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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】参照信号を送信するためのアンテナ構成
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0413 20170101AFI20230808BHJP
   H01Q 3/30 20060101ALI20230808BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20230808BHJP
   H01Q 21/24 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
H04B7/0413 320
H01Q3/30
H01Q21/06
H01Q21/24
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020555319
(86)(22)【出願日】2018-04-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 EP2018059363
(87)【国際公開番号】W WO2019197028
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-12-10
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【弁理士】
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】アスリー, フレードリク
(72)【発明者】
【氏名】ペッテション, スヴェン
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン, アンドレアス
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0244899(US,A1)
【文献】特開2014-204305(JP,A)
【文献】特開平09-326629(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0347248(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/0413
H01Q 3/30
H01Q 21/06
H01Q 21/24
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ構成(120a、120b、120c、120d)であって、前記アンテナ構成(120a、120b、120c、120d)は第1のアンテナアレイ(130a)と第2のアンテナアレイ(130b)とを備え、各アンテナアレイが、第1の偏波(p1)のアンテナエレメント(140a)と、第2の偏波(p2)のアンテナエレメント(140b)とを備え、
前記2つのアンテナアレイ(130a、130b)が、4つの信号をまとめて供給されるように構成され、それにより、各アンテナアレイ(130a、130b)における各偏波(p1、p2)の前記アンテナエレメント(140a、140b)に前記4つの信号の中からそれぞれ1つの信号が供給され、
前記第2のアンテナアレイ(130b)の前記第2の偏波(p2)の前記アンテナエレメント(140b)に供給された前記信号が、他のアンテナエレメントに供給された他の信号のうちの少なくとも1つに対して180°位相シフトされており、
前記第1のアンテナアレイ(130a)の前記第2の偏波(p2)の前記アンテナエレメント(140b)に供給された前記信号が、前記第2のアンテナアレイ(130b)の前記第2の偏波(p2)の前記アンテナエレメント(140b)に供給された前記信号に対して、(180-α)°だけ位相シフトされている、
アンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項2】
前記第2のアンテナアレイ(130b)の前記第2の偏波(p2)の前記アンテナエレメント(140b)に供給された前記信号が、少なくとも、前記第1のアンテナアレイ(130a)の前記第1の偏波(p1)の前記アンテナエレメント(140a)に供給された前記信号に対して180°位相シフトされている、請求項1に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項3】
前記第1のアンテナアレイ(130a)に供給された前記2つの信号が第1の共通信号s1から生じ、前記第2のアンテナアレイ(130b)に供給された前記2つの信号が第2の共通信号s2から生じる、請求項2に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項4】
前記第1の共通信号s1が第1のレイヤ信号を表し、前記第2の共通信号s2が第2のレイヤ信号を表すか、または前記第1の共通信号s1および前記第2の共通信号s2が参照信号の2つのポートを表す、請求項3に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項5】
前記第1のアンテナアレイ(130a)の前記第2の偏波(p2)の前記アンテナエレメント(140b)に供給された前記信号が、前記第1のアンテナアレイ(130a)の前記第1の偏波(p1)の前記アンテナエレメント(140a)に供給された前記信号に対して、α°位相シフトされている、請求項3または4に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項6】
前記第2のアンテナアレイ(130b)の前記第1の偏波(p1)の前記アンテナエレメント(140a)に供給された前記信号が、前記第1のアンテナアレイ(130a)の前記第1の偏波(p1)の前記アンテナエレメント(140a)に供給された前記信号に対して、-α°位相シフトされている、請求項3、4または5に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項7】
αがチャネル依存値を有する、請求項5または6に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項8】
前記第1の共通信号s1および前記第2の共通信号s2が単一の共通信号sから生じる、請求項4に従属しない場合の請求項3、5、6、または7に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項9】
前記単一の共通信号sが単一のレイヤ信号または単一ポート参照信号を表す、請求項8に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項10】
前記第2のアンテナアレイ(130b)の前記第2の偏波(p2)の前記アンテナエレメント(140b)に供給された前記信号が、少なくとも、前記第2のアンテナアレイ(130b)の前記第1の偏波(p1)の前記アンテナエレメント(140a)に供給された前記信号に対して180°位相シフトされている、請求項1に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項11】
前記第1のアンテナアレイ(130a)の前記第2の偏波(p2)の前記アンテナエレメント(140b)に供給された前記信号が、前記第2のアンテナアレイ(130b)の前記第1の偏波(p1)の前記アンテナエレメント(140a)に供給された前記信号に対して、α°位相シフトされている、請求項10に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項12】
前記第1のアンテナアレイ(130a)の前記第1の偏波(p1)の前記アンテナエレメント(140a)に供給された前記信号が、前記第2のアンテナアレイ(130b)の前記第1の偏波(p1)の前記アンテナエレメント(140a)に供給された前記信号に対して、-α°位相シフトされている、請求項10または11に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項13】
αがチャネル依存値を有する、請求項11または12に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項14】
前記第2のアンテナアレイ(130b)の前記第1の偏波(p1)の前記アンテナエレメント(140a)に供給された前記信号、および前記第1のアンテナアレイ(130a)の前記第2の偏波(p2)の前記アンテナエレメント(140b)に供給された前記信号が、第1の共通信号s1から生じる、請求項10から13のいずれか一項に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項15】
前記第2のアンテナアレイ(130b)の前記第2の偏波(p2)の前記アンテナエレメント(140b)に供給された前記信号、および前記第1のアンテナアレイ(130a)の前記第1の偏波(p1)の前記アンテナエレメント(140a)に供給された前記信号が、第2の共通信号s2から生じる、請求項14に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項16】
前記第1の共通信号s1が第1のレイヤ信号を表し、前記第2の共通信号s2が第2のレイヤ信号を表すか、または前記第1の共通信号s1および前記第2の共通信号s2が参照信号の2つのポートを表す、請求項15に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項17】
アナログビームフォーミングネットワーク
をさらに備え、前記信号が前記アナログビームフォーミングネットワークから前記アンテナエレメント(140a、140b)に供給される、
請求項1から16のいずれか一項に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項18】
前記第1の偏波(p1)と前記第2の偏波(p2)とが相互に直交する、請求項1から17のいずれか一項に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載のアンテナ構成(120a、120b、120c、120d)を備える無線トランシーバデバイス(200)。
【請求項20】
信号を送信するための方法であって、前記方法は請求項19に記載の無線トランシーバデバイス(200)によって実行され、
前記アンテナ構成(120a、120b、120c、120d)によって信号を供給することによって前記信号を送信すること(S202)
を含む、方法。
【請求項21】
信号を送信するためのコンピュータプログラム(1020)であって、請求項19に記載の無線トランシーバデバイス(200)の処理回路(210)上で実行されたとき、前記無線トランシーバデバイス(200)に請求項20に記載の方法を実行させるコンピュータコードを備える、コンピュータプログラム(1020)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で提示される実施形態は、参照信号を送信するためのアンテナ構成、方法、無線トランシーバデバイス、コンピュータプログラム、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークでは、所与の通信プロトコル、通信プロトコルのパラメータ、および通信ネットワークが展開される物理的環境について良好なパフォーマンスおよび容量を得る課題があり得る。
【0003】
たとえば、モバイル通信システムの将来の世代のために、多くの異なるキャリア周波数における周波数帯域が必要とされ得る。たとえば、ワイヤレスデバイスのための十分なネットワークカバレッジを達成するために、低いそのような周波数帯域が必要とされ得、要求されるネットワーク容量に達するために、(たとえばミリメートル波長(mmW)の、すなわち30GHz付近のおよびそれを上回る)より高い周波数帯域が必要とされ得る。一般的に言えば、高い周波数では、無線チャネルの伝搬特性はより困難であり、ネットワークのアクセスノードとワイヤレスデバイスの両方におけるビームフォーミングは、十分なリンクバジェットに達することが必要とされ得る。
【0004】
ワイヤレスデバイスは、アナログビームフォーミング、デジタルビームフォーミング、またはハイブリッドビームフォーミングによってビームフォーミングを実装し得る。各実装形態はそれの利点および欠点を有する。デジタルビームフォーミング実装形態は、3つのうちの最もフレキシブルな実装形態であるが、必要とされる無線チェーンおよびベースバンドチェーンの数が大きいことにより最もコストがかかる。アナログビームフォーミング実装形態は、デジタルビームフォーミング実装形態と比較して、無線チェーンおよびベースバンドチェーンの数が低減されることにより、製造するには最もフレキシブルでないが、より安価である。ハイブリッドビームフォーミング実装形態はアナログビームフォーミング実装形態とデジタルビームフォーミング実装形態との間の折衷物である。当業者が理解するように、異なるワイヤレスデバイスのコストおよびパフォーマンス要件に応じて、異なる実装形態が必要とされる。
【0005】
ワイヤレスデバイスのための、異なる周波数帯域のための異なるアンテナアーキテクチャについて説明する。(たとえば、15GHzを上回る)高周波数帯域において、アンテナアレイの「パネル」と呼ばれるものについて説明する。アンテナアレイのこれらのパネルは、たとえばアナログ位相シフタを使用することによってステアリングされる、一様線形/矩形アレイ(ULA/URA)であり得る。異なる方向からのカバレッジを得るために、アンテナアレイの複数のパネルがワイヤレスデバイスの異なる側に取り付けられ得る。特に明記されていない限り、アンテナアレイおよびパネルという用語は以下で互換的に使用される。
【0006】
電気通信規格の第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)スイートによれば、アンテナポートは、送信される参照信号によって定義される物理エンティティではなく、論理エンティティである。そのようなアンテナポートは物理アンテナポートに対応することもあり、対応しないこともある。前者の例は、ポートを定義する参照信号がコネクタ上でアンテナエレメントに送信されるときである。後者の例は、ポートを定義する参照信号がデジタルビームフォーマーを使用して送信されるときである。参照信号、たとえばチャネル状態情報参照信号(CSIーRS)または復調用参照信号(DMRS)は1つまたは複数のポートを有することができる。たとえば、CSI-RSリソースは、2つの異なる物理アンテナポートを介して送信され得る2つのポートを有し得る。
【0007】
図1はアンテナ構成120の例示的なアーキテクチャを概略的に示す。アンテナ構成120は、それぞれ2つの偏波p1、p2のアンテナエレメント140a、140bを有する、2つのアンテナアレイ130a、130bからなる。各アンテナアレイ130a、130bは、したがって、偏波当たり1つのトランシーバユニット(TXRU)に接続され、したがって合計4つのパネルポートに接続される。(1つのTXRUに対応する)各パネルポートはアナログビームフォーミングによって狭ステアラブルビームを生成することが可能である。位相シフタをもつアナログ配信ネットワークは、各アンテナアレイ130a、130bにおいて生成された送信ビームをステアリングするために使用される。たとえば、アンテナアレイ130a、130bの共相化(co-phasing)をサポートするためにマルチパネルコードブックが使用され得る。
【0008】
アンテナ構成120は、シングルユーザ(SU)またはマルチユーザ(MU)多入力多出力(MIMO)送信において、パネル当たり1つまたは2つのレイヤを送信するために使用され得る。この点で、MIMO送信を使用するシステムでは、複数の独立したデータストリームが同じ時間周波数無線リソース中で送信され、その結果、いわゆる空間多重化が生じ得る。1つのそのようなデータストリームはレイヤと呼ばれることがある。一例によれば、ビームフォーミング利得を増加させるために、(偏波当たり)単一のレイヤが2つのアンテナアレイ130a、130bのコヒーレント合成によって送信される。
【0009】
4つのパネルポートをもつ二重パネルアンテナを用いる送信がいくつかの問題を生じるケースがある。
【0010】
ランク1またはランク2送信、たとえば、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)シグナリングの場合、図1の場合と同様にアンテナ構成120を使用するときに2つの選択肢がある。第1の選択肢は、アンテナアレイ130a、130bのうちの1つのみを使用して送信することである。それによって、総送信電力の半分のみが使用され、カバレッジの低減につながる。第2の選択肢は、コヒーレント合成を使用して両方のアンテナアレイ130a、130bを使用して送信することである。これには、得られたビームを正確な方向においてステアリングするために、2つのアンテナアレイ130a、130bをどのように共相化すべきかについての知識が必要である。この知識は、相互関係(reciprocity)が成り立つ場合はアップリンクチャネル推定によって、または受信無線トランシーバデバイスからのフィードバックによって取得し得る。相互関係ベースのアップリンクチャネル推定の場合、時分割複信(TDD)を必要とすることのほかに、これには、達成するのにコストがかかり得る、2つのアンテナアレイ中の送信分岐および受信分岐が較正される必要もある。フィードバックベースアップリンクチャネル推定は、いわゆるマルチパネルコードブック報告を使用することによって達成され得る。しかしながら、これによりシグナリングオーバーヘッドが増加する。さらに、マルチパネルコードブックは、アンテナアレイおよび偏波当たり1つのアンテナポートをサポートしないことがあり、したがって、さらには、図1におけるアンテナ構成のために使用されないことがある。
【0011】
1つまたは2つのアンテナポートのみを使用する、いわゆるチャネルまたは信号、たとえば、1つのアンテナポートを介して送信される(PSSとSSSとPBCHとを備え、PSSは主同期信号の略であり、SSSは2次同期信号の略であり、PBCHは物理ブロードキャストチャネルの略である)同期信号(SS)ブロックの送信の場合、送信無線トランシーバデバイスは、異なる方向においてSSブロックを送信するためにビーム掃引を実行することができる。しかしながら、2つのアンテナアレイ130a、130bのコヒーレント合成は極めて狭い送信ビームを生成し得る。SSブロック送信の場合、妨害に対するロバストネスと、受信無線トランシーバデバイスのモビリティとを達成するために、比較的広い送信ビームが望まれ得る。さらに、SSブロックビーム掃引における可能な送信ビームの数が制限され得る。そのようなビーム掃引は送信無線トランシーバデバイスのカバレッジ領域全体をカバーすべきであり、したがって、ビームは狭すぎるべきでない。これは、たとえば、SSブロックが送信されるビーム掃引におけるビームの数に限度があるときにそうであり得る。さらに、アンテナアレイ130a、130bが互いに対して較正されない場合、送信無線トランシーバデバイスは、同じ信号が両方のアンテナアレイ130a、130bに供給されたときに得られたビーム指向方向についての知識を有しない。
【0012】
したがって、2つのアンテナアレイ130a、130bにわたるコヒーレント送信は非常に狭い送信ビームを生成することができ、および/またはビーム指向方向に対する制御が失われるので、そのようなコヒーレント送信が望まれないシナリオがある。
【0013】
したがって、依然として、ネットワークノードまたはワイヤレスデバイスなど、無線トランシーバデバイスのための改善されたアンテナ構成が必要である。
【発明の概要】
【0014】
本明細書の実施形態の目的は、ネットワークノードまたはワイヤレスデバイスなど、無線トランシーバデバイス中で使用され得、上記の問題がないか、または少なくともこれらの問題が低減されたもしくは緩和された、改善されたアンテナ構成を提供することである。
【0015】
第1の態様によれば、アンテナ構成が提示される。アンテナ構成は、第1のアンテナアレイと、第2のアンテナアレイとを備える。各アンテナアレイは、第1の偏波のアンテナエレメントと、第2の偏波のアンテナエレメントとを備える。2つのアンテナアレイは、4つの信号をまとめて供給されるように構成され、それにより、各アンテナアレイにおける各偏波のアンテナエレメントに4つの信号の中からそれぞれ1つの信号が供給される。第2のアンテナアレイの第2の偏波のアンテナエレメントに供給された信号は、他のアンテナエレメントに供給された他の信号のうちの少なくとも1つに対して180°位相シフトされる。
【0016】
有利には、このアンテナ構成は、ワイヤレスデバイスなど、無線トランシーバデバイス中で使用され得、上記の問題がない。
【0017】
有利には、このアンテナ構成は、アンテナアレイにわたる意図されないビームフォーミングを引き起こすことなしにすべての電力増幅器が十分に利用されることを可能にし、たとえば、図1におけるアンテナ構成に対して、カバレッジが改善されることにつながる。
【0018】
第2の態様によれば、無線トランシーバデバイスが提示される。無線トランシーバデバイスは第1の態様によるアンテナ構成を備える。
【0019】
第3の態様によれば、信号を送信するための方法が提示される。本方法は第2の態様による無線トランシーバデバイスによって実行される。本方法は、アンテナ構成によって信号を送ることによってその信号を送信することを含む。
【0020】
第4の態様によれば、参照信号を送信するためのコンピュータプログラムが提示され、コンピュータプログラムは、第2による無線トランシーバデバイス上で実行されたとき、無線トランシーバデバイスに第3の態様による方法を実行させるコンピュータプログラムコードを備える。
【0021】
第5の態様によれば、第4の態様によるコンピュータプログラムと、コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体とを備えるコンピュータプログラム製品が提示される。コンピュータ可読記憶媒体は非一時的コンピュータ可読記憶媒体であり得る。
【0022】
含まれる実施形態の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な開示から、添付の従属クレームから、ならびに図面から明らかになろう。
【0023】
一般に、本明細書で別段に明示的に定義されていない限り、特許請求の範囲において使用されるすべての用語は、技術分野における用語の通常の意味に従って解釈されるべきである。「要素、装置、構成要素、手段、モジュール、ステップなど」へのすべての参照は、別段に明示的に述べられていない限り、要素、装置、構成要素、手段、モジュール、ステップなどの少なくとも1つのインスタンスを参照するものとしてオープンに解釈されるべきである。本明細書で開示されるいずれの方法のステップは、明記されていない限り、開示された厳密な順序で実行される必要はない。
【0024】
次に、添付の図面を参照しながら、例として、本発明的概念について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来技術によるアンテナ構成を概略的に示す図である。
図2】実施形態による通信システムを示す概略図である。
図3】実施形態によるアンテナ構成を概略的に示す図である。
図4】実施形態によるアンテナ構成を概略的に示す図である。
図5】実施形態によるアンテナ構成を概略的に示す図である。
図6】実施形態によるアンテナ構成を概略的に示す図である。
図7】一実施形態による方法のフローチャートである。
図8】一実施形態による、無線トランシーバデバイスの機能ユニットを示す概略図である。
図9】一実施形態による、無線トランシーバデバイスの機能モジュールを示す概略図である。
図10】一実施形態による、コンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、発明的概念のいくつかの実施形態が示されている添付の図面を参照しながら、発明的概念について以下でより十分に説明する。この発明的概念は、しかしながら、多くの異なる形式において実施され得、本明細書に記載された実施形態に限定されるものと解釈されるべきでない。そうではなく、これらの実施形態は、本開示が徹底的で完全であり、発明的概念の範囲を当業者に十分に伝達するように、例として与えられる。説明全体にわたって同様の番号は同様の要素を指す。一点鎖線によって示されたステップまたは特徴は随意のものと見なされるべきである。
【0027】
図2は、(無線トランシーバデバイス300など)ワイヤレスデバイスとして実装される無線トランシーバデバイスへのネットワークアクセスを与える、(無線トランシーバデバイス200など)無線アクセスネットワークノードとして実装される無線トランシーバデバイスを備える通信システム100を示す概略図である。無線アクセスネットワークノードは、アクセスノード、無線基地局、トランシーバ基地局、ノードB、エボルブドノードB、gノードB、アクセスポイントなどのいずれかであり得る。ワイヤレスデバイスは、ワイヤレスデバイス、移動局、モバイルフォン、ハンドセット、ワイヤレスローカルループフォン、ユーザ機器(UE)、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ワイヤレスセンサーなどのいずれかであり得る。
【0028】
無線トランシーバデバイス200は、M個のビーム110a、110b、…、110Mで無線トランシーバデバイス300に信号を送信するように設定されたアンテナ構成を備えると仮定される。ビーム110a、110b、…、110Mはすべて同じ幅を有し得るか、またはビーム110a、110b、…、110Mのうちの少なくとも2つは相互に異なる幅を有する。無線トランシーバデバイス200は、したがって、(全指向性ビームとは対照的に)M個のビーム110a、110b、…、110Mで通信するように設定される。
【0029】
上記のように、無線トランシーバデバイスのための改善されたアンテナ構成が必要である。特に、無線トランシーバデバイスにおけるアンテナ構成120の2つのアンテナアレイ130a、130bにわたる偶発的な制御されないビームフォーミングが回避されることを可能にするアンテナ構成が開示される。
【0030】
次に、図3図4図5、および図6を参照する。図3図4図5、および図6は、実施形態によるアンテナ構成120a、120b、120c、120dを概略的に示す。
【0031】
アンテナ構成120a、120b、120c、120dは第1のアンテナアレイ130aと第2のアンテナアレイ130bとを備える。各アンテナアレイ130a、130bは第1の偏波p1のアンテナエレメント140aと第2の偏波p2のアンテナエレメント140bとを備える。
【0032】
2つのアンテナアレイ130a、130bは、4つの信号をまとめて供給されるように構成され、それにより、各アンテナアレイ130a、130bにおける各偏波p1、p2のアンテナエレメント140a、140bに4つの信号の中からそれぞれ1つの信号が供給される。以下で開示するように、これらの4つの信号は、(図3図4図6におけるアンテナ構成120a、120b、120dの場合のように)2つの共通信号s1、s2、または(図5におけるアンテナ構成120cの場合のように)単一の共通信号sから生じ得る。
【0033】
第2のアンテナアレイ130bの第2の偏波p2のアンテナエレメント140bに供給された信号は、他のアンテナエレメントに供給された他の信号のうちの少なくとも1つに対して180°位相シフトされる。
【0034】
2つのアンテナアレイ130a、130b上での直交偏波での送信のために構成されることによって、このアンテナ構成120a、120b、120c、120dは、2つのアンテナアレイ130a、130bにわたる非コヒーレント送信を可能にする。
【0035】
次に、アンテナ構成のさらなる詳細に関する実施形態を開示する。
【0036】
いくつかの態様では、アンテナエレメント140a、140bにアナログビームフォーミングネットワークからの信号が供給される。特に、一実施形態によれば、アンテナ構成120a、120b、120c、120dはアナログビームフォーミングネットワークをさらに備える。信号は、その場合、アナログビームフォーミングネットワークからアンテナエレメント140a、140bに供給される。
【0037】
異なるタイプの第1の偏波p1および第2の偏波p2があり得る。いくつかの態様では、第1のサブアレイ130aおよび第2のサブアレイ130bは、相互に直交する偏波をもつアンテナエレメント140a、140bを有する。すなわち、一実施形態によれば、第1の偏波p1および第2の偏波p2は相互に直交する。
【0038】
第2のアンテナアレイ130bの第2の偏波p2のアンテナエレメント140bに供給された信号が、他のアンテナエレメントに供給された他の信号のうちの少なくとも1つに対して180°位相シフトされるように、アンテナ構成120a、120b、120c、120dを設定する異なる方法があり得る。
【0039】
第1の実施形態によれば、第2のアンテナアレイ130bの第2の偏波p2のアンテナエレメント140bに供給された信号は、少なくとも第1のアンテナアレイ130aの第1の偏波p1のアンテナエレメント140aに供給された信号に対して180°位相シフトされる。これは、図3図4図5におけるアンテナ構成120a、120b、120cについて当てはまる。
【0040】
第2の実施形態によれば、第2のアンテナアレイ130bの第2の偏波p2のアンテナエレメント140bに供給された信号は、少なくとも第2のアンテナアレイ130bの第1の偏波p1のアンテナエレメント140aに供給された信号に対して180°位相シフトされる。これは、図6におけるアンテナ構成120dについて当てはまる。
【0041】
次に、図3のアンテナ構成120aを特に参照する。図3におけるアンテナ構成120aによれば、第1のアンテナアレイ130aに供給された2つの信号は第1の共通信号s1から生じ、第2のアンテナアレイ130bに供給された2つの信号は第2の共通信号s2から生じる。さらに、第1の共通信号s1は第1のレイヤ信号を表し、第2の共通信号s2は第2のレイヤ信号を表すか、または第1の共通信号s1および第2の共通信号s2は、CSI-RSなど、参照信号の2つのポートを表す。図3は、したがって、すべての電力増幅器を利用しながら、アンテナアレイ130a、130b当たり1つのレイヤが送信され得る実施形態を示す。
【0042】
第1のレイヤのための信号s1は、同相の2つの偏波を供給することによって第1のアンテナアレイ130a上で送信され、その結果、送信された信号の垂直偏波が生じる。第2のレイヤのための信号s2は、180°位相差をもつ2つの偏波を供給することによって第2のアンテナアレイ130b上で送信され、その結果、送信された信号の水平偏波が生じる。1つのアンテナアレイ130a、130b上の2つのパネルポートは直交偏波を有するので、アナログビームフォーミングネットワークによってすでに実行されたビームフォーミング以外に、アンテナアレイ130a、130b内のパネルポートの追加のビームフォーミングはない。さらに、第1のアンテナアレイ130aからの送信の得られた偏波は垂直であり、第2のアンテナアレイ130bからの送信の得られた偏波は水平であるので、2つのレイヤは直交偏波とともに送信される。
【0043】
次に、図4のアンテナ構成120bを特に参照する。線形水平偏波および垂直偏波以外の、アンテナアレイ130a、130bについての得られた偏波状態は、図4におけるアンテナ構成120bによれば、余剰位相シフトαを導入することによって得られ得る。図4におけるアンテナ構成120bによれば、第1のアンテナアレイ130aの第2の偏波p2のアンテナエレメント140bに供給された信号は、第1のアンテナアレイ130aの第1の偏波p1のアンテナエレメント140aに供給された信号に対してα°位相シフトされる。さらに、第2のアンテナアレイ130bの第1の偏波p1のアンテナエレメント140aに供給された信号は、第1のアンテナアレイ130aの第1の偏波p1のアンテナエレメント140aに供給された信号に対して-α°位相シフトされる。αの値を決定する異なる方法があり得る。たとえば、αはチャネル依存値を有し得る。
【0044】
適用される位相シフト(それぞれ、αおよび-α)の反対称性は、2つのレイヤが直交偏波とともに送信されることを保証する。アンテナアレイ130a、130b当たり1つのレイヤが送信される伝送方式では、2つのアンテナアレイ130a、130bは、相互に異なるアナログビームフォーミングネットワークを有し得る。しかしながら、各アンテナアレイ130a、130b内の2つの偏波のためのアナログビームフォーミングネットワークは同じであるべきである。さらに、各アンテナアレイ130a、130b内の2つの偏波は互いに対して較正されるべきである。
【0045】
(WO2011/050866A1およびWO2016/141961A1に開示されているように)二重偏波ビームフォーミングは、アナログビームフォーミングネットワークを使用して各アンテナアレイ130a、130b内で適用され得る。このようにして、2つの送信レイヤ間の電力増幅器および直交偏波の十分な利用を維持しながら、任意のビーム幅をもつビームが作成され得る。異なるビーム幅をもつビームを作成することが可能であることは、ビーム管理中に階層ビーム探索のために有用であり得る。たとえば、第1のビーム管理プロセスは、比較的広いビームを使用して広い角セクタのビーム走査を含み得、ビーム改良のための第2のビーム管理プロセスは、第1のビーム管理プロセスによって決定される、限定された角セクタ中でより狭いビームを使用することを含み得る。その場合、ビーム管理における2ポートCSI-RSリソースは偏波空間にわたるので、2つのビームは直交偏波を有し、その結果、偏波不整合の危険が取り除かれることは有利であり得る。
【0046】
次に、図5のアンテナ構成120cを特に参照する。図5におけるアンテナ構成120cによれば、第1の共通信号s1および第2の共通信号s2は単一の共通信号sから生じる。単一の共通信号sは、その場合、単一のレイヤ信号または単一ポート参照信号を表し得る。図5に示されたアンテナ構成120cを用いて、すべての電力増幅器を利用するランク1送信が達成され得る。
【0047】
2つのアンテナアレイ130a、130bの得られた偏波は直交するので、2つのアンテナアレイ130a、130bのコヒーレント合成なしに、同じ信号sが両方のアンテナアレイ130a、130bに供給され得る。得られたランク1送信ビームは、アンテナアレイ130a、130bのうちのただ1つと同じ放射パターンを有し、すべての電力増幅器を十分に利用する。これは、第1のアンテナアレイ130a上の第1の偏波p1が、第2のアンテナアレイ130b上の第2の偏波p2と同じアナログビーミングネットワークを有すること、および第1のアンテナアレイ130a上の第2の偏波p2が、第2のアンテナアレイ130b上の第1の偏波p1と同じアナログビーミングネットワークを有することを必要とし得る。
【0048】
アンテナ構成120cは、さらに、SSブロックまたは物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)シグナリングなど、1ポート信号の送信のために好適である。別の使用法は、ビーム管理におけるカバレッジを増加させることであり得る。たとえば、CSI-RSは、ビーム管理のための最高2つのアンテナポートを用いて使用され得る。一般的な使用法は、その場合、偏波当たり1つのCSI-RSポートをもつアンテナアレイ130a、130bのうちの1つからの1つのビームにおいてCSI-RSを送信することであろう。そのような送信では、2つのアンテナアレイ130a、130bのうちのただ1つが送信において使用されるので、ビーム当たり総送信電力の1/2のみが使用されるであろう。アンテナ構成120cを用いると、両方のアンテナアレイ130a、130bからの総送信電力は1つのビーム(および2つの偏波)のために使用され得る。アンテナアレイ130a、130bを用いると、このビームは、単一のアンテナアレイ130a、130bからのビームと同じ放射パターンを有する。
【0049】
次に、図6のアンテナ構成120dを特に参照する。図6におけるアンテナ構成120dによれば、第1のアンテナアレイ130aの第2の偏波p2のアンテナエレメント140bに供給された信号は、第2のアンテナアレイ130bの第1の偏波p1のアンテナエレメント140aに供給された信号に対してα°位相シフトされる。さらに、第1のアンテナアレイ130aの第1の偏波p1のアンテナエレメント140aに供給された信号は、第2のアンテナアレイ130bの第1の偏波p1のアンテナエレメント140aに供給された信号に対して-α°位相シフトされる。αの値を決定する異なる方法があり得る。たとえば、上記のように、αはチャネル依存値を有し得る。
【0050】
さらに、図6におけるアンテナ構成120dによれば、第2のアンテナアレイ130bの第1の偏波p1のアンテナエレメント140aに供給された信号、および第1のアンテナアレイ130aの第2の偏波p2のアンテナエレメント140bに供給された信号は第1の共通信号s1から生じる。またさらに、第2のアンテナアレイ130bの第2の偏波p2のアンテナエレメント140bに供給された信号、および第1のアンテナアレイ130aの第1の偏波p1のアンテナエレメント140aに供給された信号は第2の共通信号s2から生じる。
【0051】
図6のアンテナ構成120dはランク2送信のために好適である。特に、第1の共通信号s1は第1のレイヤ信号を表し得、第2の共通信号s2は第2のレイヤ信号を表し得、または第1の共通信号s1および第2の共通信号s2は参照信号の2つのポートを表し得る。
【0052】
図6の例によれば、第1のレイヤ信号は、一方のアンテナアレイ130aからの1つの偏波p1と、他方のアンテナアレイ130bからの直交偏波p2とを使用し、第2のレイヤ信号についても同様である。この場合、2つのレイヤはボアサイト(boresight)方向においてのみ直交偏波を有する。他の方向においては、送信は、異なる位相中心を有する直交偏波アンテナポートを組み合わせるので、偏波平行性(polarization parallellity)は方向とともに変動する。
【0053】
図7は、信号を送信するための方法の実施形態を示すフローチャートである。本方法は無線トランシーバデバイス200によって実行される。無線トランシーバデバイス200は、上記で開示したようにアンテナ構成120a、120b、120c、120dを備える。本方法は、有利には、コンピュータプログラム1020として与えられる。
【0054】
S102 無線トランシーバデバイス200は、アンテナ構成120a、120b、120c、120dによって信号を送ることによってその信号を送信する。
【0055】
信号はデータ信号、制御信号、または参照信号であり得る。参照信号は、CSI-RS、SSブロックなど、任意のタイプの参照信号であり得る。
【0056】
図8は、一実施形態による無線トランシーバデバイス200の構成要素を、機能ユニット数に関して、概略的に示す。処理回路210は、たとえば、記憶媒体230の形態の、(図10のように)コンピュータプログラム製品1010に記憶されたソフトウェア命令を実行することが可能な、好適な中央処理ユニット(CPU)、マルチプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)などのうちの1つまたは複数の任意の組合せを使用して与えられる。処理回路210は、さらに、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として与えられ得る。
【0057】
特に、処理回路210は、上記で開示したように、無線トランシーバデバイス200に動作のセットまたはステップを実行させるように設定される。たとえば、記憶媒体230は動作のセットを記憶し得、処理回路210は、無線トランシーバデバイス200に動作のセットを実行させるために、記憶媒体230から動作のセットを取り出すように設定され得る。動作のセットは実行可能命令のセットとして与えられ得る。
【0058】
したがって、処理回路210は、それによって、本明細書で開示したような方法を実行するように構成される。記憶媒体230はまた、たとえば、磁気メモリ、光メモリ、固体メモリまたはさらにはリモートで実装されるメモリのうちの任意の1つまたはそれらの組合せであり得る、永続ストレージを備え得る。無線トランシーバデバイス200は、少なくとも別の無線トランシーバデバイス300との通信のために設定された通信インターフェース220をさらに備え得る。したがって、通信インターフェース220は、アナログ構成要素およびデジタル構成要素を備える、1つまたは複数の送信機および受信機を備え得る。この点で、無線トランシーバデバイス200は、上記で開示したように、したがって通信インターフェース220の一部であり得る、アンテナ構成120a、120b、120c、120dを備える。
【0059】
処理回路210は、たとえば、データおよび制御信号を通信インターフェース220および記憶媒体230に送ることによって、通信インターフェース220からデータおよび報告を受信することによって、および記憶媒体230からデータおよび命令を取り出すことによって、無線トランシーバデバイス200の一般的な動作を制御する。
【0060】
無線トランシーバデバイス200の他の構成要素、ならびに関連する機能は、本明細書で提示された概念を不明瞭にしないために省略される。
【0061】
図9は、一実施形態による、無線トランシーバデバイス200の構成要素を、機能モジュールの数に関して、概略的に示す。図9の無線トランシーバデバイス200は、ステップS102を実行するように設定された送信モジュール210aを備える。いくつかの態様では、送信モジュール210aは処理回路210および通信インターフェース220によって実装される。いくつかの態様では、図9の無線トランシーバデバイス200は、本明細書で開示したアンテナ構成120a、120b、120c、120dをさらに備える。
【0062】
図9の無線トランシーバデバイス200はいくつかの随意の機能モジュールをさらに備え得る。一般的に言えば、機能モジュール210aは、一実施形態では、ハードウェアでのみ実装され、別の実施形態では、ソフトウェアの助けを借りて実装され得、すなわち、後者の実施形態は、処理回路上で実行されたとき、無線トランシーバデバイス200に図9に関連して上述した対応するステップを実行させる、記憶媒体230に記憶されたコンピュータプログラム命令を有する。また、モジュールは、それらがコンピュータプログラムの一部に対応する場合でも、コンピュータプログラム中の別個のモジュールである必要はないが、モジュールがソフトウェアで実装される方法は、使用されるプログラミング言語に依存することに述べられるべきである。好ましくは、1つもしくは複数のまたはすべての機能モジュール210aは、処理回路210によって、場合によっては、通信インターフェース220および/または記憶媒体230と協働して実装され得る。処理回路210は、したがって、記憶媒体230から、機能モジュール210aによって与えられる命令をフェッチし、これらの命令を実行し、それによって本明細書で開示される任意のステップを実行するように設定され得る。
【0063】
無線トランシーバデバイス200は、スタンドアロンデバイスとして、または少なくとも1つのさらなるデバイスの一部として与えられ得る。いくつかの態様では、無線トランシーバデバイス200はワイヤレスデバイスであるか、またはワイヤレスデバイス中に与えられる。
【0064】
図10は、コンピュータ可読記憶媒体1030を備えるコンピュータプログラム製品1010の一例を示す。このコンピュータ可読記憶媒体1030上に、コンピュータプログラム1020が記憶され得、コンピュータプログラム1020は、処理回路210、ならびに、通信インターフェース220および記憶媒体230など、処理回路210に動作可能に結合されたエンティティおよびデバイスに、本明細書で説明した実施形態による方法を実行させることができる。コンピュータプログラム1020および/またはコンピュータプログラム製品1010は、したがって、本明細書で開示した任意のステップを実行するための手段を与え得る。
【0065】
図10の例では、コンピュータプログラム製品1010は、CD(コンパクトディスク)、またはDVD(デジタルバーサタイルディスク)、またはブルーレイディスクなど、光ディスクとして示されている。コンピュータプログラム製品1010はまた、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、または電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)など、メモリとして、より詳細には、USB(ユニバーサルシリアルバス)メモリ、またはコンパクトフラッシュメモリなどのフラッシュメモリなど、外部メモリ中のデバイスの不揮発性記憶媒体として実施され得る。したがって、コンピュータプログラム1020はここでは示された光ディスク上のトラックとして概略的に示されているが、コンピュータプログラム1020は、コンピュータプログラム製品1010のために好適である任意の方法で記憶され得る。
【0066】
発明的概念について、主にいくつかの実施形態に関して上記で説明した。しかしながら、当業者によって容易に諒解されるように、上記で開示した実施形態以外の実施形態が、添付の特許請求の範囲によって定義されているように、発明的概念の範囲内で等しく可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10