(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】基地局及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 28/08 20230101AFI20230808BHJP
H04W 4/44 20180101ALI20230808BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20230808BHJP
H04W 24/02 20090101ALI20230808BHJP
【FI】
H04W28/08
H04W4/44
H04W16/28
H04W24/02
(21)【出願番号】P 2021183041
(22)【出願日】2021-11-10
(62)【分割の表示】P 2020003886の分割
【原出願日】2020-01-14
【審査請求日】2021-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【氏名又は名称】黒田 壽
(74)【代理人】
【識別番号】100128691
【氏名又は名称】中村 弘通
(72)【発明者】
【氏名】海老沢 憲一
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 慶介
(72)【発明者】
【氏名】河村 浩彰
(72)【発明者】
【氏名】小椋 直
(72)【発明者】
【氏名】大竹 博
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 智郎
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-220908(JP,A)
【文献】国際公開第2009/133952(WO,A1)
【文献】特開2001-203623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項7】
前記第1セル及び前記第2セルは、第5世代の移動通信システムによる通信を行うため
のセルである、請求項1乃至6のいずれかに記載の基地局。
【請求項8】
前記第2セルは、他の基地局が形成した第3セルに重なるように形成され、
前記第2セルが形成される数は、前記第3セルのエリア内において、前記第1セルの数よりも多
く、
前記第3セルは、LTE又はLTE-Advancedの移動通信システムによる通信
を行うためのセルである、請求項
7に記載の基地局
。
【請求項9】
1以上のコンピュータからなるシステムであって、
第1セルを形成するセル形成装置と、
前記第1セルに在圏する通信端末装置の数に関する情報を受信する受信装置と、
前記第1セル内で前記通信端末装置の数が増加した所定のエリアを特定するエリア特定装置と、を含み、
前記セル形成装置は、前記所定のエリアに向けて、前記第1セルに代えて、前記第1セルよりもサイズが小さい第2セルを形成する、
システム。
【請求項11】
前記第1セル及び前記第2セルは、第5世代の移動通信システムによる通信を行うため
のセルである、請求項9又は10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局と通信端末装置との間の無線通信の設定を制御するサーバ、通信システム、方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、移動通信システムにおいて、基地局から送信された下りリンクのデータ信号をセル内の通信端末装置(UE)で復調するために、既知のトレーニング用の参照信号である復調用参照信号(以下「DMRS」ともいう。)を基地局からUEにあらかじめ送信することが知られている(非特許文献1参照)。UEは、基地局から受信したDMRSを用いて下りリンクの伝送路(チャネル)特性を推定し、その推定結果に基づいて下りリンクのデータ信号を復号することができる。LTE(Long Term Evolution)の移動通信システムにおける無線通信方式では、無線リソース上で割当量及び配置パターンが固定されたDMRSが用いられる。上りリンクも同様に、UEから送信された上りリンクのデータ信号を基地局で復調するために、既知のトレーニング用の参照信号であるDMRSをUEから基地局にあらかじめ送信することが知られている.
【0003】
また、LTEの移動通信システムでは、セルを形成する基地局として、アンテナ装置を中心として互いに異なる3方向に3セクタセルを固定的に形成する3セクター型基地局、あるいは、アンテナ装置を中心として単一のオムニセルを固定的に形成するオムニセル型基地局が用いられている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】3GPP TS 36.211 V15.7.0 (2019-09)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の移動通信システムにおいて上記割当量及び配置パターンが固定にされたDMRSを基地局からセル内のUEに送信する場合、セル内のUEの移動状況によってはDMRSの受信品質が低下してチャネル推定の精度が低下し、下りリンクのスループットが低下するおそれがある。また、上記割当量及び配置パターンが固定にされたDMRSをセル内のUEから基地局に送信する場合、セル内のUEの移動状況によってはDMRSの受信品質が低下してチャネル推定の精度が低下し、上りリンクのスループットが低下するおそれがある。
【0006】
また、上記移動通信システムにおけるセルにUE数が増加している端末増加エリア(UE増加エリア)が発生してセル全体のUE数が増大する場合がある。この場合、セルに割り当てられて無線リソースが逼迫し、セル内のUEと基地局との間の無線通信の通信品質(例えば遅延特性)が劣化するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るサーバは、移動通信システムにおける基地局と通信端末装置との間の無線通信の設定を制御するサーバである。このサーバは、前記基地局のセルに在圏する複数の通信端末装置それぞれの移動速度情報を取得する情報取得手段と、前記複数の通信端末装置の移動速度情報に基づいて、前記基地局から前記複数の通信端末装置に送信する無線リソースにおける復調用参照信号の割当量を決定する決定手段と、を備える。
本発明の他の態様に係る通信システムは、前記サーバと前記基地局とを備え、前記基地局は、前記復調用参照信号の割当量又は前記復調用参照信号の割当構成の情報に基づいて、前記通信端末装置に送信する無線リソースにおける前記復調用参照信号の割当を設定する。
本発明の更に他の態様に係る方法は、移動通信システムにおける基地局と通信端末装置との間の無線通信の設定を制御する方法である。この方法は、前記基地局のセルに在圏する複数の通信端末装置それぞれの移動速度情報を取得することと、前記複数の通信端末装置の移動速度情報に基づいて、前記基地局から前記複数の通信端末装置に送信する無線リソースにおける復調用参照信号の割当量を決定することと、を含む。
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、移動通信システムにおける基地局と通信端末装置との間の無線通信の設定を制御するサーバに備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムである。このプログラムは、前記基地局のセルに在圏する複数の通信端末装置それぞれの移動速度情報を取得するためのプログラムコードと、前記複数の通信端末装置の移動速度情報に基づいて、前記基地局から前記複数の通信端末装置に送信する無線リソースにおける復調用参照信号の割当量を決定するためのプログラムコードと、を含む。
【0008】
前記サーバ、前記通信システム、前記方法及び前記プログラムにおいて、前記復調用参照信号の割当量を、前記セルが複数のセクタセルで構成されている場合の前記セクタセルごとに、前記セル内の通信端末装置ごとに、又は、前記セル内の複数の通信端末装置をグループ分けしたグループごとに決定してもよい。
前記サーバ、前記通信システム、前記方法及び前記プログラムにおいて、前記複数の通信端末装置の移動速度情報に基づいて、前記基地局のセル内における複数の通信端末装置の平均速度を算出し、前記平均速度に基づいて前記復調用参照信号の割当量を決定してもよい。
前記サーバ、前記通信システム、前記方法及び前記プログラムにおいて、前記基地局のセルで使用可能な無線リソースにおける割当量が互いに異なる復調用参照信号の複数の割当構成候補を記憶し、前記復調用参照信号の割当量に基づいて、前記複数の割当構成候補から、前記基地局から送信する前記復調用参照信号の割当構成を選択して決定してもよい。
前記サーバ、前記通信システム、前記方法及び前記プログラムにおいて、前記複数の通信端末装置それぞれの移動速度情報及び現在位置情報を取得し、前記複数の通信端末装置の移動速度情報及び現在位置情報に基づいて前記復調用参照信号の割当量を決定してもよい。
前記サーバ、前記通信システム、前記方法及び前記プログラムにおいて、前記復調用参照信号の割当量又は前記復調用参照信号の割当構成の情報を、前記基地局に、前記移動通信システムのコアネットワーク装置に、又は、前記移動通信システムのコアネットワークに接続されて前記通信端末装置の移動を関するアプリケーションを管理するアプリケーションサーバにフィードバックしてもよい。
前記サーバ、前記通信システム、前記方法及び前記プログラムにおいて、前記複数の通信端末装置それぞれの移動速度情報及び現在位置情報を取得し、前記複数の通信端末装置の移動速度情報及び現在位置情報に基づいて、前記基地局のセルにおける前記複数の通信端末装置の数が増加している増加エリアを特定してもよい。
前記サーバ、前記通信システム、前記方法及び前記プログラムにおいて、前記復調用参照信号の割当量又は前記復調用参照信号の割当構成の情報を、前記基地局に、前記移動通信システムのコアネットワーク装置に、又は、前記移動通信システムのコアネットワークに接続されて前記通信端末装置の移動を関するアプリケーションを管理するアプリケーションサーバにフィードバックしてもよい。
【0009】
本発明の更に他の態様に係るサーバは、移動通信システムにおける基地局と通信端末装置との間の無線通信の設定を制御するサーバである。このサーバは、前記基地局のセルに在圏する複数の通信端末装置それぞれの移動速度情報及び現在位置情報を取得する情報取得手段と、前記複数の通信端末装置の移動速度情報及び現在位置情報に基づいて、前記基地局のセル内において前記複数の通信端末装置の数が増加している増加エリアを特定するエリア特定手段と、を備える。
本発明の更に他の態様に係る方法は、移動通信システムにおける基地局と通信端末装置との間の無線通信の設定を制御する方法である。この方法は、前記基地局のセルに在圏する複数の通信端末装置それぞれの移動速度情報及び現在位置情報を取得することと、前記複数の通信端末装置の移動速度情報及び現在位置情報に基づいて、前記基地局のセル内において前記複数の通信端末装置の数が増加している端末増加エリアを特定することと、を含む。
本発明の更に他の態様に係る通信システムは、前記サーバと前記基地局とを備え、前記基地局は、前記端末増加エリアの情報に基づいて、アンテナの指向性ビームの設定を変更する。
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、移動通信システムにおける基地局と通信端末装置との間の無線通信の設定を制御するサーバに備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムである。このプログラムは、前記基地局のセルに在圏する複数の通信端末装置それぞれの移動速度情報及び現在位置情報を取得するためのプログラムコードと、前記複数の通信端末装置の移動速度情報及び現在位置情報に基づいて、前記基地局のセル内において前記複数の通信端末装置の数が増加している端末増加エリアを特定するためのプログラムコードと、を含む。
【0010】
前記サーバ、前記通信システム、前記方法及び前記プログラムにおいて、前記端末増加エリアの情報を、前記基地局に、前記移動通信システムのコアネットワーク装置に、又は、前記移動通信システムのコアネットワークに接続されて前記通信端末装置の移動を関するアプリケーションを管理するアプリケーションサーバにフィードバックしてもよい。
前記サーバ、前記通信システム、前記方法及び前記プログラムにおいて、前記端末増加エリアの情報に基づいて、前記基地局のMassiveMIMOのアンテナで形成する複数のビームの本数、前記複数のビームそれぞれの指向性方向、前記複数のビームそれぞれのビーム幅及び前記複数のビームそれぞれの外縁形状の少なくとも一つの設定を変更してもよい。ここで、平常時には、前記MassiveMIMOのアンテナにおける複数のビームを前記セルの全体をカバーするように形成し、前記端末増加エリアの発生時には、前記MassiveMIMOのアンテナにおける複数のビームを前記端末増加エリアに絞って形成してもよい。
【0011】
前記サーバは、前記移動通信システムのコアネットワーク装置、前記移動通信システムのコアネットワークとは異なる外部ネットワークに設けられたサーバ、前記基地局に接続されたエッジコンピュータ装置、又は、前記基地局と前記コアネットワークとの間のインターフェースに接続されたエッジコンピュータ装置であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、セル内の通信端末装置の移動状況の変化に起因した復調用参照信号の受信品質の低下によるチャネル推定の精度の低下を抑制し、下りリンク及び上りリンクのスループットの低下を防止することができる。
また、本発明によれば、セル内の通信端末装置の位置及び移動状況の変化に起因したセルの全体における通信端末装置の総数の増大によってセルの無線リソースが逼迫するのを回避し、セル内の通信端末装置と基地局との間の無線通信の通信品質の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る移動通信システムの主要部構成の一例を示す概略構成図。
【
図2】
図1の実施形態に係る移動通信システムにおける無線通信設定の制御の一例を示すシーケンス図。
【
図3】(a)~(d)はそれぞれDMRS配置パターン候補の一例を示す図。
【
図4】(a)及び(b)はそれぞれDMRS配置パターン候補の他の例を示す図。
【
図5】(a)は下りリンクのDMRSコンフィグパラメータ要素の一例を示す図。(b)は上りリンクのDMRSコンフィグパラメータ要素の一例を示す図。
【
図6】他の実施形態に係る移動通信システムにおける平常時のビームフォーミングの一例を示す概略構成図。
【
図7】
図6の移動通信システムにおける無線通信設定の制御の一例を示すシーケンス図。
【
図8】
図6の移動通信システムにおける車両渋滞発生時のビームフォーミングの一例を示す概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ここでは、LTE(Long Term Evolution)/LTE-Advancedの移動通信システム(以下「LTEシステム」という。)、第5世代の移動通信システム(以下「5Gシステム」という。)への適用を前提に本発明の実施形態を説明するが、類似のセル構成、物理チャネル構成を用いるシステムであれば、本発明の概念はどのようなシステムにも適用可能である。また、伝搬路の推定に用いられる参照信号系列や誤り訂正のために用いられる符号化方式はLTEシステムや5Gシステムで定義されているものに限定されず、これらの用途に適合するものであれば、どのような種類のものでも構わない。本発明の実施形態は、第5世代よりも後の次世代の移動通信システム(「NRシステム」ともいう。)に適用してもよい。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る移動通信システムの全体構成の一例を示す概略構成図である。
図1において、本実施形態に係る移動通信システムは、5Gシステムの例であり、移動通信網のコアネットワーク(例えば、EPC、又は、5GC)10に接続されたアプリケーションサーバ等のサーバ20と、所定のインターフェースによりコアネットワーク装置(例えば、EPC装置、又は、5GC装置)11に接続された基地局30とを備える。
【0016】
基地局30は、例えば5GシステムのgNodeB(gNB)又はen-gNodeB(en-gNB)であり、アンテナ31を介して、自局が形成する無線通信エリアであるセル30Aに在圏する通信端末装置(「端末」、「ユーザ端末」、「ユーザ装置」、「UE」、「移動局」、「移動機」等ともいう。以下「UE」という。)40と無線通信することができる。
【0017】
基地局30は、例えば基地局装置とアンテナ31とを備える。基地局装置は、無線部、ベースバンド処理部、外部インターフェース部、制御部などを有する。無線部、基地局装置の本体側(BBU)とは別の装置としてアンテナ側に設け、光ケーブルなどを介して基地局装置の本体側(BBU)に接続してもよい。アンテナ31は、無指向性のアンテナでもよいし、所定方向に一又は複数のビームを形成可能な複数素子からなるアンテナ(例えば、アレイアンテナなどのMassiveMIMOアンテナ)であってもよい。無線部は、例えば、増幅部、周波数変換部、送受信切替部(DUP)、直交変復調部等を備える。ベースバンド処理部は、送受信対象の制御情報やユーザデータ(IPパケット)と、無線伝送路上に乗せるOFDM信号(ベースバンド信号)の変換(変復調)を行う。変調方式としては、例えばQPSK、16QAM、64QAM等を用いることができる。ベースバンド信号は無線部との間で送受される。外部インターフェース部は、回線終端装置及び光回線等のブロードバンド公衆通信回線を介して移動体通信網のコアネットワークに接続され、コアネットワーク上の各種ノードとの間で所定の通信インターフェース及びプロトコルにより通信する。制御部は、例えばCPUやメモリなどで構成され、予め組み込まれたプログラムを実行することにより各部を制御することができる。
【0018】
UE40は、セル内に位置している移動経路としての道路90を移動する移動体としての車両50に搭載されている。UE40は、例えば、アンテナ、送受信切替部(DUP)、受信部、CP除去部、FFT部、信号分離部、伝搬路補償部、復調部、復号部、DMRS伝搬路(チャネル)推定部、信号多重部、IFFT部、CP挿入部、送信部及び制御部を備える。DMRS伝搬路(チャネル)推定部は、基地局30から送信されてきた既知の復調用参照信号(DMRS)の受信結果に基づいて、無線伝搬路(等価伝搬路)を推定する。復調部は、無線伝搬路(等価伝搬路)の推定結果に基づいて、送信信号に含まれるデータ信号を復調して復号する。他の各部の構成部分については、従来と同様な機能を有するので、それらの説明は省略する。
【0019】
なお、図示の例では、基地局30のセル30Aに1台の車両50に搭載された1つのUE40が在圏している場合について示しているが、2以上の複数の車両50に搭載された複数のUE40が在圏していてもよい。また、車両50は、地上の移動経路である道路90を移動する自動車、トラック、バス、バイクなどの移動体であってもよいし、上空などの空間における移動経路を飛行して移動可能な移動体であってもよいし、地下、水上(例えば海上)、水中(例えば海中)などにおける移動経路を移動可能な移動体であってもよい。
【0020】
コアネットワーク10は、例えば3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規定されたIP(Internet Protocol)ベースのEPC(Evolved Packet Core)である。コアネットワーク10は、5Gシステム専用のコアネットワークでもよいし、5GシステムとLTEシステムとに兼用されるコアネットワークでもよい。コアネットワーク装置(EPC装置、又は、5GC装置)11は、例えば3GPPで規定されたサービスをサードパーティーのアプリケーションプロバイダに提供するための標準インターフェースを有する論理ノードのSCEF(Service Capability Exposure Function)、又は、NEF(Network Exposure Function)である。コアネットワーク装置(EPC装置、又は、5GC装置)11は、複数のV2X(Vehicle-to-Everything)サービスの連携を可能にするVAE(V2X Application Enabler)であってもよい。
【0021】
サーバ20は、例えばコンピュータ装置で構成され、予め組み込まれたプログラムを実行することにより、次の(1)~(7)の手段として機能することができる。
(1)基地局30のセル30Aに在圏する複数のUE40それぞれの移動速度情報を取得する情報取得手段
(2)前記取得した複数のUE40の移動速度情報に基づいて、基地局30から複数のUE40に送信する無線リソースにおける復調用参照信号(以下「DMRS」という。)の割当量を決定する決定手段
(3)基地局30のセル30Aで使用可能な無線リソースにおける割当量が互いに異なるDMRSの複数の割当構成候補を記憶する記憶手段
(4)DMRSの割当量又はDMRSの割当構成の情報を、基地局30に、コアネットワーク装置(EPC装置)11に、又は、コアネットワーク10に接続されてUE40の移動を関するアプリケーションを管理する前記VAEなどのアプリケーションサーバにフィードバックする手段
(5)基地局30のセル30Aに在圏する複数のUE40それぞれの移動速度情報及び現在位置情報を取得する情報取得手段
(6)前記取得した複数のUE40の移動速度情報及び現在位置情報に基づいて、基地局30のセル30Aにおける複数のUE40の数が増加している車両50の渋滞エリアなどのUE増加エリア(端末増加エリア)を特定するエリア特定手段
(7)前記特定したUE増加エリアの情報を、基地局30に、コアネットワーク装置(EPC装置)11に、又は、コアネットワーク10に接続されてUE40の移動を関するアプリケーションを管理する前記VAEなどのアプリケーションサーバにフィードバックする手段
【0022】
サーバ20は、例えばコアネットワーク10の外側に設けられ、コアネットワーク10との間で直接又はインターネットなどの外部ネットワークを介して通信することができる。サーバ20は、基地局30に設けられたMEC装置(エッジコンピュータ装置)であってもよい。MEC装置からなるサーバ20は、基地局30とコアネットワーク10との間のノード又はコアネットワークの外側に設けてもよい。また、サーバ20は、コアネットワーク10に設けてもよい。
【0023】
ここで、従来のLTEの場合のように無線リソースにおける割当量及び配置パターンが固定にされたDMRSを基地局30からセル30A内のUE40に送信する場合、セル30A内のUE40の移動状況によってはDMRSの受信品質が低下してチャネル推定の精度が低下し、下りリンクのスループットが低下するおそれがある。また、上記割当量及び配置パターンが固定にされたDMRSをセル30A内のUE40から基地局30に送信する場合、セル30A内のUE40の移動状況によってはDMRSの受信品質が低下してチャネル推定の精度が低下し、上りリンクのスループットが低下するおそれがある。
【0024】
そこで、本実施形態では、セル30A内のUE20の移動速度に基づいてDMRSの割当量を決定し、基地局30に設定している。これにより、セル30A内のUE40の移動状況の変化に起因したDMRSの受信品質の低下によるチャネル推定の精度の低下を抑制し、下りリンクのスループットの低下を防止することができる。更に、本実施形態では、上りリンクについても、スループットの低下を防止することができる。
【0025】
図2は、実施形態に係る移動通信システムにおける無線通信設定の制御の一例を示すシーケンス図である。本例の無線通信設定の制御は、セル30Aに在圏する車両50に搭載された通信端末装置としてのUE40の情報を収集する情報収集の段階(UE情報収集フェーズ)S100と、DMRSの割当設定制御の段階(設定変更フェーズ)S110とを有する。
【0026】
図2のUE情報収集フェーズS100において、セル30Aに在圏する複数の車両50のUE40はそれぞれ、定期的に(例えば、数秒ごとに又は数分ごとに)又は不定期に、自身の移動速度を測定し、その移動速度の情報をサーバ20に向けて送信する(S101,102)。UE40から送信された移動速度の情報は、基地局30及びコアネットワーク10のEPC装置11を介してサーバ20に到達する(S103,S104)。サーバ20は、複数のUE40から受信した移動速度の情報を記憶手段としてのデータベースに記憶する。サーバ20は、UE40の移動速度の情報と、下記の時刻情報及びUE40の位置情報の少なくとも一つとを互いに関連付けて記憶してもよい。
【0027】
UE40からサーバ20への移動速度の情報送信頻度は、時間帯やエリアに応じて変化させてもよい。また、サーバ20への送信情報は、送信時の現在時刻(タイムスタンプ)、移動速度の測定時刻、並びに、車両50の停止時刻、発進時刻、進行方向及び加速度の少なくとも一つの情報を含んでもよい。車両50に搭載されたUE40の移動速度は、例えば車両50の各種センサ及び駆動制御装置から取得することができる。UE40はGNSS受信機などの現在位置測定装置を備えてもよい。この場合、UE40の移動速度は、UE40に記録されている移動履歴情報における位置情報(例えばGNSS位置情報)の時間変化(移動距離及び移動時間)に基づいて算出してもよい。
【0028】
次に、
図2のDMRSの割当設定制御の段階(設定変更フェーズ)S110において、サーバ20は、セル30Aに在圏する複数の車両50のUE40それぞれの移動速度の情報に基づいて、セル30A内の複数のUE40の平均移動速度Vavgを算出し、その平均移動速度Vavgの算出値に応じて、下りリンク及び上りリンクの無線リソースにおけるDMRS割当量を決定する(S111,S112)。例えば、サーバ20は、平均移動速度Vavgが大きいほどDMRS割当量を多くするように決定する。ここで、DMRS割当量は、例えば、無線リソースにおける1サブフレームあたりに又は1スロットあたりにDMRSを割り当てるリソースエレメント(1サブキャリア×1シンボル)の数である。
【0029】
次に、サーバ20は、上記決定したDMRS割当量の情報をEPC装置11に送信してフィードバックする(S113)。サーバ20は、上記決定したDMRS割当量の情報を、V2Xサービスの品質を規定するQoS(Quality of Service)の情報の一部としてEPC装置11にフィードバックしてもよい。また、サーバ20は、上記決定したDMRS割当量の情報を、基地局30に直接フィードバックしてもよいし、コアネットワーク10に接続されてUEの移動を関するV2X等のアプリケーションを管理するアプリケーションサーバ(例えば前述のVAE)にフィードバックしてもよい。
【0030】
EPC装置11は、サーバ20から受信したDMRS割当量の情報に基づいてDMRS割当構成を決定し、その決定したDMRS割当構成の情報を基地局30に送信して通知する(S114,S115)。DMRS割当量は、セル30Aが複数のセクタセルで構成されている場合にはセクタセルごとに決定してもよいし、セル30A内のUEごとに決定してもよいし、又は、セル30A内の複数のUEをグループ分けしたグループごとに決定してもよい。
【0031】
基地局30は、EPC装置11から受信したDMRS割当構成の情報に基づいて、自局内に記憶しているDMRS割当構成の設定を更新する(S116)。また、基地局30は、DMRS割当構成の情報をセル30A内のUE40に報知する(S117)。DMRS割当構成の情報は、例えば、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の制御情報(DCI)により、UE40に送信される。
【0032】
UE40は、基地局30から受信したDMRS割当構成の情報に基づいて、UE内に記憶しているDMRS割当構成の設定を更新する(S118)。その後、UE40は、更新後のDMRS配置パターンで基地局30から送信されてきた既知のDMRSの受信結果に基づいて、無線伝搬路(等価伝搬路)を推定し、その推定結果に基づいて下りリンクのデータ信号を復号する。また、基地局30は、更新後のDMRS配置パターンでUE40から送信されてきた既知のDMRSの受信結果に基づいて、無線伝搬路(等価伝搬路)を推定し、その推定結果に基づいて上りリンクのデータ信号を復号する。
【0033】
ここで、上記DMRS割当構成は、例えば無線リソースの1サブフレーム又は1スロットにおいてDMRSが割り当てられるDMRS配置パターンである。EPC装置11は、例えば、セル30Aで使用可能な無線リソースにおけるDMRSの複数の配置パターン候補(以下「DMRS配置パターン候補」ともいう。)の情報を予め記憶しておき、その複数のDMRS配置パターン候補から、サーバ20から受信したDMRS割当量に対応するDMRS配置パターン候補を選択して決定する。
【0034】
図3(a)~(d)はそれぞれDMRS配置パターン候補の一例を示す図である。図示の例は、12個のサブキャリアと14個のシンボルとからなるスロット上のDMRS601~604の配置パターンの4つの候補であるDMRS配置パターン候補60(1)~60(4)の例である。
図3(a)のDMRS配置パターン候補60(1)は上記平均移動速度Vavgが低速度であってDMRS割当量を少なくした場合(下りリンク又は上りリンクのピークスループットが高い場合)に対応している。また、
図3(b)~
図3(d)のDMRS配置パターン候補60(2)~60(4)は、その順に上記平均移動速度Vavgがより高速度でDMRS割当量をより多くする場合(下りリンク又は上りリンクのピークスループットがより低い場合)に対応している。
【0035】
図4(a)及び(b)はそれぞれDMRS配置パターン候補の他の例を示す図である。図示の例は、12個のサブキャリアと14個のシンボルとからなるスロット上のDMRS605~608の配置パターンの2つの候補であるDMRS配置パターン候補60(5),60(6)の例である。
図4(a)のDMRS配置パターン候補60(5)は上記平均移動速度Vavgが低速度であってDMRS割当量を少なくした場合(下りリンク又は上りリンクのピークスループットが高い場合)に対応している。また、
図4(b)のDMRS配置パターン候補60(6)は、上記平均移動速度Vavgがより高速度でDMRS割当量をより多くする場合(下りリンク又は上りリンクのピークスループットがより低い場合)に対応している。
【0036】
下りリンク及び上りリンクそれぞれのDMRS配置パターン候補60(1)~60(4)は、例えば、
図5(a)及び
図5(b)それぞれに例示する3GPPのTS38.331に規定されているDMRSコンフィグパラメータ要素の値で指定することができる。
図5(a)及び
図5(b)のDMRSコンフィグパラメータ要素において、dmrs-TypeはDMRSの周波数方向の配置パターンを示し、dmrs-additionalPositionはDMRSの時間軸方向の配置パターンを示し、maxLengthはDMRS列の時間軸方向の長さを示している。
【0037】
表1は、
図3(a)~(d)及び
図4(a),(b)のDMRS配置パターン候補60(1)~60(6)に対するDMRSコンフィグパラメータ要素の値を示している。
【表1】
【0038】
以上、
図1~
図5の実施形態によれば、セル30A内のUE40の移動状況の変化に起因したDMRS(復調用参照信号)の受信品質の低下によるチャネル推定の精度の低下を抑制し、下りリンク及び上りリンクのスループットの低下を防止することができる。
【0039】
図6は、他の実施形態に係る移動通信システムにおける平常時のビームフォーミングの一例を示す概略構成図である。なお、
図6において、前述の
図1と共通する構成については説明を省略する。
【0040】
図6の例は、5Gシステムの基地局30とLTEシステムの基地局35が同じエリアに配置されている。そして、LTEシステムの基地局35のアンテナ36で形成しているセル(以下「LTEセル」ともいう。)35Aのうち道路90が位置している部分は、例えば車両50の自動運転を遠隔的に制御するために車両50のUE40と低遅延の無線通信を行う必要があるため、5Gシステムの基地局30が複数のビーム30Bからなるビームフォーミングによって道路90をカバーするようにセル(以下「5Gセル」ともいう。)30Aを形成している。
図6の平常時の例では、道路90を走行しているUE搭載の車両50が少ないため、5Gセル30Aを形成しているビーム30Bの数が少ない(図示の例では2つのビーム)。この少ないビーム30Bで5Gセル30AをできるだけLTEセル35Aのエリアまで広げ、広い範囲で5Gシステムの低遅延性を有する無線通信ができるようにしている。
【0041】
図6の平常時の状態から道路90上を走行しているUE搭載の車両50の数が増加して渋滞すると(後述の
図8参照)、UE数が増加しているUE増加エリア(端末増加エリア)が発生してセル全体のUE数が増大する場合がある。この場合、特にLTEセル35Aに割り当てられて無線リソースが逼迫し、LTEセル35A内のUEと基地局35との間の無線通信の通信品質(例えば遅延特性)が劣化するおそれがある。
【0042】
そこで、本実施形態では、道路90上の車両50の渋滞が発生したとき、基地局30のアンテナ(例えば、アレイアンテナなどのMassiveMIMOアンテナ)31によって道路90に沿ったUE増加エリアが発生しているエリアに向けて形成しているビーム30Bの数を多くするように制御している。
【0043】
図7は、
図6の移動通信システムにおける無線通信設定の制御の一例を示すシーケンス図である。本例の無線通信設定の制御は、セル30Aに在圏する車両50に搭載された通信端末装置としてのUE40の情報を収集する情報収集の段階(UE情報収集フェーズ)S200と、DMRSの割当設定制御の段階(設定変更フェーズ)S210とを有する。なお、
図7において、
図2と供する部分については説明を省略する。
【0044】
図7のUE情報収集フェーズS200において、セル30Aに在圏する複数の車両50のUE40はそれぞれ、定期的に(例えば、数秒ごとに又は数分ごとに)又は不定期に、自身の移動速度及び現在位置を測定し、その移動速度及び現在位置の情報をサーバ20に向けて送信する(S201,202)。UE40から送信された移動速度及び現在位置の情報は、基地局30及びコアネットワーク10のEPC装置11を介してサーバ20に到達する(S203,S204)。サーバ20は、複数のUE40から受信した移動速度及び現在位置の情報をデータベースに記憶する。サーバ20は、UE40の移動速度及び現在位置の情報と、下記の時刻情報とを互いに関連付けて記憶してもよい。
【0045】
UE40からサーバ20への移動速度及び現在位置の情報送信頻度は、時間帯やエリアに応じて変化させてもよい。また、サーバ20への送信情報は、送信時の現在時刻(タイムスタンプ)、移動速度の測定時刻、並びに、車両50の停止時刻、発進時刻、進行方向及び加速度の少なくとも一つの情報を含んでもよい。車両50に搭載されたUE40の移動速度及び現在位置は、例えば車両50の各種センサ及び駆動制御装置から取得することができる。UE40は現在位置を測定するGNSS受信機などの現在位置測定装置を備える。この場合、UE40の移動速度は、UE40に記録されている移動履歴情報における位置情報(例えばGNSS位置情報)の時間変化(移動距離及び移動時間)に基づいて算出してもよい。
【0046】
また、UE情報収集フェーズS200において、5Gシステムの基地局30又はLTEシステムの基地局35は、セル30A又はセル35Aに在圏するUE40の在圏数を、セル内の予め設定した複数のエリアそれぞれについて測定し、そのエリアごとのUE40の在圏数の測定結果を、定期的に(例えば、数秒ごとに又は数分ごとに)又は不定期に、サーバ20に向けて送信してもよい(S205~207)。サーバ20は、基地局30又は基地局35から受信した在圏数の情報をデータベースに記憶する。
【0047】
次に、
図7のDMRSの割当設定制御の段階(設定変更フェーズ)S210において、サーバ20は、UE40から受信した移動速度及び現在位置の情報に基づいて、LTEセル35A内のUE増加エリアを特定する(S211)。特定するUE増加エリアは、現在発生中のUE増加エリアでもよいし、発生が予測されるUE増加エリアでもよいし、その両方であってもよい。また、UE増加エリアの特定に、UE40から受信した移動速度及び現在位置の情報に加えて又は代えて、基地局30又は基地局35から受信した在圏数の情報を用いてもよい。
【0048】
次に、サーバ20は、上記特定したUE増加エリア(例えば
図8に例示する車両50の渋滞が発生している道路90に沿ったエリア)の情報をEPC装置11に送信してフィードバックする(S212)。サーバ20は、上記特定したUE増加エリアの情報を、V2Xサービスの品質を規定するQoSの情報の一部としてEPC装置11にフィードバックしてもよい。また、サーバ20は、上記特定したUE増加エリアの情報を、基地局30に直接フィードバックしてもよいし、コアネットワーク10に接続されてUEの移動を関するV2X等のアプリケーションを管理するアプリケーションサーバ(例えば前述のVAE)にフィードバックしてもよい。
【0049】
EPC装置11は、サーバ20から受信したUE増加エリアの情報に基づいて5Gシステムの基地局30のビームフォーミングの制御設定を決定し、その決定したビームフォーミングの制御設定の情報を基地局30に送信して通知する(S213,S214)。
【0050】
基地局30は、EPC装置11から受信したビームフォーミングの制御設定の情報に基づいて、自局内に記憶しているビームフォーミングの制御設定を更新する(S215)。このビームフォーミングの制御設定の更新は、例えば、アンテナ31で形成する複数のビーム30Bの本数、複数のビーム30Bそれぞれの指向性方向、複数のビーム30Bそれぞれのビーム幅及び複数のビーム30Bそれぞれの外縁形状の少なくとも一つの設定を変更するように行う。
【0051】
UE増加エリア発生時(
図8の道路90の渋滞時)には、無線通信の低遅延性の重要性は相対的に低くなるため、基地局30は、上記更新後のビームフォーミングの制御設定に基づいて、基地局30のアンテナ31における複数のビーム30B'を、LTEセル35Aのうち無線リソースが逼迫しているUE増加エリア(例えば、
図8の道路90上の車両渋滞エリア)に絞って5Gセル30A'を形成するようにビームフォーミングを制御する。このビームフォーミングの制御は、例えば、上記更新後のビームフォーミングの制御設定に基づいて、アンテナ31で形成する複数のビーム30Bの本数、複数のビーム30Bそれぞれの指向性方向、複数のビーム30Bそれぞれのビーム幅及び複数のビーム30Bそれぞれの外縁形状の少なくとも一つを変更するように行うことができる。
【0052】
以上、
図6~
図8の実施形態によれば、5Gシステムの基地局30からビーム30Bの数を増やしてUE増加エリアに絞って5Gセル30Aを形成することにより、LTEセル35A内のUEの位置及び移動状況の変化に起因したLTEセル35Aの全体におけるUEの総数の増大によってLTEセル35Aの無線リソースが逼迫するのを回避し、LTEセル35A内のUEと基地局との間の無線通信の通信品質の低下を防止することができる。また、UE増加エリア(例えば、
図8の道路90上の車両渋滞エリア)においてLTEセル35Aから5Gセル30A'へのトラフィックオフロードを優勢的に行うことができる。
【0053】
なお、
図1~
図5の実施形態では、UEから移動速度の情報を取得してUEの移動速度に基づいてDMRS割当を算出して決定しているが、UEから移動速度及び現在位置の情報を取得してUEの移動速度及び現在位置に基づいてDMRS割当を算出して決定してもよい。
また、
図1~
図5の実施形態で説明した無線通信設定の制御(DMRS割当設定制御)と、
図6~
図8の実施形態で説明した無線通信設定の制御(ビームフォーミング設定制御)とを組み合わせて実施してもよい。
【0054】
また、本明細書で説明された処理工程並びに移動通信システム、基地局及び通信端末装置(端末、端末装置、ユーザ装置(UE)、移動局、移動機)の構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
【0055】
ハードウェア実装については、実体(例えば、各種無線通信装置、Node B、端末、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
【0056】
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、上記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
【0057】
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であれよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
【0058】
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
【符号の説明】
【0059】
10 :コアネットワーク
11 :コアネットワーク装置
20 :サーバ
30 :5Gシステムの基地局
30A,30A' :セル(5Gセル)
30B,30B' :ビーム
31 :アンテナ
35 :LTEシステムの基地局
35A :セル(LTEセル)
36 :アンテナ
50 :車両
60 :DMRS配置パターン候補
90 :道路