(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
B60K 25/00 20060101AFI20230809BHJP
B60P 3/00 20060101ALI20230809BHJP
F02B 77/00 20060101ALI20230809BHJP
F02B 61/00 20060101ALI20230809BHJP
F02B 63/06 20060101ALI20230809BHJP
F02D 29/04 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
B60K25/00 Z
B60P3/00 R
F02B77/00 M
F02B61/00 B
F02B63/06 E
F02D29/04 F
(21)【出願番号】P 2020014871
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】小西 拓
(72)【発明者】
【氏名】下宇宿 研一
(72)【発明者】
【氏名】今岡 大策
【審査官】宇佐美 琴
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3208685(JP,U)
【文献】特開平11-132183(JP,A)
【文献】特開2005-230524(JP,A)
【文献】特開2004-154910(JP,A)
【文献】特開2012-125685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 25/00-25/06
B60P 3/00- 9/00
F02D 29/00-29/06
A62C 2/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に搭載され液体を積載するタンクと、該タンク内の液体を吐出する又は該タンク内へ液体を吸入するための機構と、該機構をエンジンの出力で駆動制御する制御部と、を備えている車両であって、
前記制御部は、
前記エンジンの出力を指示する指示手段で指示された指示値に
該エンジンの出力を追従させて前記機構を駆動させる第1モードと、
前記指示手段からの指示を無視してアクセルペダルの踏み込み量に応じた前記エンジンの出力に合わせて前記機構を駆動させる第2モードとに切替可能なモード切替手段を備え、該モード切替手段は、前記制御部が前記機構を駆動する指令信号を受信した時に、前記第1モードに切り替える前に前記第2モードに切り替えることを特徴とする車両。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2モードで前記機構を駆動している際に、前記
指示手段で指示された指示値に基づく前記エンジンの出力と予め設定されている閾値とを比較し、前記エンジンの出力が閾値よりも小さい場合に、前記第2モードから前記第1モードに切り替えるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2モードで前記機構を駆動している際に、前記
指示手段で指示された指示値に基づく前記エンジンの出力と予め設定されている閾値とを比較し、前記エンジンの出力が閾値よりも大きい場合に、オペレータに報知するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2モードで前記機構を駆動している際に、前記
指示手段で指示された指示値に基づく前記エンジンの出力と予め設定されている閾値とを比較し、前記エンジンの出力が閾値よりも大きい場合に、前記エンジンの出力を前記閾値以下にしてから前記第2モードから前記第1モードに切り替えるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に搭載され液体を積載するタンクを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、放水が行える車両が開示されている。この車両には、水を積載するタンクと、タンク内の液体を吐出又はタンク内へ液体を吸入するためのポンプと、エンジンの出力を用いてポンプを駆動して放水を行う放水機と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の放水を行う車両においては、一般的に、放水機による散布を開始する散布スイッチを備えるとともに、放水機の放水量を調整するためにエンジン回転数を調整するエンジン回転数調整スイッチを備えており、そのエンジン回転数調整スイッチを高回転から低回転までの任意の位置に操作することにより作業に応じた放水量に設定することができるようにしている。
【0004】
ところで、前記エンジン回転数調整スイッチを高回転に設定した状態のままで作業を終了している場合がある。その場合、次回の作業時に散布スイッチを押すと、エンジンが高回転で突然駆動される、そのため、ポンプがエンジンからの大出力を受けて始動してしまう。その結果、ポンプの破損や故障の原因となり、早期改善が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、ポンプがエンジンからの大出力で始動されることを防止することができる車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両は、車体に搭載され液体を積載するタンクと、該タンク内の液体を吐出する又は該タンク内へ液体を吸入するための機構と、該機構をエンジンの出力で駆動制御する制御部と、を備えている車両であって、前記制御部は、指示された指示値に基づいて前記エンジンの出力を追従させて前記機構を駆動させる第1モードと、前記エンジンの出力に合わせて前記機構を駆動させる第2モードとに切替可能なモード切替手段を備え、該モード切替手段は、前記機構を駆動する指令信号が出力された時に、前記第1モードに切り替える前に前記第2モードに切り替えることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、機構を駆動する指令信号が出力されて例えば放水を行う時に、モード切替手段が、第2モードに切り替えられることにより、エンジンの出力に合わせて機構が駆動される。ところで、タンク内の液体を吐出して放水を行う又はタンク内へ液体を吸入する時には、低速走行や停車して行うことが多いため、エンジンが最大出力になり難い。そのため、ポンプがエンジンからの大出力で始動されることを防止することができる。そして、第2モードから第1モードに切り替わると、指示された指示値に基づいてエンジンの出力が追従し、その追従したエンジン出力でポンプが駆動される。
【0009】
また、本発明の車両は、前記制御部が、前記第2モードで前記機構を駆動している際に、前記指示値に基づく前記エンジンの出力と予め設定されている閾値とを比較し、前記エンジンの出力が閾値よりも小さい場合に、前記第2モードから前記第1モードに切り替えるように構成されていてもよい。
【0010】
上記のように、指示値に基づくエンジンの出力が閾値よりも小さい場合に、第2モードから第1モードに切り替えるようにすれば、切替後においてもポンプがエンジンからの大出力で駆動されることを防止することができる。
【0011】
また、本発明の車両は、前記制御部が、前記第2モードで前記機構を駆動している際に、前記指示値に基づく前記エンジンの出力と予め設定されている閾値とを比較し、前記エンジンの出力が閾値よりも大きい場合に、オペレータに報知するように構成されていてもよい。
【0012】
上記構成によれば、指示値に基づくエンジンの出力が閾値よりも大きい場合に、オペレータに報知すれば、気付いたオペレータがエンジンの出力を閾値以下に変更することができる。
【0013】
また、本発明の車両は、前記制御部が、前記第2モードで前記機構を駆動している際に、前記指示値に基づく前記エンジンの出力と予め設定されている閾値とを比較し、前記エンジンの出力が閾値よりも大きい場合に、前記エンジンの出力を前記閾値以下にしてから前記第2モードから前記第1モードに切り替えるように構成されていてもよい。
【0014】
上記構成によれば、指示値に基づくエンジンの出力が閾値よりも大きい場合に、エンジンの出力を閾値以下にしてから第2モードから第1モードに切り替えれば、切替後においてもポンプがエンジンからの大出力で駆動されることを防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、機構を駆動する指令信号が出力された時に、第1モードに切り替える前に第2モードに切り替えるように構成することによって、ポンプがエンジンからの大出力で始動されることを防止することができる車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】放水を行う時の第1の制御を示すフローチャートである。
【
図4】
図3においてエンジン回転数が指示値と異なる場合の制御を示すフローチャートである。
【
図5】放水を行う時の第2の制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る車両としてのタンク車を、
図1に基づいて説明する。タンク車1は、走行用駆動源としてのエンジン2が下部に搭載された運転室3と、フレーム4に搭載され放水用の水を積載する前後方向に長いタンク5と、タンク5内の水を吐出する又はタンク5内に水を吸入するための機構であるポンプ6と、ポンプ6の駆動により水が配管を通して圧送されて放水するための前方放水ノズル7及び後方放水ノズル8と、を備えている。
【0018】
ポンプ6は、エンジン2の出力で駆動され、運転室3に備えるアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量に応じたエンジン2の出力(回転数)に合わせてポンプ6が駆動される。つまり、アクセルペダルの踏み込み量を大きくすれば、エンジン2の大きな出力(高回転数)でポンプ6が駆動され、アクセルペダルの踏み込み量を小さくすれば、エンジン2の小さな出力(低回転数)でポンプ6が駆動される。この駆動を第2モードという。この第2モードでは、制御部12は、エンジン回転数設定スイッチ9から入力される指示を無視してアクセルペダルの踏み込み量に応じたエンジン2の出力(回転数)でポンプ6を駆動させる。つまり、第2モードでは、アクセルペダルの踏み込み量に基づいてエンジン出力が変更されるフィードフォワード制御を行っている。
【0019】
また、制御部12は、
図2に示すエンジン回転数設定スイッチ9により指示された指示値(ここでは、エンジン回転数)を入手し、その入手した指示に基づいてエンジン2の出力を追従させ、その追従させるエンジン2の出力でポンプ6が駆動される。この駆動を第1モードという。この第1モードでは、制御部12は、エンジン2からのエンジン回転数を検出し、検出したエンジン回転数に基づいてエンジン2の回転数を上げる又は下げることによって前記指示値にエンジン回転数を合わせるようにフィードバック制御を行っている。
【0020】
図2は、放水を行う時の制御構成を示すブロック図である。
図2に示す放水スイッチ10、エンジン回転数設定スイッチ9、エンジン回転数検出手段11は、タンク車1に備え、それらからの信号が制御部12に入力される。
【0021】
放水スイッチ10は、前方放水ノズル7及び後方放水ノズル8からの放水を開始する時にONするためのスイッチである。この放水スイッチ10は、前方放水ノズル7用のスイッチ(図示せず)と、後方放水ノズル8用のスイッチ(図示せず)と、を備えているが、この実施形態では、1個の放水スイッチ10で説明する。
【0022】
エンジン回転数設定スイッチ9は、放水量を増やす又は減らすときに、エンジン回転数を高くする又は低くするためのスイッチであり、例えばエンジン回転数を無段階に調整可能な回転式のスイッチや、エンジン回転数を段階的に変化させるトグルスイッチ等で構成してもよい。
【0023】
エンジン回転数検出手段11は、所定時間当たりのクランクシャフトの回転数を検出するセンサから構成してもよいし、エンジン2の振動の大きさを計測してエンジンの回転数を測定するセンサや、エンジン2の駆動により発電する発電機の出力電圧からエンジン回転数を割り出すセンサ等であってもよい。エンジン回転数検出手段11で検出されるエンジン回転数が、アクセルペダルの踏み込み量又はエンジン回転数設定スイッチ9の回転位置で指示される指示値になるように制御部12がエンジン2を駆動制御する。
【0024】
制御部12は、第1モードと第2モードとに切り替えるモード切替手段13を備えている。モード切替手段13は、放水スイッチ10がON操作されることによりポンプ6を駆動する指令信号を制御部12が受信した時に、第1モードに切り替える前に第2モードに切り替えるように構成されている。
【0025】
前記のように、制御部12がポンプ6を駆動する指令信号を受信して放水を行う時に、モード切替手段13が、第2モードに切り替えることにより、エンジン回転数設定スイッチ9からの指示を無視して、アクセルペダルの踏み込み量に応じたエンジン2の出力に合わせてポンプ6を駆動する。ところで、タンク5内の液体を吐出して放水を行う又はタンク5内へ液体を吸入する時には、低速走行や停車して行うことが多いため、エンジン2が最大出力になり難い。そのため、ポンプ6がエンジン2からの大出力で始動されることを防止することができ、ポンプ6の破損や故障を回避することができる。そして、第2モードから第1モードに切り替わると、エンジン回転数設定スイッチ9で指示された指示値(エンジン回転数)に基づいてエンジン2の出力が追従し、その追従したエンジン出力でポンプ6が駆動される。
【0026】
また、制御部12は、第2モードでポンプ6を駆動している際に、前記指示値に基づく前記エンジン2の出力と予め設定されている閾値とを比較し、前記指示値に基づく(ここでは、エンジン回転数設定スイッチ9で指示された)エンジン2の出力が閾値よりも小さい場合に、第2モードから第1モードに切り替えるように構成されている。
【0027】
上記のように、前記指示値に基づくエンジン2の出力が閾値よりも小さい場合に、第2モードから第1モードに切り替えるようにすれば、切替後においてもポンプ6がエンジン2からの大出力で駆動されることを防止することができる。前記閾値は、エンジン2が最大回転数よりも低い回転数であれば、どのような値に設定してもよいが、低速で走行する時や停車時のアイドリング回転数等の低いエンジン回転数に設定してもよい。
【0028】
また、制御部12は、第2モードでポンプ6を駆動している際に、前記指示値に基づく前記エンジン2の出力と前記閾値とを比較し、エンジン2の出力が閾値よりも大きい場合に、オペレータに報知するように構成されている。
【0029】
上記のように、前記指示値に基づく(ここでは、エンジン回転数設定スイッチ9で指示された)エンジン2の出力が前記閾値よりも大きい場合に、オペレータに報知すれば、気付いたオペレータがエンジン2の出力(エンジン回転数設定スイッチ9で指示された指示値)を閾値以下にすることができる。
【0030】
また、制御部12は、第2モードでポンプ6を駆動している際に、前記指示値に基づく前記エンジン2の出力と前記閾値とを比較し、エンジン2の出力が閾値よりも大きい場合に、オペレータに報知するように構成する他、エンジン2の出力を前記閾値以下にしてから第2モードから第1モードに切り替えるように構成されていてもよい。
【0031】
上記のように、エンジン2の出力が閾値よりも大きい場合に、エンジン2の出力(エンジン回転数設定スイッチ9で指示された指示値)を前記閾値以下にしてから第2モードから第1モードに切り替えれば、切替後においてもポンプ6がエンジン2からの大出力で駆動されることを防止することができる。
【0032】
上記構成のタンク車で放水を行う場合の実際の放水制御を
図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0033】
まず、制御部12は、放水スイッチ10がONされたかどうかを確認し(ステップS1)、ONされると、ポンプ6を駆動する指令信号を受信したと判断し、第2モードに切り替える(ステップS2)。第2モードに切り替えると、エンジン回転数設定スイッチ9からの信号を無視し、アクセルペダルの踏み込み量に応じたエンジン2の出力に合わせてポンプ6が駆動される(ステップS3)。走行中であれば、低速走行であるため、低速に対応するエンジン2の低回転数でポンプ6が駆動される。次に、前記指示値に基づく前記エンジン2の出力値であるエンジン回転数と予め設定されている閾値(エンジン回転数)とを比較し(ステップS4)、エンジン回転数が閾値以下であると判定されると、第1モードに切り替える(ステップS5)。ステップ第1モードに切り替えた後は、指示値にエンジン回転数が一致しているかどうかを確認する(ステップS6)。一致していない場合には、
図4に示すように、指示値がエンジン回転数よりも大きいかどうかを確認する(ステップS11)。指示値がエンジン回転数よりも大きい場合には、エンジン回転数を上げる(ステップS12)。前記指示値がエンジン回転数より小さい場合には、エンジン回転数を下げる(ステップS13)。こののち、
図3のステップS6に戻って、再度、指示値にエンジン回転数が一致しているかどうかを確認する。一致している場合には、次の判断に移行し、不一致の場合には、
図4の工程を繰り返し行う。一致している場合には、エンジン回転数設定スイッチ9が操作されたかどうかを確認し(ステップS7)、操作された場合には、エンジン回転数設定スイッチ9で設定された(変更された)回転数へ変更する(ステップS8)。こののち、放水スイッチ10がOFFされたかどうかを確認し(ステップS9)、放水スイッチ10がOFFされると、放水制御を終了する。放水を終了すると、エンジン回転数設定スイッチ9の指示値を制御部12に備える記憶部に記憶しておく。ステップS4で、エンジン回転数が閾値よりも大きいと判定されると、オペレータに報知し(ステップS10)、放水制御を終了する。前記報知に気付いたオペレータがエンジン回転数設定スイッチ9の指示値を下げて指示値に基づくエンジンの出力(エンジン回転数)を閾値以下にしてから、放水を再開することになる。オペレータに報知する報知手段としては、ブザーを鳴らす、警告灯を点灯させる、表示部にメッセージ表示する等、どのような手段であってもよい。
【0034】
図3では、ステップS4においてエンジン回転数が閾値よりも大きいと判定されると、オペレータに報知する構成としたが、
図5のようにしてもよい。つまり、
図5では、ステップS4においてエンジン回転数設定スイッチ9で指示された指示値に対応するエンジンの出力(エンジン回転数)が閾値よりも大きいと判定されると、制御部12が、エンジンの出力(エンジン回転数、エンジン回転数設定スイッチ9で指示された指示値)を閾値以下の始動回転数にする(ステップS14)。なお、始動回転数は、閾値以下の値として予め設定及び制御部12に記憶させた値である。その後、第1モードに切り替えて(ステップS4)、
図3同様のステップS6~S9までの処理になる。また、前述同様に、ステップS6において指示値=エンジン回転数になるまでステップS11~S13までの処理を行う。
【0035】
タンク5内の液体(ここでは水)を吐出する放水時には、車両が走行中の他、停車中においても行うことができる。また、タンク5内へ液体(ここでは水)を吸入する場合は、停車中に行うことになる。なお、車両が停車中の場合には、エンジン回転数がアイドリング回転数であることから、駐車ブレーキからの出力信号(駐車ブレーキON信号)に基づいて第2モードから第1モードへ切り替えるように構成してもよい。
【0036】
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではない。例えば、本発明の車両としては、ポンプを備えたタンク車に限らず、ガソリン、軽油、灯油などの液体を積載可能なタンクローリが挙げられ、液体をポンプ等の機構で送る車両に本発明は適用できる。
【0037】
上記実施形態では、走行用駆動源としてのエンジン2の出力でポンプ6を駆動したが、走行用駆動源としてのエンジン2とは別のエンジンでポンプ6を駆動してもよい。また、上記タンク車1のエンジンは、内燃機関だけでなく、電動モータを用いてもよく(いわゆる電動車両)、内燃機関と電動モータとを併用してもよい(ハイブリッド車)。
【0038】
また、上記実施形態では、タンク5内の液体を吐出する又はタンク5内へ液体を吸入するための機構として電動式のポンプ6を用いたが、ダイヤフラム式のポンプであってもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、エンジン回転数設定スイッチ9によりエンジン回転数を設定したが、エンジン回転数を入力するキーボードやエンジン回転数を上げたり下げたりするためのアップダウンスイッチ等により設定してもよい。また、作業開始後に指示される指示値(エンジン回転数)は、前回の指示値を用いてもよいし、放水作業を行う度に新しく入力される指示値を用いてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…タンク車、2…エンジン、3…運転室、4…フレーム、5…タンク、6…ポンプ(機構)、7…前方放水ノズル、8…後方放水ノズル、9…エンジン回転数設定スイッチ、10…放水スイッチ、11…エンジン回転数検出手段、12…制御部、13…モード切替手段