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特許7328247電子メール同期およびワークフローシステムにおける自動化された通信
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】電子メール同期およびワークフローシステムにおける自動化された通信
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/00 20220101AFI20230808BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20230808BHJP
【FI】
H04L51/00
G06Q10/06
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020554869
(86)(22)【出願日】2019-04-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 US2019026917
(87)【国際公開番号】W WO2019200052
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-02-09
(31)【優先権主張番号】15/950,370
(32)【優先日】2018-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520383658
【氏名又は名称】アウトリーチ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン エル.ヘンプトン
(72)【発明者】
【氏名】ウェスリー アール.ヘザー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー エス.キンザー
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル エー.メディナ
【審査官】中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-270011(JP,A)
【文献】特開平10-190728(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101729448(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0161788(US,A1)
【文献】特開2010-152538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/00
G06Q 10/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザと複数の知られた見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステムであって、
前記複数の知られた見込み客に関する情報を含むデータベースであって、前記データベースは、複数のユーザに関する情報を含む、該データベースと、
それぞれのユーザと関連付けられた複数の電子メール受信トレイを有する、電子メール同期モジュールであって、前記複数の電子メール受信トレイの各電子メール受信トレイは、前記複数の知られた見込み客からの電子メールメッセージを含む、複数の電子メールメッセージを受信することが可能であり、前記電子メール同期モジュールは、それが受信されたときに、前記複数の電子メールメッセージのある電子メールメッセージからメタデータを抽出するように構成され、
前記電子メール同期モジュールは、前記複数のユーザの1人または複数のユーザが、前記電子メールメッセージと関連付けられるかどうかを決定し、関連付けられる場合、前記メタデータと、前記ユーザに関する前記データベースに記憶された情報との比較に基づいて、前記複数のユーザの前記1人または複数のどのユーザが前記電子メールメッセージと関連付けられるかを決定するように構成され、
前記電子メール同期モジュールは、前記1人または複数の見込み客が、前記電子メールメッセージと関連付けられるかどうかを決定するように構成され、および、知られた見込み客に対応する前記データベース内に記憶された電子メールアドレスに一致する電子メールアドレスについての前記メタデータを検査することによって、また一致が見つけられない場合、前記電子メールメッセージの送信者の名前が、前記知られた見込み客の名前と一致するかどうか、または前記メタデータが、前記知られた見込み客と関連付けられた前記データベース内に記憶された情報に対応する参照を含む、電子メールスレッドを含むかどうかを決定することによって、どの見込み客が前記電子メールメッセージと関連付けられるかを識別するように構成され、
前記電子メールメッセージが前記複数の知られた見込み客のある見込み客と関連付けられると決定された場合、前記電子メールメッセージについての分類にマッピングするために、条件の順序セットを有するルールベースの分類モジュールを使用し、前記ルールベースの分類モジュールは、前記データベース内に記憶されたメッセージIDに対応するデータを探し、対応するメッセージIDが見つかった場合、前記電子メールメッセージを返信として分類するように構成され、前記ルールベースの分類モジュールは、前記データベース内に記憶されたテキストメタデータに対応するデータを探し、対応するテキストメタデータが見つかった場合、前記電子メールメッセージを返信として分類するように構成され、前記ルールベースの分類モジュールは、以前のメッセージ配信に対応する同一の件名および受信者に一致するデータを探し、そのような同一の件名および受信者が見つかった場合、前記電子メールメッセージを返信として分類するように構成され、
前記電子メールメッセージが前記複数の知られた見込み客と関連付けられないと決定された場合、前記電子メールメッセージの内容を記憶せずに、前記電子メールメッセージに関する前記メタデータを記憶する、該電子メール同期モジュールと、および、
各メッセージIDが前記データベース内に1回だけ存在することを保証するように、前記データベース内に前記複数の電子メールメッセージを記憶するための重複排除モジュールと、
を備えたことを特徴とする複数のユーザと複数の知られた見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項2】
前記電子メールメッセージに関する自動化された処理のためのプログラム可能なトリガを提供するように構成された、ワークフローおよび自動化モジュールであって、前記プログラム可能なトリガは、前記電子メールメッセージと関連付けられた前記メタデータまたは他の情報に応答して動作し、複数の前記プログラム可能なトリガは、ユーザによって構成された組合せで、論理的に条件付けられることができ、論理的条件の前記組合せが、真である場合、前記ワークフローおよび自動化モジュールは、前記プログラム可能なトリガと関連付けられた1つまたは複数のアクションを実行するように構成された、該ワークフローおよび自動化モジュール
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の複数のユーザと複数の知られた見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項3】
前記プログラム可能なトリガは、配信された電子メール、返信された電子メール、バウンスされた電子メール、および外出中としてマークされた電子メールからなる群から選択されるトリガを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の複数のユーザと複数の知られた見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項4】
前記プログラム可能なトリガは、前記ルールベースの分類モジュールによる前記電子メールメッセージについての前記分類に関するデータを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の複数のユーザと複数の知られた見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項5】
アクションに応答して、複数の発信電子メールからなる自動化されたシーケンスを実行するように構成された電子メール配信モジュールであって、前記自動化されたシーケンスは、個々の発信電子メール間の時間間隔のプログラム可能な構成を有し、前記電子メール配信モジュールは、前記アクションに、または前記複数の発信電子メールの1つに対応する前記電子メールメッセージに応答して、返信が受信されたかどうかを決定するために、前記ルールベースの分類モジュールから入力を受信するように動作可能であり、および、前記返信が受信された場合、前記シーケンスを終了済みとしてマークし、前記自動化されたシーケンスを終了させる、該電子メール配信モジュール
をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の複数のユーザと複数の知られた見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項6】
前記電子メール配信モジュールは、個々の発信電子メールが、無効な配信時間ブロックの間に送信されようとしていないかどうかを、前記個々の発信電子メールが送信される前に決定するために、有効な配信時間ブロックのスケジュールをチェックし、および、前記個々の発信電子メールが、前記無効な配信時間ブロックの間に送信されようとしている場合、次の利用可能な有効な配信時間ブロックまで、前記個々の発信電子メールを遅延させるように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の複数のユーザと複数の知られた見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項7】
前記電子メール配信モジュールは、事前決定された変数を有する、個々の発信電子メールのための複数の構成可能なテンプレートを含み、テンプレートは、前記個々の発信電子メールのために、ユーザによって選択されることができ、前記ユーザは、前記個々の発信電子メールを作成するために、前記事前決定された変数のための情報を提供することを特徴とする請求項5に記載の複数のユーザと複数の知られた見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項8】
前記電子メール配信モジュールは、前記事前決定された変数が有効な値を有することを検証するために、個々の発信電子メールのためのテンプレート妥当性確認モジュールを含み、テンプレート変数と関連付けられたエラーの場合、前記個々の発信電子メールが送信されることを阻止する、ことを特徴とする請求項7に記載の複数のユーザと複数の知られた見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項9】
複数のユーザと複数の見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステムであって、
複数の知られた見込み客に関する情報を含むデータベースと、
それぞれのユーザと関連付けられた複数の電子メール受信トレイを有する、電子メール同期およびワークフローシステムであって、前記複数の電子メール受信トレイの各々は、前記複数の見込み客からの電子メールメッセージを含む、複数の電子メールメッセージを受信することが可能であり、前記電子メール同期およびワークフローシステムは、それが受信されたときに、電子メールメッセージと関連付けられたRFC2822電子メールヘッダからメタデータを抽出するように構成された、該電子メール同期およびワークフローシステムと
を備え、
前記電子メール同期およびワークフローシステムは、1人または複数のユーザが、前記電子メールメッセージと関連付けられるかどうかを決定し、関連付けられる場合、前記メタデータに基づいて、どのユーザが前記電子メールメッセージと関連付けられるかを決定するように構成され、
前記電子メール同期およびワークフローシステムは、1人または複数の見込み客が、前記電子メールメッセージと関連付けられるかどうかを決定するように構成され、知られた見込み客に対応する前記データベース内に記憶された電子メールアドレスに一致する電子メールアドレスについての前記メタデータを検査することによって、また一致が見つけられない場合、前記知られた見込み客と関連付けられた前記データベース内に記憶された情報に対応する参照を含む、電子メールスレッドについての前記メタデータを検査することによって、どの見込み客が前記電子メールメッセージと関連付けられるかを識別するように構成され、
前記電子メールメッセージが前記複数の知られた見込み客のある見込み客と関連付けられると決定された場合、前記電子メールメッセージについての分類を決定するために分類システムを使用し、および前記電子メールメッセージが前記複数の知られた見込み客と関連付けられないと決定された場合、前記電子メールメッセージの内容を記憶せずに、前記電子メールメッセージに関する前記メタデータを記憶する、
ことを特徴とする複数のユーザと複数の見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項10】
前記分類システムは、前記電子メールメッセージについての前記分類にマッピングするために使用される、条件の順序セットを有する、ルールベースの分類システムをさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の複数のユーザと複数の見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項11】
前記分類システムは、前記データベース内に記憶されたメッセージIDに対応するデータを探し、および、対応するメッセージIDが見つかった場合、前記電子メールメッセージを返信として分類することを特徴とする請求項10に記載の複数のユーザと複数の見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項12】
前記分類システムは、前記データベース内に記憶されたテキストメタデータに対応するデータを探し、対応するテキストメタデータが見つかった場合、前記電子メールメッセージを返信として分類することを特徴とする請求項10に記載の複数のユーザと複数の見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項13】
前記分類システムは、以前のメッセージ配信に対応する同一の件名および受信者に一致するデータを探し、そのような同一の件名および受信者が見つかった場合、前記電子メールメッセージを返信として分類することを特徴とする請求項10に記載の複数のユーザと複数の見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項14】
重複排除システムが、各メッセージIDが前記データベース内に1回だけ存在することを保証するために利用されることを特徴とする請求項9に記載の複数のユーザと複数の見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項15】
時間の事前決定された期間にわたる着信および発信通信履歴のグラフィカル表現を選択的に表示するように構成された、前記知られた見込み客と関連付けられた共有受信トレイの様子のグラフィカル表示を提供するディスプレイであって、発信通信と関連付けられない第1のグラフィカル表現と、発信通信と関連付けられ、発信通信の量に比例した、第2のグラフィカル表現と、および着信通信と関連付けられ、着信通信の量に比例した、第3のグラフィカル表現とを表示し、前記着信および発信の通信履歴のグラフィカル表現は、前記複数のユーザと関連付けられた前記複数の電子メール受信トレイの少なくとも1つの電子メール受信トレイからの情報を含む、該ディスプレイ
をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の複数のユーザと複数の見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項16】
複数のユーザと複数の見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するための方法であって、
複数の知られた見込み客および前記複数のユーザに関する情報を、データベース内に記憶するステップと、
前記複数の見込み客からの電子メールメッセージを含む、複数の電子メールメッセージを受信し、それが受信されたときに、電子メールメッセージからメタデータを抽出するステップと、
1人または複数のユーザが、前記電子メールメッセージと関連付けられるかどうかを決定し、関連付けられる場合、前記メタデータと、前記複数のユーザに関する前記データベースに記憶された情報との比較に基づいて、どのユーザが前記電子メールメッセージと関連付けられるかを決定するステップと、
1人または複数の見込み客が、前記電子メールメッセージと関連付けられるかどうかを決定し、および、知られた見込み客に対応する前記データベース内に記憶された電子メールアドレスに一致する電子メールアドレスについての前記メタデータを検査することによって、また一致が見つけられない場合、前記電子メールメッセージの送信者の名前が、前記知られた見込み客の名前と一致するかどうか、または前記メタデータが、知られた見込み客と関連付けられた前記データベース内に記憶された情報に対応する参照を含む電子メールスレッドを含むかどうかを決定することによって、どの見込み客が前記電子メールメッセージと関連付けられるかを決定するステップと、
前記電子メールメッセージが前記複数の知られた見込み客のある見込み客と関連付けられると決定された場合、前記電子メールメッセージについての分類を決定するステップであって、前記データベース内に記憶されたメッセージIDに対応するデータを探すことによって、対応するメッセージIDが見つかった場合、前記電子メールメッセージについての前記分類を返信と設定し、前記データベース内に記憶されたテキストメタデータに対応するデータを探すことによって、対応するテキストメタデータが見つかった場合、前記電子メールメッセージについての前記分類を返信と設定し、以前のメッセージ配信に対応する同一の件名および受信者に一致するデータを探すことによって、そのような同一の件名および受信者が見つかった場合、前記電子メールメッセージについての前記分類を返信と設定する、該ステップと、
電子メールメッセージが前記複数の知られた見込み客と関連付けられないと決定された場合、前記電子メールメッセージの内容を記憶せずに、前記電子メールメッセージに関する前記メタデータを記憶するステップと、
前記データベース内に記憶される重複する前記電子メールメッセージを排除するために、各一意メッセージIDについて1回だけ、前記データベース内に前記複数の電子メールメッセージを記憶するステップと
を含むことを特徴とする複数のユーザと複数の見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するための方法。
【請求項17】
電子メールメッセージに関する自動化された処理のためのプログラム可能なトリガを提供するステップであって、前記プログラム可能なトリガは、前記電子メールメッセージと関連付けられた前記メタデータまたは他の情報に応答して動作し、複数の前記プログラム可能なトリガは、ユーザによって構成された組合せで、論理的に条件付けられることができ、論理的条件の前記組合せが、真である場合、前記トリガと関連付けられた1つまたは複数のアクションを実行し、前記プログラム可能なトリガは、前記電子メールメッセージについての前記分類に関するデータを含む、該ステップ
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の複数のユーザと複数の見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するための方法。
【請求項18】
前記1つまたは複数のアクションに応答して、複数の発信電子メールの自動化されたシーケンスを実行するステップであって、前記自動化されたシーケンスは、個々の発信電子メール間の時間間隔のプログラム可能な構成を有し、前記アクションに、または前記複数の発信電子メールの1つに対応する、前記電子メールメッセージに応答して、前記返信が受信されたかどうかを決定するために、前記分類に関する入力を受信し、返信が受信された場合、前記シーケンスを終了済みとしてマークし、前記自動化されたシーケンスを終了させる、該ステップ
をさらに含む、ことを特徴とする請求項17に記載の複数のユーザと複数の見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するための方法。
【請求項19】
前記個々の発信電子メールが、無効な配信時間ブロックの間に送信されようとしていないかどうかを、前記個々の発信電子メールが送信される前に決定するために、有効な配信時間ブロックのスケジュールをチェックするステップであって、前記個々の発信電子メールが、前記無効な配信時間ブロックの間に送信されようとしている場合、次の利用可能な有効な配信時間ブロックまで、前記個々の発信電子メールを遅延させる、該ステップ
をさらに含む、ことを特徴とする請求項18に記載の複数のユーザと複数の見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するための方法。
【請求項20】
アクションに応答して、複数の発信電子メールの自動化されたシーケンスを実行するように構成された電子メール配信モジュールであって、前記自動化されたシーケンスは、個々の発信電子メール間の時間間隔のプログラム可能な構成を有し、前記電子メール配信モジュールは、前記アクションに、または前記複数の発信電子メールの1つに対応する、前記電子メールメッセージに応答して、返信が受信されたかどうかを決定するために、前記ルールベースの分類モジュールから入力を受信するように動作可能であり、前記返信が受信された場合、前記シーケンスを終了済みとしてマークし、前記自動化されたシーケンスを終了させる、電子メール配信モジュール
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の複数のユーザと複数の知られた見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項21】
前記電子メール配信モジュールは、個々の発信電子メールが、無効な配信時間ブロックの間に送信されようとしていないかどうかを、前記個々の発信電子メールが送信される前に決定するために、有効な配信時間ブロックのスケジュールをチェックし、前記個々の発信電子メールが、前記無効な配信時間ブロックの間に送信されようとしている場合、次の利用可能な有効な配信時間ブロックまで、前記個々の発信電子メールを遅延させるように構成されたことを特徴とする請求項20に記載の複数のユーザと複数の知られた見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項22】
前記電子メール配信モジュールは、事前決定された変数を有する、個々の発信電子メールのための複数の構成可能なテンプレートを含み、テンプレートは、前記個々の発信電子メールのために、ユーザによって選択されることができ、前記ユーザは、前記個々の発信電子メールを作文するために、前記事前決定された変数のための情報を提供することを特徴とする請求項20に記載の複数のユーザと複数の知られた見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【請求項23】
前記電子メール配信モジュールは、前記事前決定された変数が有効な値を有することを検証するために、個々の発信電子メールのためのテンプレート妥当性確認モジュールを含み、テンプレート変数と関連付けられたエラーの場合、前記個々の発信電子メールが送信されることを阻止することを特徴とする請求項22に記載の複数のユーザと複数の知られた見込み客との間の電子メール通信を自動的に管理するためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メール通信に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、ユーザのグループとターゲット見込み客のグループとの間の電子メール通信を自動的に管理するための方法およびシステムに関する。電子メールは、随所で利用され、これの応用は、多数の分野に関連するが、簡潔にする目的で、本文書における特定の例は、販売業界に限定される。
【0003】
多数の人々(見込み客)との電子メール関係を管理することは、販売プロフェッショナルの役割の中心である。多くの場合、一人で、同時に数百人もの見込み客に働きかけていることがある。効果的であるためには、コミュニケーションの各個々のスレッドが、維持され、フォローアップされ続けなければならない。さらに、見込み客からの応答(または応答がないこと)は、販売プロフェッショナルによるアクションを必要とする。これは、限定されることなく、顧客関係管理システム内のデータを更新すること、または将来のフォローアップ活動をセットアップすることを含むことができる。従来、これらのアクションは、人手で行われ、販売員側において、かなりの労力を必要とする。見込み客からの応答がない場合、フォローアップの将来のアクションが、忘れられる、または見落とされることができ、低下した有効性および過剰な人件費をもたらす。
【0004】
多数の販売職員が関与する販売組織という状況においては、チーム全体にわたってコミュニケーションを調整することが、ますます重要になる。組織内の販売プロフェッショナルが、ある個人に働きかけている場合、販売プロセスの戦略を推進するために、その組織に属する他の誰かが、同じ個人に働きかけているかどうかを知ることが、望ましい。複数の販売職員が、同時に同じ個人に働きかけている場合、両者の取り組みが相互に知られ、調整されることを保証することが、重要である。
【0005】
標準的な電子メールサーバとクライアントは、複数の受信トレイが同時に同期させられる機能性を提供せず、それらは、組織内のすべての受信トレイによって提供されるデータに基づいて、アクションを自動化する、または情報を消費する能力も提供しない。
【0006】
したがって、必要とされるものは、初期通信を自動化し、組織内のすべての電子メールメールボックスに属する電子メールを残し、ならびに自動化およびデータの効率的な表示を可能にする方式で、データを記憶および処理するシステムである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ユーザのグループとターゲットの見込み客のグループとの間の電子メール通信を自動的に管理するための方法およびシステムが、本明細書に含まれる。システムは、同時に複数の受信トレイおよび受信者に対処する複雑さ、ならびに電子メール内容、受信者、および他のメタデータに基づいた、カスタマイズ可能な自動化を管理するためのユーザインターフェイスを提供する。
【0008】
一実施形態においては、ユーザが、一連の自動化されたまたは手動の電子メール(またはそれらの「シーケンス」)を、特定の受信者に送信することを可能にするために、自動化されたシステムが、導入される。これらのシーケンスは、テンプレート化された電子メール内容から成るいくつかの「ステップ」として、構築される。テンプレートは、意図された受信者についての追加情報を含む、基礎的なデータベースから自動的に入力された、変数を含む。
【0009】
これの基礎になるのは、多くのユーザに代わって、電子メールメールボックスへの接続を維持するシステムである。これらのメールボックスは、継続的に、新しい電子メールメッセージがないか定期的に問い合わされる。新しいメッセージの場合、メッセージは、特定のシーケンスとの関係をチェックされる。システムは、メッセージへの返信など、ある受信者挙動を条件として、シーケンスの配信を停止するためのロジックを含んでよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に従った、電子メール通信システムの高レベル概要を示す概略図である。
図1a】電子メール同期サブシステムの概要を示す概略図である。
図1b】本発明に従った、様々なサブシステムの内部の様子を示す概略図である。
図2】、本発明に従った、システムの実施形態が、取られるべき次のステップおよびアクションを決定するために、どのように電子メールを処理するかを例示した、フローチャートである。
図3】本発明に従った、システムの実施形態が、どのように着信電子メールを分類するかを示す、表である。
図4】複数のメールボックスから電子メールデータを引き入れた、特定の知られた見込み客の共有受信トレイの様子を示す図である。
図5】電子メールアクティビティイベントに基づいてアクションを実行する、トリガシステムを示す図である。
図6】システムの実施形態が、新しいアイデンティティを作成するために、または既存のアイデンティティを調整するために、どのようにデータを取り込むかを例示した、フローチャートである。
図7】与えられた見込み客への段階的な電子メールシーケンスと、見込み客からの単一の返信がどのようにシーケンスを終了させるかとを例示する、フローチャートである。
図8】電子メールシーケンスに好ましくは組み込まれるテンプレート化システムを例示した、フローチャートである。
図9】配信スケジュールブロックを例示したチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の様々な特徴の実施形態を実施するシステムおよび方法が、図面を参照して、今から説明される。図面および関連付けられた説明は、本発明のいくつかの実施形態を例示するために提供されており、本発明の範囲を限定するためには提供されていない。図面全体を通して、参照番号は、参照される要素間の一致を示すために、再使用される。
【0012】
図1を参照すると、電子メール同期およびワークフローシステム100が、提供されている。図1には、複数のユーザ104a、104b、104c、104dが、示されている。本発明に従うと、任意の数のユーザ104a、104b、104c、104dが、提供されてよく、例示された例においては、明確にするために、4人のユーザだけが、示されている。例示された例においては、ユーザ104a、104b、104c、104dは、製品またはサービスを販売するために、電子メールを介して潜在的な顧客に接触する必要がある、販売職員であってよい。電子メール同期およびワークフローシステム100は、見込み客101a、101b、101c、101dとの通信を確立するように動作する。本発明に従うと、任意の数の見込み客101a、101b、101c、101dが、提供されてよく、例示された例においては、明確にするために、4人の見込み客だけが、示されている。本明細書において説明されるように、システム100は、発信電子メール103a、103b、103c、103dの配信を自動的に管理しながら、同時に着信電子メール102a、102b、102c、102dを管理する。本発明に従ったシステムによって処理されることができる、着信電子メール103aおよび発信電子メール102aの数は、限定されない。例示された例においては、明確にするために、各々の4つだけが、示されている。
【0013】
図1aを参照すると、電子メール同期サブシステム110が、提供されている。図1aには、複数の電子メール受信トレイ111a、111b、111c、111dが、示されている。例示された例においては、受信トレイ111a、111b、111c、111dは、(1人のユーザが1つまたは複数の構成された受信トレイを有してよい)多対1ベースで、例えば、図1に示されたユーザ104aまたはユーザ104bに対応し得る。これらの受信トレイ111a、111b、111c、111dは、販売職員の企業電子メールアカウントに対応してよい。電子メール同期および処理システム110は、見込み客101a、101b、101c、101dからの着信メッセージ112a、112b、112c、112dを処理するための必要な能力を提供するように動作する。
【0014】
例示された例においては、受信トレイ111a、111b、111c、111dとの通信は、プログラムで確立され、新しい電子メールへのリアルタイムアクセスを達成するために、継続的に発生する。独立した接続が、各個別の受信トレイ、例えば、受信トレイ111aに対して作成され、新しい電子メール112a、112b、112c、112d、112eは、それらが対応するメールボックス111aに配信されたとき、システム100によって受信される。通信は、受信トレイ111aが配置された基礎的な電子メールサーバに応じて、さまざまなプロトコル上において行うことができる。
【0015】
実際には、多くの顧客が、Google Appsによって提供される電子メールサーバを有する。Google Appsによって提供される電子メールサーバのケースにおいては、受信トレイ111aとの通信プロトコルは、設定可能であり、ポーリングベースのインターネットメッセージアクセスプロトコル(IMAP)を介して、またはプッシュベースのGoogle固有のGMail APIを介して、行われることができる。他の顧客は、オンプレミス型またはクラウドホスト型のMicrosoft Exchange電子メールサーバを有する。そのケースにおいては、受信トレイ同期は、Exchange Webb Services(EWS)を介して行われる。
【0016】
電子メール同期サブシステム110と、IMAP、EWS、またはGMail APIの一般的なアプリケーションとの間の重要な相違は、同時に複数の受信トレイ111a、111b、111c、111dを処理することにある。一般に、IMAP、EWSも、GMail APIも、複数の受信トレイを同期させる機能性を提供せず、各メールボックスを独立に同期させる必要がある。
【0017】
一般的なアプリケーションにおいては、ユーザ104aは、見込み客101a、101b、101c、101d、101eのリストを、カンマ区切り(CSV)スプレッドシートの形式で、同期およびワークフローシステム100に提供してよい。図1bを参照すると、見込み客101a、101b、101c、101d、101eは、データベース123への問い合わせに基づいて、またはsalesforce.comなど、別個の顧客関係管理システムへの問い合わせに基づいて、自動的に生成されてもよい。
【0018】
図2は、電子メール同期サブシステム110から受信された電子メールを処理および記憶する1つの方法のフローチャートを例示している。図2に示される方法は、(存在するならば)どの見込み客101a、101b、101c、101d、101eが、与えられた電子メール112aと関連付けられるかを決定すること、および電子メールをデータベース123内に記憶することの両方に関与するステップを含む。より一般的に、図2に示される図面は、図1bに示される電子メール処理サブシステム124に関連する。
【0019】
図2を参照すると、ステップ201において、同期サブシステム110から受信される電子メール112a、112b、112c、112d、112eは、継続的に受信され、処理される。第1の手順ステップ202は、電子メール112aと関連付けられたRFC2822電子メールヘッダから、電子メール112aについてのメタデータを抽出することである。どのユーザ104a、104b、104c、104d、およびどの見込み客101a、101b、101c、101dが、電子メール112aと関連付けられるかを、電子メールアドレス一致に基づいて、決定するために、TO、FROM、CC、およびBCCヘッダが、使用される。ステップ203において、システムは、関連する見込み客101a、101b、101c、または101dの存在をチェックする。見込み客101a、101b、101c、または101dが、電子メール112aに関連しない場合、ステップ207は、電子メール112aが、より大きい電子メールスレッドの一部であるかどうかを調べるためのチェックを行う。この方法においては、この電子メール112aが、より大きな電子メールスレッドの一部であるかどうかがを調べるために、IN-REPLY-TO RFC2822電子メールヘッダが、再帰的にチェックされる。以前のいずれかの電子メールが、見込み客101a、101b、101c、または101dへの参照を含む場合、この電子メール112aは、それぞれ見込み客101a、101b、101c、または101dに間接的に関連すると見なされる。
【0020】
この特定の方法においては、前述のステップ207および203のどちらも、関連する見込み客101a、101b、101cまたは101dという結果とならない場合、ステップ208に示されるように、この電子メールは、その後、データベース123に記憶され、さらなる処理は、行われない。
【0021】
実際には、電子メールデータは、顧客のプライバシに関して、最も機密性の高い種類のものである。したがって、(見込み客101a、101b、101c、または101dに関連することによって決定されるような)販売プロセスに直接的に関連しない電子メール112a、112b、112c、112d、112eは、それらの内容を保存する方法で記憶されないことが望ましい。1つの方法は、単純に、電子メール112a、112b、112c、112d、または112eをまったく記憶しないことであるが、情報のこの喪失は、システムの他の部分にとって望ましくない場合がある。代わりに、これを達成するために、ステップ208において、そのような電子メール112a、112b、112c、112d、または112eについてのメタデータだけが、記憶される。このメタデータは、RFC2822メッセージID、ならびに件名および受信者のMD5ハッシュを含む。この特定の実施形態においては、MD5ハッシュが、使用されるが、他の任意の暗号学的ハッシュ関数が、利用されることができる。
【0022】
(ステップ203または207で決定されるように)見込み客101a、101b、101c、または101dが、電子メール112a、112b、112c、112d、または112eに関連する場合、システムは、それぞれ電子メール112a、112b、112c、112d、または112eについての追加情報を、分類の形態で、導出しようと試みる。分類システムのそのような一実施形態は、条件の順序セットが直接的に分類にマッピングされる、ルールベースのシステムを使用することである。そのような実施形態は、図3に表されている。
【0023】
図3に示されるように、電子メール112aが、「Ooto」、「Auto:」、「Ooo」が前に付いた件名を含む場合、電子メールの分類は、Out of the Office(外出中)(OOTO)になる。電子メールの件名が、それの内容のいずれかの部分に、「automatic reply(自動返信)」、「auto response(自動応答)」、「out of office(外出中)」、「out of the office(外出中)」、「away from my mail(メールが見られない)」、「on leave(休暇中)」、または「sick leave(病気休暇)」を含む場合、電子メール112aは、OOTOとして分類される。本文の最初の80文字が、「out of office」、「out of office」、「away from mail」、「on leave」、「sick leave」、または「maternity leave(産休)」を含む場合、電子メール112aは、OOTOとして分類される。
【0024】
また、図3に示されるように、電子メール112aが、値「no」を有する「Auto-submitted(自動送信)」という名前のRFC2822ヘッダを有する、または「x-autoreply」、「x-autorespond」、「x-mdautoresponse」という名前のいずれかのヘッダが、存在する場合、その電子メールも、外出中として分類される。送信者の電子メールアドレスが、「Mailer-daemon」、「Mailerdaemon」、または「postmaster」で始まる場合、電子メール112aは、バウンスとして分類される。「Undeliverable(配信不能)」、「failed mail(失敗したメール)」、「failed delivery(失敗した配信)」、「mail delivery fail(メール配信失敗)」、「mail system error(メールシステムエラー)」、「failure notice(失敗通知)」、「Nondeliverable(配信不能)」、または「delivery status notification (failure)(配信ステータス通知(失敗))」が、件名の前に付いた場合、電子メール112aは、バウンスとして分類される。
【0025】
図3には、この特定の方法においては、特定の電子メール112aのRFC2822 IN‐REPLY‐TOまたはREFERENCESヘッダが、データベース123内に記憶されたメッセージIDを含む場合、電子メール112aが、返信として分類されることも示されている。電子メール配信サブシステム122が、メッセージを送信するとき、それは、本文中にテキストのメタデータを含む。このメタデータが、存在する場合、電子メール112aは、返信として分類される。電子メール112aが、以前のメッセージ配信と同一の件名および受信者を含む場合、この電子メール112aは、返信として分類される。
【0026】
図3によって表されるような上述の実施形態においては、すべてのルールは、英語に固有であるが、他の言語においても等しく適用可能である。好ましい方法においては、ルールは、他の言語均等物を含むように拡張される。例えば、「外出中」は、ドイツ語における「ausserhaus」に一致するためのルールも含む。
【0027】
本明細書においては、この特定の実施形態において、電子メール分類のためのヒューリスティックルールベースのシステムについての言及が、行われたが、機械学習技法に基づいた統計的方法など、他のシステムも、適用可能である。例えば、ロジスティック回帰モデルまたはニューラルネットワークは、将来の電子メールを分類するために使用されることができるモデルを作成するために、多数のサンプル電子メール分類上においてトレーニングされることができる。
【0028】
図2を参照すると、システムにおける見込み客101a、101b、101c、101d、または101eに関連する電子メールメッセージ112aは、ステップ205によって表されるように、データベース123内に記憶される。電子メールメッセージ112aは、マルチスレッド化され、複数の受信者を含んでよい。そのため、各着信メッセージ112a、112b、112c、112d、112eは、複数の受信トレイ111a、111b、111c、111d内に存在し、複数の見込み客101a、101b、101c、101d、101eに関連してよい。この例においては、そのようなメッセージ112a、112b、112c、112d、112eは、すべて、同じRFC2822メッセージIDを共有する。システムのこの特定の実施形態においては、ストレージ123は、各メッセージIDがデータベース123内に1回だけ存在することを保証する、単純な重複排除方法を使用する。
【0029】
本発明以前は、受信トレイに代わって動作して、メッセージへの返信を受信しようと試みる、ほとんどのサードパーティシステムは、RFC2822 REPLY-TOおよびSENDERヘッダを利用する。実際には、この方法は、非常に低い精度しか提供しないことが分かっている。業界においては、これは、30%ほどの低さであることができる。これは、SpamAssassinなどのスパム捕獲エンジンが、それらのヘッダに特に関心があるせいである。さらに、これらの方法は、送信者の電子メールレピュテーションに著しい影響を有することができる。本発明は、そのような従来の方法にまさる著しい利点を提供し、ユーザが人手で電子メール112aを送信したかのような高い返信検出精度を提供し、本発明は、電子メールレピュテーションにわずかな影響しか有さない。
【0030】
実際には、電子メール通信を送信したとき、受信者が、「to」受信者として指定されたそれとは異なる電子メールアドレスを用いて、電子メール112aに応答することは珍しいことではない。これは、見込み客101bに送信される発信電子メール112bにも同様に当てはまってよく、見込み客101bは、見込み客101bに送信された電子メール112b内の「to」受信者として指定されたそれとは異なる電子メールアドレスを用いて、応答する。このケースにおいては、システムが、この新しい電子メールアドレスを、元の見込み客101bに対応するように、正しく確立することが望ましい。図6は、そのような機能性を提供する実施形態を表すチャートである。
【0031】
図6によって表されるチャートは、既存の見込み客101a、101b、101c、または101dに対する正確な電子メールアドレス一致が存在しないときに、着信電子メール102aと見込み客101cとの間の間接的な関係を決定するために必要なステップを示す。ステップ601に示されるように、見込み客101aが、元の「to」電子メール102aを用いて返信し、我々が直接的な一致を有する場合、このロジックは、必要なく、そのケースにおいては、システムは、ステップ602に進む。しかしながら、見込み客101cに対する一致が存在しない場合、システムは、ステップ603に進む。ステップ604および605は、この実施形態の中核コアロジックを例示し、着信電子メール112aが、元の見込み客101cの名または姓との文字一致を含む、FROMアドレスを有する場合、システムは、この新しい電子メールアドレスを、既存の見込み客顧客101cと関連付ける。名も姓も、既存の見込み客101a、101b、101c、または101dと一致しない場合、システムは、ステップ606に進み、そのポイントで、システムは、完全に新しい見込み客101eを生成し、新しい見込み客101eを着信電子メール112aと関連付ける。
【0032】
本発明の実施形態の本説明は、電子メール上において潜在的な顧客に販売するビジネスの例を使用するが、本発明の有用性は、電子メール販売環境に限定されない。ほとんどのビジネス環境においては、既存の顧客、潜在的なパートナと会話すること、および一般的なコミュニケーションを行うことが、ビジネスの成功に不可欠である。本発明は、いずれかの目的のために、電子メールによるコミュニケーションが使用される、いずれの環境においても有用であってよい。
【0033】
図4は、複数のメールボックス111a、111b、111cからの電子メールデータを表示した、特定の知られた見込み客101aの共有受信トレイの様子を例示している。複数のユーザ104a、104b、104c、104dが、同じ見込み客101cと通信することは一般的であり、ユーザ104a、104b、104c、104dが、これを認識することは有益である。例えば、送信者401aは、送信者401bも見込み客101cと通信していたことを見ることができ、それが理由で、ある状況下においては、見込み客101cとの特定の電子メール通信に携わらないことを選択してよい。例えば、見込み客101cが、特定の紹介オファーを、すでに送信者401bから受信している場合、送信者401aは、同じオファーを見込み客101cに送信しなくてよい。実際には、より大きい可視性は、ユーザ104aが、特定の見込み客101cと関わることに関して、より賢明な決定を行うことを可能にすることが分かっている。
【0034】
図4は、すべてのユーザのメールボックス111a、111b、111c、111dにわたって、見込み客101cとの12ヶ月の期間にわたる着信および発信通信履歴を示す、ヒストグラム403を含む。ヒストグラム403においては、各空白バーは、月を表し、右端バー402eは、現在の月である。ヒストグラム403においては、全体的または部分的に黒で示されたバー402bおよび402dは、発信通信のグラフィカル表現を示す。ヒストグラム403においては、破線部分を有するように示されたバー402aおよび402cは、着信通信のグラフィカル表現を示す。与えられた月に、通信が存在しなかった場合、その事実は、空白バー402eとして、ヒストグラム403にグラフィカルに示される。これは、ユーザ104aが、見込み客101cと通信した最後の時と、過去における通信の頻度も、一目で見ることを可能にする。よく返信する見込み客は、黒いバー402b、402dと破線バー402a、402cとの比較的バランスの取れた集まりを示し、一方、ほとんど返信しない見込み客は、(仮にあるとしても)非常に僅かな破線バー402a、402cを示す。
【0035】
ユーザは、ワークフローシステム100からトリガされたイベントに基づいて、特定のアクションを実行する能力をしばしば必要とする。ユーザは、これを達成するために、トリガを生成することができ、それは、システム121にとって重要な構成要素である。図5は、発信電子メール103aが、replied 501としてマークされ、特定の見込み客条件502、503が、満たされたときに、見込み客情報を更新するために生成されるトリガ500の例である。この例においては、これらの見込み客条件502、503は、システムが図5に示されたアクション504を実行する前に、満たされなければならない。複数の条件を組み合わせるために、論理演算子が、使用されてよい。例示された例においては、
最初の2つの列挙された条件502は、見込み客のタイトル(Title)が「Recruit」を含む(Contains)か、または見込み客のステージ(Stage)が「Cold」に等しい(Equals)である。最初の2つの条件502は、一緒に論理的にOR演算され、つまり、どちらかの条件が発生した場合、それら2つについて、論理的「真」条件が、存在する。次に、それら2つの条件502は、例示された例においては、見込み客のペルソナ(Persona)が未設定(Unset)である(Is)という第3の条件503と組み合わされる。この例においては、第3の条件503は、最初の2つの条件502と論理的にAND演算される。したがって、この例においては、最初の2つの条件502のどちらかが真であり、第3の条件503も真である場合に、アクション504を生成するための条件502、503が、満たされる。図5における「Title」、「Stage」、および「Persona」とラベル付けされたフィールドは、知られた見込み客101a、101b、101c、101dと関連付けられたデータのために、データベース123内において提供されるフィールドの例である。
【0036】
これらの条件が、指定された論理演算子によって必要とされるように満たされたと仮定すると、図5に例示される例に示される以下のアクション504が、順番に実行される。すなわち、504aにおいて、見込み客のペルソナを「Engaged」になるように設定する。504bにおいて、「Replied」のタグを見込み客に追加する。次に、504cにおいて、見込み客を「Tier 3-East Region」シーケンスに追加する。
【0037】
ユーザ104a、104b、104c、104dは、条件とアクションの任意の組合せを設定することができ、非常に強力な自動化レイヤを可能にする。ワークフローシステム100は、トリガがリッスンすることができる様々なイベントを生成し、それらは、配信された電子メール、返信された電子メール(501)、バウンスされた電子メール、外出中としてマークされた電子メール、生成された見込み客、および更新された見込み客を含む。
【0038】
シーケンスは、ワークフローおよび自動化システム121の重要な特徴である。図7は、事前決定された時間間隔705a、705bだけ間隔をあけて、見込み客101dに送信されるように設計された、一連の発信電子メール103a、103b、103c、103dである、シーケンスを例示している。各シーケンスステップは、独自の時間間隔705aまたは705bを構成することができる。見込み客101dが、シーケンスに追加されたとき、システムは、図7に示されるステップ701aにおいて開始する。ステップ701aは、電子メール103aを見込み客101dに配信し、設定された間隔705aだけ返信を待つ。返信が、システム110から同期させられなかった場合、見込み客101dは、ステップ701bに進み、別の電子メール103bが、見込み客101dに配信される。再び、シーケンスは、別の設定された間隔705bだけ返信を待つ。返信が、受信されない場合、見込み客101dは、ステップ701cに進み、以降も、見込み客101dが事前決定されたシーケンスのあらゆるステップを通過するまで同様である。
【0039】
ステップ701aにおいて送信された電子メール103aに応答して、見込み客101dが、返信した場合、システム701は、ステップ704aにおいて、返信を見込み客101dと関連付ける。ステップ701bにおいて送信された電子メール103bに応答して、見込み客101dが、返信した場合、システム110は、ステップ704bにおいて、返信を見込み客101dと関連付ける。システム110が、いずれかの電子メール103a、103bなどと関連付けられた、見込み客101dからの返信を同期させた場合、見込み客101dは、ステップ704において、シーケンスにおいて終了済みとしてマークされる。見込み客101dが、終了済みとしてマークされたとき、見込み客101dは、もうそれ以上の電子メールをシーケンスから受信しない。
【0040】
シーケンスステップ間隔についてさらに説明すると、ユーザ104a、104b、104c、104dは、図9に例示されるように、独自の配信スケジュールブロックを設定することもできる。シーケンススケジュールブロックは、ユーザ104a、104b、104c、104dが、特定の日時に、電子メール103a、103b、103c、103dを配信することを可能にする。これは、電子メール103a、103b、103c、103dが、土曜日の午前1時など、非現実的な時間の間に、配信されることを防止する。
【0041】
例えば、ユーザ104a、104b、104c、104dは、図9に示される、配信スケジュールブロック902a、901aを使用して、月曜日の午前9時ないし午後6時PST(太平洋標準時)の配信ウィンドウを指定し、図9に示される配信スケジュールブロック901c、902bを排除して、土曜日に配信しないことを選択することができる。シーケンスステップが、無効なスケジュールブロック901bにおいて配信されるように、電子メール103bをスケジュールした場合、電子メール103bは、次の有効な時間901a、902aにおいて配信するように、スケジュールされる。例えば、シーケンスステップが、土曜日に配信されるように、電子メール103bをスケジュールしたが、図9に示される配信スケジュールブロック901cが、有効な配信ウィンドウとしては排除されている場合、電子メール配信は、次の有効な時間まで延期され、それは、この例においては、図9に示される配信スケジュールブロック902aに対応する、月曜日の午前9時である。
【0042】
図8を参照すると、あらゆるシーケンスステップは、それぞれテンプレート種類801aおよび802aと、それぞれ電子メール件名801bまたは802bと、それぞれ電子メール本文801cまたは802cとを含む、電子メールテンプレート801または802にマッピングされる。テンプレート種類は、New Thread(新規スレッド)801aまたはReply(返信)802aのどちらかであることができる。新規スレッドテンプレートは、新しい電子メールスレッドを生成し、一方、返信テンプレートは、配信された以前の電子メールに返信する。テンプレート802は、返信テンプレート802aとしてマークされているので、電子メール103bが、テンプレート802に従って配信されるとき、それは、一般に、テンプレート801に従った電子メール103aへの返信である。
【0043】
テンプレート件名801bおよびテンプレート本文801cの両方は、参照番号801d、801e、801fを有する、図8に示されるテンプレート変数を含んでよい。テンプレート変数801d、801e、801fは、見込み客101bと関連付けられたフィールドをポイントする。例えば、「{{first_name}}」テンプレート変数801dは、対応する見込み客101bに関する「First Name」フィールドをポイントする。見込み客101bの名が、「Joe」である場合、システム122を介した配信時間の直前に、テンプレートがコンパイルされたとき、変数「{{first_name}}」は、「Joe」に置き換えられる。図8における「first_name」および「industry」とラベル付けされたフィールドは、知られた見込み客101a、101b、101c、101dと関連付けられたデータのためのデータベース123内において提供されるフィールドの例であり、図8における「sender.name」とラベル付けされたフィールドは、知られたユーザ104a、104b、104c、104dと関連付けられたデータのためのデータベース123内において提供されるフィールドの例である。
【0044】
特定の見込み客101cに関して、テンプレート変数が存在しない場合、またはテンプレートコンパイルエラーが、存在する場合、関連付けられた電子メール103dは、配信されない。これは、コンパイルされていないテンプレート変数を有する、ロボットのように見える電子メールを配信することを防止するための、適所にある安全設定である。ユーザ104a、104b、104c、104dは、見込み客101aにシーケンスを通り続けさせるために、これらの電子メール草稿を人手で修正する必要がある。
【0045】
ユーザ104a、104b、104c、104dにとってのシーケンスの利点は、自動化された電子メールフォローアップである。多くの場合、それは、見込み客101aが返信する前に、見込み客101aに送信される7つ以上のフォローアップ電子メール103a、103b、103c、103dを必要とすることができる。これらのフォローアップを自動化することは、ユーザ104a、104b、104c、104dが、より多くの見込み客101a、101b、101c、101dと通信し、有利には時間を節約することを可能にする。
【0046】
当業者は、本開示の恩恵を受けた後、本明細書において説明される実施形態に変更および変化が施されてよく、異なる設計パラメータおよび材料が代用されてよく、均等な特徴が使用されてよく、組み立てにおいて変更が施されてよく、ならびに追加の要素およびステップが追加されてよく、すべてが本発明の範囲および主旨から逸脱しないことを理解するであろう。本開示は、現在好ましいある実施形態および例だけを記載し、本発明の範囲内に包含される、あらゆる変形および実施形態を説明する試みは、行われなかった。したがって、本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲によって定められ、上述の説明において記載された特定の例に限定されない。
図1
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9