IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社川島製作所の特許一覧

<>
  • 特許-製袋充填包装機 図1
  • 特許-製袋充填包装機 図2
  • 特許-製袋充填包装機 図3
  • 特許-製袋充填包装機 図4
  • 特許-製袋充填包装機 図5
  • 特許-製袋充填包装機 図6
  • 特許-製袋充填包装機 図7
  • 特許-製袋充填包装機 図8
  • 特許-製袋充填包装機 図9
  • 特許-製袋充填包装機 図10
  • 特許-製袋充填包装機 図11
  • 特許-製袋充填包装機 図12
  • 特許-製袋充填包装機 図13
  • 特許-製袋充填包装機 図14
  • 特許-製袋充填包装機 図15
  • 特許-製袋充填包装機 図16
  • 特許-製袋充填包装機 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】製袋充填包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 41/18 20060101AFI20230809BHJP
   B65B 41/12 20060101ALI20230809BHJP
   B65H 21/00 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
B65B41/18
B65B41/12 501Z
B65H21/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020030975
(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公開番号】P2021133961
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-11-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年7月9日に FOOMA JAPAN 2019 国際食品工業展(東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1))にてフィルム吸引装置を搭載した包装機を公開した。 令和1年10月29日に JAPAN PACK 2019 日本包装産業展(幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区中瀬2-1))にてフィルム吸引装置を搭載した包装機を公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100193998
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 純一
(72)【発明者】
【氏名】梓澤 祐
(72)【発明者】
【氏名】山本 博久
(72)【発明者】
【氏名】窪井 宏行
(72)【発明者】
【氏名】中沢 健太
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-154695(JP,U)
【文献】特開2011-046533(JP,A)
【文献】特開2013-203442(JP,A)
【文献】特開2011-042396(JP,A)
【文献】特開平10-035962(JP,A)
【文献】特開2010-132367(JP,A)
【文献】特開2016-124610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 41/18
B65B 41/12
B65H 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取りロールから繰り出される面状包装素材であるフィルムを製品包装用の筒状包装材に成形すると共に、その先端部をシールした後に当該筒状包装材内に外部から所定の製品を順次投入しシールしてこれを商品充填包装材として外部へ送出するフィルム送りベルトを備えた本体部を有し、
この本体部と前記巻取りロールとの間に、前記フィルムと新たなフィルムとを接続するフィルム接続領域を設けると共に、
このフィルム接続領域に、前記フィルムの終端部を必要に応じて吸着する一方のフィルム吸着保持部材と、前記新たなフィルムの先端部を接続端部として吸着し保持する他方のフィルム吸着保持部材とからなるフィルム吸着保持装置を配設装備し、
前記一方のフィルム吸着保持部材を、前記他方のフィルム吸着保持部材よりも前記フィルムの搬送方向の下流側に位置し前記フィルムを吸引することにより前記フィルムの搬送にブレーキを掛けるフィルムブレキ手段をもって構成し、
前記フィルム送りベルトに併設されたフィルム吸引用のバキュームボックスおよび前記他方のフィルム吸着保持部材を駆動する単一の負圧エア源を装備すると共に、
この負圧エア源の出力段に、前記バキュームボックスと前記他方のフィルム吸着保持部材とを切り替え駆動する切替え駆動弁を装備したことを特徴とする製袋充填包装機。
【請求項2】
請求項に記載の製袋充填包装機において、
前記他方のフィルム吸着保持部材は、長手方向に沿って形成された連続変形溝およびこの連続変形溝に連通する複数の吸引孔を有するフィルム吸着プレートと、このフィルム吸着プレートに取付けられ前記複数の吸引孔に前記切替え駆動弁からの負圧エアを供給する負圧エア供給部材と、を備えて構成し、
前記フィルムブレキ手段を、表面に多数の吸引孔が形成されたブレーキ用プレートと、このブレーキ用プレートの裏面側に配置され前記ブレーキ用プレートの吸引孔に負圧エアを供給する少なくとも1個のファンモータと、を備えて構成したことを特徴とする製袋充填包装機。
【請求項3】
請求項に記載の製袋充填包装機において、
前記1個のファンモータを、その吸気口が前記ブレーキ用プレートの長方向中央にするように配置し、
前記ブレーキ用プレートの前記吸引孔を、前記ファンモータの吸気口に対しかつその吸気口の大きさ以上の範囲にわたって形成したことを特徴とする製袋充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製袋充填包装機に係り、さらに詳しくは、小型化を図れる製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、巻取りロールから繰り出された帯状包装材である帯状フィルムを製袋器で筒状に成形し、成形されたその筒状フィルムを製袋充填筒に沿って垂直下方に給送し、筒状フィルムの重合端縁部に縦シールを施した後、被包装品である製品が投入、充填され、次いで、製品と製品の間の位置で、筒状フィルムの幅方向に横シールを施し、当該横シールの中央部においてカッターで切断することにより、製品が袋部内に充填された所謂ピロー包装体を製作する縦型製袋充填包装機が各種の産業分野で広く使用されている。
【0003】
上記縦型製袋充填包装機において、使用中の巻取りロールには、予め決められた数量のピロー包装体を製作できるような量の帯状フィルムが巻着されている。
そして、その巻取りロールに巻着された帯状フィルムを使い切った後は、通常では、次に使用される新しい巻取りロールが準備されており、この巻取りロールにも予め決められた量の帯状フィルムが巻着されている。
その後、古い巻取りロールと、新しい巻取りロールとを交換してからその新しい巻取りロールの帯状フィルムによって、引き続き次の製袋作業が実行されるようになっている。
【0004】
新旧の巻取りロールの入れ替えに際しては、使用中の巻取りロールから繰り出された帯状フィルムが終端に達した時点を公知の終端判定手段により判定した後、所定の位置で終端部の帯状フィルムをカッターで切断し、次いで、この切断された帯状フィルムの後端部と、所定位置に設定された次に使用される新しい巻取りロールの先端部と、を接続する縦型製袋充填包装機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示された縦型製袋充填包装機における紙継ぎの作業は、終端に近づいた旧帯状フィルムを横断方向に切断し、切断した端部を紙継ぎ台の上に載せ、その紙継ぎ台上において、この切断した端部に、新帯状フィルムの始端を位置合わせして載せ、新旧帯状フィルムの両端部を粘着テープのような繋ぎテープで接続するようになっている。
そして、上記紙継ぎ台は回転軸を起点として紙継ぎ台の先端側が揺動するように構成されている。
【0005】
上記特許文献1に開示された揺動型の紙継ぎ台を備えた縦型製袋充填包装機に対して、図15には、新旧フィルムの接続を行う一般的な縦型製袋充填包装機100が概略図として示されている。
この縦型製袋充填包装機100では、新旧フィルムの接続を行うフィルム接続装置110がテンション機構102の帯状フィルムFwの流れの下流側に配置されている。
【0006】
まず、縦型製袋充填包装機(以下、単に包装機という)100の全体を説明する。
包装機100は、帯状フィルムFwが巻着された巻取りロールFrを備えており、この巻取りロールFrの帯状フィルムFwの流れの下流側には上記テンション機構102が配置され、このテンション機構102の下流側には、前記フィルム接続装置110と、帯状フィルムFwの搬送を一時的に停止するフィルムブレーキ手段120が配置されており、フィルムブレーキ手段120の下流側には、帯状フィルムFwの一面(表面)に絵柄等を印刷する印字装置130が配置されている。
【0007】
印字装置130の下流側には帯状フィルムFwを筒状に形成する製筒器140と、この製筒器140で形成された筒状フィルムFtを装着する製袋充填筒150とが順次配置されている。そして、製袋充填筒150の外周には、筒状フィルムFtを下流側に送るフィルム送り機構155が配置されている。
このフィルム送り機構155には、製袋充填筒150の外周に装着されている筒状フィルムFtを外方から吸引して、製袋充填筒150の外周と筒状フィルムFtとの間に極小さな隙間を作ることで筒状フィルムFtをスムーズに搬送できるようにバキュームボックス156が設けられている。
【0008】
前記フィルム接続装置110の構造としては、一般的には、例えば、図16に示すように、流れの下流側に配置された一方のフィルム吸着保持部材110Aと、上流側に配置された他方のフィルム吸着保持部材110Bとで構成されている。
そして、一方のフィルム吸着保持部材110Aで旧帯状フィルムFwaの終端部Fw1を必要に応じて吸着し一時的に保持できるようになっており、他方のフィルム吸着保持部材110Bで新帯状フィルムFwbの先端部Fw2を必要に応じて吸着し一時的に保持できるようになっている。
ここで、旧帯状フィルムFwaと新帯状フィルムFwbとが接合されて連続した帯状フィルムFwが構成される。
【0009】
一方および他方のフィルム吸着保持部材110A,110Bには、それぞれ、所定間隔で複数本の吸引溝112が帯状フィルムFwの搬送方向に沿って形成されており、これらの吸引溝112には、それぞれ吸引孔112aがあけられている。
各吸着部材110A,110Bには、接続部材113および配管114を介して各吸着部材110A,110Bに負圧を供給する共通の真空エジェクタ115が接続されており、この真空エジェクタ115から負圧が吸引孔112aおよび吸引溝112に供給され、これにより、各吸着部材110A,110Bの上面を通過する帯状フィルムFwを必要に応じて吸引し一時的に保時できるようになっている。
そして、旧帯状フィルムFwaの終端部Fw1と新帯状フィルムFwbの先端部Fw2とがカッター溝116を挟んで接続用テープTにより接続されるようになっている。
【0010】
また、上記一般的な縦型製袋充填包装機100においては、帯状フィルムFwが間欠搬送、特に高速送りの際に、その帯状フィルムの重量により慣性運動が発生し、帯状フィルムFwの位置がずれ、その結果、絵柄の位置がずれることがあり、場合によっては、製品の不良に結び付くこともある。
【0011】
そこで、上記のような課題を防止するために、縦型製袋充填包装機100には、多くの場合、前記フィルムブレーキ手段120が装備されており、このフィルムブレーキ手段120は、上記フィルム接続装置110の下流側に配置されている。
フィルムブレーキ手段120の構造としては、例えば、図17に示すように、帯状フィルムFwの一面に接する薄板状のブレーキ用プレート121と、このブレーキ用プレート121に取付けられたファンモータ122とを備えた構成が一般的である。
ブレーキ用プレート121には、多数個の吸引孔121aがあけられており、ファンモータ122の駆動により、ブレーキ用プレート121を介して帯状フィルムFwが吸引されてブレーキがかけられ、その状態で一時的に保持されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2018-207808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記特許文献1に開示された縦型製袋充填包装機では、帯状フィルムの接続は紙継ぎ台で行われているが、フィルムブレーキ手段、フィルム送り機構およびバキュームボックスは付設されていないので、フィルムの間欠搬送によるフィルムの位置ずれの防止や、製袋充填筒における筒状フィルムの円滑な送り等に対応できない、という課題があった。
【0014】
また、図15に示す一般的な縦型製袋充填包装機100では、フィルム接続装置110が、一方および他方のフィルム吸着保持部材110A,110Bを備えて構成されている。両者110A,110Bは同じ機能を有しているにも拘わらず2つの構成部材が必要であり、省部材化を図ることができない。
さらに、このフィルム接続装置110とフィルムブレーキ手段120とはそれぞれ別位置に配設されている。そのため、これらを設置するための多くのスペースが必要であり、結果的に、機械全体が大型化してしまう、という課題があった。
また、フィルム接続装置110の各吸着部材110A,110Bによる帯状フィルムFwの吸引用として真空エジェクタ115が必要とされ、フィルム送り機構155のバキュームボックス156を駆動させるためには真空ポンプ170が設けられている。これら真空エジェクタ115、真空ポンプ170の用途は同じであるのに、それぞれ別個に設けなければならず、多くの装置が必要である、という課題もあった。
【0015】
〔発明の目的〕
本発明は上記課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、小型化を図ることができる製袋充填包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために、本発明の縦型製袋充填包装機は、巻取りロールから繰り出される面状包装素材であるフィルムを製品包装用の筒状包装材に成形すると共に、その先端部をシールした後に当該筒状包装材内に外部から所定の製品を順次投入しシールしてこれを商品充填包装材として外部へ送出するフィルム送りベルトを備えた本体部を有し、
この本体部と前記巻取りロールとの間に、前記フィルムと新たなフィルムとを接続するフィルム接続領域を設けると共に、
このフィルム接続領域に、前記フィルムの終端部を必要に応じて吸着する一方のフィルム吸着保持部材と、前記新たなフィルムの先端部を接続端部として吸着し保持する他方のフィルム吸着保持部材とからなるフィルム吸着保持装置を配設装備し、
前記一方のフィルム吸着保持部材を、前記他方のフィルム吸着保持部材よりも前記フィルムの搬送方向の下流側に位置し前記フィルムを吸引することにより前記フィルムの搬送にブレーキを掛けるフィルムブレキ手段をもって構成し、
前記フィルム送りベルトに併設されたフィルム吸引用のバキュームボックスおよび前記他方のフィルム吸着保持部材を駆動する単一の負圧エア源を装備すると共に、
この負圧エア源の出力段に、前記バキュームボックスと前記他方のフィルム吸着保持部材とを切り替え駆動する切替え駆動弁を装備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の製袋充填包装機によれば、フィルムブレキ手段を被加工中のフィルムの終端部を必要に応じて吸着する一方のフィルム吸着保持部材として使用することができる。その結果、従来のフィルム接続装置の一方のフィルム吸着保持部材を設けなくてもよくなり、その結果、省部材化を図ることができ、機械全体の小型化も図ることができる。
また、フィルムブレキ手段を一方のフィルム吸着保持部材として使用することができる。その結果、従来、それぞれ別位置に配設されていたフィルム接続装置とフィルムブレーキ手段との設置スペースが一箇所で済むので、省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る製袋充填包装機の一実施形態を示す全体斜視図である。
図2図1に開示した製袋充填包装機の全体を示す概略図である。
図3】前記製袋充填包装機に装備されたフィルム吸着保持装置を示す全体平面図である。
図4図3におけるIV矢視図である。
図5図3におけるV矢視図である。
図6図4におけるVI-VI線に沿った縦断面図である。
図7】前記実施形態のフィルム吸着保持装置を示す分解斜視図である。
図8】前記実施形態のテンション機構を経由した帯状フィルムがフィルム吸着保持装置上を搬送される状態を示す斜視図である。
図9図8の状態から使用中の巻取りロールの帯状フィルム終端部と、次に使用された巻取りロールから引き出された帯状フィルム先端部との関係を表し両者が接合される前の段階を示す斜視図である。
図10図9の状態から帯状フィルム終端部と帯状フィルム先端部とが接合された状態を斜視図である。
図11】前記実施形態の他方のフィルム吸着保持部材の詳細を示し、図11(A)は平面図、図11(B)は図11(A)におけるB矢視図である。
図12図11に示す吸着プレートと負圧供給部材とブレーキ用プレートとの相互関係を示す分解斜視図である。
図13】前記実施形態の制御装置の構成を示す図である。
図14】前記実施形態の新旧フィルム接続作業とフィルム送り機構とバキュームボックスとにおけるタイミングチャートを示す図である。
図15】従来の一般的な縦型製袋充填包装機を示す全体概略図である。
図16】従来の一般的な縦型製袋充填包装機に装備されたフィルム接続装置を構成する一方側および他方側の吸着部材を表し、図16(A)は平面図、図16(B)は側面図である。
図17】従来の一般的な縦型製袋充填包装機に装備されたフィルムブレーキ手段を表し、図17(A)は平面図、図17(B)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、添付図面を参照して本発明に係る製袋充填包装機の一実施形態を説明する。
【0020】
〔包装機の全体構成〕
図1図2に示すように、本実施形態における製袋充填包装機としては縦型製袋充填包装機(以下、単に包装機という)1が利用されている。
包装機1は、所定量の帯状包装素材(面状包装素材)であるフィルム(本実施形態では帯状フィルム)Fwが巻着された巻取りロールFrを備えている。
なお、帯状フィルムFwは、図9に示すように、使用中の巻取りロールFrにおける帯状フィルムFwaと、新しく使用される巻取りロールにおける帯状フィルムFwbを接合したものをいう。
巻取りロールFrの帯状フィルムFwの流れの下流側には、揺動中心軸2aを中心として矢印A方向に揺動し帯状フィルムFwに最適のテンションを供給するテンション機構2が配置されている。
【0021】
このテンション機構2の流れの下流側には、本発明の主要部を構成するフィルム吸着保持装置3が配設されている。このフィルム吸着保持装置3は、新旧の帯状フィルムFwの接続機能と、帯状フィルムFwの搬送を必要に応じて一時的に停止させるブレーキ機能とを有する構成となっている。
【0022】
フィルム吸着保持装置3の下流側には、帯状フィルムFwの一面(表面)に絵柄等を印刷する印字装置4が配置されており、印字装置4の下流側には、帯状フィルムFwを筒状に形成する製筒器5と、この製筒器5で形成された筒状フィルムFtを装着する本体部である製袋充填筒6が配置されている。
製袋充填筒6の外周には、筒状フィルムFtを下流側に送る一対のフィルム送り機構7が配置されており、このフィルム送り機構7は、製袋充填筒6を径方向に挟んで対向位置に配置されると共に、各フィルム送り機構7は、3個のガイドロールに支持されたフィルム送りベルト71を備えて構成されている。
【0023】
そして、これらのフィルム送りベルト71が互いに逆方向に回転することで筒状フィルムFtが下流側に送り出されるようになっている。また、フィルム送りベルト71には、一定間隔でエア吸引孔71aが設けられている。
これに対して、フィルム送りベルト71の内側には、当該フィルム送りベルト71の内側と接触してバキュームボックス8が配設されている。このバキュームボックス8の筒状フィルムFtと対向する一面には、負圧供給用のエア吸引孔(図略)が設けられている。
【0024】
フィルム送りベルト71とバキュームボックス8とが上記のような構成となっているのでバキュームボックス8に負圧エアが供給されると、フィルム送りベルト71のエア吸引孔71aを介して、製袋充填筒6の外周に装着されている筒状フィルムFtが吸引される。
この際、筒状フィルムFtと製袋充填筒6の外周との間の隙間が、例えば、0.1~0.5mm程度となるようにフィルム送りベルト71等の設置位置が設定されている。そのため、筒状フィルムFtが製袋充填筒6の外周に密着することなく下流側へ送り出せるのでスムーズな搬送が可能となる。
【0025】
また、製袋充填筒6において上記各フィルム送りベルト7の間には筒状フィルムFtの重ね合わされた両端部に縦シールを施す縦シール装置9が装備されており、縦シール装置9の下流には、所定の製品Pが投入された筒状フィルムFtの製品投入側を、両側から加圧接触させると共に加熱シールし、ピロー包装体BPとして完成させる横シール装置10が配設されている。
さらに、包装機1には、当該包装機1の全体の稼働を制御する制御装置11が設けられている。
【0026】
図2に示すように、包装機1には、前記フィルム送りベルト7に併設されたフィルム吸引用のバキュムボックス8、および後述する他方のフィルム吸着保持部材30を駆動させる単一の負圧エア源である真空ポンプ12が装備され、また、この真空ポンプ12の出力段には、バキュムボックス8と他方のフィルム吸着保持部材30とを切り替え駆動させる切替え駆動弁13が装備されている。
そして、真空ポンプ12と切替え駆動弁13とは配管14で接続され、切替え駆動弁13とバキュムボックス8とは配管15で接続され、さらに、切替え駆動弁13と前記フィルム吸着保持装置3の他方のフィルム吸着保持部材30とは配管16で接続されている。
【0027】
〔フィルム吸着保持装置の全体構成〕
図1図3等に示すように、上記フィルム吸着保持装置3は、前述のように、新旧の帯状フィルムFwの接続を実行するために設けられたものであり、接続領域部、つまり、本体部である製袋充填筒6と巻取りロールFrとの間(本実施形態では製袋充填筒6とテンション機構2の間)に配設されている。
【0028】
フィルム吸着保持装置3は、被加工中の帯状フィルムFwの終端部Fw1(図9参照)を必要に応じて吸着する前記一方のフィルム吸着保持部材20と、新たな帯状フィルムFwの先端部Fw2(図9参照)を必要に応じて吸着する前記他方のフィルム吸着保持部材30とを備えて構成されている。
そして、上記一方のフィルム吸着保持部材20が、本体部である製袋充填筒6側に予め装備されたフィルムブレキ手段20をもって構成されている。
【0029】
まず、フィルムブレキ手段20の構成について説明する。
フィルムブレーキ手段20は、帯状フィルムFwの間欠送りに伴うテンションレバー2の揺動、テンションレバー2の重量により慣性が働いて必要角度以上に揺動し、それに連れて引出された帯状フィルムFwが追従遅れしてズレが生じることがあるので、そのような追従遅れがないように帯状フィルムFwを吸引してブレーキを掛け、その状態で一時的に保持し、フィルム弛みを防止するためのものである。
【0030】
上記フィルムブレキ手段20は、図3図6図7に示すような構成となっている。
すなわち、フィルムブレキ手段20は、表面に多数の吸引孔21aが形成されたブレーキ用プレート21と、このブレーキ用プレート21の裏面側に配置され上記吸引孔21aに負圧を供給する3個のファンモータ22,22,22等を備えて構成されている。
【0031】
ブレーキ用プレート21は薄板部材で形成されている。そして、その幅方向の上下にそれぞれ折り返し部が形成され、下側の折り返し部に、次に述べるファン取付けプレート23が載せられるようになっている。
また、長手方向両端部にも折り返し部が形成されており、この折り返し部がブレーキ用プレート21の側面を形成し、この側面に後述するプレート取付け部材40が取り付けられるようになっている。
なお、ファンモータ22は必ずしも3個でなくてもよく、少なくとも1個あればよい。
実施形態では、中央の1個のファンモータ22のみが駆動されるように制御されるようになっている。
【0032】
各ファンモータ22,22,22のうち中央のファンモータ22は、その吸気口が上記ブレーキ用プレート21の長さ方向中央部近傍に対応するように配置され、ブレーキ用プレート21の吸引孔21aは、上記中央のファンモータ22の吸気口に対応するようにその吸気口の大きさ以上の範囲にわたって形成されている。
すなわち、ブレーキ用プレート21には、その幅方向下部にブレーキ用プレート21の長さ方向の略全長にわたって上記吸引孔21aが上下方向に複数列に形成されているが、上記中央のファンモータ22の吸気口と対向するブレーキ用プレート21の部位には、上方に延びて多数の吸引孔21aが全体で略正方形状の範囲内に形成されている。
【0033】
各ファンモータ22は、前面側(吸気口側)がファン取付けプレート23にネジ止めにより取付けられており、この状態でファンモータ22がファン押え部材24によりブレーキ用プレート21の前面側に押し付けられ、かつファン押え部材24をブレーキ用プレート21の前面側にネジ止めして一体化されている。
ファン取付けプレート23には、各ファンモータ22の吸気口に対応する開口23aが形成されている。
また、ファン押え部材24には、各ファンモータ22からの吸気を外部に放出する放出口24aが形成されている。
そして、前記ブレーキ用プレート21と、ファン取付けプレート23と、ファンモータ22と、ファン押え部材24とで、前記フィルムブレーキ手段20が構成されている。
【0034】
次に、他方のフィルム吸着保持部材30の構成を説明する。
他方のフィルム吸着保持部材30は、新しく使用される巻取りロールFrから引出された帯状フィルムFwの先端部Fw2(図9参照)を吸引して一時的に保持するフィルム吸着プレート(以下、単に吸着プレートという)31と、この吸着プレート31に着脱可能に設けられると共に、当該吸着プレート31に形成されている複数の吸引孔31bに負圧エアを供給する負圧エア供給部材32とを備えて構成されている。
【0035】
吸着プレート31は、帯状フィルムFwの幅方向にわたって配設されると共に、当該帯状フィルムFwの幅寸法を越えた長さに形成され、その長さ方向には、一端部から他端部にわたって形成された非直線状の連続変形溝31aが互いに平行となって2列設けられている。
【0036】
図3等に示すように、連続変形溝31aは波形形状に形成されており、この連続変形溝31aには、複数の吸引孔31bが連結されている。そして、実施形態では、2列の連続変形溝31aのそれぞれに7個の吸引孔31bがあけられている。
また、図11(A)に示すように、連続変形溝31aの幅寸法wは、例えば、0.7mmに形成され、また、吸引孔31bの孔径φは、例えば、0.7mmに形成されている。つまり、溝幅と孔径とが同一寸法となっている。
但し、これらの各寸法に限定されないが、少なくとも、吸引孔31bの孔径φより連続変形溝31aの幅寸法が大きいことが好ましい。
【0037】
波形形状の連続変形溝31aの一つの波形の高さhは、例えば10mmとなっており、底辺間の寸法Lは、例えば20mmとなっている。つまり、波形の頂点の角度α°は90°となっている。但し、これらの各寸法に限定されない。
また、上述のように、連続変形溝31aは、互いに平行な2列で構成されている。
そして、2列の連続変形溝31a間の互いの波型の頂点同士が最も接近したときの頂点同士、つまり、吸引孔31b,31b間の間隔L1は、例えば、5mmに設定されている。但し、これらの各寸法には限定されない。
【0038】
図11(A)に詳細を示すように、平行な2列の連続変形溝31aの対向する7箇所の頂点位置に、それぞれ前記吸引孔31bがあけられている。これらの7個の吸引孔31bのうち、中央部の吸引孔31bは、その吸引孔31bを通過する帯状フィルムFwの幅方向中心と対応しており、中央部の吸引孔31bの左右に、他の吸引孔31bが均等間隔で3箇所にあけられている。
また、吸引孔31bは、図11(B)に示すように、フィルム吸着プレート31の上部から下部まで貫通している。
【0039】
連続変形溝31aが波形形状に形成されているので、帯状フィルムFwが吸引される際に、吸引孔31bおよび連続変形溝31aに引き込まれないようにしようとする抵抗力が大きくなり、これにより、連続変形溝31a等に喰い付き難くなり、その結果、帯状フィルムFwの幅方向両端部まで、確実に吸着することができる。
また、連続変形溝31aが波形形状に形成されているので、吸引力が及ぶ有効面積を広くすることができ、これによっても、帯状フィルムFwの幅方向両端部まで、確実に吸着することができる。
【0040】
図11図12に示すように、前記負圧エア供給部材32は、取付けボルト(図略)を負圧エア供給部材32側から差し込んで、吸着プレート31の裏面側にあけられているネジ孔31cに螺合させることにより、吸着プレート31の裏面に着脱自在に取り付けられている。
この負圧エア供給部材32には、複数の吸引孔31bに負圧エアを一括して供給できるような大きさの負圧エア供給室32aが形成されている。
すなわち、負圧エア供給室32aは、負圧エア供給部材32の表面から所定深さに掘り下げられた凹部で形成されており、この凹部は、吸着プレート31の2列の波型の連続変形溝31a,31aにあけられている並列状態の14個の吸引孔31bの全部を覆える大きさとなっている。
【0041】
前記負圧エア供給部材32の一側面には、負圧エアを負圧エア供給室32aに供給する負圧エア供給接続具33が取付けられている。
接続具33は、取付け本体部33aとその先端に形成されたネジ部33bとを有し、その取付け本体部33aおよび先端ネジ部33bの径方向中心には、図視しない負圧エア流入孔があけられており、この負圧エア流入孔を介して、前記単一の真空ポンプ12から負圧エアが供給されるようになっている。
【0042】
図3図7に示すように、前記一方のフィルム吸着保持部材20と前記他方のフィルム吸着保持部材30とは、それぞれの長手方向両端部がプレート取付け部材40に取付けられ、これらのプレート取付け部材40同士は連結棒41で連結されており、これにより、一方のフィルム吸着保持部材20と前記他方のフィルム吸着保持部材30とが一体化構造とされている。
【0043】
プレート取付け部材40は、所定厚さのプレート部材で形成されており、前記フィルムブレーキ手段20の幅寸法と略等しい幅で、かつブレーキ手段20の高さより僅かに長い形状に形成されている。
そして、このプレート取付け部材40の上端部は連結棒41で連結されており、また、これらのプレート取付け部材40の下部に、上記ブレーキ手段20の側面がボルト締めにより取付けられている。
【0044】
各プレート取付け部材40の外側面には、それぞれ固定プレート45,45がボルト47で取付け固定され、これらの固定プレート45,45同士が連結棒46で連結補強されている。そして、各固定プレート45,45が図示しない機械本体側に固定されるようになっている。
【0045】
以上に説明した一方のフィルム吸着保持部材20、他方のフィルム吸着保持部材30、連結棒41で連されたプレート取付け部材40,40、および連結棒46で連結補強された固定プレート45,45により、前記フィルム吸着保持装置3が構成されている。
【0046】
図13には、本実施形態の前記制御装置11が示されている。
制御装置11は、包装機1の稼働の全体を制御する制御部11Aを備え、この制御部11Aには、機械全体を稼働させるために指示を与える起動スイッチS1が接続されており、また、新旧の帯状フィルムFwの接続作業を開始させるフィルム継ぎ開始スイッチS2、および新旧の帯状フィルムFwの接続作業が終了したことを通知するフィルム継ぎ終了スイッチS3が接続されている。
【0047】
制御部11Aには、吸着プレート31に装着された負圧エア供給部材32に負圧を供給すると共に、バキュームボックス8に負圧を供給する真空ポンプ12が接続されている。
また、制御部11Aには、吸着プレート31とバキュームボックス8とのいずれかに負圧を供給するかを切替える切替え駆動弁13が接続されている。
さらに、制御部11Aには、フィルムブレーキ用のファンモータ22が接続されている。
【0048】
図14には、包装機1のタイミングチャートが示されている。
まず、前記起動スイッチS1を押すと、真空ポンプ12とファンモータ22とが駆動を開始する。
そして、現在使用中の巻取りロールFrに装着されている帯状フィルム(旧帯状フィルム)Fwa(図9参照)による製袋作業が実行される。
【0049】
使用中の巻取りロールFrから引き出された旧帯状フィルムFwaにより所定の袋が製作され、旧帯状フィルムFwaが終了間際に近づいたら、周知のフィルム終端検知手段によりフィルム終端が検知される。
フィルム終端が検知されたら、真空ポンプ12とファンモータ22との駆動が一時的に停止される。
その後、フィルム開始スイッチS2を押し、新旧の帯状フィルム接続作業が開始される。この時、制御装置11により切え駆動弁13がベルト送り側(フィルム送り機構7側)からフィルム継ぎ側(他方のフィルム吸着保持部材30側)に切えられ、真空ポンプ12とファンモータ22とが駆動を開始する。
【0050】
新旧の帯状フィルムの接続が、接続用テープTを貼り合わせ、完了したことを作業者が確認した段階で、フィルム継ぎ終了スイッチS3を押す。
フィルム継ぎ終了スイッチS3を押したら、真空ポンプ12とファンモータ22との駆動を停止すると共に、制御装置11により切え駆動弁13がフィルム継ぎ側からベルト送り側に切えられる。
その後、起動スイッチS1を押し、次の巻取りロールFrに装着されている帯状フィルム(新帯状フィルム)Fwbによる製袋作業が開始される。
【0051】
次に、前記実施形態のフィルム吸着保持装置3の動作を図8~10およびタイムチャートに基づいて説明する。
まず、図8に示すように、吸着プレート31とフィルムブレーキ手段20との上面を旧帯状フィルムFwaが搬送されている状態で、その旧帯状フィルムFwaの後端部Fw1が、図示しない後端部検知手段により検出されたら、真空ポンプ12とファンモータ22の運転を停止させる。
【0052】
その後、フィルムブレーキ手段20のファンモータ22を駆動させると共に、吸着プレート31への負圧供給を開始する。
これにより、吸着プレート31とフィルムブレーキ手段20とにより帯状フィルムFwaが吸着され、かつ一時的に保持される。
【0053】
次に、図9に示すように、吸着プレート31とフィルムブレーキ手段20のブレーキ用プレート21との隙間Sにカッター(図略)の刃先を沿わせて移動させ、帯状フィルムFwを、その長手方向と略直角に切断する。
このとき、切断されたブレーキ用プレート21側の旧帯状フィルムFwaの後端部Fw1は、フィルムブレーキ手段20のブレーキ用プレート21側に一時的に保持される。
【0054】
次いで、切断されたテンション機構2側の旧帯状フィルムFwaの巻残り部ごと使用中の巻取りローFrが所定の位置から取り外され、この巻取りローFrに代わって、次に使用される巻取りロー(新巻取りロー)が所定の位置に設置される。
そして、図9に示すように、新巻取りローから引き出された新帯状フィルムFwbの先端部Fw2が、吸着プレート31の上面に載せられる。
【0055】
前述したように、この時点では、すでに吸着プレート31の吸引孔31bには負圧エアが供給され、その負圧エアが吸引孔31bを介して波型に形成された連続変形溝31aに作用している。
そのため、新帯状フィルムFwbの先端部Fw2は吸着プレート31に一時的に吸着される。
【0056】
その後、図10に示すように、接続用テープTにより旧帯状フィルムFwaの後端部Fw1と新帯状フィルムFwbの先端部Fw2とが接続用テープTにより接続されて、両帯状フィルムFwa,Fwbが一体化される。
この際、接続用テープTは幅広のものが使用され、その幅方向の一方側が旧帯状フィルムFwaの後端部Fw1の端部に貼られると共に、幅方向の他方側が新帯状フィルムFwbの先端部Fw2の端部に貼られ、これにより、上述のように、新旧の帯状フィルムFwa,Fwbが接続されて連続した帯状フィルムFwが形成される。
【0057】
新旧の帯状フィルムFwb,Fwaの確実な接続を確認したら、フィルム継ぎ終了スイッチS3を押し、吸着プレート31およびブレーキ手段20の吸着動作を停止させ、一体化した帯状フィルムFwが吸着プレート31およびブレーキ手段20の上面を支障なく走行できることを確認した後、起動スイッチS1を押して、新しい巻取りロールFrの帯状フィルムFwによる通常の製袋作業に移行する。
通常の製袋作業において、帯状フィルムFwが間欠送りされる際には、フィルムブレーキ用として、制御装置11の制御部11Aにより、ブレーキ手段20のファンモータ22を制御し、慣性による帯状フィルムFwのズレが防止される。
ただし、接続された旧帯状フィルムFwaの後端部Fw1と、新帯状フィルムFwaの先端部Fw2の部分が含まれた袋部は、横シールが施行された後、不良品として排出されるようになっている。
【0058】
以上のような構成の包装機1によれば、次のような効果が得られる。
(1)フィルム吸着保持装置3を構成するフィルムブレキ手段20を、新旧の帯状フィルムFwb,Fwaの接続用として、被加工中の旧帯状フィルムFwの終端部Fw1を必要に応じて吸着する一方のフィルム吸着保持部材として使用することができる。その結果、従来のフィルム接続装置の一方のフィルム吸着保持部材を設けなくてもよくなり、省部材化を図ることができ、機械全体の小型化も図ることができる。
【0059】
(2)フィルムブレキ手段20を、新旧の帯状フィルムFwb,Fwaを接続するために、一方のフィルム吸着保持部材として使用することができる。その結果、従来、フィルム接続装置とフィルムブレーキ手段とがそれぞれ別位置に配設されていたのでそれぞれの設置スペースが必要であったものが、フィルムブレキ手段20と他方のフィルム吸着保持部材30とが一体化しているので設置スペースが一箇所で済み、これにより、省スペース化を図ることができる。
【0060】
(3)フィルムブレキ手段20を、一般的な間欠送り時のフィルムブレーキ用として用いることができる他、新旧の帯状フィルムFwb,Fwaの接続時用としても用いることができる。その結果、用途の兼用化を図ることができる。
【0061】
(4)フィルム吸着保持装置3が、フィルムブレキ手段20と、吸着プレート31等からなる他方のフィルム吸着保持部材30とを備え、これらブレキ手段20、保持部材30がプレート取付け部材40により取り付けられ、また、このプレート取付け部材40が固定プレート45に固定された一体化構成となっている。その結果、フィルム吸着保持装置3の取り扱いが容易となり、フィルム接続領域の任意の位置に容易に設置することができる。
【0062】
(5)フィルム吸引用のバキュムボックス8と、他方のフィルム吸着保持部材30のフィルム吸着プレートと31との駆動を、切替え駆動弁13を装備した単一の真空ポンプ12で行うことができるので、従来のように、バキュムボックス用に真空ポンプを用いると共に、フィルム吸着プレート用に真空エジェクタを用いなくてもよい。その結果、省部材化を図ることができ、また、コスト低減を図ることができる。
【0063】
(6)連続変形溝31aが波形形状に形成されているので、帯状フィルムFwが吸引される際に、吸引孔31bおよび連続変形溝31aに引き込まれないようにしようとする抵抗力が大きくなり、これにより、連続変形溝31a等に喰い付き難くなり、その結果、帯状フィルムFwの幅方向両端部まで、確実に吸着することができる。
【0064】
(7)連続変形溝31aが波形形状に形成されているので、吸引力が及ぶ有効面積を広くすることができ、これによっても、帯状フィルムFwの幅方向両端部まで、確実に吸着することができる。
【0065】
以上、上記実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0066】
例えば、前記実施形態では、ブレーキ手段20では1個のファンモータ22を用いるようになっていたが、これに限らない。使用する帯状フィルムFwの幅寸法に対応して、図3等に示すように3個のファンモータ22全てを用いてもよい。
この場合、ブレーキ用プレート21の表面に、前述した略四角形上の範囲の吸引孔21aと同様の範囲に吸引孔21aを形成すればよい。
【0067】
また、前記実施形態では、他方のフィルム吸着保持部材30の吸着プレート31には、波形形状の連続変形溝31aが形成されているが、この連続変形溝31aは波形形状に限らない。例えば、吸着プレート31の幅方向に、その吸着プレート31の長手方向に沿った2列または3列の蛇行状の連続変形溝を形成し、これらの連続変形溝に所定間隔で吸引孔を形成するような形状のものであってもよい。
【0068】
さらに、前記実施形態では、他方のフィルム吸着保持部材30の吸着プレート31には、互いに平行な2列の波形形状の連続変形溝31aが形成されているが、これに限らない。
例えば、吸着プレート31の幅方向の略全域にわたるような大きさの連続変形溝を1列形成してもよく、また、吸着プレート31の幅寸法を実施形態よりも大きくして、例えば、3列の波形形状の連続変形溝としてもよい。
【0069】
また、本実施形態では、フィルム吸着保持装置が縦型製袋充填包装機に適用されているが、フィルム吸着保持装置を横型製袋充填包装機にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、例えば、製袋充填包装機において先に使用されている巻取りロールの帯状フィルムの終端と次に使用される巻取りロールの先端とを接続する際に利用できる。
【符号の説明】
【0071】
1 縦型製袋充填包装機
3 フィルム吸着保持装置
6 製袋充填筒(本体部)
7 フィルム送り機構
71 フィルム送りベルト
8 バキュームボックス
11 制御装置
12 真空ポンプ(負圧エア源)
13 切替え駆動弁
20 一方のフィルム吸着保持部材(ブレーキ手段)
21 ブレーキ用プレート
22 ファンモータ
30 他方のフィルム吸着保持部材
31 フィルム吸着プレート
31a 非直線状の連続変形溝
31b 吸引孔
32 負圧エア供給部材
32a 負圧エア供給室
40 プレート取付け部材
45 固定プレート
Fr 巻取りロール
Fw 帯状フィルム(帯状包装材)
Fw1 旧帯状フィルムの後端部
Fw2 新帯状フィルムの先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17