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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】カメラ制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20210101AFI20230809BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230809BHJP
   G02B 7/08 20210101ALI20230809BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20230809BHJP
   H02K 5/00 20060101ALI20230809BHJP
   F16M 11/00 20060101ALN20230809BHJP
【FI】
G03B17/56 Z
G03B15/00 P
G02B7/08 Z
F16B5/10 Z
H02K5/00 A
F16M11/00 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019553602
(86)(22)【出願日】2017-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 AU2017051414
(87)【国際公開番号】W WO2018112521
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-12-15
(31)【優先権主張番号】2016905275
(32)【優先日】2016-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】519222081
【氏名又は名称】アクシーオ ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウシッツ,アダム
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-068995(JP,A)
【文献】特開2008-180372(JP,A)
【文献】中国実用新案第205690019(CN,U)
【文献】特開2009-077521(JP,A)
【文献】特開2002-344774(JP,A)
【文献】中国実用新案第204805716(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
G03B 15/00
G02B 7/08
F16B 5/10
H02K 5/00
F16M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
写真機器のためのモータ(30)であって、
前記モータ(30)は、細長い方向を有するハウジング(50)と、駆動軸(54)と、結合部材(52)と、を含み、
前記駆動軸(54)は、前記ハウジング(50)の拡張部(62)を貫通して、細長い伸長方向と直交する方向に、延在しており、
駆動歯車(56)が、前記駆動軸(54)上に取り付けられており、
前記結合部材(52)は、全体的に細長く、前記ハウジング(50)の細長い表面(60)に沿って位置するよう構成され、
前記結合部材(52)は、その伸長に沿って曲がるよう構成される前記モータ(30)であって、
前記モータ(30)は、写真機器の被駆動構成要素(14,16,20)に結合されるように構成され、
前記駆動歯車(56)は、前記被駆動構成要素(14,16,20)の被駆動歯車(110)と噛み合うように構成されており、
前記被駆動構成要素(14,16,20)への押圧力の印加が、前記結合部材(52)を曲げるように作用し、このようにして、前記駆動歯車(56)と前記被駆動歯車(110)との間の連結部に予め負荷がかけられる、
写真機器のためのモータ(30)。
【請求項2】
前記結合部材(52)は、当該結合部材(52)の第1の細長い末端(80)で前記ハウジング(50)に固定され、前記結合部材(52)の第2の細長い末端(82)は、前記ハウジング(50)に対して相対的に動くことが可能とされている、請求項1に記載の写真機器のためのモータ(30)。
【請求項3】
前記結合部材(52)は、細長い伸長方向に方向付けられた溝部(78)を有する、請求項1又は2に記載の写真機器のためのモータ(30)。
【請求項4】
前記溝部(78)は、双方の細長い末端で開口している、請求項3に記載の写真機器のためのモータ(30)。
【請求項5】
前記溝部(78)は、前記ハウジング(50)とは反対側を向いた、部分的に空いた頂面(76)を有する、請求項3又は4に記載の写真機器のためのモータ(30)。
【請求項6】
前記溝部(78)は、前記結合部材(52)の前記第1の細長い末端(80)に向かって先細りする側壁(72)を有する、請求項2に直接的または間接的に従属する請求項3~5のいずれか1項に記載の写真機器のためのモータ(30)。
【請求項7】
前記モータ(30)は、前記動構成要素(14,16,20)を駆動するよう構成され、前記結合部材(52)は、前記動構成要素(14,16,20)の係合部に対して形状が相補的である、請求項1~6のいずれか1項に記載の写真機器のためのモータ(30)。
【請求項8】
写真機器の被駆動構成要素(14,16,20)をモータ(30)と結合するための結合システムであって、
結合部材(52)は、前記モータ(30)と前記被駆動構成要素(14,16,20)のうちの一方に固定された溝部(78)を有する結合部材(52)と、前記モータ(30)と前記被駆動構成要素(14,16,20)のうちの他方に固定された係合部(100)と、を含み、
前記係合部(100)は、前記溝部(78)に対して形状が相補的であり、前記係合部(100)は、前記溝部(78)内を容易に移動しうる第1の構成と、前記溝部(78)内の移動が制限された第2の構成と、の間で動きうるものであり、
前記モータ(30)は、駆動歯車(56)と被駆動歯車(110)を有する前記被駆動構成要素(14,16,20)とを有するものであって、
前記結合部材(52)は、全体的に延伸し、その長さに沿って曲げられるようにされ、
駆動される前記被駆動構成要素(14,16,20)への押圧力の印加が、前記結合部材(52)を曲げるように作用し、このようにして、前記駆動歯車(56)と前記被駆動歯車(110)との間の連結部に予め負荷がかけられる、
結合システム。
【請求項9】
前記係合部(100)は、カム部(106)を含み、前記カム部(106)は、当該カム部(106)が全体的に前記係合部(100)の残りの部分と一直線上にある第1のポジションと、当該カム部(106)が前記係合部(100)の前記残りの部分とは一直線上にない第2のポジションと、の間で動きうる、請求項8に記載の結合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映画撮影及び写真撮影で使用される装置及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の写真撮影及び映画製作には、様々な装置及び制御方法を用いた複数の様々な技術が含まれている。この様々な技術には、映画モーション制御(cinema motion control)、低速度撮影、ストップモーションアニメーション、焦点/虹彩/ズーム(FIZ :focus/iris/zoom)のためのレンズ制御、ジャイロ安定機システムの第2オペレータ制御、(例えばUSBインタフェースによる)カメラパラメータ制御、及び、ユーザ定義されたカメラ装備の設計等の観点が含まれている。
【0003】
各上記技術の従来の機器を利用するには、専用の特化された装置が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、多目的の構成要素を備えた、多目的に使用できるシステムであって、上記構成要素に適切にタスクを与えることで先に検討した技術の全てではなくとも多くを実施するために上記構成要素が様々な構成で構成可能な、上記システムを提供することを試みる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの解決策は、様々な機能を果たすために様々なポジションで使用可能な、多目的に用いられるモータの提供である。
【0006】
本発明の1観点によれば、写真機器のためのモータであって、モータは、ハウジングと、駆動軸と、結合部材と、を含み、駆動軸は、ハウジングから延在しており、駆動歯車が、駆動軸上に取り付けられており、結合部材は、全体的に細長く、ハウジングの細長い表面に沿って位置するよう構成され、結合部材は、その伸長に沿って曲がるよう構成される、上記写真機器のためのモータが提供される。上記曲がることは、結合部材を当該結合部材の第1の細長い末端でハウジングに固定して、結合部材の第2の細長い末端がハウジングに対して相対的に動くことを可能とすることで達成されうる。
【0007】
モータは、駆動される構成要素である、写真機器の構成要素を駆動するよう構成されうる。結合部材は、駆動される構成要素の係合部に対して形状が相補的であることは好ましい。
【0008】
結合部材は、細長い伸長方向に方向付けられた溝部でありうる。溝部は、各細長い末端で開口していてもよく、ハウジングとは反対側を向く部分的に空いた頂面を有していてもよい。
【0009】
溝部は、結合部の第1の細長い末端に向かって開口するよう構成されうる。このようにして、結合部材の剛性を、ハウジングと結合部材との接続部の近傍で下げることが可能である。
【0010】
モータは、様々な歯車配置を提供するために駆動輪を簡単に変えられるように構成されうる。
【0011】
本発明の第2の観点によれば、写真機器の構成要素をモータと結合するための結合システムであって、結合部は、モータと上記構成要素のうちの一方に固定された溝部と、モータと上記構成要素のうちの他方に固定された係合部と、を含み、係合部は、溝部に対して形状が相補的であり、係合部は、溝部内を容易に移動しうる第1の構成と、溝部内の移動が制限された第2の構成と、の間で動きうる、上記結合システムが提供される。
【0012】
係合部は、カム部を含み、カム部は、当該カム部が全体的に係合部の残りの部分と一直線上にある第1のポジションと、当該カム部が係合部の残りの部分とは一直線上にない第2のポジションと、の間で動きうることは好ましい。
【0013】
本発明の第3の観点によれば、写真機器の構成要素のためのクランプであって、クランプは、溝部と結合するための係合部を有し、クランプは、カム部材に結合された操作アームを有し、操作アームは、第1のポジションであって、当該操作アームがクランプを閉じたポジションで維持し、カム部材を全体的に係合部と一直線上に維持し、これにより、溝部に対して相対的な前記クランプの動きを可能とする上記第1のポジションを有し、操作アームは、第2のポジションであって、当該操作アームがクランプを閉じたポジションで維持し、カム部材を係合部とは一直線上にない状態に維持し、これにより、溝部に対して相対的なクランプの動きを制限する上記第2のポジションを有し、操作アームは、当該操作アームがクランプの開放を可能とする第3のポジションを有する、上記クランプが提供される。
【0014】
好適に、第3のポジションにある場合に、操作アームは、カム部材を全体的に係合部と一直線上の状態に維持する。
【0015】
操作アームは、例えばネジ結合を用いて、縦軸を中心に当該アームを回転させることにより、第1のポジションから第2のポジションへと動きうる。操作アームは、横軸を中心に当該アームを旋回させることにより、第1のポジションから第3のポジションへと動きうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の好適な実施形態を参照しながら、本発明をさらに説明するのが好都合であろう。更なる別の実施形態が可能であり、従って、以下に記載する考察の詳細が、本発明についての先の記載の普遍性を無効にすると解されないものとする。
【0017】
図1】様々な機能を提供するよう構成された4つのモータを備えた、本発明を利用する写真機器の斜視図である。
【0018】
図2図1の機器の中からのモータの斜視図である。
【0019】
図3】「移動パンケーキ部」(motion pancake)と係合するところの図2のモータの側面図である。
【0020】
図4】一度係合した図3のモータ及び移動パンケーキ部の側面図である。
【0021】
図5図1の機器の中からのクランプの斜視図である。
【0022】
図6】第1のポジションの図5のクランプの側面図である。
【0023】
図7】第3のポジションの図5のクランプの側面図である。
【0024】
図8図1の機器内で使用されるブラケットクランプである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図を参照すると、図1は、様々な機能を果たすよう構成された写真機器を示している。この写真機器は、カメラ10と、カメラ10の横方向の移動を制御するよう構成された第1の移動パンケーキ部(motion pancake)14が取り付けられたトラック12と、第1の移動パンケーキ部14の真上に取り付けられ、左から右へのカメラ10の流し撮りを制御するよう構成された第2の移動パンケーキ部16と、第2の移動パンケーキ部16の真上に取り付けられたL字状の第1のブラケット18と、第1のブラケット18に取り付けられ、カメラ10の上下の傾きを制御するよう構成された第3の移動パンケーキ部20と、第3の移動パンケーキ部20に取り付けられ、カメラ10を支持するよう構成されたL字状の第2のブラケット22と、第2のブラケット22に取り付けられ、制御ユニット26及びFIZ支持アーム28を支持するよう構成された上部構造24と、を備える。
【0026】
第1のモータ30は第1の移動パンケーキ部14に取り付けられ、第1の制御ケーブル32によって制御ユニット26に接続されている。第2のモータ34は、第2の移動パンケーキ部16に取り付けられ、第2の制御ケーブル36によって制御ユニット26に接続されている。第3のモータ38は、第3の移動パンケーキ部20に取り付けられ、第3の制御ケーブル40によって制御ユニット26に接続されている。第4のモータ42は、クランプ44を用いてFIZ支持アーム28に取り付けられ、第4の制御ケーブル46によって制御ユニット26に接続されている。
【0027】
第1のモータ30、第2のモータ34、第3のモータ38、及び第4のモータ42の各々は類似している。上記のモータを、図2図4に示す第1のモータ30を参照しながら説明するが、この説明が、図1に示す4つのモータ全てに等しく適用されると理解されたい。
【0028】
モータ30は、4つの主な構成要素を有し、即ち、ハウジング50と、結合部材52と、駆動軸54と、駆動歯車56と、を有する。
【0029】
ハウジング50は、全体が矩形・角柱の形状をした本体部58を含み、1つの側面に沿って細長い矩形の取付面60を有している。ハウジング50は、本体部58の一方の末端に拡張部62を有しており、或る一定の傾斜で本体部58とは反対方向に延在している。
【0030】
駆動軸54は、細長い伸長方向と直交する方向に、拡張部62を貫通して通っている。この構成は、駆動軸が取付面60とほぼ同一平面上の軸に沿って位置するというものである。
【0031】
駆動軸54は、拡張部62の一方の横方向サイドに設けられた、取り外し可能な歯車保持フランジ64で終端している。歯車保持フランジ64は、駆動軸54上の位置に駆動歯車56を留めるよう構成され、従って、駆動歯車56は駆動軸54と共に回転するよう構成されている。駆動歯車56は歯数が異なる他の駆動歯車と容易に交換可能であり、このようにして様々な歯車比が提供されることが分かるであろう。
【0032】
結合部材52は細長く、基部70と、細長い伸長方向に延在し基部70に対して直角を成す2つの側壁72と、基部70に対して平行であり基部70から間隔が置かれた2つの頂面フランジ74と、を有する。2つの頂面フランジ74の間には、細長い間隙76が通っている。このようにして、結合部材52はT字状の溝部78を形成する。
【0033】
結合部材52は、その基部70が、ハウジング50の取付面60に沿って位置するように構成されている。結合部材は、拡張部62の方に向かって位置するよう構成された第1の末端80と、拡張部62とは反対側に位置するよう構成された第2の末端82と、を有する。
【0034】
側壁72は、結合部材52の各末端で先細りしている。第1の末端80では、側壁72は、当該側壁72の前端が基部70に対して約30°の角度となるように、基部70に対して角度が付けられている。第2の末端82では、側壁72は、当該側壁72の後端が基部70に対して約60°の角度となるように、基部70に対して角度が付けられている。
【0035】
結合部材52は、第1の末端80の近傍に位置する2つのネジ84によって取付面60に固定されている。
【0036】
結合部材52は、ネジ84の周りである程度曲がるよう構成されている。側壁72が先細りする特徴は、結合部材52の剛性が第1の末端80の近傍で下げられることを意味していることが分かるであろう。取付面60に対する結合部材52の第2の末端82の固定が行わないことは、以下で検討するように、ネジ84の周りで結合部材が僅かに曲がりうることを意味している。
【0037】
移動パンケーキ部14、16、20、及びクランプ44はそれぞれ、自身の末端に沿って係合部100を有している。係合部100は細長く、その長さが結合部材52の約半分である。係合部100は、横断面が全体的にT字状を成しており、各移動パンケーキ部又はクランプから延在するウェブ102と、ウェブ102の外縁の両側に延在するフランジ104と、を含む。
【0038】
カム部106が、フランジ104に沿って位置付けられている。カム部106は、図5に示す開放ポジションであって、カム部106が全体的にフランジ104の範囲内にある上記開放ポジションと、カム部106がフランジ104とは一直線上にない係合したポジションと、の間で動きうる。
【0039】
上記の構成は、係合部100が、モータ30の結合部材52により形成された溝部78内に位置するよう構成されるというものである。カム部106がその開放ポジションにある場合には、係合部100は、溝部78に沿って容易に移動することが可能であり、ここで、ウェブ102は間隙76内に位置しており、フランジ104は基部70と結合部材52の頂面フランジ74との間を摺動する。カム部106がその係合したポジションにある場合には、フランジ104は基部70に押し付けられ、カム部106は頂面フランジ74に押し付けられる。これにより、結合部材52に沿った所望の長手方向の位置で係合部100を固定するために十分な摩擦力が提供される。
【0040】
図3及び図4は、第1の移動パンケーキ部14と第1のモータ30との結合を示している。移動パンケーキ部14は、そのカム部106に接続されたレバーアーム108を有しており、従って、レバーアーム108の旋回によって、カム部106が図3に示した開放されたポジションと、係合したポジションと、の間で動かされる。
【0041】
移動パンケーキ部14は、被駆動歯車110を有する。
【0042】
移動パンケーキ部14の係合部100は、結合部材52の第2の末端82で、モータ30の結合部材52へと導入される。この場合、係合部100は、被駆動歯車110が駆動歯車56と係合して噛み合うまで、結合部材52に沿って摺動させられる。係合部100に対する更なる押圧力の印加が、結合部材52を曲げるように作用し、このようにして、駆動輪56と被駆動輪110との間の連結部に予め負荷が掛けられる。係合したポジションへとカム部106を動かすためのレバーアーム108の作動が、駆動輪56と被駆動輪110とを係合して噛み合った状態で固定するように作用する。このようにして、(第1の制御ケーブル32を通った電流による)第1のモータ30の稼働によって、第1の移動パンケーキ部14の被駆動輪110の回転が引き起こされ、これにより、カメラ10及びそれに関連するフレーム構造の、トラック12に沿った移動がもたらされる。
【0043】
第2のモータ34は、同様のやり方で第2の移動パンケーキ部16に結合されている。(第2の制御ケーブル36を通った電流による)第2のモータ34の稼働によって、第2の移動パンケーキ部16の被駆動輪の回転が引き起こされ、これにより、垂直軸を中心とするカメラ10の流し撮りがもたらされる。
【0044】
第3のモータ38は、同様のやり方で第3の移動パンケーキ部20に結合されている。(第3の制御ケーブル40を通った電流による)第3のモータ38の稼働によって、第3の移動パンケーキ部20の被駆動輪の回転が引き起こされ、これにより、水平軸を中心とするカメラ10の傾きがもたらされる。
【0045】
第2の移動パンケーキ部14と、第3の移動パンケーキ部20とは、機械的な回転制限装置(図示せず)を含んでいる。この回転制限装置によって、各移動パンケーキ部14、20の過回転を防止するための機械的手段が提供される。即ち、所定の回転限界値が提供され、これによりシステムの較正のための一手段が提供される。
【0046】
第4のモータ42は、カメラ10のレンズ制御被駆動輪に接触したポジションで保持されている。(第4の制御ケーブル46を通った電流による)第4のモータ42の稼働によって、カメラ10のレンズ制御部の回転が引き起こされ、これにより、FIZ動作が可能となる。
【0047】
第4のモータ42は、図5図7に示すクランプ44によって、或るポジションに保持されている。クランプ44は、全体的に円筒状の開口120を有しており、この開口120は、ヒンジ結合126により可動的な上部124へと接続された固定下部122によって形成されている。開口120は、当該開口120の直径を定めるよう作用する適切な大きさの挿入部128を含んでいる。
【0048】
上部124は、ヒンジ結合126とは反対側の外端にU字状のフランジ130を有する。この配置は、クランプが閉じた状態にある場合には、下部122の上方合わせ面132に沿ってフランジ130が載置されるというものである。
【0049】
クランプ44は、下部122の下方に位置する係合部100を含み、従って、フランジ104は、上方合わせ面132に対して平行である。
【0050】
操作アーム133は、2つの構成要素で形成され、即ち、カム部106に固定されたネジ軸134と、ハンドル138に固定されたネジスリーブ136と、で形成されている。ネジ軸134は、U字状のフランジ130の中に位置するために十分に小さな直径を有する。スリーブ136は、U字状のフランジ130の中に入れないように十分に大きな直径を有する。
【0051】
操作アーム133は、3つのポジションの間で動かされうる。図5及び図6に示す第1のポジションでは、クランプ44は閉じられており、スリーブ136はフランジ130より上方に位置して、クランプ44を閉じた状態で保持している。操作アーム133の有効長は、スリーブ136がフランジ130で支持される場合にカム部106が、係合部100に対して開放されたポジションで維持されるというものである。
【0052】
その縦軸を中心にスリーブ136を回転させることよって、操作アーム133の有効長が短くなる。この動作によって、操作アームは第2のポジションに置かれ、この第2のポジションにおいては、スリーブ136はフランジ130で支持され、カム部106は、係合したポジションで維持される。このようにして、第2のポジションによって、クランプ44が閉じたポジションで固定され、さらに、係合部が、(例えば、第4のモータ42に対して)所望のポジションで固定される。これは、図1に示した状態である。
【0053】
その第1のポジションから、操作アーム133は、カム部106を中心に旋回させて第3のポジションに置くことが可能であり、この第3のポジションにおいては、スリーブ136が、図7に示すようにフランジ130の外に位置している。このポジションでは、上部124が、ヒンジ結合126を中心として自在に回転する。
【0054】
第2の移動パンケーキ部16への第1のブラケット18の取り付け、及び、第3の移動パンケーキ部20への第2のブラケット22の取り付けは、図8に示されるクランプ150によるものである。
【0055】
クランプ150は、基部152と、上部154と、を有する。基部152は、湾曲した支持部材156と関連付けられており、一方の支持部材は、クランプ150の第1の末端158に位置しており、他方の支持部材は、クランプ150の第2の末端160に位置している。
【0056】
つまみネジ162が、第1の末端158で、上部154及び基部152を貫通しており、さらに、第1の末端158の支持部材156に設けられたネジ孔の内部に位置している。つまみネジ162は、上部154と基部152とを互いに関わらせて保持するよう作用する一方、支持部材156を中心とした制限された相対的な回転を可能とする。バネ(図示せず)が、つまみネジ162の軸の周囲の上部153と基部152との間に位置しており、これにより、クランプ150に予め負荷を掛けることが可能となる。
【0057】
第2の末端160では、レバーアーム164が、調整ピン166と関連付けられている。調整ピン166は、第2の末端160の支持部材156の内部で収容する外端を有する。この構成は、レバーアーム164への下方向の力の印加が、調整ピン166の頭部を上げるように作用し、このようにして、上部154を基部152に押し付けて固定するというものである。レバーアーム164への上方向への力の印加は、調整ピン166の頭部を下げるように作用し、これにより、上部154と基部152との間に空間を形成することが可能となる。
【0058】
当業者には明らかであろう改造及び変更は本発明の範囲内に収まると見なされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8