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特許7328241タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5(PRMT5)の選択的阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5(PRMT5)の選択的阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20230808BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20230808BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
C07D487/04 140
C07D487/04 CSP
C07D519/00 301
A61K31/519
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/06
A61P7/00
A61P25/00
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2020548689
(86)(22)【出願日】2019-03-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 US2019022288
(87)【国際公開番号】W WO2019178368
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】62/666,726
(32)【優先日】2018-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/742,048
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/642,727
(32)【優先日】2018-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520047554
【氏名又は名称】プレリュード セラピューティクス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100134784
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和美
(72)【発明者】
【氏名】フアン ルエンゴ
(72)【発明者】
【氏名】ホン リン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ホーキンズ
(72)【発明者】
【氏名】ルーパー シェティ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ピティス
(72)【発明者】
【氏名】ギセラ サボリト ビラローヤ
【審査官】安孫子 由美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/135582(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/032840(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/153186(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/084470(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/065365(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/032859(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
[式中、
AはNもしくはC-Rであり、
はH、ハロ、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、-C~Cハロアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cハロシクロアルキル、-C~Cアルク-O-C~Cアルキル、-C~Cアルク-S(O)-C~Cアルキル、-C~Cアルク-S(O)-C~Cアルキル、-CR6’CN、-NR6’、-NHCR6’CN、-NHCONR6’、-NHC(O)OR、NHC(O)-C~Cアルキル、NHC(O)-C~Cハロアルキル、-NH-C~Cアルク-C(O)-C~Cアルキル、-NHC(S)NR6’、-NH-O-Rもしくは-NH-NR6’であり、
はH、ハロ、-C~CアルキルもしくはNHであり、
はH、ハロ、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、-C~Cアルケニルもしくは-C~Cアルキニルであり、
はH、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cアルケニルもしくは-C~Cアルキニルであり、
はHもしくは-C~Cアルキルであり、
およびR6’は、各々独立して、H、C~Cアルキルもしくは-C~Cアルク-OC~Cアルキルであるか、
またはRおよびR6’は、それらが付着している原子と一緒になって、C~Cヘテロシクロアルキル環もしくはC~Cシクロアルキル環を形成し、
は-C~Cアルキルもしくは-C~Cアルク-C~Cシクロアルキルであり、
XはO、S、NHもしくはN(C~Cアルキル)であり、Yは-(CR9’-、-CR=CR9’-、C(=O)、-C(=O)-(CR9’-、-C(=O)-O-(CR9’-、-CR9’-O-、-(CR9’-O-(CR9’-、-(CR9’-NR10、C(=O)NR10もしくはCH-C~Cアルク-NHであるか、または
Xは-SO-であり、Yは-(CR9’-、-CR=CR9’-、-CR9’-O-、-(CR9’-O-(CR9’-、-(CR9’-NR10もしくはCH-C~Cアルク-NHであり、
式中、n=1、2もしくは3、m=1もしくは2であり、
もしくはR9’のどの場合も、独立してH、D、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ハロ、-C~Cアルコキシもしくはヒドロキシであり、
10はHもしくはC~Cアルキルであり、
ZはO、CHもしくはCFであり、
Arは、任意選択的に置換された6員アリール環、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環、もしくは任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である。]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
がハロ、-NR6’、-C1~C6アルキル、-C1~C6アルコキシまたは-C~Cアルク-O-C~Cアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がハロ、-NR6’、-C~Cアルキル、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
がHである、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
がHまたは-C~Cアルキルである、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
が-C~Cアルキルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
がHまたは-C~Cアルキルである、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
Arが、任意選択的に置換された6員アリール環;1つ以上のハロゲン原子で置換されている6員アリール環;または、1つ以上の-CH、CFもしくは-OCF基で置換されている6員アリール環である、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
Arが、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環;1つ以上のハロゲン原子で置換されている6員ヘテロアリール環;または、1つ以上の-CH、CFもくしは-OCF基で置換されている6員ヘテロアリール環である、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
Arが任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
前記5員ヘテロアリール環が1つ以上のハロゲン原子で置換されているか、または1つ以上の-CH、CFもしくは-OCF基で置換されている、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
XがOである、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
XがS、SO、NH、またはXがN(C~Cアルキル)である、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
Yが-(CR9’であり、-(CR9’が-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-C(CH-または-CF-である、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
Yが-CR=CR9’-、-C(=O)-(CR9’-、C(=O)-O-(CR9’-、-CR9’-O、-(CR9’-O-(CR9’-、C(=O)、CH-C~Cアルク-NH2、-(CR9’-NR10、または-C(=O)NR10である、請求項1~13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
各Rおよび各R’が、独立してH、D、-CH、OH、-OCH、FまたはCFである、請求項14または15に記載の化合物。
【請求項17】
n=1、2または3である、請求項14または15に記載の化合物。
【請求項18】
m=1または2である、請求項15に記載の化合物。
【請求項19】
ZがO、CHまたはCFである、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
AがN;C-R;または、C-Rであって、RがHもしくはハロである、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1項に記載の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項22】
求項1~20のいずれか1項の化物を含む、タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5(PRMT5)酵素を阻害するための医薬組成物
【請求項23】
請求項1~20のいずれか1項に記載の化合物を含む、対象における異常なPRMT5活性に関連する疾患または障害を治療するための組成物。
【請求項24】
前記異常なPRMT5活性に関連する疾患または障害が、乳癌、肺癌、膵臓癌、前立腺癌、結腸癌、卵巣癌、子宮癌、子宮頸癌、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、骨髄異形成、骨髄増殖性疾患、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)白血病、肥満細胞症、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、類表皮癌、b-サラセミア鎌状赤血球症(SCD)異常ヘモグロビン症、CDKN2A欠失癌、9P欠失癌、MTAP欠失癌、神経膠芽腫、NSCLC、頭頸部癌、膀胱癌、または肝細胞癌である、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記異常なPRMT5活性に関連する疾患または障害が、腺様嚢胞癌、原発性中枢神経系リンパ腫、卵管癌、または非ホジキン腫である、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項26】
(2S,3S,4R,5R)-2-((R)-6-クロロイソクロマン-1-イル)-5-(4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、またはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
前記化合物が、(2S,3S,4R,5R)-2-((R)-6-クロロイソクロマン-1-イル)-5-(4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、またはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記化合物が、(2S,3S,4R,5R)-2-((R)-6-クロロイソクロマン-1-イル)-5-(4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、またはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物である、請求項23~25のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項29】
(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-((R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、またはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項30】
前記化合物が、(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-((R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、またはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記化合物が、(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-((R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、またはその薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物である、請求項23~25のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-((R)-6-クロロイソクロマン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオールである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項33】
前記化合物が、(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-((R)-6-クロロイソクロマン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記化合物が、(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-((R)-6-クロロイソクロマン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である、請求項23、24および25のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月5日に提出された米国仮特許出願第62/742,048号、2018年5月4日に提出された米国仮特許出願第62/666,726号、および2018年3月14日に提出された米国仮特許出願第62/642,727号の優先権の利益を主張する。これらの出願の各々は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、PRMT5阻害剤およびそれらの使用方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
タンパク質アルギニンのメチル化は、遺伝子転写、mRNAスプライシング、DNA修復、タンパク質細胞局在、細胞運命決定、およびシグナル伝達を含む、多くの細胞プロセスを調節する一般的な翻訳後改変である。3種類のメチルアルギニン種:ωNGモノメチルアルギニン(MMA)、ωNG,NG非対称ジメチルアルギニン(ADMA)、およびωNG,N’G対称ジメチルアルギニン(SDMA)が存在する。メチル化アルギニンの形成は、メチルトランスフェラーゼのタンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ(PRMT)ファミリーによって触媒される。現在、ヒトゲノムに注釈が付けられた9つのPRMTがある。これらの酵素の大部分は、メチルドナーとしてS-アデノシルメチオニン(SAM)を用いた、アルギニンのモノジメチル化および非対称ジメチル化が可能なI型酵素(PRMT1、-2、-3、-4、-6、-8)である。PRMT-5、-7、および-9は、アルギニンの対称ジメチル化を触媒するII型酵素と見なされている。各PRMT種は、7つのベータストランドメチルトランスフェラーゼの特徴的なモチーフ(Katz et al.,2003)、ならびにPRMTサブファミリーに特有の追加の「ダブルE」および「THW」配列モチーフを有する。
【0004】
PRMT5は、BRG1およびhBRM、Blimp1、ならびにSnailを含む、多数の転写因子および抑制複合体で機能する一般的な転写抑制因子である。この酵素は、プロモーターに補充されると、H3R8およびH4R3を対称的にジメチル化する。重要なことに、H4R3部位は、PRMT1メチル化(ADMA)の主要な標的であり、一般に、転写活性化マークと見なされる。したがって、H4R3me2s(抑圧的、me2sはSDMA改変を示す)およびH4R3me2a(活動的、me2aはADMA改変を示す)の両方のマークが、生体内で生成される。H3R8およびH4R3に対するPRMT5の特異性は、COPR5とのその相互作用によって変化する可能性があり、これはおそらく、PRMT5補助抑制因子の状態を決定する上で重要な役割を果たし得る。
【0005】
癌におけるPRMTの役割
PRMTの異常発現は、ヒトの癌において確認されており、PRMTは、治療(therapeutic)標的であると考えられている。前立腺癌におけるヒストン改変の包括的分析は、ヒストンH4R3のジメチル化がグレードの増加と正の相関があることを示しており、これらの変化は、臨床転帰を予測するものである。
【0006】
PRMT5レベルは、リンパ系癌細胞株のパネルならびにマントル細胞リンパ腫の臨床試料において上昇していることが示されている。PRMT5は、RNAプロセシング、シグナル伝達、転写調節を含む、様々な細胞プロセスに関与するいくつかの基質と相互作用する。PRMT5は、ヒストンH3およびH4を直接改変して、遺伝子発現を抑制することができる。PRMT5の過剰発現は、腫瘍抑制遺伝子を直接抑制することによって、細胞成長を刺激し、形質転換を誘導することができる。Pal et al.,Mol.Cell.Biol.2003,7475、Pal et al.Mol.Cell.Biol.2004,9630、Wang et al.Mol.Cell.Biol.2008,6262、Chung et al.J Biol Chem 2013,5534。転写および翻訳におけるその十分に立証された発癌機能に加えて、転写因子MYCはまた、リンパ腫形成における必須のステップとして適切なプレメッセンジャーRNAスプライシングを保護する。Koh et al.Nature 2015,5237558;Hsu et al.Nature 2015 525,384。
【0007】
癌依存の発見により、治療戦略についての情報が得られ、推定薬物標的を特定できる可能性がある。癌細胞株の包括的なゲノムプロファイリングからのデータおよび癌細胞依存性の機能特性からのデータを統合することで、酵素メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)の喪失により、タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5(PRMT5)およびその結合パートナーWDR77に選択的依存性が与えられることが最近発見された。MTAPは、一般的に削除された腫瘍抑制遺伝子CDKN2Aに近接しているため、頻繁に失われる。MTAPの削除を含む細胞は、メチルチオアデノシン(MTA、MTAPによって切断された代謝物)の細胞内濃度が増加している。さらに、MTAは、PRMT5酵素活性を特異的に阻害する。MTAまたは小分子PRMT5阻害剤いずれかの投与は、同質遺伝子のMTAPを発現する同等物と比較して、MTAPヌルの癌細胞株に対する細胞生存率の優先的な障害を示す。これらの調査結果をまとめると、PRMT5は、一般的な「パッセンジャー」のゲノム変化によって増強された複数の癌系統にわたる潜在的な脆弱性であることを明らかにしている。
【0008】
異常ヘモグロビン症におけるPRMT5の役割
出生時に始まる、胎児から成人へのヒトグロビン遺伝子サブタイプの発達スイッチは、異常ヘモグロビン症、b-サラセミア、および鎌状赤血球症(SCD)の発症の先駆けである。(胎児ヘモグロビン[HPFH]変異の遺伝性持続性の設定において)成人グロビン遺伝子発現が増加したという観察は、サラセミアの臨床的重症度を大幅に改善し、SCDは、ガンマグロビン遺伝子サイレンシングを逆転させる治療戦略の模索を促進した。ガンマ遺伝子のサイレンシングの中心となるのは、DNAメチル化であり、これは、成体骨髄赤血球細胞の遺伝子転写開始部位に隣接する重要なCpGジヌクレオチドをマークする。これらのマークは、DNAメチルトランスフェラーゼDNMT3Aがタンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼPRMT5によってガンマプロモーターに補充された結果として確立されることが示されている。Zhao et al.Nat Struct Mol Biol.2009 16,304.ヒストンH4R3のPRMT5を介したメチル化により、遺伝子サイレンシングにおけるヒストンおよびDNAメチル化を連結させたDNMT3Aが補充される。
【0009】
PRMT5は、DNMT3Aの直接結合およびその後のDNAメチル化のテンプレートとして機能する、抑制的なヒストンマークH4R3me2sを誘導する。PRMT5結合またはその酵素活性の喪失により、CpGジヌクレオチドの脱メチル化および遺伝子の活性化がもたらされる。H4R3me2sマークおよびDNAメチル化に加えて、ガンマプロモーターへのPRMT5結合およびその酵素活性は、調整された抑制的な後成的マークの範囲を誘導するガンマプロモーター上の多タンパク質複合体の集合に不可欠である。この複合体の破壊により、ガンマ遺伝子発現の再活性化がもたらされる。これらの研究は、サラセミアおよびSCDに対する標的療法としてPRMT5阻害剤を開発するための基礎を提供する。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、式I:
【0011】
【化1】
【0012】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であって、
式中、
Aは、NもしくはC-Rであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、-C~Cハロアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cハロシクロアルキル、-C~Cアルク-O-C~Cアルキル、-C~Cアルク-S(O)-C~Cアルキル、-C~Cアルク-S(O)-C~Cアルキル、-CR6’CN、-NR6’、-NHCR6’CN、-NHCONR6’、-NHC(O)OR、NHC(O)-C~Cアルキル、NHC(O)-C~Cハロアルキル、-NH-C~Cアルク-C(O)-C~Cアルキル、-NHC(S)NR6’、-NH-OR、もしくは-NH-NR6’であり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、もしくはNHであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、-C~Cアルケニル、もしくは-C~Cアルキニルであり、
は、H、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cアルケニル、もしくは-C~Cアルキニルであり、
は、Hもしくは-C~Cアルキルであり、
およびR6’は、各々独立して、H、C~Cアルキル、もしくは-C~Cアルク-OC~Cアルキルであるか、
またはRおよびR6’は、それらが付着している原子と一緒になって、C~Cヘテロシクロアルキル環もしくはC~Cシクロアルキル環を形成し、
は、-C~Cアルキルもしくは-C~Cアルク-C~Cシクロアルキルであり、
Xは、O、S、NH、もしくはN(C~Cアルキル)であり、Yは、-(CR9’-、-CR=CR9’-、C(=O)、-C(=O)-(CR9’-、-C(=O)-O-(CR9’-、-CR9’-O-、-(CR9’-O-(CR9’-、-(CR9’-NR10、C(=O)NR10、もしくはCH-C~Cアルク-NHであるか、または
Xは、-SO-であり、Yは、-(CR9’-、-CR=CR9’-、-CR9’-O-、-(CR9’-O-(CR9’-、-(CR9’-NR10、もしくはCH-C~Cアルク-NHであり、
式中、n=1、2、もしくは3、m=1もしくは2であり、
もしくはR9’の各場合は、独立して、H、D、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ハロ、-C~Cアルコキシ、もしくはヒドロキシであり、
10は、HもしくはC~Cアルキルであり、
Zは、O、CH、もしくはCFであり、
Arは、任意選択的に置換された6員アリール環、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環、もしくは任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を対象とする。
【0013】
式Iの化合物の立体異性体、ならびにそれらの薬学的塩および溶媒和物もまた、本明細書で企図、記載、および包含される。式Iの化合物を使用する方法、ならびに式Iの化合物を含む医薬組成物を記載する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、以下の定義および例を含む、以下の記載を参照することによって、より完全に理解され得る。個別の態様の文脈で本明細書に記載されている開示された組成物および方法の特定の特徴は、単一の態様で組み合わせて提供することもできる。代替的に、開示された組成物および方法の様々な特徴はまた、簡潔にするために、単一の態様の文脈で記載されており、個別に、または任意の部分的組み合わせで提供され得る。
【0015】
「アルキル」という用語は、単独で、または置換基の一部として使用される場合、基中に、1~12つの炭素原子(「C~C12」)、好ましくは、1~6つの炭素原子(「C~C」)を有する直鎖または分岐鎖炭化水素基を指す。アルキル基の例には、メチル(Me、Cアルキル)、エチル(Et、Cアルキル)、n-プロピル(Cアルキル)、イソプロピル(Cアルキル)、ブチル(Cアルキル)、イソブチル(Cアルキル)、sec-ブチル(Cアルキル)、tert-ブチル(Cアルキル)、ペンチル(Cアルキル)、イソペンチル(Cアルキル)、tert-ペンチル(Cアルキル)、ヘキシル(Cアルキル)、イソヘキシル(Cアルキル)などが含まれる。
【0016】
「アルコキシ」という用語は、単独で、または置換基の一部として使用される場合、アルキル基(すなわち、-O-アルキル)が付着している酸素ラジカルを指す。アルコキシ基の例には、メトキシ(-OMe、Cアルコキシ)、エトキシ(-OEt、Cアルコキシ)、n-プロポキシ(Cアルコキシ)、イソプロポキシ(Cアルコキシ)などが含まれる。
【0017】
「ハロ」という用語は、単独で、または置換基の一部として使用される場合、クロロ、フルオロ、ブロモ、またはヨードを指す。
【0018】
「ハロアルキル」という用語は、単独で、または置換基の一部として使用される場合、水素原子のうちの1つ以上が1つ以上のハロゲン原子で置き換えられているアルキル基を指す。ハロゲン原子には、塩素、フッ素、臭素、およびヨウ素が含まれる。本開示のハロアルキル基の例としては、例えば、トリフルオロメチル(-CF)、クロロメチル(-CHCl)などが挙げられる。
【0019】
「ハロアルコキシ」という用語は、単独で、または置換基の一部として使用される場合、ハロアルキル基が付着している酸素ラジカル(すなわち、-O-ハロアルキル)を指す。ハロアルコキシ基の例としては、トリフルオロメトキシ(-OCF、Cハロアルコキシ)、ジフルオロメトキシ(-OCHF、Cハロアルコキシ)、フルオロメトキシ(-OCHF、Cハロアルコキシ)、トリフルオロエトキシ(-OCHCF、Cハロアルコキシ)などが含まれる。
【0020】
「シクロアルキル」という用語は、単独で、または置換基の一部として使用される場合、3~10つの炭素原子(「C~C10」)、好ましくは、3~6つの炭素原子(「C~C」)を有する環状含有非芳香族炭化水素基を指す。シクロアルキル基の例には、例えば、シクロプロピル(C)、シクロブチル(C)、シクロプロピルメチル(C)、シクロペンチル(C)、シクロヘキシル(C)、1-メチルシクロプロピル(C)、2-メチルシクロペンチル(C)、アダマンタニル(C10)などが含まれる。
【0021】
「ハロシクロアルキル」という用語は、単独で、または置換基の一部として使用される場合、3~10つの炭素原子(「C~C10」)、好ましくは、3~6つの炭素原子(「C~C」)を有する環状含有非芳香族炭化水素基を指し、水素原子のうちの1つ以上は、1つ以上のハロゲン原子で置き換えられている。ハロゲン原子には、塩素、フッ素、臭素、およびヨウ素が含まれる。ハロシクロアルキル基の例としては、例えば、ハロシクロプロピル(C)、ハロシクロブチル(C)、ハロシクロプロピルメチル(C)、ハロシクロペンチル(C)、ハロシクロヘキシル(C)などが挙げられる。
【0022】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、単独で、または置換基の一部として使用される場合、O、N、およびSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する、任意の3~10員単環式または二環式飽和環構造を指す。ヘテロシクロアルキル基は、結果が安定した構造になるように、環の任意のヘテロ原子または炭素原子に付着し得る。好適なヘテロシクロアルキル基の例には、アゼパニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ジオキソラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、オキサゼパニル、オキシラニル、オキセタニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0023】
「アルケニル」という用語は、単独で、または置換基の一部として使用される場合、基中に、2~12つの炭素原子(「C~C12」)、好ましくは、2~4つの炭素原子(「C~C))を有する直鎖または分岐鎖基を指し、基には、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合が含まれる。アルケニル基の例としては、ビニル(-CH=CH、Cアルケニル)アリル(-CH-CH=CH、Cアルケニル)、プロペニル(-CH=CHCH、Cアルケニル)、イソプロペニル(-C(CH)=CH、Cアルケニル)、ブテニル(-CH=CHCHCH、Cアルケニル)、sec-ブテニル(-C(CH)=CHCH、Cアルケニル)、イソブテニル(-CH=C(CH、Cアルケニル)、2-ブテニル(-CHCH=CHCH、Cアルキル)、ペンテニル(CH=CHCHCHCH、Cアルケニル)などが含まれる。
【0024】
「アルキニル」という用語は、単独で、または置換基の一部として使用される場合、基中に、1~12つの炭素原子(「C~C12」)、好ましくは、1~4つの炭素原子(「C~C」)を有する直鎖または分岐鎖基を指し、基には、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合が含まれる。アルキニル基の例には、エチニル(-C≡CH、Cアルキニル)、プロパルギル(-CH-C≡CH、Cアルキニル)、プロピニル(-C≡CCH、Cアルキニル)、ブチニル(-C≡CCHCH、Cアルキニル)、ペンチニル(C≡CCHCHCH、Cアルキニル)などが挙げられる。
【0025】
「アリール」という用語は、単独で、または置換基の一部として使用される場合、環中に、6つまたは10つの炭素原子を有する単環式または二環式芳香族炭化水素環構造を指し、環中の炭素原子のうちの1つ以上は、任意選択的に置換されている。例示的な置換基には、ハロゲン原子、-C~Cアルキル基、およびC~Cハロアルキル基が含まれる。ハロゲン原子には、塩素、フッ素、臭素、およびヨウ素が含まれる。C~Cハロアルキル基には、例えば、-CF、-CHCFなどが含まれる。
【0026】
「ヘテロアリール」という用語は、単独で、または置換基の一部として使用される場合、炭素原子、ならびに窒素、酸素、および硫黄から選択される最大4つのヘテロ原子を含む、単環式または二環式芳香環構造を指す。ヘテロアリール環は、合計5、6、9、または10つの環原子を含み得る。ヘテロアリール部分は、任意選択的に置換され得る。例示的な置換基には、ハロゲン原子、-C~Cアルキル基、およびC~Cハロアルキル基が含まれる。ハロゲン原子には、塩素、フッ素、臭素、およびヨウ素が含まれる。
【0027】
炭素原子数の範囲、例えば、C~Cは、本明細書で使用される場合、炭素原子のすべての範囲、ならびに炭素原子の個々の数が包含される。例えば、「C~C」には、C~C、C~C、C~C、C、C、およびCが含まれる。
【0028】
「C~Cアルク」という用語は、単独で、または置換基の一部として使用される場合、1、2、3、4、5、または6つの炭素原子を有する脂肪族リンカー、例えば、-CH-、-CH(CH)-、-CH(CH)-CH2-、および-C(CH-を指す。「-Cアルク-」という用語は、結合を指す。いくつかの態様では、C~Cアルクは、1つ以上の-OH、-NH、またはハロ(例えば、-F、-Cl、-Br、-Fが好ましい)置換基で置換され得る。
【0029】
「薬学的に許容される」は、連邦もしくは州政府の規制機関、または米国以外の国の対応する機関によって承認されているか、もしくは承認可能であること、または動物、例えばヒトに使用するために米国薬局方もしくは他の一般的に認識されている薬局方に列挙されていることを意味する。
【0030】
「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理活性を有する、本開示の化合物の塩を指す。特に、そのような塩は、非毒性であり、無機または有機の酸付加塩および塩基付加塩であり得る。具体的には、そのような塩には、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸で形成される酸付加塩、あるいは(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンによって置き換えられたとき、またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミンなどの有機塩基と配位するときに形成される塩が含まれる。塩には、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどがさらに含まれ、化合物が塩基性官能基を含有する場合、非毒性の有機または無機酸の塩、例えば、ハイドロクロライド、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などがさらに含まれる。
【0031】
「薬学的に許容される賦形剤」は、非毒性で、生物学的に許容可能であり、別様に対象への投与に生物学的に好適な物質、例えば、薬理組成物に加えられるか、または別様に、薬剤の投与を容易にし、薬剤と適合性があるビヒクル、担体、もしくは希釈剤として使用される不活性物質などを指す。賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖および種類のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ならびにポリエチレングリコールが含まれる。
【0032】
「溶媒和物」は、式Iの化合物と1つ以上の溶媒分子との物理的会合を指す。
【0033】
「対象」には、ヒトが含まれる。「ヒト」、「患者」、および「対象」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0034】
任意の疾患または障害の「治療する」または「治療」は、一実施形態では、疾患または障害を改善すること(すなわち、疾患またはその臨床症状のうちの少なくとも1つの進行を阻止または低減すること)を指す。別の実施形態では、「治療すること」または「治療」は、対象によって認識されない可能性がある少なくとも1つの物理的パラメータを改善することを指す。さらに別の実施形態では、「治療する」または「治療」は、物理的に(例えば、識別可能な症状の安定化)、生理学的に(例えば、物理的パラメータの安定化)のいずれか、または両方で疾患または障害を調節することを指す。さらに別の実施形態では、「治療する」または「治療」は、疾患または障害の発症を遅延させることを指す。いくつかの実施形態では、「治療する」または「治療」は、予防的治療、すなわち、疾患または障害の発症を予防することを指す。
【0035】
「本開示の化合物」および同等の表現は、本明細書に記載されるような式Iの化合物、ならびにそれらの亜属を包含することを意味し、その表現には、文脈が許容する限り、式Iの化合物の立体異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー)および構造異性体(例えば、互変異性体)、ならびに薬学的に許容される塩が含まれる。
【0036】
本明細書で使用される場合、「同位体変異体」という用語は、天然の存在量よりも多いそのような化合物を構成する原子のうちの1つ以上に同位体の割合を含有する化合物を指す。例えば、化合物の「同位体変異体」は、放射性標識することができ、すなわち、1つ以上の放射性同位体を含有するか、または例えば、重水素(HまたはD)、炭素-13(13C)、窒素-15(15N)などの非放射性同位体で標識することができる。このような同位体置換が行われる化合物では、存在する場合、以下の原子が変化する可能性があるため、例えば、任意の水素はH/Dであり得、任意の炭素は13Cであり得、または任意の窒素は15Nであり得、そのような原子の存在および配置は、当業者の範囲内で決定され得る。
【0037】
同じ分子式を有するが、それらの原子の結合の性質もしくは配列、またはそれらの原子の空間における配置が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれることも理解されるべきである。それらの原子の空間における配置が異なる異性体は、「立体異性体」、例えば、ジアステレオマー、鏡像異性体、およびアトロプ異性体と呼ばれる。本開示の化合物は、1つ以上の不斉中心を有し得、したがって、そのような化合物は、各不斉中心での個々の(R)-または(S)-立体異性体として、またはそれらの混合物として生成され得る。特に明記しない限り、明細書および特許請求の範囲における特定の化合物の記載または命名は、すべての立体異性体および混合物をそれらのラセミ体でまたは別様に含むことが意図されている。1つのキラル中心が構造内に存在するが、その中心に特定の立体化学が示されていない場合、両方の鏡像異性体が、個別に、または鏡像異性体の混合物として、その構造に包含される。構造内に1つ超のキラル中心が存在するが、中心に対する特定の立体化学が示されていない場合、すべての鏡像異性体およびジアステレオマーが、個別に、または混合物としてその構造に包含される。立体化学の決定および立体異性体の分離のための方法は、当該技術分野でよく知られている。
【0038】
いくつかの態様では、本開示は、式I:
【0039】
【化2】
【0040】
の化合物を対象とする。
【0041】
本開示によると、式IのRは、H、ハロ、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、-C~Cハロアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cハロシクロアルキル、-C~Cアルク-O-C~Cアルキル、-C~Cアルク-S(O)-C~Cアルキル、-C~Cアルク-S(O)-C~Cアルキル、-CR6’CN、-NR6’、-NHCR6’CN、-NHCONR6’、-NHC(O)OR、NHC(O)-C~Cアルキル、NHC(O)-C~Cハロアルキル、-NH-C~Cアルク-C(O)-C~Cアルキル、-NHC(S)NR6’、-NH-O-R、または-NH-NR6’である。
【0042】
いくつかの実施形態では、式IのRは、Hである。
【0043】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロ(例えば、-F、-Cl、-Br、または-I)、好ましくは、-Fである。
【0044】
他の実施形態では、Rは、-C~Cアルキル、例えば、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチルなどである。いくつかの実施形態では、Rは、メチルである。
【0045】
いくつかの実施形態では、Rが-Cアルキルである場合、Rは、-CDである。
【0046】
さらに他の実施形態では、Rは、-C~Cアルコキシ、例えば、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトックス、ペントキシなどである。
【0047】
他の態様では、Rは、-C~Cハロアルキル、例えば、-CFもしくは-CHF、-CHCHCl、-CHCHF、または-CHCHFである。いくつかの実施形態では、Rは、-CHCHClである。他の実施形態では、Rは、-CHCHFである。さらに他の実施形態では、Rは、-CHCHFである。
【0048】
他の実施形態では、Rは、-C~Cシクロアルキル、例えば、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rは、シクロプロピルである。
【0049】
他の実施形態では、Rは、-C~Cハロシクロアルキル、例えば、クロロシクロプロピル、フルオロシクロブチル、ブロモシクロペンチル、ヨードシクロヘキシルなどである。
【0050】
他の実施形態では、Rは、-C~Cアルク-O-C~Cアルキル、例えば、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-Cアルク-O-Cアルキル、-CHCHOMe、-CHOMe、-CHCHOCHCH、-CHOCHCH、-CHCHCHOCHなどである。
【0051】
他の実施形態では、Rは、-C~Cアルク-S(O)-C~Cアルキル、例えば、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-CHCHS(O)Meなどである。
【0052】
他の実施形態では、Rは、-C~Cアルク-S(O)-C~Cアルキル、例えば、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-Cアルク-S(O)-Cアルキル、-CHCHSOMeなどである。
【0053】
いくつかの実施形態では、Rは、-CR6’CNである。したがって、RおよびR6’が両方ともHであるいくつかの実施形態では、Rは、シアノメチル(すなわち、-CHCN)である。
【0054】
いくつかの実施形態では、Rは、-NR6’である。したがって、RおよびR6’が両方ともHであるいくつかの実施形態では、Rは、-NHである。RおよびR6’が両方ともメチルであるいくつかの実施形態では、Rは、-N(CHである。RがHであり、R6’がメチルである実施形態では、Rは、-NH(CH)である。
【0055】
いくつかの実施形態では、Rは、-NHCR6’CNである。したがって、RおよびR6’が両方ともHであるいくつかの実施形態では、Rは、-NHCHCNである。
【0056】
いくつかの実施形態では、Rは、-NHCONR6’である。したがって、RおよびR6’が両方ともHであるいくつかの実施形態では、Rは、-NHCONHである。RおよびR6’が両方ともメチルである実施形態では、Rは、-NHCON(CHである。RがHであり、R6’がメチルである実施形態では、Rは、-NHCONHCHである。
【0057】
いくつかの実施形態では、Rは、-NHC(O)ORである。したがって、Rがメチルであるいくつかの実施形態では、Rは、-NHC(O)OCHである。
【0058】
いくつかの態様では、Rは、-NHC(O)-C~Cアルキル、例えば、-NHC(O)-Cアルキル、NHC(O)-Cアルキル、NHC(O)-Cアルキル、NHC(O)-Cアルキル、NHC(O)-Cアルキル、NHC(O)-Cアルキル、NHC(O)-メチル、NHC(O)-エチルなどである。
【0059】
他の態様では、Rは、NHC(O)-C~Cハロアルキル、例えば、-NHC(O)-Cハロアルキル、NHC(O)-Cハロアルキル、NHC(O)-Cハロアルキル、NHC(O)-Cハロアルキル、NHC(O)-Cハロアルキル、-NHC(O)-Cハロアルキル、-NHC(O)-クロロメチル、-NHC(O)-クロロエチル、-NHC(O)-フルオロメチル、-NHC(O)-フルオロエチルなどである。
【0060】
他の態様では、Rは、-NH-C~Cアルク-C(O)-C~Cアルキル、例えば、-NH-Cアルク-C(O)-C~Cアルキル、-NH-Cアルク-C(O)-C~Cアルキル、-NH-Cアルク-C(O)-C~Cアルキル、-NH-Cアルク-C(O)-C~Cアルキル、-NH-Cアルク-C(O)-C~Cアルキル、-NH-Cアルク-C(O)-C~Cアルキル、-NH-C~Cアルク-C(O)-Cアルキル、-NH-C~Cアルク-C(O)-Cアルキル、-NH-C~Cアルク-C(O)-Cアルキル、-NH-C~Cアルク-C(O)-Cアルキル、-NH-C~Cアルク-C(O)-Cアルキル、-NH-C~Cアルク-C(O)-Cアルキルなどである。いくつかの態様では、Rは、-NH-CH-C(O)-CHである。
【0061】
いくつかの態様では、Rは、NHC(S)NR6’である。したがって、RおよびR6’が両方ともHであるいくつかの実施形態では、Rは、-NHC(S)NHである。RおよびR6’が両方ともメチルである実施形態では、Rは、-NHC(S)N(CHである。RがHであり、R6’がメチルである実施形態では、Rは、-NHC(S)NHCHである。
【0062】
いくつかの態様では、Rは、-NH-O-Rである。RがC~Cアルキル、例えばメチルであるいくつかの実施形態では、Rは、-NH-OCHである。RがHであるいくつかの実施形態では、Rは、-NH-OHである。
【0063】
いくつかの態様では、Rは、-NH-NR6’である。RおよびR6’が両方ともHであるいくつかの実施形態では、Rは、-NH-NHである。RおよびR6’が両方ともC~Cアルキル、例えばメチルである実施形態では、Rは、-NH-N(CHである。RがHであり、R6’がC~Cアルキル、例えばメチルである実施形態では、Rは、-NH-NHCHである。
【0064】
が-NH-O-Rまたは-NH-NR6’である場合、式Iの化合物は、環外炭素-窒素二重結合において(E)-または(Z)-幾何形状を有する互変異性体として存在し得ることが明らかであろう。本明細書に記載され、請求される式Iの化合物は、そのような互変異性体および幾何異性体のすべてを包含することを意味する。特定の互変異性体または幾何異性体の図は、限定を意図するものではない。
【0065】
本開示の実施形態では、式IのRおよびR6’は、各々独立して、H、C~Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチルなど)、または-C~Cアルク-OC~Cアルキル(例えば、-Cアルク-OC~Cアルキル、-C~Cアルク-OC~Cアルキル、-C~Cアルク-OC~Cアルキル、-C~Cアルク-OC~Cアルキル、-C~Cアルク-OC~Cアルキル、-C-Cアルク-OC~Cアルキル、-Cアルク-OC~Cアルキル、-C~Cアルク-OC~Cアルキル、-C~Cアルク-OC~Cアルキル、-C~Cアルク-OC~Cアルキル、-C~Cアルク-OC~Cアルキル、または-C~Cアルク-OCアルキル)である。
【0066】
いくつかの実施形態では、Rは、HまたはC~Cアルキルである。いくつかの実施形態では、R6’は、HまたはC~Cアルキルである。
【0067】
いくつかの実施形態では、RおよびR6’は、各々Hである。
【0068】
他の実施形態では、RおよびR6’は、各々独立して、C~Cアルキルである。したがって、いくつかの実施形態では、Rは、メチルであり、R6’は、メチルである。
【0069】
いくつかの態様では、Rは、C~Cアルキルであり、R6’は、Hである。したがって、いくつかの実施形態では、Rは、メチルであり、R6’は、Hである。
【0070】
他の態様では、RおよびR6’は、各々独立して、-C~Cアルク-OC~Cアルキルである。
【0071】
他の態様では、Rは、-C~Cアルク-OC~Cアルキルであり、R6’は、Hである。
【0072】
本開示の実施形態では、RおよびR6’は、それらが付着している原子と一緒になって、C~Cシクロアルキル環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルを形成し得る。本開示の他の実施形態では、RおよびR6’は、それらが付着している原子と一緒になって、C~Cヘテロシクロアルキル、例えば、アゼパニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、オキサゼパニル、ピペラジニルなどを形成する。
【0073】
本開示の実施形態では、Rは、-C~Cアルキル、または-C~Cアルク-C~Cシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、C~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチルなどである。したがって、いくつかの実施形態では、Rは、メチルである。
【0074】
他の態様では、Rは、-C~Cアルク-C~Cシクロアルキル、例えば、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキル、-Cアルク-Cシクロアルキルである。
【0075】
本開示によると、式IのRは、H、ハロ、-C~Cアルキル、またはNHである。したがって、いくつかの実施形態では、Rは、Hである。他の実施形態では、Rは、ハロ、例えば、F、Cl、Br、またはIである。他の実施形態では、Rは、-C~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチルなどである。したがって、いくつかの実施形態では、Rは、メチル(Me)である。さらに他の実施形態では、Rは、NHである。最も好ましい実施形態では、Rは、Hである。
【0076】
本開示によると、式IのRは、H、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cアルケニル、または-C~Cアルキニルである。したがって、いくつかの実施形態では、Rは、Hである。
【0077】
他の実施形態では、Rは、-C~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチルなどである。したがって、いくつかの実施形態では、Rは、メチル(Me)である。
【0078】
他の態様では、Rは、-C~Cハロアルキル、例えば、-CFまたは-CHFである。いくつかの実施形態では、Rは、-CFである。
【0079】
いくつかの態様では、Rは、-C~Cアルケニル、好ましくは、-C~Cアルケニル、例えば、ビニル、アリルなどである。
【0080】
他の態様では、Rは、-C~Cアルキニル、好ましくは、-C~Cアルキニル、例えば、エチニル、プロパルギルなどである。
【0081】
本開示によると、式IのRは、Hまたは-C~Cアルキルである。したがって、いくつかの実施形態では、Rは、Hである。他の実施形態では、Rは、-C~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチルなどである。したがって、いくつかの実施形態では、Rは、メチル(Me)である。
【0082】
本開示のいくつかの態様では、式IのXは、O、S、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、式IのYは、-(CR9’-、-CR=CR9’-、C(=O)、-C(=O)-(CR9’-、-C(=O)-O-(CR9’-、-CR9’-O-、-(CR9’-O-(CR9’-、-(CR9’-NR10、C(=O)NR10、またはCH-C~Cアルク-NHであり、式中、n=1または2、m=1または2であり、RまたはR9’の各場合は、独立して、H、D(すなわち、重水素)、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ハロ、-C~Cアルコキシ、またはヒドロキシであり、R10は、HまたはC~Cアルキルである。
【0083】
本開示の他の態様では、式IのXは、-SO-であり、式IのYは、-(CR9’-、-CR=CR9’-、-CR9’-O-、-(CR9’-O-(CR9’-、-(CR9’-NR10、またはCH-C~Cアルク-NHであり、式中、n=1または2、m=1または2であり、RまたはR9’の各場合は、独立して、H、D(すなわち、重水素)、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ハロ、-C~Cアルコキシ、またはヒドロキシであり、R10は、HまたはC~Cアルキルである。
【0084】
いくつかの実施形態では、Xは、Oである。他の実施形態では、Xは、Sである。他の実施形態では、Xは、SOである。さらに他の実施形態では、Xは、NHである。いくつかの実施形態では、Xは、N(C~Cアルキル)、例えば、N(Cアルキル)、N(Cアルキル)、N(Cアルキル)、N(Cアルキル)、N(Cアルキル)、N(Cアルキル)、N(CH)、N(CHCH)などである。
【0085】
いくつかの態様では、Yは、-(CR9’-である。いくつかの実施形態では、n=1であり、Yは、-CR9’-である。いくつかの実施形態では、n=1であり、RおよびR9’は、各々Hであり、Yは、-CH-である。
【0086】
Yが-(CR9’-であり、n=1である、他の実施形態では、RおよびR9’は、各々Fであり、Yは、-CF-である。
【0087】
Yが-(CR9’-であり、n=1であるいくつかの実施形態では、RおよびR9’は、各々C~Cアルキルであり、Yは、-C(C~Cアルキル)-である。いくつかの実施形態では、C~Cアルキルは、-CHであり、Yは、-C(CH-である。
【0088】
Yが-(CR9’-であり、n=2であるいくつかの実施形態では、Yは、-CR9’-CR9’-である。Yが-(CR9’-であり、n=2であるいくつかの実施形態では、各Rおよび各R9’は、Hであり、Yは、-CHCH-である。
【0089】
Yが-(CR9’-であり、n=2であるいくつかの実施形態では、一方のRは、-C~Cアルコキシであり、他方のRは、Hであり、各R9’は、Hであり、Yは、-CHCH(C~Cアルコキシ)-である。いくつかの実施形態では、C~Cアルコキシは、-OCHであり、Yは、-CHCH(OCH)-である。
【0090】
Yが-(CR9’-であり、n=2であるいくつかの実施形態では、一方のRは、-ヒドロキシであり、他方のRは、Hであり、各R9’は、Hであり、Yは、-CHCH(OH)-である。
【0091】
Yが-(CR9’-であり、n=2であるいくつかの実施形態では、一方のRは、-C~Cアルキルであり、他方のRは、Hであり、各R9’は、Hであり、Yは、-CHCH(C~Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、C~Cアルキルは、-CHであり、Yは、-CHCH(CH)-である。
【0092】
Yが-(CR9’-であり、n=2であるいくつかの実施形態では、一方のRは、-C~Cアルキルであり、他方のRは、Hであり、一方のR9’は、-C~Cアルキルであり、他方のR9’は、Hであり、Yは、-CHC(C~Cアルキル)-である。いくつかの実施形態では、C~Cアルキルは、-CHであり、Yは、-CHC(CH-である。
【0093】
Yが-(CR9’-であり、n=2であるいくつかの実施形態では、一方のRは、-C~Cハロアルキルであり、他方のRは、Hであり、各R9’は、Hであり、Yは、-CHCH(C~Cハロアルキル)-である。いくつかの実施形態では、C~Cハロアルキルは、-CFであり、Yは、-CHCH(CF)-である。
【0094】
Yが-(CR9’n-であり、n=2であるいくつかの実施形態では、一方のRは、-Fであり、他方のRは、Hであり、各R9’は、Hであり、Yは、-CHCHF-である。
【0095】
Yが-(CR9’-であり、n=2であるいくつかの実施形態では、一方のRは、Fであり、他方のRは、Hであり、一方のR9’は、Fであり、他方のR9’は、Hであり、Yは、-CHCF-である。
【0096】
Yが-(CR9’-であり、n=2であるいくつかの実施形態では、一方のRは、Dであり、他方のRは、Hであり、一方のR9’は、Dであり、他方のR9’は、Hであり、Yは、-CHCD-である。
【0097】
Yが-(CR9’-であり、n=1であるいくつかの実施形態では、RおよびR9’は、各々C~Cアルキルであり、Yは、-C(C~Cアルキル)-である。いくつかの実施形態では、C~Cアルキルは、-CHであり、Yは、-C(CH-である。
【0098】
いくつかの実施形態では、Yは、-(CR9’-であり、n=3である。いくつかの実施形態では、n=3であり、RおよびR9’は、各々Hであり、Yは、-CHCHCH-である。
【0099】
いくつかの態様では、Yは、-CR=CR9’-である。Yが-CR=CR9’-であるいくつかの実施形態では、RおよびR9’は、各々Hであり、Yは、-CH=CH-である。
【0100】
他の態様では、Yは、C(=O)である。
【0101】
いくつかの態様では、Yは、-C(=O)-(CR9’-である。いくつかの実施形態では、n=1であり、RおよびR9’は、両方ともHであり、Yは、-C(=O)-CH-である。
【0102】
いくつかの態様では、Yは、-C(=O)-O-(CR9’-である。いくつかの実施形態では、n=1であり、RおよびR9’は、両方ともHであり、Yは、-C(=O)-O-CH-である。他の実施形態では、n=2であり、RおよびR9’は、両方ともHであり、Yは、-C(=O)-O-CHCH-である。
【0103】
いくつかの態様では、Yは、-CR9’-O-である。いくつかの実施形態では、RおよびR9’は、両方ともHであり、Yは、-CH-O-である。他の実施形態では、RおよびR9’は、両方ともFであり、Yは、-CF-O-である。
【0104】
いくつかの態様では、Yは、-(CR9’-O-(CR9’-である。いくつかの実施形態では、n=m=1であり、各Rおよび各R9’は、Hであり、Yは、-CH-O-CH-である。他の実施形態では、n=m=1であり、1つのRは、Hであり、1つのRは、Fであり、1つのR9’は、Hであり、1つのR9’は、Fであり、Yは、-CF-O-CH-である。他の実施形態では、n=1、m=2であり、各Rおよび各R9’は、Hであり、Yは、-CH-O-CHCH-である。他の実施形態では、n=1、m=2であり、一方のRは、Fであり、他方のRは、Hであり、一方のR9’はFであり、他方のR9’は、Hであり、Yは、-CF-O-CHCH-である。
【0105】
いくつかの態様では、Yは、-(CR9’-NR10-である。いくつかの実施形態では、n=1であり、R、R9’、およびR10は、Hであり、Yは、-CH-NH-である。他の実施形態では、n=1であり、RおよびR9’は、両方ともHであり、R10は、C~Cアルキルであり、Yは、-CH-N(C~Cアルキル)-である。
【0106】
いくつかの態様では、Yは、-C(=O)NR10である。いくつかの実施形態では、R10は、Hであり、Yは、-C(=O)NH-である。他の実施形態では、R10は、C~Cアルキルであり、Yは、-C(=O)N(C~Cアルキル)-である。
【0107】
元素Yのいくつかの実施形態は、1つの原子を通して式Iの元素Xに付着し、異なる原子を通して式IのAr基に付着する(すなわち、Yが-(CR9’-であり、n=2である場合、-CR=CR9’-、-C(=O)-(CR9’-、-C(=O)-O-(CR9’-、-CR9’-O-、-(CR9’-O-(CR9’-、-(CR9’-NR10、および-C(=O)NR10である)ことが当業者には明らかであろう。Yのこのような実施形態は、唯一の非カルボニル炭素原子を通してXおよびArに付着する場合(すなわち、Yが-(CR9’-であり、n=2、-CR=CR9’-または-(CR9’-O-(CR9’-である場合、Yは、いずれかの炭素原子を通してXまたはArに付着し得る。例えば、Yが-CR=CR9’-である場合、Yは、Ar-CR=CR9’-XまたはX-CR=CR9’-Arのいずれかとして付着し得る。同様に、Yが-(CR9’-O-(CR9’-である場合、Yは、Ar-(CR9’-O-(CR9’-XまたはX-(CR9’-O-(CR9’-Arのいずれかとして付着し得る。
【0108】
Yのそのような実施形態が非カルボニル炭素原子およびカルボニル炭素原子を通して付着する場合(すなわち、Yが-C(=O)-(CR9’-または-C(=O)-O-(CR9’-である場合)、Yのカルボニル炭素原子は、Xに付着し、Yの非カルボニル炭素原子は、Arに付着する。以下の例は、この点を例示している。Yが-C(=O)-(CR9’-である場合、Yは、次のように付着する。
【0109】
【化3】
【0110】
同様に、Yが-C(=O)-O-(CR9’-である場合、Yは、次のように付着する。
【0111】
【化4】
【0112】
Yの実施形態が、Yの炭素原子およびYの酸素または窒素原子を通してXおよびArに付着する場合(すなわち、Yが-CR9’-O-、-(CR9’-NR10-または-C(=O)NR10-である場合)、Yは、酸素または窒素原子のみを通してArに付着し、Yは、炭素原子のみを通してXに付着する。すなわち、Yは、X-CR9’-O-Ar、X-(CR9’-NR10-Ar、またはX-C(=O)NR10-Arとして付着する。以下の例は、この点を例示している。Yが-CR9’-O-または-(CR9’-NR10-である場合、Yは、次のように付着する。
【0113】
【化5】
【0114】
Yが-C(=O)NR10-である場合、Yは、次のように付着する。
【0115】
【化6】
【0116】
他の実施形態では、Yは、CH-C~Cアルク-NH、例えば、CH-Cアルク-NH、CH-Cアルク-NH、CH-Cアルク-NH、CH-Cアルク-NH、CH-CH-NH、CH-CHCH-NHなどである。
【0117】
本開示によると、式IのArは、任意選択的に置換された6員アリール環、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環、または任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、Arは、任意選択的に置換された6員アリール環である。いくつかの実施形態では、6員アリール環は、置換されていない。他の実施形態では、6員アリール環は、ハロ、C~C6アルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、およびC~Cハロアルコキシから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている。いくつかの好ましい実施形態では、6員アリール環は、1つ以上の-F、-Cl、-CH、-CF、または-OCF置換基で置換されている。
【0118】
いくつかの実施形態では、Arは、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、6員ヘテロアリール環は、置換されていない。他の実施形態では、6員ヘテロアリール環は、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、およびC~Cハロアルコキシから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている。いくつかの好ましい実施形態では、6員ヘテロアリール環は、1つ以上の-F、-Cl、-CH、-CF、または-OCF置換基で置換されている。
【0119】
いくつかの実施形態では、Arは、任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、5員ヘテロアリール環は、置換されていない。他の実施形態では、5員ヘテロアリール環は、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、およびC~Cハロアルコキシから独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている。いくつかの好ましい実施形態では、5員ヘテロアリール環は、1つ以上の-F、-Cl、-CH、-CF、または-OCF置換基で置換されている。
【0120】
本開示によると、式IのAは、NまたはC-Rである。いくつかの実施形態では、Aは、Nであり、式Iの化合物は、式I-Bのものである。
【0121】
【化7】
【0122】
他の実施形態では、Aは、C-Rであり、式Iの化合物は、式I-Cのものである。
【0123】
【化8】
【0124】
式I-Cの化合物である、本開示の実施形態では、Rは、H、ハロ、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、-C~Cアルケニル、または-C~Cアルキニルである。
【0125】
式I-Cの化合物のいくつかの実施形態では、Rは、Hである。式I-Cの化合物の他の実施形態では、Rは、ハロ(すなわち、-F、-Cl、-Br、または-I)、好ましくは、Fである。式I-Cの化合物の他の実施形態では、Rは、-C~Cアルキル、例えば、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチルなどである。式I-Cの化合物のさらに他の実施形態では、Rは、-C~Cアルコキシ、例えば、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトックス、ペントキシなどである。いくつかの他の実施形態では、Rは、-C~Cアルケニル、好ましくは、-C~Cアルケニル、例えば、ビニル、アリルなどである。さらに他の実施形態では、Rは、-C~Cアルキニル、好ましくは、-C~Cアルキニル、例えば、エチニル、プロパルギルなどである。
【0126】
本開示によると、式IのZは、O、CH、またはCFである。いくつかの実施形態では、Zは、Oであり、式Iの化合物は、式I-Dのものである。
【0127】
【化9】
【0128】
他の実施形態では、Zは、CHであり、式Iの化合物は、式I-Eのものである。
【0129】
【化10】
【0130】
さらに他の実施形態では、Zは、CFであり、式Iの化合物は、式I-Fのものである。
【0131】
【化11】
【0132】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物中のArは、任意選択的に置換された6員アリール環、または任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環であり、式Iの化合物は、式I-Gのものであり、
【0133】
【化12】
【0134】
式中、Q、Q、Q、およびQは、各々独立して、CH、C-R、またはNから選択され、Rは、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、またはC~Cハロアルコキシである。
【0135】
したがって、式I-Gの化合物のいくつかの実施形態では、Rは、ハロ(例えば、-F、-Cl、-Br、-I)、好ましくは、-F、または-Clである。式I-Gの化合物の他の実施形態では、Rは、C~Cアルキル、例えば、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、-Cアルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチルなどである。
【0136】
式I-Gの化合物の他の実施形態では、Rは、C~Cハロアルキル、例えば、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、フルオロメチル、フルオロエチル、フルオロプロピル、フルオロブチル、フルオロペンチル、クロロメチル、クロロエチル、クロロプロピル、クロロブチル、クロロペンチル、ブロモメチル、ブロモエチル、ブロモプロピル、ブロモブチル、ブロモペンチル、ヨードメチル、ヨードエチル、ヨードプロピル、ヨードブチル、ヨードペンチルなどである。
【0137】
式I-Gの化合物の他の実施形態では、Rは、-C~Cアルコキシ、例えば、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトックス、ペントキシなどである。
【0138】
式I-Gの化合物の他の実施形態では、Rは、-C~Cハロアルコキシ、例えば、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、ハロメトキシ、ハロエトキシ、ハロプロポキシ、ハロイソプロポキシ、ハロブトキシ、ハロイソブトキシ、ハロ-s-ブトキシ、ハロ-t-ブトキシ、ハロペントキシなどである。
【0139】
他の実施形態では、Arは、5員ヘテロアリール基であり、式Iの化合物は、式I-Hのものであり、
【0140】
【化13】
【0141】
式中、QおよびQは、CH、C-R、またはNであり、Qは、NH、N(C~Cアルキル)、S、Oであり、またはQおよびQの少なくとも一方がNである場合、Qは、CHまたはCH-Rであり得、Rは、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、またはC~Cハロアルコキシである。
【0142】
がNH、CH、またはCH-Rである場合、式I-Hの化合物中の5員ヘテロアリール基は、互変異性型で存在し得ることが明らかであろう。そのような互変異性型はすべて、本開示に包含される。
【0143】
したがって、式I-Hの化合物のいくつかの実施形態では、Rは、ハロ(例えば、-F、-Cl、-Br、-I)、好ましくは、-F、または-Clである。式I-Hの化合物の他の実施形態では、Rは、C~Cアルキル、例えば、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチルなどである。
【0144】
式I-Hの化合物の他の実施形態では、Rは、C~Cハロアルキル、例えば、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、フルオロメチル、フルオロエチル、フルオロプロピル、フルオロブチル、フルオロペンチル、クロロメチル、クロロエチル、クロロプロピル、クロロブチル、クロロペンチル、ブロモメチル、ブロモエチル、ブロモプロピル、ブロモブチル、ブロモペンチル、ヨードメチル、ヨードエチル、ヨードプロピル、ヨードブチル、ヨードペンチルなどである。
【0145】
式I-Hの化合物の他の実施形態では、Rは、-C~Cアルコキシ、例えば、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトックス、ペントキシなどである。
【0146】
式I-Hの化合物の他の実施形態では、Rは、-C~Cハロアルコキシ、例えば、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、ハロメトキシ、ハロエトキシ、ハロプロポキシ、ハロイソプロポキシ、ハロブトキシ、ハロイソブトキシ、ハロ-s-ブトキシ、ハロ-t-ブトキシ、ハロペントキシなどである。
【0147】
他の実施形態では、Arは、5員ヘテロアリール基であり、式Iの化合物は、式I-Iのものであり、
【0148】
【化14】
【0149】
式中、QおよびQ10は、CH、C-R、またはNであり、Qは、NH、N(C~Cアルキル)、S、Oであり、またはQおよびQ10の少なくとも一方がNである場合、Qは、CHまたはCH-Rであり得、Rは、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、またはC~Cハロアルコキシである。
【0150】
がNH、CH、またはCH-Rである場合、式I-Iの化合物中の5員ヘテロアリール基は、互変異性型で存在し得ることが明らかであろう。そのような互変異性型はすべて、本開示に包含される。
【0151】
したがって、式I-Iの化合物のいくつかの実施形態では、Rは、ハロ(例えば、-F、-Cl、-Br、-I)、好ましくは、-F、または-Clである。式I-Iの化合物の他の実施形態では、Rは、C~Cアルキル、例えば、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチルなどである。
【0152】
式I-Iの化合物の他の実施形態では、Rは、C~Cハロアルキル、例えば、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、フルオロメチル、フルオロエチル、フルオロプロピル、フルオロブチル、フルオロペンチル、クロロメチル、クロロエチル、クロロプロピル、クロロブチル、クロロペンチル、ブロモメチル、ブロモエチル、ブロモプロピル、ブロモブチル、ブロモペンチル、ヨードメチル、ヨードエチル、ヨードプロピル、ヨードブチル、ヨードペンチルなどである。
【0153】
式I-Iの化合物の他の実施形態では、Rは、-C~Cアルコキシ、例えば、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトックス、ペントキシなどである。
【0154】
式I-Iの化合物の他の態様では、Rは、-C~Cハロアルコキシ、例えば、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、ハロメトキシ、ハロエトキシ、ハロプロポキシ、ハロイソプロポキシ、ハロブトキシ、ハロイソブトキシ、ハロ-s-ブトキシ、ハロ-t-ブトキシ、ハロペントキシなどである。
【0155】
さらに他の実施形態では、Arは、5員ヘテロアリール基であり、式Iの化合物は、式I-Jのものであり、
【0156】
【化15】
【0157】
式中、Q12およびQ13は、CH、C-R、またはNであり、Q11は、NH、N(C~Cアルキル)、S、Oであり、またはQ12およびQ13の少なくとも一方がNである場合、Q11は、CHまたはCH-Rであり得、Rは、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、またはC~Cハロアルコキシである。
【0158】
11がNH、CH、またはCH-Rである場合、式I-Jの化合物中の5員ヘテロアリール基は、互変異性型で存在し得ることが明らかであろう。そのような互変異性型はすべて、本開示に包含される。
【0159】
したがって、式I-Jの化合物のいくつかの実施形態では、Rは、ハロ(例えば、-F、-Cl、-Br、-I)、好ましくは、-F、または-Clである。式I-Jの化合物の他の実施形態では、Rは、C~Cアルキル、例えば、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、-Cアルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチルなどである。
【0160】
式I-Jの化合物の他の実施形態では、Rは、C~Cハロアルキル、例えば、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、-Cハロアルキル、フルオロメチル、フルオロエチル、フルオロプロピル、フルオロブチル、フルオロペンチル、クロロメチル、クロロエチル、クロロプロピル、クロロブチル、クロロペンチル、ブロモメチル、ブロモエチル、ブロモプロピル、ブロモブチル、ブロモペンチル、ヨードメチル、ヨードエチル、ヨードプロピル、ヨードブチル、ヨードペンチルなどである。
【0161】
式I-Jの化合物の他の実施形態では、Rは、-C~Cアルコキシ、例えば、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、-Cアルコキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトックス、ペントキシなどである。
【0162】
式I-Jの化合物の他の態様では、Rは、-C~Cハロアルコキシ、例えば、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、-Cハロアルコキシ、ハロメトキシ、ハロエトキシ、ハロプロポキシ、ハロイソプロポキシ、ハロブトキシ、ハロイソブトキシ、ハロ-s-ブトキシ、ハロ-t-ブトキシ、ハロペントキシなどである。
【0163】
いくつかの実施形態では、式I-Jの化合物は、AがC-Hであり、RがHであり、Rが-NHまたは-CHであり、R=R=H、X=Z=O、Y=-CHCH-であり、Q11がSであり、Q13がCHであり、Q12がC-Rであり、Rがハロゲンであるものである。
【0164】
式Iの化合物のいくつかの好ましい実施形態は、式I-Aの化合物
【0165】
【化16】
【0166】
またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、
式中、
Aは、NもしくはC-Rであり、
は、ハロ、NH、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、もしくは-C~Cアルク-O-C~Cアルキルであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、もしくはNHであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、もしくは-C~Cアルコキシであり、
は、Hもしくは-C~Cアルキルであり、
は、Hもしくは-C~Cアルキルであり、
Xは、O、S、NH、もしくはN(C~Cアルキル)であり、Yは、CH、-CHCH2-、C(CH、CF、C(=O)、もしくはCH-C~Cアルク-NHであるか、または
Xは、SOであり、Yは、CH、-CHCH2-、C(CH、CF、もしくはCH-C~Cアルク-NHであり、
Zは、O、CH、もしくはCFであり、
Arは、任意選択的に置換された6員アリール環、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環、もしくは任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である。
【0167】
式Iの化合物の他の好ましい実施形態は、式I-Aの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、式中、
Aは、NまたはC-Rであり、
は、ハロ、NH、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、またはNHであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、または-C~Cアルコキシであり、
は、Hまたは-C~Cアルキルであり、
は、Hまたは-C~Cアルキルであり、
Xは、O、S、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、
Yは、-C(=O)-(CR9’-であり、式中、n=1または2であり、各RおよびR9’は、Hであり、
Zは、O、CH、またはCFであり、
Arは、任意選択的に置換された6員アリール環、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環、または任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である。
【0168】
式Iの化合物の他の好ましい実施形態は、式I-Aの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、式中、
Aは、NまたはC-Rであり、
は、ハロ、NH、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、またはNHであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、または-C~Cアルコキシであり、
は、Hまたは-C~Cアルキルであり、
は、Hまたは-C~Cアルキルであり、
Xは、O、S、SO、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、
Yは、-CR=CR9’-であり、各RおよびR9’は、Hであり、
Zは、O、CH、またはCFであり、
Arは、任意選択的に置換された6員アリール環、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環、または任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である。
【0169】
式Iの化合物の他の好ましい実施形態は、式I-Aの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、式中、
Aは、NまたはC-Rであり、
は、ハロ、NH、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、またはNHであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、または-C~Cアルコキシであり、
は、Hまたは-C~Cアルキルであり、
は、Hまたは-C~Cアルキルであり、
Xは、O、S、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、
Yは、-C(=O)-O-(CR9’-であり、式中、n=1または2であり、各RおよびR9’は、Hであり、
Zは、O、CH、またはCFであり、
Arは、任意選択的に置換された6員アリール環、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環、または任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である。
【0170】
式Iの化合物の他の好ましい実施形態は、式I-A-1の化合物
【0171】
【化17】
【0172】
またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、
式中、
Aは、NまたはC-Rであり、
は、ハロ、NH、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、またはNHであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、または-C~Cアルコキシであり、
は、Hまたは-C~Cアルキルであり、
は、Hまたは-C~Cアルキルであり、
Xは、O、S、SO、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、
各Rは、H、D、F、OH、OCH、CH、またはCFから独立して選択され、各R9’は、H、D、F、OH、OCH、CH、またはCFから独立して選択され、
Zは、O、CH、またはCFであり、
Arは、任意選択的に置換された6員アリール環、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環、または任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である。
【0173】
式Iの化合物の他の好ましい実施形態は、式I-A-2の化合物
【0174】
【化18】
【0175】
またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、
式中、
Aは、NまたはC-Rであり、
は、ハロ、NH、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、またはNHであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、または-C~Cアルコキシであり、
は、Hまたは-C~Cアルキルであり、
は、Hまたは-C~Cアルキルであり、
Xは、O、S、SO、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、
各Rは、H、D、またはFから独立して選択され、各R9’は、H、D、またはFから独立して選択され、
Zは、O、CH、またはCFであり、
Arは、任意選択的に置換された6員アリール環、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環、または任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である。
【0176】
いくつかの好ましい実施形態では、式I-A-2の化合物は、AがC-Rであり、Rが-NHまたは-CHであり、R=R=R=R=R=R9’=Hであり、ZがOであり、XがOであり、Arが1~2つのハロゲン原子で置換されたフェニル環であるものである。
【0177】
式Iの化合物の他の好ましい実施形態は、式I-A-3の化合物
【0178】
【化19】
【0179】
またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、
式中、
Aは、NまたはC-Rであり、
は、ハロ、NH、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、またはNHであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、または-C~Cアルコキシであり、
は、Hまたは-C~Cアルキルであり、
は、Hまたは-C~Cアルキルであり、
Xは、O、S、SO、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、
は、H、D、またはFから選択され、R9’は、H、D、またはFから選択され、
Zは、O、CH、またはCFであり、
Arは、任意選択的に置換された6員アリール環、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環、または任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である。
【0180】
いくつかの好ましい実施形態では、式I-A-3の化合物は、AがC-Rであり、Rが-NHまたは-CHであり、R=R=R=R=R=R9’=Hであり、ZがOであり、XがOであり、Arが1~2つのハロゲン原子で置換されたフェニル環であるものである。
【0181】
式Iの化合物の他の好ましい実施形態は、式I-A-4の化合物
【0182】
【化20】
【0183】
またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であり、
式中、
Aは、NまたはC-Rであり、
は、ハロ、NH、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、またはNHであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、または-C~Cアルコキシであり、
は、Hまたは-C~Cアルキルであり、
は、Hまたは-C~Cアルキルであり、
Xは、O、S、SO、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、
は、H、D、またはFから選択され、R9’は、H、D、またはFから選択され、
Zは、O、CH、またはCFであり、
Arは、任意選択的に置換された6員アリール環、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環、または任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である。
【0184】
他の好ましい実施形態では、本開示の化合物は、式I-G-1の化合物であり、
【0185】
【化21】
【0186】
式中、Rは、NH、-C~Cアルキル、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルであり、Rは、Hまたはハロであり、Q、Q、Q、およびQは、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rは、ハロ、-Cハロアルキル、またはCハロアルコキシである。
【0187】
いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-1の化合物は、RがNH、-CH、または-CH-O-CHCHであり、RがHまたはFであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0188】
他の好ましい実施形態では、式I-G-1の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-1の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Q、Q、Q、およびQのうちの少なくとも1つがC-Rであり、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0189】
他の好ましい実施形態では、式I-G-1の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-1の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Q、Q、Q、およびQのうちの少なくとも1つがC-Rであり、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0190】
他の好ましい実施形態では、式I-G-1の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-1の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0191】
他の好ましい実施形態では、式I-G-1の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-1の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Q、Q、Q、およびQのうちの少なくとも1つがC-Rであり、Rが-F、または-Clであるものである。
【0192】
他の好ましい実施形態では、式I-G-1の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-1の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Q、Q、Q、およびQのうちの少なくとも1つがC-Rであり、Rが-F、または-Clであるものである。
【0193】
他の好ましい実施形態では、式I-G-1の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-1の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。
【0194】
他の好ましい実施形態では、本開示の化合物は、式I-G-2の化合物であり、
【0195】
【化22】
【0196】
式中、Rは、NHまたは-C~Cアルキルであり、Rは、Hまたはハロであり、Q、Q、Q、およびQは、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rは、ハロ、-Cハロアルキル、またはCハロアルコキシである。
【0197】
いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、RがNHまたは-CHであり、RがHまたはFであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0198】
他の好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Q、Q、Q、およびQのうちの少なくとも1つがC-Rであり、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0199】
他の好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Q、Q、Q、およびQのうちの少なくとも1つがC-Rであり、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0200】
他の好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。
【0201】
他の好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Q、Q、Q、およびQのうちの少なくとも1つがC-Rであり、Rが-F、または-Clであるものである。
【0202】
他の好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Q、Q、Q、およびQのうちの少なくとも1つがC-Rであり、Rが-F、または-Clであるものである。
【0203】
他の好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。
【0204】
他の好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、RがNH、-C~Cアルキル、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルであり、RがHまたはハロであり、Yが-(CR9’-、-CR=CR9’-、C(=O)、-C(=O)-(CR9’-、-C(=O)-O-(CR9’-、-CR9’-O、-(CR9’-O-(CR9’-、-(CR9’-NR10-、-C(=O)NR10-であり、n=1または2、m=1または2であり、RおよびR9’が、各々独立して、H、D、CH、CF、OH、OCH、またはFであり、R10がHまたはC~Cアルキルであり、各Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rがハロ、-Cハロアルキル、またはCハロアルコキシであるものである。
【0205】
いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、RがNHまたは-CHであり、RがHまたはFであり、Yが-CHCH-、-CHCH(C~Cアルコキシ)-、-CHCH(OCH)-、-CH(OH)CH-、-CH(C~Cアルキル)CH-、-CH(CH)CH-、-CHC(C~Cアルキル)-、-CHC(CH-、-CH(C~Cハロアルキル)CH-、-CHCH(CF)-、-CHCHF-、-CHCF-、-CHCD、-CH=CH-、-C(=O)-CH-、-C(=O)-O-CH-、-C(=O)-O-CHCH-、-CH-O-、-CF-O-、-CH-O-CH-、-CF-O-CH-、-CH-O-CHCH-、-CF-O-CHCH-であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0206】
他の好ましい実施形態では、式I-G-2の化合物は、RがNHまたは-CHであり、RがHであり、Yが-CHCH-、-CH(OCH)CH-、-CH(OH)CH-、-CHCH(CH)-、-CHC(C~Cアルキル)-、-CHC(CH-、-CHCH(CF)-、-CHCHF-、-CHCF-、-CHCD-、-CH=CH-、-C(=O)CH-、-C(=O)-O-CH-、-C(=O)-O-CHCH-、-CH-O-、-CF-O-、-CH-O-CH-、-CF-O-CH-、-CH-O-CHCH-、-CF-O-CHCH-であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが、-F、または-Clであるものである。
【0207】
いくつかの好ましい実施形態では、本開示の化合物は、式I-G-3の化合物であり、
【0208】
【化23】
【0209】
式中、Rは、NH、-C~Cアルキル、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルであり、Rは、Hまたはハロであり、Yは、-CHCH-、C(CH、CF、またはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQは、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rは、ハロ、-Cハロアルキル、またはCハロアルコキシである。
【0210】
いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、RがNH、-CH、または-CH-O-CHCHであり、RがHまたはFであり、Yが-CHCH-、C(CH、CF、またはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0211】
他の好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Yが-CHCH-、C(CH、CF、またはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Yが-CHCH-、C(CH、CF、またはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0212】
他の好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Yが-CHCH-、C(CH、CF、またはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Yが-CHCH-、C(CH、CF、またはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0213】
他の好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Yが-CHCH-、C(CH、CF、またはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Yが-CHCH-、C(CH、CF、またはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。
【0214】
他の好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、RがNHであり、RがHであり、Yが-CHCH-、C(CH、CF、またはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Yが-CHCH-、C(CH、CF、またはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。
【0215】
他の好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、RがNH、-C~Cアルキル、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルであり、RがHまたはハロであり、Yが-(CR9’-、-CR=CR9’-、-C(=O)-(CR9’-、-C(=O)-O-(CR9’-、-CR9’-O、-(CR9’-O-(CR9’-であり、n=1または2であり、RおよびR9’が、各々独立して、H、D、CH、CF、OH、OCH、またはFであり、各Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rがハロ、-Cハロアルキル、またはCハロアルコキシであるものである。
【0216】
いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、RがNHまたは-CHであり、RがHまたはFであり、Yが-CHCH-、-CHCH(C~Cアルコキシ)-、-CHCH(OCH)-、-CH(OH)CH-、-CH(C~Cアルキル)CH-、-CH(CH)CH-、-CHC(C~Cアルキル)-、-CHC(CH-、-CH(C~Cハロアルキル)CH-、-CHCH(CF)-、-CHCHF-、-CHCF-、-CHCD、-CH=CH-、-C(=O)-CH-、-C(=O)-O-CH-、-C(=O)-O-CHCH-、-CH-O-、-CF-O-、-CH-O-CH-、-CF-O-CH-、-CH-O-CHCH-、-CF-O-CHCH-であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0217】
他の好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、RがNHまたは-CHであり、RがHであり、Yが-CHCH-、-CH(OCH)CH-、-CH(OH)CH-、-CHCH(CH)-、-CHC(C~Cアルキル)-、-CHC(CH-、-CHCH(CF)-、-CHCHF-、-CHCF-、-CHCD-、-CH=CH-、-C(=O)CH-、-C(=O)-O-CH-、-C(=O)-O-CHCH-、-CH-O-、-CF-O-、-CH-O-CH-、-CF-O-CH-、-CH-O-CHCH-、-CF-O-CHCH-であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが、-F、または-Clであるものである。
【0218】
他の好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、RがNH、-CH、または-CDであり、RがHまたはFであり、Yが-CHCH-、-CHCHCH-、-C(=O)CH-、または-CHCHF-であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、または-CHであるものである。
【0219】
他の好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、RがNH、-CH、または-CDであり、RがHまたはFであり、Yが-CHCH-、-CHCHCH-、-C(=O)CH-、または-CHCHF-であり、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、または-CHであり、QがC-Rであり、Rが-Clであるものである。
【0220】
他の好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、RがNHまたは-CHであり、RがHであり、Yが-CHCH-、-CHCHCH-、-C(=O)CH-、または-CHCHF-であり、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、または-CHであり、QがC-Rであり、Rが-Clであるものである。
【0221】
他の好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、RがNH、-CH、または-CDであり、RがHまたはFであり、Yが-CHCH-、-CHCHCH-、-C(=O)CH-、または-CHCHF-であり、QがCHであり、QおよびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、または-CHであり、QがC-Rであり、Rが-Clであるものである。
【0222】
他の好ましい実施形態では、式I-G-3の化合物は、RがNHまたは-CHであり、RがHであり、Yが-CHCH-、-CHCHCH-、-C(=O)CH-、または-CHCHF-であり、QがCHであり、QおよびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、または-CHであり、QがC-Rであり、Rが-Clであるものである。
【0223】
いくつかの好ましい実施形態では、本開示の化合物は、式I-G-4の化合物であり、
【0224】
【化24】
【0225】
式中、Rは、NH、-C~Cアルキル、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルであり、Rは、Hまたはハロであり、Xは、S、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、Yは、CHまたはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQは、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rは、ハロ、-Cハロアルキル、またはCハロアルコキシである。
【0226】
いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-4の化合物は、RがNH、-CH、または-CH-O-CHCHであり、RがHまたはFであり、XがS、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、YがCHまたはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0227】
他の好ましい実施形態では、式I-G-4の化合物は、RがNHであり、RがHであり、XがS、SO、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、YがCHまたはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-4の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、XがS、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、YがCHまたはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0228】
他の好ましい実施形態では、式I-G-4の化合物は、RがNHであり、RがHであり、XがS、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、YがCHまたはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-4の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、XがS、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、YがCHまたはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0229】
他の好ましい実施形態では、式I-G-4の化合物は、RがNHであり、RがHであり、XがS、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、YがCHまたはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-4の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、XがS、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、YがCHまたはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。
【0230】
他の好ましい実施形態では、式I-G-4の化合物は、RがNHであり、RがHであり、XがS、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、YがCHまたはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-4の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、XがS、NH、またはN(C~Cアルキル)であり、YがCHまたはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。
【0231】
いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-4の化合物は、RがNHまたはCHであり、RがHであり、XがNHであり、Yが-CHCH-であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。
【0232】
いくつかの好ましい実施形態では、本開示の化合物は、式I-G-5の化合物であり、
【0233】
【化25】
【0234】
式中、Rは、NHまたは-C~Cアルキルであり、Yは、-CH-またはC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQは、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rは、ハロである。
【0235】
いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-5の化合物は、RがNHであり、Yが-CH-であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-5の化合物は、Rが-CHであり、Yが-CH-であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。
【0236】
いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-5の化合物は、RがNHであり、YがC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-5の化合物は、Rが-CHであり、YがC(=O)であり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。
【0237】
いくつかの好ましい実施形態では、本開示の化合物は、式I-G-6の化合物であり、
【0238】
【化26】
【0239】
式中、Rは、NHまたは-C~Cアルキルであり、Q、Q、Q、およびQは、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rは、ハロ、-Cハロアルキル、またはCハロアルコキシである。
【0240】
いくつかの好ましい実施形態では、式I-G-6の化合物は、RがNHまたは-CHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0241】
他の好ましい実施形態では、式I-G-6の化合物は、RがNHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-6の化合物は、Rが-CHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0242】
他の好ましい実施形態では、式I-G-6の化合物は、RがNHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-6の化合物は、Rが-CHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、-Cl、-CF、または-OCFであるものである。
【0243】
他の好ましい実施形態では、式I-G-6の化合物は、RがNHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-6の化合物は、Rが-CHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、N、CH、またはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。
【0244】
他の好ましい実施形態では、式I-G-6の化合物は、RがNHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-G-6の化合物は、Rが-CHであり、RがHであり、Q、Q、Q、およびQが、各々独立して、CHまたはC-Rから選択され、Rが-F、または-Clであるものである。
【0245】
他の態様では、本開示は、式I-H-1の化合物であって、
【0246】
【化27】
式中、Rは、NHまたはC~Cアルキルであり、QおよびQは、独立して、CH、C-R、またはNであり、Qは、NHまたはSであり、Rは、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、またはC~Cハロアルコキシである、式I-H-1の化合物を対象とする。好ましい実施形態では、式I-H-1の化合物は、RがNHであり、QおよびQが、独立して、CH、C-R、またはNであり、QがNHまたはSであり、Rが-F、または-Clであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-H-1の化合物は、Rが-CHであり、QおよびQが、独立して、CH、C-R、またはNであり、QがNHまたはSであり、Rが-F、または-Clであるものである。
【0247】
他の態様では、本開示は、式I-I-1の化合物であって、
【0248】
【化28】
【0249】
式中、Rは、NHまたはC~Cアルキルであり、QおよびQ10は、独立して、CH、C-R、またはNであり、Qは、N(C~Cアルキル)であり、Rは、ハロ、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cアルコキシ、またはC~Cハロアルコキシである、式I-I-1の化合物を対象とする。好ましい実施形態では、式I-I-1の化合物は、RがNHであり、QおよびQ10が、独立して、CH、C-R、またはNであり、QがN(CH)であり、Rが-F、または-Clであるものである。他の好ましい実施形態では、式I-I-1の化合物は、Rが-CHであり、QおよびQ10が、独立して、CH、C-R、またはNであり、QがN(CH)であり、Rが-F、または-Clであるものである。
【0250】
本明細書における式Iの化合物への言及は、例えば、式I-A、I-A-1、I-A-2、I-A-3、I-A-4、I-B、I-C、I-D、I-E、I-F、I-G、I-G-1、I-G-2、I-G-3、I-G-4、I-G-5、I-G-6、I-H、I-H-1、I-I、I-I-1、およびI-Jの化合物を含む、本明細書に記載されるすべての亜属も指す。
【0251】
本明細書に記載されるすべての亜属を含む式Iの化合物が、複数の不斉中心を有することは明らかであろう。結果として、式Iの化合物(本明細書に記載される亜属)の複数の立体異性体(鏡像異性体およびジアステレオマー)が存在する。本開示は、式Iの任意の化合物(および本明細書に記載される亜属)の各立体異性体、ならびに当該立体異性体の混合物を企図および包含する。
【0252】
式Iの化合物(本明細書に記載されるすべての亜属を含む)の薬学的に許容される塩および溶媒和物もまた、本開示の範囲内にある。
【0253】
式Iの化合物(本明細書に記載されるすべての亜属を含む)の同位体変異体もまた、本開示によって企図される。
【0254】
医薬組成物および投与方法
主題の医薬組成物は、典型的には、活性成分としての治療的に有効な量の本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、もしくは誘導体を提供するように製剤化される。所望される場合、医薬組成物は、それらの薬学的に許容される塩および/または配位複合体、ならびに1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、不活性固体希釈剤および充填剤を含む担体、無菌水溶液および様々な有機溶媒を含む希釈剤、浸透促進剤、可溶化剤、およびアジュバントを含有する。
【0255】
主題の医薬組成物は、単独で、または典型的には医薬組成物の形態でも投与される1つ以上の他の薬剤と組み合わせて投与され得る。所望される場合、本発明の1つ以上の化合物および他の薬剤(複数可)は、調製物に混合され得るか、または両方の成分を、個別の調製物に製剤化して、それらを個別に、または同時に組み合わせて使用され得る。
【0256】
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物中に提供される1つ以上の化合物の濃度は、w/w、w/v、またはv/vで、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、または0.0001%(または上記の任意の2つの数値によって定義され、それらを含む範囲内の数値)未満である。
【0257】
いくつかの実施形態では、本発明の1つ以上の化合物の濃度は、w/w、w/v、またはv/vで、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%18%、17.75%、17.50%、17.25%17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25%15%、14.75%、14.50%、14.25%14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%11%、10.75%、10.50%、10.25%10%、9.75%、9.50%、9.25%、9%、8.75%、8.50%、8.25%8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、1.25%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、または0.0001%(または、上記の任意の2つの数値によって定義され、それらを含む範囲内の数値)超である。
【0258】
いくつかの実施形態では、本発明の1つ以上の化合物の濃度は、w/w、w/v、またはv/vで、約0.0001%~約50%、約0.001%~約40%、約0.01%~約30%、約0.02%~約29%、約0.03%~約28%、約0.04%~約27%、約0.05%~約26%、約0.06%~約25%、約0.07%~約24%、約0.08%~約23%、約0.09%~約22%、約0.1%~約21%、約0.2%~約20%、約0.3%~約19%、約0.4%~約18%、約0.5%~約17%、約0.6%~約16%、約0.7%~約15%、約0.8%~約14%、約0.9%~約12%、約1%~約10%の範囲内にある。
【0259】
いくつかの実施形態では、本発明の1つ以上の化合物の濃度は、w/w、w/v、またはv/vで、約0.001%~約10%、約0.01%~約5%、約0.02%~約4.5%、約0.03%~約4%、約0.04%~約3.5%、約0.05%~約3%、約0.06%~約2.5%、約0.07%~約2%、約0.08%~約1.5%、約0.09%~約1%、約0.1%~約0.9%の範囲内にある。
【0260】
いくつかの実施形態では、本発明の1つ以上の化合物の量は、10g、9.5g、9.0g、8.5g、8.0g、7.5g、7.0g、6.5g、6.0g、5.5g、5.0g、4.5g、4.0g、3.5g、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002g、または0.0001g(または、上記の任意の2つの数値によって定義され、それらを含む範囲内の数値)以下である。
【0261】
いくつかの実施形態では、本発明の1つ以上の化合物の量は、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、3g、3.5、4g、4.5g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5g、または10g(または上記の任意の2つの数値によって定義され、それらを含む範囲の数値)超である。
【0262】
いくつかの実施形態では、本発明の1つ以上の化合物の量は、0.0001~10g、0.0005~9g、0.001~8g、0.005~7g、0.01~6g、0.05~5g、0.1~4g、0.5~4g、または1~3gの範囲内にある。
【0263】
本発明による化合物は、広い投与量範囲にわたって有効である。例えば、成人の治療では、1日あたり0.01~1000mg、0.5~100mg、1~50mgであり、1日あたり5~40mgが、使用され得る投与量の例である。例示的な投与量は、1日あたり10~30mgである。正確な投与量は、投与経路、化合物が投与される形態、治療される対象、治療される対象の体重、ならびに担当医の好みおよび経験に依存するであろう。
【0264】
本発明の医薬組成物は、典型的には、本発明の活性成分(すなわち、本開示の化合物)またはその薬学的に許容される塩および/もしくは配位複合体、ならびに1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、限定されないが、不活性固形希釈剤および充填剤を含む担体、希釈剤、無菌水溶液および様々な有機溶媒、浸透促進剤、可溶化剤、ならびにアジュバントを含有する。
【0265】
非限定的で例示的な医薬組成物およびそれらを調製するための方法を以下に記載する。
【0266】
経口投与用の医薬組成物。
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の化合物を含有する経口投与用の医薬組成物、および経口投与に好適な医薬賦形剤を提供する。
【0267】
いくつかの実施形態では、本発明は、(i)有効量の本発明の化合物、任意選択的に、(ii)有効量の第2の薬剤、および(iii)経口投与に好適な医薬賦形剤を含有する、経口投与用の固形医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本組成物は、(iv)有効量の第3の薬剤をさらに含有する。
【0268】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口摂取に好適な液状医薬組成物であり得る。経口投与に好適な本発明の医薬組成物は、カプセル、オブラート、もしくは錠剤などの別個の剤形、あるいは粉末として、または顆粒、溶液、または水性もしくは非水性液体中の懸濁液、水中油型乳濁液、または油中水型液体乳濁液中に所定量の活性成分を各々含有する液体またはエアゾールスプレーとして提示され得る。そのような剤形は、製薬の方法のうちのいずれかによって調製され得るが、すべての方法が、活性成分を、1つ以上の必要な成分を構成する担体と会合させるステップを含む。概して、本組成物は、活性成分を液体担体または微粉固形担体またはそれらの両方と均一かつ均質に混合し、次に、必要に応じて、生成物を所望の形態に成形することによって調製される。例えば、錠剤は、任意選択的に1つ以上の副成分とともに、圧縮または成形によって調製され得る。圧縮錠剤は、任意選択的に、限定されないが、結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤などの賦形剤、および/または界面活性剤または分散剤と混合された、粉末または顆粒などの自由流動形態の活性成分を好適な機械で圧縮することによって調製され得る。成形錠剤は、好適な機械で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を成形することによって作製され得る。
【0269】
本発明は、水がいくつかの化合物の分解を促進する可能性があるため、活性成分を含む無水の医薬組成物および剤形をさらに包含する。例えば、保存期間または経時的な製剤の安定性などの特性を決定するために、長期保存をシミュレートする手段として、製薬業界では水を加える(例えば、5%)場合がある。本発明の無水の医薬組成物および剤形は、無水または低水分含有成分および低水分または低湿度条件を使用して調製され得る。ラクトースを含有する本発明の医薬組成物および剤形は、製造、包装、および/または保存中に水分および/または湿度との実質的な接触が予想される場合、無水にし得る。無水の医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように調製および保存され得る。したがって、無水組成物は、それらが好適な製剤化キットに含まれ得るように、水への曝露を防止することが知られている材料を使用して包装され得る。好適なパッケージングの例には、密封ホイル、プラスチックなど、単位用量容器、ブリスターパック、およびストリップパックが含まれるが、これらに限定されない。
【0270】
活性成分は、従来の医薬配合技術に従って、医薬担体と均質に混合して合わせることができる。担体は、投与のために所望される調製物の形態に応じて、多種多様な形態を取ることができる。経口剤形用の組成物を調製する際、経口液体調製物(懸濁液、溶液、およびエリキシルなど)もしくはエアロゾルの場合、例えば、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤などの通常の医薬媒体のいずれも担体として用いることができ、または経口固形調製物の場合には、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、および崩壊剤などの担体を、いくつかの実施形態ではラクトースの使用を用いずに、使用することができる。例えば、好適な担体には、粉末、カプセル、および錠剤が含まれ、固形経口調製物が含まれる。所望される場合、錠剤は、標準的な水性または非水性技術でコーティングされ得る。
【0271】
医薬組成物および剤形での使用に好適な結合剤には、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、または他のデンプン、ゼラチン、アカシアなどの天然および合成ゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末トラガント、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、ならびにそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0272】
本明細書に開示される医薬組成物および剤形で使用するのに好適な充填剤の例には、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、およびそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0273】
崩壊剤を本発明の組成物に使用して、水性環境に曝露されたときに崩壊する錠剤を提供し得る。崩壊剤が多すぎると、ボトル内で崩壊する可能性のある錠剤が生成され得る。少なすぎると、崩壊が起こるには不十分となり得、したがって、剤形からの活性成分(複数可)の放出の速度および程度を変化させ得る。したがって、活性成分(複数可)の放出を有害に変化させるには、少なすぎず、多すぎない十分な量の崩壊剤を使用して、本明細書に開示される化合物の剤形を形成することができる。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類および投与の様式に基づいて変化し得、当業者に容易に認識可能であり得る。約0.5~約15重量パーセントの崩壊剤、または約1~約5重量パーセントの崩壊剤を医薬組成物に使用することができる。本発明の医薬組成物および剤形を形成するために使用され得る崩壊剤には、寒天(agar-agar)、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ガム、またはそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0274】
本発明の医薬組成物および剤形を形成するために使用され得る潤滑剤には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽鉱油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水添植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天(agar)、またはそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。追加の潤滑剤には、例えば、シロイドシリカゲル、合成シリカの凝固エアロゾル、またはそれらの混合物が含まれる。潤滑剤は、任意選択的に、医薬組成物の約1重量パーセント未満の量で加えられ得る。
【0275】
水性懸濁液および/またはエリキシルが経口投与に所望される場合、その中の活性成分は、様々な甘味剤または香味剤、色素または染料、ならびに所望される場合、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、およびそれらの様々な組み合わせなどの希釈剤と一緒に、乳化剤および/または懸濁剤と組み合わされ得る。
【0276】
錠剤は、胃腸管における崩壊および吸収を遅延させ、それにより長期間にわたる持続作用を提供するために、コーティングされていないか、または既知の技術によってコーティングされている場合がある。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を用いることができる。経口使用のための製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、もしくはカオリンと混合される硬ゼラチンカプセルとして、または活性成分が水もしくは油媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセルとしても提示され得る。
【0277】
本発明の医薬組成物および剤形を形成するために使用され得る界面活性剤には、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。すなわち、親水性界面活性剤の混合物を用いてもよく、親油性界面活性剤の混合物を用いてもよく、または少なくとも1つの親水性界面活性剤と少なくとも1つの親油性界面活性剤との混合物を用いてもよい。
【0278】
好適な親水性界面活性剤は、一般に、少なくとも10のHLB値を有し得るが、好適な親油性界面活性剤は、一般に、約10未満のHLB値を有し得る。非イオン性両親媒性化合物の相対的な親水性および疎水性を特徴付けるために使用される経験的パラメータは、親水性-親油性バランス(「HLB」値)である。HLB値が低い界面活性剤は、親油性または疎水性が高く、油への溶解性が高く、HLB値が高い界面活性剤は、親水性が高く、水溶液への溶解性が高くなる。
【0279】
親水性界面活性剤は、一般に、HLB値が約10を超える化合物、ならびにHLBスケールが一般に適用できないアニオン性、カチオン性、または両性イオン性化合物であると考えられている。同様に、親油性(すなわち、疎水性)界面活性剤は、約10以下のHLB値を有する化合物である。ただし、界面活性剤のHLB値は、工業用、医薬用、および化粧品用の乳濁液の配合を可能にするために一般に使用される大まかなガイドにすぎない。
【0280】
親水性界面活性剤は、イオン性でも非イオン性でもよい。好適なイオン性界面活性剤には、アルキルアンモニウム塩、フシジン酸塩、アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドの脂肪酸誘導体、アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドのグリセリド誘導体、レシチンおよび水添レシチン、リゾレシチンおよび水添リゾレシチン、リン脂質およびそれらの誘導体、リゾリン脂質およびそれらの誘導体、カルニチン脂肪酸エステル塩、アルキル硫酸塩、脂肪酸塩、ドキュセートナトリウム、アシルラクチレート、モノおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル化酒石酸エステル、スクシニル化モノおよびジグリセリド、モノおよびジグリセリドのクエン酸エステル、ならびにそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0281】
前述のグループ内で、イオン性界面活性剤には、例として、レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質、およびそれらの誘導体、カルニチン脂肪酸エステル塩、アルキル硫酸塩、脂肪酸塩、ドキュセートナトリウム、アシルアクチレート(acylactylates)、モノおよびジグリセリドのモノおよびジアセチル化酒石酸エステル、スクシニル化モノおよびジグリセリド、モノおよびジグリセリドのクエン酸エステル、ならびにそれらの混合物が含まれる。
【0282】
イオン性界面活性剤は、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG-ホスファチジルエタノールアミン、PVP-ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸のラクチル酸、ステアロイル-2-ラクチレート、ステアロイルラクチレート、スクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン(cholylsarcosine)、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ラウリル硫酸、テラセシル硫酸、ドキュセート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、ならびにそれらの塩および混合物のイオン化形態であり得る。
【0283】
親水性非イオン性界面活性剤には、アルキルグルコシド、アルキルマルトシド、アルキルチオグルコシド、ラウリルマクロゴールグリセリド、ポリエチレングリコールアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェノールなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステルおよびポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルなどのポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリド、植物油、水添植物油、脂肪酸、およびステロールからなる群の少なくとも1つの要素を有するポリオールの親水性エステル交換生成物、ポリオキシエチレンステロール、それらの誘導体および類似体、ポリオキシエチル化ビタミンおよびそれらの誘導体、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ならびにそれらの混合物、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ならびにトリグリセリド、植物油、および水添植物油からなる群の少なくとも1つの要素を有するポリオールの親水性エステル交換生成物が含まれるが、これらに限定されない。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、または糖類であり得る。
【0284】
他の親水性非イオン性界面活性剤には、限定されないが、ラウリン酸PEG-10、ラウリン酸PEG-12、ラウリン酸PEG-20、ラウリン酸PEG-32、ジラウリン酸PEG-32、オレイン酸PEG-12、オレイン酸PEG-15、オレイン酸PEG-20、ジオレイン酸PEG-20、オレイン酸PEG-32、オレイン酸PEG-200、オレイン酸PEG-400、ステアリン酸PEG-15、ジステアリン酸PEG-32、ステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-100、ジラウリン酸PEG-20、トリオレイン酸PEG-25グリセリル、ジオレイン酸PEG-32、ラウリン酸PEG-20グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ステアリン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-40グリセリル、PEG-40パーム核油、PEG-50水添ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-35ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-60トウモロコシ油、PEG-6カプリン酸/カプリル酸グリセリド、PEG-8カプリン酸/カプリル酸グリセリド、ラウリン酸ポリグリセリル-10、PEG-30コレステロール、PEG-25フィトステロール、PEG-30大豆ステロール、トリオレイン酸PEG-20、オレイン酸PEG-40ソルビタン、ラウリン酸PEG-80ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE-9ラウリルエーテル、POE-23ラウリルエーテル、POE-10オレイルエーテル、POE-20オレイルエーテル、POE-20ステアリルエーテル、コハク酸PEG-100トコフェリル、PEG-24コレステロール、オレイン酸-10ポリグリセリル、Tween40、Tween60、モノステアリン酸スクロース、モノラウリン酸スクロース、モノパルチミン酸スクロース、PEG10-100ノニルフェノールシリーズ、PEG15-100オクチルフェノールシリーズ、およびポロキサマーが含まれる。
【0285】
好適な親油性界面活性剤には、単なる例として、脂肪アルコール、グリセロール脂肪酸エステル、アセチル化グリセロール脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ステロールおよびステロール誘導体、ポリオキシエチル化ステロールおよびステロール誘導体、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、糖エーテル、モノおよびジグリセリドの乳酸誘導体、グリセリド、植物油、水添植物油、脂肪酸、およびステロールからなる群の少なくとも1つの要素を有するポリオールの疎水性エステル交換生成物、油溶性ビタミン/ビタミン誘導体、ならびにそれらの混合物が含まれる。この群内で、好ましい親油性界面活性剤には、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびそれらの混合物を含むか、または植物油、水添植物油、およびトリグリセリドからなる群の少なくとも1つの要素を有するポリオールの疎水性エステル交換生成物が含まれる。
【0286】
一実施形態では、組成物は、本発明の化合物の良好な可溶化および/または溶解を確実にし、本発明の化合物の沈殿を最小限にするために可溶化剤を含み得る。これは、非経口使用のための組成物、例えば、注射用組成物にとって特に重要であり得る。可溶化剤を加えて、親水性薬物および/もしくは界面活性剤などの他の成分の溶解度を増加させるか、または組成物を安定したもしくは均質な溶液もしくは分散液として維持することもできる。
【0287】
好適な可溶化剤の例には、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、およびそれらの異性体などのアルコールおよびポリオール、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および他のセルロース誘導体、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体、テトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール)またはメトキシPEGなどの、約200~約6000の平均分子量を有するポリエチレングリコールのエーテル、2-ピロリドン、2-ピペリドン、ε-カプロラクタム、N-アルキルピロリドン、N-ヒドロキシアルキルピロリドン、N-アルキルピペリドン、N-アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミド、およびポリビニルピロリドンなどのアミドおよび他の窒素含有化合物、プロピオン酸エチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、酪酸エチル、トリアセチン、プロピレングリコールモノアセテート(propylene glycol monoacetate)、プロピレングリコールジアセテート(propylene glycol diacetate)、ε-カプロラクトンおよびその異性体、δ-バレロラクトンおよびその異性体、β-ブチロラクトンおよびその異性体などのエステル、ならびにジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド、N-メチルピロリドン、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、および水など、当該技術分野で知られている他の可溶化剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0288】
可溶化剤の混合物も使用され得る。例には、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、ポリエチレングリコール200~100、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、およびジメチルイソソルビドが含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい可溶化剤には、ソルビトール、グリセロール、トリアセチン、エチルアルコール、PEG-400、グリコフロール、およびプロピレングリコールが含まれる。
【0289】
含めることができる可溶化剤の量は、特に限定されない。所与の可溶化剤の量は、当業者によって容易に決定され得る生体許容量に制限され得る。状況によっては、例えば、蒸留または蒸発などの従来の技術を使用して対象に組成物を提供するまえに、過剰な可溶化剤を除去した状態で、薬物の濃度を最大化するために、生物学的許容量をはるかに超える可溶化剤の量を含めることは有益であり得る。したがって、存在する場合、可溶化剤は、薬物および他の賦形剤の組み合わせ重量に基づいて、重量比で、10重量%、25重量%、50重量%、100重量%、または最大約200重量%未満になり得る。所望される場合、5%未満、2%未満、1%以下などの非常に少量の可溶化剤も使用され得る。典型的には、可溶化剤は、約1重量%未満~約100重量%、より典型的には、約5重量%未満~約25重量%未満の量で存在し得る。
【0290】
組成物は、1つ以上の薬学的に許容される添加剤および賦形剤をさらに含み得る。そのような添加剤および賦形剤には、限定されないが、粘着防止剤、消泡剤、緩衝剤、ポリマー、抗酸化剤、防腐剤、キレート剤、粘調剤、等張化剤、香味剤、着色剤、着臭剤、乳白剤、懸濁剤、結合剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、およびそれらの混合物が含まれる。
【0291】
加えて、処理を容易にするため、安定性を高めるため、または他の理由で、酸または塩基を組成物に組み込むことができる。薬学的に許容される塩基の例には、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ハイドロカルサイト、水酸化マグネシウムアルミニウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)などが含まれる。また、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、パラブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸などの薬学的に許容される酸の塩である塩基も好適である。リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、およびリン酸二水素ナトリウムなどの多塩基酸の塩も使用され得る。塩基が塩である場合、カチオンは、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属などの任意の便利で薬学的に許容されるカチオンであり得る。例には、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、およびアンモニウムが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0292】
好適な酸は、薬学的に許容される有機酸または無機酸である。好適な無機酸の例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸などが含まれる。好適な有機酸の例には、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸などが含まれる。
【0293】
注射用の医薬組成物。
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の化合物および注射に好適な医薬賦形剤を含有する注射用の医薬組成物を提供する。組成物中の成分および薬剤の量は、本明細書に記載されているとおりである。
【0294】
本発明の新規組成物を注射による投与のために組み込むことができる形態には、ゴマ油、トウモロコシ油、綿実油、もしくはピーナッツ油、ならびにエリキシル、マンニトール、デキストロースを含む水性もしくは油性懸濁液もしくは乳濁液、または無菌水溶液、および同様の薬学的ビヒクルが含まれる。
【0295】
生理食塩水中の水溶液も、従来から注射に使用されている。エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど(およびそれらの好適な混合物)、シクロデキストリン誘導体、および植物油も用いられ得る。適切な流動性は、例えば、分散の場合に必要な粒子サイズを維持するために、レシチンなどのコーティングを使用することによって、かつ界面活性剤を使用することによって維持され得る。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらされ得る。
【0296】
無菌注射溶液は、本発明の化合物を必要量の適切な溶媒に、上記に列挙されるような様々な他の成分とともに組み込み、その後、必要に応じて濾過滅菌することによって調製される。一般に、分散液は、様々な滅菌活性成分を、基本的な分散媒および上記に列挙されるものからの必要な他の成分を含有する無菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。無菌注射溶液の調製のための無菌粉末の場合、特定の望ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これにより、活性成分の粉末+以前に無菌濾過したその溶液から任意の追加の所望の成分が得られる。
【0297】
局所(例えば、経皮)送達用の医薬組成物。
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の化合物および経皮送達に好適な医薬賦形剤を含有する経皮送達用の医薬組成物を提供する。
【0298】
本発明の組成物は、ゲル、水溶性ゼリー、クリーム、ローション、懸濁液、泡、粉末、スラリー、軟膏、溶液、油、ペースト、坐剤、スプレー、乳濁液、生理食塩水、ジメチルスルホキシド(DMSO)ベースの溶液などの局部または局所投与に好適な固体、半固体、または液体の形態の調製物に製剤化され得る。一般に、より高い密度の担体は、活性成分への長期の曝露を伴う領域を提供することができる。対照的に、溶液製剤は、選択された領域への活性成分のより迅速な曝露を提供することができる。
【0299】
医薬組成物はまた、皮膚の角質層透過性バリアを通過する治療分子の浸透を増加させることができるか、または治療分子の送達を助ける化合物である、好適な固相もしくはゲル相担体または賦形剤を含み得る。局所製剤の分野で訓練された人々に知られているこれらの浸透促進分子はたくさんある。
【0300】
そのような担体および賦形剤の例には、保湿剤(例えば、尿素)、グリコール(例えば、プロピレングリコール)、アルコール(例えば、エタノール)、脂肪酸(例えば、オレイン酸)、界面活性剤(例えば、ミリスチン酸イソプロピルおよびラウリル硫酸ナトリウム)、ピロリドン、グリセロールモノラウレート、スルホキシド、テルペン(例えば、メントール)、アミン、アミド、アルカン、アルカノール、水、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、ならびにポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
【0301】
本発明の方法で使用するための別の例示的な製剤は、経皮送達デバイス(「パッチ」)を用いる。そのような経皮パッチを使用して、別の薬剤の有無にかかわらず、本発明の化合物の制御された量での連続的または不連続的な注入を提供し得る。
【0302】
医薬品の送達のための経皮パッチの構築および使用は、当該技術分野でよく知られている。例えば、米国特許第5,023,252号、同第4,992,445号、および同第5,001,139号を参照されたい。そのようなパッチは、医薬品の連続的、拍動性、またはオンデマンド送達のために構築され得る。
【0303】
吸入用の医薬組成物。
吸入または吹送のための組成物には、薬学的に許容される水性もしくは有機溶媒、またはそれらの混合物中の溶液および懸濁液、ならびに粉末が含まれる。液体または固体の組成物は、上記に記載されるような好適な薬学的に許容される賦形剤を含有し得る。好ましくは、組成物は、局部的または全身的効果のために経口または経鼻呼吸経路によって投与される。好ましくは薬学的に許容される溶媒中の組成物は、不活性ガスを使用することによって噴霧され得る。噴霧された溶液は、噴霧デバイスから直接吸入され得るか、または噴霧デバイスは、フェイスマスクテント、もしくは間欠的陽圧呼吸器に取り付けられ得る。溶液、懸濁液、または粉末組成物は、適切な方法で製剤を送達するデバイスから、好ましくは経口的または経鼻的に投与され得る。
【0304】
他の医薬組成物。
医薬組成物はまた、本明細書に記載の組成物、および舌下、口腔、直腸、骨内、眼内、鼻腔内、硬膜外、または脊髄内投与に好適な1つ以上の薬学的に許容される賦形剤から調製され得る。そのような医薬組成物の調製は、当該技術分野でよく知られている。例えば、Anderson,Philip O.、Knoben,James E.、Troutman,William G,eds.,Handbook of Clinical Drug Data,Tenth Edition,McGraw-Hill,2002、Pratt and Taylor,eds.,Principles of Drug Action,Third Edition,Churchill Livingston,New York,1990、Katzung,ed.,Basic and Clinical Pharmacology,Ninth Edition,McGraw Hill,20037ybg、Goodman and Gilman,eds.,The Pharmacological Basis of Therapeutics,Tenth Edition,McGraw Hill,2001、Remingtons Pharmaceutical Sciences,20th Ed.,Lippincott Williams&Wilkins.,2000、Martindale,The Extra Pharmacopoeia,Thirty-Second Edition(The Pharmaceutical Press,London,1999)(これらのすべてが、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0305】
本発明の化合物または医薬組成物の投与は、作用部位への化合物の送達を可能にする任意の方法によって行うことができる。これらの方法には、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、血管内、腹腔内、または注入を含む)、局所的(例えば、経皮的適用)、直腸投与、カテーテルもしくはステントによる局部送達を介した投与、または吸入を通した投与が含まれる。化合物は、脂肪内または髄腔内に投与することもできる。
【0306】
投与される化合物の量は、治療される対象、障害または状態の重症度、投与速度、化合物の性質、および処方する医師の裁量に依存する。しかしながら、有効投与量は、単回または分割用量で、1日につき体重1kgあたり約0.001~約100mg、好ましくは、約1~約35mg/kg/日の範囲である。70kgのヒトの場合、これは、約0.05~7g/日、好ましくは、約0.05~約2.5g/日になる。場合によっては、前述の範囲の下限を下回る投与量レベルは、十分すぎる場合があるが、他の場合では、例えば、一日中投与するためにより大きい用量をいくつかの小容量に分割することによって、いかなる有害な副作用を引き起こさずにさらに多くの用量を用いることができる。
【0307】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、単回用量で投与される。
【0308】
典型的には、そのような投与は、薬剤を迅速に導入するために、注射、例えば、静脈内注射によるものであろう。しかしながら、必要に応じて、他の経路を使用することができる。本発明の化合物の単回用量はまた、急性状態の治療のために使用されてもよい。
【0309】
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、複数回用量で投与される。投薬は、1日あたり約1回、2回、3回、4回、5回、6回、または6回以上であり得る。投薬は、1か月に約1回、2週間ごとに1回、1週間に1回、または隔日であり得る。別の実施形態では、本発明の化合物および別の薬剤は、1日あたり約1回~1日あたり約6回一緒に投与される。別の実施形態では、本発明の化合物および薬剤の投与は、約7日未満継続される。さらに別の実施形態では、投与は、約6、10、14、28日、2か月、6か月、または1年以上継続される。場合によっては、継続的な投薬が達成され、必要な限り維持される。
【0310】
本発明の化合物の投与は、必要な限り継続され得る。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、1、2、3、4、5、6、7、14、または28日間を超えて投与される。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、28、14、7、6、5、4、3、2、または1日未満の間投与される。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、例えば、慢性効果の治療のために、継続的に慢性的に投与される。
【0311】
本発明の有効量の化合物は、直腸、口腔、鼻腔内、および経皮経路を含む同様の効用を有する薬剤の許容される投与様式のうちのいずれかによって、動脈内注射、静脈内、腹腔内、非経口、筋肉内、皮下、経口、局所投与で、または吸入剤として、単回または複数回用量のいずれかで投与され得る。
【0312】
本発明の組成物はまた、例えば、ステントなどの含浸もしくはコーティングされたデバイス、または動脈挿入円筒形ポリマーを介して送達されてもよい。そのような投与方法は、例えば、バルーン血管形成術などの手順に続く再狭窄の防止または改善を助けることができる。理論に拘束されないが、本発明の化合物は、再狭窄の一因となる動脈壁における平滑筋細胞の移動および増殖を遅延または阻害する可能性がある。本発明の化合物は、例えば、ステントのストラットから、ステントグラフトから、グラフトから、またはステントのカバーもしくはシースからの局部送達によって投与され得る。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、マトリックスと混合される。そのようなマトリックスは、ポリマーマトリックスであり得、化合物をステントに結合するのに役立ち得る。そのような使用に好適なポリマーマトリックスには、例えば、ポリラクチド、ポリカプロラクトングリコリド、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリアミノ酸、多糖類、ポリホスファゼン、ポリ(エーテル-エステル)コポリマー(例えば、PEO-PLLA)などのラクトンベースのポリエステルまたはコポリエステル、ポリジメチルシロキサン、ポリ(エチレン酢酸ビニル)、アクリレートベースのポリマーまたはコポリマー(例えば、ポリヒドロキシエチルメチルメタクリレート、ポリビニルピロリジノン)、ポリテトラフルオロエチレンおよびセルロースエステルなどのフッ素化ポリマーが含まれる。好適なマトリックスは、非分解性であり得るか、または経時的に分解し、化合物(複数可)を放出し得る。本発明の化合物は、浸漬/スピンコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、および/またはブラシコーティングなどの様々な方法によって、ステントの表面に適用され得る。化合物は、溶媒中で適用することができ、溶媒を蒸発させるため、ステント上に化合物の層を形成し得る。代替的に、化合物は、ステントまたはグラフトの本体、例えば、マイクロチャネルまたは微小孔に配置され得る。移植されると、化合物は、ステントの本体から拡散して動脈壁に接触する。そのようなステントは、そのような微小孔またはマイクロチャネルを含有するように製造されたステントを、好適な溶媒中の本発明の化合物の溶液に浸漬し、続いて溶媒を蒸発させることによって調製され得る。ステント表面の過剰な薬物は、追加の短時間の溶媒洗浄を介して除去され得る。さらに他の実施形態では、本発明の化合物は、ステントまたはグラフトに共有結合され得る。インビボで分解し、本発明の化合物の放出をもたらす共有リンカーを使用し得る。エステル、アミド、または無水物結合などの任意の生体不安定性結合を、このような目的に使用することができる。本発明の化合物は、追加的に、血管形成術中に使用されるバルーンから血管内に投与され得る。再狭窄を減少させるために、心膜を介した、または本発明の製剤の積極的な適用を介した化合物の血管外投与も行うことができる。
【0313】
記載されるように使用され得る様々なステントデバイスが、例えば、以下の参考文献:米国特許第5451233号、米国特許第5040548号、米国特許第5061273号、米国特許第5496346号、米国特許第5292331号、米国特許第5674278号、米国特許第3657744号、米国特許第4739762号、米国特許第5195984号、米国特許第5292331号、米国特許第5674278号、米国特許第5879382号、米国特許第6344053号に開示されており、それらのすべては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0314】
本発明の化合物は、投与量で投与され得る。化合物の薬物動態における対象間の変動性に起因して、投薬計画の個別化が最適な療法のために必要であることは、当該技術分野において知られている。本発明の化合物の投薬は、本開示に照らして日常的な実験によって見出され得る。
【0315】
本発明の化合物が1つ以上の薬剤を含む組成物で投与され、薬剤が本発明の化合物よりも短い半減期を有する場合、薬剤の単位剤形および本発明の化合物は、それに応じて調整され得る。
【0316】
主題の医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、丸薬、粉末、徐放性製剤、溶液、懸濁液としての経口投与に好適な形態、無菌溶液、懸濁液、もしくは乳濁液としての非経口注射に好適な形態、軟膏もしくはクリームとしての局所投与に好適な形態、または坐剤としての直腸投与に好適な形態であり得る。医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に好適な単位剤形であり得る。医薬組成物は、従来の医薬担体または賦形剤および本発明による化合物を活性成分として含むであろう。加えて、他の薬剤または医薬品、担体、アジュバントなどが含まれる場合がある。
【0317】
例示的な非経口投与形態には、無菌水溶液、例えば、水性プロピレングリコールまたはデキストロース溶液中の活性化合物の溶液または懸濁液が含まれる。そのような剤形は、所望される場合、好適に緩衝することができる。
【0318】
使用方法
本方法は、典型的には、本発明の化合物の治療的に有効な量を対象に投与することを含む。対象となる化合物の組み合わせの治療的に有効な量は、意図される用途(インビトロまたはインビボ)、または治療される対象および疾患の状態、例えば、対象の体重および年齢、疾患状態の重症度、投与方法などに依存して変化し得、これらは、当業者が容易に決定することができる。この用語は、標的細胞における特定の反応、例えば、増殖の低下または標的タンパク質の活性のダウンレギュレーションを誘導する用量にも適用される。特定の用量は、選択される特定の化合物、従うべき投薬計画、それが他の化合物と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、投与される組織、およびそれが運搬される物理的送達システムに依存して異なる。
【0319】
本明細書で使用される場合、「IC50」という用語は、生物学的または生化学的機能の阻害における阻害剤の最大阻害濃度の半分を指す。この定量的尺度は、所与の生物学的プロセス(またはプロセスの構成成分、すなわち、酵素、細胞、細胞受容体、または微生物)を半分に阻害するために必要な特定の阻害剤の量を示す。言い換えると、それは、物質の最大の半分(50%)の阻害濃度(IC)(50%のIC、またはIC50)である。EC50は、インビボで最大効果の50%未満を得るのに必要な血漿濃度を指す。
【0320】
いくつかの実施形態では、主題の方法は、インビトロアッセイで確認されるように、IC50値が所定の値と略同じか、またはそれ未満のPRMT5阻害剤を利用する。いくつかの実施形態では、PRMT5阻害剤は、約1nM以下、2nM以下、5nM以下、7nM以下、10nM以下、20nM以下、30nM以下、40nM以下、50nM以下、60nM以下、70nM以下、80nM以下、90nM以下、100nM以下、120nM以下、140nM以下、150nM以下、160nM以下、170nM以下、180nM以下、190nM以下、200nM以下、225nM以下、250nM以下、275nM以下、300nM以下、325nM以下、350nM以下、375nM以下、400nM以下、425nM以下、450nM以下、475nM以下、500nM以下、550nM以下、600nM以下、650nM以下、700nM以下、750nM以下、800nM以下、850nM以下、900nM以下、950nM以下、1μM以下、1.1μM以下、1.2μM以下、1.3μM以下、1.4μM以下、1.5μM以下、1.6μM以下、1.7μM以下、1.8μM以下、1.9μM以下、2μM以下、5μM以下、10μM以下、15μM以下、20μM以下、25μM以下、30μM以下、40μM以下、50μM、60μM、70μM、80μM、90μM、100μM、200μM、300μM、400μM、または500μM以下(または上記の任意の2つの数値によって定義され、それらを含む範囲内の数値)のIC50値でPRMT5aを阻害する。
【0321】
いくつかの実施形態では、PRMT5阻害剤は、1つ、2つ、または3つの他のPRMTに対するIC50値よりも、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、または1000倍(または上記の任意の2つの数値によって定義され、それらを含む範囲内の数値)小さいIC50値でPRMT5aを選択的に阻害する。
【0322】
いくつかの実施形態では、PRMT5阻害剤は、約1nM、2nM、5nM、7nM、10nM、20nM、30nM、40nM、50nM、60nM、70nM、80nM、90nM、100nM、120nM、140nM、150nM、160nM、170nM、180nM、190nM、200nM、225nM、250nM、275nM、300nM、325nM、350nM、375nM、400nM、425nM、450nM、475nM、500nM、550nM、600nM、650nM、700nM、750nM、800nM、850nM、900nM、950nM、1μM、1.1μM、1.2μM、1.3μM、1.4μM、1.5μM、1.6μM、1.7μM、1.8μM、1.9μM、2μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、40μM、50μM、60μM、70μM、80μM、90μM、100μM、200μM、300μM、400μM、または500μM(または上記の任意の2つの数値によって定義され、それらを含む範囲内)未満のIC50値でPRMT5aを選択的に阻害し、当該IC50値は、1つ、2つ、または3つの他のPRMTに対するIC50値よりも、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、または1000倍(または上記の任意の2つの数値によって定義され、それらの範囲内の数値)小さい。
【0323】
主題の方法は、PRMT5に関連する疾患状態を治療するために有用である。PRMT5の異常な活性または発現レベルから直接または間接的に生じる任意の疾患状態は、意図された疾患状態であり得る。
【0324】
PRMT5に関連する様々な疾患状態が報告されている。PRMT5は、例えば、様々なヒトの癌、ならびにいくつかの異常ヘモグロビン症に関与している。
【0325】
そのような状態の非限定的な例には、限定するものではないが、アカントーマ、腺房細胞癌、音響神経腫、末端黒皮質黒色腫、先天性白血病、急性好酸球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、成熟白血病、急性骨髄性樹状細胞白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、アダマンチノーマ、腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫、腺腫様歯原性腫瘍、副腎皮質癌、成人T細胞白血病、エイズ関連癌、エイズ関連リンパ腫、歯槽軟部肉腫、エナメル上皮線維腫、肛門癌、未分化大細胞リンパ腫、未分化甲状腺癌、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、虫垂癌、星状細胞腫、異型奇形腫、基底細胞がん、基底様がん、B細胞l白血病、B細胞リンパ腫、ベリーニ管癌、胆道癌、膀胱癌、芽細胞腫、骨癌、骨腫瘍、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、乳癌、ブレナー腫瘍、気管支腫瘍、細気管支肺胞癌、褐色腫瘍、バーキットリンパ腫、原発不明癌、カルチノイド腫瘍、癌、上皮内癌、陰茎癌、原発不明癌、癌肉腫、キャッスルマン病、中枢神経系胚芽腫瘍、小脳星細胞腫、脳星細胞腫、子宮頸癌、胆管癌、軟骨腫、軟骨肉腫、脊索腫、絨毛癌、脈絡叢乳頭腫、慢性リンパ性白血病、慢性単球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性疾患、慢性好中球性白血病、明細胞腫瘍、大腸癌、大腸癌、大腸癌、大腸癌デゴス病、隆起性皮膚線維肉腫、類皮嚢胞、線維形成性小円形細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、異形成性神経上皮腫瘍、胚性癌、内胚葉性洞腫瘍、子宮内膜癌、子宮内膜子宮癌、類内膜腫瘍、腸疾患関連T細胞リンパ腫、上衣芽細胞腫、上衣腫、類表皮癌、類上皮肉腫、赤白血病、食道癌、感覚神経芽細胞腫、ユーイングファミリー腫瘍(Ewing Family of Tumor)、ユーイングファミリー肉腫(Ewing Family Sarcoma)、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、乳房外パジェット病、卵管癌、封入奇形胎児、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、濾胞性甲状腺癌、胆嚢癌、胆嚢癌、神経節膠腫、神経節腫、胃癌、胃リンパ腫、胃腸癌、消化管カルチノイド、消化管間質腫瘍、消化管間質腫瘍、胚細胞腫瘍、胚細胞腫、妊娠性絨毛癌、妊娠性絨毛腫瘍、骨巨細胞腫、多形性神経膠芽細胞腫、神経膠腫、大脳神経膠腫症、グロームス腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、性腺芽細胞腫、顆粒膜細胞腫、有毛細胞白血病、頭頸部癌、頭頸部癌、心臓癌、b-サラセミアおよび鎌状赤血球症(SCD)などのヘモグロビン症、血管芽腫、血管周皮腫、血管肉腫、血液悪性腫瘍、肝細胞癌、肝脾T細胞リンパ腫、遺伝性乳卵巣癌症候群、ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、視床下部神経膠腫、炎症性乳癌、膵島細胞腫、膵島細胞腫、若年性骨髄単球性白血病、カポジ肉腫、カポジ肉腫、腎臓がん、クラスキン腫瘍、クルーケンバーグ腫瘍、喉頭がん、喉頭がん、悪性黒色腫、白血病、口唇腔がん、脂肪肉腫、肺がん、リンパ管腫、リンパ腫、リンパ腫、リンパ性白血病、リンパ腫、マクログロブリン血症、悪性線維性組織球腫、悪性線維性組織球腫、骨の悪性線維性組織球腫、悪性神経膠腫、悪性中皮腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、悪性ラブドイド腫瘍、悪性トリトン腫瘍、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肥満細胞白血病、肥満細胞症、縦隔胚細胞腫瘍、縦隔胚細胞腫瘍、甲状腺髄様がん、髄芽腫、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞がん、中皮腫、中皮腫、転移性扁平上皮性頸部がん、原発不明、転移性尿路上皮がん、多発性多発性腫瘍、単球性腫瘍、単球性白血病内分泌腫瘍形成症候群、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫、菌状息肉症、菌状息肉腫、骨髄異形成症、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、骨髄性肉腫、骨髄増殖性疾患、粘液腫、鼻腔癌、中咽頭癌、鼻咽頭癌、鼻咽頭癌、鼻咽頭癌、ニューロフィブローマ、神経腫、結節性黒色腫、非ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、非黒色腫皮膚癌、非小細胞肺癌、眼腫瘍、オリゴ星細胞腫、オリーブ細胞腫、腫瘍細胞腫、視神経鞘髄膜腫、口腔癌、口腔癌、中咽頭癌、骨肉腫、骨肉腫、卵巣癌、卵巣癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性腫瘍、乳房のパジェット病、パンコースト腫瘍、膵臓癌、膵臓癌、乳頭状甲状腺癌、乳頭腫、傍神経節腫副鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、血管周囲類上皮細胞腫瘍、咽頭がん、褐色細胞腫、中間分化の松果体実質腫瘍、松果体細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍、胸膜肺芽腫、多胚芽腫、前駆体腫瘍、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性胸水リンパ腫、原発性Hep原発細胞癌、原発性肝癌、原発性腹膜癌、原発性神経外胚葉性腫瘍、前立腺癌、偽粘液腫、直腸癌、腎細胞癌、NUT遺伝子に関与する呼吸器癌、15番染色体、網膜芽細胞腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、腺腫唾液腺がん、肉腫、神経鞘腫、皮脂腺がん、続発性新生物、セミノーマ、漿液性腫瘍、セルトリライディッヒ細胞腫瘍、性索間質腫瘍、セザリー症候群、印環細胞がん、皮膚がん、小青色円形細胞腫瘍、小細胞がん、小細胞肺がん、小細胞リンパ腫、小腸がん、軟部肉腫、ソマトスタチノーマ、すぼ、いぼ、脊髄腫瘍、脊髄腫瘍、脾臓辺縁帯リンパ腫、扁平上皮がん、胃がん、表在性黒色腫、テント上プリミティブ神経外胚葉性腫瘍、表面上皮間質腫瘍、滑膜肉腫、T細胞急性リンパ腫芽球性白血病、T細胞大顆粒リンパ球性白血病、T細胞白血病、T細胞リンパ腫、T細胞前リンパ球性白血病、奇形腫、末期リンパ癌、精巣癌、昏睡、咽頭癌、胸腺癌、胸腺腫、甲状腺癌、移行期腎盂と尿管の細胞がん、移行上皮がん、尿膜管がん、尿道がん、泌尿生殖器腫瘍、子宮肉腫、ブドウ膜黒色腫、膣がん、バーナーモリソン症候群、疣贅がん、視覚経路神経膠腫、外陰がん、ウォルデンストレームスマクログロブリン血症、ワルチン腫瘍、ウィルムス腫瘍、またはその任意の組み合わせ。
【0326】
いくつかの実施形態では、当該方法は、腫瘍血管新生、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患などの慢性炎症性疾患、乾癬、湿疹、および強皮症などの皮膚疾患、糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢性黄斑変性症、血管腫、神経膠腫、黒色腫、カポジ肉腫および卵巣癌、乳癌、肺癌、膵臓癌、前立腺癌、結腸癌、ならびに類上皮癌からなる群から選択される疾患を治療するためのものである。
【0327】
他の実施形態では、当該方法は、乳癌、肺癌、膵臓癌、前立腺癌、結腸癌、卵巣癌、子宮癌、または子宮頸癌から選択される疾患を治療するためのものである。
【0328】
他の実施形態では、当該方法は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病などの白血病、骨髄異形成、骨髄増殖性疾患、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、肥満細胞症、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、類表皮癌、またはb-サラセミアおよび鎌状赤血球症(SCD)などの異常ヘモグロビン症から選択される疾患を治療するためのものである。
【0329】
さらに他の実施形態では、当該方法は、CDKN2A欠失癌(CDKN2A deleted cancer)、9P欠失癌(9P deleted cancer)、MTAP欠失癌(MTAP deleted cancer)、神経膠芽腫、NSCLC、頭頸部癌、膀胱癌、または肝細胞癌から選択される疾患を治療するためのものである。
【0330】
本開示の化合物、ならびにそれらを含む医薬組成物は、単独で、または医学療法と組み合わせて、記載された疾患のうちのいずれかを治療するために投与され得る。医学療法には、例えば、手術および放射線療法(例えば、ガンマ線、中性子線放射線療法、電子線放射線療法、陽子線療法、近接照射療法、全身性放射性同位元素)が含まれる。
【0331】
他の態様では、本開示の化合物、ならびにそれらを含む医薬組成物は、単独で、または1つ以上の他の薬剤と組み合わせて、記載された疾患のうちのいずれかを治療するために投与され得る。
【0332】
他の方法では、本開示の化合物、ならびにそれらを含む医薬組成物は、核内受容体剤のアゴニストと組み合わせて投与され得る。
【0333】
他の方法では、本開示の化合物、ならびにそれらを含む医薬組成物は、核内受容体剤のアンタゴニストと組み合わせて投与され得る。
【0334】
他の方法では、本開示の化合物、ならびにそれらを含む医薬組成物は、抗増殖剤と組み合わせて投与され得る。
【0335】
他の態様では、本開示の化合物、ならびにそれらを含む医薬組成物は、単独で、または1つ以上の他の化学療法剤と組み合わせて、記載された疾患のうちのいずれかを治療するために投与され得る。他の化学療法剤の例としては、例えば、アバレリクス、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、オールトランス型レチノイン酸、アルトレタミン、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ボルテゾミブ、静脈内ブスルファン、経口ブスルファン、カルステロン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルテパリンナトリウム、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デニロイキン、デニロイキンジフチトクス、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エクリズマブ、エピルビシン、エルロチニブ、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、エキセメスタン、クエン酸フェンタニル、フィルグラスチム、フロクスリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、インターフェロンアルファ2a、イリノテカン、トシル酸ラパチニブ、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、酢酸ロイプロリド、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキセート、メトキサレン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、ネララビン、ノフェツモマブ(nofetumomab)、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸、パノビノスタット、パニツムマブ、ペガスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、プロカルバジン、キナクリン、ラスブリカーゼ、リツキシマブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、マレイン酸スニチニブ、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テストラクトン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリンスタット、およびゾレドロン酸、ならびにそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0336】
他の態様では、他の薬剤は、後成的調節因子を標的とする治療薬である。後成的調節剤の例には、例えば、ブロモドメイン阻害剤、ヒストンリジンメチルトランスフェラーゼ、ヒストンアルギニンメチルトランスフェラーゼ、ヒストンデメチラーゼ、ヒストンデアセチラーゼ、ヒストンアセチラーゼ、およびDNAメチルトランスフェラーゼ、ならびにそれらの任意の組み合わせが含まれる。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、いくつかの態様で好ましく、例えば、ボリノスタットが含まれる。
【0337】
治療される疾患が癌または別の増殖性疾患である他の方法では、本開示の化合物、ならびにそれらを含む医薬組成物は、標的療法剤と組み合わせて投与され得る。標的療法には、例えば、JAKキナーゼ阻害剤(例えば、ルキソリチニブ)、PI3キナーゼ阻害剤(PI3K-デルタ選択的および広域スペクトルPI3K阻害剤を含む)、MEK阻害剤、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、CDK4/6阻害剤)、BRAF阻害剤、mTOR阻害剤、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カーフィルゾミブ)、HDAC阻害剤(例えば、パノビノスタット、ボリノスタット)、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、デキサメタゾン、ブロモおよび余剰末端ファミリーメンバー(extra terminal family member)、BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ、アカラブルチニブ)、BCL2阻害剤(例えば、ベネトクラクス)、MCL1阻害剤、PARP阻害剤、FLT3阻害剤、およびLSD1阻害剤、ならびにそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0338】
治療される疾患が癌または別の増殖性疾患である他の方法では、本開示の化合物、ならびにそれらを含む医薬組成物は、免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与され得る。免疫チェックポイント阻害剤には、例えば、PD-1の阻害剤、例えば、抗PD-1モノクローナル抗体が含まれる。抗PD-1モノクローナル抗体の例には、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ(MK-3475としても知られている)、ピジリズマブ、SHR-1210、PDR001、およびAMP-224、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの態様では、抗PD1抗体は、ニボルマブである。いくつかの態様では、抗PD1抗体は、ペンブロリズマブである。いくつかの態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-L1の阻害剤、例えば、抗PD-L1モノクローナル抗体である。いくつかの態様では、抗PD-L1モノクローナル抗体は、BMS-935559、MEDI4736、MPDL3280A(RG7446としても知られている)、またはMSB0010718C、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの態様では、抗PD-L1モノクローナル抗体は、MPDL3280AまたはMEDI4736である。他の態様では、免疫チェックポイント阻害剤は、例えば、CTLA-4の阻害剤、および抗CTLA-4抗体である。いくつかの態様では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブである。
【0339】
治療される疾患が癌または別の増殖性疾患である他の方法では、本開示の化合物、ならびにそれらを含む医薬組成物は、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド(CY)、メルファラン(MEL)、およびベンダムスチン)、プロテアソーム阻害剤(例、カーフィルゾミブ)、コルチコステロイド剤(例えば、デキサメタゾン(DEX))、または免疫調節剤(例えば、レナリドマイド(LEN)またはポマリドマイド(POM))、またはそれらの任意の組み合わせと組み合わせて投与され得る。
【0340】
いくつかの実施形態では、治療される疾患は、自己免疫状態または炎症状態である。これらの態様では、本開示の化合物、ならびにそれらを含む医薬組成物は、例えば、トリアムシノロン、デキサメタゾン、フルオシノロン、コルチゾン、プレドニゾロン、またはフルメトロン、またはそれらの任意の組み合わせなどのコルチコステロイド剤と組み合わせて投与され得る。
【0341】
治療される疾患が自己免疫状態または炎症状態である他の方法では、本開示の化合物、ならびにそれらを含む医薬組成物は、例えば、フルオシノロンアセトニド(RETISERT(商標))、リメキソロン(AL-2178、VEXOL(商標)、ALCO(商標))、またはシクロスポリン(RESTASIS(商標))、またはそれらの任意の組み合わせなどの免疫抑制剤と組み合わせて投与され得る。
【0342】
いくつかの実施形態では、治療される疾患は、ベータサラセミアまたは鎌状赤血球症である。これらの態様では、本開示の化合物、ならびにそれらを含む医薬組成物は、例えば、HYDREA(商標)(ヒドロキシウレア)などの1つ以上の薬剤と組み合わせて投与され得る。
【0343】
以下に提供される実施例および調製物は、本発明の化合物およびそのような化合物を調製する方法をさらに例示および例示化する。本発明の範囲は、以下の実施例および調製物の範囲によって決して限定されないことが理解されるべきである。以下の実施例では、特に明記しない限り、単一のキラル中心を持つ分子は、ラセミ混合物として存在する。特に明記しない限り、2つ以上のキラル中心を持つ分子は、ジアステレオマーのラセミ混合物として存在する。単一の鏡像異性体/ジアステレオマーは、当業者に知られている方法によって得ることができる。
【0344】
本開示の化合物は、例えば、表Aで特定される化合物を含む。
【0345】
【表1-1】
【0346】
【表1-2】
【0347】
【表1-3】
【0348】
【表1-4】
【0349】
【表1-5】
【0350】
【表1-6】
【0351】
【表1-7】
【0352】
【表1-8】
【0353】
【表1-9】
【0354】
【表1-10】
【0355】
【表1-11】
【0356】
【表1-12】
【0357】
【表1-13】
【0358】
【表1-14】
【0359】
【表1-15】
【0360】
【表1-16】
【0361】
【表1-17】
【0362】
【表1-18】
【0363】
【表1-19】
【0364】
【表1-20】
【0365】
【表1-21】
【0366】
【表1-22】
【0367】
【表1-23】
【0368】
実験手順
実施例1A。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-((R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例1A)
【0369】
【化29】
【0370】
ステップ1。(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)メトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(1Ab)の合成
(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)メタノール(1Aa、5.0g、22.58mmol)のDMF(10mL)溶液に、TBSCl(10.21g、67.73mmol)およびイミダゾール(3073.9mg、45.15mmol)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。TLC(PE:EA=10:1、R=0.8)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、混合物をEA(50mL×3)で抽出した後、有機層を食塩水(100mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮し、シリカクロマトグラフィーカラム(100~200メッシュサイズ、PE:EA=200:1~100:1)によって精製された粗生成物を得て、無色の油として(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)メトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(5.0g、14.9mmol、66%の収率)を得た。
【0371】
ステップ2。[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]メタノン(1Ae)の合成
(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)メトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(1Ab、4.3g、12.80mmol)のTHF(50mL)溶液に、ブチルリチウム(0.6g、9.10mmol)を-78℃のN下で加えた。混合物を-78℃で10分間撹拌して、1Acを得た。(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-N-メトキシ-N,2,2-トリメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-カルボキサミド(1Ad、1.4g、3.70mmol)のTHF(50mL)溶液を加えた。混合物を-78℃で30分間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を飽和NHCl溶液(50mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(40mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮し、シリカクロマトグラフィーカラム(100~200メッシュサイズ、PE:EA=20:1~10:1)によって精製された粗生成物を得て、淡黄色の油として[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]メタノン(1Ae、1.3g、2.20mmol、61.4%の収率)を得た。LCMS[M+H]:578.2。
【0372】
ステップ3。(R)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]メタノール(1Af)の合成
[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]メタノン(1Ae、50mg、0.11mmol)のトルエン(5mL)溶液に、水素化ジイソブチルアルミニウム(24.6mg、0.20mmol)を加えた。反応混合物を-78℃のN下で0.5時間撹拌した。TLC(PE:EA=3:1、R=0.3)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を水(10mL×3)の食塩水(10mL×3)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物を得、これをシリカクロマトグラフィーカラム(100~200メッシュサイズ、PE:EA=10:1~5:1)によって精製して、淡黄色の固体として(R)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]メタノール(1Af、50mg、0.10mmol、99.7%の収率)を得た。
【0373】
ステップ4。(R)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メタノール(1Ag)の合成
(R)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]メタノール(1Af、50mg、0.10mmol)のDMSO(12mL)およびメタノール(0.2mL)溶液に、CsF(39.3mg、0.3mmol)を加え、反応混合物を25℃で0.5時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を濾過し、HO(中性条件)中のCHCNで10%~55%まで溶出する逆相コンビフラッシュ(combi-flash)によって精製し、淡黄色の油として(R)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メタノール(1Ag、30mg、0.1mmol、71.7%の収率)を得た。LCMS[M+H]:466.1。
【0374】
ステップ5。7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(1Ah)の合成
(R)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メタノール(100.0mg、0.21mmol)のTHF(20mL)溶液に、25℃でピリジン(0.02mL、0.21mmol)を加え、次に、25℃でトリブチルホスフィン(0.1mL、0.42mmol)を加え、続いて、DIAD(0.1mL、0.52mmol)を加えた。反応物を25℃のN下で4時間撹拌した。TLC(PE:EA=1:1、R=0.4)は、反応が完了したことを示した。混合物を真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカクロマトグラフィーカラム(100~200メッシュサイズ、PE:EA=10:1~1:1)によって精製して、淡黄色の油として7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(1Ah、80.0mg、0.2mmol、83.2%の収率)を得た。
【0375】
ステップ6。7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(1Ai)の合成
7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(1Ah、80.0mg、0.2mmol)の1,4-ジオキサン(3mL)およびNHO(3mL、77.9mmol)溶液を、120℃のオートクレーブ内で16時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。混合物を真空で濃縮して粗生成物を得、これをHO(中性条件)中のCHCNで10%~95%まで溶出する逆相コンビフラッシュ(reversed-phase combi-flash)によって精製し、淡黄色固体として7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(1Ai、45.0mg、0.11mmol、58.8%の収率)を得た。LCMS[M+H]:429.1。
【0376】
ステップ7。(実施例1A)の合成
7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(1Ai、45.0mg、0.10mmol)の水(3mL)およびTFA(3mL、33.30mmol)の溶液を25℃で1時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮し、HO中のCHCNで10%~95%まで溶出する分取HPLC(0.1%のNHO)によって精製し、白色の固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例1A、6.0mg、0.02mmol、14.5%の収率)を得た。LCMS[M+H]:389.1。H NMR(400M Hz、DMSO-d):δ8.06(s、1H)、7.42(s、1H)、7.34~7.35(d、J=4.0Hz、1H)、7.29~7.32(m、1H)、7.22~7.24(m、1H)、7.03(s、2H)、6.64(d、J=3.6Hz、1H)、6.14~6.16(d、J=7.6Hz、1H)、5.34~5.36(m、1H)、5.27~5.28(d、J=6.4Hz、1H)、5.19~5.20(d、J=4.0Hz、1H)、5.04~5.12(m、2H)、4.51~4.56(m、1H)、4.05~4.06(m、1H)、3.93~3.95(m、1H)。H NMR(400MHz、DMSO-d6+D2O):δ8.07(s、1H)、7.43(s、1H)、7.34~7.35(d、J=3.6Hz、1H)、7.30~7.33(m、1H)、7.23~7.25(m、1H)、6.65~6.66(d、J=3.6Hz、1H)、6.14~6.16(d、J=7.6Hz、1H)、5.35~5.36(m、1H)、5.08~5.10(m、2H)、4.51~4.54(m、1H)、4.07~4.09(m、1H)、3.93~3.94(m、1H)。
【0377】
実施例1B。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-((S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例1B)の合成
【0378】
【化30】
【0379】
ステップ1。(1Ba)の合成
[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]メタノン(1Ae、630mg、1.10mmol)のメタノール(5mL)溶液に、NaBH(82.4mg、2.20mmol)を加え、混合物を25℃で1時間撹拌した。TLC(PE:EA=1:1、R=0.4)は、出発材料が消費されたことを示した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を飽和NHCl溶液(50mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(40mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカクロマトグラフィーカラム(100~200メッシュサイズ、PE:EA=10:1~5:1)によって精製して、淡黄色の油として(R)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]メタノール(1Af、10.0mg、0.02mmol、1.6%の収率)および(S)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]メタノール(1Ba)、520mg、0.9mmol、82.3%の収率)を得た。
【0380】
ステップ2。(S)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メタノール(1Bb)の合成
(S)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]メタノール(1Ba、520mg、0.90mmol)のDMSO(5mL)およびメタノール(0.1mL)溶液に、CsF(408.2mg、2.70mmol)を加え、反応混合物を25℃で1時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を濾過し、HO(中性条件)中のCHCNで10%~95%まで溶出する逆相コンビフラッシュによって精製し、白色の固体として(S)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メタノール(1Bb,300mg、0.64mmol、71.8%の収率)を得た。LCMS[M+H]:466.1。
【0381】
ステップ3。7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(1Bc)の合成
(S)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メタノール(1Bb、250mg、0.5mmol)のTHF(5mL))溶液に、ピリジン(0.04mL、0.50mmol)、トリブチルホスフィン(0.3mL、1.10mmol)、およびDIAD(0.2mL、1.10mmol)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。TLC(PE:EA=3:1、R=0.4)は、反応が完了したことを示した。混合物を真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカクロマトグラフィーカラム(100~200メッシュサイズ、PE:EA=50:1~20:1)によって精製して、白色の固体として7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(1Bc、180.0mg、0.4mmol、74.9%の収率)を得た。
【0382】
ステップ4。7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(1Bd)の合成
7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(1Bc、180mg、0.40mmol)の1,4-ジオキサン(5mL)溶液に、NHO(5mL、129.81mmol)を加え、反応混合物を25℃のオートクレーブ内で16時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。混合物を真空で濃縮して粗生成物を得、これをHO(中性条件)中のCHCNで10%~90%まで溶出する逆相コンビフラッシュによって精製し、白色の固体として7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(1Bd、140mg、0.32mmol、81.3%の収率)を得た。LCMS[M+H]:429.1。
【0383】
ステップ5。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオールハイドロクロライド(実施例1B)の合成
7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(1Bd、180mg、0.40mmol)の水(5mL)およびTFA(5mL、67.31mmol)の溶液を25℃で1時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮し、HO中のCHCNで10%~95%まで溶出する分取HPLC(0.1%のNHO)によって精製し、1mLのHCl(1M)を加え、凍結乾燥して、淡黄色の固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1S)-5-クロロ-1,3- ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオールハイドロクロライド(実施例1B、45.1mg、0.10mmol、25.1%の収率)を得た。LCMS[M+H]:389.1。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ13.89(s、1H)、9.45(s、1H)、8.50(s、1H)、8.36(s、1H)、7.54~7.55(d、J=3.6Hz、1H)、7.30~7.39(m、3H)、7.01~7.02(d、J=3.6Hz、1H)、6.08~6.09(d、J=4.8Hz、1H)、5.39(s、1H)、4.97~5.05(m、2H)、4.32~4.38(m、3H)。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO):δ8.37(s、1H)、7.55~7.56(d、J=3.6Hz、1H)、7.37~7.39(m、1H)、7.30~7.33(m、2H)、7.01~7.02(d、J=3.6Hz、1H)、6.08~6.10(d、J=7.2Hz、1H)、5.39(s、1H)、5.00~5.05(m、2H)、4.32~4.39(m、3H)。
【0384】
実施例2A。(1R,2S,3R,5S)-3-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-((R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール(実施例2A)の合成
【0385】
【化31】
【0386】
ステップ1。[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]メタノール(2Ab)の合成
(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)メトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(1Ab、1826.0mg、5.44mmol)のTHF(20mL)溶液に、-78℃でブチルリチウム(2.8mL、5.44mmol)を加えた。反応混合物を-78℃で0.5時間撹拌した。次に、(3aS,4R,6S,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-カルバルデヒド(2Aa、1750mg、5.44mmol)を混合物に加えた。反応混合物を-78℃で1時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応物をHO(30mL)でクエンチし、酢酸エチル(60mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカクロマトグラフィーカラム(PE:EA=3:1)によって精製して、[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]メタノール(2Ab、360.0mg、0.62mmol、11.4%の収率)を得た。LCMS[M+H]:578.2。
【0387】
ステップ2。(2Ac)および(2Ad)の合成
[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]メタノール(2Ab、360mg、0.62mmol)のTHF(5mL)溶液に、0℃でTBAF(0.62mL、THF中に1N、0.62mmol)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。混合物に、酢酸エチル(50mL)を加え、これをHO(20mL×3)および食塩水(30mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空で濃縮して粗生成物を得、これを分取TLC(PE:EA=3:1)によって精製して、(S)-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ-[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メタノール(2Ac、42.0mg、0.09mmol、14.5%の収率)および(R)-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メタノール(2Ad、55.0mg、0.12mmol、19.0%の収率)を得た。LCMS[M+H]:464.1。
【0388】
ステップ3。7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(2Ae)の合成
(R)-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メタノール(2Ad、100mg、0.22mmol)のTHF(5mL)溶液に、PPh(56.5mg、0.22mmol)を加え、次に、DIAD(0.04mL、0.22mmol)を加え、混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮して粗生成物を得、これを分取TLC(PE:EA=3:1)によって精製して、7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン(2Ae、70mg、0.16mmol、72.8%の収率)を得た。LCMS[M+H]:446.2。
【0389】
ステップ4。7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2Af)の合成
7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(2Ae、90mg、0.20mmol)の1,4-ジオキサン(3mL)溶液に、アンモニア水和物(3mL、0.60mmol)を加え、次に、混合物を密封し、120℃で16時間撹拌した。LCMSは、混合物が完全であることを示した。反応混合物を真空で濃縮し、酢酸エチル(100mL)を加え、食塩水(60mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、真空で濃縮して、7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2Af、90mg、0.18mmol、92.0%の収率)を得た。LCMS[M+H]:427.1。
【0390】
ステップ5。(1R,2S,3R,5S)-3-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール(実施例2A)の合成
7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2Af、70mg、0.16mmol)の水溶液(2mL)に、TFA(0.9mL、11.45mmol)を加え、反応混合物を30℃で0.5時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。混合物を、HO中のCHCN(0.1%のNHOH)で5%~95%まで溶出する分取HPLCによって精製し、白色の固体として(1R,2S,3R,5S)-3-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール(実施例2A、30mg、0.08mmol、47%の収率)を得た。LCMS[M+H]:387.3。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO):δ8.00(s、1H)、7.31~7.37(m、3H)、7.15~7.16(m、1H)、6.52~6.53(m、1H)、5.41~5.42(m、1H)、5.10~5.14(m、1H)、4.99~5.03(m、1H)、4.78~4.85(m、1H)、4.18~4.21(m、1H)、4.04~4.06(m、1H)、2.47~2.50(m、1H)、1.71~1.79(m、1H)、1.33~1.40(m、1H)。
【0391】
実施例2B。(1R,2S,3R,5S)-3-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-((S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール(実施例2B)の合成
【0392】
【化32】
【0393】
ステップ1。7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(2Ba)の合成
(S)-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メタノール(2Ac、90mg、0.19mmol)のTHF(4mL)溶液に、PPh(101.7mg、0.39mmol)およびDIAD(0.11mL、0.39mmol)を加えた。混合物を25℃のN下で16時間撹拌した。TLC(PE:EA=3:1、R=0.4)は、反応が完了したことを示した。混合物を真空で濃縮して粗生成物を得、これを分取TLC(PE:EA=3:1)によって精製して、7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン(2Ba、70mg、0.16mmol、80.9%の収率)を得た。LCMS[M+H]:446.2。
【0394】
ステップ2。7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2Bb)の合成
7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(2Ba、70mg、0.16mmol)の1,4-ジオキサン(3.5mL)溶液に、アンモニア水和物(3.5mL、0.47mmol)を加えた。混合物を密封し、120℃で16時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。混合物を真空で濃縮して、7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2Bb、60mg、0.09mmol、59.2%の収率)を得た。LCMS[M+H]:427.1。
【0395】
ステップ3。(1R,2S,3R,5S)-3-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール(実施例2B)の合成
7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2Bb、60mg、0.09mmol)の水溶液(2mL)に、TFA(1mL、13.0mmol)を加えた。反応混合物を30℃で0.5時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。HO中のCHCNで10%~95%まで溶出する反応混合物を分取HPLC(0.1%のNHO)によって精製し、白色の固体として(1R,2S,3R,5S)-3-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1S)-5-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]シクロペンタン-1,2-ジオール(実施例2B、27mg、0.07mmol、76.1%の収率)を得た。LCMS[M+H]:387.1。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO):δ8.03(s、1H)、7.41~7.42(m、1H)、7.34~7.36(m、2H)、7.21~7.22(m、1H)、6.57~6.58(m、1H)、5.21~5.22(m、1H)、4.97~5.07(m、2H)、4.86~4.91(m、1H)、4.16~4.191(m、1H)、3.65~3.66(m、1H)、2.38~2.43(m、1H)、2.25~2.32(m、1H)、1.75~1.83(m、1H)。
【0396】
実施例3A。(S)-3-((1S,2R,3S,4R)-4-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,3-ジヒドロキシシクロペンチル)-6-クロロイソベンゾフラン-1(3H)-オン(実施例3A)の合成
【0397】
【化33】
【0398】
ステップ1。(3R)-3-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オン(3Ac)および(3S)-3-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オン(3Ad)の合成
5-クロロ-2-ヨード安息香酸(3Ab、829.3mg、2.80mmol)のTHF(15mL)溶液に、-20℃でイソプロピルマグネシウムクロライド(2.2mL、2.80mmol)を加え、溶液を-20℃で2時間撹拌した。THF(10mL)中の(3aS,4R,6S,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-カルバルデヒド(3Aa、900mg、2.80mmol)を混合物に加え、0℃で2時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物にHO(30mL)および酢酸エチル(60mL)を加えた。有機層をHO(30mL)および食塩水(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカクロマトグラフィーカラム(PE:EA=6:1)によって精製して、(3R)-3-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オン(3Ac、330mg、0.72mmol、25.6%の収率)および(3S)-3-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オン(3Ad、270.0mg、0.59mmol、21.0%の収率)を得た。LCMS[M+H]:460.0。
【0399】
ステップ2。(3S)-3-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オン(3Ae)の合成
(3S)-3-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オン(3Ad、170mg、0.37mmol)の1,4-ジオキサン(5mL)溶液に、tert-ブチルカルバメート(86.5mg、0.74mmol)、キサントホス(32.1mg、0.06mmol)、およびPd(dba)(13.5mg、0.01mmol)を加えた。混合物を80℃のN下で16時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を濾過し、真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカクロマトグラフィーカラム(DCM:CHOH=30:1)によって精製して、(3S)-3-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オン(3Ae、100mg、0.23mmol、61.4%の収率)を得た。LCMS[M+H]:441.2。
【0400】
ステップ3。(3S)-3-[(1S,2R,3S,4R)-4-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オンハイドロクロライド(実施例3A)の合成
(3S)-3-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オン(3Ae、100mg、0.23mmol)の水溶液(3mL)に、TFA(1.5mL、19.47mmol)を加えた。反応混合物を30℃で0.5時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。混合物をHO中のCHCN(0.1%のTFA)で5%~9%まで溶出する分取HPLCによって精製し、HCl(1mL、2N)を加え、凍結乾燥して、白色固体として(3S)-3-[(1S,2R,3S,4R)-4-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オンハイドロクロライド(実施例3A、15mg、0.03mmol、15.1%の収率)を得た。LCMS[M+H]:401.1。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO):δ8.35(s、1H)、7.94~7.95(m、1H)、7.86~7.88(m、1H)、7.74~7.76(m、1H)、7.65~7.66(m、1H)、6.98~6.99(m、1H)、5.78~5.79(m、1H)、4.93~5.00(m、1H)、4.14~4.18(m、1H)、3.54~3.56(m、1H)、2.68~2.69(m、1H)、2.38~2.46(m、1H)、1.95~2.03(m、1H)。
【0401】
実施例3B。(R)-3-((1S,2R,3S,4R)-4-(4-アミノ-6H-7l4-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,3-ジヒドロキシシクロペンチル)-6-クロロイソベンゾフラン-1(3H)-オン(実施例3B)の合成
【0402】
【化34】
【0403】
ステップ1。tert-ブチルN-[7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-3-オキソ-1H-イソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]カルバメート(3Ba)の合成
(3R)-3-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オン(3Ac、230mg、0.50mmol)の1,4-ジオキサン(6mL)溶液に、tert-ブチルカルバメート(117.1mg、1.00mmol)、キサントホス(43.4mg、0.07mmol)、およびPd(dba)(18.3mg、0.02mmol)を加えた。混合物を80℃のN下で16時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を濾過し、真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカクロマトグラフィーカラム(DCM:CHOH=30:1)によって精製して、tert-ブチルN-[7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-3-オキソ-1H-イソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]カルバメート(3Ba、100mg、0.18mmol、37%の収率)を得た。LCMS[M+H]:541.2。
【0404】
ステップ2。(3R)-3-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オン(3Bb)の合成
tert-ブチルN-[7-[(3aS,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-5-クロロ-3-オキソ-1H-イソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]カルバメート(3Ba、100mg、0.18mmol)のDCM(3mL)溶液に、TFA(3mL、38.94mmol)を加えた。反応混合物を25℃で0.5時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を真空で濃縮して、粗(3R)-3-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オン(3Bb)を得、これを直接次のステップで使用した。LCMS[M+H]:441.1。
【0405】
ステップ3。(3R)-3-[(1S,2R,3S,4R)-4-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オンハイドロクロライド(実施例3B)の合成
(3R)-3-[(3aS,4R,6R,6aR)-4-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-4,5,6,6a-テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-6-イル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オン(3Bb、70mg、0.16mmol)の水溶液(3mL)に、TFA(1.4mL、18.2mmol)を加えた。反応混合物を30℃で0.5時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。混合物をHO中のCHCN(0.1%のTFA)で5%~95%まで溶出する分取HPLCによって精製し、HCl(1mL、2N)を加え、凍結乾燥して、白色の固体として(3R)-3-[(1S,2R,3S,4R)-4-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,3-ジヒドロキシ-シクロペンチル]-6-クロロ-3H-イソベンゾフラン-1-オンハイドロクロライド(実施例3B、14.0mg、0.03mmol、19.0%の収率)を得た。LCMS[M+H]:401.3。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO):δ8.30(s、1H)、7.80~7.90(m、3H)、7.48~7.49(m、1H)、6.93~6.94(m、1H)、5.94~5.95(m、1H)、4.83~4.89(m、1H)、4.24~4.27(m、1H)、4.15~4.18(m、1H)、2.68~2.76(m、1H)、1.73~1.80(m、1H)、1.18~1.26(m、1H)。
【0406】
実施例5。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-((R)-6-クロロ-1,3)-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例5)の合成
【0407】
【化35】
【0408】
ステップ1。(2-ブロモ-4-クロロ-フェニル)メトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(5b)の合成
(2-ブロモ-4-クロロ-フェニル)メタノール(5a、5.0g、22.58mmol)およびイミダゾール(3.07g、45.15mmol)のDMF(10mL)混合物に、0℃でTBSCl(5.10g、33.86mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。TCL(PE:EA=10:1、R=0.7)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、次に、有機層を食塩水(100mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカクロマトグラフィーカラム(100~200メッシュサイズ、PE:EA=200:1~100:1)上で精製して、無色の油として(2-ブロモ-4-クロロ-フェニル)メトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(5b、6.80g、18.23mmol、80.7%の収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ7.70(s、1H)、7.49(s、2H)、4.66(s、2H)、0.91(s、9H)、0.10(s、6H)。
【0409】
ステップ2。[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-5-クロロ-フェニル]メタノン(5d)の合成
(2-ブロモ-4-クロロ-フェニル)メトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(5b,6.74g、20.06mmol)のTHF(50mL)溶液に、-78℃のN下でブチルリチウム(8.6mL、13.79mmol)を加えた。得られた5cの溶液を-78℃のN下で10分間撹拌した。(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-N-メトキシ-N,2,2-トリメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-カルボキサミド(1Ad、2.4g、6.27mmol)のTHF(50mL)溶液を加え、混合物を-78℃のN下で30分間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を飽和NHCl溶液(50mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(40mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカクロマトグラフィーカラム(100~200メッシュサイズ、PE:EA=20:1~10:1)によって精製して、淡黄色の油として[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-5-クロロ-フェニル]メタノン(5d、3.36g、5.81mmol、92.6%の収率)を得た。LCMS[M+H]:578.1。
【0410】
ステップ3。(R)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-5-クロロ-フェニル]メタノール(5e)の合成
[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-5-クロロ-フェニル]メタノン(5d、3.3g、5.71mmol)のトルエン(100mL)溶液に、-78℃のN下で水素化ジイソブチルアルミニウム(9.5mL、14.26mmol)を加えた。反応混合物を-78℃のN下で0.5時間撹拌した。TLC(PE:EA=3:1、R=0.3)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を水(10mL×3)および食塩水(10mL×3)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物を得、これをシリカクロマトグラフィーカラム(100~200メッシュサイズ、PE:EA=10:1~8:1)によって精製して、白色の固体として(R)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-5-クロロ-フェニル]メタノール(5e、1.8g、2.67mmol、46.7%の収率)得た。LCMS[M+H]:580.2。
【0411】
ステップ4。(R)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[5-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メタノール(5f)の合成
(R)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-5-クロロ-フェニル]メタノール(5e、1.8g、3.10mmol)のDMSO(12mL)およびメタノール(0.2mL)溶液に、CsF(1.2g、9.3mmol)を加えた。反応混合物を25℃で4時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を濾過し、HO(中性条件)中のCHCNで10%~95%まで溶出する逆相コンビフラッシュによって精製し、白色の固体として(R)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[5-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メタノール(5f、560mg、1.19mmol、38.3%の収率)を得た。LCMS[M+H]:466.1。
【0412】
ステップ5。7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(5g)の合成
(R)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4、6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[5-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]メタノール(5f、510mg、1.09mmol)のTHF(15.0mL))溶液に、ピリジン(0.1mL、1.09mmol)、トリブチルホスフィン(0.6mL、2.19mmol)、およびDIAD(0.2mL、2.3mmol)を加えた。反応混合物を25℃で2時間撹拌した。TLC(PE:EA=3:1、R=0.4)は、反応が完了したことを示した。混合物を真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカクロマトグラフィーカラム(100~200メッシュサイズ、PE:EA=20:1~10:1)によって精製して、白色の固体として7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(5g、350mg、0.78mmol、71.4%の収率)を得た。LCMS[M+H]:448.1。
【0413】
ステップ6。7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(5h)の合成
7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(5g、48.1mg、0.11mmol)、1,4-ジオキサン(0.5mL)、およびNH・HO(0.5mL、12.98mmol)の混合物を120℃のオートクレーブ内で16時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。混合物を真空で濃縮して、白色の固体として7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(5h、50mg、0.10mmol、94.6%の収率)を得た。LCMS[M+H]:429.1。
【0414】
ステップ7。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例5)の合成
7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(5h、50mg、0.12mmol)、水(0.5mL)、およびTFA(0.8mL、9.06mmol)の混合物を40℃で16時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮し、HO中のCHCNで10%~95%まで溶出する分取HPLC(0.1%のNH・HO)によって精製し、白色の固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例5、19.5mg、0.05mmol、42.9%の収率)を得た。LCMS[M+H]:389.1。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.07(s、1H)、7.37(s、3H)、7.30(s、1H)、7.03(br、2H)、6.65(d、J=3.6Hz、1H)、6.16(d、J=7.6Hz、1H)、5.36(d、J=2.0Hz、1H)、5.26(d、J=7.2Hz、1H)、5.19(d、J=4.0Hz、1H)、5.04~5.13(m、2H)、4.52(dd、J=7.2Hz、J=5.2Hz、1H)、4.11(d、J=4.8Hz、1H)、3.93(t、J=4.4Hz、1H)。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO):δ8.07(s、1H)、7.37(s、3H)、7.29(s、1H)、6.66(d、J=3.6Hz、1H)、6.15(d、J=3.6Hz、1H)、5.37(br、1H)、5.04~5.13(m、2H)、4.52(dd、J=2.0Hz、J=5.2Hz、1H)、4.11(d、J=5.2Hz、1H)、3.93(d、J=4.8Hz、1H)。
【0415】
実施例15。(2S,3S,4R,5R)-2-((R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル)-5-(4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例15)の合成
【0416】
【化36】
【0417】
ステップ1。7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-メチル-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(15a)の合成
7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-クロロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(5g、200.0mg、0.45mmol)のTHF(5mL))溶液に、25℃でジメチル亜鉛(4.5mL、4.46mmol)を加えた。反応混合物を80℃で2時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO(水溶液)でクエンチし、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機層を食塩水(50mL×3)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、褐色の固体として7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-メチル-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(15a、206mg、0.40mmol、90.6%の収率)を得た。LCMS[M+H]:428.1。
【0418】
ステップ2。(2S,3S,4R,5R)-2-[(1R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-5-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例15)の合成
7-[(3aR,4R,6R,6aR)-6-[(1R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]-4-メチル-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(15a、106mg、0.25mmol)、水(0.5mL)、およびTFA(0.8mL、8.33mmol)の混合物を40℃で2時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を濾過し、HO中のCHCNで10%~95%まで溶出する分取HPLC(0.1%のNHO)によって精製し、白色の固体として(2S,3S,4R,5R)-2-[(1R)-6-クロロ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル]-5-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例15、36.6mg、0.09mmol、37.1%の収率)を得た。LCMS[M+H]:388.1。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.67(s、1H)、7.78(d、J=3.6Hz、1H)、7.38(s、2H)、7.31(s、1H)、6.83(d、J=3.6Hz、1H)、6.29(d、J=7.2Hz、1H)、5.33~5.40(m、3H)、5.06~5.15(m、2H)、4.55~4.58(m、1H)、4.18(d、J=4.8Hz、1H)、3.93(d、J=4.8Hz、1H)、2.68(s、3H)。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO):δ8.67(s、1H)、7.77(d、J=4.0Hz、1H)、7.38(s、2H)、7.31(s、1H)、6.84(d、J=4.0Hz、1H)、6.29(d、J=3.2Hz、1H)、5.39(br、1H)、5.06~5.16(m、2H)、4.55~4.58(m、1H)、4.18(d、J=4.0Hz、1H)、3.93(d、J=3.2Hz、1H)、2.68(s、3H)。
【0419】
実施例22。(2S,3S,4R,5R)-2-((R)-6-クロロイソクロマン-1-イル)-5-(4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例22)の合成
【0420】
【化37】
【0421】
ステップ1。2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)エタノール(22a)の合成
2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)酢酸(20.0g、80.16mmol)のTHF(200mL)溶液に、THF(240.49mL、240.49mmol)中のボランを加え、混合物を40℃で8時間撹拌した。混合物を0℃でMeOHでクエンチし、濃縮して、EA(400mL×2)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濃縮し、CHCN/HO(中性)で5/95~95/5で溶出するコンビフラッシュによって精製して、無色の油として22b(18.1g、76.854mmol、95.9%の収率)を得た。LCMS[M-18]:217.0/219.0。
【0422】
ステップ2。2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)エトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(22b)の合成
22a(18.1g、76.85mmol)のDMF(200mL)溶液に、イミダゾール(7.85g、115.28mmol)およびTBDMSCl(13.9g、92.23mmol)を加え、混合物を25℃で8時間撹拌した。EA(800mL)を加え、混合物を食塩水(400mL×2)で洗浄した。有機層を濃縮し、フラッシュカラム(PE)によって精製して、無色の油として22b(26.7g、76.34mmol、99.3%の収率)を得た。
【0423】
ステップ3。[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(22c)の合成
22b(8.91g、25.6mmol)の乾燥THF(50mL)溶液に、n-BuLi(12.8mL、20.48mmol)を-78℃で加え、混合物を窒素下で10分間撹拌した。1Ad(4.0g、10.24mmol)の乾燥THF(20mL)溶液を加え、混合物を-78℃で5分間撹拌した。TLC(PE:EA=8:1)は、反応が完了したことを示した。反応物を希釈したHCl(pH=6、クエンチプロセス中はpH<8に維持)に注いだ。混合物をEA(200mL×2)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、濃縮し、CHCN/HO(中性)で5/95~95/5まで溶出するコンビフラッシュによって精製し、黄色い固体として22c(5.1g、8.60mmol、84%の収率)を得た。
【0424】
ステップ4。(R)-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-5-クロロ-フェニル]メタノール(22d)の合成
-78℃の22c(5.0g、8.44mmol)のTHF(30mL)溶液に、DIBAL-H(16.88mL、25.31mmol)を加え、混合物を-78℃で30分間撹拌した。TLC(PE/EA=8/1)は、SM Rf=0.5が主生成物Rf=0.4で完全に消費されたことを示した。反応物を希釈したHCl(pH=6、400mL、クエンチプロセス中はpH<8に維持)に注いだ。混合物をEA(300mL×2)で抽出し、合わせた有機層を乾燥および濃縮して、黄色い固体として粗生成物22d(5.0g)を得た。
【0425】
ステップ5。2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]エタノール(22e)の合成
22d(3.0g、5.17mmol)のTHF(50mL)溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(5.17mL、5.17mmol)を加えた。混合溶液を25℃で40分間撹拌した。反応混合物をNHCl水溶液に注ぎ、EA(100mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラム(PE:EA=15:1~3:1)によって精製して、白色の固体として22e(2g、4.08mmol、79%の収率)を得た。LCMS[M+H]:480.1。
【0426】
ステップ6。4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロイソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(22f)の合成
22e(2.0g、4.16mmol)のTHF(100mL)溶液に、トリブチルホスフィン(2.1mL、8.33mmol)、イソプロピル(NE)-N-イソプロポキシカルボニルイミノカルバメート(1.72mL、8.74mmol)、およびピリジン(0.34mL、4.16mmol)を加え、反応混合物を25℃で16時間撹拌した。
【0427】
TLC(PE/EA=3/1、Rf=0.4)は、出発材料が消費されたことを示した。溶媒を真空で除去し、粗生成物を、溶出剤として石油エーテル/EtOAc(10:1~5:1)を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として22f(1.7g、3.68mmol、88%の収率)を得た。LCMS[M+H]:462.1。
【0428】
ステップ7。4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロイソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(22g)の合成
臭化メチルマグネシウム(3.68mL、11.04mmol)を、第二鉄アセチルアセトン(0.13g、0.37mmol)および22f(1.7g、3.68mmol)のTHF(100mL)溶液に、5℃の窒素下で滴下した。反応混合物を室温に温め、1時間撹拌した。TLC(EA:PE=1:1、Rf=0.3)は、反応が完了したことを示した。飽和NHClを滴下して反応物をクエンチし、これをEA(200mL×2)で抽出し、NaSO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をフラッシュカラム(PE:EA=10:1~1:1)によって精製して、白色の固体として22g(900mg、1.93mmol、52.6%の収率)を得た。
【0429】
ステップ8。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロイソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例22)の合成
HCl(6.0mL、12mmol)のメタノール(10mL)溶液に、22g(900mg、2.04mmol)を加え、反応混合物を40℃で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をEA(50ml)とともに撹拌し、濾過した。固体を、CHCN/HO(0.1%のNHOH)で5/95~95/5まで溶出する分取HPLCによって精製した。生成物画分をEA(100ml×2)で抽出し、抽出物を濃縮して、白色の固体として実施例22(550mg、1.34mmol、66%の収率)を得た。LCMS[M+H]:402.3。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ8.67(s、1H)、7.76(d、J=4.0Hz、1H)、7.22~7.31(m、3H)、6.81(d、J=3.6Hz、1H)、6.31(d、J=7.6Hz、1H)、5.26(d、J=7.2Hz、1H)、5.13(d、J=4.0Hz、1H)、4.90(d、J=3.6Hz、1H)、4.48~4.54(m、1H)、4.42~4.43(m、1H)、4.23~4.27(m、1H)、3.84~3.86(m、1H)、3.66~3.72(m、1H)、2.91~2.99(m、1H)、2.70~2.74(m、1H)、2.67(s、3H)。1H NMR(400MHz、DMSO-d6+D2O):δ8.86(s、1H)、7.77(d、J=4Hz、1H)、7.22~7.31(m、3H)、6.82(d、J=3.6Hz、1H)、6.31(d、J=7.6Hz、1H)、4.90(d、J=3.6Hz、1H)、4.49~4.53(m、1H)、4.42~4.43(m、1H)、4.24~4.28(m、1H)、3.83~3.85(m、1H)、3.66~3.72(m、1H)、2.91~2.99(m、1H)、2.70~2.75(m、1H)、2.69(s、3H)。
【0430】
実施例44。(2S,3S,4R,5R)-2-((1R)-6-クロロ-3-メトキシイソクロマン-1-イル)-5-(4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例44)の合成
【0431】
【化38】
【0432】
ステップ1。1-ブロモ-4-クロロ-2-(2-メトキシビニル)ベンゼン(44b)の合成
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロライド(22.96g、66.98mmol)のTHF(100mL)溶液に、カリウムtert-ブトキシド(7.16g、63.79mmol)を-10℃のN下で加えた。5分後、2-ブロモ-5-クロロ-ベンズアルデヒド(44a、7.0g、31.9mmol)を加えた。溶液を-10℃で2時間撹拌した。TLC(PE=100%、R=0.8)は、反応が完了したことを示した。反応混合物をHO(200mL)に注いだ。混合物をEA(200mL)で抽出し、水(60mL)および食塩水(60mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、PE(100%)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い固体として44b(7.2g、29.09mmol、91.2%の収率、EおよびZ異性体の混合物)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ7.99(d、J=2.8Hz、1H)、7.61~7.56(m、2H)、7.43~7.40(m、1H)、7.15~7.10(m、2H)、6.58(d、J=6.8Hz、1H)、5.93(d、J=12.8Hz、2H)、5.44(d、J=7.2Hz)、3.84(s、3H)、3.71(s、3H)。
【0433】
ステップ2。1-ブロモ-4-クロロ-2-(2-メトキシビニル)ベンゼン(44c)の合成
メタノール(70mL)中のp-トルエンスルホン酸(537mg、2.83mmol)の混合物に、44b(7.0g、28.28mmol)を加えた。混合物を66℃で16時間撹拌した。TLC(PE=100%、R=0.4)は、反応が完了したことを示した。反応混合物をHO(200mL)に注いだ。混合物をEA(200mL)で抽出し、水(60mL)および食塩水(60mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、PE(100%)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として44c(7.2g、25.7mmol、91%の収率)を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.62(d、J=8.8Hz、1H)、7.43(d、J=2.4Hz、1H)、7.25(dd、J=8.4、2.8Hz、1H)、4.62(t、J=5.2Hz、1H)、3.26(s、6H)、2.99(d、J=5.6Hz、2H)。
【0434】
ステップ3。[4-クロロ-2-(2,2-ジメトキシエチル)フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(44e)の合成
THF(30mL)中の44c(3.0g、10.73mmol)の混合物に、-78℃でn-BuLi(2.04g、10.73mmol)を加えた。得られた44dの溶液を-78℃で1分間撹拌し、THF(20mL)中の1Ad(3.24g、8.46mmol)を-78℃で加えた。反応混合物を-78℃で30分間撹拌した。TLC(PE:EA=5:1、R=0.5)は、反応が完了したことを示した。反応物をNHCl(水溶液、100mL)および水(100mL)でクエンチした。水層をEA(300mL×3)で抽出した。有機層を濃縮して粗生成物を得、これをPE:EA=10:1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として44e(3g、5.74mmol、53.5%の収率)を得た。LCMS[M+H]:522.3
【0435】
ステップ4。(S)-[4-クロロ-2-(2,2-ジメトキシエチル)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(44f)の合成
トルエン(30mL)中の44e(3.0g、5.74mmol)の混合物に、-78℃でDIBAL-H(1.33mL、11.49mmol)を加えた。混合物を-78℃で30分間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物をHO(100mL)に注ぎ、DCM(200mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、DCM:MeOH=5:1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として44f(3g、5.72mmol、99.6%の収率)を得た。LCMS[M+H]:524.4
【0436】
ステップ5。4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-3-メトキシ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(44g)の合成
メタノール(20mL)中の(S)-[4-クロロ-2-(2,2-ジメトキシエチル)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(2.0g、3.81mmol)の混合物に、TsOH(0.03mL、5.72mmol、0℃)を加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。TLC(PE:EA=5:1、R=0.5)は、反応が完了したことを示した。反応混合物をHO(30mL)に注ぎ、DCM(50mL×3)で抽出した。有機相を飽和NaCl(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、PE:EA=10:1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として44g(1.36g、2.76mmol、72%の収率)を得た。LCMS[M+H]:492.2
【0437】
ステップ6。4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-3-メトキシ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(44h)の合成
THF(2mL)中の44g(200mg、0.41mmol)および第二鉄アセチルアセトン(71.73mg、0.20mmol)の混合物に、-10℃でMeMgBr(484mg、4.06mmol)を加えた。反応混合物を0℃に温め、1時間撹拌した。TLC(PE:EA=5:1、R=0.7)は、反応が完了したことを示した。反応混合物をHO(10mL)に注ぎ、DCM(10mL×3)で抽出し、飽和NaCl(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、PE:EA=7:1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として44h(110mg、0.23mmol、57.4%の収率)を得た。LCMS[M+H]:472.4
【0438】
ステップ7。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロ-3-メトキシ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例44)の合成
メタノール(2mL)中の44時間(110mg、0.23mmol)の混合物に、HCl(42mg、1.17mmol)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。TLC(PE:EA=5:1、R=0.7)およびLCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物をHO(10mL)に注ぎ、DCM(10mL×3)で抽出し、飽和NaCl(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、PE:EA=7:1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して粗生成物を得、これをHO中のCHCN(0.1%のNHO)で10%~95%まで溶出する分取HPLCによってさらに精製し、白色の固体として実施例44(25mg、0.047mmol、20%の収率)を得た。LCMS[M+H]:432.4H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ8.67(s、1H)、7.79~7.81(d、1H)、7.22~7.32(m、3H)、6.82~6.84(m、1H)、6.31~6.34(m、1H)、5.15~5.30(m、3H)、4.82(d、1H)、4.46~4.58(m、2H)、3.89~3.91(t、1H)、3.38(s、3H)、3.08~3.13(m、1H)、2.77(d、1H)、2.67(s、3H)。H NMR(400MHz、DMSO-d6+DO)δ8.68(s、1H)、7.81(d、1H)、7.22~7.32(m、3H)、6.83(d、1H)、6.32(d、1H)、5.26(d、1H)、4.83(d、1H)、4.78~4.57(m、2H)、3.89(d、1H)、3.08(d、1H)、2.77(d、1H)、2.67(s、3H)。
【0439】
実施例46。(1R)-6-クロロ-1-[(2S,3S,4R,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-2-イル]イソクロマン-3-オン(実施例46)の合成
【0440】
【化39】
【0441】
ステップ1。1-ブロモ-4-クロロ-2-(2-メトキシビニル)ベンゼン(46b)の合成
(メトキシメチル)-トリフェニルホスホニウムクロライド(26.24g、76.55mmol)のTHF(70mL)溶液に、-25℃のN下でカリウムtert-ブトキシド(4.65mL、72.91mmol)を加えた。数分後、2-ブロモ-5-クロロ-ベンズアルデヒド(46a、8.0g、36.45mmol)を加えた。溶液を-25℃で2時間撹拌した。反応物をTLC(石油エーテル=100%、R=0.8)によって監視した。反応混合物を水(200mL)に注いだ。酢酸エチル(200mL)を加え、有機相を分離した。溶液を水(100mL)および食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空で濃縮して粗生成物を得、これを石油エーテル(100%)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として1-ブロモ-4-クロロ-2-(2-メトキシビニル)ベンゼン(46b、8.75g、35.351mmol、97%の収率)を得た。LCMS[M+H]:247.1。
【0442】
ステップ2。1-ブロモ-4-クロロ-2-(2,2-ジメトキシエチル)ベンゼン(46c)の合成
メタノール(70mL)中のTsOH(672mg、3.54mmol)の混合物に、1-ブロモ-4-クロロ-2-(2-メトキシビニル)ベンゼン(46b、8.75g、35.35mmol)を加え、混合物を75℃で16時間撹拌した。TLC(石油エーテル=100%、R=0.4)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を水(200mL)に注ぎ、酢酸エチル(200mL)を加えた。有機層を飽和NaCl(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して粗生成物を得、石油エーテル(100%)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として1-ブロモ-4-クロロ-2-(2,2-ジメトキシエチル)ベンゼン(46c、5.5g、19.674mmol、56%の収率)を得た。LCMS[M+H]:279.1。
【0443】
ステップ3。[4-クロロ-2-(2,2-ジメトキシエチル)フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(46d)の合成
THF(30mL)中の1-ブロモ-4-クロロ-2-(2,2-ジメトキシエチル)ベンゼン(46c、5.5g、19.7mmol)の混合物に、-78℃でBuLi(3.74g、19.7mmol)を加え、1分間撹拌した。(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-N-メトキシ-N、2,2-トリメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-カルボキサミド(1Ad、5.94g、15.52mmol)を-78℃で加え、反応物を-78℃で30分間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1、R=0.5)は、反応が完了したことを示した。反応物をNHCl(100mL)および水(100mL)でクエンチした。水層を酢酸エチル(300mL×3)で抽出し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル(10:1)のシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として[4-クロロ-2-(2,2-ジメトキシエチル)フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(46d、2.0g、3.8286mmol、19.5%の収率)を得た。LCMS[M+H]:522.3。
【0444】
ステップ4。(S)-[4-クロロ-2-(2,2-ジメトキシエチル)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ-[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(46e)の合成
トルエン(30mL)中の[4-クロロ-2-(2,2-ジメトキシエチル)フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(46d、2.0g、3.83mmol)の混合物に、-78℃でDIBAL-H(0.89mL、7.66mmol)を加えた。混合物を-78℃で30分間撹拌した。反応物を水(100mL)に注ぎ、DCM(200mL)で抽出した。水層をDMC(300mL×3)で抽出し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮した。粗生成物を、DCM:MeOH=5:1のシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として(S)-[4-クロロ-2-(2,2-ジメトキシエチル)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ-[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(46e、2g、3.81mmol、100%の収率)を得た。LCMS[M+H]:524.3。
【0445】
ステップ5。4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-3-メトキシ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(46f)の合成
メタノール(20mL)中の(S)-[4-クロロ-2-(2,2-ジメトキシエチル)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(46e、2.0g、3.81mmol)の混合物に、0℃でTsOH(0.03mL、5.72mmol)を加え、次に、混合物を25℃で2時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1、R=0.5)およびLCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を水(30mL)に注ぎ、DCM(50mL×3)で抽出した。有機層をNaSO4で乾燥させ、真空で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル=10:1のシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-3-メトキシ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(46f、1.6g、3.25mmol、85%の収率)を得た。LCMS[M+H]:492.0。
【0446】
ステップ6。4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-3-メトキシ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(46g)の合成
THF(10mL)中の4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-3-メトキシ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(46f、800mg、1.62mmol)および第二鉄アセチルアセトン(287mg、0.81mmol)の混合物に、-10℃で臭化メチルマグネシウム(1937.48mg、16.25mmol)を加えた。混合物を0℃に温め、1時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1、R=0.7)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を水(30mL)に注ぎ、DCM(50mL×3)で抽出した。有機層をNaSO4で乾燥させ、真空で濃縮した。粗生成物を石油エーテル:酢酸エチル=7:1のシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-3-メトキシ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(46g、610mg、1.29mmol、80%の収率)を得た。LCMS[M+H]:472.1。
【0447】
ステップ7。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロ-3-ヒドロキシ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(46h)の合成
水(6mL)中の4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-3-メトキシ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(46g、590mg、1.25mmol)の混合物に、トリフルオロ酢酸(228mg、2mmol)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=2:1、R=0.3)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を水(30mL)に注ぎ、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空で濃縮して粗生成物を得、これを石油エーテル:酢酸エチル=7:1のシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロ-3-ヒドロキシ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(46h、280mg、0.54mmol、43%の収率)を得た。LCMS[M+H]:418.1。
【0448】
ステップ8。(1R)-6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン-3-オール(46i)の合成
アセトン(10mL)中の(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロ-3-ヒドロキシ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(46h、50mg、0.12mmol)の混合物に、0℃でTsOH(8.24mg、0.05mmol)を加えた。混合物を25℃で3時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1、R=0.3)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を水(30mL)に注ぎ、DCM(50mL×3)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空で濃縮して粗生成物を得、これを石油エーテル:酢酸エチル=(7:1)のシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体として(1R)-6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン-3-オール(46i、76mg、0.13mmol、112%の収率)を得た。LCMS[M+H]:458.1。
【0449】
ステップ9。6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6-6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン-3-オン(46j)の合成
DCM(3mL)中の6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ-[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン-3-オール(46i、75mg、0.16mmol)の混合物に、0℃でPCC(0.09mL、0.49mmol)を加え、混合物を0℃で30分間撹拌した。次に、反応が完了するまで反応物を25℃に温めた。反応混合物を水(30mL)に注ぎ、DCM(3×50mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、真空で濃縮して、白色の固体として6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン-3-オン(46j、79mg、0.172mmol、100%の収率)を得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS[M+H]:456.3。
【0450】
ステップ10。(1R)-6-クロロ-1-[(2S,3S,4R,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-2-イル]イソクロマン-3-オン(実施例46)の合成
水(2mL)中の(1R)-6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン-3-オン(46j、78mg、0.17mmol)の混合物に、トリフルオロ酢酸酸(31.19mg、0.27mmol)を加え、混合物を25℃で1時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応物をNaHCOで中和し、水中のCHCN(0.1%のTFA)で10%~95%まで溶出する分取HPLCによって精製して、オフホワイトの固体として(1R)-6-クロロ-1-[(2S,3S,4R,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-2-イル]イソクロマン-3-オン(実施例46、3.4mg、0.0078mmol、4.6%の収率)を得た。LCMS[M+H]:416.0。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.74(s、1H)、7.58(s、1H)、7.30(m、3H)、6.86(s、1H)、6.23(d、J=5.6Hz、1H)、5.73(d、J=4.8Hz、1H)、4.48(m、2H)、4.26(s、1H)、3.77(d、J=4.8Hz、2H)、2.72(s、3H)。1H NMR(400MHz、DMSO-d+DO)δ8.82(s、1H)、7.62(d、J=3.2Hz、1H)、7.29(m、3H)、6.93(d、J=3.2Hz、1H)、6.24(d、J=5.6Hz、1H)、5.73(d、J=5.2Hz、1H)、4.49(m、2H)、4.26(s、1H)、3.76(s、2H)、2.76(s、3H)。
【0451】
実施例50。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロ-3-ヒドロキシ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例50)の合成
【0452】
【化40】
【0453】
水(2mL)中の44h(100mg、0.21mmol)の混合物に、トリフルオロ酢酸(38.63mg、0.34mmol)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。TLC(PE:EA=5:1、R=0.7)およびLCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物をHO(10mL)に注ぎ、DCM(10mL×3)で抽出し、飽和NaCl(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、PE:EA=7:1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して粗生成物を得、これをHO中のCHCN(0.1%のNHO)で10%~95%)まで溶出する分取HPLCによってさらに精製し、ジアステレオマーの混合物(10mg、0.019mmol、9%の収率)として白色固体として実施例50を得た。[M+H]:418.3。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ8.67(s、1H)、8.00(d、1H)、7.21~7.35(m、3H)、6.75~6.82(m、1H)、6.30~6.36(m、1H)、5.05~5.25(m、2H)、4.98~5.04(m、2H)、4.45~4.59(m、2H)、3.74~3.87(m、1H)、2.91~3.05(m、1H)、2.72~2.81(m、1H)、2.50~2.51(m、3H)。H NMR(400MHz、DMSO-d6+DO)δ8.66(s、1H)、7.81~8.00(q、1H)、7.22~7.34(m、3H)、6.79~6.81(t、1H)、6.30~6.34(q、1H)、4.98~5.05(q、2H)、4.45~4.59(m、2H)、3.74~3.87(m、1H)、2.79~2.91(m、1H)、2.72(s、1H)、2.68(s、3H)。
【0454】
実施例55。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-7-クロロ-1,5-ジヒドロ-2,4-ベンゾジオキセピン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例55)の合成
【0455】
【化41】
【0456】
ステップ1。(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)メトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(55b)の合成
(2-ブロモ-5-クロロフェニル)メタノール(55a、6.0g、27.09mmol)およびイミダゾール(3.69g、54.18mmol)のDCM(50mL)溶液に、t-ブチルクロロジフェニルシラン(4.9g、32.51mmol)を室温でゆっくりと加えた。混合物を30℃で3時間撹拌した。TLC(石油エーテル、R=0.4)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル)によって精製して、無色の油として(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)メトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(55b、9.0g、26.81mmol、99%の収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ7.51(d、J=8.4、1H)、7.81(d、J=2.8、1H)、7.22~7.19(m、1H)、4.57(s、1H)、0.83~0.81(m、9H)、0.02~0.01(m、6H)。
【0457】
ステップ2。[2-[[tert-ブチル(ジメチル)-シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(55c)の合成
(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)メトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(55b、9g、26.8mmol)の乾燥THF(50mL)溶液に、-78℃のAr下で撹拌した。n-BuLi(12.02mL、30.04mmol)を加え、-78℃で10分間撹拌した。(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ-[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-N-メトキシ-N、2,2-トリメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-カルボキサミド(1Ad、4.6g、12.02mmol)の無水THF(50mL)を加え、反応混合物を-78°Cで30分間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)およびLCMSは、反応が完了したことを示した。混合物をHCl(1N)でpH=6に調整した。反応物をEtOAc(2×100mL)で抽出し、有機物を水(100mL×2)で洗浄し、次に、食塩水(50mL×2)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)によって精製して、[2-[[tert-ブチル(ジメチル)-シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(55c、4.03g、6.97mmol、58%の収率)を得た。LCMS[M+H]:578.2。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.67(s、1H)、7.68(d、J=3.6、1H)、7.62(d、J=8.4、1H)、7.47~7.46(m、2H)、7.35(d、J=8.0、1H)、7.26~7.20(m、2H)、6.49(d、J=3.6、1H)、6.42(s、1H)、5.53~5.51(m、2H)、5.42(d、J=5.6、1H)、5.27~5.25(m、1H)、4.54~4.44(m、3H)、1.52(s、3H)、1.31(s、3H)、0.69(s、9H)、0.01~0.070(m、6H)。
【0458】
ステップ3。(R)-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-[(7S)-4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(55d)の合成
[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(55c、4.39g、7.59mmol))のトルエン(10mL)溶液に、-78℃で水素化ジイソブチルアルミニウム(3.23g、22.77mmol、トルエン中に1M)を滴下した。反応物を-78℃で30分間撹拌した。混合物をNHCl(50mL)でクエンチした。反応混合物を真空で濃縮し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させた。溶媒を真空で除去して、粗(R)-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-[(7S)-4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(55d、4.2g)を得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS[M+H]:580.2。
【0459】
ステップ4。(R)-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]-[(3aR,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-[(7S)-4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(55e)の合成
(R)-[2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-[(7S)-4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(55d、4.2g、7.23mmol)のTHF(5mL)溶液に、TBAF(1M)(3.78mL、14.47mmol)を加えた。混合物を25℃のN中で2時間撹拌した。混合物をNHCl(50mL)でクエンチした。反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=3:1)によって精製して、(R)-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]-[(3aR,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-[(7S)-4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(55e、1.8g、3.78mmol、52%の収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.69(d、J=3.2、1H)、8.03(d、J=3.6、1H)、7.53(d、J=8、1H)、7.39~7.29(m、2H)、6.79(d、J=3.6、1H)、6.32(d、J=3.6、1H)、5.96(d、J=4.4、1H)、5.27~5.17(m、3H)、4.94~4.91(m、1H)、4.46~4.41(m、1H)、4.26~4.19(m、1H)、1.51(s、3H)、1.30(s、3H)。LCMS[M+H]:466.1。
【0460】
ステップ5。(R)-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]-[(6R)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(55f)の合成
第二鉄アセチルアセトン(22.72mg、0.06mmol)および(R)-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]-[(6R)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(55e、300mg、0.64mmol)のTHF(5mL)溶液に、0℃のN下で臭化メチルマグネシウム(721.9mg、6.43mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、1時間撹拌した。TLC(酢酸エチル:石油エーテル=5:1、R=0.6)は、反応が完了したことを示した。飽和NHClを滴下して反応物をクエンチした。反応混合物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=10:1~5:1)によって精製して、無色の油として(R)-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]-[(6R)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(55f、105mg、0.23mmol、37%の収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.74(s、1H)、7.82(d、J=3.6、1H)、7.53(d、J=8、1H)、7.39~7.35(m、2H)、6.81(d、J=3.6、1H)、6.27(d、J=4、1H)、6.00(d、J=4.4、1H)、5.25~5.15(m、3H)、4.92~4.90(m、1H)、4.47~4.41(m、1H)、4.24~4.19(m、2H)、2.68~2.62(m、3H)、1.51(s、3H)、1.30(s、3H)。LCMS[M+H]:446.1。
【0461】
ステップ6。4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-7-クロロ-1,5-ジヒドロ-2,4-ベンゾジオキセピン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(55g)の合成
(R)-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(55f、150mg、0.34mmol)のDCM(1.2mL))およびDMF(2.5mL)の溶液に、水素化ナトリウム(80.74mg、3.36mmol)を加えた。混合溶液を80℃で2時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物をNHCl(50mL)でクエンチした。溶媒を真空で除去して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1)によって精製して、黄色い油として4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-7-クロロ-1,5-ジヒドロ-2,4-ベンゾジオキセピン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(55g、160mg、0.33mmol、97%の収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.73(s、1H)、7.71(d、J=3.6、1H)、7.38(d、J=1.6、1H)、73.31~7.30(m、2H)、6.80(d、J=3.6、1H)、6.48(d、J=4、1H)、5.33~5.31(m、1H)、5.20~5.14(m、2H)、5.05~5.01(m、2H)、4.83~4.78(m、3H)、2.68~2.62(m、3H)、1.60(s、3H)、1.34(s、3H)。LCMS[M+H]:458.1。
【0462】
ステップ7。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-7-クロロ-1,5-ジヒドロ-2,4-ベンゾジオキセピン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例55)の合成
4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-7-クロロ-1,5-ジヒドロ-2,4-ベンゾジオキセピン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(55g、160mg、0.35mmol)の水溶液(1mL)に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(2.0mL、2mmol)を加え、混合物を25℃で30分間撹拌した。pH=7になるまでNH水を加え、混合物を真空で濃縮した。残留物を水中のMeCN(0.1%のNH水)で10%~90%まで溶出する分取HPLCによって精製して、白色の固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ-2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-7-クロロ-1,5-ジヒドロ-2,4-ベンゾジオキセピン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例55、31mg、0.073mmol、21%の収率)を得た。LCMS[M+H]:418.1。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.68(s、1H)、7.64(d、J=4、1H)、7.41(s、1H)、7.32(d、J=1.2、2H)、6.78(d、J=3.6、1H)、6.32(d、J=8.0、1H)、5.51(d、J=4.4、1H)、5.41(d、J=7.2、1H)、5.34~5.31(m、1H)、5.09(d、J=4.8、1H)、5.04(d、J=6.4、1H)、4.99~4.95(m、1H)、4.85~4.81(m、1H)、4.62~4.56(m、2H)、4.19~4.17(m、1H)、2.66(s、3H)。
【0463】
実施例69。(2S,3S,4R,5R)-2-((R)-6-クロロイソクロマン-1-イル)-5-(4-(メチルアミノ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例69)の合成
【0464】
【化42】
【0465】
ステップ1。N-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロイソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(69a)の合成
22f(100mg、0.22mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)溶液に、水中のメチルアミン(2.0mL、0.09mmol)を加えた。混合物を120℃で16時間撹拌した。混合物をCHCN/HO(中性)で5/95~95/5まで溶出する分取HPLCによって精製した。生成物画分を凍結乾燥して、黄色い固体として69a(75mg、0.16mmol、75%の収率)を得た。LCMS[M+H]:457.1。
【0466】
ステップ2。(2S,3S,4R,5R)-2-((R)-6-クロロイソクロマン-1-イル)-5-(4-(メチルアミノ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例69)の合成
69a(75mg、0.16mmol)のMeCN(1mL)溶液に、TFA/HO(0.97mL、0.39mmol)を加えた。混合物を40℃で2時間撹拌した。混合物をCHCN/HO(0.1%のNHOH)で5/95~95/5まで溶出する分取HPLCによって精製し、凍結乾燥して、白色の固体として実施例69(36.5mg、0.087mmol、53%の収率)を得た。LCMS[M+H]:417.3。1H NMR(400MHz、DMSO-d6):δ8.15(s、1H)、7.48~7.49(m、1H)、7.36~7.37(m、1H)、7.28~7.30(m、2H)、7.21~7.23(m、1H)、6.63(d、J=3.2Hz、1H)、6.18(d、J=7.6Hz、1H)、5.16(d、J=7.6Hz、1H)、5.04(d、J=4.0Hz、1H)、4.86~4.87(m、1H)、4.42~4.48(m、1H)、4.35~4.36(m、1H)、4.20~4.24(m、1H)、3.83~3.86(m、1H)、3.65~3.71(m、1H)、2.96(d、J=7.6Hz、3H)、2.89~2.94(m、1H)、2.69~2.74(m、1H)。
【0467】
実施例76。(実施例76)の合成
【0468】
【化43】
【0469】
ステップ1。2-(2-ブロモフェニル)-2,2-ジフルオロ-酢酸(76a)の合成
銅(898.6mg、14.14mmol)のDMSO(10mL)溶液に、2-ブロモ-2,2-ジフルオロ-酢酸(5739.98mg、28.28mmol)を加え、混合物を室温の窒素下で撹拌した。1-ブロモ-2-ヨード-ベンゼン(2000mg、7.07mmol)を1時間後に混合物に加えた。16時間後、水性NHCl(50mL)を混合物に加え、EA(50.0mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、水(100mL)および食塩水(100mL)で洗浄し、NaSO4で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をフラッシュカラム(PE:EA=40:1)によって精製して、76a(750mg、2.66mmol、38%の収率)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl):δ7.75~7.73(m、1H)、7.65~7.62(m、1H)、7.46~7.42(m、1H)、7.38~7.34(m、1H)、4.36(q、J=7.2Hz、2H)、1.32(t、J=7.2Hz、3H)。
【0470】
ステップ2。2-(2-ブロモフェニル)-2,2-ジフルオロエタノール(76b)の合成
76a(5.8g、20.78mmol)のメタノール(50mL)溶液に、0℃でNaBH(1.57g、41.57mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌した。TLC(PE:EA=10:1、Rf=0.1)は、反応が完了したことを示した。反応物を濃縮し、HCl(1M)を加えた。混合物をEA(30.0mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラム(PE:EA=10:1)によって精製して、油として76b(5.1g、19.36mmol、93%の収率)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl):δ7.67~7.633(m、2H)、7.40(t、J=7.6Hz、1H)、7.33~7.26(m、1H)、4.21(t、J=13.8Hz、2H)。
【0471】
ステップ3。[2-(2-ブロモフェニル)-2,2-ジフルオロ-エトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(76c)の合成
76b(5.1g、21.52mmol)およびイミダゾール(2.93g、43.03mmol)のDCM(20mL)溶液に、t-ブチルクロロジフェニルシラン(4.86g、32.27mmol)をゆっくりと加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。TLC(PE、Rf=0.7)は、新しいスポットを示し、SMは消費された。溶媒を真空で除去し、粗生成物をシリカゲル(PE)のカラムクロマトグラフィーによって精製して、オフホワイトの油として76c(6.2g、15.88mmol、74%の収率)を得た。1H NMR(400MHz、CDCl):δ7.67~7.633(m、2H)、7.39(t、J=7.6Hz、1H)、7.32~7.29(m、1H)、4.23(t、J=13.0Hz、2H)、0.82(s、9H)、0.0(s、6H)。
【0472】
ステップ4。[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1,1-ジフルオロ-エチル]フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(76d)の合成
76b(1.03g、2.95mmol)の乾燥THF(10mL)溶液に、-78℃でn-BuLi(1.5mL、2.4mmol)を加え、混合物を窒素下で10分間撹拌した。乾燥THF(5mL)中の1Ad(720mg、1.84mmol)を加え、混合物を-78℃で30分間撹拌した。TLC(PE:EA=10:1、出発材料Rf=0.3、生成物Rf=0.4)は、反応が完了したことを示した。反応物を希釈したHCl(0.05M)に注ぎ、クエンチのプロセス中にpHを<8に維持した。混合物をEA(200mL×2)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラム(PE:EA=100~10:1)によって精製して、黄色い油として76d(610mg、1.02mmol、55%の収率)を得た。LCMS[M+H]:594.3。
【0473】
ステップ5。(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1,1-ジフルオロエチル]フェニル]-[(3aR,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-[(7S)-4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(76e)の合成
76d(610mg、1.03mmol)のトルエン(20mL)溶液に、-78℃の窒素下で水素化ジイソブチルアルミニウム(2.05mL、3.08mmol)を加え、反応混合物を-78°Cで30分間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl(水溶液)で希釈し、混合物をEAで抽出し、食塩水で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、溶媒を真空で除去して、粗生成物として76e(600mg、0.93622mmol、91%の収率)を得、これをさらに精製せずに使用した。
【0474】
ステップ6。2,2-ジフルオロ-2-[2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]エタノール(76f)の合成
76e(270mg、0.45mmol)のTHF(0.03mL)溶液に、TBAF(0.24mL、0.91mmol)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl溶液(100mL)で希釈し、混合物をEA(50mL×3)で抽出し、合わせた有機物を飽和NaCl(100mL)で洗浄した。有機物を無水NaSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(PE:EA=50:1~10:1)によって精製して、固体として76f(120mg、0.2291mmol、51%の収率)を得た。LCMS[M+H]:482.3。
【0475】
ステップ7。4-クロロ-7-[(3aR,4R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-4,4-ジフルオロイソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(76g)の合成
76f(100mg、0.21mmol)のTHF(4mL)溶液に、NaH(33.2mg、0.83mmol)を加え、10分間撹拌した。TSCl(39.56mg、0.21mmol)を加え、反応物を1時間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl溶液に注ぎ、EAで抽出し、有機物を飽和NaClで洗浄した。有機相を無水NaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で濃縮して粗生成物を得、これを分取TLC(PE:EA=5:1、Rf=0.3)によって精製して、白色の固体として76g(50mg、0.10mmol、48%の収率)を得た。LCMS[M+H]:464.2。
【0476】
ステップ8。4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-4,4-ジフルオロイソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(76h)の合成
76g(50mg、0.11mmol)および第二鉄アセチルアセトン(3.81mg、0.01mmol)のTHF(6mL)溶液に、0℃の窒素下でMeTHF中の臭化メチルマグネシウム3.2M(0.36mL、1.08mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌した。混合物を水性NHCl(30mL)に注ぎ、EA(30.0mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をフラッシュカラム(PE:EA=8:1~PE:EA=3:1)によって精製して、76h(45mg、0.10148mmol、94%の収率)を得た。LCMS[M+H]:444.3。
【0477】
ステップ9。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-4,4-ジフルオロイソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例76)の合成
76h(45mg、0.10mmol)の水溶液(1mL)に、TFA(0.5mL、6.49mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。残留物を、HO中のCHCN(0.1%のNHOH)で5.0%~95.0%まで溶出する分取HPLCによって精製し、白色の固体として実施例76(8.58mg、0.021mmol、20.5%の収率)を得た。LCMS[M+H]:404.3。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ8.68(s、1H)、7.75~7.72(m、2H)、7.57~7.48(m、3H)、6.81(d、J=3.6Hz、1H)、6.34(d、J=8Hz、1H)、5.35(d、J=6.8Hz、1H)、5.20(d、J=4Hz、1H)、5.09(m、1H)、4.61(d、J=3.2Hz、1H)、4.56~4.46(m、2H)、4.16~4.07(m、1H)、3.82(t、J=4.4Hz、1H)、2.68(s、3H)。1H NMR(400MHz、DMSO-d6+D2O)δ8.66(s、1H)、7.74~7.71(m、2H)、7.55~7.46(m、3H)、6.81(d、J=3.6Hz、1H)、6.32(d、J=8Hz、1H)、5.08(m、1H)、4.60(d、J=3.2Hz、1H)、4.55~4.46(m、2H)、4.14~4.04(m、1H)、3.80(d、J=5.2Hz、1H)、2.66(s、3H)。
【0478】
実施例81。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-7-クロロ-1,5-ジヒドロ-2,4-ベンゾジオキセピン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例81)の合成
【0479】
【化44】
【0480】
ステップ1。(R)-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-[4-[ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(81a)の合成
tert-ブタノール(5mL)中のKCO(292.98mg、2.12mmol)、(R)-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(55e、300mg、0.64mmol)、およびビス-(4-メトキシベンジル)アミン(331mg、1.29mmol)の混合物を、95℃のN下で2時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。反応物を真空で濃縮乾固し、残留物をEtOAc(2×50mL)で抽出し、有機層を水(2×10mL)で洗浄し、次に、食塩水(2×10mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=1:1)によって精製して、白色の固体として(R)-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-[4-[ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(81a、80mg、0.10mmol、16%の収率)を得た。LCMS[M+H]:687.2。
【0481】
ステップ2。N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-7-クロロ-1,5-ジヒドロ-2,4-ベンゾジオキセピン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(81b)の合成
(R)-[4-クロロ-2-(ヒドロキシメチル)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-[4-[ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(81a、80mg、0.12mmol)のDCM(1.2mL)およびDMF(2.5mL)の溶液に、水素化ナトリウム(28mg、1.16mmol)を加えた。混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物をNHCl(50mL)でクエンチした。溶媒を真空で除去して、黄色い固体としてN,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-7-クロロ-1,5-ジヒドロ-2,4-ベンゾジオキセピン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(81b、90mg、0.10mmol、87%の収率)を得た。LCMS[M+H]:699.3。
【0482】
ステップ3。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-7-クロロ-1,5-ジヒドロ-2,4-ベンゾジオキセピン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例81)の合成
N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-7-クロロ-1、5-ジヒドロ-2,4-ベンゾジオキセピン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(81b、90mg、0.13mmol)の水溶液(1mL)に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(0.74mL、0.74mmol)を加えた。反応混合物を25℃で30分間撹拌した。pH=7になるまでNH水を加え、混合物を真空で濃縮した。残留物を水中のMeCN(0.1%のNH水)で10%~90%まで溶出する分取HPLCによって精製して、粗生成物を得た。粗生成物を水中のMeCN(0.1%のTFA)で10%~90%まで溶出する分取HPLCによってさらに精製し、白色の固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-7-クロロ-1,5-ジヒドロ-2,4-ベンゾジオキセピン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例81、2.7mg、0.0063mmol、5%の収率)を得た。LCMS[M+H]:419.1。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO)δ:8.33(s、1H)、7.51(d、J=3.6、1H)、7.45(s、1H)、7.42(d、J=1.6、2H)、6.94(d、J=3.2、1H)、6.32(d、J=8.0、1H)、5.33(d、J=6,1H)、5.07~5.03(m、2H)、4.97(d、J=1.2、1H)、4.83(d、J=14.4、1H)、4.61(d、J=4.8、1H)、4.54~4.51(m、1H)、4.17(d、J=4.8、1H)。
【0483】
実施例82。(1R)-6-クロロ-1-[(2S,3S,4R,5R)-5-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3,4-ジヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]イソクロマン-3-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例82)の合成
【0484】
【化45】
【0485】
ステップ1。7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-3-メトキシ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(82a)の合成
1,4-ジオキサン(8mL)中の4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-3-メトキシ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(46f、700mg、1.42mmol)の混合物に、水酸化アンモニウム(0.03mL、14.22mmol)を加えた。混合物を120℃で一晩撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1、R=0.5)およびLCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を水(30mL)に注ぎ、DCM(50mL×3)で抽出した。有機層を飽和NaCl(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して粗生成物を得、これを石油エーテル:酢酸エチル=7:1のシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い固体として7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-3-メトキシ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(82a、460mg、0.97mmol、68%の収率)を得た。LCMS[M+H]:458.1。
【0486】
ステップ2。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロ-3-ヒドロキシ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(82b)の合成
水(5mL)中の7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-3-メトキシ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(82a、460mg、0.97mmol)の混合物に、トリフルオロ酢酸(177mg、1.56mmol)を加えた。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1、R=0.3)およびLCMSは、反応が完了したことを示した。反応物をNaHCOで中和し、石油エーテル:酢酸エチル=7:1のシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して粗生成物を得、これを水中のCHCN(0.1%のNH/水)で10%~95%まで溶出する分取HPLCによってさらに精製し、オフホワイトの固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロ-3-ヒドロキシ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(82b、50mg、0.11mmol、12%の収率)を得た。LCMS[M+H]:419.1。
【0487】
ステップ3。(1R)-6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン-3-オール(82c)の合成
アセトン(10mL)中の(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロ-3-ヒドロキシ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(82b、230.5mg、0.55mmol)の混合物に、0℃でTsOH(38mg、0.22mmol)を加えた。反応混合物を25℃で3時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1、R=0.3)およびLCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を水(10mL)に注ぎ、DCM(10mL×3)で抽出した。有機層を飽和NaCl(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル:酢酸エチル=7:1のシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体として(1R)-6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン-3-オール(82c、180mg、0.32mmol、58%の収率)を得た。LCMS[M+H]:458.1。
【0488】
ステップ4。6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-アミノピロロ-[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン-3-オン(82d)の合成
DCM(10mL)中の6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン-3-オール(82c、44mg、0.10mmol)の混合物に、0℃でPCC(0.05mL、0.29mmol)を加えた。混合物を0℃で30分間撹拌し、次に、反応が完了するまで25℃に温めた。反応混合物を水(10mL)に注ぎ、DCM(2×10mL)で抽出した。有機物を真空で濃縮して、白色の固体として6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-アミノピロロ-[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン-3-オン(82d、35mg、0.076mmol、79.5%の収率)を得た。粗生成物をさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS[M+H]:457.1。
【0489】
ステップ5。(1R)-6-クロロ-1-[(2S,3S,4R,5R)-5-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3,4-ジヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]イソクロマン-3-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例82)の合成
水(2mL)中の(1R)-6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-アミノピロロ-[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン-3-オン(82d、35mg、0.08mmol)の混合物に、トリフルオロ酢酸(14mg、0.12mmol)を加え、混合物を25℃で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1、R=0.3)およびLCMSは、反応が完了したことを示した。反応物をNaHCOで中和し、DCM(3×3mL)で抽出し、有機物を飽和NaCl(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物を石油エーテル:酢酸エチル=7:1のシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、水中のCHCN(0.1%のTFA)で10%~95%まで溶出する分取HPLCでさらに精製し、白色の固体として(1R)-6-クロロ-1-[(2S,3S,4R,5R)-5-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3,4-ジヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]イソクロマン-3-オン;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例82、3mg、0.0052mmol、7%の収率)を得た。LCMS[M+H]:417.1。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ:8.50~8.64(m、2H)、8.30(s、1H)、7.30~7.44(m、4H)、6.91(s、1H)、6.10(s、1H)、5.83(s、1H)、5.55~5.67(m、2H)、4.37~4.41(m、3H)、3.74(m、2H)。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO)δ8.30(s、1H)、7.31~7.42(m、4H)、6.93(s、1H)、6.10(d、J=4Hz、1H)、5.83(s、1H)、4.38~4.43(m、3H)、3.74(m、2H)。
【0490】
実施例83。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロ-5-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例83)の合成
【0491】
【化46】
【0492】
ステップ1。6-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロベンズアルデヒド(83b)の合成
4-ブロモ-1-クロロ-2-フルオロ-ベンゼン(83a、10g、47.75mmol)のTHF(60mL)溶液に、-78℃でLDA(30mL、57.3mmol)を加えた。反応混合物を-78℃で1時間撹拌し、次に、DMF(7.4mL、95.5mmol)を混合物に加え、反応物を-78℃で1時間撹拌した。反応物をNHCl(水溶液、100mL)および水(100mL)でクエンチした。水層を酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。有機層を真空で濃縮して粗生成物を得、これを石油エーテル:酢酸エチル=10:1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として6-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロベンズアルデヒド(83b、6.1g、25.69mmol、54%の収率)を得た。H NMR(400MHz、CDCl)10.39(s、1H)、7.86(s、1H)、7.56(dd、J=8Hz、1H)。
【0493】
ステップ2。1-ブロモ-4-クロロ-3-フルオロ-2-[(E)-2-メトキシビニル]ベンゼン(83c)の合成
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロライド(83b、18.2g、53.06mmol)のTHF(60mL)溶液に、-10℃でTHF(5.67g、50.54mmol)中のカリウムt-ブトキシド1.0Mを加えた。反応物を-10℃で10分間撹拌した。反応物を水(150mL)で希釈し、酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を真空で濃縮し、残留物を、石油エーテル:酢酸エチル=10:1で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体として1-ブロモ-4-クロロ-3-フルオロ-2-[(E)-2-メトキシビニル]ベンゼン(83c、4.50g、16.1mmol、64%の収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)7.64(s、1H)、7.51(dd、J=10.8Hz、1H)、7.24(dd、J=13.2Hz、1H)、5.73(d、J=13.2Hz、1H)、3.71(s、3H)。
【0494】
ステップ3。2-(6-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロ-フェニル)アセトアルデヒド(83d)の合成
1-ブロモ-4-クロロ-3-フルオロ-2-[(E)-2-メトキシビニル]ベンゼン(83c、4.5g、16.95mmol)のアセトン(45mL)溶液に、HCl(1.86g、50.85mmol)を加え、混合物を60℃で一晩撹拌した。TLC(石油エーテル)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を真空で濃縮し、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を真空で濃縮して、黄色い固体として2-(6-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロ-フェニル)アセトアルデヒド(83d、4.0g、14.32mmol、84.5%の収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)9.72(s、1H)、7.71(s、1H)、7.58(d、J=11.2Hz、1H)、4.02(d、J=8.4Hz、2H)。
【0495】
ステップ4。2-(6-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロ-フェニル)エタノール(83e)の合成
2-(6-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロ-フェニル)アセトアルデヒド(83d、3.3g、13.12mmol)のメタノール(30mL)溶液に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(1.5g、39.37mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル)は、反応が完了したことを示した。混合物を真空で濃縮し、残留物を酢酸エチル(50mL)で抽出し、食塩水(50mL)で洗浄し、有機層を真空で濃縮して、黄色い油として2-(6-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロ-フェニル)エタノール(83e、3.20g、11.99mmol、91%の収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)7.62(s、1H)、7.48(dd、J=9.2Hz、1H)、4.85(t、J=5.6Hz、1H)、7.52(dd、J=12.8Hz、2H)、2.88(dd、J=7.2Hz、2H)。
【0496】
ステップ5。tert-ブチル-[2-(3-クロロ-2,6-ジフルオロ-フェニル)エトキシ]-ジメチル-シラン(83f)の合成
2-(3-クロロ-2,6-ジフルオロ-フェニル)エタノール(83e、3.20g、16.62mmol)のDCM(30mL)溶液に、tert-ブチルジメチルクロロシラン(3.01g、19.94mmol)およびイミダゾール(2.26g、33.23mmol)を加えた。反応物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、残留物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、食塩水(3×50mL)で洗浄した。有機層を真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の油としてtert-ブチル-[2-(3-クロロ-2,6-ジフルオロ-フェニル)エトキシ]-ジメチル-シラン(83f、3.9g、12.07mmol、73%の収率)を得た。LCMS[M+H]:306.8。
【0497】
ステップ6。[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-3-フルオロ-フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(83g)の合成
2-(6-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロ-フェニル)エトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(83f、3074mg、8.36mmol)のTHF(20mL)溶液に、-78℃でn-BuLi(535.5mg、8.36mmol)を加えた。混合物をN下で10分間撹拌した。THF(10mL)中の(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-N-メトキシ-N,2,2-トリメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-カルボキサミド(1Ad、1.6g、4.18mmol)を加えた。混合物を-78℃で30分間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)は、反応が完了したことを示した。反応物を、希釈したHCl(0.05mol/L)に加え、クエンチのプロセス中、pHを8未満に維持した。混合物を酢酸エチル(2×200mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=100%~10:1)によって精製して、黄色い油として[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-3-フルオロ-フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(83g、1.2g、1.87mmol、45%の収率)を得た。LCMS[M+H]:610.1。
【0498】
ステップ7。(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-3-フルオロ-フェニル]-[(3aR,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-[(7S)-4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(83h)の合成
[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-3-フルオロ-フェニル]-[(3aR,6S,6aS)-2,2-ジメチル-4-[(7S)-4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(83g、1.1g、1.8mmol)のトルエン(15mL)溶液に、-78℃のN下で水素化ジイソブチルアルミニウム(3.6mL、5.4mmol)を加えた。反応混合物を-78℃で30分間撹拌した。水(50mL)を加え、混合物を酢酸エチル(100mL)で抽出し、飽和NaCl(2×50mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、溶媒を真空で除去して、(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-3-フルオロ-フェニル]-[(3aR,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-[(7S)-4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(83h、1.0g、1.55mmol、86%の収率)を得、直接次のステップに使用した。LCMS[M+H]:612.2。
【0499】
ステップ8。2-[3-クロロ-2-フルオロ-6-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]エタノール(83i)の合成
(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-3-フルオロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(83h、1.0g、1.63mmol)のTHF(3mL)溶液に、TBAF(0.85mL、3.26mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=10:1)は、反応が完了したことを示した。混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=50:1~10:1)によって精製して、白色の固体として2-[3-クロロ-2-フルオロ-6-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]エタノール(83i、670mg、1.30mmol、80%の収率)を得た。LCMS[M+H]:498.1。
【0500】
ステップ9。4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-5-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(83j)の合成
2-[3-クロロ-2-フルオロ-6-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]エタノール(83i、500mg、1mmol)のTHF(5mL)溶液に、Ar下でPPh(526mg、2.01mmol)、DIAD(0.56mL、2.01mmol)を加えた。反応混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を真空で濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-5-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(83j、390mg、0.77mmol、77%の収率)を得た。LCMS[M+H]:480.1。
【0501】
ステップ10。4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-5-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(83k)の合成
4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-5-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(83j、100mg、0.21mmol)のTHF(2mL)溶液に、N下で第二鉄アセチルアセトン(7.35mg、0.02mmol)および臭化メチルマグネシウム(0.21mL、0.63mmol)を滴下した。反応物を室温で30分間撹拌した。混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、水(2×10mL)で洗浄した。有機層を真空で濃縮して、黄色い油として4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-5-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(83k、90mg、0.19mmol、89%の収率)を得た。LCMS[M+H]:460.2。
【0502】
ステップ11。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロ-5-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例83)の合成
4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6-クロロ-5-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(83k、100mg、0.22mmol)の水溶液(2mL)に、TFA(1.1mL、12.34mmol)を加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。残留物を、水中のCHCN(0.1%のNHOH)で5%~95%まで溶出する分取HPLCによって精製して、白色の固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロ-5-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例83、18mg、0.042mmol、19%の収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)8.67(s、1H)、7.78(d、J=4Hz、1H)、7.32~7.28(m、2H)、6.82(d、J=4Hz、1H)、6.31(d、J=7.6Hz、1H)、5.31(d、J=6.8Hz、1H)、5.20(d、J=4Hz、1H)、4.91(d、J=7.2Hz、1H)、4.52~4.46(m、2H)、4.32(s、1H)、3.88(t、J=4Hz、1H)、3.69(s、1H)、2.73(s、2H)、2.67(d、J=8Hz、3H)。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO)8.67(s、1H)、7.78(d、J=4Hz、1H)、7.32~7.28(m、2H)、6.82(d、J=4Hz、1H)、6.31(d、J=7.6Hz、1H)、4.91(d、J=7.2Hz、1H)、4.52~4.46(m、2H)、4.32(s、1H)、3.88(t、J=4Hz、1H)、3.69(s、1H)、2.73(s、2H)、2.67(d、J=8Hz、3H)。
【0503】
実施例86。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノ-5-フルオロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロイソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例86)の合成
【0504】
【化47】
【0505】
ステップ1。(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-メトキシ-2,2-ジメチル-3a,4,6,6aテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(86b)の合成
2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)エトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(22b、23.6g、68mmol)の乾燥THF(50mL)溶液に、-78℃でn-BuLi(34mL、54.4mmol)を加えた。反応混合物を-78℃のN下で10分間撹拌した。乾燥THF(10mL)中の(3aR,4R,6S,6aR)-4-メトキシ-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-カルバルデヒド(86a、5.5g、27.2mmol)を混合物に加えた。混合物を-78℃で5分間撹拌した。反応物を希釈したHCl(300mL、0.6M)に加え、pH=6を維持した。混合物を真空で濃縮して粗生成物を得、これを石油エーテル:酢酸エチル=5:1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-メトキシ-2,2-ジメチル-3a,4,6,6aテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(86b、5.8g、11.6mmol、43%の収率)を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.54(d、J=8.4Hz、1H)、7.22~7.29(m、2H)、5.36(s、2H)、4.95(d、J=6.0Hz、1H)、4.68(d、J=5.6Hz、1H)、4.50(s、1H)、4.31(s、1H)、3.83~3.90(m、2H)、3.43(s、3H)、2.78~2.99(m、2H)、1.47(s、3H)、1.30(s、3H)、0.87(s、9H)、0.02(s、6H)。
【0506】
ステップ2。2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-メトキシ-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]エタノール(86c)の合成
(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-メトキシ-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(86b、4.8g、10.1mmol)のTHF(10mL)溶液に、室温でフッ化テトラブチルアンモニウム(10.1mL、10.1mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を50mlのNHCl(水溶液)に注ぎ、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を真空で濃縮して粗生成物を得、これを石油エーテルから石油エーテル:酢酸エチル=5:1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の油として2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-メトキシ-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]エタノール(86c、3.8g、9.5mmol、94%の収率)を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.54(d、J=8.4Hz、1H)、7.22~7.29(m、2H)、5.01(s、2H)、4.95(d、J=6.0Hz、1H)、4.65(d、J=6.0Hz、1H)、4.55(s、1H)、4.33(br、1H)、3.85~3.96(m、2H)、3.41(s、3H)、2.78~3.06(m、2H)、1.47(s、3H)、1.30(s、3H)。
【0507】
ステップ3。(1R)-6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-メトキシ-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン(86d)の合成
2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-メトキシ-2,2-ジメチル-3a,4,6,6aテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]エタノール(86c、2.3g、6.4mmol)のTHF(50mL)溶液に、イソプロピル(NE)-N-イソプロポキシカルボニルイミノカルバメート(2.5mL、12.8mmol)およびトリフェニルホスフィン(3.3g、12.8mmol)を加え、反応混合物を25℃で16時間撹拌した。混合物を真空で濃縮して、石油エーテル:酢酸エチル=20:1~5:1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体として(1R)-6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-メトキシ-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン(86d、2.1g、6.1mmol、96%の収率)を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.58(d、J=8.4Hz、1H)、7.12~7.17(m、2H)、5.09(s、2H)、4.56~4.62(m、2H)、4.14~4.28(m、2H)、3.71~3.77(m、1H)、3.70(s、3H)、2.65~3.01(m、2H)、1.47(s、3H)、1.25(s、3H)。
【0508】
ステップ4。(3R,4S,5S)-5-[(1R)-6-クロロイソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-2,3,4-トリオール(86e)の合成
(1R)-6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-メトキシ-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]イソクロマン(86d、1.6g、4.7mmol)のトリフルオロ酢酸(16mL、215.4mmol)溶液に、室温で水(10mL)を加えた。混合物を40℃で24時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、石油エーテル:酢酸エチル=5:1~1:1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の油として(3R,4S,5S)-5-[(1R)-6-クロロイソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-2,3,4-トリオール(86e、700mg、2.4mmol、42%の収率)を得た。LCMS[M+H]:286.1。
【0509】
ステップ5。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-クロロ-5-フルオロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロイソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(86g)の合成
4-クロロ-5-フルオロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(86f、461mg、2.7mmol)およびピリジン(0.8mL、9.8mmol)の乾燥THF(10mL)溶液に、N下でトリブチルホスファン(1.2mL、4.9mmol)およびDIAD(1.0mL、5.1mmol)を加えた。(3R,4S,5S)-5-[(1R)-6-クロロイソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-2,3,4-トリオール(86e、700mg、2.4mmol)およびピリジン(0.8mL、9.8mmol)を直ちに加えた。反応混合物を30℃のN下で1.5時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、残留物を石油エーテル:酢酸エチル=5:1~1:1で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-クロロ-5-フルオロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロイソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(86g、160mg、0.4mmol、15%の収率)を得たLCMS[M+H]:440.1。
【0510】
ステップ6。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノ-5-フルオロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロイソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例86)の合成
(2R,3R,4S,5S)-2-(4-クロロ-5-フルオロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロイソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(86g、156mg、0.35mmol)の水酸化アンモニウム(10mL、260mmol)および1,4-ジオキサン(10mL)の混合溶液を、105°Cの密閉した管中で撹拌した。混合溶液を真空で濃縮し、残留物を水中のCHCNで5%~95%まで溶出する分取HPLCによって精製した。生成物画分を酢酸エチル(2×50ml)で抽出し、真空で濃縮して黄色い固体を得、これを石油エーテル:酢酸エチル=100:1(50ml)で粉砕し、濾過し、真空で乾燥させて、白色の固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノ-5-フルオロ-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6-クロロイソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例86、74mg、0.17mmol、49%の収率)を得た。LCMS[M+H]:421.1。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ8.08(s、1H)、7.23~7.31(m、4H)、7.01(s、2H)、6.23(d、J=7.6Hz、1H)、5.23(d、J=6.8Hz、1H)、5.08(s、1H)、4.87(s、1H)、4.35~4.39(m、2H)、4.23~4.26(m、1H)、3.79~3.82(m、1H)、3.66~3.71(m、1H)、2.89~2.96(m、1H)、2.70~2.74(m、1H)。H NMR(400MHz、DMSO-d6+DO)δ8.08(s、1H)、7.23~7.30(m、4H)、6.23(d、J=6.0Hz、1H)、4.87(s、1H)、4.35~4.39(m、2H)、4.23~4.26(m、1H)、3.79~3.81(m、1H)、3.65~3.71(m、1H)、2.89~2.96(m、1H)、2.70~2.74(m、1H)。19F NMR(377MHz、DMSO-d6)δ-166.8。
【0511】
実施例88。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6,7-ジクロロイソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例88)の合成
【0512】
【化48】
【0513】
ステップ1。1-ブロモ-4,5-ジクロロ-2-ヨードベンゼン(88b)の合成
4-ブロモ-1,2-ジクロロベンゼン(88a、25g、110.67mmol)の溶液に、HSO(353.95mL、6640.1mmol)中のI(42.13g、166mmol)を140°CのArの下で72時間撹拌した。反応物を水(5000mL)で希釈し、EtOAc(1500ml)で抽出し、NaSO(水溶液、2×100mL)および飽和食塩水(800ml×1)で洗浄した。粗生成物をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して粗生成物を得、次に、これを石油エーテル中の2%のEtOAcで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体として1-ブロモ-4,5-ジクロロ-2-ヨード-ベンゼン(88b、40g、113.7mmol、100%の収率)を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.84(s、1H)、7.62(s、1H)。
【0514】
ステップ2。2-ブロモ-4,5-ジクロロ-ベンズアルデヒド(88c)の合成
1-ブロモ-4,5-ジクロロ-2-ヨード-ベンゼン(88b、5g、14.21mmol)のTHF(20mL)溶液に-78℃のAr下で15分間撹拌した。臭化イソプロピルマグネシウム[1MのTHF溶液](15.6mL、15.63mmol)をゆっくりと加え、15分間撹拌した。DMF(1.2mL、15.63mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(80mL)で抽出し、NaSO(水溶液、2×30mL)および飽和食塩水(2×30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。次に、粗生成物を石油エーテル中の0.1%のEtOAcで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体として2-ブロモ-4,5-ジクロロ-ベンズアルデヒド(88c、2.7g、10.6mmol、75%の収率)を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ10.16(d、J=4.0Hz、1H)、7.89(d、J=4.0Hz、1H)、7.10(d、J=4.0Hz、1H)。
【0515】
ステップ3。1-ブロモ-4,5-ジクロロ-2-[(E)-2-メトキシビニル]ベンゼン(88d)の合成
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロライド(7.29g、21.27mmol)およびt-BuOK(2.39g、21.27mmol)のTHF(10mL)溶液を、-25℃のAr下で15分間撹拌した。THF中の2-ブロモ-4,5-ジクロロ-ベンズアルデヒド(88c、2.7g、10.63mmol)を加え、-25℃で1.5時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)で抽出し、水(2×30mL)で洗浄し、次に、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の0.1%のEtOAcで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体として1-ブロモ-4,5-ジクロロ-2-[(E)-2-メトキシビニル]ベンゼン(88d、1.1g、0.0039mmol、75%の収率)を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.54~7.53(d、J=4.0Hz、1H)、7.37~7.35(d、J=8.0Hz、1H)、6.94~6.89(m、1H)、5.88~5.85(d、J=12.0Hz、1H)、3.66(s、3H)。
【0516】
ステップ4。2-(2-ブロモ-4,5-ジクロロ-フェニル)アセトアルデヒド(88e)の合成
1-ブロモ-4,5-ジクロロ-2-[(E)-2-メトキシビニル]ベンゼン(88d、1.1g、3.9mmol)および2Nの塩酸(水溶液)(0.7g、19.51mmol)のアセトン(5mL)溶液を70℃のAr下で2時間撹拌した。反応物を真空で濃縮して、無色の油として2-(2-ブロモ-4,5-ジクロロ-フェニル)アセトアルデヒド(88e、830mg、3.09mmol、79%の収率)を得た。LCMS[M+H]:267.1。
【0517】
ステップ5。2-(2-ブロモ-4,5-ジクロロ-フェニル)エタノール(88f)の合成
2-(2-ブロモ-4,5-ジクロロ-フェニル)アセトアルデヒド(88e、830mg、3.1mmol)のメタノール(5mL)溶液を0℃のAr下で15分間撹拌した。NaBH(352mg、9.29mmol)を加え、0℃で30分間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)で抽出し、水(2×20mL)および飽和食塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、無色の油として2-(2-ブロモ-4,5-ジクロロ-フェニル)エタノール(88f、800mg、3.0mmol、96%の収率)を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.71(s、1H)、7.39(s、1H)、3.90~3.86(m、2H)、2.99~2.95(m、2H)、1.46~1.43(m、1H)。
【0518】
ステップ6。2-(2-ブロモ-4,5-ジクロロ-フェニル)エトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(88g)の合成
2-(2-ブロモ-4,5-ジクロロ-フェニル)エタノール(88f、810mg、3mmol)のDCM(10mL)溶液に、イミダゾール(409mg、6.0mmol)を加え、続いて、t-ブチルクロロジフェニルシラン(678mg、4.5mmol)を加え、反応物を25℃で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、水(2×20mL)および飽和食塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物を、PE中の10%のEtOAcで溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の油として2-(2-ブロモ-4,5-ジクロロ-フェニル)エトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(88g、910mg、2.37mmol、79%の収率)を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.66(s、1H)、7.40(s、1H)、3.83(m、2H)、2.93(t、2H)、7.40(s、9H)、0.00(s、6H)。
【0519】
ステップ7。[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4,5-ジクロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(88h)の合成
[2-(2-ブロモ-4,5-ジクロロ-フェニル)-2,2-ジフルオロ-エトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(88g、713.49mg、1.7mmolのTHF(6.5mL)溶液を-78℃のAr下で20分間撹拌した。n-BuLi(83.67mg、1.31mmol)を加え、-78℃で5分間撹拌した。THF(3mL)中の(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-N-メトキシ-N、2,2-トリメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-カルボキサミド(1Ad、250mg、0.65mmol)を加え、5分間撹拌した。TLCは、反応が完了したことを示した。反応を酢酸エチル(25mL)でクエンチした。反応混合物をEtOAc(25mL)で抽出し、水(2×10mL)および飽和食塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。次に、粗生成物を石油エーテル中の20%のEtOAcで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色い油として[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4,5-ジクロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(88h、210mg、0.33mmol、51%の収率)を得た。LCMS[M+H]:626.2。
【0520】
ステップ8。(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4,5-ジクロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(88i)の合成
[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4,5-ジクロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(88h、250mg、0.39mmol)のトルエン(5mL)溶液を、-78℃のAr下で5分間撹拌した。DIBAL-H(0.13mL、1.1mmol)を加え、2.5時間撹拌した。混合物を分取HPLCによって精製して、白色の固体として(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4,5-ジクロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(88i、195mg、0.31mmol、80%の収率)を得た。LCMS[M+H]:628.2。
【0521】
ステップ9。2-[4,5-ジクロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]エタノール(88j)の合成
(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1,1-ジフルオロ-エチル]-4,5-ジクロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(88i、205mg、0.31mmol)のTHF(8mL)溶液を、25℃のAr下で5分間撹拌した。フッ化テトラブチルアンモニウム(0.17mL、0.62mmol)を加え、2.5時間撹拌した。混合物を分取HPLC(水中のMeCN、10%~90%)によって精製して、白色の固体として2-[4,5-ジクロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]エタノール(88j、100mg、0.19mmol、63%の収率)を得た。LCMS[M+H]:514.2。
【0522】
ステップ10。4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6,7-ジクロロイソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(88k)の合成
2-[4,5-ジクロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ-[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]エタノール(88j、100mg、0.19mmol)およびPPh(101.9mg、0.39mmol)のTHF(3mL)溶液を、25℃のAr下で5分間撹拌した。DIAD(0.11mL、0.39mmol)を加え、2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(200mL)で抽出し、水(2×100mL)および飽和食塩水(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。次に、粗生成物を石油エーテル中の50%のEtOAcで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、白色の固体として4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6,7-ジクロロイソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(88k、70mg、0.14mmol、72.5%の収率)を得た。LCMS[M+H]:496.1。
【0523】
ステップ11。7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6,7-ジクロロイソクロマン-1-yl]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3の合成、4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(88l)の合成
4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6,7-ジクロロイソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(88k、70mg、0.14mmol)およびNH水(0.54mL、14.09mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)溶液を、120℃で16時間撹拌した。混合物を真空で濃縮して、白色の固体として7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6,7-ジクロロイソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(88l、65mg、0.14mmol、97%の収率)を得た。LCMS[M+H]:477.2。
【0524】
ステップ12。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6,7-ジクロロイソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例88)の合成
7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-6,7-ジクロロイソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(88l、70mg、0.15mmol)およびTFA(502mg、4.4mmol)の水溶液(2mL)を、25℃で1.5時間撹拌した。LCMSは、反応が完了したことを示した。混合物を真空で濃縮して粗生成物を得、これを水:CHCN(0.1%のNHOH、90:10~5:95)で溶出する分取HPLCによって精製して、白色の固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-6,7-ジクロロイソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例88、5.1mg、0.011mmol、8%の収率)を得た。LCMS[M+H]:437.2。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.26(s、1H)、7.97~8.07(m、1.4H)、7.58(m、2H)、7.52(s、1H)、6.85(s、1H)、6.18~6.20(d、J=8Hz、1H)、5.17~5.30(m、2H)、4.88~4.89(d、J=2.8Hz、1H)、4.43~4.47(m、2H)、4.23~4.24(m、1H)、3.84~3.85(d、J=4Hz、1H)、3.64~3.65(m、1H)、2.88~2.95(m、1H)、2.67~2.75(m、1H)。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO)δ8.25(s、1H)、7.59~7.60(d、J=6.8Hz、1H)、7.54(s、1H)、7.51(s、1H)、6.87~6.88(d、J=3.2Hz、1H)、6.19~6.20(d、J=7.6Hz、1H)、4.90(s、1H)、4.47~4.50(m、1H)、4.42~4.43(d、J=4Hz、1H)、4.22~4.26(m、1H)、3.86~3.87(d、J=5.2Hz、2H)、2.93~2.90(m、1H)、2.70~2.75(m、1H)。
【0525】
実施例89。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(7S)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例89)の合成
【0526】
【化49】
【0527】
ステップ1。モルホリノ-[(3aR,4R,6S,6aS)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(89b)の合成
(3aR,4R,6S,6aS)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-カルボン酸(89a、9.0g、28.19mmol)の酢酸エチル(100mL)溶液に、氷浴下でモルホリン(2.46g、28.19mmol)およびT3P(35mL、28.19mmol)を加えた。次に、反応物を室温で3時間撹拌した。溶液にNaHCO(水溶液)を加え、pHを8に調整した。混合物をEA(200mL×3)で抽出した。合わせた有機物を濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE:EA=5:1~1:1)によって精製して、黄色い油としてモルホリノ-[(3aR,4R,6S,6aS)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(89b、9.5g、24.2mmol、86%の収率)を得た。LCMS[M+H]:389.3。
【0528】
ステップ2。3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(89d)の合成
20mLのバイアル中のマグネシウム(123mg、5.06mmol)をスパチュラでエッチングし、激しく撹拌し、次に、真空下でヒートガン乾燥し、冷却時に窒素を再充填した。2-(2-ブロモ-5-クロロ-3-チエニル)エトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(89c、1.5g、4.22mmol)のTHF(1mL)溶液を加え、続いて、1Mのトルエン中の水素化ジイソブチルアルミニウム(0.05mL、0.05mmol)を加えた。4時間後、溶液は暗くなり、マグネシウムの大部分が消費され、ブロモ-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]マグネシウムの0.82Mの溶液として使用した。乾燥フラスコに、真空下で乾燥させたモルホリノ-[(3aR,4R,6S,6aS)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(89b、578.37mg、1.49mmol)および3mLのTHFを入れた。溶液を氷浴で冷却し、シリンジを介してブロモ-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]マグネシウム(2.72mL、2.23mmol)を滴下した。氷浴を除去し、反応物を1時間撹拌した。ブロモ-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]マグネシウム(0.91mL、0.75mmol)を加え、1時間撹拌してから、EtOAcでクエンチした。反応物をNHClに注ぎ、有機物を分離し、水層をEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、水で洗浄し、続いて、食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を真空で蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(89d、320mg、0.553mmol、37%の収率)を得た。
【0529】
ステップ3。(R)-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(89e)の合成
[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(89d、328mg、0.57mmol)のトルエン(6mL)溶液を含有する50mLの丸底フラスコに、窒素を5分間散布し、-78°Cに冷却し、水素化ジイソブチルアルミニウムの1Mのトルエン(1.18mL、1.42mmol)を5分間滴下した。黄色い溶液を-78℃で75分間撹拌した。反応混合物を0℃に温め、水(80μL)、15%の水酸化ナトリウム(80μL)、および水(200μL)をゆっくりと加え、室温で15分間撹拌した。次に、混合物をエーテルで希釈し、MgSOで乾燥させ、15分間撹拌し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~45%のEtOAc、DCM/ヘキサンに湿式負荷)によって精製して、フワフワの白色の固体として(S)-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(61mg、0.105mmol、18.5%の収率)および(R)-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(89e、120mg、0.207mmol、36.5%の収率)を得た。H NMR(500MHz、メタノール-d)δ8.59(d、J=5.0Hz、1H)、7.92(d、J=3.8Hz、1H)、6.83(d、J=0.8Hz、1H)、6.70(dd、J=3.8、6.2Hz、1H)、6.50~6.25(m、1H)、5.26~5.11(m、1H)、5.09~5.02(m、1H)、4.45(ddd、J=2.5、4.5、15.6Hz、1H)、3.75(q、J=6.6Hz、2H)、2.72(dt、J=6.5、19.3Hz、2H)、2.01(s、2H)、1.61(d、J=4.9Hz、3H)、1.35(d、J=7.4Hz、3H)、0.83(d、J=9.7Hz、8H)、-0.06(d、J=4.5Hz、5H)。
【0530】
ステップ4。2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]-3-チエニル]エタノール(89f)の合成
丸底フラスコに、(R)-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2-2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(89e、123mg、0.21mmol)、DMSO(5mL)、フッ化セシウム(98mg、0.64mmol)を入れた。混合物を1時間撹拌し、次に、逆相クロマトグラフィー(10%~70%のMeCN/水/0.1%のTFA)によって直接精製した。生成物画分を凍結乾燥して、2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]-3-チエニル]エタノール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(89f、70mg、0.120mmol、56%の収率)を得た。H NMR(500MHz、メタノール-d)δ8.96(d、J=9.5Hz、1H)、8.33(dd、J=3.9、28.5Hz、1H)、7.15(dd、J=3.9、8.6Hz、1H)、6.61(dd、J=3.7、18.7Hz、1H)、5.27(d、J=3.4Hz、1H)、5.18(ddd、J=3.0、5.9、8.5Hz、1H)、5.12(dd、J=1.9、5.9Hz、1H)、4.58~4.44(m、1H)、3.79~3.63(m、2H)、2.96(d、J=4.9Hz、3H)、2.86~2.66(m、2H)、1.63(s、3H)、1.39(s、3H)。LCMS:LCmS[M+H]:466.0。
【0531】
ステップ5。4-メチル-7-[(3aR,4R,6S,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(7S)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(89g)の合成
バイアルに、THF(2mL)中の2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]-3-チエニル]エタノール(89f、110mg、0.19mmol)を入れた。ピリジン(0.03mL、0.38mmol)を加え、混合物を20分間撹拌し、次に、トリフェニルホスフィン(99.5mg、0.38mmol)およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.07mL、0.38mmol)を加え、2.5時間撹拌した。追加のアゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.07mL、0.38mmol)およびトリフェニルホスフィン(99.5mg、0.38mmol)を加えた。1時間後、溶媒を蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~60%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、4-メチル-7-[(3aR,4R,6S,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(7S)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(89g、94.5mg、0.21mmol、111%の収率)を得た。LCMS[M+H]:448.1。
【0532】
ステップ6。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(7S)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例89)の合成
バイアルに、水(0.50ml)中の4-メチル-7-[(3aR,4R,6S,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(7S)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(89g、94.5mg、0.21mmol)および2,2,2-トリフルオロ酢酸(0.16mL、2.11mmol)を加えた。反応物を3時間撹拌し、次に、EtOAcおよびNaHCOで希釈した。有機物を分離し、水および食塩水で洗浄した。溶媒を真空で蒸発させ、残留物を逆相クロマトグラフィー(0~70%のMeCN/水/0.1%のTFA)によって精製して、(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(7S)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例89、2.3mg、0.0042mmol、2%の収率)を得た。H NMR(500MHz、メタノール-d)δ8.78(s、1H)、7.92(s、1H)、6.97(s、1H)、6.76(s、1H)、6.46(d、J=7.5Hz、1H)、4.22(dd、J=5.4、12.1Hz、2H)、3.98~3.76(m、1H)、2.84(s、5H)。LCMS[M+H]:408.0。
【0533】
実施例90。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(7S)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例90)の合成
【0534】
【化50】
【0535】
ステップ1。[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(90a)の合成
マグネシウム(43.52mg、1.79mmol)を含有する20mLのバイアルおよび撹拌棒を真空下でヒートガン乾燥し、冷却時に窒素を再充填した。2-(2-ブロモ-5-クロロ-3-チエニル)エトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(89c、0.07mL、1.79mmol)の2mLのTHF溶液を加え、続いて、水素化ジイソブチルアルマニリウム(0.02mL、0.02mmol)を加えた。マグネシウムの大部分が消費されるまで、反応物を室温で5時間撹拌した。溶液を-78℃に冷却し、(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-N-メトキシ-N、2,2-トリメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-カルボキサミド(1Ad、527mg、1.38mmol)のTHF(3mL)溶液を加え、30分間冷却して撹拌した後、室温に温めた。反応物を室温で3時間撹拌し、次に、-78℃に冷却し、EtOAcでクエンチし、続いて、NHClでクエンチした。混合物を室温に温めた。有機物を分離し、水および食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~70%のEtOAc/ヘキサン)で2回精製して、[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(90a、104mg、0.17mmol、13%の収率)を得た。LCMS[M+H]:599.8。
【0536】
ステップ2。(R)-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(90b)の合成
[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(90a、104mg、0.17mmol)のトルエン(2mL)溶液に、Arを5分間散布し、-78℃に冷却し、次に、水素化ジイソブチルアルミニウムの1Mのトルエン(0.36mL、0.44mmol)を5分間かけて滴下した。黄色い溶液を-78℃で75分間撹拌した。反応混合物を最大0℃まで温め、水(80μL)、15%の水酸化ナトリウム(80μL)、および水(200μL)をゆっくりと加え、室温で15分間撹拌した。次に、混合物をEtOAcで希釈し、有機物を分離し、水相を再びEtOAcで抽出した。有機物を合わせ、水および食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(0~45%のEtOAc/ヘキサン、DCM+ヘキサンに湿式負荷)によって精製して、フワフワの白色の固体として(R)-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(90b、97mg、0.162mmol、93%の収率)を得た。H NMR(500MHz、メタノール-d)δ8.59(d、J=5.0Hz、1H)、7.92(d、J=3.8Hz、1H)、6.83(d、J=0.8Hz、1H)、6.70(dd、J=3.8、6.2Hz、1H)、6.50~6.25(m、1H)、5.26~5.11(m、1H)、5.09~5.02(m、1H)、4.45(ddd、J=2.5、4.5、15.6Hz、1H)、3.75(q、J=6.6Hz、2H)、2.72(dt、J=6.5、19.3Hz、2H)、1.61(d、J=4.9Hz、3H)、1.35(d、J=7.4Hz、3H)、0.83(d、J=9.7Hz、9H)、-0.06(d、J=4.5Hz、6H)。
【0537】
ステップ3。2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]-3-チエニル]エタノール(90c)の合成
(R)-[3-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-5-クロロ-2-チエニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(90b、202mg、0.34mmol)のDMSO(5mL)溶液に、フッ化セシウム(154mg、1.01mmol)を加え、反応物を1時間撹拌した。混合物を逆相クロマトグラフィー(10%~70%のMeCN/水/0.1%のTFA)によって直接精製して、2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]-3-チエニル]エタノール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(90c、62mg、0.103mmol、31%の収率)を得た。LCMS[M+H]:487.5。
【0538】
ステップ4。4-クロロ-7-[(3aR,4R,6S,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(7R)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(90d1)および(90d2)の合成
2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]-3-チエニル]エタノール(90c、58mg、0.12mmol)のTHF(2mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(61.86mg、0.24mmol)およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.05mL、0.24mmol)を加えた。2.5時間後、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.05mL、0.24mmol)およびトリフェニルホスフィン(61.86mg、0.24mmol)を加えた。1時間後、反応物を室温に冷却し、EtOAcと水とに分配した。層を分離し、水層を再びEtOAcで抽出し、有機物を合わせ、水および食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~80%のEtOAc/DCM)によって精製した。生成物を含有する画分を回収し、第一級アルコールのトリフルオロメチルエステルを含有する第2のセットも個別に回収した。エステルを含有するものを合わせてTHFに取り、NaHCOを加えて2時間撹拌した後、それらをEtOAcで希釈し、有機物を水、食塩水で洗浄し、溶媒を蒸発させて、90cの2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4、6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]-3-チエニル]エタノールを得た。次に、これを元の反応条件に3時間供し、上記に記載されるように後処理および精製し、以前に得られた生成物と合わせて、4-クロロ-7-[(3aR,4R,6S,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(7S)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(90d1、15mg、0.032mmol、27%の収率);LCMS(M+H):468.1、および4-クロロ-7-((3aR,4R,6S,6aR)-6-((7R)-2-クロロ-4,7-ジヒドロ-5H-チエノ[2、3-c]ピラン-7-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(90d2、6mg、12%)を得た。
【0539】
ステップ5。7-[(3aR,4R,6S,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(7S)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(90e)の合成
4-クロロ-7-[(3aR,4R,6S,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(7S)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2、3-c]ピラン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(90d1、15mg、0.03mmol)の1,4-ジオキサン(1mL)溶液に、水酸化アンモニウム(0.1mL、2.4mmol)を加え、バイアルに蓋をして、120℃で14時間マイクロ波に置いた。溶媒を真空で蒸発させ、EtOAc(1mL)を加え、混合物を真空で2回蒸発させて、7-[(3aR,4R,6S,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(7S)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(90e、14mg、0.031mmol、97%の収率)を得た。LCMS[M+H]:449.0/450.9。
【0540】
ステップ6。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(7S)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例90)の合成
7-[(3aR,4R,6S,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(7S)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(90e、6.0mg、0.01mmol)の水(1mL)および2,2,2-トリフルオロ酢酸;TFA(0.0mL、0.01mmol)の溶液を2時間撹拌し、逆相HPLCによって精製して、(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(7S)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例90、1.1mg、0.0021mmol、16%の収率)を得た。H NMR(500MHz、メタノール-d)δ8.26(s、1H)、7.80~7.56(m、1H)、6.96(d、J=3.7Hz、1H)、6.77(s、1H)、6.37(d、J=7.6Hz、1H)、4.65(dd、J=5.1、7.5Hz、1H)、4.31(dd、J=5.9、11.1Hz、1H)、4.25~4.17(m、2H)、3.83(td、J=3.6、11.1Hz、1H)、2.91~2.75(m、1H)、2.59(d、J=16.2Hz、1H)。5ppmでのぼんやりとした多重線での水のピークLCMS[M+H]:409.1。
【0541】
実施例91。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(7R)-2-クロロ-5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例91)の合成
【0542】
【化51】
【0543】
4-クロロ-7-((3aR,4R,6S,6aR)-6-((7R)-2-クロロ-4,7-ジヒドロ-5H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(90d2)から始まり、実施例90に対して使用される同じ手順の後に、(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-((S)-2-クロロ-4,7-ジヒドロ-5H-チエノ[2,3-c]ピラン-7-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例91、1.1mg、7%の収率)を得た。LCMS[M+H]:409.0。H NMR(500MHz、メタノール-d)δ8.22(s、1H)、7.70(d、J=3.8Hz、1H)、6.90(d、J=3.8Hz、1H)、6.71(s、1H)、6.31(d、J=6.1Hz、1H)、4.98(d、J=2.4Hz、1H)、4.50(t、J=5.7Hz、1H)、4.41(dd、J=3.1、5.2Hz、1H)、4.39~4.28(m、2H)、3.85(td、J=3.5、11.2Hz、1H)、2.78(d、J=17.0Hz、1H)、2.55(d、J=16.1Hz、1H)。
【0544】
実施例94。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例94)の合成
【0545】
【化52】
【0546】
ステップ1。2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)-2-フルオロ-アセトニトリル(94a)の合成
2-ブロモ-5-クロロ-ベンズアルデヒド(44a、8000mg、31.9mmol)およびヨウ化亜鉛(21mg、0.07mmol)のDCM(100mL)溶液に、0℃でトリメチルシリルホルモニトリル(3360mg、33.9mmol)を加えた。混合物を25℃で18時間撹拌した。次に、DCM(80mL)中のDAST(5600mg、34.7mmol)を加え、混合物を0℃に冷却した。混合物を25℃で18時間撹拌した。混合物をHCl(50mL、1M)、HO(50mL)、およびNaHCO(50mL、水溶液)で洗浄した。反応混合物をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)-2-フルオロ-アセトニトリル(94a、4670mg、16.10mmol、50.5%の収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ7.87~7.84(m、1H)、7.81(s、1H)、7.63~7.61(m、1H)、6.55(d、J=43.6、1H)。
【0547】
ステップ2。2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)-2-フルオロ-酢酸(94b)の合成
2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)-2-フルオロ-アセトニトリル(94a、4.47g、17.99mmol)のメタノール(50mL)溶液に、75℃で硫酸(10mL、187.6mmol)を滴下した。反応物を75℃で18時間撹拌した。TLC(PE、R=0.3)は、反応が完了したことを示した。混合物をNaHCO(水溶液)でクエンチした。混合物を真空で濃縮し、EA(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させた。溶媒を真空で除去して、メチル2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)-2-フルオロ-酢酸(94b、4.8g、14.7mmol、73%の収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ7.67(d、J=8.8、1H)、7.60(d、J=2、1H)、7.53~7.50(m、1H)、6.36(d、J=45、1H)、3.752(s、3H)。
【0548】
ステップ3。2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)-2-フルオロ-エタノール(94c)の合成
メチル2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)-2-フルオロ-酢酸(94b、4.8g、17.05mmol)のメタノール(40mL)溶液に、NaBH(1.29g、34.1mmol)を加えた。反応物を25℃で2時間撹拌した。TLC(PE:EA=4:1、R=0.5)は、反応が完了したことを示した。混合物をHCl(1N)でクエンチした。次に、混合物を真空で濃縮し、EA(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させた。溶媒を真空で除去して、2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)-2-フルオロ-エタノール(94c、3.8g、15mmol、80%の収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ7.69(d、J=8.4、1H)、7.60(d、J=2.8、1H)、7.43~7.40(m、1H)、5.78~5.76(m、1H)、5.40~5.37(m、1H)、3.83~3.65(m、2H)。
【0549】
ステップ4。[2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)-2-フルオロ-エトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(94d)の合成
2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)-2-フルオロ-エタノール(94c、3.8g、14.99mmol)およびイミダゾール(2.04g、29.98mmol)のDCM(50mL)溶液に、t-ブチルクロロジフェニルシラン(2.71g、17.99mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を30℃で2時間撹拌した。TLC(PE、R=0.4)は、反応が完了したことを示した。溶媒を真空で除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE)によって精製して、淡黄色の油として[2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)-2-フルオロ-エトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(94d、5g、13.6mmol、91%の収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ7.69(d、J=8.4、1H)、7.48~7.41(m、2H)、5.82~5.71(m、1H)、4.05~3.85(m、2H)、0.82(s、9H)、0.00~0.06(m、6H)。
【0550】
ステップ5。[4-クロロ-2-[(1R)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-フルオロ-エチル]-フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(94e1)および[4-クロロ-2-[(1S)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-フルオロ-エチル]フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(94e2)の合成
[2-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)-2-フルオロ-エトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(3.63g、9.87mmol)の乾燥THF(8mL)溶液に、-78℃のAr下で撹拌した。n-BuLi(4.7mL、11.76mmol)を加え、反応混合物を10分間撹拌した。次に、無水THF(2.00mL)中の(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ2,3-d]ピリミジン-7-イル)-N-メトキシ-N、2,2-トリメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-カルボキサミド(1Ad、1.8g、4.7mmol)を加えた。混合物を-78℃で30分間撹拌した。TLC(PE:EA=5:1、R=0.5)は、反応が完了したことを示した。反応物をCHCOOHでクエンチした。混合物を別のバッチと合わせて後処理した。反応物をEtOAc(100mL×3)で抽出し、有機物を水(50mL×3)で洗浄し、次に、飽和食塩水(50mL×3)で洗浄した。有機物をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して粗生成物を得、これをSFCによってさらに精製して、[4-クロロ-2-[(1S)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ]-1-フルオロ-エチル]フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4、6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(94e2、300mg、0.49mmol、10.5%の収率)を得た。LCMS[M+H]:610.2。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.59(s、1H)、8.09~8.02(m、2H)、7.85~7.75(m、2H)、6.84(d、J=3.6、1H)、6.69(s、1H)、5.62~5.54(m、2H)、5.50~5.37(m、1H)、3.97~3.74(m、2H)、1.74(s、3H)、1.46(s、3H)、0.90(s、9H)、-0.02(d、J=13.6,6H)および[4-クロロ-2-[(1R)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-フルオロ-エチル]-フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(94e1、800mg、1.31mmol、28%の収率)。LCMS[M+H]:610.2。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.52(s、1H)、7.77(d、J=9.2、1H)、7.69(d、J=3.6、1H)、7.28~7.26(m、1H)、6.48~6.46(m、2H)、5.77(s、1H)、5.71~5.51(m、2H)、5.44~5.31(m、1H)、3.97~3.33(m、2H)、1.59(s、3H)、1.42(s、3H)、0.83(s、9H)、0.01~0.01(m、6H)。
【0551】
ステップ6。(R)-[4-クロロ-2-[(1S)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-フルオロ-エチル]フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(94f)の合成
[4-クロロ-2-[(1S)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-フルオロ-エチル]フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(94e2、300mg、0.49mmol)のトルエン(7mL)溶液に、DIBAL-H(0.17mL、1.47mmol)を加えた。混合物を-78℃のN下で30分間撹拌した。溶液をCHCOOHでクエンチした。混合物を別のバッチと合わせて後処理した。混合物をEtOAc(15mL×3)で抽出し、有機層を水(20mL×3)で洗浄し、次に、食塩水(20mL×3)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE:EA=5:1)によって精製して、(R)-[4-クロロ-2-[(1S)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-フルオロ-エチル]フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(94f、300mg、0.49mmol)を得た。LCMS[M+H]:612.2。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.75(s、1H)、7.70(d、J=12.8、1H)、7.49(s、1H)、7.73~7.41(m、1H)、7.35~7.32(m、1H)、6.67~6.66(m、1H)、6.63(d、J=1.6、1H)、5.87~5.72(s、1H)、5.29~5.19(m、2H)、5.12~5.11(m、1H)、4.65(s、1H)、3.97~3.81(m、2H)、1.59(s、3H)、1.24(s、3H)、0.87(s、9H)、0.02~0.00(m、6H)。
【0552】
ステップ7。(2S)-2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]-2-フルオロ-エタノール(94g)の合成
(R)-[4-クロロ-2-[(1S)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-フルオロ-エチル]フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(94f、300mg、0.49mmol)のTHF(5mL)溶液に、TBAF(1M)(0.26mL、0.98mmol)を加えた。混合物を25℃のN下で30分間撹拌した。混合物を別のバッチと合わせて後処理した。反応をNHClでクエンチし、EA(10mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EA=1:1)によって精製して、(2S)-2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]-2-フルオロ-エタノール(94g、200mg、0.40mmol、82%の収率)を得た。LCMS[M+H]:498.1。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.67(s、1H)、7.65(d、J=8、1H)、7.52~7.50(m、1H)、7.45~7.42(m、1H)、7.35~7.31(m、1H)、6.79(s、1H)、6.68(d、J=3.6、1H)、5.31~5.14(m、4H)、4.69(s、1H)、4.15~3.85(m、2H)、1.62(s、3H)、1.33(s、3H)。
【0553】
ステップ8。(7S)-4-クロロ-7-[(3aR,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(94h1)および(7S)-4-クロロ-7-[(3aR,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1S,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(94h2)の合成
2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-[(7S)-4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]-2-フルオロ-エタノール(94g、200mg、0.40mmol)のTHF(mL)溶液に、25℃でNaH(19.26mg、0.80mmol)を加え、10分間撹拌した。塩化トシル(76.52mg、0.40mmol)を加え、1時間撹拌した。反応混合物を別のバッチと合わせて後処理した。混合物をHOでクエンチし、EA(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物を、HO中のCHCN(0.1%のNHOH)で5%~95%まで溶出する分取HPLCによって精製して、(7S)-4-クロロ-7-[(3aR,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1S,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(94h2、15mg、0.031mmol、8%の収率)、LCMS[M+H]:480.1、および(7S)-4-クロロ-7-[(3aR,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロイソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(94h1、34mg、0.071mmol、17.6%の収率)を得た。LCMS[M+H]:480.1。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.60(s、1H)、7.60(d、J=4、1H)、7.43~7.42(m、1H)、7.36~7.33(m、1H)、7.15(d、J=8.4、1H)、6.60(d、J=3.6、1H)、6.55(d、J=3.6、1H)、5.25(d、J=50.8、1H)、4.99~4.97(m、1H)、4.86~4.84(m、1H)、4.78~4.74(m、2H)、4.43~4.36(m、1H)、3.83~3.71(m、1H)、1.55(s、3H)、1.19(s、3H)。
【0554】
ステップ9。4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(94i)の合成
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.4mg)および4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(94h1、10mg、0.02mmol)のTHF(4mL)溶液に、ジメチル亜鉛(20mg、0.21mmol)を加えた。混合物を70℃で3時間撹拌した。LCMSは、20%の所望の生成物を示した。別のバッチをこの反応物と合わせ、真空で濃縮して、粗4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(94i)を得、これを次のステップに直接使用した。LCMS[M+H]:460.3。
【0555】
ステップ10。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例94)の合成
4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(94i、30mg、0.07mmol)の水溶液(1mL)に、TFA(1.13mL、7.77mmol)を加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。残留物を、HO中のCHCN(0.1%のTFA)で5%~95%で溶出する分取HPLCによって精製して粗生成物を得、これをHO中のCHCN(0.1%のNH/HO)で5%~95%まで溶出する分取HPLCによってさらに精製して、白色の固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例94、3.5mg、0.0065mmol、10%の収率)を得た。LCMS[M+H]:420.3。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO):δ8.83(s、1H)、7.87(d、J=3.2、1H)、7.67(s、1H)、7.55~7.49(m、2H)、6.96(s、1H)、6.35(d、J=8、1H)、5.52(d、J=50.4、1H)、5.02~5.00(m、1H)、4.94~4.91(m、1H)、4.61(d、J=2.8、1H)、4.53~4.46(m、2H)、3.99~3.82(m、2H)、2.67(s、3H)。
【0556】
実施例95。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例95)の合成
【0557】
【化53】
【0558】
ステップ1。7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロイソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(95a)の合成
4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロイソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(94h1、35mg、0.07mmol)の1,4-ジオキサン(2.5mL)溶液に、アンモニア(2.5mL、0.07mmol)を加えた。混合物を密封し、120℃で16時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮して、粗7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(95a)を得、これを次のステップに直接使用した。LCMS[M+H]:461.2。
【0559】
ステップ2。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例95)の合成
7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(95a、25mg、0.05mmol)の水溶液(1mL)に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(1.0mL、12.98mmol)を加えた。混合物を25℃で30分間撹拌した。残留物を、HO中のCHCN(0.1%のNHOH)で5%~95%で溶出する分取HPLCによって精製して、白色の固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R,4R)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例95、6mg、0.014mmol、25%の収率)を得た。LCMS[M+H]:421.1。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO):δ8.07(s、1H)、7.65(s、1H)、7.51(s、2H)、7.38(d、J=4、1H)、6.67(d、J=4.4、1H)、6.21(d、J=8、1H)、5.59~5.46(d、J=50、1H)、4.88(d、J=2.8、1H)、4.52(d、J=2.8、1H)、4.46~4.34(m、2H)、3.96~3.87(m、1H)、3.81(d、J=4.8、1H)。
【0560】
実施例92。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例92)の合成
【0561】
【化54】
【0562】
ステップ1。(R)-[4-クロロ-2-[(1R)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-フルオロ-エチル]フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(92a)の合成
[4-クロロ-2-[(1R)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-フルオロ-エチル]フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(94e1、800mg、1.31mmol)のトルエン(7mL)溶液に、DIBAL(0.45mL、3.93mmol)を加えた。混合物を-78℃のN下で30分間撹拌した。溶液をNHClでクエンチした。混合物を別のバッチと合わせて後処理した。混合物をEtOAc(15mL×3)で抽出し、有機層を水(20mL×3)で洗浄し、次に、食塩水(20mL×3)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE:EA=5:1)によって精製して、(R)-[4-クロロ-2-[(1R)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-フルオロ-エチル]フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(92a、520mg、0.85mmol、65%の収率)を得た。LCMS[M+H]:612.2。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.68(s、1H)、7.69(d、J=8、1H)、7.40(s、1H)、7.34(d、J=3.6、1H)、6.67(d、J=3.6、1H)、6.46(d、J=1.2、1H)、5.86(d、J=4.8、1H)、5.83~5.68(m、1H)、5.34(s、1H)、5.27~5.16(m、1H)、5.16~5.16(m、1H)、4.52(s、1H)、4.02~3.78(m、2H)、1.58(s、3H)、1.26(s、3H)、0.83(s、9H)、0.02~0.00(m、6H)。
【0563】
ステップ2。(2R)-2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]-2-フルオロ-エタノール(92b)の合成
(R)-[4-クロロ-2-[(1R)-2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-フルオロ-エチル]フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(92a、520mg、0.85mmol)のTHF(5mL)溶液に、TBAF(1M)(0.44mL、1.7mmol)を加えた。混合物を25℃のN下で30分間撹拌した。混合物を別のバッチと合わせて後処理した。溶液をNHClでクエンチし、EAで洗浄し、溶媒を真空で除去した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(PE:EA=3:1)によって精製して、(2R)-2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]-2-フルオロエタノール(92b、330mg、0.66mmol、78%の収率)を得た。LCMS[M+H]:498.1。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.68(s、1H)、7.73(d、J=8.4、1H)、7.45~7.40(m、2H)、7.33(d、J=4、1H)、6.67(d、J=4、1H)、6.39(d、J=1.6、1H)、5.88~5.73(m、2H)、5.33(s、1H)、5.28~5.25(m、1H)、5.17~5.15(m、1H)、4.48(s、1H)、3.99~3.67(m、2H)、1.59(s、3H)、1.32(s、3H)。
【0564】
ステップ3。4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(92c)の合成
(2R)-2-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]-2-フルオロ-エタノール(92b、300mg、0.60mmol)のTHF(mL)溶液に、0℃でNaH(28.9mg、1.2mmol)を加え、10分間撹拌した。塩化トシル(115mg、0.60mmol)を混合物に加え、1時間撹拌した。混合物を別のバッチと合わせて後処理した。混合物をHOでクエンチし、EA(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EA=5:1)によって精製して、4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(92c、90mg、0.192mmol)を得た。LCMS[M+H]:480.1。H NMR(400MHz、DMSO-d):δ8.61(d、J=6,1H)、7.46~7.43(m、2H)、7.19(d、J=8、1H)、6.98(d、J=8.4、1H)、6.62(d、J=3.6、1H)、6.37(d、J=3.2、1H)、5.57~5.41(m、1H)、5.08~5.05(m、1H)、4.89~4.85(m、2H)、4.53~4.51(m、1H)、4.33~4.27(m、1H)、3.79~3.72(m、1H)、1.54(s、3H)、1.25(s、3H)。
【0565】
ステップ4。4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(92d)の合成
4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(92c、10mg、0.02mmol)および第二鉄アセチルアセトン(0.74mg、0.002mmol)のTHF(4mL)溶液に、-30℃で臭化メチルマグネシウム(23mg、0.21mmol)をゆっくりと加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を真空で濃縮して、粗4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(92d)を得、これを次のステップに直接使用した。LCMS[M+H]:460.2。
【0566】
ステップ5。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例92)の合成
4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(92d、10mg、0.02mmol)の水溶液(1mL)に、TFA(1.0mL、6.86mmol)を加えた。混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を、HO中のCHCN(0.1%のNHOH)で5%~95%まで溶出する分取HPLCによって精製し、白色の固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例92、7mg、0.016mmol、75%の収率)を得た。LCMS[M+H]:420.2。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO):δ8.67(s、1H)、7.75(d、J=3.6、1H)、7.55(d、J=1.6、1H)、7.36(d、J=8.8、1H)、7.25(d、J=8.4、1H)、6.82(d、J=4、1H)、6.25(d、J=7.2、1H)、5.67~5.52(m、1H)。
【0567】
実施例93。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例93)の合成
【0568】
【化55】
【0569】
ステップ1。7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(93a)の合成
4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(92c、10mg、0.02mmol)の1,4-ジオキサン(2.5mL)溶液に、アンモニア(2.5mL、0.02mmol)を加えた。混合物を密封し、120℃で16時間撹拌した。混合物を真空で濃縮して、粗7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(93a)を得、これを次のステップに直接使用した。LCMS[M+H]:461.2。
【0570】
ステップ2。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例93)の合成
7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(93a、10mg、0.02mmol)の水溶液(2mL)に、2,2,2-トリフルオロ酢酸(1mL、13mmol)を加えた。混合物を25℃で60分間撹拌した。残留物を、HO中のCHCN(0.1%のNHOH)で5%~95%まで溶出する分取HPLCによって精製して、白色の固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R,4S)-6-クロロ-4-フルオロ-イソクロマン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(5mg、0.011mmol、53%の収率)を得た。LCMS[M+H]:421.1。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO):δ8.06(s、1H)、7.55(s、1H)、7.39~7.32(m、1H)、7.28(d、J=19.2、1H)、7.25(d、J=8、1H)、6.65(d、J=3.6、1H)、6.11(d、J=7.2、1H)、5.64~5.51(m、1H)、4.99~4.98(m、1H)、4.53~4.50(m、1H)、4.40~4.33(m、1H)、4.31~4.25(m、1H)、4.12~3.98(m、1H)、3.95~3.91(m、1H)。
【0571】
実施例97。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(4R)-7,8-ジフルオロ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例97)
【0572】
【化56】
【0573】
ステップ1。1,2-ジフルオロ-3-(メトキシメトキシ)ベンゼン(97b)の合成
2,3-ジフルオロフェノール(97a、3.08g、23.68mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.95mL、28.41mmol)の無色透明な溶液に、氷浴中の0°Cの窒素下でクロロメチルメチルエーテル(2.16mL、28.41mmol)を滴下した。氷浴を除去し、透明なオレンジ色の反応物を室温で撹拌した。35分後、TLC(2%のEtOAc/ヘキサン)は、フェノールが残っていないク透明な生成物スポット(rf=0.23)を示す。反応物を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(0~3%のEtOAc/ヘキサン、最大30%まで上昇させてピークが先細りであるため生成物を洗い流す)によって精製した。生成物画分を、透明な淡黄色の油として1,2-ジフルオロ-3-(メトキシメトキシ)ベンゼン(97b、2.79g、16.022mmol、68%の収率)に濃縮した。LCMSは、良好なイオン化を示していない。
【0574】
ステップ2。[3,4-ジフルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(97c)の合成
1,2-ジフルオロ-3-(メトキシメトキシ)ベンゼン(97b、181.96mg、1.04mmol)のジエチルエーテル(2mL)溶液を氷浴で冷却した。n-BuLi(0.67mL、1.07mmol)を滴下し、溶液を3分間冷却して撹拌し(乳白色の混合物が得られた)、氷浴を除去した。反応物は淡黄色の懸濁液になる。2時間後、反応物を氷浴に戻し、(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-N-メトキシ-N、2,2-トリメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-カルボキサミド(1Ad、150mg、0.39mmol)のジエチルエーテル(1mL))溶液を加えた。氷浴を除去し、反応物を室温で撹拌して、橙赤色の不透明な混合物を得た。2時間後、LCMSは反応が完了したことを示した。反応物を氷浴で冷却し、飽和NHClを加え、続いて、EtOAcを加えた。層を分離し、水溶液を2×EtOAcで抽出した。合わせた有機物を食塩水で洗浄し、綿を通して濾過し、オレンジ色の油になるまで濃縮し、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(5%~40%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、[3,4-ジフルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(97c、77mg、0.15529mmol、40%の収率)を得た。LCMS[M+H]:496.0。
【0575】
ステップ3。(R)-[3,4-ジフルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(97d)の合成
[3,4-ジフルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(97c、163mg、0.33mmol)の琥珀色のトルエン(5mL)溶液を、N下で-78℃に冷却し、次に、水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン中に1M、0.66mL、0.66mmol)をゆっくりと滴下して加えた。得られた透明な黄色い溶液を-78℃で1時間撹拌した。LCMSは、いくつかの出発材料が残っていることを示している。水素化ジイソブチルアルミニウムの追加の部分(トルエン中に1M、0.2mL、0.2mmol)を加えた。30分後、反応物を氷浴に移し、0℃に温め、数mLのEtOAcをゆっくりと加えてクエンチし、続いて、ロッシェル塩の飽和水溶液を数回加えた。氷浴を除去し、追加のEtOAcおよび飽和ロッシェル塩を加え、混合物を激しく撹拌した。層を分離し、水溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、綿を通して濾過し、濃縮して、(R)-[3,4-ジフルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(97d、170mg、0.34145mmol、104%の収率)を得、これをさらに精製せずに次の反応に使用した。LCMS[M+H]:498.0。
【0576】
ステップ4。(R)-[3,4-ジフルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(97e)の合成
(R)-[3,4-ジフルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(97d、170mg、0.34mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(19.73mg、0.02mmol)に、蓋付き2mLのマイクロ波バイアル中の窒素下でTHF(10mL)を加えた。混合物に窒素を10分間散布した。ジメチル亜鉛(ヘキサン中に2M,0.75mL、1.5mmol)をシリンジ(ガス発生)を介して注意深く加え、より明るい黄色の溶液を得、これを70℃に加熱した。反応物は徐々に濃いオレンジ色になる。2時間後、LCMSは反応が完了したことを示した。反応物を室温に冷却し、飽和NaHCOでクエンチし、2×EtOAcで抽出した。合わせた有機物を食塩水で洗浄し、綿を通して濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(14%~100%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、(R)-[3,4-ジフルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(97e、111mg、0.23248mmol、68%の収率)を得た。LCMS[M+H]:478.1。
【0577】
ステップ5。2,3-ジフルオロ-6-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェノール(97f)の合成
(R)-[3,4-ジフルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(97e、85mg、0.18mmol)および臭化テトラエチルアンモニウム(112.24mg、0.53mmol)の混合物にDCM(4mL)を加え、得られた黄色い溶液を氷浴で冷却した。クロロトリメチルシラン(0.07mL、0.53mmol)を加え、反応物を氷浴で室温まで温め、室温で一晩撹拌した。追加の臭化テトラエチルアンモニウム(112.24mg、0.53mmol)およびクロロトリメチルシラン(0.07mL、0.53mmol)を加えた。4時間後、反応物を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(100%のDCM~8%のMeOH/DCM)によって精製して、2,3-ジフルオロ-6-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェノール(97f、43mg、0.01mmol、56%の収率)を得た。LCMS[M+H]:434.1。
【0578】
ステップ6。4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(4R)-7,8-ジフルオロ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(97g)の合成
2,3-ジフルオロ-6-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェノール(97f、56mg、0.13mmol)のDMF(5mL)およびDCM(2.5mL)のオレンジ色の溶液に、窒素下で水素化ナトリウム(51.68mg、1.29mmol)を加え、反応物を80℃に加熱した。5時間後、反応物を氷浴で冷却し、飽和NHCl水溶液でクエンチし、食塩水で希釈し、3×EtOAcで抽出した。合わせた有機物を3×食塩水で洗浄し、綿を通して濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(13%~100%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(4R)-7,8-ジフルオロ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(97g、31mg、0.0696mmol、54%の収率)を得た。LCMS[M+H]:446.0。
【0579】
ステップ7。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(4R)-7,8-ジフルオロ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例97)の合成
4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(4R)-7,8-ジフルオロ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(97g、29mg、0.07mmol)の透明なメタノール(2mL)溶液を、氷浴で短時間冷却し、次に、塩酸(2mL、4mmol)を加え、得られたかすかに濁った溶液を室温で撹拌した。5時間後、反応物を氷浴で冷却し、1NのNaOHで注意深くpH約8に塩基性化し、3×EtOAcで抽出した。合わせた抽出物を食塩水で洗浄し、綿を通して濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~10%のMeOH/DCM)によって精製して、(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(4R)-7,8-ジフルオロ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例97、20mg、0.0449mmol、69%の収率)を得た。LCMS[M+H]:406.1。H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ8.66(s、1H)、7.76(d、J=3.8Hz、1H)、7.15~7.07(m、1H)、7.00(q、J=9.3Hz、1H)、6.80(d、J=3.7Hz、1H)、6.31(d、J=7.7Hz、1H)、5.62(d、J=5.7Hz、1H)、5.35(d、J=6.9Hz、1H)、5.31(d、J=5.7Hz、1H)、5.26~5.22(m、2H)、4.56(td、J=5.1、7.3Hz、1H)、4.41(dd、J=1.4、4.5Hz、1H)、3.94(t、J=4.9Hz、1H)、2.66(s、3H)。DO交換:1H NMR(500MHz、DMSO-d6)δ8.66(s、1H)、7.75(d、J=3.8Hz、1H)、7.13~7.07(m、1H)、6.99(td、J=7.2、9.2、9.6Hz、1H)、6.80(d、J=3.8Hz、1H)、6.30(d、J=7.7Hz、1H)、5.61(d、J=5.7Hz、1H)、5.30(d、J=5.8Hz、1H)、5.23(d、J=4.4Hz、1H)、4.55(dd、J=5.1、7.7Hz、1H)、4.40(dd、J=1.4、4.5Hz、1H)、3.93(dd、J=1.4、5.1Hz、1H)、2.66(s、3H)。
【0580】
実施例98。(2R,3S,4R,5R)-2-[(1R)-6-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例98)の合成
【0581】
【化57】
【0582】
ステップ1。(S)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(98a)
臭化メチルマグネシウム、3.2MのMeTHF(0.09mL、0.30mmol)を、0℃で(S)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(22d、80mg、0.13mmol)および鉄(III)アセチルアセトン(5mg、0.01mmol)のTHF(0.50mL)の懸濁液に滴下した。反応混合物を0℃で40分間、次に、室温で一晩撹拌した。反応物をEtOAcでクエンチし、続いて、飽和NHCl水溶液でクエンチし、混合物をEtOAcで希釈した。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~100%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、黄色い油として(S)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(98a、35mg、0.049mmol、36%の収率)を得た。LCMS[M+H]:574.16。
【0583】
ステップ2。2-[(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]イソインドリン-1,3-ジオン(98b)
アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.02mL、0.12mmol)を、(S)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(98a、35mg、0.06mmol)、トリフェニルホスフィン(24mg、0.09mmol)、およびフタルイミド(13.45mg、0.09mmol)のTHF(0.50mL)溶液に滴下した。30分で、TLC(2:1ヘキサン/EA)は反応が完了したことを示した。反応混合物を濃縮し、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~100%のEtOAc/ヘキサン)によって精製して、黄色い泡状固体として2-[(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]を得た。-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]イソインドリン-1,3-ジオン(98b、37mg、0.042mmol、収率69%)を得た。
LCMS[M+H]:703.2/705.2。
【0584】
ステップ3。(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタンアミン(98c)
ヒドラジン一水和物(2.7mg、0.08mmol)を、2-[(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]イソインドリン-1,3-ジオン(98b、37mg、0.04mmol)のEtOH(0.50mL)の懸濁液に加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次に、80℃で6時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、粗生成物、(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタンアミン(98c、40mg、0.042mmol、99.5%の収率)を得、これを精製せずに次のステップに送った。LCMS[M+H]:574.2/576.1。
【0585】
ステップ4。tert-ブチルN-[(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]カルバメート(98d)
トリエチルアミン(0.01mL、0.08mmol)を、室温で(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタンアミン(98c、40mg、0.04mmol)およびジ-tertブチルジカーボネート(18mg、0.08mmol)の乾燥DCM(0.50mL)の懸濁液に滴下し、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応物を濃縮し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0~8%のMeOH/DCM)によって精製して、tert-ブチルN-[(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4、6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]カルバメート(98d、30mg、0.036mmol、85%の収率)を得た。
LCMS[M+H]:673.1/675.3。H NMR(500MHz、メタノール-d)δ8.71(s、1H)、7.50(d、J=3.7Hz、1H)、7.36(d、J=8.4Hz、1H)、7.19~7.01(m、2H)、6.73(d、J=3.7Hz、1H)、6.19(d、J=2.5Hz、1H)、5.33(dd、J=2.4、6.6Hz、1H)、5.24(dd、J=4.4、6.6Hz、1H)、5.16(d、J=8.9Hz、1H)、4.32(dd、J=4.4、8.8Hz、1H)、3.62~3.52(m、1H)、3.46(dt、J=5.6、10.6Hz、1H)、2.72(s、3H)、2.50(t、J=12.1Hz、2H)、1.63(s、2H)、1.60(s、3H)、1.45(d、J=10.3Hz、9H)、1.36(s、3H)、0.77(s、9H)、-0.25(d、J=15.6Hz、6H)。
【0586】
ステップ5。tert-ブチルN-[(R)-[4-クロロ-2-(2-ヒドロキシエチル)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]カルバメート(98e)
tert-ブチルN-[(R)-[2-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエチル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]カルバメート(98d、20mg、0.02mmol)の懸濁液、DMSO(0.40mL)中のフッ化セシウム(5.5mg、0.04mmol)を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、逆相クロマトグラフィー(10%~100%のMeCN/水)によって直接精製して、tert-ブチルN-[(R)-[4-クロロ-2-(2-ヒドロキシエチル)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]カルバメート(98e、10mg、0.018mmol、75%の収率)を得た。LCMS[M+H]:559.2/561.1。
【0587】
ステップ6。tert-ブチル(1R)-6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボキシレート(98f)
アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.01mL、0.04mmol)を、トリフェニルホスフィン(9.38mg、0.04mmol)およびtert-ブチルN-[(S)-[4-クロロ-2-(2-ヒドロキシエチル)フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]カルバメート(98e、10mg、0.02mmol)の乾燥THF(0.50mL)溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.01mL、0.04mmol)およびトリフェニルホスフィン(9.38mg、0.04mmol)を加え、反応物をさらに1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中の0~12%のMeOH)によって精製して、tert-ブチル(1R)-6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボキシレート(98f、10mg、0.009mmol、52%の収率)を得た。LCMS[M+H]:541.1/543.3。
【0588】
ステップ7。(2R,3S,4R,5R)-2-[(1R)-6-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例98)
tert-ブチル(1R)-6-クロロ-1-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボキシレート(98f、10mg、0.02mmol)、HCl(0.67mg、0.02mmol)およびメタノール(0.50mL)の混合物を室温で一晩撹拌した。LCMSは、アセトニドが開裂したが、Bocは開裂しなかったことを示した。反応混合物を濃縮し、凍結乾燥して白色固体にし、これをDCM(0.50mL)およびTFA(0.26mL、2.89mmol)に溶解し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を逆相クロマトグラフィー(0~70%のMeCN/水/0.1%のTFA)によって精製して、白色の固体として(2R,3S,4R,5R)-2-[(1R)-6-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル]-5-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;2,2,2-トリフルオロ酢酸(実施例98、3mg、0.006mmol、30%の収率)を得た。LCMS[M+H]:401.1。H NMR(500MHz、DMSO-d)δ8.74(s、1H)、7.37~7.15(m、3H)、7.00(d、J=3.8Hz、1H)、6.75(d、J=3.8Hz、1H)、6.08(d、J=4.0Hz、1H)、4.83(d、J=3.2Hz、1H)、4.50(dd、J=3.3、5.5Hz、1H)、4.39~4.26(m、2H)、3.49(dd、J=6.8、13.3Hz、1H)、3.33(dt、J=6.0、12.3Hz、1H)、3.00~2.82(m、2H)、2.69(s、3H)。
【0589】
実施例102。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-7-クロロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンゾキセピン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;ハイドロクロライド(実施例102)の合成
【0590】
【化58】
【0591】
ステップ1。3-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)プロパ-2-エノエート(102b)の合成
NaH(0.01mL、54.68mmol)の乾燥THF(50mL)溶液に、0℃でエチル2-(ジエトキシホスホリル)酢酸(102a、12.258g、54.68mmol)をゆっくりと加え、10分間撹拌した。2-ブロモ-5-クロロ-ベンズアルデヒド(46a、10g、45.57mmol)を反応混合物に加え、室温で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル、R=0.2)およびLCMSは、反応が完了したことを示した。反応混合物を氷水(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(200mL)で抽出し、水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ濾過し、真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=100:1~50:1)によって精製して、オフホワイトの油としてエチル3-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)プロパ-2-エノエート(102b、11.6g、36.58mmol、80%の収率)を得た。LCMS[M+H]:291.0。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.92~7.97(m、1H)、7.53~7.57(m、2H)、7.19~7.21(m、1H)、6.37~6.40(m、1H)、4.26~4.31(m、2H)、1.33~1.37(m、3H)。
【0592】
ステップ2。3-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)プロパノエート(102c)の合成
THF(58mL)/水(58mL)中の3-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)プロパ-2-エノエート(102b、5.0g、17.27mmol)、p-トルエンスルホニルヒドラジド(32.15g、172.68mmol)および酢酸ナトリウム三水和物(35.24g、259.02mmol)の混合物を撹拌し、20時間還流した。水(50mL)を加え、次に、酢酸エチル(100mL)で抽出し、水(2×300mL)および食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ濾過し、真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=100:1~20:1)によって精製して、オフホワイトの油としてエチル3-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)プロパノエート(102c、4.6g、13.8mmol、80%の収率)を得た。LCMS[M+H]:293.0。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.44~7.46(m、1H)、7.25~7.26(m、1H)、7.05~7.08(m、1H)、4.12~4.18(m、H)、3.01~3.05(m、2H)、2.61~2.65(m、2H)。
【0593】
ステップ3。3-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)プロパン-1-オール(102d)の合成
3-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)プロパノエート(102c、4.6g、15.78mmol)のトルエン(50mL)溶液に、-78°CのN下で水素化ジイソブチルアルミニウム(31.55mL、47.33mmol)を加え、反応混合物を-78℃で60分間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=40:1、R=0.1、石油エーテル:酢酸エチル=10:1、R=0.3)は、反応が完了したことを示した。飽和NHCl溶液(100mL)を混合物に加え、混合物を酢酸エチル(100mL)で抽出し、食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、溶媒を真空で除去して、粗3-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)プロパン-1-オール(102d)を得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
【0594】
ステップ4。3-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)-プロポキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(102e)の合成
3-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)プロパン-1-オール(102d、5.1g、20.44mmol)およびイミダゾール(2.78g、40.88mmol)のDCM(20mL)溶液に、t-ブチルクロロジフェニルシラン(3.7g、24.53mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。TLC(石油エーテル、R=0.7)は、反応が完了したことを示した。溶媒を真空で除去して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル)によって精製して、オフホワイトの油として3-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)-プロポキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(102e、1.7g、4.67mmol、23%の収率)を得た。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ7.56(d、0.83(s、J=7.6Hz、1H)、7.37(d、J=2.8Hz、1H)、7.20(d、J=2.8Hz、1H)、3.56~3.59(m、2H)、2.68~2.71(m、2H)、1.69~1.72(m、2H)、0.83(s、9H)、0.00(s、6H)。
【0595】
ステップ5。[2-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシプロピル]-4-クロロ-フェニル]-[4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(102f)の合成
3-(2-ブロモ-5-クロロ-フェニル)プロポキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(102e、1130.9mg、3.11mmol)のTHF(15mL)溶液に、-78℃でn-ブチルリチウム(175.71mg、2.74mmol)を加えた。反応混合物を-78℃で10分間撹拌した。4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-N-メトキシ-N,2,2-トリメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-カルボキサミド(1Ad、700mg、1.83mmol)を加え、反応物を-78℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)に注ぎ、酢酸エチル(30mL)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ濾過し、真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:7)によって精製して、黄色い油として[2-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシプロピル]-4-クロロ-フェニル]-[4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4、6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(102f、600mg、0.99mmol、54%の収率)を得た。LCMS[M+H]:606.2。
【0596】
ステップ6。(R)-[2-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシプロピル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(102g)の合成
トルエン(3mL)中の[2-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシプロピル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6S,6aS)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノン(102f、600mg、1.02mmol)の混合物に、DIBAL-H(0.24mL、2.05mmol)を-78℃で加えた。混合物を-78℃で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)に注ぎ、真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=8:1)によって精製して、黄色い油として(R)-[2-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシプロピル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(102g、320mg、0.54mmol、53%の収率)を得た。LCMS[M+H]:608.2。
【0597】
ステップ7。3-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]プロパン-1-オール(102h)の合成
THF(3mL)中の(S)-[2-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシプロピル]-4-クロロ-フェニル]-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メタノール(102g、550mg、0.90mmol)の混合物に、25℃でフッ化テトラブチルアンモニウム(0.03mL、1.08mmol)を加えた。混合物を25℃で30分間撹拌した。反応混合物を水(10mL)に注ぎ、酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ濾過し、真空で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製して、黄色い油として3-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]プロパン-1-オール(102h、410mg、0.83mmol、91.8%の収率)を得た。LCMS[M+H]:494.2。
【0598】
ステップ8。4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-7-クロロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンゾキセピン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(102i)の合成
THF(4mL)中の3-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]プロパン-1-オール(102h、100mg、0.20mmol)の混合物に、-5℃で水素化ナトリウム(0.06mL、0.40mmol)を加えた。反応物を-5℃で10分間撹拌した。塩化トシル(38.56mg、0.20mmol)を-5℃で加え、次に、-5℃で30分間撹拌した。反応混合物を水(10mL)に注ぎ、酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ濾過し、真空で濃縮して粗生成物102iを得、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。LCMS[M+H]:476.3。
【0599】
ステップ9。7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-7-クロロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンゾキセピン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(102j)の合成
1,4-ジオキサン(3mL)中の4-クロロ-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-7-クロロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンゾキセピン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(102i、84mg、0.18mmol)の混合物に、水酸化アンモニウム(61.81mg、1.76mmol)を加えた。混合物を110℃で16時間撹拌した。LCMSは、10%の生成物が検出されたことを示した。反応物を水(10mL)に注ぎ、酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ濾過し、真空で濃縮して粗生成物を得、これを水中のMeCN(0.1%のNH水)で10%~95%まで溶出する分取HPLCによって精製して、7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-7-クロロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンゾキセピン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(102j、10mg、0.022mmol、12%の収率)を得た。LCMS[M+H]:457.3。
【0600】
ステップ10。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-7-クロロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンゾキセピン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;ハイドロクロライド(実施例102)の合成
メタノール(2mL)中の7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-7-クロロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンゾキセピン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(102j、10mg、0.02mmol)の混合物に、HCl(1.6mg、0.04mmol)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。混合物を、水中のMeCN:CHCN(0.1%のHCl)で10%~95%で溶出する分取HPLCによって精製して、白色の固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-アミノピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-7-クロロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンゾキセピン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール;ハイドロクロライド(実施例102、1.46mg、0.0031mmol、14%の収率)を得た。LCMS[M+H]:417.3。H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ:8.44~8.45(m、1H)、8.20(d、J=5.6Hz、1H)、7.08~7.10(m、3H)、6.82(d、J=4Hz、1H)、6.66~6.69(m、1H)、6.22(d、J=3.6Hz、1H)、5.69(m、2H)、5.26(d、J=2Hz 1H)、5.16(d、J=4Hz 2H)、3.94~3.97(m、1H)、3.45~3.59(m、1H)、2.73~2.77(m、2H)、1.96~2.03(m、2H)、1.58~1.62(m、2H)。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO)δ:8.42~8.43(m、1H)、8.20~8.22(m、1H)、7.07~7.11(m、3H)、6.83(d、J=4Hz、1H)、6.24(d、J=3.6Hz、1H)、5.67~5.71(m、2H)、4.84~4.87(m、1H)、3.95~3.98(m、1H)、2.74~2.77(m、2H)、1.98~2.01(m、2H)、1.54~1.60(m、2H)。
【0601】
実施例101。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-7-クロロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンゾキセピン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例101)の合成
【0602】
【化59】
【0603】
ステップ1。3-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]プロパン-1-オール(101a)の合成
THF(2mL)中の3-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-4-(4-クロロピロロ[2,3-d]-ピリミジン-7-イル)-2,2-ジメチル-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]プロパン-1-オール(102i、20mg、0.04mmol)および第二鉄アセチルアセトン(7.14mg、0.02mmol)の混合物に、-10℃で臭化メチルマグネシウム(48.24mg、0.40mmol)を加えた。混合物を0℃に温め、1時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1、R=0.7)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を水(5mL)に注ぎ、DCM(3×5mL)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=7:1)によって精製して、黄色い油として3-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]プロパン-1-オール(101a、10mg、0.0211mmol、52%の収率)を得た。LCMS[M+H]:474.2。
【0604】
ステップ2。4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-7-クロロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンゾキセピン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(101b)の合成
THF(2mL)中の3-[5-クロロ-2-[(R)-ヒドロキシ-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-4-(4-メチルピロロ[2,3-d]へピリミジン-7-イル)-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-6-イル]メチル]フェニル]プロパン-1-オール(101a、20mg、0.04mmol)の混合物に、-5℃で水素化ナトリウム(0.06mL、0.08mmol)を加え、反応物を-5℃で10分間撹拌した。塩化トシル(8.05mg、0.04mmol)を加え、混合物を-5℃で30分間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物をNHCl(10mL)に注ぎ、酢酸エチル(10mL)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィークロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=7:1)によって精製して、白色の固体として4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-7-クロロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンゾキセピン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(101b、4mg、0.0088mmol、21%の収率)を得た。LCMS[M+H]:456.3。
【0605】
ステップ3。(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-7-クロロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンゾキセピン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例101)の合成
メタノール(2mL)中の4-メチル-7-[(3aR,4R,6R,6aR)-2,2-ジメチル-6-[(1R)-7-クロロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンゾキセピン-1-イル]-3a,4,6,6a-テトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン(101b、4mg、0.01mmol)の混合物に、HCl(0.64mg、0.02mmol)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を、水中のMeCN(0.1%のTFA)で10%~95%まで溶出する分取HPLCによって精製して、白色の固体として(2R,3R,4S,5S)-2-(4-メチルピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)-5-[(1R)-7-クロロ-1,3,4,5-テトラヒドロ-2-ベンゾキセピン-1-イル]テトラヒドロフラン-3,4-ジオール(実施例101、1mg、0.0024mmol、27%の収率)を得た。LCMS[M+H]:416.3。H NMR(400MHz、DMSO-d)δ:8.66(s、1H)、8.44(s、2H)、7.62(d、J=3.6Hz、1H)、7.30(d、J=1.6Hz、1H)、7.18~7.25(m、2H)、6.77(d、J=3.6Hz、1H)、6.29(d、J=7.6Hz、1H)、5.44~5.53(m、1H)、4.78(d、J=4.2Hz、1H)、4.61~4.64(m、1H)、4.39(d、J=4.8Hz、1H)、4.25~4.30(m、2H)、3.10~3.16(m、1H)、2.89~2.94(m、1H)、2.65~2.67(m、3H)、1.68~1.77(m、2H)。H NMR(400MHz、DMSO-d+DO)δ:8.67(s、1H)、8.43(s,4H)、7.62(d、J=4Hz、1H)、7.30(d、J=1.6Hz、1H)、7.18~7.25(m、2H)、6.78(d、J=3.6Hz、1H)、6.29(d、J=8Hz、1H)、4.78(d、J=4.2Hz、1H)、4.62~4.65(m、1H)、4.39(d、J=4.2Hz、1H)、4.25~4.30(m、2H)、3.10~3.12(m、1H)、2.89~2.94(m、1H)、2.65~2.69(m、3H)、1.68~1.81(m、2H)。
【0606】
【表2-1】
【0607】
【表2-2】
【0608】
【表2-3】
【0609】
【表2-4】
【0610】
【表2-5】
【0611】
【表2-6】
【0612】
【表2-7】
【0613】
【表2-8】
【0614】
【表2-9】
【0615】
生化学アッセイプロトコル
化合物を可溶化し、100%のDMSOで3倍に希釈した。これらの希釈化合物を、所望のアッセイ濃度よりも10倍高い濃度の10用量IC50モード用のアッセイ緩衝剤(20mMのTris-HCl、pH8.0、50mMのNaCl、0.002%のTween20、1mMのTCEP、1%のDMSO)でさらに希釈した。標準反応は、基質として300nMのヒストンH4ベースのAcH4~23(Anaspec:AS-65002)を用いて、アッセイ緩衝剤中に30μlの総容量で行った。これに、希釈されたPRMT5/MEP50複合体を加えて、2.5nMの最終アッセイ濃度を提供し、化合物を37℃で20分間プレインキュベートした。S-[3H-メチル]-アデノシル-L-メチオニン(PerkinElmer:NET155001MC)を1μMの最終濃度まで加えることによって、反応が開始された。37℃で30分のインキュベーション後、25μLの8MのグアニジンHClを加えることによって、反応を停止させた。アッセイ緩衝剤中に0.3mg/mLのストレプトアビジンYSI SPAビーズ(Perkinelmer:RPNQ0012)を調製する。各反応物に、150μLのSPAビーズ懸濁液を加え、室温で30分間振盪しながらインキュベートする。プレートを100×gで30秒間遠心分離した後に、シンチレーションカウンターで読み取った。IC50値は、GraphPadPrismソフトウェアを使用して、Hill Slopeでデータを標準4パラメータにフィッティングすることによって決定された。以下の表2を参照されたい(PRMT5 IC50)。
【0616】
細胞アッセイプロトコル
対称性ジメチルアルギニン(sDMA)マークを検出するための細胞処理およびウエスタンブロッティング
化合物滴定および細胞培養:化合物をDMSOに溶解して、10mMのストックを作製し、さらに3倍系列希釈を実施して、作業ストックを最大1mMで作製した。Granta-519細胞は、10v/v%のFBS(GE Healthcare、カタログ番号:SH30910.03)を補充したPRMI 1640(Corning Cellgro、カタログ番号:10-040-CV)中に維持され、U-87 MG細胞は、10%のFBSおよび2mMのグルタミン(Corning Cellgro、カタログ番号25005CV)を含むDMEM(Corning Cellgro、カタログ番号:10-013-CV)中に維持した。
【0617】
ウエスタンブロット分析を使用して、Granta-519およびU-87MG細胞中の酵素阻害IC50値を決定する。実験の1日前に、Granta-519細胞を、0.5×10細胞/mlの密度まで継代した。U-87 MG細胞をトリプシン処理し、4×10個の細胞を6ウェルプレートに播種し、一晩成長させた。翌日、Granta-519細胞を1,500rpmで4分間スピンダウンし、新鮮な培地に0.5×10細胞/mlで再懸濁し、3mLの培養液(1.5×10個の細胞)を6ウェルプレートに播種した。化合物作業ストックの8ポイント3倍連続希釈液を細胞に加え(3μl、1:1,000希釈、DMSO濃度は0.1%、最終最高濃度は1μM)、3日間インキュベートした。DMSOとインキュベートした細胞を、ビヒクル対照として使用した。
【0618】
細胞を3日後に採取し、15μLのPBSに再懸濁し、4%のSDSで溶解し、ホモジナイザーカラム(Omega Biotek、カタログ番号:HCR003)を通過させることによって均質化した。総タンパク質濃度を、BCAアッセイ(ThermoFisher Scientific、カタログ番号:23225)によって決定した。溶解物を5倍のLaemmli緩衝剤と混合し、5分間煮沸した。40μgの全タンパク質をSDS-PAGEゲル(Bio-Rad、カタログ番号:4568083、4568043)で分離し、PVDF薄膜に転写し、室温(RT)で1時間0.1v/v%のTween20(TBST)を含むTBS中の5%の粉乳(Bio-Rad、カタログ番号:1706404)でブロックし、4℃で一晩TBST中の5%の粉乳中の一次抗体(sDMA:細胞シグナル伝達、カタログ番号:13222、1:3,000;β-アクチン:シグマ、カタログ番号:1:5,000)でインキュベートした。翌日、薄膜をTBSTで5×5分間洗浄し、室温で2時間HRP結合二次抗体(GE Healthcare、カタログ番号:NA934-1ML、NA931-1ML、1:5,000)でインキュベートし、続いて、TBSTによる5×5分の洗浄を行い、ECL基質(Bio-Rad、カタログ番号:1705061、1705062)でインキュベートした。化学発光シグナルを、Fluochem HD2イメージャー(Proteinsimple)で捕捉した。SmD3me2sバンドを、ImageJによって定量化した。シグナルを、β-アクチンおよびDMSO対照に対して正規化した。IC50値を、GraphPad Prism([阻害剤]対正規化された反応-可変勾配)を使用して計算した。以下の表2を参照されたい(SDMA IC50)。
【0619】
Granta-519およびU-87MG細胞中のIC50を決定するための細胞増殖アッセイ
実験の1日前に、Granta-519細胞を、0.5×10個の細胞/mlの密度まで継代した。U-87MG細胞をトリプシン処理し、2,000個の細胞を96ウェルプレートに播種し、一晩成長させた。実験の日(0日目)に、Granta-519細胞を1,500rpmで4分間スピンダウンし、新鮮な培地に0.5×10個の細胞/mlに再懸濁し、190μlの細胞を96ウェルプレートに加えた。U-87MG細胞の場合、古い培地を取り除き、190μlの新鮮な培地に交換した。化合物作業ストックを、最初に、96ウェルプレートの新鮮な培地で1:50に希釈し、10μLの希釈薬物を、細胞を含有する96ウェルプレートに加え、3日間インキュベートした。DMSOはビヒクル対照に使用された。
【0620】
3日目、50μLのGranta-519細胞を新しい96ウェルプレートに移し、140μLの新鮮な培地を加えた。U-87MG細胞の場合、古い培地を取り除き、190μLの新鮮な培地に交換した。化合物作業ストックを培地で1:50に新たに希釈し、10μLの希釈薬物を細胞に加え、さらに3日間成長させた。同じプロセスを6日目に繰り返した。細胞をさらに4日間成長させた。
【0621】
10日目に、100μLのGranta-519細胞を新しい96ウェルプレートに移し、10μLのCell Counting Kit-8(CCK-8、Jojindo、CK04~13)溶液を加えた。U-87MG細胞の場合、古い培地を取り除き、100μLの新鮮な培地と交換し、10μLのCCK-8溶液を加えた。プレートをCOインキュベーターで2時間(Granta-519細胞)または30分(U-87MG細胞)インキュベートし、OD450値をマイクロプレートリーダー(iMarkマイクロプレートリーダー、Bio-Rad)で測定した。DMSOビヒクル対照に対する生存細胞の割合を計算し、GraphPad Prism([阻害剤]対正規化反応-可変勾配)にプロットして、10日目の増殖IC50値を決定した。以下の表2を参照されたい(増殖IC50)。
【0622】
【表3-1】
【表3-2】
【0623】
追加のデータ
細胞培養および化合物の処理
化合物をDMSOに溶解して10mMのストック溶液を作製し、さらに希釈して1mMおよび0.1mMのストックを作製した。
【0624】
K562細胞をATCCから購入し、37℃のCOインキュベーター(5%のCO)中に10v/v%のFBS(GE Healthcare、カタログ番号:SH30910.03)を補充したIscove’s DMEM(Corning Cellgro、カタログ番号15-016-CVR)中に維持した。細胞を5×10個の細胞/mlの密度でプレーティングし、最終濃度0.1および1μMの化合物で処理した。培地および化合物を培養の3日後に更新し、細胞を回収して、6日間の処理後にRNAを単離した。
【0625】
ヒト赤血球前駆細胞を、AllCellsから購入した動員末梢血から精製されたCD34+細胞から生成した。CD34+細胞を、100ng/mlのFLT3リガンド(R&Dシステム、カタログ番号308-FK)、100ng/mlのSCF(R&Dシステム、カタログ番号255-SC)、20ng/mlのIL-3(R&Dシステム、カタログ番号203-IL)、20ng/mlのIL-6(R&Dシステム、カタログ番号206-IL)を補充したStemSpan SFEM II(StemCell Technologies、カタログ番号09605)で6日間培養し、次に、20ng/mlのSCF、5ng/mlのIL-3、1U/mlのEPO(R&Dシステム、カタログ番号287-TC)、2μMのデキサメタゾン(Sigma-Aldrich、カタログ番号D4902)、1μMのβ-エストラジオール(Sigma-Aldrich)、カタログ番号E2758)を補充した同じ培地に再播種した。細胞を、分化の8日目から0.1および1μMの化合物で処理した。培地および化合物を3日ごとに更新し、細胞を回収して、9日間の処理後にRNAを単離した
【0626】
定量的PCRによるγ-グロビン誘導の評価
Quick-RNA Microprepキット(Zymo Research、カタログ番号Z1050)を使用して、RNAを単離し、qScript cDNA SuperMix(Quantabio、カタログ番号95048)を使用して、cDNAを合成した。Bio-Rad CFX ConnectリアルタイムPCR検出システムのPerfeCTa SYBR Green FastMix(Quantabio、カタログ番号95071)を使用して、γ-グロビンの定量的PCRを行った。CFX Managerソフトウェアを使用して、遺伝子発現分析を行った。
【0627】
0.1および1μMの実施例5によるK562細胞の処理は、γ-グロビンの発現における用量依存的増加をもたらした(それぞれ、3倍および8倍、N=1)。
【0628】
0.1および1μMの実施例5による赤血球前駆細胞の処理は、γ-グロビンの発現における用量依存的増加をもたらした(それぞれ、1.5倍および2倍、N=1)。
【0629】
フローサイトメトリーによる%F細胞の評価
化合物による処理の7日目にヒト赤血球細胞を回収した。細胞を0.05%のグルタルアルデヒド(Electron Microscopy Sciences、カタログ番号16019)で固定し、0.1%のトリトン-Xで透過処理し、胎児ヘモグロビンを対象とするFITC結合抗体(ThermoFisher、カタログ番号MHFH01)で染色した。Attune Nxtフローサイトメーター(ThermoFisher)で、胎児ヘモグロビン発現赤血球細胞(%F細胞)の分析を行った。
【0630】
0.1および1μMの実施例5による赤血球前駆細胞の処理は、DMSO処理された対照と比較して、%F細胞の用量依存的増加をもたらした(それぞれ、1.3倍および3倍、N=1)。
【0631】
K562細胞における定量的PCRによるγ-グロビン誘導の評価
化合物をDMSOに溶解して10mMのストック溶液を作製し、さらに希釈して1mMおよび0.1mMのストックを作製した。K562細胞をATCCから購入し、37℃のCOインキュベーター(5%のCO)中に10v/v%のFBS(GE Healthcare、カタログ番号:SH30910.03)を補充したIscove’s DMEM(Corning Cellgro、カタログ番号15-016-CVR)中に維持した。細胞を5×10個の細胞/mlの密度でプレーティングし、最終濃度0.1および1μMの化合物で処理した。培地および化合物を培養の3日後に更新し、細胞を回収して、6日間の処理後にRNAを単離した。
【0632】
0.1および1μMの実施例5によるK562細胞を処理は、γ-グロビンの発現における用量依存的増加をもたらした(それぞれ、3倍および8倍、N=1)。
【0633】
化合物滴定および細胞培養:化合物をDMSOに溶解して、10mMのストック溶液を作製した。健康なドナーからのヒト末梢血単核球(PBMC)を、AllCells(Emeryville,CA)から購入し、37℃のCOインキュベーター(5%のCO)中に10v/v%の熱不活性化FBS(GE Healthcare、カタログ番号:SH30910.03)、2mMのL-グルタミン(Corning Cellgro、カタログ番号25005CV)、および1倍のペニシリン-ストレプトマイシン(Sigma-Aldrich、カタログ番号P4333)を補充したRPMI 1640(Corning Cellgro、カタログ番号:10-040-CV)中に維持した。
【0634】
ヒトPBMC中の酵素阻害IC50値を決定するために:12ウェルプレートの2mlの培地に、解凍したばかりの細胞を25×10個の細胞/mlの密度で播種した。5μg/mlのPHA-L(Sigma-Aldrich、カタログ番号L4144)を3日間加えることによって、細胞を活性化した。TECANデジタルディスペンサー(D300e)を使用して、化合物の一連の8ポイント3倍希釈液を1mMのストック溶液からウェルに分注し、DMSOの濃度を0.1%に正規化した。0.1%のDMSOのみでインキュベートした細胞を対照として使用した。
【0635】
3日後に細胞を採取し、15μLのPBSに再懸濁し、4%のSDSで溶解し、ホモジナイザーカラム(Omega Biotek、カタログ番号:HCR003)を通過させることによって均質化した。総タンパク質濃度を、BCAアッセイ(ThermoFisher Scientific、カタログ番号:23225)によって決定した。溶解物を5倍のLaemmli緩衝剤と混合し、5分間煮沸した。30μgの全タンパク質をSDS-PAGEゲル(Bio-Rad、カタログ番号:4568083、4568043)で分離し、PVDF薄膜に転写し、室温(RT)で1時間0.1v/v%のTween20(TBST)を含むTBS中の5%の粉乳(Bio-Rad、カタログ番号:1706404)でブロックし、4℃で一晩TBST中の5%の粉乳中の一次抗体(sDMA:細胞シグナル伝達、カタログ番号:13222、1:2,000;β-アクチン:シグマ、カタログ番号:1:5,000)でインキュベートした。翌日、薄膜をTBSTで5×5分間洗浄し、室温で2時間HRP結合二次抗体(GE Healthcare、カタログ番号:NA934-1ML、NA931-1ML、1:5,000)でインキュベートし、続いて、TBSTによる5×5分の洗浄を行い、ECL基質(Bio-Rad、カタログ番号:1705061、1705062)でインキュベートした。化学発光シグナルを、Fluochem HD2イメージャー(Proteinsimple)で捕捉した。SmD3me2sバンドを、ImageJによって定量化した。シグナルを、β-アクチンおよびDMSO対照に対して正規化した。IC50値を、GraphPad Prism([阻害剤]対正規化された反応-可変勾配)を使用して計算した。以下の表3を参照されたい。
【0636】
【表4】
【0637】
本開示はまた、以下の態様を対象とする。
態様1。式Iの化合物
【0638】
【化60】
【0639】
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であって、
式中、
Aは、NもしくはC-Rであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、-C~Cハロアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cハロシクロアルキル、-C~Cアルク-O-C~Cアルキル、-C~Cアルク-S(O)-C~Cアルキル、-C~Cアルク-S(O)-C~Cアルキル、-CR6’CN、-NR6’、-NHCR6’CN、-NHCONR6’、-NHC(O)OR、NHC(O)-C~Cアルキル、NHC(O)-C~Cハロアルキル、-NH-C~Cアルク-C(O)-C~Cアルキル、-NHC(S)NR6’、-NH-O-R、もしくは-NH-NR6’であり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、もしくはNHであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、-C~Cアルケニル、もしくは-C~Cアルキニルであり、
は、H、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cアルケニル、もしくは-C~Cアルキニルであり、
は、Hもしくは-C~Cアルキルであり、
およびR6’は、各々独立して、H、C~Cアルキル、もしくは-C~Cアルク-OC~Cアルキルであるか、
またはRおよびR6’は、それらが付着している原子と一緒になって、C~Cヘテロシクロアルキル環もしくはC~Cシクロアルキル環を形成し、
は、-C~Cアルキルもしくは-C~Cアルク-C~Cシクロアルキルであり、
Xは、O,S,SO,NH、またはN(C~Cアルキル)であり、
Yは、CH、-CHCH-、C(CH、CF、C(=O)、もしくはCH-C~Cアルク-NHであり、
Zは、O、CH、もしくはCFであり、
Arは、任意選択的に置換された6員アリール環、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環、もしくは任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
態様2。Rが、ハロ、-NR6’、-C1~C6アルキル、-C1~C6アルコキシ、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルである、態様1の化合物。
態様3。Rが、ハロ、好ましくは、-F、または-Clである、態様2の化合物。
態様4。Rが、-NR6’、好ましくは、-NHである、態様2の化合物。
態様5。Rが、-C1~C6アルキル、好ましくは、-CHである、態様2の化合物。
態様6。Rが、-C~Cアルク-O-C~Cアルキル、好ましくは、-CH-O-CHCHである、態様2の化合物。
態様7。Rが、Hである、態様1~6のうちのいずれか1つの化合物。
態様8。Rが、Hまたは-C~Cアルキルである、態様1~7のうちのいずれか1つの化合物。
態様9。Rが、Hである、態様8の化合物。
態様10。Rが、-C~Cアルキル、好ましくは、メチルである、態様8の化合物。
態様11。Rが、Hである、態様1~10のうちのいずれか1つの化合物。
態様12。Rが、-C~Cアルキル、好ましくは、-CHである、態様1~10のうちのいずれか1つの化合物。
態様13。Arが、任意選択的に置換された6員アリール環である、態様1~12のうちのいずれか1つの化合物。
態様14。6員アリール環が、1つ以上のハロゲン原子、好ましくは、-F、または-Clで置換されている、態様13の化合物。
態様15。6員アリール環が、1つ以上の-CH、CF、または-OCF基で置換されている、態様13または14の化合物。
態様16。Arが、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環である、態様1~12のうちのいずれか1つの化合物。
態様17。6員ヘテロアリール環が、1つ以上のハロゲン原子、好ましくは、-F、または-Clで置換されている、態様16の化合物。
態様18。6員ヘテロアリール環が、1つ以上の-CH、CF、または-OCF基で置換されている、態様16または17の化合物。
態様19。Arが、任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である、態様1~12のうちのいずれか1つの化合物。
態様20。5員ヘテロアリール環が、1つ以上のハロゲン原子、好ましくは、-F、または-Clで置換されている、態様19の化合物。
態様21。5員ヘテロアリール環が、1つ以上の-CH、CF、または-OCF基で置換されている、態様19または20の化合物。
態様22。Xが、Oである、態様1~21のうちのいずれか1つの化合物。
態様23。Xが、Sである、態様1~21のうちのいずれか1つの化合物。
態様24。Xが、SOである、態様1~21のうちのいずれか1つの化合物。
態様25。Xが、NHである、態様1~21のうちのいずれか1つの化合物。
態様26。Xが、N(C~Cアルキル)、好ましくは、N(CH)である、態様1~21のうちのいずれか1つの化合物。
態様27。Yが、CHである、態様1~26のうちのいずれか1つの化合物。
態様28。Yが、-CHCH-である、態様1~26のうちのいずれか1つの化合物。
態様29。Yが、C(CHである、態様1~26のうちのいずれか1つの化合物。
態様30。Yが、CFである、態様1~26のうちのいずれか1つの化合物。
態様31。Yが、C(=O)である、態様1~26のうちのいずれか1つの化合物。
態様32。Yが、CH-C~Cアルク-NHである、態様1~26のうちのいずれか1つの化合物。
態様33。Zが、Oである、態様1~32のうちのいずれか1つの化合物。
態様34。Zが、CHである、態様1~32のうちのいずれか1つの化合物。
態様35。Zが、CFである、態様1~32のうちのいずれか1つの化合物。
態様36。Aが、Nである、態様1~35のうちのいずれか1つの化合物。
態様37。Aが、C-Rである、態様1~35のうちのいずれか1つの化合物。
態様38。Rが、Hである、態様37の化合物。
態様39。Rが、ハロ、好ましくは、-Fである、態様37の化合物。
態様40。態様1~39のうちのいずれか1つによる化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
態様41。タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5(PRMT5)酵素を阻害する方法であって、PRMT5酵素を、態様1~39のうちのいずれか1つのうちのいずれか1つの有効量の化合物と接触させることを含む、方法。
態様42。対象における異常なPRMT5活性に関連する疾患または障害を治療する方法であって、態様1~39のうちのいずれか1つの化合物を対象に投与することを含む、方法。
態様43。異常なPRMT5活性に関連する疾患または障害が、乳癌、肺癌、膵臓癌、前立腺癌、結腸癌、卵巣癌、子宮癌、子宮頸癌、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、骨髄異形成、骨髄増殖性疾患、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)などの白血病、肥満細胞症、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、類表皮癌、b-サラセミアおよび鎌状赤血球症(SCD)などの異常ヘモグロビン症、CDKN2A欠失癌、9P欠失癌、MTAP欠失癌、神経膠芽腫、NSCLC、頭頸部癌、膀胱癌、または肝細胞癌である、態様42の方法。
態様44。式Iの化合物、
【0640】
【化61】
【0641】
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物であって、
式中、
Aは、NもしくはC-Rであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、-C~Cハロアルキル、-C~Cシクロアルキル、-C~Cハロシクロアルキル、-C~Cアルク-O-C~Cアルキル、-C~Cアルク-S(O)-C~Cアルキル、-C~Cアルク-S(O)-C~Cアルキル、-CR6’CN、-NR6’、-NHCR6’CN、-NHCONR6’、-NHC(O)OR、NHC(O)-C~Cアルキル、NHC(O)-C~Cハロアルキル、-NH-C~Cアルク-C(O)-C~Cアルキル、-NHC(S)NR6’、-NH-O-R、もしくは-NH-NR6’であり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、もしくはNHであり、
は、H、ハロ、-C~Cアルキル、-C~Cアルコキシ、-C~Cアルケニル、もしくは-C~Cアルキニルであり、
は、H、-C~Cアルキル、-C~Cハロアルキル、-C~Cアルケニル、もしくは-C~Cアルキニルであり、
は、Hもしくは-C~Cアルキルであり、
およびR6’は、各々独立して、H、C~Cアルキル、もしくは-C~Cアルク-OC~Cアルキルであるか、
またはRおよびR6’は、それらが付着している原子と一緒になって、C~Cヘテロシクロアルキル環もしくはC~Cシクロアルキル環を形成し、
は、-C~Cアルキルもしくは-C~Cアルク-C~Cシクロアルキルであり、
Xは、O、S、NH、もしくはN(C~Cアルキル)であり、Yは、-(CR9’-、-CR=CR9’-、C(=O)、-C(=O)-(CR9’-、-C(=O)-O-(CR9’-、-CR9’-O-、-(CR9’-O-(CR9’-、-(CR9’-NR10、C(=O)NR10、もしくはCH-C~Cアルク-NHであるか、または
Xは、-SO-であり、Yは、-(CR9’-、-CR=CR9’-、-CR9’-O-、-(CR9’-O-(CR9’-、-(CR9’-NR10、もしくはCH-C~Cアルク-NHであり、
n=1もしくは2、m=1もしくは2であり、
もしくはR9’の各場合は、独立して、H、D、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、ハロ、-C~Cアルコキシ、もしくはヒドロキシであり、
10は、HもしくはC~Cアルキルであり、
Zは、O、CH、もしくはCFであり、
Arは、任意選択的に置換された6員アリール環、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環、もしくは任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
態様45。Rが、ハロ、-NR6’、-C1~C6アルキル、-C1~C6アルコキシ、または-C~Cアルク-O-C~Cアルキルである、態様44の化合物。
態様46。Rが、ハロ、好ましくは、-F、または-Clである、態様45の化合物。
態様47。Rが、-NR6’、好ましくは、-NHである、態様45の化合物。
態様48。Rが、-C1~C6アルキル、好ましくは、-CHである、態様45の化合物。
態様49。Rは、-C~Cアルク-O-C~Cアルキル、好ましくは、-CH-O-CHCHである、態様45の化合物。
態様50。Rが、Hである、態様44~49のうちのいずれか1つの化合物。
態様51。Rが、Hまたは-C~Cアルキルである、態様44~50のうちのいずれか1つの化合物。
態様52。Rが、Hである、態様51の化合物。
態様53。Rが、-C~Cアルキル、好ましくは、メチルである、態様51の化合物。
態様54。Rが、Hである、態様44~53のうちのいずれか1つの化合物。
態様55。Rが、-C~Cアルキル、好ましくは、-CHである、態様44~53のうちのいずれか1つの化合物。
態様56。Arが、任意選択的に置換された6員アリール環である、態様44~55のうちのいずれか1つの化合物。
態様57。6員アリール環が、1つ以上のハロゲン原子、好ましくは、-F、または-Clで置換されている、態様56の化合物。
態様58。6員アリール環が、1つ以上の-CH、CF、または-OCF基で置換されている、態様56または57の化合物。
態様59。Arが、任意選択的に置換された6員ヘテロアリール環である、態様44~55のうちのいずれか1つの化合物。
態様60。6員ヘテロアリール環が、1つ以上のハロゲン原子、好ましくは、-F、または-Clで置換されている、態様59の化合物。
態様61。6員ヘテロアリール環が、1つ以上の-CH、CF、または-OCF基で置換されている、態様59または60の化合物。
態様62。Arが、任意選択的に置換された5員ヘテロアリール環である、態様44~55のうちのいずれか1つの化合物。
態様63。5員ヘテロアリール環が、1つ以上のハロゲン原子、好ましくは、-F、または-Clで置換されている、態様62の化合物。
態様64。5員ヘテロアリール環が、1つ以上の-CH、CF、または-OCF基で置換されている、態様62または63の化合物。
態様65。Xが、Oである、態様44~64のうちのいずれか1つの化合物。
態様66。Xが、Sである、態様44~64のうちのいずれか1つの化合物。
態様67。Xが、SOである、態様44~64のうちのいずれか1つの化合物。
態様68。Xが、NHである、態様44~64のうちのいずれか1つの化合物。
態様69。Xが、N(C~Cアルキル)、好ましくは、N(CH)である、態様44~64のうちのいずれか1つの化合物。
態様70。Yが、-(CR9’である、態様44~69のうちのいずれか1つの化合物。
態様71。-(CR9’が、-CH-、-CHCH-、-C(CH-、または-CF-である、態様70の化合物。
態様72。Yが、-CR=CR9’-である、態様44~69のうちのいずれか1つの化合物。
態様73。Yが、-C(=O)-(CR9’-である、態様44~66および68~69のうちのいずれか1つの化合物。
態様74。Yが、-C(=O)-O-(CR9’-である、態様44~66および68~69のうちのいずれか1つの化合物。
態様75。Yが、-CR9’-Oである、態様44~69のうちのいずれか1つの化合物。
態様76。Yが、-(CR9’-O-(CR9’-である、態様44~69のうちのいずれか1つの化合物。
態様77。Yが、C(=O)である、態様44~66および68~69のうちのいずれか1つの化合物。
態様78。Yが、CH-C~Cアルク-NHである、態様44~69のうちのいずれか1つの化合物。
態様79。Yが、-(CR9’-NR10である、態様44~69のうちのいずれか1つの化合物。
態様80。Yが、-C(=O)NR10である、態様44~66および68~69のうちのいずれか1つの化合物。
態様81。各Rおよび各R’が、独立して、H、D、-CH、OH、-OCH、F、またはCFである、態様70、72~76、または79のうちのいずれか1つの化合物。
態様82。n=1である、態様70、73、74、76、79、または81のうちのいずれか1つの化合物。
態様83。n=2である、態様70、73、74、76、79、または81のうちのいずれか1つの化合物。
態様84。m=1である、態様76の化合物。
態様85。m=2である、態様76の化合物。
態様86。Zが、Oである、態様44~85のうちのいずれか1つの化合物。
態様87。Zが、CHである、態様44~85のうちのいずれか1つの化合物。
態様88。Zが、CFである、態様44~85のうちのいずれか1つの化合物。
態様89。Aが、Nである、態様44~88のうちのいずれか1つの化合物。
態様90。Aが、C-Rである、態様44~88のうちのいずれか1つの化合物。
態様91。Rが、Hである、態様90の化合物。
態様92。Rが、ハロ、好ましくは、-Fである、態様90の化合物。
態様93。態様44~92のうちのいずれか1つの化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
態様94。タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5(PRMT5)酵素を阻害する方法であって、PRMT5酵素を、態様44~92のうちのいずれか1つのいずれか1つの有効量の化合物と接触させることを含む、方法。
態様95。対象における異常なPRMT5活性に関連する疾患または障害を治療する方法であって、態様44~92のうちのいずれか1つの化合物を対象に投与することを含む、方法。
態様96。異常なPRMT5活性に関連する疾患または障害が、乳癌、肺癌、膵臓癌、前立腺癌、結腸癌、卵巣癌、子宮癌、子宮頸癌、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、骨髄異形成、骨髄増殖性疾患、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)などの白血病、肥満細胞症、慢性リンパ性白血病(CLL)、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、類表皮癌、b-サラセミアおよび鎌状赤血球症(SCD)などの異常ヘモグロビン症、CDKN2A欠失癌、9P欠失癌、MTAP欠失癌、神経膠芽腫、NSCLC、頭頸部癌、膀胱癌、または肝細胞癌である、態様95の方法。