IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 川崎重工業株式会社の特許一覧 ▶ カワサキロボティクス(ユーエスエー),インク.の特許一覧

<>
  • 特許-基板移載装置及びその制御方法 図1
  • 特許-基板移載装置及びその制御方法 図2
  • 特許-基板移載装置及びその制御方法 図3
  • 特許-基板移載装置及びその制御方法 図4
  • 特許-基板移載装置及びその制御方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】基板移載装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20230809BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020546823
(86)(22)【出願日】2019-08-26
(86)【国際出願番号】 JP2019033374
(87)【国際公開番号】W WO2020054386
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2020-12-09
【審判番号】
【審判請求日】2022-09-26
(31)【優先権主張番号】16/127,460
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】517340611
【氏名又は名称】カワサキロボティクス(ユーエスエー),インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】バロアニー,アビッシュ アショック
(72)【発明者】
【氏名】ゼン,ミン
【合議体】
【審判長】瀧内 健夫
【審判官】河本 充雄
【審判官】小田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-152055(JP,A)
【文献】特開2013-154453(JP,A)
【文献】国際公開第2010/013422(WO,A1)
【文献】特開2012-195426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板保持ハンドを有する基板搬送ロボットとアライナとを備えた基板移載装置の制御方法であって、
前記基板搬送ロボットに基板を保持している前記基板保持ハンドを前記アライナの周囲に規定された所定のレディ位置へ移動させる工程と、
前記基板保持ハンドが前記レディ位置にあるときに1つのコマンドが実行されて、当該コマンドに対応付けられたi)前記基板保持ハンドを前記アライナに規定された所定の載置位置へ移動させて、前記基板を前記アライナの回転台へ移載させること、ii)前記基板保持ハンドを前記載置位置から前記レディ位置よりも近い位置に規定された所定の待機位置で静止した状態で待機させながら、前記アライナに前記基板をアライメントさせること、iii)前記基板保持ハンドを前記載置位置へ移動させて、前記基板を前記アライナから前記基板保持ハンドへ移載させること、及び、iv)前記基板を保持している前記基板保持ハンドを前記レディ位置へ移動させること、からなる一連の動作を、途中で他のコマンドが実行されることなく前記基板搬送ロボットに上記i)乃至iv)の順番で連続的に行わせる工程と、を含む、
基板移載装置の制御方法。
【請求項2】
前記待機位置が、前記アライナに保持されている前記基板の下方又は上方である、
請求項1に記載の基板移載装置の制御方法。
【請求項3】
前記待機位置が、前記載置位置と前記レディ位置との間にある、
請求項1に記載の基板移載装置の制御方法。
【請求項4】
基板保持ハンドを有する基板搬送ロボットと、
アライナと、
基板移載プログラムを記憶したメモリ、及び、前記基板移載プログラムを実行するプロセッサを有するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記プロセッサが前記基板移載プログラムを実行することにより、前記基板搬送ロボットに、基板を保持している前記基板保持ハンドを前記アライナの周囲に規定された所定のレディ位置へ移動させるように動作させた後、1つのコマンドを実行して、当該コマンドに対応付けられたi)前記基板保持ハンドを前記アライナに規定された所定の載置位置へ移動させて、前記基板を前記アライナの回転台へ移載させ、ii)前記基板保持ハンドを前記載置位置から前記レディ位置よりも近い位置に規定された所定の待機位置で前記アライナによるアライメントが終わるまで静止した状態で待機させ、iii)前記基板保持ハンドを前記載置位置へ移動させて、前記基板を前記アライナから前記基板保持ハンドへ移載させ、iv)前記基板保持ハンドを前記レデイ位置へ移動させる、からなる一連の動作を、途中で他のコマンドを実行することなく前記基板搬送ロボットに上記i)乃至iv)の順番で行わせるように、構成されている、
基板移載装置。
【請求項5】
前記待機位置が、前記アライナに保持されている前記基板の下方又は上方である、
請求項4に記載の基板移載装置。
【請求項6】
前記待機位置が、前記載置位置と前記レディ位置との間にある、
請求項4に記載の基板移載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板やガラス基板などの基板をキャリアからプロセス装置へ移載する基板移載装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体素子製造材料である半導体基板(以下、単に「基板」ということがある)に素子形成などのプロセス処理を行う基板処理設備が知られている。一般に、基板処理設備には、プロセス処理装置や、プロセス処理装置と隣接配置された基板移載装置などが設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の基板移載装置は、内部に搬送室が形成された筐体と、筐体の前壁に設けられた複数のロードポートと、搬送室内に設置された基板搬送ロボット及びアライナとを備えている。基板搬送ロボットはロボットアームと、ロボットアームの手首と連結されたロボットハンドとを備えている。この基板搬送ロボットは、プロセス処理装置への基板のロード及びアンロード、工程間搬送用の密閉可能な基板キャリアに収容された基板の取出及び収容などの作業を行う。上記のような基板移載装置の一例として、フロントエンドモジュール(Equipment Front End Module、略称EFEM)やソータが知られている。また、上記のような基板キャリアの一例として、FOUP(Front Opening Unified Pod)と呼ばれるものが知られている。
【0004】
基板に対しゲート形成などの処理を行なう際、個々の基板は、弦状に切り欠かれたオリフラやV字状又はU字状に切り欠かれたノッチの位置が基準回転位置と常に一致している状態の下で処理ステージにセットされることが要求される。アライナでは、このような基板の位置合わせが行われる。特許文献2では、この種のアライナが開示されている。
【0005】
特許文献2のアライナでは、先ず、基板を乗せたロボットハンドが設定された高さで回転台の上方へ至ると、回転台が上昇して基板を受け取り、回転台が上限位置で停止すると同時に回転台が基板を真空吸着する。次に、ロボットハンドが後退してホームポジションに戻ると、回転台(基板)が指定された角度回転して、停止時の基板中心から端面までの寸法の計測をラインセンサにより行ってから、回転台が真空吸着を解除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-28134号公報
【文献】特開2009‐194346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献2に記載されているように、従来の基板移載装置1のロボットハンドは、アライナに基板を移載してから、アライナが基板のアライメントを行っている間に一旦アライナから退避したレディ位置に戻り、アライメントが終われば、レディ位置からアライナまで基板を迎えに行くように、制御されていた。このようにロボットハンドの動作には、実効を伴わない往復動作が含まれていた。
【0008】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、基板保持ハンドを有する基板搬送ロボットとアライナとを備えた基板移載装置において、スループットを向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る基板移載装置の制御方法は、基板保持ハンドを有する基板搬送ロボットとアライナとを備えた基板移載装置の制御方法であって、
前記基板搬送ロボットに前記基板を保持している前記基板保持ハンドを前記アライナの周囲に規定された所定のレディ位置へ移動させる工程と、
前記基板保持ハンドが前記レディ位置にあるときに1つのコマンドが実行されて、当該コマンドに対応付けられたi)前記基板保持ハンドを前記アライナに規定された所定の載置位置へ移動させて、前記基板を前記アライナの回転台へ移載させること、ii)前記基板保持ハンドを前記載置位置から前記レディ位置よりも近い位置に規定された所定の待機位置で静止した状態で待機させながら、前記アライナに前記基板をアライメントさせること、iii)前記基板保持ハンドを前記載置位置へ移動させて、前記基板を前記アライナから前記基板保持ハンドへ移載させること、及び、iv)前記基板を保持している前記基板保持ハンドを前記レディ位置へ移動させること、からなる一連の動作を、途中で他のコマンドが実行されることなく前記基板搬送ロボットに上記i)乃至iv)の順番で連続的に行わせる工程と、を含むものである。
【0010】
また、本発明の一態様に係る基板移載装置は、基板保持ハンドを有する基板搬送ロボットと、アライナと、基板移載プログラムを記憶したメモリ、及び、前記基板移載プログラムを実行するプロセッサを有するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記プロセッサが前記基板移載プログラムを実行することにより、前記基板搬送ロボットに、前記基板を保持している前記基板保持ハンドを前記アライナの周囲に規定された所定のレディ位置へ移動させるように動作させた後、1つのコマンドを実行して、当該コマンドに対応付けられたi)前記基板保持ハンドを前記アライナに規定された所定の載置位置へ移動させて、前記基板を前記アライナの回転台へ移載させ、ii)前記基板保持ハンドを前記載置位置から前記レディ位置よりも近い位置に規定された所定の待機位置で前記アライナによるアライメントが終わるまで静止した状態で待機させ、iii)前記基板保持ハンドを前記載置位置へ移動させて、前記基板を前記アライナから前記基板保持ハンドへ移載させ、iv)前記基板保持ハンドを前記レディ位置へ移動させる、からなる一連の動作を、途中で他のコマンドを実行することなく前記基板搬送ロボットに上記i)乃至iv)の順番で行わせるように、構成されているものである。
【0011】
上記の基板移載装置及びその制御方法によれば、ハンドがアライナに基板を移載した後、ホームポジションに引き返さずに待機位置でアライメントが終了するまで待機する。よって、ハンドがホームポジションからアライナまで基板を迎えに行く動作が省略され、その分、処理のスループットを向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基板保持ハンドを有する基板搬送ロボットとアライナとを備えた基板移載装置において、スループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る基板移載装置を具備する基板処理設備の概略構成を示す平面断面図である。
図2図2は、図1に示す基板処理設備の概略構成を示す側面断面図である。
図3図3は、基板移載装置の制御系統の構成を示すブロック図である。
図4図4は、コントローラによる処理の流れを説明するフローチャートである。
図5図5は、ハンドの移動の目標位置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔基板処理設備100の概略構成〕
先ず、本発明の一実施形態に係る基板移載装置1を具備する基板処理設備100の概略構成から説明する。図1は本発明の一実施形態に係る基板移載装置1を具備する基板処理設備100の概略構成を示す平面断面図であり、図2図1に示す基板処理設備100の概略構成を示す側面断面図である。図1及び図2に示すように、基板処理設備100は、基板移載装置1と、プロセス処理装置2とを備える。なお、基板処理設備100は、例えば、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格などの規定に適合するように設計されている。
【0015】
プロセス処理装置2は、熱処理、不純物導入処理、薄膜形成処理、リソグラフィー処理、洗浄処理及び平坦化処理の少なくとも1つ以上のプロセス処理を基板24に施す装置又は装置群である。但し、プロセス処理装置2が基板24に対して上述した処理以外の処理を行ってもよい。
【0016】
プロセス処理装置2は、基板24に処理を施す処理装置本体20と、処理装置本体20が収容された筐体21と、筐体21内に形成された処理室22の雰囲気気体を調整する調整装置(図示略)とを備える。調整装置は、例えば、ファンフィルタユニット等によって実現されてよい。
【0017】
基板移載装置1は、プロセス処理装置2と隣接して配設されている。基板移載装置1は、基板キャリア25とプロセス処理装置2との間で基板24の受渡しを担うインターフェース部として機能する。基板キャリア25は、多数の基板24を収容することのできる可搬式の容器である。
【0018】
〔基板移載装置1の構成〕
次に、基板移載装置1の構成について詳細に説明する。基板移載装置1は、基板搬送ロボット7と、基板24の向きを整えるアライナ92と、調整装置93と、これらを収容する筐体8と、ロードポート91と、コントローラ6とを備える。
【0019】
筐体8は、前壁81及び後壁82が最大面積である直方体形状を呈し、内部に搬送室80が形成されている。搬送室80はクリーン度の高い閉じられた空間であって、搬送室80は所定の雰囲気気体で満たされている。調整装置93によって、搬送室80の雰囲気中における浮遊微小粒子は所定の清浄度レベル以下に管理され、必要に応じて温度、湿度、圧力などの搬送室80の環境条件についても管理されている。
【0020】
筐体8の後壁82には、複数の後開口87が設けられている。後壁82は、プロセス処理装置2の処理室22と基板移載装置1の搬送室80とを仕切っており、後開口87を通じて処理室22と搬送室80とが連通される。
【0021】
筐体8の前壁81には、複数のロードポート91が設けられている。ロードポート91は、基板キャリア25と基板移載装置1のドッキングとアンドッキング、基板キャリア25の支持、及び、基板キャリア25の開閉などの機能を有する。
【0022】
各ロードポート91は、開口枠95、支持台97、及び、オープナ98を備える。開口枠95は筐体8の前壁81の一部分を構成しており、開口枠95によって筐体8の前開口86が規定されている。オープナ98は、基板キャリア25の容器側ドア61及びオープナ側ドア96を一体的に搬送室80内へ移動させることによって、前開口86を開放させる。支持台97には、基板キャリア25が載置される。筐体8の前壁81に形成された前開口86を通じて、基板移載装置1とドッキングされた基板キャリア25と搬送室80とが連通される。
【0023】
アライナ92は、ラインセンサ31と、回転台35とを備える。回転台5は、垂直な回転軸線を有し、回転駆動装置37(図3、参照)によって水平面内で回転軸線を中心として回転駆動される。回転台35はバキューム(図示略)によって駆動されるバキュームチャックを備え、それにより回転台35に基板24が吸着保持される。
【0024】
基板搬送ロボット7は、ロボットアーム(以下、単に「アーム71」という)と、アーム71の手首部に連結されたエンドエフェクタの一例である基板保持ハンド(以下、単に「ハンド72」という)と、アーム71を支持する基台73とを備える。本実施形態に係る基板搬送ロボット7は、水平多関節ロボットである。
【0025】
アーム71は、基台73に支持された昇降軸70と、連接された複数のリンク75,76とを備える。第1リンク75の基端と昇降軸70の先端とが第1関節A1を介して連結されている。第1リンク75の先端と第2リンク76の基端とが第2関節A2を介して連結されている。第2リンク76の先端とハンド72の基端とが手首関節A3を介して連結されている。基台73内には、昇降軸70を昇降駆動する昇降駆動装置69が設けられている(図3、参照)。昇降駆動装置69は、例えば、コントローラ6から与えられる信号に従って角変位するサーボモータと、減速装置を含みサーボモータの動力を直進力に変換して昇降軸70へ伝達する動力伝達機構と、サーボモータの角変位を検出する位置検出器とを含む(いずれも図示略)。第1リンク75内には、第1関節A1を駆動する第1関節駆動装置77、及び、第2関節A2を駆動する第2関節駆動装置78が設けられている(図3、参照)。第2リンク76内には手首関節A3を駆動する手首関節駆動装置79が設けられている(図3、参照)。各関節の駆動装置77,78,79は、コントローラ6から与えられる信号に従って角変位するサーボモータと、減速装置を含みサーボモータの動力をリンク体に伝達する動力伝達機構と、サーボモータの角変位を検出する位置検出器とを含む(いずれも図示略)。
【0026】
ハンド72は、手首関節A3を介してアーム71の先端と連結されたハンド基部51と、ハンド基部51と結合されたブレード52とを備える。ブレード52には、基板24を保持するための保持装置が設けられている。この保持装置は、ブレード52に載置された基板24を嵌合、吸着、挟持、又は他の態様でブレード52から落脱しないようにするものであってよい。
【0027】
〔基板移載装置1の制御系統の構成〕
図3は、基板移載装置1の制御系統の構成を示すブロック図である。コントローラ6は、ロボット制御部62、アライナ制御部63を含む。コントローラ6は、いわゆるコンピュータであって、例えば、マイクロコントローラ、CPU、MPU、PLC、DSP、ASIC又はFPGA等のプロセッサ6aと、ROM、RAM等のメモリ6bとを有する。メモリ6bには、基板移載プログラム60を含むプロセッサ6aが実行するプログラムが記憶されている。また、メモリ6bには、プロセッサ6aが行う処理に使用されるデータなどが格納されている。コントローラ6では、メモリ6bに記憶されたプログラム等のソフトウェアをプロセッサ6aが読み出して実行することにより、ロボット制御部62、アライナ制御部63として機能するための処理が行われる。なお、コントローラ6は単一のコンピュータによる集中制御により各処理を実行してもよいし、複数のコンピュータの協働による分散制御により各処理を実行してもよい。
【0028】
コントローラ6のロボット制御部62は、基板搬送ロボット7の動作を制御する。より詳細には、ロボット制御部62は、昇降駆動装置69、第1関節駆動装置77、第2関節駆動装置78、及び手首関節駆動装置79と電気的に接続されている。ロボット制御部62は、これらの駆動装置に含まれる位置検出器からサーボモータの回転位置を取得し、それらの回転位置と対応するハンド72のポーズ(位置及び姿勢)と記憶された教示点データとに基づいて、目標ポーズを演算する。更に、ロボット制御部62は、ハンド72が目標ポーズとなるようにサーボアンプへ制御指令を出力する。サーボアンプは、制御指令に基づいて各サーボモータに対して駆動電力を供給することにより、ハンド72が目標ポーズへ移動する。
【0029】
コントローラ6のアライナ制御部63は、アライナ92の動作を制御する。より詳細には、アライナ制御部63は、ラインセンサ31、並びに、回転台35の回転駆動装置37と電気的に接続されており、それらの動作を制御する。
【0030】
〔基板移載装置1の動作〕
ここで、上記構成の基板移載装置1の動作について説明する。基板移載装置1では、基板搬送ロボット7によって基板24が基板キャリア25から搬送室80へ搬出され、アライナ92で基板24の中心位置及び方向が識別された後、再び基板搬送ロボット7によって処理室22へ搬送される。
【0031】
図4は、コントローラ6による処理の流れを説明するフローチャートである。図4では紙面左側の系統がロボット制御部62の処理の流れを表し、紙面右側の系統がアライナ制御部63の処理の流れを表している。図5は、ハンド72の移動の目標位置P1~P8を説明する図である。目標位置P1~P8の座標(ロボット座標)は予めコントローラ6に記憶されている。
【0032】
図4及び図5に示すように、ロボット制御部62は、まず、ハンド72を所定のホーム位置P1へ移動させるように、基板搬送ロボット7を動作させる(ステップS1)。続いて、ロボット制御部62は、ハンド72を基板キャリア25に対するレディ位置P2へ移動させるように、基板搬送ロボット7を動作させる(ステップS2)。ハンド72がレディ位置P2へ到達すると、ロボット制御部62は、基板キャリア25からハンド72へ基板24を移載させるように、基板搬送ロボット7を動作させる(ステップS3)。ここで、ハンド72は、基板キャリア25の基板移載位置P3へ移動し、微量だけ上昇して、基板キャリア25から基板24を受け取り、レディ位置P2へ戻る。
【0033】
ハンド72が基板24を受け取ると、ロボット制御部62は、ハンド72をアライナ92に対する所定のレディ位置P4へ移動させるように、基板搬送ロボット7を動作させる(ステップS4)。アライナ92に対するレディ位置P4は、アライナ92の回転台35から水平方向へ退避した位置に規定される。レディ位置P4にあるハンド72は、平面視においてアライナ92と重複せず、ハンド72の変形や制御位置のズレが仮に生じてもアライナ92と干渉しない程度に十分にアライナ92から離れている。
【0034】
ハンド72がレディ位置P4に到達すると、ロボット制御部62は、ハンド72からアライナ92の回転台35へ基板24を移載させるように、基板搬送ロボット7を動作させる(ステップS5)。ここで、ハンド72に保持された基板24をアライナ92の回転台35の上方へアクセスさせるように、ハンド72がアライナ92に規定された載置位置P5へ移動し、続いて、ハンド72が載置位置P5から微量だけ降下する。
【0035】
次に、ロボット制御部62は、ハンド72を所定の待機位置P6へ移動させるように、基板搬送ロボット7を動作させる(ステップS6)。ここで、待機位置P6は、載置位置P5からレディ位置P4よりも近い位置にある。例えば、待機位置P6は、載置位置P5の下方であってよい。また、例えば、基板24がハンド72の下面に保持される場合には、待機位置P6は載置位置P5の上方であってよい。また、例えば、待機位置P6は、載置位置P5とレディ位置P4との間にあってもよい。
【0036】
上記のようにハンド72が待機位置P6へ移動すると、ロボット制御部62は、アライナ制御部63へアライメント開始信号を出す(ステップS7)。
【0037】
アライメント開始信号を受けたアライナ制御部63は(ステップS21でYES)、回転台35に載置された基板24を吸着保持させる(ステップS22)。続いて、回転台35に支持された基板24を回転させながら、ラインセンサ31で基板24のノッチを検出させるように、アライナ制御部63は回転駆動装置37及びラインセンサ31を動作させる(ステップS23)。検出されたノッチを利用して基板24が所定の回転位置へ位置決めされるように、アライナ制御部63は回転駆動装置37を動作させる(ステップS24)。基板24が位置決めされると、アライナ制御部63はロボット制御部62へアライメント終了信号を出す(ステップS25)。
【0038】
アライメント終了信号を受けたロボット制御部62は(ステップS8でYES)、回転台35からハンド72へ基板24を移載させるように、基板搬送ロボット7を動作させる(ステップS9)。ここで、ハンド72は待機位置P6から基板24の下方へ移動し、そこから微量に上昇して移載位置P5へ移動する。
【0039】
ハンド72に基板24が移載されると、ロボット制御部62は、ハンド72をアライナ92に対するレディ位置P4へ移動させるように、基板搬送ロボット7を動作させる(ステップS10)。
【0040】
ロボット制御部62は、ハンド72に保持された基板24を処理室22の処理ステージ200へアクセスさせるために、処理ステージ200に対して規定されたレディ位置P7へハンド72を移動させるように、基板搬送ロボット7を動作させる(ステップS11)。レディ位置P7は、搬送室80内において、後開口87の手前に規定される。
【0041】
ハンド72がレディ位置P7に到達すると、ロボット制御部62は、ハンド72から処理ステージ200へ基板24を移載させるように、基板搬送ロボット7を動作させる(ステップS12)。ここで、ハンド72は、レディ位置P7から処理ステージ200に規定された載置位置P8へ移動し、そこから降下することにより、処理ステージ200に基板24を置く。最後に、ロボット制御部62は、ハンド72をレディ位置P7へ移動させるように、基板搬送ロボット7を動作させ(ステップS13)、処理をステップS1へ戻して繰り返す。
【0042】
上記の一連の処理において、ハンド72から回転台35への基板24の移載(ステップS5)、ハンド72の待機位置P6への移動(ステップS6)、回転台35からハンド72への基板24の移載(ステップS9)、及び、ハンド72のレディ位置P4への移動(ステップS10)は、一纏まりのシーケンスとしてプログラムされており、このシーケンスの実行中に他のコマンドが入ることはない。換言すれば、上記のシーケンスに一つのコマンドが対応づけられており、ロボット制御部62が一つのコマンドを実行することにより、ハンド72から回転台35への基板24の移載(ステップS5)、ハンド72の待機位置P6への移動(ステップS6)、回転台35からハンド72への基板24の移載(ステップS9)、及び、ハンド72のレディ位置P4への移動(ステップS10)が連続的に行われる。
【0043】
上記の一連の処理の流れによれば、ハンド72はアライナ92の回転台35へ基板24を移載した後、アライナ92に対して規定されたレディ位置P4へ引き返さずに、アライメント終了信号を出るまでアライナ92に規定された待機位置P5で待機する。
【0044】
以上に説明したように、本実施形態の基板移載装置1は、基板保持ハンド72を有する基板搬送ロボット7と、アライナ92と、基板移載プログラム60を記憶したメモリ6b、及び、基板移載プログラム60を実行するプロセッサ6aとを備える。基板移載プログラム60は、基板搬送ロボット7に、基板24を保持している基板保持ハンド72をアライナ92の周囲に規定された所定のレディ位置P4へ移動させ、基板保持ハンド72をアライナ92に規定された所定の載置位置P5へ移動させて、基板24をアライナ92の回転台へ移載させ、基板保持ハンド72を載置位置P5からレディ位置P4よりも近い位置に規定された所定の待機位置P6でアライナ92によるアライメントが終わるまで待機させ、基板保持ハンド72を載置位置P5へ移動させて、基板をアライナから基板保持ハンドへ移載させ、基板保持ハンド72をレディ位置P4へ移動させるように、構成されている。
【0045】
また、本実施形態の基板移載装置1の制御方法は、基板24を保持している基板保持ハンド72をアライナ92の周囲に規定された所定のレディ位置P4へ移動させること、基板保持ハンド72をアライナ92に規定された所定の載置位置P5へ移動させて、基板24をアライナ92の回転台35へ移載させること、基板保持ハンド72を載置位置P5からレディ位置P4よりも近い位置に規定された所定の待機位置P6で待機させながら、アライナ92に基板24をアライメントさせること、基板保持ハンド72を載置位置P5へ移動させて、基板24をアライナ92から基板保持ハンド72へ移載させること、及び、基板24を保持している基板保持ハンド72をレディ位置p4へ移動させることを含むものである。
【0046】
上記の基板移載装置1及びその制御方法によれば、ハンド72がアライナ92に基板24を移載した後、レディ位置P4に引き返さずに待機位置P6でアライメントが終了するまで待機する。よって、ハンド72がレディ位置P4からアライナ92まで基板24を迎えに行く動作が省略され、その分、処理のスループットを向上させることができる。また、基板24のアライメント中にハンド72は静止しているので、基板24のアライメントが基板搬送ロボット7からの振動の影響を受けない。
【0047】
上記の基板移載装置1及びその制御方法において、本実施形態に示したように、ハンド72の待機位置P6が、アライナ92に保持されている基板24の下方又は上方であってよい。
【0048】
ハンド72がこのような待機位置P6でアライメントが終了するまで待機するので、アライメントが終了してからアライナ92からハンド72へ基板24を移載する際のハンド72の移動距離が最短となり、その分、処理のスループットを向上させることができる。
【0049】
また、上記の基板移載装置1及びその制御方法において、本実施形態に示したように、ハンド72の待機位置P6が、載置位置P5とレディ位置P4との間にあってよい。
【0050】
これにより、ハンド72の、アライナ92の載置位置P5からレディ位置P4へ戻る動作、及び、レディ位置P4から載置位置P5へ戻る動作が省略される。これらの動作に代えて、アライナ92の載置位置P5から待機位置P6へ行く動作、及び、待機位置P6と載置位置P5へ戻る動作が加えられるが、載置位置P5とレディ位置P4との距離よりも、載置位置P5と待機位置P6との距離のほうが短く、動作時間を短くすることができる。
【0051】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明の思想を逸脱しない範囲で、上記実施形態の具体的な構造及び/又は機能の詳細を変更したものも本発明に含まれ得る。
【符号の説明】
【0052】
1 :基板移載装置
2 :プロセス処理装置
:コントローラ
6a :プロセッサ
6b :メモリ
7 :基板搬送ロボット
8 :筐体
20 :処理装置本体
21 :筐体
22 :処理室
24 :基板
25 :基板キャリア
31 :ラインセンサ
35 :回転台
37 :回転駆動装置
51 :ハンド基部
52 :ブレード
60 :基板移載プログラム
61 :容器側ドア
62 :ロボット制御部
63 :アライナ制御部
69 :昇降駆動装置
70 :昇降軸
71 :アーム
72 :基板保持ハンド
73 :基台
75,76 :リンク
77,78,79 :駆動装置
80 :搬送室
81 :前壁
82 :後壁
86 :前開口
87 :後開口
91 :ロードポート
92 :アライナ
93 :調整装置
95 :開口枠
96 :オープナ側ドア
97 :支持台
98 :オープナ
100:基板処理設備
0:処理ステージ
A1 :第1関節
A2 :第2関節
A3 :手首関節
図1
図2
図3
図4
図5