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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】三軸プラネタリーミキサー
(51)【国際特許分類】
   B01F 27/95 20220101AFI20230808BHJP
   B01F 27/96 20220101ALI20230808BHJP
   B01F 27/93 20220101ALI20230808BHJP
   B01F 27/90 20220101ALI20230808BHJP
   B01F 27/92 20220101ALI20230808BHJP
   B01F 35/30 20220101ALI20230808BHJP
【FI】
B01F27/95
B01F27/96
B01F27/93
B01F27/90
B01F27/92
B01F35/30
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021132117
(22)【出願日】2021-08-16
(65)【公開番号】P2022033716
(43)【公開日】2022-03-02
【審査請求日】2021-08-16
(31)【優先権主張番号】109127984
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】521205869
【氏名又は名称】弘▲ぎょく▼機械工業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】呂,洞明
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】実公平05-020426(JP,Y2)
【文献】特表2005-523814(JP,A)
【文献】特開2016-123970(JP,A)
【文献】特開2010-115595(JP,A)
【文献】実開平02-008535(JP,U)
【文献】特開2012-192384(JP,A)
【文献】特開2010-099553(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108057354(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105214548(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 27/00-27/96
B01F 35/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に第1の駆動モータ及び第2の駆動モータが設けられ、上方に貫通孔の形成された膨張タンクが設けられたボックス本体と、
前記ボックス本体の下方に設置され、かつ、内部に、前記第1の駆動モータに接続された第1の伝動ユニットと、前記第2の駆動モータに接続された第2の伝動ユニットとを有し、さらに、2つの低速歯車及び1つの高速歯車が設けられ、前記低速歯車が前記第1の伝動ユニットとは相互に組み立てられて低速シャフトが設けられる一方、前記高速歯車が前記第2の伝動ユニットとは相互に組み立てられて高速シャフトが設けられたギアボックスと、
撹拌タンクを形成し、かつ2つの低速撹拌アセンブリ及び1つの高速撹拌アセンブリが設けられ、前記低速撹拌アセンブリが前記低速シャフトに接続し、前記高速撹拌アセンブリが前記高速シャフトに接続し、前記2つの低速撹拌アセンブリは、撹拌タンク面積の58%~63%を占め、前記高速撹拌アセンブリは、撹拌タンク面積の37%~42%を占める撹拌バレルと、を含む三軸プラネタリーミキサーにおいて、
前記低速撹拌アセンブリは、上辺部と下辺部とを有し、
前記低速撹拌アセンブリは、前記上辺部及び前記下辺部の両端にそれぞれ側辺部で延伸して接続され、かつ
前記低速撹拌アセンブリは、前記上辺部で前記低速シャフトに接続されており、
前記側辺部の断面形状は、120度以上の最大内角及び70度~78度の最小内角を有する鏡像対称六角形となるように構成され、
前記上辺部の長さは、隣接する低速撹拌アセンブリの低速シャフト間の距離より大きく、
各前記低速撹拌アセンブリは、公転すると同時に各前記低速シャフトを中心としてそれぞれ自転し、
前記上辺部と下辺部とは、投影では交互にX字状になるように配置され、
前記側辺部は、最大内角が120度以上、最小内角が70度~78度である鏡像対称六角形の断面形状を有するように構成され、
前記鏡像対称六角形の横方向最大幅(L)、縦方向最大幅(W)、最小辺の長さ(N)は、次の式(1)、(2)を満たす、ことを特徴とする、三軸プラネタリーミキサー。
6:5≦L:W≦7:5 (1)
15:5≦L:N≦40:5 (2)
【請求項2】
前記第1の駆動モータは、前記第1の伝動ユニットに接続された第1の伝動アセンブリを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の三軸プラネタリーミキサー。
【請求項3】
前記第2の駆動モータは、前記第2の伝動ユニットに接続された第2の伝動アセンブリを有することを特徴とする請求項1に記載の三軸プラネタリーミキサー。
【請求項4】
前記膨張タンクは、前記ギアボックスの内部に連通する連通路を有することを特徴とする請求項1に記載の三軸プラネタリーミキサー。
【請求項5】
前記ギアボックス内にさらにカウンタウェイトが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の三軸プラネタリーミキサー。
【請求項6】
前記第1の駆動モータは、緩速アセンブリを有することを特徴とする請求項1に記載の三軸プラネタリーミキサー。
【請求項7】
前記高速攪拌アセンブリは、分散ブレード、蝶ブレード、パドルブレード、盤式ブレード又は棒式ブレードなどの撹拌可能なアセンブリであることを特徴とする請求項1に記載の三軸プラネタリーミキサー。
【請求項8】
前記低速撹拌アセンブリは、直枠ブレード又は螺旋ブレードであることを特徴とする請求項1に記載の三軸プラネタリーミキサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三軸プラネタリーミキサーに関し、特に、粒子集合体(集合粒子の塊)を高速シャフトで高速かつ均一的に分散すると共に、低速シャフトが交差しながら接線方向に混合及び混練し、原料の粒子集合体を掻き混ぜることで、良好な分散効果を達成し、生産効率を向上させる三軸プラネタリーミキサーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のミキサーの種類や用途は、使用目的によって異なるが、いずれもバレルを備えており、材料を投入した後、スピンドルに撹拌ブレードを取り付けて混合作業を行い、粉末と材料が均一に分散するという目的を達成してから再利用することができる。
ただし、一般型ミキサーは、少量又は材料構造の変化が少ない用途に適しているが、科学的技術の進歩に伴い、ニーズや、粉末、材料の更新、及び材料の種類は過去とは異なるケースが多く、ミキサーの役割に対し要求が高くなるが、従来のミキサーは一般的な要件にしか満たすことができず、より大量、より洗練された分散要件と、同時間帯で一貫した品質の製品を製造する方法については、ユーザーが突破口を探さなければならない問題を直面するため、多軸プラネタリーミキサーが開発された。
市場に出回っている一般的な機械式高速ミキシングは、600rpmから7200rpmの回転数で動作し、すべてベルト操作を使用しており、ベルトアジャスターが含まれるようになっているが、ベルトが長く作動すると、ベルトの緩みやベルトの過熱、滑りが発生しやすく、トルクロスや誤動作の原因になり、さらに、キャビネットスペースが狭く、ベルトアジャスターの取付けが容易ではなく、ベルトアイドラーを取って代わると誤動作しやすく、生産に影響を与え、生産停止、修理に移行するリスクを引き起こしてしまう。
さらに、一般的に、従来の4軸アーム型プラネタリーミキサーの4軸アームの中心は菱形であり、各軸が配置空間の1/6を担っているが、軸受の設置空間が狭いため、軸心が小さく、揺れやすく、軸受の動的荷重が弱く、軸が変形しやすく、曲がりやすい。高速分散ブレードは、スペース不足のため低速ブレードとの衝突を恐れ、分散効果が低く効率が悪い。
また、一般的に、従来の2軸アーム型プラネタリーミキサーの2軸アームの中心は一字状であり、高速分散はバレル径面積の5分の2を占め、スペースが大きく軸受、軸心の拡大に適しているため、揺れにくく、軸受の動的荷重が強く、軸は変形や曲げが容易ではなく、分散ブレードも分散を増加させることができるが、高低速シャフトが一列に並んでいるため、低速シャフトは混練せずに混合するだけで、両側のブランク対流は、公転のみ操作できず、分散の効率効果が悪いことが知られる。
【0003】
従って、前記従来の問題と欠点をどのように解決するかは、本発明の発明者及びこの業界に従事する関連製造業者が緊急に研究及び改善したい方向である。
【発明の概要】
【0004】
これに鑑みて、上記の問題を有効に解決するために、本発明の主な目的は、粒子集合体を高速シャフトで高速かつ均一的に分散すると共に、低速シャフトが交差しながら接線方向に混合及び混練し、原料の粒子集合体を掻き混ぜることで、良好な分散効果を達成し、生産効率を向上させる三軸プラネタリーミキサーを提供することにある。
【0005】
本発明の別の目的は、ベルトを使用する問題を避けるために、フルギアで動作する三軸プラネタリーミキサーを提供することにある。
【0006】
本発明のもう一つの目的は、公転また自転範囲が撹拌タンク内部をカバーして分散効率を高める三軸プラネタリーミキサーを提供することにある。
【0007】
前記目的に達するために、本発明は、ボックス本体と、ギアボックスと、撹拌バレルとを含む三軸プラネタリーミキサーを提供する。前記ボックス本体の内部には、第1の駆動モータ及び第2の駆動モータが設けられる。前記ボックス本体の上方には、膨張タンクが設けられる。前記ギアボックスは、前記ボックス本体の下方に設置し、且つ前記ギアボックス内には第1の伝動ユニットと第2の伝動ユニットとを有する。前記第1の伝動ユニットは前記第1の駆動モータに接続し、前記第2の伝動ユニットは前記第2の駆動モータに接続する。
さらに、前記ギアボックス内には、2つの低速歯車及び1つの高速歯車が設けられ、前記低速歯車は、前記第1の伝動ユニットと相互に組み立てられ、且つ前記低速歯車には、低速シャフトがさらに設けられる一方、前記高速歯車は、前記第2の伝動ユニットとは相互に組み立てられ、且つ前記高速歯車に高速シャフトは、さらに設けられ、前記撹拌バレルは、前記ギアボックスの下方に設けられる。
前記撹拌バレル内には、撹拌タンクを形成し、かつ前記撹拌バレル内には、2つの低速撹拌アセンブリ及び1つの高速撹拌アセンブリが設けられる。前記低速撹拌アセンブリは、前記低速シャフトに接続し、前記高速撹拌アセンブリは、前記高速シャフトに接続する。前記2つの低速撹拌アセンブリは、撹拌タンク面積の58%~63%を占める。前記高速撹拌アセンブリは、撹拌タンク面積の37%~42%を占める。よって、撹拌タンクのすべての空間が前記低速撹拌アセンブリと高速撹拌アセンブリで満たされ、撹拌タンクの内壁を回って互いに公転、自転作動しながら撹拌し、粒子集合体を高速シャフトで高速かつ均一的に分散すると共に、低速シャフトが交差しながら接線方向に混合及び混練し、原料の粒子集合体を掻き混ぜることで、良好な分散効果を達成し、生産効率を向上させる。さらに、ベルトを使用する問題を避けるために、フルギアで動作する。
【0008】
本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの一実施例によれば、前記第1の駆動モータは、前記第1の伝動ユニットに接続された第1の伝動アセンブリを有する。
【0009】
本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの一実施例によれば、前記第2の駆動モータは、前記第2の伝動ユニットに接続された第2の伝動アセンブリを有する。
【0010】
本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの一実施例によれば、前記膨張タンクは、前記ギアボックスの内部に連通する連通路を有する。
【0011】
本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの一実施例によれば、前記ギアボックス内にさらにカウンタウェイトが設けられている。
【0012】
本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの一実施例によれば、前記第1の駆動モータは、緩速アセンブリを有する。
【0013】
本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの一実施例によれば、前記高速攪拌アセンブリは、分散ブレード、蝶ブレード、パドルブレード、盤式ブレード又は棒式ブレードなどの撹拌可能なアセンブリである。
【0014】
本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの一実施例によれば、前記低速撹拌アセンブリは、直枠ブレード又は螺旋ブレードである。
【0015】
本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの一実施例によれば、前記低速撹拌アセンブリは、上辺部と下辺部とを有する。前記低速撹拌アセンブリは、前記上辺部及び前記下辺部の両端にそれぞれ側辺部で延伸して接続され、かつ前記低速撹拌アセンブリは、前記上辺部で前記低速シャフトに接続されている。
【0016】
本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの一実施例によれば、前記側辺部の断面形状は、120度以上の最大内角及び70度~78度の最小内角を有する鏡像対称六角形となるように構成され、
前記上辺部の長さは、隣接する低速撹拌アセンブリの低速シャフト間の距離より大きく、
各前記低速撹拌アセンブリは、公転すると同時に各前記低速シャフトを中心としてそれぞれ自転し、
前記上辺部と下辺部とは、投影では交互にX字状になるように配置され、
前記側辺部は、最大内角が120度以上、最小内角が70度~78度である鏡像対称六角形の断面形状を有するように構成され、
前記鏡像対称六角形の横方向最大幅(L)、縦方向最大幅(W)、最小辺の長さ(N)は、次の式(1)、(2)を満たす。
6:5≦L:W≦7:5 (1)
15:5≦L:N≦40:5 (2)
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの組み合わせ概略図である。
図2図2は、本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの部分概略図である。
図3A図3(A)は、本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの低速撹拌アセンブリの部分概略図である。
図3B図3(B)は、図3(A)の断面角度の概略図である。
図4図4は、本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの部分実施動作の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の上記目的及びその構造及び機能的特徴については、添付図面の好ましい実施例に基づいて説明する。
【0019】
図1図2図3(A)及び図3(B)は、それぞれ、本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの組み合わせ概略図、部分概略図及び低速攪拌アセンブリの部分概略図及び断面角度の概略図である。まず、図中から明らかのように、前記三軸プラネタリーミキサーは、ボックス本体2と、ギアボックス3と、攪拌バレル4とを含む。
【0020】
前記ボックス本体2の内部に第1の駆動モータ21及び第2の駆動モータ22が設けられる。前記第1の駆動モータ21は、第1の伝動アセンブリ211と緩速アセンブリ212とを有する。また、前記ボックス本体2に膨張タンク23が設けられる。前記膨張タンク23は連通路231を有する。且つ前記膨張タンクに貫通孔232が形成される。
【0021】
ここで、前記ギアボックス3は、前記ボックス本体2の底部に設けられる。前記膨張タンク23の連通路2311の一端は前記ギアボックス3と連通し、さらに、前記ギアボックス3内には、第1の伝動ユニット31及び第2の伝動ユニット32が設けられる。前記第1の伝動ユニット31は、前記第1の伝動アセンブリ211と相互に接続し、前記第2の伝動ユニット32は、前記第2の伝動アセンブリ221と相互に接続する。
前記ギアボックス3内には、さらに2つの低速歯車33及び1つの高速歯車34を有し、前記低速歯車33は、前記第1の伝動ユニット31と相互に組み立てられる。前記低速歯車33の下方には、低速シャフト331が設けられる一方、前記高速歯車34は、前記第2の伝動ユニット32と相互に組み立てられる。前記高速歯車34の下方には、高速シャフト341が設けられ、前記ギアボックス3内には、さらにカウンタウェイト35が設けられている。
【0022】
前記ギアボックス3の下方には、前記撹拌バレル4が設けられ、前記撹拌バレル4の内部には、攪拌タンク41が形成される。さらに、前記撹拌バレル4内には、2つの低速撹拌アセンブリ42及び1つの高速撹拌アセンブリ43が設けられる。
前記低速撹拌アセンブリ42は、前記低速シャフト331に接続し、前記2つの低速撹拌アセンブリ42は、攪拌タンク41に接続するとともに、撹拌タンク面積の58%~63%を占める。また、前記高速撹拌アセンブリ43は、前記高速シャフト341に接続し、高速撹拌アセンブリ43は、攪拌タンク41の面積の37%~42%を占める。前記高速撹拌アセンブリ43は、原料分子粒子の特性に応じて、分散ブレード、蝶ブレード、パドルブレード、盤式ブレード又は棒式ブレードなどで、原料粒子と樹脂を均一に混合させて、分子粒子の所望形状に達することができる。前記低速撹拌アセンブリ42は、直枠ブレード又は螺旋ブレードなどで、原料粒子と樹脂を均一に混合させて分子粒子の所望形状に達することができる。
【0023】
前記低速撹拌アセンブリ42は、上辺部421及び下辺部422をさらに有する。前記低速撹拌アセンブリ42は、前記上辺部421及び前記下辺部422の両端にそれぞれ側辺部423で延伸して接続される。前記低速撹拌アセンブリ42は、前記上辺部421で前記低速シャフト331に接続される。前記上辺部421の長さは、隣接する低速撹拌アセンブリ42の低速シャフト331間の距離より大きい。各前記低速撹拌アセンブリ42は、公転すると同時に各前記低速シャフト331を中心としてそれぞれ自転し、かつ前記上辺部421と下辺部422とは、投影ではX字状になるように交互に配置されている。
【0024】
また、混練の均一性及び攪拌効果の観点から、側辺部423は、三方対称六角形、等角六角形、正六角形、又は鏡像対称六角形のいずれかの断面形状を有するように適切に構成されることが好ましい。より好ましくは、図3(A)、(B)に示すような鏡像対称六角形を形成する。
すなわち、この側辺部423は、120度以上の最大内角、70度~78度の最小内角を有する鏡像対称六角形の断面形状となるように構成されている。また、図3(B)に示すように、この鏡像対称六角形の横方向最大幅(L)、縦方向最大幅(W)、最小辺の長さ(N)は次の式(1)、(2)を満たす。
6:5≦L:W≦7:5 (1)
15:5≦L:N≦40:5 (2)
【0025】
また、側辺部423の構造強度を向上させ、鋭角割れの発生を回避する観点から、側辺部423の鏡像対称六角形の各頂角をさらに円弧角として形成する。例えば、図3(B)に示すような曲率半径r1、r2の円弧角が形成されてよい。また、滞留遅延時間を短縮し、攪拌効果を高める観点から、円弧角の曲率半径r1、r2は、横方向最大幅(L)の1/12~1/8の範囲が好ましい。より好ましくは、1/11から1/9の範囲である。一方、r1、r2は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0026】
また、図4は、本発明に係る三軸プラネタリーミキサーの部分実施動作の概略図一である。前記図面と合わせて図4を参照すると、前記三軸プラネタリーミキサーが起動する際に、第1の駆動モータ21は、第1の伝動アセンブリ211及び緩速アセンブリ212を介して前記第1の伝動ユニット31を公転させ、前記第1の伝動ユニット31は、緩速アセンブリ212を介して低速回転し、かつ前記第1の伝動ユニット31が回転すると同時に前記低速歯車33を自転させ、前記低速歯車33が自転すると同時に前記低速シャフト331を撹拌バレル4内に公転、自転させて撹拌を行う。
また、前記第2の駆動モータ22は、第2の伝動アセンブリ221を介して前記第2の伝動ユニット32を公転させ、かつ前記第2の伝動ユニット32が回転すると同時に前記高速歯車34を自転させ、前記高速歯車34が自転すると同時に前記高速シャフト341を撹拌バレル4内に公転、自転させて撹拌を行う。
さらに、前記2つの低速撹拌アセンブリ42は、攪拌タンク41の面積の58%~63%を占める。前記高速撹拌アセンブリ43は、攪拌タンク41の面積の37%~42%を占める。よって、前記低速撹拌アセンブリ42と前記高速撹拌アセンブリ43とは、攪拌タンク41の内壁に沿って互いに公転自転して撹拌し、前記高速撹拌アセンブリ43は、攪拌タンク41の面積の58%~63%を占める。このため、回転可能なスペースは大きく、回転可能なスペースが大きい場合、その使用する軸受と軸心を拡大することができ、そのため容易に揺れず、軸受の動的負荷が強く、軸は変形しにくく、使用されたブレードの範囲も大きくすることができ、さらにその分散効果効率が高い効果に達することができる。
さらに、その高速撹拌アセンブリ43の自転用スペースは小さく、公転と併せてスペースを迅速に充填し、低速攪拌アセンブリ42は捏ねて混合し、両者は原料集合粒子の塊を混合させ、対流と分散効率の高い効果を急速に達成することができる。
【0027】
また、三軸プラネタリーミキサーは、そのギアボックス3内にフルギアで配置されることにより、従来のベルト操作によって引き起こされる問題を解決できるほか、低速歯車33と高速歯車34によって発生された正圧ガスは、連通路231を介して膨張タンク23に排出し、次に膨張タンク23の貫通孔232から排出される。
膨張タンク23は、ギア操作から過剰な潤滑油を回収し、シャットダウン後にギアボックス3に回流させ、長期に亘って歯車潤滑を維持し、補充することができる。
また、撹拌バレル4内の2つの低速撹拌アセンブリ42と1つの高速攪拌アセンブリ43とが三角形の配置位置を形成し、2つの低速撹拌アセンブリが一方側に設けられる一方、高速攪拌アセンブリ43が他の側に設けられる。そのため、ギアボックス3にはカウンタウェイト35が設けられることで、ギアボックス3が公転又は自転する時にバランスを維持させることができ、プラネタリーミキサーがバランスの崩れで揺れたり振動したりしないようにすることができる。
【0028】
以上、本発明を詳細に説明したが、上で説明されたものは、本発明の1つの好ましい実施例にすぎず、本発明の実施範囲を限定するものではなく、すなわち本発明の請求範囲によって行う均等変化と修飾などは、本発明の特許請求範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0029】
1 三軸プラネタリーミキサー
2 ボックス本体
21 第1の駆動モータ
221 第1の伝動アセンブリ
212 緩速アセンブリ
22 第2の駆動モータ
221 第2の伝動アセンブリ
23 膨張タンク
231 連通路
3 ギアボックス
31 第1の伝動ユニット
32 第2の伝動ユニット
33 低速歯車
331 低速シャフト.
34 高速歯車
341 高速シャフト
35 カウンタウェイト
4 攪拌バレル
41 撹拌タンク
42 低速攪拌アセンブリ
421 上辺部
422 下辺部.
423 側辺部
43 高速攪拌アセンブリ
図1
図2
図3A
図3B
図4