(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】教示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9035 20190101AFI20230809BHJP
【FI】
G06F16/9035
(21)【出願番号】P 2018052547
(22)【出願日】2018-03-20
【審査請求日】2021-01-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】山崎 智弘
(72)【発明者】
【氏名】出羽 達也
(72)【発明者】
【氏名】爰島 快行
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-216646(JP,A)
【文献】特開2015-52901(JP,A)
【文献】特開平10-240762(JP,A)
【文献】特開平9-288683(JP,A)
【文献】特開平7-152771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索条件を使って抽出された第1文書群から、第1文書及び第2文書を含む第2文書群を抽出し、
前記第1文書の一部を含む第1画面を表示させ、前記第1画面においてユーザからの入力を受け付けた場合には前記第1文書を不要と判定し、前記第1画面の表示から第1時間が経過するまでの間にユーザからの入力を受け付けなかった場合には前記第1文書を必要と判定し、
前記第1画面の表示から前記第1時間が経過する、又は、前記第1画面においてユーザからの入力を受け付けると、前記第2文書の一部を含む第2画面を表示させ、前記第2画面において前記第2文書に対する評価を受け付け可能である、
処理部を備え
、
前記処理部は、前記評価について、前記第2画面でユーザからの入力を受け付けた場合には前記第2文書を不要と判定し、前記第2画面の表示から前記第1時間が経過するまでの間にユーザからの入力を受け付けなかった場合には前記第2文書を必要と判定し、
前記処理部は、前記第2画面を表示させた後、前記第1文書群から、前記第2文書群と異なる第3文書群を抽出する教示装置。
【請求項2】
検索条件を使って抽出された第1文書群から、第1文書及び第2文書を含む第2文書群を抽出し、
前記第1文書の一部を含む第1画面を表示させ、前記第1画面においてユーザからの入力を受け付けた場合には前記第1文書を不要と判定し、前記第1画面の表示から第1時間が経過するまでの間にユーザからの入力を受け付けなかった場合には前記第1文書を必要と判定し、
前記第1画面の表示から前記第1時間が経過する、又は、前記第1画面においてユーザからの入力を受け付けると、前記第2文書の一部を含む第2画面を表示させ、前記第2画面において前記第2文書に対する評価を受け付け可能である、
処理部を備え、
前記第2文書群は、第3文書及び第4文書をさらに含み、
前記第1画面は、前記第3文書の一部をさらに含み、
前記第2画面は、前記第4文書の一部をさらに含み、
前記処理部は、前記第1画面の表示から前記第1時間が経過する、又は、前記第1画面において前記第1文書及び前記第3文書に対するユーザからの入力を受け付けると、前記第2画面を表示させ
る教示装置。
【請求項3】
前記第1時間は、1秒以上5秒以下である請求項1
又は2に記載の教示装置。
【請求項4】
検索条件を使って抽出された第1情報群から、第1情報及び第2情報を含む第2情報群を抽出し、
前記第1情報の一部を含む第1画面を表示させ、前記第1画面においてユーザからの入力を受け付けた場合には前記第1情報を不要と判定し、前記第1画面の表示から第1時間が経過するまでの間にユーザからの入力を受け付けなかった場合には前記第1情報を必要と判定し、
前記第1画面の表示から前記第1時間が経過する、又は、前記第1画面においてユーザからの入力を受け付けると、前記第2情報の一部を含む第2画面を表示させ、前記第2画面において前記第2情報に対する評価を受け付け可能である、
処理部を備え、
前記処理部は、前記評価について、前記第2画面でユーザからの入力を受け付けた場合には前記第2情報を不要と判定し、前記第2画面の表示から前記第1時間が経過するまでの間にユーザからの入力を受け付けなかった場合には前記第2情報を必要と判定し、
前記処理部は、前記第2画面を表示させた後、前記第1情報群から、前記第2情報群と異なる第3情報群を抽出する、教示装置。
【請求項5】
検索条件を使って抽出された第1情報群から、第1情報及び第2情報を含む第2情報群を抽出し、
前記第1情報の一部を含む第1画面を表示させ、前記第1画面においてユーザからの入力を受け付けた場合には前記第1情報を不要と判定し、前記第1画面の表示から第1時間が経過するまでの間にユーザからの入力を受け付けなかった場合には前記第1情報を必要と判定し、
前記第1画面の表示から前記第1時間が経過する、又は、前記第1画面においてユーザからの入力を受け付けると、前記第2情報の一部を含む第2画面を表示させ、前記第2画面において前記第2情報に対する評価を受け付け可能である、
処理部を備え、
前記第2情報群は、第3情報及び第4情報をさらに含み、
前記第1画面は、前記第3情報の一部をさらに含み、
前記第2画面は、前記第4情報の一部をさらに含み、
前記処理部は、前記第1画面の表示から前記第1時間が経過する、又は、前記第1画面において前記第1情報及び前記第3情報に対するユーザからの入力を受け付けると前記第2画面を表示させる、教示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、教示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの情報に対する評価をより短時間で収集し、ユーザの求めている情報に関するデータを教示できる教示装置の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、ユーザの求めている情報に関するデータを教示できる教示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る教示装置は、処理部を含む。前記処理部は、第1情報の一部を含む第1画面を表示させる。前記処理部は、前記第1画面において、前記第1情報に対する第1評価を受け付け可能である。前記処理部は、前記第1画面の表示から第1時間が経過する、又は、前記第1画面において前記第1評価を受け付けると、第2情報の一部を含む第2画面を表示させる。前記処理部は、前記第2画面において、前記第2情報に対する第2評価を受け付け可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る教示装置を例示する模式図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る教示装置の動作を例示するフローチャートである。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る教示装置の出力例を表す模式図である。
【
図5】
図5(a)及び
図5(b)は、第1実施形態に係る教示装置の出力例を表す模式図である。
【
図6】
図6(a)及び
図6(b)は、第1実施形態に係る教示装置の出力例を表す模式図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る教示装置を例示する模式図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る教示装置の出力例を表す模式図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る教示装置の出力例を表す模式図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る教示装置の動作を例示するフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係る教示装置の構成を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る教示装置を例示する模式図である。
第1実施形態に係る教示装置110は、処理部10を含む。
図1に表した例では、教示装置110は、入力部20及び表示部30をさらに含む。
【0009】
例えば、別の処理装置によって、多数の情報を記憶する第1記憶部41から、複数の情報が抽出される。処理部10には、この別の処理装置から、抽出された複数の情報が入力される。処理部10は、複数の情報の一部を抽出し、それぞれの情報の要約を順次表示させる。処理部10は、ある要約を表示させた後、その要約が不要であることを示す評価を受け付ける、又は、その要約の表示から所定時間が経過すると、別の要約を表示する。処理部10は、これを繰り返すことで、複数の情報に対する評価を収集していく。
【0010】
一例として、第1記憶部41は、特許に関する文献(以下、特許文献という)を記憶したデータベースである。特許文献は、例えば、公開特許公報、特許掲載公報などを含む。第1記憶部41は、さらに実用新案等に関する文献を記憶していても良い。
公開されている特許文献の数は、膨大である。ユーザは、データベースから、ある特定の技術が記載された特許文献を探すことがある。このとき、ユーザは、キーワード等の検索条件を指定して特許文献を検索する。指定した検索条件が適切では無い場合、ユーザが求めていない特許文献が多数抽出される。典型的には、検索結果には、ユーザにとって不要とすぐに判別できる特許文献が多く含まれている。一方で、検索条件を限定しすぎると、ユーザにとって必要な特許文献が抽出されない可能性が高くなる。従って、必要な特許文献の漏れを防ぐためには、緩やかに検索条件を設定し、抽出された多数の特許文献を全て確認する必要がある。この作業には、長い時間を要する。このため、ユーザにとって必要な特許文献を抽出しつつ、不要な特許文献を抽出結果から除外できる技術の開発が望まれている。
【0011】
例えば、ユーザにとって不要とすぐに判別できる特許文献が検索結果から除外されるだけでも、特許文献を調査する労力を大きく削減できる。そこで、第1実施形態に係る教示装置110では、処理部10は、幾つかの特許文献について、それぞれ要約を生成し、各要約に対するユーザの評価を受け付ける。処理部10は、各要約に対する評価を記憶し、収集していく。これにより、ユーザにとって不要である可能性が高い特許文献を選定するためのデータ(評価結果)が得られる。例えば、このデータを用いることで、検索により抽出された複数の特許文献から、ユーザにとって不要な情報を除外することが可能となる。
すなわち、教示装置110によれば、複数の情報の一部についてユーザから評価を取得し、不要な情報を削減するために有用なデータを教示することができる。例えば、この教示されたデータを用いることで、ユーザにとって必要な特許文献が検索結果から漏れることを抑制しつつ、ユーザにとって不要な特許文献の抽出数を削減できる。
【0012】
図2は、第1実施形態に係る教示装置の動作を例示するフローチャートである。
例えば、別の処理装置で、第1記憶部41に記憶された全体の情報から、第1情報群が抽出される。例えば、第1情報群は、検索条件に合致した複数の特許文献である。教示装置110は、その第1情報群から、第2情報群を抽出する(ステップS1)。第2情報群の情報量は、第1情報群の情報量よりも小さい。例えば、第2情報群は、第1情報群からランダムに選択された複数の特許文献である。
【0013】
処理部10は、第2情報群から複数の部分情報を生成する(ステップS2)。複数の部分情報は、第2情報群に含まれる複数の情報のそれぞれの一部に対応する。例えば、1つの部分情報は、1つの情報の一部である。又は、1つの部分情報は、1つの情報の少なくとも一部に基づいて生成されても良い。この部分情報は、いわゆる要約である。例えば、情報が文書である場合、要約は、文書のタイトル、文書の先頭から所定数だけの文字列、所定の項目に含まれる文章、文書中の頻出単語、文書中の図面などを含む。例えば、情報が特許文献である場合、要約は、発明の名称、技術分野、要約書の内容、頻出の技術用語、又は代表図などを含む。
【0014】
処理部10は、生成した部分情報を表示部30へ出力し、表示させる(ステップS3)。処理部10は、部分情報を表示させている間、その部分情報に対する評価を受け付け可能である。処理部10は、部分情報を表示させた後、第1条件が満たされたか判定する(ステップS4)。第1条件は、部分情報を表示させた後に、予め設定された第1時間が経過することである。又は、第1条件は、部分情報を表示させている間に、ユーザが評価を入力することである。評価は、例えば、ユーザがその部分情報の基となった情報を不要と判断した場合に、入力される。
【0015】
処理部10は、第2記憶部42に、評価結果を記憶する(ステップS5)。処理部10は、他に表示する部分情報が有るか判定する(ステップS6)。他の部分情報が有る場合、処理部10は、その他の部分情報について、ステップS3を行う。他の部分情報が無い場合、処理部10は、例えば、それまでに収集された評価結果を出力する(ステップS7)。
【0016】
ユーザによる評価結果が得られることで、例えば、この評価結果を教師データとして用いて機械学習を行うことができる。すなわち、教示装置110によれば、機械学習のための教師データを容易に得ることができる。また、機械学習の結果を用いて、ユーザがより必要としている可能性の高い情報を、第1情報群から抽出できるようになる。
【0017】
以下で、第1実施形態に係る教示装置110の具体的な動作の一例を説明する。
図3、
図5(a)、
図5(b)、
図6(a)、及び
図6(b)は、第1実施形態に係る教示装置の出力例を表す模式図である。
図4は、情報を例示する模式図である。
【0018】
処理部10は、例えば
図1に表したように、受付部11,抽出部12、生成部13、出力部14、及び測定部15を含む。
【0019】
例えば、別の処理装置から出力された第1情報群が、教示装置110に入力される。出力部14は、
図3に表したように、第1情報群に含まれる情報の一覧を、表示部30に表示させる。ユーザが入力部20を操作し、表示部30に表示されたアイコンIC1をクリックする。受付部11は、その入力操作を受け付ける。
【0020】
抽出部12は、入力操作に応じて、処理部10に入力された第1情報群から第2情報群を抽出する。抽出部12は、第1情報群から、予め設定された数の情報を第2情報群としてランダムに抽出する。または、抽出部12は、第1情報群をクラスタリングしても良い。この場合、抽出部12は、それぞれのクラスタの代表となる情報を選び、それらの情報を第2情報群として抽出する。
【0021】
生成部13は、複数の部分情報を生成する。例えば、第2情報群は、第1情報及び第2情報を含む。生成部13は、第1情報の一部に対応する第1部分情報を生成し、第2情報の一部に対応する第2部分情報を生成する。上述したように、第1部分情報は、第1情報の一部と同じでも良いし、第1情報の一部に基づいて生成されても良い。第2部分情報は、第2情報の一部と同じでも良いし、第2情報の一部に基づいて生成されても良い。
例えば
図4に表したように、情報Iは、番号(ID)、名称、概要などを含む。生成部13は、例えば、この情報Iの概要の先頭から50文字を、部分情報として生成する。
【0022】
出力部14は、
図5(a)に表したように、生成された部分情報PI1を表示部30に出力する。表示部30に部分情報PI1が表示されている間、受付部11は、ユーザの部分情報に対する評価を受け付ける。例えば、ユーザは、表示された部分情報PI1の基となった情報が不要と判断すると、部分情報PI1に対応して設けられたチェックボックスCB1にチェックを入れる。
【0023】
測定部15は、部分情報が表示されてから経過した時間を測定する。評価が入力されると、出力部14は、その評価結果を第2記憶部42に記憶し、
図5(b)に表したように、別の部分情報PI2を表示部30に出力する。又は、部分情報PI1を表示してから予め設定された第1時間が経過すると、出力部14は、評価結果を第2記憶部42に記憶し、別の部分情報PI2を表示部30に出力する。例えば、部分情報PI1の表示から第1時間が経過した場合は、部分情報PI1の基となった情報は、必要(不要では無い)と判定される。
【0024】
出力部14は、
図6(a)に表したように、複数の部分情報PI1及びPI3を表示させても良い。この場合、部分情報PI1及びPI3にそれぞれ対応して、チェックボックスCB1及びCB3が表示される。第1時間は、1つの画面に1つの部分情報のみが表示される場合よりも、長く設定される。部分情報PI1及びPI3を表示してから第1時間が経過するか、チェックボックスCB1及びCB3にチェックが入力されると、出力部14は、別の画面を表示させる。別の画面では、
図6(b)に表したように、複数の部分情報PI2及びPI4が表示される。
【0025】
一例として、第1時間は、1秒以上5秒以下に設定される。又は、処理部10は、ユーザの情報を確認する早さを測定し、その測定結果に基づいて第1時間を設定しても良い。
例えば、処理部10は、表示部30に文書を表示させる。ユーザは、文書を読み終えると、表示部30に表示された所定のアイコンをクリックする。処理部10は、文書に含まれる文字数と、文書を読み終えるまでの時間と、に基づいて、ユーザの文書を読む早さを測定する。
ユーザは、文書の読んだ範囲を表示部30に表示されたカーソルでなぞっても良い。又は、処理部10は、ユーザの視線の移動を検知しても良い。処理部10は、単位時間あたりにユーザが読んだ文字数を算出する。
又は、処理部10は、文書の一部を表示させ、文字をある方向に移動させながら、表示させる文書の範囲を少しずつ変化させても良い。例えば、ユーザは、文書の範囲を変化させる速度を調整できる。処理部10は、この速度から、単位時間あたりにユーザが読める文字数を算出する。
又は、評価結果の取得に要する時間が予めユーザから入力されても良い。処理部10は、入力された時間に基づいて、第1時間及び部分情報の量(例えば文章の長さ)を調整する。
又は、第2情報群として抽出される情報量が予め設定されていても良い。処理部10は、例えば、ユーザの読む早さと、第2情報群の情報量と、に基づいて、第1時間と、生成する部分情報の情報量と、を調整する。
【0026】
ある部分情報が表示された後、第1時間以内に評価が入力されなかった場合、その部分情報の基となる情報は、例えば必要(不要ではない)と判定される。第1時間は、短めに設定されることが望ましい。第1時間が短く設定されることで、次々と部分情報が表示される。短い第1時間の中で、明らかに不要な情報について次々と評価が行われることで、より短い時間で多くの情報を評価できる。
又は、第1時間以内に評価が入力された場合でも、第2時間以上経過していた場合は、その評価を受け付けないように設定されても良い。第2時間は、第1時間未満である。第1時間が短い場合、ユーザがあせって冷静に判断できずに第1時間の終了直前に評価を入力することがある。第2時間を設定することで、このような不正確である可能性の高い評価を無効にすることができる。
又は、第1時間以内に評価が入力された場合に、表示から入力までの経過時間に応じて評価に重みを設定しても良い。典型的には、不要であることが明らかなほど、より短い時間で部分情報を評価できる。このため、経過時間が短いほど、重みが大きく設定される。これにより、後の処理で、ユーザにとって不要な情報がより少ない第3情報群を抽出できる可能性が高まる。
【0027】
例えば、出力部14は、第1部分情報を含む第1画面を表示部30に表示させる。その後、第1条件が満たされたときに、出力部14は、第2部分情報を含む第2画面を表示部30に表示させる。受付部11は、第1画面が表示されている間、第1部分情報に対する第1評価を受け付け可能である。受付部11は、第2画面が表示されている間、第2部分情報に対する第2評価を受け付け可能である。第1条件は、上述した、第1時間の経過又は第1評価の受け付けである。
【0028】
又は、例えば、出力部14は、第1部分情報及び第3部分情報を含む第1画面を表示部30に表示させる。その後、第1条件が満たされたときに、出力部14は、第2部分情報及び第4部分情報を含む第2画面を表示部30に表示させる。受付部11は、第1画面が表示されている間、第1部分情報に対する第1評価及び第3部分情報に対する第3評価を受け付け可能である。受付部11は、第2画面が表示されている間、第2部分情報に対する第2評価及び第4部分情報に対する第4評価を受け付け可能である。第1条件は、第1時間の経過である。又は、第1条件は、第1評価及び第3評価の受け付けである。
【0029】
第2情報群に含まれる複数の情報のそれぞれについて評価を記憶すると、処理部10は、処理を終了する。出力部14は、第2記憶部42に記憶された評価結果を表示部30に表示させても良い。出力部14は、評価結果を、所定のファイル形式で表示部30以外に出力しても良い。
【0030】
教示装置110によれば、第1情報群の一部の情報に対するユーザの評価を、より短時間で収集できる。例えば、教示装置110により得られたデータ(評価結果)を用いて、ユーザにとって不要な情報を第2情報群から除外するための機械学習を行うことができる。
【0031】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る教示装置を例示する模式図である。
図8及び
図9は、第1実施形態に係る教示装置の出力例を表す模式図である。
第2実施形態に係る教示装置120において、処理部10は、
図7に表したように、学習部16をさらに含む。
【0032】
例えば、教示装置120において、抽出部12は、ユーザの入力操作に応じて、第1記憶部41から第1情報群を抽出する。例えば、出力部14は、
図3に表したように、第1情報群を示す画面を表示部30に表示させる。抽出部12は、さらに、第1情報群から第2情報群を抽出する。その後、第1実施形態に係る教示装置110と同様に、処理部10は、複数の部分情報を生成し、各部分情報の評価を第2記憶部42に記憶する。
【0033】
第2情報群に含まれる複数の情報に対する評価が完了すると、学習部16は、第2記憶部42に記憶された評価結果を用いて機械学習を行う。機械学習では、例えば、学習部16は、表示された部分情報に含まれるテキストを形態素解析器で単語に分割する。学習部16は、第2記憶部42に記憶された評価結果に基づいて、それぞれの単語あるいは単語の組合せが、不要な情報に含まれやすいか、必要な情報に含まれやすいか、をモデルに学習させる。学習部16は、例えば、それぞれのテキストに含まれる単語あるいは単語の組合せを素性とし、評価結果の必要か不要かをラベルとし、SVM(support vector machine)やNN(Neural Network)などの分類器で処理する。その結果、不要な情報に含まれやすいか必要な情報に含まれやすいかのスコアが素性ごとに得られ、モデルが学習される。
【0034】
抽出部12は、学習部16により学習されたモデル(素性ごとのスコア)を用いて、第1情報群から第3情報群を抽出する。第3情報群は、第2情報群と異なる。第3情報群の情報量は、第1情報群の情報量よりも小さい。例えば、第2情報群に含まれる複数の特許文献は、第3情報群に含まれる複数の特許文献と異なる。学習済みのモデルを用いることで、第1情報群から、ユーザにとって不要な情報を除外できる。
【0035】
出力部14は、第3情報群を表示部30に表示させる。例えば、出力部14は、
図8に表したように、第3情報群に含まれる情報のみを表示する。又は、出力部14は、
図9に表したように、第1情報群に含まれる複数の情報の一部を、第3情報群と分かるように表示しても良い。例えば、
図9に表したように、第3情報群として抽出されなかった情報が塗りつぶされて表示される。
【0036】
図10は、第2実施形態に係る教示装置の動作を例示するフローチャートである。
処理部10は、ユーザからの入力操作を受け付ける(ステップS11)。この入力操作は、例えば、検索条件の入力と、検索を実行させる操作と、を含む。処理部10は、第1記憶部41に記憶された情報群から、検索条件を満たす第1情報群を抽出する(ステップS12)。以降のステップS13~S18は、
図2に表したフローチャートのステップS1~S6と同様に実行される。
【0037】
ステップS18で、他の部分情報が無い場合、処理部10は、それまでに記憶された評価結果に基づき、機械学習を行う(ステップS19)。処理部10は、学習結果を用いて、第1情報群から第3情報群を抽出する(ステップS20)。処理部10は、例えば、第3情報群を表示部30に表示させる(ステップS21)。
【0038】
第2実施形態に係る教示装置120によれば、評価結果に基づく学習が可能となる。また、学習した結果を用いて、第1情報群から第3情報群を抽出できる。第1情報群の一部の情報に対する評価に基づいて、ユーザにとって不要な情報が含まれないように、第3情報群を抽出できる。すなわち、第1情報群の全てを評価せずに、ユーザにとってより有用な第3情報群を第1情報群から抽出できる。
【0039】
図11は、実施形態に係る教示装置の構成を例示する模式図である。
上述した実施形態に係る教示装置110(及び120)は、一例として、一般のコンピュータ(情報処理装置)と同様のハードウェア構成により実現される。教示装置110は、CPU(Central Processing Unit)111と、入力装置112と、表示装置113と、ROM(Read Only Memory)114と、RAM(Random Access Memory)115と、記憶装置116と、通信装置117と、バス118とを含む。各部は、バス118により接続される。
【0040】
CPU111は、ROM114または記憶装置116に予め記憶された各種プログラムと協働して各種処理を実行し、教示装置110を構成する各部の動作を統括的に制御する。CPU111は、処理において、RAM115の所定領域を作業領域として用いる。CPU111は、ROM114または記憶装置116に予め記憶されたプログラムと協働して、入力装置112、表示装置113、及び通信装置117等を実現させる。
【0041】
入力装置112は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネルの少なくともいずれかを含む。入力装置112は、ユーザから入力された情報を指示信号として受け付け、その指示信号をCPU111に出力する。表示装置113は、例えばモニタである。表示装置113は、CPU111から出力された信号に基づいて、各種情報を視認可能に出力する。
【0042】
ROM114は、教示装置110の制御に用いられるプログラムおよび各種設定情報等を書き換え不可能に記憶する。RAM115は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶媒体である。RAM115は、CPU111の作業領域として機能する。具体的には、教示装置110が用いる各種変数およびパラメータ等を一時記憶するバッファ等として機能する。
【0043】
記憶装置116は、フラッシュメモリ等の半導体による記憶媒体、磁気的または光学的に記録可能な記憶媒体等の書き換え可能な記録装置である。記憶装置116は、教示装置110の制御に用いられるプログラムおよび各種設定情報等を記憶する。記憶装置116は、第2記憶部42として機能する。記憶装置116は、さらに第1記憶部41として機能しても良い。通信装置117は、外部の機器と通信して情報の送受信を行うために用いられる。
【0044】
以上で説明した各実施形態では、処理部10が表示した各情報の一部(部分情報)に対して、不要であることを示す評価が入力される場合を説明した。実施形態に係る教示装置は、この例に限定されない。処理部10が表示した部分情報に対して、必要であることを示す評価が入力されても良い。
【0045】
また、以上で説明した各実施形態では、抽出される情報が特許文献である場合について説明した。この例に限らず、抽出される情報は、事例、報告書、議事録、FAQ(Frequently Asked Questions)などでも良い。またテキストに限らず、部分情報が抽出できるものであれば画像や音声などでもよい。
【0046】
以上で説明した各実施形態によれば、全体の情報の一部に対する評価結果をより短時間で収集できる教示装置及び教示方法を提供できる。また、処理部に上述した動作を実行させるためのプログラム及びそのプログラムを記憶した記憶媒体を用いることで、全体の情報の一部に対する評価結果をより短時間で収集できる。
【0047】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、処理部、入力部、表示部、記憶部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0048】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0049】
その他、本発明の実施の形態として上述した教示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての教示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0050】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
10 処理部、 11 受付部、 12 抽出部、 13 生成部、 14 出力部、 15 測定部、 16 学習部、 20 入力部、 30 表示部、 41 第1記憶部、 42 第2記憶部、 110、120 教示装置、 111 CPU、 112 入力装置、 113 表示装置、 116 記憶装置、 117 通信装置、 118 バス、 CB1~CB4 チェックボックス、 IC1 アイコン、 PI1~PI4 部分情報、 S1~S7、S11~S21 ステップ