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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】電子機器用の表示ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20230809BHJP
【FI】
H01L33/00 H
H01L33/00 L
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019209056
(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公開番号】P2021082712
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-08-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 [納品元] 株式会社ウイルダイフレックス [納品先] 株式会社坂詰製作所 [納品日] 令和元年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】503412919
【氏名又は名称】株式会社ウイルダイフレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】木内 勝也
(72)【発明者】
【氏名】峯村 英一郎
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-033776(JP,U)
【文献】特開2011-253782(JP,A)
【文献】特開2013-243313(JP,A)
【文献】実開昭60-071154(JP,U)
【文献】実開昭60-096855(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0025103(US,A1)
【文献】中国実用新案第204596840(CN,U)
【文献】国際公開第2018/046754(WO,A2)
【文献】特開2019-186046(JP,A)
【文献】実開平05-020346(JP,U)
【文献】特開2014-165085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00
H01L 33/48-33/64
F21V 19/00-19/06
F21V 23/00-23/06
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
H05K 1/14
H05K 1/18
H05K 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に光照射口を有する筒状管体と、当該筒状管体の内部に収納されるモジュール基板と、を備える電子機器用の表示ユニットであって、
前記モジュール基板は、
細長い薄板状のフレキシブル基板と、
発光面とは反対側の面が前記フレキシブル基板の板面の側に向くように、前記フレキシブル基板の長手方向の中途部に実装されているチップ型の発光素子と、
を有し、
前記フレキシブル基板は、前記発光素子が実装されている箇所を折り曲げ部としてU字状又はほぼU字状に折り曲げられた状態で、前記発光素子が発する光の光軸が前記筒状管体の中心軸に一致又はほぼ一致するように前記筒状管体に収納されており、
前記モジュール基板は、光透過性を有するとともに非導電性を有する材料でなるチューブによって被覆されており、
前記フレキシブル基板は、当該フレキシブル基板の長手方向の端部には、前記発光素子に電気的に接続されている第1接続パッド及び第2接続パッドがそれぞれ設けられ、
前記第1接続パッドには、弾性を有する細長い薄板状の第1リード片の一端が接続され、当該第1リード片の他端は、外部回路接続端子として前記筒状管体の後端部から当該筒状管体の外方に突出し、
前記第2接続パッドには、弾性を有する細長い薄板状の第2リード片の一端が接続され、当該第2リード片の他端は、外部回路接続端子として前記筒状管体の後端部から当該筒状管体の外方に突出しており、
前記筒状管体の前記光照射口とは反対側の後端部に取り付けられ、前記筒状管体の前記光照射口とは反対側の後端部に取り付けられたときに、中心軸が前記筒状管体の中心軸と同軸となる筒状のベースキャップをさらに備え、
前記ベースキャップは、一方の端部の側が閉塞端面となっており、当該閉塞端面には、前記第1リード片の前記外部回路接続端子が貫通可能な第1スリットと、
前記第2リード片の前記外部回路接続端子が貫通可能な第2スリットとが、当該ベースキャップの中心軸を挟んで当該中心軸から等間隔の位置で、かつ、互いに平行となるように形成されており、
前記第1スリットは、当該第1スリットの端面形状が、前記第1リード片の外部回路接続端子の端面形状と同様の形状を有し、当該第1スリットの端面サイズが、前記第1リード片の外部回路接続端子の端面サイズよりもやや大きいサイズを有しており、
前記第2スリットは、当該第2スリットの端面形状が、前記第2リード片の外部回路接続端子の端面形状と同様の形状を有し、当該第2スリットの端面サイズが、前記第2リード片の外部回路接続端子の端面サイズよりもやや大きいサイズを有しており、
前記第1スリット及び第2スリットは、当該第1スリット及び第2スリットのそれぞれの長手方向の中心を結ぶ仮想的な直線が、当該第1スリット及び第2スリットのそれぞれの長手方向の辺に直交し、かつ、前記ベースキャップの中心軸を通るように前記閉塞端面に形成されていることを特徴とする電子機器用の表示ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器用の表示ユニットにおいて、
前記フレキシブル基板の長手方向の中途部は、当該フレキシブル基板の長手方向の中央部であることを特徴とする電子機器用の表示ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子機器用の表示ユニットにおいて、
前記第1接続パッドは、前記フレキシブル基板の長手方向の一方の端部に形成され、前記第2接続パッドは、前記フレキシブル基板の長手方向の他方の端部に形成されていることを特徴とする電子機器用の表示ユニット。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の電子機器用の表示ユニットにおいて、
前記第1リード片の前記外部回路接続端子には、当該第1リード片の前記外部回路接続端子が前記第1スリットを貫通した状態となったときに、当該第1リード片が前記ベースキャップの中心軸に沿った前後方向に動くことを規制する前後方向の動き規制部が設けられており、
前記第2リード片の前記外部回路接続端子には、当該第2リード片の前記外部回路接続端子が前記第2スリットを貫通した状態となったときに、当該第2リード片が前記ベースキャップの中心軸に沿った前後方向に動くことを規制する前後方向の動き規制部が設けられている、
ことを特徴とする電子機器用の表示ユニット。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の電子機器用の表示ユニットにおいて、
前記筒状管体の光照射口には、前記発光素子が発する光を透過させる光透過部材が設けられており、当該光透過部材の前記発光素子に対向する側に向く面には、前記発光素子を嵌入させることができる凹部が設けられていることを特徴とする電子機器用の表示ユニット。
【請求項6】
請求項に記載の電子機器用の表示ユニットにおいて、
前記光透過部材は、レンズであることを特徴とする電子機器用の表示ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器用の表示ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器用の表示ユニット(以下、単に「表示ユニット」と記載する場合もある。)は、電子機器の動作状態を表示するものとして、多くの電子機器に組み込まれている。このような表示ユニットとしては、発光素子及び当該発光素子を駆動するための電子部品を基板に実装したモジュール基板を、筒状管体(円筒管体とする。)に収納したものが知られている。
【0003】
このような表示ユニットは、組み込まれる電子機器のサイズによって、様々なサイズのものが存在するが、電子機器の小型軽量化に伴って、より小型の表示ユニットが望まれている。例えば、表示ユニットの筐体である円筒管体の内径が、4mm~7mm程度で円筒管体の中心軸方向の長さが15mm~20mmといった小サイズの表示ユニットの需要が多く、さらなる小サイズ化の要求もある。
【0004】
このような小サイズの表示ユニットにおいては、内部に収納されるモジュール基板もより小型化が要求される。このため、モジュール基板の構成要素の1つである基板のサイズも小サイズ化が要求されている。例えば、基板の平面形状が矩形状である場合、横(幅)方向の長さ(円筒管体の径方向長さ)が4mm、縦(円筒管体の中心軸方向の長さ)が7mm程度、厚みが1.2mm又は1.6mmといったサイズの基板を用いる場合もある。また、このような小サイズのモジュール基板においては、発光素子を含む他の電子部品も殆どがチップである。なお、この明細書においては、「チップ型の電子部品」というのは、複数の端子がリード線を持たずに電子部品本体に設けられているタイプのものを指すものとする。
【0005】
このような小サイズの表示ユニットに用いられるモジュール基板においては、発光素子と、当該発光素子を駆動するための電子部品を含めた複数の電子部品を小サイズの基板に実装する必要がある。このため、上述した小サイズの基板の実装スペースを有効利用するためには、基板に電子部品を実装する際の実装構造に工夫が必要となる。
【0006】
また、LEDなどの発光素子は発光面に向き、すなわち、光の照射方向に向きがあるため、発光面の向きが所定の向きとなるように基板に取り付ける必要がある。例えば、筒状管体(円筒管体とする。)にモジュール基板が収納されてなる表示ユニットの場合には、発光素子の発光面が円筒管体の光照射口側を向くように基板に取り付ける必要がある。また、円筒管体の光照射口から照射される光に偏りをなくすために、当該発光素子が発する光の光軸が、円筒管体の中心軸と一致又はほぼ一致するように当該発光素子を基板上に実装することが求められる。
【0007】
一方、基板のスペースを有効利用するには基板の端面を利用して当該端面に電子部品を取り付ける実装構造とすることも考えられる。基板の端面を利用して当該端面に電子部品を取り付ける実装構造は提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
図7は、特許文献1に記載されている電子部品の実装構造を説明するために示す図である。特許文献1に記載されている電子部品の実装構造(特許文献1においては光モジュールの実装構造としている。)は、図7に示すように、光モジュール800の構成要素の1つである電子部品(受光素子840)を基板810の端面810a側に配置して、当該受光素子840の端子(2本のリード線821,822)を基板810の平面部(第1平面部811及び第2平面部812)上にそれぞれ沿わせた状態とする。
【0009】
そして、2本のリード線821,822で基板810を両側から挟んで、基板810の平面部(第1平面部811及び第2平面部812)に形成されている回路パターン(図示せず。)に、はんだ830によって接続した構造となっている。なお、特許文献1に記載されている電子部品の実装構造においては、基板の端面に取り付ける電子部品は受光素子840である場合が示されているが、受光素子840の代わりに、発光素子を基板810の端面810aに取り付ける構成とすることも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】実開平5-20346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した特許文献1に記載されている電子部品の実装構造において用いられている電子部品(受光素子840)は、チップ型ではなく、端子が2本のリード線821,822でなる電子部品である。このように、特許文献1に記載されている電子部品の実装構造においは、基板の端面に取り付けられる電子部品としての受光素子840は、チップ部品ではないため、当該受光素子840に設けられている2本のリード線821,822を広げたり曲げたりすることが容易にできる。このため、電子部品である受光素子840を基板810の端面810aの側に配置することは容易である。
【0012】
これに対して、チップ型をなす電子部品(ここではLEDなどの発光素子とする。)においては、リード線が存在しないため、例えば、発光素子本体の一方の面に発光面が存在し、当該発光面と反対側の面に端子が設けられているタイプの発光素子においては、端子を基板の平面部に形成されている端子接続用パターンに、はんだ接続すると、当該発光素子の発光面が基板の平面部に対して垂直方向を向くこととなる。
【0013】
このため、発光素子の発光面が、基板の平面部に沿った方向に向くようにするには、発光素子の発光面が基板の平面部に横向き(発光面の向きが基板の平面部と平行となる向き)となるように発光素子を取り付けざるを得ない。当該基板の平面部に発光素子を横向きに実装するためには、何らかの補助部品を設けて、当該補助部品に発光素子を横向きに実装することも考えられる。
【0014】
また、前述した表示ユニットにおいては、表示ユニットの小サイズ化の要求に応えるために、表示ユニットの筐体である円筒管体に収納される基板のサイズも小サイズ化されているが、より多くの電子部品を実装可能とするとともに、より大サイズの電子部品を実装可能とするために、基板サイズは可能な限り大きくして、基板の平面部における実装スペースを有効利用できることが好ましい。
【0015】
円筒体管体内での基板のサイズのうち、基板の長さ(円筒管体の軸方向長さ)が限られているとすれば、基板の横方向の長さ(円筒管体の径方向長さ)をより大きくすることが必要となる。ここで、基板の横方向の長さ(円筒管体の径方向長さ)をより大きくするには、基板を当該円筒管体内において当該円筒管体の内径に対応する平面に配置することが好ましい。
【0016】
すなわち、基板の表裏を形成する第1平面部及び第2平面部と平行で当該基板の端面を貫く当該主基板の中心軸が、円筒管体の中心軸と同軸又はほぼ同軸となるように基板を筒状管体内に配置することが好ましい。基板を円筒管体内においてこのように配置することより、基板の横方向の長さ(横幅ともいう。)は、円筒管体の径とほぼ同様のサイズとすることが可能となり、基板のサイズを可能な限り大きくすることができる。
【0017】
基板をこのように円筒管体内に収納することによって、確かに、基板のサイズを可能な限り大きくすることができるが、当該基板の平面上に、前述したように、何らかの補助部品を設けて、当該補助部品にLEDを横向きに実装すると、発光素子が発する光の光軸が円筒管体の中心軸から大きく外れてしまうといった不具合が生じることとなる。
【0018】
このように、基板を筒状管体内の限られた収納スペースに収納する際の基板のサイズを可能な限り大きくするとともに基板の平面部における実装スペースを有効利用すること、チップ型のLEDが発する光の光軸が当該筒状管体の中心軸に一致又はほぼ一致するように実装することなどを考慮すると、当該発光素子は、基板の端面(中心軸上)に実装することが好ましいといえる。
【0019】
上述した特許文献1に記載されている電子部品の実装構造は、確かに、電子部品(受光素子840)を基板の端面に配置するような実装構造となっており、基板810の中心軸が、円筒管体の中心軸と同軸又はほぼ同軸となるように筒状管体内に配置することができ、それよって、基板のサイズを可能な限り大きくすることができる。従って、特許文献1に記載されている電子部品の実装構造を採用して、LEDなどの発光素子を基板810の端面に取り付けるようにすれば、当該発光素子が発する光の光軸を筒状管体の中心軸に一致又はほぼ一致させることも可能となると考えられる。
【0020】
しかしながら、特許文献1に記載されている電子部品の実装構造においては、電子部品800は、チップ型の電子部品ではなく、端子821,822がリード線でなる電子部品であり、端子の配置に自由度が高いためになし得るものであり、チップ型の電子部品(LEDなどの発光素子)では当該チップ型の電子部品を基板の端面に配置することは難しい。このため、チップ型の発光素子及び当該発光素子を駆動する電子部品を搭載したモジュール基板を筒状管体(円筒管体とする。)に収納してなる表示ユニットにおいては、基板のサイズを可能な限り大きくし、しかも、発光素子の光軸を筒状管体の中心軸と同軸又はほぼ同軸とすることは難しい。
【0021】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、チップ型の発光素子及び当該発光素子を駆動する電子部品が搭載されたモジュール基板を筒状管体に収納してなる表示ユニットにおいて、基板サイズを可能な限り大きくして、しかも、発光素子が発する光の光軸を筒状管体の中心軸に一致又はほぼ一致させることが可能な電子機器用の表示ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
[1]本発明の電子機器用の表示ユニットは、先端部に光照射口を有する筒状管体と、当該筒状管体の内部に収納されるモジュール基板と、を備える電子機器用の表示ユニットであって、前記モジュール基板は、細長い薄板状のフレキシブル基板と、発光面とは反対側の面が前記フレキシブル基板の板面の側に向くように、前記フレキシブル基板の長手方向の中途部に実装されているチップ型の発光素子と、を有し、前記フレキシブル基板は、前記発光素子が実装されている箇所を折り曲げ部としてU字状又はほぼU字状に折り曲げられた状態で、前記発光素子が発する光の光軸が前記筒状管体の中心軸に一致又はほぼ一致するように前記筒状管体に収納されていることを特徴とする。
【0023】
[2]本発明の電子機器用の表示ユニットにおいては、前記フレキシブル基板の長手方向の中途部は、当該フレキシブル基板の長手方向の中央部であることが好ましい。
【0024】
[3]本発明の電子機器用の表示ユニットにおいては、前記モジュール基板は、光透過性を有するとともに非導電性を有する材料でなるチューブによって被覆されていることが好ましい。
【0025】
[4]本発明の電子機器用の表示ユニットにおいては、前記フレキシブル基板は、当該フレキシブル基板の長手方向の端部には、前記発光素子に電気的に接続されている第1接続パッド及び第2接続パッドがそれぞれ設けられ、前記第1接続パッドには、弾性を有する細長い薄板状の第1リード片の一端が接続され、当該第1リード片の他端は、外部回路接続端子として前記筒状管体の後端部から当該筒状管体の外方に突出し、前記第2接続パッドには、弾性を有する細長い薄板状の第2リード片の一端が接続され、当該第2リード片の他端は、外部回路接続端子として前記筒状管体の後端部から当該筒状管体の外方に突出していることが好ましい。
【0026】
[5]本発明の電子機器用の表示ユニットにおいては、前記第1接続パッドは、前記フレキシブル基板の長手方向の一方の端部に形成され、前記第2接続パッドは、前記フレキシブル基板の長手方向の他方の端部に形成されていることが好ましい。
【0027】
[6]本発明の電子機器用の表示ユニットにおいては、前記筒状管体の前記光照射口とは反対側の後端部に取り付けられ、前記筒状管体の前記光照射口とは反対側の後端部に取り付けられたときに、中心軸が前記筒状管体の中心軸と同軸となる筒状のベースキャップをさらに備え、前記ベースキャップは、一方の端部の側が閉塞端面となっており、当該閉塞端面には、前記第1リード片の前記外部回路接続端子が貫通可能な第1スリットと、前記第2リード片の前記外部回路接続端子が貫通可能な第2スリットとが、前記中心軸を挟んで当該中心軸から等間隔の位置で、かつ、互いに平行となるように形成されており、前記第1スリットは、当該第1スリットの端面形状が、前記第1リード片の外部回路接続端子の端面形状と同様の形状を有し、当該第1スリットの端面サイズが、前記第1リード片の外部回路接続端子の端面サイズよりもやや大きいサイズを有しており、前記第2スリットは、当該第2スリットの端面形状が、前記第2リード片の外部回路接続端子の端面形状と同様の形状を有し、当該第2スリットの端面サイズが、前記第2リード片の外部回路接続端子の端面サイズよりもやや大きいサイズを有していることが好ましい。
【0028】
[7]本発明の電子機器用の表示ユニットにおいては、前記第1スリット及び第2スリットは、当該第1スリット及び第2スリットのそれぞれの長手方向の中心を結ぶ仮想的な直線が、当該第1スリット及び第2スリットのそれぞれの長手方向の辺に直交し、かつ、前記ベースキャップの中心軸を通るように前記閉塞端面に形成されていることが好ましい。
【0029】
[8]本発明の電子機器用の表示ユニットにおいては、前記第1リード片の前記外部回路接続端子には、当該第1リード片の前記外部回路接続端子が前記第1スリットを貫通した状態となったときに、当該第1リード片が前記ベースキャップの中心軸に沿った前後方向に動くことを規制する前後方向の動き規制部が設けられており、前記第2リード片の前記外部回路接続端子には、当該第2リード片の前記外部回路接続端子が前記第2スリットを貫通した状態となったときに、当該第2リード片が前記ベースキャップの中心軸に沿った前後方向に動くことを規制する前後方向の動き規制部が設けられている、ことが好ましい。
【0030】
[9]本発明の電子機器用の表示ユニットにおいては、前記筒状管体の光照射口には、前記発光素子が発する光を透過させる光透過部材が設けられており、当該光透過部材の前記発光素子に対向する側に向く面には、前記発光素子を嵌入させることができる凹部が設けられていることが好ましい。
【0031】
[10]本発明の電子機器用の表示ユニットにおいては、前記光透過部材は、レンズであることが好ましい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、チップ型の発光素子及び当該発光素子を駆動する電子部品が搭載されたモジュール基板を筒状管体に収納してなる表示ユニットにおいて、基板サイズを可能な限り大きくして、しかも、発光素子が発する光の光軸を筒状管体の中心軸に一致又はほぼ一致させることが可能な電子機器用の表示ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aを説明するために示す図である。
図2】実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aに使用されるモジュール基板200を説明するために示す図である。
図3】ベースキャップ300を筒状管体100から取り出して示す斜視図である。
図4】モジュール基板200及びベースキャップ300を筒状管体100に組み込む工程について説明する図である。
図5】実施形態2に係る電子機器用の表示ユニット10Bを説明するために示す図である。
図6】実施形態3に係る電子機器用の表示ユニット10Cを説明するために示す図である。
図7】特許文献1に記載されている電子部品の実装構造を説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の各実施形態について説明する。以下に示す本発明の各実施形態においては、発光素子はチップ型のLEDであるとする。また、筒状管体は円筒管体であるとする。
【0035】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aを説明するために示す図である。なお、図1(a)は電子機器用の表示ユニット10Aの外観斜視図である。また、図1(b)は図1(a)に示す電子機器用の表示ユニット10Aの内部構成を示す図であり、図1(a)に示す電子機器用の表示ユニット10Aの中心軸Ox1(筒状管体100の中心軸Ox1)に沿って切断した拡大断面図である。また、図1(c)は図1(a)及び図1(b)に示す電子機器用の表示ユニット10Aを中心軸Ox1に沿って矢印x方向に見た図である。
【0036】
図2は、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aに使用されるモジュール基板200を説明するために示す図である。なお、図2(a)はモジュール基板200の平面図であり、図2(b)は図2(a)に示すモジュール基板200の構成要素の1つであるフレキシブル基板210がU字状に折り曲げられた状態を示す図である。なお、図2(b)においては、フレキシブル基板210をU字状に折り曲げた例が示されているが、U字そのものの形状であることに限られるものではなく、U字状に近い形状(ほぼU字状)であってもよい。
【0037】
以下、図1及び図2を参照して、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aについて説明する。電子機器用の表示ユニット10Aは、図示しない電子機器に組み込まれて使用されるものであり、LEDの点灯(点滅も含む)又は消灯などによって電子機器の動作状態を表すものであるとする。なお、以下の説明においては、「電子機器用の表示ユニット」を単に「表示ユニット」と略記する場合もある。
【0038】
表示ユニット10Aは、図1に示すように、先端部に光照射口120を有する筒状管体100と、当該筒状管体100の内部に収納されるモジュール基板200(図1(b)及び図2参照。)と、筒状管体100の後端部に取り付けられるベースキャップ300とを有する。
【0039】
筒状管体100は、胴体部110と、先端部が光照射口120となっている先端頭部130とを有し、当該先端頭部130の内部には光透過部材(レンズ140とする。)が設けられている(図1(b)参照。)。なお、モジュール基板200及びベースキャップ300の詳細については後述する。また、モジュール基板200は、光透過性を有するとともに非導電性を有する材料でなるチューブ220で被覆されているが、これについても後述する。
【0040】
実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aにおいては、筒状管体100における胴体部110の外径Φ1は6mm~10mm程度、胴体部110の内径Φ2は4mm~8mm程度である。また、筒状管体100における胴体部110の長さ(中心軸Ox1に沿った長さ)L1は、15mm~30mm程度であるとする。但し、これらの寸法は一例であって、より小サイズとすることも可能であり、逆により大サイズとすることも可能である。
【0041】
続いて、モジュール基板200について主に図2を参照して説明する。なお、図2(a)及び図2(b)のうちの図2(b)においては、モジュール基板200には光透過性を有するとともに非導電性を有する材料でなるチューブ220が被覆されている状態が示されているが、図2(a)においては、当該チューブ220の図示は省略されている。
【0042】
モジュール基板200は、弾性を有し、かつ、折り曲げ可能な細長い薄板状のフレキシブル基板210と、フレキシブル基板210の長手方向の中途部に実装されているLED230と、LED230以外の電子部品(例えばLED230の駆動に必要な電子部品241,242とする。)と、フレキシブル基板210における長手方向の一方の端部に形成されている第1接続パッド251と、フレキシブル基板210における長手方向の他方の端部に形成されている第2接続パッド252と、第1接続パッド251に「はんだ260」により接続されている弾性を有する細長い薄板状の第1リード片271と、第2接続パッド252に「はんだ260」により接続されている弾性を有する細長い薄板状の第2リード片272と、を有している。なお、LED230は、発光面231とは反対側の面がフレキシブル基板210の板面(第1平面211)の側に向くようにフレキシブル基板210に実装されている。
【0043】
実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aにおいては、LED230、電子部品241,242、第1接続パッド251及び第2接続パッド251は、フレキシブル基板210の板面において同じ平面(第1平面211とする。)上に設けられているものとする。また、LED230の一方の端子(図示せず。)と電子部品241と第1接続パッド251とは、フレキシブル基板210の第1平面211上に形成されている配線パターン281によってそれぞれが接続され、LED230の他方の端子(図示せず。)と電子部品242と第1接続パッド252とは、フレキシブル基板210の第1平面211上に形成されている配線パターン282によってそれぞれが接続されている。
【0044】
また、第1リード片271は、フレキシブル基板210の第1接続パッド251からフレキシブル基板210の外方向(図2(a)における右方向)に延出しており、延出方向の先端側が薄板状の外部回路接続端子271aとなっている。一方、第2リード片272は、フレキシブル基板210の第2接続パッド252からフレキシブル基板210の外方向(図2(a)における左方向)に延出しており、延出方向の先端側が薄板状の外部回路接続端子272aとなっている。
【0045】
ここで、フレキシブル基板210は、平面形状が細長い矩形状であるとする。そして、フレキシブル基板210の長手方向(長辺)の長さL2(図2(a)参照。)、すなわち、折り曲げる前のフレキシブル基板210の長手方向(長辺)の長さL2(図2(a)参照。)は、例えば、筒状管体100における胴体部110の長さL1が20mm程度である場合には、20mm程度としている。ただし、20mm程度に限定されるものではなく、筒状管体100の長さ(胴体部110の長さL1)、実装する電子部品の数などによって所定の長さに設定することができる。また、フレキシブル基板210の短辺の長さL3は、この場合、5mm程度とするが、フレキシブル基板210の短辺の長さL3も、筒状管体100における胴体部110の内径Φ2などによって、所定の長さに設定可能である。
【0046】
ところで、LED230は、前述したように、フレキシブル基板210の長手方向の中途部に実装されているとしたが、「フレキシブル基板210の長手方向の中途部」というのは、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aにおいては、図2(a)に示すフレキシブル基板210の長手方向の中央部(長辺の長さL1の1/2の位置)であるとする。また、LED230は、フレキシブル基板210の短辺方向においては、短辺方向の中央部(短辺の長さL3の1/2の位置)に実装されている。
【0047】
すなわち、LED230は、平面形状が矩形状をなすフレキシブル基板210の平面(第1平面211)上の中心Poの位置に実装されており、当該LED230の発光面231から発せられる光の光軸は、当該中心Poにおいてフレキシブル基板210の第1平面211(図2(a)参照。)に直交する方向(z軸に沿った方向。)である。これは、後述する他の実施形態においても同様である。なお、「LED230の発光面231から発せられる光」は「LED230が発する光」というように略記する場合もある。
【0048】
このように構成されているモジュール基板200は、フレキシブル基板210を、LED230が実装されている箇所を折り曲げ部としてU字状に折り曲げて使用する(図2(b)参照。)。このように、フレキシブル基板210を、LED230が実装されている箇所を折り曲げ部としてU字状に折り曲げると、LED230は、U字状に折り曲げられたフレキシブル基板210の折り曲げ部(頂点)に位置することとなる。
【0049】
また、フレキシブル基板210がU字状に折り曲げられていることにより、第1リード片271及び第2リード片272は、フレキシブル基板210の第1接続パッド251及び第2接続パッド252からそれぞれが同じ方向(図2(b)においては右方向)に延出することとなる。
【0050】
ところで、LED230をフレキシブル基板210に実装する際の実装の仕方として、LED230の平面形状が長方形である場合には、当該平面形状が長方形のLEDの長辺がフレキシブル基板210の長辺に直交するように、すなわち、フレキシブル基板210の短辺と平行となるように当該フレキシブル基板210に実装することが好ましい。
【0051】
これは、長方形のLED230の場合、当該LED230の長辺がフレキシブル基板210の長辺に直交するように当該フレキシブル基板210に実装した場合と、当該長方形のLED230の長辺がフレキシブル基板210の短辺に直交するように当該フレキシブル基板210に実装した場合とで比較すると、当該LED230の長辺がフレキシブル基板210の長辺に直交するように当該フレキシブル基板に実装した場合の方が、フレキシブル基板210を図2(b)に示すようにLED230が実装されている箇所を折り曲げ部として折り曲げたときに、フレキシブル基板210に亀裂が入りにくいことが試作を行った段階で確かめられたからである。
【0052】
また、前述したように、モジュール基板200は、光透過性を有するとともに非導電性を有する材料でなるチューブ220によって被覆されている。具体的には、モジュール基板200を構成するフレキシブル基板210、LED230、電子部品241,242、第1接続パッド251、第2接続パッド252、はんだ260、第1リード片271及び第2リード片272は、光透過性を有するとともに非導電性を有する材料でなるチューブ220によって被覆されている(図1(b)及び図2(b)参照。)。光透過性を有するとともに非導電性を有する材料でなる透明チューブ220は、光の透過が可能であることから、図1(b)及び図2(b)に示すように、LED230の発光面231も当該チューブ220で被覆させることが可能である。なお、第1リード片271及び第2リード片272については、外部回路接続端子271a,272aは露出するように当該チューブ220によって被覆されている。
【0053】
ここで、「光透過性を有する」というのは、無色透明であってもよく、また、有色でかつ透明(半透明)であってもよいが、ここでは、無色透明であるとする。また、光透過性を有するとともに非導電性を有する材料でなるチューブ220としては、熱を加えることによって収縮する熱収縮チューブを用いることが好ましい。以下では、光透過性を有するとともに非導電性を有する材料でなるチューブ220を「非導電性透明チューブ220」と表記する場合もある。
【0054】
このように、モジュール基板200は、非導電性透明チューブ220によって被覆されていることにより、筒状管体100が金属などの導電性部材でなる場合にも、モジュール基板200と筒状管体100との間の絶縁性を保持できるとともに、フレキシブル基板210に実装されている電子部品間の絶縁性、第1リード片271と第2リード片272との間などの絶縁性も保持できるといった効果が得られる。
【0055】
また、表示ユニットとして完成した状態(図1(a)参照。)においては、筒状管体100に静電気が帯電する場合があり、帯電した静電気の放電スパークによって、LED230及びLED230以外の電子部品241,242などを破壊してしまう場合がある。このため、静電気の放電スパークを想定した耐圧試験が行われるが、モジュール基板200が非導電性透明チューブ220によって被覆されていることにより、このような耐圧試験を行った際に、LED230及びLED230以外の電子部品241,242などが破壊されてしまうことを確実に防止できる。特に、LED230は発光面230aを含む全体が非導電性透明チューブ220によって被覆されているため、耐圧試験によってLED230が破壊されてしまうことを確実に防止できる。これにより、表示ユニットとして完成した状態となったものが、耐圧試験で不合格とされてしまうことを確実に防止できる。
【0056】
このような耐圧試験は、製品としての品質保持のために重要な試験である。特に、筒状管体100における胴体部110の内径Φ2(図1(b)参照。)が小さい場合には、筒状管体100の内壁面とモジュール基板200との間隔が狭小となるため、筒状管体100に帯電する静電気の放電スパークがモジュール基板200に与える影響はより大きなものとなる。従って、LED230及びLED2300以外の電子部品241,242など全体が非導電性透明チューブ220によって被覆されていることの効果は大きなものとなる。
【0057】
なお、LED230の発光面231を含めたLED230全体を被覆することができるのは、非導電性透明チューブ220が光透過性を有しているためであり、それによって、LED230に露出部分をなくすことができる。
【0058】
ところで、非導電性透明チューブ220をモジュール基板200に被覆する際は、長尺の非導電性透明チューブを、被覆の対象となるモジュール基板200の長さに適合する長さとなるように切断して、当該モジュール基板200の長さに適合する長さとなった非導電性透明チューブ220の一方の開口に、図2に示すモジュール基板200の一方の端部側(例えば、第1リード片271の外部回路接続端子271a側)を挿入して行けばよい。この場合、LED230及びLED230以外の電子部品241,242などが実装されているフレキシブル基板210と、当該フレキシブル基板210に接続されている第1リード片271、第2リード片272とを非導電性透明チューブ220で被覆することができる。
【0059】
そして、LED230及びLED230以外の電子部品241,242などが実装されているフレキシブル基板210と、当該フレキシブル基板210に接続されている第1リード片271、第2リード片272とを非導電性透明チューブ220で被覆した状態のものを加熱する。これにより、非導電性透明チューブが収縮して、図1(b)及び図2(b)に示すように、フレキシブル基板210、LED231、電子部品241,242、第1リード片271及び第2リード片272などの外形の凹凸に沿うように変形する。
【0060】
なお、非導電性透明チューブ220をモジュール基板200に被覆する際において、非導電性透明チューブ220の一方の開口に、モジュール基板200の一方の端部側を挿入して行くだけで、非導電性透明チューブ220をモジュール基板200に被覆させることができるが、これは、非導電性透明チューブ220が光透過性を有するものであり、LED230の発光面231に対しても非導電性透明チューブ220を被覆させることができるからである。
【0061】
次に、ベースキャップ300について図1及び図3を参照して説明する。
図3は、ベースキャップ300を筒状管体100から取り出して示す斜視図である。図3(a)は外観斜視図であり、図3(b)は図3(a)をx方向に見た端面図であり、図3(c)は図3(a)をx’方向に見た端面図である。
【0062】
ベースキャップ300は合成樹脂などの非導電性材料でなり、図1及び図3に示すように、筒状(断面が円形の筒状とする。)をなしており、筒状管体100の後端部(胴体部110の後端部)に取り付け可能となっている。具体的には、ベースキャップ300は、筒状管体100における胴体部110の内径Φ2よりもやや小さい外径Φ3を有する小径部310と、筒状管体100における胴体部110の外径Φ1と同じ又はほぼ同じ外径Φ4を有する大径部320とを有し、小径部310と大径部320との境界部には段差部330が形成されている。このため、ベースキャップ300は、段差部330が筒状管体100における胴体部110の後端部に当接するまで、小径部310を筒状管体100における胴体部110に挿入可能となっている。
【0063】
また、ベースキャップ300は、図3(b)及び図3(c)に示すように、一方の端部側の端面(大径部320の側の端面320a)が閉塞端面となっている。そして、当該閉塞端面(以下、閉塞端面320aとする。)には、第1リード片271の外部回路接続端子271aが貫通可能な第1スリット321と、第2リード片272の外部回路接続端子272aが貫通可能な第2スリット322とが当該ベースキャップ300の中心軸Ox2を挟んで形成されている。これら第1スリット321及び第2スリット322は、ベースキャップ300の中心軸Ox2を挟んで等間隔の位置で、かつ互いに平行となるように形成されている。
【0064】
そして、閉塞端面320aの外側の壁面(外壁面)には、図3(b)に示すように、第1スリット321と第2スリット322との間で、かつ、ベースキャップ300の径方向に沿った線上(中心軸Ox2を通る線上)には薄板状の外部セパレーター341が外方向に突出して設けられている(図3(a)参照。)。また、閉塞端面320aの内側の壁面(内壁面)には、図3(c)に示すように、第1スリット321と第2スリット322との間で、かつ、ベースキャップ300の径方向に沿った線上(中心軸Ox2を通る線上)には薄板状の内部セパレーター342が内方向に突出して設けられている(図3(a)参照。)。
【0065】
なお、ベースキャップ300をx方向に見た場合においては、第1スリット321と第2スリット322と外部セパレート341とはそれぞれが平行に配置されている(図3(b)参照。)。また、ベースキャップ300をx’方向に見た場合においては、第1スリット321と第2スリット322と内部セパレート342とはそれぞれが平行に配置されている(図3(c)参照。)。
【0066】
そして、図3(b)に示すように、第1スリット321から中心軸Ox2までの間隔d1及び第2スリット322から中心軸Ox2までの間隔d2は等間隔(d1=d2)である。また、第1スリット321から中心軸Ox2を挟んで第2スリット322までの間隔(d1+d2)は、U字状に折り曲げられたフレキシブル基板210の両端部間の間隔d3(図2(b)参照。)にほぼ等しく設定することが好ましい。ただし、フレキシブル基板210、第1リード片271及び第2リード片272は、それぞれが細長い薄板状の部材であり、かつ、弾性を有しているため、撓ませることも容易にできる。このため、第1スリット321から中心軸Ox2を挟んで第2スリット322までの間隔(d1+d2)と、U字状に折り曲げられたフレキシブル基板210の両端部間の間隔d3とは、厳密に等しく設定する必要はない。
【0067】
ところで、第1リード片271の外部回路接続端子271aには、前後方向の動きを規制する前後方向の動き規制部291(図2参照。)が設けられている。当該前後方向の動き規制部291は、第1リード片271の外部回路接続端子271aが、第1スリット321を貫通した状態となったときに、当該第1リード片271がベースキャップ300の中心軸Ox2に沿った前後方向に動くことを規制する。
【0068】
第2リード片271の外部回路接続端子271aにも、前後方向の動きを規制する前後方向の動き規制部292(図2参照。)が設けられている。当該前後方向の動き規制部292は、第2リード片272の外部回路接続端子272aが、第2スリット322を貫通した状態となったときに、当該第2リード片272がベースキャップ300の中心軸Ox2に沿った前後方向に動くことを規制する。
【0069】
第1リード片271の外部回路接続端子271aに設けられている前後方向の動き規制部291及び第2リード片272の外部回路接続端子272aに設けられている前後方向の動き規制部292は、種々の構成を採用することができる。ここでは、第1リード片271の外部回路接続端子271aに設けられている前後方向の動き規制部291の一例を説明する。
【0070】
第1リード片271の外部回路接続端子271aに設けられている前後方向の動き規制部291は、当該外部回路接続端子271aの板面に直交する方向の弾性を有する第1突起291aと、当該第1突起291aよりも前方側(フレキシブル基板210側)に設けられる第2突起291bとを有した構成となっている。そして、第1リード片271の外部回路接続端子271aが第1スリット321に差し込まれると、まず、第1突起291aが第1スリット321を通過する際に当該第1突起291aが押し下げられたのち、第1突起291aが第1スリット321を通過し終わると第1突起291aが元の状態に復帰する。
【0071】
一方、第2突起291bはベースキャップ300の閉塞端面320aの内壁面に当接し、第1リード片271がそれ以上後方側に動くことを規制する役目をなしており、後方側の動き規制部ともいえる。当該第2突起291b及び上記した第1突起291aにより、第1リード片271はベースキャップ300の中心軸Ox2に沿った前後方向の動きが規制される。なお、第2突起291aを爪などで押圧した状態で第1リード片を第1スリット321から引き抜くようにスライドさせれば、第1リード片271の外部回路接続端子271aを第1スリット321か引き抜くことができる。
【0072】
第2リード片272の外部回路接続端子272aに設けられている前後方向の動き規制部292も同様の構成となっている。すなわち、第2リード片272の外部回路接続端子272aの板面には、当該接続端子272aの板面に直交する方向の弾性を有する第1突起292aと、当該第1突起292aよりも前方側(フレキシブル基板210側)に設けられる第2突起292bとを有した構成となっている。これら第1突起292a及び第2突起292bは、第1リード片271の外部回路接続端子271aに設けられている第1突起291a及び第2突起291bと同様に機能する。
【0073】
また、第1スリット321の端面形状は、第1リード片271の外部回路接続端子271aの端面形状と同様の形状を有し、当該第1スリット321の端面サイズ、すなわち、z軸に沿った縦方向の長さa1及びy軸に沿った横方向の長さa2(長手方向の辺の長さa2)は、外部回路接続端子271aの端面サイズ(厚みt及び幅w)よりもやや大きいサイズを有している。
【0074】
また、第2スリット322の端面形状は、第2リード片271の外部回路接続端子272aの端面形状と同様の形状を有し、当該第2スリット322の端面サイズ、すなわち、z軸に沿った縦方向の長さa1及びy軸に沿った横方向の長さa2(長手方向の辺の長さa2)は、外部回路接続端子272aの端面サイズ(厚みt及び幅w)よりもやや大きいサイズを有している。
【0075】
なお、第1スリット321及び第2スリット322は、当該第1スリット321及び第2スリット322のそれぞれの長手方向の中心P1(P1は長辺方向の長さa2の1/2の位置)を結ぶ仮想的な直線M(図3(b)参照。)が、当該第1スリット321及び第2スリット322のそれぞれの長手方向の辺に直交し、かつ、ベースキャップ300の中心軸Ox2を通るように閉塞端面320aに形成されている。
【0076】
このため、第1リード片271の外部回路接続端子271a及び第2リード片272の外部回路接続端子272aをベースキャップ300の閉塞端面320aに形成されている第1スリット321及び第2スリット322にそれぞれ貫通させた状態とすると、当該第1リード片271及び第2リード片272は、第1スリット321及び第2スリット322内において、ベースキャップ300の中心軸Ox2に直交する方向の動きと、ベースキャップ300の中心軸Ox2周りの動きとが規制される。
【0077】
このように、第1スリット321及び第2スリット322は、第1リード片271及び第2リード片272を所定の間隔(この場合、間隔d3)で支持する役目の他に、第1リード片271及び第2リード片272が、第1スリット321及び第2スリット322内において、ベースキャップ300の中心軸Ox2に直交する方向の動きと、ベースキャップ300の中心軸Ox2周りの動きとを規制する規制部の役目をもなしている。
【0078】
ところで、第1リード片271及び第2リード片272がベースキャップ300の第1スリット321及び第2スリット322を貫通した状態となると、第1リード片271の外部回路接続端子271aの一部の領域(第1突起291aよりも後方端部側の領域)及び第2リード片272の外部回路接続端子272aの一部の領域(第1突起292aよりも後方端部側の領域)は、ベースキャップ300から後方に突出する(例えば、図1(b)参照。)。これにより、第1リード片271の外部回路接続端子271a及び第2リード片272の外部回路接続端子272aは外部回路(実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aが搭載される電子機器の電気回路)への接続が可能となる。
【0079】
図2において説明したモジュール基板200及び図3において説明したベースキャップ300を筒状管体100に組み込むことによって実施形態1に係る電子機器用の表示ユニットを構成することができる。ここで、モジュール基板200及びベースキャップ300を筒状管体100に組み込む工程について説明する。
【0080】
図4は、モジュール基板200及びベースキャップ300を筒状管体100に組み込む工程について説明する図である。なお、図4においては、図1図3において説明した符号のうちの一部の符号は省略されている。まずは、フレキシブル基板210をU字状に折り曲げる。具体的には、LED230及び電子部品241,242が実装されるとともに第1リード片271及び第2リード片272が接続され、かつ、非導電性透明チューブ220で被覆されたフレキシブル基板210を、LED230が実装されている箇所を折り曲げ部としてU字状に折り曲げる(図4(a)参照。)。なお、図4(a)は図2(b)と同じ状態である。
【0081】
続いて、U字状に折り曲げたフレキシブル基板210に接続されている第1リード片271の外部回路接続端子271aをベースキャップ300に形成されている第1スリット321に差し込んで貫通させるとともに、当該フレキシブル基板210に接続されている第2リード片272の外部回路接続端子272aをベースキャップ300に形成されている第2スリット322に差し込んで貫通させる。これにより、第1リード片271の外部回路接続端子271aの一部の領域(第1突起291aよりも後方端部側の領域)及び第2リード片272の外部回路接続端子272aのそれぞれ一部の領域(第1突起292aよりも後方端部側の領域)がベースキャップ300から後方に突出する(図4(b)参照。)。
【0082】
このように、U字状に折り曲げられているフレキシブル基板210の長手方向の一方の端部に接続されている第1リード片271の外部回路接続端子271aが第1スリット321に差し込まれて貫通し、フレキシブル基板210の長手方向の他方の端部に接続されている第2リード片272の外部回路接続端子272aが第2スリット322に差し込まれて貫通した状態となるため、U字状に折り曲げられているフレキシブル基板210は、ベースキャップ300によって安定した状態で支持される。
【0083】
図4(b)に示す状態においては、第1リード片271及び第2リード片272は、ベースキャップ300の中心軸Ox2に沿った前後方向の動きが規制されるとともに、第1スリット321及び第2スリット322内において、ベースキャップ300の中心軸Ox2に直交する方向の動きと、ベースキャップ300の中心軸Ox2周りの動きとが規制される。
【0084】
図4(b)に示すように、第1リード片271及び第2リード片272がベースキャップ300に取り付けられたら、図4(b)に示す状態のものを筒状管体100に収納する。具体的には、図4(c)に示すように、フレキシブル基板210に実装されているLED230を先頭にして筒状管体100における胴体部110の後端側から挿入し、ベースキャップ300の小径部310と大径部320との境界部に形成されている段差部330が筒状管体100における胴体部110の後端部に当接するまで挿入する。このとき、ベースキャップ300の小径部310の外周面には接着剤を塗布しておく。これにより、ベースキャップ300は筒状管体100に固定される。なお、ベースキャップ300が筒状管体100に固定された状態においては、筒状管体100の中心軸Ox1(図1参照。)とベースキャップ300の中心軸Ox2(図3参照。)とは同軸となる。
【0085】
以上説明した図4(a)~図4(c)に示す工程を実施することにより、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10A(図1参照。)を構成することができる。実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aは、U字状に折り曲げられているフレキシブル基板210の折り曲げ部にLED230が位置している。このため、LED230は発光面231が筒状管体100の光照射口120に向むくようになり、当該LED230が発する光の光軸が筒状管体100の中心軸Ox1に一致又はほぼ一致するようになる。
【0086】
また、レンズ140は、当該レンズ140の光軸が筒状管体100の中心軸Ox1と同軸となるように筒状管体100に設けられているとする。このため、LED230が発する光の光軸が筒状管体100の中心軸Ox1に一致又はほぼ一致すれば、LED230が発する光の光軸がレンズ140の光軸に一致又はほぼ一致することとなる。このように、LED230が発する光の光軸が筒状管体100の中心軸Ox1に一致又はほぼ一致するようになるのは、次のような理由によるものである。
【0087】
すなわち、U字状に折り曲げられているフレキシブル基板210の第1接続パッド251に接続されている第1リード片271の外部回路接続端子271aが、ベースキャップ300の第1スリット321に差し込まれており、当該フレキシブル基板210の第2接続パッド252に接続されている第2リード片272の外部回路接続端子272aが、ベースキャップ300の第2スリット322に差し込まれている。ここで、第1スリット321及び第2スリット322は、ベースキャップ300の中心軸Ox2を挟んで当該中心軸Ox2から等間隔の位置で、かつ、互いに平行となるように形成されている。また、第1スリット321及び第2スリット322は、当該第1スリット321及び第2スリット322のそれぞれの長手方向の中心P1を結ぶ仮想的な直線Mが、当該第1スリット321及び第2スリット322の長手方向の辺に直交し、かつ、ベースキャップ300の中心(中心軸Ox2)を通るように閉塞端面320aに形成されている。なお、ベースキャップ300の中心軸Ox2は筒状管体100の中心軸Ox1と同軸となっている。
【0088】
このような理由によって、第1リード片271の外部回路接続端子271aが第1スリット321に差し込まれるとともに、第2リード片272の外部回路接続端子272aが第2スリット322に差し込まれている状態においては、LED230が発する光の光軸は筒状管体100の中心軸Ox1(レンズ140の光軸)に一致又はほぼ一致するようになる。
【0089】
以上説明したように、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aにおいては、細長い薄板状のフレキシブル基板210の長手方向の中央部にLED230を実装したフレキシブル基板210は、LED230が実装されている箇所を折り曲げ部としてU字状に折り曲げた状態で、LED230が発する光の光軸が筒状管体100の中心軸Ox1に一致又はほぼ一致するように筒状管体100に収納された構成となっている。
【0090】
このように、フレキシブル基板210がU字状に折り曲げられていることにより、当該フレキシブル基板210の折り曲げる前の長さは、筒状管体100の中心軸Ox1に沿った長さ以上の長さとすることも可能である。このため、当該フレキシブル基板210のサイズを可能な限り大きくすることができ、実装面積を大きくすることができる。それによって、多くの電子部品を実装することが可能である。また、フレキシブル基板210の表面及び裏面の両面を利用することにより、より多くの電子部品の実装が可能である。また、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aによれば、基板の端面にチップ型のLEDを取り付けるといったことをせずに、LED230が発する光の光軸を筒状管体100の中心軸Ox1に一致又はほぼ一致させることが可能となる。
【0091】
また、LED230が、フレキシブル基板210の長手方向の中央部に実装されているため、U字状に折り曲げたフレキシブル基板210は、図2(b)に示すように、LED230が実装されている位置から両端部(第1接続パッド251及び第2接続パッッド252)までの長さを等しくすることができる。このため、第1リード片271及び第2リード片272を同じ長さとすることができ、第1リード片271と第2リード片272とを同じ部品とすることができる。これにより、第1リード片271及び第2リード片272の部品管理が容易となるとともに、第1リード片271及び第2リード片272をそれぞれ対応する接続パッド(第1接続パッド251及び第2接続パッド252)に接続する際には、第1リード片271と第2リード片2712とを区別する必要がなくなるため、接続工程を容易とすることができる。
【0092】
また、LED230をフレキシブル基板210に実装する工程は、通常の電子部品の実装工程と同様に、平板上のフレキシブル基板210にLED230を実装するものであるため、従来技術の項において説明した基板の端面に電子部品(この場合、LED)を実装する場合に比べて、LEDの実装が容易である。このため、図2に示すモジュール基板200の生産性を大幅に向上させることができる。
【0093】
また、LED230が実装されたフレキシブル基板210を筒状管体100に収納する際には、図4において説明したように、LED230が実装されたフレキシブル基板210をU字状に折り曲げて、フレキシブル基板210に接続されている第1リード片271の外部回路接続端子271a及び第2リード片272の外部回路接続端子272aをそれぞれベースキャップ300の第1スリット321及び第2スリット322に差し込んで貫通させたのち、当該ベースキャップ300を筒状管体100に挿入する工程を行うことによって、LED230が発する光の光軸を筒状管体100の中心軸Ox1に一致又はほぼ一致させることができる。このため、図1に示すような表示ユニット10Aを生産する際の生産性も大幅に向上させることができる。
【0094】
[実施形態2]
図5は、実施形態2に係る電子機器用の表示ユニット10Bを説明するために示す図である。なお、図5は実施形態2に係る電子機器用の表示ユニット10Bの内部構成を示す図であり、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aの説明で用いた図1(b)に対応する図である。実施形態2に係る電子機器用の表示ユニット10Bにおける内部構成が実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aの内部構成と異なる点は、LED230をレンズ140によって位置決めした状態で支持する構成とした点であり、そのほかの構成は、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aと同様である。このため、実施形態2に係る電子機器用の表示ユニット10Bにおいて、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aと同一構成要素には同一符号が付されている。以下、実施形態2に係る電子機器用の表示ユニット10Bを具体的に説明する。
【0095】
実施形態2に係る電子機器用の表示ユニット10Bは、レンズ140の内側面(LED230に対向する側に向く面)には、LED230を嵌入させることができる凹部141が設けられている。なお、凹部141はレンズ140の光軸すなわち筒状管体100の中心軸Ox1に対応する位置に設けることが好ましい。また、凹部141の形状及びサイズは、LED230を嵌入させた状態としたときに、LED230が凹部141内で中心軸に直交する方向及び中心軸Ox1周りに動かないような形状及びサイズとすることが好ましい。
【0096】
このように、実施形態2に係る電子機器用の表示ユニット10Bにおいては、レンズ140の内側面には、LED230を嵌入させることができる凹部141が設けられている。このため、モジュール基板200を筒状管体100に収納する工程(図3(c)参照。)を行う際には、LED230をレンズ140の凹部141に嵌入させるようにして収納する。これにより、LED230はレンズ140の凹部141によって位置決めされた状態で支持されることとなる。
【0097】
これにより、モジュール基板200は、位置決めされ、かつ、安定した状態で筒状管体100に収納される。これにより、実施形態2に係る電子機器用の表示ユニット10Bを電子機器に搭載した場合、電子機器が振動などを受け易い機器であっても、LED230が発する光の光軸が筒状管体100の中心軸Ox1に高い精度で一致又はほぼ一致した状態を保持することができる。これにより、電子機器を長期間の使用した場合においても、筒状管体100の光照射口120から照射される光に偏りが生じにくくなり、表示ユニットとしての性能をより向上させることができる。
【0098】
[実施形態3]
図6は、実施形態3に係る電子機器用の表示ユニット10Cを説明するために示す図である。なお、図6は実施形態3に係る電子機器用の表示ユニット10Cの内部構成を示す図であり、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aの説明で用いた図1(b)に対応する図である。
【0099】
実施形態3に係る電子機器用の表示ユニット10Cにおける内部構成が実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aの内部構成と異なる点は、第1リード片271及び第2リード片272をフレキシブル基板210の同じ側の端部に接続した構成となっている点であり、そのほかの構成は、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aと同様である。このため、実施形態2に係る電子機器用の表示ユニット10Bにおいて、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aと同一構成要素には同一符号が付されている。以下、実施形態3に係る電子機器用の表示ユニット10Cを具体的に説明する。
【0100】
まず、実施形態3に係る電子機器用の表示ユニット10Cに使用されるモジュール基板200(以下、実施形態3に係るモジュール基板200という。)について説明する。実施形態3に係るモジュール基板200は、図6に示すようにフレキシブル基板210の長手方向の2つの端部(一方の端部及び他方の端部)のうち、同じ端部(一方の端部)の側に第1接続パッド251と第2接続パッド252とが設けられている。
【0101】
実施形態3に係るモジュール基板200においては、フレキシブル基板210の表面(第1平面211とする。)及び裏面(第2平面212とする。)の両面を利用して、第1接続パッド251と第2接続パッド252とを設けるようにしている。すなわち、第1接続パッド251はフレキシブル基板210の表面(第1平面211)に設け、第2接続パッド252はフレキシブル基板210の裏面(第2平面212)に設けるようにしている。そして、上記各実施形態と同様に、第1リード片271は第1接続パッド251に、第2リード片271は第2接続パッド252に、それぞれはんだ260により接続されている。
【0102】
このように構成されている実施形態3に係るモジュール基板200においては、第1リード片271及び第2リード片272は、フレキシブル基板210の第1平面211及び第2平面212の同じ端部(一方の端部)から当該フレキシブル基板210の外方に延出することとなる。このとき、第1リード片271は、ほぼ直線状に延出した状態のままでベースキャップ300の第1スリット321に到達するため、当該第1リード片271の外部回路接続端子271aをそのまま差し込んで貫通させることができるが、第2リード片272は、ほぼ直線状に延出した状態でままでは第2スリット322の位置から外れてしまう。
【0103】
このため、実施形態3に係るモジュール基板200においては、第2リード片272を図5に示すように、屈曲させて使用することが好ましい。具体的には、第2リード片272の第1リード片271に対する間隔が、ベースキャップ300に形成されている第1スリット321と第2スリット322との間隔d1+d2(図3(b)及び図3(c)参照。)となるように、当該第2リード片272を屈曲させておく。第2リード片272をこのように屈曲させておけば、第2リード片272の外部回路接続端子272aを、容易にベースキャップ300の第2スリット322に差し込んで貫通させることができる。
【0104】
なお、第1リード片271及び第2リード片272は、弾性を有する細長い薄板状であるため、容易に撓ませることができる。このため、第1スリット321と第2スリット3222との間隔があまり広くなければ、第2リード片272は図5に示すように屈曲させなくても、第2リード片272を撓ませることによって、外部回路接続端子272aを第2スリット322に差し込むことは可能である。
【0105】
実施形態3に係る電子機器用の表示ユニット10Cにおいても、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aと同様の効果を得ることができる。なお、実施形態3に係る電子機器用の表示ユニット10Cにおいては、フレキシブル基板210の他方の端部(第1リード片271及び第2リード片272が接続されていない端部)は、フリーとなってしまうが、筒状管体100における胴体部110内部に、当該フレキシブル基板210の他方の端部を支持する支持部などを設ければフレキシブル基板210の他方の端部を安定させることができる。
【0106】
また、実施形態3に係る電子機器用の表示ユニット10Cにおいても、実施形態2に係る電子機器用の表示ユニット10Cと同様に、レンズ140に凹部141を設けて当該凹部141にLED230を嵌入させるような構成とすることができ、このようにすることで、実施形態2に係る電子機器用の表示ユニット10Bと同様の効果を得ることができる。
【0107】
なお、実施形態3に係る電子機器用の表示ユニット10Cにおいては、フレキシブル基板210の表面(第1平面211)及び裏面(第2平面212)を利用して、第1接続パッド251と第2接続パッド252とを設けるようにしたが、フレキシブル基板210の平面にスペース的な余裕がある場合には、同じ平面(例えば、第1平面211)に第1接続パッド251と第2接続パッド252とを離間させた状態で並べて設けるようにしてもよい。
【0108】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記に示すような変形実施も可能である。
【0109】
(1)上記各実施形態においては、フレキシブル基板210をU字状に折り曲げた場合が例示されているが、U字そのものの形状であることに限られるものではなく、ほぼU字状であってもよい。ここで、ほぼU字状というのは、例えば、V字に近い形状などをも含むものとする。
【0110】
(2)LED230が発する光の光軸が筒状管体100の中心軸Ox1に一致又はほぼ一致するように配置するとしたが、これは、わずかな「ずれ」は許容されることを意味している。すなわち、LED230が発する光の光軸が筒状管体100の中心軸Ox1に一致するように配置することは、理想ではあるが、高精度が要求される光学機器に用いられるものではない場合には、わずかなずれは許容されるものとしている。
【0111】
(3)上記各実施形態において例示した筒状管体100のサイズ、フレキシブル基板210のサイズなどは一例であって、適宜設定可能である。
【0112】
(4)上記各実施形態においては、筒状管体100は円筒管体とした場合を例示したが、円筒管体に限られるものではなく、例えば、中心軸に直交する断面が正方形や6角形をなす筒状管体であってもよい。
【0113】
(5)上記各実施形態においては、フレキシブル基板210は、当該フレキシブル基板210の平面形状が矩形状である場合を例示したが、フレキシブル基板210の平面形状は、矩形状に限られるものではない。すなわち、フレキシブル基板210は細長い薄板状であればよく、例えば、両端が半円を描くような丸みを帯びた形状、両端が3角形の頂点のように先端が尖っているような形状となっているものであってもよい。
【0114】
(6)LED230は、前述したように、フレキシブル基板210の長手方向の中央部に実装されているとしたが、必ずしも、フレキシブル基板210の長手方向の中央部に実装されていなくてもよく、フレキシブル基板210の長手方向の中途部であれば、多少、一方の端部寄りにずれた位置であってもよい。ただし、LED230の実装位置が、フレキシブル基板210の長手方向において、一方の端部寄りに多少ずれた位置とした場合でも、LED230が実装されている箇所を折り曲げ部として当該フレキシブル基板210を折り曲げればよい。
【0115】
(7)上述した各実施形態においては、LED230は、1個である場合を例示して説明したが、LED230は複数個存在していてもよい。例えば、実施形態1に係る電子機器用の表示ユニット10Aを例にとって説明すると、フレキシブル基板210に、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の3個のLEDを実装するようにしてもよい
【0116】
この場合、3個のLEDの配置の仕方としては、フレキシブル基板210の一方の平面(第1平面211))上において当該フレキシブル基板210の横方向又は縦方向(長辺方向又は短辺方向)に並べて配置してもよく、また、3個のLEDが正三角形の頂点の位置となるように配置してもよい。なお、3個のLEDが横方向又は縦方向に並べて配置する場合においては、真ん中に位置するLEDが筒状管体100の中心軸Ox1に一致するように3個のLEDを配置することが好ましい。また、3個のLEDが正三角形の頂点の位置となるように隣接配置する場合においては、正三角形の中心が筒状管体100の中心軸Ox1に一致するように3個のLEDを配置することが好ましい。このように、色の異なる複数のLEDを実装することによって、複数の色を選択的に表示することができるともに複数の色を組み合わせて表示することもできる。
【0117】
(8)上記各実施形態においては、第1リード片271の外部回路接続端子271aに設けられている第2突起291b及び第2リード片272の外部回路接続端子272aに設けられている第2突起292bは、第1リード片271及び第2リード片272のそれぞれの後方側への動きを規制する役目をなすものであるが、第1リード片271及び第2リード片272の後方側への動きを規制する役目をなすものとしては、図2に示したように、外部回路接続端子271a及び外部回路接続端子272aの平面上に突起として設けられているものに限られない。
【0118】
例えば、外部回路接続端子271aについて説明すると、当該外部回路接続端子271aの第1リード片271との境界部側に、当該外部回路接続端子271aの幅W(図2参照。)よりも広い幅広部(図示は省略する。)が鍔状に形成されていてもよい。幅広部が鍔状に形成されていることによって、第1リード片271の外部回路接続端子271aを第1スリット321に差し込んだときには、当該幅広部がベースキャップ300の第1スリット321を通り抜けることができずに、第1リード片271の後方側への動きを規制することができる。なお、外部回路接続端子272aについても同様の構成とすることができる。
【0119】
(9)上記実施形態2においては、光透過部材としてはレンズであるとして説明した。このように、光透過部材としてレンズを用いることにより、使用するレンズの種類によって、照射する光を集光させたり、拡散させたりすることができるが、必ずしもレンズである必要はない。例えば、光透過性を有する有色又は無色のガラスや合成樹脂などでなる光透過部材であってもよい。この場合も、ガラスや合成樹脂などでなる光透過部材の内側面(LED230に対向する側に向く面)には、LED230を嵌入させることができる凹部141を設けることが可能である。
【符号の説明】
【0120】
10A,10B,10C・・・表示ユニット(電子機器用の表示ユニット)、100・・・筒状管体、110・・・胴体部、120・・・光照射口、130・・・頭部、140・・・レンズ(光透過部材)、141・・・凹部、200・・・モジュール基板、210・・・フレキシブル基板、211・・・第1平面、212・・・第2平面、220・・・非導電性透明チューブ(光透過性を有するとともに非導電性を有するチューブ)、230・・・LED(発光素子)、241,242・・・電子部品、251・・第1接続パッド、252・・・第2接続パッド、260・・・はんだ、271・・・第1リード片、271a・・・第1リード片271の外部回路接続端子、272・・・第2リード片、272a・・・第2リード片272の外部回路接続端子、281,282・・・配線パターン、291,292・・・動き規制部、291a,292a・・・第1突起、291b,292b・・・第2突起、300・・・ベースキャップ、310・・・小径部、320・・・大径部、320a・・・閉塞端面、321・・・第1スリット、322・・第2スリット、330・・・段差部、341・・・外部セパレーター、342・・・内部セパレーター、Ox1・・・筒状管体100の中心軸、Ox2・・・ベースキャップ300の中心軸、Ox3・・・フレキシブル基板210の中心軸、Po・・・フレキシブル基板210の平面上の中心、P1・・・第1スリット321及び第2スリット322のそれぞれの長手方向の中心、M・・・中心P1を結ぶ仮想的な直線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7