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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】防水ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/04 20060101AFI20230809BHJP
   E04F 15/00 20060101ALI20230809BHJP
   E04B 1/00 20060101ALI20230809BHJP
   E04B 1/66 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
E04D13/04 J
E04F15/00 G
E04B1/00 501M
E04B1/66 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021136728
(22)【出願日】2021-08-24
(65)【公開番号】P2023031174
(43)【公開日】2023-03-08
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】518270849
【氏名又は名称】株式会社中部レキセイ
(74)【代理人】
【識別番号】100093931
【弁理士】
【氏名又は名称】長屋 直樹
(72)【発明者】
【氏名】古川 朋美
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-92297(JP,A)
【文献】特開2020-20121(JP,A)
【文献】特開2002-61344(JP,A)
【文献】実開平4-16226(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/04
E04F 15/00
E04B 1/00
E04B 1/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の連結用防水ユニットを連結することにより形成されるベランダ又はバルコニー用の防水ユニットで、複数の連結用防水ユニットにおける各連結用防水ユニットが、ベース部(10、60、1010)と、ベース部の上に設けられ、繊維強化プラスチックにより形成されたユニット本体(30、80、1030)とを有し、ベース部が、ベース部本体であって、一対の互いに平行な第1横部材(14a、14b、64a、64b、1014a、1014b)と、一対の第1横部材の一方の端部間と他方の端部間に第1横部材に対して直角に設けられた一対の互いに平行な第2横部材(16a、16h、66a、66h、1016a、1016h)からなる枠状のベース部本体(12、62、1012)と、ベース部本体の上面に設けられた板材であって、一方の第1横部材に沿って設けられた背面側の辺部である第1辺部(20a、70a、1020a)と、一方の第2横部材に沿って設けられた右側面側の辺部である第2辺部(20b、70b、1020b)と、他方の第1横部材に沿って設けられた正面側の辺部である第3辺部(20c、70c、1020c)と、他方の第2横部材に沿って設けられた左側面側の辺部である第4辺部(20d、70d、1020d)を有する四角形状を呈する板材(20、70、1020)とを有し、ユニット本体が、板材の上面に沿って設けられた底面部(31、81、1031)と、底面部の周端から連設された側面部であって、少なくとも、底面部の第1辺部側の辺部から立設した第1側面部(32、82、1032)と、底面部の第3辺部側の辺部から立設した第2側面部(36、86、1036)とを有し、ユニット本体における底面部と第1側面部と第2側面部が、それぞれ、厚み方向における外側に設けられた樹脂層である外側樹脂層(30-1、80-1、1030-1)と、外側樹脂層に積層して設けられた繊維樹脂層群で、2以上の繊維樹脂層を有し、繊維樹脂層がガラス繊維を有する樹脂層からなり、2以上の繊維樹脂層が積層して設けられた繊維樹脂層群(30-G、80-G、1030-G)と、繊維樹脂層群の表面に積層して設けられ、ユニット本体の内側の面に露出して設けられたトップコート層(30-4、80-4、1030-4)と、を有し、複数の連結用防水ユニットにおいて、繊維樹脂層群における繊維樹脂層の数が同一であり、複数の連結用防水ユニットを連結した防水ユニットの状態では、各連結用防水ユニットの側面部により周状の側面部群が形成されるように、ユニット本体が、底面部の第2辺部側の辺部又は第4辺部側の辺部における他の連結用防水ユニットの底面部が連結されない辺部である非連結辺部を有する連結用防水ユニットにおいて、非連結辺部から連設されるとともに、第1側面部と第2側面部から連設された第3側面部(38、84)を有し、互いに連結する2つの連結用防水ユニットにおける一方の連結用防水ユニットである第1連結用防水ユニットにおいて、他方の連結用防水ユニットである第2連結用防水ユニット側となる位置の第2横部材(16a)が、第1連結用防水ユニットの板材である第1板材(20)の第2連結用防水ユニット側となる辺部である第1対向辺部(20b)よりも第2連結用防水ユニット側に突出し、第2連結用防水ユニットにおいて、第2連結用防水ユニットの板材である第2板材(70)の第1連結用防水ユニット側となる辺部である第2対向辺部(70d)が、第1連結用防水ユニット側となる位置の第2横部材(66h)よりも第1連結用防水ユニット側に突出しており、各連結用防水ユニットにおいて、ユニット本体における底面部と第1側面部と第2側面部における連結対象の連結用防水ユニット側となる端部領域が、外側樹脂層と繊維樹脂層群における各繊維樹脂層の各層が、厚み方向の内側に隣接する層よりも連結する他の連結用防水ユニット側に突出して露出するように、階段状に形成されている連結用防水ユニットの複数を連結することにより防水ユニットを製造する防水ユニットの製造方法であって、
互いに連結する2つの連結用防水ユニットを第1対向辺部と第2対向辺部を対向させて第2連結用防水ユニットの第2板材が第1連結用防水ユニットの第2横部材に重ねた状態で、第2板材と第2横部材を固定部材(95)により固定して接続することにより、第1連結用防水ユニットの底面部と第2連結用防水ユニットの底面部において、端部領域で露出した外側樹脂層同士が対向し、第1連結用防水ユニットの第1側面部と第2連結用防水ユニットの第1側面部において、端部領域で露出した外側樹脂層同士が対向し、第1連結用防水ユニットの第2側面部と第2連結用防水ユニットの第2側面部において、端部領域で露出した外側樹脂層同士が対向した状態とする接続工程と、
接続工程で接続された第1連結用防水ユニットと第2連結用防水ユニットにおいて、第1連結用防水ユニットの底面部と第2連結用防水ユニットの底面部間の境界と、第1連結用防水ユニットの第1側面部と第2連結用防水ユニットの第1側面部の境界と、第1連結用防水ユニットの第2側面部と第2連結用防水ユニットの第2側面部間の境界を跨ぐジョイント材を形成するジョイント材形成工程であって、
第1連結用防水ユニットの外側樹脂層と第2連結用防水ユニットの外側樹脂層の境界を跨いで第1連結用防水ユニットの外側樹脂層と第2連結用防水ユニットの外側樹脂層に積層する樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
第1連結用防水ユニットの繊維樹脂層群と第2連結用防水ユニットの繊維樹脂層群における互いに対応する繊維樹脂層間に、ガラス繊維を有する樹脂層である繊維樹脂層を形成する繊維樹脂層群形成工程であって、互いに対応する繊維樹脂層の一方から他方まで繊維樹脂層を層状に形成し、外側樹脂層側から順次繊維樹脂層を積層していく繊維樹脂層群形成工程と、
第1連結用防水ユニットのトップコート層と第2連結用防水ユニットのトップコート層間に積層するトップコートを層状に形成するトップコート層形成工程と、を有し、
樹脂層形成工程で形成された樹脂層と繊維樹脂層で形成された繊維樹脂層とトップコート層形成工程で形成されたトップコート層とからなるジョイント材を形成するジョイント材形成工程と、
を有することを特徴とする防水ユニットの製造方法。
【請求項2】
接続工程において、複数の連結用防水ユニットを一列に配置した状態で、互いに隣接する連結用防水ユニットを接続し、接続された複数の連結用防水ユニットの側面部が周状に配置されることを特徴とする請求項1に記載の防水ユニットの製造方法。
【請求項3】
ジョイント材形成工程が、樹脂層形成工程の前に行われる研磨工程であって、第1連結用防水ユニットの底面部における端部領域と、第2連結用防水ユニットの底面部における端部領域と、第1連結用防水ユニットの第1側面部における端部領域と、第2連結用防水ユニットの第1側面部における端部領域と、第1連結用防水ユニットの第2側面部における端部領域と、第2連結用防水ユニットの第2側面部における端部領域とを研磨して、階段状の面を滑らかにする研磨工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の防水ユニットの製造方法。
【請求項4】
ジョイント材形成工程が、繊維樹脂層群形成工程とトップコート層形成工程の間に行われる第2研磨工程であって、第1連結用防水ユニットの底面部と第2連結用防水ユニットの底面部において外部に露出した繊維樹脂層で繊維樹脂層群形成工程で形成された繊維樹脂層の領域と、第1連結用防水ユニットの第1側面部と第2連結用防水ユニットの第2側面部において外部に露出した繊維樹脂層で繊維樹脂層群形成工程で形成された繊維樹脂層の領域と、第1連結用防水ユニットの第2側面部と第2連結用防水ユニットの第2側面部において外部に露出した繊維樹脂層で繊維樹脂層群形成工程で形成された繊維樹脂層の領域を研磨する第2研磨工程を有することを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の防水ユニットの製造方法。
【請求項5】
繊維樹脂層群形成工程において、シート状のガラス繊維を配置した後に、樹脂を塗布することにより各繊維樹脂層を形成することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に記載の防水ユニットの製造方法。
【請求項6】
防水ユニットが2つの連結用防水ユニットにより形成され、
防水ユニットを構成する2つの連結用防水ユニットの一方(5)において、底面部(31)の第4辺部側の端部から連設されるとともに第1側面部と第2側面部から連設された第3側面部(38)が形成され、
防水ユニットを構成する2つの連結用防水ユニットの他方(55)において、底面部(81)の第2辺部側の端部から連設されるとともに第1側面部と第2側面部から連設された第3側面部(84)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載の防水ユニットの製造方法。
【請求項7】
防水ユニットが3つ以上の連結用防水ユニットが一列に連結されて形成され、
該3つ以上の連結用防水ユニットのうち、一方の端位置に設けられる連結用防水ユニット(5)において、底面部の非連結辺部である第4辺部側の辺部から連設されるとともに第1側面部と第2側面部から連設された第3側面部(38)が形成され、
該3つ以上の連結用防水ユニットのうち、他方の端位置に設けられる連結用防水ユニット(55)において、底面部の非連結辺部である第2辺部側の辺部から連設されるとともに第1側面部と第2側面部から連設された第3側面部(84)が形成され、
一方の端位置と他方の端位置以外に設けられる連結用防水ユニット(1000)においては、第2辺部側の辺部と第4辺部側の辺部からは第3側面部は設けられていないことを特徴とする請求項1又は2又は3又は4に又は5記載の防水ユニットの製造方法。
【請求項8】
接続工程の前の連結用防水ユニット製造工程であって、
連結用防水ユニットを組み立てるための組立て台で、ベース部を載せる台部(132)と、台部から上方に立設された第1側面形成具で、左右方向の両側の端部に第1縦材(142c、142d)を有するとともに、第1縦材に台部の上面に対して直角をなす板状の第1側面板部(144a)が設けられた第1側面形成具(140)を有する組立て台(130)の台部の上面にベース部を板材の第1辺部が第1側面板部に接する状態で配置するベース部配置工程と、
横方向の両側の端部に第2縦材(222b、222c)を有するとともに、第2縦材に板状の第2側面板部(224a)が設けられた第2側面形成具(220)の第2側面板部が第2辺部に接するとともに、第1側面形成具の一方の第1縦材の第2側面形成具側の面と第2側面板部間に第1挟設部材(234)を配置した状態で第1側面形成具と第2側面形成具が第1挟設部材を介して固定され、横方向の両側の端部に第3縦材(202b、202c)を有するとともに、第3縦材に板状の第3側面板部(204a)が設けられた第3側面形成具(200)の第3側面板部が第3辺部に接するとともに、第2側面形成具の第3側面形成具側の第2縦材の第3側面形成具側の面と第3側面板部間に第2挟設部材(232)を配置した状態で第2側面形成具と第3側面形成具が第2挟設部材を介して固定され、横方向の両側の端部に第4縦材(212b、212c)を有するとともに、第4縦材に板状の第4側面板部(214a)が設けられた第4側面形成具(210)の第4側面板部が第4辺部に接するとともに、第3側面形成具の第4側面形成具側の第3縦材(202c)の第4側面形成具側の面と第4側面板部間に第3挟設部材(230)を配置した状態で第3側面形成具と第4側面形成具が第3挟設部材を介して固定され、該第4側面形成具の第1側面形成具側の第4縦材が第1側面形成具の第1側面板部に接した状態で第4側面板部と第1側面形成具が固定された状態として、第2側面形成具と第3側面形成具と第4側面形成具を配置することにより、第2側面板部と第3側面板部と第4側面板部が、ベース部本体の下面に沿った仮想平面に対して、上側に行くほど外側になるように傾斜した状態にする側面形成具配置工程で、第2側面形成具と第3側面形成具と第4側面形成具を配置した状態で、該一方の第1縦材の第2側面形成具側の面と、第2側面形成具の第3側面形成具側の第2縦材の第3側面形成具側の面と、第3側面形成具の第4側面形成具側の第3縦材の第4側面形成具側の面とが、台部の上面に対して直角をなし、第1挟設部材により第2側面形成具が傾斜した状態となり、第2挟設部材により第3側面形成具が傾斜した状態となり、第3挟設部材により第4側面形成具が傾斜した状態となる側面形成具配置工程と、
板材の上面と、第1側面板部の内側の面と、第3側面板部の内側の面に外側樹脂層を形成するとともに、第3側面部を形成する場合には、第2側面板部と第4側面板部における第3側面部に対応する側面板部の内側の面に外側樹脂層を形成し、外側樹脂層に繊維樹脂層群を積層して形成し、繊維樹脂層群にトップコート層を積層して形成することによりユニット本体を形成するユニット本体形成工程と、を有する連結用防水ユニット製造工程を有することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7に記載の防水ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベランダ又はバルコニー用の防水ユニットに関するものであり、特に、ベランダ又はバルコニー用の防水ユニットの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
防水ユニットの製造方法として、出願人は、特許文献1に記載の防水ユニットの製造方法について特許出願を行っている。
【0003】
特許文献1の防水ユニットの製造方法により製造される防水ユニットは、ベース部10と、ベース部10に固定されたユニット本体200とを有し、ベース部10は、ベース部本体12と、ベース部本体12の上面に取り付けられた板材20とを有している。
【0004】
また、ユニット本体200は、繊維強化プラスチックにより形成され、ユニット本体200は、底面部210と、底面部210の周端から連設された側面部212、214、216、218とを有し、側面部212と側面部214と側面部216と側面部218とで周面部211が構成されている。
【0005】
ユニット本体200の製造に際しては、ベース部10を組立て台30に載せた状態で、ベース部10の三方に側面形成具100、110、120を配置し、組立て台30の側面形成具40と側面形成具100、110、120によりベース部10を囲んだ状態で、板材20の上面と、側面形成具40、100、110、120の内側の面に繊維強化プラスチックを設ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-20121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の防水ユニットの製造方法においては、ユニット本体200の四方の側面を側面形成具40,100、110、120によりベース部10を囲んだ状態で形成するので、長尺の防水ユニットを形成しようとした場合には、組立て台30の長手方向の長さを長くしなければならないととともに、側面形成具100の長手方向の長さも長くしなければならないことから、製造設備が大がかりになって製造設備にコストが掛かり、結果として、製造コストが高くなってしまう。
【0008】
さらに、長尺の防水ユニットを製造した場合でも、設置場所まで長尺の防水ユニットを運搬することが困難であるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、建物のベランダ又はバルコニーに用いる防水ユニットの製造方法であって、長尺の防水ユニットの製造に際して、従来の製造設備(つまり、特許文献1に記載の製造設備)を利用することができて、防水ユニットの製造コストを抑えることができ、また、長尺の防水ユニットを設置する際に、運搬に支障を来すことがない防水ユニットの製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、複数の連結用防水ユニットを連結することにより形成されるベランダ又はバルコニー用の防水ユニットで、複数の連結用防水ユニットにおける各連結用防水ユニットが、ベース部(10、60、1010)と、ベース部の上に設けられ、繊維強化プラスチックにより形成されたユニット本体(30、80、1030)とを有し、ベース部が、ベース部本体であって、一対の互いに平行な第1横部材(14a、14b、64a、64b、1014a、1014b)と、一対の第1横部材の一方の端部間と他方の端部間に第1横部材に対して直角に設けられた一対の互いに平行な第2横部材(16a、16h、66a、66h、1016a、1016h)からなる枠状のベース部本体(12、62、1012)と、ベース部本体の上面に設けられた板材であって、一方の第1横部材に沿って設けられた背面側の辺部である第1辺部(20a、70a、1020a)と、一方の第2横部材に沿って設けられた右側面側の辺部である第2辺部(20b、70b、1020b)と、他方の第1横部材に沿って設けられた正面側の辺部である第3辺部(20c、70c、1020c)と、他方の第2横部材に沿って設けられた左側面側の辺部である第4辺部(20d、70d、1020d)を有する四角形状を呈する板材(20、70、1020)とを有し、ユニット本体が、板材の上面に沿って設けられた底面部(31、81、1031)と、底面部の周端から連設された側面部であって、少なくとも、底面部の第1辺部側の辺部から立設した第1側面部(32、82、1032)と、底面部の第3辺部側の辺部から立設した第2側面部(36、86、1036)とを有し、ユニット本体における底面部と第1側面部と第2側面部が、それぞれ、厚み方向における外側に設けられた樹脂層である外側樹脂層(30-1、80-1、1030-1)と、外側樹脂層に積層して設けられた繊維樹脂層群で、2以上の繊維樹脂層を有し、繊維樹脂層がガラス繊維を有する樹脂層からなり、2以上の繊維樹脂層が積層して設けられた繊維樹脂層群(30-G、80-G、1030-G)と、繊維樹脂層群の表面に積層して設けられ、ユニット本体の内側の面に露出して設けられたトップコート層(30-4、80-4、1030-4)と、を有し、複数の連結用防水ユニットにおいて、繊維樹脂層群における繊維樹脂層の数が同一であり、複数の連結用防水ユニットを連結した防水ユニットの状態では、各連結用防水ユニットの側面部により周状の側面部群が形成されるように、ユニット本体が、底面部の第2辺部側の辺部又は第4辺部側の辺部における他の連結用防水ユニットの底面部が連結されない辺部である非連結辺部を有する連結用防水ユニットにおいて、非連結辺部から連設されるとともに、第1側面部と第2側面部から連設された第3側面部(38、84)を有し、互いに連結する2つの連結用防水ユニットにおける一方の連結用防水ユニットである第1連結用防水ユニットにおいて、他方の連結用防水ユニットである第2連結用防水ユニット側となる位置の第2横部材(16a)が、第1連結用防水ユニットの板材である第1板材(20)の第2連結用防水ユニット側となる辺部である第1対向辺部(20b)よりも第2連結用防水ユニット側に突出し、第2連結用防水ユニットにおいて、第2連結用防水ユニットの板材である第2板材(70)の第1連結用防水ユニット側となる辺部である第2対向辺部(70d)が、第1連結用防水ユニット側となる位置の第2横部材(66h)よりも第1連結用防水ユニット側に突出しており、各連結用防水ユニットにおいて、ユニット本体における底面部と第1側面部と第2側面部における連結対象の連結用防水ユニット側となる端部領域が、外側樹脂層と繊維樹脂層群における各繊維樹脂層の各層が、厚み方向の内側に隣接する層よりも連結する他の連結用防水ユニット側に突出して露出するように、階段状に形成されている連結用防水ユニットの複数を連結することにより防水ユニットを製造する防水ユニットの製造方法であって、互いに連結する2つの連結用防水ユニットを第1対向辺部と第2対向辺部を対向させて第2連結用防水ユニットの第2板材が第1連結用防水ユニットの第2横部材に重ねた状態で、第2板材と第2横部材を固定部材(95)により固定して接続することにより、第1連結用防水ユニットの底面部と第2連結用防水ユニットの底面部において、端部領域で露出した外側樹脂層同士が対向し、第1連結用防水ユニットの第1側面部と第2連結用防水ユニットの第1側面部において、端部領域で露出した外側樹脂層同士が対向し、第1連結用防水ユニットの第2側面部と第2連結用防水ユニットの第2側面部において、端部領域で露出した外側樹脂層同士が対向した状態とする接続工程と、接続工程で接続された第1連結用防水ユニットと第2連結用防水ユニットにおいて、第1連結用防水ユニットの底面部と第2連結用防水ユニットの底面部間の境界と、第1連結用防水ユニットの第1側面部と第2連結用防水ユニットの第1側面部の境界と、第1連結用防水ユニットの第2側面部と第2連結用防水ユニットの第2側面部間の境界を跨ぐジョイント材を形成するジョイント材形成工程であって、第1連結用防水ユニットの外側樹脂層と第2連結用防水ユニットの外側樹脂層の境界を跨いで第1連結用防水ユニットの外側樹脂層と第2連結用防水ユニットの外側樹脂層に積層する樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、第1連結用防水ユニットの繊維樹脂層群と第2連結用防水ユニットの繊維樹脂層群における互いに対応する繊維樹脂層間に、ガラス繊維を有する樹脂層である繊維樹脂層を形成する繊維樹脂層群形成工程であって、互いに対応する繊維樹脂層の一方から他方まで繊維樹脂層を層状に形成し、外側樹脂層側から順次繊維樹脂層を積層していく繊維樹脂層群形成工程と、第1連結用防水ユニットのトップコート層と第2連結用防水ユニットのトップコート層間に積層するトップコートを層状に形成するトップコート層形成工程と、を有し、樹脂層形成工程で形成された樹脂層と繊維樹脂層で形成された繊維樹脂層とトップコート層形成工程で形成されたトップコート層とからなるジョイント材を形成するジョイント材形成工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
第1の構成の防水ユニットの製造方法によれば、防水ユニットを複数の連結用防水ユニットを連結することにより製造するので、従来の製造設備を利用することができて製造コストを抑えることができ、また、各連結用防水ユニットを設置場所に運んで配置し、連結すればよいので、防水ユニットの運搬に支障を来すことがない。
【0012】
また、複数の連結用防水ユニットのユニット本体の連結箇所には、ジョイント材が設けられるので、連結箇所の防水を十分行なうことができる。
【0013】
特に、ユニット本体の端部領域が、外側樹脂層と繊維樹脂層群における各繊維樹脂層の各層が、厚み方向の内側に隣接する層よりも突出して露出するように、階段状に形成されていて、各層において、第1連結用防水ユニットのユニット本体における層から第2連結用防水ユニットのユニット本体における層まで、ジョイント材を構成する各層を層状に順次内側に向けて形成するので、ジョイント材の各層が両側の連結用防水ユニットのユニット本体の対応する層と十分接続した状態となるので、ジョイント材と両側の連結用防水ユニットのユニット本体間の防水を十分行なうことができる。
【0014】
なお、上記繊維樹脂層群形成工程を「第1連結用防水ユニットの繊維樹脂層群と第2連結用防水ユニットの繊維樹脂層群における互いに対応する繊維樹脂層間に繊維樹脂層を形成する繊維樹脂層群形成工程であって、互いに対応する繊維樹脂層の一方から他方まで繊維樹脂層を層状に形成し、外側樹脂層側から順次繊維樹脂層を積層していき、形成した繊維樹脂層において厚み方向で最も外側の繊維樹脂層により樹脂層形成工程で形成された樹脂層を被覆する繊維樹脂層群形成工程」としてもよく、また、上記トップコート層形成工程を「第1連結用防水ユニットのトップコート層と第2連結用防水ユニットのトップコート層間に積層するトップコートを層状に形成し、該トップコート層により繊維樹脂層群形成工程で形成された繊維樹脂層で外部に露出した繊維樹脂層を被覆するトップコート層形成工程」としてもよい。
【0015】
また、第2には、上記第1の構成において、接続工程において、複数の連結用防水ユニットを一列に配置した状態で、互いに隣接する連結用防水ユニットを接続し、接続された複数の連結用防水ユニットの側面部が周状に配置されることを特徴とする。
【0016】
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、ジョイント材形成工程が、樹脂層形成工程の前に行われる研磨工程であって、第1連結用防水ユニットの底面部における端部領域と、第2連結用防水ユニットの底面部における端部領域と、第1連結用防水ユニットの第1側面部における端部領域と、第2連結用防水ユニットの第1側面部における端部領域と、第1連結用防水ユニットの第2側面部における端部領域と、第2連結用防水ユニットの第2側面部における端部領域とを研磨して、階段状の面を滑らかにする研磨工程を有することを特徴とする。
【0017】
よって、連結用防水ユニットを接続する際に固定部材で固定する際の樹脂のバリを取り除いたり、繊維樹脂層群における階段状に形成された端部領域における各層の先端の角部を削ることにより、ジョイント材を形成した際に、ジョイント材の表面に凹凸が形成されるのを防止することができる。
【0018】
なお、上記第3の構成を「ジョイント材形成工程が、樹脂層形成工程の前に行われる研磨工程であって、第1連結用防水ユニットの底面部と第2連結用防水ユニットの底面部におけるジョイント材を形成する領域と、第1連結用防水ユニットの第1側面部と第2連結用防水ユニットの第1側面部におけるジョイント材を形成する領域と、第1連結用防水ユニットの第2側面部と第2連結用防水ユニットの第2側面部におけるジョイント材を形成する領域を研磨して、階段状の面を滑らかにする研磨工程を有することを特徴とする。」としてもよい。
【0019】
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、ジョイント材形成工程が、繊維樹脂層群形成工程とトップコート層形成工程の間に行われる第2研磨工程であって、第1連結用防水ユニットの底面部と第2連結用防水ユニットの底面部において外部に露出した繊維樹脂層で繊維樹脂層群形成工程で形成された繊維樹脂層の領域と、第1連結用防水ユニットの第1側面部と第2連結用防水ユニットの第2側面部において外部に露出した繊維樹脂層で繊維樹脂層群形成工程で形成された繊維樹脂層の領域と、第1連結用防水ユニットの第2側面部と第2連結用防水ユニットの第2側面部において外部に露出した繊維樹脂層で繊維樹脂層群形成工程で形成された繊維樹脂層の領域を研磨する第2研磨工程を有することを特徴とする。
【0020】
これにより、トップコート層を形成した際に、トップコート層に凹凸が形成されるのを防止することができる。
【0021】
また、第5には、上記第1から第4までのいずれかの構成において、繊維樹脂層群形成工程において、シート状のガラス繊維を配置した後に、樹脂を塗布することにより各繊維樹脂層を形成することを特徴とする。
【0022】
なお、上記第5の構成において、繊維樹脂層群形成工程において塗布される樹脂は、熱硬化性樹脂であり、樹脂層形成工程において形成される樹脂層は、熱硬化性樹脂を塗布することにより形成されることを特徴とするものとしてもよい。
【0023】
また、第6には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、防水ユニットが2つの連結用防水ユニットにより形成され、防水ユニットを構成する2つの連結用防水ユニットの一方(5)において、底面部(31)の第4辺部側の端部から連設されるとともに第1側面部と第2側面部から連設された第3側面部(38)が形成され、防水ユニットを構成する2つの連結用防水ユニットの他方(55)において、底面部(81)の第2辺部側の端部から連設されるとともに第1側面部と第2側面部から連設された第3側面部(84)が形成されていることを特徴とする。
【0024】
また、第7には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、防水ユニットが3つ以上の連結用防水ユニットが一列に連結されて形成され、該3つ以上の連結用防水ユニットのうち、一方の端位置に設けられる連結用防水ユニット(5)において、底面部の非連結辺部である第4辺部側の辺部から連設されるとともに第1側面部と第2側面部から連設された第3側面部(38)が形成され、該3つ以上の連結用防水ユニットのうち、他方の端位置に設けられる連結用防水ユニット(55)において、底面部の非連結辺部である第2辺部側の辺部から連設されるとともに第1側面部と第2側面部から連設された第3側面部(84)が形成され、一方の端位置と他方の端位置以外に設けられる連結用防水ユニット(1000)においては、第2辺部側の辺部と第4辺部側の辺部からは第3側面部は設けられていないことを特徴とする。
【0025】
また、第8には、接続工程の前の連結用防水ユニット製造工程であって、連結用防水ユニットを組み立てるための組立て台で、ベース部を載せる台部(132)と、台部から上方に立設された第1側面形成具で、左右方向の両側の端部に第1縦材(142c、142d)を有するとともに、第1縦材に台部の上面に対して直角をなす板状の第1側面板部(144a)が設けられた第1側面形成具(140)を有する組立て台(130)の台部の上面にベース部を板材の第1辺部が第1側面板部に接する状態で配置するベース部配置工程と、横方向の両側の端部に第2縦材(222b、222c)を有するとともに、第2縦材に板状の第2側面板部(224a)が設けられた第2側面形成具(220)の第2側面板部が第2辺部に接するとともに、第1側面形成具の一方の第1縦材の第2側面形成具側の面と第2側面板部間に第1挟設部材(234)を配置した状態で第1側面形成具と第2側面形成具が第1挟設部材を介して固定され、横方向の両側の端部に第3縦材(202b、202c)を有するとともに、第3縦材に板状の第3側面板部(204a)が設けられた第3側面形成具(200)の第3側面板部が第3辺部に接するとともに、第2側面形成具の第3側面形成具側の第2縦材の第3側面形成具側の面と第3側面板部間に第2挟設部材(232)を配置した状態で第2側面形成具と第3側面形成具が第2挟設部材を介して固定され、横方向の両側の端部に第4縦材(212b、212c)を有するとともに、第4縦材に板状の第4側面板部(214a)が設けられた第4側面形成具(210)の第4側面板部が第4辺部に接するとともに、第3側面形成具の第4側面形成具側の第3縦材(202c)の第4側面形成具側の面と第4側面板部間に第3挟設部材(230)を配置した状態で第3側面形成具と第4側面形成具が第3挟設部材を介して固定され、該第4側面形成具の第1側面形成具側の第4縦材が第1側面形成具の第1側面板部に接した状態で第4側面板部と第1側面形成具が固定された状態として、第2側面形成具と第3側面形成具と第4側面形成具を配置することにより、第2側面板部と第3側面板部と第4側面板部が、ベース部本体の下面に沿った仮想平面に対して、上側に行くほど外側になるように傾斜した状態にする側面形成具配置工程で、第2側面形成具と第3側面形成具と第4側面形成具を配置した状態で、該一方の第1縦材の第2側面形成具側の面と、第2側面形成具の第3側面形成具側の第2縦材の第3側面形成具側の面と、第3側面形成具の第4側面形成具側の第3縦材の第4側面形成具側の面とが、台部の上面に対して直角をなし、第1挟設部材により第2側面形成具が傾斜した状態となり、第2挟設部材により第3側面形成具が傾斜した状態となり、第3挟設部材により第4側面形成具が傾斜した状態となる側面形成具配置工程と、板材の上面と、第1側面板部の内側の面と、第3側面板部の内側の面に外側樹脂層を形成するとともに、第3側面部を形成する場合には、第2側面板部と第4側面板部における第3側面部に対応する側面板部の内側の面に外側樹脂層を形成し、外側樹脂層に繊維樹脂層群を積層して形成し、繊維樹脂層群にトップコート層を積層して形成することによりユニット本体を形成するユニット本体形成工程と、を有する連結用防水ユニット製造工程を有することを特徴とする。
【0026】
よって、従来の製造設備を利用して、連結用防水ユニットを製造することができ、防水ユニットの製造コストを抑えることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に基づく防水ユニットの製造方法によれば、防水ユニットを複数の連結用防水ユニットを連結することにより製造するので、従来の製造設備を利用することができて製造コストを抑えることができ、また、各連結用防水ユニットを設置場所に運んで配置し、連結すればよいので、防水ユニットの運搬に支障を来すことがない。
【0028】
また、複数の連結用防水ユニットのユニット本体の連結箇所には、ジョイント材が設けられるので、連結箇所の防水を十分行なうことができる。
【0029】
特に、ユニット本体の端部領域が、外側樹脂層と繊維樹脂層群における各繊維樹脂層の各層が、厚み方向の内側に隣接する層よりも突出して露出するように、階段状に形成されていて、各層において、第1連結用防水ユニットのユニット本体における層から第2連結用防水ユニットのユニット本体における層まで、ジョイント材を構成する各層を層状に順次内側に向けて形成するので、ジョイント材の各層が両側の連結用防水ユニットのユニット本体の対応する層と十分接続した状態となるので、ジョイント材と両側の連結用防水ユニットのユニット本体間の防水を十分行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】連結用防水ユニットの斜視図である。
図2】連結用防水ユニットの要部拡大斜視図である。
図3】連結用防水ユニットの要部拡大斜視図である。
図4】連結用防水ユニットのベース本体の斜視図である。
図5】連結用防水ユニットのベース部の斜視図である。
図6】連結用防水ユニットの斜視図である。
図7】連結用防水ユニットの要部拡大斜視図である。
図8】連結用防水ユニットの要部拡大斜視図である。
図9】連結用防水ユニットのベース本体の斜視図である。
図10】連結用防水ユニットのベース部の斜視図である。
図11】組立て台の斜視図である。
図12】連結用防水ユニットの製造に際して、側面形成具の配置方法を示す斜視図である。
図13】連結用防水ユニットの製造に際して、側面形成具の配置状態及び板状部材の配置方法を示す斜視図である。
図14】2つの連結用防水ユニットを対向させた状態を示す要部断面図である。
図15】2つの連結用防水ユニットをビスにより連結する方法を示す斜視図である。
図16】2つの連結用防水ユニットをビスにより連結する方法を示す要部断面図である。
図17】ジョイント材を形成する前の防水ユニットの配置状態を示す断面図である。
図18】ジョイント材の形成方法を示す断面図である。
図19】ジョイント材の形成方法を示す断面図である。
図20】ジョイント材の形成方法を示す断面図である。
図21】ジョイント材を形成した状態の防水ユニットを示す斜視図である。
図22】ジョイント材を形成した後の防水ユニットの配置状態を示す断面図である。
図23図22の要部拡大図である。
図24】連結用防水ユニットが3つの場合の防水ユニットで、ジョイント材を形成した状態の防水ユニットを示す斜視図である。
図25】連結用防水ユニットが3つの場合の防水ユニットにおいて中間に位置する連結用防水ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明においては、建物のベランダ又はバルコニーに用いる防水ユニットの製造方法であって、長尺の防水ユニットの製造に際して、従来の製造設備(つまり、特許文献1に記載の製造設備)を利用することができて、製造コストが高くなることがなく、また、長尺の防水ユニットを設置する際に、運搬に支障を来すことがない防水ユニットの製造方法を提供するという目的を以下のようにして実現した。
【0032】
本発明に基づく防水ユニット1は、図1図10図21に示すように構成され、防水ユニット1は、連結用防水ユニット5と、連結用防水ユニット55と、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55の間の位置に設けられたジョイント材90(図18図21参照)とを有している。
【0033】
ここで、連結用防水ユニット5は、図1図5に示すように構成され、連結用防水ユニット5は、ベース部10と、ベース部10に固定されたユニット本体30とを有している。
【0034】
ベース部10は、図5に示すように構成され、ベース部10は、ベース部本体12(図4参照)と、ベース部本体12の上面に取り付けられた板材20(図5参照)とを有し、ベース部本体12及び板材20は、木材により形成されている。
【0035】
ここで、ベース部本体12は、略ハシゴ状に形成されていて、左右横部材14a、14bと、前後横部材16a~16hをはしご状に組み立てることにより形成されている。左右横部材(第1横部材)14a、14b、前後横部材16a~16hは、いずれも横断面縦長長方形の板状を呈している。つまり、左右横部材14a、14bにおいては、Y1-Y2方向の断面形状が縦長の長方形状を呈し、前後横部材16a~16hにおいては、X1-X2方向の断面形状が縦長の長方形状を呈している。また、左右横部材14a、14b、前後横部材16a~16hは、横方向に直線状に伸びる板状を呈し、左右横部材14a、14b及び前後横部材16b~16hにおける各部材は、ベース部本体12の平面視において、同一幅で直線状に伸びる板状を呈している。なお、前後横部材16a~16hにおいて、前後横部材16aの幅(平面視における幅)は、前後横部材16b~16hよりも長く形成されている。これは、連結用防水ユニット55と連結する際に、連結用防水ユニット55の板材70の下面が前後横部材16aの上面と重なるように、前後横部材16b~16hよりも幅広に形成されている。これにより、前後横部材16aは、板材20の辺部20bよりもX2側(右側面側)に突出している。つまり、前後横部材16aは、板材(第1板材)20の連結用防水ユニット55側となる辺部である辺部(第1対向辺部)20bよりも連結用防水ユニット55側に突出している。以上のように、ベース部本体12の平面視における該各部材の幅は、前後横部材16aを除き、互いに同一(略同一としてもよい)に形成されている。
【0036】
また、左右横部材(第1横部材)14a、14bと前後横部材(第2横部材)16a、16hにより枠状部13が形成される。つまり、左右横部材14a、14bと前後横部材(第2横部材)16a、16hにより四角枠状に形成されている。
【0037】
ベース本体12は、左右横部材14aから左右横部材14b側に向けて下り勾配で、前後横部材16aから前後横部材16h側に向けて下り勾配になるように左右横部材及び前後横部材が構成されていて、具体的には、左右横部材14a、14bにおいては、その上面が、前後横部材16a側から前後横部材16h側にいくほど下方となるように直線状に傾斜し、前後横部材16a~16hにおいては、その上面が、左右横部材14a側から左右横部材14b側にいくほど下方となるように直線状に傾斜している。また、前後横部材16a~16hの左右横部材14a側の端部の上辺の高さは、左右横部材14aにおける前後横部材と対応する位置の上辺の高さと略一致しており、また、前後横部材16a~16hの左右横部材14b側の端部の上辺の高さは、左右横部材14bにおける前後横部材と対応する位置の上辺の高さと略一致している。
【0038】
具体的には、前後横部材16a~16hの左右横部材14a側の端部の上辺の高さは、該上辺の左右横部材14aにおける勾配が低い側の端部が左右横部材14aの上辺の左右方向における該端部に対応する位置の高さと一致する(略一致するとしてもよい)ように形成され、前後横部材16a~16hの左右横部材14b側の端部の上辺の高さは、該上辺の左右横部材14bにおける勾配が低い側の端部が左右横部材14bの上辺の左右方向における該端部に対応する位置の高さと一致する(略一致するとしてもよい)ように形成されている。すなわち、前後横部材16a~16hの上辺が、左右横部材14aの上辺や左右横部材14bの上辺よりも上方に突出しないように形成されている。
【0039】
これにより、前後横部材16a~16hの左右横部材14a側の端部の上下方向の長さは、前後横部材16aから前後横部材16hにいくほど短くなり、前後横部材16a~16hの左右横部材14b側の端部の上下方向の長さは、前後横部材16aから前後横部材16hにいくほど短くなる。ベース本体12の組立てに際しては、左右横部材と前後横部材において、互いに接する箇所を釘打ちにより連結し、例えば、左右横部材14a、14bの側方から釘を打ち付けて前後横部材と連結する。
【0040】
左右横部材14a、14bと前後横部材16a~16hが組み立てられた状態では、前後横部材16a~16hは、左右横部材14aに対して直角をなすとともに、左右横部材14bに対して直角をなし、これにより、ベース部本体12の平面視における外形(外周の形状)は、長方形状をなす。また、左右横部材14a、14bと前後横部材16a~16hにおける両側の側面は、鉛直方向を向いていて、これにより、左右横部材14bの外側の側面14b-1と、前後横部材16hの外側の側面16h-1と、左右横部材14aの外側の側面と、前後横部材16aの外側の側面は、鉛直方向を向いている。
【0041】
なお、ベース部本体12を構成する左右横部材14a、14bの下面と前後横部材16a~16hの下面は、1つの仮想平面に沿って設けられ、左右横部材14a、14bの下面と前後横部材16a~16hの下面は、該仮想平面上にある。
【0042】
また、板材20は長方形状の板状部材であり、具体的には、厚み10~15mm程度の合板により形成されている。すなわち、板材20は、辺部(第1辺部)20aと辺部(第2辺部)20bと辺部(第3辺部)20cと辺部(第4辺部)20dとを有し、辺部20aと辺部20cとは互いに平行で、辺部20bと辺部20dとは互いに平行であり、辺部20a~20dにおいて、互いに隣接する辺部は互いに直角をなしている。なお、辺部20aは、左右横部材14a(左右横部材14aの外側の側面の上辺)と平行で、辺部20bは、前後横部材16a(前後横部材16aの外側の側面の上辺)と平行で、辺部20cは、左右横部材14b(左右横部材14bの外側の側面の上辺)と平行で、辺部20dは、前後横部材16h(前後横部材16hの外側の側面の上辺)と平行であり、板材20が傾斜しているとすると、厳密には、板材20は長方形状とはならないが、板材20の水平面に対する傾斜角度が小さいので長方形であればよい。
【0043】
また、板材20の大きさは、板材20をベース部本体12に固定した状態において、板材20の辺部20b以外の三方がベース部本体12よりも外側に突出する大きさに形成されていて、辺部20aは、左右横部材14aよりも外側(背面側(Y2側))に突出し、辺部20cは、左右横部材14bよりも外側(正面側(Y1側))に突出し、辺部20dは、前後横部材16hよりも外側(左側面側(X1側))に突出しているのに対して、辺部20bは、前後横部材16aの外側の辺部16a-1よりも内側にあり、辺部20bは、前後横部材16aの外側の辺部16a-1と内側の辺部16a-2の間の位置(具体的には、辺部16a-1と辺部16a-2から略等距離の位置)にある。これにより、板材20の辺部20b側の端部領域は、前後横部材16aの上面に接している。
【0044】
なお、前後横部材16aの上面の一部(板材20と重なっていない部分)と左右横部材14a、14bの上面の一部(板材20と重なっていない部分)は、露出しているが、この露出した部分に、連結用防水ユニット55の板材70が重なることになる。
【0045】
具体的には、板材20の辺部20a、20cの長さ20L-1は、辺部20dが前後横部材16hよりも外側に突出するとともに、辺部20bが前後横部材16aの辺部16a-1と辺部16a-2間に位置する長さに形成され、また、板材20の辺部20b、20dの長さ20L-2は、前後横部材16aの上辺に沿った長さ(具体的には、前後横部材16aの外側の側面の上辺に沿った長さ)16L-1よりも長いとともに、前後横部材16hの上辺に沿った長さ(具体的には、前後横部材16hの外側の側面の上辺に沿った長さ)16L-2よりも長く形成されている。板材20の三方の辺部がベース部本体12よりも外側に突出する長さは、10~40mm程度でよい。なお、長さL16L-1と長さ16L-2とは同一である。
【0046】
このように板材20がベース本体12よりも外側に突出しているのは、防水ユニット5の製造に際して、側面形成具100、110を板材20に接した状態で側面形成具100、110の上側が外側になるように傾斜させるので、側面形成具100、110がベース部本体12に接してベース部本体12が邪魔になるのを防止するためである。
【0047】
なお、板材20をベース部本体12に固定させるには、板材20をベース部本体12の上に乗せた状態で板材20の上面からベース部本体12に釘を打ち付けることにより、ベース部10を組み立てた状態とする。
【0048】
また、板材20には、ドレンソケット24を取り付けるための穴部22が設けられている。この穴部22の位置は、板材20の勾配において、下端位置の近傍に設けられる。
【0049】
また、板材20の表面(外側の面)には、繊維強化プラスチックを塗布するためのプライマーを塗布しておいてもよい。
【0050】
また、ユニット本体30は、繊維強化プラスチックにより形成され、ユニット本体30は、図1図3図14に示すように、板材20の上面に沿って形成された底面部31と、底面部31の周端から連設された側面部32、36、38とを有し、底面部31の背面側の辺部から連設された側面部(第1側面部)32と、底面部31の正面部側の辺部から連設された側面部(第2側面部)36と、底面部31の左側面側の辺部から連設されるとともに、側面部32の左側面側の辺部と側面部36の左側面側の辺部から連設された側面部(第3側面部)38とで側面部群39が構成される。なお、側面部36、38は、ベース部本体12の下面に沿った仮想平面に対して、上側に行くほど外側になるように傾斜している。また、底面部31は、板材20の上面の領域の全体に形成されている。
【0051】
なお、ユニット本体30においては、板材20の辺部20bに沿った位置には、側面部は設けられておらず、側面部群39は、板材20の辺部20a~20dにおける三方の辺部みに沿って設けられており、ユニット本体30における左右方向の一方には、切欠部30Kが設けられている。つまり、切欠部30Kは、底面部31の辺部31a(側面部38側とは反対側の辺部)と、側面部32の辺部32a(側面部38側とは反対側の辺部)と、側面部36の辺部36a(側面部38側とは反対側の辺部)により形成されている。
【0052】
また、ユニット本体30を構成する底面部31と側面部32、36、38は、それぞれ層状に形成されていて、底面部31と側面部32、36、38のそれぞれは、樹脂層(外側樹脂層)30-1と、樹脂層30-1に積層して形成された第1層(繊維樹脂層)30-2と、第1層30-2に積層して形成された第2層(繊維樹脂層)30-3と、第2層30-3に積層して設けられたトップコート層30-4とを有している(なお、側面部38における樹脂層と第1層と第2層とトップコート層は図示せず)。第1層30-2と第2層30-3とで、繊維樹脂層群30-Gが構成される。樹脂層30-1は、ユニット本体30の厚み方向において最も外側に設けられている。
【0053】
ここで、樹脂層30-1は、樹脂(合成樹脂)により形成され、具体的には、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂(例えば、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂。他においても同じ)により層状に形成され、第1層30-2と第2層30-3は、ガラス繊維(ガラスマット、ガラスクロスともいう。他においても同じ)と樹脂(合成樹脂)(具体的には、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂(例えば、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂))により形成され、ガラス繊維を敷いた状態で、硬化剤を混入した樹脂を塗布することにより層状に形成される。つまり、第1層30-2と第2層30-3は、ガラス繊維を有する樹脂層といえる。なお、ガラス繊維は、シート状のガラス繊維とする。また、トップコート層30-4は、トップコートにより層状に形成され、具体的には、ポリエステル系の塗料又はアクリルウレタン系の塗料を塗布することにより形成される。
【0054】
また、連結用防水ユニット5が連結用防水ユニット55と連結される前の状態では、図1図3図14に示すように、切欠部30K側(右側面側)の端部領域において、各層が階段状に露出していて、底面部31、側面部32、36の切欠部30K側の端部においては、樹脂層30-1が帯状に露出し、樹脂層30-1よりも側面部38側(切欠部30Kとは反対側)に樹脂層30-1に隣接して第1層30-2が、帯状に露出し、第1層30-2よりも側面部38側に第1層30-2に隣接して第2層30-3が帯状に露出している。第2層30-3よりも側面部38側にはトップコート層30-4が設けられている。つまり、樹脂層30-1が、第1層30-2よりも切欠部30K側(つまり、連結する他の連結用防水ユニット側)に突出して露出し、第1層30-2が第2層30-3よりも切欠部30K側に突出して露出し、第2層30-3がトップコート層30-4よりも切欠部30K側に突出して露出している。
【0055】
すなわち、ユニット本体30における底面部31と側面部32と側面部36における連結対象の連結用防水ユニット55側となる端部領域は、樹脂層30-1と第1層30-2と第2層30-3の各層が、厚み方向の内側に隣接する層よりも連結する他の連結用防水ユニット55側に突出して露出するように、階段状に形成されている。
【0056】
底面部31において、樹脂層30-1の切欠部30K側(右側面側)の端部は、板材20の辺部20bと一致している。つまり、樹脂層30-1の端部と辺部20bは、左右方向において一致している。
【0057】
なお、底面部31において露出した樹脂層30-1、第1層30-2、第2層30-3は、辺部31aと略平行に帯状に形成され、側面部32において露出した樹脂層30-1、第1層30-2、第2層30-3は、辺部32aと略平行(底面部31と側面部32の境界線に対して略直角方向としてもよい)に帯状に形成され、側面部36において露出した樹脂層30-1、第1層30-2、第2層30-3は、辺部36aと略平行(底面部31と側面部36の境界線に対して略直角方向としてもよい)に帯状に形成されている。
【0058】
樹脂層30-1、第1層30-2、第2層30-3の幅(辺部31a、32a、36aに対して直角方向の幅)は、互いに略同一であり、3~10cm程度に形成されている。
【0059】
また、ユニット本体30を構成する各層の厚みは、底面部31と側面部32と側面部36と側面部38とで略同一に形成されていて、例えば、樹脂層30-1は、底面部31と側面部32と側面部36と側面部38とで略同一の厚みに形成され、第1層30-2は、底面部31と側面部32と側面部36と側面部38とで略同一の厚みに形成され、第2層30-3は、底面部31と側面部32と側面部36と側面部38とで略同一の厚みに形成され、トップコート層30-4は、底面部31と側面部32と側面部36と側面部38とで略同一の厚みに形成されている。
【0060】
ここで、連結用防水ユニット55は、図6図10に示すように構成され、連結用防水ユニット55は、ベース部60と、ベース部60に固定されたユニット本体80とを有している。
【0061】
ベース部60は、図6に示すように構成され、ベース部60は、ベース部本体62(図9参照)と、ベース部本体62の上面に取り付けられた板材70(図10参照)とを有し、ベース部本体62及び板材70は、木材により形成されている。
【0062】
ここで、ベース部本体62は、略ハシゴ状に形成されていて、左右横部材64a、64bと、前後横部材66a~66hをはしご状に組み立てることにより形成されている。左右横部材64a、64b、前後横部材66a~66hは、いずれも横断面縦長長方形の板状を呈している。つまり、左右横部材64a、64bにおいては、Y1-Y2方向の断面形状が縦長の長方形状を呈し、前後横部材66a~66hにおいては、X1-X2方向の断面形状が縦長の長方形状を呈している。また、左右横部材64a、64b、前後横部材66a~66hは、横方向に直線状に伸びる板状を呈し、左右横部材64a、64b及び前後横部材66a~66hにおける各部材は、ベース部本体62の平面視において、同一幅で直線状に伸びる板状を呈している。
【0063】
また、左右横部材(第1横部材)64a、64bと前後横部材(第2横部材)66a、66hにより枠状部63が形成される。つまり、左右横部材64a、64bと前後横部材66a、66hにより四角枠状に形成されている。
【0064】
ベース本体62は、左右横部材64aから左右横部材64b側に向けて下り勾配で、前後横部材66aから前後横部材66h側に向けて下り勾配になるように左右横部材及び前後横部材が構成されていて、具体的には、左右横部材64a、64bにおいては、その上面が、前後横部材66a側から前後横部材66h側にいくほど下方となるように直線状に傾斜し、前後横部材66a~66hにおいては、その上面が、左右横部材64a側から左右横部材64b側にいくほど下方となるように直線状に傾斜している。また、前後横部材66a~66hの左右横部材64a側の端部の上辺の高さは、左右横部材64aにおける前後横部材と対応する位置の上辺の高さと略一致しており、また、前後横部材66a~66hの左右横部材64b側の端部の上辺の高さは、左右横部材64bにおける前後横部材と対応する位置の上辺の高さと略一致している。
【0065】
具体的には、前後横部材66a~66hの左右横部材64a側の端部の上辺の高さは、該上辺の左右横部材64aにおける勾配が低い側の端部が左右横部材64aの上辺の左右方向における該端部に対応する位置の高さと一致する(略一致するとしてもよい)ように形成され、前後横部材66a~66hの左右横部材64b側の端部の上辺の高さは、該上辺の左右横部材64bにおける勾配が低い側の端部が左右横部材64bの上辺の左右方向における該端部に対応する位置の高さと一致する(略一致するとしてもよい)ように形成されている。すなわち、前後横部材66a~66hの上辺が、左右横部材64aの上辺や左右横部材64bの上辺よりも上方に突出しないように形成されている。
【0066】
これにより、前後横部材66a~66hの左右横部材64a側の端部の上下方向の長さは、前後横部材66aから前後横部材66hにいくほど短くなり、前後横部材66a~66hの左右横部材64b側の端部の上下方向の長さは、前後横部材66aから前後横部材66hにいくほど短くなる。ベース本体62の組立てに際しては、左右横部材と前後横部材において、互いに接する箇所を釘打ちにより連結し、例えば、左右横部材64a、64bの側方から釘を打ち付けて前後横部材と連結する。
【0067】
なお、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55を連結した際に、ユニット本体30の底面部31とユニット本体80の底面部81とで1つの略平面状の傾斜面を形成するように、左右横部材64a、64bと前後横部材66a~66hの高さが設定されていて、特に、左右横部材64aの前後横部材66h側の端部の高さは、左右横部材14aの前後横部材16a側の端部の高さと略同一(同一としてもよい)になっていて、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55を連結した状態では、左右横部材14aの上面の延長面上に左右横部材64aの上面が設けられているようになっている。同様に、左右横部材64bの前後横部材66h側の端部の高さは、左右横部材14bの前後横部材16a側の端部の高さと略同一(同一としてもよい)になっていて、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55を連結した状態では、左右横部材14bの上面の延長面上に左右横部材64bの上面が設けられているようになっている。
【0068】
左右横部材64a、64bと前後横部材66a~66hが組み立てられた状態では、前後横部材66a~66hは、左右横部材64aに対して直角をなすとともに、左右横部材64bに対して直角をなし、これにより、ベース部本体62の平面視における外形(外周の形状)は、長方形状をなす。また、左右横部材64a、64bと前後横部材66a~66hにおける両側の側面は、鉛直方向を向いていて、これにより、左右横部材64bの外側の側面64b-1と、前後横部材66hの外側の側面66h-1と、左右横部材64aの外側の側面と、前後横部材66aの外側の側面は、鉛直方向を向いている。
【0069】
なお、ベース部本体62を構成する左右横部材64a、64bの下面と前後横部材66a~66hの下面は、1つの仮想平面に沿って設けられ、左右横部材64a、64bの下面と前後横部材66a~66hの下面は、該仮想平面上にある。
【0070】
また、板材70は長方形状の板状部材であり、具体的には、厚み10~15mm程度の合板により形成されている。すなわち、板材70は、辺部(第1辺部)70aと辺部(第2辺部)70bと辺部(第3辺部)70cと辺部(第4辺部)70dとを有し、辺部70aと辺部70cとは互いに平行で、辺部70bと辺部70dとは互いに平行であり、辺部70a~70dにおいて、互いに隣接する辺部は互いに直角をなしている。なお、辺部70aは、左右横部材64a(左右横部材64aの外側の側面の上辺)と平行で、辺部70bは、前後横部材66a(前後横部材66aの外側の側面の上辺)と平行で、辺部70cは、左右横部材64b(左右横部材64bの外側の側面の上辺)と平行で、辺部70dは、前後横部材66h(前後横部材66hの外側の側面の上辺)と平行であり、板材70が傾斜しているとすると、厳密には、板材70は長方形状とはならないが、板材70の水平面に対する傾斜角度が小さいので長方形であればよい。
【0071】
また、板材70の大きさは、板材70をベース部本体72に固定した状態において、板材70がベース部本体62よりも外側に突出する大きさに形成されていて、辺部70aは、左右横部材64aよりも外側(背面側(Y2側))に突出し、辺部70bは、前後横部材66aよりも外側(右側面側(X2側)に突出し、辺部70cは、左右横部材64bよりも外側(正面側(Y1側))に突出し、辺部70dは、前後横部材66hよりも外側(左側面側(X1側))に突出している。つまり、板材(第2板材)70の連結用防水ユニット5側となる辺部(第2対向辺部)70dが、前後横部材66hよりも連結用防水ユニット5側に突出している。
【0072】
具体的には、板材70の辺部70a、70cの長さ70L-1は、左右横部材64aの上辺に沿った長さ(具体的には、左右横部材64aの外側の側面の上辺に沿った長さ)64L-1よりも長いととともに、左右横部材64bの上辺に沿った長さ(具体的には、左右横部材64bの外側の側面の上辺に沿った長さ)64L-2よりも長く形成され、また、板材70の辺部70b、70dの長さ70L-2は、前後横部材66aの上辺に沿った長さ(具体的には、前後横部材66aの外側の側面の上辺に沿った長さ)66L-1よりも長いとともに、前後横部材66hの上辺に沿った長さ(具体的には、前後横部材66hの外側の側面の上辺に沿った長さ)66L-2よりも長く形成されている。板材70のベース部本体72よりも外側に突出する長さは、10~40mm程度でよいが、板材70が前後横部材66hから突出する長さ70dL(図14参照)は、前後横部材16aの露出部分の幅16aL(図14参照)以上の長さに形成されている。つまり、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55とを連結した際に、板材70の辺部70dが板材20の辺部20bとが接するが、前後横部材16aと前後横部材66hとが接して邪魔にならないように、長さ70dLは、幅16aL以上の長さに形成されている。なお、長さL66L-1と長さ66L-2とは同一である。
【0073】
このように板材70がベース本体62よりも外側に突出しているのは、防水ユニット55の製造に際して、側面形成具100、110を板材70に接した状態で側面形成具100、110の上側が外側になるように傾斜させるので、側面形成具100、110がベース部本体62に接してベース部本体12が邪魔になるのを防止するためである。
【0074】
また、板材70の辺部70b、70dの長さ70L-2は、板材20の辺部20b、20dの長さ20L-2と同一となっている。これにより、ユニット本体30とユニット本体80において、側面部32の延長線上に側面部82が設けられ、側面部36の延長線上に側面部86が設けられる。
【0075】
なお、板材70をベース部本体62に固定させるには、板材70をベース部本体62の上に乗せた状態で板材70の上面からベース部本体62に釘を打ち付けることにより、ベース部60を組み立てた状態とする。
【0076】
また、板材70の表面(外側の面)には、繊維強化プラスチックを塗布するためのプライマーを塗布しておいてもよい。
【0077】
また、ユニット本体80は、繊維強化プラスチックにより形成され、ユニット本体80は、図6図8図14に示すように、板材70の上面に沿って形成された底面部81と、底面部81の周端から連設された側面部82、84、86とを有し、底面部81の背面側の辺部から連設された側面部(第1側面部)82と、底面部81の右側面側の辺部から連設されるとともに、側面部82の右側面側の辺部と側面部86の右側面側の辺部から連設された側面部(第3側面部)84と、底面部81の正面側の辺部から連設された側面部(第2側面部)86とで側面部群89が構成される。なお、側面部84、86は、ベース部本体62の下面に沿った仮想平面に対して、上側に行くほど外側になるように傾斜している。また、底面部81は、板材70の上面の領域の全体に形成されている。
【0078】
なお、ユニット本体80においては、板材70の辺部70dに沿った位置には、側面部は設けられておらず、側面部群89は、板材70の辺部70a~70dにおける三方の辺部みに沿って設けられており、ユニット本体80における左右方向の一方には、切欠部80Kが設けられている。つまり、切欠部80Kは、底面部81の辺部81a(側面部84側とは反対側の辺部)と、側面部82の辺部82a(側面部84側とは反対側の辺部)と、側面部86の辺部86a(側面部84側とは反対側の辺部)により形成されている。
【0079】
また、ユニット本体80を構成する底面部81と側面部82、84、86は、それぞれ層状に形成されていて、底面部81と側面部82、84、86のそれぞれは、樹脂層(外側樹脂層)80-1と、樹脂層80-1に積層して形成された第1層(繊維樹脂層)80-2と、第1層80-2に積層して形成された第2層(繊維樹脂層)80-3と、第2層80-3に積層して設けられたトップコート層80-4とを有している(なお、側面部84における樹脂層と第1層と第2層は図示せず)。第1層80-2と第2層80-3とで、繊維樹脂層群80-Gが構成される。樹脂層80-1は、ユニット本体80の厚み方向において最も外側に設けられている。
【0080】
ここで、樹脂層80-1は、樹脂(合成樹脂)により形成され、具体的には、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂により形成され、第1層80-2と第2層80-3は、ガラス繊維と樹脂(合成樹脂)(具体的には、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂)により層状に形成され、ガラス繊維を敷いた状態で、硬化剤を混入した樹脂を塗布することにより層状に形成される。つまり、第1層80-2と第2層80-3は、ガラス繊維を有する樹脂層といえる。また、トップコート層80-4は、トップコートにより層状に形成され、具体的には、ポリエステル系の塗料又はアクリルウレタン系の塗料を塗布することにより形成される。
【0081】
なお、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55において、繊維樹脂層群30-G、80-Gにおける繊維樹脂層の数は同一であり、ともに第1層30-2、80-2と第2層30-3、80-3の2つの繊維樹脂層が設けられている。
【0082】
また、連結用防水ユニット55が連結用防水ユニット5と連結される前の状態では、図6図8図14に示すように、切欠部80K側(左側面側)の端部領域において、各層が階段状に露出していて、底面部81、側面部82、86の切欠部80K側の端部においては、樹脂層80-1が帯状に露出し、樹脂層80-1よりも側面部84側(切欠部80Kとは反対側)に樹脂層80-1に隣接して第1層80-2が帯状に露出し、第1層80-2よりも側面部84側に第1層80-2に隣接して第2層80-3が帯状に露出している。第2層80-3よりも側面部84側にはトップコート層80-4が設けられている。つまり、樹脂層80-1が、第1層80-2よりも切欠部80K側(つまり、連結する他の連結用防水ユニット側)に突出して露出し、第1層80-2が第2層80-3よりも切欠部80K側に突出して露出し、第2層80-3がトップコート層80-4よりも切欠部80K側に突出して露出している。
【0083】
すなわち、ユニット本体80における底面部81と側面部82と側面部86における連結対象の連結用防水ユニット5側となる端部領域は、樹脂層80-1と第1層80-2と第2層80-3の各層が、厚み方向の内側に隣接する層よりも連結する他の連結用防水ユニット5側に突出して露出するように、階段状に形成されている。
【0084】
底面部81において、樹脂層80-1の切欠部80K側(左側面側)の端部は、板材70の辺部70dと一致している。つまり、樹脂層80-1の端部と辺部70dは、左右方向において一致している。
【0085】
なお、底面部81において露出した樹脂層80-1、第1層80-2、第2層80-3は、辺部81aと略平行に帯状に形成され、側面部82において露出した樹脂層80-1、第1層80-2、第2層80-3は、辺部82aと略平行(底面部81と側面部82の境界線に対して略直角方向としてもよい)に帯状に形成され、側面部86において露出した樹脂層80-1、第1層80-2、第2層80-3は、辺部86aと略平行(底面部31と側面部86の境界線に対して略直角方向としてもよい)に帯状に形成されている。
【0086】
樹脂層80-1、第1層80-2、第2層80-3の幅(辺部81a、82a、86aに対して直角方向の幅)は、互いに略同一であり、3~10cm程度に形成されている。
【0087】
また、ユニット本体80を構成する各層の厚みは、底面部81と側面部82と側面部84と側面部86とで略同一に形成されていて、例えば、樹脂層80-1は、底面部81と側面部82と側面部84と側面部86とで略同一の厚みに形成され、第1層80-2は、底面部81と側面部82と側面部84と側面部86とで略同一の厚みに形成され、第2層80-3は、底面部81と側面部82と側面部84と側面部86とで略同一の厚みに形成され、トップコート層80-4は、底面部81と側面部82と側面部84と側面部86とで略同一の厚みに形成されている。
【0088】
連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55において、ユニット本体30、80を構成する各層における対応する層は略同一の厚みに形成されている。つまり、樹脂層30-1と樹脂層80-1は、略同一の厚みであり、第1層30-2と第1層80-2は、略同一の厚みであり、第2層30-3と第2層80-3は、略同一の厚みであり、トップコート30-4とトップコート80-4は、略同一の厚みとなっている。
【0089】
また、ジョイント材90は、樹脂層90-1と、樹脂層90-1に重ねて設けられた第1層(繊維樹脂層)90-2と、第1層90-2に重ねて設けられた第2層(繊維樹脂層)90-3と、第2層90-3に重ねて設けられたトップコート層90-4とを有している。なお、ジョイント材90は、底面部31、81のみならず、側面部32、82と側面部36、86にも形成される。つまり、ジョイント材90は、底面部31と底面部81間の境界と、側面部32と側面部82間の境界と、側面部36と側面部86間の境界を跨ぐように形成されている。
【0090】
樹脂層90-1は、底面部31、81、側面部32、82及び側面部36、86において、樹脂層30-1の樹脂層80-1側の端部領域と樹脂層80-1の樹脂層30-1側の端部領域に積層した1つの層により形成され、これにより、樹脂層30-1と樹脂層80-1間の隙間や板材20と板材70間の隙間を覆うように形成されている。この樹脂層90-1は、樹脂(合成樹脂)、具体的には、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂により形成されている。
【0091】
また、第1層90-2は、底面部31、81、側面部32、82及び側面部36、86において、第1層30-2の第1層80-2側の端部領域と第1層80-2の第1層30-2側の端部領域に積層した1つの層により形成され、これにより、樹脂層90-1の全体を覆うとともに、樹脂層30-1における樹脂層90-1から露出した部分の全体と樹脂層80-1における樹脂層90-1から露出した部分の全体を覆っている。この第1層90-2は、ガラス繊維と樹脂(合成樹脂)(具体的には、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂)により形成され、ガラス繊維90-2aを敷いた状態で、硬化剤を混入した樹脂を塗布することにより形成される。
【0092】
また、第2層90-3は、底面部31、81、側面部32、82及び側面部36、86において、第2層30-3の第2層80-3側の端部領域と第2層80-3の第2層30-3側の端部領域に積層した1つの層により形成され、これにより、第1層90-2の全体を覆うとともに、第1層30-2における第1層90-2から露出した部分の全体と第1層80-2における第1層90-2から露出した部分の全体を覆っている。この第2層90-3は、ガラス繊維と樹脂(合成樹脂)(具体的には、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂)により形成され、ガラス繊維90-3aを敷いた状態で、硬化剤を混入した樹脂を塗布することにより形成される。
【0093】
また、トップコート層90-4は、底面部31、81、側面部32、82及び側面部36、86において、トップコート層30-4のトップコート層80-4側の端部領域とトップコート層80-4のトップコート層30-4側の端部領域に積層した1つの層により形成され、これにより、第2層90-3の全体を覆うとともに、第2層30-3における第2層90-3から露出した部分の全体と第2層80-3における第2層90-3から露出した部分の全体を覆っている。このトップコート層90-4は、ポリエステル系の塗料又はアクリルウレタン系の塗料を塗布することにより形成される。
【0094】
連結用防水ユニット5を製造する方法は、特許文献1の場合と同様に、図11図13に示す組立て台130と、図12図13に示す側面形成具200、210、220を使用する。
【0095】
なお、組立て台130は、ベース部10を載せる台部132と、台部132の上方に立設された側面形成具(第1側面形成具)140を有し、側面形成具140は、左右方向の両側の端部に第1縦材142c、142dを有し、側面形成具140においては、縦材142c、142dに台部132の上面に対して直角をなす板状の第1側面板部144aが設けられている。縦材142c、142dと横材142a、142dとで枠状に形成され、横材142aの上面には、上面板部144bが形成されている。
【0096】
つまり、まず、ベース部10を製造する。ベース部10を製造したら、穴部22にドレンソケット24を取り付けておく。つまり、ドレンソケット24の筒状部24aを穴部22に挿通させておく。ドレンソケット24を穴部22に取り付けた状態では、筒状部24aの上端に設けられた板状部24bが板材20の上面に載置した状態となっている。板状部24bには、筒状部24aの挿通穴と連通した穴部が設けられている。
【0097】
次に、ベース部10を組立て台130に載せ(ベース部配置工程)、側面形成具140以外の三方に側面形成具200、210、220を配置する(側面形成具配置工程)。すなわち、図12に示すように、板材20の辺部20aを側面形成具140の第1側面板部144aに接した状態で、板材20の辺部20c側に側面形成具200を配置するとともに、辺部20d側に側面形成具210を配置し、辺部20b側に側面形成具220を配置する。
【0098】
なお、側面形成具200~220をベース部10の三方に配置する際には、側面形成具200~220を各側面形成具の上側が外側に傾斜した状態で配置し、隣接する側面形成具の間に板状部材(挟設部材)230、232、234を配置して、該板状部材を配置した状態で隣接する側面形成具同士を固定させる(図13参照)。隣接する側面形成具同士を固定する際には、特許文献1の場合と同様に、クランプを使用する。
【0099】
すなわち、側面形成具(第2側面形成具)220は、横方向の両側の端部に第2縦材222b、222cを有するとともに、第2縦材222b、222cに設けられた板状の第2側面板部224aを有していて、側面形成具140の一方の第1縦材142cの側面形成具220側の面と第2側面板部224a間に板状部材(第1挟設部材)234を配置した状態で、側面形成具140と側面形成具220を板状部材234を介して固定し、側面形成具(第3側面形成具)200は、横方向の両側の端部に第3縦材202b、202cを有するとともに、第3縦材202b、202cに板状の第3側面板部204aを有していて、第3側面板部204aが辺部20cに接するとともに、第2側面板部224aの側面形成具200側の第2縦材222cの側面形成具200側の面と第3側面板部204a間に板状部材(第2挟設部材)232を配置した状態で、側面形成具220と側面形成具200を板状部材232を介して固定し、側面形成具(第4側面形成具)210は、横方向の両側の端部に第4縦材212b、212cを有するとともに、第4縦材212b、212cに板状の第4側面板部214aを有していて、第4側面板部214aが辺部20dに接するとともに、側面形成具200の側面形成具210側の第3縦材202cの側面形成具210側の面と第4側面板部214a間に板状部材(第3挟設部材)230を配置した状態で、側面形成具200と側面形成具210を板状部材230を介して固定し、側面形成具210の側面形成具140側の第4縦材212cが側面形成具140の第1側面板部144aに接した状態で第4側面板部214aと側面形成具140が固定された状態として、側面形成具220と側面形成具200と側面形成具210を配置することにより、第2側面板部224aと第3側面板部204aと第4側面板部214aが、ベース部本体12の下面に沿った仮想平面に対して、上側に行くほど外側になるように傾斜した状態にする。
【0100】
なお、側面形成具220と側面形成具200と側面形成具210を配置した状態で、該一方の第1縦材142cの側面形成具220側の面と、側面形成具220の側面形成具200側の第2縦材222cの側面形成具200側の面と、側面形成具200の側面形成具210側の第3縦材202cの側面形成具210側の面とが、台部の上面に対して直角をなし、板状部材(第1挟設部材)234により側面形成具220が傾斜した状態となり、板状部材(第2挟設部材)232により側面形成具200が傾斜した状態となり、板状部材(第3挟設部材)230により側面形成具210が傾斜した状態となる。
【0101】
側面形成具200において、第3縦材202b、202cと第3横材202aと底板部202dとで枠状部202が形成され、側面形成具210において、第4縦材212b、212cと第4横材212aと底板部212dとで枠状部212が形成され、側面形成具220において、第2縦材222b、222cと第2横材222aと底板部222dとで枠状部222が形成される。
【0102】
また、側面形成具140と側面形成具220を板状部材234を介して固定する際には、第2側面板部224aと縦材142c間をクランプで締め付け、側面形成具220と側面形成具200を板状部材232を介して固定する際には、L字金具228と第3横材202a間をクランプで締め付け、側面形成具200と側面形成具210を板状部材230を介して固定する際には、L字金具208と第4横材212aをクランプで締め付ける。
【0103】
側面形成具210の傾斜角度が決定したら、L字金具218と横材142a間をクランプで締め付けて、側面形成具210を側面形成具140に固定する。
【0104】
以上のように、側面形成具140、200、210、220がベース部10の周囲に固定されたら、板材20の上面と、側面板部144aの内側の面と、側面板部204aの内側の面と、側面板部214aの内側の面に繊維強化プラスチックを設けて、ユニット本体30を形成する(ユニット本体形成工程)。なお、側面部38の反対側には側面部は設けられない(つまり、四方のうち三方のみに側面部が設けられる)ので、側面板部224aの内側には、繊維強化プラスチックは設けない。
【0105】
なお、側面板部224aの内側には、繊維強化プラスチックは設けないが、側面形成具210と側面形成具220の間に側面形成具200を固定するとともに、側面形成具200を傾斜させるために第2縦材222cと第3側面板部204a間に板状部材232を配置するので、側面形成具220も設ける必要がある。
【0106】
繊維強化プラスチックの形成に際しては、具体的には、側面板部144a、204a、214aの内側の面に、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂(例えば、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂)を塗布して、樹脂層30-1を形成し、次に、樹脂層30-1に重ねてガラス繊維を設けた後に、ガラス繊維に対して硬化剤が混入された熱硬化性樹脂(例えば、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂)を塗布して、第1層30-2を形成し、次に、第1層30-2に重ねてガラス繊維を設けた後に、ガラス繊維に対して硬化剤が混入された熱硬化性樹脂(例えば、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂)を塗布して、第2層30-3を形成し、さらに、第2層30-3に重ねて、トップコート(上塗り塗料)を塗布して、トップコート層30-4を形成する。トップコートとしては、ポリエステル系の塗料又はアクリルウレタン系の塗料が用いられる。
【0107】
なお、第1層30-2の形成に際しては、樹脂層30-1の切欠部30K側の端部領域が帯状に露出するように形成し、第2層30-3の形成に際しては、第1層30-2の切欠部30K側の端部領域が帯状に露出するように形成し、トップコート層30-4の形成に際しては、第2層30-2の切欠部30K側の端部領域が帯状に露出するように形成する。以上のようにして、底面部31と側面部32、36の切欠部30K側の端部領域において、樹脂層30-1と第1層30-2と第2層30-3が階段状に露出する。
【0108】
次に、連結用防水ユニット55を製造する方法は、連結用防水ユニット5を製造する方法と略同様であり、側面板部214aの内側の面の代わりに側面板部224aの内側の面に繊維強化プラスチックを設ける点以外は、上記の連結用防水ユニット5の製造方法と同様である。
【0109】
すなわち、ベース部60を製造し、ベース部60を組立て台130に載せたら、側面形成具140以外の三方に側面形成具200、210、220を配置する。すなわち、板材70の辺部70aを側面形成具140の第1側面板部144aに接した状態で、板材70の辺部70c側に側面形成具200を配置するとともに、辺部70d側に側面形成具210を配置し、辺部70b側に側面形成具220を配置する。
【0110】
なお、側面形成具200~220をベース部60の三方に配置する際には、側面形成具200~220を各側面形成具の上側が外側に傾斜した状態で配置し、隣接する側面形成具の間に板状部材(挟設部材)230、232、234を配置して、該板状部材を配置した状態で隣接する側面形成具同士を固定させる。隣接する側面形成具同士を固定する際には、特許文献1の場合と同様に、クランプを使用する。
【0111】
すなわち、連結用防水ユニット5の場合と同様に、側面形成具140の一方の第1縦材142cの側面形成具220側の面と第2側面板部224a間に板状部材(第1挟設部材)234を配置した状態で、側面形成具140と側面形成具220を板状部材234を介して固定し、第3側面板部204aが辺部20cに接するとともに、側面形成具224aの側面形成具200側の第2縦材222cの側面形成具200側の面と第3側面板部204a間に板状部材(第2挟設部材)232を配置した状態で、側面形成具220と側面形成具200を板状部材232を介して固定し、第4側面板部214aが辺部20dに接するとともに、側面形成具200の側面形成具210側の第3縦材202cの側面形成具210側の面と第4側面板部214a間に板状部材(第3挟設部材)230を配置した状態で、側面形成具200と側面形成具210を板状部材230を介して固定し、側面形成具210の側面形成具140側の第4縦材212cが側面形成具140の第1側面板部144aに接した状態で第4側面板部214aと側面形成具140が固定された状態として、側面形成具220と側面形成具200と側面形成具210を配置することにより、第2側面板部224aと第3側面板部204aと第4側面板部214aが、ベース部本体62の下面に沿った仮想平面に対して、上側に行くほど外側になるように傾斜した状態にする。
【0112】
以上のように、側面形成具140、200、210、220がベース部60の周囲に固定されたら、板材20の上面と、側面板部144aの内側の面と、側面板部204aの内側の面と、側面板部224aの内側の面に繊維強化プラスチックを設けて、ユニット本体80を形成する。なお、側面部84の反対側には側面部は設けられない(つまり、四方のうち三方のみに側面部が設けられる)ので、側面板部214aの内側には、繊維強化プラスチックは設けない。
【0113】
なお、側面板部214aの内側には、繊維強化プラスチックは設けないが、側面形成具210と側面形成具220の間に側面形成具200を固定するので、側面形成具210も設ける必要がある。
【0114】
繊維強化プラスチックの形成に際しては、具体的には、側面板部144a、204a、224aの内側の面に、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂(例えば、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂)を塗布して、樹脂層80-1を形成し、次に、樹脂層80-1に重ねてガラス繊維を設けた後に、ガラス繊維に対して硬化剤が混入された熱硬化性樹脂(例えば、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂)を塗布して、第1層80-2を形成し、次に、第1層80-2に重ねてガラス繊維を設けた後に、ガラス繊維に対して硬化剤が混入された熱硬化性樹脂(例えば、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂)を塗布して、第2層80-3を形成し、さらに、第2層80-3に重ねて、トップコート(上塗り塗料)を塗布して、トップコート層80-4を形成する。トップコートとしては、ポリエステル系の塗料又はアクリルウレタン系の塗料が用いられる。
【0115】
なお、第1層80-2の形成に際しては、樹脂層80-1の切欠部80K側の端部領域が帯状に露出するように形成し、第2層80-3の形成に際しては、第1層80-2の切欠部80K側の端部領域が帯状に露出するように形成し、トップコート層80-4の形成に際しては、第2層80-2の切欠部80K側の端部領域が帯状に露出するように形成する。以上のようにして、底面部81と側面部82、86の切欠部80K側の端部領域において、樹脂層80-1と第1層80-2と第2層80-3が階段状に露出する。
【0116】
上記構成の連結用防水ユニット(第1連結用防水ユニット)5と連結用防水ユニット(第2連結用防水ユニット)55を連結する方法について説明する。
【0117】
連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55を防水ユニット1の設置場所に運んで配置する。防水ユニット1の設置場所の例としては、木造家屋のベランダ又はバルコニーが挙げられ、ベランダ又はバルコニーの取付け位置には、図17に示すように、水平方向に梁材300と梁材302が設けられ、梁材300には、ベランダ又はバルコニーの底面を構成する複数の野木304が梁材300の方向に間隔を介して連結され、さらに、野木304の梁材300とは反対側の端部には、梁材300と平行な横角材306が連設され、横角材306の上面には、複数の縦角材308が横角材306に連結されている。複数の縦角材308は、横角材306に沿って間隔を介して立設して設けられている。
【0118】
野木304の上面には、板状の合板310が水平に固定され、また、縦角材308の内側(窓352側)には、木下地314と木下地316が固定され、さらに、縦角材308の外側には、ボード312が取り付けられている。縦角材308とボード312は、ベランダ又はバルコニーの手すり壁を構成する。
【0119】
なお、木下地316には、図22に示すように、水切金物330やサイディングボード340が取り付けられ、また、梁材302には、窓枠の下部を構成し、窓352を走行可能とするレールユニット350が設けられるが、防水ユニット1を設置する前の段階では、水切金物330、サイディングボード340、サイディングボード340は設けられていない。なお、ベランダ又はバルコニーにおいて、窓352が設けられる側以外の三方に、縦角材308とボード312からなる手すり壁やサイディングボード340が設けられる。
【0120】
上記の状態において、連結用防水ユニット5、55を設置するが、連結用防水ユニット5の側面部32及び連結用防水ユニット55の側面部82(つまり、側面部において傾斜していない側面部)を梁材300、302側とし、手すり壁側には、側面部38、36、86、84を配置する。側面部38、36、86、84を配置する側には、縦角材308に設けられた木下地314が設けられているが、側面部82の上端と側面部86の上端の間の長さや側面部32の上端と側面部36の上端の間の長さを木下地314と梁材302間の長さ(「前後方向ベランダ・バルコニー内寸法」とする)と一致させ、側面部38の上端と側面部84の上端の間の長さを側面部38が接する木下地と側面部84が接する木下地間の長さ(「左右方向ベランダ・バルコニー内寸法」とする)と一致させることにより、側面部36、38、84、86が傾斜している分、ユニット本体30、80の下側部分においては、左右方向(X1-X2方向)には左右方向ベランダ・バルコニー内寸法よりも短く、前後方向(Y1-Y2方向)には前後方向ベランダ・バルコニー内寸法よりも短くなるので、連結用防水ユニット5、55を設置する設置空間(前後方向には、梁材302と木下地314間に挟まれ、左右方向には、左右両側の木下地314に挟まれた空間)への配置が容易となる。
【0121】
連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55を防水ユニット1の設置場所に配置したら、連結用防水ユニット5の切欠部30K側の端部(右側面側の端部)と連結用防水ユニット55の切欠部80K側の端部(左側面側の端部)が対向して接した状態とする。すなわち、連結用防水ユニット55の板材70の切欠部80K側の端部領域を連結用防水ユニット5の前後横部材16aの上面に重ねて、板材70の下面が前後横部材16aの上面に接するとともに、板材20の辺部20b(切欠部30K側の端部)と板材70の辺部70d(切欠部80K側の端部)とが接するようにする(図15図16参照)。つまり、辺部20bの先端と辺部70dの先端とが互いに対向して接するようにする。すると、底面部31の辺部31aと底面部81の辺部81aが接して、辺部31aの先端(つまり、樹脂層30-1の先端)と辺部81aの先端(つまり、樹脂層80-1の先端)とが互いに対向して接するとともに、側面部32の辺部32aと側面部82の辺部82aが接して、辺部32aの先端(つまり、樹脂層30-1の先端)と辺部82aの先端(樹脂層80-1の先端)とが互いに対向して接し、さらには、側面部36の辺部36aと側面部86の辺部86aが接して、辺部36aの先端(つまり、樹脂層30-1の先端)と辺部86aの先端(つまり、樹脂層80-1の先端)とが互いに対向して接した状態となる。以上のように、連結用防水ユニット5の端部と連結用防水ユニット55の端部が対向して接した状態とする。
【0122】
なお、辺部31aの先端と辺部81aの先端とが互いにわずかな隙間を介して対向するものとしてもよく、辺部32aの先端と辺部82aの先端とが互いにわずかな隙間を介して対向するものとしてもよく、辺部36aの先端と辺部86aの先端とが互いにわずかな隙間を介して対向するものとしてもよい。つまり、底面部31と底面部81の間にジョイント材90を形成し、側面部32と側面部82の間にジョイント材90を形成し、側面部36と側面部86の間にジョイント材90を形成するので、わずかな隙間があってもよい。
【0123】
連結用防水ユニット5の端部と連結用防水ユニット55の端部が対向して接した状態としたら、板材70の前後横部材16aに接した部分(該部分には、樹脂層80-1が露出している)に対して、ビス(固定部材)95を打ち込み(樹脂層80-1の上面からビス95を打ち込む)、板材70と前後横部材16aを接続させ、これにより、ビス95により連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55を接続させる(接続工程)。なお、ビス95の打ち込みに際しては、板材70の辺部70dに沿って間隔を介して複数のビス95を打ち込む。
【0124】
なお、ビス95による接続を行ったら、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55を設置場所の建物の構造物に仮固定するようにしてもよい。例えば、柱等の構造物に隣接する2つの側面部間の角部(例えば、側面部32と側面部38間の角部、側面部36と側面部38間の角部、側面部82と側面部84間の角部、側面部84と側面部86間の角部)が嵌合する凹部を設けて、角部を該凹部に嵌合させることにより、構造物に固定する。
【0125】
ビス95により連結を行ったら、ユニット本体30とユニット本体80の連結を行なう。ユニット本体30とユニット本体80の連結は、ユニット本体30とユニット本体80の間の領域にジョイント材90を設けることにより行なう(ジョイント材形成工程)。ジョイント材90の形成は以下のように行なう。なお、ジョイント材90は、ユニット本体30、80の底面部31、81のみならず、側面部32、82及び側面部36、86にも形成される。側面部32、82においては、ジョイント材90は、側面部32、82の内側の面に設けられ、側面部36、86においては、ジョイント材90は、側面部36、86の内側の面に設けられる。
【0126】
すなわち、ビス95の打ち込みを行なって連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55を接続したら(図18(a)参照)、ジョイント材90を形成する領域をグラインダーで研磨して、ユニット本体30、80を構成する各層の先端の角部を削るとともに、底面部81においては、ビスを打ち込むことにより表面に発生した樹脂のバリ(ササクレとしてもよい)を取り除く(研磨工程)。すなわち、ユニット本体30の端部領域とユニット本体80の端部領域において、各層が階段状に形成されているので、グラインダーで研磨することにより、ユニット本体30を構成する各層の先端(ユニット本体80側の先端)の角部が削られるとともに、ユニット本体80を構成する各層の先端(ユニット本体30側の先端)の角部が削られ、なだらかな略V字状の凹部が形成される(図18(b)参照)。
【0127】
底面部31、81では、バリを取り除いたり、各層の先端の角部を削ることにより、ジョイント材90を構成する各層を形成した際に、ジョイント材90の表面に凹凸が形成されるのを防止することができ、また、側面部32、82及び側面部36、86においては、各層の先端の角部を削ることにより、ジョイント材90を構成する各層を形成した際に、ジョイント材90の表面に凹凸が形成されるのを防止することができる。
【0128】
ジョイント材90を形成する領域は、トップコート層30-4の先端領域からトップコート層80-4の先端領域までの領域である。
【0129】
なお、側面部32、82及び側面部36、86においては、側面部の内側の面をグラインダーで研磨する。
【0130】
次に、樹脂層90-1を形成する(樹脂層形成工程)(図18(c)参照)。すなわち、樹脂層30-1の端部領域と樹脂層80-1の端部領域に積層するように、樹脂(合成樹脂)、具体的には、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂を塗布して、樹脂層30-1と樹脂層80-1の境界位置の領域に層状に樹脂層90-1を形成する。この樹脂層90-1により、樹脂層30-1と樹脂層80-1間の隙間や板材20と板材70間の隙間がカバーされる。
【0131】
次に、第1層90-2の形成領域にガラス繊維90-2aを配置し(図19(d)参照)、ガラス繊維90-2aを配置した状態で、樹脂(合成樹脂)、具体的には、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂を塗布して、第1層(繊維樹脂層)90-2を形成する(図19(e)参照)。第1層90-2の形成領域は、第1層30-2の第1層80-2側の端部領域から第1層80-2の第1層30-2側の端部領域までの領域であり、形成された第1層90-2は、第1層30-2の端部領域と第1層80-2の端部領域に積層するとともに、樹脂層90-1の全体を覆い(つまり、最も外側樹脂層側の繊維樹脂層により樹脂層形成工程で形成された樹脂層を被覆する)、さらに、樹脂層30-1における樹脂層90-1から露出した部分の全体と樹脂層80-1における樹脂層90-1から露出した部分の全体を覆う。
【0132】
次に、第2層90-3の形成領域にガラス繊維90-3aを配置し(図19(f)参照)、ガラス繊維90-3aを配置した状態で、樹脂(合成樹脂)、具体的には、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂を塗布して、第2層(繊維樹脂層)90-3を形成する(図20(g)参照)。第2層90-3の形成領域は、第2層30-3の第2層80-3側の端部領域から第2層80-3の第2層30-3側の端部領域までの領域であり、形成された第2層90-3は、第2層30-3の端部領域と第3層80-3の端部領域に積層するとともに、第1層90-2の全体を覆い、さらに、第1層30-2における第1層90-2から露出した部分の全体と第1層80-2における第1層90-2から露出した部分の全体を覆う。
【0133】
以上のように、第1層90-2と第2層90-3を形成する工程とで繊維樹脂層群形成工程が構成され、この繊維樹脂層群形成工程においては、連結用防水ユニット5の繊維樹脂層群30-Gと連結用防水ユニット55の繊維樹脂層群80-Gにおける互いに対応する繊維樹脂層間に繊維樹脂層を形成し(つまり、第1層30-2と第1層80-2間に第1層90-2を形成し、第2層30-3と第2層80-3間に第2層90-3を形成する)、互いに対応する繊維樹脂層の一方から他方まで繊維樹脂層を層状に形成し、外側樹脂層側から順次積層していく。
【0134】
次に、第2層90-3の形成領域をグラインダーで研磨して、第2層90-3の表面を平滑にする(第2研磨工程)(図20(h))。つまり、底面部31、81において外部に露出した繊維樹脂層で繊維樹脂層形成工程で形成された繊維樹脂層の領域(つまり、底面部31、81に形成された第2層90-3の領域)と、側面部32、82において外部に露出した繊維樹脂層で繊維樹脂層形成工程で形成された繊維樹脂層の領域(つまり、側面部32、82に形成された第2層90-3の領域)と、側面部36、86において外部に露出した繊維樹脂層で繊維樹脂層形成工程で形成された繊維樹脂層の領域(つまり、側面部36、86に形成された第2層90-3の領域)を研磨する。これは、トップコート層90-4を形成した際に、トップコート層90-4に凹凸が形成されるのを防止するためである。
【0135】
次に、トップコート層30-4からトップコート層80-4まで層状にトップコート層90-4を形成する。つまり、トップコート層30-4の端部領域(トップコート層80-4側の端部領域)からトップコート層80-4の端部領域(トップコート層30-4側の端部領域)までの間の領域にトップコートを塗布して、トップコート層90-4を形成する(図20(i)))。形成されたトップコート層90-4は、第2層90-3の全体を覆うとともに、第2層30-3における第2層90-3から露出した部分の全体と第2層80-3における第2層90-3から露出した部分の全体を覆う。
【0136】
以上のようにジョイント材90を形成することにより、ユニット本体30の底面部31とユニット本体80の底面部81が連結され、ユニット本体30の側面部32とユニット本体80の側面部82が連結され、ユニット本体30の側面部36とユニット本体80の側面部86が連結される。ジョイント材90により連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55を連結することにより、防水ユニット1が完成する(図21参照)。防水ユニット1においては、側面部32、82、84、86、36、38により周状の側面部群S1が形成される。
【0137】
なお、防水ユニット1において、ユニット本体30とユニット本体80とユニット本体30とユニット本体80を連結するジョイント材90からなるユニット本体をユニット本体Uとした場合に、ユニット本体Uにおける長手方向の一方の側面部(側面部32、82と側面部32と側面部82を連結するジョイント材90を有する側面部)を側面部S2とし、ユニット本体Uにおける長手方向の他方の側面部(側面部36、86と側面部36と側面部86を連結するジョイント材90を有する側面部)を側面部S6とし、底面部(底面部31、81と底面部31と底面部81を連結するジョイント材90を有する底面部)を底面部Tとする。
【0138】
ユニット本体Uにおいて、底面部T(底面部31、81を有する底面部)では、ジョイント材90により底面部31と底面部81が強固に連結され、底面部31と底面部81間の防水も十分行なうことができる。
【0139】
また、側面部S2において、側面部32と側面部82間にジョイント材90が設けられているのみであるが、側面部32と側面部82の間の位置に、樹脂層90-1と第1層90-2と第2層90-3とトップコート層90-4が積層して設けられるので、側面部32と側面部82がジョイント材90を介して強固に連結され、側面部32と側面部82間の防水も十分行なうことができる。
【0140】
また、側面部S6において、側面部36と側面部86間にジョイント材90が設けられているのみであるが、側面部36と側面部86の間の位置に、樹脂層90-1と第1層90-2と第2層90-3とトップコート層90-4が積層して設けられるので、側面部36と側面部86がジョイント材90を介して強固に連結され、側面部36と側面部86間の防水も十分行なうことができる。
【0141】
以上のように、連結用防水ユニット5のユニット本体30と連結用防水ユニット55のユニット本体80の連結箇所には、ジョイント材90が設けられるので、連結箇所の防水を十分行なうことができる。
【0142】
特に、ユニット本体30、80の端部領域が、ユニット本体を構成する各層が、厚み方向の内側に隣接する層よりも突出して露出するように、階段状に形成されていて、樹脂層、第1層、第2層の各層において、ユニット本体30における層からユニット本体80における層まで、ジョイント材90を構成する各層を層状に順次内側に向けて形成するので、ジョイント材90の各層がユニット本体30、80の対応する層と十分接続した状態となるので、ジョイント材90とユニット本体30、80間の防水を十分行なうことができる。
【0143】
上記のように、ジョイント材90を形成して、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55を連結して防水ユニット1を製造したら、防水ユニット1を建物の構造物に固定する。
【0144】
すなわち、図22図23に示すように、側面部S6、38、84の上端部分をビス(具体的には、平ビス)320aにより木下地314にビス止めして固定させる。その後、木下地314の内側の面の上端領域から側面部S6、38、84の上端から内側の面の上端領域にかけて防水テープ322を貼り付ける。その後、水切金物330をビス(具体的には、平ビス)320bにより木下地316にビス止めして固定して、水切金物330により側面部S6、38、84の上端を覆うようにする。水切金物330を取り付けたら、木下地316の内側にサイディングボード340を取り付ける。サイディングボード340を取り付けるには、サイディングボード340を木下地316に対してビス止めすればよい。
【0145】
なお、側面部S2側の壁面(つまり、窓枠以外の領域)においても、サイディングボードを設ける場合には、木下地(木下地316と同様の木下地)を設け、梁材302に側面部S2をビス止めにより固定し、梁材302と側面部S2の上端領域にかけて防水テープを貼り付け、さらに、該木下地に水切金物330を固定して水切金物330により側面部S2の上端を覆うようにし、さらに、サイディングボードを木下地に取り付ける。また、レールユニット350が設けられた領域では、側面部S2の上端領域(具体的には、側面部S2の内側とレールユニット350の間の位置)から梁材302にかけて防水テープを設ける。この場合、防水テープは、梁材302の上面まで設けるのが好ましい。
【0146】
また、ドレンソケット24については、ドレンソケット24の筒状部24aにドレンホース(図示せず)を接続する。
【0147】
なお、ベランダとバルコニーの違いとしては、屋根がある場合や下側に部屋がある場合がベランダであるのに対して、屋根がない場合や下側に部屋がない場合がバルコニーであり、本実施例の防水ユニット1は、ベランダ用にもバルコニー用にも用いることができる。なお、図22図23は、ベランダとバルコニーの両方の場合を示している。
【0148】
以上のように、防水ユニット1がベランダ又はバルコニーに設置されるが、側面部S6、38、84においては、側面部の上端部分が木下地314に接するのみであるので、建物が歪んで手すり壁が歪んだ場合に、側面部が撓(しな)ることにより側面部自体で建物の歪みを吸収しやすい効果がある。すなわち、木造建物は、木造の性質上、振動等により歪みやすいが、仮に、側面部S6、38、84が水平方向に対して直角をなす場合には、該側面部は、木下地314に沿って木下地314にぴったり接することになり、そうすると、手すり壁が歪んだ場合に、木下地314の歪みがそのまま側面部S6等に伝わり、例えば、木下地が傾いた場合には、木下地と同様に側面部S6等が傾くため、側面部と底面部Tの境界部分に負荷がかかりやすくなり、該境界部分が損傷しやすいという問題があるが、本実施例の防水ユニット1においては、側面部S6、38、84が傾斜しているので、そのような問題を防止することができる。つまり、本実施例の防水ユニット1は、特に、木造建物に適しているといえる。ただし、軽量鉄骨の建物等であっても建物が歪むことはあるので、軽量鉄骨の建物等木造建物以外の建物に用いてもよい。
【0149】
また、長尺の防水ユニット1を連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55とを連結することにより製造するので、従来の製造設備(図11図13に示す設備)を利用することができて防水ユニットの製造コストを抑えることができ、また、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55のそれぞれを設置場所に運んで配置し、連結すればよいので、防水ユニットの運搬に支障を来すことがない。
【0150】
なお、上記の説明においては、ユニット本体30、80を構成する繊維強化プラスチックにおいて、ガラス繊維と樹脂からなる層が第1層30-2、80-2と第2層30-3、80-3の2つの層が積層されて形成されているとしたが、3つ以上の層(繊維樹脂層)が積層して形成されたものとしてもよい。
【0151】
例えば、ガラス繊維と樹脂からなる層を3つとした場合には、第2層とトップコート層の間に第3層を設け、該第3層は、第1層や第2層と同じ構造となる。つまり、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55を連結する前の状態では、各層が階段状に露出しているので、第3層は、平面視において、第2層30-3、80-3とトップコート層30-4、80-4の間に露出している。また、ジョイント材90の状態においては、一方の第3層の他方の第3層側の端部領域と他方の第3層の一方の第3層側の端部領域に積層した1つの層により形成され、これにより、第2層90-3の全体を覆うとともに、第2層30-3における第2層90-3から露出した部分の全体と第1層80-3における第2層90-3から露出した部分の全体を覆っている。
【0152】
繊維樹脂層を3つ以上とする場合には、ユニット本体30とユニット本体80とで、繊維樹脂層の数は同一とする(後述のように、連結用防水ユニットを3つ以上とする場合も同じ)。
【0153】
なお、上記の説明では、防水ユニット1は、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55の2つの連結用防水ユニットを連結したものであるとして説明したが、3つ以上の連結用防水ユニットを連結したものでもよい。その場合でも、端部同士が対向する2つの底面部と、端部同士が対向する2つの側面部間にジョイント材を形成する。なお、2つの側面部間のジョイント材は、正面側と背面側に設けられる。
【0154】
3つの連結用防水ユニットを用いた防水ユニット1’は、図24に示すように構成され、防水ユニット1’は、連結用防水ユニット5と、連結用防水ユニット55と、連結用防水ユニット1000とを有し、連結用防水ユニット5は、防水ユニット1における連結用防水ユニット5と同様の構成であり、連結用防水ユニット55は、防水ユニット1における連結用防水ユニット55と同様の構成となっている。
【0155】
連結用防水ユニット1000は、図25に示すように形成され、連結用防水ユニット1000においては、ベース部1010と、板材1020と、ユニット本体1030が設けられ、ベース部1010は、ベース部10やベース部60と同様の構成であり、ベース部1010は、ベース部本体1012と、板材1020とを有するが、底面部31と底面部1031と底面部81とで1つの傾斜面を形成するように、ベース部本体1012や板材1020が形成されており、特に、ベース部1010の前後横部材の高さ方向の長さや左右方向部材の高さ方向の長さが、板材20と板材1020と板材70とで1つの傾斜面を形成するような長さとなっている。
【0156】
なお、ベース部1010は、左右横部材1014a、1014bと、前後横部材1016a~1016hにより構成されているが、右側面側の端部に位置する前後横部材1016aの幅(平面視における幅)は、他の前後横部材よりも長く形成されていて、前後横部材1016aは、板材1020の右側面側の辺部よりもX2側(右側面側)に突出している。これにより、連結用防水ユニット1000が連結用防水ユニット55と連結する際には、連結用防水ユニット55の板材70が前後横部材1016aと重なる。
【0157】
また、板材1020は、辺部1020aと辺部1020bと辺部1020cと辺部1020dとを有している。
【0158】
また、ユニット本体1030は、板材1020の上面に沿って形成された底面部1031と、底面部1031の背面側の辺部から連設された側面部1032と、底面部1031の正面側の辺部から連設された側面部1036とを有している。
【0159】
ユニット本体1030における左側面側(左右方向の一方)の端部には、切欠部1030Kが設けられている。つまり、切欠部1030Kは、底面部1031の辺部1031a(左側面側の辺部)と、側面部1032の辺部1032a(左側面側の辺部)と、側面部1036の辺部1036a(左側面側の辺部)により形成されている。また、ユニット本体1030における右側面側(左右方向の他方)の端部には、切欠部1031Kが設けられている。つまり、切欠部1031Kは、底面部1031の辺部1031b(右側面側の辺部)と、側面部1032の辺部1032b(右側面側の辺部)と、側面部1036の辺部1036b(右側面側の辺部)により形成されている。
【0160】
また、底面部1031と側面部1032と側面部1036は、ユニット本体30、80と同様に、層状に形成されていて、底面部1031と側面部1032と側面部1036のそれぞれは、樹脂層1030-1と、樹脂層1030-1に積層して形成された第1層1030-2と、第1層1030-2に積層して形成された第2層1030-3と、第2層1030-3に積層して形成されたトップコート層1030-4とを有している。第1層1030-2と第2層1030-3とで、繊維樹脂層群1030-Gが構成される。
【0161】
樹脂層1030-1は、樹脂層30-1、80-1と同様の構成であり、第1層1030-2は、第1層30-2、80-2と同様の構成であり、第2層1030-3は、第2層30-3、80-3と同様の構成であり、トップコート層1030-4は、トップコート層30-4、80-4と同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
【0162】
なお、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット1000と連結用防水ユニット55において、繊維樹脂層群30-G、1030-G、80-Gにおける繊維樹脂層の数は同一であり、ともに第1層30-2、1030-2、80-2と第2層30-3、1030-3、80-3の2つの繊維樹脂層が設けられている。
【0163】
また、連結用防水ユニット1000が連結用防水ユニット5、55と連結される前の状態では、ユニット本体1030の底面部1031と側面部1032、1036の右側面側の端部領域は、連結用防水ユニット5の右側面側の端部領域と同様に構成され、各層が階段状に露出していて、底面部1031と側面部1032、1036の右側面側の端部において、樹脂層1030-1が帯状に露出し、樹脂層1030-1よりも左側面側に樹脂層1030-1に隣接して第1層1030-2が帯状に露出し、第1層1030-2よりも左側面側に第1層1030-2に隣接して第2層1030-3が帯状に露出している。第2層1030-3よりも左側面側にはトップコート層1030-4が設けられている。
【0164】
また、ユニット本体1030の底面部1031と側面部1032、1036の左側面側の端部領域は、連結用防水ユニット55の左側面側の端部領域と同様に構成され、各層が階段状に露出していて、底面部1031と側面部1032、1036の左側面側の端部において、樹脂層1030-1が帯状に露出し、樹脂層1030-1よりも右側面側に樹脂層1030-1に隣接して第1層1030-2が帯状に露出し、第1層1030-2よりも右側面側に第1層1030-2に隣接して第2層1030-3が帯状に露出している。第2層1030-3よりも右側面側にはトップコート層1030-4が設けられている。
【0165】
なお、底面部31と底面部1031と底面部81とで1つの傾斜面を形成する構成であるので、防水ユニット1’における連結用防水ユニット5、55の構成は、防水ユニット1における連結用防水ユニット5、55の構成とは若干異なり、例えば、ベース部10の構成(特に、ベース部10の前後横部材の高さ方向の長さや左右方向部材の高さ方向の長さ)や、ユニット本体30の高さ方向の長さ(特に、側面部32や側面部36や側面部38の高さ方向の長さ)や、ベース部60の構成(特に、ベース部60の前後横部材の高さ方向の長さや左右方向部材の高さ方向の長さ)や、ユニット本体80の高さ方向の長さ(特に、側面部82や側面部84や側面部86の高さ方向の長さ)は、防水ユニット1における連結用防水ユニット5、55の構成とは若干異なるといえる。
【0166】
以上のように、3つの連結用防水ユニットのうち、一方の端位置(左側面側の端位置)に設けられる連結用防水ユニット5において、底面部31の非連結辺部である辺部20d側(第4辺部側)の辺部から連設されるとともに側面部32と側面部36から連設された側面部(第3側面部)38が形成され、他方の端位置(右側面側の端位置)に設けられる連結用防水ユニット55において、底面部81の非連結辺部である辺部70b側(第2辺部側)の辺部から連設されるとともに側面部82と側面部86から連設された側面部(第3側面部)84が形成され、一方の端位置と他方の端位置以外に設けられる連結用防水ユニット1000においては、辺部20b側(第2辺部側)の辺部と辺部20d側(第4辺部側)の辺部からは側面部(第3側面部)は設けられていない。
【0167】
防水ユニット1’において、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット1000が互いに連結する2つの連結用防水ユニットであり、例えば、連結用防水ユニット5が第1連結用防水ユニットで、連結用防水ユニット1000が第2連結用防水ユニットとなる。また、連結用防水ユニット1000と連結用防水ユニット55とが互いに連結する2つの連結用防水ユニットであり、例えば、連結用防水ユニット1000が第1連結用防水ユニットで、連結用防水ユニット55が第2連結用防水ユニットとなる。
【0168】
連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット1000と連結用防水ユニット55を連結する方法は、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55を連結する方法と同様であり、連結用防水ユニット1000の板材1020の切欠部1030K側(左側面側)の端部領域を連結用防水ユニット5の前後横部材16aの上面に重ねて、板材1020の下面が前後横部材16aの上面に接するとともに、板材20の辺部20b(切欠部30K側の端部)と板材1020の辺部1020d(切欠部1030K側の端部)とが接するようにして、連結用防水ユニット5の端部と連結用防水ユニット1000の端部が対向して接した状態とする。
【0169】
その後、板材1020の前後横部材16aに接した部分(該部分には、樹脂層1030-1が露出している)に対して、ビスを打ち込み(樹脂層1030-1の上面からビスを打ち込む)、板材1020と前後横部材16aを接続させ、これにより、ビスにより連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット1000を接続させる。
【0170】
同様に、連結用防水ユニット55の板材70の切欠部80K側(左側面側)の端部領域を連結用防水ユニット1000の前後横部材1016aの上面に重ねて、板材70の下面が前後横部材1016aの上面に接するとともに、板材70の辺部70d(切欠部80K側の端部)と板材1020の辺部1020b(切欠部1031K側の端部)とが接するようにして、連結用防水ユニット55の端部と連結用防水ユニット1000の端部が対向して接した状態とする。
【0171】
その後、板材70の前後横部材1016aに接した部分(該部分には、樹脂層80-1が露出している)に対して、ビスを打ち込み(樹脂層80-1の上面からビスを打ち込む)、板材70と前後横部材1016aを接続させ、これにより、ビスにより連結用防水ユニット55と連結用防水ユニット1000を接続させる。
【0172】
以上のようにビスによる連結を行ったら、ユニット本体30とユニット本体1030の連結を行なうとともに、ユニット本体1030とユニット本体80の連結を行なう。ユニット本体30とユニット本体1030の連結は、ユニット本体30とユニット本体1030の間の領域にジョイント材90を設けることにより行ない、ユニット本体1030とユニット本体80の連結は、ユニット本体1030とユニット本体80の間の領域にジョイント材90を設けることにより行ない、ジョイント材90は、ユニット本体30、1030の底面部31、1031のみならず、側面部32、1032及び側面部36、1036にも形成され、また、ユニット本体1030、80の底面部1031、81のみならず、側面部1032、82及び側面部1036、86にも形成されるが、ジョイント材90を設ける方法は、上記と同様である。
【0173】
すなわち、まず、ジョイント材90を形成する領域をグランダーで研磨して、略V字状の凹部を形成し(図18(b)参照)、その後、樹脂層90-1を形成する(図18(c)参照)。すなわち、樹脂(合成樹脂)、具体的には、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂を塗布して、樹脂層30-1と樹脂層1030-1の境界位置の領域に層状に樹脂層90-1を形成するとともに、樹脂層1030-1と樹脂層80-1の境界位置の領域に層状に樹脂層90-1を形成する。
【0174】
その後、第1層90-2の形成領域にガラス繊維90-2aを配置し(図19(d)参照)、ガラス繊維90-2aを配置した状態で、樹脂(合成樹脂)、具体的には、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂を塗布して、第1層(繊維樹脂層)90-2を形成する(図19(e)参照)。第1層90-2の形成領域は、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット1000間のジョイント材90においては、第1層30-2の第1層1030-2側の端部領域から第1層1030-2の第1層30-2側の端部領域までの領域であり、連結用防水ユニット1000と連結用防水ユニット55間のジョイント材90においては、第1層1030-2の第1層80-2側の端部領域から第1層80-2の第1層1030-2側の端部領域までの領域である。
【0175】
次に、第2層90-3の形成領域にガラス繊維90-3aを配置し(図19(f)参照)、ガラス繊維90-3aを配置した状態で、樹脂(合成樹脂)、具体的には、硬化剤が混入された熱硬化性樹脂を塗布して、第2層(繊維樹脂層)90-3を形成する(図20(g)参照)。第2層90-3の形成領域は、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット1000間のジョイント材90においては、第2層30-3の第2層1030-3側の端部領域から第2層1030-3の第2層30-3側の端部領域までの領域であり、連結用防水ユニット1000と連結用防水ユニット55間のジョイント材90においては、第2層1030-3の第2層80-3側の端部領域から第2層80-3の第2層1030-3側の端部領域までの領域である。
【0176】
次に、第2層90-3の形成領域をグラインダーで研磨して、第2層90-3の表面を平滑にする(図20(h)参照)。
【0177】
次に、トップコート層30-4の端部領域からトップコート層1030-4の端部領域までの間の領域にトップコートを塗布して、トップコート層90-4を形成するとともに、トップコート層1030-4の端部領域からトップコート層80-4の端部領域までの間の領域にトップコートを塗布して、トップコート層90-4を形成する(図20(i))。
【0178】
以上のように、ジョイント材90を形成することにより、ユニット本体30とユニット本体1000においては、底面部31と底面部1031が連結され、側面部32と側面部1032が連結され、側面部36と側面部1036が連結される。また、ユニット本体1000とユニット本体80においては、底面部1031と底面部81が連結され、側面部1032と側面部82が連結され、側面部1036と側面部86が連結される。以上のようにして、防水ユニット1’が完成する。防水ユニット1’においては、側面部32、1032、82、84、86、1036、36、38により周状の側面部群S1が形成される。
【0179】
なお、防水ユニット1’において、ユニット本体30と、ユニット本体1000と、ユニット本体80と、ユニット本体30とユニット本体1000を連結するジョイント材90と、ユニット本体1000とユニット本体80を連結するジョイント材90からなるユニット本体をユニット本体Uとした場合に、長手方向の一方の側面部(側面部32、1032、82と、側面部32と側面部1032を連結するジョイント材90と、側面部1032と側面部82を連結するジョイント材90を有する側面部)を側面部S2とし、ユニット本体Uにおける長手方向の他方の側面部(側面部36、1036、86と、側面部36と側面部1036を連結するジョイント材90と、側面部1036と側面部86を連結するジョイント材90を有する側面部)を側面部S6とし、底面部(底面部31、1031、81と、底面部31と底面部1031を連結するジョイント材90と、底面部1031と底面部81を連結するジョイント材90を有する底面部)を底面部Tとする。
【0180】
ユニット本体Uにおいて、底面部T(底面部31、1031、81を有する底面部)では、ジョイント材90により底面部31と底面部1031が強固に連結されるとともに、底面部1031と底面部81が強固に連結され、底面部31と底面部1031間の防水や底面部1031と底面部81間の防水も十分行なうことができる。
【0181】
また、側面部S2において、側面部32と側面部1032間と側面部1032と側面部82間にジョイント材90が設けられているのみであるが、側面部32と側面部1032間の位置と側面部1032と側面部82間の位置に、樹脂層90-1と第1層90-2と第2層90-3とトップコート層90-4が積層して設けられるので、側面部32及び側面部1032と、側面部1032及び側面部82がジョイント材90を介して強固に連結され、側面部32と側面部1032間の防水や側面部1032と側面部82間の防水も十分行なうことができる。
【0182】
また、側面部S6において、側面部36と側面部1036間と側面部1036と側面部86間にジョイント材90が設けられているのみであるが、側面部36と側面部1036間の位置と側面部1036と側面部86間の位置に、樹脂層90-1と第1層90-2と第2層90-3とトップコート層90-4が積層して設けられるので、側面部36及び側面部1036と、側面部1036及び側面部86がジョイント材90を介して強固に連結され、側面部36と側面部1036間の防水や側面部1036と側面部86間の防水も十分行なうことができる。
【0183】
以上のように、連結用防水ユニット5のユニット本体30と連結用防水ユニット1000のユニット本体1030と連結用防水ユニット55のユニット本体80の連結箇所には、ジョイント材90が設けられるので、連結箇所の防水を十分行なうことができる。
【0184】
上記のように、ジョイント材90を形成して、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット1000と連結用防水ユニット55を連結して防水ユニット1’を製造したら、防水ユニット1’を建物の構造物に固定する。防水ユニット1’の建物の構造物への固定の方法は、防水ユニット1の場合と同様であるので、詳しい説明を省略する。
【0185】
なお、上記の説明では、3つの連結用防水ユニットを連結する場合について説明したが、連結用防水ユニットを4つ以上とする場合には、図25に示すような連結用防水ユニット、すなわち、ユニット本体1030において、左右両側に側面部が設けられていない連結用防水ユニットの数を増やして、連結すればよい。
【0186】
なお、上記の説明においては、防水ユニット1において、連結用防水ユニット55の板材70が前後横部材16aの上面に重なった状態で、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55が連結されるとしたが、板材20が前後横部材66hに重なる構成としてもよい。すなわち、前後横部材16aを幅狭にして、板材20の辺部20bが前後横部材16aよりも右側面側に突出するとともに、連結用防水ユニット55における前後横部材66hを幅広にして、前後横部材66hが板材70の左側面側の辺部70dよりも左側面側に突出した構造として、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット55の連結に際して、板材20が前後横部材66hに重ねる構成としてもよい。
【0187】
同様に、防水ユニット1’において、連結用防水ユニット5の板材20が連結用防水ユニット1000の前後横部材1016hに重なる構成としてもよい。すなわち、前後横部材16aを幅狭にして、板材20の辺部20bが前後横部材16aよりも右側面側に突出するとともに、連結用防水ユニット1000における前後横部材1016hを幅広にして、前後横部材1016hが、板材1020の左側面側の辺部1020dよりも左側面側に突出した構造として、連結用防水ユニット5と連結用防水ユニット1000の連結に際して、板材20が前後横部材1016hに重ねる構成としてもよい。
【0188】
また、防水ユニット1’において、連結用防水ユニット1000の板材1020が連結用防水ユニット55の前後横部材66hに重なる構成としてもよい。すなわち、前後横部材1016aを幅狭にして、板材1020の辺部1020bが前後横部材1016aよりも右側面側に突出するとともに、連結用防水ユニット55における前後横部材66hを幅広にして、前後横部材66hが、板材70の左側面側の辺部70dよりも左側面側に突出した構造として、連結用防水ユニット1000と連結用防水ユニット55の連結に際して、板材1020が前後横部材66hに重ねる構成としてもよい。
【0189】
なお、熱硬化性樹脂とともに用いる繊維として、ガラス繊維を例にしたが、他の繊維でもよく、例えば、炭素繊維であってもよい。
【0190】
また、上記の説明において、「樹脂層」を「プラスチック層」としてもよく、「繊維樹脂層」を「繊維プラスチック層」としてもよく、「繊維樹脂層群」を「繊維プラスチック層群」としてもよい。
【0191】
なお、図面において、Y1-Y2方向は、X1-X2方向に直角な方向であり、Z1-Z2方向は、X1-X2方向及びY1-Y2方向に直角な方向である。
【符号の説明】
【0192】
1 防水ユニット
5 連結用防水ユニット
10 ベース部
12 ベース部本体
14a 左右横部材
14b 左右横部材
16a~16h 前後横部材
20 板材
20a 辺部
20b 辺部
20c 辺部
20d 辺部
22 穴部
24 ドレンソケット
30 ユニット本体
30-1 樹脂層
30-2 第1層
30-3 第2層
30-4 トップコート層
30-G 繊維樹脂層群
30K 切欠部
31 底面部
31a 辺部
32 側面部
32a 辺部
36 側面部
36a 辺部
38 側面部
39 側面部群
55 連結用防水ユニット
60 ベース部
62 ベース部本体
64a 左右横部材
64b 左右横部材
66a~66h 前後横部材
70 板材
70a 辺部
70b 辺部
70c 辺部
70d 辺部
80 ユニット本体
80-1 樹脂層
80-2 第1層
80-3 第2層
80-4 トップコート層
80-G 繊維樹脂層群
80K 切欠部
81 底面部
81a 辺部
82 側面部
82a 辺部
84 側面部
86 側面部
86a 辺部
89 側面部群
90 ジョイント材
90-1 樹脂層
90-2 第1層
90-2a ガラス繊維
90-3 第2層
90-3a ガラス繊維
90-4 トップコート層
130 組立て台
140 側面形成具
142c 第1縦材
142d 第1縦材
144a 第1側面板部
200 側面形成具
202b 第3縦材
202c 第3縦材
204a 第3側面板部
210 側面形成具
212b 第4縦材
212c 第4縦材
214a 第4側面板部
220 側面形成具
222b 第2縦材
222c 第2縦材
224a 第2側面板部
230 板状部材
232 板状部材
234 板状部材
1000 連結用防水ユニット
1010 ベース部
1012 ベース部本体
1014a 左右横部材
1014b 左右横部材
1016a 前後横部材
1016h 前後横部材
1020 板材
1030 ユニット本体
1030-1 樹脂層
1030-2 第1層
1030-3 第2層
1030-4 トップコート層
1030-G 繊維樹脂層群
1031 底面部
1031a 辺部
1031b 辺部
1032 側面部
1032a 辺部
1032b 辺部
1036 側面部
1036a 辺部
1036b 辺部
図1
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