにしてそれぞれ安価に製造される2つの構成部分を組み合わせることによって、全タイプの設備に合わせることが可能でありながらも、全体的に、純粋な鍛造部品または鋳造部品より安価であるゾンデ接続用パイプが製造される。
【0010】
特に有利な実施形態に相応して、排ガス設備のためのゾンデ接続用パイプは実質的に中空円柱状に構成されている第1のボディを有しており、第1のボディは、第1の端面に第1の平面の円環面を有している。ゾンデ接続用パイプは第2のボディを有しており、第2のボディは、第1の端部に平らな円環面を有しており、かつこの平らな円環面の内側に通路を有している。この通路の直径は、第1のボディの内径以上である。第2のボディの第2の端部は、第2の端部が、ゾンデ接続用パイプと接続面との気密性の接続を可能にするように構成されている。これは、第2の端部が、平面からの接続面の幾何学形状的な偏差を補償することによって実現される。第1のボディと第2のボディは、第1のボディの第2の端面の領域および平らな円環面の領域において相互に接しており、かつ第1のボディと第2のボディが相互に気密性に接続されている状態になるように、第1のボディを取り囲んでいる溶接継ぎ目によって相互に溶接されている。
【0011】
本発明の有利な発展形態では、第1のボディは、第2の端面で実質的に平面の第2の円環面を有しており、その外側面には、取り囲んでいる隆起部が設けられている。第2のボディは、第1の端部に平らな円環面を有しており、その形状公差は0.2mmの範囲にあり、かつその内径は通路の直径以上であり、かつその外径は第1のボディの外径以上である。組み立てられた状態において、第1のボディと第2のボディが、取り囲んでいる隆起部の領域および平らな円環面の領域において相互に接しているように、第1のボディと第2のボディが相互に配置されており、取り囲んでいる溶接継ぎ目によって相互に溶接されている。
【0012】
一方のボディにおける、取り囲んでいる隆起部の形成と、他方のボディにおける、このような形状公差範囲での平らな円環面の形成とによって、取り囲んでいる気密性の溶接継ぎ目を生成するために、極めて高速な溶接方法、例えばコンデンサ式溶接(Kondensatorimpulsschweissen)を使用することが可能になる。このような溶接方法の別の大きい利点は、ソケットの変形が生じないということである。したがって、例えば、MAG溶接の場合と同様に、ソケットのねじ山が検査される必要も、後処理される必要もない。これによって、製造コストがさらに低減される。
【0013】
本発明の有利な発展形態では、第1のボディは第2の端面において、第1のボディの直径が通路の直径以下である部分を有している。
【0014】
このような構成によって、組み立てられた状態において、上述した部分は第2のボディ内に突出する。これは、簡易な取り付け装置を可能にする。なぜなら、取り付け前に、第1のボディが第2のボディにおいてセンタリングされるからである。このようにして、ゾンデ接続用パイプの製造が容易になる。
【0015】
本発明の有利な発展形態では、第2のボディは、平らな円環面に続いて、実質的に中空円柱状に構成されている領域へ移行し、第2のボディの第2の端部は、第2の端部の終端面が、平らな円環面に対して平行でない平面に位置するように構成されている。
【0016】
このような構成によって、極めて小さい、同様に中空円柱状に構成された構成部分を用いて、ゾンデ接続用パイプが、排ガス設備のハウジングの幾何学的形状に合わせられる。例えば、極めて薄いディスクによって、ハウジングの斜面への整合が補償される。このディスクの端面は相互に平行平面ではなく、相互に所定の角度を有している。
【0017】
本発明の有利な発展形態では、第2のボディは、平らな円環面に続いて、湾曲したまたは部分的に円柱状に構成されている領域へ移行する。
【0018】
排ガス設備への結合のために設けられている、湾曲した面または部分的に円柱状の面としての第2のボディの端部のこの設計によって、ゾンデ接続用パイプを異なって構成された、多数の排ガス設備タイプに結合することが可能になる。
【0019】
本発明の有利な発展形態では、第2のボディの平らな円環面は、平坦化方法によって後処理されている。
【0020】
平坦化とは、平らな円環面に対して垂直な方向において、構成部分に圧力が加えられる方法であり、これによって、構成部分の僅かな変形によって、平らな面が必要な形状公差で製造される。これは、極めて容易かつ高速な方法であり、これによって、構成部分のさらなる切削加工が回避され、さらなるコスト削減が可能になる。
【0021】
本発明の有利な発展形態では、第1のボディは、鋼からの旋盤加工部品として構成されている。
【0022】
旋盤加工部品として標準ソケットを製造することによって、極めて正確な形状公差での、高速かつ安価なソケット製造が保証される。
【0023】
本発明の有利な発展形態では、第2のボディは、薄板からの深絞り加工部品として構成されている。
【0024】
特定の状況では、第2のボディを鍛造部品または焼結部品として製造することは必要でない。さらに安価な深絞り方法を使用することによって、さらなるコスト削減が実現される。これによって、ゾンデ接続用パイプは安価に、ほぼ任意に形成された排ガス設備タイプに合わせられる。
【0025】
本発明の有利な発展形態では、ゾンデ接続用パイプは、はじめに、2つの端部で平面の円環面を備える中空円柱を形成する第1のボディが鋼から旋盤加工されるように製造される。円環面の1つには、取り囲んでいる隆起部が形成され、この隆起部は横断面において正三角形の形状を有している。次に、第2のボディが、焼結されたまたは鍛造された構成部分として製造される。第2のボディの1つの端部に、平坦化方法によって、円環面が、0.2mmの形状公差で生成される。次に、第1のボディの取り囲んでいる隆起部が、第2のボディの平らな円環面に接するように、第1のボディと第2のボディが配置され、第1のボディと第2のボディがコンデンサ式溶接を用いて相互に接続される。
【0026】
コンデンサ式溶接は、局部的なエネルギーの集中を伴い、かつ構成部分における熱影響領域が無い、極めて短い溶接時間を特徴とする。これによって、第1のボディにおけるねじ山の熱による変形が回避され、ねじ山を調節する作業過程および頻繁に必要な後処理が回避される。さらに、高い強度の鋼の確実な溶接および極めて多様な材料組み合わせ、および極めて多様な寸法の伝導性が良好な溶接相手も可能になる。
【0027】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明の重要な特徴を示す図面に基づく、本発明の実施例の後続の説明および特許請求の範囲から明らかになる。個々の特徴は、それぞれ個々に、または複数で任意の組み合わせにおいて、本発明の変形形態のもとで実現可能である。
【0028】
本発明の実施例を図示し、後続の説明においてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】ゾンデ接続用パイプの実施形態の断面図
図2】ゾンデ接続用パイプの別の実施形態の断面図
図3】ゾンデ接続用パイプの別の実施形態の断面図
図4】上記の実施形態の第1のボディの断面図
図5】第2のボディの実施形態の断面図
【0030】
実施例の詳細な説明
図1に示されているゾンデ接続用パイプ1は、(図示されていない)測定ゾンデを収容する第1のボディ2を有している。第1のボディ2は、実質的に中空円柱状のソケットとして、適切な材料、例えば鋼から製造されている。ゾンデは一方では、確実に、第1のボディ2に固定されなくてはならないが、他方では、故障時に再び取り外すことができなければならいので、ソケットの内側面3には、雌ねじ山が設けられている。ゾンデは、取り付けられた状態において、ゾンデに設けられている雄ねじ山を介してソケットに螺合されている。ソケットの、排ガス設備とは反対側にある開口部4を介して排ガスが外へ漏れ出すのを阻止するために、開口部4は、ゾンデに対して気密に閉じられていなくてはならない。気密とは本発明では、排ガス設備内に通常存在している圧力のもとで、実質的にガスが開口部から周辺に漏れ出さない、ということを意味している。この目的のために、ソケットには、取り付けられた状態において排ガス設備とは反対側にある、ソケットの端部に、第1の平面の円環面5が設けられている。平面の円環面とは、0.2mmの範囲の平面の形状公差を有している、平面に位置する環状の面のことである。ソケットは例えば旋盤加工部品として製造されてよく、ここで円環面5は、必要な公差で製造される。
【0031】
このような円環面5は、組み立てられた状態において、ゾンデに設けられているシーリング面とともに作用する。ここでこれらのシーリング面は、ソケットへのゾンデの螺合によって、相互に押し当てられる。選択的に、円環面5とシーリング面との間にシールリングが設けられていてよい。さらにソケットには、取り付けられた状態において排ガス設備に面している、ソケットの端部に、第2の平面の円環面6が設けられている。このような平面の円環面6の形状公差は同様に、0.2mmの範囲にある。このような範囲に形状公差を保持することによって、ソケットの一方の端部で良好な封止が可能になる他に、さらに、ソケットの他方の端部で種々の接合技術を使用することが可能になる。これらの接合技術は、形状公差がより粗い場合には、実行するのは困難だろう、または全く実行不可能だろう。
【0032】
ゾンデ接続用パイプ1はさらに、第2のボディ7を有しており、この第2のボディを介してゾンデ接続用パイプ1は排ガス設備に結合される。図1に示されている実施形態では、第2のボディ7は、第1の端部14において、平らな円環面9を有しており、この円環面の内側に、測定ゾンデ用の通路12が設けられている。組み立てられた状態において、第1のボディ2は、平面の円環面6でもって、この平らな円環面9に接している。製造が完了した状態において、これらのボディは、この領域において、第1のボディ2を取り囲んでいる溶接継ぎ目10によって相互に気密性に接続されている。第2のボディ7の第2の端部15は、この実施形態では、湾曲した自由形状部分として構成されている。これは同様に、排ガス設備の湾曲した接続面16に合わせられている。第2のボディ7のこのような設計によって、標準構成部分として製造されている第1のボディ2を、幾何学的形状において平面とは異なっている任意の表面に取り付けることが可能になる。第2のボディ7は自身の第2の端部15で接続面16に面状に接しているので、例えばMAG溶接または他の現行の溶接方法のように容易に、第2のボディ7と接続面16との間の気密性の接続を生成することができる。
【0033】
特に有利な実施形態では、第1のボディと第2のボディは、コンデンサ式溶接によって相互に溶接され、これによって、極めて短い製造時間が実現される。さらに、第1のボディ2の極めて小さい領域においてのみ、極めて短い時間にわたって熱が入力される。したがってソケットの内側面3の雌ねじ山が熱の入力によって変形することが回避される。これによって、そうでない場合にはねじ山の寸法安定性および機能性の保証のために必要になるだろう、雌ねじの、後から行われる調節および後処理が省かれる。
【0034】
図2に示されている、まだ溶接されていないゾンデ接続用パイプ1は、コンデンサ式溶接に特に有利である幾つかの特徴を有している。例えば、第1のボディ2は、第2の平面の円環面6の外側面に、取り囲んでいる隆起部18を有している。これは、溶接前には、正三角形の横断面を有している。この三角形は、頂点において、約70°の角度αを有している。第1のボディ2の側壁と三角形の外側面との間の角度αは約35°である。この三角形は自身の頂点で、溶接前には、有利には、最大で0.2mmの幅bを有している。これによって、第1のボディ2が第2のボディ7の平らな円環面9に溶接前に接している載置面は極めて小さくなる。これによって、この領域において、溶接過程時に高い電流密度が生じ、これは、この領域における金属の加熱と部分的な融解を生じさせる。第1のボディ2と第2のボディ7は、溶接過程前に相互に押しつけられ、これによって第1のボディ2は約0.5mm、第2のボディ7内に埋没する。これによって、溶接されていない状態における、約1.5mmの、取り囲んでいる隆起部18の高さhは、溶接された状態において約1mmに低減する。したがって、2つのボディの取り囲んでいる気密性の接続が保証される。第2のボディ7は、0.2mmの形状公差を有する、平らな円環面9を有している。このような形状公差によって、溶接前に第2のボディ7上に第1のボディ2を一様に載置することが保証される。これは、コンデンサ式溶接にとって重要である。なぜなら極めて小さい亀裂でさえも、溶接継ぎ目の中断を生じさせることがあるからである。平らな円環面9は、載置線Lの内側および外側でさらに2mmの幅bを有しているべきである。
【0035】
図3には、コンデンサ式溶接を用いて製造されたゾンデ接続用パイプ1の断面図が示されている。第2のボディ7は、依然として、0.2mmの形状公差を有する平らな円環面9を有している。第1のボディ2は、第2の平面の円環面6に配置されている、取り囲んでいる隆起部18でもって、溶接継ぎ目によって固定的に第2のボディ7と接続されている。図示の実施形態では、第1のボディ2は、その直径が通路12の直径よりも小さい部分8を有している。この部分は、通路12内に突出している。このような実施形態によって、溶接前に、第1のボディ2を、第2のボディ内7に挿嵌することが可能になる。挿嵌を容易にするために、第1のボディ2に面取り11が設けられている。このような実施形態は、溶接前に構成部分を張設する取り付け装置の簡易化を可能にする。
【0036】
上述した形状公差に関して、本発明では、これによって、例えば円環面9の平面度が意図され、それ自体、図5において記号によって示されている、ということを示唆しておく。したがって、0.2mmもしくは0.2mmの範囲の形状公差もしくは平面度によって、観察されている面、例えば円環面9上の2つの点相互の最大の軸方向の偏差もしくは最大の軸方向のオフセットが、円環面によって取り囲まれており、図1~4において、一点鎖線で示されている軸の方向において、例えば約0.2mmの値を上回らない、ということが表され得る。
【0037】
図4には、溶接前のこのような実施形態の第1のボディ2が示されており、ここでは、取り囲んでいる隆起部18が、変形されていない状態で示されている。
【0038】
図5には、溶接前の第2のボディ7、特に平らな円環面9の図が示されている。
【0039】
本発明の特定の要素、実施形態および適用を示し、説明してきたが、本発明はこれに制限されず、特に上記の教示を鑑みて、本開示の有効範囲から逸脱することなく当業者は変更を行うことができる、ということを理解されたい。
【符号の説明】
【0040】
1 ゾンデ接続用パイプ
2 第1のボディ
3 ソケットの内側面
4 開口部
5 第1の平面の円環面
6 第2の平面の円環面
7 第2のボディ
8 部分
9 平らな円環面
10 溶接継ぎ目
11 面取り
12 通路
13 第1の端面
14 第1の端部
15 第2の端部
16 接続面
17 第2の端面
18 取り囲んでいる隆起部
図1
図2
図3
図4
図5