(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】落下防止構造体及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
E04B 1/41 20060101AFI20230809BHJP
E04B 9/00 20060101ALI20230809BHJP
F16B 13/06 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
E04B1/41 503G
E04B9/00 Z
F16B13/06 A
(21)【出願番号】P 2019205681
(22)【出願日】2019-11-13
【審査請求日】2022-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000129758
【氏名又は名称】株式会社ケー・エフ・シー
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100179213
【氏名又は名称】山下 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100170542
【氏名又は名称】桝田 剛
(72)【発明者】
【氏名】岡本 康治
(72)【発明者】
【氏名】野村 展生
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-031389(JP,A)
【文献】特開平05-052209(JP,A)
【文献】特開2008-031685(JP,A)
【文献】米国特許第04884931(US,A)
【文献】実開昭62-070543(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/41
E04B 9/00
F16B 13/06
F16B 1/00
E21F 11/00,17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸体及び筒状のアウターを備えるアンカーと、
ワイヤと、
を備え、
前記軸体は、一方向に延びて、一端部及び他端部を有し、
前記一端部には、テーパが設けられ、
前記他端部には、前記ワイヤを係止するように構成された係止部が設けられ、
前記アウターは、一方向に貫通する貫通孔を有することで、前記軸体に装着されるように構成され、
前記アウターの端部には、前記軸体の前記テーパが外側から前記貫通孔内に進入することで拡がるように構成された拡開部が設けられ、
取付物が取り付けられるコンクリートには穿孔が設けられ、当該穿孔の底部には孔底に向けて径が拡がるように形成された拡底部が設けられ、前記アンカーは、前記軸体に前記アウターを装着し、かつ前記アウターの前記拡開部が前記拡底部において拡がった状態で配置されるように前記穿孔に打設され、
前記ワイヤは、前記アンカーの前記軸体に対して前記穿孔から引き抜く方向に
常時力を作用させた状態で取付物及び前記軸体の前記係止部の間に架け渡さ
れ、
前記コンクリートは、設計基準強度が30N/mm
2
を超えて100N/mm
2
以下である高強度コンクリートにより構成される、
落下防止構造体。
【請求項2】
前記ワイヤの長さを調節するように構成された調節具を更に備える、
請求項1に記載の落下防止構造体。
【請求項3】
前記拡開部は、前記アウターの外壁面に周方向に沿って他の部分よりも厚みが薄くなるように形成された肉薄部及び周方向に分割して配置され、前記端部から前記肉薄部に延びる複数の切り込みにより構成される、
請求項1
または2に記載の落下防止構造体。
【請求項4】
コンクリートに穿孔を形成する工程と、
前記穿孔の底部に、孔底に向けて径が拡がるように構成された拡底部を形成する工程と、
軸体及び筒状のアウターを備えるアンカーを前記穿孔に打設する工程であって、
前記軸体は、一方向に延びて、一端部及び他端部を有し、
前記一端部には、テーパが設けられ、
前記他端部には
、ワイヤを係止するように構成された係止部が設けられ、
前記アウターは、一方向に貫通する貫通孔を有することで、前記軸体に装着されるように構成され、
前記アウターの端部には、前記軸体の前記テーパが外側から前記貫通孔内に進入することで拡がるように構成された拡開部が設けられ、
前記アンカーは、前記軸体に前記アウターを装着し、かつ前記アウターの前記拡開部が前記拡底部において拡がった状態で配置されるように前記穿孔に打設される、
工程と、
前記ワイヤを、前記アンカーの前記軸体に対して前記穿孔から引き抜く方向に
常時力を作用させた状態で、前記コンクリートに取り付けられた取付物及び前記軸体の前記係止部の間に架け渡す工程と、
を備
え、
前記コンクリートは、設計基準強度が30N/mm
2
を超えて100N/mm
2
以下である高強度コンクリートにより構成される、
落下防止構造体の施工方法。
【請求項5】
前記架け渡す工程では、前記ワイヤの長さを調節するように構成された調節具により、前記ワイヤの長さを短くすることで、前記アンカーの前記軸体に対して前記穿孔から引き抜く方向に力を作用させた状態にする、
請求項
4に記載の落下防止構造体の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、落下防止構造体及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリートの壁面等に物(以下、「取付物」とも記載する)を取り付けた際に、取付物を取り付けるためのインサート、アンカー、ボルト等の取付具とは別に、あと施工アンカーを打設し、あと施工アンカーに支持させたワイヤを取付物にたるんだ状態で取り付ける二重落下防止策が知られている。この二重落下防止策では、万が一に取付具から取付物が外れてしまった場合に、あと施工アンカーに支持されたワイヤにより取付物の落下を防止することができる。ワイヤを支持するあと施工アンカーには、雌ネジタイプのアイボルトを使用したり、軸体の頭部にワイヤを係止するための係止部を設けた拡張式アンカー(例えば、特許文献1、2)を使用したりする方法が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-223284号公報
【文献】特開2018-31389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本件発明者らは、従来の二重落下防止策に次のような問題点があることを見出した。すなわち、あと施工アンカーの設計指針である「日本建築学会 各種合成構造設計指針 2010」には、金属製のあと施工アンカーを打設する母材コンクリートの設計基準強度上限を30(N/mm2)とすることが記載されている。この理由は、設計基準強度が30(N/mm2)を超える高強度コンクリートに一般的な金属拡張式のアンカーを使用した場合、コンクリートが硬すぎてアンカーの拡径部が拡径できず、これにより、アンカーが打ち込み不足となることが報告されているためである。
【0005】
従来のあと施工アンカーを用いる方法は、設計基準強度が30(N/mm2)以下の一般的なコンクリートに対して、十分な二重落下防止策として作用し得る。一方、シールドトンネルに用いられるRCセグメント等には、一般的に、設計基準強度が40~50(N/mm2)程度の高強度コンクリートが使用されている。このシールドトンネル等に用いられる高強度コンクリートに対して従来方法を採用した場合に、あと施工アンカーの支持するワイヤに、取付具以上の支持力を期待することができるかどうかには不安が残る。
【0006】
更には、地震、事故等によって全ての取付具が一度に外れた場合、あと施工アンカーには、静的な荷重ではなく、衝撃荷重が作用する。このとき、コンクリートに取り付けられた拡張式のアンカーの拡径部の孔壁に対する食い付きが甘いと、あと施工アンカーが、衝撃荷重により穿孔から抜け出してしまい、落下防止策として役に立たなくなってしまう可能性がある。特に、高強度コンクリートでは、孔壁が固く、拡径部が拡がり難いため、孔壁に対する拡径部の食い付きが甘くなりやすく、あと施工アンカーの抜け出しが生じやすくなってしまう。
【0007】
本発明は、一側面では、このような点を考慮してなされたものであり、その目的は、コンクリートに取り付けられた取付物の落下をより適正に防止する二重落下防止対策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0009】
すなわち、本発明の一側面に係る落下防止構造体は、軸体及び筒状のアウターを備えるアンカーと、ワイヤと、を備える。前記軸体は、一方向に延びて、一端部及び他端部を有する。前記一端部には、テーパが設けられ、前記他端部には、前記ワイヤを係止するように構成された係止部が設けられる。前記アウターは、一方向に貫通する貫通孔を有することで、前記軸体に装着されるように構成される。前記アウターの端部には、前記軸体の前記テーパが外側から前記貫通孔内に進入することで拡がるように構成された拡開部が設けられる。取付物が取り付けられるコンクリートには穿孔が設けられ、当該穿孔の底部には孔底に向けて径が拡がるように形成された拡底部が設けられ、前記アンカーは、前記軸体に前記アウターを装着し、かつ前記アウターの前記拡開部が前記拡底部において拡がった状態で配置されるように前記穿孔に打設される。前記ワイヤは、前記アンカーの前記軸体に対して前記穿孔から引き抜く方向に力を作用させた状態で取付物及び前記軸体の前記係止部の間に架け渡される。
【0010】
当該構成では、コンクリートにおける穿孔の孔底側の一部(底部)に、径が拡がるように拡底部が設けられ、アンカーは、軸体にアウターを装着し、軸体のテーパによりアウターの拡開部が拡がった状態で拡底部に配置されるように穿孔に打設される。これにより、コンクリートが、設計基準強度が30(N/mm2)以下の一般的なコンクリートにより構成された場合に限らず、設計基準強度が30(N/mm2)を超える高強度コンクリートにより構成された場合でも、拡底部に配置されたアウターの拡開部が抜け止めとなり、コンクリートに対する定着力をアンカーに生じさせることができる。更には、アンカーと取付物との間に架け渡すワイヤにより、軸体に対して穿孔から引き抜く方向に力を作用させることで、テーパによるアウターの拡開部の拡開を確実にし、かつ拡開部による拡底部に対する機械的な定着力を常時生じさせることができる。これにより、衝撃荷重等のような大きな引抜力がアンカーに生じても、当該アンカーの穿孔からの抜け出しを防止することができる。したがって、当該構成によれば、コンクリートに取り付けられた取付物の落下をより適正に防止する二重落下防止対策を提供することができる。
【0011】
上記一側面に係る落下防止構造体は、前記ワイヤの長さを調節するように構成された調節具を更に備えてもよい。当該構成によれば、調節具により、軸体に対して穿孔から引き抜く方向に力を作用させた状態で取付物と軸体の係止部の間にワイヤを架け渡す作業の簡易化を図ることができる。
【0012】
上記一側面に係る落下防止構造体において、前記コンクリートは、設計基準強度が30N/mm2を超えて100N/mm2以下である高強度コンクリートにより構成されてもよい。当該構成によれば、高強度コンクリートにおいて、取付物の落下をより適正に防止することができる。
【0013】
上記一側面に係る落下防止構造体において、前記拡開部は、前記アウターの外壁面に周方向に沿って他の部分よりも厚みが薄くなるように形成された肉薄部及び周方向に分割して配置され、前記端部から前記肉薄部に延びる複数の切り込みにより構成されてもよい。当該構成によれば、テーパにより拡がりやすい拡開部を提供することができ、これにより、拡開部による拡底部に対する定着力を生じさせやすくすることができる。
【0014】
また、本発明の一側面に係る落下防止構造体の施工方法は、コンクリートに穿孔を形成する工程と、前記穿孔の底部に、孔底に向けて径が拡がるように構成された拡底部を形成する工程と、軸体及び筒状のアウターを備えるアンカーを前記穿孔に打設する工程であって、前記軸体は、一方向に延びて、一端部及び他端部を有し、前記一端部には、テーパが設けられ、前記他端部には、前記ワイヤを係止するように構成された係止部が設けられ、前記アウターは、一方向に貫通する貫通孔を有することで、前記軸体に装着されるように構成され、前記アウターの端部には、前記軸体の前記テーパが外側から前記貫通孔内に進入することで拡がるように構成された拡開部が設けられ、前記アンカーは、前記軸体に前記アウターを装着し、かつ前記アウターの前記拡開部が前記拡底部において拡がった状態で配置されるように前記穿孔に打設される、工程と、ワイヤを、前記アンカーの前記軸体に対して前記穿孔から引き抜く方向に力を作用させた状態で、前記コンクリートに取り付けられた取付物及び前記軸体の前記係止部の間に架け渡す工程と、を備える。上記のとおり、当該構成によれば、コンクリートに取り付けられた取付物の落下をより適正に防止する二重落下防止対策を提供することができる。
【0015】
上記一側面に係る落下防止構造体の施工方法において、前記架け渡す工程では、前記ワイヤの長さを調節するように構成された調節具により、前記ワイヤの長さを短くすることで、前記アンカーの前記軸体に対して前記穿孔から引き抜く方向に力を作用させた状態にしてもよい。当該構成によれば、調節具により、軸体に対して穿孔から引き抜く方向に力を作用させた状態で取付物と軸体の係止部の間にワイヤを架け渡す工程の簡易化を図ることができる。
【0016】
上記一側面に係る落下防止構造体の施工方法において、前記コンクリートは、設計基準強度が30N/mm2を超えて100N/mm2以下である高強度コンクリートにより構成されてよい。当該構成によれば、高強度コンクリートにおいて、取付物の落下をより適正に防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、コンクリートに取り付けられた取付物の落下をより適正に防止する二重落下防止対策を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る落下防止構造体の使用状態の一例を示す。
【
図2】
図2は、実施の形態に係るアンカーの一例を示す正面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るアンカーの一例を示す左側面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係るアンカーの一例を示す平面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係るアンカーの一例を示す断面図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る軸体の一例を示す正面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係るアンカーの一例を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、実施の形態に係るアンカー(拡開状態)の一例を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、実施の形態に係る取付物が取付ボルトから外れた場面の一例を示す。
【
図13】
図13は、実施例及び比較例のアンカーに対する引張載荷試験の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、以下の説明では、説明の便宜のため、図面内の向きを基準として説明を行う。
【0020】
§1 構成例
まず、
図1を用いて、本実施形態に係る落下防止構造体1の一例を説明する。
図1は、本実施形態に係る落下防止構造体1の使用状態の一例を示す。
【0021】
本実施形態に係る落下防止構造体1は、構造物の躯体を構成するコンクリート8に取り付けられた取付物7の二重落下防止策として利用される。構造物は、例えば、トンネル、高架橋、建築構造物等であってよい。躯体は、例えば、覆工コンクリートの側壁、アーチ、桁、梁、橋脚、柱、高欄、天井、壁等であってよい。コンクリート8は、設計基準強度が30N/mm2を超えて100N/mm2以下である高強度コンクリートにより構成されてよい。設計基準強度は、例えば、そのコンクリートを打設した時の設計資料等により確認可能である。取付物7は、例えば、防音壁、遮音壁、化粧板、照明器具、灯具、電気設備用ケーブル、標識、交通表示板、案内看板、換気装置、監視カメラ、その他道路等の構造物に付属する設備、建築構造物に取り付けられる看板、配管、電気設備等であってよい。構造物が、高速道路である場合、取付物7は、例えば、トンネル照明設備、可変式速度規制標識設備、VI設備、CCTVカメラ設備、避難誘導灯標識設備、トンネル内風向風速計、空中線、トンネル坑口拡声スピーカー、トンネル不感対策設備等の高速道路の構造物に付帯する設備であってよい。取付物7は、コンクリート8に適宜取り付けられてよい。本実施形態では、取付物7は、本体部71及び4つの足部72を備えている。各足部72は、本体部71の四角それぞれに設けられている。各足部72は、取付ボルト73によりコンクリート8の壁面80に固定される。これにより、取付物7は、コンクリート8に取り付けられている。
【0022】
本実施形態に係る落下防止構造体1は、アンカー2及びワイヤ5を備えている。アンカー2は、軸体3及び筒状のアウター4を備えている。アンカー2は、軸体3にアウター4を装着した状態でコンクリート8に打設される。ワイヤ5は、アンカー2と取付物7との間に架け渡される。ワイヤ5を架け渡す方法は任意でよい。本実施形態では、ワイヤ5の一方の端部は、シャックル60を介してアンカー2の軸体3に取り付けられる。ワイヤ5の他方の端部は、取付物7に巻き回される。これにより、本実施形態に係る落下防止構造体1は、取付物7が支持不良に陥った際に、取付物7を支持することで、取付物7の落下を防止することができる。なお、
図1の例では、落下防止構造体1は、2つのアンカー2及び2つのワイヤ5を備えている。しかしながら、落下防止構造体1を構成するアンカー2及びワイヤ5の数はそれぞれ、2つに限られなくてよく、任意に選択されてよい。
【0023】
[アンカー]
まず、
図2~
図9を更に用いて、本実施形態に係るアンカー2の一例を模式的に例示する。
図2、
図3、
図5、
図6、及び
図8は、本実施形態に係るアンカー2の打設前の状態の一例を示す正面図、左側面図、平面図、断面図、及び斜視図である。
図4は、
図2のA-A線の矢視端面図である。
図7は、実施形態に係る軸体3の一例を示す正面図である。
図9は、本実施形態に係るアンカー2の打設後の状態の一例を示す斜視図である。本実施形態に係るアンカー2は、全体的に棒状に形成されており、コンクリート8に打設可能に構成されている。
【0024】
本実施形態に係る軸体3は、一方向(以下、「長手方向」とも記載する)に延びる本体部30を備えており、本体部30は、長手方向の一方の端に一端部31、他方の端に他端部32を有している。これにより、本実施形態に係る軸体3は、一方向に延びて、一端部31及び他端部32を有するように構成されている。一方向(長手方向)は、「軸方向」とも称されてよい。
【0025】
本実施形態では、本体部30は、円柱状(すなわち、長手方向に垂直な断面が円形状)に形成されている。一端部31には、端に向けて(すなわち、端に近付くにつれて)径が大きくなるよう形成されたテーパ311が設けられている。テーパ311の径は、長手方向に垂直な方向(
図2の上下方向)の長さである。これに対して、他端部32には、ワイヤ5を係止するように構成された係止部321が設けられる。本実施形態では、他端部32は、やや丸みを帯びた矩形の平板状に形成されており、平板状の部分には、厚み方向(
図5の上下方向)に貫通する円形状の貫通孔が設けられている。貫通孔の径は、シャックル60のボルトが挿通可能に適宜決定されてよい。本実施形態に係る係止部321は、この他端部32に設けられた貫通孔により構成されている。ただし、係止部321の構成は、このような例に限定されなくてもよく、ワイヤ5を係止可能であれば、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。後述するとおり、本実施形態では、軸体3は、コンクリート8の穿孔の底部の方に一端部31を向けて挿入される。そのため、一端部31は、「先端部」と称されてよく、他端部32は、「後端部」と称されてよい。
【0026】
一方、本実施形態に係るアウター4は、一方向に貫通する貫通孔45を有することで、軸体3に装着されるように構成されている。本実施形態では、アウター4は、円筒状(すなわち、長手方向に垂直な断面が円形状)に形成されている。アウター4の内径、すなわち、貫通孔45の内壁面451の径(
図6の上下方向の長さ)は、軸体3の本体部30の外径とほぼ同じ又はやや大きくなっている。これにより、アウター4は、初期状態において、軸体3の本体部30が貫通孔45に挿通していることで軸体3に装着される。他方、
図2等に示されるとおり、軸体3のテーパ311の最大径は、アウター4の内径より大きく、アウター4の外径(すなわち、外壁面40の径(
図2の上下方向の長さ))とほぼ同じになっている。同様に、
図3等に示されるとおり、軸体3の他端部32の幅(
図2の上下方向の長さ)は、アウター4の内径より大きく、アウター4の外径とほぼ同じ又はやや小さくなっている。これにより、本実施形態に係るアウター4は、一端部31のテーパ311及び他端部32がそれぞれ抜け止めとなって、軸体3のそれぞれの端部(31、32)側から離脱しないように構成されている。
【0027】
本実施形態に係るアウター4は、先端部41及び後端部43を有している。アウター4は、軸体3の一端部31(テーパ311)に先端部41を向けて装着される。先端部41は、本発明のアウターの「端部」の一例である。先端部41には、軸体3のテーパ311が外側から貫通孔45内に進入することで拡がるように構成された拡開部411が設けられる。本実施形態に係る拡開部411は、先端部41側に設けられた肉薄部412及び複数の切り込み413により構成される。これにより、本実施形態に係る拡開部411は、テーパ311の進入により拡がりやすくなっている。
【0028】
具体的に、アウター4の外壁面40には、中央よりもやや先端部41側に、周方向に沿って延びる溝部が設けられている。周方向は、長手方向周りの方向である。肉薄部412は、この溝部により、アウター4の外壁面40に周方向に沿って他の部分よりも厚みが薄くなるように形成されている。他方、
図2、
図4等に示されるとおり、複数の切り込み413は、周方向に分割して配置され、先端部41から肉薄部412に延びている。この複数の切り込み413により、アウター4の先端部41側の一部分は、複数の端片414に分割されている。これらにより、
図9に例示されるとおり、拡開部411は、軸体3のテーパ311が貫通孔45に進入することで、各端片414が内壁面451側から外側に向けて押し出され、肉薄部412側に折れ曲がり、羽のように拡がるように構成されている。
【0029】
なお、
図4の例では、アウター4には、6つの切り込み413が設けられている。しかしながら、切り込み413の数は、6つに限られなくてよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。また、拡開部411の構成は、テーパ311により拡がることができれば、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。更に、本実施形態では、テーパ311は、側面の角度が一定の円錐状に形成されている。しかしながら、テーパ311の形状及び度合は、拡開部411を拡げることができれば、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。
【0030】
図8に示されるとおり、アウター4は、初期状態において、拡開部411が拡がっていない状態で軸体3に装着されている。すなわち、初期状態では、軸体3のテーパ311は、拡開部411の外側(先端部41に接する又は先端部41から離れた位置)に配置される。他方、
図9に示されるとおり、アンカー2は、拡開部411がテーパ311により拡がった状態で穿孔内に配置されるように打設される。つまり、アンカー2を穿孔内に打設する際に、アウター4は、拡開部411の位置にテーパ311が配置されるように、軸体3の一端部31の方向に変位させられる。
図7に示されるとおり、軸体3には、この変位の目安となるマーカ301が設けられている。マーカ301は、初期状態(
図8)では貫通孔45内に隠れ、打設後の状態(
図9)では後端部43から外側に現れる位置に適宜配置される。
【0031】
<アンカーの製造方法>
アンカー2は、上記各構成要素を有するように適宜製造されてよい。一例として、まず、軸体3を形成するための円柱状の棒状部材を用意する。棒状部材の一方の端部には、先端に行くに従って径が大きくなるよう構成されたテーパ311を適宜形成する。次に、アウター4を適宜加工して用意し、棒状部材の他方の端部側からアウター4を装着する。そして、棒状部材の他方の端部、すなわち、アウター4から突出した部分を圧し潰し、アウター4の内径よりも幅の大きい板状に成形する。更に、この板状の部分に貫通孔を形成することで、係止部321を設ける。これにより、上記アンカー2を製造することができる。
【0032】
なお、軸体3及びアウター4の材料は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。軸体3及びアウター4の材料には、例えば、ステンレス鋼等の金属が用いられてよい。なお、異種金属の接触による腐食を避けるため、軸体3、アウター4、シャックル60、及びワイヤ5の材料は同一であることが好ましい。
【0033】
[ワイヤ]
次に、ワイヤ5について説明する。ワイヤ5は、アンカー2の軸体3に対して穿孔から引き抜く方向に力を作用させた状態で取付物7及び軸体3の係止部321の間に架け渡される。
図1に示されるとおり、本実施形態では、落下防止構造体1は、ワイヤ5の長さを調節するように構成された調節具51を備えている。調節具51は、ワイヤ5の長さを調節するように構成される。調節具51には、公知の調節具が用いられてよい。本実施形態では、調節具51には、くさび型の調節具が採用されている。端部52を引き出す長さを変更することで、取付物7及び軸体3の間に架け渡されるワイヤ5の長さを適宜調節可能に構成されている。ワイヤ5及び調節具51の材料は、実施形態に応じて適宜選択されてよい。ワイヤ5には、例えば、ステンレス鋼製のワイヤが用いられてよい。
【0034】
§2 施工方法
次に、
図10A~
図10Gを用いて、本実施形態に係る落下防止構造体1の施工方法の一例を説明する。
図10A~
図10Gは、本実施形態に係る落下防止構造体1の施工過程の一例を示す。
【0035】
まず、
図10Aに例示されるとおり、ドリル等によって、コンクリート8の壁面80に穿孔81(削孔)を形成する。穿孔81の内径は、軸体3のテーパ311の最大径及びアウター4の外径よりも僅かに大きくする。一方、穿孔81の内径は、テーパ311により拡げられた状態の拡開部411の最大径よりも小さくする。穿孔81の深さ(すなわち、開口部から孔底82までの長さ)は、アンカー2を打設した後、係止部321にワイヤ5を係止可能な程度に他端部32が穿孔81から外側に露出するように適宜決定されてよい。これにより、コンクリート8には、アンカー2を挿入可能な穿孔81が設けられる。
【0036】
次に、
図10Bに例示されるとおり、穿孔81の底部83に、孔底82に向けて(すなわち、孔底82に近付くにつれて)径が拡がるように構成された拡底部831を形成する。底部83は、穿孔81の孔底82側の一部分である。底部83には、孔底82が含まれてもよいし、孔底82が含まれなくてもよい。拡底部831の形成には、公知のツール(例えば、特許5502684号公報)が用いられてよい。これにより、穿孔81には、拡がった状態の拡開部411を配置可能な拡底部831が設けられる。なお、拡底部831は、テーパ311により拡げられた拡開部411の形状に適合する形状に形成されるのが好ましい。
【0037】
次に、
図10C~
図10Eに例示されるとおり、アンカー2を穿孔81に打設する。具体的には、
図10Cに例示されるとおり、一端部31及び先端部41を孔底82に向けて、テーパ311が拡底部831に到達するまで、初期状態のアンカー2を穿孔81に挿入する。続いて、
図10Dに例示されるとおり、アウター4の後端部43のみを打撃し、アウター4の先端部41を軸体3の一端部31の方向に変位させる。この打撃には、任意のツールが用いられてよい。
【0038】
図10Dの例では、アウター4の打撃には、打撃部材91及びハンマー92が用いられている。打撃部材91は、円弧状に形成されており、軸体3の他端部32を挿入可能に形成された中空部及びアウター4の後端部43に当接可能に形成された円弧状の先端部を備えている。この例では、打撃部材91の中空部に軸体3の他端部32を配置し、打撃部材91の先端部をアウター4の後端部43に当接させる。この状態で、打撃部材91の後端部をハンマー92により打撃する。これにより、アウター4の後端部43のみを打撃し、アウター4の先端部41を軸体3の一端部31の方向に変位させることができる。
【0039】
この軸体3に対するアウター4の変位により、軸体3の一端部31に設けられたテーパ311が、アウター4の拡開部411において貫通孔45内に進入する。拡開部411は、貫通孔45に進入したテーパ311により、各端片414が内壁面451側から外側に向けて押し出され、肉薄部412側に折れ曲がることで、羽のように拡がる。これにより、
図10Eに例示されるとおり、本実施形態に係るアンカー2は、軸体3にアウター4を装着し、かつアウター4の拡開部411が拡底部831において拡がった状態で配置されるように穿孔81に打設される。
【0040】
なお、アウター4の内径は、テーパ311の最大径よりも短くなっている。そのため、貫通孔45内において、拡開部411が設けられた部分よりも後端部43側にはテーパ311は進入せず、拡開部411が拡がった適当な状態で、アウター4の変位は停止する。本実施形態では、マーカ301が見えるまで、アウター4を打撃することで、拡底部831において拡開部411を適切に拡がった状態にすることができる。
【0041】
次に、
図10F及び
図10Gに例示されるとおり、ワイヤ5を、アンカー2の軸体3に対して穿孔81から引き抜く方向に力を作用させた状態で、コンクリート8に取り付けられた取付物7及び軸体3の係止部321の間に架け渡す。本実施形態では、係止部321にシャックル60を取り付ける。続いて、ワイヤ5の一方の端部を、シャックル60を介して軸体3の係止部321に取り付ける。そして、ワイヤ5の他方の端部を取付物7に巻き回す。これにより、取付物7及び軸体3の係止部321の間にワイヤ5を架け渡すことができる。
【0042】
また、本実施形態では、調節具51を利用して、ワイヤ5の長さを調節することで、軸体3に対して穿孔81から引き抜く方向に力を作用させることができる。具体的には、端部52を引き出す長さを大きくすることで、取付物7及び軸体3の間に架け渡されるワイヤ5の長さを短くする。これにより、ワイヤ5を、軸体3に対して穿孔81から引き抜く方向に力を作用させた状態にすることができる。軸体3に作用させる力の大きさは任意でよい。例えば、ワイヤ5の長さは、たるまない程度に、すなわち、取付物7及び軸体3の間を張った状態で架け渡される程度に適宜調節されてよい。この調節具51により、このワイヤ5を架け渡す工程を簡易化することができる。ワイヤ5を架け渡す工程が完了することにより、落下防止構造体1の施工は完了する。なお、取付物7は、ワイヤ5を架け渡す前までの任意のタイミングでコンクリート8に取り付けられてよい。
【0043】
[特徴]
本実施形態では、コンクリート8における穿孔81の孔底82側の一部(底部83)には、径が拡がるように形成された拡底部831が設けられる。アンカー2は、軸体3にアウター4を装着し、軸体3のテーパ311によりアウター4の拡開部411が拡がった状態で拡底部831に配置されるようにコンクリート8の穿孔81に打設される。これにより、コンクリート8が、設計基準強度が30(N/mm2)を超える高強度コンクリートにより構成された場合でも、アウター4の拡開部411を穿孔81の孔壁に食い込ませる訳ではなく、拡底部831に配置されたアウター4の拡開部411を抜け止めとして作用させるため、コンクリート8に対する定着力をアンカー2に安定的に生じさせることができる。更には、アンカー2と取付物7との間に架け渡すワイヤ5により、軸体3に対して穿孔81から引き抜く方向に力を作用させることで、テーパ311によるアウター4の拡開部411の拡開を確実にし、かつ拡開部411による拡底部831に対する機械的な定着力を常時生じさせることができる。
【0044】
図11は、本実施形態に係る取付物7が取付ボルト73から外れた場面の一例を示す。
図11に例示されるとおり、取付物7が全ての取付ボルト73から外れることで、衝撃荷重等のような大きな引抜力がアンカー2に生じても、上記拡開部411による拡底部831に対する定着力により、アンカー2の穿孔81からの抜け出しを防止することができる。また、交通振動等の継続的な荷重が取付物7に作用しても、ワイヤ5の張力によりアンカー2の定着力が常時生じているため、アンカー2の穿孔81からの抜け出しを防止することができる。したがって、本実施形態によれば、コンクリート8に取り付けられた取付物7の落下をより適正に防止する二重落下防止対策を提供することができる。
【0045】
§3 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良又は変形が行われてよい。例えば、上記落下防止構造体1の各構成要素に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が行われてもよい。また、上記落下防止構造体1の各構成要素の形状及び大きさは、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。
【0046】
例えば、上記実施形態において、シャックル60は省略されてよい。また、ワイヤ5の長さを直接的に調節する場合には、調節具51は省略されてよい。アンカー2の係止部321の形状は、板状に圧し潰されているものに限られなくてもよい。アンカー2の係止部321の形状は、例えば、軸体3の本体部30に連続した円柱状のままであってよく、その円柱状部分に貫通穴を設けることで係止部321が形成されていてもよい。或いは、係止部321には、他の形態が採択されてよい。
【0047】
§4 実施例
上記作用効果を検証するために、以下の実施例を作製した。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0048】
図12Aは、作製した実施例のアンカーの構成を示す。軸体3の他端部32の形状を除き、上記実施形態と同様の構成を有する第1実施例に係るアンカーを作製した。アンカーの他端部には、軸体に引張力を載荷する油圧ジャッキを取り付けるための雄ネジ部325を形成した。軸体の径は、24mmにし、軸体の長さは、200mmにした。アウターの内径は、24.5mmにし、アウターの外径は、40mmにした。アウターの長さは、140mmにした。軸体及びアウターには、SUS304のステンレス鋼材を利用した。アンカーを打設するコンクリートには、設計基準強度が60N/mm
2である高強度コンクリートを採用した。上記実施形態と同様に、コンクリートには穿孔を形成し、穿孔の底部には、拡底部を形成した。穿孔の径は、テーパにより拡げられた拡開部の径よりも小さくし、拡底部の大きさは、この拡がった状態の拡開部と同程度にした。軸体のテーパによりアウターの拡開部が拡がった状態で拡底部に配置されるようにアンカーをコンクリートの穿孔に打設した。これにより、第1実施例を作製した。また、第1実施例と同様の構成で第2実施例を作製した。
【0049】
図12Bは、作製した比較例のアンカー95の構成を示す。
図12Bに示されるとおり、軸体96及びスリーブ97を備える第1比較例に係るアンカー95を作製した。軸体96の他端部には、雄ネジ部965を形成した。軸体96の先端部には、実施例よりも小さいテーパ率を有するテーパ961を形成した。スリーブ97の先端部には、このテーパ961により径が拡がる拡径部971を形成した。軸体96及びスリーブ97の寸法は、上記実施例の軸体及びアウターと同程度にした。アンカー95を打設するコンクリートには、上記実施例と同様の高強度コンクリートを採用した。ただし、コンクリートには、コンクリートには、穿孔を形成したものの、実施例とは異なり拡底部は形成しなかった。テーパ961により拡径部971が拡がり、拡がった状態の拡径部971が孔壁に食い込むように、第1比較例に係るアンカー95をコンクリートの穿孔に打設した。これにより、第1比較例を作製した。また、第1比較例と同様の構成で第2比較例を作製した。
【0050】
次に、各実施例及び各比較例の軸体の雄ネジ部(325、965)にロードセル及び変位計を備える油圧ジャッキを取り付けた。そして、油圧ジャッキを駆動して、軸体に対して引き抜き方向に力(引抜力)を載荷させて、軸体に作用する引抜力及び軸体の変位を測定した。これにより、各実施例及び各比較例の定着力を検証した。
【0051】
図13は、各実施例及び各比較例の測定結果を示す。各比較例では、軸体の延びだけではなく、穿孔からのスリーブの抜け出しに起因する軸体の変位が生じた。これにより、油圧ジャッキに対する軸体の位置関係がずれたために、測定される引張力の上下の変動が生じた。第1比較例では、軸体の規格破断強度(183.6kN)まで引張力を軸体に載荷することができたものの、スリーブの抜け出しが生じたため、アンカーの定着は不安定であった。第2比較例では、軸体の規格破断強度まで引張力を載荷させることはできず、アンカー(スリーブ)が穿孔から完全に抜け出してしまった。第2比較例では、軸体の規格降伏強度(72.4kN)付近で、スリーブの抜け出しに起因する変位が生じ始め、軸体の規格破断強度まで載荷することが出来なかった。
【0052】
一方、
図13に示されるとおり、各実施例では、引張力が上下に変動することなく、軸体の規格破断強度(183.6kN)まで軸体に引張力を載荷することができた。各実施例では、引張力により軸体が延びることに起因する軸体の変位は生じたものの、アウターの変位に起因する軸体の変位は生じなかった。その結果、上記実施形態によれば、安定的な定着力を生じさせることができることが分かった。特に、設計基準強度が60N/mm
2である高強度コンクリートに対しても安定的な定着力を発揮可能であることが分かった。
【符号の説明】
【0053】
1…落下防止構造体、
2…アンカー、
3…軸体、30…本体部、
31…一端部(先端部)、
32…他端部(後端部)、
4…アウター、40…外壁面、
41…端部(先端部)、
411…拡開部、
412…肉薄部、413…切り込み、
414…端片、
43…後端部、
45…貫通孔、451…内壁面、
5…ワイヤ、
51…調節具、52…端部、
60…シャックル、
7…取付物、
71…本体部、72…足部、73…取付ボルト、
8…コンクリート、80…壁面、
81…穿孔、82…孔底、
83…底部、831…拡底部
91…打撃部材、92…ハンマー