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特許7328234窒化ガリウム材料中の拡散によりドープ領域を形成するための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】窒化ガリウム材料中の拡散によりドープ領域を形成するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/225 20060101AFI20230808BHJP
   H01L 21/329 20060101ALI20230808BHJP
   H01L 29/872 20060101ALI20230808BHJP
   H01L 29/861 20060101ALI20230808BHJP
   H01L 29/868 20060101ALI20230808BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20230808BHJP
   H01L 21/22 20060101ALI20230808BHJP
   H01L 21/338 20060101ALI20230808BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20230808BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
H01L21/225 D
H01L29/86 301P
H01L29/86 301D
H01L29/91 F
H01L29/91 A
H01L29/06 301M
H01L29/91 C
H01L29/91 K
H01L21/22 C
H01L29/80 H
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020542951
(86)(22)【出願日】2019-02-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 US2019017358
(87)【国際公開番号】W WO2019157384
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2022-02-07
(31)【優先権主張番号】62/629,588
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518137335
【氏名又は名称】クロミス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(72)【発明者】
【氏名】アクタス,オズギュル
(72)【発明者】
【氏名】オドノブリュードフ,ウラジミール
(72)【発明者】
【氏名】バセリ,セム
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-227456(JP,A)
【文献】特開2008-171867(JP,A)
【文献】特開2014-110393(JP,A)
【文献】特表2013-545307(JP,A)
【文献】特開2011-114017(JP,A)
【文献】特開2018-010946(JP,A)
【文献】特開2014-041917(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147541(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/075927(WO,A1)
【文献】特開2010-087483(JP,A)
【文献】特開2013-232564(JP,A)
【文献】特開2014-157982(JP,A)
【文献】特開2006-279023(JP,A)
【文献】特開平11-233823(JP,A)
【文献】特開平11-224859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/225
H01L 21/329
H01L 29/872
H01L 29/861
H01L 29/06
H01L 21/22
H01L 21/338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒化ガリウム材料中の拡散によりドープ領域を形成する方法であって、前記方法が、
窒化ガリウム層を含む基板構造を提供することと、
前記窒化ガリウム層上にマスクを形成することであって、前記マスクが前記窒化ガリウム層の上面の1つまたは複数の部分を露出させる、形成することと、
前記窒化ガリウム層の前記上面の前記1つまたは複数の部分にマグネシウム含有窒化ガリウム層を堆積させることと、
前記マグネシウム含有窒化ガリウム層の堆積と同時に、前記1つまたは複数の部分を通して前記窒化ガリウム層にマグネシウムを拡散させることにより、前記窒化ガリウム層に1つまたは複数のマグネシウムドープ領域を形成することであって、前記マグネシウム含有窒化ガリウム層がマグネシウムドーパントのソースを提供する、形成することと、
前記マグネシウム含有窒化ガリウム層を除去することと、
前記マスクを除去することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記マグネシウム含有窒化ガリウム層を堆積させることが薄膜堆積チャンバ内で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マグネシウム含有窒化ガリウム層を堆積させることが、約900℃~約1100℃の範囲の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記マグネシウム含有窒化ガリウム層は、約1×1019cm-3~約1×1020cm-3の範囲のマグネシウム密度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板構造が、
基板上に形成されたバッファ層と、
前記バッファ層上に形成された第1のエピタキシャル窒化ガリウム層と、
前記第1のエピタキシャル窒化ガリウム層上に形成された第2のエピタキシャル窒化ガリウム層とを含み、
前記1つまたは複数のマグネシウムドープ領域は、前記第2のエピタキシャル窒化ガリウム層に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基板が、
多結晶セラミックコアと、
前記多結晶セラミックコアを封入するバリア層と、
前記バリア層に結合された結合層と、
前記結合層に結合された実質的に単結晶の層と
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のエピタキシャル窒化ガリウム層は、前記マグネシウム含有窒化ガリウム層が堆積される前にドープされていない、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のエピタキシャル窒化ガリウム層がN型ドープされている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のエピタキシャル窒化ガリウム層内の前記1つまたは複数のマグネシウムドープ領域の各々が、前記第1のエピタキシャル窒化ガリウム層との界面でp-n接合を形成する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のエピタキシャル窒化ガリウム層内の前記1つまたは複数のマグネシウムドープ領域が、マージされたp-i-nショットキー(MPS)ダイオードの一部を形成する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第2のエピタキシャル窒化ガリウム層内の前記1つまたは複数のマグネシウムドープ領域は、前記MPSダイオードの接合終端拡張部(JTE)の一部を形成する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のエピタキシャル窒化ガリウム層内の前記1つまたは複数のマグネシウムドープ領域の2つが、前記第2のエピタキシャル窒化ガリウム層の一部によって互いに分離された第1のエッジ終端領域と第2のエッジ終端領域とを含み、前記方法がさらに、
前記第2のエピタキシャル窒化ガリウム層の一部と、前記第1のエッジ終端領域および前記第2のエッジ終端領域とに結合されたショットキー接触を形成すること
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
窒化ガリウム材料中にドープ領域を形成する方法であって、前記方法が、
窒化ガリウム基板構造を提供することであって、前記窒化ガリウム基板構造が、
基板上に形成されたバッファ層と、
前記バッファ層上に形成された第1のエピタキシャル窒化ガリウム層と、
前記第1のエピタキシャル窒化ガリウム層上に形成された第2のエピタキシャル窒化ガリウム層と、
前記第2のエピタキシャル窒化ガリウム層上に形成されたエピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層と
を含む、提供することと、
前記エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層上にマスクを形成することであって、前記マスクが、前記エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層の上面の1つまたは複数の部分を露出させる、形成することと、
前記エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層の前記上面の前記1つまたは複数の部分にマグネシウム含有窒化ガリウム層を堆積させることと、
前記マグネシウム含有窒化ガリウム層の堆積と同時に、前記1つまたは複数の部分を通して前記エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層にマグネシウムを拡散させることにより、前記エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層に1つまたは複数のマグネシウムドープ領域を形成することであって、前記マグネシウム含有窒化ガリウム層がマグネシウムドーパントのソースを提供する、形成することと、
前記マグネシウム含有窒化ガリウム層を除去することと、
前記マスクを除去することと
を含む、方法。
【請求項14】
前記マグネシウム含有窒化ガリウム層を堆積させることが薄膜堆積チャンバ内で行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記マグネシウム含有窒化ガリウム層を堆積させることが、約900℃~約1100℃の範囲の温度で行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記マグネシウム含有窒化ガリウム層は、約1×1019cm-3~約1×10 20 cm-3の範囲のマグネシウム密度を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記基板が、
多結晶セラミックコアと、
前記多結晶セラミックコアを封入するバリア層と、
前記バリア層に結合された結合層と、
前記結合層に結合された実質的に単結晶の層と
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のエピタキシャル窒化ガリウム層がドープされていない、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のエピタキシャル窒化ガリウム層がN型ドープされている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層の前記1つまたは複数のマグネシウムドープ領域の各々が、前記第2のエピタキシャル窒化ガリウム層との界面を形成し、前記界面は、高電子移動度トランジスタ(HEMT)パワーデバイスの閾値電圧を制御する、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]関連出願の相互参照
本出願は、2018年2月12日に提出された米国仮特許出願第62/629,588号に対する優先権を主張し、その開示は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[0002]p-nダイオード、p-i-nダイオード、ショットキーダイオード、高電子移動度トランジスタ(HEMT)などの窒化ガリウムベースの半導体デバイスは、ソーラーインバーター、コンパクト電源(力率補正回路またはPFCなど)、スイッチモード電源(SMPS)、モータードライブ、RFパワーアンプ、ソリッドステート照明(SSL)、スマートグリッド、および自動車用モータードライブシステムなどの様々な電力システムに適用できる。したがって、当技術分野では、窒化ガリウムベースの半導体デバイスを形成することに関連する改善された方法およびシステムが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]本発明の実施形態は、半導体材料に関する。より具体的には、窒化ガリウム材料へのドーパントの拡散に関連する方法およびシステムが、本発明の実施形態によって提供される。
【0004】
[0004]本発明の一実施形態によれば、窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する方法が提供される。この方法は、窒化ガリウム層を含む基板構造を提供することと、窒化ガリウム層上にマスクを形成することとを含む。マスクは、窒化ガリウム層の上面の1つまたは複数の部分を露出させる。この方法はまた、窒化ガリウム層の上面の1つまたは複数の部分にマグネシウム含有窒化ガリウム層を堆積させることと、マグネシウム含有窒化ガリウム層の堆積と同時に、1つまたは複数の部分を通して窒化ガリウム層にマグネシウムを拡散させることにより、窒化ガリウム層に1つまたは複数のマグネシウムドープ領域を形成することとを含む。マグネシウム含有窒化ガリウム層は、マグネシウムドーパントのソースを提供する。この方法はさらに、マグネシウム含有窒化ガリウム層を除去することと、マスクを除去することとを含む。
【0005】
[0005]本発明の別の実施形態によれば、窒化ガリウム材料にドープ領域を形成する方法
が提供される。この方法は、窒化ガリウム基板構造を提供することを含む。窒化ガリウム基板構造は、基板上に形成されたバッファ層、バッファ層上に形成された第1のエピタキシャル窒化ガリウム層、第1のエピタキシャル窒化ガリウム層上に形成された第2のエピタキシャル窒化ガリウム層、および第2のエピタキシャル窒化ガリウム層上に形成されたエピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層を含む。この方法はまた、エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層上にマスクを形成することを含む。マスクは、エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層の上面の1つまたは複数の部分を露出させる。この方法はさらに、エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層の上面の1つまたは複数の部分にマグネシウム含有窒化ガリウム層を堆積させることと、マグネシウム含有窒化ガリウム層の堆積と同時に、1つまたは複数の部分を通してエピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層にマグネシウムを拡散させることにより、エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層に1つまたは複数のマグネシウムドープ領域を形成することとを含む。マグネシウム含有窒化ガリウム層は、マグネシウムドーパントのソースを提供する。さらに、この方法は、マグネシウム含有窒化ガリウム層を除去することと、マスクを除去することとを含む。
【0006】
[0006]本発明の別の実施形態によれば、窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する方法が提供される。この方法は、窒化ガリウム層を含む基板構造を提供することと、窒化ガリウム層上にマスクを形成することであって、マスクが窒化ガリウム層の上面の1つまたは複数の部分を露出させる、形成することと、窒化ガリウム層の上面の1つまたは複数の部分にマグネシウム含有窒化ガリウム層を堆積させることとを含む。この方法はまた、1つまたは複数の部分を通して窒化ガリウム層にマグネシウムを拡散させることによって窒化ガリウム層に1つまたは複数のマグネシウムドープ領域を形成するために、基板構造を焼鈍することを含む。マグネシウム含有窒化ガリウム層は、焼鈍プロセスのためのマグネシウムドーパントのソースを提供する。この方法はさらに、マグネシウム含有窒化ガリウム層を除去することと、マスクを除去することとを含む。
【0007】
[0007]本発明の別の特定の実施形態によれば、窒化ガリウム材料にドープ領域を形成する方法が提供される。この方法は、窒化ガリウム基板構造を提供することを含む。窒化ガリウム基板構造は、基板上に形成されたバッファ層、バッファ層上に形成された第1のエピタキシャル窒化ガリウム層、第1のエピタキシャル窒化ガリウム層上に形成された第2のエピタキシャル窒化ガリウム層、および第2のエピタキシャル窒化ガリウム層上に形成されたエピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層を含む。この方法はまた、エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層上にマスクを形成することを含む。マスクは、エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層の上面の1つまたは複数の部分を露出させる。この方法はさらに、エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層の上面の1つまたは複数の部分にマグネシウム含有窒化ガリウム層を堆積させることと、1つまたは複数の部分を通してエピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層にマグネシウムを拡散させることによりエピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層に1つまたは複数のマグネシウムドープ領域を形成するために、窒化ガリウム基板構造を焼鈍することとを含む。マグネシウム含有窒化ガリウム層は、焼鈍プロセスのためのマグネシウムドーパントのソースを提供する。この方法はまた、マグネシウム含有窒化ガリウム層を除去することと、マスクを除去することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のいくつかの実施形態による、設計された基板構造を示す簡略化された概略図である。
図2A】本発明のいくつかの実施形態による、拡散によってGaN材料にドープ領域を形成する方法の中間ステップを示す簡略化された概略断面図である。
図2B】本発明のいくつかの実施形態による、拡散によってGaN材料にドープ領域を形成する方法の中間ステップを示す簡略化された概略断面図である。
図2C】本発明のいくつかの実施形態による、拡散によってGaN材料にドープ領域を形成する方法の中間ステップを示す簡略化された概略断面図である。
図2D】本発明のいくつかの実施形態による、拡散によってGaN材料にドープ領域を形成する方法の中間ステップを示す簡略化された概略断面図である。
図3A】本発明のいくつかの他の実施形態による、拡散によってGaN材料にドープ領域を形成する方法の中間ステップを示す簡略化された概略断面図である。
図3B】本発明のいくつかの他の実施形態による、拡散によってGaN材料にドープ領域を形成する方法の中間ステップを示す簡略化された概略断面図である。
図4A】本発明のいくつかの実施形態による、二次イオン質量分析(SIMS)から得られた深さの関数としてのマグネシウム濃度およびアルミニウム濃度の例示的なプロットを示す図である。
図4B】本発明のいくつかの実施形態による、二次イオン質量分析(SIMS)から得られた深さの関数としてのマグネシウム濃度およびアルミニウム濃度の例示的なプロットを示す図である。
図5A】本発明のいくつかのさらなる実施形態による、拡散によってGaN材料にドープ領域を形成する方法の中間ステップを示す簡略化された概略断面図である。
図5B】本発明のいくつかのさらなる実施形態による、拡散によってGaN材料にドープ領域を形成する方法の中間ステップを示す簡略化された概略断面図である。
図5C】本発明のいくつかのさらなる実施形態による、拡散によってGaN材料にドープ領域を形成する方法の中間ステップを示す簡略化された概略断面図である。
図6A】本発明のいくつかの実施形態による、窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する方法を示す簡略化されたフローチャートである。
図6B】本発明の別の実施形態による、窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する方法を示す簡略化されたフローチャートである。
図7A】本発明のいくつかの他の実施形態による、窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する方法を示す簡略化されたフローチャートである。
図7B】本発明の代替の実施形態による、窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する方法を示す簡略化されたフローチャートである。
図8】本発明のいくつかの実施形態による、設計された基板構造を示す簡略化された概略図である。
図9】本発明の実施形態による、設計された基板上に形成された拡散ドープ活性領域を含む垂直p-nダイオードを示す簡略化された概略断面図である。
図10】本発明の実施形態による、拡散ドープ活性領域を含む、マージされたp-i-nおよびショットキー(MPS)ダイオードを示す簡略化された概略図である。
図11】本発明の実施形態による、接合終端拡張部を有する垂直MPSダイオードの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0021]本発明は、概して、窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する方法に関する。ドーピングとは、半導体材料に意図的に不純物を導入して、その電気的特性を変化させるプロセスを指す。ドーピングは、例えば、拡散またはイオン注入のいずれかによって達成することができる。拡散プロセスでは、半導体ウェーハを高温の石英管炉内に保持し、適切なガス混合物を通過させる。ドーパント源は、気体源、液体源、または固体源であり得る。拡散係数は、例えば
【数1】


の形で温度に指数関数的に依存する場合があり、ここで、kはボルツマン定数、Tは温度、Eは活性化エネルギーである。
【0010】
[0022]一般に、おそらくそのような材料に関連するより強い原子結合、したがってより高い活性化エネルギーのために、GaN材料において拡散を達成することは困難であると考えられている。したがって、GaN材料にドーパントを導入するためのイオン注入設備に多額の投資が費やされてきた。しかし、イオン注入プロセスは、拡散プロセスと比較してGaN材料により多くの損傷を与える可能性があり、デバイスのパフォーマンスを低下させる可能性がある。GaN材料中の拡散は、非常に高い温度、例えば900℃以上で発生する可能性がある。このような高温では、GaN材料が分解する可能性があり、高品質のデバイスを実現することが困難になる。
【0011】
[0023]本発明のいくつかの実施形態によれば、マグネシウム(Mg)拡散は、成長温度で固体源を使用することにより、GaN材料において達成され得る。例えば、マグネシウム含有GaN層は、堆積温度で、MOCVDチャンバ内のエピタキシャルGaN層またはエピタキシャルAlGaN層上に形成され得る。マグネシウム含有GaN層内のマグネシウムは、マグネシウム含有GaN層が堆積されているときに、エピタキシャルGaN層またはエピタキシャルAlGaN層に拡散し得る。マグネシウム含有GaN層は、マグネシウムがエピタキシャルGaN層またはエピタキシャルAlGaN層に拡散されている間、下にあるGaN層またはAlGaN層を分解から保護し得る。拡散が達成された後、マグネシウム含有GaN層は除去されてもよい。Mg拡散を使用してGaNベースのデバイスを作製するいくつかの例示的なプロセスは、以下でより詳細に論じられる。エピタキシャルIII-Vベースの層(例えば、GaNまたはAlGaNエピタキシャル層)への拡散であるが、本発明は、エピタキシャル層への拡散に限定されず、バルク層への拡散は、本発明の実施形態を使用して実施できる。
【0012】
[0024]図1は、本発明の一実施形態による、GaN材料の拡散領域を示す簡略化された概略断面図である。本明細書に記載されるように、本発明の実施形態は、拡散によって形成されたドープ領域を備えた電子デバイスを製造するための方法およびシステムを提供する。図1では、例えばGaN基板、サファイア基板、炭化ケイ素基板、シリコン基板、酸化ガリウム基板、またはそれらの組み合わせなどの1つまたは複数の材料を含んでもよい基板101が、バッファ層102、ドープGaNエピタキシャル層103、および非ドープGaNエピタキシャル層104のエピタキシャル成長用の基板として使用される。ドープGaNエピタキシャル層103および非ドープGaNエピタキシャル層104は、GaNエピタキシャル層105と呼ぶことができる。
【0013】
[0025]ドープ領域106は、非ドープGaNエピタキシャル層104へのドーパント(例えば、p型ドーパントとしてのマグネシウム)の拡散によって形成される。図示の実施形態では、ドープ領域106は、非ドープGaNエピタキシャル層104の厚さにほぼ等しい厚さを有するが、これは本発明では必要ではなく、他の実施形態では、ドープ領域はより薄いかまたはより厚い(ドープGaNエピタキシャル層103まで延在する)。図2A図2Dに関連して、図1に示す構造の製造に関する追加の説明を提供する。
【0014】
[0026]図2A図2Dは、本発明のいくつかの実施形態による、拡散によってGaN材料にドープ領域を形成する方法の中間ステップを示す簡略化された概略断面図である。
【0015】
[0027]図2Aを参照すると、基板220が提供されている。基板220は、図8に示すように、設計された基板構造であってもよい。設計された基板構造が利用される場合、設計された基板構造は、上に薄いシリコン(Si)層が形成されたセラミック基板を含み得る。基板は、エピタキシャル成長のための表面を提供する。
【0016】
[0028]バッファ層230は、基板220上にエピタキシャルに形成され得る。バッファ層230は、1つまたは複数の層を含み得る。いくつかの実施形態では、バッファ層230は、比較的薄く、例えば、厚さが0.5ミクロン未満であってもよい。バッファ層230は、例えば、厚さが約0.2μmのAlN、厚さが約0.125μmのAl0.25Ga0.75N、それらの組み合わせなどを含んでもよい。比較的薄いアルミニウム含有バッファ層(例えば、0.2μmのAlN/0.125μmのAl0.25Ga0.75N)は、大口径基板上の8ミクロンを超えるGaNエピタキシーを支持することができ、それはシリコン基板を使用して製造することはできない。
【0017】
[0029]エピタキシャルGaN層240は、バッファ層230上に形成され得る。いくつかの実施形態では、エピタキシャルGaN層240は、高電圧耐性のために8μmを超える厚さを有することがある。例えば、エピタキシャルGaN層240上に続いて形成されるパワーデバイスでは、500Vまたは600Vを超える降伏電圧が達成され得る。図2Aに示すように、エピタキシャルGaN層240は、ドープエピタキシャルGaN層242および非ドープGaNエピタキシャル層244を含み得る。ドープエピタキシャルGaN層242は、5μm以上の厚さを有してもよい。ドープエピタキシャルGaN層242は、高抵抗を提供するために、いくつかの実施形態では、CまたはFeドープGaNを含んでもよい。本明細書でより完全に論じられるように、炭素または鉄が背景の不純物を補償するか深い中心を提供するために約1×1012cm-3のバックグラウンドドーピングレベル(自由キャリア密度)を有し得る、C-GaNまたはFe-GaN層などの低導電率層が形成される可能性がある。
【0018】
[0030]本明細書ではGaN層について論じているが、本発明はGaNに限定されず、AlGaN、InGaN、InAlGaN、それらの組み合わせなどを含む他のIII-V材料を利用することができる。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0019】
[0031]基板220は、エピタキシャルGaN層240のCTEと実質的に一致するCTEを有し得るため、比較的薄いバッファ層230(例えば、0.5μm未満)が、比較的厚いエピタキシャルGaN層240(例えば、5μm以上)を支持することができる。
【0020】
[0032]図2Aを参照すると、非ドープエピタキシャルGaN層244上にマスク250が形成され得る。マスク250は、非ドープエピタキシャルGaN層244の上面の複数の部分を露出させる1つまたは複数の窓252を含むパターンを有し得る。マスク250は、例えば、フォトレジストを含んでもよい。
【0021】
[0033]次に、構造は、薄膜成長チャンバ、例えば、MOCVDチャンバ内に配置されてもよい。図2Bを参照すると、マグネシウム含有GaN層260は、MOCVDプロセスと同様のプロセスにおける堆積温度で、非ドープエピタキシャルGaN層244の上面の複数の露出部分上に形成され得る。堆積温度は、約900℃~約1100℃の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、マグネシウム含有窒化ガリウム層260中のマグネシウム密度は、およそ1×1019cm-3から1×1020cm-3であってもよい。そのような高温および高いマグネシウム密度では、図2Cに示すように、マグネシウムは、マスク250の窓252を通って非ドープエピタキシャルGaN層244に拡散して、非ドープエピタキシャルGaN層244に複数のP型ドープ領域246を形成し得る。ここで、マグネシウム含有GaN層260は、マグネシウムドーパントの固体源として機能してもよく、高品質のエピタキシャル層ではない可能性がある。マグネシウム含有GaN層260の存在はまた、下にある非ドープエピタキシャルGaN層244を拡散プロセス中の分解から保護する。
【0022】
[0034]拡散が達成された後、図2Dに示すように、マグネシウム含有GaN層260およびマスク250は除去され得る。マグネシウム含有GaN層260およびマスク250は、塩酸または硫酸などの酸を使用して除去されてもよい。いくつかの実施形態では、マグネシウムドーパントは、非ドープエピタキシャルGaN層244とドープエピタキシャルGaN層242との間の界面に拡散し、図2Dに示すように、非ドープエピタキシャルGaN層244と同じ厚さのP型ドープ領域246をもたらしてもよい。P型ドープ領域246とドープエピタキシャルGaN層242との間の界面は、パワーデバイスのp-n接合を形成し得る。他のいくつかの実施形態では、1つまたは複数のP型ドープ領域246は、垂直ショットキーダイオード内にエッジ終端領域を形成し得る。いくつかのさらなる実施形態では、1つまたは複数のP型ドープ領域246は、垂直MPSダイオードの一部を形成し得る。いくつかの実施形態では、マグネシウムは、マスク250の窓252を越えて横方向に拡散し、図2Cに示すように、マスク250の一部の下で横方向に延在するP型ドープ領域246をもたらしてもよい。マスク250の下のそのような側方延長は、通常、イオン注入プロセスでは起こらない。図2A図2Dには非ドープ領域のp型ドーピングが示されているが、他の実施形態では、ドーピングレベルを第1のn型ドーパント密度から低減されたドーパント密度まで低減するために、n型領域のp型ドーピングが提供される。さらに、図2A図2Dにはマグネシウムを使用するp型ドーピングが示されているが、他のp型ドーパントを利用することができる。さらに、n型ドーパントを使用するn型ドーピングは、本明細書に示されるp型ドーピングプロセスと同様の方法で利用することができる。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0023】
[0035]図3Aおよび図3Bは、本発明のいくつかの他の実施形態による、拡散によってGaN材料にドープ領域を形成する方法の中間ステップを示す簡略化された概略断面図である。
【0024】
[0036]図3Aを参照すると、設計された基板構造302が提供されている。設計された基板構造302は、上に薄いシリコン(Si)層320が形成されたセラミック基板310を含み得る。いくつかの実施形態では、設計基板構造302は、本明細書で論じられるように、図8に示す設計された基板構造と同様であってもよい。他の実施形態では、他のタイプの基板が使用されてもよい。シリコン層320は、後続のエピタキシャル成長のための表面を提供し得る。セラミック基板310は、1つまたは複数の後続のエピタキシャル層のCTEに実質的に一致するCTEを有し得る。
【0025】
[0037]バッファ層330は、Si層320上にエピタキシャルに形成され得る。バッファ層330は、1つまたは複数の層を含み得る。いくつかの実施形態では、バッファ層330は、比較的薄く、例えば、厚さが0.5ミクロン未満であってもよい。バッファ層330は、例えば、厚さが約0.2μmのAlN、厚さが約0.125μmのAl0.25Ga0.75N、それらの組み合わせなどを含んでもよい。比較的薄いアルミニウム含有バッファ層(例えば、0.2μmのAlN/0.125μmのAl0.25Ga0.75N)は、大口径基板上の8ミクロンを超えるGaNエピタキシーを支持することができ、それはシリコン基板を使用して製造することはできない。
【0026】
[0038]エピタキシャルGaN層340は、バッファ層330上に形成され得る。いくつかの実施形態では、エピタキシャルGaN層340は、高電圧耐性のために8μmを超える厚さを有することがある。例えば、エピタキシャルGaN層340上に続いて形成されるパワーデバイスでは、500Vまたは600Vを超える降伏電圧が達成され得る。図3Aに示すように、エピタキシャルGaN層340は、ドープエピタキシャルGaN層342、非ドープエピタキシャルGaN層344、およびエピタキシャルAlGaNまたはInAlN層346を含み得る。AlGaN/GaN界面では、ヘテロ界面での分極誘起電荷により、二次元電子ガス(2DEG)が発生する場合がある。2DEGは、高電子移動度トランジスタ(HEMT)パワーデバイスの伝導チャネル348を形成し得る。いくつかの実施形態では、ドープエピタキシャルGaN層342は、5μm以上の厚さを有し得る。ドープエピタキシャルGaN層342は、高抵抗を提供するために、いくつかの実施形態では、CまたはFeドープGaNを含んでもよい。
【0027】
[0039]図3Aを参照すると、エピタキシャルAlGaNまたはInAlN層346上にマスク350が形成され得る。マスク350は、エピタキシャルAlGaNまたはInAlN層346の上面の複数の部分を露出させる1つまたは複数の窓352を含むパターンを有し得る。マスク350は、例えば、フォトレジストを含んでもよい。
【0028】
[0040]次に、構造は、薄膜成長チャンバ、例えば、MOCVDチャンバ内に配置されてもよい。再び図3Aを参照すると、マグネシウム含有GaN層360は、MOCVDプロセスと同様のプロセスにおける堆積温度で、エピタキシャルAlGaNまたはInAlN層346の上面の複数の露出部分上に堆積され得る。堆積温度は、約900℃~約1100℃の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、マグネシウム含有窒化ガリウム層360内のマグネシウム密度は、およそ1×1019cm-3から1×1020cm-3であってもよい。そのような高温および高いマグネシウム密度では、図3Bに示すように、マグネシウムは、マスク350の窓352を通ってエピタキシャルAlGaNまたはInAlN層346に拡散して、エピタキシャルAlGaNまたはInAlN層346に複数のPドープ領域349を形成し得る。ここで、マグネシウム含有GaN層360は、マグネシウムドーパントの固体源として機能してもよく、高品質のエピタキシャル層ではない可能性がある。マグネシウム含有GaN層360はまた、下にあるエピタキシャルAlGaNまたはInAlN層346を拡散プロセス中の分解から保護し得る。
【0029】
[0041]拡散によるpドープ領域349の形成が達成された後、図3Bに示すように、マグネシウム含有GaN層360およびマスク350は除去され得る。いくつかの実施形態では、マグネシウムドーパントは、エピタキシャルAlGaNまたはInAlN層346と非ドープエピタキシャルGaN層344との間の界面に拡散し、エピタキシャルAlGaNまたはInAlN層346と同じ厚さのP型ドープ領域349をもたらしてもよい。HEMTパワーデバイスとして、P型ドープ領域349内のマグネシウムドーパントは、2DEG348の密度、したがってHEMTの閾値電圧を調整するように機能する。
【0030】
[0042]図4Aおよび図4Bは、本発明のいくつかの実施形態による、二次イオン質量分析(SIMS)から得られた深さの関数としてのマグネシウム濃度およびアルミニウム濃度の例示的なプロットを示す。図4Aは、約10nmの厚さであるエピタキシャルAlGaN層へのマグネシウムの拡散後に収集されたマグネシウム濃度およびアルミニウム濃度のSIMSデータを表す。図4Bは、約20nmの厚さであるエピタキシャルAlGaN層へのマグネシウムの拡散後に収集されたマグネシウム濃度およびアルミニウム濃度のSIMSデータを表す。図示されているように、エピタキシャルAlGaN層へのマグネシウムの著しい拡散があり、図3Bに示されているようなpドープ領域349の形成を示している。拡散の深さと、深さの関数として拡散の深さおよび濃度を制御する能力がこのデータによって示されている。
【0031】
[0043]図5A図5Cは、本発明のいくつかのさらなる実施形態による、拡散によってGaN材料にドープ領域を形成する方法の中間ステップを示す簡略化された概略断面図である。
【0032】
[0044]図5Aを参照すると、非ドープエピタキシャルGaN層510は、基板構造(図示せず)上に形成され得る。非ドープエピタキシャルGaN層510の一部は、側壁512を有するメサ形状を有し得る。マスク550は、側壁512が露出されている間に、エピタキシャルGaN層510の上面に形成され得る。
【0033】
[0045]次に、構造は、薄膜成長チャンバ、例えば、MOCVDチャンバ内に配置されてもよい。図5Bを参照すると、マグネシウム含有GaN層560は、MOCVDプロセスと同様のプロセスにおいて、堆積温度で側壁512上に堆積され得る。堆積温度は、約900℃~約1100℃の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、マグネシウム含有窒化ガリウム層560内のマグネシウム密度は、およそ1×1019cm-3から1×1020cm-3であってもよい。そのような高温および高マグネシウム密度では、堆積プロセスと同時に、マグネシウムが横方向に(例えば、矢印の方向に)側壁512を通って非ドープエピタキシャルGaN層510に拡散して、P型ドープ領域514を形成し得る。拡散が達成された後、図5Cに示すように、マグネシウム含有GaN層560およびマスク550は除去され得る。
【0034】
[0046]いくつかの実施形態によれば、GaN材料中の側壁マグネシウム拡散を使用して、垂直接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)、垂直のマージされたp-i-nまたはマージされたショットキーダイオードなどの様々な垂直チャネルデバイスを製造することができる。
【0035】
[0047]他のいくつかの実施形態によれば、GaN材料中のマグネシウム拡散は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を製造するために使用され得る。例えば、pMOSデバイスの場合、ソースとドレインのプロファイルを実装または調整するため、および/またはチャネルドーピングプロファイルを変更するためにマグネシウム拡散を使用できる。nMOSデバイスの場合、チャネルドーピングプロファイルを実装または調整するためにマグネシウム拡散を使用できる。
【0036】
[0048]図6Aは、本発明のいくつかの実施形態による、窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する方法600を示す簡略化されたフローチャートである。この方法は、窒化ガリウム層を含む基板構造を提供すること(610)と、窒化ガリウム層上にマスクを形成すること(612)とを含む。マスクは、窒化ガリウム層の上面の1つまたは複数の部分を露出させる。
【0037】
[0049]一実施形態では、基板構造は、基板上に形成されたバッファ層、バッファ層上に形成された第1のエピタキシャル窒化ガリウム層、および第1のエピタキシャル窒化ガリウム層上に形成された第2のエピタキシャル窒化ガリウム層を含む。1つまたは複数のマグネシウムドープ領域が、第2のエピタキシャル窒化ガリウム層に形成される。別の実施形態では、基板は、多結晶セラミックコア、多結晶セラミックコアを封入するバリア層、バリア層に結合された結合層、および結合層に結合された実質的に単結晶の層を含む。第2のエピタキシャル窒化ガリウム層は、マグネシウム含有窒化ガリウム層が堆積される前に非ドープであり得る。第1のエピタキシャル窒化ガリウム層は、N型ドープすることができる。第2のエピタキシャル窒化ガリウム層内の1つまたは複数のマグネシウムドープ領域の各々は、第1のエピタキシャル窒化ガリウム層との界面でp-n接合を形成することができる。さらに、第2のエピタキシャル窒化ガリウム層内の1つまたは複数のマグネシウムドープ領域は、マージされたp-i-nダイオードの一部を形成することができる。さらに、第2のエピタキシャル窒化ガリウム層内の1つまたは複数のマグネシウムドープ領域は、マージされたショットキーダイオードの一部を形成することができる。
【0038】
[0050]特定の実施形態において、第2のエピタキシャル窒化ガリウム層における1つまたは複数のマグネシウムドープ領域のうちの2つは、第2のエピタキシャル窒化ガリウム層の一部によって互いに分離された第1のエッジ終端領域と第2のエッジ終端領域とを含む。この特定の実施形態では、この方法はさらに、第2のエピタキシャル窒化ガリウム層の一部、ならびに第1のエッジ終端領域および第2のエッジ終端領域に結合されたショットキー接触を形成することを含む。
【0039】
[0051]この方法はまた、窒化ガリウム層の上面の1つまたは複数の部分にマグネシウム含有窒化ガリウム層を堆積させること(614)と、マグネシウム含有窒化ガリウム層の堆積と同時に、1つまたは複数の部分を通して窒化ガリウム層にマグネシウムを拡散させることにより、窒化ガリウム層に1つまたは複数のマグネシウムドープ領域を形成すること(616)とを含む。マグネシウム含有窒化ガリウム層は、拡散プロセスのためのマグネシウムドーパントのソースを提供する。一例として、マグネシウム含有窒化ガリウム層は、約1×1019cm-3から約1×1020cm-3の範囲のマグネシウム密度を有することができる。マグネシウム含有窒化ガリウム層の堆積は、薄膜堆積チャンバで実行することができ、約900℃~約1100℃の範囲の温度で実行することができる。この方法はさらに、マグネシウム含有窒化ガリウム層を除去すること(618)と、マスクを除去すること(620)とを含む。
【0040】
[0052]図6Aにはマグネシウム含有窒化ガリウム層が示されているが、本発明の実施形態はマグネシウム含有窒化ガリウム層の使用に限定されず、マグネシウムを含む他の層を本発明に従って利用することができる。例として、マグネシウム含有材料の1つまたは複数の層をマグネシウム含有窒化ガリウム層の代わりに、またはそれと組み合わせて利用することができ、マグネシウムの層、酸化マグネシウムの層、窒化マグネシウムの層、フッ化マグネシウムの層、それらの組み合わせなどが含まれる。したがって、様々なマグネシウム源が本発明の範囲内に含まれる。
【0041】
[0053]図6Aに示す特定のステップは、本発明のいくつかの実施形態による窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する特定の方法を提供することを理解されたい。別の実施形態によれば、他の一連のステップが実行され得る。例えば、本発明の代替の実施形態では、上記に概説されたステップを異なる順序で実行してもよい。さらに、図6Aに示す個々のステップは、個々のステップに適切であるように様々なシーケンスで実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の用途に応じて、追加のステップを追加したり、削除したりしてもよい。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0042】
[0054]図6Bは、本発明の別の実施形態による、窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する方法を示す簡略化されたフローチャートである。図6Bに示す実施形態では、焼鈍プロセスを利用して、マグネシウムを基板構造に拡散させて、1つまたは複数のマグネシウムドープ領域を形成する。図6Bを参照すると、方法650は、窒化ガリウム層を含む基板構造を提供すること(652)と、窒化ガリウム層上にマスクを形成すること(654)とを含む。マスクは、窒化ガリウム層の上面の1つまたは複数の部分を露出させる。
【0043】
[0055]一実施形態では、基板構造は、基板上に形成されたバッファ層、バッファ層上に形成された第1のエピタキシャル窒化ガリウム層、および第1のエピタキシャル窒化ガリウム層上に形成された第2のエピタキシャル窒化ガリウム層を含む。1つまたは複数のマグネシウムドープ領域が、第2のエピタキシャル窒化ガリウム層に形成される。別の実施形態では、基板は、多結晶セラミックコア、多結晶セラミックコアを封入するバリア層、バリア層に結合された結合層、および結合層に結合された実質的に単結晶の層を含む。第2のエピタキシャル窒化ガリウム層は、マグネシウム含有窒化ガリウム層が堆積される前に非ドープであり得る。第1のエピタキシャル窒化ガリウム層は、N型ドープすることができる。第2のエピタキシャル窒化ガリウム層内の1つまたは複数のマグネシウムドープ領域の各々は、第1のエピタキシャル窒化ガリウム層との界面でp-n接合を形成することができる。さらに、第2のエピタキシャル窒化ガリウム層内の1つまたは複数のマグネシウムドープ領域は、マージされたp-i-nダイオードの一部を形成することができる。さらに、第2のエピタキシャル窒化ガリウム層内の1つまたは複数のマグネシウムドープ領域は、マージされたショットキーダイオードの一部を形成することができる。
【0044】
[0056]特定の実施形態において、第2のエピタキシャル窒化ガリウム層における1つまたは複数のマグネシウムドープ領域のうちの2つは、第2のエピタキシャル窒化ガリウム層の一部によって互いに分離された第1のエッジ終端領域と第2のエッジ終端領域とを含む。この特定の実施形態では、この方法はさらに、第2のエピタキシャル窒化ガリウム層の一部、ならびに第1のエッジ終端領域および第2のエッジ終端領域に結合されたショットキー接触を形成することを含む。
【0045】
[0057]この方法はまた、窒化ガリウム層の上面の1つまたは複数の部分にマグネシウム含有窒化ガリウム層を堆積させること(656)と、焼鈍プロセス中に1つまたは複数の部分を通して窒化ガリウム層にマグネシウムを拡散させることにより窒化ガリウム層に1つまたは複数のマグネシウムドープ領域を形成するために、基板構造を焼鈍すること(658)とを含む。マグネシウム含有窒化ガリウム層は、焼鈍プロセス中に発生する拡散プロセスのためのマグネシウムドーパントのソースを提供する。一例として、マグネシウム含有窒化ガリウム層は、約1×1019cm-3から約1×1020cm-3の範囲のマグネシウム密度を有することができる。マグネシウム含有窒化ガリウム層の堆積は、薄膜堆積チャンバで実行することができ、約900℃~約1100℃の範囲の温度で実行することができる。この方法はさらに、マグネシウム含有窒化ガリウム層を除去すること(660)と、マスクを除去すること(662)とを含む。
【0046】
[0058]図6Bにはマグネシウム含有窒化ガリウム層が示されているが、本発明の実施形態はマグネシウム含有窒化ガリウム層の使用に限定されず、マグネシウムを含む他の層を本発明に従って利用することができる。例として、マグネシウム含有材料の1つまたは複数の層をマグネシウム含有窒化ガリウム層の代わりに、またはそれと組み合わせて利用することができ、マグネシウムの層、酸化マグネシウムの層、窒化マグネシウムの層、フッ化マグネシウムの層、それらの組み合わせなどが含まれる。したがって、様々なマグネシウム源が本発明の範囲内に含まれる。
【0047】
[0059]基板構造の焼鈍には、様々な焼鈍時間および温度、ならびに特定のデバイス構造に適した所望のドーピングプロファイルを利用することができる。いくつかの実施形態では、所望のドーピングプロファイルを達成するために、多段階焼鈍を利用することができる。一例として、堆積プロセス(656)の後に、1つまたは複数の急速熱焼鈍(RTA)プロセスを利用することができる。RTAプロセスでは、800℃~1400℃の範囲内の温度、および数秒から数時間の範囲の時間、例えば、1400℃で1分、800℃で4時間などを利用することができる。焼鈍プロセス中の周囲ガスには、焼鈍プロセス中に過圧を提供するための窒素および/またはアンモニアの使用、不活性ガスの使用などを含むことができる。当業者には明らかであるように、周囲ガス圧力は、焼鈍温度および時間に依存するであろう。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0048】
[0060]図6Bに示す特定のステップは、本発明の別の実施形態による窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する特定の方法を提供することを理解されたい。別の実施形態によれば、他の一連のステップが実行され得る。例えば、本発明の代替の実施形態では、上記に概説されたステップを異なる順序で実行してもよい。さらに、図6Bに示す個々のステップは、個々のステップに適切であるように様々なシーケンスで実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の用途に応じて、追加のステップを追加したり、削除したりしてもよい。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0049】
[0061]図7Aは、本発明のいくつかの他の実施形態による、窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する方法700を示す簡略化されたフローチャートである。この方法は、窒化ガリウム基板構造を提供すること(710)を含む。窒化ガリウム基板構造は、基板上に形成されたバッファ層、バッファ層上に形成された第1のエピタキシャル窒化ガリウム層、第1のエピタキシャル窒化ガリウム層上に形成された第2のエピタキシャル窒化ガリウム層、および第2のエピタキシャル窒化ガリウム層上に形成されたエピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層を含む。
【0050】
[0062]この方法はまた、エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層上にマスクを形成すること(712)を含む。マスクは、エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層の上面の1つまたは複数の部分を露出させる。この方法はさらに、エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層の上面の1つまたは複数の部分にマグネシウム含有窒化ガリウム層を堆積させること(714)と、マグネシウム含有窒化ガリウム層の堆積と同時に、1つまたは複数の部分を通してエピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層にマグネシウムを拡散させることにより、エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層に1つまたは複数のマグネシウムドープ領域を形成すること(716)とを含む。マグネシウム含有窒化ガリウム層は、拡散プロセスのためのマグネシウムドーパントのソースを提供し、約1×1019cm-3から約1×10 20 cm-3の範囲のマグネシウム密度を有することができる。マグネシウム含有窒化ガリウム層の堆積は、例えば約900℃~約1100℃の範囲の温度で、薄膜堆積チャンバ内で実行することができる。この方法はさらに、マグネシウム含有窒化ガリウム層を除去すること(718)と、マスクを除去すること(720)とを含む。
【0051】
[0063]図7Aにはマグネシウム含有窒化ガリウム層が示されているが、本発明の実施形態はマグネシウム含有窒化ガリウム層の使用に限定されず、マグネシウムを含む他の層を本発明に従って利用することができる。例として、マグネシウム含有材料の1つまたは複数の層をマグネシウム含有窒化ガリウム層の代わりに、またはそれと組み合わせて利用することができ、マグネシウムの層、酸化マグネシウムの層、窒化マグネシウムの層、フッ化マグネシウムの層、それらの組み合わせなどが含まれる。したがって、様々なマグネシウム源が本発明の範囲内に含まれる。
【0052】
[0064]一実施形態では、基板は、多結晶セラミックコア、多結晶セラミックコアを封入するバリア層、バリア層に結合された結合層、および結合層に結合された実質的に単結晶の層を含む。第2のエピタキシャル窒化ガリウム層は、非ドープであり得る。第1のエピタキシャル窒化ガリウム層は、N型ドープすることができる。エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層の1つまたは複数のマグネシウムドープ領域の各々は、第2のエピタキシャル窒化ガリウム層との界面を形成することができ、この場合、界面は高電子移動度トランジスタ(HEMT)パワーデバイスの閾値電圧を制御する。
【0053】
[0065]図7Aに示す特定のステップは、本発明のいくつかの実施形態による窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する特定の方法を提供することを理解されたい。別の実施形態によれば、他の一連のステップが実行され得る。例えば、本発明の代替の実施形態では、上記に概説されたステップを異なる順序で実行してもよい。さらに、図7Aに示す個々のステップは、個々のステップに適切であるように様々なシーケンスで実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の用途に応じて、追加のステップを追加したり、削除したりしてもよい。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0054】
[0066]図7Bは、本発明の代替の実施形態による、窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する方法を示す簡略化されたフローチャートである。図7Bを参照すると、方法750は、窒化ガリウム基板構造を提供すること(752)を含む。窒化ガリウム基板構造は、基板上に形成されたバッファ層、バッファ層上に形成された第1のエピタキシャル窒化ガリウム層、第1のエピタキシャル窒化ガリウム層上に形成された第2のエピタキシャル窒化ガリウム層、および第2のエピタキシャル窒化ガリウム層上に形成されたエピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層を含む。
【0055】
[0067]この方法はまた、エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層上にマスクを形成すること(754)を含む。マスクは、エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層の上面の1つまたは複数の部分を露出させる。この方法はさらに、エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層の上面の1つまたは複数の部分にマグネシウム含有窒化ガリウム層を堆積させること(756)と、焼鈍プロセス中に1つまたは複数の部分を通してエピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層にマグネシウムを拡散させることによりエピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層に1つまたは複数のマグネシウムドープ領域を形成するために、基板構造を焼鈍すること(758)とを含む。マグネシウム含有窒化ガリウム層は、拡散プロセスのためのマグネシウムドーパントのソースを提供し、約1×1019cm-3から約1×10 20 cm-3の範囲のマグネシウム密度を有することができる。マグネシウム含有窒化ガリウム層の堆積は、例えば約900℃~約1100℃の範囲の温度で、薄膜堆積チャンバ内で実行することができる。この方法はさらに、マグネシウム含有窒化ガリウム層を除去すること(760)と、マスクを除去すること(762)とを含む。
【0056】
[0068]図7Bにはマグネシウム含有窒化ガリウム層が示されているが、本発明の実施形態はマグネシウム含有窒化ガリウム層の使用に限定されず、マグネシウムを含む他の層を本発明に従って利用することができる。例として、マグネシウム含有材料の1つまたは複数の層をマグネシウム含有窒化ガリウム層の代わりに、またはそれと組み合わせて利用することができ、マグネシウムの層、酸化マグネシウムの層、窒化マグネシウムの層、フッ化マグネシウムの層、それらの組み合わせなどが含まれる。したがって、様々なマグネシウム源が本発明の範囲内に含まれる。
【0057】
[0069]一実施形態では、基板は、多結晶セラミックコア、多結晶セラミックコアを封入するバリア層、バリア層に結合された結合層、および結合層に結合された実質的に単結晶の層を含む。第2のエピタキシャル窒化ガリウム層は、非ドープであり得る。第1のエピタキシャル窒化ガリウム層は、N型ドープすることができる。エピタキシャル窒化アルミニウムガリウム層の1つまたは複数のマグネシウムドープ領域の各々は、第2のエピタキシャル窒化ガリウム層との界面を形成することができ、この場合、界面は高電子移動度トランジスタ(HEMT)パワーデバイスの閾値電圧を制御する。
【0058】
[0070]図7Bに示す特定のステップは、本発明の代替の実施形態による窒化ガリウム材料中の拡散によってドープ領域を形成する特定の方法を提供することを理解されたい。別の実施形態によれば、他の一連のステップが実行され得る。例えば、本発明の代替の実施形態では、上記に概説されたステップを異なる順序で実行してもよい。さらに、図7Bに示す個々のステップは、個々のステップに適切であるように様々なシーケンスで実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の用途に応じて、追加のステップを追加したり、削除したりしてもよい。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0059】
[0071]図8は、本発明のいくつかの実施形態による、設計された基板構造を示す簡略化された概略図である。図8に示すように、設計された基板構造は、様々な電子的および光学的用途に適している可能性がある。設計された基板構造はコア810(例えば、AlN基板)を含み、コア810は、例えば剥離したシリコン(111)の層825上など、設計された基板構造上で成長するエピタキシャル材料の熱膨張係数(CTE)に実質的に一致するCTEを有することができる。
【0060】
[0072]窒化ガリウム(GaN)ベースの材料(GaNベースの層を含むエピタキシャル層)の成長を含む用途の場合、コア810は、多結晶セラミック材料、例えば、酸化イットリウムなどの結合材料を含むことができる多結晶窒化アルミニウム(AlN)であり得る。コアには、多結晶窒化ガリウム(GaN)、多結晶窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、多結晶炭化ケイ素(SiC)、多結晶酸化亜鉛(ZnO)、多結晶三酸化ガリウム(Ga)などを含む他の材料を利用できる。
【0061】
[0073]コア810の厚さは、約100~1500μm、例えば750μmであり得る。コア810は、シェルまたは封入シェルと呼ぶことができる接着層812に封入される。一実施形態では、接着層812は、厚さが約1000Åのテトラエチルオルトシリケート(TEOS)酸化物層を含む。他の実施形態では、接着層812の厚さは、例えば、100Åから2000Åまで変化する。いくつかの実施形態では、TEOS酸化物が接着層812に利用されるが、本発明の実施形態によれば、後で堆積される層と下にある層または材料(例えば、セラミック、特に多結晶セラミック)との間の接着を提供する他の材料を利用することができる。例えば、SiOまたは他の酸化ケイ素(Si)は、セラミック材料によく接着し、例えば導電性材料のその後の堆積に適した表面を提供する。いくつかの実施形態では、接着層812は、コア810を完全に取り囲んで完全に封入されたコア810を形成し、LPCVDプロセスまたは他の適切な堆積プロセスを使用して形成され得、半導体処理、特に多結晶または複合基板および層と互換性があり得る。接着層812は、その後の層が接着して、設計された基板構造の要素を形成する表面を提供する。
【0062】
[0074]封入接着層を形成するためのLPCVDプロセス、スピンオンガラス/誘電体、炉ベースのプロセスなどの使用に加えて、CVDプロセスまたは同様の堆積プロセスを含む他の半導体プロセスを本発明の実施形態に従って利用することができる。一例として、コア810の一部をコーティングする堆積プロセスを利用することができ、コア810を裏返しにすることができ、コア810の追加の部分をコーティングするために堆積プロセスを繰り返すことができる。したがって、いくつかの実施形態ではLPCVD技術を利用して完全に封入された構造が提供されるが、特定の用途に応じて他の膜形成技術を利用することができる。
【0063】
[0075]接着層812を取り囲む導電層814が形成される。一実施形態では、ポリシリコンはセラミック材料に対して不十分な接着を示すことがあるため、導電層814は、接着層812を囲むように形成されるポリシリコン(すなわち、多結晶シリコン)のシェルである。導電層814がポリシリコンである実施形態では、ポリシリコン層の厚さは、約500~5,000Å、例えば、2,500Åであり得る。いくつかの実施形態では、ポリシリコン層は、接着層812(例えば、TEOS酸化物層)を完全に取り囲むシェルとして形成でき、それにより完全に封入された接着層812を形成し、LPCVDプロセスを使用して形成できる。他の実施形態では、以下で論じられるように、導電性材料は、接着層812の一部、例えば、基板構造の下半分の上に形成することができる。いくつかの実施形態では、導電性材料を完全に封入する層として形成し、その後、基板構造の片側で除去することができる。
【0064】
[0076]一実施形態では、導電層814は、例えば、p型ポリシリコン層を提供するためにホウ素でドープされた高導電性材料を提供するためにドープされたポリシリコン層であり得る。いくつかの実施形態では、ホウ素によるドーピングは、高い導電率を提供するために1×1019cm-3から1×1020cm-3のレベルである。異なるドーパント濃度の他のドーパント(例えば、1x1016cm-3から5x1018cm-3の範囲のドーパント濃度のリン、ヒ素、ビスマスなど)を使用して、導電層814での使用に適したn型またはp型半導体材料のいずれかを提供できる。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0065】
[0077]導電層814の存在は、半導体処理ツール、例えば静電チャック(ESCまたはe-チャック)を備えたツールに対する設計された基板の静電チャック中に有用である。導電層は、半導体処理ツールで処理した後の迅速なチャック解除を可能にする。本発明の実施形態では、導電層814は、結合を含む将来の処理中に、チャックとの電気的接触またはe-チャックへの容量結合を可能にする。したがって、本発明の実施形態は、従来のシリコンウェーハで利用される方法で処理できる基板構造を提供する。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。さらに、静電チャックと組み合わせて高い熱伝導率を備えた基板構造を有することにより、その後の設計された層およびエピタキシャル層の形成、ならびにその後のデバイス製造ステップのためのより良い堆積条件が得られる可能性がある。例えば、より低い応力、より均一な堆積厚さ、およびその後の層形成によるより良い化学量論制御をもたらすことができる望ましい熱プロファイルが提供され得る。
【0066】
[0078]第2の接着層816(例えば、厚さが約1000ÅのTEOS酸化物層)が、導電層814を取り囲んで形成される。第2の接着層816は、いくつかの実施形態では導電層814を完全に取り囲んで完全に封入された構造を形成し、LPCVDプロセス、CVDプロセス、またはスピンオン誘電体の堆積を含む任意の他の適切な堆積プロセスを使用して形成できる。
【0067】
[0079]第2の接着層816を取り囲むバリア層818、例えば、窒化シリコン層が形成される。一実施形態では、バリア層818は、厚さが約2,000Å~5,000Åの窒化シリコン層である。バリア層818は、いくつかの実施形態では、第2の接着層816を完全に取り囲んで完全に封入された構造を形成し、LPCVDプロセスを使用して形成できる。窒化シリコン層に加えて、SiCN、SiON、AlN、SiCなどを含むアモルファス材料をバリア層818として利用することができる。いくつかの実装形態では、バリア層818は、バリア層818を形成するために構築されるいくつかの副層から構成される。したがって、バリア層という用語は、単一の層または単一の材料を示すことを意図しておらず、複合的に層状にされた1つまたは複数の材料を包含することを意図している。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0068】
[0080]いくつかの実施形態では、バリア層818、例えば窒化シリコン層は、例えば高温(例えば、1000℃)のエピタキシャル成長プロセス中に、コアに存在する元素、例えばイットリウム(元素)、酸化イットリウム(すなわち、イットリア)、酸素、金属不純物、他の微量元素などが、設計された基板が存在し得る半導体処理チャンバの環境に拡散および/またはガス放出されることを防止する。本明細書に記載されている封入層を利用すると、非クリーンルーム環境用に設計された多結晶AlNを含むセラミック材料を、半導体プロセスフローおよびクリーンルーム環境で利用できる。
【0069】
[0081]通常、コアの形成に利用されるセラミック材料は、1,800℃の範囲内の温度で焼成される。このプロセスにより、セラミック材料に存在するかなりの量の不純物が追い出されることが予想される。これらの不純物には、焼結剤としてのイットリアの使用に起因するイットリウム、カルシウム、他の元素および化合物が含まれ得る。続いて、800℃~1,100℃の範囲内のはるかに低い温度で行われるエピタキシャル成長プロセスでは、これらの不純物のその後の拡散はわずかであると予想される。しかしながら、従来の予想に反して、本発明者らは、セラミック材料の焼成温度よりはるかに低い温度でのエピタキシャル成長プロセスの間でさえ、設計された基板の層を通して元素の有意な拡散が存在すると判断した。したがって、本発明の実施形態は、この望ましくない拡散を防止するために、設計された基板構造にバリア層818を統合する。
【0070】
[0082]結合層820(例えば、酸化シリコン層)は、バリア層818の一部、例えば、バリア層818の上面に堆積され、その後、実質的に単結晶の層825(例えば、図1に示す剥離シリコン(111)の層などの単結晶のシリコン層)の結合中に使用される。いくつかの実施形態では、結合層820は、厚さがおよそ1.5μmであり得る。いくつかの実施形態では、結合層820の厚さは、結合により引き起こされる空隙を低減するために20nm以上である。いくつかの実施形態では、結合層820の厚さは、0.75~1.5μmの範囲内である。
【0071】
[0083]実質的に単結晶の層825(例えば、剥離されたSi(111))は、エピタキシャル材料の形成のためのエピタキシャル成長プロセス中に成長層として使用するのに適している。いくつかの実施形態では、エピタキシャル材料は、オプトエレクトロニクス、RF、およびパワーデバイスで利用される複数の層の1つとして利用できる、厚さが2μm~10μmのGaN層を含むことができる。一実施形態では、実質的に単結晶の層825は、層転写プロセスを使用して結合層820に取り付けられる単結晶シリコン層を含む。
【0072】
[0084]設計された基板構造に関する追加の説明は、2017年6月9日に提出された米国特許出願第15/621,335号、および2017年6月9日に提出された米国特許出願第15/621,235号に記載されており、これらの開示はあらゆる目的でその全体が参照により組み込まれる。図8は、いくつかの実施形態においてエピタキシャル成長中に使用することができる設計された基板の例を提供するが、図1に関連して論じたように他の基板を利用できることが理解されよう。
【0073】
[0085]図9は、本発明の実施形態による、設計された基板上に形成された拡散ドープ活性領域を含む垂直p-nダイオードを示す簡略化された概略断面図である。半導体ダイオード900は、設計された基板910を含む。いくつかの実施形態では、設計された基板910は、多結晶セラミックコア、多結晶セラミックコアに結合された第1の接着層、第1の接着層に結合されたバリア層、バリア層に結合された結合層、および結合層に結合された実質的に単結晶の層を含み得る。一実施形態によれば、設計された基板910はさらに、結合層に結合された実質的に単結晶の層912を含み得る。例えば、実質的に単結晶の層912は、実質的に単結晶のシリコンを含み得る。いくつかの実施形態では、設計された基板910はさらに、エピタキシャルデバイス層の形成を容易にするために、実質的に単結晶の層912に結合された核生成層(図示せず)を含み得る。
【0074】
[0086]一実施形態では、基板910の多結晶セラミックコアは窒化アルミニウムを含む。いくつかの実施形態では、基板910はさらに、第1の接着層に結合された導電層、および導電層に結合された第2の接着層を含み、ここで導電層および第2の接着層は、第1の接着層とバリア層の間に配設される。いくつかの実施形態では、第1の接着層は第1のテトラエチルオルトシリケート(TEOS)酸化物層を含んでもよく、第2の接着層は第2のTEOS酸化物層を含んでもよい。バリア層は、窒化ケイ素層を含み得る。導電層は、ポリシリコン層を含み得る。
【0075】
[0087]一実施形態によれば、半導体ダイオード900はさらに、実質的に単結晶の層912に結合されたバッファ層920を含む。いくつかの実施形態では、バッファ層920は、複数の層を含む超格子であり得る。例えば、バッファ層920は、単結晶シリコン層に結合された窒化アルミニウム層、窒化アルミニウム層に結合された窒化アルミニウムガリウム層、および窒化アルミニウムガリウム層に結合された窒化ガリウム層を含み得る。半導体ダイオード900はさらに、バッファ層920に結合された半絶縁層930を含む。一実施形態では、半絶縁層930は窒化ガリウムを含む。
【0076】
[0088]いくつかの実施形態によれば、半導体ダイオード900はさらに、半絶縁層930に結合された第1のN型窒化ガリウム層942、第1のN型窒化ガリウム層942に結合された第2のN型窒化ガリウム層944、および第2のN型窒化ガリウム層944に結合されたP型窒化ガリウム層946を含む。第1のN型窒化ガリウム層942は、P-NダイオードのN領域として機能してもよく、比較的高いN型ドーピング濃度を有し得る。第2のN型窒化ガリウム層944は、ドリフト領域として機能してもよく、第1のN型窒化ガリウム層942のドーピング濃度と比較して比較的低いドーピング濃度を有し得る。P型窒化ガリウム層946は、P-NダイオードのP領域として機能してもよく、比較的高いP型ドーピング濃度を有し得る。本明細書で論じられるように、P領域は、本明細書に記載される方法を利用してマグネシウムでドープすることができる。
【0077】
[0089]一実施形態では、第2のN型窒化ガリウム層944の一部およびP型窒化ガリウム層946の一部を除去して、第1のN型窒化ガリウム層942の一部を露出させ、カソード接触970をその上に形成してもよい。いくつかの実施形態では、カソード接触970は、チタン-アルミニウム(Ti/Al)合金または他の適切な金属材料を含み得る。第2のN型窒化ガリウム層944の一部およびP型窒化ガリウム層946の一部は、エッチングまたは他の適切な技術によって除去され得る。アノード接触960は、P型窒化ガリウム層946の残りの部分上に形成される。いくつかの実施形態では、アノード960は、ニッケル-白金(Ni/Pt)合金、ニッケル-金(Ni/Au)合金などを含み得る。半導体ダイオード900はさらに、アノード接触960に結合された第1のフィールドプレート982と、カソード接触970に結合された第2のフィールドプレート984とを含み得る。いくつかの実施形態では、半導体ダイオード900はさらに、P型窒化ガリウム層946および第1のN型窒化ガリウム層942ならびに第2のN型窒化ガリウム層944の露出表面を覆うパッシベーション層990を含み得る。パッシベーション層990は、窒化ケイ素または他の絶縁材料を含み得る。
【0078】
[0090]いくつかの実施形態では、第2のN型窒化ガリウム層944は、約20μmを超える厚さを有し得る。設計された基板910の独特のCTE整合特性は、転位密度が低い比較的厚いドリフト領域を堆積する能力を提供し、半導体ダイオード900に低い漏れ電流およびはるかに高い降伏電圧、ならびに他の多くの利点をもたらす可能性がある。
【0079】
[0091]他の実施形態では、設計された基板を部分的または完全に除去して、第1のN型窒化ガリウム層942の下面に結合されたカソードの形成およびデバイスを通る垂直電流の流れを可能にすることができる。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0080】
[0092]図10は、本発明の実施形態による、拡散ドープ活性領域を含む、マージされたp-i-nおよびショットキー(MPS)ダイオードを示す簡略化された概略図である。MPSダイオードは、ジャンクションバリアショットキー(JBS)ダイオードとも呼ばれることもある。図10に示すように、本明細書で説明されるように設計された基板1000は、例えば、エピタキシャル成長によって、MPSダイオードのショットキー部分を形成するために使用されるn型GaNドリフト層1010およびn型GaN層1020の形成を支持するために利用される。n型GaN層1020上にマスク(図示せず)を形成し、図2Aに示すようにパターニングして、n型GaN層1020の上面の複数の部分を露出させる1つまたは複数の窓を含めてもよい。
【0081】
[0093]次に、この構造を、例えばMOCVDチャンバなどの薄膜成長チャンバ内に配置してもよく、図2Bに関連して説明したプロセスと同様の方法で、MOCVDプロセスと同様のプロセスにおける堆積温度でn型GaN層1020の上面の複数の露出した部分上にマグネシウム含有GaN層を形成してもよい。図2Cに関連して論じたように、マグネシウム含有GaN層の形成は、マスクの窓を通したn型GaN層へのマグネシウム拡散を生じさせ、また複数のp型ドープ領域1012aおよび1012b(すなわち、p型III-Nエピタキシャル領域)の形成を生じさせ、それが図10に示すようにn型GaNドリフト層1010との界面でp-n接合を形成する。拡散が達成された後、p型III-Nエピタキシャル領域1012a、1012bへのオーミック接触1030a、1030b、およびショットキーダイオード領域1022a、1022b、1022cへのショットキー接触1032を形成するために、マグネシウム含有GaN層およびマスクは除去されてもよい。
【0082】
[0094]図10には示されていないが、図9に示すように上面カソードを形成することによって、または設計された基板を部分的または完全に除去して背面カソードを提供することによって、n-GaNドリフト層と接触してカソードが形成される。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0083】
[0095]図11は、本発明の実施形態による接合終端拡張部を有する垂直MPSダイオードの断面図を概略的に示す。本発明のいくつかの実施形態によれば、図11に示す垂直MPSダイオード、p-nダイオード、p-i-nダイオード、またはショットキーダイオードには、電界集中の大きさを低減するために周辺領域に電界制御構造を組み込んでもよい。接合終端拡張部(JTE)は、接合部から横方向に延在して、より広い範囲にわたって電界を広げ得るため、降伏電圧が増加し、電流漏れが減少し得る。
【0084】
[0096]図11を参照すると、垂直MPSダイオード1100は、オーミック接触1106を含む。例えば、オーミック接触1106は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、金(Au)、銀(Ag)、またはそれらの組み合わせを含み得る。垂直MPSダイオード1100はさらに、オーミック接触1106に物理的に接触する第1のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1108(nGaN層)を含み得る。第1のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1108は、オーミック接触1106の形成を容易にするために、高濃度にドープされてもよい。例えば、第1のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1108は、約1×1018cm-3の第1のドーピング濃度を有してもよい。垂直MPSダイオード1100はさらに、第1のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1108に結合された第2のエピタキシャルN型窒化ガリウム層(nGaN層)1110を含み得る。第2のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1110は、意図せずにドープされたGaN層であり得、ドリフト領域として機能し得る。第2のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1110は、約2×1015cm-3から約1×1016cm-3の範囲の第2のドーピング濃度を有し得る。いくつかの実施形態では、第2のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1110は、第1のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1108への界面に界面層を含んでもよい。界面層は、窒化アルミニウムガリウム、窒化インジウムガリウムなどを含み得る。
【0085】
[0097]いくつかの実施形態は層に関して論じられてきたが、層という用語は、層が、対象の層を形成するために構築されるいくつかの副層を含み得るように理解されるべきである。したがって、層という用語は、単一の材料から構成される単一の層を示すことを意図するものではなく、所望の構造を形成するために複合的に層状にされた1つまたは複数の材料を包含することを意図する。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0086】
[0098]いくつかの実施形態では、第1のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1108および第2のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1110は、本明細書で説明されるように、設計された基板上に形成されてもよい。設計された基板は、第1のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1108および第2のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1110の熱膨張係数(CTE)に実質的に一致するCTEを有し得るコア(例えば、AlN)を含むため、比較的厚い第2のエピタキシャルN型窒化ガリウム層を成長させ、依然として良好な結晶品質を維持することが可能であり得る。いくつかの実施形態では、第2のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1110は、約10μm~約25μmの範囲の厚さを有し得る。設計された基板上でのエピタキシャル成長によって比較的厚いドリフト領域を堆積する能力は、垂直MPSダイオード1100に低い漏れ電流と高い降伏電圧、および他の多くの利点を提供し得る。続いて、設計された基板を除去し、第1のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1108の裏面を露出させ、オーミック接触1106の形成を容易にしてもよい。
【0087】
[0099]一方、第2のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1110は依然として比較的薄く、バルク単結晶GaN基板は通常は比較的厚く、除去できないために、バルク単結晶GaN基板上に形成されたGaNベースのデバイスの熱抵抗よりも低い熱抵抗を有し得る。電流が垂直MPSダイオード1100を通って垂直に流れるときに熱が生成されるため、より低い熱抵抗は熱管理にとって有利であり得る。
【0088】
[0100]いくつかの実施形態では、垂直MPSダイオード1100はさらに、第1のエッジ終端領域1112および第2のエッジ終端領域1114を含んでもよく、これらは、第2のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1110に結合された接合終端拡張部(JTE)領域と呼ばれることがある。第1のエッジ終端領域1112および第2のエッジ終端領域1114は、第2のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1110の部分1110-1によって互いに分離されてもよい。垂直MPSダイオード600は、第2のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1110の部分1110-1に複数のグリッド領域1105を含む。複数のグリッド領域1105は、ショットキー接触1116に結合される。いくつかの実施形態では、複数のグリッド領域1105は、本明細書に記載されるように、マグネシウム(Mg)イオン拡散によって第2のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1110の部分1110-1の選択領域をドーピングすることによって形成され得る。ショットキー接触1116は、例えば、TaN、WN、または他の金属および金属合金を含み得る。ショットキー接触1116は、第1のエッジ終端領域1112および第2のエッジ終端領域1114とオーバーラップしてもよい。
【0089】
[0101]いくつかの実施形態によれば、第1のエッジ終端領域1112および第2のエッジ終端領域1114、ならびに複数のグリッド領域1105は、第2のエピタキシャルN型窒化ガリウム層1110の第1の部分および第2の部分をマグネシウム(Mg)イオン拡散によりドープすることによって形成され得る。したがって、第1のエッジ終端領域1112および第2のエッジ終端領域1114、ならびに複数のグリッド領域1105は、P型ドープ領域であり得る。第1のエッジ終端領域1112および第2のエッジ終端領域1114は、ショットキー接合部からダイの端部まで横方向に延在してもよく、その結果、それらはより広い範囲にわたって電界を広げ得る。したがって、垂直MPSダイオード1100の降伏電圧を増加させ得る。
【0090】
[0102]垂直MPSダイオード1100はさらに、ショットキー接触1116に結合されたパッド金属1118と、パッド金属1118に電気的に接続されたボンドワイヤ1120とを含み得る。パッド金属1118は、例えば、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、または他の金属、またはそれらの組み合わせ、または金属合金を含み得る。垂直MPSダイオード1100はさらに、ダイ取付はんだ1104を介してダイを支持するための金属タブ1102を含んでもよい。金属タブ1102は、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、白金(Pt)、または他の金属および金属合金を含み得る。垂直MPSダイオード1100はまた、成形コンパウンド1122によって封入されてもよい。
【0091】
[0103]いくつかの実施形態は層に関して論じられてきたが、層という用語は、層が、対象の層を形成するために構築されるいくつかの副層を含むことができるように理解されるべきである。したがって、層という用語は、単一の材料から構成される単一の層を示すことを意図するものではなく、所望の構造を形成するために複合的に層状にされた1つまたは複数の材料を包含することを意図する。当業者は、多くの変形、修正、および代替を認識するであろう。
【0092】
[0104]本明細書に記載されている例および実施形態は例示のみを目的としており、それに照らして様々な修正または変更が当業者に示唆され、本出願および添付のクレームの趣旨および範囲に含まれることも理解される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11