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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】2段階のドロスの処理
(51)【国際特許分類】
   C22B 7/00 20060101AFI20230808BHJP
   C22B 1/02 20060101ALI20230808BHJP
   C22B 21/00 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
C22B7/00 E
C22B1/02
C22B21/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021576695
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 US2020039783
(87)【国際公開番号】W WO2020264267
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】62/867,711
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】ドゥートル,ドン アレン
(72)【発明者】
【氏名】ヘイ,ゲイリー リチャード
【審査官】松村 駿一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04523949(US,A)
【文献】特開2003-138320(JP,A)
【文献】特表2022-538250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 7/00
C22B 1/02
C22B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化アルミニウムを含む白色ドロスを容器に充填すること、
前記容器に塩を導入すること、
前記白色ドロスからの金属の抽出及び芒硝の生成を促進するために、第1の温度で前記白色ドロスを前記塩と接触させること、
前記芒硝を、前記塩を蒸発させるのに十分な第2の温度に加熱することであって、前記第1の温度は、前記第2の温度よりも低い、前記加熱すること、
前記芒硝を、含塩蒸気としての前記塩の蒸発を可能にするために前記第2の温度に維持することであって、前記芒硝からの前記塩の蒸発は、不活性酸化物をもたらす、前記維持すること、
前記不活性酸化物を排出すること、
前記含塩蒸気を収集し、前記含塩蒸気を塩に凝縮すること、及び
再利用される塩を後続の白色ドロスと接触させることにより、前記塩を再利用して後続の芒硝を生成すること、
を含む、2段階処理でドロスを処理する方法。
【請求項2】
前記第2の温度が前記塩の沸点以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の温度が1200℃以上である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の温度で前記白色ドロスを前記塩と接触させ、前記芒硝を前記第2の温度に加熱することが前記容器で生じる、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記容器が、前記不活性酸化物を排出した後に余熱を含み、前記後続の芒硝を生成することは、前記容器の前記余熱を使用することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記塩がNaClを含み、前記第2の温度が1450℃以上である、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記塩がKClを含み、前記第2の温度が1416℃以上である、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記白色ドロスは、窒化物、炭化物、硫化物、及びリン化物からなる群から選択される化合物を含み、前記芒硝を前記第2の温度に維持することは、前記芒硝を酸化環境の前記第2の温度に維持することをさらに含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記芒硝が残留金属アルミニウムを含み、前記芒硝を前記第2の温度に加熱することは、前記残留金属アルミニウムを酸化することを含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記芒硝を前記第2の温度に維持することが、前記塩の少なくとも95%が蒸発するまで前記芒硝を前記第2の温度に維持することを含む、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記塩の蒸発を可能にするために前記第2の温度に前記芒硝を維持することが、前記容器を出る前記含塩蒸気の濃度を検出し、前記含塩蒸気の前記検出された濃度に基づいて前記芒硝を前記第2の温度で維持することを停止することを決定することをさらに含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記含塩蒸気の前記濃度を検出することは、前記含塩蒸気の不透明度を検出することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
後続の芒硝を生成する以外の用途のための前記再利用された塩の少なくとも一部を再利用することをさらに含む、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
後続の芒硝を生成する以外の前記用途が、金属くずの溶融を促進するために前記塩を使用することを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2019年6月27日に出願された「TWO STAGE DROSS TREATMENT」と題された米国仮出願第62/867,711号の利益及び優先権を主張するものであり、その内容は、参照により、その全体があらゆる目的のために本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概略的には金属のリサイクルに関するものであり、より具体的には、アルミニウムのリサイクルに由来するドロスの処理及び使用に関するものである。
【背景技術】
【0003】
金属のリサイクル、特にアルミニウムのリサイクルの副産物は、取り扱いや処理が難しい場合がある。例えば、アルミニウムのリサイクルでは、一般に、リサイクルのプロセスの副産物として黒色ドロスまたは白色ドロスが生成される。黒色ドロスは一般に、いくらかのアルミニウム、適度な量の酸化アルミニウム、及び相当な割合の塩を含んでいる。例えば、使用済み飲料缶(UBC)のストックのリサイクルから生じる幾分かの黒色ドロスは、約10%のアルミニウム、50%の塩、及び40%の酸化物を含む黒色ドロスを生成するが、ただし他の量が発生する場合もある。白色ドロスは酸化物と金属アルミニウムの混合物であり、通常は塩をほとんど含んでいない。白色ドロスの金属は、ほとんどの場合、ドロスを高温において塩で処理することによって回収される。これにより、一般に芒硝と呼ばれる酸化物/塩の副産物が生成される。これらの副産物には、窒化物、炭化物、及びその他の材料が含まれている可能性がある。
【0004】
副産物は危険であることがあり、高度に制御された輸送及び廃棄作業が必要になる場合がある。例えば、アルミニウムのリサイクルによるドロスは、濡れたときに爆発性の水素を発生する可能性があるため、慎重に取り扱わねばならない。現在のドロス処理技術は一般に別個の施設を必要とし、そのため、ドロスはその発生場所から処理施設に輸送しなければならない。一部の国では、規制により、そのような材料の様々な取り扱いや廃棄が禁止されている。ドロスを処理する現在の技術は、加熱と溶融による金属(アルミニウムなど)の回収、及び浸出と蒸発による塩の回収に焦点を合わせている。これらの現在の技術は、金属を除去するために白色ドロスのバッチを加熱し、ドロスまたは芒硝から塩を浸出させるために大量の水とエネルギーを使用し、その水を蒸発させて塩を回収するといった、高い動力での排出に依存している。ドロスから塩を浸出させるために使用される水とエネルギーは、現在の特定の白色ドロス処理技術が、後のステップで塩を回収する必要をなくすべく、特に無塩のプロセスに焦点を合わせるようになっているほど、重要になっている。さらに、ドロスからの塩の浸出は、かなりの有害な、毒性の、及び/または反応性のガス(例えば、HS、PH、NH、H/CH)を生成する可能性があり、制御された収集及び破壊が必要である。
【0005】
したがって、ドロスの成分をより容易かつ効率的に回収することができ、ドロスをより容易かつ効率的に取り扱うことができるように、アルミニウムのリサイクルに由来するドロスの取り扱い及び処理を改善することが望まれている。
【発明の概要】
【0006】
実施形態という用語及び同様の用語は広義には、本開示の主題の全て及び以下の特許請求の範囲を指すものとする。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載された主題を限定するものでもなく、以下の特許請求の範囲の意味または範囲を限定するものでもないと理解されるべきである。本明細書で網羅される本開示の実施形態は、この発明の概要ではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される。この発明の概要は、開示の様々な態様の大まかな概要であり、以下の発明を実施するための形態の節でさらに説明される概念のいくつかを紹介する。この発明の概要は、特許請求される主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図していない。この主題は、本開示の明細書全体、任意またはすべての図面、及び各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0007】
様々な例において、金属リサイクル副産物を処理する方法が提供される。方法は、容器に白色ドロスを充填することを含み得る。白色ドロスには酸化アルミニウムが含まれ得る。方法は、容器に塩を導入することをさらに含み得る。方法は、白色ドロスからの金属の抽出及び芒硝の生成を促進するために、第1の温度で白色ドロスを塩と接触させることをさらに含み得る。方法は、塩を蒸発させるのに十分に高い第2の温度に芒硝を加熱することをさらに含み得る。場合によっては、芒硝は、1300℃~1400℃の間など(しかしこれに限定されない)、1200℃以上の第2の温度に加熱されることがある。第1の温度は、第2の温度よりも低くてもよい。方法は、芒硝を第2の温度に維持して、塩の含塩蒸気(salt vapor)としての蒸発をさらに含み得る。芒硝からの塩の蒸発は、不活性酸化物をもたらす可能性がある。方法は、不活性酸化物を排出することをさらに含み得る。方法は、含塩蒸気を収集し、含塩蒸気を塩に凝縮することをさらに含み得る。方法は、再利用される塩を後続の白色ドロスと接触させることにより、塩を再利用して後続の芒硝を生成することをさらに含み得る。
【0008】
本開示に記載されている様々な実施態様は、追加のシステム、方法、特徴、及び利点を含むことができ、これらは必ずしも本明細書で明示的に開示することはできないが、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば、当業者には明らかであろう。すべてのそのようなシステム、方法、特徴、及び利点が、本開示の中に含まれ、かつ添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0009】
本明細書は、以下の添付の図を参照しており、異なる図中での同様の参照番号の使用は、同様のまたは類似の構成要素を例示することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の特定の態様によるドロス熱処理システムの概略図である。
図2】本開示の特定の態様による、ドロスのペレット化システムの概略図である。
図3】本開示の特定の態様による、加熱されているドロスのペレットの概略図である。
図4】本開示の特定の態様による、ドロスのペレットを生成するためのプロセスを示すフローチャートである。
図5】本開示の特定の態様による、ドロスのペレットを処理するためのプロセスを示すフローチャートである。
図6】本開示の特定の態様による、ドロスから塩を抽出するためのシステムを示す概略図である。
図6A】本開示の特定の態様による、ドロスから塩を抽出するための別のシステムを示す概略図である。
図7】本開示の特定の態様による、ドロスから塩を抽出するためのプロセスを示すフローチャートである。
図8】本開示の特定の態様による、ドロスを熱処理するための2段階のプロセスを示す概略図である。
図9】本開示の特定の態様による、ドロスを熱処理するための、単一の容器で2段階のプロセスを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の特定の態様及び特徴は、単一の反応容器の中で実行することができる2段階のドロスの処理に関する。ドロス、特に白色ドロスは、ドロスからの金属の抽出を促進するために、ドロスを塩フラックスと接触させることによって、回転炉において最初に処理することができる。この第1の段階では、白色ドロスと塩フラックスを芒硝に変換している間に、金属を回収できる。第2の段階では、炉の内容物を十分に高い温度に上げて、芒硝の塩分を蒸発させ、蒸発した塩を炉から出して、別々に凝縮して収集することを可能にする。第2の段階の結果、塩と無塩酸化物が収集される。無塩酸化物を除去した後、炉内の余熱と集められた塩は、その後のドロスの処理のために使用できる。
【0012】
アルミニウムのリサイクルなどの金属のリサイクルは、二次金属(二次アルミニウムなど)や様々なリサイクルでの副産物を生じ得る。例えば、アルミニウムのリサイクルのプロセスでは、リサイクルの副産物は、複数の種類のドロス、または金属アルミニウムと酸化アルミニウムの混合物であり得る。場合によっては、リサイクルされるアルミニウムの他の材料に汚染物質や塩が含まれている可能性があり、これらが最終的にドロスに含まれる可能性がある。白色ドロスと黒色ドロスなど、様々な種類のドロスが存在し得る。白色ドロスは主にアルミニウムと酸化アルミニウムで構成されているが、黒色ドロスにはさらに塩が含まれている。ドロスに関して使用されているときの白と黒という用語は、ドロスの種類を指しており、必ずしもドロスの物質的な色を指しているとは限らない。場合によっては、白色ドロスの処理には、白色ドロスを塩と組み合わせて二次金属の抽出を促進することが含まれ得る。
【0013】
黒色ドロスは、使用済み飲料缶(UBC)のストックのリサイクルの一般的な副産物であり、UBCのストックのアルミニウムから不純物と酸化物を除去するために約2重量%の塩が使用される。UBCのストックに関するリサイクルのプロセスでは、直径が数十ミリメートル(例えば、25mm)のオーダーの様々なサイズの黒色ドロスのボールまたはチャンクが生成される。これらの黒色ドロスのボールには、通常、重量で約10%のアルミニウム、50%の塩、40%の酸化物、及びさらなる汚染物質が含まれている。
【0014】
白色ドロスは、他の多くの種類のアルミニウムリサイクルプロセスの一般的な副産物である。白色ドロスは、白色ドロスを塩と接触させて芒硝を生成することによりさらに処理することで除去できるかなりの量のアルミニウムを含み得る。本明細書で使用される場合、一般的な用語のドロスは、白色ドロスを塩と組み合わせることから生成される芒硝を含む。
【0015】
UBCのリサイクルなどから、本来の形の黒色ドロスは、熱処理後でも最大約4重量%の炭素を保持できることが見出されている。一般に、本来の黒色ドロスの熱処理は、最外層が複合酸化物で覆われ、最内層が非酸化炭素及び他の化合物を含む層状ボールを形成し得る。黒色ドロスの残留炭素のより多くが酸素と反応することを確実にするために、体積に対する表面積の比がより大きいことが望ましい可能性があると判断された。
【0016】
熱処理の前に黒色ドロスを粉砕することは、黒色ドロスの微粉は取り扱いが難しく、反応容器(例えば、ロータリーキルン)から排出されるガスに同伴され得るということに少なくとも部分的に起因して、潜在的に問題となり得る。本明細書に記載されているように、含塩蒸気が反応容器から収集される場合、黒色ドロス微粉が排出ガスに同伴され得、含塩蒸気を汚染する可能性がある。
【0017】
黒色ドロスの微粉による問題を回避するために、解砕した黒色ドロス(例えば、破砕または他の任意の適切な技術によって解砕した)をペレットに凝集させることができる。場合によっては、ペレットは、望ましい熱処理を達成するように調整された形状をとることができる。例えば、ペレットは全体にチャネルを備え、それを酸素が通過し、そこから含塩蒸気が出ることができる。場合によっては、チャネルがペレットを通り抜けていることがあるが、常にそうである必要はない。場合によっては、チャネルはシングルエンドであり、ペレットの表面から部分的にペレット内に延びることができる。ペレットは、ペレット化、圧縮、またはその他いずれかの凝集技術によって形成することができる。場合によっては、固有のチャネルを作成する技術を使用してペレットを形成することができる。場合によっては、黒色ドロスの微粉を凝集前に添加剤と混合して、添加剤がペレット内にチャネル前駆体を形成するようにすることができる。酸化すると、添加剤は分解し、ペレット内のチャネルを形成または露出するボイドを残す可能性がある。添加剤は、黒色ドロスを処理するための熱処理温度に達するときまでに、チャネルが露出されるように、十分に低い温度で酸化、揮発、またはその他の方法で分解するように、選択することができる。例えば、約500℃、600℃、700℃、または800℃以下、または約500℃~800℃の間の温度で酸化する添加剤を選択することができる。添加剤が酸化、揮発、またはその他の方法で分解してチャネルを露出する温度は、チャネル露出温度と称することがある。したがって、ペレットは、チャネル露出温度以上の温度に加熱されたとき、チャネルを備える。例えば、ペレットは、500℃以下の温度で酸化する添加剤を含む、800℃以下の温度で酸化する添加剤に対し、800℃以上の温度に加熱されたとき、チャネルを備えることができる。
【0018】
場合によっては、解砕した黒色ドロスは、上限範囲で、直径が約10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、または2mm以下、下限範囲で、約50マイクロメートル、40マイクロメートル、30マイクロメートル、20マイクロメートル、10マイクロメートル、または5マイクロメートル以上の直径の細粒を形成し得る。場合によっては、渦電流分離器を使用して、黒色ドロスの微粉から余分な金属アルミニウムを取り除くことができる。場合によっては、黒色ドロスの微粉をスクリーニングして大型の粒子を取り除くことができる。これは、さらに分解するために迂回させる、または熱処理のために送り出すことができる。
【0019】
場合によっては、凝集プロセスは、5mm~50mmの間、10mm~50mmの間、10~40mmの間、10~30mmの間、10~20mmの間、12mm~18mmの間、または14mm~16mmの直径(例えば、ペレットの最大直径またはペレットの平均直径)を有するペレットなど、一貫したサイズを有する黒色ドロスのペレットを生じる可能性がある。場合によっては、ペレット間のばらつきは、約10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、または1mm以下であり得る。ペレットのサイズが一定していることで、熱処理の処理時間の正しい推定を行うことが促進できる。
【0020】
場合によっては、添加剤には他の産業からの廃棄物が含まれることがある。例えば、添加剤には、自動車の破砕残渣、消費後のスクラップ(post-consumer scrap)(例えば、細断されたペットボトル、またはトウモロコシの毛、小麦のもみ殻、わら、籾殻などの農業副産物)、繊維の残留物、カーペットの残留物、UBCデコーターのダスト、または他のそのような生成物の1つ以上が含まれ得る。場合によっては、添加剤を選択して、高温(例えば、500℃以上)でペレットにある程度の透過性をもたらすことができる。場合によっては、添加剤は、反応容器内で熱を発生させるのを補助するために燃料を供給するために選択された燃料添加剤をさらに含むことができる。場合によっては、添加剤を選択して燃料を供給し、高温でのペレットの透過性を向上させることもできる。
【0021】
場合によっては、凝集したペレットは一般に回転楕円体の形状であり得るが、そうである必要はなく、他の規則的または不規則な形状を利用することができる。場合によっては、ペレットは滑らかな表面または粗い表面を備えることができる。場合によっては、ペレットをさらに前処理して、ペレットの物理的形状を変更し、ガスに対するペレットの透過性を促進することができる。
【0022】
場合によっては、本明細書に記載されるように調整された黒色ドロスのペレットは、塩の抽出の効率及び速度を向上することができる。場合によっては、本明細書に記載されるように調整された黒色ドロスのペレットは、残留炭素、残留金属アルミニウム、及び/または他の残留化合物の酸化を向上することができる。場合によっては、黒色ドロスのペレットを、酸化環境を維持するように設計された反応容器と組み合わせて使用することができる。
【0023】
場合によっては、塩を含むドロスから熱処理によって塩を抽出することができる。従来、ドロスの熱処理は1200℃をはるかに下回る温度で実行される。しかし、反応容器が1200℃以上の温度に到達することを可能または促進することにより、塩は含塩蒸気として蒸発し、ガス用出口などを通して、反応チャンバの外に向けることができる。場合によっては、反応容器は、ドロスの中の塩の沸点以上の温度に達することを可能または促進し(例えば、KClの場合は1416℃、NaClの場合は1450℃)、塩が含塩蒸気として蒸発し、反応チャンバから出る方に向く速度を上げるようにする。場合によっては、塩の沸点付近かそれより低い温度で、いっそう遅くとも、塩が蒸発し得る。場合によっては、ガス用出口は材料の入口としても機能する。反応容器は最大1200℃から1600℃の範囲の温度を補助できる可能性があるが、これらの温度の範囲は、以前は、アルミニウム業界では一般的に使用されていなかった。ドロスは、約95%、99%、99.9%、またはドロスの他の関連する量の塩が蒸発するまで、これらの高い温度で維持することができる。場合によっては、ドロスはこれらの高温で、約30分、35分、40分、45分、50分、55分、60分、65分、70分、75分、80分、85分90分、95分、100分、105分、110分、115分、120分、125分、130分、135分、140分、145分、または150分維持できる。場合によっては、小さくて透過性のあるドロスの場合など、ドロスをこれらの高温で約10分、15分、20分、25分、または30分間維持することができる。場合によっては、ペレット化されたドロスを使用すると、ドロス内の残留化合物の酸化が促進でき、反応容器に酸素を追加するだけで(例えば、酸素燃料バーナーなどの別の熱源を介して反応容器に熱を供給せずに)、これらの高温に到達及び/または維持することを促進できる。
【0024】
反応容器を出る含塩蒸気は、収集されて塩に凝縮され得、これは、収集されて任意選択で、ドロス(例えば、白色ドロス)またはUBC(例えば、サイドウェル炉における)のさらなる処理のために再利用され得る。
【0025】
場合によっては、蒸発の経路を介してドロスから塩を抽出するために必要なこれらの高温を維持すると、反応容器の耐火性の内面に付着する酸化物の連続した高密度層の予期しない形成が生じる。この酸化物層は定期的に除去できるが(例えば、反応器の容積の損失を回避するため)、その存在により、アブレシブ摩耗、熱の衝撃、及び化学的攻撃から下にある耐火物をある程度保護し、そのため反応容器の寿命を延ばすことができる。驚くべきことに、蒸発の経路を介してドロスから塩を抽出するために必要なこれらの高温を維持すると、窒化アルミニウムが除去され、したがって、窒化アルミニウムの量が比較的多い特定のドロスまたはドロスの処理のプロセスのより効率的なリサイクルが可能になる。
【0026】
場合によっては、2段階のドロスの処理プロセスを実行できる。最初の段階では、白色ドロスを第1の温度で塩と接触させて金属を回収し、副産物として芒硝を生成する。第2の段階では、芒硝を第2の温度(例えば、1200°C以上、または場合によっては、塩の沸点付近、またはそれ以上)で熱処理して、収集及び塩への凝縮のための含塩蒸気として塩を蒸発させることができる。場合によっては、含塩蒸気及び/または塩を一時的に保管し、その後の追加の白色ドロスの処理に再利用することができる。場合によっては、第2の段階の前に、既存の黒色ドロスを白色ドロス及び/または芒硝と混合することによって、塩の量を増やすことができる。場合によっては、第2の段階には、ドロス内の残留金属などの残留化合物の酸化が含まれることがある。
【0027】
場合によっては、2段階のドロス処理プロセスの各段階が同じ容器内で発生し得るが、常にそうである必要はない。単一の容器を使用する場合、第2の段階後に不活性酸化物を除去した後に残っている余熱を使用して、後続の処理プロセスで新しい白色ドロスの加熱を開始できる。したがって、2段階のドロス処理プロセスは、処理プロセスの第2の段階と、後続的な処理プロセスの第1の段階との間の塩及び熱エネルギーの再利用を伴い得る。
【0028】
場合によっては、2段階のドロス処理プロセスにより、低いグレードのスクラップ(熱破壊材料など)のリサイクルが容易になり得る。そのような場合、反応容器に供給される白色ドロスは、反応容器内部のスクラップの溶融に由来する。このような場合、スクラップを溶かし、二次アルミニウムを取り出し、塩を加えて芒硝を作り、さらなる二次アルミニウムを取り出し、熱と酸素を増やして塩を蒸発させ、不活性な酸化物残留物を生成することができる。
【0029】
場合によっては、2段階のドロス処理プロセスの第2の段階で高温を達成するために必要なエネルギーの一部を供給するために、有機物が豊富な材料を追加することができる。
【0030】
これらの説明のための例は、本明細書で論じられる一般的な主題を読者に紹介するために与えられており、開示された概念の範囲を限定することを意図するものではない。以下の節は、同様の数字が同様の要素を示す図面を参照して様々な追加の特徴及び実施例を説明しており、方向の説明は、例示的な実施形態を説明するために使用されているが、例示的な実施形態と同様に、本開示を限定するために使用されるべきではない。本明細書の図に含まれる要素は、縮尺通りに描写されていない場合がある。
【0031】
図1は、本開示の特定の態様による、ドロス熱処理システム100の概略図である。システム100は、ドロスの熱処理が起こり得る反応容器102を備えることができる。反応容器102はロータリーキルンであり得るが、他の任意の適切な反応容器を使用することができる。ドロスの供給源104を使用して、反応容器102にドロス(例えば、白色ドロス、黒色ドロス、または芒硝)を供給することができる。反応容器102は、酸素燃料バーナーなどの熱源106からの初期の熱を供給することができる。熱処理が進行中の場合、任意選択の酸素用入口107または熱源106を介するなどの酸素の追加によって、反応容器102の内部で熱を増加及び/または維持することができる(例えば、熱源106を、反応容器102に酸素を供給するため非加熱形態で使用するとき)。
【0032】
場合によっては、コントローラ114を熱源106及び/または酸素用入口107に結合して、反応容器102の内部の温度を制御することができる。コントローラ114は、反応容器102内部の温度を読み取るように配置された温度センサに結合することができる。
【0033】
熱処理中、燃焼ガスは、ガス用出口108を介して反応容器102から排出され得る。場合によっては、ガス用出口108は、ドロスが反応容器102に供給される反応容器102のポートであり得る。
【0034】
場合によっては、任意選択の塩供給源112は、白色ドロスの処理などにおいて、反応容器102に塩を供給することができる。
【0035】
場合によっては、塩収集器110をガス用出口108に結合して、含塩蒸気を受け取り、含塩蒸気から塩を収集することができる(例えば、含塩蒸気の凝縮によって)。場合によっては、塩収集器110を塩供給源112に結合して、反応容器102内部のドロスから塩を抽出することによって、塩供給源112を補充することができる。場合によっては、任意選択のセンサ116(例えば、光学センサ)を塩収集器110及び/またはガス用出口108に結合して、含塩蒸気の中の塩の濃度を検出することができる(例えば、含塩蒸気の不透明度の光学検査によって)。センサ116をコントローラ114に結合して、含塩蒸気の塩の濃度の変化に応答して、反応容器102の温度を制御するためのフィードバックを提供することができる。例えば、含塩蒸気の塩の濃度が下がって閾値を下回ると、少なくとも95%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%または他の関連する量の塩が、反応容器102内部のドロスから抽出されていると判断することができ、コントローラ114は、熱源106及び/または酸素用入口107を制御して、反応容器102内部の温度を下げることができる。
【0036】
システム100は、任意の適切な金属と共に使用することができるが、システム100は、アルミニウムのリサイクルから得たドロスについて、有利に使用することができる。
【0037】
図2は、本開示の特定の態様による、ドロスのペレット化システム200の概略図である。ドロス片218は、球形または他の形状にすることができ、酸化物(例えば、酸化アルミニウム)及び他の材料、例えば金属(例えば、金属アルミニウム)や塩を含むことができる。ドロス片218は、直径10mmから直径50mmの範囲のサイズなどの一貫性のないサイズを有する可能性があるが、他のサイズの片が存在する可能性がある。ドロス片218は、ドロス破砕機220に導入することができ、これは、ドロス片218をドロス粒子222(例えば、ドロス微粉)に粉砕することができる。ドロス粒子222は、10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、または1mm以下の直径を有することができる。ドロス粒子222は、添加剤供給部224からの添加剤と混合され、次いで、凝集器526に導入され得る。凝集器526は、ペレタイザ、またはドロス粒子222及び添加剤をドロスのペレット228に変えるための他の適切な装置であり得る。ドロスのペレット228は、直径が10mmから20mmのオーダーの比較的均一なサイズを有することができる。場合によっては、ペレタイザは、長方形または細長い形状を有する押し出されたペレットを生成するように設計された押し出しペレタイザであり得る。本明細書で使用される場合、長方形または細長い形状の直径への言及は、長方形または細長い形状の断面の最大または平均の直径、あるいは長方形または細長い形状の最大または平均の長さを指すことができる。場合によっては、ペレットの長さと直径の比率が0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2.0であってもよい。
【0038】
添加剤及びドロス粒子222の比率は、ドロスのペレット228をチャネル露出温度(例えば、添加剤が酸化してドロスのペレット228内部のチャネルを露出する温度)に加熱すると、得られるドロスのペレット228の所望の透過性を達成するように制御することができる。
【0039】
図3は、本開示の特定の態様による、加熱されているドロスのペレット328の概略図である。ドロスのペレット328は、図2からのドロスのペレット228であり得る。ドロスのペレット328は、添加剤を染み込ませたドロスを含むことができる。添加剤は、ペレット328の内部にチャネル前駆体330を確立することができる。
【0040】
ペレット328をチャネル露出温度に十分な時間加熱した後、添加剤は、酸化、揮発、またはその他の方法で分解され得る。得られたチャネル形成のされたペレット332は、それを通るチャネル334を含むことができる。チャネル334は、チャネル形成のされたペレット332を任意の方向で通過することができるが、場合によっては、チャネル334は、チャネル形成のされたペレット332を通過するほどは延びないようにすることができる(例えば、シングルエンドのチャネル334を達成するため)。場合によっては、チャネル334は、チャネル形成のされたペレット332のドロス材料によって取り囲まれ得る(例えば、チャネル形成のされたペレット332を通してボイドを形成する)。しかし、場合によっては、チャネル334は、表面のくぼみの形状など、チャネル形成のされたペレット332の表面に、全体的に形成することができる。
【0041】
チャネル形成のされたペレット332のチャネル334は、ペレットの体積に対する表面積の比を効果的に増加させることができ、酸素がペレットにより効果的に浸透することを可能にでき、含塩蒸気がペレットからより効果的に出ることを可能にすることができる。
【0042】
図4は、本開示の特定の態様によるドロスのペレットを生成するためのプロセス400を示すフローチャートである。プロセス400を使用して、図2または3のドロスのペレット228またはドロスのペレット328をそれぞれ生成することができる。
【0043】
ブロック402で、ドロス片を受け取ることができる。ブロック404で、ドロス片を分解することができる。解砕は、ドロス片を圧砕、粉砕、またはその他の方法で相互作用させることで、直径が10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、または1mm以下のドロス粒子にサイズを縮小することによって達成できる。
【0044】
任意選択のブロック406において、金属アルミニウムは、例えば渦電流分離器を使用して、またはドロス粒子から金属アルミニウムを抽出するためのいずれかの適切な手段によって、ドロス粒子(例えば、解砕または圧砕されたドロス片)から抽出することができる。
【0045】
任意選択のブロック408で、ドロス粒子をサイズについてスクリーニングすることができる。ドロス粒子のスクリーニングには、大型の粒子の分離が含まれ得る。場合によっては、大型の粒子は、ブロック404でさらに解砕するように向け戻され得る。場合によっては、大型の粒子を前方に供給して、ブロック412で熱処理することができる。
【0046】
ブロック410において、ドロス粒子は、ペレットに凝集(例えば、再構成)され得る。ドロス粒子をペレットに凝集させることは、ペレット化、圧縮、またはペレットを生成するための他のいずれかの適切な技術によって起こり得る。場合によっては、ブロック414で添加剤を供給し、ブロック410で添加剤を凝集中に使用して、ドロス粒子や添加剤で構成されるペレットを生成することができる。得られるペレットの所望の透過性を達成するために、添加剤の量及び/またはタイプを制御することができる。
【0047】
ブロック412で、ドロスのペレットを熱処理することができる。ドロスのペレットの熱処理には、ドロスのペレットを加熱して金属や塩などの化合物を抽出することが含まれ得る。場合によっては、ブロック412での熱処理は、ブロック410で凝集したペレットのみを含み得る。場合によっては、ブロック412での熱処理は、追加的または代替的に、ブロック408でのスクリーニングから前方に供給される大型粒子を含み得る。例えば、前方に供給される大型粒子の少なくともいくつかは、ブロック412での熱処理の最中に排気流を汚染する可能性がある空中微粉になるのを回避するのに十分に大きくなり得、及び/または他のドロス粒子及び/または添加剤との凝集に関連して、ブロック410及び/または412で介在する操作を受けることなく、ブロック412での熱処理による抽出を容易にするのに、十分に小さい可能性がある。
【0048】
図5は、本開示の特定の態様によるドロスのペレットを処理するためのプロセス500を示すフローチャートである。ブロック502でドロスのペレットを受け取ることができる。ドロスのペレットは、チャネル前駆体の形で添加剤を含み得る。ブロック504で、ドロスのペレットは、チャネル露出温度以上に加熱することができる。場合によっては、チャネル露出温度は、500℃であるか、約500℃である。場合によっては、チャネル露出温度は800℃、700℃、600℃、または500℃以下、あるいは500℃から800℃の間であるか、それより低い。ブロック504でドロスのペレットを加熱すると、ドロスのペレットの中の添加剤が酸化、揮発、またはさもなければ分解し、そのためドロスのペレット内部のチャネルが露出し得る。ブロック506で、ドロスのペレットを、ドロスのペレットを熱処理するために加熱し続けることができる。場合によっては、ブロック506でドロスのペレットを熱処理することは、ブロック508でドロスのペレットから塩を蒸発させることを含み得る。場合によっては、ブロック508でドロスのペレットから塩を蒸発させることは、ドロスのペレットのチャネルの外に含塩蒸気を通過させることを含み得る。
【0049】
図6は、本開示の特定の態様による、ドロス628から塩650を抽出するためのシステム600を示す概略図である。ドロス628は、図2または3のドロスのペレット228またはドロスのペレット328のそれぞれであり得る。システム600は、反応容器602を含むことができる。反応容器602は、図1の反応容器102であり得る。
【0050】
ドロス628(例えば、黒色ドロスまたは芒硝)は、供給シュート640を介して反応容器602に導入することができる。熱供給部606は、処理プロセス中に、加熱されたガス及び任意選択で酸素を反応容器602に供給することができる。場合によっては、反応容器602は、ドロス628をタンブルするために回転することができる。十分な温度(例えば、1200°C以上、または塩の沸点付近の温度、またはそれ以上)に加熱した後、ドロス628内部の塩が、含塩蒸気636として蒸発し得る。
【0051】
反応チャンバ602内部のガスは、方向638に流れることができ、含塩蒸気636をガス用出口608の外へ運ぶ。含塩蒸気636は、塩収集器610において捕らえることができる。塩収集器610は、含塩蒸気636を収集するためのフード642、含塩蒸気636を塩650に凝縮するための凝縮器644、及び回収された塩650を貯蔵するための塩収集チャンバ646を含むことができる。場合によっては、含塩蒸気の凝縮は、凝縮器644に結合された、または凝縮器644に含まれる入口643を介するなど、空気及び/または水が塩収集器610へ入ること(例えば、水の噴霧)によって、達成または促進され得る。場合によっては、任意選択の供給経路648は、回収された塩650を反応チャンバ602にリダイレクトすることができる(例えば、供給シュート640を介して)。場合によっては、塩収集器610は、塩フューム636以外のガスを排出するための追加の排出口652を含むことができる。
【0052】
図6Aは、本開示の特定の態様による、ドロスから塩650を抽出するための別のシステム600Aを示す概略図である。図6Aに示されるシステム600Aは、図6に示されるシステム600に関して既に説明された要素を含むことができる。図6Aに示されるシステム600Aは、図6に示されるシステム600とは、塩収集器610Aに関して異なる。塩収集器610Aにおいて、フード642によって収集された含塩蒸気636は、水及び/または空気用入口643を通して導入された水及び/または空気と混合することによって、液状塩ミスト641に変換され得る。デミスター媒体645の床は、液状塩ミスト641の経路に配置され得、凝縮を誘発するか、さもなければ、液状塩ミスト641を合体させて、落下してリザーバ649内部で液状塩のバスとして収集され得る液滴647となる。デミスター媒体645の1つの適切な選択肢は、平板状アルミナ球であり得るが、他のタイプの媒体が利用され得る。デミスター媒体645は、塩収集器610Aの排気651の外に向けられ得る排気流から塩を除去することができる。場合によっては、希釈用入口653は、例えば、排気流がファン及び/またはバグハウスを通ってさらに向けられる前に、粒子のさらなる希釈のために、排気流に追加の空気を導入することができる。
【0053】
場合によっては、液滴647を合体させるために状態を促進するために、温度を監視及び/または調整することができる。デミスター媒体645の下流の基準点655の温度は、適切な温度センサによって測定され得、水及び/または空気用入口643を通して導入される水及び/または空気の量を調整するための投入量を供給し得る。例えば、導入される空気及び/または水の増加が、下流の温度を低下させるように誘発され得るか、または導入される空気及び/または水の減少が、下流の温度を上昇させるように誘発され得る。説明のための例として、水及び/または空気用入口643を通して導入される水及び/または空気は、基準点655で800℃の下流温度及び/または水/または空気用入口643に隣接する850℃の投入温度を目標とするように調整され得る。
【0054】
リザーバ649に含まれる液状塩のバスから回収された塩650を処理するために、様々な要素を含めることができる。例えば、塩のバスから回収された塩650は、塩キャスタ657によって運ばれ得る。場合によっては、回収された塩650は、クーラ659及び/または破砕機661に導入され得る。場合によっては、任意選択の供給経路648は、回収された塩650(例えば、液体又は固体の状態にある)を反応チャンバ602に戻すようにリダイレクトすることができる(例えば、供給シュート640を介して)。
【0055】
図7は、本開示の特定の態様によるドロスから塩を抽出するためのプロセス700を示すフローチャートである。プロセス700は、図6のシステム600を使用して起こり得る。プロセス700は、図2、3のドロスのペレット228、328をそれぞれ使用して起こり得る。
【0056】
ブロック702で、反応容器にドロス(例えば、ドロスのペレット)を充填することができる。場合によっては、容器にドロスを充填することは、ドロスを反応容器に投入することを含み得る。場合によっては、容器にドロスを充填することは、金属くずの溶融を通じて反応容器内部にドロスを生成することを含み得る。
【0057】
場合によっては、ドロスに白色ドロスを含めることができ、さらなる行為を実行して芒硝を生成し、白色ドロスから金属を抽出することができる。任意選択のブロック704で、塩を白色ドロスに加えることができる。任意選択のブロック706で、白色ドロスを第1の温度で塩と接触させることができる。この接触と加熱により、白色ドロスからの金属の抽出が容易になり得、芒硝の生成が促進され得る。
【0058】
ブロック708で、ドロス(例えば、黒色ドロスまたは芒硝)は、ドロス内部の塩を蒸発させるのに十分に高い温度に加熱することができる。ドロスを加熱することは、熱源(例えば、酸素燃焼バーナー)から熱を供給すること、または反応容器内部の燃料(例えば、残留炭素)の酸化を促進するために酸素を供給することを含み得る。ブロック710で、塩が含塩蒸気として蒸発することを可能にし得る。場合によっては、ブロック708及び/または710は、ドロスから所望の量の塩(例えば、95%、99%、または99.9%)を蒸発させるのに十分な期間、起こり得る。ブロック712で、含塩蒸気をガス用出口に方向付けることができる。ブロック714で、含塩蒸気を取得することができる。ブロック716で、含塩蒸気を塩に凝縮することができる(例えば、固体の塩または液状の塩に)。場合によっては、ブロック716で回収された塩は、後続のブロック704で再利用して、後続の白色ドロスに塩を供給することができる。場合によっては、ブロック716で回収された塩は、後続の芒硝を生成する以外の用途で再利用され得る。例えば、場合によっては、ブロック716で回収された塩を使用して、金属くずの溶融を促進することができる。
【0059】
場合によっては、含塩蒸気を任意選択のブロック718で測定して、含塩蒸気の塩濃度の測定値を取得することができる。ブロック718での測定に基づいて、ブロック708、710でドロスの加熱及び塩の蒸発を停止することを決定することができる。場合によっては、この決定は、ブロック718での測定によって決定されるように、所望の量の塩の蒸発に関連し得る。
【0060】
場合によっては、追加の黒色ドロスを任意選択のブロック720で反応容器に追加することができる。追加の黒色ドロスは、ブロック710、712、714、716でより多くの量の塩を蒸発させて回収することを可能にし得る。場合によっては、ブロック720において黒色ドロスを追加することにより、後続の白色ドロスを熱処理する効率を向上することができる。
【0061】
1つの例示的なテストのセットから得た結果は、下記のグラフに示されている。これらのテスト施行では、使用されたドロスのサンプルの初期塩分レベルが約50%であり、除去された塩と残留塩化物の測定されたパーセンテージを得るべく示された温度とタイミングにさらされた。これらの結果は、高温(例えば、1200°C以上、または塩の沸点以上、)で操作することにより、残留塩化物塩を、99%を上回って減らすことができ、結果として生じるか焼酸化物残留物が、米国環境保護庁(EPA)によって設定されたToxicity Characteristic Leach Procedure(TCLP)の基準に基づいて、反応性ではなく、輸送、使用、及び廃棄に対して無害であると見なされ得る。
【表1】
【0062】
図8は、本開示の特定の態様による、ドロスを熱処理するための2段階のプロセス800を示す概略図である。第1の段階では、白色ドロスを反応容器内で塩と組み合わせて第1の温度(例えば、800℃または約800℃)に加熱して、金属を抽出し、芒硝を生成することができる。第2の段階では、芒硝及び任意選択の黒色ドロスを、反応容器(例えば、同じ反応容器または異なる反応容器)において、塩を含塩蒸気として抽出して不活性の酸化物にするのに十分高い第2の温度に加熱することができる。場合によっては、第2の温度が塩の沸点以上である(例えば、約1500℃以上)。抽出された塩は、後続する処理のために第1の段階で再利用できる。
【0063】
図9は、本開示の特定の態様による、ドロスを熱処理するための、単一の容器で2段階のプロセス900を示す概略図である。プロセス900はプロセス800と同じであり得るが、特異的に単一の容器で実行される。第1の段階では、白色ドロスを反応容器内で塩と組み合わせて第1の温度(例えば、800℃または約800℃)に加熱して、金属を抽出し、芒硝を生成することができる。第2の段階では、反応容器内部の芒硝を、含塩蒸気として塩を抽出し、無塩酸化物を排出するのに十分に高い第2の温度に、さらに加熱することができる。場合によっては、第2の温度が塩の沸点以上である(例えば、約1500℃以上)。場合によっては、黒色ドロスを任意選択で第1の段階と第2の段階の間で、反応容器に追加することができる。第2の段階で抽出された塩は、後続する処理の第1の段階で再利用できる。
【0064】
例示された実施形態を含む実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的のためにのみ提示されており、網羅的であること、または開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。多数の修正、改作、及びそれらの使用は、当業者らには明らかであろう。
【0065】
以下に使用されるように、一連の例への任意の言及は、それらの例のそれぞれへの言及として分離的に理解されるべきである(例えば、「実施例1から4」は「実施例1、2、3、または4」として理解されるべきである)。
【0066】
実施例1は、ドロスを前処理するための方法であり、ドロス片を受け入れること、前記ドロス片を直径10mm以下のドロス粒子に解砕すること、前記ドロス粒子をペレットに凝集させること、を含み、前記ペレットは、800℃以上の温度に加熱されたときにチャネルを備える、前記方法である。場合によっては、前記ペレットは500℃以上の温度に加熱されたときにチャネルを構成する備える。
【0067】
実施例2は、前記ドロス粒子を添加剤と混合することであって、前記添加剤は、800℃以下の温度で酸化またはさもなければ分解するように選択され、前記添加剤の酸化または分解が前記ペレットの前記チャネルの露出を促進する、前記混合することをさらに含む、実施例(複数可)1に記載の方法である。
【0068】
実施例3は、前記添加剤が、消費後のスクラップまたは他の産業由来の廃棄物を含む、実施例(複数可)2に記載の方法である。
【0069】
実施例4は、前記ドロス粒子を凝集させる前に、渦電流分離器を使用して前記ドロス粒子から金属アルミニウムを抽出することをさらに含む、実施例(複数可)1~3に記載の方法である。
【0070】
実施例5は、前記ドロス粒子を凝集させる前に前記ドロス粒子をスクリーニングすることであって、スクリーニングが大型のドロス粒子を除去することを含む、前記スクリーニングすること、をさらに含む、実施例(複数可)1~4に記載の方法である。
【0071】
実施例6は、大型のドロス粒子を除去することが、前記大型のドロス粒子をさらに解砕させるように方向付けることを含む、実施例(複数可)5に記載の方法である。
【0072】
実施例7は、大型のドロス粒子を除去することが、前記大型のドロス粒子を熱処理するように向けることを含む、実施例(複数可)5に記載の方法である。
【0073】
実施例8は、前記ドロス粒子を燃料添加剤と混合することであって、前記燃料添加剤が、ドロス処理反応への燃料供給を促進するように選択される、前記混合することをさらに含む、実施例(複数可)1~7に記載の方法である。
【0074】
実施例9は、前記ペレットの各々が、5mmから50mmの範囲内の平均直径を有する、実施例(複数可)1~8に記載の方法である。
【0075】
実施例10は、前記ドロス片が、酸化アルミニウム及び塩を含む、実施例(複数可)1~9に記載の方法である。
【0076】
実施例11は、金属リサイクル副産物を処理する方法であって、ドロスのペレットを提供することであって、前記ドロスのペレットの各々は、ドロスと、800℃以下のチャネル露出温度で酸化または分解するように選択された添加剤とを含み、前記添加剤は、前記ペレット内部に配置され、酸化時に前記ペレットのチャネルを露出させる、前記提供すること、各ペレットの前記チャネルを露出するために、前記ドロスのペレットを前記チャネル露出温度以上の温度に加熱すること及び前記添加剤を酸化または分解することであって、ペレットの前記チャネルは、ガスが前記ペレットに入り、通過することを可能にする、前記加熱すること及び前記酸化または分解すること、前記ドロスのペレットの熱処理を行うために、前記ドロスのペレットを前記温度に維持すること、を含む、前記方法である。場合によっては、前記ドロスのペレット加熱することは、500℃以下または800℃以下の温度にすることができる。
【0077】
実施例12は、熱処理を行うことが、前記ドロスのペレットから塩を蒸発させることを含む、実施例(複数可)11に記載の方法である。
【0078】
実施例13は、前記添加剤が、消費後のスクラップまたは他の産業由来の廃棄物を含む、実施例(複数可)11または12に記載の方法である。
【0079】
実施例14は、前記ドロスのペレットが、前記熱処理への燃料供給を促進するために選択された燃料添加剤をさらに含む、実施例(複数可)11~13に記載の方法である。
【0080】
実施例15は、前記ドロスのペレットの各々が、5mmから50mmの範囲内の平均直径を有する、実施例(複数可)11~14に記載の方法である。
【0081】
実施例16は、前記ドロスのペレットの熱処理を行った後の処理されたドロスのペレットを除去することであって、前記処理されたドロスのペレットが、1重量%以下の炭素含有量を有する、前記除去することをさらに含む、実施例(複数可)11~15に記載の方法である。
【0082】
実施例17は、ドロスであって、前記ドロスは酸化アルミニウムを含む、前記ドロス、及び800℃以下の温度で酸化または分解するように選択された添加剤を含む再構成された金属リサイクル副産物であって、前記ドロスと添加剤は共にペレットに凝集し、前記添加剤は、前記ペレットを通る1つまたは複数のチャネルが前記添加剤の酸化時に露出するように前記ペレット内部に配置される、前記再構成された金属リサイクル副産物である。
【0083】
実施例18は、前記添加剤が、消費後のスクラップまたは他の産業由来の廃棄物を含む、実施例(複数可)17に記載の再構成された金属リサイクル副産物である。
【0084】
実施例19は、前記ペレットの前記ドロスが、それぞれが10mm以下の平均直径を有する凝集したドロス粒子を含む、実施例(複数可)17または18に記載の再構成された金属リサイクル副産物である。
【0085】
実施例20は、燃料添加剤であって、前記燃料添加剤が、ドロス処理反応への燃料供給を促進するように選択される、前記燃料添加剤をさらに含む、実施例(複数可)17~19に記載の再構成された金属リサイクル副産物である。
【0086】
実施例21は、前記ペレットの各々が、5mmから50mmの範囲内の平均直径を有する、実施例(複数可)17~20に記載の再構成された金属リサイクル副産物である。
【0087】
実施例22は、前記ドロスがさらに塩を含む、実施例(複数可)17~21に記載の再構成された金属リサイクル副産物である。
【0088】
実施例23は、金属リサイクル副産物から塩を抽出する方法であって、酸化アルミニウムと塩を含むドロスを容器に充填すること、前記塩を蒸発させるのに十分高い温度に前記ドロスを加熱すること、前記ドロスを、含塩蒸気として前記塩の蒸発を可能にするために前記温度に維持すること、前記含塩蒸気を、ガス用出口を通して前記容器の外に向けること、及び前記含塩蒸気を取得すること、を含む、前記方法である。
【0089】
実施例24は、前記含塩蒸気を取得することが、前記含塩蒸気を固体または液体の塩に凝縮することを含む、実施例(複数可)23に記載の方法である。
【0090】
実施例25は、前記塩がNaClを含み、前記温度が1450℃または約1450℃である、実施例(複数可)23または24に記載の方法である。
【0091】
実施例26は、前記塩がKClを含み、前記温度が1416℃または約1416℃である、実施例(複数可)23~25に記載の方法である。
【0092】
実施例27は、前記ドロスが、窒化物、炭化物、硫化物、及びリン化物からなる群から選択される化合物を含み、前記ドロスを前記温度に維持することは、前記ドロスを酸化環境の前記温度に維持することをさらに含む、実施例(複数可)23~26に記載の方法である。
【0093】
実施例28は、前記ドロスが残留炭素を含み、前記ドロスを前記温度に加熱することは、前記残留炭素を酸化することを含む、実施例(複数可)23~27に記載の方法である。
【0094】
実施例29は、前記ドロスが残留金属アルミニウムを含み、前記ドロスを前記温度に加熱することは、前記残留金属アルミニウムを酸化することを含む、実施例(複数可)23~28に記載の方法である。
【0095】
実施例30は、前記ドロスを前記温度に維持することが、前記塩の少なくとも95%が蒸発するまで前記ドロスを前記温度に維持することを含む、実施例(複数可)23~29に記載の方法である。
【0096】
実施例31は、処理されたドロスを前記容器から除去することであって、前記処理されたドロスを除去した後、前記容器は余熱を含む、前記除去することと、前記容器に追加のドロスを充填して前記追加のドロスを処理することであって、前記追加のドロスを処理することは、前記容器の前記余熱を使用することを含む、前記処理することを含む、実施例(複数可)23~30に記載の方法である。
【0097】
実施例32は、前記塩の蒸発を可能にする前記温度に前記ドロスを維持することが、前記ガス用出口を出る前記含塩蒸気の濃度を検出し、前記含塩蒸気の前記検出された濃度に基づいて前記ドロスを前記温度で維持することを停止することを決定することをさらに含む、実施例(複数可)23~31に記載の方法である。
【0098】
実施例33は、前記含塩蒸気の前記濃度を検出することは、前記ガス用出口に存在する前記含塩蒸気の不透明度を検出することを含む、実施例(複数可)32に記載の方法である。
【0099】
実施例34は、金属リサイクル副産物から塩を抽出するためのシステムであって、酸化アルミニウムと塩を含むドロスを受け入れるための容器、前記ドロスを、含塩蒸気として前記塩を蒸発させるのに十分に高い温度に加熱するための前記容器に結合された熱源、前記容器からガス及び含塩蒸気を運ぶための前記容器に結合されたガス用出口、及び前記含塩蒸気を収集及び凝縮するための前記ガス用出口に結合された塩収集器を含む、前記システムである。
【0100】
実施例35は、前記塩がNaClを含み、前記熱源が前記ドロスを約1450℃以上の温度に加熱するのに適している、実施例(複数可)34に記載のシステムである。
【0101】
実施例36は、前記塩がKClを含み、前記熱源が前記ドロスを約1416℃以上の温度に加熱するのに適している、実施例(複数可)34または35に記載のシステムである。場合によっては、前記塩はKClとNaClの両方を含む。
【0102】
実施例37は、前記容器が、酸化環境を確立するための酸素用入口を含み、前記ドロスが、窒化物、炭化物、硫化物、及びリン化物からなる群から選択される化合物を含む、実施例(複数可)34~36に記載のシステムである。
【0103】
実施例38は、前記容器が、酸化環境を確立するための酸素用入口を含み、前記ドロスは残留炭素を含み、前記酸化環境は、前記ドロスを前記温度に加熱することを促進するために前記残留炭素を酸化するのに適している、実施例(複数可)34~37に記載のシステムである。
【0104】
実施例39は、前記容器が、酸化環境を確立するための酸素用入口を含み、前記ドロスは残留金属アルミニウムを含み、前記酸化環境は、前記ドロスを前記温度に加熱することを促進するために前記残留金属アルミニウムを酸化するのに適している、実施例(複数可)34~38に記載のシステムである。
【0105】
実施例40は、前記ガス用出口を出る含塩蒸気の濃度を検出するためのセンサをさらに備える、実施例(複数可)33~39に記載のシステムである。
【0106】
実施例41は、前記センサが、前記ガス用出口を出る前記含塩蒸気の不透明度を検出するための光学センサを含む、実施例(複数可)40に記載のシステムである。
【0107】
実施例42は、前記熱源が酸素燃料バーナーを含む、実施例(複数可)34~41に記載のシステムである。
【0108】
実施例43は、酸化アルミニウムを含む白色ドロスを容器に充填すること、前記容器に塩を導入すること、前記白色ドロスからの金属の抽出及び芒硝の生成を促進するために、第1の温度で前記白色ドロスを前記塩と接触させること、前記芒硝を、前記塩を蒸発させるのに十分に高い第2の温度に加熱することであって、前記第1の温度は、前記第2の温度よりも低い、前記加熱すること、含塩蒸気として前記塩の蒸発を可能にするために前記芒硝を前記第2の温度に維持することであって、前記芒硝からの前記塩の蒸発は、不活性酸化物をもたらす、前記維持すること、前記不活性酸化物を排出すること、前記含塩蒸気を収集し、前記含塩蒸気を塩に凝縮すること、及び再利用される塩を後続の白色ドロスと接触させることにより、前記塩を再利用して後続の芒硝を生成すること、を含む、金属リサイクル副産物を処理する方法である。
【0109】
実施例44は、前記第1の温度で前記白色ドロスを前記塩と接触させ、前記芒硝を前記第2の温度に加熱することが前記容器で生じる、実施例(複数可)43に記載の方法である。
【0110】
実施例45は、前記容器が、前記不活性酸化物を排出した後に余熱を含み、前記後続の芒硝の生成は、前記容器の前記余熱を使用することを含む、実施例(複数可)44に記載の方法である。
【0111】
実施例46は、前記塩がNaClを含み、前記第2の温度が1450℃以上である、実施例(複数可)43~45に記載の方法である。
【0112】
実施例47は、前記塩がKClを含み、前記第2の温度が約1416℃以上である、実施例(複数可)43~46に記載の方法である。
【0113】
実施例48は、前記白色ドロスは、窒化物、炭化物、硫化物、及びリン化物からなる群から選択される化合物を含み、前記芒硝を前記第2の温度に維持することは、前記芒硝を酸化環境の前記第2の温度に維持することをさらに含む、実施例(複数可)43~47に記載の方法である。
【0114】
実施例49は、前記芒硝が残留金属アルミニウムを含み、前記芒硝を前記第2の温度に加熱することは、前記残留金属アルミニウムを酸化することを含む、実施例(複数可)43~48に記載の方法である。
【0115】
実施例50は、前記芒硝を前記第2の温度に維持することが、前記塩の少なくとも95%が蒸発するまで前記芒硝を前記第2の温度に維持することを含む、実施例(複数可)43~49に記載の方法である。
【0116】
実施例51は、前記塩の蒸発を可能にする前記第2の温度に前記芒硝を維持することが、前記容器を出る前記含塩蒸気の濃度を検出し、前記含塩蒸気の前記検出された濃度に基づいて前記芒硝を前記第2の温度で維持することを停止することを決定することをさらに含む、実施例(複数可)43~50に記載の方法である。
【0117】
実施例52は、前記含塩蒸気の前記濃度を検出することは、前記含塩蒸気の不透明度を検出することを含む、実施例(複数可)51に記載の方法である。
【0118】
実施例53は、後続の芒硝を生成する以外の用途のための前記再利用された塩の少なくとも一部を再利用することをさらに含む、実施例(複数可)43~51に記載の方法である。
【0119】
実施例54は、後続の芒硝を生成する以外の前記用途が、金属くずの溶融を促進するために前記塩を使用することを含む、実施例(複数可)53に記載の方法である。
本開示の実施態様の一部を以下の[項目1]-[項目20]に記載する。
[項目1]
酸化アルミニウムを含むドロス、及び
800℃以下の温度で酸化または分解するように選択された添加剤を含む、再構成された金属リサイクル副産物であって、前記ドロスと前記添加剤は共にペレットに凝集し、前記添加剤は、前記ペレットを通る1つまたは複数のチャネルが前記添加剤の酸化時に露出するように前記ペレット内に配置される、
前記再構成された金属リサイクル副産物。
[項目2]
前記ペレットの前記ドロスが塩を含み、前記凝集したドロスの粒子がそれぞれ10mm以下の平均直径を有し、前記ペレットが5mmから50mmの範囲内の平均直径を有する、項目1に記載の再構成された金属リサイクル副産物。
[項目3]
前記添加剤が、消費後のスクラップまたは他の産業由来の廃棄物を含み、前記金属リサイクル副産物が、ドロス処理反応への燃料供給を促進するように選択される燃料添加剤をさらに含む、項目1または2に記載の再構成された金属リサイクル副産物。
[項目4]
酸化アルミニウムを含む白色ドロスを容器に充填すること、
前記容器に塩を導入すること、
前記白色ドロスからの金属の抽出及び芒硝の生成を促進するために、第1の温度で前記白色ドロスを前記塩と接触させること、
前記芒硝を、前記塩を蒸発させるのに十分な第2の温度に加熱することであって、前記第1の温度は、前記第2の温度よりも低い、前記加熱すること、
前記芒硝を、含塩蒸気としての前記塩の蒸発を可能にするために前記第2の温度に維持することであって、前記芒硝からの前記塩の蒸発は、不活性酸化物をもたらす、前記維持すること、
前記不活性酸化物を排出すること、
前記含塩蒸気を収集し、前記含塩蒸気を塩に凝縮すること、及び
再利用される塩を後続の白色ドロスと接触させることにより、前記塩を再利用して後続の芒硝を生成すること、
を含む、項目1に記載の再構成された金属リサイクル副産物を処理する方法。
[項目5]
前記第2の温度が前記塩の沸点以上である、項目4に記載の方法。
[項目6]
前記第2の温度が1200℃以上である、項目4または5に記載の方法。
[項目7]
前記第1の温度で前記白色ドロスを前記塩と接触させ、前記芒硝を前記第2の温度に加熱することが前記容器で生じる、項目4から6のいずれかに記載の方法。
[項目8]
前記容器が、前記不活性酸化物を排出した後に余熱を含み、前記後続の芒硝を生成することは、前記容器の前記余熱を使用することを含む、項目7に記載の方法。
[項目9]
前記塩がNaClを含み、前記第2の温度が1450℃以上である、項目4から8のいずれかに記載の方法。
[項目10]
前記塩がKClを含み、前記第2の温度が1416℃以上である、項目4から9のいずれかに記載の方法。
[項目11]
前記白色ドロスは、窒化物、炭化物、硫化物、及びリン化物からなる群から選択される化合物を含み、前記芒硝を前記第2の温度に維持することは、前記芒硝を酸化環境の前記第2の温度に維持することをさらに含む、項目4から10のいずれかに記載の方法。
[項目12]
前記芒硝が残留金属アルミニウムを含み、前記芒硝を前記第2の温度に加熱することは、前記残留金属アルミニウムを酸化することを含む、項目4から11のいずれかに記載の方法。
[項目13]
前記芒硝を前記第2の温度に維持することが、前記塩の少なくとも95%が蒸発するまで前記芒硝を前記第2の温度に維持することを含む、項目4から12のいずれかに記載の方法。
[項目14]
前記塩の蒸発を可能にするために前記第2の温度に前記芒硝を維持することが、前記容器を出る前記含塩蒸気の濃度を検出し、前記含塩蒸気の前記検出された濃度に基づいて前記芒硝を前記第2の温度で維持することを停止することを決定することをさらに含む、項目4から13のいずれかに記載の方法。
[項目15]
前記含塩蒸気の前記濃度を検出することは、前記含塩蒸気の不透明度を検出することを含む、項目14に記載の方法。
[項目16]
後続の芒硝を生成する以外の用途のための前記再利用された塩の少なくとも一部を再利用することをさらに含む、項目4から15のいずれかに記載の方法。
[項目17]
後続の芒硝を生成する以外の前記用途が、金属くずの溶融を促進するために前記塩を使用することを含む、項目16に記載の方法。
[項目18]
酸化アルミニウムと塩を含むドロスを受け入れるための容器、
含塩蒸気として前記塩を蒸発させるのに十分に高い温度に前記ドロスを加熱するための前記容器に結合された熱源、
前記容器からガス及び含塩蒸気を運ぶための前記容器に結合されたガス用出口、及び
前記含塩蒸気を収集及び凝縮するための前記ガス用出口に結合された塩収集器を含む、項目1に記載の再構成された金属リサイクル副産物から塩を抽出するためのシステム。
[項目19]
前記塩がNaClまたはKClを含み、前記熱源が前記ドロスを約1416℃以上の温度に加熱するのに適している、項目18に記載のシステム。
[項目20]
前記容器が、酸化環境を確立するための酸素用入口を含み、前記ドロスが、残留炭素、窒化物、炭化物、硫化物、及びリン化物からなる群から選択される化合物、または残留金属アルミニウムを含み、前記酸化環境は、前記ドロスを前記温度に加熱することを促進するために前記残留炭素を酸化するか、または前記残留金属アルミニウムを酸化するのに適している、項目18または19に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6A
図7
図8
図9