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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】トルク制限コネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/12 20060101AFI20230808BHJP
   F16D 7/04 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
A61M39/12
F16D7/04 D
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021549959
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-12
(86)【国際出願番号】 US2020019863
(87)【国際公開番号】W WO2020176601
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】16/287,913
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レオン、ギルバート
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/189842(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/12
F16D 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルク制限コネクタであって、
外側コネクタの内周面に配置されたプロファイルを有する外側コネクタであって、
前記外側コネクタ内に配置された内側コネクタであって、該内側コネクタは、上側のネジ山部と、下側のネジ山部と、テーパー状の外面と、当該テーパー状の外面に沿って形成されたチャネルとを含む、前記内側コネクタと、
クラッチであって、前記クラッチは、前記クラッチの外面から延びる複数のクラッチ歯と、前記クラッチの内面に形成された係合特徴部とを含み、前記クラッチは、前記内側コネクタの周囲に配置されることにより、前記係合特徴部がチャネルと係合して、前記クラッチと前記内側コネクタとを締め付け方向と緩める方向との両方向に回転可能に結合するようになり、前記複数のクラッチ歯は、前記外側コネクタのプロファイルと解放可能に係合するように外向きにバイアスされている、前記クラッチと、
を備え、
前記複数のクラッチ歯は、操作トルクが制限値以下の場合には、前記外側コネクタから前記内側コネクタに操作トルクを伝達するように構成されており、前記操作トルクが制限値を超えた場合には、前記複数のクラッチ歯が内側に付勢されて前記外側コネクタのプロファイルとの係合を解除し、前記操作トルクの伝達を阻止するように構成されていることを特徴とするトルク制限コネクタ。
【請求項2】
前記クラッチは、前記内側コネクタに対して同心円状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のトルク制限コネクタ。
【請求項3】
請求項1に記載のトルク制限コネクタであって、前記内側コネクタは、前記クラッチを軸方向に保持するように構成された角度付きフランジをさらに備えることを特徴とするトルク制限コネクタ。
【請求項4】
前記複数のクラッチ歯は、3つのクラッチ歯で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のトルク制限コネクタ。
【請求項5】
請求項1に記載のトルク制限コネクタであって、前記プロファイルは、複数の係合特徴部からなることを特徴とするトルク制限コネクタ。
【請求項6】
請求項5に記載のトルク制限コネクタであって、前記複数の係合特徴部のそれぞれが非対称であることを特徴とするトルク制限コネクタ。
【請求項7】
請求項6に記載のトルク制限コネクタであって、前記複数の係合特徴部のそれぞれは、先行側と後行側とからなり、前記先行側は丸みを帯びた形状からなり、前記後行側は角張った形状からなることを特徴とするトルク制限コネクタ。
【請求項8】
請求項1に記載のトルク制限コネクタであって、操作トルクがトルク制限を超えたときに、クラッチと外側コネクタが音声信号を発することを特徴とするトルク制限コネクタ。
【請求項9】
請求項1に記載のトルク制限コネクタであって、操作トルクがトルク制限を超えたときに、クラッチと外側コネクタが触覚信号を発することを特徴とするトルク制限コネクタ。
【請求項10】
前記角度付きフランジは、前記外側コネクタが前記角度付きフランジ上にスナップ取り付けして前記外側コネクタを前記内側コネクタに対して軸方向に保持できるように、前記内側コネクタの前記テーパ状の外面上に形成されていることを特徴とする請求項記載のトルク制限コネクタ。
【請求項11】
前記角度付きフランジは、前記内側コネクタへの前記クラッチの組み立てを可能にする角度付き表面を有することを特徴とする請求項10に記載のトルク制限コネクタ。
【請求項12】
トルク制限コネクタであって、
外側コネクタの内周面に配置されたプロファイルを有する外側コネクタと、
前記外側コネクタ内に配置された内側コネクタであって、該内側コネクタは、上側のネジ山部と、下部のネジ山部と、テーパー状の外面と、当該テーパー状の外面に沿って形成されたチャネルとを含む、前記内側コネクタと、
クラッチであって、前記クラッチは、前記クラッチの外面から延びる複数のクラッチ歯と、前記クラッチの内面に形成された係合特徴部とを含み、前記クラッチは、前記内側コネクタの周囲に配置されることにより、前記係合特徴部がチャネルと係合して、前記クラッチと前記内側コネクタとを締め付け方向と緩める方向との両方向に回転可能に結合するようになり、前記複数のクラッチ歯は、前記外側コネクタのプロファイルと解放可能に係合するように外向きにバイアスされている、前記クラッチと、
を備え、
複数のクラッチ歯は、動作トルクがトルク制限値以下のときに外側コネクタが内側コネクタを回転させることを許可するように構成され、複数のクラッチ歯は、動作トルクがトルク制限値を超えたときに外側コネクタのプロファイルを解除し、内側コネクタに対する外側コネクタの回転を許可するように内側に付勢されてることを特徴とするトルク制限コネクタ。
【請求項13】
請求項12に記載のトルク制限コネクタであって、内側コネクタは、クラッチを軸方向に保持するように構成された角度付きのフランジをさらに備えることを特徴とするトルク制限コネクタ。
【請求項14】
請求項12に記載のトルク制限コネクタであって、前記プロファイルは、複数の係合特徴部からなることを特徴とするトルク制限コネクタ。
【請求項15】
請求項14に記載のトルク制限コネクタであって、前記複数の係合特徴部のそれぞれが非対称であることを特徴とするトルク制限コネクタ。
【請求項16】
請求項15に記載のトルク制限コネクタであって、前記複数の係合特徴部のそれぞれは、先行側と後行側とからなり、前記先行側は丸みを帯びた形状からなり、前記後行側は角張った形状からなることを特徴とするトルク制限コネクタ。
【請求項17】
請求項12に記載のトルク制限コネクタであって、操作トルクがトルク制限を超えたときに、クラッチと外側コネクタが音声信号を発することを特徴とするトルク制限コネクタ。
【請求項18】
請求項12に記載のトルク制限コネクタであって、操作トルクがトルク制限を超えたときに、クラッチと外側コネクタが触覚信号を発することを特徴とするトルク制限コネクタ。
【請求項19】
トルク制限コネクタを提供する方法であって、
外側コネクタを提供することであって、当該外側コネクタは当該外側コネクタの内面に配置されたプロファイルを含む、前記外側コネクタを提供することと、
前記外側コネクタ内に配置された内側コネクタを提供することであって、当該内側コネクタは、上側のネジ山部、下側のネジ山部、テーパー状の外面、および当該テーパー状の外面に沿って形成されたチャネルとを含む、前記内側コネクタを提供することと、
前記内側コネクタと前記外側コネクタの間にクラッチを配置することであって、当該クラッチの内面に形成された係合特徴部が前記内側コネクタの前記チャネルと係合し、前記クラッチと前記内側コネクタを締め付け方向と緩める方向との両方向に回転可能に結合することにより、前記クラッチの外面から延びる複数のクラッチ歯が前記外側コネクタの前記プロファイルと解放可能に係合するように外側にバイアスされている、前記クラッチを配置することと、
を含み、
前記複数のクラッチ歯は、操作トルクがトルク限界以下の場合には、前記外側コネクタから前記内側コネクタに前記操作トルクを伝達するように構成され、前記複数のクラッチ歯は、前記操作トルクが前記トルク限界を超える場合には、前記外側コネクタのプロファイルを解除して前記操作トルクの伝達を阻止するように内向きに付勢されることを特徴とする方法。
【請求項20】
前記内側コネクタ及び前記外側コネクタの間に前記クラッチを配置することは、前記内側コネクタの角度付きフランジの角度付き表面に前記クラッチを取り付けることを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的にはコネクタに関するものであり、特に、トルク制限コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
このカテーテルは、一般に「IVセット」と呼ばれる柔軟なチューブと継手の配列を介して、流体の供給源、例えばIVバッグに接続されている。多くの場合、チューブ、注射器、針などの医療機器には、ネジ式のコネクターや、漏れないように締め付けることができるユニバーサル・ルアー・コニカル・フィッティングが使用されている。
【0003】
アプリケーションによっては、締めすぎた接続部を手で取り除くことが困難な場合や不可能な場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示された主題は、輸液ディスポーザブルに関するものである。特定の実施形態において、トルク制限コネクタが開示されており、これは、外側コネクタの内面に配置されたプロファイルを含む外側コネクタと、外側コネクタ内に配置された内側コネクタと、を備え、内側コネクタは上側ネジ山部と、下側ネジ山部と、を備える内側コネクタとクラッチは、クラッチの外面から延びる複数のクラッチ歯を含み、複数のクラッチ歯は、外側コネクタのプロファイルと解放可能に係合するように外向きにバイアスされ、複数のクラッチ歯は、操作トルクがトルク限界以下のときに外側コネクタから内側コネクタに操作トルクを伝達するように構成され、複数のクラッチ歯は、操作トルクがトルク限界を超えたときに外側コネクタのプロファイルとの係合を解除して操作トルクの伝達を防止するように内向きに付勢されていることを特徴とする。
【0005】
特定の実施形態では、トルク制限コネクタが開示されており、外側コネクタの内面に配置されたプロファイルを含む外側コネクタと、外側コネクタ内に配置された内側コネクタとを備え、内側コネクタは以下を含む。上側ネジ山部と、下側ネジ山部と、を備える内側コネクタと内側コネクタの周囲に配置され、内側コネクタに回転可能に結合されたクラッチであって、クラッチは、クラッチの外面から延びる複数のクラッチ歯を含み、複数のクラッチ歯は、外側コネクタのプロファイルと解放可能に係合するように外向きにバイアスされており、複数のクラッチ歯は、動作トルクがトルク限界以下のときに外側コネクタが内側コネクタを回転させることを可能にするように構成されており、複数のクラッチ歯は、動作トルクがトルク限界を超えたときに外側コネクタのプロファイルとの係合を解除し、内側コネクタに対する外側コネクタの回転を可能にするように内向きに付勢されていることを特徴とするクラッチが開示されている。
【0006】
ある実施形態では、第1コネクタを第2コネクタにネジ係合することと、第1コネクタの外側コネクタを接続トルク限界以下の操作トルクで回転させることと、外側コネクタの回転を介して第1コネクタの内側コネクタを回転させることとを含み、クラッチが内側コネクタと外側コネクタを回転可能に係合する接続部の締め付け方法が開示されている。
【0007】
対象技術の様々な構成は、対象技術の様々な構成が例示として示され説明されている本開示から、当業者には容易に明らかになることが理解される。実現されるように、対象技術は、他の異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細は、対象技術の範囲から逸脱することなく、他の様々な点で変更可能である。したがって、概要、図面、および詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、制限的なものではないと考えられる。
【0008】
さらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、開示された実施形態を示し、説明と合わせて開示された実施形態の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の様々な側面に従った、コネクタ組立体の斜視図である。
図2図2は、本開示の様々な側面に従った、図1のコネクタ組立体の立面図である。
図3図3は、本開示の様々な側面に従った、図1のコネクタ組立体の分解斜視図である。
図4図4は、本開示の様々な側面に従った、図1のコネクタ組立体の断面図である。
図5図5は、本開示の様々な側面に従った、図1のコネクタ組立体の底面図である。
図6図6は、本開示の様々な側面に従った、図5のコネクタ組立体の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
開示されたトルク制限コネクタは、クラッチを備えた2つの部分からなるコネクタを内蔵している。クラッチは内側コネクタと外側コネクタの間に配置され、内側コネクタへのトルクを制限することができる。内側コネクタへのトルクを制限することで、コネクタの締めすぎを防ぎ、コネクタの損傷を防ぎ、取り外しを容易にすることができる。
【0011】
以下に示す詳細な説明は、対象技術の様々な構成の説明を意図したものであり、対象技術が実施され得る唯一の構成を示すことを意図したものではない。詳細な説明には、対象技術の完全な理解を提供する目的で、具体的な詳細が含まれている。しかし、当業者であれば、これらの具体的な詳細がなくても対象技術を実施することができることは明らかであろう。いくつかの例では、対象技術の概念を不明瞭にしないために、よく知られた構造やコンポーネントをブロック図の形で示している。理解を容易にするために、同様の構成要素には同一の要素番号を付けている。参照番号には文字の接尾辞が付いている場合があるが、これは共通の要素の別々の例を示すものであり、接尾辞のない同じ番号で一般的に参照されるものである。
【0012】
以下の説明は、開示されたトルク制限コネクタを使用した医療流体の投与のための医療用継手の接続に向けられているが、この説明は使用方法の一例に過ぎず、特許請求の範囲を制限するものではないことを理解されたい。開示されたトルク制限コネクタの様々な側面は、締めすぎずに様々なチューブおよび継手の接続を提供することが望ましい任意の用途で使用することができる。
【0013】
今回開示されるトルク制限コネクタは、従来のコネクタに見られたいくつかの課題を解決したものである。従来のコネクタの1つの課題は、ネジ式コネクタは、消毒剤などで係合面が濡れていると、簡単に締めすぎてしまうことである。さらに、臨床医は漏れを防ぐために従来のコネクターを締めすぎることがある。締めすぎたコネクタは、切断力が大きくなり(最大で3倍)、鉗子やペンチなどの機械的補助具を使用したり、接続されたカテーテルやチューブセットを交換したりする必要があるため、従来のコネクタの使用は好ましくない。
【0014】
したがって、本開示によれば、コネクタの潜在的な締めすぎを排除または実質的に低減する、本明細書に記載のトルク制限コネクタを提供することが有利である。開示されたトルク制限コネクタは、コネクタの締め付けを許容しつつ、コネクタの締めすぎを防止する中間クラッチを提供する。
【0015】
ここで、締めすぎを防止するトルク制限コネクタの一例を説明する。
【0016】
図1は、本開示の様々な側面に従った、コネクタ組立体100の斜視図である。図2は、本開示の様々な態様に従った、図1のコネクタ組立体100の立面図である。図1および図2を参照すると、コネクタ組立体100は、嵌合コネクタとの流体接続を容易にする。図示された例では、内側コネクタ110は、上端および/または下端で相手側コネクタにねじ込み可能である。例えば、コネクタ組立体100は、医療用チューブと一緒に利用することができる。
【0017】
コネクタ組立体100を相手側コネクタに締め付けるためには、外側コネクタ120をねじって内側コネクタ110のネジ接続部を締め付けることができる。一部のアプリケーションでは、コネクタ組立体100と相手側コネクタとの間の接続について、所望の締め付けまたはトルクが指定される。しかし、使用中、臨床医は、接続部を締めすぎてしまうことがある。例えば、コネクタを消毒した後は、接続のための切断力が高くなることがある。相手側接続部は、コネクタ組立体100を逆方向にねじって分解または除去してもよい。
【0018】
有利なことに、コネクタ組立体100は、内側コネクタ110が相手側コネクタに締め付けられすぎないようにしている。動作中、所望のトルクに達するまで、外側コネクタ120の回転が内側コネクタ110を回転させ、その間の嵌合接続を締め付ける。
【0019】
しかし、所望のトルクに達した後は、クラッチ機構により、外側コネクタ120が内側コネクタ110をさらに締め付けることができないようになっている。したがって、所望のトルクに達した後は、外側コネクタ120を内側コネクタ110とは無関係に回転させることができる。
【0020】
内側コネクタ110の締めすぎを防止することに加えて、コネクタ組立体100は、所望の嵌合トルクに達したことをユーザにフィードバックまたは信号として提供することができる。例えば、所望のトルクに達した後の外側コネクタ120の回転時に、コネクタ組立体100は、聴覚的または触覚的な信号またはフィードバック(「クリック」など)を提供することができる。
【0021】
図3は、本開示の様々な側面に従った、図1のコネクタ組立体の分解斜視図である。図4は、本開示の様々な態様に従った、図1のコネクタ組立体の断面図である。図3および図4を参照すると、クラッチ130は、コネクタ組立体100が、外側コネクタ120から内側コネクタ110に供給されるトルクの量を制限することを可能にする。
【0022】
図示された例では、クラッチ130は、内側コネクタ110と回転可能に結合され、外側コネクタ120と解放可能に係合している。したがって、動作中、クラッチ130は、所望の最大トルクが達成されるまで、外側コネクタ120が内側コネクタ110を回転させることを可能にする。
【0023】
図示するように、クラッチ130は、内側コネクタ110と外側コネクタ120との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、クラッチ130は、内側コネクタ110について同心円状に配置されている。例えば、クラッチ130は、内側コネクタ110のテーパ状の外面115に沿って配置され得る。任意で、クラッチ130は、内側コネクタ110に対して軸方向に保持することができる。例えば、クラッチ130は、内側コネクタ110のテーパ付き外面115に形成された角度付きフランジ116によって規定されたクラッチ溝117に軸方向に保持することができる。いくつかの実施形態では、外側コネクタ120は、クラッチ130を軸方向に保持するための特徴を含むことができる。角度付きフランジ116は、内側コネクタ110へのクラッチ130の組み立てを容易にするために、角度付きの表面を有することができる。
【0024】
図示された例では、クラッチ130は、外側コネクタ120から回転トルクを受け取ることができる。さらに、図示されているように、クラッチ歯132は、クラッチ130の外面131から延びて、外側コネクタ120の内側プロファイルと整合する。外側コネクタ120とのクラッチ歯132の整合は、トルクをクラッチ130に伝達することを可能にする。
【0025】
図示されているように、外側コネクタ120は、内側コネクタ110およびクラッチ130について配置されている。任意で、外側コネクタ120は、内側コネクタ110とクラッチ130との間に同心円状に配置される。いくつかの実施形態では、外側コネクタ120は、内側コネクタ110に対して軸方向に保持される。例えば、外側コネクタ120は、内側コネクタ110に対して外側コネクタ120を軸方向に保持するために、内側コネクタ110の角度付きフランジ116上にスナップ取り付けすることができる。
【0026】
動作中、クラッチ130から内側コネクタ110にトルクを伝達するために、クラッチ130は内側コネクタ110と回転可能に結合されており、クラッチ130と内側コネクタ110が一緒に回転することを可能にしている。図示された例では、クラッチ130は、内側コネクタ110の外面と係合するクラッチ130の内面に形成されたドッグまたは特徴部134を介して、内側コネクタ110に回転トルクを伝達する。いくつかの実施形態では、クラッチ130の特徴部134は、内側コネクタ110のテーパ状の外面115に形成されたスロットまたはチャネル118と係合する。したがって、動作時には、外側コネクタ120からのトルクがクラッチ130を介して内側コネクタ110に伝達され、内側コネクタ110を任意の相手側コネクタに対して相対的に回転させることができる。
【0027】
図示された例では、内側コネクタ110は、上側ネジ山部112と下側ネジ山部114とを含む。内側コネクタ110を回転させることにより、上側ネジ山部112および/または下側ネジ山部114を締め付けることができる。例えば、上側ネジ山部112のネジ面113は、所望のトルクで、または上側ネジ山部112が相手側コネクタに対して底付きするまで、相手側コネクタに締め付けることができる。同様に、下側ネジ山部114は、所望のトルクで、または下側ネジ山部114が相手側コネクタに対して底付きするまで、相手側コネクタに締め付けることができる。前述したように、外側コネクタ120は、所定の最大トルクが達成されるまで内側コネクタ110を回転させることができる。
【0028】
動作中、最大トルクが達成された後、クラッチ歯132は、外側コネクタ120から離脱することができ、内側コネクタ110を締め付けることなく外側コネクタ120が回転することを可能にする。いくつかの実施形態では、外側コネクタ120と係合するクラッチ歯132の数は、外側コネクタ120の係合を解除する前に外側コネクタ120から内側コネクタ110に付与できる最大トルクを決定することができる。例えば、クラッチ130は、外側コネクタ120が内側コネクタ110に対してより多くのトルクを付与できるように、より多くのクラッチ歯132を含むことができ、一方、いくつかの実施形態では、外側コネクタ120が内側コネクタ110に対してより少ないトルクを付与できるように、クラッチ130は、より少ないクラッチ歯132を含むことができる。例として、クラッチ130は、1つのクラッチ歯132、3つのクラッチ歯132、5つのクラッチ歯132、または、他の任意の適切な数のクラッチ歯132を含むことができる。
【0029】
同様に、クラッチ130は、外側コネクタ120が内側コネクタ110を任意の嵌合コネクタから緩めることを可能にすることができる。クラッチ130および外側コネクタ120は、緩めのトルクを制限するために整合することができる。
【0030】
図5は、本開示の様々な側面に従った、図1のコネクタ組立体の底面図である。図6は、本開示の様々な態様に従った、図5のコネクタ組立体の詳細図である。図5および図6を参照すると、クラッチ歯132は、外側コネクタ120のコネクタプロファイル122に対して解放可能に係合して、外側コネクタ120からトルクを受け取るまたは伝達する。
【0031】
動作中、外側コネクタ120が回転し、それによってコネクタプロファイル122が回転する。コネクタプロファイル122の回転は、クラッチ歯132にトルクを伝達し、それによって内側コネクタ110にトルクを伝達する。外側コネクタ120は、クラッチ歯132がコネクタプロファイル122と係合したままである限り、内側コネクタ110にトルクを与え続けるか、さもなければ内側コネクタ110を回転させることができる。
【0032】
図示された例では、クラッチ歯132は、コネクタプロファイル122に向かって半径方向外側に延びる。図示されているように、クラッチ歯132は、コネクタプロファイル122との係合を維持するように外向きにバイアスされている。いくつかの実施形態では、クラッチ歯132は、コネクタプロファイル122に向かって弾力的または弾性的にバイアスされる。いくつかのアプリケーションでは、クラッチ歯132のバイアス力は、クラッチ歯132およびクラッチ130の材料、厚さ、深さ、および他の特性を選択することによって変更することができる。オプションとして、クラッチ歯132の曲げ部133の角度または形状を変更して、クラッチ歯のバイアス力を調整することができる。
【0033】
図示されているように、コネクタプロファイル122は、外側コネクタ120から係合したクラッチ歯132に接線方向の回転力を伝達して内側コネクタ110にトルクを与え、および/またはクラッチ歯132を内側に押してコネクタプロファイル122との係合から外れるように半径方向の力を与えることができる複数の係合特徴部124を含む。例えば、主に接線方向に外側コネクタ120からクラッチ歯132に回転力を伝達する係合特徴部124(外側コネクタ120に対して主に法線方向に延びる係合特徴部124)は、主に半径方向に外側コネクタ120からクラッチ歯132に回転力を伝達する係合特徴部124(外側コネクタ120に対して主に接線方向に延びる係合特徴部124)と比較して、クラッチ歯132に内向きの半径方向の力よりも比例して多くのトルクを伝達することになり、これはクラッチ歯132に伝達するトルクが少なく、内向きの半径方向の力が多くなる可能性がある。いくつかの実施形態では、係合特徴部124は、外側コネクタ120から内側コネクタ110に伝達されるトルクの割合と、クラッチ歯132に加えられる内向きの半径方向の力の量を制御するために、接線と半径方向の成分の組み合わせを含むことができる。
【0034】
動作中、係合特徴部124によってクラッチ歯132に付与される内向きの半径方向の力が、クラッチ歯132をコネクタプロファイル122と係合させておく外向きのバイアス力に打ち勝つと、クラッチ歯132は外側コネクタ120から離脱し、外側コネクタ120が内側コネクタ110に対して回転することを可能にし、内側コネクタ110に伝達されるトルクを制限する。任意で、係合解除されたクラッチ歯132は、ユーザに可聴および/または触覚信号を提供してもよい。
【0035】
係合特徴部124およびクラッチ歯132の幾何学的特性および材料特性を変更することにより、クラッチ歯132の係合を解除する前に内側コネクタ110に印加されるトルクの量を制御することができる。例えば、係合特徴部124の相対的な角度を調整して、より高い動作トルク限界またはより低い動作トルク限界を有するようにすることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、コネクタ組立体100は、締め付けと緩めのために異なるトルク限界を提供することができる。例えば、コネクタ組立体100は、コネクタ組立体100を締め付けるための低いトルク限界と、コネクタ組立体100を緩めるための高いトルク限界とを提供することができる。
【0037】
図示された例では、係合特徴部124は非対称であってもよい。図示のように、係合特徴部124の先行側126のプロファイルは、係合特徴部124の後続側128のプロファイルと異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、先行側126は、締め付け方向に付与されるトルクが小さくなるようにしてもよく(先行側126は、外側コネクタ120に対して相対的に接線方向に延びている)、一方、後続側128は、緩み方向に付与されるトルクが大きくなるようにしてもよい(後続側128は、外側コネクタ120に対して相対的に法線方向に延びている)。
【0038】
任意で、係合特徴部124は、様々な幾何学的特徴を含むことができる。例えば、係合特徴部124は、クラッチ歯132がコネクタプロファイル122から離脱するのを容易にしたり、抑制したりするために、丸みを帯びたり、角度を付けたりすることができる。同様に、クラッチ歯132の歯形135の相補的な幾何学的特徴は、係合特徴部124と係合するように変化させることができる。
【0039】
本開示は、当業者が本明細書に記載された様々な態様を実践できるように提供される。本開示は、対象技術の様々な例を提供するものであり、対象技術はこれらの例に限定されるものではない。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかになるであろうし、本明細書で定義された一般的な原理は、他の態様にも適用することができる。
【0040】
単数形の要素への言及は、特に明記されていない限り、「1つだけ」を意味するものではなく、「1つ以上」を意味する。特に明記されていない限り、「いくつか」は1つまたは複数を意味する。男性形の代名詞(例:his)には、女性形および中性形の代名詞(例:herおよびits)が含まれ、その逆も同様である。見出しや小見出しがある場合は、便宜上使用しているだけで、本発明を限定するものではない。
【0041】
本明細書では、「例」という言葉を、「例または図として示す」という意味で使用している。本明細書で「例示的」と記載されているあらゆる側面または設計は、必ずしも他の側面または設計よりも好ましいまたは有利であると解釈されるものではない。一態様では、本明細書に記載された様々な代替構成および操作は、少なくとも同等であると考えられる。
【0042】
「側面」などの表現は、そのような側面が対象技術にとって必須であることや、そのような側面が対象技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。ある側面に関する開示は、すべての構成に適用される場合もあれば、1つまたは複数の構成に適用される場合もある。ある側面は、1つまたは複数の例を提供してもよい。ある側面のような表現は、1つ以上の側面を指す場合があり、その逆もある。また、「実施形態」などの表現は、そのような実施形態が対象技術に必須であることや、そのような実施形態が対象技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。実施形態に関する開示は、すべての実施形態に適用されてもよいし、1つまたは複数の実施形態に適用されてもよい。実施形態は、1つまたは複数の例を提供してもよい。実施形態のようなフレーズは、1つ以上の実施形態を参照してもよく、その逆もまた然りである。構成」などの文言は、そのような構成が対象技術に必須であることや、そのような構成が対象技術のすべての構成に適用されることを意味するものではない。構成に関する開示は、すべての構成に適用してもよいし、1つまたは複数の構成に適用してもよい。構成は、1つまたは複数の例を提供してもよい。このような構成という表現は、1つまたは複数の構成を指している場合があり、その逆もある。
【0043】
1つの側面では、特に明記しない限り、後続の特許請求の範囲を含め、本明細書に記載されているすべての測定値、値、評価、位置、大きさ、サイズ、およびその他の仕様は、正確ではなく概算値である。一つの側面では、それらは、それらが関連する機能およびそれらが関連する技術分野で慣習的に行われていることと一致する合理的な範囲を有することが意図されている。
【0044】
ある側面では、「結合」などの用語は、直接的に結合されていることを指す場合がある。また、別の局面では、「結合」などの用語は、間接的に結合されていることを指していてもよい。
【0045】
本開示で使用される「上」、「下」、「前」、「後」などの用語は、通常の重力参照枠ではなく、任意の参照枠を指すものと理解すべきである。したがって、上面、下面、前面、および後面は、重力基準のフレームにおいて、上向き、下向き、斜め、または水平に延びていてもよい。
【0046】
対象技術の範囲を逸脱することなく、様々なアイテムを異なる方法で配置することができる(例えば、異なる順序で配置したり、異なる方法で分割したりすること)。本開示を通して記載された様々な側面の要素に対する、当業者に知られている、または後に知られるようになる構造的および機能的な同等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれており、特許請求の範囲に包含されることが意図されている。さらに、本明細書で開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、一般に公開されることを意図していない。請求項の要素は、その要素が「手段」という語句を用いて明示的に記載されているか、または方法請求項の場合には「ステップ」という語句を用いて記載されていない限り、35U.S.C.§112第6項の規定に基づいて解釈されるべきではない。さらに、「含む」、「有する」などの用語が使用されている場合、このような用語は、「備える」という用語がクレームの中で経過的な単語として採用された場合に解釈されるのと同様の方法で、包括的であることが意図されている。
【0047】
本開示のタイトル、背景、概要、図面の簡単な説明、および抄録は、本開示に組み込まれており、制限的な説明ではなく、本開示の例示として提供されている。また、それらが特許請求の範囲や意味を制限するために使用されないことを理解した上で提出されている。また、詳細な説明では、開示を合理化する目的で、例示的な例を提供し、様々な特徴を様々な実施形態でまとめていることがわかる。このような開示方法は、クレーム対象物が各請求項に明示的に記載されている以上の特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が示すように、発明的な主題は、開示された単一の構成または動作のすべての特徴よりも少ないものにある。以下の請求項は、各請求項が個別に請求された主題として独立している状態で、ここに詳細な説明に組み込まれる。
【0048】
特許請求の範囲は、本明細書に記載された内容に限定されることを意図したものではなく、言語特許請求の範囲と一致する完全な範囲が与えられ、すべての法的均等物を包含することが意図されている。しかしながら、特許請求の範囲のいずれも、35U.S.C.§101、102、または103の要件を満たさない主題を包含することを意図しておらず、そのように解釈されるべきでもない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6