(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】適応性制御システムを備える外科用器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20230808BHJP
【FI】
A61B17/072
(21)【出願番号】P 2020552017
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(86)【国際出願番号】 IB2019052558
(87)【国際公開番号】W WO2019186463
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-02-15
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】バコス・グレゴリー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0296189(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0296183(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
カートリッジ顎部であって、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納されたステープルとを含む、カートリッジ顎部と、
ステープル発射システムであって、
電気モータと、
前記電気モータと通信するモータ制御システムであって、前記電気モータの速度を制御するように構成されている、モータ制御システムと、
前記電気モータによってステープル発射ストロークにわたって移動可能であり、前記ステープルを前記カートリッジ本体から排出する発射部材とを含む、ステープル発射システムと、
アンビル顎部であって、
前記ステープル発射ストローク中に前記ステープルを変形させるように構成されたステープル成形ポケットであって、各前記ステープル成形ポケットが、前記ステープルを変形させるように構成されている、ステープル成形ポケットと、
前記モータ制御システムと通信する各前記ステープル成形ポケットの
電気トレースと、を含む、アンビル顎部と、を備え
、
前記モータ制御システムは、前記ステープルが前記ステープル成形ポケットを逃したときを検出するように構成され、前記ステープルが前記ステープル成形ポケットを逃したときに、前記モータ制御システムが前記電気モータを減速させるように構成されており、
前記モータ制御システムは、前記電気モータによって引き込まれた電流のスパイクを検出し、検出された前記電流のスパイクの大きさを、予期された電流のスパイクの大きさと比較し、検出された前記電流のスパイクの大きさと前記予期された電流のスパイクの大きさとの間の差が、少なくとも2つの連続した検出された前記電流のスパイクで所定の閾値を超える場合、前記電気モータを減速させるように構成された電流センサ回路を備える
、外科用器具。
【請求項2】
前記モータ制御システムは、第2の前記ステープルが
前記ステープル成形ポケットを逃したことを前記モータ制御システムが検出すると、いっそう更に前記電気モータを減速させるように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記モータ制御システムは、第3の前記ステープルが
前記ステープル成形ポケットを逃したことを前記モータ制御システムが検出すると、前記電気モータを停止するように構成されている、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記アンビル顎部が、組織圧縮面と、前記組織圧縮面に取り付けられた可撓性基材とを更に備え、前記電気トレースが前記可撓性基材に埋め込まれている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記モータ制御システムは、前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったときを検出するように構成され、前記モータ制御システムは、前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったときに、前記電気モータを減速させるように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記モータ制御システムは、第2の前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出すると、いっそう更に前記電気モータを減速させるように構成されている、請求項5に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記モータ制御システムは、第3の前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出すると、前記電気モータを停止するように構成されている、請求項6に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記モータ制御システムが、前記電気モータの前記速度を制御するように構成されたパルス幅変調制御回路を含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記モータ制御システムが、前記電気モータの前記速度を制御するように構成された周波数変調制御回路を含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記モータ制御システムは、3つの連続した検出された前記電流のスパイクが前記所定の閾値を超えた後に前記電気モータを減速させるように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記モータ制御システムは、第1の検出された前記電流のスパイクが第1の前記予期された電流のスパイクを上回る第1の閾値を超え、第2の検出された前記電流のスパイクが、第2の前記予期された電流のスパイクを上回る第2の閾値を超えた後に、前記電気モータを減速するよう構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記第1の前記予期された電流のスパイク及び前記第2の検出された前記電流のスパイクが異なる大きさを有する、請求項11に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記第1の閾値が、前記第2の閾値とは異なる、請求項12に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年3月21日出願の米国仮特許出願第62/821,677号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ADAPTIVE CONTROL SYSTEM」の利益を主張するものであり、その開示の全内容が参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、2019年2月19日出願の米国仮特許出願第62/807,310号、発明の名称「METHODS FOR CONTROLLING A POWERED SURGICAL STAPLER THAT HAS SEPARATE ROTARY CLOSURE AND FIRING SYSTEMS」、2019年2月19日出願の米国仮特許出願第62/807,319号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED LOCKOUT SYSTEMS」、及び2019年2月19日出願の米国仮特許出願第62/807,309号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED ROTARY DRIVEN CLOSURE SYSTEMS」の利益を主張するものであり、これらの開示の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、2018年3月30日出願の米国仮特許出願第62/650,887号、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」の利益を主張するものであり、この開示の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、2018年3月28日出願の米国仮特許出願第62/649,302号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,294号、発明の名称「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,300号、発明の名称「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,309号、発明の名称「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,310号、発明の名称「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,291号、発明の名称「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,296号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,333号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,327号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,315号、発明の名称「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,313号、発明の名称「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,320号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,307号、発明の名称「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、及び2018年3月28日出願の米国特許仮出願第62/649,323号、発明の名称「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」の利益を主張するものであり、これらの開示の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、外科用器具に関し、また、様々な状況において組織をステープル留めし、切断するために設計された、外科用ステープル留め及び切断器具並びにそれらと共に使用するためのステープルカートリッジに関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本明細書に記載する実施形態の様々な特徴は、それらの利点と共に、以下の添付図面と併せて以下の説明によって理解することができる。
【
図1】電動外科用ステープル留めシステムの斜視図である。
【
図2】
図1の電動外科用ステープル留めシステムの交換式外科用シャフトアセンブリの斜視図である。
【
図3】
図1の電動外科用ステープル留めシステムのハンドルアセンブリの一部分の分解組立図である。
【
図4】
図2の交換式外科用シャフトアセンブリの分解組立図である。
【
図5】
図4の交換式外科用シャフトアセンブリの一部分の別の分解組立図である。
【
図6】別の電動外科用ステープル留めシステムの斜視図である。
【
図7】
図6の電動外科用ステープル留めシステムのシャフトアセンブリの部分の分解組立図である。
【
図8】
図6の電動外科用ステープル留めシステムのハンドルアセンブリの一部分の分解組立図である。
【
図9】少なくとも1つの実施形態による成形ポケット及びセンサシステムを含むアンビル顎部の分解斜視図である。
【
図10】
図9の成形ポケット及びセンサシステムの部分的な詳細図である。
【
図11】
図9のアンビル顎部の部分的な断面図である。
【
図12】少なくとも1つの実施形態による外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタの立面図である。
【
図12A】
図12のエンドエフェクタのアンビルの成形ポケット及び
図12のエンドエフェクタによって作成されたステープルのパターンを示す。
【
図12B】
図12の外科用ステープル留めシステムの動作に関するグラフを含む。
【
図13B】部分的に不恰好な構成のステープルを示す。
【
図13C】完全に不恰好な構成のステープルを示す。
【
図14】少なくとも1つの実施形態による外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタの立面図である。
【
図15】
図14のエンドエフェクタのアンビルの斜視図である。
【
図16】
図14の外科用ステープル留めシステムの動作に関するグラフを含む。
【
図17】少なくとも1つの実施形態による外科用ステープル留めシステムの動作のグラフを含む。
【
図18】少なくとも1つの実施形態による外科用ステープル留めシステムの動作のグラフを含む。
【
図19】本明細書に開示される外科用器具のいずれかと共に使用するための制御システムの概略図である。
【0004】
複数の図面を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な実施形態を1つの形態で例示するものであり、かかる例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本願の出願人は、2019年2月21日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第16/281,658号、発明の名称「METHODS FOR CONTROLLING A POWERED SURGICAL STAPLER THAT HAS SEPARATE ROTARY CLOSURE AND FIRING SYSTEMS」、
-米国特許出願第16/281,675号、発明の名称「SURGICAL STAPLERS WITH ARRANGEMENTS FOR MAINTAINING A FIRING MEMBER THEREOF IN A LOCKED CONFIGURATION UNLESS A COMPATIBLE CARTRIDGE HAS BEEN INSTALLED THEREIN」、
-米国特許出願第16/281,685号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING CO-OPERATING LOCKOUT FEATURES」、
-米国特許出願第16/281,693号、発明の名称「SURGICAL STAPLING ASSEMBLY COMPRISING A LOCKOUT AND AN EXTERIOR ACCESS ORIFICE TO PERMIT ARTIFICIAL UNLOCKING OF THE LOCKOUT」、
-米国特許出願第16/281,704号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH FEATURES FOR BLOCKING ADVANCEMENT OF A CAMMING ASSEMBLY OF AN INCOMPATIBLE CARTRIDGE INSTALLED THEREIN」、
-米国特許出願第16/281,707号、発明の名称「STAPLING INSTRUMENT COMPRISING A DEACTIVATABLE LOCKOUT」、
-米国特許出願第16/281,741号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A JAW CLOSURE LOCKOUT」、
-米国特許出願第16/281,762号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH CARTRIDGE COMPATIBLE CLOSURE AND FIRING LOCKOUT ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第16/281,660号、発明の名称「SURGICAL STAPLE CARTRIDGE WITH FIRING MEMBER DRIVEN CAMMING ASSEMBLY THAT HAS AN ONBOARD TISSUE CUTTING FEATURE」、
-米国特許出願第16/281,666号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED ROTARY DRIVEN CLOSURE SYSTEMS」、
-米国特許出願第16/281,672号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH ASYMMETRIC CLOSURE FEATURES」、
-米国特許出願第16/281,678号、発明の名称「ROTARY DRIVEN FIRING MEMBERS WITH DIFFERENT ANVIL AND CHANNEL ENGAGEMENT FEATURES」、及び
-米国特許出願第16/281,682号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICE WITH SEPARATE ROTARY DRIVEN CLOSURE AND FIRING SYSTEMS AND FIRING MEMBER THAT ENGAGES BOTH JAWS WHILE FIRING」。
【0006】
本願の出願人は、2019年2月19日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第62/807,310号、発明の名称「METHODS FOR CONTROLLING A POWERED SURGICAL STAPLER THAT HAS SEPARATE ROTARY CLOSURE AND FIRING SYSTEMS」、
-米国仮特許出願第62/807,319号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED LOCKOUT SYSTEMS」、及び
-米国仮特許出願第62/807,309号、発明の名称「SURGICAL STAPLING DEVICES WITH IMPROVED ROTARY DRIVEN CLOSURE SYSTEMS」。
【0007】
本願の出願人は、2018年12月14日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第16/220,281号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH A HARDWARE-ONLY CONTROL CIRCUIT」、
-米国特許出願第16/220,301号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ACOUSTIC-BASED MOTOR CONTROL」、
-米国特許出願第16/220,313号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A PLURALITY OF DRIVE SYSTEMS」、
-米国特許出願第16/220,296号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A CONTROL CIRCUIT」、
-米国特許出願第16/220,309号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING BUTTON CIRCUITS」、
-米国特許出願第16/220,318号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A CONTROL SYSTEM THAT USES INPUT FROM A STRAIN GAGE CIRCUIT」、
-米国特許出願第16/220,273号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH A SENSING ARRAY」、及び
-米国特許出願第16/220,280号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ENVIRONMENT SENSING」。
【0008】
本願の出願人は、2018年12月12日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許仮出願第62/778,571号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS」、
-米国特許仮出願第62/778,572号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS」、及び
-米国特許仮出願第62/778,573号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS」。
【0009】
本願の出願人は、2018年10月26日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第16/172,130号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING INTERCHANGEABLE CLIP RELOADS」、
-米国特許出願第16/172,066号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A MOVABLE CLIP MAGAZINE」、
-米国特許出願第16/172,078号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A ROTATABLE CLIP MAGAZINE」、
-米国特許出願第16/172,087号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING CLIP ADVANCING SYSTEMS」、
-米国特許出願第16/172,094号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A CLIP CRIMPING SYSTEM」、
-米国特許出願第16/172,128号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A RECIPROCATING CLIP ADVANCING MEMBER」、
-米国特許出願第16/172,168号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A MOTOR CONTROLLER」、
-米国特許出願第16/172,164号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COMPRISING A SURGICAL TOOL AND A SURGICAL HUB」、及び
-米国特許出願第16/172,303号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A POWERED ARTICULATING MULTI-CLIP APPLIER」。
【0010】
本願の出願人は、2018年10月26日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第16/172,328号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION WITH SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS」、
-米国特許出願第16/172,280号、発明の名称「METHOD FOR PRODUCING A SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SMART ELECTRICAL SYSTEM」、
-米国特許出願第16/172,219号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION WITH SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS」、
-米国特許出願第16/172,248号、発明の名称「METHOD FOR COMMUNICATING WITH SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS」、
-米国特許出願第16/172,198号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION WITH SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS」、及び
-米国特許出願第16/172,155号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION WITH SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS」。
【0011】
本願の出願人は、2018年8月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第16/112,129号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT CONFIGURED TO MANIPULATE TISSUE USING MECHANICAL AND ELECTRICAL POWER」、
-米国特許出願第16/112,155号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT COMPRISING A CAPTURE WIDTH WHICH IS LARGER THAN TROCAR DIAMETER」、
-米国特許出願第16/112,168号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT COMPRISING A NON-CIRCULAR NEEDLE」、
-米国特許出願第16/112,180号、発明の名称「ELECTRICAL POWER OUTPUT CONTROL BASED ON MECHANICAL FORCES」、
-米国特許出願第16/112,193号、発明の名称「REACTIVE ALGORITHM FOR SURGICAL SYSTEM」、
-米国特許出願第16/112,099号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ADAPTIVE ELECTRICAL SYSTEM」、
-米国特許出願第16/112,112号、発明の名称「CONTROL SYSTEM ARRANGEMENTS FOR A MODULAR SURGICAL INSTRUMENT」、
-米国特許出願第16/112,119号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAMS FOR A SURGICAL SYSTEM COMPRISING MORE THAN ONE TYPE OF CARTRIDGE」、
-米国特許出願第16/112,097号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING BATTERY ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第16/112,109号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING HANDLE ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第16/112,114号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING FEEDBACK MECHANISMS」、
-米国特許出願第16/112,117号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING LOCKOUT MECHANISMS」、
-米国特許出願第16/112,095号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A LOCKABLE END EFFECTOR SOCKET」、
-米国特許出願第16/112,121号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A SHIFTING MECHANISM」、
-米国特許出願第16/112,151号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A SYSTEM FOR ARTICULATION AND ROTATION COMPENSATION」、
-米国特許出願第16/112,154号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A BIASED SHIFTING MECHANISM」、
-米国特許出願第16/112,226号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING AN ARTICULATION DRIVE THAT PROVIDES FOR HIGH ARTICULATION ANGLES」、
-米国特許出願第16/112,062号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS AND MANUFACTURING TECHNIQUES」、
-米国特許出願第16/112,098号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS CONFIGURED TO APPLY MECHANICAL AND ELECTRICAL ENERGY」、
-米国特許出願第16/112,237号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER CONFIGURED TO STORE CLIPS IN A STORED STATE」、
-米国特許出願第16/112,245号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING AN EMPTY CLIP CARTRIDGE LOCKOUT」、
-米国特許出願第16/112,249号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING AN AUTOMATIC CLIP FEEDING SYSTEM」、
-米国特許出願第16/112,253号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING ADAPTIVE FIRING CONTROL」、及び
-米国特許出願第16/112,257号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING ADAPTIVE CONTROL IN RESPONSE TO A STRAIN GAUGE CIRCUIT」。
【0012】
本願の出願人は、2018年5月1日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許仮出願第62/665,129号、発明の名称「SURGICAL SUTURING SYSTEMS」、
-米国仮特許出願第62/665,139号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING CONTROL SYSTEMS」、
-米国仮特許出願第62/665,177号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING HANDLE ARRANGEMENTS」、
-米国仮特許出願第62/665,128号、発明の名称「MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」、
-米国仮特許出願第62/665,192号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS」、及び
-米国仮特許出願第62/665,134号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER」。
【0013】
本願の出願人は、2018年2月28日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/908,021号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH REMOTE RELEASE」、
-米国特許出願第15/908,012号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING DUAL ROTATABLE MEMBERS TO EFFECT DIFFERENT TYPES OF END EFFECTOR MOVEMENT」、
-米国特許出願第15/908,040号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ROTARY DRIVE SELECTIVELY ACTUATING MULTIPLE END EFFECTOR FUNCTIONS」、
-米国特許出願第15/908,057号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ROTARY DRIVE SELECTIVELY ACTUATING MULTIPLE END EFFECTOR FUNCTIONS」、
-米国特許出願第15/908,058号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MODULAR POWER SOURCES」、及び
-米国特許出願第15/908,143号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH SENSOR AND/OR CONTROL SYSTEMS」。
【0014】
本願の出願人は、2017年10月30日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第62/578,793号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH REMOTE RELEASE」、
-米国仮特許出願第62/578,804号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING DUAL ROTATABLE MEMBERS TO EFFECT DIFFERENT TYPES OF END EFFECTOR MOVEMENT」、
-米国仮特許出願第62/578,817号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ROTARY DRIVE SELECTIVELY ACTUATING MULTIPLE END EFFECTOR FUNCTIONS」、
-米国仮特許出願第62/578,835号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ROTARY DRIVE SELECTIVELY ACTUATING MULTIPLE END EFFECTOR FUNCTIONS」、
-米国仮特許出願第62/578,844号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MODULAR POWER SOURCES」、及び
-米国仮特許出願第62/578,855号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH SENSOR AND/OR CONTROL SYSTEMS」。
【0015】
本願の出願人は、2017年12月28日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、これらの各々の開示の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第62/611,341号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」、
-米国仮特許出願第62/611,340号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」、及び
-米国仮特許出願第62/611,339号、発明の名称「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」。
【0016】
本願の出願人は、2018年3月28日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第62/649,302号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」、
-米国仮特許出願第62/649,294号、発明の名称「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」、
-米国仮特許出願第62/649,300号、発明の名称「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」、
-米国仮特許出願第62/649,309号、発明の名称「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」、
-米国仮特許出願第62/649,310号、発明の名称「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」、
-米国仮特許出願第62/649,291号、発明の名称「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」、
-米国仮特許出願第62/649,296号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」、
-米国仮特許出願第62/649,333号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」、
-米国仮特許出願第62/649,327号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」、
-米国仮特許出願第62/649,315号、発明の名称「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」、
-米国仮特許出願第62/649,313号、発明の名称「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」、
-米国仮特許出願第62/649,320号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、
-米国仮特許出願第62/649,307号、発明の名称「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、及び
-米国仮特許出願第62/649,323号、発明の名称「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」。
【0017】
本願の出願人は、2018年3月29日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/940,641号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」、
-米国特許出願第15/940,648号、発明の名称「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH CONDITION HANDLING OF DEVICES AND DATA CAPABILITIES」、
-米国特許出願第15/940,656号、発明の名称「SURGICAL HUB COORDINATION OF CONTROL AND COMMUNICATION OF OPERATING ROOM DEVICES」、
-米国特許出願第15/940,666号、発明の名称「SPATIAL AWARENESS OF SURGICAL HUBS IN OPERATING ROOMS」、
-米国特許出願第15/940,670号、発明の名称「COOPERATIVE UTILIZATION OF DATA DERIVED FROM SECONDARY SOURCES BY INTELLIGENT SURGICAL HUBS」、
-米国特許出願第15/940,677号、発明の名称「SURGICAL HUB CONTROL ARRANGEMENTS」、
-米国特許出願第15/940,632号、発明の名称「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」、
-米国特許出願第15/940,640号、発明の名称「COMMUNICATION HUB AND STORAGE DEVICE FOR STORING PARAMETERS AND STATUS OF A SURGICAL DEVICE TO BE SHARED WITH CLOUD BASED ANALYTICS SYSTEMS」、
-米国特許出願第15/940,645号、発明の名称「SELF DESCRIBING DATA PACKETS GENERATED AT AN ISSUING INSTRUMENT」、
-米国特許出願第15/940,649号、発明の名称「DATA PAIRING TO INTERCONNECT A DEVICE MEASURED PARAMETER WITH AN OUTCOME」、
-米国特許出願第15/940,654号、発明の名称「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」、
-米国特許出願第15/940,663号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM DISTRIBUTED PROCESSING」、
-米国特許出願第15/940,668号、発明の名称「AGGREGATION AND REPORTING OF SURGICAL HUB DATA」、
-米国特許出願第15/940,671号、発明の名称「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」、
-米国特許出願第15/940,686号、発明の名称「DISPLAY OF ALIGNMENT OF STAPLE CARTRIDGE TO PRIOR LINEAR STAPLE LINE」、
-米国特許出願第15/940,700号、発明の名称「STERILE FIELD INTERACTIVE CONTROL DISPLAYS」、
-米国特許出願第15/940,629号、発明の名称「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」、
-米国特許出願第15/940,704号、発明の名称「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」、
-米国特許出願第15/940,722号、発明の名称「CHARACTERIZATION OF TISSUE IRREGULARITIES THROUGH THE USE OF MONO-CHROMATIC LIGHT REFRACTIVITY」、及び
-米国特許出願第15/940,742号、発明の名称「DUAL CMOS ARRAY IMAGING」。
【0018】
本願の出願人は、2018年3月29日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/940,636号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」、
-米国特許出願第15/940,653号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL HUBS」、
-米国特許出願第15/940,660号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」、
-米国特許出願第15/940,679号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR LINKING OF LOCAL USAGE TRENDS WITH THE RESOURCE ACQUISITION BEHAVIORS OF LARGER DATA SET」、
-米国特許出願第15/940,694号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR MEDICAL FACILITY SEGMENTED INDIVIDUALIZATION OF INSTRUMENT FUNCTION」、
-米国特許出願第15/940,634号、発明の名称「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」、
-米国特許出願第15/940,706号、発明の名称「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」、及び
-米国特許出願第15/940,675号、発明の名称「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」。
【0019】
本願の出願人は、2018年3月29日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許出願第15/940,627号、発明の名称「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、
-米国特許出願第15/940,637号、発明の名称「COMMUNICATION ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、
-米国特許出願第15/940,642号、発明の名称「CONTROLS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、
-米国特許出願第15/940,676号、発明の名称「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、
-米国特許出願第15/940,680号、発明の名称「CONTROLLERS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、
-米国特許出願第15/940,683号、発明の名称「COOPERATIVE SURGICAL ACTIONS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、
-米国特許出願第15/940,690号、発明の名称「DISPLAY ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」、及び
-米国特許出願第15/940,711号、発明の名称「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」。
【0020】
本願の出願人は、2018年3月30日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第62/650,887号、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH OPTIMIZED SENSING CAPABILITIES」、
-米国仮特許出願第62/650,877号、発明の名称「SURGICAL SMOKE EVACUATION SENSING AND CONTROLS」、
-米国仮特許出願第62/650,882号、発明の名称「SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」、及び
-米国仮特許出願第62/650,898号、発明の名称「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」。
【0021】
本願の出願人は、2018年4月19日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、これらの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許仮出願第62/659,900号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」。
【0022】
本願の出願人は、2018年10月25日に出願された以下の米国仮特許出願を所有しており、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
-米国仮特許出願第62/750,529号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A POWERED ARTICULATING MULTI-CLIP APPLIER」、
-米国仮特許出願第62/750,539号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER」、及び
-米国仮特許出願第62/750,555号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER」。
【0023】
明細書に記載され、添付の図面に示されるように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。周知の動作、構成要素、及び要素は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため、詳細に記載されていない。読者は、本明細書に記載され図示された実施形態は、非限定的な例であり、したがって本明細書に開示された特定の構造的及び機能的詳細は、代表的及び例示的であり得ることを、理解するであろう。特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、それに対する変形及び変更を行うことができる。
【0024】
「含む(comprise)」(また、「comprises」や「comprising」などのcompriseの任意の語形)、「有する(have)」(また、「has」や「having」などのhaveの任意の語形)、「含む(include)」(また、「includes」や「including」などのincludeの任意の語形)、及び「含有する(contain)」(また、「contains」や「containing」などのcontainの任意の語形)の用語は、オープンエンドの連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「含む(comprises)」、「有する(has)」、「含む(includes)」、若しくは「含有する(contains)」外科用システム、デバイス、又は装置は、それらの1つ以上の要素を有するが、それらの1つ以上の要素のみを有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「含む(comprises)」、「有する(has)」、「含む(includes)」、若しくは「含有する(contains)」システム、デバイス、又は装置の要素は、それらの1つ以上の特徴を有するが、それらの1つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
【0025】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0026】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科手技を行うための、様々な例示的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、本明細書に開示される様々な方法及びデバイスが、例えば切開外科手技と関連するものを含む、多くの外科手技及び用途で使用され得ることが、読者には容易に理解されよう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読み進めることで、読者は、本明細書に開示される様々な器具が、例えば、もとからある開口部を通じて、組織に形成された切開部又は穿刺孔を通じてなど、任意の方法で体内に挿入され得ることを更に理解するであろう。これらの器具の作用部分すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接挿入することもでき、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを進めることが可能な作用通路を有するアクセスデバイスを通じて挿入することもできる。
【0027】
図1は、ハウジング1012に動作可能に連結された交換式シャフトアセンブリ1200を含む外科用器具1010を示している。
図2は、ハウジング1012又はハンドル1014から取り外された交換式シャフトアセンブリ1200を示している。
図3に示すように、ハンドル1014は、ねじ、スナップ機構、接着剤などで相互連結され得る一対の相互連結可能なハンドルハウジングセグメント1016及び1018を備え得る。図示の構成では、ハンドルハウジングセグメント1016、1018は、ピストルグリップ部分1019を形成するように協働する。
図1及び
図3は、再使用されてもされなくてもよい、モータ駆動式の外科用切断及び締結器具1010を示している。図示される実施形態では、ハウジング1012は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成されたハンドル1014を備える。ハウジング1012は、1つ以上の外科的タスク又は処置を行うように構成された外科用エンドエフェクタ1300が動作可能に連結された交換式シャフトアセンブリ1200に動作可能に取り付けられるように構成されている。本発明を実施するための形態を読み進めるに従って、本明細書に開示される様々な形態の交換式シャフトアセンブリはまた、ロボット制御式の外科用システムと関連させて効果的に用いられ得ることが理解されよう。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書に開示する交換式シャフトアセンブリ及びそれらそれぞれの等価物を作動させるのに使用することができる、少なくとも1つの制御運動を生成し適用するように構成された、少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は別の方法で動作可能に支持する、ロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含してもよい。加えて、様々な構成要素は、ハウジング内に「収容」されるか又は含まれてもよく、あるいは様々な構成要素は、ハウジングに「関連付け」られていてもよい。このような例では、構成要素は、ハウジング内に含まれていなくてもよく、又はハウジングによって直接支持されていなくてもよい。「フレーム」という用語は、手持ち式外科用器具の一部分を指してもよい。「フレーム」という用語はまた、ロボット制御式の外科用器具の一部分、及び/又は外科用器具を動作可能に制御するのに使用されてもよいロボットシステムの一部分を表してもよい。本明細書に開示される交換式シャフトアセンブリは、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」に開示されている様々なロボットのシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられてもよい。
【0028】
図1に描かれるハウジング1012は、外科用ステープルカートリッジ4000をその中で動作可能に支持するように構成された外科用切断及び締結装置を備えるエンドエフェクタ1300を含む交換式シャフトアセンブリ1200(
図2、
図4及び
図5)と接続されて示されている。ハウジング1012は、種々のサイズ及びタイプのステープルカートリッジを支持するように適合されたエンドエフェクタを含み、種々のシャフトの長さ、サイズ、及びタイプなどを有する交換式シャフトアセンブリと接続されて使用するように構成されてもよい。加えて、ハウジング1012はまた、例えば、運動、並びに高周波(RF)エネルギー、超音波エネルギー及び/又は運動などの他の形態のエネルギーを、様々な外科用途及び処置に関連して用いられるように適合されたエンドエフェクタ構成に印加するように構成されたアセンブリを含む様々な他の交換式シャフトアセンブリと接続されて効果的に用いられてもよい。以下で更に詳しく説明するように、ハンドル1014は、中に複数の駆動システムを動作可能に支持しており、これらの駆動システムは、ハンドルに動作可能に取り付けられた交換式シャフトアセンブリの対応する部分に対して、様々な制御モーションを生成し適用するように構成されている。
【0029】
ここで
図3を参照すると、ハンドル1014は、複数の駆動システムを動作可能に支持するフレーム1020を更に含んでもよい。例えば、フレーム1020は、全体として1030で示される「第1の」すなわち閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、この閉鎖駆動システムは、動作可能に取り付けられた又は結合された交換式シャフトアセンブリ1200に対して開閉運動を適用するために用いられてもよい。少なくとも1つの形態では、閉鎖駆動システム1030は、フレーム1020によって枢動可能に支持されている閉鎖トリガ1032の形態のアクチュエータを含んでもよい。
図3に示されるように、閉鎖トリガ1032は、ピン1033によってハンドル1014に枢動可能に結合されている。かかる構成により、閉鎖トリガ1032を臨床医が操作することが可能になり、それによって、臨床医がハンドル1014のピストルグリップ部分1019を把持すると、閉鎖トリガ1032を、始点位置又は「非作動」位置から「作動」位置へと、より詳細には完全圧縮位置又は完全作動位置へと容易に枢動させることができる。閉鎖トリガ1032は、ばね又は他の付勢装置によって、非作動位置へと付勢されてもよい。様々な形態では、閉鎖駆動システム1030は、閉鎖トリガ1032に枢動可能に連結された閉鎖リンケージアセンブリ1034を更に含む。
図3に示すように、閉鎖リンケージアセンブリ1034は、ピン1035によって閉鎖トリガ1032に枢動可能に結合された第1の閉鎖リンク1036及び第2の閉鎖リンク1038を含んでもよい。第2の閉鎖リンク1038は、本明細書では「取付け部材」と呼ばれることもあり、横向き取付けピン1037を含む。
【0030】
図3を引き続き参照すると、第1の閉鎖リンク1036はその上に、フレーム1020に枢動可能に結合された閉鎖解除アセンブリ1060と協働するように構成された、ロック壁又は端部1039を有してもよいことを観察することができる。少なくとも1つの形態では、閉鎖解除アセンブリ1060は、遠位側に突出するロック爪1064がその上に形成された解除ボタンアセンブリ1062を備えてもよい。解除ボタンアセンブリ1062は、解除ばね(図示せず)によって反時計方向に枢動させられてもよい。臨床医が閉鎖トリガ1032をその非作動位置からハンドル1014のピストルグリップ部分1019に向かって押下すると、ロック爪1064が第1の閉鎖リンク1036上のロック壁1039との保持係合に至る地点に向かって第1の閉鎖リンク1036が上向きに枢動し、それによって閉鎖トリガ1032が非作動位置に復帰することが防止される。したがって、閉鎖解除アセンブリ1060は、閉鎖トリガ1032を完全作動位置にロックするように働く。臨床医が、閉鎖トリガ1032をロック解除して、それを非作動位置へ付勢することができるようにしたい場合、臨床医は単純に、解除ボタンアセンブリ1062を枢動させ、それによってロック爪1064を移動させて、第1の閉鎖リンク1036上のロック壁1039との係合から外す。ロック爪1064が移動させられて第1の閉鎖リンク1036との係合から外れると、閉鎖トリガ1032は枢動して非作動位置に戻ってもよい。他の閉鎖トリガロック及び解放構成が用いられてもよい。
【0031】
アーム1061が、解除ボタンアセンブリ1062から延在してもよい。例えば永久磁石などの磁気要素1063をアーム1061に取り付けてもよい。解除ボタンアセンブリ1062をその第1の位置からその第2の位置へと回転させると、磁気要素1063は、回路基板1100に向かって移動することができる。回路基板1100は、磁気要素1063の移動を検出するように構成された、少なくとも1つのセンサを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、例えばホール効果センサを、回路基板1100の底面に取り付けることができる。ホール効果センサは、磁気要素1063の移動によって生じるホール効果センサを取り巻く磁場における変化を検出するように構成され得る。ホール効果センサは、例えば、マイクロコントローラとの信号通信が可能であり、それによって、解除ボタンアセンブリ1062が、閉鎖トリガ1032の非作動位置とエンドエフェクタの開放構成とに関連付けられたその第1の位置にあるか、閉鎖トリガ1032の作動位置とエンドエフェクタの閉鎖構成とに関連付けられたその第2の位置にあるか、かつ/又は第1の位置と第2の位置との間の任意の位置にあるかを判断することができる。
【0032】
少なくとも1つの形態では、ハンドル1014及びフレーム1020は、取り付けられた交換式シャフトアセンブリの対応部分に対して発射運動を適用するように構成されている、本明細書では発射駆動システム1080と呼ばれる別の駆動システムを動作可能に支持してもよい。発射駆動システム1080はまた、本明細書において「第2の駆動システム」と呼ばれることもある。発射駆動システム1080は、ハンドル1014のピストルグリップ部分1019内に位置する電気モータ1082を用いてもよい。様々な形態において、モータ1082は、例えば、約25,000RPMの最大回転数を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。その他の構成では、モータとしては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又はその他の任意の好適な電気モータを挙げてもよい。モータ1082は、電源1090によって給電されてもよく、一形態においては、取り外し可能なパワーパック1092を備えてもよい。例えば、
図3で分かるように、パワーパック1092は、遠位ハウジング部分1096に取り付けるように構成された、近位ハウジング部分1094を備えてもよい。近位ハウジング部分1094及び遠位ハウジング部分1096は、その中で複数の電池1098を動作可能に支持するように構成される。電池1098はそれぞれ、例えば、リチウムイオン(LI)又は他の好適な電池を含んでもよい。遠位ハウジング部分1096は、モータ1082にやはり動作可能に結合されている回路基板1100に取り外し可能かつ動作可能に取り付けられるように構成されている。直列に接続されてもよい多数の電池1098が、外科用器具1010の電源として使用されてもよい。加えて、電源1090は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0033】
他の様々な形態に関連して上に概説したように、電気モータ1082は、長手方向に移動可能な駆動部材1120上にある駆動歯1122の組又はラックと噛合係合して取り付けられたギヤ減速機アセンブリ1084と動作可能に連係する回転式シャフト(図示せず)を含むことができる。使用の際、電源1090によって提供される電圧極性によって電気モータ1082を時計方向に動作させることができるが、電池によって電気モータに印加される電圧極性は、電気モータ1082を反時計方向に動作させるために反転させることができる。電気モータ1082が1つの方向に回転されると、駆動部材1120は、遠位方向「DD」に軸方向駆動されることになる。モータ1082が反対の回転方向に駆動されると、駆動部材1120は、近位方向「PD」に軸方向駆動されることになる。ハンドル1014は、電源1090によって電気モータ1082に印加される極性を反転させるように構成することができるスイッチを含むことができる。本明細書に記載される他の形態と同様に、ハンドル1014はまた、駆動部材1120の位置、及び/又は駆動部材1120が移動させられている方向を検出するように構成されたセンサを含むことができる。
【0034】
モータ1082の作動は、ハンドル1014上で枢動可能に支持される発射トリガ1130によって制御され得る。発射トリガ1130は、非作動位置と作動位置との間を枢動してもよい。発射トリガ1130は、ばね1132又は他の付勢構成によって、非作動位置に付勢されてもよく、臨床医が発射トリガ1130を解放するときに、発射トリガ1130は、ばね1132又は付勢構成によって、非作動位置に枢動又は他の様式で戻ってもよい。少なくとも1つの形態では、発射トリガ1130は、上述したように、閉鎖トリガ1032の「外側」に配置することができる。少なくとも1つの形態では、発射トリガ安全ボタン1134が、ピン1035によって閉鎖トリガ1032に枢着されてもよい。安全ボタン1134は、発射トリガ1130と閉鎖トリガ1032との間に位置付けられ、そこから突出する枢動アーム1136を有してもよい。
図3を参照されたい。閉鎖トリガ1032が非作動位置にあるとき、安全ボタン1134は、ハンドル1014に収容され、臨床医が容易にアクセスすることができず、発射トリガ1130の作動を防止する安全位置と、発射トリガ1130が発射されてもよい発射位置との間で移動させることもできない。臨床医が閉鎖トリガ1032を押下すると、安全ボタン1134及び発射トリガ1130が下に枢動して、次いで、臨床医がそれらを操作することが可能になる。
【0035】
上に示されるように、少なくとも一形態において、長手方向に移動可能な駆動部材1120は、ギヤ減速機アセンブリ1084の対応する駆動ギヤ1086と噛合係合するために、その上に形成された歯1122のラックを有する。少なくとも1つの形態はまた、モータ1082が無効化された場合に、臨床医が長手方向に移動可能な駆動部材1120を手動で後退させることができるように構成された、手動作動式の「緊急離脱」アセンブリ1140を含む。緊急離脱アセンブリ1140は、手動で枢動させて、駆動部材1120にやはり設けられた歯1124とラチェット係合するように構成された、レバー又は緊急離脱ハンドルアセンブリ1142を含んでもよい。したがって、臨床医は、緊急離脱ハンドルアセンブリ1142を使用して駆動部材1120を近位方向「PD」にラチェットさせることによって、駆動部材1120を手動により後退させることができる。米国特許第8,608,045号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」は、緊急離脱装置、並びにやはり本明細書に開示の様々な器具と共に用いられてもよい他の構成要素、装置、及びシステムを開示している。米国特許出願第8,608,045号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0036】
図2及び
図5に示すように、外科用エンドエフェクタ1300は、ステープルカートリッジ4000をその中に動作可能に支持するように構成された細長チャネル1310を備える。エンドエフェクタ1300は、細長チャネル1310に対して枢動可能に支持されたアンビル2000を更に含んでもよい。交換式シャフトアセンブリ1200は、シャフト軸線SAに対して所望の位置でエンドエフェクタ1300を解除可能に保持するように構成することができる、関節継手3020及び関節ロック2140を更に含んでもよい。エンドエフェクタ1300、関節継手3020、及び関節ロックの構造と動作に関する詳細は、2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在の米国特許出願公開第2014/0263541号に説明されている。2013年3月14日出願の米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在の米国特許出願公開第2014/0263541号の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図4で分かるように、交換式シャフトアセンブリ1200は、ノズル部分1202及び1203から構成される近位ハウジング又はノズル1201を更に含むことができる。
【0037】
交換式シャフトアセンブリ1200は、エンドエフェクタ1300のアンビル2000を開閉するために利用することができる、閉鎖管3000を更に含むことができる。シャフトアセンブリ1200は、スパイン1210を含んでもよく、スパイン1210は、(1)内部に発射部材を摺動可能に支持し、(2)スパイン1210の周囲に延在する閉鎖部材アセンブリ3000を摺動可能に支持するように構成されている。
図5に示すように、スパイン1210の遠位端1212は、上部ラグ取り付け機構1270及び下部ラグ取り付け機構1280で終端する。上部ラグ取り付け機構1270の内部には、上部取り付けリンク1274を内部に固定支持可能なラグスロット1272が形成されている。同様に、下部ラグ取り付け機構1280の内部には、下部取り付けリンク1284を内部に固定支持可能なラグスロット1282が形成されている。上部取り付けリンク1274は、細長チャネル1310の近位端部分1312に取り付けられたチャネルキャップ又はアンビルリテーナ1290上に形成された枢動ピン1292を内部に回転可能に受容可能な枢動ソケット1276を内部に含む。下部取り付けリンク1284は、細長チャネル1310の近位端部分1312内に形成された枢動穴1314内に受容可能な下部枢動ピン1286を含む。
図5を参照されたい。下部枢動ピン1286は枢動ソケット1276と垂直に位置合わせされて関節運動軸AAを画定し、これを中心として外科用エンドエフェクタ1300がシャフト軸線SAに対して関節運動し得る。
図2を参照されたい。
【0038】
図示した例において、外科用エンドエフェクタ1300は関節運動システム2100により、関節運動軸AAを中心として選択的に関節運動可能である。一形態において、関節運動システム2100は、関節運動リンク2120に枢動可能に連結された近位関節駆動部2102を含む。
図5に見られるように、オフセット取り付けラグ2114が、近位関節駆動部2102の遠位端2110に形成されている。枢動穴2116がオフセット取り付けラグ2114に形成され、関節運動リンク2120の近位端2122に形成された近位リンクピン2124を、中に枢動可能に受容するように構成されている。関節運動リンク2120の遠位端2126は、細長チャネル1310の近位端部分1312に形成されたチャネルピン1317を、中に枢動可能に受容するように構成された枢動穴2128を含む。したがって、近位関節駆動部2102の軸移動により、関節運動が細長チャネル1310に加えられ、これによって、外科用エンドエフェクタ1300がスパインアセンブリ1210に対して、関節運動軸AAを中心に関節移動する。関節運動システム2100の構成及び操作に関する詳細は、2017年6月28日出願の米国特許出願第15/635,631号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」、現在は米国特許出願公開第2019/0000464号に見出すことができる。2017年6月28日出願の米国特許出願第15/635,631号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」、現在の米国特許出願公開第2019/0000464号の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。様々な状況において、近位関節駆動部2102が近位方向又は遠位方向に移動していない場合、近位関節駆動部2102は関節ロック2140によって適所に維持されてもよい。関節ロック2140の例に関する更なる詳細は、米国特許出願第15/635,631号、現在の米国特許出願公開第2019/0000464号、並びに本明細書に参照により組み込まれる他の参考文献に見出すことができる。
【0039】
様々な状況において、スパイン1210は、シャーシ1240内で回転可能に支持される近位端部1211を備えることができる。一構成では、例えば、スパイン1210の近位端部1211には、シャーシ1240内で支持されるように構成されたスパイン軸受1216にねじ込みによって取り付けられるように、ねじ山1214が形成されている。
図4を参照されたい。このような構成により、シャーシ1240に対するスパイン1210の回転可能な取り付けが容易になり、スパイン1210を、シャーシ1240に対してシャフト軸線SAを中心に選択的に回転させてよい。
【0040】
主に
図4を参照すると、交換式シャフトアセンブリ1200は、シャーシ1240に対して軸方向に移動され得るようにその中で摺動可能に支持される閉鎖シャトル1250を含む。閉鎖シャトル1250は、一対の近位側に突出するフック1252を含み、それらは、更に詳細に後述するように、第2の閉鎖リンク1038に取り付けられる取付けピン1037(
図3)に取り付けるように構成されている。少なくとも1つの例では、閉鎖部材アセンブリ3000は、閉鎖シャトル1250に対して回転するように閉鎖シャトル1250に連結された近位端3012を有する近位閉鎖部材セグメント3010を備える。U字型コネクタ1263が、近位閉鎖部材セグメント3010の近位端3012にある環状スロット3014に挿入され、閉鎖シャトル1250の垂直スロット1253内に保持される。このような構成により、近位閉鎖部材セグメント3010と閉鎖シャトル1250とが、一緒に軸方向移動するように取り付けられる一方で、近位閉鎖部材セグメント3010がシャフト軸線SAを中心として閉鎖シャトル1250に対して回転することが可能となる。閉鎖ばね1268が近位閉鎖部材3010上で軸止され、近位閉鎖部材3010を近位方向「PD」に付勢する役割を果たし、それによって、シャフトアセンブリがハンドル1014に動作可能に結合されると、閉鎖トリガ1032を非作動位置へと枢動する役割を果たすことができる。
【0041】
少なくとも1つの形態では、交換式シャフトアセンブリ1200は、関節継手3020を更に含んでもよい。しかしながら、他の交換式シャフトアセンブリが、関節屈曲可能でなくてもよい。
図5に示すように、例えば、遠位閉鎖部材又は遠位側閉鎖管セグメント3030が、近位側閉鎖部材セグメント3010の遠位端に連結されている。関節継手3020は、二重枢動閉鎖スリーブアセンブリ3022を含む。様々な形態によれば、二重枢動閉鎖スリーブアセンブリ3022は、上部遠位突出タング3052及び下部遠位突出タング3054を有する、エンドエフェクタ閉鎖管3050を含む。上側二重枢動リンク3056は、遠位側閉鎖管セグメント3030上にある上部近位突出タング3052の上部遠位ピンホール、及び上部遠位突出タング3032の上部近位ピンホールにそれぞれ係合する、上向きに突出する遠位及び近位枢動ピンを含む。下部二重枢動リンク3058は、下部近位突出タング3054の下部遠位ピンホール、及び下部遠位突出タング3034の下部近位ピンホールにそれぞれ係合する、上向きに突出する遠位及び近位枢動ピンを含む。
図4及び
図5を参照されたい。以下により詳細に説明するように、閉鎖部材アセンブリ3000は、例えば閉鎖トリガ1032の作動に応答して、アンビル2000を閉鎖するように遠位(方向DD)に並進される。アンビル2000は、閉鎖部材アセンブリ3000を近位方向に並進させることによって開放され、これによってエンドエフェクタ閉鎖管3050がアンビル2000と相互作用し、アンビル2000を開放位置に枢動させる。
【0042】
交換式シャフトアセンブリ1200は、スパイン1210内部で軸方向移動するように支持される発射部材1900を更に含む。発射部材1900は、遠位側切断部分又はナイフバー1910に取り付けられるように構成された中間発射シャフト部分1222を含む。中間発射シャフト部分1222は、その遠位端に、遠位側ナイフバー1910の近位端にあるタブ1912を受容するように構成され得る長手方向スロット1223を含んでもよい。長手方向スロット1223及び近位端タブ1912は、それらの間の相対運動を可能にするような大きさ及び構成とすることができ、スリップ継手1914を備えることができる。スリップ継手1914は、ナイフバー1910を移動させずに、又は少なくとも実質的に移動させずに、発射部材1900の中間発射シャフト部分1222を移動させて、エンドエフェクタ1300を関節運動させることを可能にし得る。ひとたびエンドエフェクタ1300が適切に配向されると、長手方向スロット1223の近位側の側壁がタブ1912に接触するまで中間発射シャフト部分1222を遠位方向に前進させて、ナイフバー1910を前進させ、チャネル1310内に位置するステープルカートリッジ4000を発射することができる。ナイフバー1910は、ブレード又は組織切断縁部1922を含むナイフ部分1920を含み、上部アンビル係合タブ1924及び下部チャネル係合タブ1926を含む。様々な発射部材の構成及び動作は、参照により本明細書に組み込まれる様々な他の参考文献に開示されている。
【0043】
図4で分かるように、シャフトアセンブリ1200は、近位閉鎖部材セグメント3010上に回転可能に受け入れられるスイッチドラム1500を更に含む。スイッチドラム1500は、外側に突出する作動ピンを受容するためのシャフトボスが内部に形成された中空のシャフトセグメント1502を備える。様々な状況下で、作動ピンは、スロットを通ってロックスリーブ内に設けられた長手方向スロット内へ延在することで、ロックスリーブが関節駆動器と係合されている場合にその軸運動を助ける。回転ねじりばね1420は、スイッチドラム1500上のボス及びノズルハウジング1203の一部分に係合して、付勢力をスイッチドラム1500に加えるように構成されている。スイッチドラム1500は、内部に画定された少なくとも部分的に円周方向の開口部1506を更に備えることができ、その開口部は、ノズル部分1202、1203から延在する円周方向のマウントを受容し、スイッチドラム1500とノズル1201との間の相対回転は許容するが並進は許容しないように構成することができる。マウントはまた、近位閉鎖部材セグメント3010の開口部3011を通って延在して、スパイン1210の陥凹部1219に収まる。スイッチドラム1500がシャフト軸線SAを中心として回転すると、最終的に、作動ピン及びロックスリーブが、その係合位置と係合解除位置との間で回転する。一構成では、スイッチドラム1500の回転は、閉鎖管又は閉鎖部材の軸方向の前進に連結されてもよい。したがって、本質的に、閉鎖システムの作動は、それぞれの開示全体が本明細書に参照により組み込まれる米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号、及び米国特許第9,913,642号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SENSOR SYSTEM」に更に詳細に記載される様々な方法で、発射駆動システムと関節駆動システムを動作可能に係合及び解除し得る。閉鎖部材セグメント3010が「顎部開放」位置に対応するその最も近位の位置にある場合は、閉鎖部材セグメント3010は、関節運動システムを発射駆動システムと連結させるように、スイッチドラム1500を位置付けている。閉鎖管が、「顎部閉鎖」位置に対応するその遠位位置に移動されている場合、閉鎖管は、スイッチドラム1500を、関節運動システムが発射駆動システムから解放される位置まで回転させている。
【0044】
図4にも示されるように、シャフトアセンブリ1200は、例えば、エンドエフェクタ1300との間で電力を伝導し、かつ/又はエンドエフェクタ1300との間で信号を通信するように構成することができる、スリップリングアセンブリ1600を備えることができる。スリップリングアセンブリ1600は、シャーシ1240から延在するシャーシフランジ1242に装着される近位コネクタフランジ1604と、シャフトハウジング内に画定されたスロット内に位置付けられる遠位コネクタフランジとを備えることができる。近位コネクタフランジ1604は第1の面を備えることができ、遠位コネクタフランジは、第1の面に隣接して位置付けられ、かつ第1の面に対して移動可能である第2の面を備えることができる。遠位コネクタフランジは、シャフト軸線SAを中心として、近位コネクタフランジ1604に対して回転することができる。近位コネクタフランジ1604は、その第1の面に画定される、複数の同心の、又は少なくとも実質的に同心の導体を備えることができる。コネクタは、コネクタフランジの近位面に装着することができ、複数の接点を有してもよく、それぞれの接点は、導体の1つに対応し、それと電気的に接触する。かかる構成により、近位コネクタフランジ1604と遠位側コネクタフランジとが、それらの間の電気的接触を維持したまま相対回転することが可能になる。近位コネクタフランジ1604は、例えば、シャフトシャーシ1240に装着されたシャフト回路基板1610と信号連通するように導体を配置可能な電気コネクタ1606を含むことができる。少なくとも1つの例では、複数の導体を備える配線ハーネスが、電気コネクタ1606とシャフト回路基板1610との間に延在することができる。電気コネクタ1606は、シャーシフランジ1242に画定されたコネクタ開口部1243を通って近位側に延在してもよい。
図4を参照されたい。スリップリングアセンブリ1600に関する更なる詳細は、例えば、米国特許出願第13/803,086号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号、2013年3月13日出願の米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2014/0263552号及び、米国特許第9,345,481号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」に見出すことができる。米国特許出願第13/803,086号、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号、米国特許出願第13/800,067号、現在は米国特許出願公開第2014/0263552号及び、米国特許第9,345,481号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」は、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
上述したように、シャフトアセンブリ1200は、ハンドル1014に固定可能に装着される近位部分と、長手方向軸を中心にして回転可能な遠位部分とを含むことができる。回転可能な遠位シャフト部分は、上述したように、スリップリングアセンブリ1600を中心にして近位部分に対して回転させることができる。スリップリングアセンブリ1600の遠位コネクタフランジは、回転可能な遠位シャフト部分内に位置付けることができる。また、上記に加えて、スイッチドラム1500も、回転可能な遠位シャフト部分内に位置付けることができる。回転可能な遠位シャフト部分を回転させると、遠位コネクタフランジ及びスイッチドラム1500を互いに同期して回転させることができる。加えて、スイッチドラム1500を、遠位コネクタフランジに対して第1の位置と第2の位置との間で回転させることができる。スイッチドラム1500がその第1の位置にあると、関節駆動システムが発射駆動システムから動作可能に係合解除されてもよく、したがって、発射駆動システムの動作によって、シャフトアセンブリ1200のエンドエフェクタ1300を関節運動させることができない。スイッチドラム1500がその第2の位置にあると、関節駆動システムが発射駆動システムと動作可能に係合されてもよく、したがって、発射駆動システムの動作によってシャフトアセンブリ1200のエンドエフェクタ1300を関節運動させることができる。スイッチドラム1500をその第1の位置とその第2の位置との間で移動させると、スイッチドラム1500は、遠位コネクタフランジに対して移動させられる。様々な例において、シャフトアセンブリ1200は、スイッチドラム1500の位置を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを備えることができる。
【0046】
再び
図4を参照すると、シャーシ1240は、フレーム1020の遠位側取り付けフランジ部分1700内に形成された対応するダブテールスロット1702に受容可能なシャーシ上に形成された、少なくとも1つ、好ましくは2つの先細の取り付け部分1244を含む。
図3を参照されたい。各ダブテールスロット1702は、取り付け部分1244を中に収めて受け入れるように、先細であってもよく、又は言い換えればある程度V字形であってもよい。
図4に更に示すように、シャフト取り付けラグ1226が、中間発射シャフト部分1222の近位端に形成されている。更に詳細に後述するように、交換式シャフトアセンブリ1200がハンドル1014に結合されると、シャフト取り付けラグ1226は、長手方向駆動部材1120の遠位端1125に形成された発射シャフト取り付けクレードル1126に受け入れられる。
図3を参照されたい。
【0047】
様々なシャフトアセンブリの実施形態は、シャフトアセンブリ1200をハウジング1012に、より具体的には、フレーム1020に取り外し可能に結合するためのラッチシステム1710を用いる。
図4に示されるように、ラッチシステム1710は、シャーシ1240に移動可能に連結されているロック部材又はロックヨーク1712を含む。図示される実施形態では、例えば、ロックヨーク1712は、2つの離間した下方に延びる脚部1714を有するU字形状を有している。脚部1714にはそれぞれ、シャーシ1240に形成された対応する穴1245内に受容可能な枢動ラグ1715が形成されている。かかる配置により、ロックヨーク1712をシャーシ1240に枢動可能に取り付けやすくなる。ロックヨーク1712は、フレーム1020の遠位側取り付けフランジ1700の対応するロック戻り止め又は溝1704と解除可能に係合するように構成される、2つの近位側に突出するロックラグ1716を含んでもよい。
図3を参照されたい。様々な形態において、ロックヨーク1712は、ばね又は付勢部材によって近位方向に付勢される。ロックヨーク1712の作動は、シャーシ1240に装着されたラッチアクチュエータアセンブリ1720上に摺動可能に装着されたラッチボタン1722によって、遂行されてもよい。ラッチボタン1722を、ロックヨーク1712に対して近位方向に付勢することができる。更に詳細に後述するように、ラッチボタンを遠位方向に付勢することによってロックヨーク1712をロック解除位置へと移動させてもよく、これはまた、ロックヨーク1712を枢動させて、フレーム1020の遠位側取り付けフランジ1700との保定係合から外す。ロックヨーク1712がフレーム1020の遠位側取り付けフランジ1700と「保定係合」しているとき、ロックラグ1716は、遠位側取り付けフランジ1700の対応するロック戻り止め又は溝1704内に保定されるように収まっている。
【0048】
組織を切断し締結するように適合された本明細書に記載されるタイプのエンドエフェクタ、並びに他のタイプのエンドエフェクタを含む、交換式シャフトアセンブリを用いる場合、エンドエフェクタの作動中に交換式シャフトアセンブリがハウジングから不用意に分離されることを防止することが望ましい場合がある。例えば、使用の際に、臨床医が閉鎖トリガ1032を作動させて標的組織を把持し、所望の位置へと操作することがある。標的組織がエンドエフェクタ1300内に所望の向きで位置付けられると、臨床医は、次に、閉鎖トリガ1032を完全に作動させてアンビル2000を閉鎖し、標的組織を切断及びステープル留めのために適所にクランプしてもよい。その場合、第1の駆動システム1030は、完全に作動している。標的組織がエンドエフェクタ1300にクランプされた後、シャフトアセンブリ1200がハウジング1012から不用意に分離されることを防止することが望ましいことがある。ラッチシステム1710は、かかる不用意な分離を防止するように構成されている。
【0049】
図4で分かるように、ロックヨーク1712は、閉鎖シャトル1250上に形成された対応するロック突起部分1256に接触するように適合された、少なくとも1つの、好ましくは2つのロックフック1718を含む。閉鎖シャトル1250が非作動位置にある(すなわち、第1の駆動システム1030が非作動で、アンビル2000が開放されている)とき、ロックヨーク1712を遠位方向に枢動させて、交換式シャフトアセンブリ1200をハウジング1012からロック解除してもよい。その位置では、ロックフック1718は、閉鎖シャトル1250のロック突起部分1256と接触していない。しかしながら、閉鎖シャトル1250を作動位置へと移動させる(すなわち、第1の駆動システム1030が作動され、アンビル2000が閉鎖位置にある)と、ロックヨーク1712がロック解除位置へと枢動することが防止される。別の言い方をすると、臨床医がロックヨーク1712をロック解除位置に枢動させようとした場合、又は例えばロックヨーク1712が、遠位方向に枢動するような形で不用意に押し出されるか又は接触された場合、ロックヨーク1712のロックフック1718が閉鎖シャトル1250のロック突起部分1256と接触して、ロックヨーク1712がロック解除位置に動くことを防止する。
【0050】
以下に、ハンドル1014に対する交換式シャフトアセンブリ1200の取り付けについて記載する。連結プロセスを開始するために、臨床医は、シャーシ1240上に形成された先細の取り付け部分1244がフレーム1020のダブテールスロット1702と位置合わせされるように、交換式シャフトアセンブリ1200のシャーシ1240をフレーム1020の遠位側取り付けフランジ部分1700の上方に、又はそれに隣接して配置してもよい。臨床医は次いで、シャフトアセンブリ1200を、シャフト軸線SAに垂直な取り付け軸線に沿って移動させて、取り付け部分1244を対応するダブテール受け入れスロット1702と「動作可能に係合」させて収めてもよい。そうすることで、中間発射シャフト部分1222上のシャフト取り付けラグ1226もまた、長手方向に移動可能な駆動部材1120のクレードル1126内に装着され、第2の閉鎖リンク1038上にあるピン1037の各部分が、閉鎖シャトル1250の対応するフック1252内に収められる。本明細書で使用するとき、2つの構成要素の文脈における「動作可能な係合」という用語は、それら2つの構成要素が互いに十分に係合され、それにより、作動運動をそれらに適用すると、構成要素が意図される行為、機能、及び/又は手順を実施し得ることを意味する。
【0051】
上述のように、交換式シャフトアセンブリ1200の少なくとも5つのシステムを、ハンドル1014の少なくとも5つの対応するシステムと動作可能に結合することができる。第1のシステムは、シャフトアセンブリ1200のフレーム又はスパインをハンドル1014のフレーム1020と結合及び/又は位置合わせするフレームシステムを備えることができる。別のシステムは、ハンドル1014の閉鎖トリガ1032と、閉鎖管1260と、シャフトアセンブリ1200のアンビル2000とを動作可能に接続することができる、閉鎖駆動システム1030を備えることができる。上で概説したように、シャフトアセンブリ1200の閉鎖シャトル1250を、第2の閉鎖リンク1038のピン1037と係合させることができる。別のシステムは、ハンドル1014の発射トリガ1130をシャフトアセンブリ1200の中間発射シャフト部分1222と動作可能に接続することができる、発射駆動システム1080を備えることができる。上で概説したように、シャフト取り付けラグ1226は、長手方向駆動部材1120のクレードル1126と動作可能に接続することができる。別のシステムは、例えばシャフトアセンブリ1200などのシャフトアセンブリがハンドル1014と動作可能に係合されていることを、例えばマイクロコントローラなどのハンドル1014内のコントローラに信号伝達可能であり、並びに/又は第2に、電力及び/若しくは通信信号をシャフトアセンブリ1200とハンドル1014との間で伝導可能である電気システムを含むことができる。一例として、シャフトアセンブリ1200は、シャフト回路基板1610に動作可能に装着される電気コネクタ1810を含むことができる。電気コネクタ1810は、ハンドル制御基板1100上の対応する電気コネクタ1800と噛合係合するように構成されている。回路類及び制御システムに関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号及び、米国特許出願第14/226,142号、現在は米国特許第9,913,642号に見出すことができ、その開示内容全体は、参照により本明細書に組み込まれている。第5のシステムは、シャフトアセンブリ1200をハンドル1014に解除可能にロックするラッチングシステムからなっていてもよい。
【0052】
図示される例におけるアンビル2000は、アンビル取り付け部分2010で終端するアンビル本体2002を含んでいる。アンビル取り付け部分2010は、シャフト軸線SAを横断する、固定されたアンビル枢動軸線PAを中心にしたアンビル取り付け部分2010に対する選択的な枢動移動のために、細長チャネル1310上に移動可能又は枢動可能に支持される。図示される構成では、枢動部材又はアンビルトラニオン2012は、アンビル取り付け部分2010の各横側面から横方向に延びて、細長チャネル1310の近位端部分1312の直立壁1315に形成された対応するトラニオンクレードル1316内に受容される。アンビルトラニオン2012は、通路キャップ又はアンビルリテーナ1290により、対応するトラニオンクレードル1316内で枢動可能に保持される。チャネルキャップ又はアンビルリテーナ1290は、細長チャネル1310の近位端部分1312の直立壁1315に形成された対応する突起溝又はノッチ内に保持されるようにして受容されるように構成された一対の取り付けラグを有している。
図5を参照されたい。
【0053】
引き続き
図5を参照すると、少なくとも一構成では、遠位閉鎖部材又はエンドエフェクタ閉鎖管3050は、2つの軸方向にオフセットされた近位側及び遠位側の正の顎部開放機構3060及び3062を使用する。正の顎部開放機構3060及び3062は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願第15/635,631号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」、現在は米国特許出願公開第2019/0000464号で、更に詳細に説明されるように、対応する解放領域及びアンビル取り付け部分2010上に形成された段差部分と相互作用するように構成されている。他の顎部開放構成を使用してもよい。
【0054】
図6~
図8は、外科用エンドエフェクタ5012を動作させるための回転駆動運動を生成するように構成された、外科用切断及び締結器具5010を示す。外科用器具5010は、ハンドル5006と、シャフト5008と、関節運動枢動点5014においてシャフト5008に枢動可能に連結された関節運動式外科用エンドエフェクタ5012を含む。関節運動制御部5016がハンドル5006に隣接して設けられ、関節運動枢動点5014を中心としてエンドエフェクタ5012を回転させてもよい。様々な代替的実施形態は、非枢動エンドエフェクタを含んでもよく、したがって関節運動枢動点5014又は関節運動制御部5016を含まない場合がある。
【0055】
器具5010のハンドル5006は、エンドエフェクタ5012を作動させるための閉鎖トリガ5018及び発射トリガ5020を含んでもよい。異なる外科的手技を目的とするエンドエフェクタを含む器具が、エンドエフェクタ5012を操作するために異なる数又は種類のトリガ若しくは他の適切な制御部を有してもよいことが理解されるであろう。一実施形態では、臨床医又は器具5010の操作者は、本明細書においてその全開示が参照として組み込まれる同時係属中の米国特許第7,670,334号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING AN ARTICULATING END EFFECTOR」により詳細に記載されるように、関節運動制御部5016を利用することによって、シャフト5008に対してエンドエフェクタ5012を関節運動させることができる。エンドエフェクタ5012は、特にステープル溝5022と、アンビル5024などの枢動可能に平行移動可能なクランプ部材とを含み、これらはエンドエフェクタ5012によりクランプされた組織の効果的なステープル留め及び切断を確実にするような一定の間隔に保持されている。ハンドル5006はピストルグリップ5026を有し、臨床医がピストルグリップ5026の方向に閉鎖トリガ5018を枢動させて引き寄せ、アンビル5024をエンドエフェクタ5012のステープルチャネル5022の方向にクランプ又は閉鎖することによって、アンビル5024とチャネル5022との間に位置する組織を挟み込むことができる。
【0056】
図7の実施形態に示されるように、エンドエフェクタ5012は、上記に述べたチャネル5022及びアンビル5024に加えて、切開器具5032、スレッド5033、チャネル5022内に取り外し可能に収められたステープルカートリッジ5034、及び螺旋状ねじシャフト5036を有し得る。切開器具5032は、例えば、ナイフであってもよい。アンビル5024は、チャネル5022内の対応するスロット内に移動可能に支持された枢動ピン5025を含む。一構成では、アンビル5024はまた、アンビル5024を開閉するために機械的閉鎖システム(下記に詳述する)の要素に挿入されるタブ5027をその近位端に含む。
【0057】
引き続き
図7を参照すると、シャフト5008は、枢動連結部5044によって枢動可能に連結される近位側閉鎖管5040及び遠位側閉鎖管5042を含んでもよい。遠位側閉鎖管5042は開口部5045を有しており、下記に詳述するように、開口部5045内にアンビル5024のタブ5027が挿入されることで、アンビル5024が開閉される。閉鎖管5040、5042の内部に近位側スパイン管5046が配置され得る。近位側スパイン管5046の内側に、ベベルギヤアセンブリ5052a~cを介して二次(又は遠位)駆動シャフト5050と連通する主回転(又は近位)駆動シャフト5048が配置されてもよい。二次駆動シャフト5050は、螺旋状ねじシャフト5036の近位側駆動ギヤ5056と係合する駆動ギヤ5054に接続されている。垂直なベベルギヤ5052bは、近位側スパイン管5046の遠位端の開口部5057内に位置し、開口部5057内で旋回し得る。遠位側スパイン管5058は、二次駆動シャフト5050及び駆動ギヤ5054、5056を収容するために用いられてもよい。主駆動シャフト5048、二次駆動シャフト5050及び関節アセンブリ(例えば、ベベルギヤアセンブリ5052a~c)は、本明細書ではまとめて「主駆動シャフトアセンブリ」と呼ぶ場合がある。
【0058】
ステープルチャネル5022の遠位端に位置付けられた軸受5038が螺旋状ねじシャフト5036を受容することにより、螺旋状ねじシャフト5036はチャネル5022に対して自由に回転することが可能である。螺旋状ねじシャフト5036がナイフ5032のねじ付き開口部(図示されない)と干渉することにより、螺旋状ねじシャフト5036の回転によってナイフ5032がステープルチャネル5022内で遠位方向又は近位方向に(回転方向に応じて)並進運動する。
【0059】
次に
図8を参照すると、ハンドル5006は、互いに嵌合してハンドル5006の外面を概ね形成する外部下側側面部品5059、5060及び外部上側側面部品5061、5062を有する。リチウムイオン電池などの電池5064をハンドル5006のピストルグリップ5026に設けることができる。電池5064は、ハンドル5006のピストルグリップ部分5026の上側部分に配置されたモータ5065に電力を供給する。モータ5065は、第1のベベルギヤ5068と第2のベベルギヤ5070とを含む90°ベベルギヤアセンブリ5066を駆動することができる。ベベルギヤアセンブリ5066は、遊星ギヤアセンブリ5072を駆動することができる。遊星ギヤアセンブリ5072は、駆動シャフト5076に連結されたピニオンギヤ5074を含んでもよい。ピニオンギヤ5074は、駆動シャフトを介して螺旋状ギヤドラム5080を駆動する、嵌合するリングギヤ5078を駆動することができる。リング5084を螺旋状ギヤドラム5080上に螺着してもよい。このため、モータ5065が回転すると、リング5084が、介在するベベルギヤアセンブリ5066、遊星ギヤアセンブリ5072及びリングギヤ5078により、螺旋状ギヤドラム5080に沿って移動する。
【0060】
ハンドル5006は、発射トリガ5020の上方部分に隣接する中央ハンドル部品5104を含んでもよい。ハンドル5006はまた、中央ハンドル部品5104及び発射トリガ5020の支柱間に連結された付勢ばね5112を含んでもよい。付勢ばね5112は、発射トリガ5020をその完全な開放位置に付勢することができる。これにより、操作者が発射トリガ5020を解放すると、付勢ばね5112が発射トリガ5020をその開放位置へと引っ張る。螺旋状ギヤドラム5080の遠位端は、ピニオンギヤ5124と嵌合するリングギヤ5122を駆動する遠位駆動シャフト5120を含む。ピニオンギヤ5124は主駆動シャフトアセンブリの主駆動シャフト5048に連結されている。これにより、モータ5065の回転が主駆動シャフトアセンブリを回転させることでエンドエフェクタ5012が作動する。螺旋状ギヤドラム5080に螺着されたリング5084は、スロット付きアーム5090のスロット5088内に位置する支柱5086を有してもよい。スロット付きアーム5090は、ハンドルの外部側面部品5059、5060の間に連結されている枢動ピン5096を受容する開口部5092をその反対側の端部5094に有する。枢動ピン5096はまた、発射トリガ5020の開口部5100及び中央ハンドル部品5104の開口部5102を通して配置されている。
【0061】
中央ハンドル部品5104は、スロット付きアーム5090と係合する後方肩部5106を含む。中央ハンドル部品5104は、発射トリガ5020と係合する前方運動停止部5107を更に含む。スロット付きアーム5090の動きは、上で説明したようにモータ5065の回転によって制御される。リング5084が螺旋状ギヤドラム5080の近位端から遠位端まで移動する際にスロット付きアーム5090が反時計方向に回転すると、中央ハンドル部品5104は、自由に反時計方向に回転することができる。これにより、ユーザが発射トリガ5020を引くと、発射トリガ5020は中央ハンドル部品5104の前方運動停止部5107と係合して、中央ハンドル部品5104を反時計方向に回転させる。しかしながら、後方肩部5106がスロット付きアーム5090と係合するために、中央ハンドル部品5104は、スロット付きアーム5090によって許容される範囲内でのみ、反時計方向に回転できる。これにより、何らかの理由によってモータ5065の回転が停止した場合、スロット付きアーム5090は回転を停止し、中央ハンドル部品5104がスロット付きアーム5090のために反時計方向に自由に回転できなくなるため、ユーザは発射トリガ5020を更に引くことができなくなる。
【0062】
閉鎖トリガ5018を後退させることによってエンドエフェクタ5012のアンビル5024を閉鎖する(又はクランピングする)ための例示的な閉鎖システムの構成要素も、
図8に示される。図示の実施形態では、閉鎖システムは、閉鎖トリガ5018に接続されたヨーク5250を含む。枢動ピン5252が、閉鎖トリガ5018及びヨーク5250の双方の位置合わせされた開口部を通して、双方が同じ点を中心として回転するように挿入されている。ヨーク5250の遠位端は、ピン5254を介して第1の閉鎖ブラケット5256に連結されている。第1の閉鎖ブラケット5256は、第2の閉鎖ブラケット5258に連結されている。閉鎖ブラケット5256、5258は、閉鎖ブラケット5256、5258の長手方向の運動が近位側閉鎖管5040(
図7を参照)による長手方向の運動を生じるように、近位側閉鎖管5040の近位端部が内部に装着及び保持される開口部を共に画定する。器具5010は、近位側閉鎖管5040の内部に配置された閉鎖駆動シャフト5260を更に含む。閉鎖駆動シャフト5260は、図示された実施形態の外部下側側面部品5059のようなハンドル外部部品の1つの支柱5263が内部に配置されることにより、閉鎖駆動シャフト5260をハンドル5006に固定的に連結する窓5261を含んでもよい。これにより、近位側閉鎖管5040は閉鎖駆動シャフト5260に対して長手方向に動くことが可能になる。閉鎖駆動シャフト5260は、近位側スパイン管5046内のキャビティに嵌合してキャップによりキャビティ内に保持される遠位側カラー5267を更に含んでもよい。
【0063】
動作時には、閉鎖トリガ5018を引くことによってヨーク5250を回転させると、閉鎖ブラケット5256、5258が近位側閉鎖管5040を遠位方向(すなわち、器具5010のハンドル側の端部から離れる方向)に動かし、これにより遠位側閉鎖管5042が遠位方向に動くと、アンビル5024が枢動ピン5025を中心としてクランプ位置、すなわち閉鎖位置へと回転する。閉鎖トリガ5018がロック位置から解除されると、近位側閉鎖管5040が近位方向に摺動し、これにより遠位側閉鎖管5042が近位方向に摺動し、遠位側閉鎖管5042の窓5045にタブ5027が挿入されていることによって、アンビル5024が枢動ピン5025を中心として開放位置、すなわちクランプ解除位置へと枢動する。このようにして、操作者は閉鎖トリガ5018を引いてロックすることによってアンビル5024とチャネル5022との間で組織をクランプし、切開/ステープル留め動作後にはロック位置から閉鎖トリガ5018を解除することによって組織のクランプを緩めることができる。外科用器具5010の構成及び動作に関する更なる詳細は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」、米国特許出願第7,845,537号に見出すことができる。多様な形態のロボットシステムと共に使用するように構成された他の回転駆動装置は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第2016/0287251号、発明の名称「STAPLING END EFFECTOR CONFIGURED TO COMPENSATE FOR AN UNEVEN GAP BETWEEN A FIRST JAW AND A SECOND JAW」に開示されている。
【0064】
外科用ステープル留めシステムは、シャフトと、シャフトから延在するエンドエフェクタと、を含むことができる。エンドエフェクタは第1の顎部及び第2の顎部を含む。第1の顎部は、ステープルカートリッジを含む。ステープルカートリッジは、第1の顎部へと挿入可能であり、かつ第1の顎部から取り外し可能であるが、ステープルカートリッジが第1の顎部から取り外し可能でない、又は第1の顎部から少なくとも容易に交換可能ではない、その他の実施形態が想到される。第2の顎部は、ステープルカートリッジから排出されたステープルを変形させるように構成されたアンビルを含む。第2の顎部は、閉鎖軸の周囲にて、第1の顎部に対して枢動可能であるが、第1の顎部が第2の顎部に対して枢動可能である、その他の実施形態が想定される。外科用ステープル留めシステムは、エンドエフェクタをシャフトに対して回転させる、すなわち関節運動させることができるように構成された関節運動接合部を更に含む。エンドエフェクタは、関節運動接合部を通って延在する関節運動軸を中心にして回転可能である。関節運動接合部を含まない他の実施形態も想到される。
【0065】
ステープルカートリッジは、カートリッジ本体を含む。カートリッジ本体は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在するデッキ部と、を含む。使用中、ステープルカートリッジは、ステープル留めされる組織の第1の側に位置付けられ、アンビルは、組織の第2の側に位置付けられる。アンビルは、ステープルカートリッジに向かって移動させられて、デッキ部に対して組織を圧縮及びクランプする。続いて、カートリッジ本体内に取り外し可能に格納されたステープルを、組織内に配備することができる。カートリッジ本体は、内部に画定されたステープルキャビティを含み、ステープルは、ステープルキャビティ内に取り外し可能に格納される。ステープルキャビティは、6つの長手方向列に配置されている。3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第1の側に位置付けられ、3列のステープルキャビティが長手方向スロットの第2の側に位置付けられている。ステープルキャビティ及びステープルの他の配置も可能であり得る。
【0066】
ステープルは、カートリッジ本体内のステープル駆動部によって支持されている。駆動部は、第1の、すなわち未発射位置と、ステープルキャビティからステープルを排出する、第2の、すなわち発射済み位置と、の間で移動可能である。駆動部は、カートリッジ本体の底部周辺に延在する保持具によってカートリッジ本体内に保持され、また、カートリッジ本体を把持し、保持具をカートリッジ本体に対して保持するように構成された、弾性部材を含む。駆動部は、スレッドによってそれらの未発射位置とそれらの発射済み位置との間で移動可能である。スレッドは、近位端に隣接した近位位置と、遠位端に隣接した遠位位置と、の間で移動可能である。スレッドは、駆動部の下を摺動し、駆動部を持ち上げるように構成された複数の傾斜面を含み、ステープルがその上に支持され、アンビルに向かう。
【0067】
上記に加えて、スレッドは発射部材によって遠位に移動される。発射部材は、スレッドに接触し、スレッドを遠位端部に向かって押し出すように構成されている。カートリッジ本体内に画定された長手方向スロットは、発射部材を受け入れるように構成されている。アンビルは、発射部材を受け入れるように構成されたスロットも含む。発射部材は、第1の顎部に係合する第1のカムと、第2の顎部に係合する第2のカムと、を更に含む。発射部材を遠位に前進させる際、第1のカム及び第2のカムは、ステープルカートリッジのデッキ部とアンビルとの間の距離、すなわち組織隙間を制御することができる。発射部材はまた、ステープルカートリッジとアンビルとの中間に捕捉された組織を切除するように構成されたナイフも含む。ステープルがナイフよりも前方に排出されるように、ナイフが傾斜面に対して少なくとも部分的に近位側に位置付けられることが望ましい。
【0068】
顎部アセンブリ10000が、
図9に例示されている。顎部アセンブリ10000は、アンビル10100の反対側に位置付けられた、ステープルカートリッジ10100から排出されたステープルを変形させるよう構成されたアンビル10100を含む。アンビル10100は、開放された又はクランプされていない位置と、閉鎖した又は完全にクランプされた位置との間で、ステープルカートリッジに対して回転可能である。代替的実施形態では、ステープルカートリッジは、アンビル10100に対して移動可能である。様々な他の実施形態において、ステープルカートリッジ及びアンビル10100のうちの少なくとも1つは、他方に対して適所に摺動可能である。いずれにせよ、アンビル10100は、近位端10110、遠位端10120、及び近位端10110から遠位端10120に向かって延在する長手方向スロット10150を含む。長手方向スロット10150は、ステープル発射部材がステープル発射ストローク中に遠位側に前進するとき、ステープル発射部材を受容するように構成される。少なくとも1つの例において、ステープル発射部材は、ステープルカートリッジに対してアンビル10100を係合し、位置付けられるように構成されたカム部材と、ステープルカートリッジとアンビル10100との間に位置付けられた患者の組織を切断するように構成されたナイフと、を備える。
【0069】
アンビル10100は、近位端10110と遠位端10120との間に延在する組織圧縮面を更に備える。組織圧縮面は、長手方向スロット10150の第1の側面にある第1の側面10130と、長手方向スロット10150の第2の、又は反対側の横方向側面にある第2の側面10140とを備える。組織圧縮面は平坦である。しかし、特定の実施形態では、アンビル10100が完全にクランプされた位置にあるときに、アンビル10100の遠位端10120が近位端10110よりもステープルカートリッジに近くなるように、組織圧縮面は反り返る、又は輪郭を描き得る。更に、組織圧縮面は、アンビル10100の長さに沿って延在する長手方向の段を含み得る。組織圧縮面は、植え込み式の付属物がアンビル10100上に位置付けられていない、又はアンビル10100に取り付けられていないときに、ステープルカートリッジとアンビル10100との間に位置付けられた組織に直接接触するように構成されている。植え込み式の付属物がアンビル10100上に位置付けられる、又はアンビル10100に取り付けられるとき、組織圧縮面は組織と直接接触しなくてもよいが、アンビル10100が閉鎖される際に組織を依然として圧縮する。
【0070】
アンビル10100は、組織圧縮面内に画定されたステープル成形ポケット10160の配列を更に備える。各ステープル成形ポケット10160は、ステープルを変形させるように構成される。少なくとも1つの例において、各ステープル成形ポケット10160は、実質的にU字形又はV字形のステープルの第1の脚部を受容し、変形させるように構成された第1の成形カップと、実質的にU字形又はV字形のステープルの第2の脚部を受容し、変形させるように構成された第2の成形カップと、を備える。ただし、任意の好適なステープルが用いられ得る。2014年6月30日に出願された米国特許出願公開第2015/0297232号、発明の名称「FASTENER CARTRIDGE COMPRISING NON-UNIFORM FASTENERS」の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。第1の成形カップは、第2の成形カップに対して近位に位置付けられる。しかしながら、形成カップは、任意の好適な方法で配置することができる。ステープル成形ポケット10160は、第1の側面10130の3つの長手方向列、及び第2の側面10140の3つの長手方向列に配置される。ただし、ステープル成形ポケット10160は、いかなる好適な材料で構成されてもよい。2014年9月26日に出願された米国特許出願公開第2016/0089142号、発明の名称「METHOD FOR CREATING A FLEXIBLE STAPLE LINE」の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
上記に加えて、U字形ステープルは、一般に、第1の端部及び第2の端部を含む基部と、基部の第1の端部から上方に延在する第1の脚部と、基部の第2の端部から上方に延在する第2の脚部とを含み、第1及び第2の脚部が互いに平行又は実質的に平行である、すなわち、非拡大での観察下で平行であるように見える。V字形ステープルは、一般に、第1の端部及び第2の端部を含む基部と、基部の第1の端部から上方に延在する第1の脚部と、基部の第2の端部から上向きに延在する第2の脚部とを含み、第1及び第2の脚部が互いに離れるように延在する。様々な例において、V字形ステープルの脚部は、V字形ステープルの脚部が内側に弾性的に撓むように、ステープルカートリッジに画定されたステープルキャビティの側壁と接触している。このような構成は、ステープルが発射されるまで、V字形ステープルとカートリッジ本体との間に保持力を生み出す。いずれにしても、成形ポケット10160のそれぞれは、
図13Aに示されるように、U字形ステープル又はV字形ステープルの脚部を実質的にB字形の構成に変形させるように構成される。
【0072】
上記に加えて、形成されたB字形の構成は平面であってもよく、基部及び変形された脚部は、同じ平面、又は実質的に平坦であり、変形された脚部は、基部の平面からわずかにねじれている。平面のB字形の構成に形成されたステープルは、内部に捕捉された組織を圧縮及び/又は緊密にクリンチすることができる。そのようなステープルを通る血液の流れは制限され、その結果、長手方向ステープル線の間に作られた長手方向の組織切開部を通る出血は、妨げられなければ、制限される。実質的に平面のB字形の構成に形成されたステープルはまた、内部に捕捉された組織を圧縮及び/又は緊密にクリンチすることができる。平面外に変形されたステープルの構成は、第3の寸法で組織を圧縮し、保持し、これにより、変形したステープルが、平面構成に変形されたステープルと比較して、より軽いクリンチング圧力で、その場の血液の流れを制限することを可能にし得る。2017年6月26日に出願された米国特許出願第2018/0008260号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。上記のように述べたが、他の平面外のねじれを許容することが可能でありながらも、何らかの平面外のねじれが有利であることがある。しかし、以下に加えるように、平面外のねじれを制限及び/又は防止することが望ましい例が生じ得る。
【0073】
上記に加えて、成形ポケット10160の成形カップは、ステープルの脚部を互いに向かって内側に湾曲させて、変形したB字形の構成を作るように構成されている。
図13Aに示すように、ステープル10360は、基部10361と、基部10361から延在する第1の脚部10362と、基部10361から延在する第2の脚部10363とを含む。第1の脚部10362は、成形ポケット10160の第1の成形カップ10162に接触し、第2の脚部10363に向かって内側にカールされる。同様に、第2の脚部10363は、成形ポケット10160の第2の成形カップ10163に接触し、第1の脚部10362に向かって内側にカールされる。ただし、成形ポケット、及び/又は任意の他の成形表面は、任意の好適な方法で、また任意の好適な方向にステープル脚部を曲げるように構成され得る。
【0074】
様々な例において、
図13B及び13Cを参照すると、ステープルの脚部の一方又は両方は、成形ポケット10160の成形カップを逃すことが可能である。多くのそのような例において、ステープル脚部は、組織圧縮面に接触し、誤った方向に曲がる(
図13B)及び/又はバックルで締まる(
図13C)。そのような不恰好なステープルは、多くの場合、患者の組織を封止及び固定する意図された機能を実行することができるが、必ずしもそうではない。更に、1つの不恰好なステープルは問題がない場合がある。しかしながら、互いに近接して配置されたいくつかの不恰好なステープルは、臨床医が組織を封止及び固定するために外科的処置の最中に追加の工程を要することがある。例えば、臨床医は、組織のそのような領域を縫合する必要がある場合があるが、そのような工程は、追加の時間を要し、臨床医は、典型的には、外科的処置を短縮するために、それらを長くするよう努める必要はない。
【0075】
上記を考慮して、ステープルと成形ポケット10160との間の整列を維持することにより、ステープルを所望の様式で変形させることができる。1つ以上の回転可能な顎部を備えるステープラーが使用されるとき、アンビル顎部及び/又はステープルカートリッジ顎部は、ステープルカートリッジ内のステープルがアンビルの成形ポケット10160と整列するように、平行な整列に回転される。しかしながら、顎部の一方又は両方が完全に閉鎖されていない場合、ステープル及び成形ポケット10160は、少なくとも部分的に位置合わせで外れ得る。この点を念頭に置いて、ステープル留め器具は、顎部が十分に閉鎖されているかどうか、及び/又はステープル発射ストロークを実行するために互いに対して好適な位置合わせであるかどうかを検出するように構成されたセンサシステムを備えることができる。センサシステムは、顎部が閉鎖されている、又は少なくとも好適に閉鎖されていると検出されると、モータ駆動のステープル発射駆動部が動作することを可能にするように構成されている、ステープル留め器具の制御システムと信号で通信する。少なくとも1つの例において、センサシステムは、例えば、磁場を放出し、アンビルが閉鎖されたときの磁場の変化を検出する、ステープルカートリッジ顎部に取り付けられたホール効果センサを含む。
【0076】
ステープル留め器具の顎部が適切に閉鎖されると、上記に加えて、ステープル発射駆動部は、ステープル発射ストロークを通ってステープル発射駆動部の発射部材及びステープル押しスレッドを前進させ、患者の組織をステープル留めするように動作され得る。様々な例において、ステープル留め器具は、発射トリガ又はアクチュエータを含むハンドルと、制御システムと信号で通信する発射トリガセンサと、を備え、このハンドルは、閉鎖されると、制御システムに信号を送って、ステープル発射駆動部の電気モータを第1の方向に動作させる。ステープル発射ストロークが完了すると、制御システムは、もはや電気モータに電力を供給せず、その結果、発射部材は停止する。臨床医が発射トリガを解放すると、制御システムは、電気モータに反対の極性つまり逆の極性を適用して、電気モータを反対方向に動作させ、発射部材を後退させる。様々な実施形態において、ハンドルは、作動されると、発射部材を後退させるために電気モータを逆転させる制御システムと通信する異なるアクチュエータを備える。
【0077】
ステープル発射ストローク中、上記に加えて、発射部材及びスレッドは、エンドエフェクタの近位端からエンドエフェクタの遠位端に向かって移動する。発射部材及びスレッドがエンドエフェクタの遠位端に到達すると、ステープル発射ストロークが完了する。しかしながら、ステープル発射ストロークは、任意の好適な時点で停止され、次いで後退させることができる。ステープル発射ストローク中に、発射部材の組織切断縁部が組織に接触し、組織に力を加え、次いで発射部材が遠位方向に前進する際に組織を切開する。代替的実施形態では、スレッドは、組織切断縁部を備える。いずれの場合も、組織切断縁部は、組織がアンビルとステープルカートリッジ顎部との間にクランプされても、発射部材が遠位方向に移動すると、少なくともわずかに遠位に組織を押すことができる。別の言い方をすれば、組織は、ステープル発射ストロークの最中に遠位に流れ得る。そのような例において、遠位組織の流れは、ステープルがステープルカートリッジから排出され、及び/又はアンビルに対して形成されるときに、ステープルを遠位に付勢、回転、及び/又はシフトしてもよい。多くの例において、ステープルの脚部は、それにもかかわらず、成形ポケット10160の成形カップによって捕捉され、好適な構成に変形される。しかしながら、場合によっては、遠位組織の流れは、ステープル脚部がアンビル内の対応する成形カップを逃すことが可能である。
【0078】
上記に加えて、遠位組織の流れは、組織切断縁部が鋭利で清潔であるときと比較して、発射部材の組織切断縁部が鈍くなる又はくすんだときに発生する可能性が高い。ステープル留め器具が2つ以上のステープル発射ストロークを実行するために使用されるとき、組織切断縁部は、ステープル留め器具の寿命にわたって鈍くなることがある。多くの場合、ステープル留め器具は、例えば、少なくとも12回使用される。しかしながら、場合によっては、組織切断縁部は、単一のステープル発射ストローク中に鈍くなり得る。更に、遠位組織の流れは、例えば、組織切断縁部が以前に植え込まれたステープルを通過するときなど、組織切断縁部が損傷したときに発生する可能性が高い。遠位組織の流れはまた、切断されている組織が厚い及び/又は高密度であるとき、及び/又はステープル発射部材が迅速に移動しているときに、発生する可能性が高い。遠位組織の流れの原因が何であっても、外科用ステープル留め器具は、ステープルが不恰好になっている、及び/又はアンダーフォームになっているかどうかを判定し、ステープルの変形を所望の形状に改善するために外科用ステープル留め器具の動作を適合させるシステムを含み得る。
【0079】
再び
図9を参照すると、顎部アセンブリ10000は、アンビル10100に取り付けられたステープル形成感知システム10200を更に備える。ステープル形成感知システム10200は、アンビル10100の第1の側面10130に取り付けられた第1の部分10230と、アンビル10100の第2の側面10140に取り付けられた第2の部分10240とを備える。ステープル形成システム10200の第1の部分10230は、可撓性絶縁基板と、基板を通って延在する導体10270とを含むフレックス回路を含む。ステープル形成システム10200の第2の部分10240はまた、可撓性絶縁基板と、基板を通って延在する導体10270とを含むフレックス回路を含む。ステープル形成感知システム10200の可撓性絶縁基材は、例えば1つ以上の接着剤によってアンビル10100に取り付けられるが、任意の好適な方法でアンビル10100に取り付けられ得る。あるいは、導体10270は、基材に埋め込まれることなく、アンビル10100に直接取り付けられてもよい。少なくとも1つのそのような例において、各導体10270は、例えば、絶縁ジャケットによって取り囲まれた導電性コアを含み、絶縁ジャケットは、例えば、1つ以上の接着剤によってアンビル10100に取り付けられる。いずれにせよ、ステープル形成感知システム10200は、アンビル10100に画定された長手方向スロット10150と整列された、内部に画定される長手方向開口部10250を備え、ステープル発射部材及び/又は組織切断縁部が、ステープル形成感知システム10200に対して横切することなく移動することを可能にするように構成されている。
【0080】
図10を参照すると、ステープル形成感知システム10200は、ステープル成形ポケット10160と整列され、ステープル成形ポケット10160内に位置付けられる、接触部又は電気トレース10260を含む。ステープル成形ポケット10160の各成形カップは、遠位端壁10165、近位端壁10166、側壁10167、及び遠位端壁10165と近位端壁10166と側壁10167との間に延在する底壁10164を備える。端壁10165及び10166は、ステープル脚部を成形カップの中及び外に導き、底壁10164は、ステープル脚部の先端をステープルカートリッジに向かって戻すように回す。側壁10167は、ステープル脚部を長手方向平面に保持し、ステープル脚部を底壁10164と接触させたままに協働する。電気トレース10260は、成形カップによって変形されるステープル脚部が電気トレース10260と接触するように、底壁10164に取り付けられる。各電気トレース10260は、形成カップの底壁10164に取り付けられた基部10264と、基部10264によって支持された電気接点10266とを備える。基部10264は、例えばプラスチックなどの電気絶縁性材料で構成され、電気接点10266は、例えば銅及び/又はステンレス鋼などの導電性材料で構成される。基部10264は、電気接点10266を、ステンレス鋼及び/又は任意の他の好適な金属から作製されるアンビル10100から電気的に分離する。
【0081】
上記のように述べたが、形成カップは、任意の好適な構成を備えることができ、任意の好適な構成で1つ以上の電気トレースを含むことができる。2015年12月29日発行の米国特許第9,220,502号、発明の名称「STAPLE FORMATION RECOGNITION FOR A SURGICAL DEVICE」の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
上記に加えて、各電気トレース10260の電気接点10266は、ステープルの脚部が露出しており、脚部が形成カップ内で変形されているときに、電気接点10266との導電性境界面を形成することができる。金属ステープルの両脚がそれぞれの電気接点10266と電気的に連通しているとき、ステープルは、ステープル形成感知システム10200の電気回路を完成又は閉鎖する。様々な例において、金属製ステープルは、例えば、ステンレス鋼及び/又はチタンで構成される。ステープル形成システム10200は、複数の別個の独立した電気的センサ回路-外科用ステープル留めシステムの制御システム又は制御回路と通信する各ステープル成形ポケット10160のためのもの-を備える。
図9を参照すると、ステープル形成感知システムは、ハウジング及び複数の電気接点を含む電気コネクタ10280を備える。電気コネクタ10280は、電気トレース10260を制御システムのコントローラと信号で通信するように配置するために、外科用器具システムの対応する電気コネクタに嵌合されるように構成される。コントローラは、例えば独立した電気センサ回路を評価する、すなわち、独立した電気センサ回路がステープルによって閉鎖されているかどうかを評価するように構成されたマイクロプロセッサを備える。コントローラのマイクロプロセッサに加えて、又はその代わりに、電気コネクタ10280は、コントローラと通信するように構成されたマイクロプロセッサを備えることができる。
【0083】
ステープル発射ストローク中、上記に加えて、ステープルカートリッジのステープルは、発射部材によって徐々に排出される。別の言い方をすれば、発射部材は、ステープル発射ストロークの開始時にステープルカートリッジの近位ステープルを、またステープル発射ストロークの終わりに遠位ステープルを排出する。外科用ステープル留め器具の制御システムは、ステープル発射ストローク中に独立した電気センサ回路を評価するように構成されている。ステープルカートリッジのステープルの全てがステープル発射ストローク中にステープル成形ポケット10160と適切に接触する場合、ステープルは、独立した電気的センサ回路の全てを漸次閉鎖する。そのような例において、制御システムは、ステープルが不恰好でない、又は少なくとも不恰好であると検出されていないので、不恰好なステープルに起因してステープル発射ストロークの速度を修正しはしない。ただし、そのような例において、制御システムは、例えば、発射駆動電気モータに対する電流の大きさが閾値を超えたとき、及び/又は発射部材がステープル発射ストロークの終わりに到達したときなどの他の理由のために、ステープル発射ストロークの速度を変更することができる。様々な例において、外科用器具システムは、発射駆動電気モータ回路及び/又は例えばステープル発射ストロークの終わりに対する発射部材の位置を検出するように構成されたエンコーダなどの1つ又は2つ以上のセンサを検出するように構成された電流センサ回路を備える。
【0084】
上記に加えて、制御システムは、発射駆動電気モータの速度を制御するように構成されたパルス幅変調(PWM)制御回路を備える。PWM制御回路は、発射駆動電気モータに電圧パルスを適用して、ステープル発射ストロークを実行する。様々な例において、PWM制御回路は、発射駆動電気モータの速度、及びそれに応じて、ステープル発射ストロークの速度を増加させるために、発射駆動電気モータに適用される電圧パルスの持続時間を増加させる。PWM制御回路は、発射駆動電気モータの速度、及びそれに応じて、ステープル発射ストロークの速度を低下させるために、発射駆動電気モータに適用される電圧パルスの持続時間を減少させる。PWM制御回路は、電圧パルスを発射駆動電気モータに一定の間隔で適用する。しかしながら、制御システムは、電圧パルス間隔の周波数を変化させるための周波数変調(FM)制御回路を含むことができる。様々な例において、FM制御回路は、電圧パルス間の間隔を減少させて、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークの速度を増加させる。それに応じて、FM制御回路は、電圧パルス間の間隔を増加させて、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークの速度を低下させる。上記に加えて、又は上記の代わりに、制御システムは、発射駆動電気モータに適用される電圧の大きさを増加させて、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークの速度を増加させ、及び/又は発射駆動電気モータに適用される電圧の大きさを減少させて、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークの速度を低下させることができる。
【0085】
上述したように、ステープル形成感知システム10200と関連したステープル留め器具の制御システムは、ステープルがステープル成形ポケット10160のそれぞれにおいて適切に形成されているかどうかを感知するように構成されている。より具体的には、同様に上述したように、制御システムは、ステープルがそのステープル成形ポケット10160のセンサ回路を閉鎖するときに、ステープルがステープル成形ポケット10160において適切に形成されていると判定する。それに対応して、制御システムは、ステープルがそのステープル成形ポケット10160のセンサ回路を閉鎖していないときに、ステープルがステープル成形ポケット10160において適切に形成されていないと判定する。ステープルは、そのステープル脚部の一方又は両方がその対応するステープル成形ポケット10160を逃したときに、センサ回路を閉鎖しなくてもよい。ステープルはまた、ステープルが発射される前にその対応するセンサ回路を閉鎖せず、これは当然のことながら、長手方向に発射されたステープル留め器具内で起こる。これらの2つの事象を区別するために、制御システムは、発射部材によって駆動され、及び/又は現在駆動されているステープルのセンサ回路を評価するように構成される。これらのセンサ回路は、制御システムが発射部材の速度を適合させるために使用され、まだ発射されていないステープルのセンサ回路ではない。したがって、制御システムは、ステープル発射ストロークの速度を減速、速度の上昇、及び/又は維持するかどうかを評価するために形成されているステープルの同時の評価を行う。例えば、制御システムがステープルが適切に変形していないと評価した場合、制御システムは、より良好なステープルの形成を生じさせる試みで、発射システム電気モータを減速させる。制御システムがその後、後続的なステープルが適切に変形されていることを評価する場合、制御システムは、ステープル発射ストロークをその通常の速度に戻すことができる。あるいは、制御システムは、後続のステープルが適切に変形されていても、その低速でステープル発射ストロークを維持することができる。しかしながら、いずれの場合でも、後続のステープルが適切に変形していない場合、制御システムは、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークを更に遅くする。以下により詳細に記載されるように、制御システムは、ステープルが不恰好である場合、ステープル発射ストロークを一時停止させることができる。
【0086】
上述のように、単一のステープルの不恰好化は、制御システムをトリガして、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークを減速させる。発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークを減速させるために、他の基準を使用することができる。少なくとも1つの例において、2つのステープルの不恰好化は、制御システムをトリガして、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークを減速させる。特定の例において、2つの連続するステープルの不恰好化は、制御システムをトリガして、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークを減速させる。様々な例において、同じ長手方向ステープル列の2つのステープルの不恰好化は、制御システムをトリガして、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークを減速させる。少なくとも1つの例において、同じ長手方向列における2つの連続するステープルの不恰好化は、制御システムをトリガして、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークを減速させる。少なくとも1つの例において、同じ長手方向列における2つの連続するステープル脚部の不恰好化は、制御システムをトリガして、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークを減速させる。様々な例において、最も内側の長手方向ステープル列、すなわち、ステープル留め器具によって作製された長手方向切開部に隣接するステープル列の単一の成形ステープルは、制御システムをトリガして、最も外側の長手方向ステープル列の単一の不恰好なステープルは、制御システムをトリガしないが、発射駆動電気モータを減速させる。そのような例では、制御アルゴリズムのために設定された基準に応じて、制御システムをトリガして発射駆動電気モータを減速させるために、最も外側のステープル列の2つ又は3つ以上の不恰好なステープルを取得する。連続した又は連続していない、同じ、異なる、及び/又は隣接する長手方向ステープル列での、不恰好なステープルの他の順列は、制御システムをトリガして、ステープル留め器具の発射駆動を減速させることができる。少なくとも1つの例において、トリガ事象は、ステープルパターン内の3つの横方向に整列されたステープルが不恰好なときに発生する。そのような例において、不恰好なステープルは、血液が組織の切開部を通って流れることができる3つの隣接するステープル列に存在する。
【0087】
上記に加えて、完全に不恰好なステープルは、部分的に不恰好なステープルとは異なって処理される。上述のように、完全に不恰好なステープルは、対応する成形カップを逃す両方の脚部を有するステープルであり、一方、部分的に不恰好なステープルは、対応する成形カップと接触する1つの脚部と、対応する成形カップを逃す1つの脚部とを有するステープルである。様々な例において、部分的に不恰好なステープルは、制御システムをトリガして発射駆動電気モータを減速させず、一方、完全に不恰好なステープルは、制御システムをトリガして、発射駆動電気モータを減速させる。他の例では、単一の部分的に不恰好なステープルは制御システムをトリガせず、一方、2つの連続した部分的に不恰好なステープルは、制御システムをトリガして、発射駆動電気モータを減速させる。少なくとも1つの例において、制御システムは、完全に不恰好なステープル及び部分的に不恰好なステープルの動作カウントを維持し、カウントが所定の閾値に達したときに発射駆動電気モータを減速させる。少なくとも1つのそのような例において、トリガカウントは、例えば、完全に不恰好なステープル数が1.0で、部分的に不恰好なステープル数が0.5である場合に、2.0である。そのような場合、制御システムは、1つの完全に不恰好なステープル及び2つの部分的に不恰好なステープルが制御システムによって検出された後にトリガされる。他の順列及びトリガカウントが可能である。
【0088】
上述のように、制御システムは、トリガ事象が制御システムのアルゴリズムによって識別されたときに、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークの速度を低減するように構成される。様々な例において、制御システムは、例えば、制御システムがトリガされるたびに、発射駆動電気モータの速度を半分又はおよそ半分低減するように構成されている。例えば、ステープル発射ストローク中の発射部材の通常速度は、30mm/秒であり得、制御システムがトリガされると、制御システムは発射部材の速度を15mm/秒にカットする。この例では、制御システムの後続のトリガは、発射部材の速度を7.5mm/秒などまで低減する。様々な例において、制御システムは、発射部材が停止される、又は停止されない限り、発射部材の速度が低下しない最小速度又はフロアを有する。様々な他の実施形態において、制御システムは、例えば、トリガされると、75%又は約75%のステープル発射ストロークの速度を低減する。その後、この実施形態では、発射ストロークが休止又は停止するまで、発射ストローク速度は更に低減されない。
【0089】
図10及び
図11を再び参照すると、上述したように、ステープル10360がステープル発射ストローク中にそれらのステープルカートリッジから排出されるとき、ステープル10360の脚部は、成形ポケット10160の成形カップに位置付けられたトレース10260と接触する。また上述したように、トレース10260は、外科用ステープル留めシステムの制御システムと通信するセンサ回路の一部であり、これは、ステープル脚部が成形カップ内に入ったかどうかを評価するように構成され、この情報により、外科用ステープル留めシステムの1つ又は2つ以上の動作パラメータを修正するか否かを決定するためのアルゴリズムに従う。ただし、適切に変形したステープル10360は、ステープル発射ストローク全体にわたってトレース10260と接触したままであり、したがって、制御システムは、ステープル10360が変形された後のステープル10360の形状を評価するために、ステープル10360とトレース10260との間の接触の質を評価するように更に構成され得る。ステープル10360が平面形状、又は少なくとも実質的に平坦な形状に変形されたとき、ステープル10360上の大きな表面領域は、トレース10260と接触することになる。ステープル10360が平面外に変形されたとき、すなわち、上述のように第3の寸法で変形されたとき、ステープル10360上の比較的小さい表面領域は、トレース10260と接触することになる。より大きな接触領域により、ステープル10360が3D形状に変形されたときと比較して、ステープル10360が実質的に平坦な形状に変形されたときに、センサ回路を経る抵抗は低くなる。このような3Dステープル形状が望ましい又は許容可能である場合、制御システムは、異なるトリガ事象が制御システムに異なる動作モードに入らせない限り、その通常動作モードに留まるようにプログラムすることができる。このような3D成形されたステープル形状が望まれない場合、制御システムは、3D成形されたステープル形状が制御システムによって検出されるときに、第2の動作モードに入るようにプログラムすることができる。第2の動作モードでは、制御システムは、外科用ステープル留めシステムの1つ又は2つ以上の動作パラメータを変更することができる。例えば、制御システムは、より遅いステープル発射ストロークとしてステープル留め発射ストロークの速度を低減することができ、ステープルが平面外の3D形状へ変形するのを低減することができる。
【0090】
上記に加えて、又は上記の代わりに、他のステープル形成感知システムを使用して、ステープル発射ストローク中のステープルの不恰好化を検出することができる。少なくとも1つの例において、ステープル形成感知システムは、フレックス回路と、フレックス回路に取り付けられたホール効果センサのアレイと、を備える。各ホール効果センサは、外科用ステープル留めシステムの制御システムと通信するセンサ回路の一部である。フレックス回路は、ステープルカートリッジの組織に面する表面、及び/又はアンビルの組織に面する表面に取り付けられる。様々な例において、各ホール効果センサは、カートリッジステープルポケットとその対応するアンビル成形ポケットとの間で磁場を放出する。ステープル発射ストローク中、ホール効果センサによって生成された磁場は、ステープルカートリッジから排出されるステープルによって乱される。各ホール効果センサは、例えば、変形したステープルの位置及び/又は形状によって検出可能に乱されたときに発生する磁場を評価するように構成される。ステープルがステープル成形ポケットによって適切に形成されると、対応するホール効果センサは、適切に形成されたステープルと一致する第1の磁場外乱を検出し、そのような場合には、第1の電圧出力を生成する。しかしながら、ステープルが不恰好である場合、対応するホール効果センサは、第1の磁場外乱とは異なる第2の磁場外乱を検出し、そのような場合には、第1の電圧出力とは異なる第2の電圧出力を生成する。制御システムが、ホール効果センサ回路のうちの1つから第2の電圧出力を受信すると、制御システムは、外科用ステープル留めシステムの少なくとも1つの性能特性が制御システムによって修正される第2の動作モードに入ることができる-第2の動作モードに入るための他の制御システムアルゴリズム基準の全てが満たされていると仮定する。特に、2つ以上の形成された変形したステープル位置及び/又は2つ以上の変形したステープル形状が許容可能であり得る。そのような場合、ホール効果センサの電圧出力は、許容可能な出力の範囲と比較される。電圧出力が許容範囲内に収まる場合、制御システムは、その通常動作モード又はデフォルト動作モードで動作し続ける。電圧出力が許容範囲外にある場合、制御システムは、第2の、又は異なる動作モードに入る。
【0091】
様々な例において、ステープル形成感知システムは、組織に植え込まれた、又は組織内に植え込まれているステープルが適切に成形されているかどうかを評価するために、組織インピーダンス分析を利用することができる。組織インピーダンス分析は、患者の組織の電気特性を評価することができ、これは、組織が受ける応力、ひずみ、及び/又は圧力の関数として変化し得る。非圧縮又は非クランプで、組織は第1の組の電気特性を有する。クランプされた組織は、第1の組の電気特性とは異なる第2の組の電気特性を有する。適切にステープル留めされた組織は、第1の組及び第2の組とは異なる第3の組の電気特性を有し、不恰好なステープルによってステープル留めされた組織は、第1の組、第2の組、及び第3の組とは異なる電気特性の組を有する。様々な例において、組織の電気特性は、組織内の水、流体、及び/又は血液の量の関数である。組織がアンビルによって圧縮されると、ある量の水、流体、及び/又は血液が、エンドエフェクタによって加えられた圧力に起因して、圧縮された組織から周囲組織内へと流れる。そのような場合、圧縮された組織は、例えば、組織のインピーダンス及び/又は静電容量を変化させる、内部に含まれるより少ないイオン及び/又は鉄原子を有する。インピーダンス及び/又は静電容量のそのような変化は、制御システムによって検出され、これらの電気特性がそれらのそれぞれの範囲内にあるかを評価するための一組の基準と比較することができる。同様に、特定の量の水、流体、及び/又は血液は、組織が適切にステープル留めされているときに組織から流出する。上記と同様に、インピーダンス及び/又は静電容量のそのような変化は、制御システムによって検出され、基準と比較されて、これらの電気特性がそのときにそれぞれの範囲に入っているかを評価することができる。特に、不恰好なステープルは、適切に形成されたステープルと比較して、組織から同量の水、流体、及び/又は血流を排出しない。したがって、組織の電気的特性は、組織が適切にステープル留めされたときに行われるほど変化しない。これらの違いは、ステープルが適切に形成されていないことを検出すると、異なる動作モードに入るように構成された制御システムによって検出可能である。
【0092】
様々な実施形態において、上記に加えて、ステープル形成感知システムは、各センサ回路が、1組の電極、すなわち、エンドエフェクタが閉鎖構成にあるときに互いに整列される、又は少なくとも実質的に整列された、アンビル上の電極及びステープルカートリッジ上の電極を含む。センサ回路は制御システムと通信し、制御システムがセンサ回路の電極のうちの1つに電圧電位を印加すると、信号電流がセンサ回路の電極の組の間の組織を通過する。制御システムは、例えば、センサ回路を流れる電流を測定するように構成された1つ以上の電流計回路を備え、この情報により、制御システムは、電極間の組織のインピーダンスを計算し、組織が適切にステープル留めされているかどうかを評価することができる。
【0093】
様々な実施形態において、上記に加えて、ステープル形成検出システムは、組織の1つ以上の特性を評価して組織が適切にステープル留めされたかどうかを評価するように構成された1つ以上の分光計回路を備える。少なくとも1つの例では、分光計回路は、電磁波を評価するように構成されており、例えば、組織から発出及び/又は反射される。様々な例において、各分光計回路は、例えば、1つ以上のCCD及び/又はCMOS画像センサを含む。適切にステープル留めされた組織が、例えば、不適切にステープル留めされた組織とは異なる色を有することがあり、そのような違いは、制御システムによって検出されて、第1の動作モード又は第2の動作モードで動作するかどうかを評価することができる。このような色の差は、例えば、組織内の水、流体、及び/又は血液の量及び/又は密度から生じ得る。
【0094】
様々な実施形態において、上記に加えて、ステープル形成検出システムは、磁気インピーダンスセンサを利用して、組織が適切にステープル留めされているかどうかを評価することができる。上述のように、患者の組織の電気的特性は、応力、ひずみ、及び/又は圧力に曝されたときに変化する。組織の磁気インピーダンスは別の検出可能な電気特性であり、磁気インピーダンスセンサは、組織の磁気インピーダンスの変化を検出し、それらの変動を適切にステープル留めされた組織の磁気インピーダンスと比較するように構成されている。制御システムが組織が適切にステープル留めされていないと判定した場合、制御システムは、アンビル顎部の位置を調節し、及び/又はステープル発射システムの速度を調節することなどができる。
【0095】
様々な例において、上述のように、ステープル形成システムは、ステープルカートリッジから排出される全てのステープルの形成を評価するように構成され得る。このような構成は、組織の流れ及びステープルの形成に関する非常に詳細な情報を提供することができる。ただし、いくつかのステープルのみの形成が評価される実施形態が想定される。
図15を参照すると、ゾーンA、ゾーンB、ゾーンC、ゾーンD、ゾーンE、及びゾーンFのそれぞれにおける1つのステープルを評価することは、少なくともいくつかの実施形態において、組織の流れ及びステープルの形成を適切に評価するのに十分である。少なくとも1つの実施形態において、ゾーンA、ゾーンB、ゾーンC、ゾーンD、ゾーンE、及びゾーンFのそれぞれにおける2つのステープルを評価することは、組織の流れ及びステープルの形成を適切に評価するのに十分である。少なくとも1つのこのような実施形態において、例えば、各ゾーンにおける長手方向組織切開部の各側のステープルを評価することができる。
【0096】
様々な例において、制御システムは、ステープル発射ストローク中に発射部材が受ける発射の力を評価して、発射部材によって形成されているステープルが不恰好化しているかどうかを評価するように構成される。ステープルが適切に形成されているステープル発射ストローク中、発射部材は、平均の発射の力を受けるが、発射部材が必ずしも一定の力を経るというわけではない。その代わりに、発射部材は、ステープル発射ストローク中に力のピーク及び力の谷を経る。各々の力のピークは、ステープルの変形、又はより具体的には、ステープルがその完全に形成された構成へ変形したことに対応する。適切に形成されたステープルは、通常、力のピークを生じる。しかしながら、不恰好なステープルは、通常、更により大きな力のピークを生じる。これを念頭に置いて、ステープル留め器具は、更に詳細に後述するように、ステープルの不恰好化と一致する大きな力のピークを、適切に形成されたステープルと一致する通常の力のピークと比較して検出し、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークを減速するように構成され得る。
【0097】
様々な実施形態において、上記に加えて、外科用器具のステープル発射駆動部は、ステープル発射ストローク中に長手方向に並進される発射部材を含む。1つ以上のしみゲージを発射部材に取り付けることができ、例えば、ステープル発射システム及び/又はステープル留めシステムのハウジングの駆動構成要素を通って延在することができる1つ以上のひずみゲージ回路を介して制御システムと通信するように配置することができる。発射部材内で検出されたひずみは、発射部材が経る発射の力に直接関連する。結果として、発射部材は、ステープル発射ストローク中に生成される力のピーク及び力の谷にそれぞれ対応するひずみのピーク及びひずみの谷を経る。上記に加えて、又は上記の代わりに、ステープル発射駆動部の回転部材のうちの1つ又は2つ以上は、1つ又は2つ以上のひずみゲージ回路を介して制御システムと通信する、取り付けられるひずみゲージを含むことができる。発射部材のひずみ及び/又はステープル発射駆動部の任意の他の構成要素が所定の閾値を超えるとき、制御システムは、トリガアルゴリズムの条件が別様には満たされる場合には、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークを減速させる。更に、上記に加えて、又は上記の代わりに、ステープル発射駆動部は、ステープル発射駆動部の中間構成要素の中間に位置付けられた1つ又は2つ以上のロードセルを含むことができる。ロードセルは制御システムと通信し、制御システムのマイクロプロセッサによって検出される電圧電位を生成するように構成されている。少なくとも1つの例において、各ロードセルは、発射駆動システム内の装填力を、装填力に比例する電圧電位に変換するように構成された圧電変換器を備える。電位が所定の閾値を超えるとき、制御システムは、トリガアルゴリズムの条件が別様には満たされる場合には、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークを減速させる。
【0098】
上記に加えて、又は上記の代わりに、ステープル発射ストローク中に発射駆動電気モータによって生成される力は、電気モータによって引き込まれる電流の関数である。発射部材が力のピークを経ると、電気モータ電流はまた、対応する又は比例する方式でピークを引き込む。ステープルが不恰好なとき、発射駆動電気モータによって引き込まれる電流のピークは、ステープルが適切に形成されているときに、発射駆動電気モータによって引き込まれる電流のピークを、検出可能に超える。様々な例において、制御システムは、例えば、発射駆動電気モータによって引き込まれた電流を検出するように構成された電流センサ回路又は電流計回路を備える。電流のピークが所定の閾値を超えるとき、制御システムは、トリガアルゴリズムの条件が別様には満たされる場合には、発射駆動電気モータ及びステープル発射ストロークを減速させる。
【0099】
図12、
図12A及び
図12Bを参照すると、エンドエフェクタ11000はアンビル顎部11100とステープルカートリッジ顎部11300とを備える。アンビル顎部11100は、開放された又はクランプされていない位置と、閉鎖した又はクランプされた位置との間で、ステープルカートリッジ顎部11300に対して回転可能である。他の実施形態において、ステープルカートリッジ顎部11300は、開放した、クランプされていない位置と閉鎖されたクランプされた位置との間でアンビル顎部11100に対して回転可能である。ステープルカートリッジ顎部は、内部に取り外し可能に格納された複数のステープル11360を含み、このステープルは、ステープル発射ストローク中に発射されて、アンビル顎部11100とカートリッジ顎部11300との間に捕捉された組織Tを固定する。
図12は、完全に発射された構成、すなわち、完全なステープル発射ストローク後のエンドエフェクタ11000を示す。
図12Aは、ポケット11160を形成することによってステープル11360の形成を図式的に示す。適切に形成されたステープル11360は、
図12Aの灰色の矩形11360’として描かれている。完全に不恰好なステープル11360は、
図12Aでは白色矩形11360’’として描かれており、一方、部分的に不恰好なステープル11360は、半白色/半灰色の矩形11360’’’として示されており、これはステープル脚部のうちの1つが適切に形成されているが他方はそうではないことを示している。
【0100】
再び
図12Aを参照すると、図示されたステープル発射ストロークの開始は、参照番号11110によって表され、図示したステープル発射ストロークの中間は、参照番号11120によって表され、図示されたステープル発射ストロークの終了は、参照番号11130によって表される。組織横切線が、線11170によって表される。
図12Aに示すように、いくつかのステープル11360が完全に不恰好であり、ステープル発射ストロークの開始11110の間、いくつかのステープル11360が部分的に不恰好であった。
図12Bの発射の力のグラフ11400を参照すると、これらのステープル11360の完全及び部分的な不恰好化は、ステープル発射駆動部を通って伝達される発射の力におけるいくつかの大きなピーク11460を作り出した。実際に、
図12Aのステープル発射ストロークの開始11110に対応する発射の力曲線の開始11410に3つの大きなピーク11460を見ることができる。上記に加えて、これらの大きな力のピーク11460は、ステープル留め器具の制御システム内にトリガ事象Aを生成し、その結果、制御システムは、ステープル発射ストロークの中間部11120の間に発射駆動部の電気モータを減速させる。再び
図12Bを参照すると、速度を減速させた結果として、発射駆動部の平均の発射の力が低下し、力のピーク11460も低下する。ステープル発射ストロークの中間部11120の間のより低い発射の力は、発射の力曲線の中間部11420に示される。ステープル発射駆動部の速度の変化は、
図12Bの速度のグラフ11500に示されている。より具体的には、速度曲線の中間部11520は、速度曲線の開始11510よりも低い。上で概説したように、ステープル発射駆動部のより遅い速度は、ステープル留めされる組織の遠位側の流れを低減し、結果として、ステープル11360の形成が改善される。この遠位組織の流れの減少は、
図12Bのグラフ11700に示されており、ステープル発射ストロークの開始時11110における組織の流れ11710は、2mm/秒の閾値を超え、ステープル発射ストロークの中間部11120中の組織の流れ11720は、2mm/秒の閾値を下回る。ステープル発射駆動部のより遅い速度はまた、
図12Bの電力曲線11600によって示されるように、ステープル発射ストロークを実行するために発射駆動電気モータによって必要とされる電力も低減させる。
【0101】
図12Aに示されるように、いくつかのステープル11360がステープル発射ストロークの中間部11120の最中に不恰好になり、トリガ事象Bの間に再び制御システムをトリガする。上記に加え、もう一度
図12Bの組織の流れのグラフ11700を再び参照すると、これらのステープルの不恰好化は、遠位組織の流れが再び2mm/秒の閾値を超えたために生じた。
図12Bの発射の力のグラフ11400を再度参照すると、これらのステープル11360の完全及び部分的な不恰好化は、ステープル発射駆動部を通って伝達される発射の力における大きなピーク11460を作り出した。これに応答して、制御システムは、ステープル発射ストロークの終わり11130の間に発射駆動部の電気モータを減速させる。再び
図12Bを参照すると、速度を減速させた結果として、発射駆動部の平均の発射の力が低下し、力のピーク11460も低下する。ステープル発射ストロークの終わり11130の間のより低い発射に対する力は、力対発射曲線の終わり11430に描かれている。ステープル発射駆動部の速度の変化は、
図12Bの速度のグラフ11500に示されている。より具体的には、速度曲線の終わり11530は、速度曲線の終わり11520よりも低い。上で概説したように、ステープル発射駆動部のより遅い速度は、ステープル留めされる組織の遠位側の流れを低減し、結果として、ステープル11360の形成が改善される。この遠位組織の流れの減少は、
図12Bのグラフ11700に示されており、ステープル発射ストロークの終わり11130における組織の流れ11730は、ステープル発射ストロークの中間部11120の間の組織の流れ11720よりも低い。ステープル発射駆動部のより遅い速度はまた、
図12Bの電力曲線11600によって示されるように、ステープル発射ストロークを実行するために発射駆動電気モータによって必要とされる電力も低減させる。
【0102】
上述のように、エンドエフェクタ内の組織の遠位側の流れは、ステープル発射ストロークを減速させることによって低減され得る。組織の遠位側の流れはまた、エンドエフェクタの顎部によって組織に適用されるクランプの圧力又は力を増加させることによって低減され得る。ある方法では、アンビル顎部とステープルカートリッジ顎部との間のより高いクランプの力は、組織を定位置に保持し、組織の流れを遠位に防止する、又は少なくとも低減する。結果として、ステープル発射ストローク中に組織を通って駆動されるステープルは、対応する成形ポケットを逃す可能性が低い。一般に、アンビル顎部とステープルカートリッジ顎部との間に捕捉された組織に加えられるクランプの力は、アンビル顎部とステープルカートリッジ顎部との間の組織の間隙が減少するにつれて増加する。アンビル顎部がステープルカートリッジ顎部に対して移動可能であるとき、アンビル顎部は、組織へのクランプの力を増加させるために、ステープルカートリッジ顎部に近づくよう移動される。それに対応して、ステープルカートリッジ顎部がアンビル顎部に対して移動可能であるとき、ステープルカートリッジ顎部は、組織へのクランプの力を増加させるために、アンビル顎部に近づくように移動させられる。
【0103】
様々な例において、外科用ステープル留めシステムは、外科用ステープル留めシステムのエンドエフェクタを閉鎖するように構成されたモータ駆動顎部閉鎖システムと、ステープル発射ストロークを実行するように構成された独立して動作されるモータ駆動のステープル発射システムとを備える。ステープル発射ストローク中、閉鎖システムは、顎部を閉鎖構成に保持する。ステープル発射ストロークが完了した後、又は少なくとも十分に完了した後、発射部材は後退される。発射部材が十分に後退させられると、閉鎖システムは、エンドエフェクタをその開放構成に駆動し、及び/又は1つ以上の付勢部材からの開放力に応答してエンドエフェクタが開放することを可能にするように動作される。上記の結果として、閉鎖駆動部及びステープル発射駆動部は、別個の独自の方法で動作される。したがって、閉鎖駆動部によって組織に加えられるクランプの力は、以下でより詳細に説明するように、ステープル発射駆動部の1つ又は2つ以上の動作パラメータに基づいて調節され得る。
【0104】
様々な例において、上記に加えて、外科用ステープル留めシステムは、2つ以上のステープル発射ストローク、つまり複数の発射を実行するために使用される。少なくとも1つのこのような例において、外科用ステープル留めシステムは、例えば、外科用ステープル留めシステムの組織切断ナイフが患者の組織を適切に切断するために鈍くなりすぎる前に、12のステープルの発射を実行するために使用され得る。ただし、組織切断ナイフは、第12番目のステープルの発射後に突如鈍くなりはしない。むしろ、組織切断ナイフは、各ステープルを発射した結果として徐々に鈍くなる。組織切断ナイフがより鈍くなると、患者の組織を切断するために必要な力は、1つのステープル発射ストロークから次のストロークへと増加し得、これは次に、ステープル発射ストローク中に組織の遠位側の流れを増加させることができる。したがって、外科用ステープル留め器具の第12番目のステープル発射ストローク中の遠位組織の流れは、外科用ステープル留め器具の第1のステープル発射ストローク中の遠位組織の流れよりも、はるかに大きくはなくとも、大きくてよい。
【0105】
上記を考慮して、
図18を参照すると、外科用ステープル留めシステムの制御システムは、エンドエフェクタによって組織に加えられるクランプの力を、1つのステープル発射ストロークから次のストロークまで増加させるように構成される。組織に加えられるクランプの力は、
図18の曲線12800によって示される。
図18から、第2の発射ストローク中に組織に加えられるクランプの力は、第1の発射ストローク中に組織に加えられるクランプの力よりも大きいことが分かる。第3の発射ストローク中に組織に加えられるクランプの力は、第2の発射ストローク中に組織に加えられるクランプの力よりも大きい、などのことも理解され得る。制御システムは、外科用ステープル留めシステムによって行われる発射の回数をカウントするように構成された計数回路を備える。少なくとも1つの例において、制御システムのマイクロプロセッサは、ステープル発射ストロークが開始されるたびに増分されるデジタル計数回路を含む。各発射の後、計数は1つによってインデックス化され、次の発射が行われるとき、制御システムは、より大きなクランプの力を組織に加える。クランプの力の増加は、例えば、比率の増加であり得る。例えば、制御システムは、各発射に対する元のクランプの力の10%クランプの力を増加させることができる。そのような構成は、12回の発射全体にわたって、クランプの力の線形の増加をもたらす。外科用ステープル留めシステムが12回の発射を超えて使用される場合には、制御システムは、1回の発射から次の発射まで直線的にクランプの力を増加させ続けることができる。少なくとも1つの構成では、クランプの力曲線12800の傾斜は、第12番目の発射、及び/又は任意の他の好適な発射を超えて増加し、その結果、クランプの力はその後、1回の発射から次の発射までより高い比率で増加する。
【0106】
上述のように、外科用ステープル留めシステムの閉鎖駆動部は、長手方向に並進可能な閉鎖部材に動作可能に連結された電気モータを備える。閉鎖部材は、電気モータが第1の方向に回転され、電気モータが第2の、又は反対の方向に回転されるときに、近位方向に移動可能である。閉鎖部材が遠位方向に前進すると、閉鎖部材は、可動のエンドエフェクタ顎部と係合し、顎部をその閉鎖位置又はクランプされた位置に向かって移動させる。閉鎖部材が近位に後退すると、閉鎖部材は、エンドエフェクタ顎部をその開放位置に移動させる。あるいは、閉鎖部材の近位運動はエンドエフェクタを閉鎖することができ、閉鎖部材の遠位運動はエンドエフェクタを開放することができる。閉鎖及び開放ストローク全体にわたって、閉鎖部材は、顎部の位置を制御するために顎部と接触したままである。電気モータは、ブラシレス電気モータを備え、制御システムによって制御可能であり、顎部を閉鎖位置に位置付ける。そのような例では、制御システムは、移動可能な顎部の位置を追跡することができる。ただし、顎部の閉鎖位置は、制御システムによって組織に適用されるクランプの力の関数である。制御システムが組織のクランプの力を増加させると、制御システムは、移動可能な顎部を他方の顎部に近づけて閉鎖位置に到達させる。それに対応して、制御システムが組織のクランプの力を減少させるときに、制御システムは移動可能な顎部を他方の顎部から更に離れるように位置させて閉鎖位置に到達させる。様々な代替的実施形態において、上記に加えて、外科用ステープル留めシステムの閉鎖駆動部は、ブラシ付きモータを含み、移動可能な顎部を閉鎖位置に駆動するように構成されている。
【0107】
外科用ステープル留めシステムは、制御システムと通信する移動可能な顎部及び/又は固定した顎部に取り付けられた1つ又は2つ以上のひずみゲージを更に備え、閉鎖駆動部によって組織に加えられるクランプの力を検出する。上記に加えて、又は上記の代わりに、外科用ステープル留めシステムは、組織に加えられているクランプの力を検出するために、制御システムと通信する閉鎖駆動部に1つ又は2つ以上のロードセルを更に備える。上記に加えて、又は上記の代わりに、制御システムは、閉鎖駆動電気モータによって引き込まれた電流を測定するように構成された電流回路を備える。閉鎖駆動電気モータによって引き込まれる電流は、顎部間に捕捉された組織に加えられるクランプの力に比例する。組織に加えられるクランプの力を検出するために使用される手段にかかわらず、制御システムは、クランプの力がその意図されたレベルに達した時点で閉鎖駆動部を停止するように構成されている。
【0108】
組織の遠位側の流れを低減するために1回の発射ストロークから次のストロークまで組織に加えられるクランプの力を増加させることに加えて、又はその代わりに、制御システムは、1回の発射ストロークから次のストロークまでのステープル発射ストロークの速度を低減するように構成される。既に確立しているように、ステープル発射ストロークの速度を低下させることにより、組織の遠位側の流れを低減することができる。
図18の曲線12500を参照すると、第4の発射の速度は、例えば第3の発射の速度よりも遅い。同様に、例えば第5の発射の速度は、第4の発射の速度よりも遅い。発射間の速度の低下は線形である。しかしながら、任意の好適な速度低減アルゴリズムを使用することができる。少なくとも1つの例において、ステープル発射ストロークの速度は、例えば、各発射のために5%低減される。しかし、特に、ステープル発射ストロークの速度を、各発射の後に低下させる必要はない。例えば、
図18の速度曲線12500を再び参照すると、ステープル発射ストロークの速度は、例えば、第1の発射と第2の発射との間、同様に、第2の発射と第3の発射との間で低下しない。
【0109】
上述のように、外科用ステープル留めシステムの制御システムは、1つの発射から次の発射まで患者の組織に適用されるクランプの力を調節するように構成され得る。上記に加えて、又はその代わりに、
図17を参照すると、制御システムは、例えば、トリガ事象Cなどのトリガ事象に応答して、ステープル発射ストローク中にクランプの力を増加させるように構成される。少なくとも1つの例において、トリガ事象Cは、外科用ステープル留めシステムの組織切断ナイフが、例えば、以前に植え込まれたステープルを横切し、これにより、
図17の発射の力の曲線13400の大きな力のピーク13460’を生じさせる。上記に加えて、制御システムは、大きな力のピーク13460’及び/又は任意の他の異常な力のピークのみが、制御システムをトリガして外科用ステープル留めシステムの動作を適応させるように、典型的なステープル発射ストローク中に生じる、大きな力のピーク13460’と通常のステープル発射のピーク13460とを区別するように構成されている。トリガ事象Cが
図17の顎部クランプの力曲線13800に示された後の顎部クランプの力の増加である。顎部クランプの力が増加する量は、大きな力のピーク13460’の大きさ及び/又は持続時間の関数である。大きな力のピーク13460’の大きさが通常の力のピーク13460の2倍である場合、制御システムは、例えば、顎部クランプの力を10%増加させる。これらの線に沿って、制御システムは、例えば、大きな力のピーク13460’の大きさが通常の力のピーク13460の4倍の大きさであるときに、顎部クランプの力を20%増加させる。同様に、大きな力のピーク13460’の持続時間が、所与のステープル発射速度のための通常の力のピーク13460の2倍である場合、制御システムは、例えば10%顎部クランプの力を増加させる。これらの線に沿って、制御システムは、例えば、大きな力のピーク13460’の持続時間が、所与のステープル発射速度のための通常の力のピーク13460の4倍であるときに、顎部クランプの力を20%増加させる。いずれにせよ、外科用ステープル留めシステムの制御システムは、ステープル発射ストローク中に発生する1つ又は2つ以上の事象に応答して、ステープル発射ストローク中に患者の組織に適用されるクランプの力を適合させるように構成される。
【0110】
上記に加えて、大きな力のピーク13460’は、組織切断ブレードが何らかの方法で損傷又は鈍化されていてもよいことを示す。上述したように、制御システムは、ステープル発射ストローク中の組織の遠位側の流れを防止する、又は少なくとも低減するために、組織上のより硬い組織を圧搾することによって、組織切断ブレードへのこの潜在的な損傷に応答するようにプログラムされる。加えて、制御システムは、ステープル発射ストローク中の組織の遠位側の流れを防止する、又は少なくとも低減するために、ステープル発射ストロークを減速させることによって、組織切断ブレードへのこの潜在的損傷に応答するようにプログラムすることができる。したがって、ステープル発射ストローク中のトリガ事象は、制御システムに、組織上のより硬いものを同時にクランプし、ステープル発射ストロークを減速させることができる。
【0111】
上述のように、ステープル発射ストローク中に経る発射の力の曲線は、個々のステープルの変形に対応する平均の発射の力及び力のピークによって特徴付けることができる。ただし、外科用ステープル留めシステムの制御システムは、平均の発射の力の曲線に対する力のピークの高さ又は大きさを評価するように構成され得る。平均の力に対する力のピークの大きさが所定の範囲内にある場合、制御システムは第1の動作モードを実行する。しかしながら、平均の力に対する力のピークの大きさが所定の範囲を下回る場合、制御システムは、低い力のピークがステープルが完全に形成されてはいないことを示し得るために、第2の動作モードを実施する。第2の動作モードでは、制御システムは、アンビル顎部をステープルカートリッジ顎部に向かって移動させて、2つの顎部間のステープル形成間隙を減少させる。そのような例において、力のピークの大きさは増加するはずであり、それによってステープルが完全に形成されていることを示す。それに対応して、制御システムは、平均の力に対する力のピークが所定の範囲を上回ることを制御システムが感知したときに、2つの顎部間のステープル形成間隙を増加させるように、アンビル顎部をステープルカートリッジ顎部から離れるように移動させるように構成される。
【0112】
上述のように、様々な外科用ステープル留めシステムは、患者の組織にステープルの長手方向列を植え込み、長手方向ステープル列の2つの間に延在する組織切開経路に沿って患者の組織を切開するように構成されている。様々な例において、植え込み式の付属物は、ステープルがステープル留め発射ストローク中に発射される際に、ステープルが植え込み式の付属物を患者の組織に対して捕捉するように、ステープルカートリッジ顎部に解放可能に取り付けられる。外科用ステープル留めシステムの顎部が患者の組織から解放されると、付属物は組織に対して植え込まれたままである。ステープルカートリッジの植え込み式の付属物に加えて、又はその代わりに、外科用ステープル留めシステムは、アンビル顎部に解放可能に取り付けられた植え込み式の付属物を含み得る。そのような例において、ステープルは組織を穿刺し、次いでステープルがアンビルに対して変形される際に、植え込み式の付属物を組織に対して捕捉する。いずれの場合も、植え込まれた付属物の材料は、例えば、組織を機械的に支え、及び/又は治療因子、例えば薬剤を組織に送達するなどのいくつかの利益を提供することができる。ただし、外科用ステープル留め器具の組織切断縁部は、ステープル発射ストローク中に植え込まれた付属物を横切する必要があり得、様々な例において、外科用ステープル留めシステムの性能に影響を及ぼし得る。以下により詳細に記載されるように、外科用ステープル留めシステムの制御システムは、顎部に取り付けられた1つ以上の植え込み式の付属物の存在を感知し、1つ以上の植え込み式の付属物の存在を考慮して外科用ステープル留めシステムの動作を適応させるように構成され得る。様々な例において、植え込み式の付属物は、例えば、層、バットレス、及び/又は組織厚さコンペンセータを備え得る。2007年6月27日に出願された米国特許出願第2009/0001122号、発明の名称「BUTTRESS AND STAPLING APPARATUS」の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。米国特許出願公開第2015/0374374号、2015年6月29日出願の発明の名称「STAPLE CARTRIDGE COMPRISING STAPLES POSITIONED WITHIN A COMPRESSIBLE PORTION THEREOF」の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0113】
図14及び
図15を参照すると、外科用ステープル留めシステムのエンドエフェクタ14000はアンビル顎部14100とステープルカートリッジ顎部14300とを備える。アンビル顎部14100は、開放されたクランプされていない位置と、閉鎖したクランプされた位置との間で、ステープルカートリッジ顎部14300に対して回転可能である。しかしながら、ステープルカートリッジ顎部14300は、他の実施形態ではアンビル14100に向かって回転可能であり得る。エンドエフェクタ14000は、植え込み式の付属物がステープルカートリッジ顎部14300及び/又はアンビル顎部14100に取り付けられているかどうかを検出する制御システムと通信するセンサ及びセンサ回路を更に備える。エンドエフェクタ14000は、アンビル顎部14100の遠位端にある遠位電極14210と、アンビル顎部14100の近位端にある近位電極14220とを備える。エンドエフェクタ14000は、ステープルカートリッジ顎部14300の遠位端に遠位電極14230、及びステープルカートリッジ顎部14300の近位端に近位電極14240を更に備える。様々な例において、遠位アンビル電極14210及び遠位ステープルカートリッジ電極14230は、センサ回路の一部である。アンビル顎部14100がアンビル顎部14100とステープルカートリッジ顎部14300との間に位置付けられた組織なしに閉鎖されるとき、アンビル顎部14100とステープルカートリッジ顎部14300との間に植え込み式の付属物が存在しない場合、遠位アンビル電極14210及び遠位ステープルカートリッジ電極14230は互いに接触する。そのような場合、アンビル顎部14100の閉鎖は、センサ回路を閉鎖する。しかしながら、植え込み式の付属物がアンビル顎部14100とステープルカートリッジ顎部14300との間に位置付けられている場合、遠位アンビル電極14210は遠位カートリッジ電極14230に直接接触せず、その結果、センサ回路における抵抗がより高い。制御システムは、アンビル顎部14100とステープルカートリッジ顎部14300との間に植え込み式の付属物が存在しないことをセンサ回路を介して検出した場合には第1の動作モードで、またアンビル顎部14100とステープルカートリッジ顎部14300との間に植え込み式の付属物が存在していることをセンサ回路を介して検出した場合には第2の又は異なる動作モードで動作するように構成される。1つの意味では、センサ回路インピーダンスが閾値を下回る場合、制御システムは第1の動作モードで、またセンサ回路インピーダンスが閾値を上回る場合には第2の動作モードで動作するように構成される。連続性曲線14700が
図16に示されている。制御システムは、センサ回路のインピーダンスが閾値14710を下回るとき、その第1の動作モードになっている。制御システムは、センサ回路のインピーダンスが第2の閾値14720未満であるが閾値14710未満ではないとき、その第2の動作モードにある。センサ回路のインピーダンスが第2の閾値14720を上回るとき、制御システムは、アンビル顎部が開放位置にあるときにそのような事象を解釈する。様々な例において、1つの付属物のみが使用される場合と比較して、2つ以上の植え込み式付属物が使用される場合、センサ回路のインピーダンスは異なっていてもよい。追加の植え込み式の付属物のためにセンサ回路のインピーダンスが第2の閾値を超える場合、制御システムは、第1の動作モード及び第2の動作モードとは異なる第3の動作モードで動作することができる。
【0114】
上記に加えて、
図14及び
図15を再び参照すると、近位アンビル電極14220及び近位カートリッジ電極14240は、第2のセンサ回路の一部である。第2のセンサ回路は、上記のセンサ回路と同じ方式で動作する。しかしながら、近位アンビル電極14220及び近位カートリッジ電極14240は、植え込み式の付属物がエンドエフェクタ14000に存在するかどうかにかかわらず、互いに直接接触しない。ただし、1つ以上の植え込み式の付属物がエンドエフェクタ14000に取り付けられ、制御システムが第2のセンサ回路を介してこの相対的変化を検出することができるとき、近位アンビル電極14220と近位カートリッジ電極14240との間の相対的なインピーダンスが変化する。エンドエフェクタ14000は2つのセンサ回路を備えるが、エンドエフェクタは、1つのみのセンサ回路又は2つを超えるセンサ回路のみを備えてもよい。
【0115】
上記のように述べたが、任意の好適なセンサ回路を使用して、アンビル顎部及び/又はステープルカートリッジ顎部に取り付けられた植え込み式の付属物の存在を検出することができる。様々な例において、センサ回路は、アンビル顎部及び/又はステープルカートリッジ顎部に取り付けられた植え込み式の付属物の存在を検出するように構成された1つ以上の磁気センサを備えることができる。少なくとも1つのこのような例において、磁気センサは、ステープルカートリッジ顎部に位置付けられ、例えば永久磁石などの磁気要素がアンビル顎部に位置付けられる。アンビル顎部が閉鎖され、植え込み式の付属物がアンビル顎部とステープルカートリッジ顎部との間に位置付けられないとき、磁気要素は、磁気センサによって生成された磁場に干渉し、この磁場の歪みは制御システムによって検出される。植え込み式付属物がアンビル顎部とステープルカートリッジ顎部との中間に位置付けられ、アンビル顎部が閉鎖されると、植え込み式の付属物及び磁気要素は、磁気要素単独とは異なる様式で磁気センサの磁場を歪ませる。結果として、磁気センサは、植え込み式の付属物が存在しないときと比較して、植え込み式の付属物が存在するときに異なる電圧出力を生成し、制御システムは、磁気センサからの異なる電圧出力を検出すると、第2の動作モードに入る。上記に加えて、又はその代わりに、センサ回路は、アンビル顎部及び/又はステープルカートリッジ顎部に取り付けられた植え込み式の付属物の存在を検出するように構成された1つ又は2つ以上の光学センサを備えることができる。少なくとも1つのこのような例において、光センサはステープルカートリッジ顎部に位置付けられ、植え込み式の付属物は、アンビルとは区別可能に異なる色を含む。あるいは、光学センサはアンビル顎部に位置付けられ、植え込み式の付属物は、ステープルカートリッジとは区別可能に異なる色である。いずれの場合も、光センサは制御システムと通信し、植え込み式の付属物がエンドエフェクタに位置付けられていないときに第1の信号を、また植え込み式の付属物がエンドエフェクタに位置付けられているときに第2の又は異なる信号を生成するように構成される。少なくとも1つの例において、光センサは、例えば、IR(赤外)フィルタを有するRGB(赤緑青)センサを含む。
【0116】
上記のセンサは、エンドエフェクタが患者の体内に位置付けられる前に、アンビル顎部及び/又はステープルカートリッジ顎部の植え込み式の付属物を検出することができる。様々な例において、エンドエフェクタは、エンドエフェクタが患者の組織上に最終的にクランプされる前に、1回以上開閉される。そのような例では、組織は、植え込み式の付属物がアンビル顎部及び/又はステープルカートリッジ顎部に取り付けられているかどうかを感知することを阻止又は妨害しない。
図16のグラフ14800は、アンビル顎部とステープルカートリッジ顎部との間の顎部開口、又はより具体的には、エンドエフェクタが患者に位置付けられているときと、ステープル発射ストロークが行われているときのアンビル顎部とステープルカートリッジ顎部との間の角度を示す。
図16に見られるように、アンビル顎部は、アンビル顎部とステープルカートリッジ顎部との間に約20度の角度が存在する完全開放位置と、アンビル顎部及びステープルカートリッジ顎部が平行又は少なくとも実質的に平行である完全閉鎖位置との間で移動される。特に、アンビル顎部は、エンドエフェクタを患者に適切に位置付けるために、部分的に閉鎖され、及び/又は部分的に数回開かれてもよい。また、特に、エンドエフェクタは、ステープル発射ストローク中に完全に閉鎖され、その後、ステープル発射ストロークが実行されて組織を解放した後に開かれる。
【0117】
上記のように述べたが、患者の組織は、患者の組織がアンビル顎部とステープルカートリッジ顎部との間に位置付けられたときに、植え込み式の付属物のうちの1つを検出することから、上記のセンサを阻止し得る。例えば、患者の組織は、ステープルカートリッジ顎部の植え込み式の付属物を検出することから、アンビル顎部のセンサをブロックすることができる。同様に、患者の組織は、アンビル顎部の植え込み式の付属物を検出することから、カートリッジ顎部のセンサをブロックすることができる。しかしながら、いくつかのセンサは、組織の他方の側に植え込み式の付属物の存在を検出することができる。そのような例では、制御システムは、患者の組織がセンサによって生成された信号又は電圧電位を有する効果を無視するように構成される。少なくとも1つのこのような例において、アンビル電極とステープルカートリッジ電極との間の患者の組織は、電極と制御システムとの間のインピーダンス及び/又は連続性に影響を及ぼし、それでもなお、電極間に位置付けられた1つ以上の植え込み式の付属物の存在を評価するように構成される。
【0118】
様々な例において、アンビル顎部は、第1のIRセンサを含み、ステープルカートリッジ顎部は第2のIRセンサを含み、患者の組織の熱を検出するように構成されている。アンビルIRセンサは、植え込み式の付属物がアンビル顎部に取り付けられていない場合に第1の電圧電位の範囲を生成し、植え込み式の付属物がアンビル顎部に取り付けられている場合には、第2の又は異なる電圧電位の範囲を生成するように構成されている。換言すれば、植え込み式の付属物は、アンビルIRセンサによって生成された信号に影響を及ぼすアンビルIRセンサによって測定される患者の組織からの熱を少なくとも部分的に遮断する。アンビルIRセンサは、導体及び/又は無線信号送信機/受信機構成を介して制御システムと信号で通信し、電圧電位が第2の電圧電位の範囲内にあるとき、制御システムは、アンビルに植え込み式の付属物が存在すると判定する。カートリッジIRセンサは、植え込み式の付属物がステープルカートリッジ顎部に取り付けられていない場合に第1の電圧電位の範囲を生成するように構成され、植え込み式の付属物がステープルカートリッジ顎部に取り付けられている場合には、第2の又は異なる電圧電位の範囲を生成するように構成される。換言すれば、植え込み式の付属物は、カートリッジIRセンサによって生成された信号に影響を及ぼすカートリッジIRセンサによって測定される患者の組織からの熱を少なくとも部分的に遮断する。カートリッジIRセンサは、導体及び/又は無線信号送信機/受信機構成を介して制御システムと信号で通信し、電圧電位が第2の電圧電位の範囲内にあるとき、制御システムは、ステープルカートリッジに植え込み式の付属物が存在すると判定する。
【0119】
植え込み式の付属物がエンドエフェクタに存在することを制御システムが判定する方法にかかわらず、様々な例において、制御システムは、植え込み式の付属物がエンドエフェクタに存在することを検出すると、外科用ステープル留めシステムの動作を修正するように構成される。例えば、制御システムは、植え込み式の付属物がアンビル顎部及び/又はステープルカートリッジ顎部に存在するときに、植え込み式の付属物がエンドエフェクタに存在しないときと比較して、アンビル顎部が閉鎖される速度を減速させることができる。少なくとも1つのこのような例において、制御システムは、制御システムがエンドエフェクタの1つの植え込み式の付属物を検出するときには第1のより遅い速度、また制御システムがエンドエフェクタの2つの植え込み式の付属物を検出するときには第2のより遅い速度-第1のより遅い速度よりも遅い-で閉鎖駆動モータを動作させる。上記に加えて、又はその代わりに、
図16を参照すると、制御システムは、制御システムがエンドエフェクタの植え込み式の付属物を検出しないときと比較して、制御システムがエンドエフェクタの1つ以上の植え込み式の付属物を検出するときに、ステープル発射ストロークを減速させるように構成されている。顎部が曲線14800’でより長い時間閉鎖されたままであるときに、顎部開閉曲線14800(植え込み式の付属物が検出されない)を代替的顎部開閉曲線14800’(植え込み式の付属物が検出される)と比較するときに、ステープル発射ストロークのより遅い速度を見ることができる。少なくとも1つのこのような例において、制御システムは、制御システムがエンドエフェクタの1つの植え込み式の付属物を検出するときには第1のより遅い速度、また制御システムがエンドエフェクタの2つの植え込み式の付属物を検出するときには第2のより遅い速度-第1のより遅い速度よりも遅い-で発射駆動モータを動作させる。上記に加えて、又は上記の代わりに、再び
図16を参照すると、制御システムは、ステープル発射ストローク中に発射部材に加えられる力を増加させるために、発射駆動モータへの電流を増加させるように構成される。力曲線14400(植え込み式の付属物が検出されない)を代替的な力曲線14400’(植え込み式の付属物が検出される)と比較する際に、ステープル発射ストロークのより高次の力を見ることができる。特に、力が加えられる持続時間も、より遅いステープル発射ストロークにより、力曲線14400’において増加している。上記に加えて、又は上記の代わりに、制御システムは、植え込み式の付属物がエンドエフェクタに存在しないときと比較して、植え込み式の付属物がエンドエフェクタに存在するときに、患者の組織に加えられるクランプの力を増加させるように構成される。そのような例において、制御システムは、付属物がエンドエフェクタに存在するとき、アンビル顎部をステープルカートリッジ顎部に近接して位置付けることができる。様々な例において、植え込み式の付属物は、滑りやすい場合があり、又はその表面上に低摩擦係数を有してもよく、これは、ステープル発射ストローク中により大きな組織の流れを可能にする傾向があり、したがって、そのような場合での組織におけるより硬いクランプは、組織の流れを低減することができる。
【0120】
上述のように、外科用ステープル留めシステムのエンドエフェクタは、患者の組織上にクランプされ、次いでステープル発射駆動部が動作されて組織をステープル留め及び切開する。エンドエフェクタが組織上に最初にクランプされると、クランプされている組織の厚さに応じて、エンドエフェクタの顎部は、顎部が互いに完全に又は平行に整列することを防止する様式で、屈曲及び/又は別の方法で装填されてもよい。ただし、組織がクランプされると、クランプされた組織内部の流体は、クランプされていない周囲の接続された組織の内部に横方向及び/又は長手方向に流れ始めることができる。そのような例では、エンドエフェクタ顎部の間に捕捉された組織は、最初のクランプの10~15秒後により薄くなる、又は少なくともわずかに薄くなり、顎部が互いに整列するか、少なくとも整列するために近づくよう移動することが可能となる。これを念頭に置いて、外科用ステープル留めシステムの制御システムは、エンドエフェクタが組織上にクランプされた後の時間をカウントするように構成されたタイマー回路を備える。制御システムは、外科用ステープル留めシステムのディスプレイ及び/又はインジケータと通信し、タイマー回路が、例えば10秒などの所定の時間量でカウントされたとき、例えば、制御システムは、外科用ステープル留めシステムがステープル発射ストロークを実行する準備ができていることを臨床医に示す表示及び/又はインジケータを起動させる。ただし、ステープル発射駆動部は、ディスプレイ及び/又はインジケータが作動される前に臨床医によって作動可能である。このような構成は、臨床医が必要に応じて緊急に行動を起こすことを妨げるものではない。ただし、外科用ステープル留めシステムに不具合がある場合、ステープル発射ストロークを妨げることができる。例えば、エンドエフェクタに位置付けられたステープルカートリッジが既に少なくとも部分的に使用されている場合、及び/又はアンビル顎部がステープル発射ストロークを実行するのに十分に閉鎖されていない場合などに、ステープル発射ストロークを防止することができる。米国特許第7,143,923号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A FIRING LOCKOUT FOR AN UNCLOSED ANVIL」(2006年12月5日発行)、米国特許第7,044,352号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SINGLE LOCKOUT MECHANISM FOR PREVENTION OF FIRING」(2006年5月16日発行)、米国特許第7,000,818号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」(2006年2月21日発行)、米国特許第6,988,649号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」(2006年1月24日発行)、及び米国特許第6,978,921号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING AN E-BEAM FIRING MECHANISM」(2005年12月27日発行)は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0121】
多くの例において、上記に加えて、ステープル発射駆動部を初期に作動させること、すなわち、発射態勢のインジケータが作動される前に、満足のいくステープルの形態を生成する。しかしながら、ステープル発射ストロークが開始される前に、エンドエフェクタ顎部がそれらの最終的な位置に到達しない場合があるため、このような場合には、不恰好なステープルが生じ得る。上述のように、本明細書に開示される制御システムは、ステープルが適切に形成されているか、又は不恰好であるかを評価することができる。制御システムが、ステープル発射ストロークが初期に開始されたことを検出した場合、1つ又は2つ以上のステープルが不恰好になったことを検出すると、制御システムは、所定の時間が経過するまでステープル発射ストロークを遅くし、次いでステープル留め発射ストロークをその通常の速度に戻すことができる。他の実施形態において、制御システムは、所定の時間が経過した後、ステープル発射ストロークをその通常速度に戻し、ステープルがもはや不恰好にさせないように構成される。ただし、ステープル発射ストロークが初期に開始された場合に満足のいくステープルの形態を生成するために、ステープル発射ストローク中の外科用ステープル留めシステムの動作を調節するために、任意の適切なアルゴリズムが使用され得る。
【0122】
様々な例において、上記に加えて、制御システムは、ステープルが不恰好になっていることを制御システムが検出した場合に、ステープル発射ストロークを休止するように構成される。そのような例において、クランプされた組織内の流体は、隣接する組織に流れ込むためにより多くの時間を与えられ、結果として、顎部は、ステープル発射ストロークの残りの部分に対してより良好に整列され得、不恰好なステープルの発生が低減され得る。一時停止時間が経過した後、制御システムは、ステープル発射ストロークを再開し、不恰好なステープルを監視し続ける。制御システムは、例えば、約2秒である所定の一時停止時間に達するまで時間をカウントするように構成されたタイマー回路を備える。他の例では、所定の一時停止時間は、例えば、1秒、3秒、又は5秒であり得る。制御システムが、ステープル発射ストロークの推奨後により多くのステープルが不恰好であることを検出した場合、制御システムは、ステープル発射ストロークをもう一度一時停止させるように構成される。上記と同様に、制御システムは、所定の一時停止時間が経過した後、ステープル発射ストロークを再開する。少なくとも1つの代替的実施形態では、第2の休止時間は、第1の休止時間よりも長い。いずれにしても、制御システムは、ステープル発射ストロークを任意の好適な回数一時停止するように構成される。ただし、ステープル発射ストロークが一時停止された後に、臨床医がステープル発射ストロークを再開するために必要とされる代替的実施形態が想定される。そのような実施形態は、自分の外科用器具が自動的な動作を実行しないことを好む臨床医にとって好ましい場合がある。2013年8月6日出願の米国特許第8,499,992号、発明の名称「DEVICE AND METHOD FOR CONTROLLING COMPRESSION OF TISSUE」の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0123】
上記に加えて、又は上記の代わりに、制御システムは、1回の発射ストロークから別の発射ストロークまで所定の待機時間を調整するように構成される。少なくとも1つの例において、制御システムは、所定の待機時間が経過した後にステープル発射ストロークが開始されたとしても、1つ又は2つ以上の不恰好なステープルが第1のステープル発射ストロークの開始部分内に作られたかどうかを評価するように構成される。第1のステープル発射ストロークの開始時に不恰好なステープルの数が、例えば、1つの不恰好なステープル又は2つの不恰好なステープルなどの所定の量を超える場合、制御システムは、第2のステープル発射ストロークの所定の待機時間を増加させる。少なくとも1つのこのような例において、制御システムは、例えば、10秒~12秒の所定の待機時間を増加させる。第2のステープル発射ストロークの開始時に不恰好なステープルの数、又は任意の後続のステープル発射ストロークが所定の量を超える場合、制御システムは、次のステープル発射ストロークの所定の待機時間を増加させる。少なくとも1つのこのような例において、制御システムは、例えば、12秒~15秒の所定の待機時間を増加させる。
【0124】
本明細書で提供される実施例の多くは、外科用ステープル留めシステムと関連して論じられている。しかしながら、本明細書で提供される教示は、例えば、定在振動波を用いて患者の組織を封止及び/又は切断するように構成された超音波外科用器具、及び/又は電気エネルギーを使用して患者の組織を封止及び/又は切断するように構成されたRF手術器具などの任意の好適な外科用システムに適合され得る。
【0125】
超音波外科用器具の例としては、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesが挙げられ、これらはいずれもEthicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製である。そのようなデバイス及び関連する概念の更なる例は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第5,322,055号、発明の名称「CLAMP COAGULATOR/CUTTING SYSTEM FOR ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENTS」(1994年6月21日発行);その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第5,873,873号、発明の名称「ULTRASONIC CLAMP COAGULATOR APPARATUS HAVING IMPROVED CLAMP MECHANISM」(1999年2月23日発行);その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第5,980,510号、発明の名称「ULTRASONIC CLAMP COAGULATOR APPARATUS HAVING IMPROVED CLAMP ARM PIVOT MOUNT」(1999年11月9日発行);その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第6,325,811号、発明の名称「BLADES WITH FUNCTIONAL BALANCE ASYMMETRIES FOR USE WITH ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENTS」(2001年12月4日発行);その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第6,773,444号、発明の名称「BLADES WITH FUNCTIONAL BALANCE ASYMMETRIES FOR USE WITH ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENTS」(2004年8月10日発行);及びその開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第6,783,524号、発明の名称「ROBOTIC SURGICAL TOOL WITH ULTRASOUND CAUTERIZING AND CUTTING INSTRUMENT」(2004年8月31日発行)に開示されている。
【0126】
超音波外科用器具の依然として更なる例は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2006/0079874号、発明の名称:「TISSUE PAD FOR USE WITH AN ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT」(2006年4月13日公開);その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0191713号、発明の名称「ULTRASONIC DEVICE FOR CUTTING AND COAGULATING」(2007年8月16日公開);その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0282333号、発明の名称「ULTRASONIC WAVEGUIDE AND BLADE」(2007年12月6日公開);その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特出願許公開第2008/0200940号、発明の名称「ULTRASONIC DEVICE FOR CUTTING AND COAGULATING」(2008年8月21日公開);その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2009/0105750号、発明の名称「ERGONOMIC SURGICAL INSTRUMENTS」(2009年4月23日公開)(米国特許第8,623,027号、2014年1月7日発行);その開示が、本明細書において、参照することにより組み込まれる、2010年3月18日公開の発明の名称「ULTRASONIC DEVICE FOR FINGERTIP CONTROL」の米国特許出願公開第2010/0069940号(米国特許第9,023,071号、2015年5月5日発行);及びその開示が、本明細書において、参照することにより組み込まれる、2011年1月20日の発明の名称「ROTATING TRANSDUCER MOUNT FOR ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENTS」の米国特許出願公開第2011/0015660号(米国特許第8,461,744号、2013年6月11日発行);及びその開示が、本明細書において、参照することにより組み込まれる、2012年2月2日公開の発明の名称「ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENT BLADES」の米国特許出願公開第2012/0029546号。
【0127】
超音波外科用器具のうちの一部は、以下の特許文献に開示されているもののようなコードレストランスデューサを含む場合がある:その開示が、本明細書において、参照することにより組み込まれる、2012年5月10日公開の「RECHARGE SYSTEM FOR MEDICAL DEVICES」という発明の名称の米国特許出願公開第2012/0112687号、2016年7月5に米国特許第9,381,058号として発行;その開示が、本明細書において、参照することにより組み込まれる、米国特許出願公開第2012/0116265号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH CHARGING DEVICES」(2012年5月10日公開)、及び/又は、その開示が、本明細書において、参照することにより組み込まれる、米国特許出願第61/410,603号、発明の名称「ENERGY-BASED SURGICAL INSTRUMENTS」(2010年11月5日公開)。
【0128】
更に、一部の超音波外科用器具は、関節接合シャフト部分を含み得る。かかる超音波外科用器具の例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年6月29日出願の発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS WITH ARTICULATING SHAFTS」の米国特許出願公開第13/538,588号(米国特許第9,393,037号、2016年7月19日発行);及び、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2012年10月22日出願の発明の名称「FLEXIBLE HARMONIC WAVEGUIDES/BLADES FOR SURGICAL INSTRUMENTS」の米国特許出願公開第13/657,553号(米国特許第9,095,367号、2015年8月4日発行)に開示されている。
【0129】
様々な環境において、外科用器具は、組織にエネルギーを印加して、組織を処置及び/又は破壊するよう構成され得る。ある特定の状況では、外科用器具は、電流が組織を介して一方の電極から他方の電極に流れることができるように、組織に接して及び/又は組織に対して位置付けられ得る1つ又は2つ以上の電極を備えることができる。外科用器具は、電気入力、電極と電気的に結合された給電導体、及び/又は戻り導体を備えることができ、これらは、例えば、電流が電気入力から給電導体を通り、電極及び組織を通って流れた後、戻り導体を通って電気出力に流れるように構成され得る。代替的に、外科用器具は、電気入力、電極と電気的に結合された給電導体、及び/又は戻り導体を備えることができ、これらは、電流が電気入力から給電導体を通り、活性電極及び組織を通って流れた後、戻り電極を通り、戻り導体を通って電気出力に流れるように構成され得る。種々の状況においては、組織を流れる電流によって熱が生成される可能性があり、この熱は、組織及び/又は組織間に1つ又は2つ以上の止血シールを形成させることができる。そのような実施形態は、例えば、血管を封止するのに特に有用であり得る。外科用器具は、更に切断部材を備えることもでき、この切断部材は、組織及び電極に対して移動して組織を横切することができる。
【0130】
例として、外科用器具によって加えられるエネルギーは、無線周波(「RF」)エネルギーの形態であってもよい。RFエネルギーは、300キロヘルツ(kHz)~1メガヘルツ(MHz)の周波数範囲であり得る電気エネルギーの一形態である。使用に際し、RF外科用器具は、低周波の電波を電極を通して送信し、イオン撹拌、又は摩擦、実際には抵抗加熱を引き起こして組織の温度を上昇させる。罹患組織とそれを囲む組織との間に鋭い境界が形成されるので、外科医は、隣接する正常組織をあまり犠牲にせずに、高い精度及び制御で手術を施すことができる。RFエネルギーの作動温度が低いことにより、外科医は、血管を同時に封着しながら、軟組織を除去、収縮、又は侵食することができる。RFエネルギーは、主にコラーゲンから構成されかつ熱に接触した際に収縮する、結合組織に対して特に良好に作用する。
【0131】
更に、様々な開腹手術及び腹腔鏡手術では、組織を凝固、封着、又は溶着することが必要である。組織封着のある好ましい手段は、捕捉された組織に電気エネルギーを印加して、封着を目的に熱効果をその組織内に生じさせることを利用するものである。様々な単極及び双極のRF顎部構造は、そのような目的で開発されてきた。一般に、捕捉された組織体積体にRFエネルギーを配給することで組織温度が上昇し、それによって組織内のタンパク質が少なくとも部分的に変性する。コラーゲンを含めて、そのようなタンパク質は、タンパク質が変性するか、新しい架橋を形成するときに、互いに混合し溶着する不屈のアマルガムへと変性する。治療領域が経時的に治癒するとき、この生物学的「融着部」は、身体の創傷治癒過程によって再吸収される。
【0132】
基本的な双極RF顎部構成では、対向する第1及び第2の顎部のそれぞれの面は電極を含み、RF電流は、対向する極性電極の間を、捕捉された組織を横切って流れる。組織の対向する側部に係合する現在利用可能なかかる先行技術のRF顎部は通常、捕捉される組織が薄くても、相当に厚くても、一様な熱効果を組織内に発生させることができない。組織内におけるRFエネルギー密度が上昇すると、組織表面は乾燥し、更なるオーム加熱に耐性を示す。局所化された組織の乾燥及び炭化は、組織インピーダンスが上昇するとほぼ瞬時に生じ得るが、それにより、組織内における不均一な封着が結果としてもたらされ得る。典型的な先行技術のRF顎部は、係合した組織から横方向にRF密度を伝播して、そのため好ましくない副次的な熱的損傷を発生させることにより、更に望ましくない影響を発生させ得る。
【0133】
市販のRF封止器具は、典型的には、組織のRFエネルギー送達を「制御する」ための2つのアプローチのうちの1つを使用する。第1の「電力調整」アプローチでは、RFシステムコントローラは、組織インピーダンス又は電極の温度を測定する活性電極に結合されたフィードバック回路に応答して、顎部の係合面に送達される総電力のレベルを迅速に調節することができる。第2の「電流経路方向付け」アプローチにおいて、器具顎部は、対向する極性電極が絶縁体材料によって離間される電極の配置を有し、これは、単に第1及び第2の顎部の表面の間ではなく、捕捉された組織を通って延在する経路の内部で電流を流すことができる。協働する顎面において電気的に絶縁された電極の構成である、顎部を有する電気外科把持器具が、Yatesらによって米国特許第5,403,312号、第5,735,848号、及び第5,833,690号に提案されている。米国特許第5,403,312号、第5,735,848号、及び第5,833,690号の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0134】
様々な実施形態において、上記に加えて、組織切断ナイフは鋭利な切断縁部を備える。特定の例において、組織切断ナイフは、組織切断機構を改善するため、及び/又は組織の封止を改善するために、電気エネルギーで通電され得る。少なくとも1つの例において、電源からの電位が組織切断ナイフに印加されるか、少なくとも組織切断ナイフの金属切断縁部に印加され、これにより、電流が組織切断ナイフを通って、エンドエフェクタ顎部の間を、捕捉された組織を通って流れ、次いで、電気回路内の戻り経路の一部としてエンドエフェクタ顎部の一方又は両方に流れる。そのような器具は、双極器具と称され得る。ただし、単極器具もまた想定される。このような実施形態では、電流のための戻り経路は、例えば、患者が手術台に接触している接地パッドを介して設けられる。いずれにしても、通電された組織切断ナイフは、例えば、とりわけ、外科用ステープル留めシステム及び/又はRF外科用システムに使用され得る。
【0135】
上記に加えて、外科用ステープル留めシステムの制御システムは、以前のステープル発射ストローク中及び/又は現在のステープル発射ストローク中に制御システムによって感知された1つ又は2つ以上のパラメータの結果として、組織切断ナイフに供給される電圧電位及び/又は電力を修正又は変更するように構成され得る。例えば、制御システムは、1つ以上の植え込み式の付属物がエンドエフェクタに存在するときに、組織切断ナイフに印加される電圧の大きさを増加させるように構成される。少なくとも1つのそのような例において、電圧電位は、電圧波形として組織切断ナイフに印加され、植え込み式の付属物がステープル発射ストローク中に横切されているときに、電圧波形のピークが増加する。したがって、制御システムは、植え込み式の付属物がエンドエフェクタで検出されないときの第1の動作モードと、植え込み式の付属物がエンドエフェクタで検出されたときの第2の動作モードとを備える。様々な例において、1つの植え込み式の付属物のみが検出されるときに第2の動作モードが使用され、2つ以上の植え込み式の付属物が検出されるときに第3の動作モードが使用される。第3の動作モードにおける電圧波形のピークは、第1の動作モード及び第2の動作モードにおける波形のピークよりも高い。
【0136】
上記に加えて、制御システムは、トリガ事象に応答して、ステープル発射ストローク中の電圧波形の大きさを変化させるように構成され得る。例えば、制御システムは、制御システムがステープルが不恰好であることを検出すると、電圧波形の大きさを増加させることができる。少なくとも1つのこのような例において、制御システムは、ステープル発射ストローク中に所定の数のステープルが不恰好になった後、波形の大きさを増加させる。所定の数は、1つのステープル又は2つ以上のステープルであり得る。
【0137】
図19は、本明細書に記載される様々な外科用器具のうちのいずれかと共に使用するための制御システム75000の論理図である。制御システム75000は制御回路を備える。制御回路は、プロセッサ75020及びメモリ75030を備えるマイクロコントローラ75040を含む。センサ75080、センサ75090、センサ71502、及びセンサアレイ71940などの1つ以上のセンサは、例えば、プロセッサ75020にリアルタイムフィードバックを提供する。制御システム75000は、電気モータ75010を制御するように構成されたモータ駆動体75050と、外科用器具の1つ以上の長手方向可動構成要素の位置を判定するように構成された追跡システム75060とを更に備える。追跡システム75060はまた、外科用器具での1つ又は2つ以上の回転構成要素の位置を判定するように構成されている。追跡システム75060は、1つ又は2つ以上の構成要素の位置を判定するようにプログラム又は構成され得る位置情報をプロセッサ75020に提供する。モータ駆動体75050は、例えばAllegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。しかしながら、追跡システム75060で使用するために、他のモータ駆動体が容易に代用され得る。絶対位置決めシステムの詳細な説明は、米国特許出願公開第2017/0296213号、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」に記載されており、この開示の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0138】
マイクロコントローラ75040は、例えば、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。少なくとも1つの例では、マイクロコントローラ75040は、例えば、その詳細が製品データシートから入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(single-cycle serial random access memory、SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、1つ又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、及び/又は周波数変調(FM)モジュール、1つ又は2つ以上の直交エンコーダ入力(quadrature encoder input、QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ又は2つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(Analog-to-Digital Converter、ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0139】
様々な例において、マイクロコントローラ75040は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを備える。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0140】
マイクロコントローラ75040は、例えば、ステープル発射部材又は閉鎖管の速度及び/又は位置を正確に制御するなど、様々な機能を実行するようにプログラムされる。マイクロコントローラ75040はまた、外科用器具のエンドエフェクタの回転速度及び位置、並びに様々な実施形態のエンドエフェクタの関節運動速度及び位置を正確に制御するようにプログラムされる。様々な例において、マイクロコントローラ75040は、マイクロコントローラ75040のソフトウェアにおける応答を計算する。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答が得られ、これが実際のフィードバックの判定に用いられる。観測された応答は、シミュレートされた応答の滑らかで連続的な性質と、測定された応答とのバランスを取る好適な調整された値であり、これはシステムに及ぼす外部の影響を検出することができる。
【0141】
モータ75010は、モータ駆動体75050によって制御される。様々な形態では、モータ75010は、例えば、およそ25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータである。他の構成では、モータ75010は、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータを含んでよい。モータ駆動体75050は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)を含むHブリッジドライバを備えてもよい。モータ駆動体75050は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってよい。A3941モータ駆動体75050は、ブラシ付きDCモータなどの誘導負荷に合わせて特別に設計された外部のNチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と共に使用するフルブリッジコントローラである。様々な例では、モータ駆動体75050は、固有の電荷ポンプレギュレータを備え、これは、全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に提供し、A3941モータ駆動体75050が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。ブートストラップコンデンサは、NチャネルのMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を提供するために用いられてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を用いて高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードにおいて、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、抵抗器で調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護される。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を指示するものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータ駆動体は、容易に代用され得る。
【0142】
追跡システム75060は、例えばセンサ75080、センサ75090、センサ71502、及びセンサアレイ71940などの1つ以上の位置センサを備える制御されたモータ駆動回路構成を備える。絶対位置決めシステム用の位置センサは、変位部材の位置に対応する固有の位置信号を提供する。本明細書で使用するとき、「変位部材」という用語は、本明細書に開示される外科用器具のいずれかの任意の可動部材を指すために一般的に使用される。様々な例において、変位部材は、直線変位又は回転変位を測定するのに好適な任意の位置センサに連結されてもよい。直線変位センサは、接触式変位センサ又は非接触式変位センサを含んでもよい。変位センサは、線形可変差動変圧器(LVDT)、差動可変リラクタンス変換器(DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学感知システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学感知システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0143】
例えば、位置センサ75080、75090、71502、及び71940は、例えば、磁界の全磁界又はベクトル成分を測定するか否かに基づいて分類される磁気センサなどの、任意の数の磁気感知素子を備えてもよい。両タイプの磁気センサを生産するために用いられる技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含んでいる。磁場検出に用いられる技術として、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、光磁気、及び微小電気機械システム系の磁気センサが挙げられる。
【0144】
様々な例において、追跡システム75060の位置センサのうちの1つ又は2つ以上は、磁気回転絶対位置決めシステムを備える。このような位置センサは、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよく、絶対位置決めシステムを提供するためにコントローラ75040とインターフェース接続することができる。特定の例では、位置センサは、低電圧及び低電力構成要素を備え、磁石に隣接して位置する位置センサの領域に4つのホール効果素子を含む。更に、高解像度ADC及びスマート電力管理コントローラがチップ上に設けられている。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、1桁毎の方法とボルダーアルゴリズム(Volder’s algorithm)でも知られる、CORDIC(座標回転デジタルコンピュータ(Coordinate Rotation Digital Computer)の略)プロセッサが提供されている。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、SPIインターフェースなどの標準的なシリアル通信インターフェースを介してコントローラ75040に伝送される。位置センサは、例えば、12ビット又は14ビットの解像度を提供することができる。位置センサは、例えば、小型のQFN16ピン4×4×0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
【0145】
追跡システム75060は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備えてもよく、かつ/又はこれを実装するようにプログラムされてもよい。電源が、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。他の例としては、電圧、電流、及び力のパルス幅変調(PWM)及び/又は周波数変調(FM)が挙げられる。位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他のセンサ(複数可)が提供されてもよい。様々な例において、他のセンサ(複数可)としては、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,345,481号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」;その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0263552号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」;及びその全内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第15/628,175号、発明の名称「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」に記載されているものなどのセンサ構成を挙げることができる。デジタル信号処理システムでは、絶対位置決めシステムはデジタルデータ取得システムに連結され、ここで絶対位置決めシステムの出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置決めシステムは、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを用いて、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れる。
【0146】
絶対位置決めシステムは、モータ75010が単に前方又は後方に経たステップの数をカウントして装置アクチュエータ、発射部材、フィーダ駆動装置、圧着駆動装置、クロージャ管などの位置を推定する従来のロータリーエンコーダで必要となり得るような、変位部材をリセット(ゼロ又はホーム)位置へ後退又は前進させることなしに、器具の電源投入時に変位部材の絶対位置を提供する。
【0147】
ひずみゲージ又は微小ひずみゲージを備えるセンサ75080は、例えば、ステープル発射ストローク中の顎部及び/又はステープル発射部材が経るひずみなどの外科用器具のエンドエフェクタの1つ以上のパラメータを測定するように構成されている。測定されたひずみは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ75020に提供される。センサ75080に加えて、又はその代わりに、例えば、負荷センサを備えるセンサ75090が、閉鎖駆動システムによって外科用器具の顎部に加えられる閉鎖力を測定することができる。様々な例において、モータ75010による電流の引き込みを測定するために、電流センサ75070を用いることができる。第1及び第2の顎部をクランプする及び/又はステープルカートリッジを発射するのに必要な力は、例えば、モータ75010によって引き出される電流に対応することができる。測定された力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ75020に提供される。磁界センサは、捕捉された組織の厚さを測定するために用いることができる。磁界センサの測定値もデジタル信号に変換されて、プロセッサ75020に提供され得る。
【0148】
組織の圧縮、組織の厚さ、及び/又はエンドエフェクタを閉鎖するために必要な力、及び/又センサによって測定されるステープル発射ストロークを実行するために必要な力の測定値は、追跡される可動部材の位置及び/又は速度を特徴付けるためにコントローラ75040によって使用され得る。少なくとも1つの例では、メモリ75030は、評価においてマイクロコントローラ75040によって用いることができる技術、等式及び/又はルックアップテーブルを記憶することができる。様々な例において、コントローラ75040は、外科用器具を動作させるべき方法の選択を、外科用器具のユーザに提供することができる。この目的のために、ディスプレイ75044は、外科用器具の様々な動作条件を表示することができ、データ入力のためのタッチスクリーン機能を含むことができる。更に、ディスプレイ75044上に表示される情報は、1つ若しくは2つ以上の内視鏡の撮像モジュール、及び/又は外科的処置の間に使用される1つ若しくは2つ以上の追加の外科用器具の撮像モジュールを介して取得された画像と重ね合わせることができる。
【0149】
上述のように、本明細書に開示される外科用器具は、制御システムを含んでもよい。制御システムの各々は、1つ若しくは2つ以上のプロセッサ及び/又はメモリデバイスを有する回路基板を備えることができる。とりわけ、制御システムは、例えば、センサデータを記憶するように構成される。これらはまた、例えば、ステープル留め器具に取り付けられたステープルカートリッジのタイプを識別するデータを記憶するように構成されている。より具体的には、ステープルカートリッジのタイプは、ステープル留め器具に取り付けられたときにセンサによって識別することができ、センサデータを制御システムに記憶できる。この情報は、ステープルカートリッジが使用するのに適しているかどうかを評価するために、制御システムによって得ることができる。
【0150】
本明細書で説明する外科用器具システムは、電気モータにより動作する。しかしながら、本明細書に記載された外科用器具システムは、任意の好適な様態で動作することができる。特定の例では、本明細書に開示されるモータは、ロボット制御式システムの1つ又は複数の部分を備えることができる。例えば、米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在は米国特許第9,072,535号は、ロボット外科用器具システムのいくつかの例をより詳細に開示しており、この開示の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。2017年5月18日公開の国際公開第2017/083125号、発明の名称「STAPLER WITH COMPOSITE CARDAN AND SCREW DRIVE」、2017年5月18日公開の国際公開第2017/083126号、発明の名称「STAPLE PUSHER WITH LOST MOTION BETWEEN RAMPS」、2015年10月8日公開の国際公開第2015/153642号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH SHIFTABLE TRANSMISSION」、2017年3月17日出願の米国特許出願公開第2017/0265954号、発明の名称「STAPLER WITH CABLE-DRIVEN ADVANCEABLE CLAMPING ELEMENT AND DUAL DISTAL PULLEYS」、2017年2月15日出願の米国特許出願公開第2017/0265865号、発明の名称「STAPLER WITH CABLE-DRIVEN ADVANCEABLE CLAMPING ELEMENT AND DISTAL PULLEY」、及び2017年3月29日出願の米国特許出願公開第2017/0290586号、発明の名称「STAPLING CARTRIDGE」は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0151】
本明細書に記載される外科用器具システムは、ステープルの展開及び変形に関連して説明されてきた。しかしながら、本明細書に記載された実施形態は、これに限定されない。例えば、クランプ又はタックなど、ステープル以外の締結要素を展開する様々な実施形態が想定される。更に、組織を封止するための任意の好適な手段を利用する、様々な実施形態も想到される。例えば、様々な実施形態によるエンドエフェクタは、組織を加熱して封止するように構成された電極を備え得る。また例えば、特定の実施形態によるエンドエフェクタは、組織を封止するために振動エネルギーを加えることができる。
【0152】
以下の開示の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
-米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、1995年4月4日に発行、
-米国特許第7,000,818号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」、2006年2月21日に発行、
-米国特許第7,422,139号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK」、2008年9月9日に発行、
-米国特許第7,464,849号、発明の名称「ELECTRO-MECHANICAL SURGICAL INSTRUMENT WITH CLOSURE SYSTEM AND ANVIL ALIGNMENT COMPONENTS」、2008年12月16日に発行、
-米国特許第7,670,334号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING AN ARTICULATING END EFFECTOR」、2010年3月2日に発行、
-米国特許第7,753,245号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」、2010年7月13日に発行、
-米国特許第8,393,514号、発明の名称「SELECTIVELY ORIENTABLE IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE」、2013年3月12日に発行、
-米国特許出願第11/343,803号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」、現在は米国特許第7,845,537号、
-米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」、2008年2月14日に出願、
-米国特許出願第12/031,873号、発明の名称「END EFFECTORS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」、2008年2月15日に出願、現在は米国特許第7,980,443号、
-米国特許出願第12/235,782号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」、現在は米国特許第8,210,411号、
-米国特許出願第12/235,972号、発明の名称「MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT」、現在は米国特許第9,050,083号、
-米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」、現在は米国特許第8,608,045号、
-2009年12月24日に出願された米国特許出願第12/647,100号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT WITH ELECTRIC ACTUATOR DIRECTIONAL CONTROL ASSEMBLY」、現在は米国特許第8,220,688号、
-米国特許出願第12/893,461号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE」、2012年9月29日に出願、現在は米国特許第8,733,613号、
-米国特許出願第13/036,647号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、2011年2月28日に出願、現在は米国特許第8,561,870号、
-米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在は米国特許第9,072,535号、
-2012年6月15日に出願された、米国特許出願第13/524049号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」、現在は、米国特許第9,101,358号、
-2013年3月13日付けで出願された米国特許出願第13/800,025号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、現在は、米国特許第9,345,481号、
2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2014/0263552号、
-米国特許出願公開第2007/0175955号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH CLOSURE TRIGGER LOCKING MECHANISM」、2006年1月31日に出願、及び
-米国特許出願公開第2010/0264194号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH AN ARTICULATABLE END EFFECTOR」、2010年4月22日に出願、現在は米国特許第8,308,040号。
【0153】
特定の実施形態と共に本明細書で様々なデバイスについて説明したが、それらの実施形態に対して修正及び変更が実施されてもよい。特定の特徴、構造又は特性を、1つ又は2つ以上の実施形態で、任意の好適な様態で組み合わせてもよい。したがって、一実施形態に関して図示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、無制限に、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と全て、あるいは、部分的に組み合わされてよい。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。更に、様々な実施形態に従って、所与の機能(複数可)を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素に置き換えてもよく、また複数の構成要素を単一の構成要素に置き換えてもよい。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正及び変形形態を全て包含することが意図される。
【0154】
本明細書に開示されるデバイスは、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整には、デバイスの分解工程、それに続くデバイスの特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後のデバイスの再組み立て工程の任意の組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。具体的には、再調整の施設及び/又は外科チームは、デバイスを分解することができ、デバイスの特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスをその後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用できることを理解するであろう。このような技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0155】
本明細書に開示のデバイスは、手術前に処理され得る。最初に、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、及び/又は高エネルギー電子などの、容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、β線、γ線、エチレンオキシド、過酸化水素プラズマ、及び/又は水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いて滅菌され得る。
【0156】
代表的な設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、又は適合を包含するものとする。
【0157】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
カートリッジ顎部であって、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納されたステープルとを含む、カートリッジ顎部と、
ステープル発射システムであって、
電気モータと、
前記電気モータと通信するモータ制御システムであって、前記電気モータの速度を制御するように構成されている、モータ制御システムと、
前記電気モータによってステープル発射ストロークにわたって移動可能であり、前記ステープルを前記カートリッジ本体から排出する発射部材とを含む、ステープル発射システムと、
アンビル顎部であって、
前記ステープル発射ストローク中に前記ステープルを変形させるように構成されたステープル成形ポケットであって、各前記ステープル成形ポケットが、前記ステープルを変形させるように構成されている、ステープル成形ポケットと、
前記モータ制御システムと通信する各前記ステープル成形ポケットの電気トレースであって、前記モータ制御システムは、前記ステープルが前記ステープル成形ポケットを逃したときを検出するように構成され、前記ステープルが前記ステープル成形ポケットを逃したときに、前記モータ制御システムが前記電気モータを減速させるように構成されている、電気トレースと、を含む、アンビル顎部と、を備える外科用器具。
(2) 前記モータ制御システムは、第2の前記ステープルがステープル成形ポケットを逃したことを前記モータ制御システムが検出すると、いっそう更に前記電気モータを減速させるように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記モータ制御システムは、第3の前記ステープルがステープル成形ポケットを逃したことを前記モータ制御システムが検出すると、前記電気モータを停止するように構成されている、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 前記アンビル顎部が、組織圧縮面と、前記組織圧縮面に取り付けられた可撓性基材とを更に備え、前記電気トレースが前記可撓性基材に埋め込まれている、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記モータ制御システムは、前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったときを検出するように構成され、前記モータ制御システムは、前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったときに、前記電気モータを減速させるように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
【0158】
(6) 前記モータ制御システムは、第2の前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出すると、いっそう更に前記電気モータを減速させるように構成されている、実施態様5に記載の外科用器具。
(7) 前記モータ制御システムは、第3の前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出すると、前記電気モータを停止するように構成されている、実施態様6に記載の外科用器具。
(8) 外科用器具であって、
カートリッジ顎部であって、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納されたステープルとを含む、カートリッジ顎部と、
ステープル発射システムであって、
電気モータと、
前記電気モータと通信するモータ制御システムであって、前記電気モータの速度を制御するように構成されている、モータ制御システムと、
前記電気モータによってステープル発射ストロークにわたって移動可能であり、前記ステープルを前記カートリッジ本体から排出する発射部材とを備える、ステープル発射システムと、
アンビル顎部であって、
前記ステープル発射ストローク中に前記ステープルを変形させるように構成されたステープル成形ポケットであって、各前記ステープル成形ポケットが、前記ステープルを変形させるように構成されている、ステープル成形ポケットと、
前記モータ制御システムと通信する電気回路であって、前記モータ制御システムは、前記ステープルが前記電気回路を介して前記アンビル顎部に接して不恰好となったときを検出するように構成され、前記モータ制御システムは、前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったときに、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを減速させるように構成されている、電気回路と、を備える、アンビル顎部と、を備える、外科用器具。
(9) 前記モータ制御システムは、第2の前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出すると、いっそう更に前記電気モータを減速させるように構成されている、実施態様8に記載の外科用器具。
(10) 前記モータ制御システムは、第3の前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出すると、前記電気モータを停止するように構成されている、実施態様9に記載の外科用器具。
【0159】
(11) 前記ステープルが、前記ステープル発射ストローク中に前記電気回路に接触するように構成されている、実施態様9に記載の外科用器具。
(12) 前記電気回路は、前記ステープルが前記ステープル成形ポケットに入ったかどうかを検出するように構成されたホール効果センサを備える、実施態様9に記載の外科用器具。
(13) 前記モータ制御システムが、前記電気モータの前記速度を制御するように構成されたパルス幅変調制御回路を含む、実施態様9に記載の外科用器具。
(14) 前記モータ制御システムが、前記電気モータの前記速度を制御するように構成された周波数変調制御回路を含む、実施態様9に記載の外科用器具。
(15) 外科用器具であって、
カートリッジ顎部であって、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納されたステープルとを含む、カートリッジ顎部と、
ステープル発射システムであって、
電気モータと、
前記電気モータと通信するモータ制御システムであって、前記電気モータの速度を制御するように構成されている、モータ制御システムと、
前記電気モータによってステープル発射ストロークにわたって移動可能であり、前記ステープルを前記カートリッジ本体から排出する発射部材とを備える、ステープル発射システムと、
アンビル顎部であって、
前記ステープル発射ストローク中に前記ステープルを変形させるように構成されたステープル成形ポケットであって、各前記ステープル成形ポケットが、前記ステープルを変形させるように構成されている、ステープル成形ポケットと、
前記モータ制御システムと通信する電気回路であって、前記ステープルが前記ステープル発射ストローク中に前記カートリッジ本体から排出されるときに前記ステープルが前記電気回路と接触するように、前記ステープルが前記電気回路と位置合わせされ、前記モータ制御システムは、所定の数の前記ステープルが前記電気回路を介して前記アンビル顎部に接して不恰好となったときを検出するように構成され、前記モータ制御システムは、前記所定の数の前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったときに、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを減速させるように構成されている、電気回路と、を備える、アンビル顎部と、を備える、外科用器具。
【0160】
(16) 前記アンビルが金属フレームを含み、前記ステープル成形ポケットが前記金属フレームに画定され、前記電気回路が、前記金属フレームに取り付けられたフレックス回路の一部である、実施態様15に記載の外科用器具。
(17) 前記フレックス回路が、前記電気回路を前記モータ制御システムと電気的に通信させるように配置するよう構成された電気コネクタを含む、実施態様16に記載の外科用器具。
(18) 外科用器具であって、
カートリッジ顎部であって、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納されたステープルとを含む、カートリッジ顎部と、
ステープル発射システムであって、
電気モータと、
前記電気モータと通信するモータ制御システムであって、前記電気モータの速度を制御するように構成されている、モータ制御システムと、
前記電気モータによってステープル発射ストロークにわたって移動可能であり、前記ステープルを前記カートリッジ本体から排出する発射部材とを含む、ステープル発射システムと、
アンビル顎部であって、
前記ステープル発射ストローク中に前記ステープルを変形させるように構成されたステープル成形ポケットであって、前記ステープル成形ポケットが、前記ステープルの第1の脚部を受容するように構成された第1の成形カップと、前記ステープルの第2の脚部を受容するように構成された第2の成形カップと、を備える、ステープル成形ポケットと、
前記モータ制御システムと通信する第1の電気回路であって、前記第1の電気回路が前記第1の成形カップ内に延在し、前記モータ制御システムは、前記ステープルの前記第1の脚部が前記ステープル発射ストローク中に適切に変形されているかを検出するように構成されている、第1の電気回路と、
前記モータ制御システムと通信する第2の電気回路であって、前記第2の電気回路が前記第2の成形カップ内に延在し、前記モータ制御システムは、前記ステープルの前記第2の脚部が前記ステープル発射ストローク中に適切に変形されているかを検出するように構成され、前記モータ制御システムは、前記第1の脚部及び前記第2の脚部の1つが適切に成形されていないことを前記モータ制御システムが検出すると、前記電気モータを減速させるように構成されている、第2の電気回路と、を備える、アンビル顎部と、を備える、外科用器具。
(19) 前記ステープルの前記第1の脚部及び前記第2の脚部の両方が適切に成形されていないときに、モータ制御システムが前記電気モータをいっそう更に減速させるように構成されている、実施態様18に記載の外科用器具。
(20) 外科用器具であって、
カートリッジ顎部であって、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納されたステープルであって、近位ステープル、中間ステープル、及び遠位ステープルを含む、ステープルと、を含む、カートリッジ顎部と、
ステープル発射システムであって、
電気モータと、
前記電気モータと通信するモータ制御システムであって、前記電気モータの速度を制御するように構成されている、モータ制御システムと、
前記電気モータによってステープル発射ストロークにわたって移動可能であり、前記ステープルを前記カートリッジ本体から排出する発射部材とを備える、ステープル発射システムと、
アンビル顎部であって、
前記ステープル発射ストローク中に前記ステープルを変形させるように構成された近位ステープル成形ポケットの近位群であって、各前記近位ステープル成形ポケットは、前記近位ステープルを変形させるように構成され、前記モータ制御システムは、所定の数の前記近位ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出すると、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを減速させるように構成されている、近位群と、
前記ステープル発射ストローク中に前記ステープルを変形させるように構成された近位ステープル成形ポケットの中間群であって、各前記中間ステープル成形ポケットは、前記中間ステープルを変形させるように構成され、前記中間群は、前記近位群に対して遠位であり、前記モータ制御システムは、所定の数の前記中間ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出すると、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを減速させるように構成されている、中間群と、
前記ステープル発射ストローク中に前記ステープルを変形させるように構成された近位ステープル成形ポケットの遠位群であって、各前記遠位ステープル成形ポケットは、前記遠位ステープルを変形させるように構成され、前記遠位群は、前記中間群に対して遠位であり、前記モータ制御システムは、所定の数の前記遠位ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出すると、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを減速させるように構成されている、遠位群と、を含む、アンビル顎部と、を含む、外科用器具。
【0161】
(21) 前記モータ制御システムは、所定の数の前記近位ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出したときに、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを第1の速度に減速させるように構成され、前記モータ制御システムは、所定の数の前記中間ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出したときに、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを第2の速度に減速させるように構成され、前記第1の速度は、前記第2の速度とは異なる、実施態様20に記載の外科用器具。
(22) 前記モータ制御システムは、所定の数の前記遠位ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出したときに、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを第3の速度に減速させるように構成され、前記第3の速度が前記第1の速度及び前記第2の速度と異なる、実施態様21に記載の外科用器具。
(23) 前記モータ制御システムは、所定の数の前記中間ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出したときに、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを第1の速度に減速させるように構成され、前記モータ制御システムは、所定の数の前記遠位ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出したときに、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを第2の速度に減速させるように構成され、前記第1の速度は、前記第2の速度とは異なる、実施態様20に記載の外科用器具。
(24) 前記近位ステープルが第1の構成を含み、前記中間ステープルが第2の構成を含み、前記遠位ステープルが第3の構成を含み、前記第1の構成、前記第2の構成、及び前記第3の構成が異なる、実施態様20に記載の外科用器具。
(25) 前記近位ステープルが第1の構成を含み、前記中間ステープルが第2の構成を含み、前記遠位ステープルが第3の構成を含み、前記第1の構成、前記第2の構成、及び前記第3の構成が同じである、実施態様20に記載の外科用器具。
【0162】
(26) 外科用器具であって、
カートリッジ顎部であって、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納されたステープルであって、近位ステープル及び遠位ステープルを含む、ステープルと、を含む、カートリッジ顎部と、
ステープル発射システムであって、
電気モータと、
前記電気モータと通信するモータ制御システムであって、前記電気モータの速度を制御するように構成されている、モータ制御システムと、
前記電気モータによってステープル発射ストロークにわたって移動可能であり、前記ステープルを前記カートリッジ本体から排出する発射部材とを備える、ステープル発射システムと、
アンビル顎部であって、
前記ステープル発射ストローク中に前記ステープルを変形させるように構成された近位ステープル成形ポケットの近位ゾーンであって、各前記近位ステープル成形ポケットが、前記近位ステープルを変形させるように構成されている、近位ゾーンと、
前記ステープル発射ストローク中に前記ステープルを変形させるように構成された近位ステープル成形ポケットの遠位ゾーンであって、各前記遠位ステープル成形ポケットは、前記遠位ステープルを変形させるように構成され、前記遠位ゾーンは、前記近位ゾーンに対して遠位であり、前記モータ制御システムは、前記近位ステープルと前記遠位ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出すると、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを減速させるように構成されている、遠位ゾーンと、を含む、アンビル顎部と、を備える、外科用器具。
(27) 前記近位ステープルが第1の構成を有し、前記遠位ステープルが第2の構成を有し、前記第1の構成及び前記第2の構成が異なる、実施態様26に記載の外科用器具。
(28) 前記近位ステープルが第1の構成を有し、前記遠位ステープルが第2の構成を有し、前記第1の構成及び前記第2の構成が同じである、実施態様26に記載の外科用器具。
(29) 外科用器具であって、
カートリッジ顎部であって、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納されたステープルであって、第1のステープルの長手方向列及び第2のステープルの長手方向列を含む、ステープルと、を備える、カートリッジ顎部と、
ステープル発射システムであって、
電気モータと、
前記電気モータと通信するモータ制御システムであって、前記電気モータの速度を制御するように構成されている、モータ制御システムと、
前記電気モータによってステープル発射ストロークにわたって移動可能であり、前記ステープルを前記カートリッジ本体から排出する発射部材と、を含む、ステープル発射システムと、
アンビル顎部であって、
前記ステープル発射ストローク中に前記第1のステープルを変形させるように構成された第1のステープル成形ポケットの長手方向列と、
前記ステープル発射ストローク中に前記第2のステープルを変形させるように構成された第2のステープル成形ポケットの長手方向列と、を含む、アンビル顎部と、
第1のステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったときを検出し、第2のステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったときを検出するための手段であって、前記手段が前記モータ制御システムと通信し、前記モータ制御システムは、前記第1のステープル及び前記第2のステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったことを前記モータ制御システムが検出すると、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを減速させるように構成されている、手段と、を含む、外科用器具。
(30) 前記第1のステープルが第1の構成を有し、前記第2のステープルが第2の構成を有し、前記第1の構成及び前記第2の構成が異なる、実施態様29に記載の外科用器具。
【0163】
(31) 前記第1のステープルが第1の構成を有し、前記遠位ステープルが第2の構成を有し、前記第1の構成及び前記第2の構成が同じである、実施態様29に記載の外科用器具。
(32) 外科用器具であって、
カートリッジ顎部であって、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納されたステープルとを含む、カートリッジ顎部と、
ステープル発射システムであって、
電気モータと、
前記電気モータと通信するモータ制御システムであって、前記電気モータの速度を制御するように構成されている、モータ制御システムと、
前記電気モータによってステープル発射ストロークにわたって移動可能であり、前記ステープルを前記カートリッジ本体から排出する発射部材と、を含む、ステープル発射システムと、
前記ステープル発射ストローク中に前記ステープルを変形させるように構成されたステープル成形ポケットを備えるアンビル顎部であって、各前記ステープル成形ポケットは、前記ステープルを変形させるように構成されている、アンビル顎部と、
前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったときを検出し、前記ステープルが前記アンビル顎部を逃したときを検出するための手段であって、前記モータ制御システムは、前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったときに、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを減速させ、前記ステープルが前記アンビル顎部を逃したときに、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを減速させるように構成されている、手段と、を備える、外科用器具。
(33) 前記モータ制御システムが、前記電気モータの前記速度を制御するように構成されたパルス幅変調制御回路を含む、実施態様32に記載の外科用器具。
(34) 前記モータ制御システムが、前記電気モータの前記速度を制御するように構成された周波数変調制御回路を含む、実施態様32に記載の外科用器具。
(35) 前記モータ制御システムは、前記電気モータによって引き込まれた前記電流のスパイクを検出し、前記検出された電流スパイクの大きさを、予期された電流スパイクの大きさと比較し、前記検出された電流スパイクの大きさと前記予期された電流スパイクの大きさとの間の差が所定の閾値を超える場合、前記電気モータを減速させるように構成された電流センサ回路を備える、実施態様32に記載の外科用器具。
【0164】
(36) 前記モータ制御システムは、2つの連続した検出された電流スパイクが前記所定の閾値を超えた後に前記電気モータを減速させるように構成されている、実施態様35に記載の外科用器具。
(37) 前記モータ制御システムは、3つの連続した検出された電流スパイクが前記所定の閾値を超えた後に前記電気モータを減速させるように構成されている、実施態様35に記載の外科用器具。
(38) 前記モータ制御システムは、第1の検出された電流スパイクが第1の予期された電流スパイクを上回る第1の閾値を超え、第2の検出された電流スパイクが、第2の予期された電流スパイクを上回る第2の閾値を超えた後に、前記電気モータを減速するよう構成されている、実施態様35に記載の外科用器具。
(39) 前記第1の予期された電流スパイク及び前記第2の検出された電流スパイクが異なる大きさを有する、実施態様38に記載の外科用器具。
(40) 前記第1の閾値が、前記第2の閾値とは異なる、実施態様38に記載の外科用器具。
【0165】
(41) 外科用器具であって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、前記第1の顎部が、前記第2の顎部に対して回転可能である、第2の顎部と、
組織切断システムであって、
電気モータと、
前記電気モータと通信するモータ制御システムであって、前記電気モータの速度を制御するように構成されている、モータ制御システムと、
前記電気モータによってステープル発射ストロークにわたって移動可能であり、前記ステープルを前記カートリッジ本体から排出する発射部材と、を含む、組織切断システムと、
前記ステープル発射ストローク中に前記ステープルを変形させるように構成されたステープル成形ポケットを備えるアンビル顎部であって、各前記ステープル成形ポケットは、前記ステープルを変形させるように構成されている、アンビル顎部と、
前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったときを検出し、前記ステープルが前記アンビル顎部を逃したときを検出するための手段であって、前記モータ制御システムは、前記ステープルが前記アンビル顎部に接して不恰好となったときに、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを減速させ、前記ステープルが前記アンビル顎部を逃したときに、前記電気モータ及び前記ステープル発射ストロークを減速させるように構成されている、手段と、を備える、外科用器具。
(42) 外科用器具であって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、顎部閉鎖ストローク中に、前記第1の顎部が、クランプ解除位置からクランプ位置へと前記第2の顎部に向かって移動可能である、第2の顎部と、
閉鎖システムであって、
閉鎖モータと、
前記閉鎖モータに動作可能に連結された閉鎖部材であって、前記閉鎖モータによって前記顎部閉鎖ストロークにわたって移動可能であり、前記第1の顎部を前記クランプ位置に移動させ、前記第1の顎部と前記第2の顎部との間に捕捉された組織にクランプ圧力を加える、閉鎖部材と、を備える、閉鎖システムと、
組織切断システムであって、
駆動モータと、
前記駆動モータに動作可能に連結された切断部材であって、前記第1の顎部が前記クランプ位置に移動された後に、前記切断部材が前記駆動モータによって組織切断ストロークにわたって移動可能であり、前記第1の顎部と前記第2の顎部との間に捕捉された前記組織を切断し、前記外科用器具が、第2の組織切断ストロークを実行するように再利用可能である、切断部材と、を備える、組織切断システムと、
前記閉鎖モータ及び前記駆動モータと通信するモータ制御システムであって、前記モータ制御システムが、前記閉鎖モータ及び前記駆動モータの動作を制御するように構成され、前記モータ制御システムは、前記組織切断ストローク中に前記第1の顎部によって加えられる前記クランプ圧力と比較して、前記第2の組織切断ストローク中に前記第1の顎部によって加えられる前記クランプ圧力を増加させるように構成されている、モータ制御システムと、を備える、外科用器具。
(43) 前記モータ制御システムが、前記第2の組織切断ストローク中に前記第1の顎部によって加えられる前記クランプ圧力を増加させるために、前記組織切断ストロークと比較して、前記第2の組織切断ストローク中に前記顎部閉鎖ストロークを増加させるように構成されている、実施態様42に記載の外科用器具。
(44) 前記モータ制御システムが、前記第2の組織切断ストローク中に前記駆動モータの速度を低下させるように構成されている、実施態様43に記載の外科用器具。
(45) 前記外科用器具が、第3の組織切断ストロークを実行するために再利用可能であり、前記モータ制御システムが、前記第2の組織切断ストローク中に前記第1の顎部によって加えられる前記クランプ圧力と比較して、前記第3の組織切断ストローク中に前記第1の顎部によって加えられる前記クランプ圧力を増加するように構成されている、実施態様42に記載の外科用器具。
【0166】
(46) 前記モータ制御システムが、前記第3の組織切断ストローク中に前記顎部閉鎖ストロークを増加させ、前記第3の組織切断ストローク中に前記第1の顎部によって加えられる前記クランプ圧力を増加させるように構成されている、実施態様45に記載の外科用器具。
(47) 外科用器具であって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、顎部閉鎖ストローク中に、前記第1の顎部が、クランプ解除位置からクランプ位置へと前記第2の顎部に向かって移動可能である、第2の顎部と、
閉鎖システムであって、
閉鎖モータと、
前記閉鎖モータにより駆動可能な閉鎖部材であって、前記閉鎖モータによって前記顎部閉鎖ストロークにわたって移動可能であり、前記第1の顎部を前記クランプ位置に移動させ、前記第1の顎部と前記第2の顎部との間に捕捉された組織にクランプ圧力を加える、閉鎖部材と、を備える、閉鎖システムと、
組織切断システムであって、
駆動モータと、
前記駆動モータにより駆動可能な切断部材であって、前記第1の顎部が前記クランプ位置に移動された後に、前記切断部材が前記駆動モータによって組織切断ストロークにわたって移動可能であり、前記第1の顎部と前記第2の顎部との間に捕捉された前記組織を切断し、前記外科用器具が、後続の組織切断ストロークを実行するように再利用可能である、切断部材と、を備える、組織切断システムと、
前記閉鎖モータ及び前記駆動モータと通信するモータ制御システムであって、前記モータ制御システムが、前記閉鎖モータ及び前記駆動モータの動作を制御するように構成され、前記モータ制御システムは、前記組織切断ストローク中に前記第1の顎部によって加えられる前記クランプ圧力と比較して、前記後続の組織切断ストローク中に前記第1の顎部によって加えられる前記クランプ圧力を増加させるように構成されている、モータ制御システムと、を備える、外科用器具。
(48) 前記モータ制御システムが、前記後続の組織切断ストローク中に前記第1の顎部によって加えられる前記クランプ圧力を増加させるために、前記組織切断ストロークと比較して、前記後続の組織切断ストローク中に前記顎部閉鎖ストロークを増加させるように構成されている、実施態様47に記載の外科用器具。
(49) 前記モータ制御システムが、前記後続の組織切断ストローク中に前記駆動モータの速度を低下させるように構成されている、実施態様48に記載の外科用器具。
(50) 外科用器具であって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、顎部閉鎖ストローク中に、前記第1の顎部が、クランプ解除位置からクランプ位置へと前記第2の顎部に向かって移動可能である、第2の顎部と、
閉鎖システムであって、
閉鎖モータと、
前記閉鎖モータにより駆動可能な閉鎖部材であって、前記閉鎖モータによって前記顎部閉鎖ストロークにわたって移動可能であり、前記第1の顎部を前記クランプ位置に移動させ、前記第1の顎部と前記第2の顎部との間に捕捉された組織にクランプ圧力を加える、閉鎖部材と、を備える、閉鎖システムと、
組織切断システムであって、
駆動モータと、
前記駆動モータによって駆動可能な切断部材であって、前記第1の顎部が前記クランプ位置に移動された後に、前記第1の顎部と前記第2の顎部との間に捕捉された前記組織を切断するために、前記駆動モータによって組織切断ストロークにわたって移動可能である、切断部材と、を備える、組織切断システムと、
前記組織切断ストローク中に前記切断部材によって加えられる前記切断力を検出するための検出手段と、
前記閉鎖モータ、前記駆動モータ、及び前記検出手段と通信するモータ制御システムであって、前記モータ制御システムが、前記閉鎖モータ及び前記駆動モータの動作を制御するように構成され、前記モータ制御システムは、前記検出手段が所定の閾値を上回る前記切断力の増加を検出すると、前記組織切断ストローク中に前記第1の顎部によって加えられる前記クランプ圧力を増加させるように構成されている、モータ制御システムと、を備える、外科用器具。
【0167】
(51) 前記モータ制御システムが、前記組織切断ストローク中に前記顎部閉鎖ストロークを増加させ、前記組織切断ストローク中に前記第1の顎部によって加えられる前記クランプ圧力を増加させるように構成されている、実施態様50に記載の外科用器具。
(52) 前記モータ制御システムは、前記顎部閉鎖ストロークが増加すると、前記駆動モータの速度を低下させるように構成されている、実施態様51に記載の外科用器具。
(53) 前記モータ制御システムが、前記駆動モータの前記速度を制御するように構成されたパルス幅変調回路を備える、実施態様52に記載の外科用器具。
(54) 前記検出手段が、前記駆動モータによって引き込まれた前記電流を検出するように構成された電流センサを備える、実施態様50に記載の外科用器具。
(55) 外科用器具であって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、顎部閉鎖ストローク中に、前記第1の顎部が、クランプ解除位置からクランプ位置へと前記第2の顎部に向かって移動可能である、第2の顎部と、
閉鎖システムであって、
閉鎖モータと、
前記閉鎖モータにより駆動可能な閉鎖部材であって、前記閉鎖モータによって前記顎部閉鎖ストロークにわたって移動可能であり、前記第1の顎部を前記クランプ位置に移動させ、前記第1の顎部と前記第2の顎部との間に捕捉された組織にクランプ圧力を加える、閉鎖部材と、を備える、閉鎖システムと、
組織切断システムであって、
駆動モータと、
前記駆動モータによって駆動可能な切断部材であって、前記第1の顎部が前記クランプ位置に移動された後に、前記第1の顎部と前記第2の顎部との間に捕捉された前記組織を切断するために、前記駆動モータによって組織切断ストロークにわたって移動可能である、切断部材と、を備える、組織切断システムと、
前記組織切断ストローク中に前記切断部材によって加えられる前記切断力を感知するよう構成されたセンサ回路と、
前記閉鎖モータ、前記駆動モータ、及び前記センサ回路と通信するモータ制御システムであって、前記モータ制御システムが、前記閉鎖モータ及び前記駆動モータの動作を制御するように構成され、前記モータ制御システムは、前記センサ回路によって感知された前記切断力を切断力プロファイルと比較するように構成され、前記モータ制御システムが前記切断力プロファイルを上回る前記感知された切断力の増加を検出すると、前記組織切断ストローク中に前記第1の顎部によって加えられる前記クランプ圧力を増加させるように構成されている、モータ制御システムと、を備える、外科用器具。
【0168】
(56) 前記モータ制御システムが、前記組織切断ストローク中に前記顎部閉鎖ストロークを増加させ、前記組織切断ストローク中に前記第1の顎部によって加えられる前記クランプ圧力を増加させるように構成されている、実施態様55に記載の外科用器具。
(57) 前記モータ制御システムは、前記顎部閉鎖ストロークが増加すると、前記駆動モータの速度を低下させるように構成されている、実施態様55に記載の外科用器具。
(58) 前記モータ制御システムが、前記駆動モータの前記速度を制御するように構成されたパルス幅変調回路を備える、実施態様57に記載の外科用器具。
(59) 外科用器具であって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、顎部閉鎖ストローク中に、前記第1の顎部が、クランプ解除位置からクランプ位置へと前記第2の顎部に向かって移動可能である、第2の顎部と、
閉鎖システムであって、
閉鎖モータと、
前記閉鎖モータにより駆動可能な閉鎖部材であって、前記閉鎖モータによって前記顎部閉鎖ストロークにわたって移動可能であり、前記第1の顎部を前記クランプ位置に移動させ、前記第1の顎部と前記第2の顎部との間に捕捉された組織にクランプ圧力を加える、閉鎖部材と、を備える、閉鎖システムと、
組織切断システムであって、
駆動モータと、
前記駆動モータによって駆動可能な切断部材であって、前記第1の顎部が前記クランプ位置に移動された後に、前記第1の顎部と前記第2の顎部との間に捕捉された前記組織を切断するために、前記駆動モータによって組織切断ストロークにわたって移動可能である、切断部材と、を備える、組織切断システムと、
前記第1の顎部と前記第2の顎部との中間に位置付けられた植え込み式の付属物の存在を検出するように構成されたセンサ回路と、
前記閉鎖モータ、前記駆動モータ、及び前記センサ回路と通信するモータ制御システムであって、前記モータ制御システムが、前記閉鎖モータ及び前記駆動モータの動作を制御するように構成され、前記モータ制御システムは、前記センサ回路が前記第1の顎部と前記第2の顎部の中間にある植え込み式の付属物の存在を検出すると、前記組織切断ストローク中に前記第1の顎部によって加えられる前記クランプ圧力を増加させるように構成されている、モータ制御システムと、を備える、外科用器具。
(60) 前記第1の顎部に位置付けられているステープルカートリッジを更に備え、前記ステープルカートリッジが、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納されたステープルと、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に取り付けられた植え込み式の付属物と、を備える、実施態様59に記載の外科用器具。
【0169】
(61) 前記第2の顎部に位置付けられているステープルカートリッジを更に備え、前記ステープルカートリッジが、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納されたステープルと、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に取り付けられた植え込み式の付属物と、を備える、実施態様59に記載の外科用器具。
(62) 前記第1の顎部に解放可能に取り付けられた植え込み式の付属物を更に備える、実施態様59に記載の外科用器具。
(63) 前記第2の顎部に解放可能に取り付けられた植え込み式の付属物を更に備える、実施態様59に記載の外科用器具。
(64) 前記モータ制御システムは、前記顎部閉鎖ストロークが増加すると、前記駆動モータの速度を低下させるように構成されている、実施態様59に記載の外科用器具。
(65) 前記モータ制御システムが、前記駆動モータの前記速度を制御するように構成されたパルス幅変調回路を備える、実施態様64に記載の外科用器具。
【0170】
(66) 前記センサ回路が、前記植え込み式の付属物と接触するように構成された電極を備える、実施態様59に記載の外科用器具。
(67) 前記電極が、前記第1の顎部に位置付けられている、実施態様66に記載の外科用器具。
(68) 前記センサ回路が、前記植え込み式の付属物の近くに位置付けられるように構成された電極を備える、実施態様59に記載の外科用器具。
(69) 前記第1の顎部が、ステープル成形ポケットを含むアンビルを含み、前記電極が、前記ステープル成形ポケットに位置付けられている、実施態様68に記載の外科用器具。
(70) 外科用器具であって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、顎部閉鎖ストローク中に、前記第1の顎部が、クランプ解除位置からクランプ位置へと前記第2の顎部に向かって移動可能である、第2の顎部と、
閉鎖システムであって、
閉鎖モータと、
前記閉鎖モータにより駆動可能な閉鎖部材であって、前記閉鎖モータによって前記顎部閉鎖ストロークにわたって移動可能であり、前記第1の顎部を前記クランプ位置に移動させ、前記第1の顎部と前記第2の顎部との間に捕捉された組織にクランプ圧力を加える、閉鎖部材と、を備える、閉鎖システムと、
組織切断システムであって、
駆動モータと、
前記駆動モータによって駆動可能な切断部材であって、前記第1の顎部が前記クランプ位置に移動された後に、前記第1の顎部と前記第2の顎部との間に捕捉された前記組織を切断するために、前記駆動モータによって組織切断ストロークにわたって移動可能である、切断部材と、を備える、組織切断システムと、
前記第1の顎部と前記第2の顎部との中間に位置付けられた植え込み式の付属物の存在を検出するように構成されたセンサ回路と、
前記閉鎖モータ、前記駆動モータ、及び前記センサ回路と通信するモータ制御システムであって、前記モータ制御システムが、前記閉鎖モータ及び前記駆動モータの動作を制御するように構成され、前記モータ制御システムは、前記センサ回路が前記第1の顎部と前記第2の顎部の中間にある植え込み式の付属物の存在を検出すると、前記駆動モータ及び前記組織切断ストロークの速度を低下させるように構成されている、モータ制御システムと、を備える、外科用器具。
【0171】
(71) 前記第1の顎部に位置付けられているステープルカートリッジを更に備え、前記ステープルカートリッジが、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納されたステープルと、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に取り付けられた植え込み式の付属物と、を備える、実施態様70に記載の外科用器具。
(72) 前記第2の顎部に位置付けられているステープルカートリッジを更に備え、前記ステープルカートリッジが、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に格納されたステープルと、
前記カートリッジ本体に取り外し可能に取り付けられた植え込み式の付属物と、を備える、実施態様70に記載の外科用器具。
(73) 前記第1の顎部に解放可能に取り付けられた植え込み式の付属物を更に備える、実施態様70に記載の外科用器具。
(74) 前記第2の顎部に解放可能に取り付けられた植え込み式の付属物を更に備える、実施態様70に記載の外科用器具。
(75) 前記モータ制御システムが、前記駆動モータの前記速度を制御するように構成されたパルス幅変調回路を備える、実施態様70に記載の外科用器具。
【0172】
(76) 前記モータ制御システムが、前記駆動モータの前記速度を制御するように構成された周波数変調回路を備える、実施態様70に記載の外科用器具。
(77) 前記センサ回路が、前記植え込み式の付属物と接触するように構成された電極を備える、実施態様70に記載の外科用器具。
(78) 前記電極は、前記第1の顎部に位置付けられている、実施態様77に記載の外科用器具。
(79) 前記センサ回路が、前記植え込み式の付属物の近くに位置付けられるように構成された電極を備える、実施態様70に記載の外科用器具。
(80) 前記第1の顎部が、ステープル成形ポケットを含むアンビルを含み、前記電極が、前記ステープル成形ポケットに位置付けられている、実施態様79に記載の外科用器具。