(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230808BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020197203
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2020-12-10
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】高山 伸也
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】小田 浩
【審判官】相崎 裕恒
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/167684(WO,A1)
【文献】特開2016-076084(JP,A)
【文献】特開2012-053593(JP,A)
【文献】特開2019-125032(JP,A)
【文献】国際公開第2015/083338(WO,A1)
【文献】特開2018-180855(JP,A)
【文献】特開2020-123011(JP,A)
【文献】Genavis 商圏分析,[online],国際航業株式会社,2016年06月14日,全頁,[令和3年3月8日検索],インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20160614031152/https://biz.kkc.co.jp/software/am/ef/scene/scene01/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ端末それぞれの位置を示す端末位置情報と、前記端末位置情報が示す位置に前記ユーザ端末が位置していた時刻とを関連付けた位置履歴情報を複数取得する取得部と、
複数の属性の種類の中から、前記属性の指定を受け付ける受付部と、
前記ユーザ端末を使用するユーザを識別するユーザ識別情報と、前記ユーザの住所を示す住所情報とを関連付けた、前記ユーザ端末の通信に関するサービスの契約情報を参照して、前記複数のユーザ端末それぞれを使用する複数のユーザそれぞれの居住地を特定し、前記居住地に滞在するユーザである滞在ユーザを特定するための期間を受け付け、前記取得部が取得した複数の前記位置履歴情報に基づいて、昼の時間帯に含まれる前記受け付けた期間に、特定した居住地から所定距離以内に一定時間位置しているユーザを前記滞在ユーザとして特定し、前記受付部が指定を受け付けた属性に対応する前記滞在ユーザを特定ユーザとして特定し、前記特定ユーザが相対的に多い位置を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記特定ユーザが相対的に多い位置を示す情報を出力する出力部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
エリアの指定を受け付ける受付部をさらに有し、
前記特定部は、前記受付部が指定を受け付けたエリアである指定エリアに居住する前記特定ユーザを特定し、
前記出力部は、前記指定エリアに居住するユーザの数に対する、前記指定エリアに居住する前記特定ユーザの数を示す情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記取得部が取得した複数の位置履歴情報に基づいて、複数の前記特定ユーザのそれぞれの、前記居住地と、前記居住地から最も離れた位置との距離
を算出し、複数の前記特定ユーザそれぞれに対して算出した前記距離の平均値を算出し、前記指定エリアの中心位置を中心とし、算出した平均値を半径とした円を複数の前記
特定ユー
ザの行動範囲として特定し、
前記出力部は、前記特定部が特定した前記特定ユーザの前記行動範囲を示す情報を出力する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記指定エリアを含む地図上に、前記指定エリアに居住する前記特定ユーザの行動範囲を示す情報を表示させる、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、前記取得部が取得した複数の前記特定ユーザそれぞれの複数の前記位置履歴情報に基づいて、前記位置履歴情報が示す複数の前記特定ユーザそれぞれの前記ユーザ端末の位置が前記居住地に位置している時間を、複数の前記特定ユーザそれぞれの前記居住地に滞在する滞在時間として特定し、
前記出力部は、時間帯ごとの、前記特定部が特定した前記特定ユーザの数を示す情報を出力する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定部は、前記契約情報に基づいて生成された、前記ユーザの前記ユーザ識別情報と、前記ユーザの属性とを関連付けた属性情報を参照し、前記複数のユーザそれぞれの属性を特定し、
前記出力部は、前記特定部が特定した複数の前記特定ユーザそれぞれの居住地と、複数の前記特定ユーザに対応する前記属性を示す属性情報とを関連付けて出力する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する、
複数のユーザ端末それぞれの位置を示す端末位置情報と、前記端末位置情報が示す位置に前記ユーザ端末が位置していた時刻とを関連付けた位置履歴情報を複数取得するステップと、
複数の属性の種類の中から、前記属性の指定を受け付けるステップと、
前記ユーザ端末を使用するユーザを識別するユーザ識別情報と、前記ユーザの住所を示す住所情報とを関連付けた、前記ユーザ端末の通信に関するサービスの契約情報を参照して、前記複数のユーザ端末それぞれを使用する複数のユーザそれぞれの居住地を特定するステップと、
前記居住地に滞在するユーザである滞在ユーザを特定するための期間を受け付け、取得された複数の前記位置履歴情報に基づいて、昼の時間帯に含まれる前記受け付けた期間に、特定した居住地から所定距離以内に一定時間位置しているユーザを前記滞在ユーザとして特定し、前記指定を受け付けた属性に対応する前記滞在ユーザを特定ユーザとして特定するステップと、
特定された複数の前記特定ユーザが相対的に多い位置を示す情報を出力するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末に関する情報を出力する情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エリア内に滞在する複数のユーザの端末の位置情報に基づいて、ユーザの移動状況を分析することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、ユーザがどのような行動をとるのかに応じてエリアマーケティングを行っていた。しかしながら、昨今は、新型感染症の流行を抑制するために行動自粛が求められることもあり、ユーザの行動量が低下している。このため、ユーザがどのような移動を行うかの分析のみならず、ユーザがいかに居住地にとどまっているのかを分析することも求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザの居住地域における滞在状況を分析可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、複数のユーザ端末それぞれの位置を示す端末位置情報を複数取得する取得部と、前記複数のユーザ端末それぞれを使用する複数のユーザそれぞれの居住地を特定するとともに、前記取得部が取得した複数の端末位置情報に基づいて、複数のユーザのうち所定の滞在条件を満たす前記居住地に滞在するユーザである滞在ユーザを特定する特定部と、前記特定部が特定した複数の前記滞在ユーザそれぞれの居住地と、前記滞在ユーザに関する情報とを関連付けて出力する出力部と、を有する。
【0007】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、複数のユーザ端末それぞれの位置を示す端末位置情報を複数取得するステップと、前記複数のユーザ端末それぞれを使用する複数のユーザそれぞれの居住地を特定するステップと、取得された複数の端末位置情報に基づいて、複数のユーザのうち所定の滞在条件を満たす前記居住地に滞在するユーザである滞在ユーザを特定するステップと、特定された複数の前記滞在ユーザそれぞれの居住地と、前記滞在ユーザに関する情報とを関連付けて出力するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの居住地域における滞在状況を分析することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理装置の概要を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る位置履歴情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る受付画面の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る分析結果画面の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る行動範囲を示す情報を示した分析結果画面の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[情報処理装置1の概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1の概要を示す図である。情報処理装置1は、ユーザ端末2の位置情報を用いてユーザの居住地における滞在状況を分析するコンピュータである。本実施形態において、ユーザ端末2は、スマートフォン等の携帯端末であるものとする。
【0011】
情報処理装置1は、ユーザが所持するユーザ端末2から、ユーザ端末2の位置を示す端末位置情報を複数取得する(
図1の(1))。情報処理装置1は、複数のユーザ端末2のそれぞれを使用する複数のユーザそれぞれの居住地を特定する(
図1の(2))。情報処理装置1は、取得した複数の端末位置情報に基づいて、複数のユーザのうち、所定の滞在条件を満たして居住地に滞在するユーザである滞在ユーザを特定する(
図1の(3))。所定の滞在条件は、例えば、ユーザの活動時間である可能性が高い日中に居住地に滞在することである。
【0012】
情報処理装置1は、複数の滞在ユーザそれぞれの居住地と、滞在ユーザに関する情報とを関連付けた分析結果情報を出力する。例えば、情報処理装置1は、分析者が使用する分析者端末3から、分析対象とするエリアの指定を受け付けると(
図1の(4))、指定されたエリアを居住地とする滞在ユーザに関する情報を含む分析結果情報を出力する(
図1の(5))。このようにすることで、分析者は、自身が指定したエリアに居住しているユーザの居住地域における滞在状況を分析することができる。
【0013】
[情報処理装置1の構成]
続いて、情報処理装置1の構成を説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の構成を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。制御部13は、取得部131と、受付部132と、特定部133と、出力部134とを有する。
【0014】
通信部11は、情報処理装置1がユーザ端末2、及び分析者端末3等の外部装置との間でデータを送受信するネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えばLANコントローラを含んで構成されている。
【0015】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部12は、制御部13を、取得部131、受付部132、特定部133、及び出力部134として機能させる分析プログラムを記憶している。
【0016】
また、記憶部12は、通信事業者が提供する通信サービスを利用するユーザの情報であるユーザ情報を記憶する。
図3は、本実施形態に係るユーザ情報の一例を示す図である。ユーザ情報は、例えば、通信事業者が管理する、当該サービスを利用するユーザとの契約情報に基づいて生成された情報である。
【0017】
図3に示すように、ユーザ情報は、ユーザを識別するユーザ識別情報としてのユーザIDと、ユーザ名と、複数の属性の種類のそれぞれに対応するユーザの属性を示す属性情報とを関連付けた情報である。なお、
図3に示す例では、属性の種類として、年代、性別を示しているが、これに限らず、趣味、趣向情報、年収、家族構成、預貯金額等の他の属性の種類が含まれていてもよい。また、記憶部12は、ユーザ情報を記憶することとしたが、これに限らず、通信事業者が管理する契約情報を記憶することとしてもよい。
【0018】
また、記憶部12は、ユーザが所持するユーザ端末2の位置を示す端末位置情報を含む位置履歴情報を記憶する。
図4は、本実施形態に係る位置履歴情報の一例を示す図である。
図4に示すように、位置履歴情報は、ユーザIDと、時刻と、端末位置情報とを関連付けた情報である。
【0019】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶された分析プログラムを実行することにより、取得部131、受付部132、特定部133及び出力部134として機能する。
【0020】
取得部131は、複数のユーザ端末2のそれぞれの位置を示す端末位置情報を複数取得する。具体的には、取得部131は、通信部11を介して、複数のユーザ端末2のそれぞれから、所定時間おきに、ユーザIDと、端末位置情報とを取得する。取得部131は、ユーザIDと、端末位置情報とを取得すると、端末位置情報を取得した日時(時刻及び日にち)を、当該端末位置情報が示す位置にユーザ端末2が存在した日時として特定する。取得部131は、特定した日時と、取得したユーザID及び端末位置情報とを関連付けて位置履歴情報として記憶部12に記憶させる。
【0021】
なお、取得部131は、ユーザ端末2から、所定時間おきにユーザIDと端末位置情報とを取得することとしたが、所定時間は一定であってもよいし可変であってもよい。また、取得部131、ユーザ端末2から、ユーザIDと端末位置情報とを取得し、位置履歴情報として記憶部12に記憶させたが、これに限らない。取得部131は、端末位置情報を管理する外部装置(不図示)から位置履歴情報を取得し、記憶部12に記憶させてもよい。
【0022】
受付部132は、所定のエリアに含まれるエリアの指定を受け付ける。例えば、受付部132は、分析者端末3から滞在状況の分析要求を取得すると、分析者端末3にエリアの指定を受け付ける受付画面を表示させ、受付画面においてエリアの指定を受け付ける。
図5は、本実施形態に係る受付画面の一例を示す図である。
図5に示すように受付部132は、受付画面に地図を表示させ、分析者端末3から、地図上の地点又は地域を受け付ける。地図は、経度方向及び緯度方向に分割された正方形の領域であるメッシュ領域に分割されている。受付部132は、受け付けた地点又は地域を含むメッシュ領域を特定することにより、エリアの指定を受け付ける。以下の説明において、指定を受け付けたエリアを指定エリアという。なお、受付部132は、分析者端末3から受け付けた地点又は地域を含むメッシュ領域を特定することにより、エリアの指定を受け付けたが、これに限らない。受付部132は、市区町村等の自治体の指定を受け付けたり、住所を受け付けたりすることにより、エリアの指定を受け付けてもよい。この場合、受付部132は、指定された自治体又は住所に対応する一以上のメッシュ領域を指定エリアとしてもよい。
【0023】
また、受付部132は、所定期間としての分析対象期間の指定を受け付けてもよい。
図5に示す例では、分析対象期間の開始月及び終了月の入力欄が表示されており、分析者は、当該入力欄に自身が希望する分析対象期間の開始月及び終了月を入力することにより、分析対象期間を指定することができる。ここで、分析対象期間は、記憶部12に記憶されている端末位置情報が対応している分析対象可能期間に含まれる期間であるものとする。
【0024】
また、受付部132は、分析対象の属性の種類の指定を受け付けてもよい。受付部132は、例えば、
図3に示すユーザ情報に含まれる属性情報が示す複数の属性の種類の中から、少なくともいずれかの属性の種類を受け付けてもよい。
図5に示す例では、分析対象の属性の種類として、ユーザ端末2のユーザの性別が指定されていることが確認できる。
【0025】
また、受付部132は、分析対象の属性の種類とともに、当該属性の種類に対応する属性の指定を受け付けてもよい。受付部132は、例えば、属性の種類としてユーザの性別を受け付けた後に、性別に対応する属性「男性及び女性」、「男性」、「女性」のいずれかの指定を受け付けてもよい。
図5に示す例では、性別に対応する属性として男性及び女性が指定されていることが確認できる。また、受付部132は、複数の属性の種類のそれぞれに対応する複数の属性の指定を受け付けてもよい。
【0026】
特定部133は、複数のユーザ端末2のそれぞれを使用する複数のユーザのそれぞれの居住地を特定する。特定部133は、記憶部12に記憶されている位置履歴情報を参照して、受付部132が指定を受け付けた指定エリアに居住するユーザを特定する。例えば、特定部133は、
図5に示す受付画面において「分析開始」と表示されているボタンBが押下されると、記憶部12に記憶されている端末位置情報を参照し、分析対象期間において、ユーザが位置している割合が最も高い位置をユーザの居住地として特定する。特定部133は、分析対象期間において、ユーザの非活動時間帯である可能性が高い夜間帯にユーザが位置している割合が最も高い位置をユーザの居住地として特定してもよい。
【0027】
また、特定部133は、通信事業者が管理する契約情報に基づいてユーザの居住地を特定してもよい。例えば、契約情報には、位置履歴情報と共通のユーザIDと、ユーザの住所情報とが含まれている。特定部133は、位置履歴情報に含まれるユーザIDとユーザIDが一致するユーザの契約情報に含まれる住所情報に基づいてユーザの居住地を特定する。
【0028】
特定部133は、取得部131が取得した複数の端末位置情報に基づいて、複数のユーザのうち所定の滞在条件を満たす居住地に滞在するユーザである滞在ユーザを特定する。特定部133は、受付部132が指定を受け付けたエリアである指定エリアに居住する滞在ユーザを特定する。
【0029】
所定の滞在条件は、例えば、ユーザの活動時間である可能性が高い昼の時間帯(活動時間帯)に、位置履歴情報が示す端末位置がユーザの居住地に一定時間以上位置することである。なお、受付部132が、受付画面を介して滞在ユーザを特定するための一定時間を受け付け、特定部133が、当該一定時間に基づいて、滞在ユーザを特定してもよい。
【0030】
また、所定の滞在条件は、ユーザが活動時間帯に、位置履歴情報が示す端末位置が、ユーザが居住地から所定距離以内に一定時間位置していることであってもよい。このようにすることで、情報処理装置1は、ユーザが居住地の近所のカフェやコワーキングスペースで活動している場合も当該ユーザを滞在ユーザとみなすことができる。
【0031】
また、特定部133は、位置履歴情報に含まれる複数の端末位置情報に基づいて、特定した複数の滞在ユーザそれぞれの居住地に滞在する滞在時間を特定してもよい。また、特定部133は、端末位置情報に基づいて滞在ユーザや、滞在ユーザが居住地に滞在する滞在時間を特定したが、これに限らない。特定部133は、例えばユーザの自宅に設置されている電力消費量を管理するスマートメーター(不図示)から、時間帯別の電力消費量を示す情報を取得し、当該情報に基づいて滞在ユーザを特定してもよい。また、特定部133は、時間帯別の電力消費量を示す情報に基づいて、電力消費量が高い時間をユーザが滞在している時間として特定してもよい。また、特定部133は、複数の時間帯のそれぞれに対し、当該時間帯に居住地に滞在する滞在ユーザの数を特定してもよい。
【0032】
また、特定部133は、受付部132が属性の種類の指定を受け付けた場合、滞在ユーザの属性を特定する。例えば、特定部133は、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、特定した複数の滞在ユーザのそれぞれの、属性の種類に対応するユーザの属性を特定する。特定部133は、滞在ユーザを、特定した属性ごとに分類することにより、属性ごとの滞在ユーザの数を特定する。
【0033】
また、特定部133は、受付部132が属性の指定を受け付けた場合、指定された属性に対応する滞在ユーザを特定してもよい。この場合、特定部133は、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、特定した複数の滞在ユーザの中から、指定された属性を有する滞在ユーザを特定し、指定された属性を有する滞在ユーザの数を特定する。
【0034】
出力部134は、特定部133が特定した複数の滞在ユーザそれぞれの居住地と、滞在ユーザに関する情報とを関連付けて出力する。出力部134は、受付部132が受け付けた指定エリアに居住する滞在ユーザに関する情報を出力する。
【0035】
例えば、出力部134は、滞在ユーザに関する情報として、指定エリアに居住するユーザの数と、指定エリアに居住する滞在ユーザの数とに対応する情報を含む分析結果画面を分析者端末に出力する。
【0036】
また、出力部134は、受付部132が属性の種類の指定を受け付けた場合、特定部133が特定した複数の滞在ユーザそれぞれの居住地と、複数の滞在ユーザに対応する属性を示す属性情報とを関連付けた分析結果画面を出力する。例えば、出力部134は、受付部132が属性の種類として性別の指定を受け付けている場合、指定エリアにおける性別ごとの滞在ユーザの数を示す情報を含む分析結果画面を出力する。
【0037】
また、出力部134は、受付部132が属性の指定を受け付けた場合、特定部133が特定した、指定された属性に対応する滞在ユーザに関する情報を出力する。例えば、出力部134は、指定エリアにおいて、指定された属性を有する滞在ユーザの数を含む分析結果画面を出力する。
【0038】
図6は、本実施形態に係る分析結果画面の一例を示す図である。
図6に示す分析結果画面では、指定エリアに居住する居住者の数と、滞在ユーザの数とが、性別ごとに表示されていることが確認できる。なお、受付部132は、受付画面において属性の種類の指定を受け付けることとしたが、これに限らず、分析結果画面において属性の種類の指定や属性の指定を受け付けてもよい。この場合、特定部133が、分析結果画面において指定された属性、又は属性の種類に基づいて、属性ごとのユーザ端末2の数を特定し、出力部134が、特定部133による分析結果を示す分析結果画面を出力してもよい。
【0039】
また、出力部134は、分析結果画面において、特定部133が特定した滞在ユーザの滞在時間に関する情報を出力してもよい。例えば、出力部134は、
図6に示す分析結果画面において「時間帯ごと」のタブが選択されたことに応じて、時間帯ごとに特定部133が特定した滞在ユーザの数を示すグラフを含む分析結果画面を出力してもよい。このようにすることで、分析者は、時間帯ごとの滞在ユーザの滞在状況を確認することができる。
【0040】
なお、出力部134は、指定エリアを含む地図上に、指定エリアに居住する滞在ユーザに関する情報を表示させてもよい。例えば、出力部134は、指定エリアを含む地図上に、滞在ユーザの行動範囲を示す情報を表示させてもよい。この場合、特定部133は、記憶部12に記憶されている位置履歴情報に基づいて、複数の滞在ユーザそれぞれの行動範囲を特定する。例えば、特定部133は、分析対象期間における滞在ユーザの位置のうち、居住地から最も離れた位置を特定する。特定部133は、複数の滞在ユーザの居住地から、特定した居住地から最も離れた位置までの距離の平均値を算出する。ここで、特定部133は、距離の平均値を算出することとしたが、距離の中央値を算出してもよい。また、特定部133は、複数の滞在ユーザに対して算出した距離のうち、上位10%と下位10%の距離を削除した後に、距離の平均値を算出してもよい。
【0041】
出力部134は、指定エリアを含む地図上に、行動範囲を示す情報として、指定エリアの中心位置を中心とし、特定部133が算出した平均値を半径とした円を表示させる。
図7は、本実施形態に係る行動範囲を示す情報を示した分析結果画面の一例を示す図である。
図7に示す例では、地図の中心に指定エリアを示す領域Aが表示され、領域Aの中心位置を中心とした行動範囲を示す円Cが表示されていることが確認できる。
図7に示すように行動範囲を示す情報が表示されることで、分析者は、指定エリアにおける滞在ユーザの行動範囲を容易に確認することができる。
【0042】
また、出力部134は、指定エリアに居住する滞在ユーザに関する情報を出力したが、これに限らず、その他の情報を出力してもよい。例えば、受付部132は、エリアの指定を受け付けずに、ユーザの属性の指定を受け付けるようにしてもよい。特定部133は、複数のエリアのそれぞれにおける滞在ユーザを特定し、特定した滞在ユーザのうち、受付部132が指定を受け付けた属性を有する滞在ユーザを特定してもよい。そして、特定部133は、受付部132が指定を受け付けた属性に対応する滞在ユーザが相対的に多い位置(例えば、地域やエリア)を特定し、特定した位置を示す情報を分析結果情報として分析者端末3に出力してもよい。このようにすることで、分析者は、自身が指定した属性を有する滞在ユーザがどのエリアに多いのかを確認することができる。これにより、分析者は、例えば、所定の属性に対応する店舗を出店する際に、所定の属性に対応する店舗をどのエリアに出店するのが適切であるのかを判断することができる。
【0043】
[情報処理装置1の処理の流れ]
続いて、情報処理装置1における処理の流れについて説明する。
図8は、本実施形態に係る情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。なお、記憶部12にはユーザ情報及び位置履歴情報が予め記憶されているものとする。
【0044】
まず、受付部132は、分析条件を受け付ける受付画面を分析者端末3に表示させ、エリアの指定、及び属性の種類の指定を受け付ける(S1)。
続いて、特定部133は、記憶部12に記憶されている位置履歴情報を参照し、S1において指定された指定エリアに居住するユーザを特定する(S2)。
【0045】
続いて、特定部133は、記憶部12に記憶されている位置履歴情報を参照し、指定エリアに居住するユーザのうち、所定の滞在条件を満たす滞在ユーザを特定する(S3)。
続いて、特定部133は、S3において特定した滞在ユーザに対し、S1において指定された属性の種類に対応する属性を特定する(S4)。ここで、特定部133は、滞在ユーザの属性を特定したが、これに限らず、指定エリアに居住する全てのユーザの属性を特定してもよい。
【0046】
続いて、特定部133は、滞在ユーザの数を属性ごとに集計し(S5)、指定エリアにおける滞在ユーザの数と、当該滞在ユーザの属性とを関連付けた分析結果画面を分析者端末3に出力する(S6)。
【0047】
[本実施形態における効果]
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置1は、複数のユーザ端末2それぞれを使用する複数のユーザそれぞれの居住地を特定するとともに、複数のユーザ端末2それぞれの複数の端末位置情報に基づいて、複数のユーザのうち所定の滞在条件を満たす居住地に滞在するユーザである滞在ユーザを特定する。そして、情報処理装置1は、特定した複数の滞在ユーザそれぞれの居住地と、滞在ユーザに関する情報とを関連付けて出力する。このようにすることで、分析者は、ユーザの居住地域における滞在状況を分析することができる。
【0048】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、上述の実施形態では、出力部134は、複数の前記滞在ユーザそれぞれの居住地と、滞在ユーザに関する情報とを関連付けた分析結果情報を含む分析結果画面を分析者端末3に出力することとしたが、これに限らない。例えば、出力部134は、分析結果情報を含むファイルを記憶部12に出力してもよい。
【0049】
また、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0050】
1・・・情報処理装置、11・・・通信部、12・・・記憶部、13・・・制御部、131・・・取得部、132・・・受付部、133・・・特定部、134・・・出力部、2・・・ユーザ端末、3・・・分析者端末