(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】受信バンド・ノッチを有する任意ノイズ・シェーピング送信機
(51)【国際特許分類】
H04B 1/04 20060101AFI20230808BHJP
H04L 27/00 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
H04B1/04 Z
H04L27/00 C
(21)【出願番号】P 2020506791
(86)(22)【出願日】2018-07-31
(86)【国際出願番号】 US2018044479
(87)【国際公開番号】W WO2019032331
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-07-29
(32)【優先日】2017-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100112759
【氏名又は名称】藤村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】アザデット,カメラン
(72)【発明者】
【氏名】サンチェス,ラモン
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-064236(JP,A)
【文献】米国特許第08897400(US,B2)
【文献】特表2005-519566(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0217082(US,A1)
【文献】米国特許第09602127(US,B1)
【文献】特開平11-031976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/04
H04L 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機の中で使用されるように構成された装置であって:
入力信号x
qを受信し;及び
前記入力信号x
qにノイズ・シェーピングを適用し、ノイズ・シェーピングされた出力信号y
qを生成するように構成されたノイズ・シェーパーを有し、
前記ノイズ・シェーピングされた出力信号y
qの帯域内ノイズは前記ノイズ・シェーパーに関連するスペクトル・マスクの帯域内ノイズ閾値未満であり、前記ノイズ・シェーピングされた出力信号y
qの帯域外ノイズは前記スペクトル・マスクの帯域外ノイズ閾値未満であり、キャリア信号の複数のバンドパス領域各々における前記出力信号y
qのノイズは、前記スペクトル・マスクのバンドパス領域に対する関連するノイズ閾値未満であり、
前記ノイズ・シェーパーは、入力信号x
qにおけるDAC(ディジタル-アナログ変換器)の非線形性を補償するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記ノイズ・シェーパーは、前記入力信号x
qにノイズ・シェーピングを適用するためにデルタ・シグマ変調を使用するように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ノイズ・シェーパーは、前記入力信号x
qにノイズ・シェーピングを適用するためにピラミッド・エンコーディングを使用するように更に構成されている、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記ノイズ・シェーパーは:
前記入力信号x
qのB
pLSB(最下位ビット)を含む信号e
qを受信するように構成されたピラミッド・エンコーダであって、前記ピラミッド・エンコーダの複数のフィルタ・タップと前記信号e
qとに基づいてノイズ・シェーピングされたB
pビット信号p
qを生成するピラミッド・エンコーダ;及び
合成信号c
q+p
qを生成するために、前記入力信号
x
q
のB
cMSB(最上位ビット)を含むB
cビット信号c
qに前記ノイズ・シェーピングされたB
pビット信号を加算するように構成された加算器;
を含み、前記ノイズ・シェーパーは前記合成信号c
q+p
qに基づいてノイズ・シェーピングされた出力信号y
qを生成するように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ノイズ・シェーパーは、前記ノイズ・シェーピングされた出力信号y
qを生成するために、前記合成信号c
q+p
qに飽和演算を適用するように構成される飽和回路を更に有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ノイズ・シェーピングされたB
pビット信号p
qと前記B
cビット信号c
qとは少なくとも1ビットだけオーバーラップしている、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記ノイズ・シェーピングされた出力信号y
qの帯域外領域の少なくとも一部に対する前記帯域外ノイズは、前記スペクトル・マスクのバンドパス領域各々に対する関連するノイズ閾値を上回っている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ノイズ・シェーパーは、複数のフィルタ・タップにより前記入力信号x
qにノイズ・シェーピングを適用するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ノイズ・シェーパーは、前記複数のフィルタ・タップの事前に計算された値のルックアップ・テーブルに基づいて前記フィルタ・タップを生成するように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ノイズ・シェーパーはMレベル量子化器に基づいて前記フィルタ・タップを生成するように構成され、Mは3以上である、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
送信機の中で使用されるように構成された装置であって:
信号x
qを受信し、B
cビット信号c
qを生成するように構成された量子化器であって、B
cは正の整数である、量子化器;
差分信号e
qを生成するために、前記信号x
qから前記B
cビット信号c
qを減算するように構成された第1加算器;
前記差分信号e
qを受信し、ノイズ・シェーピングされたB
pビット信号p
qを生成するように構成されたノイズ・シェーパーであって、B
pはB
cより小さな正の数である、ノイズ・シェーパー;及び
ノイズ・シェーピングされたB
yビット信号c
q+p
qを生成するために、前記B
cビット信号c
qと前記ノイズ・シェーピングされたB
pビット信号p
qとを合成するように構成された第2加算器であって、B
yはB
cより大きな正の整数である、第2加算器;
を有する装置。
【請求項12】
前記ノイズ・シェーピングされたB
yビット信号c
q+p
qを受信し、ノイズ・シェーピングされた飽和B
yビット信号y
qを生成するように構成される飽和回路を更に有する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記信号x
qにおけるDAC(ディジタル-アナログ変換器)の非線形性を補償するように構成されたDACモデルを更に有する請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記ノイズ・シェーパーは、前記信号x
qにノイズ・シェーピングを適用するためにデルタ・シグマ変調を使用するように更に構成されている、請求項11-13のうちの何れか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記ノイズ・シェーパーは、前記信号x
qにノイズ・シェーピングを適用するためにピラミッド・エンコーディングを使用するように更に構成されている、請求項11-13のうちの何れか1項に記載の装置。
【請求項16】
入力信号x
qを受信し、前記入力信号x
qにノイズ・シェーピングを適用し、ノイズ・シェーピングされた出力信号y
qを生成することを送信機のコンピュータに実行させる命令を有するコンピュータ・プログラムであって、
前記ノイズ・シェーピングされた出力信号y
qの帯域内ノイズは前記送信機のノイズ・シェーパーに関連するスペクトル・マスクの帯域内ノイズ閾値未満であり、前記ノイズ・シェーピングされた出力信号y
qの帯域外ノイズは前記スペクトル・マスクの帯域外ノイズ閾値未満であり、キャリア信号の複数のバンドパス領域各々における前記出力信号y
qのノイズは、前記スペクトル・マスクのバンドパス領域に対する関連するノイズ閾値未満であり、
前記命令は、入力信号x
qにおけるDAC(ディジタル-アナログ変換器)の非線形性を補償することを前記送信機のコンピュータに実行させる、コンピュータ・プログラム。
【請求項17】
前記命令は、前記入力信号x
qにノイズ・シェーピングを適用するためにデルタ・シグマ変調を前記送信機のコンピュータに使用させる、請求項16に記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項18】
前記命令は、前記入力信号x
qにノイズ・シェーピングを適用するためにピラミッド・エンコーディングを前記送信機のコンピュータに使用させる、請求項16に記載のコンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願のクロスリファレス
本願は2017年8月8日付けで出願された米国出願番号第15/671,888号に対する優先権を主張しており、その内容は全体的に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は無線技術に関連し、特に、例えば1つ以上の受信バンド・ノッチを有するスペクトル・マスクに適合するように送信機で任意ノイズ・シェーピングを行う技術に関連する。
【0003】
背景技術
無線通信デバイス(例えば、ユーザー装置(UE)、基地局(BS))の送信機は、送信バンド内で送信信号を生成しており、潜在的に送信バンドの外でかなりのノイズを生成する可能性がある。このノイズは、ターゲットACLR(隣接チャネル漏洩電力比)を越えること、Rx(受信機)バンドにおけるターゲット・ノイズを越えること、帯域外放射のターゲット・ノイズを越えること等の1つ以上の理由によりターゲット・ノイズ・レベルを超える可能性がある。ターゲット・ノイズ・レベルを満たすために、ノイズ・シェーピングを使用することが可能であり、送信機の設計がこれらのターゲットを組み込むスペクトル・マスクを充足する又はそれを越えることを保証する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本願で説明される様々な態様に関連して使用することが可能な例示的なユーザー装置(UE)を示すブロック図である。
【0005】
【
図2】本願で説明される様々な態様に関連して使用されることが可能な基地局(BS)デバイス(例えば、eNB、gNB等)の例示的なコンポーネントを示すブロック図である。
【0006】
【
図3】本願で説明されるノイズ・シェーピング技術により満足され得る任意ノイズ・シェーピング・スペクトルの一例を示す図である。
【0007】
【
図4】平坦な量子化ノイズを有するフロア・ノイズに基づく(理想的な)従来のノイズ・シェーピング技術と本願で説明されるノイズ・シェーピング技術による量子化ノイズとの比較を示す一対の図である。
【0008】
【
図5】本願で説明される態様によるノイズ・シェーピングを3つのキャリア信号に適用した結果を示す例示的なグラフである。
【0009】
【
図6】任意スペクトル・マスクに合うようにノイズ・シェーピングに使用され得る本願で説明される様々な態様による第1具体例のノイズ・シェーパーのブロック図である。
【0010】
【
図7】第1具体例の2段ノイズ・シェーパーと第2具体例の2段ノイズ・シェーパーを示す一対のブロック図を示し、それら各々は本願で説明される様々な態様に従って無線通信システムの通信デバイス(例えば、UE又はBS)のノイズ・シェーピング・フィルタとして使用されることが可能である。
【0011】
【
図8】本願で説明される態様に従ってDAC非線形補償技術を適用した結果を示す一対の例示的なグラフを示す。
【0012】
【
図9】本願で説明される様々な態様に従ってノイズ・シェーパーとして使用されることが可能なピラミッド・エンコーダの様々な実装を示す3つのブロック図を示す。
【0013】
【
図10】本願で説明される様々な態様に従ってノイズ・シェーピングされた信号を生成する方法例のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は今や添付図面を参照しながら説明されるが、全体を通じて同様な要素を指すために同様な参照番号が使用されており、図示される構造及びデバイスは必ずしも寸法どおりに描かれているわけではない。本願で使用されるように、「コンポーネント」、「システム」、「インターフェース」等の用語は、コンピュータ関連エンティティ、ハードウェア、ソフトウェア(例えば、実行に係わるもの)、及び/又はファームウェアを指すように意図されている。例えば、コンポーネントは、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、コントローラ、又は他の処理デバイス)、プロセッサで動作するプロセス、コントローラ、オブジェクト、実行ファイル、プログラム、ストレージ・デバイス、コンピュータ、タブレットPC、及び/又は処理デバイスを有するユーザー装置(例えば、モバイル・フォン等)であるとすることが可能である。例えば、サーバーで動作するアプリケーション及びサーバーもまたコンポーネントであるとすることが可能である。1つ以上のコンポーネントがプロセス内に存在することが可能であり、コンポーネントは1つのコンピュータ上に局在させられることが可能であり、あるいは2つ以上のコンピュータ間に分散されることが可能である。エレメントのセット又は他のコンポーネントのセットが本願で説明される可能性があり、「セット」という用語は「1つ又はそれより多い」ものとして解釈されることが可能である。
【0015】
更に、これらのコンポーネントは、例えばモジュール等のそこに格納される様々なデータ構造を有する様々なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から実行することが可能である。コンポーネントは、1つ以上のデータ・パケットを有する信号に従うこと等によりローカルな及び/又はリモートなプロセスを経て通信することが可能である(データは、ローカル・システム内の別のコンポーネント、分散されたシステム、及び/又はネットワークを介して相互作用するコンポーネントからのものであり、ネットワークはインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、又は信号を介した他のシステムとの類似するネットワークである)。
【0016】
別の例として、コンポーネントは、電気的又は電子的な回路により動かされる機械的なパーツにより提供される特定の機能を有する装置であるとすることが可能であり、電気的又は電子的な回路は1つ以上のプロセッサにより実行されるソフトウェア・アプリケーション又はファームウェア・アプリケーションにより動かされることが可能である。1つ以上のプロセッサは装置に対して内的又は外的であるとすることが可能であり、ソフトウェア又はファームウェア・アプリケーションの少なくとも一部分を実行することが可能である。更に別の例として、コンポーネントは、機械的なパーツによらずに、電子的なコンポーネントにより特定の機能を提供する装置であるとすることが可能であり、電子的なコンポーネントは、電子コンポーネントの機能を少なくとも部分的に与えるソフトウェア及び/又はファームウェアを実行するために1つ以上のプロセッサをそこに含むことが可能である。
【0017】
模範的な言葉の使用は具体的な形式で概念を与えるように意図されている。本願で使用されるように、「又は」という用語は、排他的な「又は」ではなく、包含的な「又は」を意味するように意図される。即ち、別意が指定されていない限り、又は文脈から明らかでない限り、「XはA又はBを使用する」は任意の自然な包含的置換を意味するように意図される。即ち、XがAを使用する;XがBを使用する;又はXがA及びB双方を使用する場合、「XはA又はBを使用する」は上記の例のうちの何れかの下で充足される。更に、本願及び添付の特許請求の範囲で使用される「ある(“a”及び“an”)」という冠詞的な語は、別意が示されていない限り又は単数形を指し示すことが文脈から明らかでない限り、一般に、「1つ以上」を意味するように解釈されるべきである。更に、「含んでいる」、「含む」、「有している」、「有する」、「とともに」又はそれらの変形が詳細な説明及び特許請求の範囲で使用される限度において、それらの用語は「有する」という用語と同様な方式で包含的であると解釈される。
【0018】
本願で使用されるように、用語「回路」は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、1つ以上のソフトウェア又はファームウェア・プログラムを実行するプロセッサ(共有されるもの、専用のもの、又はグループ)及び/又はメモリ(共有されるもの、専用のもの、又はグループ)、組み合わせ論理回路、及び/又は所望の機能を提供する他の適切なハードウェア・コンポーネントを指してもよいし、それらの一部分であってもよいし、あるいはそれらを含んでもよい。幾つかの実施形態において、1つ以上のソフトウェア又はファームウェア・モジュールにより、回路が実装されてもよいし、回路に関連する機能が実装されてもよい。幾つかの実施形態において、回路は、少なくとも部分的にハードウェアで動作することが可能な論理を含み得る。
【0019】
本願で説明される実施形態は何らかの適切に構成されたハードウェア及び/又はソフトウェアを利用するシステム内で実装されてもよい。
図1は一実施形態に関するユーザー装置(UE)デバイス100の例示的なコンポーネントを示す。幾つかの実施形態において、UEデバイス100は、アプリケーション回路102と、ベースバンド回路104と、無線周波数(RF)回路106と、フロント・エンド・モジュール(FEM)回路108と、1つ以上のアンテナ110とを少なくとも図示されるように互いに結合して含むことができる。
【0020】
アプリケーション回路102は1つ以上のアプリケーション・プロセッサを含むことができる。例えば、アプリケーション回路102は、1つ以上のシングル・コア又はマルチ・コア・プロセッサを含み得るが、これらに限定されない。プロセッサは、汎用プロセッサ及び専用プロセッサ(例えば、グラフィックス・プロセッサ、アプリケーション・プロセッサ等)の任意の組み合わせを含むことができる。プロセッサは、メモリ/ストレージに結合されてもよいし、及び/又はメモリ/ストレージを含んでもよいし、メモリ/ストレージに格納された命令を実行するように構成されてもよく、様々なアプリケーション及び/又はオペレーティング・システムがシステムで動作することを可能にする。
【0021】
ベースバンド回路104は、1つ以上のシングル・コア又はマルチ・コア・プロセッサを含み得るが、これらに限定されない。ベースバンド回路104は、1つ以上のベースバンド・プロセッサ及び/又は制御論理を含み、RF回路106の受信信号経路から受信されたベースバンド信号を処理し、RF回路106の送信信号経路のためにベースバンド信号を生成する。ベースバンド処理回路104は、ベースバンド信号の生成及び処理、並びにRF回路106の動作制御のためにアプリケーション回路102に対するインターフェースとなり得る。例えば、幾つかの実施形態において、ベースバンド回路104は、第2世代(2G)ベースバンド・プロセッサ104a、第3世代(3G)ベースバンド・プロセッサ104b、第4世代(4G)ベースバンド・プロセッサ104c、及び/又は他の既存の世代、開発中又は将来開発される世代(例えば、第5世代(5G)、6G等)の他のベースバンド・プロセッサ104dを含み得る。ベースバンド回路104(例えば、1つ以上のベースバンド・プロセッサ104a-d)は、RF回路106を介して1つ以上の無線ネットワークと通信することを可能にする無線制御機能を処理することができる。無線制御機能は、信号変調/復調、符号化/復号化、無線周波数シフト等を含み得るが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、ベースバンド回路104の変調/復調回路は、高速フーリエ変換(FFT)、プリコーディング、及び/又はコンステレーション・マッピング/デマッピング機能を含み得る。幾つかの実施形態において、ベースバンド回路104の符号化/復号化は、畳み込み、テール・バイティング畳み込み、ターボ、ビタビ、及び/又は低密度パリティ・チェック(LDPC)エンコーダ/デコーダ機能を含むことができる。変調/復調及びエンコーダ/デコーダ機能の実施形態はこれらの例に限定されず、他の実施形態では適切な他の機能を含んでもよい。
【0022】
幾つかの実施形態において、ベースバンド回路104は、例えば物理(PHY)、媒体アクセス制御(MAC)、無線リンク制御(RLC)、パケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(PDCP)、及び/又は無線リソース制御(RRC)エレメントを含む例えばエボルブド・ユニバーサル地上無線アクセス・ネットワーク(EUTRAN)プロトコルのエレメント等のプロトコル・スタックのエレメントを含んでもよい。ベースバンド回路104の中央処理ユニット(CPU)104eは、PHY、MAC、RLC、PDCP、及び/又はRRCレイヤのシグナリングのためのプロトコル・スタックのエレメントを実行するように構成され得る。幾つかの実施形態において、ベースバンド回路は1つ以上のオーディオ・ディジタル信号プロセッサ(DSP)104fを含むことができる。オーディオDSP104fは、圧縮/解凍及びエコー・キャンセルのためのエレメントを含むことができ、他の実施形態では適切な他の処理エレメントを含むことができる。ベースバンド回路のコンポーネントは、幾つかの実施形態において、シングル・チップ、シングル・チップセットで適切に組み合わせられてもよいし、同じ回路基板に配置されてもよい。幾つかの実施形態において、ベースバンド回路104及びアプリケーション回路102の構成要素のうちの全部又は一部は、例えばシステム・オン・チップ(SOC)等において一緒に実装されてもよい。
【0023】
幾つかの実施形態において、ベースバンド回路104は1つ以上の無線技術と互換性のある通信を提供することができる。例えば、幾つかの実施形態において、ベースバンド回路104は、エボルブド・ユニバーサル地上無線アクセス・ネットワーク(EUTRAN)及び/又は他の無線メトロポリタン・エリア・ネットワーク(WMAN)、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、無線パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)との通信をサポートしてもよい。ベースバンド回路104が1つより多い無線プロトコルの無線通信をサポートするように構成される実施形態は、マルチ・モード・ベースバンド回路と言及されてもよい。
【0024】
RF回路106は、非固体媒体を介して、変調された電磁放射を利用して無線ネットワークとの通信を可能にすることができる。様々な実施形態において、RF回路106は、無線ネットワークとの通信を促進するために、スイッチ、フィルタ、増幅器等を含んでもよい。RF回路106は、FEM回路108から受信されるRF信号をダウンコンバートし、ベースバンド信号をベースバンド回路104へ提供する回路を含み得る受信信号経路を含むことができる。RF回路106はまた、ベースバンド回路104により提供されるベースバンド信号をアップコンバートし、送信のためにRF出力信号をFEM回路108へ提供する回路を含み得る送信信号経路を含むことができる。
【0025】
幾つかの実施形態において、RF回路106は受信信号経路と送信信号経路とを含むことができる。RF回路106の受信信号経路は、信号の乗算又は信号のサンプリングとしてミキサー回路106aと、増幅回路106bと、フィルタ回路106cとを含むことができる。RF回路106の送信信号経路はフィルタ回路106cとミキサー回路106aとを含むことができる。RF回路106はまた、受信信号経路及び送信信号経路のミキサー回路106aにより使用する周波数を合成するためのシンセサイザー回路106dを含むことができる。幾つかの実施形態において、受信信号経路のミキサー回路106aは、シンセサイザー回路106dにより提供される合成された周波数に基づいて、FEM回路108から受信されるRF信号をダウンコンバートするように構成されてもよい。増幅回路106bはダウンコンバートされた信号を増幅するように構成されてもよく、フィルタ回路106cは、出力ベースバンド信号を生成するために、ダウンコンバートされた信号から非所望信号を除去するように構成されるローパス・フィルタ(LPF)又はバンドパス・フィルタ(BPF)であってもよい。出力ベースバンド信号は更なる処理に備えてベースバンド回路104に提供されてもよい。幾つかの実施形態において、出力ベースバンド信号はゼロ周波数ベースバンド信号であってもよいが、このことは必須ではない。幾つかの実施形態において、受信信号経路のミキサー回路106aは受動的なミキサーを含んでもよいが、実施形態の範囲はこの点に関して限定されない。
【0026】
幾つかの実施形態において、送信信号経路のミキサー回路106aは、FEM回路108のRF出力信号を生成するために、シンセサイザー回路106dにより提供される合成された周波数に基づいて、入力ベースバンド信号をアップコンバートするように構成され得る。ベースバンド信号は、ベースバンド回路104により提供され、フィルタ回路106cによりフィルタリングされてもよい。フィルタ回路106cはローパス・フィルタ(LPF)を含んでもよいが、実施形態の範囲はこの点に関して制限されない。
【0027】
幾つかの実施形態において、受信信号経路のミキサー回路106aと送信信号経路のミキサー回路106aとは、2つ以上のミキサーを含んでもよく、それぞれ直交ダウン・コンバージョン及び/又はアップ・コンバージョンのために構成されてもよい。幾つかの実施形態において、受信信号経路のミキサー回路106aと送信信号経路のミキサー回路106aとは、2つ以上のミキサーを含んでもよく、イメージ除去(例えば、ハートレー・イメージ除去)のために構成されてもよい。幾つかの実施形態において、受信信号経路のミキサー回路106aと送信信号経路のミキサー回路106aとはそれぞれダイレクト・ダウン・コンバージョン及び/又はダイレクト・アップ・コンバージョンのために構成されてもよい。幾つかの実施形態において、受信信号経路のミキサー回路106aと送信信号経路のミキサー回路106aとは、スーパー・ヘテロダイン動作のために構成されていてもよい。
【0028】
幾つかの実施形態において、出力ベースバンド信号と入力ベースバンド信号とはアナログ・ベースバンド信号であってもよいが、実施形態の範囲はこの点に関して限定されない。幾つかの代替的な実施形態において、出力ベースバンド信号と入力ベースバンド信号とはディジタル・ベースバンド信号であってもよい。これらの代替的な実施形態において、RF回路106はアナログ-ディジタル変換(ADC)及びディジタル-アナログ変換(DAC)回路を含むことが可能であり、ベースバンド回路104はRF回路106と通信するためのディジタル・ベースバンド・インターフェースを含んでもよい。
【0029】
幾つかのデュアル・モード実施形態において、別個の無線IC回路が各スペクトルの信号処理のために提供されてもよいが、実施形態の範囲はこの点に関して制限されない。
【0030】
幾つかの実施形態において、シンセサイザー回路106dはフラクショナルNシンセサイザー又はフラクショナルN/N+1シンセサイザーであってもよいが、他のタイプの周波数シンセサイザーが相応しい場合もあるので、実施形態の範囲はこの点に関して制限されない。例えば、シンセサイザー回路106dは、デルタ・シグマ・シンセサイザー、周波数乗算器、又は分周器を備えた位相ロック・ループを含むシンセサイザーであってもよい。
【0031】
シンセサイザー回路106dは、周波数入力とディバイダ制御入力とに基づいて、RF回路106のミキサー回路106aで使用する出力周波数を合成するように構成されてもよい。幾つかの実施形態において、シンセサイザー回路106dはフラクショナルN/N+1シンセサイザーであってもよい。
【0032】
幾つかの実施形態において、周波数入力は電圧制御発振器(VCO)により提供されてもよいが、このことは必須ではない。ディバイダ制御入力は、所望の出力周波数に応じて、ベースバンド回路104又はアプリケーション・プロセッサ102の何れかにより提供されてもよい。幾つかの実施形態において、ディバイダ制御入力(例えば、N)は、アプリケーション・プロセッサ102により示されるチャネルに基づいてルックアップ・テーブルから決定されてもよい。
【0033】
RF回路106のシンセサイザー回路106dは、ディバイダと、遅延ロック・ループ(DLL)と、マルチプレクサと、位相アキュムレータとを含むことができる。幾つかの実施形態において、ディバイダはデュアル・モジュラス・ディバイダ(DMD)であってもよく、位相アキュムレータはディジタル位相アキュムレータ(DPA)であってもよい。幾つかの実施形態において、DMDは、フラクショナル分周比を提供するために、(例えば、キャリー・アウトに基づいて)N又はN+1のうちの何れかにより入力信号を分けるように構成されてもよい。幾つかの例示的な実施形態において、DLLは、カスケード接続されたチューナブルな遅延素子、位相検出器、チャージ・ポンプ、及びD型フリップ・フロップのセットを含んでいてもよい。これらの実施形態において、遅延素子は、VCO期間を高々Nd個の等しい位相パケットに分断するように構成されてもよく、ここでNdは遅延ラインにおける遅延素子の数である。このように、DLLは遅延ラインにわたる全遅延が1つのVCOサイクルであることを保証するように支援する負帰還を提供する。
【0034】
幾つかの実施形態において、シンセサイザー回路106dは出力周波数としてキャリア周波数を生成するように構成されてもよいが、他の実施形態では、出力周波数波キャリア周波数の倍数(例えば、キャリア周波数の2倍、キャリア周波数の4倍)であってもよく、直交ジェネレータ及びディバイダ回路に関連して使用され、互いに異なる複数の位相とともにキャリア周波数で複数の信号を生成してもよい。幾つかの実施形態において、出力周波数はLO周波数(fLO)であってもよい。幾つかの実施形態において、RF回路106はIQ/ポーラー・コンバータ(an IQ/polar converter)を含んでもよい。
【0035】
FEM回路108は、1つ以上のアンテナ110から受信されるRF信号に関して動作し、受信信号を増幅し、受信信号の増幅されたバージョンを更なる処理のためにRF回路106へ提供するように構成される回路を含み得る受信信号経路を含むことができる。FEM回路108はまた、1つ以上のアンテナ110のうちの1つ以上により送信するために、RF回路106により提供される送信用の信号を増幅するように構成される回路を含み得る送信信号経路を含むことができる。
【0036】
幾つかの実施形態において、FEM回路108は、送信モードと受信モードとの動作を切り替えるTX/RXスイッチを含んでもよい。FEM回路は受信信号経路と送信信号経路とを含み得る。FEM回路の受信信号経路は、受信したRF信号を増幅し、増幅された受信RF信号を出力として(例えば、RF回路106へ)提供する低雑音増幅器(LNA)を含んでもよい。FEM回路108の送信信号経路は、(例えば、RF回路106により提供される)入力RF信号を増幅する電力増幅器(PA)と、(例えば、1つ以上のアンテナ110のうちの1つ以上による)以後の送信のためにRF信号を生成する1つ以上のフィルタとを含むことができる。
【0037】
幾つかの実施形態において、UEデバイス100は、例えばメモリ/ストレージ、ディスプレイ、カメラ、センサー、及び/又は入力/出力(I/O)インターフェース等の追加的な要素を含んでもよい。
【0038】
図2を参照すると、本願で説明される様々な態様に関連して使用されることが可能な基地局(BS)デバイス(例えば、eNB、eNB等)の例示的なコンポーネントが示されている。幾つかの実施形態において、BSデバイス200はディジタル・ユニット210と1つ以上の無線ユニット220とを含むことが可能であり、それら各々は1つ以上のアンテナ230iに接続されることが可能である。
【0039】
ディジタル・ユニット210は、スイッチ211と、レイヤ1(L1)信号処理回路212と、レイヤ2+(L2+)パケット処理回路213と、制御アンド・タイミング回路214とを含むことが可能である。ディジタル・ユニット210は少なくとも以下の機能を実行することが可能であり、その機能は:(a)(例えば、スイッチ211による)(セルラ塔、又は屋根の上における)様々な無線ユニット及び様々なベースバンド・カードの間のディジタル・ユニット内での切り替え;(b)(例えば、L1信号処理回路212による)レイヤ1信号処理,様々なRFキャリア及びバンドで送信されるべき実際の波形の変調/復調及び順方向誤り訂正機能を実行すること;(c)(例えば、L2+パケット処理回路213による)ユーザーのレイヤ2スケージュリング;(d)(例えば、L2+パケット処理回路213による)レイヤ2/レイヤ3パケット処理;(e)(例えば、制御アンド・タイミング回路214による)制御プレーン処理及びタイミング/同期;及び(f)(例えば、制御アンド・タイミング回路214による)バックホールへ進行するパケットの暗号化である。
【0040】
各々の無線ユニット220は、DFE(ディジタル・フロント・エンド)信号処理回路221と、送信チェーンに関連する1つ以上のディジタル-アナログ変換器(DAC)222と、受信チェーンに関連する1つ以上のアナログ-ディジタル変換器(ADC)223と、送信チェーンに関連する選択的なRF(無線周波数)送信回路224と、受信チェーンに関連する選択的なRF(無線周波数)受信回路225と、RF・FE(フロント・エンド)回路226とを含むことができる。ディジタル・ユニット210は少なくとも以下の機能を実行することが可能であり、その機能は:(a)(例えば、DFE信号処理回路221による)(ディジタルIFキャリア合成、波効率因子低減、電力増幅器のディジタル・プレディストーションを実行する)ディジタル・フロント・エンド(DFE)信号処理;(b)(例えば、DAC222及びADC223による)ディジタル-アナログ、及びアナログ-ディジタル変換;(c)RFミキシング(即ち、変調)、及びRF周波数合成;(d)(例えば、RFフロント・エンド回路226による)RFフロント・エンド機能:電力増幅器(PA)、低雑音増幅器(LNA)、可変利得増幅器(VGA)、フィルタ、スイッチ(TDD)又はデュプレクサ(FDD)である。RF送信回路224及び/又はRF受信回路225を省略する態様では、DAC222及び/又はADC223はRFサンプリング・レートで動作することが可能であり、アナログ/RF変調/復調を不要にする。
【0041】
無線ユニット220から、RF信号はアンテナ230iへ供給され得る。現在の無線基地局では、アンテナは外部にあり、例えば5Gのために統合されたRF及びアンテナ・アレイを有するアクティブ・アンテナ・システム(AAS)を開発する労力が業界で費やされている。
【0042】
本願で開示される様々な実施形態は、所与のスペクトル・マスクに適合し得る任意のノイズ形状を生成することができる。本願で開示される技術に基づいて、このスペクトル・マスクは、従来技術に基づくものより低い分解能のDAC(ディジタル-アナログ変換器)を利用して適合させることが可能である。様々な態様において、ノイズ・シェーパーは、1つ以上のノイズ閾値を充足するスペクトル・マスクを生成するために使用されることが可能である。これらのノイズ閾値は、1つ以上のACLR、1つ以上のRxバンド、帯域外放射ターゲット(例えば、法律/規制ガイダンスに基づくもの)等に関連することが可能である。
【0043】
DAC量子化に起因する送信ノイズはRxバンドとの干渉を引き起こす。これらのRxバンドは同じ無線技術又は他の技術の受信機に対するものであり得る(例えば、セルラ送信機のノイズが、自身の受信バンド、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)受信機、WiFi受信信号などへ入り込む)。従来これはハンドセット(例えば、UE)及び基地局(例えば、eNB(E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN)Node B),Evolved NodeB,又はeNodeB)、gNB(next Generation NodeB,gNodeB)等)アプリケーションの双方における高価なフロント・エンド・フィルタを利用することにより軽減されている。
【0044】
様々な実施形態において、本願で説明される技術は、送信信号の任意ノイズ・シェーピングを実行するために使用されることが可能である。これは、任意の帯域外ノイズ・シェーピングを導入することにより、非常に高い分解能のDACに類似するパフォーマンスを達成するために、従来使用されるものより粗いDACを利用することを許容することができる。様々な例において、この任意の帯域外ノイズ・シェーピングは、幾つかのRxノッチ(例えば、キャリア・アグリゲーションに対する又は他のシステムの受信バンドに対する1つ以上のRxノッチ(例えば、2個など))を含むことが可能である。これらのノッチは、任意のBW(帯域幅)を含むことが可能な精密な形状を有するように設計されることが可能である。様々な態様において、本願で説明される実施形態によるノイズ・シェーピングは、Rxノイズ・レベルが様々なDAC分解能に関して同じに(例えば8bないし10b)維持され得るような仕方で実行されることが可能である。本願で説明される様々な態様において、任意スペクトル・マスクは、従来システムより厳しくないフロント・エンド・フィルタリングにより充足することが可能であり、及び/又は送信DACは従来システムより少ない分解能を有し、それらの双方又は一方は複雑さ及びコストを減らすことが可能である。
【0045】
本願で説明される態様では、ディジタル実装が使用されることが可能であり(例えば、乗算器を無しにすることが可能であり、LUT(ルックアップ・テーブル)を使用することが可能であり)、これはノイズを任意の形状に整形することが可能である。様々な態様において、様々な態様で使用されるノイズ・シェーピング・フィルタのフィルタ・タップは、フィルタ合成のためのターゲット形状の逆をデザインするように周波数ドメインで事前に算出されることが可能であり、そこからインパルス応答を導出することが可能であり、Txバンド及びRxバンド双方で高度に制御された応答を許容することが可能である。次いで、事前に算出された周波数ドメイン形状に基づいてフィルタ・タップ値が時間ドメインで算出されることが可能である。
【0046】
様々な実施形態において、本願で説明される技術は、スペクトル・マスクを充足するように設計され得る送信機で使用されることが可能であり、スペクトル・マスクはACLR、Rxバンドのノイズ、帯域外放射等のうちの1つ以上の観点で様々な条件を充足する。
図3を参照すると、本願で説明されるノイズ・シェーピング技術により充足されることが可能な任意ノイズ形状スペクトルの具体例が示されている(例えば、本願で説明される態様によるノイズ・シェーピング・フィルタは、そのスペクトルのインバースであるとすることが可能である)。
図3は特定のノイズ・スペクトル形状を具体例として示しているが、本願で説明される様々な態様では、周波数ドメインにおける様々なバンドの相対的な減衰、それらの位置、幅、及び遷移の鋭さは任意に選択されることが可能である。
【0047】
図3は本願で説明されるノイズ・シェーピング技術により充足されることが可能な様々な条件を示すスペクトル・マスクの一例を示す。
図3のスペクトル・マスクは、所定の周波数付近の様々なBW(帯域幅)、ベースバンド信号付近及び他の帯域外の位置におけるシステムBWで規定される例示的なDR(ダイナミック・レンジ、信号及びノイズ電力スペクトル・レベル間の差分)を示す。
図3は例示の目的で特定のスペクトル・マスクを示しているが、本願で説明される技術は、任意のスペクトル・マスクを満足するためのノイズ・シェーピングに使用されることが可能である。
【0048】
図4を参照すると、400において平坦な量子化ノイズを有するフロア・ノイズに基づく(理想化された)従来のノイズ・シェーピング技術と410において本願で説明されるノイズ・シェーピング技術による量子化ノイズとの比較が示されている。双方の技術は
図3のスペクトル・マスクを充足することが可能であるが、本願で説明される技術は、
図3のスペクトル・マスク又は任意のスペクトル・マスクを、より少ない複雑さ及びコストのシステムで、例えばより低い分解能のDAC及び/又はより厳しくないフロント・エンド・フィルタリングにより充足することが可能である。
【0049】
図4に見受けられるように、様々な態様において、本願で説明されるノイズ・シェーピング技術は、スペクトル・マスクの様々なスペクトル形状特性を充足するように、Tx(送信)信号のノイズのノイズ・シェーピングを実行するために使用されることが可能である。第1の例として、Tx信号の帯域幅(BW
signal)外側の周波数領域は、(例えば、
図4でDR
OOBにより示されるような)帯域外ノイズの第1ノイズ閾値より低いノイズ(例えば、dB等の大きさ)を有することが可能であり、その結果、双方の帯域外ノイズは第1ノイズ閾値より低く、システム帯域幅(BW
system)の中にあるがBW
signalの外側にあるノイズもまた、第1ノイズ閾値以下であるとすることができる。更に、これらの態様において、1つ以上の周波数領域は、第1ノイズ閾値より低い1つ以上の追加的なノイズ閾値未満のノイズを有することが可能である一方、他の周波数領域は1つ以上の追加的なノイズ閾値を超える(が、第1ノイズ閾値未満の)ノイズを有することが可能である。第2の例として、システム帯域幅(BW
system)内のノイズは、例えばACLRを許容レベルに維持するために、Tx信号に使用されるもの以外のシステム帯域幅の領域内で第2ノイズ閾値(例えば、S
system)未満であるノイズを有し得る。第3の例として、(例えば、
図3及び4に示されるような、同一の又は相違する帯域幅の)1つ以上のバンドパス領域が規定されることが可能であり(例えば、その領域は本願で説明される態様を使用するBS又はUEのRxバンドに関連することが可能であり)、それら各々は関連する閾値を有することが可能であり(例えば、
図3及び4に示されるような、同一の又は相違するものとすることが可能であり)、その結果、1つ以上のRxバンドにおけるTxノイズは(例えば、Tx信号を生成するUE又はBSにより使用されるRxバンドについて)、関連する閾値以下のノイズを有し得る。様々な態様において、(帯域外ノイズに対する)第1閾値及び(Rxバンド・ノッチ又は1つ以上のバンドパス領域に対する)関連する閾値は、本願で説明される又は添付図面に示される任意の様々な減衰値(例えば、
図3に示される値のように、40dB、又はより低い、又はより高いもの)であるとすることが可能である。
【0050】
図5を参照すると、本願で説明される態様によるノイズ・シェーピングを3つのキャリア信号に適用した結果を示す例示的なグラフが示されている。
図5に示される信号は、805、1840、及び2655MHzを中心とする20MHzのLTEキャリアである(その中にLTEダウンリンク・バンドB20、B3及びB7がそれぞれ存在する)。プロット502は本願で説明される様々な態様によるノイズ・シェーピングを行う6ビットDACを適用することに基づく電力スペクトルを示し、プロット504は6ビットの理想的なDACに関する電力スペクトルを示し、プロット506は10ビットの理想的なDACに関する電力スペクトルを示す。
図5に見受けられるように、本願で説明される技術は、従来技術より低い分解能のDACにより、所与のスペクトル・マスクを充足するようにノイズ・シェーピングを促すことができる。
【0051】
様々な態様において、本願で説明される技術は、非常に高分解能なDACよりも簡易に設計することが可能な、従来システムにおけるものより粗いDACにより使用されることが可能なノイズ・シェーピングにより、スペクトル形状特性を充足するために使用されることが可能である。
図6を参照すると、本願で説明される様々な態様に従って任意のスペクトル・マスクに合うようにノイズ整形に使用され得る第1具体例のノイズ・シェーパー610が示されている。様々な態様において、ノイズ・シェーパー610は、デルタ-シグマ、ピラミッド・エンコーダ等の本願で説明されるような任意の様々なタイプのノイズ・シェーパーであるとすることが可能である。様々な態様において、ノイズ・シェーパー610のフィルタ・タップは、フィルタ合成のためにターゲット形状のインバースをデザインするように周波数ドメインで予め算出されることが可能であり、そこからインパルス応答が導出されることが可能であり、Txバンド及びRxバンド双方で高度に制御された応答を可能にすることができる。次いで、フィルタ・タップ値が、事前に算出された周波数ドメイン形状に基づいて時間ドメインで算出されることが可能である。ノイズ・シェーパー610の設計に基づいて、ノイズ・シェーパー610は、所与の入力信号x
q(例えば、ノイズ・シェーパー610を使用する送信機により送信されるべき送信信号)から、ノイズ・シェーパー610の設計に関連するスペクトル・マスクを充足するノイズ・シェーピングされた出力信号y
qを生成することが可能である。
【0052】
様々な態様において、ノイズ・シェーパー610は1段のノイズ・シェーパーであるとすることが可能である一方、他の態様ではノイズ・シェーパー610は(例えば、
図7に関連して以下で説明される2段のノイズ・シェーパー等の2以上の段を有する)多段であるとすることが可能である。
【0053】
幾つかの態様において、ノイズ・シェーパーの複雑さを低減するために、ノイズ・シェーピングは、送信信号のB
y(例えば、=B
c+B
p)ビット量子化のうちのB
pLSB(最下位ビット)に関して実行されることが可能であり、ここでB
c及びB
pの値(正の整数であるとすることが可能である)は実施例の間で相違し得る。
図7を参照すると、第1具体例の2段ノイズ・シェーパー700と第2具体例の2段ノイズ・シェーパー750の一対のブロック図が示されており、それら各々は本願で説明される様々な態様に従って無線通信システムの通信デバイス(例えば、UE又はBS)のノイズ・シェーピング・フィルタとして使用されることが可能である。例示の装置700は、量子化器710(例えば、従来の又は独自の量子化器など)と、(例えば、単一段の)ノイズ・シェーパー720(例えば、本願で更に詳細に説明されるようなデルタ・シグマ又はピラミッド等の任意のタイプのものであるとすることが可能である)と、ノイズ整形された入力を飽和回路740に提供することが可能な加算器730
iとを有することが可能であり、飽和回路740は飽和演算により出力信号y
qをDACに提供することができる。
【0054】
量子化器710に対するビット数B
cとノイズ・シェーピング・ビット数B
pとはそれぞれ数式(1)及び(2)により与えられることが可能であり、これらは低雑音に対する近似である:
【数1】
ここで、P
sはサンプリング・ノイズ電力であり、f
sはサンプリング・ノイズ周波数であり、DRはダイナミック・レンジ(例えば、OOB(帯域外)等)であり、BWは帯域幅(例えば、システム帯域幅、ノッチ1帯域幅、ノッチ2帯域幅、信号帯域幅等)であり、Aはノイズ・シェーピングにより導入される減衰である(例えば、システム減衰、ノッチ1減衰、ノッチ2減衰等)。B
p≦B
cであり、これはシステム及びノッチ・バンドにおける減衰の効果を考慮に入れることが可能であることが分かる。B
pの具体的な形は
図3-5に示されるような2つのノッチ・スペクトル・マスクに関連するが、他のスペクトル・マスクについても同様な結果が示され得る。
【0055】
最適化器710は入力xqのByビット量子化のBcMSB(最上位ビット)をcqで出力することができる(xqは浮動小数点信号、又はBxビット信号であるとすることが可能であり、Bx≧Byとすることが可能である)。加算器7301は量子化器710の出力信号cqを送信信号xqから減算し、入力信号eq(信号xqのByビット量子化のBpLSBを含むことができる)をノイズ・シェーパー720(例えば、デルタ・シグマ、ピラミッド・エンコーダ等)に提供することが可能である。ノイズ・シェーパー720は、信号epに関してノイズ・シェーピングを実行してノイズ・シェーピングされた出力信号pqを生成することができ、BpLSBのノイズ・シェーピングを伴う信号xqのByビット・バージョンとして出力信号yqを生成するために、出力信号pqは加算器7302により合成されることが可能である
【0056】
量子化器710に対するB
cビットとノイズ・シェーパー720に対するB
pビットとの分離は、フィルタ特性に依存することが可能である。例えば、より小さなBpはより低い複雑さを許容することができ、従って(特に、UEの実施形態において)有利であり得る。以下の表1に見受けられるように、媒体減衰(例えば、40dB)に関し、3つのレベルのノイズ・シェーパー量子化が可能である:
表1:様々な減衰に対するB
c及びB
pの具体的な値
【表1】
【0057】
ノイズ・シェーパー720及び量子化器710のエンコーディングの間に幾らかのオーバーラップが含まれることが可能であり、オーバーラップはノイズ・シェーパー720のセクションの安定性を保証することができる。一例において、量子化器710及びノイズ・シェーパー720のダイナミック・レンジは少なくとも1ビットだけオーバーラップすることが可能でノイズ・シェーパー720ある(例えば、量子化器710のnLSB及びノイズ・シェーパー720のnMSBであり、n≧1である)。従って、ノイズ・シェーパー720は2
Bp+1レベルを有することが可能である。このオーバーラップにより加わるノイズは、飽和回路740により除去されることが可能である。第1具体例において、B
cはB
yに等しいことが可能であり、量子化器710及びノイズ・シェーパー720のダイナミック・レンジはB
pビットだけオーバーラップすることが可能である。B
x=16、B
c=4、B
p=3、B
y=7に対する第2具体例が以下の表2に示される:
表2:x
q,c
q,e
q,p
q,c
q+p
q及びy
qに対するビット値の例
【表2】
【0058】
具体例の装置750は、具体例の装置700に関連して説明されたコンポーネントを有することが可能であり、DAC(ディジタル-アナログ変換器)モジュール712を追加的に有することが可能である。2段ノイズ・シェーパーを使用するノイズ・シェーピング技術の1つの特徴は、DAC非線形性の補償を受け得ることである。量子化器710の出力においてDACモジュール712等のDAC応答のモデルを(例えば、ルックアップ・テーブルの形式で)含めることにより、BcMSBに関連する非線形誤差は、ノイズ・シェーパー720により整形される量子化ノイズと同様な仕方でノイズ整形されることが可能である。この方法はBc>>Bpである場合に有効である。
【0059】
図8を参照すると、本願で説明される態様に従ってDAC非線形補償技術を適用した結果を示す一対の例示的なグラフ800及び810が示されている。グラフ800はDAC補償の無い信号を示し、グラフ810は、y=x+0.05x
3の形の静的なDAC非線形応答に基づくDSC非線形補償を伴う信号を示す。様々な態様において、ダイナミック非線形性が存在する中で類似する技術が使用され得る。
【0060】
図9を参照すると、本願で説明される様々な態様に従うノイズ・シェーパー720として使用されることが可能なピラミッド・エンコーダの3つの例示的な実装、即ち例示のエンコーダ900、902、904が示されている。
【0061】
各々の例示のエンコーダ902、904、906は、遅延素子のセットの初期遅延素子940Nにおいて信号eを受信することができ、初期遅延素子は、加算器のトランスバーサル・フィルタ状チェーンの初期加算器930N-1に出力を提供することができる。
【0062】
加算器930iは関連する第1受信信号(例えば、入力信号eであり、先行する遅延素子940i+1からの信号である)を関連する第2受信信号(例えば、ノイズ・シェーピング・フィルタ・タップ信号hi)と合成することができ、関連する合成信号を出力することができる。最終加算器9301以外の全ての加算器930iは、関連する合成信号を次の遅延素子940iへ出力することができる。
【0063】
最終加算器9301は、それが関連する合成信号を、実施形態に基づいて異なり得るコンポーネントへ出力することができる。例えば、実施形態900及び902において、最終加算器9301はその関連する合成信号を丸め回路910に出力することが可能である。実施形態900において、丸め回路910は出力信号sをノイズ・シェーパー720の出力として提供することが可能であり、出力信号sは、受信した信号sに基づいてタップ信号hiを生成することが可能なレグファイル(regfile)922iの入力として受信され得る。実施形態902において、丸め回路910は出力信号iLUTをLUT(ルックアップ・テーブル)920に提供することができ、LUT920はレグファイル922iに対応する又はそれを実現することが可能であり、タップ信号hi及び出力信号sを生成することができる。実施形態900及び902の双方において、ビット数Bpは対応するレグファイル922iのエントリ数をNとして決定することができ、これは2Bpに最も近い整数であるとすることが可能である(例えば、Bp=9は対応するレグファイル922iにおける512エントリに対応する)。実施形態904は簡易化された代替例を提供し、最終加算器9301はその関連する合成信号をMレベル量子化器924に出力することができる(M=3であることが実施形態904で示されている)。量子化器924の出力に基づいて、各々のタップ信号回路926iは、対応するタップ信号hiに対するM個の出力のうちの1つを生成することができる。
【0064】
これらの態様において、(様々な実施形態における)ノイズ・シェーパー720は、オーバーサンプルされるレートで、ノイズ・シェーピングされたディジタル・シンボルs(k)を生成する一方、デシメートされるレートを操作することが可能である(これは、エンコーダの動作するクロック周波数を減らすことができる)。プロトタイプのノイズ・シェーピング・フィルタの係数(例えば、hi等)は事前に算出されることが可能であり、これらのフィルタ・タップによるコードワードの内積がルックアップ・テーブルに格納されることが可能である。デシメーションがエンコーダで使用されない場合(例えば、デシメーション比D=1である場合)、3レベル量子化器の例における904に示されるような、デルタ・シグマ変調を利用する実装を得ることができる。
【0065】
図9に見受けられるように、ノイズ・シェーパー720の各ピラミッド・エンコーダの実施形態は乗算器無しであるとすることが可能である。デルタ・シグマ変調の場合、変調器はフル・レートで動作することが可能である。
【0066】
任意のノイズ形状を生成するために、フィルタの応答が周波数ドメインで作成されることが可能である。様々な態様において、実装の複雑さはノイズ・シェーピング・フィルタのタップ数に比例することが可能であり、フィルタの選択性及び鋭さに依存する。逆フーリエ変換を利用して、ノイズ・シェーピング・フィルタの係数が計算され得る。タップ数を減らすために(例えば、UEの実施形態では、コスト及び電力の問題がより関連している)、
図5に示されるように、より滑らかな遷移が作成され得る。
【0067】
様々な実施形態に関連して行われた広範囲に及ぶシミュレーションに基づいて、任意の形状が達成されうること、Rxノッチの数、形状、及び配置(又は他のスペクトル・マスク特性)は非常に柔軟であり得ることが確認された。
【0068】
図10を参照すると、本願で説明される様々な態様に従ってノイズ・シェーピングされた信号を生成する方法例1000のフローチャートが示されている。幾つかの態様において、方法1000は(例えば、UE等のモバイル・デバイス、あるいはeNB又はeNB等のアクセス・ポイント等のうちの)送信機で実行されることが可能である。他の態様では、マシン読み取り可能な媒体が方法1000に関連する命令を格納することが可能であり、命令は実行されると方法1000のステップを送信機に実行させることが可能である。
【0069】
1002において、(例えば、浮動小数点、又は高分解能(Bxビット等)で)フィルタ入力信号xqが受信され得る。
【0070】
1004において、ノイズ・シェーピングが入力信号xqに適用され、所与のスペクトル・マスクに従うノイズ・シェーピングされた出力信号yqを生成することができる。
【0071】
追加的又は代替的に、方法1000は、本願で説明されるノイズ・シェーピング技術に関連して本願で説明された1つ以上の他の動作を含むことができる。
【0072】
本願の具体例は、方法、方法のうちの動作又はブロックを実行する手段、実行可能な命令を含む少なくとも1つのマシン読み取り可能な媒体等の対象事項を含むことが可能であり、命令は、マシン(例えば、メモリを有するプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)等)により実行されると、説明された実施形態及び具体例に従って複数の通信技術を利用する同時通信のための装置若しくはシステム又は方法の動作をマシンに実行させる。
【0073】
具体例1は送信機の中で使用されるように構成された装置であり、装置は:入力信号xpを受信し;及び入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用し、ノイズ・シェーピングされた出力信号yqを生成するように構成されたノイズ・シェーパーを有し、ノイズ・シェーピングされた出力信号yqの帯域内ノイズはノイズ・シェーパーに関連するスペクトル・マスクの帯域内ノイズ閾値未満であり、ノイズ・シェーピングされた出力信号yqの帯域外ノイズはスペクトル・マスクの帯域外ノイズ閾値未満であり、複数のバンドパス領域各々における出力信号yqのノイズは、スペクトル・マスクのバンドパス領域に対する関連するノイズ閾値未満である。
【0074】
具体例2は任意の具体例の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーパーは、入力信号xqにおけるDAC(ディジタル-アナログ変換器)の非線形性を補償するように構成されている
【0075】
具体例3は任意の具体例1-2の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーパーは、入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用するためにデルタ・シグマ変調を使用するように更に構成されている。
【0076】
具体例4は任意の具体例1-2の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーパーは、入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用するためにピラミッド・エンコーディングを使用するように更に構成されている。
【0077】
具体例5は任意の具体例4の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーパーは:入力信号xqのBpLSB(最下位ビット)を含む信号eqを受信するように構成されたピラミッド・エンコーダであって、ピラミッド・エンコーダの複数のフィルタ・タップと信号eqと基づいてノイズ・シェーピングされたBpビット信号pqを生成するピラミッド・エンコーダ;及び合成信号cq+pqを生成するために、送信信号のBcMSB(最上位ビット)を含むBcビット信号cqにノイズ・シェーピングされたBpビット信号を加算するように構成された加算器を含み、ノイズ・シェーパーは合成信号cq+pqに基づいてノイズ・シェーピングされた出力信号yqを生成するように構成されている。
【0078】
具体例6は任意の具体例5の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーパーは、ノイズ・シェーピングされた出力信号yqを生成するために、合成信号cq+pqに飽和演算を適用するように構成される飽和回路を更に有する。
【0079】
具体例7は任意の具体例5の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーピングされたBpビット信号pqとBcビット信号cqとは少なくとも1ビットだけオーバーラップしている。
【0080】
具体例8は任意の具体例1-2の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーピングされた出力信号yqの帯域外領域の少なくとも一部に対する帯域外ノイズは、スペクトル・マスクのバンドパス領域各々に対する関連するノイズ閾値を上回っている。
【0081】
具体例9は任意の具体例1-2の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーパーは、複数のフィルタ・タップにより入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用するように構成されている。
【0082】
具体例10は任意の具体例9の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーパーは、複数のフィルタ・タップの事前に計算された値のルックアップ・テーブルに基づいてフィルタ・タップを生成するように構成されている。
【0083】
具体例11は任意の具体例9の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーパーはMレベル量子化器に基づいてフィルタ・タップを生成するように構成され、Mは3以上である。
【0084】
具体例12は任意の具体例5-6の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーピングされたBpビット信号pqとBcビット信号cqとは少なくとも1ビットだけオーバーラップしている。
【0085】
具体例13は任意の具体例1-6又は12の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーピングされた出力信号yqの帯域外領域の少なくとも一部に対する帯域外ノイズは、スペクトル・マスクのバンドパス領域各々に対する関連するノイズ閾値を上回っている。
【0086】
具体例14は任意の具体例1-6又は12-13の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーパーは、複数のフィルタ・タップにより入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用するように構成されている。
【0087】
具体例15は送信機の中で使用されるように構成された装置であり、装置は:信号xqを受信し、Bcビット信号cqを生成するように構成された量子化器であって、Bcは正の整数である、量子化器;差分信号eqを生成するために、信号xqからBcビット信号cqを減算するように構成された第1加算器;差分信号eqを受信し、ノイズ・シェーピングされたBpビット信号pqを生成するように構成されたノイズ・シェーパーであって、BpはBcより小さな正の数である、ノイズ・シェーパー;及びノイズ・シェーピングされたByビット信号cq+pqを生成するために、Bcビット信号cqとノイズ・シェーピングされたBpビット信号pqとを合成するように構成された第2加算器であって、ByはBcより大きな正の整数である、第2加算器を有する。
【0088】
具体例16は任意の具体例15の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーピングされたByビット信号cq+pqを受信し、ノイズ・シェーピングされた飽和Byビット信号yqを生成するように構成される飽和回路を更に有する。
【0089】
具体例17は任意の具体例15の任意の変形の対象事項を含み、入力信号xqにおけるDAC(ディジタル-アナログ変換器)の非線形性を補償するように構成されたDACモデルを更に有する。
【0090】
具体例18は任意の具体例15-17の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーパーは、入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用するためにデルタ・シグマ変調を使用するように更に構成されている。
【0091】
具体例19は任意の具体例15-17の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーパーは、入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用するためにピラミッド・エンコーディングを使用するように更に構成されている。
【0092】
具体例20は任意の具体例15-16の任意の変形の対象事項を含み、入力信号xqにおけるDAC(ディジタル-アナログ変換器)の非線形性を補償するように構成されたDACモデルを更に有する。
【0093】
具体例21は任意の具体例15-16又は20の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーパーは、入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用するためにデルタ・シグマ変調を使用するように更に構成されている。
【0094】
具体例22は任意の具体例15-16又は20の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーパーは、入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用するためにピラミッド・エンコーディングを使用するように更に構成されている。
【0095】
具体例23は命令を有するマシン読み取り可能な媒体であり、命令は実行されると:入力信号xpを受信し、入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用し、ノイズ・シェーピングされた出力信号yqを生成することを送信機に実行させ、ノイズ・シェーピングされた出力信号yqの帯域内ノイズはノイズ・シェーパーに関連するスペクトル・マスクの帯域内ノイズ閾値未満であり、ノイズ・シェーピングされた出力信号yqの帯域外ノイズはスペクトル・マスクの帯域外ノイズ閾値未満であり、複数のバンドパス領域各々における出力信号yqのノイズは、スペクトル・マスクのバンドパス領域に対する関連するノイズ閾値未満である。
【0096】
具体例24は任意の具体例23の任意の変形の対象事項を含み、命令は、実行されると、入力信号xqにおけるDAC(ディジタル-アナログ変換器)の非線形性を補償することを送信機に更に実行させる。
【0097】
具体例25は任意の具体例23-24の任意の変形の対象事項を含み、命令は、実行されると、入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用するためにデルタ・シグマ変調を使用することを送信機に実行させる。
【0098】
具体例26は任意の具体例23-24の任意の変形の対象事項を含み、命令は、実行されると、入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用するためにピラミッド・エンコーディングを使用することを送信機に実行させる。
【0099】
具体例27は送信機の中で使用されるように構成された装置であり、装置は:入力信号xpを受信する手段;及び入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用し、ノイズ・シェーピングされた出力信号yqを生成する手段を有し、ノイズ・シェーピングされた出力信号yqの帯域内ノイズはノイズ・シェーパーに関連するスペクトル・マスクの帯域内ノイズ閾値未満であり、ノイズ・シェーピングされた出力信号yqの帯域外ノイズはスペクトル・マスクの帯域外ノイズ閾値未満であり、複数のバンドパス領域各々における出力信号yqのノイズは、スペクトル・マスクのバンドパス領域に対する関連するノイズ閾値未満である。
【0100】
具体例28は任意の具体例27の任意の変形の対象事項を含み、入力信号xqにおけるDAC(ディジタル-アナログ変換器)の非線形性を補償する手段を更に有する。
【0101】
具体例29は任意の具体例27-28の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーピングを適用する手段は、入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用するためにデルタ・シグマ変調を使用するように構成されている。
【0102】
具体例30は任意の具体例27-28の任意の変形の対象事項を含み、ノイズ・シェーピングを適用する手段は、入力信号xqにノイズ・シェーピングを適用するためにピラミッド・エンコーディングを使用するように構成されている。
【0103】
要約書で説明されるものを含む開示対象の説明された実施形態の上記の説明は、網羅的であるようには意図されておらず、開示された実施形態を、開示された通りの形態に限定するようにも意図されていない。特定の実施形態及び具体例が例示の目的で本願で説明されているが、様々な修正が可能であり、様々な修正は当業者が認識できるようにそのような実施形態及び具体例の範囲内にあると考えられる
【0104】
この点に関し、開示される対象事項は様々な実施形態及び対応する図面に関連して説明されているが、適用できる場合には、他の類似する実施形態が使用され得ること、開示された対象事項と同じ、類似する、又は代替的な機能を実行するために、それらの範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に修正及び追加が施され得ることが理解されるべきである。従って、開示される対象事項は本願で説明された何れの単独の実施形態にも限定されるべきでなく、むしろ添付の特許請求の範囲に従って広がり及び範囲を解釈すべきである。
【0105】
特に、上述したコンポーネント又は構造(アセンブリ、デバイス、回路、システム等)により実行される様々な機能に関し、そのようなコンポーネントを説明するために使用される用語(「手段」と言及するものを含む)は、別意に指定されない限り、たとえ説明された例示の実装における機能を実行する開示された構造と構造的に等価でなかったとしても、説明されたコンポーネントの特定の機能を実行する(例えば、機能的に等価である)任意のコンポーネント又は構造に対応するように意図されている。更に、幾つかの実装のうちの唯1つに関する特定の特徴が開示されているかもしれないが、そのような特徴は他の実装の1つ以上の特徴と結合されてもよく、任意の所与の又は特定のアプリケーションに望ましく有利であるかもしれない。