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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-07
(45)【発行日】2023-08-16
(54)【発明の名称】ボールの拾上げ具
(51)【国際特許分類】
   A63B 47/02 20060101AFI20230808BHJP
【FI】
A63B47/02 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022125248
(22)【出願日】2022-08-05
【審査請求日】2023-03-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】322007774
【氏名又は名称】秋山 正史
(74)【代理人】
【識別番号】100079083
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 實三
(72)【発明者】
【氏名】秋山 正史
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4844526(US,A)
【文献】特開2003-175132(JP,A)
【文献】登録実用新案第3225986(JP,U)
【文献】実開平4-37466(JP,U)
【文献】登録実用新案第3175271(JP,U)
【文献】米国特許第6485075(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0208652(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0149270(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0195054(US,A1)
【文献】米国特許第5190288(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0033109(US,A1)
【文献】米国特許第4244497(US,A)
【文献】米国特許第9750987(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 47/02
A63B 57/20
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドッチボール、ハンドボール、バレーボール、サッカーボール、バスケットボール等の中型、大型のボールの拾上げ具であって、長尺な把手と、前記把手の先端に取付けると共に弾性を有する円弧状部材から構成された保持部材と、を有し、前記保持部材が複数の保持片を備え、前記複数の保持片は少なくとも、第1の保持片及び第2の保持片を備え、前記第1の保持片が、前記把手の延出方向に延出して前記把手に固定され、前記第2の保持片が、前記第1の保持片と反対方向に配置され、且つ、前記第1の保持片の弾性が、前記第2の保持片の弾性よりも弱く構成され、前記保持部材が、ボールを複数方向から保持可能に配置されたことを特徴とするボールの拾上げ具。
【請求項2】
ドッチボール、ハンドボール、バレーボール、サッカーボール、バスケットボール等の中型、大型のボールの拾上げ具であって、長尺な把手と、前記把手の先端に取付けると共に弾性を有する円弧状部材から構成された保持部材と、を有し、前記保持部材は、第1の保持片、第2の保持片、第3の保持片を備え、前記第1の保持片が、前記把手の延出方向に延出して前記把手に固定され、前記第2の保持片と第3の保持片とは、前記第1の保持片と反対方向に於いて、所定角度を持って配置され、これにより、前記第1の保持片,前記第2の保持片,前記第3の保持片が、平面視Y字状に配置され、且つ、前記第1の保持片の弾性が、他の保持片の弾性よりも弱く構成され、前記保持部材が、ボールを複数方向から保持可能に配置されたことを特徴とするボールの拾上げ具。
【請求項3】
前記複数の保持片は、前記把手に対して回動可能に軸支された請求項1または請求項2に記載のボールの拾上げ具。
【請求項4】
前記把手と前記保持片の間及び各保持片の間に、柔軟性部材が介装された請求項1または請求項2に記載ボールの拾上げ具。
【請求項5】
前記複数の保持片の取付位置が変更可能な取付穴を、前記把手の取付部に設けた請求項1または請求項2に記載のボールの拾上げ具。
【請求項6】
前記第1の保持片の内側に、前記第1の保持片とは反対方向に湾曲させた第4の保持片が、取付けられた請求項1または請求項2に記載のボールの拾上げ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドッチボール、ハンドボール、サッカーボール,バレーボール,バスケットボール等の中型、大型のボールを、川や池などに落ちた際に使用するためのボールの拾上げ具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にボールの拾上げ具としては、ゴルフ等の競技中に於いて、プレーヤーが腰や脚を曲げることなく、地面へのボールの配置やその拾上げが簡易にできるものが多く提案されている。例えば、特許文献1や特許文献2などがある。
【0003】
特許文献1はグランドゴルフのボールを、腰や脚を曲げることなく拾上げることができ、鉄製のマーカーの配置や拾上げができるものである。又、特許文献2はゴルフ等の競技中に、腰を曲げることなくボールを拾上げることができるものである。更に、特許文献1及び特許文献2は、拾上げたボールを放出する機能が備えられている。
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2は、ボール放出機能が備えられているため、構造が複雑になっていた。しかも、特許文献1及び特許文献2は、ボールの大きさがゴルフボールのような小さものが対象で、サッカーボールやバレーボールなどの大きなボールを拾上げる記載はどこにもなく、且つ、そのような発想もないものであった。
【0005】
尚、サッカーボールやバレーボールなどの大きなボールを、川や田んぼ或いは沼地等から拾上げする際は、川などの中に入ってボールを拾上げなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-50742号公報
【文献】特許第6977197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ドッチボール、ハンドボールからバスケットボール等の中型、大型のボールが、川や池などに落ちた際、水に濡れずに、ボールを保持して拾上げることが可能なボールの拾上げ具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ドッチボール、ハンドボール、バレーボール、サッカーボール、バスケットボール等の中型、大型のボールの拾上げ具であって、長尺な把手と、その先端に取付けると共に弾性を有する円弧状部材から構成された保持部材と、を有し、保持部材が複数の保持片を備え、複数の保持片は少なくとも、第1の保持片及び第2の保持片を備え、第1の保持片が、把手の延出方向に延出して把手に固定され、第2の保持片が、第1の保持片と反対方向に配置され、且つ、第1の保持片の弾性が、第2の保持片の弾性よりも弱く構成され、保持部材がボールを複数方向から保持可能に配置された拾上げ具とする。
【0009】
本発明に於いて、保持部材は、第1の保持片,第2の保持片,第3の保持片を備え、第1の保持片が、把手の延出方向に延出して把手に固定され、第2の保持片と第3の保持片とは、第1の保持片と反対方向に於いて、所定角度を持って配置され、これにより、第1の保持片,第2の保持片,第3の保持片を、平面視Y字状に配置し、且つ、第1の保持片の弾性が、他の保持片の弾性よりも弱く構成されるのが好ましい。
【0010】
本発明に於いて、複数の保持片は、把手に対して回動可能に軸支されるのが好ましい。
【0011】
本発明に於いて、把手と保持片の間及び各保持片の間に、柔軟性部材が介装されるのが好ましい。
【0012】
本発明に於いて、複数の保持片の取付位置を変更可能にする取付穴を把手の取付部に穿設し、複数の保持片の取付位置を変更可能にすることが好ましい。
【0013】
本発明に於いて、第1の保持片の内側に、第1の保持片とは反対方向に湾曲させた第4の保持片を図3に示すように取付けておくと良い。
【発明の効果】
【0014】
請求項1のように長尺な把手と、把手の先端に取付けると共に弾性を有する円弧状部材から構成された保持部材と、を有し、保持部材が複数の保持片を備えると共に、保持部材が、ボールを複数方向から保持可能に配置され、複数の保持片は少なくとも、第1の保持片及び第2の保持片を備え、第1の保持片が、把手の延出方向に延出して把手に固定され、第2の保持片が、第1の保持片と反対方向に配置され、且つ、第1の保持片の弾性が、第2の保持片の弾性よりも弱く構成することにより、第1の保持片がボールの外周に沿って開き、且つ、弾性によって閉じるのでドッチボール、ハンドボール、サッカーボール,バレーボール,バスケットボール等の中型、大型のボールが、川や池などに落ちた際にそのボールを保持して拾上げることが可能となる。
【0015】
請求項に示すように保持部材は、第1の保持片,第2の保持片,第3の保持片を備え、第1の保持片が、把手の延出方向に延出して把手に固定され、第2の保持片と第3の保持片とは、第1の保持片と反対方向に於いて、所定角度を持って配置され、これにより、第1の保持片,第2の保持片,第3の保持片を、平面視Y字状に配置し、且つ、第1の保持片の弾性が、他の保持片の弾性よりも弱く構成されることにより、ボールが3方向から保持され、回収途中でボールが落下することなく、より確実にボールの拾上げが可能となる。
【0016】
請求項に示すよう複数の保持片は、把手に対して回動可能に軸支されることにより、ボールが適切な位置で保持され、より確実にボールの拾上げが可能となる。また複数の保持片を、第1の保持片側に折り畳めばコンパクトになる。
【0017】
請求項のように把手と保持片の間及び各保持片の間に、ゴムブッシュなどの柔軟性部材が介装されることにより、保持片を開いた際、開いた位置がしっかりと保持できるため、より一層確実にボールの拾上げが可能となる。
【0018】
請求項のように把手の取付部に、複数の保持片の取付位置変更可能な取付穴を穿設し、複数の保持片の取付位置を変更可能にすることにより、中型であるハンドボールから大型であるバスケットボールが、保持されてボールの拾上げが可能となる。
【0019】
請求項に示すよう第1の保持片の内側に、前記第1の保持片とは反対方向に湾曲させた第4の保持片が、取付けらることにより、ドッチボールやハンドボールの中型のものに対し、確実な保持ができ、且つ、ボールを保持する際にボールを保持部材の内側に押す力が働くので、ボールの拾上げがより確実になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態の要部を示す斜視図である。
図2】本実施形態の主要部品を示す分解斜視図である。
図3】本発明の別実施形態の要部を示す斜視図である。
図4】本実施形態の保持片が折り畳まれた状態を示す説明図である。
図5】本実施形態の保持片が、ボールを保持するために配置された状態を示す平面図である。
図6】本実施形態の第1の保持片が、反対側に配置された状態を一点鎖線で示す平面図である。
図7】本実施形態でボールを拾上げる作用を示す説明図である。
図8】別実施形態でボールを拾上げる作用を示す説明図である。
図9】本実施形態が大きなボールを拾上げる場合、保持片の取付位置を移動させた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。1は、長尺な把手であり、把手1は、長尺なパイプ材14と、長尺なパイプ材14の先端側に着脱可能な接続部13と、接続部13の先端に、支持棒12を介して設けた取付部11と、を備えている。前記取付部11には、複数の保持片の取付位置が変更可能な2つの取付穴11a,11bが穿設されている。取付穴11a,11b は2つである必要はなく、3つ以上でも良く、或いは長穴を設けても良い。また前記接続部13の端部にネジ穴13aが形成されており、前記ネジ穴13aに螺合するネジ部14aをパイプ材14の端部に設けている。更に、前記パイプ材14としては、例えば、旗竿や物干し棹のように、1~5m前後伸縮する機能を有したものを用いるのが好ましい。
【0022】
2は、把手1の先端に取付けると共に弾性を有する円弧状部材から構成された保持部材であり、前記保持部材2はボール5を複数方向から保持可能に配置される。また保持部材2は、第1の保持片21,第2の保持片22,第3の保持片23を備えている。第1の保持片21は、図1図2に示すように、把手1の延出方向(図1の左方向)に延出して把手1に固定される。前記第2の保持片22は、第1の保持片21と反対方向に配置され、且つ、第3の保持片23は、第2の保持片22と同様に、第1の保持片21と反対方向に配置される。また第1の保持片21,第2の保持片22,第3の保持片23は、図5に示すように平面視Y字状に配置される。更に第1の保持片21の弾性が、第2の保持片22及び第3の保持片23の弾性よりも弱い。
【0023】
この時、把手1に固定した第1の保持片21に対して、第2の保持片22,第3の保持片23は、把手1の取付部11に回動可能に軸支されている。また第1の保持片21,第2の保持片22,第3の保持片23の端部に、折返部21a,22a,23aを図1図2に示すように設けておくと、ボール5がスムーズに保持されて拾上げ易くなる。
【0024】
また第1の保持片21,第2の保持片22,第3の保持片23の材料として、例えば、厚さが2mmで、幅が15mmのステンレス製の板材を用いるのが好ましいが、この値に限定されるものではない。例えば、厚さが1.5~3.0mmで、幅が10~30mmの金属板、或いは弾性を有すると共にボール5が保持できる強度を有した合成樹脂板等の材料を用いることができる。また保持部材2の材料は、板材に限らず、丸棒や角棒などの線材でも良い。線材を用いた場合は、近接して数本を配置したり、途中を折返したりして、ボール保持部分にある程度の幅をもたせるのが好ましい。
【0025】
また第1の保持片21,第2の保持片22,第3の保持片23を、平面視Y字状に配置した状態で、合成樹脂製や金属製で一体的に形成させ、各ボール専用の拾上げ具としても良い。
【0026】
更に、保持部材2は、前記実施形態のように、3本用いる必要はなく、第1の保持片21,第2の保持片22を備え、2本でボール5を保持するものとしても良い。この時、例えば、第1の保持片21の幅を15mmに、第2の保持片22の幅を30mmにするなど、前記実施形態より幅広にする。
【0027】
前記第1の保持片21の配置位置を、図6に示す2点鎖線のように、把手1の延出方向と反対方向に延出して把手1に固定しても良い。
【0028】
3は、締結部材であり、締結部材3は、図2に示すように、ネジ31と、貫通ノブナットや蝶ナットなどのナット32と、第1の保持片21と第2の保持片22の間及び第2の保持片22と第3の保持片23の間に介装されるゴムブッシュなどの柔軟性部材33と、から構成される。この際、前記ネジ31の頭部を第3の保持片23にハンダや接着剤等で固定しておくと良い。このようにネジ31の頭部を第3の保持片23に固定しておけば、第3の保持片23や第2の保持片22の取付部11への取付位置を変更する場合、ネジ31を取付部11の取付穴11a,11bに挿入する際、挿入が容易にできる。
第1の保持片21と第2の保持片22の間及び第2の保持片22と第3の保持片23の間に柔軟性部材33を使用すると、第2,第3の保持片22,23が動かず位置決めが可能になる。前記柔軟性部材33としては、ゴム,合成樹脂,皮などを使用することができる。この際、前記柔軟性部材33の代りに、金属製の平ワッシャーを装着すると、いくら締め込んでも第2,第3の保持片22,23が滑って固定しにくくなる。この結果、第2,第3の保持片22,23を回動させて位置を決める際に、第2,第3の保持片22,23が動いて位置決めが難しく、ボール5が上手く保持できない場合を生じることがある
【0029】
4は、固定部材であり、固定部材4は、固定ネジ41と、六角ナット42と、ワッシャー43と、から構成される。尚、取付部11,支持棒12,第1の保持片21が、溶接等で一体に固定された場合には、固定部材4は不要である。
【0030】
5は、拾上げるボールであり(図5参照)、ボール5としては、大型であるバスケットボールの5号~7号,サッカーボールの3号~5号,中型であるバレーボールの4号と5号,ドッチボールの0号~3号,ハンドボールの1号~3号等であるが、中型、大型のボールであれば、これに限定されず、一方、ゴルフボール等の小型のボールは含まれない。
【0031】
図3は別実施形態を示す図であり、これは、前記実施形態と比べ、第1の保持片21の内側に、前記第1の保持片21とは反対方向に湾曲させた第4の保持片24が、取付けられている。この第4の保持片24の役目は、ドッチボールやハンドボールなどの中型のボール5に対し、確実な保持を可能とし、且つ、ボール5を保持する際に、保持部材2の内側にボール5が押されて拾上げをより確実にするためである。
【0032】
以下、図1図2に示す本実施形態の使用方法について説明する。予め把手1は、パイプ材14のネジ部14aを接続部13のネジ穴13aに螺合して接続させておく。
【0033】
図7は、本実施形態でボール5が拾上げられる作用を示し、これについて説明する。
先ず始めに、図4図5に於いて、折り畳まれた第2の保持片22と第3の保持片23を、図4図5に示す矢印のように回転させ、適宜に開いて配置させる。先ず第2の保持片22と第3の保持片23を、図7(a)のようにボール5の上部に軽く当て、図中の点線矢印Aの方向に押え、ボール5が前(把手1から離れる方向)に行かないようにする。また第1の保持片21がボール5の外周に沿って広がるように、把手1を下方へ押す。すると、第1の保持片21が、図7(b)に示す矢印Bの方向に広がると同時に、ボール5が矢印Cの方向に回転しながら第2の保持片22と第3の保持片23側へ押し込まれる。
そして、第1の保持片21がボール5の下部まで押し下げられると、ボール5は、図7(c)に示すように第1の保持片21,第2の保持片22,第3の保持片23によって、3方向から保持されるので、ボール5を確実に保持でき、拾上げることができる。
【0034】
図8は、図3に示す別実施形態を使用してボール5を保持させる状態を説明したものである。この図に基づいて説明する。上記同様に、把手1を適宜に伸長させ、第2の保持片22と第3の保持片23を、適宜に開いて配置させる。
次に第2の保持片22と第3の保持片23を、図8(a)のようにボール5の上部に軽く当て、上記同様にボール5が前に行かないように押える。また第1の保持片21がボール5の後側から下方へ押し付けられるように、把手1を下方へ押す。すると、弾性の弱い第1の保持片21が図8(b)の矢印に示すように開く。そして、第4の保持片24がボール5に当接しながらそのボール5は、回転して第2の保持片22と第3の保持片23側へ押し込まれる。更に、第4の保持片24がボール5の下部まで押し下げられると、ボール5は、図8(c)に示すように第4の保持片24,第2の保持片22,第3の保持片23によって、3方向から保持されるので、ボール5を確実に拾上げることができる。
【0035】
図1図2に示す本実施形態の具体的な使用方法について説明する。先ずボール5が川や池に落ちた場合は、長尺な把手1を適宜に伸長させ、第2の保持片22と第3の保持片23をボール5の前側を押え、第1の保持片21をボール5の後側から当て、ボール5の下部に差し込むようにする。これにより、ボール5の浮力と回転で、上記同様に第1の保持片21,第2の保持片22,第3の保持片23によって保持される。この時、ボール5は3方向から保持されながら拾上げられる。
【0036】
またボール5が窪地や穴等に落ちた場合は、上記同様に長尺な把手1を適宜に伸長させ、第2の保持片22と第3の保持片23をボール5の前側を押えて前に行かないように維持させ、第1の保持片21を、上記要領でボール5の後側から当て、ボール5の下部に差し込むようにして、把手1を下方に押えれば、第1の保持片21の開きに伴って、第2の保持片22と第3の保持片23の内側に、ボール5が保持される。またボール5は第1の保持片21,第2の保持片22,第3の保持片23によって、3方向から保持されるので、窪地や穴等からボール5を拾上げて回収すれば良い。
【0037】
図9は大きなボール5を拾上げる場合に対応させるために、保持部材2の取付位置を移動させた状態を示す図であり、この図に基づいて説明する。先ずナット32を弛めて外し、取付部11及び第1の保持片21から、第2,第3の保持片22,23を外す。この際、第2の保持片22と第3の保持片23とネジ31が分離しないように取付穴11aから外す。その後、この状態を保持し、取付部11の外側寄り(図中に於いては右側)の取付穴11bに前記ネジ31の先端を挿入させる。そして、ネジ31の先端にナット32を螺合させて締付ければ、大きなボールの保持が可能となる。
【0038】
次にバスケットボールなどの大きなボール5を拾上げる時は、第2の保持片22と第3の保持片23を適宜に開き、平面視Y字状に配置させる。その後、大きなボール5を上記要領で第1の保持片21,第2の保持片22,第3の保持片23の3本で保持することにより、ボール5は3方向から保持して確実な拾上げが可能になる。
【0039】
このように本実施形態は、ボール5が川や池などに落ちた場合,窪地や田んぼなどの湿地にボール5が落ちた場合,崖(段差部)や人が入りにくい穴等に落ちた場合,草叢でボールが見えるが、それを拾いにくい足場の悪い所にボール5が落ちた場合であっても、ボール5が保持部材2によって、弾性的に挟み込まれて拾上げることができる。従って、悪条件下であってもボール5の拾上げ時に落下させる恐れがなく、確実にボール5の拾上げが可能となる。
【0040】
また第2の保持片22と第3の保持片23を、回動可能とすることで、保持部材2が折り畳み可能となり、コンパクトに収納され、持ち運びが便利になる。
【0041】
また締結部材3を弛めて、第2の保持片22と第3の保持片23の取付位置を、所定の取付穴11a,11bに移動し配置させることにより、ボール5のサイズに合せて調節することが可能となる。このため、中型であるハンドボールから大型であるバスケットボールのボール5を、本実施形態で拾上げて回収することが可能となる。
【符号の説明】
【0042】
1 把手
11 取付部
11a,11b 取付穴
2 保持部材
21 第1の保持片
22 第2の保持片
23 第3の保持片
24 第4の保持片
33 柔軟性部材
5 ボール
【要約】
【課題】本発明は、ドッジボール、ハンドボールからバスケットボール等の中型、大型のボールが、川や池などに落ちた際、水に濡れずに、ボールを保持して拾上げ可能なボールの拾上げ具を提供することを目的とする。
【解決手段】 中型、大型のボールの拾上げ具であって、長尺な把手1と、その先端に取付けると共に弾性を有する円弧状部材から構成された保持部材2と、を有し、保持部材2が複数の保持片21,22,23を備えると共に、保持部材2が、ボール5を複数方向から保持可能に配置された拾上げ具である。また保持部材2は少なくとも、第1の保持片21及び第2の保持片22を備え、第1の保持片21が、把手1の延出方向に延出して把手1に固定され、第2の保持片22が、第1の保持片21と反対方向に配置され、且つ、第1の保持片21の弾性が、第2の保持片22の弾性よりも弱く構成される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9