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特許7328312ソーセージストランドの挟扼及び/又は離断のための装置と方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】ソーセージストランドの挟扼及び/又は離断のための装置と方法
(51)【国際特許分類】
   A22C 13/02 20060101AFI20230808BHJP
【FI】
A22C13/02
【請求項の数】 26
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021205931
(22)【出願日】2021-12-20
(65)【公開番号】P2022098486
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】20215916
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521555340
【氏名又は名称】アルベルト ハントマン マシーネンファブリーク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Albert Handtmann Maschinenfabrik GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Hubertus-Liebrecht-Str. 10-12, 88400 Biberach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】マルクス シュリーサー
(72)【発明者】
【氏名】マンフレート ベヒトレ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス スペイ
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-504544(JP,A)
【文献】特開2007-82544(JP,A)
【文献】特表2010-525802(JP,A)
【文献】特表2003-505052(JP,A)
【文献】特表2015-510771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 5/00-29/04
A23L 17/00
A23P 10/00-30/40
A01D 61/00-61/04
B65G 19/00-19/30
B65G 25/00-25/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーセージストランド(20)に関して対向配置される二つの分離装置(1a、1b)をもって移送方向(T)に進行する前記ソーセージストランド(20)を挟扼及び/又は分離する装置(10)であって、前記分離装置は、各々、
第1の軸(A、C)の周りを回転可能に取り付けられる第1の円板(2a、2b)と、
垂直方向に相互に間隔を空け、前記第1の軸(A、C)から軸間隔(X)をおいた第2の軸(B、D)の周りを回転可能に、配置された第2の円板(3a、3b)と、
前記第1の円板(2a、2b)と前記第2の円板(3a、3b)の間の少なくとも二つの接続要素(4a、4b)であって、そのうちの少なくとも一つの接続要素(4a、4b)が変位要素(5a、5b)を備える、少なくとも二つの接続要素(4a、4b)と
を備え、
ここで、前記接続要素(4a、4b)は、前記第1の円板(2a、2b)及び前記第2の円板(3a、3b)に回転可能に取り付けられ、それにより、前記接続要素(4a、4b)は、前記変位要素(5a、5b)が、前記第1の円板(2a、2b)が前記の軸(A、C)の周りを回転する間、常に、前記移送方向Tに対して所定の角度をなす位置にあるように誘導され、
それぞれの前記接続要素(4a、4b)が、前記第1の軸(A、C)までそれぞれの距離(r)をおいて前記第1の円板(2a、2b)に、及び、前記第2の軸(B、D)から同じ距離(r)をおいて前記第2の円板(3a、3b)に回転可能に取り付けられ、前記の距離(r)は異なる接続要素(4a、4b)について等しいか、又は異なることを特徴とする、ソーセージストランドを挟扼及び/又は分離する装置。
【請求項2】
前記接続要素(4a、4b)は、前記変位要素(5a、5b)が、前記第1の円板(2a、2b)が前記の軸(A、C)の周りを回転する間、常に、前記移送方向Tに対して90度をなす位置にあるように誘導される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記の対向配置された分離装置(1a、1b)の前記変位要素(5a、5b)が、それらが前記のソーセージストランド(20)を挟扼及び/又は離断する程度にまで、互いに向かって動かされることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記変位要素(5a、5b)が凹部(6)を有し、凹部(6)の寸法(a)はソーセージストランド(20)から離れる方向において徐々に低減することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記変位要素(5a、5b)が板状に構成される請求項4に記載の装置。
【請求項6】
分離装置(1a、1b)が、少なくとも二つの接続要素、及び、少なくとも一つの変位要素(5a、5b)を備えることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
分離装置(1a、1b)が、三つの接続要素を備えることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
分離装置(1a、1b)が、少なくとも三つの変位要素を備えることを特徴とする、請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
前記接続要素(4a、4b)が、前記第1の円板(2a、2b)及び前記第2の円板(3a、3b)の腔部(7)に回転可能に取り付けられる、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記接続要素(4a、4b)が、相互交換可能に配置されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記腔部(7)が、前記第1の円板(2a、2b)において、前記第1の軸(A、C)を中心とし半径(r)を有する同じ円上に、又は前記第1の軸(A、C)を中心とし異なる半径(r)を有するいくつかの円上に、配置され、
前記腔部(7)が、前記第2の円板(3a、3b)において、前記第2の軸(B、D)を中心とし半径(r)を有する同じ円上に、又は前記第2の軸(B、D)を中心とし異なる半径(r)を有するいくつかの円上に、配置されることを特徴とする、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
一つ以上の変位要素(5a、5b)が挟扼のために使用され、少なくとも一つの変位要素(5a、5b)が分離のために使用されることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記の装置が、駆動メカニズム(11)を備えることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記駆動メカニズム(11)によって前記第1の円板(2a、2b)が駆動され、すべての円板(2a、2b)の回転速度が等しい請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記装置が、前記第1の円板(2a、2b)が定速又は変速で回転されるように駆動を制御する制御装置を備えることを特徴とする、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
挟扼及び/又は分離の間、前記移送方向(T)におけるそれぞれの前記変位要素(5a、5b)の速度成分が、前記ソーセージストランドを移送するための移送装置(15)の速度に一致する、又は、前記挟扼及び/又は分離の間、それぞれの前記変位要素(5a、5b)の速度が、前記移送装置の速度よりも大きい、又は、前記変位要素が挟扼及び/又は分離を行っていない時、前記変位要素(5a、5b)が停止されている、したがって、前記ソーセージストランドにおける任意の長さの個別品が製造可能であることを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
いくつかの変位要素が、接続要素(4a、4b)に、互いに上下に位置して配置されることを特徴とする、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
接続要素(4a、4b)に前記変位要素(5a、5b)が脱着可能に配置されることを特徴とする、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記接続要素(4a、4b)が、円板(2a、2b)から、前記対向配置された円板(3a、3b)の方へ実質的に垂直に延びる第1のセクション(40a)と、前記対向配置された円板(3a、3b)の方へ水平、傾斜、段差形状、又は波状に延びる第2のセクション(40b)であって、少なくとも、前記第2のセクションがその周りを回転可能に取り付けられる軸の領域まで延びる前記第2のセクション(40b)とを備える請求項1乃至18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記第1のセクションが前記変位要素(5a、5b)を備えることを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記装置が、更に、第3の円板(50a、50b)と、前記第2の円板と前記第3の円板に回転可能に取り付けられる、更なる接続要素(51a、51b)を備え、前記更なる接続要素(51a、51b)の少なくとも一つが変位要素(5a、5b)を備え、前記第2の円板(3a、3b)が、前記第2の軸(B)の周りを回転可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1乃至20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記第2の円板(3a、3b)が、前記第1の円板と前記第2の円板の前記接続要素(4a、4b)を介して、前記第2の軸(B)の周りを回転可能に取り付けられることを特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか1項に記載の装置をもって前記移送方向(T)に進行するソーセージストランド(20)を挟扼及び/又は分離する方法であって、前記接続要素(4a、4b)が、前記第1の円板(2a、2b)と第2の円板(3a、3b)の間に回転可能に取り付けられ、第1の円板(2a、2b)が前記第1の軸(A)の周りを回転するとともに、少なくとも一つの変位要素(5a、5b)が、常に、前記移送方向(T)に対して所定の角度をなすように整列配置されるように、前記接続要素が誘導され、
それぞれの前記接続要素(4a、4b)が、前記第1の軸(A、C)までそれぞれの距離(r)をおいて前記第1の円板(2a、2b)に、及び、前記第2の軸(B、D)から同じ距離(r)をおいて前記第2の円板(3a、3b)に回転可能に取り付けられ、前記の距離(r)は異なる接続要素(4a、4b)について等しいか、又は異なる、方法。
【請求項24】
前記接続要素(4a、4b)が、第1の円板(2a、2b)が前記第1の軸(A)の周りを回転するとともに、少なくとも一つの変位要素(5a、5b)が、常に、前記移送方向(T)に対して90度をなすように整列配置されるように誘導される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の円板(2a、2b)と前記第2の円板(3a、3b)が、前記接続要素が回転可能にその中に取り付けられる腔部(7)を備え、
前記腔部(7)が、前記第1の円板(2a、2b)に、前記第1の軸(A、C)を中心とし半径(r)を有する同じ円上に、又は、前記第1の軸(A、C)を中心とし異なる半径を有するいくつかの円上に配置され、
前記腔部(7)が、第2の円板(3a、3b)に、前記第2の軸(B、D)を中心とし半径(r)を有する同じ円上に、又は、前記第2の軸(B、D)を中心とし異なる半径を有するいくつかの円上に配置され、
前記接続要素(4a、4b)が、個別品の長さ、及び/又は、ソーセージのサイズ、及び/又はソーセージ連鎖にある個別品の数に応じて、対応する腔部に取り付けられることを特徴とする請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
ソーセージのサイズ、及び/又は、個別品の長さ、及び/又は、ソーセージ連鎖にある個別品の数が変わったときには、前記接続要素(4a、4b)の位置が、それに応じて変更されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移送方向に進行するソーセージストランドを挟扼及び/又は離断する装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーセージは、たとえば、充填機を使用してペースト状の塊をソーセージ・ケーシング中に排出することにより、又は、共押出装置の補助によりソーセージ・ケーシングとペースト状の塊を共押し出しすることによって、ソーセージストランドの形状で製造される。分離装置が、個別化部分を製造するために周知のやり方で備えられ、ペースト状の塊を変位させる、すなわち、ソーセージストランドを挟扼及び/又は離断する。
【0003】
そのような装置は、たとえば、EP2142004 B1におけるように既知である。この装置において、切断刃と一体となっている変位要素が、対向配置された二つの回転円板にすでに配置されている。この変位切断要素は、複雑な遊星歯車によってソーセージストランドに対して、常時、垂直方向になるように配設される。挟扼は、複雑であり、高性能な部分個別化には向かない、そして、製品パラメータの変更のときあまり柔軟には対応できない。ソーセージの塊を個別品化する装置も、EP1434490 B2におけるように既知であり、対向配置された変位要素が、各々、一つの平面上に配置された二つの従動円板に配置されるように備えられる。この実施形態は、一つの側面にはただ一つの変位要素しか配置できないという欠点があり、それは、個別品化の高性能化が不可能であることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述の先行技術より前進して、簡易化されたメカニズムを有する挟扼及び/又は分離の装置と方法を提供することを基本目的とし、それは、同時に、高度の柔軟性と個別品化の高性能化を可能にする。
【0005】
上記の目的は、請求項1及び16の特徴により本発明によって達成される。従属請求項から有用な実施形態が生まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による装置は、ソーセージストランドに関して対向位置に配置された二つの分離装置を備える、移送方向Tに進行するソーセージストランドを挟扼及び/又は分離する装置である。分離装置は、各々、第1の軸の周りを回転するように取り付けられた円板と、垂直方向に離れた位置に配置され、第1の軸からの軸間隔Xを有する第2の軸の周りを回転する円板を備える。第2の円板は、好適には第1の円板の上方に配置される。第2の円板は、第2の軸周りを回転するように取り付けることができる。更に、この装置は、少なくとも二つの接続要素を備え、そのうちの少なくとも一つは変位要素を備える。それぞれの接続要素は、第1の軸から、それぞれの距離をおいて第1の円板に、回転可能に取り付けられ、第2の軸から同様の距離をおいて第2の円板に、同様に取り付けられる。接続要素は、少なくとも一つの変位要素が、第1の軸周りを回転する間、常に、移送方向Tに対して所定の角度90度をなす位置にあるように、誘導され得る。しかし、第1と第2の軸は、必ずしも、移送方向Tに対して直角をなす平面上に存在しなければならないわけではない。これらの軸は、移送方向から偏って延びる平面、たとえば、角度30度をなすような平面に配置することも可能である。その場合、変位要素も、接続要素に対してその角度だけ傾斜する位置に置かれなければならない。
【0007】
挟扼は、ソーセージストランドが分割されて個別品になるような、ソーセージストランドのペースト状の塊の変位を意味するものと解され、分離は、ソーセージストランドを離断して、個別品にすること、又は特定数の個別品を有するソーセージ連鎖にすることを意味する。
【0008】
この非常に簡易なメカニズムを備えて、変位要素は、その回転の間、正しい位置に整列することが、常に確実にされ得る。これに対応する解決手段は、容易且つ安価なやり方で実施可能である。本発明による解決手段は、個別品化の性能が顕著に向上するように、各円板のためのいくつかの変位要素を備えることを可能にする。特に、3000個別品/分超の個別品化性能が達成可能である。並行ガイドの軽量構造とそれによる低慣性モーメントのおかげで、第1と第2の軸は、高速で、特に、動的に変速可能(最大毎分2000回転)で運転可能である。
【0009】
本発明による装置は、異なる個別品の長さに応じて容易に調整可能であり、たとえば、各円板の変位要素の数が、それに応じて低減され、及び/又は、第1の従動円板の回転速度が、それに応じて調整される。変位要素の並行誘導は、ギア段なしで、それぞれの接続要素と下方の円板と上方の円板による受け取り配置によって実現される特長を有する。この簡易な構造を備えて、非常に小さい間隔を置いて配置された多数の変位要素を取り付けることも可能である。
【0010】
距離rは、異なる接続要素について、同じとすることもでき、異なるものとすることもできる。その意味するところは、接続要素が、第1と第2の円板において回転可能な半径rを有する円上にすべて取り付けられるか、又は、第1の半径を有する円上にいくつか取り付けられ、第2の半径を有する円上にいくつか取り付けられるということである。接続要素が、回転軸から、より大きい距離rをおいて配置されると、それらは、分離の間、ソーセージストランドの中に更に深く突入し、分離すなわち離断するために使用することができ、一方、接続要素が、第1と第2の回転軸から、より小さな距離rをおいて配置されると、挟扼又は変位のためにのみ使用可能である。これは、この構成の変位要素が、回転軸からの距離rに応じて、ある時は分離のために使用され、また別の時には離断のために使用されることを可能にする。このようにして、個別品、又は一定数のソーセージを含むソーセージ連鎖が、簡単なやり方で製造可能である。回転軸からの特定距離を選択することによって、この装置は、異なるソーセージのサイズに合わせて調整することも可能である。
【0011】
対向配置された分離装置の変位要素は、それらがソーセージストランドを挟扼及び/又は離断する程度にまで、互いに向かって移動する。
【0012】
変位要素は、特に、板状で、凹部を有するように構成され、この凹部の寸法は、ソーセージストランドに面する側から離れるにつれて低減し、特に、V形状に構成される。この簡易な構成は、互いに向かって移動する、対向配置された分離装置の変位要素を使用して、挟扼するためにも、剪断することによって離断するためにも使用することを可能にする。
【0013】
好適な実施形態によれば、分離装置は、少なくとも二つの、特に少なくとも三つの接続要素と、好適には少なくとも一つの変位要素、特に、少なくとも三つの変位要素、すなわち、特に、各接続要素に対して少なくとも一つの変位要素を有する。
【0014】
分離装置が少なくとも三つの変位要素を備えると、製造性能は、顕著に向上し得る。また、四つ以上の接続要素と四つ以上の変位要素を備えることも可能である。
【0015】
もちろん、この装置は、二つの接続要素を備えて運転することも可能であるが、二つの分離装置が整列している位置では、下方の円板と上方の円板からトルクが伝達されないので、この位置から開始されるとは規定されない。トルクの伝達は、死点位置を越えてから可能である。より信頼し得る運転は、特に第2の円板が他のやり方で駆動さないのであれば、三つ以上の接続要素を備えて、合理的に実現され得る。
【0016】
好適な実施形態によれば、接続要素は、第1と第2の円板の腔部に回転可能に取り付けられ、特に、相互交換可能に配置される。これは、接続要素が、それぞれの個別品化の割り当てに応じて、特定のソーセージ長さが製造され、及び/又は、ソーセージ連鎖の個別品が特定数であるように、簡単なやり方で、装着可能であるという特長を有する。
【0017】
第1と第2の円板の腔部は、半径rの円、又は、異なる半径rを有するいくつかの円上に配置することが可能であり、第1と第2の軸から同じ距離にある腔部は、常に、接続要素が内部に設けられており、でなければ回転軸から異なる距離を有する腔部である。このように、この装置は、簡単なやり方で、適切に構成することが可能であり、また、大きな構造的手段を講じる必要もなく、顧客の施設において改造が可能である。それゆえ、好適な実施形態によれば、変位要素は、距離rに応じて変位要素又は切断要素として使用可能である。
【0018】
ただし、それぞれの接続要素は、変位要素とともに同じ直径を有する円上に配置するが、変位要素は異なる構成とすることも可能である。挟扼のためにのみ使用される変位要素を備えると、ソーセージストランドの方向において最も遠い、変位要素の凹部の点が、離断のために使用される変位要素の凹部の最も遠い点よりも、更に後方にある。これは、対向配置される分離装置の変位要素が、ソーセージストランドに対して垂直に、相互に相手に向かって移動するとき、ソーセージストランドが挟扼されるが離断されないように、凹部領域に開いた領域が残っているように、挟扼のための変位要素が構成又は配置されることを意味する。変位要素が分離のために使用される場合は、変位要素は、重なり合う変位要素に開いた領域が残らず、ソーセージが離断される程度まで、ソーセージストランド内に入り込む。
【0019】
一つ以上の変位要素が、挟扼のために使用可能であり、少なくとも一つの変位要素が、分離のために使用可能である。
【0020】
好適な実施形態によれば、この装置は、好適には第1の円板が(直接、又は他の円板を介して間接に)駆動される駆動メカニズムを備え、そこにおいて、好適には回転運動は、それぞれ、少なくとも二つの接続要素を介して、第2の円板に伝達される。二つの対向配置された分離装置の各々の第1の円板は、互いに逆方向に同期駆動される。それとは代替的に、又は、それに加えて、第2の円板も駆動することができる。第2の円板が第1の円板の上方に配置され、中心からずれた位置に配置されている場合、それらはお互いに噛み合うようにすることができる。そのとき、第1の円板は直接連結されなくてもよい。
【0021】
すべての円板が同じ回転速度(毎分回転数)で回転し、対向配置された分離装置の第1の円板が互いに逆方向に同期回転するような、駆動メカニズムが設けられることは決定的に重要である。
【0022】
好適な実施形態によれば、この装置は、第1の円板が定速又は変速の回転速度で駆動されるように、駆動装置、たとえば、少なくとも一つのモータを制御する制御装置を備える。たとえば、速度、すなわち、変位要素の回転速度がその回転位置に応じて変化し、特に挟扼又は離断の時に、ソーセージストランドの速度に合わせて調整され得るように、ある速度プロファイルをもって運転することも可能である。
【0023】
挟扼及び/又は分離の間の移送方向Tにおける、それぞれの変位要素の速度成分は、ソーセージストランドを移送するための移送装置の速度に、特長的に、実質的に対応する。そのとき、特に信頼し得る挟扼又は分離が達成され得る。
【0024】
ただし、挟扼及び/又は分離の間、変位要素の速度が移送装置の速度より大きくなるようにすることも可能である。これは、個別品を、変位要素間の間隔、たとえば、最大15mmよりも短く製造することを可能にするという利点を生み、個別品化の性能をいっそう向上させることができる。
【0025】
第3の可能性は、変位要素が挟扼及び/又は分離動作を行っていない時、変位要素、すなわち、駆動装置を停止され、したがって任意の長さの個別品が製造可能であることである。
【0026】
したがって、変位要素の速度は、一回転の間、定速又は変速とすることができる。
【0027】
いくつかの、たとえば二つの、ソーセージストランドが、互いに上下に位置して移送され得るように、いくつかの、たとえば二つの、変位要素が、垂直方向に接続要素に設置されることも可能である。
【0028】
好適な実施形態によれば、変位要素は、接続要素から脱着可能に配置される。たとえば、より長い個別品の製造が所望される場合、変位要素は、たとえば、2倍の長さのソーセージが製造可能であるように、取り外し可能であり、又は、変位要素は、異なる長さのソーセージを得るために、別の接続要素に取り付け可能である。ただし、変位要素は、分離又は切断のために使用するために、たとえば、回転軸から異なる距離にある異なる接続要素に設置することも可能である。これは、ソーセージの長さ、又は、ソーセージ連鎖の個別品の数を調整又は変更するために、接続要素が、第1と第2の円板の間の異なる位置に配置される、及び/又は、変位要素が、適宜、既設の接続要素に配置される、及び/又は、円板のそれが、適宜、調整されることを意味する。
【0029】
接続要素は、円板、たとえば、第1の円板から延びる第1のセクションと、第2のセクションとを備えることができ、前者の円板は、好適には対向配置されている円板、たとえば第2の円板へ向かう方向に対して実質的に垂直であり、後者のセクションは、前記対向配置されている円板に向かって水平方向、傾斜方向、段差形状、又は波状に、少なくとも、それが回転可能に取付られる軸まで延び、ここで、対応する変位要素は、好適には第1のセクションに配置される。円板の接続要素の数は、傾斜、段差形状、又は波状の構成によって、第1の軸周りの第1の円板の回転における接続要素の相互干渉の可能性が低減されるので、増やすことができる。
【0030】
好適な実施形態によれば、この装置は、更に、第2と第3の円板に回転可能に取り付けられる、更なる接続要素を備える第3の円板を有し、この接続要素のうちの少なくとも一つは、変位要素を備える。そのとき、上下に位置して移送される二つのソーセージストランドを個別品化することが可能であり、それによって生産性を向上させることができる。第2の円板は、第2と第3の円板の接続要素を介して取り付け可能であり、垂直軸B、C周りを回転することができる。
【0031】
本発明は、請求項16に係る、移送方向に進行するソーセージストランドを挟扼及び/又は分離する方法にも関する。
【0032】
好適な実施形態によれば、第1と第2の円板は、接続要素を、たとえば、相互交換可能なように、配置することができる腔部を備え、ここで、腔部は、半径rを有する円、又は、異なる半径rを有するいくつかの円上に、配置される。そこで、個別品の長さ、及び/又は、ソーセージのサイズ、及び/又は、ソーセージ連鎖における個別品の数に応じて、それぞれの接続要素は、適切な腔部内に取り付けることができる。前記のパラメータが変わると、それぞれ、対応する接続要素が挿入される腔部の位置を変更することができる。これは、異なる製品及び生産条件への適応のために、大きな柔軟性と選択肢を可能にする。
【0033】
本発明は、以下の図に関して、更に詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施形態による装置の断面概略図である。
図2】本発明の別の実施形態の概略透視図である。
図3a】変位要素が開いている、図2に示した実施形態の別の視点からの図である。
図3b】変位要素が閉じている、図3aに示した実施形態の図である。
図3c】変位要素が閉じている、図3aと図3bに示した実施形態の図である。
図4】移送装置を含む、実施形態の透視図である。
図5】複数の変位要素を含む、別の実施形態の図である。
図6】異なる直径を有する円上にいくつかの腔部を有する円板の概略図である。
図7】別の実施形態の概略透視図である。
図8図7に示した実施形態の分離装置を別の視点から見た図である。
図9】円板が回転したことを示す、図7に示した実施形態の透視図である。
図10a】三つの円板を備える、本発明による別の実施形態の図である。
図10b】三つの円板を備える、本発明による別の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図4は、ソーセージストランド20のための移送装置15を備えた、ソーセージストランドを挟扼及び/又は分離するための装置10を示す。装置10は、ソーセージストランドを個別品21又はソーセージ連鎖に分割する。そこで、移送装置15は、たとえば、二つの循環移送装置、たとえば、コンベア・ベルト又はチェーンを備え、たとえば、上方の移送装置は、移送方向Tに対して横断方向に規則的間隔を置いて並ぶ、間隔を空けたウェブ又はリブ16を備え、このウェブ又はリブの間で、変位要素が、たとえば、図5に示すように、両側からソーセージストランドを挟むことができる。ウェブは、移送装置の表面から突出する。下方の循環ベルトも、同様に、図5に図示するように、ソーセージストランドがベルトから側方に転がり出さないように、ウェブ又はリブ16を備える、及び/又は、横断面における実質的凹部を有することができる。変位要素は、変位要素5がソーセージストランドを挟むことができるように、ウェブの間に入り込むことができる。
【0036】
図4の下方のコンベア・ベルトは、ソーセージがベルトから転がり出ないように、移送方向に対して横断方向において凹形に形成することができ、すなわち、ソーセージの形状に合わせて適合される。いわゆるソーセージ・リフタは、たとえば、装置10の上流に選択的に配置され、変位要素がソーセージストランドの下に届くように、ソーセージストランドが跳び上がるように、それをコンベア・ベルトから持ち上げる(図示せず)。
【0037】
上方のコンベア・ベルトは、変位要素の上方に弧状をなすように、追加の方向変換ローラによって移動方向を変えることができる。したがって、このようにして、変位要素のための空間を形成することもできる。
【0038】
この構成は、変位要素がコンベア・ベルトの移送方向下流に配置されるようにしてもよい。それにより、衝突の問題が回避される。図1は、移送方向Tに進行するソーセージストランドを挟扼及び/又は分離する装置の可能な実施形態を示す。この装置は、ソーセージストランド20に関して互いに対向配置される二つの分離装置1a、1bを備える、ただし、ソーセージストランドは図1には示されない。
【0039】
図1に見られるように、分離装置1a、1bは、各々、第1の軸A又はC周りに、それぞれ、回転可能なように取り付けられる、第1の円板2a、2bを備える。第1の円板は、駆動メカニズム11によって、互いに逆方向において同期駆動され得る。駆動装置、たとえば、モータの場合、軸Aと軸Cは、歯車機構、たとえば、歯車、歯付きベルト等によって、又は、電子ギア、たとえば、二つのモータによって、連結することができる。
【0040】
この装置は、第1の円板2a、2bのほかに、この二つの上方に位置する第2の円板3a、3bを備え、それらは互いにずれており、第1の円板に対して平行に置かれ、それらの回転軸B、Dは、軸間距離Xを空けて配置される。第2の円板3a、3bは、いくつかの接続要素4a、4bを介して第1の円板S1に接続される。第2の円板2a、2bは、軸B、Dの周りを自由に回転できるように取り付けられ、接続要素4a、4bを介して駆動される。
【0041】
ただし、第2の円板が駆動されて、回転運動が第1の円板に伝達されることも可能である。第2の円板が両方とも内側方向にずれていて、歯を備えて相互に噛み合うようにすれば、第1と第2の分離装置の円板を連結することも可能である。
【0042】
すべての円板が等しい回転速度で回転し、対向配置された分離装置のそれぞれの円板が互いに逆方向に回転するような駆動メカニズムを設けることは決定的に重要である。
【0043】
接続要素4a、4bの第1の端領域は、第1の軸Aから距離rの間隔を空けて腔部7に平行に延びる軸の周りを回転可能なように、前記腔部7内に取り付けられる。接続要素4aの上端領域は、同様に、第2の円板3a、3bの中心軸Bから同じ距離rの間隔を空けた軸の周りを回転可能なように、腔部7に取り付けられる。図1において、各分離装置1a、1bに対して、二つの接続要素が示される。上方の円板3a、3bは、保持部13によって吊り下げられる。変位要素5a、5bは、各分離装置1a、1bの少なくとも一つの接続要素4a、4bに配置される。それぞれの変位要素5a、5bは、ソーセージストランド20に面する端部に、V形凹部を有する。凹部6の寸法は、ソーセージストランド20から離れる方向において低減する。図1に断面を示す、この装置は、同様に配置される第3の、又はそれ以上の、接続要素4a、4bを更に備えることができる。図1に示す実施形態では、距離rは、図示されているすべての接続要素について、等しい。
【0044】
一つの接続要素に関する距離rは、上方と下方の円板2a、2b、3a、3bについて等しいことが決定的に重要であるが、異なる接続要素4a、4bに関する距離rは、以下に詳細説明するように、異なるものとすることができる。上述の平行クランク・ガイドは、接続要素4a、4bが、少なくとも一つの変位要素5a、5bが、それが第1の軸A、Cの周りを回転する間、ソーセージストランド20の移送方向Tに対して、常に、所定の角度、好適には90度をなす方向を向いているように、誘導されることを可能にする。分離装置1a、1bは、互いに対称配置となるよう構成される。
【0045】
図1に示す、板状になるように構成される変位要素5a、及び、同様に板状になるように構成された変位要素5bは、軸A及び軸Cの周りを回転することにより、それらの板が重なり合って、たとえば、ソーセージストランドが挟扼されるように凹部6の開口14のみが開いたままであるように、互いに相手に向かって移動する。変位要素5a、5bが、開口14が残らず、変位要素が完全に重なり合うように、対向配置された分離装置に向かって更に前進して突出すると、ソーセージストランドは、完全に離断、すなわち、切り離される。
【0046】
図2は、図1に示した実施形態に実質的に一致する実施形態を示しており、それは、分離装置1a、1bを有し、それらが三つの接続要素4a、4bを有し、それらの接続要素が変位要素5a、5bを備える。図2に見られるように、変位要素5a、5bは、それらが軸A及び軸Cの周りを回転する間、常に、ソーセージストランドに対して垂直位置にある、ただし、ソーセージストランドは図示されない。
【0047】
図3a~3cに示す実施形態は、変位要素が、互いに相手に向かって移動することができる、すなわち、ソーセージストランドが個別品ソーセージに分割される程度にまでソーセージストランドに食い込むこと以外は、図1及び図2に示す実施形態と一致する。図3aは、三つの変位要素を示しており、これらは、移送方向Tに対して垂直方向に位置し、ソーセージストランドが、対向配置された変位要素5a、5bの間の開口を通って自由に移送され得る位置に、分離機能、すなわち、切断要素を有する。円板2a、2b、3a、3bが回転し続けると、分離要素5a、5bは、図3bに示すように互いに相手に向かって移動し始め、図3cに示すように両者が完全に重なり合うまで、変位要素5a、5bの間の開口14がなくなって、ソーセージストランドが完全に離断されるまで、移動する。それらの円板が回転を続けると、それぞれの変位要素は、相手から離れる方向に移動し、この移動は、次のソーセージ個別品を切り離すために、後続の変位要素が完全に重なり合い、ソーセージストランドを分離するまで、なされる。
【0048】
特に図1図3cに見られるように、接続要素及び変位要素は、円板2a、2b、3a、3bが完全に回転する間、それらの要素衝突し合うことなく相手を通り越して移動するように位置づけられる。隣接する接続要素の上方の円板と下方の円板の枢軸軸受けの軸方向のずれも、たとえば、それぞれ、軸Aと軸C又は軸Cと軸DのずれXに一致する。枢軸軸受けと隣接する接続要素の間の距離(弦長)は、好適には、変位要素を含む接続要素に余裕空間を加えた延長距離よりも大きくすべきである。これは、整列配置された接続要素が、それぞれの変位要素と間隔を空けて位置することを意味する。特に、変位要素は、垂直方向上方に延びる接続要素4a、4bの第1のセクション40aよりも、高さが低い。
【0049】
図1において、接続要素は、たとえば、L形状であり、したがって、第1の円板2a、2bから、それに対して垂直方向に、第2の円板3a、3bに向かって上方向に延びる第1のセクション40aと、水平方向に、且つ、第2の円板3a、3bに平行に、少なくとも、接続要素がその周りを回転可能に取り付けられる軸まで、延びる第2のセクション40bとを有する。変位要素は、第1のセクション40aに設置される。ただし、第2のセクション40bが、傾斜、段差形状、又は波状配置になるよう構成されることも可能である。波状構成は、たとえば、図2図3cに示す。接続要素間の距離は、傾斜、段差形状、又は波状配置とすることにより最小化することができる。
【0050】
図5は、本発明によるまた別の実施形態を示しており、それは、上に示した実施形態とほぼ一致するが、四つ以上の接続要素が配置される点だけが異なる。その場合、たとえば、10個の接続要素4a、4bが、それぞれの変位要素5a、5bを備えて、設けられる。変位要素は、たとえば、ソーセージストランドをソーセージ個別品に分離、すなわち、剪断するように、位置づけられ、構成される。同じようにして、変位要素は、接続されているソーセージ個別品からなるソーセージ連鎖を製造するために、ソーセージストランドを挟扼のみするように、上述のように構成されることも可能である。
【0051】
上述の実施形態でも可能であるように、一定の長さのソーセージ連鎖が製造できるように、変位要素のうちのいくつかが挟扼のために、少なくとも一つが分離又は切断のために、同時に使用可能である。
【0052】
図6は、第1又は第2の円板2、3の概略図である。対応する円板2、3は、その内側に、腔部7を備え、ここで、腔部71は、半径rの円kに配置される。更に、一つ以上の腔部72は、半径rの別の円kに配置される(又は、半径rのn個の円、ただし、n∈N)。対応する構成の円板は、異なる適用及びソーセージ長さに対して大きな改造適応性を実現する。たとえば、腔部7は、所望のソーセージ長さに応じて接続要素4a、4bを入れることができる。たとえば、各第2の腔部7のみに接続要素が入れられると、同じ回転速度で、対応するソーセージ個別品は約2倍の長さを有する。第2の円k上の腔部7は、たとえば、ソーセージストランドの分離、すなわち、離断のための変位要素5a、5bを備える接続要素4a、4bのために使用することができる、それは、このとき変位要素は突出して、ソーセージストランドの中に更に深く入るからである。図6に示す実施形態において、外側の円k上の(0度及び180度の位置にある)腔部72に接続要素が入れられ、残りの腔部が、より小さい半径rを有する円k上にあるとすると、開口7にある接続要素にある変位要素は、切断のための変位要素として使用され、一方、その他の変位要素は挟扼のためにのみ使用されることが可能である。このとき、たとえば、4個のソーセージ個別品を有するソーセージ連鎖が対応する配置により製造可能である。
【0053】
図7は、上述の実施形態と実質的に一致する別の実施形態を示す。ここでも、上方の第2の円板3aの平面視が示すように、いくつかの腔部7は、内側の円k上に設けられ、より大きな半径rを有する腔部7がある。
【0054】
たとえば、接続要素が四つの内側の腔部に回転可能に取り付けられ、外側の腔部7には二つの接続要素が入る。第1の円板2aは、それに応じて構成される。対向配置される分離装置1bも、それに応じて構成することができる。
【0055】
図8は、図7に示した配置を別の視点から見た図であり、変位要素5a、5aを備えた二つの隣接する接続要素4a、4aが示され、左側の接続要素4aは半径rを有する円上に配置され、右側の接続要素4aは半径rを有する円上の腔部7内にある。変位要素5aは、分離可能な程度に、対向配置された装置の方向に突出する。
【0056】
図9では、円板2、3は、後続の変位要素5aがちょうど挟扼位置に来るまで、外側方向に回転したところである。あきらかに見られるように、図8において、対応する変位要素5aを備えた接続要素4aは、図9における、変位要素5aを備えた接続要素4aよりも、ソーセージストランドの方へ更に突出している。これは、半径方向において、より外側に取り付けられた接続要素の変位要素は、たとえば、分離のために使用することができ、一方、より内側に配置された接続要素は挟扼のために使用することができることを明確にする。
【0057】
したがって、本発明は、個別品化性能の向上の可能性に加え、大幅な装具交換なしに、所望の製品に合わせてシステムを適応改造することを可能にする。すでに述べたように、接続要素の位置は、変位要素がソーセージストランド内にどれだけ深く突入するかを決定することができる。ただし、同様に、変位要素の形状は、ソーセージストランドがどの程度挟扼されるか、又は分離されるか否かを設定するために利用することができる。この目的のために、変位要素を接続要素に脱着可能、且つ交換可能に取り付けることも可能である。
【0058】
この装置は、第1の円板2a、2bが定速又は変速回転速度で駆動されるように、少なくとも一つの駆動装置を制御する制御装置も備える。たとえば、たとえば、変位要素の速度がその回転位置に応じて変化するように、特に、移送方向における速度成分が、挟扼の間、又は離断によって、ソーセージストランドの速度に合わせて調整され得るように、ある速度プロファイルをもって運転されることができる。挟扼及び/又は分離する時の移送方向Tにおける、それぞれの変位要素の速度成分は、ソーセージストランド20を移送する移送装置15の速度と実質的に一致する特長を有する。したがって、特に信頼し得る、且つ優しい、挟扼又は分離が実現され得る。
【0059】
図10a及び図10bに見られるように、この装置は、更に第3の円板50a、50bを備えることができ、それらの円板は、更に、第2と第3の円板に回転可能に取り付けられる接続要素51a、51bを備え、ここで、接続要素のうちの少なくとも一つが変位要素を備える。
【0060】
図10aは、この実施形態を移送方向の視点で見た図であり、図10bは、その透視図である。この実施形態は、平行クランク連結の原理に従って働く。ここでも、たとえば、各分離装置1a、1bの第1の円板は、駆動装置(図示せず)によって駆動され、第1の円板2aは、第2の円板3a、3bに、各々、接続要素4a、4bを介して接続される。円板3a、3bは、やはり、更なる接続要素51a、51bを介して、同様に軸、たとえば軸Aの周りを回転可能に取り付けられる第3の円板50a、50bに接続される。これは必ずしも軸Aでなくてもよく、(後述のように)横方向にずれた位置に配置することも可能である。接続要素4a及び51aの取り付けも、整列位置でなくてもよい。接続要素が円板3aに相手に対してある角度をなすように取り付けられる場合、同心円上に取り付ける方がなおよい。
【0061】
ここでも、それぞれの接続要素は、第1の円板2a、2bに、第1の軸A、Cからそれぞれの距離をおいて回転可能に取り付けられ、第2の円板3a、3bに、第2の軸から等しい距離をおいて回転可能に取り付けられる。接続要素51a、51bは、また、第3の円板50a、50bにも、第3の円板50aの回転軸まで、対応する距離rをおいて回転可能に取り付けられる。既述の例とは異なり、第2の円板3a、3bは、それぞれ、接続要素4a、4b又は接続要素51a、51bを介するのでなければ、第2の軸Bに回転可能に取り付けられない。回転円板2aは、接続要素4a、4bを介して、第2の円板3a、3bに、それが「垂直軸」B周りを回転するようにトルクを伝達する。第3の円板50a、50bは、図10a及び図10bに示すように、保持部を介して回転可能に取り付けられることも可能である。接続要素51a、51bは、第3の円板50a、50bにトルクを伝達する。図10a及び図10bに示す実施形態において、第3の円板50aの回転軸は、第1の円板2aの回転軸Aに一致する。第3の円板50a、50bの回転軸は、第1の円板2aの回転軸から位置をずらすことも可能であり、その場合、接続要素51a、51b及び/又は変位要素の配置形状は、それに対応して、変位要素が挟扼及び/又は分離のためにソーセージストランドを挟むことができるように、適応改造されなければならない。
【0062】
ここでも、たとえば、最上方の円板50a、50bの回転軸は、やはり、接続要素51a、51bの回転軸から、第2の円板の回転軸B、Dとそれぞれの接続要素が回転可能に取り付けられる位置の間の距離rに等しい半径距離rをとることは、適用可能である。ただし、上述の実施形態の文脈で説明したように、距離rは、異なる接続要素について異ならせることを選択することも可能であり、その場合は、接続要素が、それを挟む位置にある円板のそれぞれの回転軸から等しく距離rをおいて配置されることのみが要求される。
【0063】
ここに示していない実施形態において、接続要素は、たとえば、二つのソーセージストランドが、互いに上下に位置して、同様に、分離可能なように、たとえば、二つの変位要素5a、5bが垂直方向に互いに上下に位置して配置可能なような大きさの垂直方向寸法を有する。
【0064】
移送方向Tに進行するソーセージストランド20を挟扼及び/又は分離するための発明の方法において、上述の実施形態による装置が使用され、そこで、接続要素4a、4bは、第1と第2の円板2a、2b、3a、3bの間に、回転可能に取り付けられ、第1の軸A周りの第1の円板2a、2bの回転とともに、それが第1の軸Aの周りを回転する間、少なくとも一つの変位要素5a、5bが、常に、移送方向Tに対して所定の角度、特に90度、をなす位置にあるように、誘導される。
【0065】
前述のように、円板は、接続要素が回転可能に取り付けられる腔部7を備えることができ、腔部は、第1と第2の円板2a、2b、3a、3bに、半径rを有する一つの円上に、又は異なる半径を有するいくつかの円上に配置され、接続要素5a、5bは、個別品の長さ、及び/又は、ソーセージのサイズ、及び/又は、ソーセージ連鎖における個別品の数に応じて、対応する腔部7に取り付けられ、特に、接続要素(5a、5b)の位置は、ソーセージのサイズ、及び/又は、個別品の長さ、及び/又は、ソーセージ連鎖における個別品の数が変わると、それに応じて変更される。
【符号の説明】
【0066】
10 ソーセージストランドを挟扼及び/又は分離するための装置
11 駆動メカニズム
15 移送装置
16 ウェブ又はリブ
20 ソーセージストランド
1a、1b 分離装置
2a,2b 第1の円板
3a、3b 第2の円板
50a、50b 第3の円板
4a、4b 接続要素
4a、4a 接続要素
51a、51b 接続要素
5a、5b 変位要素
5a、5b 変位要素
5a、5a 変位要素
7 腔部
腔部
6 凹部
14 開口
40a 第1のセクション
40b 第2のセクション
腔部
r 半径
半径
半径
X 軸Aと軸C又は軸Cと軸Dのずれ
A、C 第1の円板の軸
B、D 第2の軸

図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b