(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】システム、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20230809BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20230809BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20230809BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
H04L12/28 500F
G06K7/14 017
H04M11/00 301
H04Q9/00 301D
(21)【出願番号】P 2019096703
(22)【出願日】2019-05-23
【審査請求日】2021-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】515263303
【氏名又は名称】株式会社リンクジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】河千泰 進一
(72)【発明者】
【氏名】許 ▲セン▼
(72)【発明者】
【氏名】馮 貴彬
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-216945(JP,A)
【文献】特表2016-522959(JP,A)
【文献】特表2016-541218(JP,A)
【文献】特開2008-042262(JP,A)
【文献】特開2010-219754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
H04Q 9/00
G06K 7/14
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
ユーザー端末
、情報処理装置
及び仲介装置を備え、
前記仲介装置は、室内機器への操作を仲介可能に構成され、
前記情報処理装置及び前記ユーザー端末は、それぞれ前記室内機器に直接又は前記仲介装置を介して接続して操作コマンドを送信可能に構成され、
前記ユーザー端末は、読取部、第1通信部、通信確立部、及び制御部を備え、
前記情報処理装置は、第2通信部、記憶部、及び権限設定部を備え、
前記読取部は、予め定められた情報を含む2次元コードを読み取り可能に構成され、
前記第1通信部は、前記読取部により読み取られた2次元コードに含まれる情報に基づいて、前記ユーザー端末を特定可能な端末情報を前記第2通信部に送信可能に構成され、
前記第2通信部は、前記端末情報を受信可能に構成され、
前記記憶部は、前記室内機器に対する複数の操作のうち許可された操作についての操作権限を表す権限情報を記憶し、
前記権限設定部は、前記第2通信部が受信した前記端末情報と、前記権限情報と、に基づいて、前記ユーザー端末に対して前記室内機器の前記操作権限を設定可能に構成され、
前記第2通信部は、前記権限設定部により設定された前記操作権限を表す権限情報を前記第1通信部に送信可能に構成され、
前記通信確立部は、前記第1通信部が受信した前記権限情報を反映した状態で前記室内機器との通信を確立可能に構成され、
前記権限情報は、前記ユーザー端末と前記室内機器との組合せ毎に、前記情報処理装置及び前記仲介装置のうちのいずれかを対応付ける情報であり、
前記制御部は、前記設定された権限情報に基づいて、前記室内機器について許可された操作を可能に構成され
、当該権限情報において前記室内機器に対応付けられている装置を介した当該室内機器への前記操作コマンドの送信が可能となるように制御可能に構成される、
システム。
【請求項2】
システムであって、
ユーザー端末
、情報処理装置
及び仲介装置を備え、
前記仲介装置は、室内機器への操作を仲介可能に構成され、
前記情報処理装置及び前記ユーザー端末は、それぞれ前記室内機器に直接又は前記仲介装置を介して接続して操作コマンドを送信可能に構成され、
前記ユーザー端末は、読取部、第1通信部、通信確立部、及び制御部を備え、
前記情報処理装置は、第2通信部、記憶部、及び権限設定部を備え、
前記読取部は、予め定められた情報を含む2次元コードを読み取り可能に構成され、
前記第1通信部は、前記読取部により読み取られた2次元コードに含まれる情報に基づいて、前記ユーザー端末を特定可能な端末情報を前記第2通信部に送信可能に構成され、
前記第2通信部は、前記端末情報を受信可能に構成され、
前記記憶部は、前記複数の室内機器の操作権限をそれぞれ表す権限情報を記憶し、
前記権限設定部は、前記第2通信部が受信した前記端末情報と、前記権限情報と、に基づいて、前記ユーザー端末に対して前記複数の室内機器の操作権限を一度に設定可能に構成され、
前記第2通信部は、前記権限設定部により設定された操作権限を表す権限情報を前記第1通信部に送信可能に構成され、
前記通信確立部は、前記第1通信部が受信した前記権限情報を反映した状態で前記複数の室内機器との通信を確立可能に構成され、
前記権限情報は、前記ユーザー端末と前記室内機器との組合せ毎に、前記情報処理装置及び前記仲介装置のうちのいずれかを対応付ける情報であり、
前記制御部は、前記設定された権限情報に基づいて、前記複数の室内機器を操作可能に構成され
、当該権限情報において前記室内機器に対応付けられている装置を介した当該室内機器への前記操作コマンドの送信が可能となるように制御可能に構成される、
システム。
【請求項3】
情報処理装置であって、
前記情報処理装置は、ユーザー端末
と、室内機器への操作を仲介可能な仲介装置とに通信可能に構成され、
前記情報処理装置及び前記ユーザー端末は、それぞれ前記室内機器に直接又は前記仲介装置を介して接続して操作コマンドを送信可能に構成され、
前記情報処理装置は、通信部、記憶部、及び権限設定部を備え、
前記通信部は、前記ユーザー端末から端末情報を受信可能に構成され、ここで、前記端末情報は、前記ユーザー端末を特定可能な情報であり、
前記記憶部は、前記室内機器に対する複数の操作のうち許可された操作についての操作権限を表す権限情報を記憶し、
前記権限設定部は、前記通信部が
前記端末情報を受信した場合に、当該端末情報と、前記権限情報と、に基づいて、
当該端末情報により特定される前記ユーザー端末に対して前記室内機器の前記操作権限を設定可能に構成され
、
前記通信部は、前記権限設定部により設定された操作権限を表す権限情報を前記ユーザー端末に送信可能に構成され、
前記権限情報は、前記ユーザー端末と前記室内機器との組合せ毎に、前記情報処理装置及び前記仲介装置のうちのいずれかを対応付ける情報であり、前記ユーザー端末に、前記設定された権限情報において前記室内機器に対応付けられている装置を介した当該室内機器への前記操作コマンドの送信が可能となるように制御させる情報である、
情報処理装置。
【請求項4】
情報処理装置であって、
前記情報処理装置は、ユーザー端末
と、室内機器への操作を仲介可能な仲介装置とに通信可能に構成され、
前記情報処理装置及び前記ユーザー端末は、それぞれ前記室内機器に直接又は前記仲介装置を介して接続して操作コマンドを送信可能に構成され、
前記情報処理装置は、通信部、記憶部、及び権限設定部を備え、
前記通信部は、前記ユーザー端末から端末情報を受信可能に構成され、ここで、前記端末情報は、前記ユーザー端末を特定可能な情報であり、
前記記憶部は、前記複数の室内機器の操作権限をそれぞれ表す権限情報を記憶し、
前記権限設定部は、前記通信部が
前記端末情報を受信した場合に、当該端末情報と、前記権限情報と、に基づいて、
当該端末情報により特定される前記ユーザー端末に対して前記複数の室内機器の前記操作権限を設定可能に構成され
、
前記通信部は、前記権限設定部により設定された操作権限を表す権限情報を前記ユーザー端末に送信可能に構成され、
前記権限情報は、前記ユーザー端末と前記室内機器との組合せ毎に、前記情報処理装置及び前記仲介装置のうちのいずれかを対応付ける情報であり、前記ユーザー端末に、前記設定された権限情報において前記室内機器に対応付けられている装置を介した当該室内機器への前記操作コマンドの送信が可能となるように制御させる情報である、
情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータを、情報処理装置として機能させるプログラムであって、
前記情報処理装置は、ユーザー端末
と、室内機器への操作を仲介可能な仲介装置とに通信可能に構成され、
前記情報処理装置及び前記ユーザー端末は、それぞれ前記室内機器に直接又は前記仲介装置を介して接続して操作コマンドを送信可能に構成され、
前記情報処理装置は、通信部、記憶部、及び権限設定部を備え、
前記通信部は、前記ユーザー端末から端末情報を受信可能に構成され、ここで、前記端末情報は、前記ユーザー端末を特定可能な情報であり、
前記記憶部は、前記室内機器に対する複数の操作のうち許可された操作についての操作権限を表す権限情報を記憶し、
前記権限設定部は、前記通信部が
前記端末情報を受信した場合に、当該端末情報と、前記権限情報と、に基づいて、
当該端末情報により特定される前記ユーザー端末に対して前記室内機器の前記操作権限を設定可能に構成され
、
前記通信部は、前記権限設定部により設定された操作権限を表す権限情報を前記ユーザー端末に送信可能に構成され、
前記権限情報は、前記ユーザー端末と前記室内機器との組合せ毎に、前記情報処理装置及び前記仲介装置のうちのいずれかを対応付ける情報であり、前記ユーザー端末に、前記設定された権限情報において前記室内機器に対応付けられている装置を介した当該室内機器への前記操作コマンドの送信が可能となるように制御させる情報である、
プログラム。
【請求項6】
コンピュータを、情報処理装置として機能させるプログラムであって、
前記情報処理装置は、ユーザー端末
と、室内機器への操作を仲介可能な仲介装置とに通信可能に構成され、
前記情報処理装置及び前記ユーザー端末は、それぞれ前記室内機器に直接又は前記仲介装置を介して接続して操作コマンドを送信可能に構成され、
前記情報処理装置は、通信部、記憶部、及び権限設定部を備え、
前記通信部は、前記ユーザー端末から端末情報を受信可能に構成され、ここで、前記端末情報は、前記ユーザー端末を特定可能な情報であり、
前記記憶部は、前記複数の室内機器の操作権限をそれぞれ表す権限情報を記憶し、
前記権限設定部は、前記通信部が
前記端末情報を受信した場合に、当該端末情報と、前記権限情報と、に基づいて、
当該端末情報により特定される前記ユーザー端末に対して前記複数の室内機器の前記操作権限を設定可能に構成され
、
前記通信部は、前記権限設定部により設定された操作権限を表す権限情報を前記ユーザー端末に送信可能に構成され、
前記権限情報は、前記ユーザー端末と前記室内機器との組合せ毎に、前記情報処理装置及び前記仲介装置のうちのいずれかを対応付ける情報であり、前記ユーザー端末に、前記設定された権限情報において前記室内機器に対応付けられている装置を介した当該室内機器への前記操作コマンドの送信が可能となるように制御させる情報である、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、情報処理装置及びプログラムに関する。
【0002】
スマートデバイスを利用して種々の機器を制御するサービスが提案されている。かかるサービスは、例えば、スマートデバイスと制御対象の機器を同一のネットワークに接続することにより実現される。
【0003】
特許文献1には、ユーザーがWi-Fi認証情報を記憶又は記録する必要がなく、ユーザエクスペリエンスを改善する、Wi-Fiホットスポットデバイスに接続するための方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、スマートデバイスを利用して種々の機器を制御できる環境を構築する場合、ネットワークのペアリングや制御対象の機器の登録等、初期設定が煩わしく、かかるサービスを利用するハードルが高い。
【0006】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、ユーザー端末を利用して室内機器を制御する際の初期設定を簡易に完了可能なシステム、情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、システムであって、ユーザー端末及び情報処理装置を備え、前記情報処理装置は、直接又は間接的に室内機器を操作可能に構成され、前記ユーザー端末は、読取部、第1通信部、通信確立部、及び制御部を備え、前記情報処理装置は、第2通信部、記憶部、及び権限設定部を備え、前記読取部は、予め定められた情報を含む2次元コードを読み取り可能に構成され、前記第1通信部は、前記読取部により読み取られた2次元コードに含まれる情報に基づいて、前記ユーザー端末を特定可能な端末情報を前記第2通信部に送信可能に構成され、前記第2通信部は、前記端末情報を受信可能に構成され、前記記憶部は、前記室内機器の操作権限を表す権限情報を記憶し、前記権限設定部は、前記第2通信部が受信した前記端末情報と、前記権限情報と、に基づいて、前記ユーザー端末に対して前記室内機器の操作権限を設定可能に構成され、前記第2通信部は、前記権限設定部により設定された操作権限を表す権限情報を前記第1通信部に送信可能に構成され、前記通信確立部は、前記第1通信部が受信した前記権限情報を反映した状態で前記室内機器との通信を確立可能に構成され、前記制御部は、前記設定された権限情報に基づいて、前記室内機器を操作可能に構成される、システムが提供される。
【0008】
本発明によれば、情報処理装置がユーザー端末を特定する端末情報を取得すると、情報処理装置に予め記憶された操作権限に基づいて、ユーザー端末に対して室内機器の操作権限を設定可能に構成される。これにより、ユーザー端末側での初期設定が簡易に完了するので、ユーザーが気軽にユーザー端末を用いて室内機器を操作できるサービスを享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置1を含むシステム100の概略図である。
【
図4】記憶部30に記憶された情報であって、室内機器6の操作権限を表す権限情報の一例である。
【
図5】システム100による処理の一例を表すアクティビティ図である。
【
図6】ユーザー端末4から室内機器6(テレビ)を操作する操作画面の一例である。
【
図7】ユーザー端末4から室内機器6(エアコン)を操作する操作画面の一例である。
【
図8】ユーザー端末4から室内機器6(照明)を操作する操作画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
本実施形態では、ユーザー端末4を用いて室内機器6を操作する際の初期設定を簡易に済ますことができる情報処理装置1及びシステム100について説明する。ここで、操作対象となる室内機器6は、例えば、ホテル、マンション、民泊等に設置された機器であり、これらの施設の運営者又は従業員が予め室内機器6の操作権限を規定し、ユーザー端末4からの要求に応じて自動的に操作権限を設定することにより、ユーザー端末4を用いて室内機器6を操作する際の初期設定が簡易になる。
【0012】
1.システム100の概要
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るシステム100は、情報処理装置1及びユーザー端末4がネットワークNWを介して互いに接続されている。情報処理装置1は、例えばサーバにより構成される。ユーザー端末4は、ユーザーにより使用される端末であって、任意のコンピュータにより構成される。ユーザー端末4は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイスにより構成される。本実施形態では、ユーザー端末4は、第1ユーザー端末4a及び第2ユーザー端末4bを含む。ユーザー端末4の数は特に限定されず、第1ユーザー端末4a~第Nユーザー端末4nを含んでもよい。
【0013】
システム100はさらに、情報処理装置1と室内機器6がネットワークNWを介して互いに接続されている。室内機器6は、複数の室内機器6a~室内機器6cを含んでもよい。室内機器6は、情報処理装置1により操作可能な機器であり、例えば、テレビ(室内機器6a、室内機器6b)、オーディオシステム(室内機器6c)、エアコン、照明、カーテンが挙げられる。情報処理装置1と室内機器6aは、ネットワークNWを介して直接接続されている。情報処理装置1と室内機器6bは、コントローラ5を介して接続されている。情報処理装置1と室内機器6cは、サーバ7を介して接続されている。コントローラ5は、ユーザー端末4、情報処理装置1、及び室内機器6と無線通信可能に構成され、且つ、室内機器6を操作可能に構成される。具体的には、コントローラ5は、室内機器6が設置される空間内に設置されるデバイスであり、赤外線等を利用して室内機器6を操作可能に構成される。サーバ7は、対応する室内機器6(
図1の例では室内機器6c)を無線により制御可能なものであり、室内機器6cの提供者が運営するサーバである。
【0014】
本実施形態では、情報処理装置1は、直接又は間接的に室内機器6を操作可能に構成される。本実施形態では、情報処理装置1は、室内機器6aを直接操作可能であり、コントローラ5を介して室内機器6bを間接的に操作可能であり、サーバ7を介して室内機器6cを間接的に操作可能である。
【0015】
以下、特に区別が不要な場合、第1ユーザー端末4a~第Nユーザー端末4nを単にユーザー端末4と称し、室内機器6a~室内機器6cを単に室内機器6と称する。
【0016】
2.情報処理装置1の概要
図2に示すように、情報処理装置1は、制御部10、第2通信部20及び記憶部30を備える。
【0017】
2-1.制御部10
制御部10は、権限設定部11、ネットワーク判定部12、上書判定部13を備える。
【0018】
<権限設定部11>
【0019】
権限設定部11は、第2通信部20が受信した端末情報と、権限情報と、に基づいて、ユーザー端末4に対して室内機器6の操作権限を設定可能に構成される。ここで、端末情報は、ユーザー端末4を特定可能な情報であり、例えば、端末ID、MACアドレス、IMEI(International Mobile Equipment Identity)、電話番号、メールアドレスである。権限情報は、室内機器6の操作権限を表す情報である。権限情報の詳細は、
図4を用いて後述する。
【0020】
<ネットワーク判定部12>
ネットワーク判定部12は、第2通信部20が受信した端末情報が、室内機器6が接続されている無線ネットワークと同じネットワークから送信されたか否かを判定可能に構成される。かかるネットワークがWi-Fi(登録商標)ネットワークである場合、SSID等により同一ネットワークか否かを判定することができる。
【0021】
そして、ネットワーク判定部12による判定結果に基づいて、権限設定部11は、第2通信部20が受信した端末情報が、室内機器6が接続されている無線ネットワークと同じネットワークから送信された場合、ユーザー端末4に対して操作権限を設定してもよい。
【0022】
これにより、実際に室内機器6が設置されている場所と異なる場所に位置するユーザーによる操作権限の不正な設定要求を排除することが可能になる。
【0023】
<上書判定部13>
上書判定部13は、操作権限が設定されたユーザー端末4と異なるユーザー端末から操作権限の設定要求があった場合、ユーザー端末4に設定された操作権限を解除し、ユーザー端末4と異なるユーザー端末の操作権限を上書きするか否かを判定可能に構成される。本実施形態では、第2通信部20が、第1ユーザー端末4aに対して操作権限を設定した後、第2ユーザー端末4bからの操作権限の設定要求があった場合に、第2ユーザー端末4bに対して所定の室内機器6の操作権限を上書きすると判定する。
【0024】
そして、上書判定部13による判定結果に基づいて、第2通信部20が、第1ユーザー端末4aから後述の2次元コードを表すコード情報及び端末情報を受信した後、第2ユーザー端末4bからコード情報及び端末情報を受信した場合、権限設定部11は、第2ユーザー端末4bに対して前記操作権限を設定してもよい。ここで、コード情報は、任意の情報を含むことができる。例えば、コード情報には、情報処理装置1にアクセスするためのURL、室内機器6が設置されている場所に関する情報、及び室内機器6が設置されている施設に関する情報が含まれる。
【0025】
これにより、特定のマンションの部屋に居住していたユーザーが利用する第1ユーザー端末4aに操作権限が設定されていた場合において、かかるユーザーが引っ越した後、他のユーザーが同じ部屋に引っ越してきたときに、元の居住者であるユーザーに特別な操作を要求することなく、新たな居住者である他のユーザーが利用するユーザー端末4に対して室内機器6の操作権限を新たに設定することが可能になる。
【0026】
2-2.第2通信部20
第2通信部20は、ネットワークNWを介して他の機能部材と有線又は無線によりデータ通信可能に構成される。本実施形態では、第2通信部20は、情報処理装置1を構成する他の構成要素、ユーザー端末4、コントローラ5、サーバ7及び室内機器6の少なくとも1つと通信可能に構成される。
【0027】
本実施形態では、第2通信部20は、端末情報を受信可能に構成される。また、第2通信部20は、権限設定部11により設定された操作権限を表す権限情報を第1通信部43(
図3参照)に送信可能に構成される。
【0028】
2-3.記憶部30
記憶部30は、種々のプログラム及びデータを記憶するものであり、例えばメモリ、ハードディスク、SSD等により構成される。本実施形態では、記憶部30は、ユーザーデータ、権限情報及びプログラムを記憶する。ここで、ユーザーデータは、ユーザー端末4の操作者であるユーザーを表す情報であり、ユーザーの氏名、ユーザーID、端末情報を対応付けたデータである。また、権限情報は、室内機器6の操作権限を表す情報である。権限情報は、室内機器6が設置される施設の関係者により予め設定された情報であることが好ましい。ここで、権限情報は、室内機器6毎に設定されるか、同一の空間に設置される複数の室内機器6毎に設定されることが好ましい。プログラムは、制御部10による処理を規定するものである。
【0029】
ここで、
図2の例では、記憶部30が情報処理装置1に設けられる構成としているが、記憶部30を情報処理装置1の外部に設け、必要に応じて情報処理装置1が記憶部30にアクセスする、いわゆるクラウドコンピューティングの形態としてもよい。
【0030】
3.ユーザー端末4の概要
図3に示すように、ユーザー端末4は、表示部41、操作部42、第1通信部43、制御部44、読取部45、通信確立部46、権限付与部47、権限反映部48、記憶部49を備える。
【0031】
<表示部41>
表示部41は、テキストや画像(静止画及び動画を含む)を表示するものであり、任意のディスプレイにより構成される。
【0032】
<操作部42>
操作部42は、ユーザー端末4を操作するものであり、マウス、ポインティングデバイス等により構成される。ここで、表示部41がタッチパネルである場合には、タッチパネルへのタップ操作、スワイプ操作、フリック入力、ピンチイン、ピンチアウト等が操作部42による操作に対応する。
【0033】
<第1通信部43>
第1通信部43は、情報処理装置1の第2通信部20と同様の機能を有するものである。本実施形態では、第1通信部43は、読取部45により読み取られた2次元コードに含まれる情報に基づいて、ユーザー端末4を特定可能な端末情報を前記第2通信部に送信可能に構成される。
【0034】
<制御部44>
制御部44は、ユーザー端末4の他の構成要素を制御するものである。本実施形態では、制御部44は、権限設定部11により設定された権限情報に基づいて、室内機器6を操作可能に構成される。具体的には、制御部44は、権限設定部11により設定された権限情報に基づいて、室内機器6を操作する操作コマンドを第1通信部43から第2通信部20に送信する。また、制御部44は、情報処理装置1により設定された権限情報に基づいて、コントローラ5を介して室内機器6を操作可能に構成されてもよい。この場合、室内機器6の操作コマンドがユーザー端末4から情報処理装置1を介してコントローラ5に送信され、コントローラ5から室内機器6に対して赤外線等の無線信号を送信することにより、室内機器6を操作することが可能になる。
【0035】
<読取部45>
読取部45は、予め定められた情報を含む2次元コードを読み取り可能に構成される。2次元コードは、例えばQRコードやバーコードである。ここで、読取部45は、情報処理装置1に実装されたカメラ機能や、別途インストールされたアプリケーションにより実現される。
【0036】
ここで、2次元コードは、2次元コードが印刷された紙をホテルやマンションの部屋に設置してもよく、また、ホテルの場合、チェックインの際にユーザーに提示する形態で提供してもよい。ここで、本実施形態では、ネットワーク判定部12又は上書判定部13により、異なるユーザー端末4を利用するユーザーからの申し入れに対し、ホテルやマンションの関係者が2次元コードを都度生成することが不要になる。すなわち、ネットワーク判定部12により、実際に室内機器6が設置されている場所と異なる場所に位置するユーザーによる操作権限の不正な設定要求を排除することが可能になるためである。また、上書判定部13により、特定のマンションの部屋に居住していたユーザーが利用する第1ユーザー端末4aに操作権限が設定されていた場合において、かかるユーザーが引っ越した後、他のユーザーが同じ部屋に引っ越してきたときに、元の居住者であるユーザーに特別な操作を要求することなく、新たな居住者である他のユーザーが利用するユーザー端末4に対して室内機器6の操作権限を新たに設定することが可能になるためである。
【0037】
<通信確立部46>
通信確立部46は、第1通信部43が受信した権限情報を反映した状態で室内機器6との通信を確立可能に構成される。本実施形態では、通信確立部46により、ユーザー端末4と室内機器6の通信が確立する。
図1の例では、ユーザー端末4は、情報処理装置1を介して室内機器6aとの通信を確立し、情報処理装置1及びコントローラ5を介して室内機器6bとの通信を確立し、情報処理装置1及びサーバ7を介して室内機器6cとの通信を確立する。
【0038】
<権限付与部47>
権限付与部47は、他の端末(例:第2ユーザー端末4b~第Nユーザー端末4nの少なくとも1つに対して予め定められた操作権限を付与可能に構成される。具体的には、権限付与部47は、特定のユーザー端末4と異なる他の端末に対し、操作対象となる室内機器6の操作権限の内容を個別に付与することを要求する要求コマンドを情報処理装置1に送信する。そして、情報処理装置1によりかかる要求が承認された場合、他の端末に対して特定の室内機器6に対する操作権限が設定される。なお、かかる要求の承認は必須ではなく、ユーザー端末4から要求コマンドを受信したことに応じて、他の端末に対して操作権限を設定してもよい。
【0039】
かかる要求の実現手法は特に限定されず、ユーザー端末4にカスタムした操作権限を表示する画面を表示し、ユーザー端末4のユーザーからの特定の操作権限の許可/不許可を受け付けた後、かかる受付内容を情報処理装置1に送信してもよい。また、ユーザー端末4にインストールしたアプリケーションにより生成された2次元コードを他の端末が読み取ることにより、他の端末から情報処理装置1に対して要求コマンドを送信してもよい。
【0040】
<権限反映部48>
権限反映部48は、他の端末に対してユーザー端末4に設定された操作権限を反映可能に構成される。具体的には、権限反映部48は、特定のユーザー端末4と異なる他の端末に対し、ユーザー端末4に設定された操作権限であって、操作対象となる室内機器6の操作権限の内容を他の端末に反映することを要求する要求コマンドを情報処理装置1に送信する。そして、情報処理装置1によりかかる要求が承認された場合、他の端末に対して特定の室内機器6に対するユーザー端末4の操作権限が他の端末に反映される。なお、かかる要求の承認は必須ではなく、ユーザー端末4から要求コマンドを受信したことに応じて、他の端末に対してユーザー端末4の操作権限を反映してもよい。
【0041】
かかる要求の実現手法は特に限定されず、ユーザー端末4を操作することにより、ユーザー端末4のユーザーからの反映要求を受け付けた後、かかる反映要求を情報処理装置1に送信してもよい。また、ユーザー端末4にインストールしたアプリケーションにより生成された2次元コードを他の端末が読み取ることにより、他の端末から情報処理装置1に対して要求コマンドを送信してもよい。
【0042】
<記憶部49>
記憶部49は、種々のデータ及びプログラムを記憶する。
【0043】
ここで、情報処理装置1及びユーザー端末4を構成する各構成要素は、ソフトウェアによって実現してもよく、ハードウェアによって実現してもよい。ソフトウェアによって実現する場合、CPUがプログラムを実行することによって各種機能を実現することができる。プログラムは、内蔵の記憶部に格納してもよく、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよい。また、外部の記憶部に格納されたプログラムを読み出し、いわゆるクラウドコンピューティングにより実現してもよい。ハードウェアによって実現する場合、ASIC、FPGA、又はDRPなどの種々の回路によって実現することができる。本実施形態においては、様々な情報やこれを包含する概念を取り扱うが、これらは、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、上記のソフトウェア又はハードウェアの態様によって通信や演算が実行され得るものである。
【0044】
4.権限情報
図4を用いて、記憶部30に記憶される権限情報について説明する。
【0045】
図4に示すように、権限情報は、室内機器6の操作権限を表す情報である。一実施形態では、権限情報は、ユーザーを特定可能なユーザーID、ユーザー端末4を特定可能な端末ID、操作権限、接続形態、室内機器6の設置場所を対応付けたデータである。ここで、操作権限は、室内機器6毎又は室内機器6が設置される場所と、端末情報(端末ID)毎に設定されることが好ましい。
図4の例では、室内機器6a及び室内機器6bがテレビであり、室内機器6cがオーディオシステムであり、室内機器6dが照明であり、室内機器6eがカーテンである場合を示す。接続形態は、ユーザー端末4が室内機器6を操作するための接続形態を表すものであり、
図4の例では、情報処理装置1、コントローラ5、サーバ7を介した接続形態が規定される。室内機器6の設置場所は、室内機器6が設置される場所を表すものであり、住所や設置ID等により規定される。
【0046】
図4に示すように、ユーザーIDが0001で特定されるユーザーが操作する2台のユーザー端末(端末ID:0001a及び0001b)に対し、異なる操作権限を設定することも可能である。例えば、親子でホテルに宿泊し、親名義の2台の端末のうちの1つを子供に持たせ、子供の端末には一定の利用制限を設けることも可能である。
【0047】
ここで、
図4に示される権限情報は、端末IDを対応付けて記憶しているが、これは権限設定部11によりユーザー端末4に対して操作権限が設定された後に権限情報に端末IDを対応付けて生成したものである。したがって、権限設定部11によりユーザー端末4に対して操作権限が設定される前は、権限情報には端末IDが対応付いていない。かかる対応付けは、例えば、情報処理装置1が受信した端末情報の送信場所又は送信ネットワークから、ユーザー端末4の捜査対象となり得る室内機器6の設置場所を特定し、その設置場所に対応する室内機器とユーザー端末4の端末IDを対応付けることにより実現される。例えば、情報処理装置1が受信した端末情報から、ユーザー端末4が「東京都○○」に位置すると判定される場合には、室内機器6a~室内機器6cに設定されている操作権限とユーザー端末4の端末IDを対応付けることになる。
【0048】
5.システム100による処理
次に、
図5を用いて、情報処理装置1を含むシステム100による処理について説明する。
【0049】
図5に示すように、まず、A11において、ユーザー端末4は、ユーザー端末4の読取部45により、2次元コードを読み取る。そして、読取部45により読み取られた2次元コードに含まれる情報に基づいて、ユーザー端末4を特定可能な端末情報を第2通信部20に送信する。
【0050】
次に、A21において、情報処理装置1は、第2通信部20により、ユーザー端末4を特定可能な端末情報を受け付ける。続いて、端末情報を記憶部30に記憶する(A22)とともに、記憶部30から権限情報が読み出される(A23)。
【0051】
そして、権限設定部11により、端末情報により特定されるユーザー端末4に対し、予め定められた操作権限が設定される(A24)。その後、第2通信部20により、かかる操作権限を表す権限情報が第1通信部43に送信される。
【0052】
ユーザー端末4の通信確立部46は、第1通信部43が受信した権限情報を反映した状態で、ユーザー端末4と室内機器6との通信を確立する。ここで、権限情報を反映した状態とは、ユーザー端末4が
図4に示される権限情報で規定される操作権限で許可された操作に対応する操作コマンドのみを室内機器6に対して送信可能とし、
図4に示される権限情報で規定される操作権限で許可されていない操作に対応する操作コマンドを室内機器6に対して送信不可又は送信しても室内機器6で拒否する状態を意味する。
【0053】
そして、A12の後、第1通信部43は、室内機器6を操作するためのコマンドを情報処理装置1に送信する。本実施形態では、
図4に示される接続形態により、情報処理装置1から室内機器6へのコマンド送信が分岐する。
図5の例では、情報処理装置1から室内機器6を制御する場合(
図4において接続形態が「情報処理装置1」の場合)、情報処理装置1から室内機器6に対してコマンドが送信される(A25)。また、情報処理装置1がコントローラ5を介して室内機器6を制御する場合(
図4において接続形態が「コントローラ5」の場合)、情報処理装置1からコントローラ5を介して室内機器6にコマンドが送信される(A26)。また、情報処理装置1がサーバ7を介して室内機器6を制御する場合(
図4において接続形態が「サーバ7」の場合)、情報処理装置1からサーバ7を介して室内機器6にコマンドが送信される(A27)。
【0054】
そして、室内機器6は、情報処理装置1から直接又は間接的に受信したコマンドに応じて、特定の処理を実行する(A31)。
【0055】
ここで、
図6~
図8に示される操作画面を操作することにより、ユーザー端末4から情報処理装置1に対して室内機器6を操作するためのコマンドが送信される。
【0056】
以上説明した処理により、情報処理装置1がユーザー端末4を特定する端末情報を取得すると、情報処理装置1の記憶部30に予め記憶された操作権限に基づいて、ユーザー端末4に対して室内機器6の操作権限を設定可能に構成される。これにより、ユーザー端末4側での初期設定が簡易に完了するので、ユーザーが気軽にユーザー端末4を用いて室内機器6を操作できるサービスを享受することができる。
【0057】
6.その他
本発明は、以下の態様でも実施可能である。
【0058】
情報処理装置であって、
前記情報処理装置は、ユーザー端末と通信可能に構成され、且つ、直接又は間接的に室内機器を操作可能に構成され、
前記情報処理装置は、通信部、記憶部、及び権限設定部を備え、
前記通信部は、前記ユーザー端末から端末情報を受信可能に構成され、ここで、前記端末情報は、前記ユーザー端末を特定可能な情報であり、
前記記憶部は、前記室内機器の操作権限を表す権限情報を記憶し、
前記権限設定部は、前記通信部が受信した前記端末情報と、前記権限情報と、に基づいて、前記ユーザー端末に対して前記室内機器の操作権限を設定可能に構成される、
情報処理装置。
【0059】
コンピュータを、情報処理装置として機能させるプログラムであって、
前記情報処理装置は、ユーザー端末と通信可能に構成され、且つ、直接又は間接的に室内機器を操作可能に構成され、
前記情報処理装置は、通信部、記憶部、及び権限設定部を備え、
前記通信部は、前記ユーザー端末から端末情報を受信可能に構成され、ここで、前記端末情報は、前記ユーザー端末を特定可能な情報であり、
前記記憶部は、前記室内機器の操作権限を表す権限情報を記憶し、
前記権限設定部は、前記通信部が受信した前記端末情報と、前記権限情報と、に基づいて、前記ユーザー端末に対して前記室内機器の操作権限を設定可能に構成される、
プログラム。
【0060】
また、上述のプログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 :情報処理装置
4 :ユーザー端末
4a :第1ユーザー端末
4b :第2ユーザー端末
4n :第Nユーザー端末
5 :コントローラ
6 :室内機器
6a :室内機器
6b :室内機器
6c :室内機器
6d :室内機器
6e :室内機器
7 :サーバ
10 :制御部
11 :権限設定部
12 :ネットワーク判定部
13 :上書判定部
20 :第2通信部
30 :記憶部
41 :表示部
42 :操作部
43 :第1通信部
44 :制御部
45 :読取部
46 :通信確立部
47 :権限付与部
48 :権限反映部
49 :記憶部
100 :システム
NW :ネットワーク