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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】成形装置及び成形製品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B22C 9/10 20060101AFI20230809BHJP
   B22D 17/24 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
B22C9/10 S
B22D17/24
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019097973
(22)【出願日】2019-05-24
(65)【公開番号】P2020192538
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】505290542
【氏名又は名称】株式会社MOLE’S ACT
(74)【復代理人】
【識別番号】100127661
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】増澤 久臣
【審査官】池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205835853(CN,U)
【文献】特開2009-160885(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102310527(CN,A)
【文献】中国実用新案第205289703(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第102672908(CN,A)
【文献】特公昭47-031217(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C 9/10
B22C 9/06
B22D 17/00-17/32
B29C 33/00-33/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円弧状に湾曲した内部空間を有し金属からなる成形製品を製造するための成形装置であって、
合体及び離体可能であり、かつ、成形時には合体した状態で前記成形製品の外側形状に対応する形状を有するキャビティを形成可能である一組の金型と、
前記成形製品の内側形状に対応する形状を有し、かつ、成形時には前記一組の金型が形成する前記キャビティの内部に配置される中子と、
前記中子の基端に結合され、成形後には前記中子ごと回動可能となっており、かつ、「はめあい穴」が設けられた回動部材と、
前記回動部材の前記「はめあい穴」に嵌挿されたノックピンと、
前記ノックピンに対し、前記回動部材が回動するときに描く弧を含む仮想面と平行な方向であって中子抜きのための方向に沿って力を加えるノックピン平行移動手段と、を備え、
前記ノックピンは、前記ノックピン平行移動手段により前記中子抜きのための方向に沿って力が加えられると、前記「はめあい穴」に嵌装された状態で前記中子抜きのための方向に平行移動するよう構成されており、
前記ノックピンが前記中子抜きのための方向に平行移動することにより、前記ノックピンの少なくとも一部が前記回動部材の前記「はめあい穴」の内壁に当接しながら、前記回動部材が、前記回動部材の動きとは独立して固定されている前記成形装置の固定部に配設されたカム溝と前記回動部材に配設されたボスとの間で構成された案内に従って回動する、
ことを特徴とする成形装置。
【請求項2】
請求項1に記載の成形装置において、
前記カム溝のパターンの少なくとも一部には第1円弧を含んでおり、該第1円弧の中心の位置が、前記成形製品の内側形状の一部となる第2円弧の中心の位置と一致していることを特徴とする成形装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の成形装置において、
前記ノックピンは、前記キャビティ内に溶融材料を注入する成形時において、前記回動部材に対し、前記回動部材を回動させて前記中子を前記キャビティから抜くときに掛ける力の方向とは逆の方向に力を加えて前記回動部材を固定する固定部材としての機能を兼ね備えていることを特徴とする成形装置。
【請求項4】
請求項に記載の成形装置において、
成形時における前記回動部材から見て、成形時に前記キャビティが形成される側を一方の側とし、前記一方の側とは反対の側を他方の側とするとき、
前記成形装置は、成形時に前記回動部材を補助的に固定可能な補助固定部材を更に備え、
前記補助固定部材は、成形時には前記回動部材をその前記他方の側から支持することにより前記中子及び前記回動部材を補助的に固定し、かつ、成形後には前記回動部材の前記他方の側から退避することにより前記回動部材を回動可能とする、
ことを特徴とする成形装置。
【請求項5】
円弧状に湾曲した内部空間を有し金属からなる成形製品を製造するための成形製品の製造方法であって、
合体した状態で前記成形製品の外側形状に対応する形状を有するキャビティを形成可能な一組の金型と、前記成形製品の内側形状に対応する形状を有する中子との間に前記成形製品を形成する第1工程と、
前記成形製品を成形した後に、前記中子を前記中子の基端に結合された回動部材により回動させて前記成形製品から前記中子を引き抜く第2工程と、をこの順序で含み、
前記第2工程においては、
前記回動部材に設けられた「はめあい穴」に嵌装されたノックピンに対し、前記回動部材が回動するときに描く弧を含む仮想面と平行な方向であって中子抜きのための方向に沿って力を加えて、前記ノックピンを前記「はめあい穴」に嵌装された状態で前記中子抜きのための方向に平行移動させると共に、これと連動して、
前記ノックピンの少なくとも一部を前記回動部材の前記「はめあい穴」の内壁に当接させながら、前記回動部材を、前記回動部材の動きとは独立して固定されている固定部に配設されたカム溝と前記回動部材に配設されたボスとの間で構成された案内に従って回動させる、
ことを特徴とする成形製品の製造方法。
【請求項6】
請求項に記載の成形製品の製造方法において、
前記第1工程が実施される際に前記回動部材から見て前記キャビティが形成される側を一方の側とし、前記一方の側とは反対の側を他方の側とするとき、
前記第1工程が実施される間は、前記ノックピンにより、前記回動部材をその前記他方の側から支持し、前記中子及び前記回動部材を固定する、
ことを特徴とする成形製品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形装置及び成形製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金型を用いた成形(鋳造や射出成形等)の技術分野においては、内部空間を有する成形製品を製造するために、当該内部空間の形状(内側形状)に対応した中子をキャビティ内に配置した状態で成形を行うことが広く行われている。
【0003】
内部空間の形状が直線的で単純な場合には、例えば、エジェクターピンの突出により中子と成形製品とを直線的に分離するような単純な機構により、容易に成形製品を取り出すことができる。
【0004】
しかしながら、円弧状に湾曲した内部空間を有する成形製品を製造する場合には、円弧状に湾曲した中子を用いる必要がある。円弧状に湾曲した中子を直線的に分離しようとすると抵抗が非常に大きくなることから、円弧状に湾曲した中子を用いて円弧状に湾曲した内部空間を有する成形製品を製造する場合には、上記したような単純な機構で成形製品を取り出すことは困難である。
特に、金属からなる成形製品を製造する場合には、樹脂からなる成形製品を製造する場合と比較して、単純な機構で成形製品を取り出すことは一層困難となる。金属は樹脂と比較して、強度が高い、弾性が低い、固化した際の収縮力(いわゆるキャッチ力)が強い等、取り出しが困難となる性質を一般的に有するためである。
【0005】
上記の理由により、金型を用いた成形の技術分野においては、円弧状に湾曲した内部空間を有する成形製品を製造するための機構を有する成形装置の研究及び開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。以下、従来の成形装置の一例について説明する。
【0006】
図8は、従来の成形装置900の部分断面図である。図8(a)は中子930を成形製品Pより引き抜く工程(中子引き抜き工程)の初期段階の状態(僅かに中子930が動いた状態)を示し、図8(b)は中子に引き抜き工程の終期段階の状態を示す。
図8に示すように、従来の成形装置900は、合体及び離体可能であり、かつ、成形時には合体した状態で前記成形製品の外側形状に対応する形状を有するキャビティを形成可能である一組の金型910,920と、成形製品Pの内側形状に対応する形状を有し、かつ、成形時には一組の金型910,920が形成するキャビティの内部に配置される中子930と、中子930の基端に結合され、成形後には中子930ごと回動可能な回動部材940と、を備えている。
回動部材940においては、中子930を抜くための力を受け止める第1リンクピン951が設けられている。
また、従来の成形装置900は、第1リンクピン951及び長穴954(双方併せて第1連携部958と称す)によって中子930に連係され、第2リンクピン952を固定軸として回動するリンク部材957を備えている。また、第3リンクピン953及び長穴955(双方併せて第2連携部959と称す)によって該リンク部材957に連係されたリンク作動ブロック950を備えている。
さらに、従来の成形装置900は、図示しないカムブロックに設けられたカム溝974と、回動部材940に配設され該カム溝974に沿って移動可能なボス972とを有しており、これらカム溝974とボス972との間で構成された案内に従って回動するように構成されている《図8(a)及び図8(b)参照》。
【0007】
従来の成形装置900によれば、リンク作動ブロック950に対し中子抜き力F1を印加することにより、リンク作動ブロック950は第2連携部959を力点としてリンク部材957を作動させ、リンク部材957は第2リンクピン952を支点とし第1連携部958を作用点として回動部材940を図面に向かって下方向へ作動させる。これにより、回動部材940が中子930と共に回動し、これに伴うように中子930が成形製品Pから引き抜かれ、その結果、成形製品Pを取り出すことができる。その際、中子930は現状のまま成形製品Pから引き抜かれるため、中子930も非消失なものとして再利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2001-138360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の成形装置900をみると、中子抜きの際に最も大きな力を必要とする初期段階においては、リンク作動ブロック950に印加される中子抜き力F1の方向(図面に向かって左方向)と、回動部材940に印加される力の方向(図面に向かって下方向)と、の間に凡そ90°の角度の差を有している《図8(a)参照》。つまり、従来の成形装置900は、図8に示すリンク機構を用いているため、中子抜き力F1の方向を90°変換している。このため、従来の成形装置900は力のロスが生じやすくエネルギー効率の点で不利なものとなっている。
また、従来の成形装置900はリンク機構を採用しているため、第1連携部958(第1リンクピン951及び長穴954)並びに第2連携部959(第3リンクピン953及び長穴955)においてはある程度の遊び(寸法上のクリアランス)が必要である。このため、連係動作を繰り返すとガタが生じやすく、位置ズレ等を生じやすい。したがって、中子抜きを行って成形製品と取り出すときに成形製品に傷が生じやすい。
さらに、従来の成形装置900は、中子抜きの際に特定箇所(第1リンクピン951)のみに大きな負荷がかかる構造となっており、破損等の可能性があり耐久性の点で課題が残る。
【0010】
そこで本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、従来の成形装置と比較して、中子抜きのための力のロスが少なく、位置ズレが生じづらく、耐久性が高い成形装置を提供することを目的とする。また、従来の成形装置を用いた成形製品の製造方法と比較して、円弧状に湾曲した内部空間を有する成形製品を取り出すときに成形製品に傷が生じるのを抑制することができる成形製品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1]本発明の成形装置は、円弧状に湾曲した内部空間を有しており金属からなる成形製品を製造するための成形装置であって、合体及び離体可能であり、かつ、成形時には合体した状態で前記成形製品の外側形状に対応する形状を有するキャビティを形成可能である一組の金型と、前記成形製品の内側形状に対応する形状を有し、かつ、成形時には前記一組の金型が形成する前記キャビティの内部に配置される中子と、前記中子の基端に結合され、成形後には前記中子ごと回動可能となっており、かつ、「はめあい穴」が設けられた回動部材と、前記回動部材の前記「はめあい穴」に嵌挿され、前記「はめあい穴」に嵌装された状態で所定方向に平行移動が可能なノックピンと、を備え、前記ノックピンが前記所定方向に平行移動することにより、前記ノックピンの少なくとも一部が前記回動部材の前記「はめあい穴」の内壁に当接しながら、前記回動部材は、前記成形装置の固定部に配設されたカム溝と前記回動部材に配設されたボスとの間で構成された案内に従って回動する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明の成形装置によれば、ノックピンが回動部材の「はめあい穴」の内壁に当接しながら、当該内壁に対し直接的に中子抜きのための力を働きかけるため、リンク機構による従来の成形装置と比較して、力のロスが少なく、位置ズレが生じづらく、耐久性が高い成形装置となる。
【0013】
[2]本発明の成形装置は、前記カム溝のパターンの少なくとも一部には第1円弧を含んでおり、該第1円弧の中心の位置が、前記成形製品の内側形状の一部となる第2円弧の中心の位置と一致しているように構成することができる。
【0014】
このように構成すると、中子が成形製品の内側形状に倣って動かされることとなり、本発明の成形装置は、より力のロスが少なく、よりガタが生じづらく、より耐久性が高いものとなる。
【0015】
[3]本発明の成形装置において、成形時における前記回動部材から見て、成形時に前記キャビティが形成される側を一方の側とし、前記一方の側とは反対の側を他方の側とするとき、前記成形装置は、第1期間において、前記回動部材に対し前記一方の側から前記他方の側へ向かう第1の力を印加し、第2期間において、前記回動部材に対し、前記第1の力よりも弱い力である第2の力を、回動部材が回動する方向に印加する、ように構成することができる。
【0016】
このように構成することにより、成形製品と中子とがキャッチ力によって強く固着していたとしても、第2の力よりも相対的に強い第1の力によって容易に回動部材を動かすことができ、これにより成形製品に強く固着している中子を成形製品から容易に分離することができる。また、その後は、第1の力よりも弱い力である第2の力であってもスムーズに中子30を抜いて成形製品Pを取り出すことができる。
【0017】
[4]本発明の成形装置において、前記ノックピンを、成形時に前記回動部材を固定する固定部材として兼ねさせてもよい。
【0018】
こうすることで、成形装置を構成する部品点数を少なくすることができ、装置設計をシンプルにすることができ、かつ、経済的にも有利なものとなる。
【0019】
[5]本発明の成形装置において、成形時における前記回動部材から見て、成形時に前記キャビティが形成される側を一方の側とし、前記一方の側とは反対の側を他方の側とするとき、前記成形装置は、成形時に前記回動部材を補助的に固定可能な補助固定部材を更に備え、前記補助固定部材は、成形時には前記回動部材をその前記他方の側から支持することにより前記中子及び前記回動部材を補助的に固定し、かつ、成形後には前記回動部材の前記他方の側から退避することにより前記回動部材を回動可能とする、ことが好ましい。
【0020】
このような補助固定部材を有しているため、本発明の成形装置は、成形時において溶融材料が湯道及びキャビティに注入される圧力で回動部材が回動してしまうことを厳重に抑制することができ、ひいては、より安定した成形を行うことができる。
【0021】
[6]本発明の成形製品の製造方法は、円弧状に湾曲した内部空間を有し金属からなる成形製品を製造するための成形製品の製造方法であって、合体した状態で前記成形製品の外側形状に対応する形状を有するキャビティを形成可能な一組の金型と、前記成形製品の内側形状に対応する形状を有する中子との間に前記成形製品を形成する第1工程と、前記成形製品を成形した後に、前記中子を前記中子の基端に結合された回動部材により回動させて前記成形製品から前記中子を引き抜く第2工程と、をこの順序で含み、前記第2工程においては、前記回動部材に設けられた「はめあい穴」に嵌装されたノックピンを所定方向に平行移動することにより、前記ノックピンの少なくとも一部を前記回動部材の前記「はめあい穴」の内壁に当接させながら、前記回動部材を、固定部に配設されたカム溝と前記回動部材に配設されたボスとの間で構成された案内に従って回動させる、ことを特徴とする。
【0022】
本発明の成形製品の製造方法によれば、第2工程において、ノックピンが回動部材の「はめあい穴」の内壁に当接しながら、当該内壁に対し直接的に中子抜きのための力を働きかける。このため、リンク機構による従来の成形装置を用いて成形製品を製造する場合と比較して、力のロスが少なく、かつ、位置ズレが生じづらい状態で中子を引き抜くことができ、中子を引き抜く際に成形製品にかかる圧力を低減することができる。こうしたことから、円弧状に湾曲した内部空間を有する成形製品を取り出すときに成形製品に傷が生じるのを抑制することができる。
【0023】
[7]本発明の成形製品の製造方法において、前記第1工程が実施される際に前記回動部材から見て前記キャビティが形成される側を一方の側とし、前記一方の側とは反対の側を他方の側とするとき、前記第1工程が実施される間は、前記ノックピンにより、前記回動部材をその前記他方の側から支持し、前記中子及び前記回動部材を固定してもよい。
【0024】
このように、第1工程が実施される間、ノックピンにより回動部材をその他方の側から支持し中子及び回動部材を固定することにより、キャビティに溶融金属が注入されたとき、注入圧によって中子及び回動部材が回動し始めることを防止することができる。
また、第2工程では回動部材を駆動するために用いる部材であるノックピンを、第1工程においても、中子及び回動部材を固定するための部材(固定部材)として兼ねて用いるため、成形製品の製造方法を実施するための成形装置の部品点数を少なくすることができ、装置設計をシンプルにすることができ、かつ、経済的にも有利なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態1に係る成形装置1を説明するために示す図である。
図2】実施形態1に係る成形装置1の要部を説明するために示す図である。
図3】実施形態1に係る成形製品の製造方法におけるフローチャートである。
図4】実施形態1に係る成形製品の製造方法における第1工程S10~第2工程S20を説明するために示す要部断面図である。
図5】実施形態2に係る成形装置2及び成形装置2を用いた成形製品の製造方法を説明するために示す図である。
図6】実施形態3に係る成形装置3a,3bを説明するために示す図である。
図7】実施形態3に係る成形装置3’を説明するために示す要部断面図である。
図8】従来の成形装置900の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の成形装置及び成形製品の成形方法について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。なお、本明細書及び各図面においては、実際の成形装置の構成要素のうち本発明に密接に関連する成形装置の構成要素を説明及び図示し、それ以外の一般的な構成要素(例えば、一組の金型を移動させるための機構)については基本的に説明及び図示を省略する。
成形装置、成形装置の部品及び成形製品を表示する図面においては、図示の向きをx軸,y軸,z軸の3軸で表示する。なお、図面に示すx軸,y軸,z軸は例示であり、実際に成形装置を配置する向き等を規定するものではない。
成形装置、成形装置の部品及び成形製品を表示する図面は全て模式図であり、理解を容易にすることを優先するものであるため、図面における成形装置等の寸法、角度、位置関係等は必ずしも現実に即したものとはなっていない。
なお、明細書全般に渡って、中子を成形製品から引き抜くことを「中子抜き」又は「中子引き抜き」と言うものとし、いずれの言い方も同じ内容を指すものとする。
【0027】
[実施形態1]
1.実施形態1に係る成形装置1の構成
図1は、実施形態1に係る成形装置1を説明するために示す図である。図1(a)は成形装置1の斜視図であり、図1(b)は図1(a)の矢印P1に沿って見たときの正面図である。図1(c)は図1(a)の矢印P2に沿って見たときの平面図である。図1(d)は図1(a)の矢印P3に沿って見たときの右側面図である。なお、図1(c)及び図1(d)は上金型20を取り外した状態を示している。
【0028】
(1)成形装置1の概要
実施形態1に係る成形装置1は、円弧状に湾曲した内部空間を有し金属からなる成形製品Pを製造するための成形装置である。
「円弧状に湾曲した内部空間を有する成形製品」としては、インテークマニホールドや各種ハウジング等、自動車・2輪車・農耕機等のエンジン関連の部品を例示することができる。
成形装置1は、金属からなる成形製品を製造するためのものであることが好ましい。溶融材料として金属が適用された場合、上記したように収縮力(キャッチ力)により成形製品と中子とが強力に固着することとなる。このため、力のロス、位置ズレ、耐久性等の課題([発明が解決しようとする課題]の章を参照)の影響を受けやすい。しかし、実施形態1に係る成形装置1によれば、これらの課題を好適に解決することができる。
【0029】
ここで「円弧状」とは、厳密な円弧のみを指すものではなく、おおよそ円弧とみることができる形状(例えば、一部または全部が楕円に沿う曲線、曲率半径が中途で変化している形状、円弧の端部に直線を付け足した形状等)も含む。したがって、本発明の成形装置に用いる中子は、厳密な意味での円弧状に湾曲した形状でなくてもよい。
【0030】
図1に示すように、成形装置1は、一組の金型10,20と、中子30と、回動部材40と、ノックピン50とを備える。
以下の説明においては、成形時における回動部材40から見て、成形時にキャビティCが形成される側《例えば、図1(b)においては紙面向かって左側》を「一方の側」とし、「一方の側」とは反対の側を「他方の側」とする。
【0031】
(2)一組の金型10,20
一組の金型10,20は、型開き面Aで合体及び離体可能であり、かつ、成形時には合体した状態で成形製品Pの外側形状に対応する形状を有するキャビティCを形成可能である。便宜上、金型10は下金型といい、金型20は上金型というものとする。
一組の金型10,20は、成形時には合体した状態で湯道Rも形成可能である。また、一組の金型10,20は、少なくとも合体した状態のときに、回動部材40が回動するための空間及びスライドユニット60が格納・移動するための空間を形成可能である。
【0032】
一組の金型について、「合体した状態」は「型を閉じた状態」ということもでき、「離体した状態」は「型を開いた状態」ということもできる。
「成形製品の外側形状に対応する形状」は、成形製品の外側形状の全てに対応する形状であってもよいし、成形製品の外側形状の一部に対応する形状であってもよい。
【0033】
なお、本発明における一組の金型10,20は、いわゆる固定金型と可動金型であってもよいし、固定金型及び可動金型とは異なる方向に開閉可能な金型(いわゆるスライド金型)であってもよい。また、本発明の成形装置は、上記一組の金型以外を構成する金型以外の金型を備えていてもよい。本説明では便宜上、金型10を固定金型とし、金型20を可動金型とする。可動金型は図示しない駆動機構により移動可能である。
【0034】
一組の金型10,20は、温度調節媒体(例えば、水)を流す媒体流路を内部に有していてもよい。
【0035】
(3)中子30
中子30は、成形製品Pの内側形状に対応する形状を有し、かつ、成形時には一組の金型10,20が形成するキャビティCの内部に配置される。
「成形製品の内側形状に対応する形状」は、成形製品の内側形状の全てに対応する形状でもよいし、成形製品の内側形状の一部に対応する形状でもよい。
【0036】
中子30としては、引き抜きやすさを考慮して、抜き勾配を取ったものを用いることができる。また、中子30としては、回動による引き抜きが可能である限り、一部または全部が楕円の弧に沿う曲線状に湾曲する中子、曲率半径が中途で変化している中子、円の弧に直線を付け足した形状に沿って湾曲する中子等も用いることができる。
中子30は、温度調節媒体を流す媒体流路を内部に有していてもよい。
【0037】
(4)回動部材40
図2は、実施形態1に係る成形装置1の要部を説明するために示す図である。図2(a)は要部斜視部であり、図2(b)は成形装置1を正面から視たときの要部断面図である。いずれの図面も中子30の駆動に直接的に関係する構成要素を示しており、その他の構成要素の表示は省略している。なお、符号31は中子の先端を示している。
【0038】
図2に示すように、回動部材40は中子30の基端32に結合されている。回動部材40は、成形後には中子30ごと回動可能となっている。つまり、回動部材40は中子30と共に回動可能となっている。
ここで「回動」とは、真円の弧をなぞるような回転動作のみをいうのではなく、おおよそ回転動作とみなせる動きをすることも含む。おおよそ回転動作とみなせる動きとしては、楕円の弧をなぞるような動作や、一部に直線状の移動を含むような動作を例示することができる。
【0039】
中子30と回動部材40とは、一体となっていてもよいし、別体となっていてもよい。また、中子30と回動部材40とが別体となっている場合には、中子30と回動部材40とが分離不可能であってもよいし、分離可能であってもよい。
【0040】
回動部材40は、キャビティCと接していてもよいし、キャビティCとは離隔していてもよい。実施形態1においては、回動部材40はキャビティCと接しており、キャビティCの外形形状の一部を構成している。
回動部材40は、温度調節媒体を流す媒体流路を内部に有していてもよい。
【0041】
また、回動部材40には、「はめあい穴41(詳しくは後述)」が設けられている。
【0042】
さらに、回動部材40にはボス72が配設されている。
ボス72は、後述するカム溝74に係合できるよう構成されたものである。図の例においては、回動部材40の側壁(図示を省略)から「回動部材40が回動する際に描く仮想的な面に対して垂直な方向」に対し突出した略円柱状の部位を「ボス72」とする。
ボス72は、回動部材40からみて一方の側に向かって左側の側壁(図示を省略)に2個、右側の側壁に2個(図2においては背後に隠れて見えない)、合計4個のボス72が回動部材40に配設されている。
なお、ここでのボス72は、回動部材40が回動する際に描く仮想的な面に対して垂直な方向に突出させた部位としたが、これに限定されるものではなく、例えば、斜め方向に突出させた部位としてもよい。また、ここでのボス72の配設個数は左右の側壁(図示を省略)に各2個、合計4個としたが、これに限定されるものではなく、それよりも多い個数としてもよいし、逆に単数個としてもよい。さらに、ボス72の形状は略円柱状に限定されるものではなく、例えば、略角柱状としてもよい。あるいは、ボス72として球状の部品(ベアリング用ボール等)を採用することもできる。
ボス72はカム溝74とセットとなって「案内70」を構成する。
【0043】
(5)はめあい穴41
「はめあい穴41」は、後述するノックピン50と共に緩やかな嵌め合い(いわゆる、すきま嵌め)がされるように構成されている。
回動部材40には、開口部42から内部にかけて、内壁43によって画定された内部空間が形成されており、かかる内部空間が「はめあい穴41」を構成している。
「はめあい穴41」の形状は本発明の作用・効果を奏する限りにおいて、いかなる形状であってもよい。ここで説明する例においては、内壁43は、内部空間の他方の側に第1面44aを有し、内部空間の一方の側に第2面44bを有し、更に第1面44a近傍には第1頂部44cを有している。
【0044】
図2において、開口部42は回動部材40の+z方向に設けられているが、これに限定されるものではない。また図2において、「はめあい穴41」は回動部材40の+z方向から-z方向に貫通する貫通穴となっているが、これに限定されるものではなく、有底穴状のものであってもよい。
【0045】
(6)ノックピン50
ノックピン50は、回動部材40の「はめあい穴41」に嵌挿され、「はめあい穴41」に嵌装された状態で所定方向(例えばx軸と平行な方向)に平行移動が可能となっている。なお、以下において、平行移動する方向を「スライド方向」ということがある。
ノックピン50は、回動部材40に対し力を加える役割を有する。ノックピン50は、後述するように、回動部材40に力を加えることにより、回動部材40に結合された中子を間接的に駆動する。ノックピン50は強固な剛性の高い部材からなることが好ましい。
ノックピン50は、少なくとも一部が回動部材40に設けられた「はめあい穴41」の内壁43に当接しながら、回動部材40に対し平行移動する方向(例えば+x方向)に沿って力を加える。
【0046】
(7)ノックピン50の平行移動手段としてのスライドユニット60
ノックピン50の平行移動は何かしらの手段を用いて行うことで足りる。例えば、ロボットハンド等を用いて行ってもよい。また、図1に示すようなスライドユニット60を用いて行ってもよい。
図1に戻り、以下、平行移動手段としてスライドユニット60を用いた場合を想定した説明を続ける。
【0047】
スライドユニット60は、スライドユニット固定側61及びスライドユニット可動側65を有する。
【0048】
スライドユニット固定側61は、例えば一定の厚みを有する平板を対向させて配置させたものであってもよい(図1参照)。スライドユニット固定側61は、回動部材40の動きとは独立して固定されている。スライドユニット固定側61は、下金型10と結合(組込み等)されていてもよいし、下金型10と一体的に形成されていてもよい。
スライドユニット固定側61には、所定方向(ここではx軸と平行な方向)に沿ってレール63が延設されている。
【0049】
一方、スライドユニット可動側65には、レール係合部67が設けられている。かかるレール係合部67がスライドユニット固定側61のレール63に係合することにより、スライドユニット可動側65が、所定方向(スライド方向)に沿って往復自在に平行移動することができるようになっている。
なお、図1においてレール63は凸条をなしており、レール係合部67はかかる凸条に対応した凹条をなしている。しかしながら、レール63及びレール係合部67はこのような形態に限定されるものではない。
【0050】
また、スライドユニット可動側65には、ノックピン50が配設されている。具体的には、ノックピン50はスライドユニット可動側65を構成する上天板(符号なし)から下方(-z方向)に突き出すようにして配設されている。ノックピン50は、スライドユニット可動側65に結合(組込み等)されていてもよいし、スライドユニット可動側65と一体的に形成されていてもよい。
【0051】
再びスライドユニット固定側61に戻って、スライドユニット固定側61にはカム溝74が配設されている。
カム溝74は上記したボス72が係合できるようになっている。例えば、スライドユニット固定側61を構成する2枚の平板の対向する側(内側)において、一定の幅(後述するボス72の直径よりも僅か大きい寸法)及び一定の深さ(後述するボス72の一部が挿入可能な寸法)を有するカム溝74をそれぞれ構成してもよい。
中子30が回動する際の仮想的な回動軸(図示を省略)に沿って見たときに、カム溝74のパターンの少なくとも一部には、当該回動軸を中心とした円弧と一致する部分を有している(図2参照)。
【0052】
成形装置1が組み上げられた状態では、回動部材40に配設されたボス72がスライドユニット固定側61のカム溝74に係合することにより、回動部材40がいわば宙づりの状態となって、回動部材40とスライドユニット固定側61とが組み合わせられている。
また、ノックピン50が回動部材40の「はめあい穴41」に嵌装されることにより、スライドユニット可動側65及びノックピン50と回動部材40とが組み合わせられている。
【0053】
(8)回動部材40の回動機構
成形装置1が上記のように組み上げられている前提の下、成形装置1は、ノックピン50が所定方向に平行移動することにより、ノックピン50の少なくとも一部が回動部材40の「はめあい穴41」の内壁43に当接しながら、回動部材40は、スライドユニット固定側61(成形装置1の固定部90)に配設されたカム溝74と回動部材40に配設されたボス72との間で構成された案内70に従って回動するよう構成されている。
【0054】
例えば、図2(b)に示すように、ノックピン50は、その第1辺54a(他方の側の辺)が、「はめあい穴41」の内壁43の一部を構成している第1面44aの第1頂部44cに当接されている。かかるノックピン50が+x方向(図面向かった右方向)に平行移動することにより、回動部材40は、第1頂部44cにおいてノックピン50から平行移動による+x方向の力(中子抜きのための力)を受ける。そうすると、回動部材40は、回動部材40に配設されたボス72が「固定部90」たるスライドユニット固定側61に配設されたカム溝74に案内されながら摺動し、その結果、カム溝74のパターンに従って回動するようになっている。
【0055】
このように成形装置1は、ノックピン50が「直接的に」回動部材40を駆動するように構成されている。
その際、回動部材40は回動に伴ってその姿勢が傾いていくこととなる(詳細は後述する図4参照)。その点を考慮して、回動部材40が回動する過程で回動部材40及びノックピン50が干渉しないように、ノックピン50と「はめあい穴41」の内部空間との間には第1遊びsp1及び第2遊びsp2が設けられている《図2(b)参照》。
【0056】
なお、ここでの「固定部90」とは、中子抜きの際に、回動部材40及び中子30が動く側の部位であるのに対して、固定されて動かない側の部位をいうものとする。固定部90は如何なるものであってもよい。これまで説明してきた図1で示した例においては、スライドユニット固定側61が「固定部90」に該当する。
【0057】
(9)その他の構成
a)カム溝のパターン
成形装置1において、カム溝74のパターンの少なくとも一部には第1円弧ARC1を含んでおり、該第1円弧ARC1の中心の位置(図示を省略)が、成形製品Pの内側形状の一部となる第2円弧ARC2の中心の位置(図示を省略)と一致している。
ここでの「一致」とは、完全に一致している場合の他、実用上中子抜きが可能な範囲内で双方の円弧の中心位置が僅かにズレている場合もこれに含まれる。つまり、概ね一致している程度の場合もこれに含まれる。
なお、カム溝74のパターンは、回動による引き抜きが可能である限り、パターン総てに亘って1つの円弧による形状となっていなくてもよい。例えば、一部または全部が楕円に沿う曲線となっていたり、曲率半径が中途で変化している形状となっていたり、円弧の端部に直線を付け足した形状となっていてもよい。
【0058】
b)ノックピン50が当接する位置
実施形態1に係る成形装置1において、「はめあい穴41」の内壁43(図の例では第1頂部44c)と当接するノックピン50の位置は、ノックピン50の中途又は基端52側の位置である。換言すると、ノックピン50の先端51側の位置においては、「はめあい穴41」の内壁43(図の例では第1頂部44c)と当接していない。
【0059】
c)キャッチ力に対抗できる第1の力の発生
中子抜きの際の、中子30を成形製品Pから剥離する段階を第1期間とし、それに続いて回動部材40及び中子30を回動させる段階を第2期間とする。実施形態1に係る成形装置1では、ノックピン50は回動部材40に対し、この第1期間及び第2期間の両期間において一定の力を印加するものとする。
これに対し、第1期間は特に強い力を印加することもできる。すなわち、第1期間において、回動部材40に対し一方の側から他方の側へ向かう比較的強い力である第1の力を印加し、第2期間において、回動部材40に対し、第1の力よりも弱い力である第2の力を、回動部材が回動する方向に印加することもできる。
第1の力及び第2の力の発生及びこれらの力の回動部材40への伝達は、如何なる構成によって実現してもよい。
例えば、ノックピン50をハンドリングするロボットハンドにより、第1期間では第1トルクをもってノックピン50に力を加え、第2期間では第1トルクよりも弱い第2トルクをもってノックピン50に力を加えるような方式で実現してもよい。
また、第1の力を発生する際には油圧ブースター(図示を省略)を介在させることによって、第2の力よりも強い力を発生させることで実現してもよい。
なお、ここではノックピン50を介して間接的に回動部材40に対し第1の力及び第2の力を印加する例を述べたが、これに限定されるものではない。例えば、回動部材40に対し直接的に第1の力及び第2の力を印加する構成を適宜に採用してもよい。例えば、第2の力を発生させる時だけリンク機構(図示を省略)を用いて回動部材40に第2の力を印加するような方式を採用することもできる。
【0060】
d)ノックピン50の固定部材としての兼用
成形を行う際(成形時)には、溶融材料を湯道R/キャビティCに高い圧力(注入圧)を掛けながら注入する。このため、成形時にはかかる注入圧に対抗できる力をもって回動部材40を押え、回動部材40が回動し始めないようにする必要がある。
実施形態1に係る成形装置1においては、ノックピン50が回動部材40を押えるように構成してもよい。つまり、ノックピン50は、成形時に回動部材40を固定する固定部材(符号なし)を兼ねるよう構成してもよい。
具体的には、ノックピン50は、回動部材40が他方の側に動かないように回動部材40の動きを規制する。成形時に、ノックピン50が常に押え方向に押圧力を加えるよう構成してもよいし、回動部材40が注入圧力を受けたときに、ノックピン50において注入圧力に対する抗力が生じるように構成してもよい。このようにすることで、回動部材40が固定部材(符号なし)の後押しを得て、溶融材料の注入圧力に対抗できるようになる。
【0061】
参考までに、ノックピン50が固定部材(符号なし)として働く際には、ノックピン50の第2辺54b(一方の側の辺)が、直線によって回動部材40の第2面44bを押えるようになっている(断面視の場合)。このように直線(立体視の場合には面)によって回動部材40を押えることにより、回動部材40を強固に固定し、安定した成形を行うことができる。
【0062】
2.実施形態1に係る成形製品の製造方法
図3は、実施形態1に係る成形製品の製造方法におけるフローチャートである。
図4は、実施形態1に係る成形製品の製造方法における第1工程S10~第2工程S20を説明するために示す要部断面図である。それぞれの図面は図2(b)に対応する図である。図4(a)は第1工程S10を示しており、図4(b)~図4(d)は第2工程S20を時系列の順に示している。
【0063】
実施形態1に係る成形製品の製造方法は、実施形態1に係る成形装置1を用いて実施する。実施形態1に係る成形製品の製造方法は、円弧状に湾曲した内部空間を有し金属からなる成形製品Pを製造するための成形製品の製造方法である。
【0064】
実施形態1に係る成形製品の製造方法は、第1工程S10及び第2工程S20を含む(
図3参照。)。以下、各工程について説明する。
【0065】
(1)第1工程S10
第1工程S10は、合体した状態で成形製品Pの外側形状に対応する形状を有するキャビティCを形成可能な一組の金型10,20と、成形製品Pの内側形状に対応する形状を有する中子30との間に成形製品Pを形成する工程である《図4(a)参照》。このため、第1工程S10は、成形製品形成工程ということもできる。
【0066】
第1工程S10においては、まず、一組の金型10,20を合体させるとともに、中子30をキャビティCの内部に配置する(図1の状態に相当)。その後、ノックピン50の第2辺54bを回動部材40の「はめあい穴41」の第2面44bに押し当てるようにしてノックピン50を固定する。その状態で、溶融した成形材料を湯道R経由でキャビティCに導入し固化させ、成形製品Pを成形する《図4(a)参照》。
【0067】
第1工程S10が実施される間は、ノックピン50により、回動部材40をその「他方の側」から支持し、中子30及び回動部材40を固定する。
図4(a)の例では、図面に向かって右側から左方向(矢印d1の方向)に向け、ノックピン50の第2辺54b(一方の側の辺)を、回動部材40の第2面44bを押える。
【0068】
(2)第2工程S20
第2工程S20は、成形製品Pを成形した後に、中子30を中子30の基端32に結合された回動部材40により回動させて成形製品Pから中子30を引き抜く工程である《図4(b)~図4(d)参照》。このため、第2工程S20は、中子引き抜き工程ということもできる。
【0069】
第2工程S20においては、回動部材40に設けられた「はめあい穴41」に嵌装されたノックピン50を所定方向(図4の例では+x方向)に平行移動することにより、ノックピン50の少なくとも一部(ここでは第1辺54aの一部)を回動部材40の「はめあい穴41」の内壁43(ここでは第1頂部44c)に当接させながら、回動部材40を、固定部90(ここでは図示しないスライドユニット固定側61)に配設されたカム溝74と回動部材40に配設されたボス72との間で構成された案内70に従って回動させる。
このような回動によって成形製品Pから中子30を引き抜き《図4(d)参照》、その後、成形製品Pを取り出す。なお、成形製品Pの取り出しは、ロボットハンド等を用いて行うことができる。
【0070】
なお、第2工程S20では、はじめに、キャッチ力に対抗できる強い力をもって中子30を成形製品Pから剥離させ、次いで比較的弱い力で中子30及び回動部材40を回動させることもできる。
すなわち、第1期間において、一方の側から他方の側へ向かう第1の力を回動部材40に対し印加し、第1期間に続く第2期間において、回動部材40に対し、第1の力よりも弱い力である第2の力を、回動部材が回動する方向に印加することもできる。
【0071】
3.実施形態1に係る成形装置1及び成形製品の製造方法の作用・効果
(1)実施形態1に係る成形装置1は、「はめあい穴41」が設けられた回動部材40と、「はめあい穴41」に嵌挿され、「はめあい穴41」に嵌装された状態で所定方向に平行移動が可能なノックピン50と、を備える。また、ノックピン50が所定方向に平行移動することにより、ノックピン50の少なくとも一部が回動部材40の「はめあい穴41」の内壁43に当接しながら、回動部材40は、成形装置1の固定部90(例えばスライドユニット固定側61)に配設されたカム溝74と回動部材40に配設されたボス72との間で構成された案内70に従って回動するよう構成されている。
このため、ノックピン50が平行移動すると、ノックピン50は「はめあい穴41」の内壁43に当接しながら回動部材40を所定方向に押すこととなる。このときの押す力は中子抜きのための力となる。中子抜きのための力が印加された回動部材40はカム溝74とボス72との間で構成された案内70に従って回動する。回動部材40が回動するのに伴って、中子30も回動し、中子30が成形製品Pから鋳抜かれる。
【0072】
以上説明したことから、成形装置1は、ノックピン50が回動部材40の「はめあい穴41」の内壁43に当接しながら、当該内壁43に対し直接的に中子抜きのための力を働きかけるため、リンク機構により中子抜きのための力を加えるという従来の成形装置と比較して、力のロスが少なく、位置ズレが生じづらく、耐久性が高い成形装置となる。
【0073】
ここで、少し別の観点で従来の成形装置との比較を行う。
従来の成形装置900のようにリンク機構を用いた成形装置によると、上記したようにガタが生じやすく、位置ズレを生じやすい。
【0074】
また、別の従来の成形装置として、一端に回動部材40(回動部材40には中子30が結合されているものとする)が取り付けられ他端に回動軸を有するアーム(符号なし)を導入し、当該回動軸回りにアームを駆動することにより、回動部材に結合された中子30を成形製品Pから引き抜くという機構も提案されている(図示を省略)。しかしながら、このような機構によると、回動部材40及び中子30の動きは厳格に円弧軌道を描くため、中途で曲率半径が変化していたり、中途で直線となっているような外径形状(特殊曲面形状)の中子の場合には、当該中子を成形製品Pから抜けない場合がある。
また、このような別の成形装置によれば、成形製品Pの内部空間の形状である円弧の半径が大きい場合には、これに伴って上記アームの長さを長くする必要が生じ、長いアームの可動範囲の確保等を考慮すると装置の容積が増大し、装置が大掛かりなものとなってしまう。
【0075】
一方、実施形態1に係る成形装置1は、ノックピン50と「はめあい穴41」とは当接している部分以外はフリーとなっている。つまり、リンク機構のジョイント等や回動軸に固定されたアームにより強く拘束されているものではない。このため、中子30の外径形状の設計の上でも自由度をより高めることができる。
また、実施形態1に係る成形装置1において、回動部材40は、ボス72が必要最小限の空間に設けられたカム溝74に従って回動するようになっている。このため、別の成形装置のように装置が大掛かりなものとなることもなく、比較的コンパクトな成形装置とすることができる。
【0076】
(2)成形装置1において、カム溝774のパターンの少なくとも一部には第1円弧ARC1を含んでおり、該第1円弧ARC1の中心の位置(図示を省略)が、成形製品Pの内側形状の一部となる第2円弧ARC2の中心の位置(図示を省略)と一致している。
このように構成されているため、中子30は成形製品Pの内側形状に倣って動かされることとなる。したがって、成形装置1は、より力のロスが少なく、よりガタが生じづらく、より耐久性が高いものとなる。
【0077】
(3)上記したようにノックピン50はスライドユニット可動側65を構成する上天板(符号なし)から下方(-z方向)に突き出すようにして配設されており、ノックピン50は言うなれば片持ち梁となっている。ここで、実施形態1に係る成形装置1では「はめあい穴41」の内壁43と当接するノックピン50の位置は、ノックピン50の中途又は基端52側の位置となっている。
このような位置で回動部材40の内壁に当接して力を加えることとなるため、力を加えたとしてもノックピン50のたわみ量が比較的少なくて済むため、その結果、力のロスがより少ない成形装置となる。
【0078】
(4)実施形態1に係る成形装置1は、第1期間において、回動部材40に対し一方の側から他方の側へ向かう第1の力を印加し、第2期間において、回動部材40に対し、第1の力よりも弱い力である第2の力を、回動部材40が回動する方向に印加する、よう構成されている。
同様に、実施形態1に係る成形製品の製造方法においても、第2工程S20の第1期間において、一方の側から他方の側へ向かう第1の力を回動部材40に対し印加し、第1期間に続く第2期間において、回動部材40に対し、第1の力よりも弱い力である第2の力を、回動部材が回動する方向に印加することとなっている。
このため、成形製品Pと中子30とがキャッチ力によって強く固着していたとしても、第2の力よりも相対的に強い第1の力によって容易に回動部材40を動かすことができ、これにより成形製品Pに強く固着している中子30を成形製品Pから容易に分離することができる。また、その後は、第1の力よりも弱い力である第2の力であってもスムーズに中子30を抜いて成形製品Pを取り出すことができる。
【0079】
(5)ノックピン50を、成形時に回動部材40を固定する「固定部材(符号なし)」としても兼ねるように構成することにより、成形装置1は、成形装置を構成する部品点数を少なくすることができ、装置設計をシンプルにすることができ、かつ、経済的にも有利なものとなる。
【0080】
(6)上記した実施形態1に係る成形製品の製造方法によれば、第2工程S20において、ノックピン50が回動部材40の「はめあい穴41」の内壁43に当接しながら、当該内壁43に対し直接的に中子抜きのための力を働きかける。このため、リンク機構による従来の成形装置を用いて成形製品を製造する場合と比較して、力のロスが少なく、かつ、位置ズレが生じづらい状態で中子を引き抜くことができ、中子を引き抜く際に成形製品にかかる圧力を低減することができる。
こうしたことから、実施形態1に係る成形製品の製造方法は、従来の成形装置を用いた成形製品の製造方法と比較して、円弧状に湾曲した内部空間を有する成形製品Pを取り出すときに成形製品に傷が生じるのを抑制することができる成形製品の製造方法となる。
【0081】
(7)実施形態1に係る成形製品の製造方法によれば、第1工程S10が実施される間は、ノックピン50により、回動部材40をその「他方の側」から支持し、中子30及び回動部材40を固定する。
このため、キャビティCに溶融金属が注入されたとき、注入圧によって中子30及び回動部材40が回動し始めることを防止することができる。
また、第2工程では回動部材40を駆動するために用いる部材であるノックピン50を、第1工程においても、中子30及び回動部材40を固定するための部材(固定部材)として兼ねて用いるため、成形製品の製造方法を実施するための成形装置の部品点数を少なくすることができ、装置設計をシンプルにすることができ、かつ、経済的にも有利なものとすることができる。
【0082】
[実施形態2]
図5は、実施形態2に係る成形装置2及び成形装置2を用いた成形製品の製造方法を説明するために示す図である。図5(a)は、第1工程(成形製品形成工程)S10を実施しているときの状態を示しており、図5(b)は、第2工程(中子引き抜き工程)S20における中子の引き抜きはじめの状態を示している。
実施形態1と共通する構成要素については、実施形態1と共通する符号を付し(元の数字にダッシュを付加する場合も含む)、それらの詳しい説明は実施形態1における説明を援用する。
【0083】
1.実施形態2に係る成形装置2の構成
実施形態2に係る成形装置2は、基本的には実施形態1に係る成形装置1と同様の構成を有するが、「はめあい穴41」の内壁43’と当接するノックピン50の位置において、実施形態1に係る成形装置1とは異なる。そこで、実施形態1との相違点を中心に説明をするものとし、実施形態1と共通する他の部分については、符号を付しての図示及びそれらの説明は省略する。
【0084】
図5に示すように、実施形態2に係る成形装置2は、「はめあい穴41’」の内壁43’(図の例では第1面44a’)と当接するノックピン50の位置が、ノックピン50の先端51側の位置となるように構成されている。
また「はめあい穴41’」は、回動部材40’が回動する過程で回動部材40’及びノックピン50が干渉しないように、深部から開口部42’に進むにつれて幅広に形成されている。つまり、開口部42’側が広くなった略テーパー形状となっている。
【0085】
2.実施形態2に係る成形装置2の効果
成形装置2において、「はめあい穴41’」の内壁43’(図の例では第1面44a’)と当接するノックピン50の位置が、ノックピン50の先端51側の位置なるような構成によって機能するように、「はめあい穴41’」が深部から開口部42’に進むにつれて幅広に形成されている。
このため、「はめあい穴41’」を比較的シンプルな構造で構成することができ、経済的にも有利な成形装置となる。
【0086】
なお、実施形態2に係る成形装置2は、「はめあい穴41」の内壁43’と当接するノックピン50の位置以外の構成においては、実施形態1に係る成形装置1と基本的に同様の構成を有する。そのため、実施形態1に係る成形装置1が有する効果のうち該当する効果を同様に有する。
【0087】
[実施形態3]
図6は、実施形態3に係る成形装置3a,3bを説明するために示す図である。図7は、実施形態3に係る成形装置3’を説明するために示す要部断面図である。
実施形態3に係る成形装置3a,3b,3’(後述)のうち、実施形態1及び2と共通する構成要素については、実施形態1と共通する符号を付し(元の数字にダッシュ及び添え字としてのローマ字を付加する場合も含む)、それらの詳しい説明は実施形態1及び2における説明を援用する。
【0088】
1.実施形態3に係る成形装置3a,3b,3’の構成
実施形態3に係る成形装置3a,3b,3’は、基本的には実施形態1,2に係る成形装置1,2と同様の構成を有するが、補助固定部材を更に備える点において、実施形態1,2に係る成形装置1,2とは異なる。そこで、実施形態1,2との相違点を中心に説明をするものとし、実施形態1,2と共通する他の部分については、符号を付しての図示及びそれらの説明は省略する。
【0089】
(1)成形装置3a
図6(a)は、成形装置3aの要部断面図であり図2(b)に対応する図である。
実施形態3に係る成形装置3aは、図6(a)に示すように、補助固定部材80aを更に備える。
【0090】
補助固定部材80aは、成形時に回動部材40を補助的に固定可能とする部材である。
具体的には、補助固定部材80aは、成形時には回動部材40をその他方の側から《図6(a)の例では、図面向かって右の方から》、直接的に又は間接的に支持することにより中子30及び回動部材40を補助的に固定する部材である。なお、図6(a)は、補助固定部材80aが回動部材40を補助的に固定する位置(補助固定部材固定位置)にあるときの状態を示している。
成形後には、補助固定部材80aは回動部材40の他方の側から、「補助固定部材退避位置」へ、退避するように構成されている。これにより、回動部材40が補助固定部材80aと干渉することなく回動可能となる。
補助固定部材80aが補助固定部材固定位置から補助固定部材退避位置に退避する方向は例えば図6(a)では図面向かって上方へ、右方向へ等、適宜の方向を採ることができる。
成形装置3aは、補助固定部材80aがそのような方向に沿って補助固定部材固定位置~補助固定部材退避位置の間で進退できるように適宜構成することができる。
補助固定部材80aは、そのような進退が可能であれば、どのように構成されていてもよい。例えば、補助固定部材80aはノックピン50と結合され、ノックピン50と連動して進退するようになっていてもよいし、補助固定部材80aはノックピン50の動作機構とは別の独立した動作機構によって進退するようになっていてもよい。
【0091】
なお、ここで「補助」の語を用いている理由は、成形時、固定部材(ノックピン50)が主として回動部材40を固定しているが、補助固定部材80aはかかる固定部材(ノックピン50)による固定を補助するものとして位置付けられていることによる。
【0092】
以下において、補助固定部材80aのバリエーションである補助固定部材80b,80’をそれぞれ有する成形装置3b,3’を説明する。なお、成形装置3b,3’における補助固定部材80b,80’は、基本的には補助固定部材80aと同様の構成及び特徴を有する。
【0093】
(2)成形装置3b
図6(b)は、成形装置3bの要部断面図であり図1(b)に対応する図である。
補助固定部材のバリエーション例としての成形装置3bは、図6(b)に示すように、補助固定部材80bを上金型20bと一体的に連成したものである。具体的には、回動部材40の他方の側(+x方向の側)において、上金型20bから図面に向かって下方向の側(-z方向の側)へ突出させた補助固定部凸部82を設け、これを補助固定部材80bとしたものである。
補助固定部材80bをこのように構成することにより、形成時に上金型20bが下金型10に合体すると(型が閉じると)、補助固定部凸部82/補助固定部材80bがスライドユニット可動側65に係合して、スライドユニット可動側65の+x方向への動きを規制する。スライドユニット可動側65の+x方向への動きが規制されると、スライドユニット可動側65に結合されたノックピン50についても、+x方向への動きが規制される。ノックピン50の+x方向への動きが規制されると、回動部材40の+x方向の動きが規制される。
このようにして、補助固定部凸部82/補助固定部材80bが、スライドユニット可動側65~ノックピン50を介して回動部材40を間接的に支持して、回動部材40の動きをロックできるようになっている。つまり、補助固定部凸部82/補助固定部材80bが回動部材40を間接的に支持することにより中子30及び回動部材40を補助的に固定できるようになっている。
【0094】
(3)成形装置3’
成形装置3’は、実施形態2に係る成形装置3をベースにし、これに補助固定部材80’を付加したものである。
図7(a)は第1工程(成形製品形成工程)を行っている状態を示す図である。図7(b)は第2工程(中子引き抜き工程)の終期段階の状態を示す図である。
【0095】
形成時、図7(a)に示すように、補助固定部材80’は、回動部材40を他方の側から直接的に支持して、回動部材40の動きをロックできるようになっている。
一方、成形後には、図7(b)に示すように、補助固定部材80’は、回動部材40’の他方の側から退避して、回動部材40’との干渉を回避し回動部材40’が回動できるようになっている。
【0096】
2.実施形態3に係る成形装置3a,3b,3’の効果
実施形態3に係る成形装置3a,3b,3’は、上記したような補助固定部材80a,80b,80’を有しており、成形時には、回動部材40の他方の側から、回動部材40を直接的に又は間接的に支持することにより中子30及び回動部材40を補助的に固定することができる。
したがって、溶融材料が湯道R及びキャビティCに注入される圧力で回動部材が回動してしまうことを厳重に抑えることができ、ひいては、より安定した成形を行うことができる。
【0097】
なお、実施形態3に係る成形装置3a,3b,3’は、補助固定部材を更に備える点以外の構成においては、実施形態1,2に係る成形装置1,2と基本的に同様の構成を有する。そのため、実施形態1,2に係る成形装置1,2が有する効果のうち該当する効果を同様に有する。
【0098】
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0099】
(1)上記実施形態において記載した構成要素の数、材質、形状、位置、大きさ等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
【0100】
(2)実施形態1及び3に係る成形装置1,3a,3bの「はめあい穴41」の内壁43の形状は、第1頂部44cを有し、該第1頂部44cから-z方向にかけては断面視において直線的な形状となっている。しかしながら本発明においてはこれに限定されるものではない。断面視において曲線を描くような形状としてもよい。
また、ノックピン50が当接するポイントも第1頂部44c付近に限定されるものではなく、ノックピン50が水平動するにつれて内壁43適宜の箇所において当接するポイントが移動するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0101】
1,2,3’3a,3b,900…成形装置、10…下金型、20,20’,20b…上金型、30,930…中子、31…(中子の)先端、32…(中子の)基端、40,40’,940…回動部材、41,41’…はめあい穴、42,42’…開口部、43,43’…内壁、44a,44a’…第1面、44b…第2面、44c…第1頂部、50…ノックピン、51…(ノックピンの)先端、52…(ノックピンの)基端、54a…第1辺、54b…第2辺、60…スライドユニット、61…スライドユニット固定側、63…レール、65…スライドユニット可動側、67…レール係合部、70…案内、72,972…ボス、74,974…カム溝、80a,80b,80c,80d,80'…補助固定部材、82…補助固定部凸部、90…固定部、95…中子駆動部材、910,920…金型、950…リンク作動ブロック、951…第1リンクピン、952…第2リンクピン、953…第3リンクピン、954,955…長穴、957…リンク部材、958…第1連携部、959…第2連携部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8