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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】作業領域画像検出装置を有する曲げ機械
(51)【国際特許分類】
   B21D 5/02 20060101AFI20230809BHJP
   B30B 15/00 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
B21D5/02 P
B21D5/02 M
B21D5/02 W
B30B15/00 C
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019512198
(86)(22)【出願日】2017-08-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 AT2017060212
(87)【国際公開番号】W WO2018039696
(87)【国際公開日】2018-03-08
【審査請求日】2020-07-28
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-16
(31)【優先権主張番号】A50784/2016
(32)【優先日】2016-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】509296085
【氏名又は名称】トルンプ マシーネン オーストリア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト アンゲラー
(72)【発明者】
【氏名】クレーメンス フレイデンタラー
(72)【発明者】
【氏名】フローリアーン ハウスマン
(72)【発明者】
【氏名】マティーアス ヘール
(72)【発明者】
【氏名】ネナド コフイェニク
(72)【発明者】
【氏名】フローリアーン マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】フェレナ シュタイニンガー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムート タイス
(72)【発明者】
【氏名】マンフレート バルトヘル
【合議体】
【審判長】見目 省二
【審判官】田々井 正吾
【審判官】刈間 宏信
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-017072(JP,A)
【文献】特開2005-027166(JP,A)
【文献】特表2014-502561(JP,A)
【文献】特開2014-197818(JP,A)
【文献】特開2016-129898(JP,A)
【文献】特開2014-065060(JP,A)
【文献】特表2016-500027(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0276280(US,A1)
【文献】特開2008-099201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/00 - 5/16
B30B 15/00 - 15/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業領域画像検出装置を有する曲げ機械(1)であって、
曲げ機械(1)が機械フレーム(34)、長手方向に延びる固定の機械テーブル(2)及び長手方向に延びるプレスビーム(3)を有し、前記プレスビーム(3)が機械フレーム(34)内で案内され、かつ機械フレーム(34)に対して駆動手段(4)によって移動可能に収容されており、前記駆動手段(4)が機械制御装置(5)によって駆動され、
かつ機械フレーム(34)がさらに2つのサイド部分(32)を有し、前記サイド部分が機械テーブル(2)の長手方向の延びの方向において機械幅(33)によって互いに離隔しており、
かつ長手方向の延びとプレスビーム(3)の移動方向(8)によって作業平面(9)が形成され、
かつ作業平面(9)が、前方の作業及び操作室(10)と、該作業及び操作室から区切られかつ特に閉成された後方の機械室(11)とを定め、
かつ機械室(11)内で機械テーブル(2)の上方に画像検出装置(12)が配置されており、画像検出装置(12)の検出領域(13)が機械室(11)の方向に向けられており、
かつ画像検出装置(12)が表示手段(17)と接続されており、前記表示手段が検出領域(13)の検出された画像を表示するように形成されている、
ものにおいて、
画像検出装置(12)が画像処理プロセッサ(16)を介して表示手段(17)と接続されており、かつ
画像処理プロセッサ(16)が座標変換モジュール(18)を有し、前記座標変換モジュールが前記検出された画像の遠近法表示を補正して、該検出された画像の遠近法表示を機械操作者の実際の視野に適合させられるように形成されており、かつ
座標変換モジュール(18)がワイヤレスの位置判定システム(19)と接続されており、前記ワイヤレスの位置判定システムが、作業及び操作室(10)内の機械操作者(20)の位置を判定するように形成されており、
表示手段(17)がプロジェクタによって形成されており、投影領域が、形成されるべきシート(7)の表面(37)のセクションに向けられており、
画像処理プロセッサ(16)が、挿入されたシート(7)の方向づけ、特にシート(7)の輪郭、を検出するパターン認識モジュールを有しており、メモリ手段内あるいは外部メモリ手段内に格納されている目標方向づけと比較することによって、方向づけ偏差ベクトルを判定して、該方向づけ偏差ベクトルを、表示手段(17)において補正表示として表示する、
ことを特徴とする作業領域画像検出装置を有する曲げ機械。
【請求項2】
画像検出装置(12)がDカメラによって形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の曲げ機械。
【請求項3】
位置判定システム(19)が、機械操作者(20)によって携帯されるモバイル部分(21)と曲げ機械(1)に配置された第1の遠隔ターミナル(22)とを有し、モバイル部分(21)と第1の遠隔ターミナル(22)との間にワイヤレスの高周波通信接続(24)が存在し、
かつ曲げ機械(1)が少なくとも1つの第2の遠隔ターミナル(23)を有し、モバイル部分(21)と少なくとも1つの第2の遠隔ターミナル(23)の間にワイヤレスの超音波信号接続(25)が存在する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の曲げ機械。
【請求項4】
画像検出装置(12)が、プレスビーム(3)の長手方向の延びの中央セクション内に、あるいはサイド部分(32)の少なくとも1つのものの領域内に配置されている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の曲げ機械。
【請求項5】
画像検出装置(12)のメモリ手段内に、あるいは画像処理プロセッサ(16)と接続されている外部メモリ手段内に、曲げ機械(1)のグラフィックモデルが格納されており、画像処理プロセッサ(16)が表示手段(17)に前記グラフィックモデルを前記検出された画像に重畳して示す、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の曲げ機械。
【請求項6】
作業及び操作室(10)内に、画像処理プロセッサ(16)と接続された他の画像検出装置(27)が配置されており、前記他の画像検出装置が検出領域(28)を有し、前記検出領域が機械操作者(20)の頭の高さの領域に対して向けられており、
かつ他の画像検出装置(27)が画像処理プロセッサ(16)の顔検出モジュール(29)と接続されている、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の曲げ機械。
【請求項7】
表示手段(17)がデータ眼鏡によって形成されている、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の曲げ機械。
【請求項8】
表示手段(17)がデータ眼鏡によって形成されており、かつ、モバイル部分(21)がデータ眼鏡によって形成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の曲げ機械。
【請求項9】
画像検出装置(12)が操作装置(38)上に配置されており、前記操作装置が長手方向の延びに対して平行に画像検出装置(12)の位置を変化させるように形成されており、かつ/又は
前記操作装置が垂直及び/又は水平の軸線を中心に画像検出装置(12)を揺動させるように形成されている、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の曲げ機械。
【請求項10】
ワイヤレスの位置判定システム(19)が、加速度センサ又は非接触で読み出し可能な認識マークを有している、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の曲げ機械。
【請求項11】
表示手段(17)がフラットディスプレイによって形成されており、前記フラットディスプレイがプレスビーム(3)に、特に前側(36)に、配置されている、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の曲げ機械。
【請求項12】
前記フラットディスプレイが組立て装置内に配置されており、前記組立て装置がプレスビーム(3)の長手方向に沿った前記フラットディスプレイの位置決めを可能にする、ことを特徴とする請求項11に記載の曲げ機械。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の曲げ機械(1)上で実施される、曲げ機械(1)の操作安全性を改良する方法であって、
・リアルタイムで、
・画像検出装置(12)によって機械室(11)の後方の画像が検出され、かつ
・位置判定システム(19)によって、作業及び操作室(10)内の機械操作者(20)の座標が判定され、かつ
・座標変換モジュール(18)によって画像検出装置(12)と機械操作者(20)の座標との間の変換ベクトルが判定され、かつ
・画像処理プロセッサ(16)によって、変換ベクトルを適用して前記検出された画像が機械操作者の実際の視野に適合するように遠近法的に変換され、かつ
・変換された画像が表示手段(17)に示され、
・画像処理プロセッサ(16)が、メモリ手段内にあるいは外部メモリ手段内に格納されている目標方向づけを、曲げ機械(1)内に挿入されたシート(7)上に示し、
・画像処理プロセッサ(16)が、前方の画像内及び/又は後方の画像内で、挿入されたシート(7)の方向づけ、特にシート(7)の輪郭、を実際の方向づけとして検出するパターン認識モジュールを有しており、メモリ手段内あるいは外部メモリ手段内に格納されている目標方向づけと比較することによって、方向づけ偏差ベクトルを判定して、該方向づけ偏差ベクトルを、表示手段(17)において、及び/又は挿入されたシート(7)において、補正表示として表示する、
方法。
【請求項14】
他の画像検出装置によって前方の画像が検出され、前記前方の画像内で顔認識モジュール(29)によって機械操作者の顔、特に目の位置が判定される、ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
座標変換モジュール(18)によって、目の位置から視線方向ベクトルが判定され、前記視線方向ベクトルが画像処理プロセッサ(16)によって変換ベクトルと共に遠近法的変換のために使用される、ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
座標変換モジュール(18)によって目の位置と他の画像検出装置の配置位置から、床(31)と目の位置との間の垂直距離(30)が判定され、前記垂直距離が画像処理プロセッサ(16)によって変換ベクトルと共に遠近法的変換のために使用される、ことを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
補正表示が、画像処理プロセッサ(16)によってアニメーションとして生成される、ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業領域画像検出装置を有する曲げ機械に関する。
【背景技術】
【0002】
曲げ機械、特に自由曲げ機械の機械操作者の作業領域もしくは視認領域は、構造に基づいて機械テーブルにより、かつ特にプレスビームによって支配される。特に曲げ工具をその内部に有するプレスビームが、機械内部を覗く視野を大体において著しく制限し、その機械内部にはストッパフィンガーを有するバックゲージ装置が配置されている。さらに、プレスビームに複数の様々な種類の曲げ工具を配置し、それによってプレスビームに沿って様々な曲げ変形を実施することができるようにするのが、普通である。そのために機械操作者は、変形すべき工作物を正しい順序で、かつそれぞれ正確に方向づけして曲げ工具へ供給しなければならない。
【0003】
等しく加工すべき大量の工作物をシリーズ製造するために曲げ機械が使用される場合に、機械操作者は個々の作業ステップをすでに熟知しており、したがって操作取り扱い、特に工作物を正しく方向づけして供給することは、確実に実施される。シリーズで製造すべき個数が少ない場合、特に個数が1に近い場合には、機械操作者には必要なルーチンがなく、それが、特に曲げ部分が複雑である場合に、工作物が誤って曲げられる危険をもたらす。機械操作者は部分的にほぼ同時に種々のアクション、特に正しい曲げステーションにおける正しい方向づけとバックゲージにおける工作物の正しい添接、を調整し、かつ監視しなければならないので、それによって不必要に高ストレスレベルがもたらされる。特にバックゲージは曲げ機械の構造的条件に基づいて大体において直接覗くことができないので、操作者は、工作物を挿入する際にバックゲージにおける添接を検査するためには、身をかがめなければならず、それは、身体的負担増に加えて金属の構成部分のエッジが鋭いことに基づいて損傷の危険をはらんでいる。
【0004】
機械操作者によって、曲げ機械を規定通りに操作する場合にコントロール及び監視課題が必要とされ、それが一部空間的に互いに離隔した場所においてほぼ同時に注意することを必要とする。同時に、変形すべき工作物の部分的に複雑な方向づけプロセスに留意することが、必要である。
【0005】
たとえば特許文献1(欧州特許第2590040(B1)号明細書)が曲げ機械を開示しており、それにおいてプレスビームに2台のカメラが配置されており、それらが曲げ機械の前方の作業領域、特に挿入された変形すべき工作物、を検出し、かつ工作物の方向づけを判定した後に、プロジェクタによって方向づけ情報が工作物上に投影される。その場合に2台のカメラは、プレスビームの終端領域内とプレスビームの前に配置されている。しかし、プレスビームの前にカメラもしくはプロジェクタのような部材を配置することは、さらに他の決定的な欠点を有し、このように配置された対象のために大きな損傷リスクが生じる。シート部分は、しばしばホールクレーンによって曲げ機械へ供給され、それによって容易に、プレスビームの前に配置されている装置の損傷がもたらされる可能性がある。また、上に曲がるシートがプレスビームに当接し、そこに取り付けられている装置を損傷することがある。
【0006】
特許文献2(特許第5856860(B2)号明細書)からは、シート挿入補助が知られており、それにおいて機械室内でカメラはバックゲージ及び挿入されたシートへ向けられている。検出された画像内で、シートエッジ又はシートのマークされた点が判定されて、目標位置と比較される。ずれがある場合に、プロジェクタによってマーキングがシート上へ投影され、シートはバックゲージに関してそのマーキングに合わせて方向づけされなければならない。カメラとプロジェクタは装置に取り付けられており、その装置がプレスビームに対して平行に移動可能である。この従来技術から知られている装置においては、カメラが曲げ機械に配置されており、その配置に基づいて光学的条件がカメラにとってマイナスとなる。しかし特にこの従来技術が示す配置位置は、曲げ機械前の直接的に危険な領域内にある。
【0007】
従来技術からは、曲げ機械の前の領域及びプレスビームの後ろの領域も、画像検出手段によって記録することが、知られている。検出された画像が表示手段において示されることが開示されており、その場合に操作者、曲げ機械、変形すべき工作物及び作業位置の間の位置関係が変化することに基づいて、表示の補正は行われない。したがって機械操作者には、その実際の位置に関係なく常に同一の遠近法表示が示される。これもまた、エラーリスクを高める。というのは、図示された状況を正しく把握することができるようにするために、操作者は、その視線方向と図示される画像とによってその位置を定めなければならないからである。まさに幅広の曲げ機械(数メートル長さのプレスビーム)においては、著しい遠近法の歪みが生じることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】欧州特許第2590040(B1)号明細書
【文献】特許第5856860(B2)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の課題は、従来技術の欠点を改良して、機械操作者自体が表示を新たに解釈する必要なしに、機械操作者が曲げ機械の前の作業領域内で常にほぼ妨げられずに後方の作業室を覗くことができる、曲げ機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、本発明によれば、作業領域画像検出装置を有する曲げ機械によって解決される。曲げ機械は、機械フレーム、長手方向に延びる固定の機械テーブル及び長手方向に延びるプレスビームを有しており、その場合にプレスビームが機械フレーム内で案内され、かつ駆動手段によって機械フレームに対して移動可能に収容されている。かつその場合に、駆動手段が機械制御装置によって駆動される。機械フレームはさらに2つのサイド部分を有しており、それらが機械テーブルの長手方向の延びの方向に機械幅によって互いに離隔されており、かつその場合に長手方向の延びとプレスビームの移動方向が作業平面を形成する。作業平面は、前方の作業及び操作室とそれから仕切られた、特に閉成された機械室とを定める。機械室内で機械テーブルの上方に、画像検出装置が配置されており、その場合に画像検出装置の検出領域は機械内部空間の方向に方向づけされている。画像検出装置が表示手段と接続されており、その表示手段が検出領域の検出された画像を表示するように形成されている。画像検出装置は画像処理プロセッサを介して表示手段と接続されており、さらに画像処理プロセッサが座標変換モジュールを有しており、それが、検出された画像の遠近像を補正するように形成されている。座標変換モジュールは、ワイヤレスの位置判定システムと接続されており、それが、作業及び操作室内の機械操作者の位置を判定するように、形成されている。
【0011】
具体的形態の利点は、機械操作者が身体をねじ曲げることなしに、後方の閉成された機械室を覗きこむことができ、その場合に表示が機械操作者の実際の位置に適合されることにある。したがって機械操作者は機械前の領域内の各位置から、機械室内部も遠近法的に正しく見ることができる。
【0012】
展開においては、画像検出装置が少なくとも1つの2D又は3Dカメラによって、たとえばCCDカメラによって、形成されている。これは、この種のカメラが良好かつ好ましいコストで提供可能であるので、特に効果的である。
【0013】
展開によれば、位置判定システムが機械操作者によって携帯されるモバイル部分と曲げ機械に配置された第1の遠隔ターミナルとを有しており、その場合にモバイル部分と第1の遠隔ターミナルとの間にワイヤレスの高周波通信接続が存在し、かつ曲げ機械が少なくとも1つの第2の遠隔ターミナルを有し、その場合にモバイル部分と少なくとも1つの他の遠隔ターミナルとの間にワイヤレスの超音波信号接続が存在する。したがって曲げ機械に対する機械操作者の位置は、いつでも判定することができるので、表示の遠近法的補正も実質的にリアルタイムで行うことができる。請求項に記載の位置特定システムの例が、オーストリア国特許出願公開第510950(A2)号明細書から知られている。
【0014】
展開において、画像検出装置はプレスビームの長手方向の延びの中央セクション内に、あるいは少なくとも一方のサイド部分の領域内に、配置されている。プレスビームの中央セクション内では、中央の位置であることに基づいて、機械内部空間への特に良好な視野が与えられている。サイド部分の領域内では、画像検出装置は特に良好に保護して配置することができる。
【0015】
可能な展開において、画像処理プロセッサのメモリ手段内、あるいは画像処理プロセッサと接続されている外部メモリ手段内に、曲げ機械のグラフィックモデルが格納されており、それを画像処理プロセッサが表示手段において検出された画像に重畳して示す。したがって、表示において曲げ機械の重要なコンポーネントを示すことが可能であって、そのために画像検出装置によって検出された画像内で画像分析を実施する必要はない。曲げ機械に対する画像検出装置の位置及び検出装置の光学的特徴データの認識によって、座標変換モジュールを用いて曲げ機械の格納されているモデルからのエレメントを表示手段における表示内へオーバーレイすることができる。外部メモリは、たとえば中央のデータベースによって形成することができる。
【0016】
展開によれば、作業及び操作室内に、画像処理プロセッサと接続された他の画像検出装置を配置することができ、その画像検出装置が検出領域を有し、その検出領域が機械操作者の頭部の高さに対して方向づけされており、かつその場合に他の画像検出装置が画像処理プロセッサの顔認識モジュールと接続されている。それによって操作者の目の正確な高さを判定することができ、したがって表示手段における遠近法表示を操作者の実際の視野にきわめて正確に適合させることができる。したがって操作者のために、あたかも曲げ機械が、特にプレスビームが、透明であるかのような表示が得られる。
【0017】
展開は、表示手段がプロジェクタによって形成されていることにもあって、その場合に投影領域が曲げ機械の前側に対して、特にプレスビームもしくはプレスビームの被覆に対して、方向づけされている。この展開は好ましいやり方で、曲げ機械の存在する面を投影面として利用する。この面は、大体において垂直に方向づけされており、かつ操作者の視線も大体において曲げ機械へ向けられているので、表示手段はまさに操作者の直接の視野内にある。代替的な形態においては、投影領域を変形すべきシートの表面のセクションへ向けることも可能である。この形態は、投影領域が機械操作者のもっとも注意をはらう領域内にある、という利点を有している。曲げる場合に、機械操作者は大体において変形すべきシートと曲げラインもしくは加工する曲げ工具を、注意をはらう領域内に有している。投影面がこの領域内にあるので、操作者は投影される情報を観察することによって、その作業から気をそらされることがなく、あってもきわめてわずかである。
【0018】
好ましい展開は、表示手段がデータ眼鏡によって形成されることにもある。眼鏡がそれをかける人の頭部に、かつ正確にその視野内に配置されることに基づいて、機械操作者は、実際の視線方向に関係なく、その視野内に重要な情報をオーバーレイで得ることが保証されている。
【0019】
このような主旨において他の可能な形態も効果的であって、それによれば、モバイル部分がデータ眼鏡によって形成されている。データ眼鏡によって操作者の位置も判定されるので、表示を極めて良好に遠近法的に補正することができる。展開において、データ眼鏡は頭部の方向づけのみを判定することもできるので、操作者がその視線を曲げ機械へ向けた場合にのみ、表示がオーバーレイされる。
【0020】
他の好ましい形態において、画像検出装置は操作装置上に配置されており、その操作装置が長手方向の延びに対して平行に画像検出装置の位置を変化させるように形成されており、かつ/又は垂直及び/又は水平の軸線を中心に画像検出装置を揺動させるように、形成されている。したがって曲げ機械の、画像を検出すべき領域の近傍に画像検出装置を移動させることが、可能である。たとえば曲げ機械は数メートルの幅を有することができ、それによって画像検出装置からもっとも遠いセクション内では解像度が低下する。画像検出装置の配置を変化させることによって、好ましくない記録状況を改良することができる。
【0021】
展開によれば、ワイヤレスの位置判定システムが加速度センサ、あるいは非接触で読み出し可能な認識マークを有している。加速度センサによって、場所変化と移動を、特にまた高い解像度で、良好に検出することができる。しかし、加速度センサによって、運動差のみとそれに伴って相対的な位置変化のみを判定することができ、したがって参照点を定めるために規則的な較正が必要である。認識マーク、たとえばFRIDタグは、タグのパルス応答の設計によって、タグの応答のランタイム測定を介してきわめて正確に位置を判定することができるように、形成することができる。
【0022】
展開において、表示手段はフラットディスプレイによって形成されており、そのフラットディスプレイがプレスビームに、特に前側に、配置されている。奥行きが小さく、かつ重量が少ないことに基づいて、フラットディスプレイは操作者の視野領域内に容易に取り付けることができる。また、フラットディスプレイは、製造ホール内の昼光においても図示される画像が良好に認識できるように、その輝度も達成する。この展開は、表示手段が1つより多いフラットディスプレイによって形成される実施変形例も、はっきりと含んでいる。機械幅に従って、プレスビームに沿って複数のフラットディスプレイが配置されており、かつ全体として表示手段を形成する形態も考えられる。
【0023】
他の好ましい形態は、フラットディスプレイが組立て装置内に配置されており、その組立て装置がプレスビームの長手方向の延びに沿ってフラットディスプレイの位置決めを可能にすることにある。曲げプレスは、大体において大きな長手方向の延びを有しているので、曲げプレスの中央領域内の曲げ加工のためだけに表示を中央で位置決めすると効果的である。この展開によって、フラットディスプレイは曲げプレスに沿って移動することができ、特に実施すべき曲げ変形のすぐ近傍領域内で位置決めすることができる。他の形態においては、位置決めは操作手段によって行うことができるので、機械操作者には操作は不要である。その場合に表示は、機械制御によってそれぞれ次の曲げ変形の場所へ移動される。
【0024】
フラットディスプレイは、好ましくはアクティブな自己発光する表示器、たとえばTFTディスプレイ又はOLEDディスプレイである。しかしパッシブな表示器、たとえばePaperディスプレイも、使用することができる。これは、周囲光がきわめて明るい場合でも、問題なく読み出しが可能である、という利点を有している。
【0025】
本発明の課題は、曲げ機械の操作安全性を改良する方法によっても解決され、その方法が曲げ機械上で実施される。リアルタイムにおいて、画像検出装置によって機械室の後方の画像が検出されて、位置判定システムによって作業及び操作室内の機械操作者の座標が判定される。座標変換モジュールによって、画像検出装置と機械操作者の座標との間の変換ベクトルが判定されて、検出された画像が画像処理プロセッサによって変換ベクトルを使用して遠近法的に変換されて、変換された画像が表示手段に示される。
【0026】
この方法の特別な利点は、身をかがめなければのぞき込めない機械室の遠近法的に正しい表示を、操作者がリアルタイムで得られることにある。
【0027】
展開によれば、他の画像検出装置によって前方の画像が検出され、その前方の画像内で顔認識モジュールによって操作者の顔、特に目の位置が判定される。目の位置を認識することによって、機械の前の操作者の位置をより正確に判定することができ、したがって床からの目の距離も遠近法に補正することができ、そのようにして遠近法補正の著しい改良を達成することができる。
【0028】
可能な展開において、座標変換モジュールによって目の位置から視線方向ベクトルが判定され、その視線方向ベクトルが画像処理プロセッサによって変換ベクトルと共に遠近法変換に使用される。曲げ機械の前の操作者の位置の認識と目の認識とに基づいて、視線方向ベクトルを用いて表示手段における表示を、操作者の正確な遠近法的視線に適合させることができる。
【0029】
他の好ましい形成において、座標変換モジュールによって目の位置と他の画像検出装置の配置位置とに基づいて床と目の位置との間の垂直距離が判定され、その垂直距離が画像処理プロセッサによって変換ベクトルと共に遠近法的変換のために使用される。
【0030】
視線方向及びそれに伴って操作者の見る領域がそれぞれより正確に判定することができるほど、それだけ正確に遠近法的補正も実施することができる。変換すべき工作物を正確に操作し、特にバックゲージに添接させるために、曲げ機械ののぞき込めない領域を表示手段にできる限り正しい遠近法で表示することが、重要である。
【0031】
好ましい他の形態においては、画像処理プロセッサがメモリ手段内に、あるいは外部メモリ手段内に格納されている目標方向づけを表示手段において示し、かつ/又は曲げ機械内に挿入されたシート上に示す。したがって操作者に、変形すべきシートを次のステップのためにどのようにして曲げ機械内へ挿入しなければならないか、のはっきりとした補助を与えることができる。したがってまさに個数が少ない場合に、操作者はシートの正しい方向づけについて熟考する負担を免れるので、装入量の著しい増大を達成することができる。それによって特に、誤って曲げられた工作物の低減も達成することができる。
【0032】
他の形成によれば、画像処理プロセッサがパターン認識モジュールを有しており、そのパターン認識モジュールが前方と後方の画像内で挿入されたシートの方向づけ、特にシートの輪郭を、実際方向づけとして検出し、メモリ手段内、もしくは外部メモリ手段内に格納されている目標方向づけと比較することによって、方向づけ偏差ベクトルを判定して、それを表示手段において、かつ/又は挿入されたシートにおいて、補正表示として示す。目標方向づけの純粋な投影の他に、挿入されたシートの方向づけの誤りを認識して、それについて操作者にアクティブに指摘することも、可能である。たとえば、誤った方向づけを信号色によって示し、かつ、工作物を正しい方位位置へ移動させるために、グラフィックシンボル(矢印、回転方向など)によって操作ステップの指示を行うことができる。
【0033】
他の好ましい形態において、補正表示が画像処理プロセッサによってアニメーションとして生成される。まさに個数が少ない場合に、もしくは新しい曲げ部分の始動の際に、機械操作者は、工作物を個々の曲げステップの間で正しく方向づけするように、強いられる。この展開によって、作業シーケンスにおいて機械操作者をはっきりと支援することができ、したがって誤りのある曲げ部品の危険を著しく低下させることができる。
【0034】
本発明をさらによく理解するために、以下の図を用いて本発明を詳細に説明する。
図は、それぞれ著しく簡略化された図式的な表示である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】具体的な作業領域画像検出装置の第1の形態を有する具体的な曲げ機械を示している。
図2】具体的な作業領域画像検出装置の他の可能な形態を有する具体的な曲げ機械を示している。
図3】作業領域画像検出装置を示す上面図である。
図4】他の可能な形態に基づく操作指示を示している。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、作業領域画像検出装置を有する具体的な曲げ機械1を断面図で示している。曲げ機械1は機械フレームを有しており、その機械フレームが長手方向に延びる固定の機械テーブル2及び同様に長手方向に延びるプレスビーム3を有している。プレスビームは、機械フレーム内で案内されており、かつそれに対して駆動手段4によって移動される。その場合に駆動手段4は、機械制御装置5によって駆動され、その機械制御装置5がプレスビーム3を機械テーブル2に配置された下工具6の方向に、その下工具6に載置されたシート7が所望の角度だけ屈曲されるまで、移動させる。
【0037】
プレスビーム3の長手方向の延びとプレスビーム3の移動方向8が作業平面9を形成し、その作業平面が前方の作業及び操作室10と、それから区切られた後方の機械室11とを定める。曲げ機械1の構造的部材により、特にプレスビーム3によって、機械室11はのぞき込むことができず、あるいはきわめて困難である。特に機械操作者は、機械室11をのぞき込むことができるようにするためには、かがみ込まなければならず、それは、挿入されたシート7のエッジが鋭いことに基づいて、著しい損傷リスクをもたらす。
【0038】
機械室11内で機械テーブル2の上方に、画像検出装置12が配置されており、その画像検出装置が検出領域13を有し、その検出領域が機械室11の方向に方向づけされ、特に機械室11内に配置されているバックゲージ15のストッパフィンガー14に方向づけされている。
【0039】
画像検出装置12は、画像処理プロセッサ16を介して表示手段17と接続されており、その表示手段17が検出領域13の検出された画像を表示するように形成されている。好ましくは画像処理プロセッサ16は、機械制御装置5内に配置されており、さらに座標変換モジュール18を有し、それが、検出された画像が表示手段17に示される前に、検出領域13の検出された画像の遠近法表示を補正するように形成されている。
【0040】
さらに、座標変換モジュール18は、ワイヤレスの位置判定システム19と接続されている。このシステムは、前方の作業及び操作室10内の機械操作者20の位置を定めるように形成されている。好ましい実施変形例によれば、位置判定システム19は、機械操作者20によって携帯されるモバイル部分21と、曲げ機械1に、好ましくは機械テーブル2に、配置された第1の遠隔ターミナル22とを有している。好ましくはさらに、曲げ機械1に、もしくは機械テーブル2に、第2の遠隔ターミナル23が配置されており、その場合にモバイル部分21と第1の遠隔ターミナル22の間にワイヤレスの高周波通信接続24が存在し、さらにモバイル部分21と第2の遠隔ターミナル23の間には、ワイヤレスの超音波信号接続25が存在する。実施変形例によれば、モバイル部分は靴によって形成されており、その靴が位置判定システム19による位置特定の他に、機械制御装置5による曲げ機械1の制御、特にプレスビーム3の移動の制御も可能にする。
【0041】
下降するプレスビーム3によって、機械操作者20が機械室11をのぞき込む、特にストッパフィンガー14をのぞき込む、視野領域26が制限されている。具体的なこの形態によって、機械室11が画像検出装置12によって検出されて、表示装置17により、もしくは表示装置において示される。しかし表示は、判定された機械操作者20の位置を考慮して遠近法で補正して行われるので、機械操作者20には実質的に作業及び操作室10内の各位置から、機械室11の遠近法的に正しい表示が示される。したがって機械操作者20にとっては、下降するプレスビーム3が存在せず、もしくは透明で、機械室11内への視野を損なわない印象が生じる。
【0042】
図2は、作業領域画像検出装置の他の可能な実施変形例を有する具体的な曲げ機械1を示している。ここでは付加的に、作業及び操作室10内に他の画像検出装置27が配置されており、それが検出領域28を有し、その検出領域は機械操作者20の頭部へ向けられている。その場合に検出領域28は、平均的な大きさの機械操作者20の頭部位置がこの領域内にあるような、大きさに選択されている。目の位置を判定するために、他の画像検出装置27は画像処理プロセッサ16の顔検出モジュール29と接続されている。この形態によって、表示手段17における、もしくはそれによる表示の遠近法的補正を著しく改良することができる。というのは、作業及び操作室10内の機械操作者20の位置の他に、目の位置も定めることができるからである。曲げ機械1に関する他の画像検出装置27の位置の認識によって、床面31に関する機械操作者20の目の垂直距離30を判定して、遠近法的補正において考慮することができる。
【0043】
他の好ましい形態によれば、付加的にさらに、目の位置と垂直距離30の認識から視線方向ベクトルを判定することができ、したがって遠近法的補正を機械操作者20の実際のリアルな視野領域26にさらに良好に、もしくはさらに正確に、適合させることができる。
【0044】
図3は、具体的な曲げ機械1を上面図で示している。2つのサイド部分32は、機械幅33によって互いに離隔しており、それらの間に機械幅33の長手方向の延びの方向に機械テーブル2とプレスビーム3が配置されており、その場合にプレスビーム3は駆動手段4によって機械フレーム34に対して移動可能である。長手方向の延びとプレスビーム3の移動方向が作業平面9を形成し、その作業平面が前方の作業及び操作室10と後方の、大体においてのぞき込むことができない、あるいはきわめて困難である機械室11とを定める。
【0045】
機械室11内に、ストッパフィンガー14を有するバックゲージ15が配置されており、そのストッパフィンガーに変形すべきシート7が添接され、したがって曲げを実施するために正しく方向づけされる。
【0046】
後方の機械室11、特にストッパフィンガー14は、曲げ機械1の前にいる機械操作者20からは大体においてのぞき込むことができず、あるいは困難であるので(特にかがみ込むことによって)、機械室11内の機械テーブル2の上方に画像検出装置12が配置されている。その場合に画像検出装置12は検出領域13を有しており、その検出領域が少なくとも1つのストッパフィンガー14,特にシートと接触するストッパフィンガー14の前方の端部を含んでいる。
【0047】
画像検出装置12によって検出されて、画像処理プロセッサ16によって遠近法的に補正された、検出領域13の画像が、表示手段17によって表示領域35内に示される。この表示領域35は、好ましくはプレスビーム3の前側36及び/又は変形すべきシート7の上側37の1つのセクションを含むように、選択されている。さらに、表示領域35の一部が曲げ機械1の前の床によって形成されることも、可能である。
【0048】
ある形態によれば、画像検出装置12は機械室11内の機械テーブル2の上方、好ましくは機械幅33の長手方向の延びのほぼ中央に配置されている。他の形態によれば、画像検出装置12は操作装置38上に配置することもでき、その操作装置は、画像検出装置12をプレスビーム3の長手方向に対して平行に移動させ、かつ/又は水平及び/又は垂直の軸線を中心に床に関して画像検出装置12を揺動させるように、形成されている。
【0049】
同様に、表示手段17は、図示されない操作装置上に配置することができ、それによって同様にプレスビーム3の長手方向に対して平行に移動可能もしくは水平及び/又は垂直の軸線を中心に床に関して揺動可能とすることができる。
【0050】
図4は、表示領域35の1つのセクションを、特に変形すべきシート片7を見る上面図において、機械操作者にとって表示がどのように示されるか、を示している。シート7が示されており、そのシートは曲げ機械1内の第1の加工位置39内へ挿入され、特に下工具6上に載置されており、かつ、後続の加工ステップのために第2の加工位置40へどのように挿入されるべきか、が示されている。さらに曲げライン42が示されており、その曲げラインを中心にシート7が第1の加工位置39において曲げられており、かつ第2の加工位置40において曲げられようとしている。画像処理プロセッサによって、第2の加工位置40におけるシートの正しい目標方向づけ41が判定されて、表示手段によって示される。他の形態によれば、第1の加工位置39から第2の加工位置40へシート7を移動させるための操作取扱いをアニメーションとして示すことができ、それによって操作ステップをはっきりと示すことができる。図示される場合において、操作取扱いはシンプルに左へ90°回動させることである。しかし複雑な曲げ工作物の場合には、回転の他に揺動運動も必要になることがあり、それは特に個数が少なくて、個数1にもなる場合に、操作を誤り、それに伴って誤って曲げられたシート片となるリスクを含んでいる。このようにアニメ化して歩進的に表示することによって機械操作者に、シートを次の加工ステップへ正しく供給する際の重要な支援を与えることができる。
【0051】
最後に記録しておくが、異なるように記載される実施形態において、同一の部分には同一の参照符号ないし同一の構成部分名称が設けられており、その場合に説明全体に含まれる開示は、同一の参照符号ないし同一の構成部分名称を有する同一の部分へ意味に従って移し替えることができる。また、説明内で選択される、たとえば上、下、側方などのような位置記載は、直接説明され、かつ示される図に関するものであって、この位置記載は位置が変化した場合には意味に従って新しい位置へ移し替えられる。
【0052】
図2から図4には、作業領域画像検出装置を有する曲げ機械の他の、そして場合によってはそれ自体自立した実施形態が示されており、その場合にここでも先行する図1におけるのと同じ部分には同一の参照符号もしくは構成部品が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、先行する図における詳細な説明が参照するよう指示され、もしくは参照される。
【0053】
実施例は、作業領域画像検出装置を有する曲げ機械の可能な実施変形例を示しており、その場合にここに記録しておくが、本発明は具体的に示されたその実施変形例に限定されるものではなく、むしろ個々の実施変形例を互いに様々に組み合わせることも可能であって、これらの変形可能性は対象となる発明による技術的に取り扱うための教示に基づいて、この技術分野で活動する当業者の裁量の範囲内にある。
【0054】
さらに、図示され、かつ説明された様々な実施例の個別特徴又は特徴の組合せも、それ自体自立した進歩的又は発明に係る解決を表すことができる。
【0055】
自立した進歩的解決の基礎となる課題は、明細書から読み取ることができる。
【0056】
具体的な説明内の値領域についてのすべての記載は、その任意の部分領域とすべての部分領域を共に含むものであって、たとえば記載1から10は、下限の1と上限の10から始まるすべての部分領域、すなわち下限の1またはそれ以上で始まり、上限の10またはそれ以下で終了する、たとえば1から1.7、または3.2から8.1、あるいは5.5から10のすべての部分領域、を一緒に含んでいるものとする。
【0057】
特に図2から図4に示す個々の形態は、自立した発明に係る解決の対象を形成することができる。これに関する本発明の課題と解決は、これらの図の詳細な説明から読み取ることができる。
【0058】
最後に形式的に記録しておくが、作業領域画像検出装置を有する曲げ機械の構造をよりよく理解するために、この曲げ機械もしくはその構成部分は、部分的に縮尺どおりではなく、かつ/又は拡大及び/又は縮小して示されている。
【符号の説明】
【0059】
1 曲げ機械
2 機械テーブル
3 プレスビーム
4 駆動手段
5 機械制御装置
6 下工具
7 シート
8 移動方向
9 作業平面
10 作業及び操作室
11 機械室
12 画像検出装置
13 検出領域
14 ストッパフィンガー
15 バックゲージ
16 画像処理プロセッサ
17 表示手段
18 座標変換モジュール
19 位置判定システム
20 機械操作者
21 モバイル部分
22 第1の遠隔ターミナル
23 第2の遠隔ターミナル
24 高周波通信接続
25 超音波信号接続
26 視認領域
27 他の画像検出装置
28 検出領域
29 顔検出モジュール
30 垂直距離
31 床、底面
32 サイド部分
33 機械幅
34 機械フレーム
35 表示領域
36 前側
37 表面、フラット側
38 操作装置
39 第1の加工位置
40 第2の加工位置
41 目標方向づけ
42 曲げライン
図1
図2
図3
図4