(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】クリップボード
(51)【国際特許分類】
B42F 9/00 20060101AFI20230809BHJP
【FI】
B42F9/00 B
(21)【出願番号】P 2021183527
(22)【出願日】2021-11-10
【審査請求日】2022-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000115821
【氏名又は名称】株式会社リヒトラブ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 莞二
(72)【発明者】
【氏名】有本 佳照
(72)【発明者】
【氏名】丸川 法文
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-085320(JP,U)
【文献】特開平06-247090(JP,A)
【文献】実開昭54-044222(JP,U)
【文献】特開2015-058615(JP,A)
【文献】登録実用新案第3140325(JP,U)
【文献】米国特許第04442780(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 1/00-23/00
B43L 1/00-12/02
15/00-27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視四角形状をな
す箱形のケースと、
第一縁部及び前記第一縁部に平行な第二縁部を有する平面視四角形状をなし、前記ケースに収納される芯材と
を備え
、
前記ケースは、
互いに対向し、平面視四角形状をなす第一面部及び第二面部と、
前記第一面部及び前記第二面部の三辺を接続する三つの側面部と
を有し、
前記第一面部及び前記第二面部の四辺のうち、前記三辺を除いた残りの一辺の間に前記芯材を挿入するための開口が形成され、
前記開口を塞ぐ蓋を備え、
前記第一面部又は前記第二面部に用箋を挟む挟持具が設けられる
クリップボード。
【請求項2】
前記第二縁部は前記第一縁部よりも短く、
前記芯材は前記第二縁部が前記
開口に対向する前記側面部側に位置するように前記ケースに収納される
請求項1に記載のクリップボード。
【請求項3】
前記ケースにおける前記
開口に対向する前記側面部が形成された縁部は、前記開口が形成された縁部よりも短い
請求項1又は2に記載のクリップボード。
【請求項4】
前記芯材は前記第一縁部及び前記第二縁部に交差する第三縁部を有し、
前記第三縁部に凹部又は凸部が形成される
請求項1から3のいずれか一つに記載のクリップボード。
【請求項5】
前記第三縁部における前記第二縁部側の部分に前記凹部又は前記凸部は形成される
請求項4に記載のクリップボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、用紙を挟んで保持するクリップボードに関する。
【背景技術】
【0002】
厚板紙一枚だけで形成されたクリップボードが提案されている。厚板紙一枚だけで構成することによって、プラスチック部材又は金属部材を使用する場合に比べて、軽量化を図ることができる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、厚紙一枚だけでは、強度が不足するおそれがある。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、軽量化を図り、強度を確保できるクリップボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係るクリップボードは、平面視四角形状をなし、縁部に形成された開口と、前記開口に対向する底部とを有するケースと、第一縁部及び前記第一縁部に平行な第二縁部を有する平面視四角形状をなし、前記ケースに収納される芯材とを備える。
【0007】
本開示においては、ケース及び芯材の二つの部材を使用することによって、強度を確保しやすくなる。
【0008】
本開示の一実施形態に係るクリップボードは、前記第二縁部は前記第一縁部よりも短く、前記芯材は前記第二縁部が前記底部側に位置するように前記ケースに収納される。
【0009】
本開示においては、芯材の第二縁部の長さを第一縁部よりも短くし、開口を通して、芯材を第二縁部からケース内に挿入させることができる。第二縁部の両端とケースとの間の隙間は、第一縁部の両端とケースとの間の隙間よりも大きく、ケースへの芯材の挿入が容易となる。また芯材は、挿入開始時には円滑に挿入され、挿入完了時には抜けにくくなる。
【0010】
本開示の一実施形態に係るクリップボードは、前記ケースにおける前記底部が形成された縁部は、前記開口が形成された縁部よりも短い。
【0011】
本開示においては、ケースにおける底部が形成された縁部は、前記開口が形成された縁部よりも短いので、芯材は、挿入開始時には円滑に挿入され、挿入完了時には抜けにくくなる。
【0012】
本開示の一実施形態に係るクリップボードは、前記芯材は前記第一縁部及び前記第二縁部に交差する第三縁部を有し、前記第三縁部に凹部又は凸部が形成される。
【0013】
本開示においては、凹部を形成した場合、芯材とケースとの間に隙間を確保し、円滑な挿入を実現することができ、凸部を形成した場合、芯材とケースとが接触しやすくなり、芯材がケースから抜けにくくなる。
【0014】
本開示の一実施形態に係るクリップボードは、前記第三縁部における前記第二縁部側の部分に前記凹部又は前記凸部は形成される。
【0015】
本開示においては、少なくとも第三縁部における中央よりも第二縁部側の部分に凹部を形成し、円滑な芯材の挿入を実現する。
【発明の効果】
【0016】
本開示の一実施形態に係るクリップボードにあっては、ケース及び芯材の二つの部材を使用することによって、強度を確保しやすくなり、芯材が軽量な材料で構成されている場合であっても、強度不足を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図4】
図1に示すIV-IV線を切断線とした略示断面図である。
【
図6】芯材をケースに挿入している状態を示す斜視図である。
【
図8】クリップボードの右後角部の略示拡大図である。
【
図9】クリップボードの右前角部の略示拡大図である。
【
図10】実施の形態2に係るクリップボードの略示平面図である。
【
図11】実施の形態3に係る芯材の略示平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
以下本発明を実施の形態1に係るクリップボード30を示す図面に基づいて説明する。
図1は、ケース1の略示平面図、
図2は、ケース1の略示底面図、
図3は、ケース1の略示右側面図、
図4は、
図1に示すIV-IV線を切断線とした略示断面図である。
図1~
図4は、ケース1の蓋7が開いた状態を示す。以下の説明では図に示す上下前後左右を使用する。
【0019】
クリップボード30は、ケース1、芯材20(後述の
図5参照)及び挟持具25(後述の
図7参照)を備える。
図1~
図4に示すように、ケース1は全体的に上下の厚みが小さい偏平な形状をなし、上面部2、下面部3、右側面部4、左側面部5、前面部6、及び蓋7を備える。上面部2及び下面部3は、それぞれ前後方向に延びた平面視四角形状をなし、対向している。上面部2及び下面部3の前後寸法は同じであり、左右寸法も同じである。上面部2及び下面部3の前縁部は前面部6によって連結される。前面部6は幅の狭い帯状をなし、上下方向を幅方向として左右方向に延びる。前面部6は底部に対応する。
【0020】
上面部2及び下面部3の左縁部は左側面部5によって連結される。左側面部5は幅の狭い帯状をなし、上下方向を幅方向として前後方向に延びる。上面部2及び下面部3の右縁部は右側面部4によって連結される。右側面部4は幅の狭い帯状をなし、上下方向を幅方向として前後方向に延びる。
【0021】
前面部6の左右寸法は、上面部2及び下面部3の左右寸法よりも短く、前面部6の左端と、左側面部5の前端とは連結していない。そのため、ケース1の前左角部に隙間12が設けられる。また前面部6の右端と、右側面部4の前端とは連結していない。そのため、ケース1の前右角部に隙間12が設けられる。
図1に示すように、前面部6の左端から左方向に、隙間12を隠すための目隠し片11が延び、前面部6の右端から右方向に、隙間12を隠すための目隠し片11が延びる。
【0022】
左側面部5及び右側面部4それぞれの前後寸法は、上面部2及び下面部3の前後寸法よりも短い。左側面部5及び右側面部4それぞれの後端は、上面部2及び下面部3それぞれの後端よりも前側に位置する。そのため、
図3に示すように、左側面部5及び右側面部4それぞれの後端よりも後側に隙間10が形成される。
図4に示すように、上面部2及び下面部3の前端部の間に開口8が形成される。前後方向にて開口8は前面部6に対向する。
【0023】
図1に示すように、上面部2の後端部に、上下に貫通した二つの小孔2aが形成される。二つの小孔2aは上面部2の左右方向中央部分に形成され、左右に所定間隔を空けて並んでいる。
図2に示すように、下面部3の後端部に、上下に貫通した二つの小孔3aと、上下に貫通した二つのスリット3bとが形成される。二つの小孔3aは下面部3の左右方向中央部分に形成され、左右に所定間隔を空けて並んでいる。左右方向における下面部3の二つの小孔3aの離隔距離は、上面部2の二つの小孔2aの離隔距離に略等しい。上面部2の小孔2aの左右前後位置と、下面部3の小孔3aの左右前後位置は略同じである。
【0024】
二つのスリット3bは左右に離れて設けられている。右側のスリット3bは、右側の小孔3aよりも右側に配置され、平面視にて右斜め後方向及び左斜め前方向に延びる。右側のスリット3bは、平行四辺形状をなす。右側のスリット3bは、斜めに延びる前辺及び後辺と、前後に延びる左辺及び右辺とを備え、前記前辺及び後辺は左辺及び右辺よりも長い。左側のスリット3bは、左側の小孔3aよりも左側に配置され、平面視にて左斜め後方向及び右斜め前方向に延びる。左側のスリット3bは、平行四辺形状をなす。左側のスリット3bは、斜めに延びる前辺及び後辺と、前後に延びる左辺及び右辺とを備え、前記前辺及び後辺は左辺及び右辺よりも長い。
【0025】
図1~
図4に示すように、蓋7は上面部2の後縁部から後方に突出する。蓋7は、下面部3に固定される固定部7bと、後面部7aとを備える。
図1に示すように、固定部7bは、下底が上底よりも長い平面視等脚台形状をなし、下底を前側に、上底を後側にして配置される。後面部7aは帯状をなし、前後方向を幅方向として左右に延びる。後面部7aの左右寸法は、上面部2及び下面部3の左右寸法よりも短い。固定部7bの下底は後面部7aを介して上面部2の後縁部に連結される。固定部7bと後面部7aとの境界に、左右に延びる折り目7eが設けられ、後面部7aと上面部2との境界に、左右に延びる折り目7dが設けられる。
図1に示すように、後面部7aの左端から左方向に、隙間10を隠すための目隠し片9が延び、後面部7aの右端から右方向に、隙間10を隠すための目隠し片9が延びる。
【0026】
固定部7bには、上下に貫通した二つの小孔7cが形成されている。二つの小孔7cは、固定部7bの上底と、固定部7bの二つの脚との連結部分の前側にそれぞれ配置されている。二つの小孔7cは左右に離れており、その離隔距離は、下面部3の小孔3aの離隔距離と略等しい。固定部7bにおける二つの小孔7cの左右位置は、下面部3における二つの小孔3aの左右位置と略同じである。固定部7bを下面部3に固定させた場合、固定部7bの小孔7cの前後左右位置と、下面部3の小孔3aの前後左右位置とは略同じである。
【0027】
固定部7bの左側の脚の中央部から後方に舌片7fが突出する。固定部7bの右側の脚の中央部から後方に舌片7fが突出する。二つの舌片7fの左右位置は、二つのスリット3bの左右位置と略同じである。右側の舌片7fは右側のスリット3bに挿入され、左側の舌片7fは左側のスリット3bに挿入される。
【0028】
図5は、芯材20の略示平面図である。
図5に示すように、芯材20は、例えばプラスチック製の段ボールシートによって構成され、即ち軽量の板部材によって構成され、平面視四角形状をなす。なお紙製の段ボールシートその他の軽量な部材によって、芯材20を構成してもよい。
【0029】
芯材20の前縁部の左右寸法D2は後縁部の左右寸法D1よりも若干短い。左右寸法D1はケース1の内側空間の左右寸法と略同じである。左右寸法D2はケース1の内側空間の左右寸法よりも短い。芯材20の左縁部及び右縁部はそれぞれ、芯材20の後縁部及び前縁部に対して若干傾斜する。芯材20の左縁部及び右縁部の間の左右寸法は、前側に向かうに従って短くなる。なお芯材20の後縁部は第一縁部に対応し、前縁部は第二縁部に対応し、左縁部及び右縁部は第三縁部に対応する。
【0030】
芯材20の左縁部に、少なくとも一つの凹部20c(本実施例においては四つ)が形成されている。四つの凹部20cは、芯材20における左縁部の前後方向中央よりも前側部分において、前後方向に等しい間隔を空けて並んでいる。各凹部20cは右側に向けて窪む。凹部20cは平面視にて略台形状をなす。
【0031】
芯材20の右縁部に、少なくとも一つの凹部20b(本実施例においては四つ)が形成されている。四つの凹部20bは、芯材20における右縁部の前後方向中央よりも前側部分において、前後方向に等しい間隔を空けて並んでいる。各凹部20bは左側に向けて窪む。凹部20bは平面視にて略台形状をなす。
【0032】
凹部20b、20cの数は四つに限定されず、三つ以下でもよいし、五つ以上でもよい。本実施例においては、比較的小さな凹部20b、20cが芯材20の右縁部及び左縁部それぞれに、複数形成されているが、芯材20の右縁部又は左縁部に、凹部20b、20cよりも大きい凹部を一つ形成してもよい。また凹部20b、20cを、芯材20の左縁部又は右縁部の前後方向中央よりも前側部分に形成してもよく、芯材20の左縁部又は右縁部の全体に形成してもよい。
【0033】
芯材20の後端部に、上下に貫通した二つの小孔20aが形成される。二つの小孔20aは、芯材20の左右方向中央部に係止され、左右に所定間隔を空けて並んでいる。芯材20の小孔20aの位置は、上面部2の小孔2aの位置に対応する。
【0034】
図6は、芯材20をケース1に挿入している状態を示す斜視図である。
図6に示すように、芯材20は開口8を通して、芯材20の前縁部側からケース1内に挿入される。前述したように、前縁部の左右寸法D2はケース1の内側空間の左右寸法よりも短く、芯材20の左縁部及び右縁部の間の左右寸法は、前側に向かうに従って短くなる。挿入開始時において、挿入された芯材20の左縁部と、ケース1の内側における左側面部5との間には遊び、即ち隙間があり、また芯材20の右縁部と、ケース1の内側における右側面部4との間には遊び、即ち隙間があり、また芯材20の左縁部及び右縁部に凹部20c、20bが形成されているので、芯材20をケース1に挿入する際に、摩擦が生じにくく、芯材20はケース1の左右側面部4、5に引っかかりにくい。
【0035】
また芯材20の後端部がケース1の後端部に挿入されると、即ち挿入完了時において、芯材20の後端部の左右部分はケース1の左右側面部4、5に接触し、摩擦によって、芯材20はケース1から抜けにくくなり、即ち、芯材20の挿入完了時には、芯材20はケース1から抜けにくくなる。更に芯材20の後端部の左右部分はケース1の左右側面部4、5を外向きに押すので、ケース1の上面部2及び下面部3は左右に引っ張られ、平坦になりやすく、用箋を平坦に保持しやすくなる。
【0036】
芯材20全体をケース1に収めた後、後面部7aが前面部6に対向し、固定部7bが下面部3に重なるように、折り目7d、7eを境界にして蓋7を折り曲げ、舌片7fをスリット3bに挿入する。このとき、各小孔2a、3a、7c、20aは上下方向に同軸的に並ぶ。
【0037】
図7は、クリップボード30の略示平面図である。
図7に示すように、用箋を挟む挟持具25がケース1及び芯材20の後端部に取り付けられる。挟持具25は二つのリベット26によって取り付けられる。二つのリベット26は、右側の各小孔2a、3a、7c、20a及び左側の各小孔2a、3a、7c、20aに取り付けられる。
【0038】
図8は、クリップボード30の右後角部の略示拡大図である。
図8に示すように、目隠し片9は隙間10を覆うように配置され、目隠し片9の先端部は、右側面部4の左側に位置するように、隙間10に挿入される。クリップボード30の左後角部においても、同様に目隠し片9は隙間10を覆う。
【0039】
図9は、クリップボード30の右前角部の略示拡大図である。
図9に示すように、目隠し片11は隙間12を覆うように配置され、目隠し片11の先端部は、右側面部4の左側に位置するように、隙間12に挿入される。クリップボード30の左前角部においても、同様に目隠し片11は隙間12を覆う。目隠し片9、11によって、隙間10、12から芯材20が視認されることを防止できる。
【0040】
なお、ケース1は一枚のシート状に展開された状態(不図示)から、折り曲げることによって
図1~
図4に示す状態になるが、隙間10、12を設けることによって、ケース1の角が折曲げによって伸長又は圧縮されて、角に皺又は破損等が発生することを防止できる。即ち、隙間10、12及び目隠し片9、11を設けることによって、ケース1の角にて皺又は破損等が発生することを防止し、且つ芯材20の視認を防止し、クリップボード30の品質を向上させることができる。
【0041】
実施の形態1においては、芯材20の前縁部の左右寸法D2は後縁部の左右寸法D1よりも若干短いが、D1とD2の長さを同じにしてもよい。またD1とD2の長さを同じにした状態で凹部20b、20cを芯材20に形成してもよい。また芯材20の左右縁部に凹部20b、20cを形成しているが、芯材20の左右縁部に凹部を形成しなくてもよい。
【0042】
実施の形態に係るクリップボード30にあっては、ケース1及び芯材20の二つの部材を使用することによって、強度を確保しやすくなり、芯材20が軽量な材料で構成されている場合であっても、強度不足を防止することができる。
【0043】
また前縁部の長さを後縁部よりも短くし、開口8を通して、芯材20を前縁部からケース1内に挿入させることができる。前縁部の両端とケース1との間の隙間は、後縁部の両端とケース1との間の隙間よりも大きく、ケース1への芯材20の挿入が容易となる。そのため、芯材20をケース1に円滑に挿入させることができる。
【0044】
また左右縁部に凹部20bを形成し、芯材20の挿入時にケース1と、芯材20の左右縁部との間の隙間を大きくする。そのため、芯材20のケース1への挿入が一層容易になる。
【0045】
また前後方向において、少なくとも芯材20の左右縁部の中央よりも前縁部側の部分に凹部20b、20cを形成して、円滑な芯材20の挿入を実現することができる。
【0046】
また凹部20b、20cを複数形成し、例えば小さな凹部20b、20cを複数形成することによって、芯材20の挿入時にケース1と左右縁部との間の隙間を大きくし、芯材20が軽量な素材によって構成される場合でも、芯材20の強度の維持を図ることができる。
【0047】
(実施の形態2)
以下本発明を実施の形態2に係るクリップボード31を示す図面に基づいて説明する。実施の形態2の構成の内、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図10は、クリップボード31の略示平面図である。
【0048】
クリップボード31はケース1Aと、芯材21とを備える。ケース1Aは、全体的に上下の厚みが小さい偏平な形状をなし、上面部、下面部、右側面部、左側面部、前面部、及び蓋を備える。上面部及び下面部は、それぞれ前後方向に延びた平面視四角形状をなし、対向している。上面部及び下面部の前後寸法は同じである。上面部及び下面部の前縁部の左右寸法C2は、上面部及び下面部の後縁部の左右寸法C1よりも若干短い。ケース1Aの右側面部、左側面部、前面部、及び蓋は、実施の形態1に係る右側面部4、左側面部5、前面部6、及び蓋7と同様な構成である。
【0049】
芯材21は、軽量の板部材によって構成され、平面視四角形状をなす。芯材21の前縁部及び後縁部の左右寸法は略同じである。芯材21の左右寸法は左右寸法C2と略同じである。そのため、芯材21の挿入開始時において、芯材21の左右縁部とケース1Aの左右側面部との間に遊び、即ち隙間があり、芯材21をケース1Aに挿入する際に、摩擦が生じにくく、芯材21はケース1Aの左右側面部に引っかかりにくい。
【0050】
また芯材21の前端部がケース1Aの前端部(底部)まで挿入されると、即ち挿入完了時において、芯材21の前端部の左右部分はケース1Aの左右側面部に接触し、摩擦によって、芯材21はケース1Aから抜けにくくなる。即ち、芯材21の挿入が完了すると、芯材21はケース1Aから抜けにくくなる。更に芯材21の前端部の左右部分はケース1Aの左右側面部を外向きに押すので、ケース1Aの上面部及び下面部は左右に引っ張られ、平坦になりやすく、用箋を平坦に保持しやすくなる。
【0051】
なお、芯材21の前縁部の左右寸法を左右寸法C2と略同じにし、芯材21の後縁部の左右寸法を左右寸法C1と略同じにしてもよい。この場合、挿入完了時に芯材21の左右縁部全体がケース1Aの左右側面全体に接触し、より芯材21は抜けにくくなり、ケース1Aの上面部及び下面部は、より強い力で左右に引っ張られ、平坦になりやすい。
【0052】
芯材21の右縁部に、少なくとも一つの凹部21b(本実施例においては四つ)が形成されている。芯材21の左縁部に、少なくとも一つの凹部21c(本実施例においては四つ)が形成されている。凹部21b、21cは任意の位置に形成させることができ、例えば、芯材21の左右縁部の前部分、後部分又は全体に形成させることができる。凹部21b、21cによって、芯材21のケース1Aの挿入時に、芯材21とケース1Aとの間に遊び、即ち隙間ができ、芯材21を円滑に挿入させることができる。なお、芯材21に凹部21b、21cを形成しなくてもよい。
【0053】
(実施の形態3)
以下本発明を実施の形態3に係るクリップボードを示す図面に基づいて説明する。実施の形態3の構成の内、実施の形態1又は2と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図11は、芯材22の略示平面図である。
【0054】
実施の形態3に係るクリップボードは芯材22を備える。芯材20、21は凹部20b、20cを備えていたが、芯材22は、凹部20b、20cに代えて、凸部20B、20Cを備える。凸部20Bは芯材22の右縁部に形成され、凸部20Cは芯材22の左縁部に形成される。凸部20B、20Cは芯材22の左縁部又は右縁部の前後方向中央よりも後側部分に形成される。芯材22の前縁部の左右寸法D2は後縁部の左右寸法D1よりも若干短い。凸部20B、20Cとケース1、1Aの左右側面との間の距離は、ケース1、1Aの底部に近づくに従って短くなり、ケース1、1Aの左右側面に接触しやすくなる。そのため、芯材は、挿入開始時には円滑に挿入され、挿入完了時には抜けにくくなる。なお凸部20B、20Cの間には凹部が形成されるので、必要以上に芯材22とケース1、1Aとが接触することを防止できる。
【0055】
なお凸部20B、20Cは芯材22の左縁部又は右縁部の前後方向中央よりも前側部分に形成してもよく、左縁部又は右縁部の全体に形成してもよい。芯材22の前縁部の左右寸法D2は後縁部の左右寸法D1と略同じでもよい。芯材22の左右寸法は、凸部20B、20Cの突出幅を含め、ケース1、1Aに収納可能な寸法に設定される。
【0056】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。各実施例にて記載されている技術的特徴は互いに組み合わせることができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0057】
1、1A ケース
6 前面部(底部)
8 開口
20、21 芯材
20b、20c、21b、21c 凹部
30、31 クリップボード