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特許7328869筋弛緩監視装置及びキャリブレーション処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】筋弛緩監視装置及びキャリブレーション処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/32 20060101AFI20230809BHJP
   A61B 5/395 20210101ALI20230809BHJP
【FI】
A61N1/32
A61B5/395
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019198592
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021069725
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519390335
【氏名又は名称】高木 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉原 弘
(72)【発明者】
【氏名】北村 繁吉
(72)【発明者】
【氏名】永瀬 和哉
(72)【発明者】
【氏名】岩田 俊治
(72)【発明者】
【氏名】高木 俊一
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0008453(US,A1)
【文献】特表2015-506246(JP,A)
【文献】特表2015-532151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/32
A61B 5/395
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の観察部位となる神経に対して所定の刺激タイミングで所定の刺激電流値の電気刺激を行い、前記電気刺激による前記被検者の筋の刺激反応に基づく電気信号の振幅のピーク値に基づいて、前記被検者の最大刺激を超える最大上刺激の刺激電流値を取得するキャリブレーション処理を行うキャリブレーション処理部を備える筋弛緩監視装置であって、
前記キャリブレーション処理部は、
前記被検者が覚醒状態のときは、前記刺激タイミングとして予め設定された第1の刺激タイミングで前記キャリブレーション処理を行い、
前記被検者が筋弛緩状態のときは、前記刺激タイミングとして前記第1の刺激タイミングよりも長い周期となる第2の刺激タイミングで前記キャリブレーション処理を行う、
筋弛緩監視装置。
【請求項2】
前記筋は、筋弛緩薬投与後の筋弛緩状態であり、
前記第2の刺激タイミングは、筋弛緩状態の前記筋が、前記電気刺激によって収縮を開始してから筋収縮前の状態に回復するまでの時間に基づいて設定される、
請求項1に記載の筋弛緩監視装置。
【請求項3】
前記第2の刺激タイミングは、0.5Hz~1Hzの範囲で設定される、
請求項1又は2に記載の筋弛緩監視装置。
【請求項4】
筋弛緩後の前記被検者に対する前記キャリブレーション処理は、筋弛緩後の前記被検者に対する前記電気刺激の刺激反応が確認可能なときに実行される、
請求項1~3の何れか1項に記載の筋弛緩監視装置。
【請求項5】
被検者の観察部位となる神経に対して所定の刺激タイミングで所定の刺激電流値の電気刺激を行い、前記電気刺激による前記被検者の筋の刺激反応に基づく電気信号の振幅のピーク値に基づいて、前記被検者の最大刺激を超える最大上刺激の刺激電流値を取得するキャリブレーション処理方法であって、
前記被検者が覚醒状態のときは、前記刺激タイミングとして予め設定された第1の刺激タイミングで前記刺激電流値の電気刺激を行って、前記筋の刺激反応に基づく電気信号の振幅のピーク値を検出する処理と、
前記被検者が筋弛緩状態のときは、前記刺激タイミングとして前記第1の刺激タイミングよりも長い周期となる第2の刺激タイミングで前記刺激電流値の電気刺激を行って、前記筋の刺激反応に基づく電気信号の振幅のピーク値を検出する処理と、
を含む
キャリブレーション処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、患者などの被検者の筋弛緩状態又は覚醒状態を識別するための筋弛緩監視装置及びキャリブレーション処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、手術時に投与される筋弛緩薬による被検者の筋弛緩状態を監視する技術が開示されている。下記特許文献1に開示される麻酔モニタリングシステムでは、例えばTOF(Train-Of-Four)法のような所定の刺激モードが設定され、被検者の身体の一部である観察部位(筋)とつながる末梢神経に所定電流値の電気刺激を与えたときに誘発される観察部位の筋収縮力に基づいて被検者の筋弛緩状態を定量的に監視する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2015-506245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムを使用する際、手術中の被検者の筋弛緩状態を正確に把握するため、被検者に行う電気刺激は、これ以上電流量を増加させても筋反応が増加しない最大上刺激(観察部位の筋繊維を全て収縮させる最大刺激を超える刺激であり、例えば最大刺激の10%~30%増の刺激)に設定する必要がある。そのため、前記システムでは、筋弛緩薬を投与する前にキャリブレーション処理が行われ、被検者の筋弛緩状態に応じた最大上刺激となる刺激電流値が検出される。
【0005】
このように、特許文献1のシステムでは、筋弛緩状態を監視する際にキャリブレーション処理を行って被検者個々の最大上刺激の刺激電流値を取得するが、緊急手術時などではキャリブレーション処理が行えないこともある。このような場合は、予め設定された最大上刺激の刺激電流値(例えば50mA)を緊急用刺激電流値として使用して筋弛緩状態の監視を行っている。
【0006】
しかしながら、設定された緊急用刺激電流値は、多くの被検者に対応可能なように比較的高めに設定されているためノイズの影響を受け易く、被検者の筋弛緩状態を精度良く監視できないことがある。
【0007】
また、筋弛緩薬投与後の回復期においては、術式によって筋弛緩薬を再投与して筋弛緩状態を維持させたり、筋弛緩回復剤(拮抗剤)を投与して筋弛緩状態を回復させたりする。ところが、設定された緊急用刺激電流値は、必ずしも被検者の最大上刺激の刺激電流値を上回るわけではないため、設定された緊急用刺激電流値が被検者の最大上刺激の刺激電流値よりも低い場合、検出されるTOF比などが不安定となり、薬剤の投与タイミングが正確に把握し難いという問題もある。
【0008】
このように、被検者の筋弛緩状態を正確に監視すると共に、筋弛緩状態からの回復期において適切なタイミングで薬剤を投与するためには、被検者の最大上刺激の刺激電流値を取得することが非常に重要であるが、キャリブレーション処理を行っていなかった場合、筋弛緩薬投与後は、上述したように設定された緊急用刺激電流値を用いて被検者の筋弛緩状態を監視しているのが現状である。そのため、医療現場からは、筋弛緩状態の被検者の最大上刺激の刺激電流値が取得可能なキャリブレーション処理機能を備えた新規の筋弛緩監視装置が所望されている。
【0009】
本発明は、上述した従来の問題点を鑑みてなされたものであって、筋弛緩状態の被検者に応じた最大上刺激となる刺激電流値を検出することができる筋弛緩監視装置及びキャリブレーション処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る筋弛緩監視装置は、被検者の神経に対して所定の刺激タイミングで所定の刺激電流値の電気刺激を行い、前記電気刺激による前記被検者の筋の刺激反応に基づく電気信号の振幅のピーク値に基づいて、前記被検者の最大刺激を超える最大上刺激の刺激電流値を取得するキャリブレーション処理を行うキャリブレーション処理部を備える筋弛緩監視装置であって、前記キャリブレーション処理部は、前記被検者が覚醒状態のときは、前記刺激タイミングとして予め設定された第1の刺激タイミングで前記キャリブレーション処理を行い、前記被検者が筋弛緩状態のときは、前記刺激タイミングとして前記第1の刺激タイミングよりも長い周期となる第2の刺激タイミングで前記キャリブレーション処理を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、筋弛緩状態の被検者に応じた最大上刺激となる刺激電流値を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る筋弛緩監視装置の構成を示す図である。
図2】筋弛緩監視装置の一連の処理動作に関するフローチャートである。
図3】キャリブレーション処理時の処理動作に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態によって本発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、実施例及び運用技術などは全て本発明の範疇に含まれるものとする。
【0014】
[装置構成]
まず、図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る筋弛緩監視装置1の構成について説明する。
筋弛緩監視装置1は、生体情報モニタ100(例えば、ベッドサイドモニタ、トランスポートモニタ、医用テレメータ)と有線又は無線通信可能に接続される。生体情報モニタ100には、筋弛緩監視装置1で検出された刺激反応値に応じた表示内容が表示される。
【0015】
筋弛緩監視装置1は、刺激電極部20と、検出電極部30とが接続される。筋弛緩監視装置1は、被検者の観察部位の神経に対し、刺激電極部20を介して所定電流値の電気刺激を与える。筋弛緩監視装置1は、検出電極部30を介して電気刺激による観察部位の刺激反応(筋反応)に基づく電気信号を取得する。
【0016】
本実施形態に係る筋弛緩監視装置1は、被検者の観察部位となる筋とつながる末梢神経に所定電流値の電気刺激を与えたときに誘発される観察部位の筋繊維の活動電位に基づいて被検者の筋弛緩状態を定量的に検出する、所謂、電位感知型筋弛緩モニタ(electromyography:EMG)である。
【0017】
刺激電極部20は、被検者の観察部位である筋とつながる抹消神経上の皮膚表面に着脱可能な一対の刺激電極20a、20bからなり、観察部位の筋の抹消神経に対し、設定された所定電流値の電気刺激を行う。刺激電極部20は、例えば刺激電極20aの極性がプラスの場合、刺激電極20bの極性はマイナスとなる。刺激電極部20は、例えば観察部位が拇指内転筋の場合、刺激電極20a、20bは、共に拇指内転筋とつながる尺骨神経上の皮膚表面に所定間隔を空けて取り付けられる。刺激電極部20は、筋弛緩監視装置1に対して着脱可能であり、故障などが生じた際には交換が可能である。
【0018】
検出電極部30は、被検者の観察部位の皮膚表面に着脱可能な一対の検出電極30a、30bからなり、刺激電極部20からの電気刺激による観察部位の筋の活動電位を刺激反応として検出し、この刺激反応に応じて電気信号を筋弛緩監視装置1に出力する。検出電極部30は、例えば検出電極30aの極性がプラスの場合、検出電極30bの極性はマイナスとなる。検出電極部30は、例えば観察部位が拇指内転筋の場合、プラス極性の検出電極30aは固定部位となる例えば拇指の屈筋腱上の皮膚表面に取り付けられ、マイナス極性の検出電極30bは拇指内転筋の動きが検出可能なように拇指内転筋上の皮膚表面に取り付けられる。検出電極部30は、筋弛緩監視装置1に対して着脱可能であり、故障などが生じた際には交換が可能である。
【0019】
続いて、筋弛緩監視装置1の構成について説明する。筋弛緩監視装置1は、入出力部2と、モード設定部3と、キャリブレーション処理部4と、刺激モード設定部5と、刺激発生部6と、反応検出部7と、操作部8と、制御部9と、記憶部10と、を備える。筋弛緩監視装置1は、接続される生体情報モニタ100から電源供給を受けて作動する。
【0020】
入出力部2は、検出電極部30で検出された観察部位の筋の活動電位に応じた電気信号が入力されると、この信号をキャリブレーション処理部4又は反応検出部7に出力する。また、入出力部2は、刺激モードに応じて観察部位の筋が電気刺激された際の刺激反応値を反応検出部7から入力すると、この刺激反応値を生体情報モニタ100に出力する。これにより、生体情報モニタ100の画面上には、入力された刺激反応値が表示される。
【0021】
モード設定部3は、キャリブレーション処理部4で実行されるキャリブレーションモードを設定する。モード設定部3は、操作部8からの操作指示に基づき、キャリブレーションモードとして、筋弛緩薬投与前の覚醒状態の被検者に対してキャリブレーション処理を行う「筋弛緩前キャリブレーションモード」と、筋弛緩薬投与後の筋弛緩状態の被検者に対してキャリブレーション処理を行う「筋弛緩後キャリブレーションモード」を設定する。
【0022】
「筋弛緩前キャリブレーションモード」は、筋弛緩薬投与前の覚醒状態の被検者に対し、所定の刺激電流値の電気刺激を行って被検者毎の最大刺激に応じた刺激電流値を検出すると共に、検出された刺激電流値に基づいて被検者の最大上刺激に応じた刺激電流値を取得するモードである。
【0023】
筋弛緩前キャリブレーションモードでは、短時間で被検者の最大上刺激の刺激電流値を取得するため、第1の刺激タイミングとなる「筋弛緩前刺激タイミング」が、例えば2Hz(0.5秒間隔)に設定されている。被検者が覚醒状態の場合、2Hzのような比較的短い周期であっても、筋が収縮前の状態(筋が再び活動可能な状態)に回復するため、正確なキャリブレーション処理を行うことが可能となる。
【0024】
「筋弛緩後キャリブレーションモード」では、筋弛緩薬投与後の被検者に対し、所定の刺激電流値の電気刺激を行って被検者毎の最大刺激に応じた刺激電流値を検出すると共に、検出された刺激電流値に基づいて被検者の最大上刺激に応じた刺激電流値を取得するモードである。
【0025】
筋弛緩薬投与後の被検者は、薬剤投与後1~2分程度でTOF刺激(4連刺激)による刺激反応が確認できない程の深い筋弛緩状態となる。そのため、筋弛緩後キャリブレーションモードは、少なくとも被検者に対して単収縮刺激やTOF刺激のような所定の刺激電流値の電気刺激を行った際に、この電気刺激による刺激反応が確認可能なとき、例えば筋弛緩薬投与後の回復期などに行われる。
【0026】
筋弛緩後キャリブレーションモードによる処理内容は、基本的に筋弛緩前キャリブレーションモードによる処理と同一であるが、刺激タイミングが異なる。筋弛緩前キャリブレーションモードでは、筋弛緩前刺激タイミングが「2Hz」に設定されているのに対し、筋弛緩後キャリブレーションモードでは、第2の刺激タイミングとなる「筋弛緩後刺激タイミング」が適用される。筋弛緩後刺激タイミングは、筋弛緩前キャリブレーションモードの筋弛緩前刺激タイミングの周期よりも長い「1Hz以下」に設定される。
【0027】
筋弛緩後の被検者は、筋弛緩薬により筋肉が弛緩しているため、フェード現象により筋肉に対する電気刺激に基づく刺激反応が筋弛緩前の刺激反応と比べて多少鈍るが、生理学的反応として、筋弛緩状態であっても約1秒程度で筋収縮状態から筋収縮前の状態まで回復するとされている。なお、「フェード現象」とは、筋弛緩状態の進行度に応じて観察部位の筋肉の筋繊維束における収縮筋繊維の収縮数の割合が段階的に減少して筋収縮時の刺激反応に基づく振幅のピーク値が減衰する現象のことである。
【0028】
筋弛緩後刺激タイミングは、上記のような生理学的知見に基づいて設定されており、少なくとも筋弛緩前刺激タイミングよりも周期が長く、筋弛緩状態における被検者の筋が収縮してから筋収縮前の状態まで回復するタイミングに合わせて設定される。また、筋弛緩後刺激タイミングは、被検者に対する筋弛緩薬の投与量、筋弛緩薬を投与してからの経過時間、被検者の代謝(血圧、心拍数などのバイタルサイン)などの要素をふまえ、筋弛緩状態の被検者に応じた最大上刺激の刺激電流値が取得可能なように設定することも可能である。
【0029】
筋弛緩後刺激タイミングの間隔としては、0.5Hz~1Hzの範囲(1~2秒間隔)とするのが好ましい。この範囲で設定することで、電気刺激を受けた筋は収縮してから筋収縮前の状態まで回復すると共に、キャリブレーション処理の時間短縮が図れるタイミングとなり得る。そのため、筋弛緩状態の被検者に対して、上記範囲内で設定されたタイミングで電気刺激を行うことで、筋が収縮前の状態に回復途中のタイミングを避け、筋収縮が完全に回復した状態でキャリブレーション処理を行うことが可能となる。
【0030】
キャリブレーション処理部4は、モード設定部3で設定された筋弛緩前キャリブレーションモード又は筋弛緩後キャリブレーションモードに従って所定のキャリブレーション処理を実行する。キャリブレーション処理部4は、選択されたモードに従ってキャリブレーション処理を実行し、この処理によって検出された被検者の最大刺激の刺激電流値に基づき、被検者の最大上刺激の刺激電流値を取得する。
【0031】
詳述すると、キャリブレーション処理部4は、キャリブレーション処理として、予め設定された刺激電流値(初期刺激電流値:例えば60mA)から所定の刺激タイミング毎に所定の電流値を減少させ、電気刺激を受けた観察部位となる筋の刺激反応に基づく電気信号(活動電位)の振幅のピーク値(1周期間における最大変位量(最大値と最小値の差)の絶対値)を検出する。また、キャリブレーション処理部4は、キャリブレーション処理として、検出した電流値減少前後における各ピーク値の比較結果(電流値減少前後のピーク値の挙動)に基づいて被検者の最大刺激の刺激電流値を検出し、この最大刺激の刺激電流値に基づいて被検者の最大上刺激の刺激電流値として取得する。キャリブレーション処理部4は、取得した最大上刺激の刺激電流値を、記憶部10に記憶させる。
【0032】
筋弛緩後キャリブレーションモードで取得された被検者の最大上刺激の刺激電流値は、実行中の筋弛緩監視モードで使用している緊急用刺激電流値から変更される。制御部9は、これ以降、取得された刺激電流値による筋弛緩監視モードを継続する。
【0033】
なお、キャリブレーション処理は、上述したような予め設定された刺激電流値(初期刺激電流値:例えば60mA)から開始し、筋弛緩前刺激タイミング(又は筋弛緩後刺激タイミング)毎に所定電流値ずつ減少させながら被検者の最大刺激の刺激電流値に基づいて最大上刺激の刺激電流値を取得する処理内容に限定されない。適用可能なキャリブレーション処理としては、被検者に対して所定電流値の電気刺激を与えた際の刺激反応に応じた振幅のピーク値に基づいて被検者の最大上刺激の刺激電流値が取得可能な処理であればよい。
【0034】
刺激モード設定部5は、予め設定された複数の刺激モードのうち、被検者の筋弛緩の進行度に応じて刺激モードを適宜切り替える処理を行う。刺激モードとしては、例えば「単一刺激モード」、「TOFモード」、「DBSモード(ダブル・バースト刺激)」、「TETモード(テタヌス刺激)」、「PTCモード(ポスト・テタニック・カウント刺激)」などがある。刺激モード設定部5は、制御部9からの指示に従って筋弛緩の進行度に応じた適切な刺激モードが設定される。
【0035】
刺激発生部6は、所定電流値の刺激パターンを発生させるための電気回路で構成される。刺激発生部6は、被検者の観察部位の筋とつながる末梢神経に対し、刺激電極部20を介して所定の電気刺激(キャリブレーション処理時の刺激電流値に応じた電気刺激又は刺激モード設定部5で設定された刺激モードに応じた電気刺激)を行う。
【0036】
反応検出部7は、入出力部2を介して観察部位の筋の刺激反応に基づく電気信号を入力すると、この電気信号に基づく刺激反応値を取得する。反応検出部7は、例えば作動モードとして筋弛緩監視モードが選択され、刺激モードとしてTOFモードが設定されると、刺激反応として観察部位の筋の活動電位に応じた電気信号における振幅のピーク値の比(第1刺激と第4刺激の比)を「TOF比」として取得したり、所定時間内に発現する信号数を「TOFカウント」として取得したりする。反応検出部7は、取得した刺激反応値を、入出力部2を介して生体情報モニタ100に出力する。
【0037】
また、反応検出部7は、作動モードとしてキャリブレーションモードが選択されると、刺激発生部6の所定電流値の電気刺激に基づく振幅のピーク値を検出し、このピーク値をキャリブレーション処理部4に出力する。
【0038】
操作部8は、筋弛緩監視装置1の筐体上に取り付けられ、筋弛緩監視装置1に対する各種入力を行うためのインターフェースである。操作部8は、作動モードとして、例えばキャリブレーション処理を実行するキャリブレーションモード(筋弛緩前キャリブレーションモード若しくは筋弛緩後キャリブレーションモード)又は刺激モードによる筋弛緩監視処理を実行する際に選択される筋弛緩監視モードを選択するに操作されると、その操作信号が制御部9に出力される。
【0039】
制御部9は、CPU(Central Processing Unit)、ROM,RAMなどの各種プロセッサからなる。制御部9は、操作部8から入力される各種操作信号に基づいて所定の処理プログラムを起動させながら筋弛緩監視装置1を構成する各部を統括制御して所定の処理を実行する。制御部9は、例えば操作部8が操作され、作動モードとしてキャリブレーションモードが選択されると、キャリブレーション処理部4、刺激発生部6及び反応検出部7を適宜制御して、設定されたキャリブレーションモードに従ったキャリブレーション処理を実行する。
【0040】
また、制御部9は、筋弛緩後キャリブレーションモードによるキャリブレーション処理が実行された場合、既に筋弛緩監視モードが実行されているため、実行中の筋弛緩監視モードで使用している緊急用刺激電流値から取得した最大上刺激の刺激電流値に変更して筋弛緩監視モードを継続させる。
【0041】
記憶部10は、各種データを記憶する補助記憶装置であり、例えば各刺激モードの動作プログラムのような、筋弛緩監視装置1の駆動に必要な各種データを記憶する。また、記憶部10は、キャリブレーションモードで取得された被検者の最大上刺激の刺激電流値が制御部9により書き込まれ、筋弛緩監視モードの際に使用される。
【0042】
[処理動作]
次に、図2図3を参照しながら、上述した筋弛緩監視装置1の処理動作について説明する。図2は、筋弛緩監視装置1の一連の処理動作に関するフローチャートであり、図3は、キャリブレーション処理時の処理動作に関するフローチャートである。
なお、以下に説明する各動作については、例示的な順序でステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。よって、図2図3に示す各フローチャートについて、処理結果に矛盾が生じない限り、順序を入れ替えることが可能である。
【0043】
<装置全体の処理>
図2に示すように、ユーザは、筋弛緩監視装置1を作動させるため、筋弛緩監視装置1の電源を投入し(ST1)、操作部8を操作して作動モードを選択する(ST2)。
【0044】
ST2において、作動モードして「キャリブレーションモード」が選択決定されると(ST3)、制御部9は、キャリブレーションモードに従った処理を行って被検者の最大上刺激の刺激電流値を取得する「キャリブレーション処理」を実行する(ST4)。なお、ST4における「キャリブレーション処理」については、図3を参照しながら後段にて詳述する。
【0045】
そして、ST4において被検者の最大上刺激の刺激電流値が取得されると、再度ST2に戻る。通常、キャリブレーション処理後は、次工程として、ユーザにより作動モードとして筋弛緩監視モードが選択され、被検者に対する筋弛緩監視処理に移行する。
【0046】
ST2において、作動モードとして「筋弛緩監視モード」が選択決定されると(ST5)、筋弛緩監視装置1は、筋弛緩監視モードに従った処理を行って被検者の筋弛緩状態を監視する「筋弛緩監視処理」を実行する(ST6)。
【0047】
ST6の筋弛緩監視処理において、筋弛緩監視装置1は、被検者に対する筋弛緩薬の投与による筋弛緩の進行度を刺激モードによる電気刺激の刺激反応値に基づいて監視する。筋弛緩状態の監視に際し、制御部9は、刺激モード設定部5を制御して筋弛緩の進行度に応じた適切な刺激モードを選択させる。また、制御部9は、選択された刺激モードに従って、刺激発生部6を制御し、観察部位の筋とつながる末梢神経に対して電気刺激を行う。そして、制御部9は、反応検出部7を制御し、TOF比、TOFカウントなどの刺激モードに応じた電気刺激に基づく刺激反応を取得させ、これら刺激反応に応じた刺激反応値を、入出力部2を介して生体情報モニタ100に出力させる。
【0048】
また、ST6を実行中に、制御部9は、キャリブレーション処理を実行するか否かの判断を行う(ST7)。
【0049】
ST7において、制御部9は、キャリブレーション処理を実行すると判断したときは(ST7-Yes)、キャリブレーションモードとして筋弛緩後キャリブレーションモードを設定し(ST8)、ST4に移行する。
【0050】
一方、ST7において、制御部9は、キャリブレーション処理を実行しないと判断したときは(ST7-No)、筋弛緩監視処理が終了したか否かの判断を行い(ST9)、筋弛緩監視処理が終了したと判断すると(ST9-Yes)、処理を終了して再度ST2に戻る。また、ST9において、制御部9は、筋弛緩監視処理が終了していないと判断すると(ST9-No)、再度ST6に戻り、筋弛緩監視処理を継続する。
【0051】
<キャリブレーション処理>
次に、図3を参照しながらキャリブレーションモードにおけるキャリブレーション処理の一連の動作について説明する。
【0052】
図3に示すように、キャリブレーションモードが選択されると、キャリブレーション処理部4は、モード設定部3で設定されたキャリブレーションモードが、筋弛緩前キャリブレーションモードか否かの判断を行う(ST41)。
【0053】
ST41において、キャリブレーション処理部4は、設定されたキャリブレーションモードが筋弛緩前キャリブレーションモードであると判断すると(ST41-Yes)、筋弛緩前キャリブレーションモードに基づくキャリブレーション処理を実行する(ST42)。
【0054】
キャリブレーション処理部4は、筋弛緩前キャリブレーション処理として、予め設定された初期刺激電流値から開始し、初期刺激電流値から所定電流値を減少させた刺激電流値の電気刺激に基づく振幅のピーク値を検出し、次の筋弛緩前刺激タイミングで直前の刺激電流値から所定電流値分だけ減少させた刺激電流値の電気刺激に基づく振幅のピーク値を検出し、両ピーク値を比較して電流値減少後のピーク値が減少しているか否かの判断を行う。
【0055】
キャリブレーション処理部4は、電流値減少後のピーク値が減少していると判断すると、電流値分減少前の刺激電流値(すなわち直前の刺激電流値)を、被検者の最大刺激の刺激電流値として検出する。そして、キャリブレーション処理部4は、最大刺激の刺激電流値に所定電流値を加算させた刺激電流値を、最大上刺激の刺激電流値として取得する。
【0056】
また、キャリブレーション処理部4は、両ピーク値が同等であると判断すると、電流値減少後のピーク値は飽和しているため、以降の処理として、筋弛緩前刺激タイミング毎に直前の刺激電流値からさらに所定電流値分だけ減少させた刺激電流値の電気刺激に基づく振幅のピーク値を検出する。続いて、キャリブレーション処理部4は、今回検出した振幅のピーク値と、直前に取得した振幅のピーク値とを比較して、今回検出したピーク値が減少したことを確認すると、電流値減少前の刺激電流値を、被検者の最大刺激の刺激電流値として検出する。そして、キャリブレーション処理部4は、最大刺激の刺激電流値に所定電流値を加算させた刺激電流値を、最大上刺激の刺激電流値として取得する。
【0057】
そして、キャリブレーション処理部4は、筋弛緩前キャリブレーションモードに基づく処理が終了したか否かの判断を行い(ST43)、終了したと判断されると(ST43-Yes)、図2のST2に移行する。また、キャリブレーション処理部4は、筋弛緩前キャリブレーションモードに基づく処理が終了していないと判断すると(ST43-No)、再度ST42に戻って筋弛緩前キャリブレーションモードに基づく処理を継続させる。
【0058】
一方、ST41において、キャリブレーション処理部4は、設定されたキャリブレーションモードが筋弛緩後キャリブレーションモードであると判断すると(ST41-No)、筋弛緩後キャリブレーションモードに基づくキャリブレーション処理を実行する(ST44)。
【0059】
キャリブレーション処理部4は、筋弛緩後キャリブレーション処理として、予め設定された刺激電流値の電気刺激に基づく振幅のピーク値を検出し、次の筋弛緩後刺激タイミングで直前の刺激電流値から所定電流値分だけ減少させた刺激電流値の電気刺激に基づく振幅のピーク値を検出し、両ピーク値を比較して電流値減少後のピーク値が減少しているか否かの判断を行う。
【0060】
キャリブレーション処理部4は、筋弛緩後キャリブレーション処理として、予め設定された初期刺激電流値から開始し、初期刺激電流値から所定電流値を減少させた刺激電流値の電気刺激に基づく振幅のピーク値を検出し、次の筋弛緩前刺激タイミングで直前の刺激電流値から所定電流値分だけ減少させた刺激電流値の電気刺激に基づく振幅のピーク値を検出し、両ピーク値を比較して電流値減少後のピーク値が減少しているか否かの判断を行う。
【0061】
キャリブレーション処理部4は、電流値減少後のピーク値が減少していると判断すると、電流値分減少前の刺激電流値(すなわち直前の刺激電流値)を、被検者の最大刺激の刺激電流値として検出する。そして、キャリブレーション処理部4は、最大刺激の刺激電流値に所定電流値を加算させた刺激電流値を、最大上刺激の刺激電流値として取得する。
【0062】
また、キャリブレーション処理部4は、両ピーク値が同等であると判断すると、電流値減少後のピーク値は飽和しているため、以降の処理として、筋弛緩後刺激タイミング毎に直前の刺激電流値からさらに所定電流値分だけ減少させた刺激電流値の電気刺激に基づく振幅のピーク値を検出する。続いて、キャリブレーション処理部4は、今回検出した振幅のピーク値と、直前に取得した振幅のピーク値とを比較して、今回検出したピーク値が減少したことを確認すると、電流値減少前の刺激電流値を、被検者の最大刺激の刺激電流値として検出する。そして、キャリブレーション処理部4は、最大刺激の刺激電流値に所定電流値を加算させた刺激電流値を、最大上刺激の刺激電流値として取得する。
【0063】
そして、キャリブレーション処理部4は、筋弛緩前キャリブレーションモードに基づく処理が終了したか否かの判断を行い(ST45)、終了したと判断すると(ST45-Yes)、現在実行中の筋弛緩監視モードで使用中の緊急用刺激電流値から、キャリブレーション処理によって取得した最大上刺激の刺激電流値に変更し(ST46)、図2のST2に移行する。これにより、緊急時にキャリブレーション処理が実行できなかった場合であっても、現在の被検者における最大上刺激の刺激電流値を用いて安定した筋弛緩監視処理が実行可能となる。
【0064】
一方、ST45において、キャリブレーション処理部4は、筋弛緩前キャリブレーションモードに基づく処理が終了していないと判断すると(ST45-No)、再度ST44に戻って筋弛緩後キャリブレーションモードに基づく処理を継続させる。
【0065】
[作用効果]
以上説明したように、本実施形態に係る筋弛緩監視装置1は、被検者の観察部位となる神経に対して所定の刺激タイミングで所定の刺激電流値の電気刺激を行い、電気刺激による筋の刺激反応に基づく電気信号の振幅のピーク値に基づいて、被検者の最大刺激を超える最大上刺激の刺激電流値を取得するキャリブレーション処理を行うキャリブレーション処理部4を備え、キャリブレーション処理部4は、被検者が覚醒状態のときは、刺激タイミングとして予め設定された第1の刺激タイミングである筋弛緩前刺激タイミングでキャリブレーション処理を行い、被検者が筋弛緩状態のときは、刺激タイミングとして第1の刺激タイミングよりも長い周期となる第2の刺激タイミングである筋弛緩後刺激タイミングでキャリブレーション処理を行う。
【0066】
筋弛緩状態の被検者は、覚醒状態のときと比べて筋が収縮してから収縮前の状態に回復するまでに時間を要するが、被検者が筋弛緩状態のときは、第1の刺激タイミングよりも長い周期に設定された第2の刺激タイミングに基づいてキャリブレーション処理を行うため、筋弛緩状態の被検者に応じた最大上刺激の刺激電流値を取得することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る筋弛緩監視装置1において、第2の刺激タイミングとなる筋弛緩後刺激タイミングは、筋弛緩薬投与後の筋弛緩状態の筋が、電気刺激によって収縮を開始してから筋収縮前の状態に回復するまでの時間に基づいて、0.5Hz~1Hzの範囲で設定される。
【0068】
生理学的反応として、筋が収縮してから収縮前の状態に回復するまで約1秒程度かかる。そのため、筋弛緩状態の被検者に対してキャリブレーション処理を行う場合は、第2の刺激タイミングである筋弛緩後刺激タイミングを、生理学的知見に基づいて0.5Hz~1Hzの範囲で設定することで、筋弛緩状態の被検者に応じた最大上刺激の刺激電流値を取得することができる。
【0069】
また、本実施形態に係る筋弛緩監視装置1は、筋弛緩後の被検者に対する前記キャリブレーション処理は、筋弛緩後の被検者に対する電気刺激の刺激反応が確認可能なときに実行される。
【0070】
これにより、被検者が筋弛緩状態のときであっても、筋に対する電気刺激の刺激反応が確認できるため、筋弛緩状態の被検者に応じた最大上刺激の刺激電流値を取得することができる。
【0071】
また、本実施形態に係るキャリブレーション処理方法は、被検者が覚醒状態のときは、刺激タイミングとして予め設定された第1の刺激タイミングで刺激電流値の電気刺激を行って、筋の刺激反応に基づく電気信号の振幅のピーク値を検出する処理と、被検者が筋弛緩状態のときは、刺激タイミングとして第1の刺激タイミングよりも長い周期となる第2の刺激タイミングで刺激電流値の電気刺激を行って、筋の刺激反応に基づく電気信号の振幅のピーク値を検出する処理と、を含む。
【0072】
筋弛緩状態の被検者は、覚醒状態のときと比べて筋が収縮してから収縮前の状態に回復するまでに時間を要するが、被検者が筋弛緩状態のときは、第1の刺激タイミングよりも長い周期に設定された第2の刺激タイミングによりキャリブレーション処理を行うため、筋弛緩状態の被検者に応じた最大上刺激の刺激電流値を取得することができる。
【0073】
なお、上述した本実施形態において、筋弛緩監視装置1として被検者の筋電位に基づいて手術中の筋弛緩状態又は覚醒状態を監視する電位感知型筋弛緩モニタを使用した実施形態について説明したが、被検者の最大上刺激の刺激電流値を取得するキャリブレーション処理が実施される筋弛緩モニタであれば、特に限定されない。筋弛緩監視装置1の他の形態としては、例えば加速度トランスデューサを使用する加速度感知型筋弛緩モニタ(acceleromyography:AMG)のような、観察部位となる筋の筋収縮状態を逐次観測して被検者の筋弛緩状態が客観的に監視可能な装置としてよい。
【0074】
また、上述した本実施形態において、筋弛緩監視装置1の入出力部2は、筋弛緩監視装置1で取得した刺激反応値を接続先となる生体情報モニタ100の画面上に表示する形態で説明したが、これに限定されない。刺激反応値の表示先としては、筋弛緩監視装置1に刺激反応値を表示することが可能な表示部を備えた構成としてよい。さらに、刺激反応値の表示先を、筋弛緩監視装置1とは別体の表示機器(例えば、有機又は無機ELディスプレイ、液晶ディスプレイのような表示機器、スマートフォン又はタブレット端末のような携帯端末など)としてもよい。
【0075】
また、上述した本実施形態において、術前にキャリブレーション処理が行われなかった場合に、それを検知し、術中にキャリブレーション処理を実施するように促す通知を行う機能(通知機能)を追加してよい。この通知機能を実現するため、ユーザに所定の表示通知(点灯・点滅)、鳴動通知を行う通知部を具備させ、制御部9が術前にキャリブレーション処理が行われていないと判断したときに、通知するようにしてよい。なお、通知タイミングとしては、例えば筋弛緩監視装置1でキャリブレーション処理が実施可能な期間内としてよい。
【符号の説明】
【0076】
1 筋弛緩監視装置
2 入出力部
3 モード設定部
4 キャリブレーション処理部
5 刺激モード設定部
6 刺激発生部
7 反応検出部
8 操作部
9 制御部
10 記憶部
20 刺激電極部(20a、20b 刺激電極)
30 検出電極部(30a、30b 検出電極)
100 生体情報モニタ
図1
図2
図3