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特許7328540焼結原料のサンプリング装置、及びこれを用いた焼結原料のサンプリング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】焼結原料のサンプリング装置、及びこれを用いた焼結原料のサンプリング方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 1/16 20060101AFI20230809BHJP
   F27B 21/14 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
C22B1/16 Q
F27B21/14 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019211038
(22)【出願日】2019-11-22
(65)【公開番号】P2020176328
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】P 2019079109
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132230
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 一也
(74)【代理人】
【氏名又は名称】成瀬 勝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100198269
【弁理士】
【氏名又は名称】久本 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100088203
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 英一
(74)【代理人】
【識別番号】100100192
【弁理士】
【氏名又は名称】原 克己
(72)【発明者】
【氏名】小林 一暁
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 淳
(72)【発明者】
【氏名】脇坂 毅
(72)【発明者】
【氏名】原 恭輔
(72)【発明者】
【氏名】篠原 貴司
【審査官】藤長 千香子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-229820(JP,A)
【文献】特開2018-044188(JP,A)
【文献】実開平02-022360(JP,U)
【文献】特開昭59-143030(JP,A)
【文献】実開昭54-067991(JP,U)
【文献】実開昭58-150793(JP,U)
【文献】特開2003-074045(JP,A)
【文献】特開2004-108102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22B 1/16
C22B 1/20
F27B 21/14
G01N 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結機の焼成パレットに装入された焼結原料の原料層から焼結原料の試料を採取するサンプリング装置であって、
下端に開口部を有して、前記原料層に対して挿抜が可能な昇降機構を備える採取管と、
前記採取管内に挿通される杭本体を有して、該杭本体の先端部近傍のみに回転推進翼が固着され、前記原料層に対して挿抜が可能な昇降機構を備えると共に、前記回転推進翼の回転が可能な回転機構を備える回転貫入杭とを有して、
前記採取管及び前記回転貫入杭が原料層に挿入された状態で、前記回転貫入杭の回転推進翼が前記採取管の開口部を閉塞し、これらの採取管及び回転貫入杭を原料層から抜去することで、原料層から焼結原料の試料を採取することを特徴とする、焼結原料のサンプリング装置。
【請求項2】
前記採取管と前記回転貫入杭とが個別の昇降機構を備えるか、又は、前記採取管と前記回転貫入杭とが共通の昇降機構を備える、請求項1に記載の焼結原料のサンプリング装置。
【請求項3】
前記回転貫入杭の回転推進翼が閉塞する前記採取管の開口部側に配される補助蓋を更に備える、請求項1又は2に記載の焼結原料のサンプリング装置。
【請求項4】
前記回転貫入杭の回転推進翼が、前記杭本体の周りを螺旋状に旋回して取り付けられた螺旋状回転翼である、請求項1~3のいずれかに記載の焼結原料のサンプリング装置。
【請求項5】
前記回転貫入杭の回転推進翼が、円盤を半分に分割した2枚の半円状羽根が前記杭本体を挟んで互い違いに傾斜するように取り付けられた羽根型回転翼である、請求項1~3のいずれかに記載の焼結原料のサンプリング装置。
【請求項6】
前記回転貫入杭の回転推進翼は、杭本体の周りを1ピッチ(1周期)で取り付けられている、請求項1~5のいずれかに記載の焼結原料のサンプリング装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のサンプリング装置を使用して、焼結機の焼成パレットに装入された焼結原料の原料層から焼結原料の試料を採取する焼結原料のサンプリング方法であって、
前記採取管を昇降機構により下降させて、前記原料層に挿入する工程と、
前記回転貫入杭を回転機構により回転させながら昇降機構により下降させて前記原料層に挿入し、回転貫入杭の回転推進翼が採取管の開口部に達したところで、回転機構による回転を止めて採取管の開口部を回転推進翼で閉塞する工程と、
これらの採取管及び回転貫入杭を原料層から抜去する工程と、
を有することを特徴とする、焼結原料のサンプリング方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれかに記載のサンプリング装置を使用して、焼結機の焼成パレットに装入された焼結原料の原料層から焼結原料の試料を採取する焼結原料のサンプリング方法であって、
前記採取管内に前記回転貫入杭の杭本体を挿通した状態で、回転機構により回転貫入杭を回転させながら、これらの採取管及び回転貫入杭を昇降機構により下降させて、前記原料層に挿入する工程と、
回転機構による回転を止めて採取管の開口部を回転貫入杭の回転推進翼で閉塞する工程と、
これらの採取管及び回転貫入杭を原料層から抜去する工程と、
を有することを特徴とする、焼結原料のサンプリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結機の焼成パレットに装入された焼結原料の原料層から焼結原料の試料を採取するサンプリング装置、及びこれを用いた焼結原料のサンプリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高炉で用いられる鉄原料には、採掘された鉄鉱石の塊鉱のほか、粉鉱を焼成した焼結鉱がある。焼結鉱は、鉄鉱石の粉鉱を石灰石や粉コークス等と共に焼成することで得ることができる。
【0003】
この焼結鉱を製造するにあたり、一般には、先ず、種々の銘柄の粉鉱と、石灰石等の副原料と、固体燃料となる粉コークス等の炭材とを所定の比率で配合し、水を加えて擬似的な粒子に造粒して、造粒した焼結原料を水平方向に連続的に移動するDL(ドワイトロイド)型焼結機の焼成パレットに装入する。次いで、焼成パレットに装入された焼結原料からなる原料層の上層部をバーナー等で着火し、焼成パレットの下方から吸引して、強制的に通風しながら焼結原料を焼結させる。
【0004】
このような焼結反応の進行は、焼結原料自体の配合割合のほか、焼成パレット中での原料層の通気性等に依存する。なかでも、原料層の通気性は、焼成パレットにおける焼結原料の充填状態や原料層の空隙率、焼結原料の粒度等の影響を受ける。そのため、原料層の深さ方向における焼結原料の粒度分布や充填の程度など、焼成パレットでの焼結原料の充填状態を正確に把握することは重要である。
【0005】
例えば、焼結機の焼成パレットにおける実際の原料層の状態を調査するために、パレット1台をオフラインに搬出してボーリング調査を行うことも考えられる。しかしながら、それに伴う長時間の設備停機と多大なコストを要することになってしまう。
【0006】
そこで、下端に開口部を有する採取管と、採取管を昇降させて原料層に対して挿抜する昇降機構と、採取管の下端の開口部を閉塞するための底蓋と、底蓋を支持するアームを備えて底蓋を回動させる回動機構とを備えたサンプリング装置が知られている(特許文献1参照)。このサンプリング装置によれば、焼結機に装入された焼結原料の原料層に採取管を挿入し、アームと共に底蓋を回動させて採取管の開口部を閉塞して、この状態で底蓋と共に採取管を引き上げる(抜去する)ことで、原料層での実際の充填状態を維持したまま、焼結原料を採取(サンプリング)することができる。
【0007】
ところで、地質調査分野においては、地盤の構成を知ることを目的として、ボーリング調査が行われる。このようなボーリング調査に用いられる道具として、オーガーと呼ばれる回転貫入杭がある。このオーガーは、例えば、上下に長い丸棒状の部材であるサンプリングロッドの上下に亘って螺旋状の刃が連続して刻設されたようなものであり(特許文献2参照)、これを地表面に立て、地中に向かって回転貫入すると、螺旋状の刃ごと地中に潜り込む。必要な深さまで潜り込んだところで回転貫入を止めて、オーガーを地中から引き抜くと(抜去すると)、螺旋状の刃の間に挟み込まれた地質が地盤試料として回収できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第5697528号
【文献】特許第3621940号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した特許文献1に係るサンプリング装置について、その主要部は図11に示した通りであるが、このサンプリング装置には、次の点で改良の余地がある。
【0010】
すなわち、下端に開口部11aを有した採取管11を原料層に挿入して、採取管11の開口部11aを閉塞するために、先端部に底蓋14を有したアーム13を回動させると、採取管11とアーム13との間の焼結原料が邪魔をして、開口部11aが底蓋14で完全に塞がれずに隙間が生じたり、場合によっては、採取管外側の焼結原料がアーム13で押し付けられて(土圧が発生して)、採取管11が屈曲するなど変形してしまうおそれがある。また、ジョイント部12を介してアーム13を採取管11に回動自在に連結する回動軸15に大きな負荷が掛かってしまう。そのため、採取管11やアーム13を厚肉化するなどして高強度化したり、サンプリング装置自体を大型にするなどの必要がある。特に、焼成パレットに装入する原料層の厚みが増すと、採取管11やアーム13を長くしなければならず、このような問題はより顕著になる。
【0011】
一方で、仮に、地質調査で使用されるオーガーを焼成パレットからの焼結原料の試料採取に適用すると、採取された試料における焼結原料の粒子径が実際のものとは違ってしまう。その理由として、第一に、オーガーには多周期にわたって刃が取り付けられているが、オーガーが回転貫入され、その刃が焼結原料に触れた際、若しくはせん断応力が加えられた際、焼結原料の粒子(造粒物)が粉砕されてしまうためである。第二に、オーガーの刃が回転貫入されて、その刃が焼結原料に触れると、焼結原料をオーガーの外側に押し出してしまうためである。特に、この点については、粒径が大きな焼結原料に対して顕著になると考えられる。そのため、採取される焼結原料の粒子径分布が、実際のものとは異なるものになってしまうと考えられ、焼結原料のサンプリング装置には不向きであると言える。
【0012】
そこで、本発明者らは、焼結原料をサンプリングする従来のサンプリング装置の問題を解消するために鋭意検討した結果、先端部近傍に回転推進翼が固着された杭本体を有する回転貫入杭を用いて、この回転貫入杭が採取管内に挿通された状態で、回転推進翼が採取管の開口部を閉塞するようにすることで、アームを回動させて採取管の開口部を底蓋で塞ぐような動作を不要にしながら、焼結原料のサンプリングを行うことが可能になることから、本発明を完成させた。
【0013】
したがって、本発明の目的は、焼結機の焼成パレットに装入された焼結原料の原料層から、実際の充填状態を維持したまま焼結原料の試料をサンプリングすることができ、しかも、装置自体の大型化や高強度化を図るかわりに、サンプリングにあたり発生する機械的負荷を低減できる焼結原料のサンプリング装置を提供することにある。
【0014】
また、本発明の別の目的は、上記サンプリング装置を使用することで、焼結機の焼成パレットに装入された焼結原料の原料層から、実際の充填状態を維持したまま焼結原料の試料をサンプリングすることができ、しかも、サンプリングにあたっての作業負荷を減らすことができる焼結原料のサンプリング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
すなわち、本発明は、焼結機の焼成パレットに装入された焼結原料の原料層から焼結原料の試料を採取するサンプリング装置であって、
下端に開口部を有して、前記原料層に対して挿抜が可能な昇降機構を備える採取管と、
前記採取管内に挿通される杭本体を有して、該杭本体の先端部近傍のみに回転推進翼が固着され、前記原料層に対して挿抜が可能な昇降機構を備えると共に、前記回転推進翼の回転が可能な回転機構を備える回転貫入杭とを有して、
前記採取管及び前記回転貫入杭が原料層に挿入された状態で、前記回転貫入杭の回転推進翼が前記採取管の開口部を閉塞し、これらの採取管及び回転貫入杭を原料層から抜去することで、原料層から焼結原料の試料を採取することを特徴とする、焼結原料のサンプリング装置である。
【0016】
また、本発明は、上記サンプリング装置を使用して、焼結機の焼成パレットに装入された焼結原料の原料層から焼結原料の試料を採取する焼結原料のサンプリング方法であって、
前記採取管を昇降機構により下降させて、前記原料層に挿入する工程と、
前記回転貫入杭を回転機構により回転させながら昇降機構により下降させて前記原料層に挿入し、回転貫入杭の回転推進翼が採取管の開口部に達したところで、回転機構による回転を止めて採取管の開口部を回転推進翼で閉塞する工程と、
これらの採取管及び回転貫入杭を原料層から抜去する工程と、
を有することを特徴とする、焼結原料のサンプリング方法である。
【0017】
更に、本発明は、上記サンプリング装置を使用して、焼結機の焼成パレットに装入された焼結原料の原料層から焼結原料の試料を採取する焼結原料のサンプリング方法であって、
前記採取管内に前記回転貫入杭の杭本体を挿通した状態で、回転機構により回転貫入杭を回転させながら、これらの採取管及び回転貫入杭を昇降機構により下降させて、前記原料層に挿入する工程と、
回転機構による回転を止めて採取管の開口部を回転貫入杭の回転推進翼で閉塞する工程と、
これらの採取管及び回転貫入杭を原料層から抜去する工程と、
を有することを特徴とする、焼結原料のサンプリング方法である。
【0018】
本発明のサンプリング装置では、採取管と回転貫入杭とがそれぞれ個別に昇降機構を備えて、原料層に対して挿抜できるようにしてもよく、或いは、採取管と回転貫入杭とが共通する昇降機構を備えて、原料層に対して挿抜できるようにしてもよい。
【0019】
また、本発明のサンプリング装置では、回転貫入杭の回転推進翼が閉塞する採取管の開口部側に配される補助蓋を更に備えるようにしてもよい。
【0020】
また、本発明のサンプリング装置における回転貫入杭の回転推進翼は螺旋状の回転翼であってもよく、或いは、羽根型の回転翼であってもよい。
【0021】
更に、本発明のサンプリング装置における回転貫入杭の回転推進翼は、好ましくは、杭本体の周りを1ピッチ(1周期)で取り付けられているのがよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、焼結機の焼成パレットに装入された原料層から、実際の充填状態を維持したまま焼結原料をサンプリングすることができ、焼成パレットでの焼結原料の状況を正確に把握することができるようになる。しかも、サンプリングにあたり発生する機械的負荷が低減されるため、焼成パレットに装入する原料層の層厚が増した場合にも適用可能であり、装置の軽量化を図ることもできて、作業負荷を低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明に係るサンプリング装置について説明するための模式図である。
図2図2は、回転貫入杭の回転推進翼の一例を示した説明図である。
図3図3は、採取管と回転貫入杭が備える昇降機構、及び、回転貫入杭が備える回転機構を説明するための模式図である。
図4図4は、本発明のサンプリング装置を使用した焼結原料のサンプリング方法を説明するための模式図であり、原料層に対して採取管と回転貫入杭とを個別に挿入する場合を示す。
図5図5は、本発明のサンプリング装置を使用した焼結原料のサンプリング方法を説明するための他の模式図であり、原料層に対して採取管と回転貫入杭とを同時に挿入する場合を示す。
図6図6は、本発明のサンプリング装置が、更に補助蓋を備えた様子を示す模式図である。
図7図7は、試験1、2で使用した回転貫入杭の回転推進翼の部分(羽根型回転翼)の様子を示す模式図である。
図8図8は、試験1、2で使用した回転貫入杭の回転推進翼の部分(螺旋状回転翼)の様子を示す模式図である。
図9図9は、試験1において本発明例と比較例(平板)とで採取された焼結原料の重さを比較したグラフである。
図10図10は、試験2において本発明例と比較例(平板及びオーガー)とで採取された焼結原料の原料粒子の相対質量を比較したグラフである。
図11図11は、従来のサンプリング装置を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
本発明に係るサンプリング装置について、図1には、その主要部が示されている。すなわち、本発明におけるサンプリング装置は、下端に開口部1aを有した採取管1と、この採取管1内に挿通される杭本体2を有して、該杭本体2の先端部近傍に回転推進翼3が固着された回転貫入杭4とを備えており、これら採取管1及び回転貫入杭4が原料層に挿入されたときに、回転貫入杭4の回転推進翼3が採取管1の開口部1aを閉塞することができる。そのため、この状態で採取管1及び回転貫入杭4を原料層から抜去することで、原料層から焼結原料の試料を採取することができる。
【0026】
このうち、採取管1について、好適には、下端が開放されると共に、上端も開放された略円筒形状を有して、その内部は中空である。採取管1の下端(管底面側)には円形の開口部1aが設けられており、採取管1を原料層に挿入したときに、当該開口部1aから焼結原料の試料が採取管1内に進入する。その際の挿入抵抗を減少させるために、採取管1の下端部を先鋭化するようにしてもよい。一方、採取管1の上端(管上面側)の開口部1bからは回転貫入杭4の回転推進翼3が挿入される。この上端の開口部1bの周りにはフランジ部1cを設けるようにしてもよい。また、この採取管1については、先の特許文献1(特許第5697528号)に記載されるように、採取管1の側面に仕切板を挿入するための複数のスリ
ットを軸方向に等ピッチで設けるようにしてもよい。これにより、採取管1内に採取された焼結原料の柱状サンプルを軸方向に対して垂直に分割することができ、原料層の深さ方向で試料を分析する上で好都合である。
【0027】
一方、回転貫入杭4については、回転推進翼3の外径(直径)が採取管1の内径と略等しくなるようにする。そのため、杭本体2を回転軸として回転させながら下降させることで、回転貫入杭4は回転推進翼3のねじ込み作用により原料層内を進み(掘進し)、回転推進翼3が採取管1の下端に達したところで、回転推進翼3が採取管1の開口部1aを塞いで、底蓋の役割をする。この回転推進翼3の形状について、好ましくは、図1に示されるように、円盤を半分に分割した2枚の半円状羽根が、杭本体2を挟んで互い違いに傾斜するように取り付けられた羽根型回転翼3a、3bであったり、或いは、図2に示されるように、杭本体2の周りを螺旋状に旋回して取り付けられる螺旋状回転翼3cであるのがよい。これら羽根型回転翼3a、3bや螺旋状回転翼3cは、いずれの場合においても杭本体の周りに1ピッチ(1周期)で取り付けられるようにするのがよい。これは回転翼の枚数やピッチ数が増えると、回転貫入される際に、焼結原料の粒子を粉砕する可能性が高くなるためである。なお、杭本体2の先端部は先鋭化するようにしてもよい。
【0028】
ここで、上記のような羽根型回転翼3a、3bや螺旋状回転翼3cが一回転したときの並進距離であるフィードには、適正値があると考えられる。つまり、フィードが大きくなり過ぎると、回転貫入杭4はより少ない回転数で採取管1の下端側の開口部1aまで貫入できるため、貫入時間を短くすることができるものの、羽根型回転翼3aと羽根型回転翼3bとの高さ方向の隙間(ギャップ)や同じく螺旋状回転翼3cの高さ方向の隙間(ギャップ)が広くなるため、この間に相当する焼結原料は採取管1内にうまく掬い上げできないおそれが生じる。一方で、このフィードが小さくなり過ぎると、採取管1の下端側の開口部1aまで貫入するために必要な回転貫入杭4の回転数が多くなり、貫入時間が長くなってしまうと共に、粒子径の大きな焼結原料に羽根型回転翼3a、3bや螺旋状回転翼3cが当たってしまい貫入が止まってしまうほか、このような焼結原料を噛み込んでしまい採取管1内での焼結原料の配置状態を変化させてしまうおそれがある。そのため、少なくとも焼結原料の粒径よりもフィードを大きくするのがよく、実際には、焼結原料の粒径の2~3倍程度のフィードとなるようにするのがよい。
【0029】
本発明のサンプリング装置において、採取管1は、原料層に対して挿抜が可能な昇降機構を備えている。また、回転貫入杭4は、原料層に対して挿抜が可能な昇降機構を備えると共に、回転推進翼3の回転が可能な回転機構を備えている。ここで、図3(a)に示したように、採取管1と回転貫入杭4とが個別に昇降機構5を備えるようにしてもよい。或いは、図3(b)に示したように、採取管1と回転貫入杭4とが共通の昇降機構5を備えるようにして、採取管1と回転貫入杭4の上下動が一体になるようにしてもよい。
【0030】
このうち、昇降機構については、採取管1や回転貫入杭4を上下方向に昇降させて、原料層に挿抜する機能を有するものであればよく、電動シリンダ、油圧シリンダ、圧空シリンダ等の公知の昇降装置を使用することができる。その際、例えば、鉛直方向に延びる支柱を設けて、これに沿うようにしながら、採取管1や回転貫入杭4を原料層に挿抜するようにしてもよい。一方、回転貫入杭4の回転機構6については、杭本体2を回転軸にして回転推進翼3を回転させることができる機能を有するものであればよく、モータ等の公知の回転駆動装置を使用することができる。ここで、回転貫入杭4を上下方向に昇降させる装置としてシリンダを用いる場合、シリンダ軸が回転可能なものを用いるなどして、回転貫入杭4の回転と昇降とが一体的に行われるようにしてもよい。
【0031】
このようなサンプリング装置を用いて、焼結機の焼成パレットに装入された焼結原料の原料層から焼結原料の試料を採取する方法について、好適には、次のような方法を示すことができる。なお、以下の内容は、原料層に対して採取管1と回転貫入杭4とを同時に挿入するか否かに着目したものであり、この点以外について、本発明は特に制限されない。
【0032】
図4には、原料層7に対して採取管1と回転貫入杭4とを個別に挿入する方法の例が示されている。この場合における焼結原料のサンプリング方法は、採取管を昇降機構により下降させて原料層に挿入する工程と、回転貫入杭を回転機構により回転させながら昇降機構により下降させて原料層に挿入し、回転貫入杭の回転推進翼が採取管の開口部に達したところで、回転機構による回転を止めて採取管の開口部を回転推進翼で閉塞する工程と、これらの採取管及び回転貫入杭を原料層から抜去する工程とを有するものである。
【0033】
詳しくは、先ず、図4(a)に示すように、サンプリング装置の採取管1及び回転貫入杭4を、焼成パレットに装入された焼結原料の原料層7の上方に配置する。次いで、採取管1の昇降機構により採取管1を鉛直方向に下降させて、該採取管1を原料層7内に所望の深さまで挿入する。これにより、採取管1下端の開口部1aから採取管1内に原料層7の所望位置の焼結原料が充填される。
【0034】
次に、図4(c)に示すように、回転貫入杭4の回転機構により杭本体2を回転軸として回転させながら、回転貫入杭4の昇降機構により回転貫入杭4を鉛直方向に下降させて原料層7内に挿入する。このとき、回転推進翼3のねじ込み作用により原料層内を進むため、造粒した焼結原料の粉砕も抑えられ、所望の深さまで挿入したところで、採取管1の開口部1aを該回転貫入杭4の回転推進翼3で塞ぐようにする。
【0035】
次いで、図4(d)に示すように、回転貫入杭4は回転させずに、採取管1と回転貫入杭4とをそれぞれの昇降機構により鉛直方向に上昇させて、原料層からこれらを引き抜く(抜去する)ようにする。これにより、採取管1内の柱状サンプル8を下方に落下させるおそれもなく、原料層1内での充填状態のままで柱状サンプル8を採取することができる。しかも、アームを回動させて採取管の開口部を塞ぐ場合のように、採取管外側の焼結原料がアームで押し付けられることにより、採取管1を変形させたりするおそれがなく、例えば採取管1自体の薄肉化、軽量化が可能であり、引き続いて行われる柱状サンプル回収作業の作業負荷も軽減される。
【0036】
一方、図5には、原料層7に対して採取管1と回転貫入杭4とを同時に挿入する方法の例が示されている。この場合における焼結原料のサンプリング方法は、採取管内に回転貫入杭の杭本体を挿通した状態で、回転機構により回転貫入杭を回転させながら、これらの採取管及び回転貫入杭を昇降機構により下降させて、原料層に挿入する工程と、回転機構による回転を止めて採取管の開口部を回転貫入杭の回転推進翼で閉塞する工程と、これらの採取管及び回転貫入杭を原料層から抜去する工程とを有するものである。
【0037】
詳しくは、先ず、図5(a)に示すように、先の図4のときと同様、サンプリング装置の採取管1及び回転貫入杭4を焼結原料の原料層7の上方に配置する。但し、この場合には、予め、採取管1内に回転貫入杭4の杭本体2が挿通して、尚且つ、回転貫入杭4の回転推進翼3が採取管1の開口部1aを塞いでおくようにしておく。次いで、図5(b)に示すように、採取管1と回転貫入杭4の昇降機構によりこれらを同時に鉛直方向に下降させて、原料層7内に挿入する。その際、回転貫入杭4は回転機構により回転させて、回転推進翼3による掘進の速度と採取管1及び回転貫入杭4の下降速度とが同期するようにするのがよい。
【0038】
そして、図5(c)に示すように、採取管1及び回転貫入杭4が原料層7内の所望の深さまで挿入されたところで、これらの下降と回転を止める。次いで、先の図4の場合と同様、図5(d)に示すように、回転貫入杭4は回転させずに、採取管1と回転貫入杭4とをそれぞれの昇降機構により鉛直方向に上昇させて、原料層からこれらを引き抜く(抜去する)ようにすればよい。これにより、先の場合と同様に焼結原料の試料(柱状サンプル8)を採取することができる。しかも、図5に示した方法では、採取管1と回転貫入杭4の挿入を同時に行うため、サンプリングに要する時間を短縮することができる。
【0039】
本発明におけるサンプリング装置は、先の特許文献1に記載されるものと同様に、焼結機の焼成パレットを幅方向に跨ぐように架設された架台に設置することができる。架台は、焼結機の所定箇所に固定的に設置されてもよいし、焼結機の長手方向に移動可能なように設置されてもよい。また、クレーン等の搬送手段により搬送されて、適宜の位置に載設されてもよい。設置場所については、造粒した焼結原料を焼成パレットに装入する装入装置よりも進行方向下流側に設置するのがよい。その際、バーナー等を有して原料層の上層部を着火する点火装置(点火炉)との位置関係については特に制限されない。しかしながら、点火炉の下流側に設置する場合、焼成パレット内における試料採取位置の周辺に対して、点火炉による原料層の上層部への着火が行われないよう、点火炉を一時的に停止させる、燃焼量を抑える、原料層表面を不燃性もしくは難燃性のシート等で覆う等の対策を取るのが望ましい。同じく、点火炉の下流側に設置する場合には、サンプリング装置はできるだけ点火炉に近接して設置するのがよい。前述の通り、試料採取位置の周辺には着火されないように何らかの対策を取るのがよいが、その更に外側は着火されていることになる。したがって、点火炉からサンプリング装置までの距離が遠ければ、着火されている領域から焼成領域が水平方向に伝播してしまう。それを防止するためには、着火が行われない領域を広げる必要があるが、そのようなことを行うと、焼結機の生産性悪化につながる。このようにして点火前の焼結原料の原料層から試料(柱状サンプル)を採取するのが望ましい。
【0040】
また、上記のような架台をガイドレールとして機能させて、サンプリング装置を焼成パレットの幅方向に移動可能となるようにしてもよい。その際、作業員が手動でサンプリング装置を焼成パレット幅方向に移動させてもよいし、電動モータ等の駆動源の動力を用いて移動させるようにしてもよい。これにより、焼成パレット幅方向の任意の位置の原料層から試料を採取することが可能となる。
【0041】
また、本発明においては、図6に示したように、回転貫入杭4の回転推進翼3が閉塞する採取管1の開口部1a側に配される補助蓋9を更に備えるようにしてもよい。これにより、原料層7に挿入された採取管1の開口部1aを回転貫入杭4の回転推進翼3で塞ぎ、この状態で採取管1及び回転貫入杭4を原料層7から抜去した後、補助蓋9により採取管1の開口部1aを更に塞ぐことで、例えば、サンプリング装置を焼成パレットの幅方向に移動させる際に、採取管1内に採取された柱状サンプル8の一部(焼結原料)が原料層7側にこぼれ落ちるのを防止することができる。このような補助蓋9としては、単に板状のものであってもよく、落下した焼結原料が収容できるように皿状のものであってもよい。
【0042】
本発明によれば、実際の充填状態を維持したまま焼結原料の試料(柱状サンプル)をサンプリングすることができると共に、採取した試料の深さ位置も明確であることから、焼成パレットに充填された焼結原料の様子を直接的に把握することができる。しかも、本発明のサンプリング装置は、サンプリングにあたり発生する機械的負荷が低減されるため、焼成パレットに装入する原料層の層厚が増した場合にも適用可能である。更には、装置の軽量化を図ることもできて、作業負荷を減らすことにもなる。
【実施例
【0043】
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は以下の内容に制限されるものではない。
【0044】
<試験1>
先ず、本発明のような回転貫入杭が、採取管の下端の開口部を塞ぐ底蓋の役割をどの程度果たすことができるかについて調査した。本試験では、内径150mm、厚み(板厚)3mm、長さ900mmの両端が開口して円筒形状をした普通鋼製の採取管を用意した。但し、採取管の下端側は、先端部分が先鋭化処理されている。一方、回転貫入杭としては、直径13mm、長さ1000mmの普通鋼製の丸棒を杭本体とし、その先端部近傍に羽根型回転翼を固着したものと、同じく上記の杭本体の先端部近傍に螺旋状回転翼を固着したものとを用意した。これらの回転推進翼のうち、羽根型回転翼については、図7に示したように、直径145mm、厚み2.3mmの円盤状平板1枚を半分に分割することで製作し、2つの羽根型回転翼3a、3bが水平面(地面)に対して20度傾くようにそれぞれ傾斜させると共に、それらが杭本体2を挟んで互いの成す角度が40度になるように互い違いに向けて、尚且つ、各羽根型回転翼3a、3bの下端部が杭本体2の先端部と同じ高さになるようにして取り付けた(これを「羽根(スクリュー)」を有する回転貫入杭という)。一方、螺旋状回転翼については、図8に示したように、直径145mm、厚み2.3mmの円盤状平板の一部に切り込みを入れて高さ方向に引き延ばし、螺旋状回転翼3cの高さ方向の隙間(ギャップ)Lが55mmとなるようにして、尚且つ、螺旋状回転翼3cの下端部が杭本体2の先端部と同じ高さになるようにして取り付けたもの(これを「螺旋A」を有する回転貫入杭という)と、同じく直径145mm、厚み2.3mmの円盤状平板を用いて、上記の隙間Lが110mmとなるようにしたもの(これを「螺旋B」を有する回転貫入杭という)とをそれぞれ用意した。なお、いずれの回転貫入杭についても杭本体2の先端部は先鋭化させている。
【0045】
試験にあたっては、原料層の高さが700mmとなるように焼結原料が装入された箱型容器に対して、先ず、採取管のみを0.1~6.0m/minの速度で下端の開口部が箱型容器の底に到達するまで挿入した。次いで、回転貫入杭の回転推進翼を採取管上端の開口部に差し込むようにして、0.1~6.0m/minの速度で鉛直方向に下降させた。その際、回転貫入杭の杭本体を1.8~110rpmの速度で回転させて、杭本体の先端部が箱型容器の底に到達するまで回転貫入させた。杭本体の先端部が箱型容器の底に到達したところで回転を止め、その状態のまま、採取管と回転貫入杭を0.5m/min程度の速度でゆっくりと鉛直方向に上昇させて原料層から引き抜き、採取管内に充填されて採取された焼結原料の重さを測定するようにして、このような試験を回転推進翼の異なる3種類の回転貫入杭を用いてそれぞれ行った(本発明例)。その際、各回転貫入杭による原料層への回転貫入時のトルクを測定したところ、「スクリュー」を有する回転貫入杭でのトルクを1とすると、「螺旋A」を有する回転貫入杭でのトルクは0.85であり、「螺旋B」を有する回転貫入杭でのトルクは1.62であった。なお、試験に用いた焼結原料は、篩通過径として5mmより大きいものが約20質量%、5mm以下で1mmより大きいものが約55質量%、それ以下のものが約25質量%の粒度を有しており、水分量は7.0質量%程度である。
【0046】
一方、上記の結果と比較するために、箱型容器の原料層に上記と同様にして採取管を挿入した後、採取管の外側の焼結原料を箱型容器から払い出し、原料層の高さを下げてから、採取管下端の開口部に平板を差し込んで蓋をした。そして、開口部を平板で蓋をした状態のまま採取管を箱型容器から取り出し、採取管内に充填された焼結原料の重さを測定した(比較例)。このような試験をそれぞれ5回実施して、採取された焼結原料の重さを比較した。結果は図9に示した通りであり、本発明のように採取管内に回転貫入杭を挿入して焼結原料を採取する場合でも、ほぼロスなく焼結原料を採取できることが分かった。なお、図9では、採取管下端の開口部を平板で蓋をした場合の平均質量(サンプル回収量)を1として、各回転貫入杭の回転推進翼で蓋をした場合の平均質量(サンプル回収量)を相対値で示しており、その結果は、いずれも平板で蓋をした場合と誤差範囲内で同等であると言える。
【0047】
<試験2>
試験2では、先の試験1と同様にして、各回転貫入杭を用いて採取管下端の開口部の蓋をして、箱型容器に装入された原料層から焼結原料を採取した場合(本発明例)と、採取管下端の開口部を平板で蓋をして、同様に焼結原料を採取した場合(比較例)に加えて、地質調査用のオーガーを使用して、箱型容器に装入された原料層から焼結原料を採取して(比較例)、それぞれの方法における焼結原料の原料粒子への影響を下記のようにして調査した。
【0048】
ここで、オーガーは普通鋼製のものであり、長さ約1.5mの丸棒状サンプリングロッドの上下に亘って直径80mmの螺旋状の刃が連続して刻設されたものである。これを試験1と同様に焼結原料が装入された箱型容器(原料層の高さは700mm)に対して、手動にて回転貫入し、オーガーの先端が箱型容器の底に到達したところで、オーガーの回転貫入を停止し、原料層から鉛直上方に引き抜くことで焼結原料を採取した。そして、本発明に係る各回転貫入杭を用いて採取管下端の開口部の蓋をした場合、平板を用いて採取管下端の開口部の蓋をした場合、及び、このオーガーを使用した場合について、それぞれ回収された焼結原料の重さを測定すると共に、そのうち、直径が5mm以上の粒子を篩い分けして、その質量を求めた。その際、各場合で焼結原料の採取試験をそれぞれ3~5回実施して、採取した焼結原料において直径5mm以上の焼結原料が占める割合を算出した。なお、本試験で用いた焼結原料は直径が10mm以上のものから、直径が0.1mm以下のものまで様々な大きさの粒子が混在している。
【0049】
結果は図10に示した通りである。ここでは、採取管下端の開口部を平板で蓋をした場合の平均質量を1としており、他の場合での平均質量を相対値で示している。この図10から分かるように、採取された焼結原料のうち、直径5mm以上の粒子の存在割合は、オーガーでは顕著に少なくなっている。それに対して、回転貫入杭を用いた本発明例の場合には、誤差範囲において相対値が1程度であった。つまり、本発明によれば、焼結原料の粒径分布を維持したまま、サンプリングが可能であることが示された。
【符号の説明】
【0050】
1,11:採取管、1a,1b,11a:開口部、1c:フランジ部、2:杭本体、3:回転推進
翼、3a,3b:羽根型回転翼、3c:螺旋状回転翼、4:回転貫入杭、5:昇降機構、6:回転機構、7:原料層、8:柱状サンプル、12:ジョイント部、13:アーム、14:底蓋、15:回動軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11