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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】流体組成物を霧化する方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/02 20060101AFI20230808BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20230808BHJP
   A61L 9/14 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
B05D1/02 Z
B05D3/00 D
A61L9/14
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021573413
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 US2020070271
(87)【国際公開番号】W WO2021011959
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】62/875,094
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュ、ステファン・ギャリー
(72)【発明者】
【氏名】ンワチュク、チソマガ・ウゴチ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィシング、リンダ・ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】グリュンバッハー、デイナ・ポール
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-523823(JP,A)
【文献】特開平05-000156(JP,A)
【文献】特表2013-511382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B1/00-17/08
B05D1/00-7/26
A61L9/009/22
F24F8/00-8/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体組成物を霧化する方法であって、
流体組成物を提供する工程と、
前記流体組成物をマイクロ流体ダイのノズルから霧化する工程と、を含み、前記霧化した流体組成物が、二峰性分布を有する複数の液滴を含み、前記二峰性分布は、
前記複数の液滴の総体積の80%以上が10pL未満であること、
前記複数の液滴の前記総体積の30%以上が5pL未満であること、および
前記複数の液滴の前記総体積の30%以上が6pL~10pLであることを含み、
前記流体組成物を霧化する前記工程が、2000Hz~4000Hzの周波数で前記流体組成物を霧化することを更に含む、方法。
【請求項2】
前記複数の液滴は、
前記複数の液滴の前記総体積の80%以上が1~10pLであること、および
前記複数の液滴の前記総体積の50%以上が1~5pLであることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記流体組成物が、前記流体組成物の総重量に基づいて、少なくとも60重量%の香料混合物を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物を熱アクチュエータで加熱する工程を更に含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記流体組成物を霧化する前記工程が、前記加熱された流体組成物をマイクロ流体ダイのノズルから霧化することを更に含み、前記マイクロ流体ダイが、複数のヒータ抵抗器を含むシリコン半導体基板と、各ヒータ抵抗器に関連付けられた少なくとも1つの流体チャンバと、各流体チャンバに関連付けられた少なくとも1つのノズルと、を備える、請求項記載の方法。
【請求項6】
前記流体組成物を霧化する前記工程が、前記加熱された流体組成物を、重力の作用方向から0度~90度にある方向にノズルから霧化することを更に含む、請求項又はに記載の方法。
【請求項7】
前記マイクロ流体ダイが、前記少なくとも1つのノズルを備えるノズルプレートを備え、前記ノズルプレートが、疎油性表面コーティングを備える、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記流体組成物が、香料混合物を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体組成物を霧化する方法に関し、より具体的には、二峰性分布を有する流体組成物を霧化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
香料組成物などの流体組成物を、高エネルギー化(すなわち電気的/電池駆動式)による霧化により空気中に送達するための様々なシステムが存在する。更に、最近では、サーマル方式及びピエゾ方式のマイクロ流体ダイなどのマイクロ流体送達技術を用いて、香料組成物などの流体組成物を空気中に送達するための試みがなされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
マイクロ流体送達技術を用いて、流体組成物を送達する場合、特に流体組成物を空気中に送達する場合には、霧化した流体組成物を周囲空間中に適切に分散させることが消費者の視認性にとって重要となり得る。流体の粘度、発射の周波数、温度など、多くの変数が、マイクロ流体送達デバイスの出力に影響を及ぼし得る。より一貫し、かつ気付きやすい香りの体験を提供するために、動作条件及び出力パラメータを最適化することが引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
「組み合わせ:」
A.流体組成物を霧化する方法であって、
流体組成物を提供する工程と、
流体組成物をマイクロ流体ダイのノズルから霧化する工程と、を含み、霧化した流体組成物が、二峰性分布を有する複数の液滴を含み、二峰性分布は、
複数の液滴の総体積の80%以上が10pL未満であること、
複数の液滴の総体積の30%以上が5pL未満であること、及び
複数の液滴の総体積の30%以上が6pL~10pLであることを含む、方法。
B.複数の液滴は、
複数の液滴の総体積の80%以上が1~10pLであること、及び
複数の液滴の総体積の50%以上が1~5pLであることを含む、段落Aに記載の方法。
C.流体組成物を霧化する工程が、1000Hz~6000Hzの周波数で流体組成物を霧化することを更に含む、段落A又は段落Bに記載の方法。
D.流体組成物を霧化する工程が、2000Hz~4000Hzの周波数で流体組成物を霧化することを更に含む、段落Cに記載の方法。
E.流体組成物が、流体組成物の総重量に基づいて、少なくとも60重量%の香料混合物を含む、段落A~Dのいずれか1つに記載の方法。
F.組成物を熱アクチュエータで加熱する工程を更に含む、段落A~Eのいずれか1つに記載の方法。
G.流体組成物を霧化する工程が、加熱された流体組成物をマイクロ流体ダイのノズルから霧化することを更に含み、マイクロ流体ダイが、複数のヒータ抵抗器を含むシリコン半導体基板と、各ヒータ抵抗器に関連付けられた少なくとも1つの流体チャンバと、各流体チャンバに関連付けられた少なくとも1つのノズルと、を備える、段落Fに記載の方法。
H.流体組成物を霧化する工程が、加熱された流体組成物を、重力の作用方向から0度~90度にある方向にノズルから霧化することを更に含む、段落Fに記載の方法。
I.マイクロ流体ダイが、少なくとも1つのノズルを備えるノズルプレートを備え、ノズルプレートが、疎油性表面コーティングを備える、段落Fに記載の方法。
J.流体組成物が、香料混合物を含む、段落A~Iのいずれか1つに記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】電気回路及びマイクロ流体ダイを有する、マイクロ流体カートリッジの斜視図である。
図2】マイクロ流体カートリッジの断面図である。
図3】マイクロ流体カートリッジ上の電気回路及びマイクロ流体ダイの分解図である。
図4】マイクロ流体ダイの断面図である。
図5】マイクロ流体ダイの一部の平面図である。
図6】マイクロ流体送達デバイスの正面の斜視図である。
図7】マイクロ流体送達デバイスの裏面の斜視図である。
図8】マイクロ流体送達デバイスの平面図である。
図9】記載されたビデオベースの液滴サイジング法を使用して、1000Hzで発射する例示的なマイクロ流体ダイから噴射された、実施例の流体組成物の観察された液滴のヒストグラムである。
図10図9の観察に対する液滴体積の累積分布関数を示すヒストグラムである。
図11】記載されたビデオベースの液滴サイジング法を使用して、2000Hzで発射する例示的なマイクロ流体ダイから噴射された、実施例の流体組成物の観察された液滴のヒストグラムである。
図12図11の観察に対する液滴体積の累積分布関数を示すヒストグラムである。
図13】記載されたビデオベースの液滴サイジング法を使用して、3000Hzで発射する例示的なマイクロ流体ダイから噴射された、実施例の流体組成物の観察された液滴のヒストグラムである。
図14図13の観察に対する液滴体積の累積分布関数を示すヒストグラムである。
図15】記載されたビデオベースの液滴サイジング法を使用して、4000Hzで発射する例示的なマイクロ流体ダイから噴射された、実施例の流体組成物の観察された液滴のヒストグラムである。
図16図15の観察に対する液滴体積の累積分布関数を示すヒストグラムである。
図17】記載されたビデオベースの液滴サイジング法を使用して、5000Hzで発射する例示的なマイクロ流体ダイから噴射された、実施例の流体組成物の観察された液滴のヒストグラムである。
図18図17の観察に対する液滴体積の累積分布関数を示すヒストグラムである。
図19】記載されたビデオベースの液滴サイジング法を使用して、6000Hzで発射する例示的なマイクロ流体ダイから噴射された、実施例の流体組成物の観察された液滴のヒストグラムである。
図20図19の観察に対する液滴体積の累積分布関数を示すヒストグラムである。
図21】発射周波数に対する、5pL以下の体積を有する液滴中に分配される液滴の体積分率のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
下記の説明では、両方が様々な構成要素を有する、流体組成物、マイクロ流体送達デバイス、及び流体組成物を霧化する方法が記載されているが、流体組成物、マイクロ流体送達デバイス、及び流体組成物を霧化する方法は、下記の説明に記載されるか、又は図面に例示されている構成及び配置に限定されるものではないことを理解されたい。
【0007】
本開示は、流体組成物をマイクロ流体ダイから霧化する方法に関する。本開示のマイクロ流体ダイは、複数の小さい液滴及び複数の大きい液滴を有する液滴の一貫した二峰性分布を提供することにより、空間及び隣接空間にわたって流体組成物の液滴の最適化された分散を提供する。
【0008】
マイクロ流体送達デバイスは、電源と電気的に接続可能なハウジングと、ハウジングと取り外し可能に接続可能なカートリッジとを含み得る。カートリッジは、流体組成物を収容するためのリザーバと、リザーバに流体連通されたマイクロ流体ダイとを有する。
【0009】
マイクロ流体デバイス
図1及び2を参照すると、マイクロ流体カートリッジ10は、内部12と、外部14とを備える。マイクロ流体カートリッジ10の内部12は、リザーバ16と、マイクロ流体ダイ51と流体連通している1つ以上の流体チャネル18とを備える。リザーバ16は、基部壁20から形成されてもよく、あるいは基部壁20及び1つ以上の側壁22を形成する複数の表面から形成されてもよい。リザーバ16は、マイクロ流体カートリッジ10の蓋24によって密閉されていてもよい。流体チャネル18は、流体開口部において、リザーバ16からマイクロ流体カートリッジ10の外部14まで延在する。リザーバは、エアベントを含み得る。蓋24は、リザーバ16と一体であってもよく、又はリザーバ16と接続される別個の要素として構成されてもよい。
【0010】
マイクロ流体カートリッジ10のリザーバ16は、流体組成物を、約5~約50ミリリットル(mL)、代替的に約10~約30mL、また更に代替的に約15~約20mL収容し得る。リザーバ16は、流体組成物を収容するのに好適な任意の材料で作製され得る。容器に好適な材料としては、プラスチック、金属、セラミック、複合材などが挙げられるが、これらに限定されない。マイクロ流体カートリッジは、複数のリザーバを有するように構成されてもよく、その各々が、同じ又は異なる組成物を含有してよい。マイクロ流体送達デバイスは、各々が別個のリザーバを収容する1つ以上のマイクロ流体カートリッジを利用してもよい。
【0011】
リザーバ16はまた、マイクロ流体ダイが動作していないときに、流体組成物がマイクロ流体ダイから漏出するのを防ぐために背圧を生成する、スポンジなどの多孔質材料19を含んでもよい。流体組成物は、流体組成物に作用する重力及び/又は毛管力によって、多孔質材料を通過してマイクロ流体ダイへと移動し得る。多孔質材料は、流体通路を形成する複数の相互接続された連続気泡を含有する、金属若しくは布地メッシュ、連続気泡ポリマー発泡体、繊維性ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、又は繊維若しくは多孔質ウィックの2種類の構成要素を含んでもよい。スポンジは、ポリウレタン又はメラミン発泡体で作製され得る。
【0012】
図1を参照すると、マイクロ流体カートリッジ10の外部14は、2つ、3つ、又はそれ以上の面からなる。各面は、1つ以上の縁部によって境界付けられる。2つの面は、縁部に沿って接続される。各面は、平坦、実質的に平坦、又は様々な輪郭をなしていてもよい。面は互いに接続されて、立方体、円筒形、円錐形、四面体、三角柱、直方体などの様々な形状を形成してもよい。マイクロ流体カートリッジは、プラスチック、金属、ガラス、セラミック、木材、複合材、及びこれらの組み合わせを含む様々な材料から構成されてもよい。マイクロ流体カートリッジの異なる要素は、同じ又は異なる材料から構成されてもよい。
【0013】
マイクロ流体カートリッジ10は、少なくとも第1の面26と、縁部30に沿って接合された第2の面28とを備え得る。例えば、第1の面26は底面であってもよく、第2の面28は側面であってもよい。
【0014】
実質的に立方体形状のマイクロ流体カートリッジ10では、そのマイクロ流体カートリッジ10は、上面と、上面に対向する底面と、上面と底面との間に延在する4つの側面とを含み得る。各接合面は、縁部に沿って接続されていてもよい。例えば円筒形状のマイクロ流体カートリッジでは、そのマイクロ流体カートリッジは、上面と、上面に対向する底面と、上面と底面との間に延在する単一の湾曲した側面とを含み得る。
【0015】
図1~3を参照すると、マイクロ流体カートリッジ10の流体チャネル18は、マイクロ流体カートリッジ10の第2の面28内に配設され得る流体開口部まで延在してもよい。マイクロ流体カートリッジ10は、第2の面28上に配設されたマイクロ流体ダイ51を含み得る。流体チャネル18は、流体チャネル18がマイクロ流体ダイ51と流体連通するように、マイクロ流体ダイ51まで開放していてもよい。
【0016】
マイクロ流体ダイの主要な構成要素は、半導体基板、流動機能層、及びノズルプレート層である。流動機能層及びノズルプレート層は、2つの別個の層又は1つの連続した層から形成され得る。半導体基板は、好ましくはシリコンから作製され、様々なパッシベーション層、導電性金属層、抵抗層、絶縁層、及びそのデバイス表面上に堆積された保護層を含む。半導体基板内の流体排出アクチュエータは、急速な圧力インパルスを発生させて、ノズルから流体組成物を排出する。急速な圧力インパルスは、高周波(例えば、マイクロメカニカル作動)で振動する圧電デバイスによって、又は流体組成物の一部を急速加熱サイクル(例えば、マイクロ熱核生成)を通じて揮発させるヒータ抵抗器によって、生成されてもよい。熱アクチュエータの場合、個々のヒータ抵抗器は、抵抗層内に画定され、各ヒータ抵抗器は、ノズルプレート内のノズルに対応して、流体組成物を加熱しノズルから排出させる。
【0017】
図4及び5を参照すると、マイクロ流体ダイ51の一部の簡略化された図が示されている。マイクロ流体ダイは、図5の簡略化された図に示されるように、基板112のデバイス側116に形成された圧電デバイス又はヒータ抵抗器などの複数の流体排出アクチュエータ114を含むシリコン半導体基板112であり得る、半導体基板112を含む。流体排出アクチュエータ114としてピエゾアクチュエータを有するマイクロ流体ダイでは、ピエゾアクチュエータは、図5に示されるようにノズルに隣接して配設され得るか、またはノズルから離れて配設され、かつなお圧力パルスを、ノズルから排出される流体組成物に伝達し得る。流体排出アクチュエータ114が起動されると、半導体基板112内の1つ以上の流体供給ビア118を通じて供給される流体が、流体供給チャネル120を通って、厚膜層124内の流体チャンバ122に流れ、そこで流体が、ノズルプレート128内のノズル126を通じて排出させられる。流体排出アクチュエータは、周知の半導体製造技術によって、半導体基板112のデバイス側116上に形成される。厚膜層124及びノズルプレート128は、別個の層であってもよく、又は1つの連続した層であってもよい。
【0018】
ノズルプレート128は、疎油性表面コーティングを含んでもよい。疎油性表面コーティングとしては、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエテンなどが挙げられ得る。
【0019】
ノズルプレート128は、約4~200個のノズル126、約6~120個のノズル、又は約8~64個のノズルを含み得る。各ノズル126は、1つの電気発射パルスごとに、約0.5~約35ピコリットル、約1~約20ピコリットル、又は約2~約10ピコリットルの流体組成物を送達し得る。個々のノズル126は、典型的には約0.0024インチ(5~50マイクロメートル)の直径を有し得る。マイクロ流体ダイ51から放出される流体組成物の流量は、約5~約70mg/時の範囲内であってよく、あるいは任意の他の好適な流量又は流量の範囲であってよい。
【0020】
図1及び3を参照すると、マイクロ流体カートリッジ10は、電気回路52を備える。電気回路52は、フレキシブル回路、剛性部分と可撓性部分とを有する半フレキシブル回路、及び剛性回路基板の形態であり得る。電気回路52は、第1の端部54と、第2の端部56と、第1及び第2の端部、それぞれ54及び56を分離する、中央部58とを含み得る。電気回路52の第1の端部54は、マイクロ流体送達デバイスのハウジングの電気接点と接続するための電気接点60を含み得る。電気回路52の第2の端部56は、マイクロ流体ダイ51と電気的に連通していてもよい。
【0021】
フレキシブル又は半フレキシブル電気回路52の場合、電気回路52は、マイクロ流体カートリッジ10の2つの面上に配設され、それらにまたがっていてもよい。例えば、図1及び3を参照すると、例示のみを目的として、電気回路52の第1の端部54は、マイクロ流体カートリッジ10の第1の面26上に配設されてもよく、電気回路52の第2の端部56は、マイクロ流体カートリッジ10の第2の面28上に配設されてもよく、電気回路52の中央部58は、マイクロ流体カートリッジ10の第1の面26及び第2の面28にそれぞれまたがっていてもよい。
【0022】
剛性電気回路52の場合、電気回路52は、マイクロ流体ダイ51及び電気接点60が同じ面上に配置されるように、マイクロ流体カートリッジ52の単一面上に配置されてもよい。
【0023】
図1及び図6~8を参照すると、マイクロ流体カートリッジ10はまた、マイクロ流体カートリッジ10とハウジングとの間に機械的接続を提供するために、1つ以上のカートリッジコネクタ36を備えてもよい。マイクロ流体カートリッジ10上のカートリッジコネクタ36は、ハウジング上の対応するハウジングコネクタと接続又は嵌合してもよい。例えば、カートリッジコネクタ36は、ハウジング上の突起又はガイドポストなどの1つ以上の雄コネクタと嵌合するように構成された開口部などの雌コネクタとして構成されてもよい。あるいは、カートリッジコネクタ36は、雄コネクタとして構成されてもよく、ハウジング上の開口部などの1つ以上の雌コネクタと嵌合するように構成された、ガイドポストなどの1つ以上の突起部を含んでもよい。マイクロ流体カートリッジとハウジングとの間の機械的接続は、マイクロ流体カートリッジとハウジングとの間の堅牢な電気的接続を提供するために、マイクロ流体カートリッジをハウジング内で適切に整列及び固定するのに役立ち得る。
【0024】
図6~8を参照すると、マイクロ流体カートリッジ10は、マイクロ流体送達デバイス44のハウジング46と取り外し可能に接続できるように構成されてもよい。ハウジング46は、電源48に接続され得る。ハウジング46は、マイクロ流体カートリッジ10を受容するための開口部66を有するレセプタクル64を含み得る。レセプタクル64は、マイクロ流体カートリッジ10の一部を受容してもよく、あるいはマイクロ流体カートリッジ10は、レセプタクル64内にその全体が完全に配設されてもよい。ハウジング46のレセプタクル64は、マイクロ流体カートリッジ10の電気接点60と電気的に接続するように構成された電気接点68を含み得る。
【0025】
レセプタクル64は、マイクロ流体カートリッジ10の1つ以上のカートリッジコネクタ36によって受容されるように構成された、1つ以上のハウジングコネクタ38を含み得る。ハウジングコネクタ38は、雄コネクタ又は雌コネクタの形態であってもよい。例えば、カートリッジコネクタ36が雌コネクタとして構成される場合、ハウジングコネクタ38は、雄コネクタとして構成されてもよく、又はその逆であってもよい。ハウジングコネクタ38及びカートリッジコネクタ36は、十分な機械的及び電気的接続が起こるように互いに嵌合するような大きさ及び形状であり得る。
【0026】
ハウジング46は、ハウジング46の前側に配設されたフェースプレート47を含み得る。ハウジング46はまた、流体組成物をマイクロ流体カートリッジ10から空気中に放出するための流体出口74を含み得る。ハウジング46は、分配された流体組成物に向かって、空気を上方及び/又は外側の周囲の空間内に方向付けるための空気出口76を含んでもよい。流体出口74及び空気出口76は、フェースプレート47内に配設されてもよい。
【0027】
図1及び8を参照すると、カートリッジコネクタ36及びハウジングコネクタ38は、マイクロ流体カートリッジ10とハウジングとの間の強い電気的接続を確立するために、マイクロ流体送達デバイス44のハウジングに対してマイクロ流体カートリッジ10を整列する、固定する、及びマイクロ流体カートリッジ10の移動を制限するために使用され得る。カートリッジコネクタ36及びハウジングコネクタ38は、マイクロ流体カートリッジ10のマクロ又はマイクロアライメントのいずれかを提供するように設計され得る。カートリッジコネクタ36をハウジングコネクタ38と嵌合させることにより、マイクロ流体送達デバイス44のハウジング46に対するマイクロ流体カートリッジ10のX方向及びY方向の移動を防止することができる。
【0028】
図8を参照すると、マイクロ流体カートリッジ10は、マイクロ流体カートリッジ10との間の堅牢な電気的接続を提供するために、ハウジング46に対してバネ付勢されてもよい。マイクロ流体カートリッジ10は、マイクロ流体カートリッジ10をハウジング46から解放するための解放ボタンを有してもよい。あるいは、マイクロ流体カートリッジ10は、ハウジング46に向かって押されることにより、マイクロ流体カートリッジ10をハウジング46から係合及び/又は係合解除することができるようになっていてよい。マイクロ流体カートリッジ10は、マイクロ流体カートリッジ10をハウジング46に接続するための締結具102又はクリップと係合し得る。
【0029】
レセプタクル64は、マイクロ流体カートリッジ10をレセプタクル64内に方向付けるための1本以上のガイドレールを含んでもよい。
【0030】
マイクロ流体送達デバイスは、コンパクトで、容易に携帯できるように構成され得る。そのような場合、マイクロ流体送達デバイスは、電池で動作し得る。マイクロ流体送達デバイスは、9ボルト電池、「A形」、「単3形」、「単4形」、「単2形」、及び「単1形」電池などの従来式の乾電池、ボタン電池、時計用電池、太陽電池、並びに再充電ベース部を備える充電式電池などの電源と併用することが可能であり得る。
【0031】
マイクロ流体送達デバイスは、ファンを含んでいてもよく、そのファンは、空気中に流体組成物を送達するのを支援するための空気流を生成するものであってよい。マイクロ流体送達デバイスの所望の空気流速度、サイズ、及び電力要件を提供する任意のファンが使用され得る。ファンは、流体組成物を空気中に更に押し込むために使用されてもよく、及び/又は流体組成物がマイクロ流体ダイから分配される方向とは異なる方向に、流体組成物を方向付けるために使用されてもよい。ファンは、ハウジングの内部に、又は少なくとも部分的にハウジングの内部に、又はハウジングの外部に配設され得る。ファンはまた、マイクロ流体ダイ51の上に空気を方向付けるために使用されて、マイクロ流体ダイ51上に堆積される流体組成物の量を最小限に抑えることもできる。
【0032】
流体組成物
マイクロ流体送達システム内で十分に動作するように、流体組成物の多くの特性が考慮される。いくつかの要因としては、マイクロ流体送達ダイから放出するのに最適な粘度を有する流体組成物を配合すること、マイクロ流体送達ダイを詰まらせるであろう懸濁個体を制限された量有するか、又は全く有しない流体組成物を配合すること、乾燥してマイクロ流体送達部材を詰まらせないように、十分に安定した流体組成物を配合すること、引火性でない流体組成物を配合することなどが挙げられる。マイクロ流体ダイからの適切な分配のために、空気を清涼化するか又は悪臭を低減する組成物の適切な霧化及び効果的な分配が、流体組成物の設計において考慮されてもよい。
【0033】
流体組成物は、20センチポアズ(「cps」)未満、代替的に18cps未満、代替的に16cps未満、代替的に約3~約16cps、代替的に約4~約12cpsの粘度を示し得る。流体組成物は、約35ダイン/cm未満、代替的に約20~約30ダイン/cmの表面張力を有し得る。粘度は、Anton Paar Kinematic SVM 3000シリーズ粘度計、又は室温で流体の予想される粘度範囲を正確に測定することができる等価な測定デバイスを使用して測定したときに、cps単位で報告される。これは、高感度二重ギャップ形状に関連して、Bohlin CVO Rheometer Systemなどの計器の組み合わせであってもよい。
【0034】
流体組成物は、粒子状物質が液体マトリックス内に分散された混合物中に存在する懸濁固体又は固体粒子を実質的に含まなくてもよい。流体組成物は、20重量%未満の懸濁固体、代替的に15重量%未満の懸濁固体、代替的に10重量%未満の懸濁固体、代替的に5重量%未満の懸濁個体、代替的に4重量%未満の懸濁固体、代替的に3重量%未満の懸濁固体、代替的に2重量%未満の懸濁固体、代替的に1重量%未満の懸濁個体、代替的に0.5重量%未満の懸濁個体を有してもよいか、又は懸濁固体を含まなくてもよい。懸濁固体は、いくつかの香料物質の特性である溶解物質と区別される。
【0035】
液体組成物は、香料混合物に加えて、又はその代用として、他の揮発性材料を含む場合もあり得ると想到され、揮発性染料;殺虫剤として機能する組成物;環境を条件付けし、改造し、又は他の方法で変更する(例えば、睡眠、眼覚め、呼吸器の健康状態、及び同様の状況を支援する)精油又は材料;消臭剤又は悪臭抑制組成物(例えば、反応性アルデヒド類などの臭気中和材(米国特許出願公開第2005/0124512号に開示されているようなもの)、臭気遮断材、臭気マスキング材、又はイオノン類などの感覚改質材(同様に、米国特許出願公開第2005/0124512号に開示されている))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
香料混合物
流体組成物は、流体組成物の重量基準で約50%超、代替的に約60%超、代替的に約70%超、代替的に約75%超、代替的に約80%超、代替的に約50%~約100%、代替的に約60%~約100%、代替的に約70%~約100%、代替的に約80%~約100%、代替的に約90%~約100%の量で存在する香料混合物を含み得る。
【0037】
香料混合物は、1つ以上の香料原材料を含有し得る。香料原材料は、材料の沸点(boiling point、「B.P.」)に基づいて選択され得る。本明細書において言及するB.P.は、760mmHgの通常の標準圧力下の沸点である。標準760mmHgにおける多くの香料成分のB.P.は、Steffen Arctanderにより書かれ、1969年に出版された「Perfume and Flavor Chemicals(Aroma Chemicals)」に見出すことができる。個々の成分の実験的に測定された沸点が利用可能ではない場合、値は、ACD/Labs(Toronto,Ontario,Canada)から入手可能な沸点PhysChemモデルによって推定することができる。
【0038】
香料混合物は、約3.5未満、代替的に約2.9未満、代替的に約2.5未満、代替的に約2.0未満のオクタノール/水分配係数(「ClogP」)のモル加重平均logを有し得る。個々の成分の実験的に測定されたlogPが利用できない場合、値は、ACD/Labs(Toronto,Ontario,Canada)から入手可能な沸点PhysChemモデルによって推定することができる。
【0039】
臨界圧及び臨界温度に対して、流体組成物及び/又は流体組成物の香料混合物を最適化することが有用であり得る。臨界圧は、気泡形成エネルギー及びコゲ-ション傾向の臨界温度に対して最適化され得る。
【0040】
香料混合物は、250℃未満、代替的に225℃未満、代替的に200℃未満、代替的に約150℃未満、又は代替的に約150℃~約250℃のモル加重平均B.P.を有し得る。
【0041】
代替的に、約3重量%~約25重量%の香料混合物が、200℃未満のモル加重平均B.P.を有し得、代替的に、約5重量%~約25重量%の香料混合物が、200℃未満のモル加重平均B.P.を有する。
【0042】
本開示の目的のために、香料混合物の沸点は、当該香料混合物を構成する個々の香料原材料のモル加重平均沸点によって決定される。個々の香料物質の沸点が公開された実験データから既知ではない場合、ACD/Labsから入手可能な沸点PhysChemモデルによって決定される。
【0043】
表1は、香料混合物に好適ないくつかの非限定的、例示的な個々の香料物質を一覧表にしたものである。
【0044】
【表1】
【0045】
表2は、200℃未満の総モル加重平均B.P.(「モル加重平均沸点」)を有する例示的な香料混合物を示す。モル加重平均沸点を計算する際には、決定するのが困難な香料原材料の沸点は、表2に例示されるように、それらの香料原材料が、香料混合物全体の重量基準で15%未満を構成する場合、無視され得る。
【0046】
【表2】
【0047】
可溶化材料
本開示の組成物は、20℃で液体である1つ以上の可溶化材料を含有してもよく、可溶化材料は、9超のハンセン水素結合パラメータ、5を超えるハンセン極性パラメータ、及び25℃で測定された267Pa未満の蒸気圧を有する。理論に束縛されるものではないが、可溶化材料は、熱的に活性化されたマイクロ流体ダイの表面上に堆積した任意の流体組成物の蒸発を調節し、それにより、液体の質量移動速度及び流体中の不安定な物質の固体への移行を制限し、ゲル形成又は固化、及びノズルの詰まりを防止すると考えられる。
【0048】
本開示の文脈において、ハンセン溶解度パラメータは、凝集エネルギー密度デルタ=(E/V)1/2(式中、Vはモル体積であり、Eは蒸発エネルギーである)の平方根として定義される。ハンセン溶解度パラメータ(HSP)の基礎は、液体の蒸発の総エネルギーが、いくつかの個々の部分からなることである。ハンセンは、蒸発エネルギーへの3種類の寄与、すなわち、分散性(δ)、極性(δ)、及び水素結合(δ)を定義している。各パラメータ、δ、δ、及びδは、一般に、MPa0.5単位で測定される。
【0049】
水素結合ハンセン溶解度パラメータは、蒸発エネルギーに対する水素結合凝集エネルギーの寄与に基づく。極性ハンセン溶解度パラメータは、蒸発エネルギーに対する極性凝集エネルギーの寄与に基づく。水素結合ハンセン溶解度パラメータ及び極性ハンセン溶解度パラメータは、以下のウェブアドレスhttps://www.hansen-solubility.com/HSPiP/で入手可能なHSPiPソフトウェアを使用して、計算又は予測のいずれかが行われ得る。球アルゴリズムは、Hansen,C.M.,Hansen Solubility Parameters:A User’s Handbook,CRC Press,Boca Raton FL,2007に記載のとおりである。Y-MB法は、Asahi Glass CorporationのDr Hiroshi Yamamotoによって開発された。
【0050】
HSPiPソフトウェアは、限られた数の材料を有するデータベースに依存する。HSPiPデータベースが関心の材料を有さない場合、以下の式を使用して、ハンセン溶解度パラメータを計算することができる。
Ra=4(δD1-δD2)+(δP1-δP2)+(δH1-δH2)
RED=Ra/R0
【0051】
計算に関するより多くの情報は、https://www.hansen-solubility.com/HSP-science/basics.phpで見つけることができる。
【0052】
本開示の組成物は、1重量%超、又は5重量%超、又は8重量%超、又は10重量%超、又は12重量%超、又は15重量%超、又は18重量%超、又は20重量%超の可溶化剤であって、9MPa0.5超のハンセン水素結合パラメータ、5MPa0.5超のハンセン極性パラメータ、及び25℃で測定された267パスカル(Pa)未満の蒸気圧を有する、可溶化剤、を含み得るか、又は基本的にこれらからなり得る。ハンセン水素結合パラメータは、9MPa0.5超、又は10MPa0.5超、又は12MPa0.5超、又は15MPa0.5超であり得る。ハンセン極性パラメータは、5MPa0.5超、又は6MPa0.5超、又は7MPa0.5超、又は8MPa0.5超であり得る。蒸気圧は、25℃で測定された、267Pa未満、好ましくは137Pa未満、好ましくは67Pa未満、好ましくは34Pa未満、より好ましくは14Pa未満、及びより好ましくは1.5Pa未満であり得る。
【0053】
9MPa0.5超のハンセン水素結合パラメータ、5MPa0.5超のハンセン極性パラメータ、及び25℃で測定された267Pa未満の蒸気圧を有する可溶化剤は、3-ヒドロキシブタン-2-オン(アセチルメチルカルビノール、CAS番号513-86-0)、1-ヒドロキシプロパン-2-オン(アセトール、CAS番号116-09-6)、N,N-ジメチルアセトアミド(CAS番号127-19-5)、3-ヒドロキシペンタン-2-オン(アセチルカルビノール、CAS番号3142-66-3)、イソ酪酸(イソ酪酸、≧99%、FCC、CAS番号79-31-2)、5-ヘキセノール(CAS番号821-41-0)、4-メチルペンタン-1-オール(4-メチル-1-ペンタノール、CAS番号626-89-1)、2-ヒドロキシプロパン酸エチル(乳酸エチル、CAS番号97-64-3)、マロン酸ジメチル(CAS番号108-59-8)、(E)-ヘキサ-3-エン-1-オール(3-ヘキセン-1-オール、CAS番号544-12-7)、(E)-ヘキサ-3-エン-1-オール(トランス-3-ヘキセン-1-オール、CAS番号928-97-2)、ヘプタン-3-オール(3-ヘプタノール、≧98%、CAS番号589-82-2)、2-メルカプトエタン-1-オール(2-ヒロドキシエタンチオール、CAS番号60-24-2)フラン-2-イルメタノール(フルフリルアルコール、CAS番号98-00-0)、2-オキソプロパン酸(ピルビン酸BRI、CAS番号127-17-3)、1,5ジアミノペンタン(CAS番号462-94-2)、ヘキサン-1-オール(ヘキサノール、CAS番号111-27-3)、(E)-ヘキサ-4-エン-1-オール(トランス-4-ヘキセノール、CAS番号6126-50-7)、ヘプタン-2-オール(2-ヘプタノール、≧97%、CAS番号543-49-7)、(E)-ヘキサ-2-エン-1-オール(トランス-2-ヘキセノール、CAS番号2305-21-7)、(Z)-ヘキサ-2-エン-1-オール(シス-2-ヘキセン-1-オール、CAS番号928-94-9)、1-アミノ-2-プロパノール(CAS番号78-96-6)、フラン-2-カルボン酸メチル(メチル2-フロエート、CAS番号611-13-2)、1-ヒドロキシブタン-2-オン(1-ヒドロキシ-2-ブタノン、CAS番号5077-67-8)、3-(メチルチオ)ヘキサン-1-オール(3-メチルチオ)-1-ヘキサノール、≧97%、CAS番号51755-66-9)、メチルスルホキシド、≧99%(CAS番号67-68-5)、3-メルカプトブタン-2-オール(2-メルカプト-3-ブタノール、異性体の混合物、≧97%、FG、CAS番号37887-04-0)、3-メチル-2-オキソブタン酸(ジメチルピルビン酸、CAS番号759-05-7)、3-メトキシ-3-メチルブタン-1-オール(3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、CAS番号56539-66-3)、(5-メチルフラン-2-イル)メタノール(5-メチルフルフリルアルコール、CAS番号3857-25-8)、2,4-ジメチル-2-ペンテン酸(CAS番号21016-46-6)、2-メチルブタン酸(メチル-2-酪酸NAT、CAS番号116-53-0)、2-ブトキシエタン-1-オール(2-ブトキシエタノール、CAS番号111-76-2)、4-ヒドロキシ-4-メチルペンタン-2-オン(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、CAS番号123-42-2)、2-ヒドロキシ-2-メチルブタン酸エチル(エチル2-ヒドロキシ-2-メチルブチレート、CAS番号77-70-3)、2-(メチルチオ)エタン-1-オール(2-(メチルチオ)エタノール、CAS番号5271-38-5)、2-オキソブタン酸(2-オキソブタン酸、≧97%、600-18-0)、3-メチルシクロヘキサノール(CAS番号591-23-1)、2-メチルシクロヘキサノール(CAS番号583-59-5)、3-(エチルチオ)プロパン-1-オール(3-エチルチオプロパノール、CAS番号18721-61-4)、2-ヒドロキシプロパン酸プロピル(乳酸プロピル、CAS番号616-09-1)、(E)-ヘプタ-4-エン-1-オール(シス-4-ヘプテン-1-オール、CAS番号6191-71-5)、チオフェン-2-カルバルデヒド(2-チオフェンカルボキシアルデヒド、CAS番号98-03-3)、3-ヒドロキシブタン酸エチル(エチル-3-ヒドロキシブチレート、CAS番号5405-41-4)、2-ヒドロキシベンズアルデヒド(サルチルアルデヒド、≧98%、CAS番号90-02-8)、(テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(テトラヒドロフルフリルアルコール、≧98%、CAS番号97-99-4)、ヘプタン-1-オール(ヘプチルアルコール、≧97%、FCC、CAS番号111-70-6)、(2E,4Z)-ヘキサ-2,4-ジエン-1-オール(2,4-ヘキサジエン-1-オール(ソルビックアルコール)、CAS番号111-28-4)、(2E,4Z)-ヘキサ-2,4-ジエン-1-オール(トランス,トランス-2,4-ヘキサジエン-1-オール、≧97%、CAS番号17102-64-6)、フラン-2(5H)-オン(2(5H)-フラノン、CAS番号497-23-4)、2,3-ブタンジオール(CAS番号513-85-9)、2-ヒドロキシ-4-メチルペンタン酸メチル(メチル2-ヒドロキシ-4-メチルバレレート、CAS番号40348-72-9)、2-(エチルチオ)エタン-1-オール(エチル2-ヒドロキシエチルスルフィド、CAS番号110-77-0)、プロパン-1,2-ジオール(1,2-プロピレングリコール、CAS番号57-55-6)、プロパン-1,2-ジオール(プロピレングリコール、CAS番号57-55-6)、ホルムアミド(CAS番号75-12-7)、2-エチルブタン酸(2-エチル酪酸、≧98%、FCC、CAS番号88-09-5)、2-メチルペンタン酸(2-メチルペナノイック酸(METHYL PENANOIC ACID)FCC、CAS番号97-61-0)、2-メトキシフェノール(グアヤコール、天然、≧98%、FG、CAS番号90-05-1)、(S)-3-(エチルチオ)ブタン-1-オール(3-(エチルチオ)ブタノール、CAS番号117013-33-9)、(S)-3-ヒドロキシオクタン-2-オン(3-ヒドロキシ-2-オクタノン、CAS番号37160-77-3)、1-(チオフェン-2-イル)エタン-1-オン(2-アセチルチオフェン、CAS番号88-15-3)、4-(メチルチオ)ブタン-1-オール(4-メチルチオブタノール、CAS番号20582-85-8)、2-(メチルチオ)フェノール(O-(メチルチオ)フェノール、CAS番号1073-29-6)、フェニルメタノール(ベンジルアルコール、CAS番号100-51-6)、3-(メチルチオ)プロパン-1-オール(3-(メチルチオ)-1-プロパノール、≧98%、FG、CAS番号505-10-2)、2-ヒドロキシプロパン酸ブチル(ブチル(S)-(-)-ラクテート、≧97%、CAS番号34451-19-9)、2-ヒドロキシプロパン酸ブチル(ブチルラクテート、CAS番号138-22-7)、3-メルカプト-3-メチルブタン-1-オール(3-メルカプト-3-メチル-1-ブタノール、CAS番号34300-94-2)、3-メチルペンタン酸(3-メチルペンタン酸、CAS番号105-43-1)、ブチルアミド(ブチルアミド、CAS番号541-35-5)、(E)-2-メチルペンタ-3-エン酸(2-メチル-3-ペンテン酸、CAS番号37674-63-8)、1-フェニルエタン-1-オール(α-メチルベンジルアルコール、≧99%、FCC、CAS番号98-85-1)、2,4-ジメチルフェノール(CAS番号105-67-9)、1-(2,4-ジメチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)エタン-1-オール(アセトインプロピレングリコールアセタール、CAS番号94089-23-3)、2-メルカプト-2-メチルペンタン-1-オール(トロピコール0.1%IPM、CAS番号258823-39-1)、2-(2-メトキシエトキシ)エタン-1-オール(メチルカルビトール、CAS番号111-77-3)、オクタン-1-オール(オクチルアルコール、CAS番号111-87-5)、エチル(±)-2-ヒドロキシカプロエート、≧97%(CAS番号52089-55-1)、(E)-ペント-2-エン酸(2-ペンテン酸、CAS_13991-37-2)、2-メルカプトプロパン酸(2-メルカプトプロピオン酸、≧95%、CAS番号79-42-5)、エチル(2R,3S)-2-ヒドロキシ-3-メチルペンタノエート((+/-)-エチル-2-ヒドロキシ-3-メチルバレレート、CAS番号24323-38-4)、2-メチルペンタン-2,4-ジオール(ヘキシレングリコール、CAS番号107-41-5)、(S)-4-メルカプト-4-メチルペンタン-2-オール(4-メルカプト-4-メチル-2-ペンタノール、CAS番号31539-84-1)、1-(p-トリル)エタン-1-オール(a,p-ジメチルベンジルアルコール、CAS番号536-50-5)、(E)-ヘキサ-3-エン酸(トランス-3-ヘキセン酸、≧98%、CAS番号1577-18-0)、(Z)-ヘキサ-3-エン酸(シス-3-ヘキセン酸BRI(天然)、CAS番号1775-43-5)、2-メトキシ-4-メチルフェノール(2-メトキシ-4-メチルフェノール、≧98%、FG、CAS番号93-51-6)、2-(2-エトキシエトキシ)エタン-1-オール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル、CAS番号111-90-0)、2-ヒドロキシプロパン酸イソペンチル(イソアミルラクテート、CAS番号19329-89-6)、2-ヒドロキシ安息香酸メチル(サリチル酸メチルUSP、CAS番号119-36-8)、1-(2-メトキシプロポキシ)プロパン-2-オール(ジプロピレングリコールメチルエーテル、CAS番号34590-94-8)、ヘプタン酸(ヘプタン酸、CAS番号111-14-8)、ジメチルスルホン(CAS番号67-71-0)、(Z)-2-メチルペンタ-2-エン酸(Strawberiff、CAS番号3142-72-1)、(E)-4-メチルペンタ-2-エン酸(4-メチル-2-ペンテン酸、CAS番号10321-71-8)、2,4-ジメチル-2-ペンテン酸(CAS番号66634-97-7)、2-(エトキシメチル)フェノール(α-エトキシ-オルト-クレゾール、CAS番号20920-83-6)、3-メルカプトプロパン酸(3-メルカプトプロピオン酸、CAS番号107-96-0)、2-ヒドロキシ安息香酸エチル(サリチル酸エチル、CAS番号118-61-6)、メルカプト酢酸(CAS番号68-11-1)、2-ピロリドン(CAS番号616-45-5)、3-フェニルプロパン-1-オール(フェニルプロピルアルコール、CAS番号122-97-4)、2-ヒドロキシプロパン酸ヘキシル(ヘキシルラクテート、CAS番号20279-51-0)、1-(2-アミノフェニル)エタン-1-オン(2-アミノアセトフェノン、CAS番号551-93-9)、3-ヒドロキシヘキサン酸メチル(3-ヒドロキシヘキサン酸メチル、≧97%、FG、CAS番号21188-58-9)、3-メトキシフェノール(3-メトキシフェノール、CAS番号150-19-6)、2-メトキシ-4-ビニルフェノール(2-メトキシ-4-ビニルフェノール、≧98%、CAS番号7786-61-0)、4-エチル-2-メトキシフェノール(4-エチルグアイヤコール、≧98%、FCC、FG、CAS番号2785-89-9)、2-(o-トリル)エタン-1-オール(Peomosa、CAS番号19819-98-8)、2-(m-トリル)エタン-1-オール(3-メチルフェニルエチルア
ルコール、CAS番号1875-89-4)、3-(ヒドロキシメチル)ヘプタン-2-オン(3-オクタノン-1-オール、CAS番号65405-68-7)、2-フェノキシエタン-1-オール(2-フェノキシエタノール、CAS番号122-99-6)、乳酸(CAS番号50-21-5)、2-アリル-6-メトキシフェノール(オルト-オイゲノール、CAS番号579-60-2)、5-エチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフラン-3(2H)-オン(2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-3(2H)フラノン、PG中20%、CAS番号27538-09-6)、2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフラン-3(2H)-オン(ホモフラノール純粋100%未希釈、CAS番号27538-09-6)、(Z)-OCT-5-エン酸((Z)-5-オクテン酸、CAS番号41653-97-8)、4-オキソペンタン酸(レブリン酸、≧97%、FG、CAS番号123-76-2)、4-アリル-2-メトキシフェノール(オイゲノール、CAS番号97-53-0)、3-(メチルチオ)プロパン酸(3-メチルチオプロピオン酸、CAS番号646-01-5)、(4-メトキシフェニル)メタノール(アニシルアルコール、CAS番号105-13-5)、3-ヒドロキシプロパン-1,2-ジイルジアセテート(ジアセチン、CAS番号25395-31-7)、2-メトキシ-4-プロピルフェノール(ジヒドロオイゲノール、CAS番号2785-87-7)、3-ヒドロキシヘキサン酸エチル(エチル3-ヒドロキシヘキサノエート、CAS番号2305-25-1)、1-((1-プロポキシプロパン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール(ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル、CAS番号29911-27-1)、(Z)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノール((E)-イソオイゲノール、CAS番号5932-68-3)、(E)-2-メトキシ-4-(プロパ-1-エン-1-イル)フェノール(シス-イソ-オイゲノール、CAS番号5912-86-7)、(S)-3-(ヒドロキシメチル)オクタン-2-オン(ヒドロキシメチルヘキシルエチルケトン、CAS番号59191-78-5)、2,2’-オキシビス(エタン-1-オール)(ジエチレングリコール、CAS番号111-46-6)、4-(メチルチオ)-2-オキソブタン酸(4-(メチルチオ)-2-オキソ酪酸、CAS番号583-92-6)、N-メチルジエタノールアミン(N-メチルジエタノールアミン、CAS番号105-59-9)、2-ヒドロキシプロパン酸(E)-ヘキサ-3-エン-1-イル(シス-3-ヘキセニルラクテート、CAS番号61931-81-5)、2-エトキシ-4-(メトキシメチル)フェノール(Methyl Diantilis(登録商標)、CAS番号5595-79-9)、4-(エトキシメチル)-2-メトキシフェノール(バニリルエチルエーテル、CAS番号13184-86-6)、2-(4-メチルチアゾール-5-イル)エタン-1-オール(スルフロール、CAS番号137-00-8)、(R)-3-ヒドロキシ-4-フェニルブタン-2-オン(3-ヒドロキシ-4-フェニル-2-ブタノン、CAS番号5355-63-5)、3-エチル-2-ヒドロキシシクロペンタ-2-エン-1-オン(エチルシクロペンテノロン純粋、CAS番号21835-01-8)、2-ヒドロキシプロパン酸ベンジル(乳酸ベンジル、CAS番号2051-96-9)、5-エチル-2-ヒドロキシ-3-メチルシクロペンタ-2-エン-1-オン(5-エチル-3-メチルシクロテン、CAS番号53263-58-4)、3-エチル-2-ヒドロキシ-4-メチルシクロペンタ-2-エン-1-オン(3-エチル-4-メチルシクロテン、CAS番号42348-12-9)、2-ヒドロキシ-3,5,5-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-オン(2-ヒドロキシ-3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセノン、CAS番号4883-60-7)、ジプロピレングリコール-N-ブチルエーテル(CAS番号29911-28-2)、3-(ヒドロキシメチル)ノナン-2-オン(3-(ヒドロキシメチル)-2-ノナノン、CAS番号67801-33-6)、3,7-ジメチルオクタン-1,7ジオール(ヒドロキシオール、CAS番号107-74-4)、2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-5-メチルシクロヘキサン-1-オール(ゲラノジル、CAS番号42822-86-6)、4-ヒドロキシ安息香酸プロピル(プロピル-p-ヒドロキシベンゾエート、CAS番号94-13-3)、5-(ヒドロキシメチル)フラン-2-カルバルデヒド(5-(ヒドロキシメチル)フルフラール、≧99%、CAS番号67-47-0)、4-ヒドロキシ安息香酸エチル(エチル-p-ヒドロキシベンゾエート、CAS番号120-47-8)、4-プロピルシリンゴル(CAS番号6766-82-1)、4-アリル-2,6-ジメトキシフェノール(4-アリル-2,6-ジメトキシフェノール、≧90%、CAS番号6627-88-9)、エチル-3-ヒドロキシオクタノエート(CAS番号7367-90-0)、2,3-ジヒドロキシコハク酸ジエチル(L-酒石酸ジエチル、≧99%、CAS番号87-91-2)、2-ジヒドロキシコハク酸ジエチル(ジエチルマレエート、CAS番号626-11-9)、トリエチレングリコール(CAS番号112-27-6)、(2S,3R)-3-(((2S,3R)-3-メルカプトブタン-2-イル)チオ)ブタン-2-オール(a-メチル-b-ヒドロキシプロピル-a-メチル-b-メルカプトプロピルスルフィド、CAS番号54957-02-7)、(2-フェニル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メタノール(ベンズアルデヒドグリセリルアセタール、CAS番号1319-88-6)、3-ヒドロキシ-3-フェニルプロパン酸エチル(エチル-3-ヒドロキシ-3-フェニルプロピオネート、CAS番号5764-85-2)、1-(ヘプチルオキシ)-3-ヒドロキシプロパン-2-オン(ヘプタノールグリセリルアセタール、CAS番号72854-42-3)、3-ヒドロキシプロパン酸フェネチル(フェニルエチルラクテート、CAS番号10138-63-3)、2-メトキシ-4-(4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)フェノール(バニリンプロピレングリコールアセタール、68527-74-2)、3-ヒドロキシ-4,5-ジメチルフラン-2(5H)-オン(カラメルフラノン(トリアセチン中3%)、CAS番号28664-35-9)、5-エチル-3-ヒドロキシ-4-メチルフラン-2(5H)-オン(マプルフラノン(未希釈)、CAS番号698-10-2)、2-エトキシ-4-(4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)フェノール(エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、CAS番号68527-76-4)、2-ヒドロキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(ベンゾイン、CAS番号119-53-9)、3-((2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル)オキシ)プロパン-1,2-ジオール(3-1-メントキシプロパン-1,2-ジオール、CAS番号87061-04-9)、(R)-2-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシエチル)プロパンアミド(ラクトイルエタノールアミン、CAS番号5422-34-4)、5-ヒドロキシデカン酸2,3-ジヒドロキシプロピル(5-ヒドロキシデカン酸グリセリル、CAS番号26446-31-1)、1-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン(1-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、CAS番号68113-55-3)、2-(2-ヒドロキシプロポキシ)プロパン-1-オール(ジプロピレングリコール、CAS番号25265-71-8)、2-フェニルエタン-1-オール(フェニルエチルアルコール、CAS番号60-12-8)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0054】
9MPa0.5超のハンセン水素結合パラメータ、5MPa0.5超のハンセン極性パラメータ、及び25℃で測定された267Pa未満の蒸気圧を有する可溶化剤は、フェニルメタノール;2-(2-ヒドロキシプロポキシ)プロパン-1-オール;プロパン-1,2-ジオール;1-((1-プロポキシシプロパン-2-イル)オキシ)プロパン-2-オール;1-(2-メトキシプロポキシ)プロパン-2-オール;4-アリル-2-メトキシフェノール;2-フェニルエタン-1-オール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0055】
二次可溶化剤
流体組成物は、上記に開示された可溶化材料に加えて、ポリオール(2つ以上のヒドロキシル官能基を含む構成成分)、グリコールエーテル、又はポリエーテルなどの1つ以上の二次可溶化剤を含有してもよい。流体組成物中に存在する二次可溶化剤が、可溶化材料のハンセン溶解度パラメータ及び蒸気圧内に入る場合、二次可溶化剤は、清涼化組成物中の可溶化材料の総重量パーセント内にあると考えられるべきである。
【0056】
ポリオールを含む例示的な酸素化溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、及び/又はグリセリンが挙げられる。本開示の清涼化組成物中に使用されるポリオールは、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールであってもよい。
【0057】
ポリエーテルを含む例示的な酸素化溶媒は、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールである。
【0058】
グリコールエーテルを含む例示的な酸素化溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、他のグリコールエーテル、又はこれらの混合物である。酸素化溶媒は、エチレングリコール、プロピレングリコール、又はそれらの混合物であり得る。使用されるグリコールは、ジエチレングリコールであり得る。
【0059】
組成物に酸素化溶媒が、組成物の重量基準で約0.01重量%~約50重量%、代替的に組成物の重量基準で0.01重量%~約20重量%、代替的に約0.05重量%~約10重量%、代替的に組成物全体の重量基準で約0.1重量%~約5重量%のレベルで添加されてもよい。
【0060】

流体組成物は水を含んでよい。流体組成物は、流体組成物の重量基準で、約0.25重量%~約20重量%の量の水、代替的に約0.25重量%~約10重量%の水、代替的に約1%~約5%の水、代替的に約1%~約3%の水、代替的に約1%~約2%の量の水を含み得る。理論に束縛されるものではないが、約2.5未満のモル加重平均ClogPを有するように香料混合物を配合することによって、組成物全体の重量基準で約0.25重量%~約9.5重量%、代替的に約0.25重量%~約7.0重量%のレベルで、水を流体組成物内に取り入れ得ることが見出された。
【0061】
悪臭遮断剤
流体組成物は、液体組成物の香りに過度に干渉しない一方で、ヒトに対して嗅覚センサを鈍化させる1つ以上の悪臭遮断剤を含んでもよい。例示的な悪臭遮断剤は、1,1,2,3,3-ペンタメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-4H-インデン-4-オン(Cashmeran、33704-61-9)、3a,4,5,6,7,7aヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルアセテートFlor(アセテート/ハーバフロラート、CAS番号5413-60-5)、1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-オール(Ambercore、CAS番号139504-68-0)、2-(8-イソプロピル-6-メチルビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2-イル)-1,3-ジオキソラン(Glycolierral/Glycoacetal、CAS番号68901-32-6)、(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン(Habanolide、CAS番号111879-80-2)、(Z)-シクロオクタ-4-エン-1-イルメチルカーボネート(Violiff、CAS番号87731-18-8)、7-メチルルオクチルアセテート(イソノニルアセテート、CAS番号40379-24-6)、ドデカン酸エチル(エチルラウレート、CAS番号106-33-2)、4,5-エポキシ-4,11,11-トリメチル-8-メチレンビシクロ(7.2.0)ウンデカン(カリオフィレンオキシド、CAS番号1139-30-6)、1,3,4,6,7,8α-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4α-メタノフタレン-8(5H)-オン(イソロンギホラノン、CAS番号23787-90-8)、ドデカン-1-オール(1-ドデカノール、CAS番号112-53-8)、8,8-ジメチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロピオネート(フルテン、CAS番号76842-49-4)、(Z)-ノン-6-エン-1-オール(シス-6-ノネン-1-オールFCC、CAS番号35854-86-5)、ドデカンニトリル(CLONAL、CAS番号2437-25-4)、(E)-デカ-4-エナール(デセナール(トランス-4)、CAS番号65405-70-1)、(1-メチル-2-((1,2,2-トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)メチル)シクロプロピル)メタノール(JAVANOL、CAS番号198404-98-7)、(E)-1,1-ジメトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン(シトラールジメチルアセタール、CAS番号7549-37-3)、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(BHT、CAS番号128-37-0)、オキシジベンゼン、(ジフェニルオキシド、CAS番号101-84-8)、(E)-3,7ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルパルミテート(ヘキサロース、3681-73-0)、3-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール(フェニルヘキサノール、CAS番号55066-48-3)、3-(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)プロパナール(Hivernal、CAS番号173445-65-3)、3-(1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)プロパナール(Hivernal、CAS番号300371-33-9)、2,2,6,6,7,8,8-ヘプタメチルデカヒドロ-2H-インデノ[4,5-b]フラン(Amber x-treme、CAS番号476332-65-7)、(R,Z)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ペンタ-1-エン-3-オン(α-メチルイオノン、CAS番号127-42-4)、3-(6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン-2-イル)-2,2-ジメチルプロパナール(ピニルイソブチルアルデヒドα、CAS番号33885-52-8)、(E)-3,7-ジメチルオクタ-1,3,6-トリエン(Cis-オシメン、CAS番号3338-55-4)、1-(5,5-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン(ネオブテノンα、CAS番号56973-85-4)、(E)-シクロヘキサデカ-5-エン-1-オン(5-シクロヘキサデン(cylohexadene)-1-オン、CAS番号37609-25-9)、2-イソプロピル-5-メチルフェノール(チモール、CAS番号89-83-8、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0062】
流体組成物は、流体組成物の総重量に基づいて、最大2重量%の悪臭遮断剤、又は0.0001重量%~2重量%の悪臭遮断剤を含み得る。
【0063】
反応性アルデヒド
流体組成物は、化学反応を介して蒸気相及び/又は液相中の悪臭を中和する1つ以上の反応性アルデヒドを含んでもよい。反応性アルデヒドは、単に臭気を覆い隠す又はマスキングすることによるだけでない、純粋な悪臭中和及び機能を提供する。純粋な悪臭中和は、感覚的な、及び分析的に測定可能な(例えば、ガスクロマトグラフ)悪臭低減を提供する。
【0064】
反応性アルデヒドは、シッフ塩基形成経路に従って、アミン系臭気と反応することができる。揮発性アルデヒドはまた、イオウ系臭気とも反応し、蒸気相及び/又は液相中に、チオールアセタール、ヘミチオールアセタール、及びチオールエステルを形成し得る。これらの蒸気相及び/又は液相の反応性アルデヒドが、実質的に、製品の所望の香料特性に悪影響を及ぼさないことが望ましくあり得る。部分的に揮発性であるアルデヒドは、本明細書で使用される揮発性アルデヒドと見なされ得る。
【0065】
好適な反応性アルデヒドは、25℃で測定された、約0.0001トル~100トル、代替的に約0.0001トル~約10トル、代替的に約0.001トル~約50トル、代替的に約0.001トル~約20トル、代替的に約0.001トル~約0.100トル、代替的に、約0.001トル~約0.06トル、代替的に約0.001トル~約0.03トル、代替的に約0.005トル~約20トル、代替的に約0.01トル~約20トル、代替的に約0.01トル~約15トル、代替的に約0.01トル~約10トル、代替的に約0.05トル~約10トルの範囲の蒸気圧(VP)を有してもよい。
【0066】
反応性アルデヒドは、特定の沸点(B.P.)及びオクタノール/水分配係数(P)も有し得る。本明細書において言及される沸点は、760mmHgの通常の標準圧力下で測定される。標準の760mmHgにおける多くの反応性アルデヒドの沸点が、例えば、1969年にSteffen Arctanderによって著述及び出版された「Perfume and Flavor Chemicals(Aroma Chemicals)」に与えられている。
【0067】
反応性アルデヒドのオクタノール/水分配係数は、オクタノール中及び水中におけるその平衡濃度の比である。流体組成物中に使用される反応性アルデヒドの分配係数は、基底10に対するそれらの対数であるlogPの形態でより便利に示され得る。多くの反応性アルデヒドのlogP値が、報告されている。例えば、Daylight Chemical Information Systems,Inc.(Daylight CIS)(Irvine,California)から入手可能なPomona92データベースを参照されたい。しかし、logP値は、同じくDaylight CISから入手可能な「CLOGP」プログラムにより最も便利に計算される。このプログラムはまた、それらがPomona92データベースで入手可能な場合には、実験的なlogPの値も列挙する。「logPの計算値」(ClogP)は、Hansch及びLeoのフラグメント手法により求められる(A.Leo,in Comprehensive Medicinal Chemistry,Vol.4,C.Hansch,P.G.Sammens,J.B.Taylor and C.A.Ramsden,Eds.,p.295,Pergamon Press,1990参照)。このフラグメント手法は、各反応性アルデヒドの化学構造に基づくものであり、原子の数及びタイプ、原子結合性、並びに化学結合を考慮する。この物理化学的特性のための最も信頼でき、広く用いられている推定であるClogP値は、流体組成物のための反応性アルデヒドの選択において、実験的なlogP値の代わりに用いられる。
【0068】
ClogP値は、4つの群によって定義され得、反応性アルデヒドは、これら群のうちの1つ以上から選択され得る。第1の群は、約250℃以下のB.P.及び約3以下のClogPを有する反応性アルデヒドを含む。第2の群は、250℃以下のB.P.及び3.0以上のClogPを有する反応性アルデヒドを含む。第3の群は、250℃以上のB.P.及び3.0以下のClogPを有する反応性アルデヒドを含む。第4の群は、250℃以上のB.P.及び3.0以上のClogPを有する反応性アルデヒドを含む。流体組成物は、ClogP群の内の1つ以上からの反応性アルデヒドの任意の組合せを含んでもよい。
【0069】
本開示の流体組成物は、流体組成物の総重量で、約0%~約30%の群1からの反応性アルデヒド、代替的に約25%、及び/又は約0%~約10%の群2からの反応性アルデヒド、代替的に約10%、及び/又は約10%~約30%の群3からの反応性アルデヒド、代替的に約30%、及び/又は約35%~約60%の群4からの反応性アルデヒド、代替的に約35%、を含んでもよい。
【0070】
本開示の流体組成物中に使用され得る例示的な反応性アルデヒドとしては、以下に限定されないが、アドキサール(2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール)、ブルゲオナール(4-t-ブチルベンゼンプロピオンアルデヒド)、リレストラリス33(2-メチル-4-t-ブチルフェニル)プロパナール)、シンナミックアルデヒド、シンナムアルデヒド(フェニルプロペナール、3-フェニル-2-プロペナール)、シトラール、ゲラニアール、ネラール(ジメチルオクタジエナール、3,7ジメチル-2,6-オクタジエン-1-アル)、シクラールC(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド)、フロルヒドラル(3-(3-イソプロピル-フェニル)-ブチルアルデヒド)、シトロネラール(3,7ジメチル6-オクテナール)、サイマール、シクラメンアルデヒド、シクロザル、ライムアルデヒド(α-メチル-p-イソプロピルフェニルプロピルアルデヒド)、メチルノニルアセトアルデヒド、アルデヒドC12 MNA(2-メチル-1-ウンデカナール)、ヒドロキシシトロネラール、シトロネラール水和物(7-ヒドロキシ-3,7ジメチルオクタン-1-アル)、ヘリオナール(α-メチル-3,4-(メチレンジオキシ)-ヒドロシンナムアルデヒド、ヒドロシンナムアルデヒド(3-フェニルプロパナール、3-フェニルプロピオンアルデヒド)、イントレレベンアルデヒド(ウンデカ-10-エン-1-アル)、リグストラール、トリベルタール(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド)、ジャスモレンジ、サティンアルデヒド(2-メチル-3-トリルプロイオンアルデヒド、4-ジメチルベンゼンプロパナール)、リラール(4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド)、メロナール(2,6-ジメチル-5-ヘプテナール)、メトキシメロナール(6-メトキシ-2,6-ジメチルヘプタナール)、メトキシシンナムアルデヒド(trans-4-メトキシシンナムアルデヒド)、ミラックアルデヒドイソヘキセニルシクロヘキセニル-カルボキシアルデヒド、トリフェナール((3-メチル-4-フェニルプロパナール、3-フェニルブタナール)、リリアール、P.T.ブシナール、リスメラール、ベンゼンプロパナール(4-tert-ブチル-α-メチル-ヒドロシンナムアルデヒド)、デュピカール、トリシクロデシリデンブタナール(4-トリシクロ5210-2,6デシリデン-8ブタナール)、メラフレール(1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-8,8-ジメチル-2-ナフトアルデヒド)、メチルオクチルアセトアルデヒド、アルデヒドC-11 MOA(2-メチルデカ-1-アル)、オニシダール(2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエン-1-アル)、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ミュゲアルデヒド50(3,7-ジメチル-6-オクテニル)オキシアセトアルデヒド)、フェニルアセトアルデヒド、メフラナール(3-メチル-5-フェニルペンタナール)、トリプラール、ベルトシトラールジメチルテトラヒドロベンゼンアルデヒド(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド)、2-フェニルプロピリオンアルデヒド、ヒドロトロプアルデヒド、カントキサール、アニシルプロパナール4-メトキシ-α-メチルベンゼンプロパナール(2-アニシリデンプロパナール)、シルセモン(Cylcemone)A(1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-8,8-ジメチル-2-ナフトアルデヒド)、プレシルセモン(Precylcemone)B(1-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド)、ピニルイソブチルアルデヒドα(3-(6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-2-エン-2-イル)-2,2-ジメチルプロパナール、及びイヴェルナル(Hivernal)(3-(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)プロパナール/3-(1,1-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)プロパナール)が挙げられ得る。
【0071】
更に他の例示的な反応性アルデヒドとしては、以下に限定されないが、アセトアルデヒド(エタナール)、ペンタナール、バレルアルデヒド、アミルアルデヒド、センテナール(オクタヒドロ-5-メトキシ-4,7-メタノ-1H-インデン-2-カルボキシアルデヒド)、プロピオンアルデヒド(プロパナール)、シクロシトラール、β-シクロシトラール、(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-アセトアルデヒド)、イソシクロシトラール(2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド)、イソブチルアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド(3-メチルブチルアルデヒド)、メチルブチルアルデヒド(2-メチルブチルアルデヒド、2-メチルブタナール)、ジヒドロシトロネラール(3,7-ジメチルオクタン-1-アル)、2-エチルブチルアルデヒド、3-メチル-2-ブテナール、2-メチルペンタナール、2-メチルバレルアルデヒド、ヘキセナール(2-ヘキセナール、トランス-2-ヘキセナール)、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ラウリンアルデヒド、トリデカナール、2-ドデカナール、メチルチオブタナール、グルタルアルデヒド、ペンタンジアール、グルタルアルデヒド、ヘプテナール、シス又はトランス-ヘプテナール、ウンデセナール(2-、10-)、2,4-オクタジエナール、ノネナール(2-、6-)、デセナール(2-、4-)、2,4-ヘキサジエナール、2,4-デカジエナール、2,6-ノナジエナール、オクテナール、2,6-ジメチル5-ヘプテナール、2-イソプロピル-5-メチル-2-ヘキセナール、トリフェルナール(Trifernal)、βメチルベンゼンプロパナール、2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-アセトアルデヒド、フェニルブテナール(2-フェニル2-ブテナール)、2.メチル-3(p-イソプロピルフェニル)-プロピオンアルデヒド、3-(p-イソプロピルフェニル)-プロピオンアルデヒド、p-トリルアセトアルデヒド(4-メチルフェニルアセトアルデヒド)、アニスアルデヒド(p-メトキシベンゼンアルデヒド)、ベンズアルデヒド、ベルンアルデヒド(1-メチル-4-(4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド)、ヘリオトロピン(ピペロナール)3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、2-ペンチル-3-フェニルプロペンアルデヒド、バニリン(4-メトキシ3-ヒドロキシベンズアルデヒド)、エチルバニリン(3-エトキシ4-ヒドロキシベンズアルデヒド)、ヘキシルケイ皮アルデヒド、ジャスモナールH(α-n-ヘキシル-ケイ皮アルデヒド)、フローラルオゾン(パラ-エチル-α,α-ジメチルヒドロケイ皮アルデヒド)、アカレア(p-メチル-α-ペンチルケイ皮アルデヒド)、メチルケイ皮アルデヒド、α-メチルケイ皮アルデヒド(2-メチル3-フェニルプロペナール)、α-ヘキシルケイ皮アルデヒド(2-ヘキシル3-フェニルプロペナール)、サリチルアルデヒド(2-ヒドロキシベンズアルデヒド)、4-エチルベンズアルデヒド、クミンアルデヒド(4-イソプロピルベンズアルデヒド)、エトキシベンズアルデヒド、2,4-ジメチルベンズアルデヒド、ベラトルアルデヒド(3,4-ジメトキシベンズアルデヒド)、シリンガアルデヒド(3,5-ジメトキシ4-ヒドロキシベンズアルデヒド)、カテックアルデヒド(3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド)、サフラナール(2,6,6-トリメチル-1,3-ジエンメタナール)、ミルテナール(ピナ-2-エン-1-カルバルデヒド)、ペリルアルデヒドL-4(1-メチルエテニル)-1-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド)、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、2-メチル-2-ペンテナール、2-メチルペンテナール、ピルブアルデヒド、ホルミルトリシクロデカン、マンダリンアルデヒド、シクレマックス、ピノアセトアルデヒド、コープスアイリス、マセアール、及びコープス4322が挙げられる。
【0072】
反応性アルデヒドは、流体組成物の重量基準で最大100%、代替的に、組成物の重量基準で、1%~約100%、代替的に約2%~約100%、代替的に約3%~約100%、代替的に約50%~約100%、代替的に約70%~約100%、代替的に約80%~約100%、代替的に、約1%~約20%、代替的に約1%~約10%、代替的に約1%~約5%、代替的に約1%~約3%、代替的に約2%~約20%、代替的に約3%~約20%、代替的に約4%~約20%、代替的に約5%~約20%の量で存在してもよい。
【0073】
本開示の流体組成物は、イオウ系悪臭を中和するために有効量の酸触媒を含んでもよい。特定の緩酸は、液相及び蒸気相中のチオールとのアルデヒドの反応性に影響を及ぼすことが判明している。チオールとアルデヒドとの間の反応は、ヘミアセタール及びアセタール形成経路のメカニズムに従う触媒反応であることが判明している。本発明の流体組成物が、酸触媒を含有し、イオウ系悪臭と接触すると、反応性アルデヒドが、チオールと反応する。この反応は、チオールアセタール化合物を形成し得、したがって、イオウ系臭気を中和し得る。酸触媒がないと、ヘミチオールアセタールのみが形成される。
【0074】
好適な酸触媒は、Scifinderによって報告されたように、25℃で測定される約0.001トル~約38トル、代替的に約0.001トル~約14トル、代替的に約0.001~約1、代替的に約0.001~約0.020、代替的に約0.005~約0.020、代替的に約0.010~約0.020の範囲のVPを有する。
【0075】
酸触媒は、弱酸であってもよい。弱酸は、弱酸の解離の平衡定数である酸解離定数Kaによって特徴付けられ、pKaは、Kの十進対数をマイナスにしたものに等しい。酸触媒は、約4.0~約6.0、代替的に約4.3~約5.7、代替的に約4.5~約5、代替的に約4.7~約4.9のpKaを有し得る。好適な酸触媒としては、表3に列挙されるものが挙げられる。
【0076】
【表3】
【0077】
流体組成物の所望の使用に応じて、酸触媒を選択する際に、香り特性又は流体組成物の香りへの効果を考慮することができる。中性の香りから心地よい香りまで提供する酸触媒を選択することが望ましい場合がある。そのような酸触媒は、25℃で測定された、約0.001トル~約0.020トル、代替的に約0.005トル~約0.020トル、代替的に約0.010トル~約0.020トルのVPを有し得る。そのような酸触媒の非限定的な例としては、カルボン酸不純物、コハク酸、又は安息香酸を有する5-メチルチオフェンカルボキシアルデヒドが挙げられる。
【0078】
組成物は、流体組成物の重量基準で、約0.05%~約5%、代替的に約0.1%~約1.0%、代替的に約0.1%~約0.5%、代替的に約0.1%~約0.4%、代替的に約0.4%~約1.5%、代替的に約0.4%の酸触媒を含み得る。
【0079】
酸触媒が反応性アルデヒドと共に存在する場合、酸触媒は、反応性アルデヒド単独の悪臭有効性と比較して、悪臭に対する反応性アルデヒドの有効性を増加させ得る。例えば、1%の反応性アルデヒド及び1.5%の安息香酸は、5%の反応性アルデヒドのみに等しいか又はそれよりも良好な悪臭除去の便益を提供する。
【0080】
流体組成物を霧化する方法
流体組成物を霧化する方法は、熱アクチュエータで流体組成物を活性化することと、加熱された組成物をノズルから霧化することとを含み得る。流体組成物の活性化は、マイクロ流体ダイ上でのマイクロサーマル又はマイクロメカニカル作動によって、達成され得る。
【0081】
流体組成物を霧化する方法は、流体組成物を、重力の作用方向から0度~90度にある方向に霧化することを含み得る。
【0082】
マイクロ流体送達デバイス及び清涼化組成物を送達する方法を用いて、流体組成物を空気中に送達することができる。マイクロ流体送達デバイスはまた、流体組成物を空気中に送達して、空間内の1つ以上の表面上に最終的に堆積させるために使用されてもよい。例示的な表面としては、カウンター、家庭電化製品、床面などといった硬表面が挙げられる。例示的な表面としては、カーペット、家具、衣類、寝具、リネン、カーテンなども挙げられる。マイクロ流体送達デバイスは、家庭、オフィス、ビジネス、オープンスペース、自動車、一時空間などに使用されてもよい。マイクロ流体送達デバイスは、清涼化組成物、悪臭除去組成物、防虫組成物、及びそれらの組み合わせで使用され得る。
【0083】
熱活性化マイクロ流体ダイは、一次液滴、並びに1つ以上の二次又は衛星液滴を生成し得る。一次及び二次液滴の存在、数、及びサイズは、表面張力及びレオロジーなどの流体特性、臨界圧、マイクロ流体ダイ形状、及び発射周波数などの発射パラメータなどの流体熱力学に依存し得る。
【0084】
流体組成物の液滴分布
マイクロ流体分配デバイスが、流体組成物の小さい及び大きい液滴の分布を霧化することが望ましい場合がある。より小さい液滴は、より長く空気中に残り、液滴が空間を充填し、更に他の隣接する空間に移動することを可能にするであろう。より大きな液滴は、近くの表面上に沈降し、近くの表面からのより大きな液滴の蒸発をもたらし、デバイス付近の流体組成物の霧化の長寿命を提供するであろう。更に、消費者が、流体組成物の一貫した放出を体験するために、マイクロ流体デバイスから霧化された液滴の一貫した分布から生じる一貫した体験を望む場合がある。香料混合物を含む流体組成物の場合、香料混合物の液滴の一貫した分布は、デバイスの近くで、及び隣接する空間で一貫したレベルの香りの気付きやすさをもたらし得る。液滴分布が経時的に変化して、デバイスの近くに落下するより大きい液滴の数、及びデバイスから離れて移動する多数のより小さい液滴の数の変化をもたらす場合、デバイスの近く及び遠くでの気付きやすさが、経時的に変化するであろう。
【0085】
消費者にとって望ましい液滴分布は、複数の液滴の総体積の80%以上が、10ピコリットル(picoliter、「pL」)未満であること、及び複数の液滴の総体積の50%以上、60%以上、70%以上が、5pL未満であることを含み得る。
【0086】
消費者にとって望ましい液滴分布は、複数の液滴の総体積の80%以上を有する二峰性分布を含み得、10pL未満である。複数の液滴の総体積の30%以上が、5pL未満であり、複数の液滴の総体積の30%以上が、6pL~10pLである。
【0087】
ビデオベースの液滴サイジング法
マイクロ流体ダイから排出される液滴のサイズ及び速度の決定は、多くの場合、ビデオ法によって行われる。一般的に使用される技術が、ビデオを使用して、光源の前のシルエット内の液滴の画像をキャプチャするものである。光源は、ノズルを発射した後に既知の遅延で発生するように調整される、非常に短い光パルス(1μsのオーダー)を出射するように構成されている。液滴が移動しているという事実にもかかわらず、光パルスの短い持続時間によって、液滴は、ビデオフレーム内で静止しているように見え、液滴のサイズが、ピクセル単位で、シルエットのサイズから推定され得る。シルエットが液滴の輪郭の正確な表現であるように、カメラは、液滴がカメラの焦点面内に存在するように配置される。空気力学的抗力による速度の低下、及び蒸発損失によるサイズの変化を最小限に抑えるために、液滴は、ノズルを出た直後に撮像される。画像フレームは、マイクロ流体ダイのノズルプレートから約0.5mmからノズルプレートから約2mmまで延在する。
【0088】
この技術を使用する市販の計器が、Nashua,New HampshireのImageXpert Inc.によって製造されるJETXPERT(商標)計器である。この計器は、個々のビデオフレームをキャプチャするように構成され得、関連付けられたソフトウェアが、各フレーム内の液滴のうちの1つ以上をサイズ決定し得る。多数のフレームのより自動化された分析を可能にするために、JETXPERT(商標)計器は、後で分析するために、ビデオフレームを記憶するように構成され得る。このようにして、ヒストグラムを構築するのに十分な統計的に有意な数の液滴が、分析され得る。分布関数を再構築するために必要な液滴の数は、分布の性質に部分的に依存するが、一般に、500個以上の液滴のサンプルサイズで十分である。同様の計器が、デジタル的にゲート化されたシャッター機能を有するデジタルカメラ、上述の好適な光源、及びマイクロ流体ダイからの流体組成物の液滴の発射を光源のパルス並びにカメラシャッターと協調させるための遅延タイマー又は関数発生器を含む、市販の構成要素から構成されてもよい。
【0089】
一連のビデオフレームの後処理は、数学的分析のためのいくつかの市販のソフトウェアパッケージ(例えば、The MathWorks Inc.からのMATLAB(登録商標)、Wolfram ResearchからのMathematica、若しくは米国国立衛生研究所からのImageJ)のいずれかを使用して、又はカスタムソフトウェアを介して行われ得る。基礎をなすコンピューティングプラットフォームにかかわらず、サイジング手順は、Kapurらによって述された最大エントロピー法(J.N.Kapur,P.K.Sahoo,and A.K.C.Wong,A new method for gray-level picture thresholding using the entropy of the histogram,Comput.Vision Graphics Image Process.29,1985,273-285)などの閾値アルゴリズムから決定されたグレースケール閾値を使用して、画像のピクセルを2値化することからなる。その後、得られたピクセルクラスタは、ノンドロップアーチファクト又は重複する液滴を排除するためにサイズ又は形状によってフィルタリングされ得、得られたクラスタは、シルエット内のピクセル数から推定されるそれらの直径又は体積を有し得る。このようにして、多数の液滴に関する統計が、収集され得る。シルエットが円形であり、対応する液滴が球状であると仮定すると、直径は、
【0090】
【数1】
から計算され得、
式中、dは、液滴の直径であり、δは、ビデオフレーム内の(正方形)ピクセルの一辺の長さであり、nは、シルエット内のピクセル数である。値δは、以下に記載される方法を用いて決定され得る。同じ仮定を使用して、液滴の体積は、
【0091】
【数2】
から計算され得、
式中、vは、液滴の体積であり、他の記号は、上記と同じ意味を有する。
【0092】
この方法は、既知のサイズの形状を有するレチクルを使用して較正され得る。一実施例が、Max Levy Autograph of Philadelphia,PAから入手可能なモデルFA079歪みターゲットレチクルである。このレチクルは、撮像デバイスの焦点面内に配置されたときに、液滴サイジング法を較正するために使用され得る、62.5μmのドットのアレイを提供する。
【実施例
【0093】
【表4】
【0094】
【表5】
【0095】
上述の液滴サイズ分布を生成することが可能な例示的なマイクロ流体ダイが、使用された。マイクロ流体ダイは、54μmの長さ(流れ方向)と、50μmの幅とを有する、矩形形状を有するヒータを含む。流動機能層内の対応するマイクロ流体チャンバは、ヒータと同じ寸法を有し、更に高さ12μmを有する。ノズルプレート層は、厚さ12μmであり、ノズルオリフィスは、23μmの直径を有する。ヒータのインピーダンスは約50Ωであり、ヒータに供給されるエネルギーは、約2000nsの期間にわたって約4μJである。ダイは、個々に発射することができる、32個の熱アクチュエータを有する。
【0096】
以下の説明は、表5の実施例の流体組成物を使用して、液滴サイズ分布データを提示する。例示的な流体組成物が、上記のマイクロ流体ダイを含むカートリッジ内に配置された。電気器具を使用して、カートリッジを発射した。電気器具は、ユーザー選択可能な周波数及び発射エネルギーで、ノズルを発射することができる。また、マイクロ流体ダイの基板加熱機能を制御して、ユーザー選択可能な温度を維持することも可能である。更に、ノズルのアレイのユーザー選択可能なサブセットを発射することが、可能である。液滴サイズデータの収集中、マイクロ流体ダイの基板は、30℃に維持され、発射エネルギーは、液滴を発射するために最小限必要なエネルギーの約8%超に維持された。最小限必要な発射エネルギーは、マイクロ流体ダイの熱応答からの噴射の開始を推定するアルゴリズムを使用して、器具によって決定された。
【0097】
図9は、記載のビデオベースの液滴サイジング法を使用して観察された液滴のヒストグラムを示す。マイクロ流体ダイを1000Hzで発射させて、上記の表5に示される実施例の流体組成物の観察が行われた。ヒストグラムは、約90個のビデオフレームで観察された液滴を表す。液滴の体積の分布は二峰性であり、記載のマイクロ流体ダイが、一次液滴と、いくつかの数の二次液滴とを生成するという事実を反映している。ヒストグラムでは、垂直線が、5pLの体積において、2つのモードを分割する。2つのモードに含まれる相対的な液体体積は、「体積分割」とラベル付けされた量によって示される。図9に報告されたサンプルでは、液体体積の約68.4%が、5pL以上の体積を有する液滴で送達され、31.6%が、5pL未満を有する液滴で送達される。
【0098】
図10は、図9の観察に対する液滴体積の累積分布関数を示すヒストグラムである。また、このプロットには、分配された体積を分割する理論的な液滴体積であるDv,0.5の値8.91pLが示されており、分配された体積の半分が、この示された液滴体積未満を有する液滴中にあり、半分が、この示された体積より大きい体積を有する液滴中にある。
【0099】
図11は、ここでは2000Hzで発射する、同じマイクロ流体ダイ及び実施例の流体組成物によって生成された液滴のヒストグラムを示す。図12は、図11の観察に対する体積の累積分布関数のヒストグラム。
【0100】
図13は、ここでは3000Hzで発射する、同じマイクロ流体ダイ及び実施例の流体組成物によって生成された液滴のヒストグラムを示す。図14は、図13の観察に対する体積の累積分布関数のヒストグラム。
【0101】
図15は、ここでは4000Hzで発射する、同じマイクロ流体ダイ及び実施例の流体組成物によって生成された液滴のヒストグラムを示す。ヒストグラムは、このより高い周波数では、小さい液滴の相対数がより高く、したがって、5pL未満の体積を有する液滴中に送達される体積は、1000Hz、2000Hz、及び3000Hzの発射周波数と比較して、実質的により大きく、約61.6%であることを示している。
【0102】
図16は、図15の観察に対する液滴体積の累積分布関数を示すヒストグラムである。Dv,0.5の値は3.03pLであり、4000Hzで発射するマイクロ流体ダイから分配された体積が、小さい液滴の実質的により高い含有量を有するという事実を反映している。
【0103】
図17は、ここでは5000Hzで発射する、同じマイクロ流体ダイ及び実施例の流体組成物によって生成された液滴のヒストグラムを示す。図18は、図17の観察に対する体積の累積分布関数のヒストグラム。
【0104】
図19は、ここでは6000Hzで発射する、同じマイクロ流体ダイ及び実施例の流体組成物によって生成された液滴のヒストグラムを示す。図20は、図19の観察に対する体積の累積分布関数のヒストグラム。
【0105】
図21は、発射周波数に対する、5pL以下の体積を有する液滴中に分配される液滴の体積分率のプロットである。図21は、前述のヒストグラムに提示された体積分率データの概要を示す。周波数が増加するにつれて、小さい液滴内に放出される体積の割合が、約4000Hzまで増加する。4000Hz後、マイクロ流体ダイは、「双安定」動作レジームに入り、マイクロ流体ダイは、大きな液滴と少数の二次液滴とを交互に排出するか、又は非常に小さい液滴のスプレーのみを排出する。結果として、断続的に排出される大きな液滴は、小さな液滴に含まれる体積の相対的な割合に影響を与える。マイクロ流体ダイ及び流体組成物のこの組み合わせを使用して、ディスペンサから遠くに移動する液滴を生成するための最適な発射周波数は、約4000Hzである。
【0106】
理論に束縛されるものではないが、双安定動作は、マイクロ流体ダイが、その特有の再充填周波数を超えて動作するときに生じると考えられる。これは、マイクロ流体ダイが、完全に再充填するために最低限必要な時間を有する周波数である。再充填時間は、例えば、ノズルオリフィス内のメニスカスの移動を観察することによって決定され得る。マイクロ流体ダイの電気発射に関連する正確な時間遅延を有するストロボ光源を使用して、ノズルオリフィス内のメニスカスが、発射後にその静止位置に戻るときを観察することができる。液体メニスカスがその静止位置に戻るのに必要な期間は、特有の発射再充填周波数に対応する期間と見なされ得る。
【0107】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0108】
本明細書全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、全てのより低い数値限定を、かかるより低い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように包含することを理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれる、より狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0109】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0110】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
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