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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】チェックイン判定装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230809BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020552530
(86)(22)【出願日】2019-07-22
(86)【国際出願番号】 JP2019028707
(87)【国際公開番号】W WO2020079907
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-05-24
(31)【優先権主張番号】P 2018196594
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】岡峰 正
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 一也
(72)【発明者】
【氏名】堀口 賞一
(72)【発明者】
【氏名】木本 勝敏
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-084411(JP,A)
【文献】国際公開第2018/066251(WO,A1)
【文献】特開2017-034371(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の地理的範囲であるジオフェンスに対して端末が入ったことを示すチェックインを判定するチェックイン判定装置であって、
ジオフェンスごとに当該ジオフェンスとの距離に基づいて他のジオフェンスである関連ジオフェンスを対応付けた関連ジオフェンス情報を格納する格納部と、
各ジオフェンスに対して順に端末のチェックインを判定する判定部と、
を備え、
前記判定部は、端末が一のジオフェンスに対してチェックインしたと判定すると、前記格納部によって格納された関連ジオフェンス情報において当該一のジオフェンスに対応付けられた関連ジオフェンスを、以降の判定において判定対象外とする、
チェックイン判定装置。
【請求項2】
前記判定部は、端末が一のジオフェンスに対してチェックインしたと判定すると、前記格納部によって格納された関連ジオフェンス情報において当該一のジオフェンスに対応付けられた関連ジオフェンスに対しても当該端末がチェックインしたと判定する、請求項1に記載のチェックイン判定装置。
【請求項3】
関連ジオフェンス情報において、ジオフェンスごとに当該ジオフェンスの少なくとも一部の地理的範囲が重なっている関連ジオフェンスが対応付けられている、請求項1又は2に記載のチェックイン判定装置。
【請求項4】
関連ジオフェンス情報において、ジオフェンスごとに当該ジオフェンスの全ての地理的範囲を包含する関連ジオフェンスが対応付けられている、請求項1~3の何れか一項に記載のチェックイン判定装置。
【請求項5】
前記判定部は、各ジオフェンスに対して地理的範囲が小さい順に端末のチェックインを判定する、請求項1~4の何れか一項に記載のチェックイン判定装置。
【請求項6】
関連ジオフェンス情報を作成する作成部をさらに備え、
前記格納部は、前記作成部によって作成された関連ジオフェンス情報を格納する、
請求項1~5の何れか一項に記載のチェックイン判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、所定の地理的範囲であるジオフェンスに対して端末が入ったことを示すチェックインを判定するチェックイン判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1では、関連付けされた関心のあるポイントを包含するジオフェンス境界にユーザデバイスが入ったことを判定するジオフェンス管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-84411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、ジオフェンスに対する端末のチェックインを判定する装置は、予め登録されている全てのジオフェンスの一つ一つに対して、端末のチェックインを判定する。そのため、予め登録されているジオフェンスの数が多ければ、端末のチェックインを判定するのに時間がかかるという課題がある。
【0005】
そこで、本開示の一側面はかかる課題に鑑みて為されたものであり、より高速にチェックインを判定することができるチェックイン判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本開示の一側面に係るチェックイン判定装置は、所定の地理的範囲であるジオフェンスに対して端末が入ったことを示すチェックインを判定するチェックイン判定装置であって、ジオフェンスごとに当該ジオフェンスとの距離に基づいて他のジオフェンスである関連ジオフェンスを対応付けた関連ジオフェンス情報を格納する格納部と、各ジオフェンスに対して順に端末のチェックインを判定する判定部と、を備え、判定部は、端末が一のジオフェンスに対してチェックインしたと判定すると、格納部によって格納された関連ジオフェンス情報において当該一のジオフェンスに対応付けられた関連ジオフェンスを、以降の判定において判定対象外とする。
【0007】
このようなチェックイン判定装置によれば、端末のチェックインの判定において、一のジオフェンスに対してチェックインしたと判定されると、当該一のジオフェンスに距離に基づいて対応付けられた関連ジオフェンスが判定対象外とされる。これは、例えば、端末が一のジオフェンスに対してチェックインした場合、当該一のジオフェンスに距離に基づいて対応付けられた関連ジオフェンスに対しても当該端末がチェックインした可能性が高いため、当該関連ジオフェンスの判定を省略可能であることに基づく。このように、チェックインの判定の対象であるジオフェンスを減らすことができるため、より高速にチェックインを判定することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一側面によれば、より高速にチェックインを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るチェックイン判定システムのシステム概念図である。
図2】チェックインを説明する図である。
図3】本発明の実施形態に係るチェックイン判定装置の機能ブロック図である。
図4】ジオフェンス情報のテーブル例を示す図である。
図5】関連ジオフェンスを説明する図(その1)である。
図6】関連ジオフェンスを説明する図(その2)である。
図7】関連ジオフェンスを説明する図(その3)である。
図8】関連ジオフェンス情報のテーブル例を示す図である。
図9】関連ジオフェンス情報の作成処理の一例を示すフローチャートである。
図10】チェックインの判定処理の一例を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施形態に係るチェックイン判定装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面とともにチェックイン判定装置の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明における実施形態は、本発明の具体例であり、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されないものとする。
【0011】
図1は、チェックイン判定システム3のシステム概念図である。図1に示す通り、チェックイン判定システム3は、チェックイン判定装置1と一つ以上の端末2とを含んで構成される。チェックイン判定装置1と各端末2とは、移動体通信網又は無線LAN(Local Area Network)などのネットワークによって互いにアクセス可能に接続されている。
【0012】
チェックイン判定装置1は、サーバなどのコンピュータ装置である。チェックイン判定装置1は、所定の地理的範囲であるジオフェンスに対して端末2が入ったことを示すチェックインを判定する。チェックイン判定装置1の機能の詳細については後述する。
【0013】
ジオフェンスは、具体的には、現実世界の任意の地点に設定される、仮想の地理的境界線又は領域(エリア)である。本実施形態では、ジオフェンスを、緯度及び経度で示される中心並びに距離で示される半径で定義される円で表現するが、これに限るものではない。例えば、ジオフェンスは、任意の曲線及び/又は直線で囲まれる地理的範囲であってもよい。また例えば、ジオフェンスは、2次元空間に限らず、球体や立体などの3次元空間に広がる範囲であってもよい。
【0014】
チェックインは、具体的には、端末2がジオフェンスの地理的境界線を超えたこと、又は、端末2がジオフェンスの領域に入ったことを示す。チェックインするとは、端末2がジオフェンスの地理的境界線を超えること、又は、端末2がジオフェンスの領域に入ることを示す。チェックインを判定するとは、ジオフェンスに対して端末2がチェックインした(入った)か否かを判定すること、又は、ジオフェンスに対して端末2がチェックインした(入った)ことを判定することを示す。チェックインの判定の活用例としては、ある店舗を中心としたジオフェンスを予め設定し、ユーザが携帯する端末2が当該ジオフェンスにチェックインしたこと(すなわち、店舗に近づいたこと)を判定した際に、店舗のクーポンを端末2に配信し、配信されたクーポンをユーザが見て購買意欲が高まり、ユーザが店舗に立ち寄るという購買誘導の仕組みなどが挙げられる。
【0015】
図2は、チェックインを説明する図である。図2に示す通り、3つのジオフェンスであるジオフェンスGa、ジオフェンスGb及びジオフェンスGcが予め形成されている。図2は、端末2がジオフェンスGa内に移動し、端末2がジオフェンスGaに対してチェックインした場面を示している。なお、端末2は一度に複数のジオフェンスにチェックインする場合もある。例えば、図2において、ジオフェンスGa及びジオフェンスGcが重なっている範囲に端末2が移動した場合、端末2はジオフェンスGa及びジオフェンスGcのそれぞれにチェックインすることになる。
【0016】
端末2は、スマートフォンなどのコンピュータ装置である。端末2はユーザが携帯するものであってもよいし、自動車などの機械又は機器などに設置されているものであってもよい。端末2は、地理的に移動することを想定するが、それに限るものではない。
【0017】
端末2は、当該端末2の位置を特定可能な位置特定情報をチェックイン判定装置1(の後述の位置特定情報取得部13)に送信する。送信するタイミングは、定期的(例えば1分に1回)であってもよいし、ユーザ又はチェックイン判定装置1の指示などに基づいた任意のタイミングであってもよい。位置特定情報は、具体的には、端末2が備えるGPS(Global Positioning System)によって取得された緯度であるLat(Latitude)及び経度であるLon(longitude)(並びに誤差情報を含んでもよい)、または、端末2がアクセスしているネットワークに関するSSID(Service Set IDentifier)もしくはBSSID(Basic Service Set IDentifier)であるが、これらに限らず、端末2の位置を特定可能な情報であればいかなる情報であってもよい。なお、SSID又はBSSIDによる端末2の位置の特定は、当該SSID又はBSSIDが示すアクセスポイントなどのネットワーク中継装置の予め登録された位置情報(緯度及び経度など)に基づいて特定され得るが、それに限るものではない。本実施形態では以降、位置特定情報を緯度及び経度として説明するが、SSIDもしくはBSSID、又は他の位置を特定可能な情報に適宜読み替えてもよい。位置特定情報は、さらに、端末2の識別情報であるUUID(Universally Unique Identifier)と、位置特定情報を取得したタイミングを示すdatetime(日時)とを含んでもよい。
【0018】
端末2は、チェックイン判定装置1又はネットワーク経由で接続された他の装置から、チェックイン判定装置1による判定結果又は当該判定結果に基づくを情報を受信し、ユーザに表示してもよい。例えば、端末2は、あるジオフェンスにチェックインしたことを示す情報、又はある店舗が形成するジオフェンスに当該端末2がチェックインしたと判定されたことに伴う当該店舗のクーポンに関するクーポン情報などを受信し、表示してもよい。
【0019】
図3は、チェックイン判定装置1の機能ブロック図である。図3に示す通り、チェックイン判定装置1は、ジオフェンス情報格納部10、関連ジオフェンス情報作成部11(作成部)、関連ジオフェンス情報格納部12(格納部)、位置特定情報取得部13及びチェックイン判定部14(判定部)を含んで構成される。以下、図3に示すチェックイン判定装置1の各機能ブロックについて説明する。
【0020】
ジオフェンス情報格納部10は、ジオフェンスに関する情報であるジオフェンス情報を格納する。ジオフェンス情報は、具体的には、ジオフェンスを定義する情報である。図4は、ジオフェンス情報のテーブル例を示す図である。図4に示す通り、ジオフェンス情報は、ジオフェンスを識別する名称であるポイント名、当該ジオフェンスの中心の緯度であるLat、当該ジオフェンスの中心の経度であるLon、及び当該ジオフェンスの半径が対応付けられている。例えば、図4に示すジオフェンス情報のテーブル例のうち1レコード目は、ジオフェンスのポイント名が「ゼロ」であり、当該ジオフェンスの中心の緯度及び経度がそれぞれ「35.67160100466009」及び「139.74065636676073」であり、当該ジオフェンスの半径が「50」メートルであることを示している。ジオフェンス情報は、ポイント名、Lat、Lon及び半径のうち一部の情報を含んでもよいし、その他の情報を対応付けて含んでもよい。ジオフェンス情報は、チェックイン判定装置1の管理者などが予め作成してもよいし、コンピュータ装置が既存のジオフェンスに関する情報に基づいて機械的に作成してもよい。
【0021】
ジオフェンス情報格納部10によって格納されたジオフェンス情報は、特定の地域やエリアに対して予め設定/登録されている全てのジオフェンスに関する情報であることを想定するが、これに限るものではない。また、ジオフェンス情報格納部10によって格納されたジオフェンス情報は、各ジオフェンスに対して地理的範囲が小さい順にソート(並べ替え)されていてもよい。
【0022】
関連ジオフェンス情報作成部11は、ジオフェンス情報格納部10によって格納されたジオフェンス情報に基づき、ジオフェンスごとに当該ジオフェンスとの距離に基づいて他のジオフェンスである関連ジオフェンスを対応付けた関連ジオフェンス情報を作成する。例えば、関連ジオフェンス情報作成部11は、ジオフェンス情報格納部10によって格納されたジオフェンス情報が示す各ジオフェンスについて、当該ジオフェンスの中心又は当該ジオフェンス内の任意の点から所定の距離(例えば100メートル)以内に地理的範囲が一部でも含まれる、当該ジオフェンス情報が示す他のジオフェンスを関連ジオフェンスとして対応付けた関連ジオフェンス情報を作成してもよい。
【0023】
関連ジオフェンス情報作成部11は、ジオフェンスごとに当該ジオフェンスの少なくとも一部の地理的範囲が重なっている(一部重なりのある)関連ジオフェンスを対応付けた関連ジオフェンス情報を作成してもよい。例えば、図5において、ジオフェンスG1の少なくとも一部の地理的範囲がジオフェンスG2に重なっているため、関連ジオフェンス情報作成部11は、ジオフェンスG1にジオフェンスG2を関連ジオフェンスとして対応付けた関連ジオフェンス情報を作成する。具体的には、関連ジオフェンス情報作成部11は、ジオフェンス情報格納部10によって格納されたジオフェンス情報が示す各ジオフェンスについて、当該ジオフェンス情報が示す他のジオフェンスのうち、当該ジオフェンスの少なくとも一部の地理的範囲が重なっている他のジオフェンスを関連ジオフェンスとして対応付けた関連ジオフェンス情報を作成する。
【0024】
関連ジオフェンス情報作成部11は、ジオフェンス情報格納部10によって格納されたジオフェンス情報が示す各ジオフェンスについて、当該ジオフェンス情報が示す他のジオフェンスのうち、当該ジオフェンスの少なくとも一部の地理的範囲が重なっている他のジオフェンスと当該ジオフェンスとの外接円を設定し、当該重なっている他のジオフェンス及び当該ジオフェンスの各ジオフェンスから外接円までの距離が全て所定の設定値以下であれば、当該重なっている他のジオフェンスを関連ジオフェンスとして対応付けた関連ジオフェンス情報を作成してもよい。例えば、図6において、ジオフェンスG3の少なくとも一部の地理的範囲が重なっている他のジオフェンスはジオフェンスG4及びジオフェンスG5であり、ジオフェンスG3、ジオフェンスG4及びジオフェンスG5の外接円は外接円Cであり、ジオフェンスG3から外接円Cまでの(最大)距離D1、ジオフェンスG4から外接円Cまでの(最大)距離D2、及びジオフェンスG5から外接円Cまでの(最大)距離D3が全て所定の設定値以下であれば、関連ジオフェンス情報作成部11は、ジオフェンスG3にジオフェンスG4及びジオフェンスG5を関連ジオフェンスとして対応付けた関連ジオフェンス情報を作成する。所定の設定値は、チェックイン判定装置1の管理者などが任意に予め設定したものであってもよい。なお、所定の設定値として、例えば、後述の端末2の位置特定情報の(測定)誤差(例えば50メートル)又は当該誤差に基づく値を設定することが挙げられる。
【0025】
なお、上述の説明において「外接円」を「内包範囲」に読み替えてもよい。より具体的には、関連ジオフェンス情報作成部11は、ジオフェンス情報格納部10によって格納されたジオフェンス情報が示す各ジオフェンスについて、当該ジオフェンス情報が示す他のジオフェンスのうち、当該ジオフェンスの少なくとも一部の地理的範囲が重なっている他のジオフェンスと当該ジオフェンスとを内包する範囲である内包範囲を設定し、当該重なっている他のジオフェンス及び当該ジオフェンスの各ジオフェンスから内包範囲までの距離が全て所定の設定値以下であれば、当該重なっている他のジオフェンスを関連ジオフェンスとして対応付けた関連ジオフェンス情報を作成してもよい。内包範囲の一例としては、(他のジオフェンスと当該ジオフェンスとを)内包する最小半径の円、(他のジオフェンスと当該ジオフェンスとに)外接する多角形などが挙げられる。
【0026】
関連ジオフェンス情報作成部11は、ジオフェンスごとに当該ジオフェンスの全ての地理的範囲を包含する(完全に包含関係にある)関連ジオフェンスを対応付けた関連ジオフェンス情報を作成してもよい。例えば、図7において、ジオフェンスG7は、ジオフェンスG6の全ての地理的範囲を包含しているため、関連ジオフェンス情報作成部11は、ジオフェンスG6にジオフェンスG7を関連ジオフェンスとして対応付けた関連ジオフェンス情報を作成する。より具体的に、関連ジオフェンス情報作成部11は、ジオフェンス情報格納部10によって格納されたジオフェンス情報が示す各ジオフェンスについて、当該ジオフェンス情報が示す他のジオフェンスのうち、当該ジオフェンスの中心(例えば、図7のd0)と当該他のジオフェンスの中心(例えば、図7のd1)との距離(例えば、図7のD4)が、当該ジオフェンスの半径(例えば、図7のr0)と当該他のジオフェンスの半径(例えば、図7のr1)との差の絶対値より小さい(又は絶対値以下である)他のジオフェンスを関連ジオフェンスとして対応付けた関連ジオフェンス情報を作成する。上述の関係を式に表すと「If(Distance(d0,d1)<|r0-r1|)then 内包」である。
【0027】
関連ジオフェンス情報作成部11は、関連ジオフェンス情報を作成した際に、各ジオフェンス(後述の「ポイント名」フィールドに示されるジオフェンス)に対して地理的範囲が小さい順にソートしてもよい。すなわち、関連ジオフェンス情報は、各ジオフェンスに対して地理的範囲が小さい順にソートされているものであってもよい。
【0028】
図8は、関連ジオフェンス情報のテーブル例を示す図である。図8に示す通り、関連ジオフェンス情報は、ジオフェンスを識別する名称であるポイント名、当該ジオフェンスの中心の緯度であるLat、当該ジオフェンスの中心の経度であるLon、当該ジオフェンスの半径、及び当該ジオフェンスの全ての地理的範囲を包含する関連ジオフェンスのポイント名が対応付けられている。例えば、図8に示す関連ジオフェンス情報のテーブル例のうち1レコード目は、ポイント名が「ゼロ」であり、中心の緯度及び経度がそれぞれ「35.67160100466009」及び「139.74065636676073」であり、半径が「50」メートルであるジオフェンスについて、当該ジオフェンスの全ての地理的範囲を包含する関連ジオフェンスとして、ポイント名「イチ」のジオフェンスが対応付いていることを示している。なお、関連ジオフェンスとして複数のジオフェンスが対応付いていてもよい。関連ジオフェンス情報は、ポイント名、Lat、Lon、半径、関連ジオフェンスのポイント名のうち一部の情報を含んでもよいし、その他の情報を対応付けて含んでもよい。関連ジオフェンスのポイント名は、チェックイン判定装置1の管理者などが予め設定してもよい。
【0029】
図9は、関連ジオフェンス情報作成部11による関連ジオフェンス情報の作成処理の一例を示すフローチャートである。まず、ジオフェンス情報格納部10によって格納されたジオフェンス情報を読み出し、各レコードに対して以降のS2~S7の処理を繰り返し行うループ処理(S1ループ)を実行する(ステップS1)。S1ループにおいて、まず、本ループの対象とするレコードである計算対象レコードを、S1にて読み出したジオフェンス情報から読み出す(ステップS2)。また、S2にてさらに、作成する関連ジオフェンス情報の新たなレコードとして、S1にて読み出したジオフェンス情報のうち計算対象レコードが示すジオフェンスのレコード(ポイント名、Lat、Lon及び半径)を設定する。
【0030】
次に、S1にて読み出したジオフェンス情報のうち計算対象レコード以外の各レコードに対して以降のS3~S7の処理を繰り返し行うループ処理(S3ループ)を実行する(ステップS3)。S3ループにおいて、まず、本ループの対象とするレコードである比較対象レコードを、S1にて読み出したジオフェンス情報(ただし計算対象レコード以外)から読み出す(ステップS4)。次に、S2にて読み出した計算対象レコードが示すジオフェンスの中心と、S4にて読み出した比較対象レコードが示すジオフェンスの中心との距離を計算する(ステップS5)。
【0031】
次に、S5にて計算した距離が、S2にて読み出した計算対象レコードが示すジオフェンスの半径と、S4にて読み出した比較対象レコードが示すジオフェンスの半径との差の絶対値以下か否かを判定する(ステップS6)。S6にて絶対値以下であると判定された場合(S6:YES)、すなわち、比較対象レコードが示すジオフェンスは計算対象レコードが示すジオフェンスの全ての地理的範囲を包含すると判定された場合、S2にて設定した関連ジオフェンス情報の新たなレコードに対して、関連ジオフェンスのポイント名として比較対象レコードのポイント名を追加で対応付ける(ステップS7)。
【0032】
S7の後、又はS6にて絶対値より大きいと判定された場合(S6:NO)、すなわち、比較対象レコードが示すジオフェンスは計算対象レコードが示すジオフェンスの全ての地理的範囲を包含しないと判定された場合、S3ループにおける次のループに移行する(次の比較対象レコードに対してS3ループを実行する)。S3ループにおける全てのループが完了した後(全ての比較対象レコードに対してS3ループが実行された後)、S1ループにおける次のループに移行する(次の計算対象レコードに対してS1ループを実行する)。S1ループにおける全てのループが完了した後(全ての計算対象レコードに対してS1ループが実行された後)、作成された関連ジオフェンス情報の各レコードについて、各レコードの半径が小さい順にソートし(ステップS8)、関連ジオフェンス情報の作成処理を終了する。
【0033】
なお、S8の処理は省略してもよい。また、図9に示すフローチャートでは、ジオフェンスごとに当該ジオフェンスの全ての地理的範囲を包含する関連ジオフェンスを対応付けた関連ジオフェンス情報の作成例を示したが、S5~S7の処理を適宜入れ替えることで、上述の、ジオフェンスごとに当該ジオフェンスとの距離に基づいて他のジオフェンスである関連ジオフェンスを対応付けた関連ジオフェンス情報の作成例、及びジオフェンスごとに当該ジオフェンスの少なくとも一部の地理的範囲が重なっている関連ジオフェンスを対応付けた関連ジオフェンス情報の作成例とすることもできる。
【0034】
関連ジオフェンス情報作成部11による関連ジオフェンス情報の作成は、定期的(例えば1日1回など)に実行されてもよいし、チェックイン判定装置1の管理者などの指示に基づいて不定期に実行されてもよい。関連ジオフェンス情報作成部11による関連ジオフェンス情報の作成は、通常、チェックイン判定装置1(のチェックイン判定部14)によるチェックインの判定とは独立して、当該判定より前に実行される。すなわち、チェックイン判定装置1(のチェックイン判定部14)によるチェックインの判定の処理時間は、関連ジオフェンス情報作成部11による関連ジオフェンス情報の作成の処理時間に影響されない。なお、関連ジオフェンス情報作成部11による関連ジオフェンス情報の作成は、チェックイン判定装置1(のチェックイン判定部14)によるチェックインの判定のタイミングで実行されてもよい。
【0035】
関連ジオフェンス情報格納部12は、関連ジオフェンス情報を格納する。関連ジオフェンス情報格納部12は、具体的には、関連ジオフェンス情報作成部11によって作成された関連ジオフェンス情報を格納する。
【0036】
位置特定情報取得部13は、端末2の位置特定情報を取得する。位置特定情報取得部13は、具体的には、各端末2から送信された位置特定情報を受信し、取得する。位置特定情報取得部13は、端末2に限らず、他の装置又はチェックイン判定装置1のメモリなどから(間接的に)位置特定情報を取得してもよい。位置特定情報取得部13は、取得した位置特定情報をチェックイン判定部14に出力する。
【0037】
チェックイン判定部14は、(予め設定/登録されている全てのジオフェンスの)各ジオフェンスに対して順に端末2のチェックインを判定する。より具体的に、チェックイン判定部14は、ジオフェンス情報格納部10によって格納されたジオフェンス情報又は関連ジオフェンス情報格納部12によって格納された関連ジオフェンス情報と、位置特定情報取得部13によって取得(入力)された位置特定情報とに基づいて、当該ジオフェンス情報又は関連ジオフェンス情報に含まれる各ジオフェンスに対して一つずつ順に、当該位置特定情報が特定する端末2の位置が含まれるか否かを判定することで、端末2のチェックインを判定する。
【0038】
チェックイン判定部14は、端末2が一のジオフェンスにチェックインしたと判定すると、関連ジオフェンス情報格納部12によって格納された関連ジオフェンス情報において当該一のジオフェンスに対応付けられた関連ジオフェンスを、以降の判定において判定対象外とする。例えば、関連ジオフェンス情報格納部12によって格納された関連ジオフェンス情報が、図8に示す関連ジオフェンス情報のテーブル例である場合において、チェックイン判定部14が端末2のチェックインを判定している際に、端末2がポイント名「ゼロ」のジオフェンスにチェックインしたと判定すると、当該関連ジオフェンス情報においてポイント名「ゼロ」のレコードに対応付けられた関連ジオフェンス「イチ」が識別するジオフェンスを、以降のチェックイン判定部14の判定において判定対象外とする。なお、一のジオフェンス(上述の例におけるポイント名「ゼロ」が識別するジオフェンス)に対応付けられた関連ジオフェンスが複数ある場合は、当該複数の関連ジオフェンス全てを以降の判定において判定対象外とする。
【0039】
チェックイン判定部14は、端末2が一のジオフェンスに対してチェックインしたと判定すると、関連ジオフェンス情報格納部12によって格納された関連ジオフェンス情報において当該一のジオフェンスに対応付けられた関連ジオフェンスに対しても当該端末2がチェックインしたと判定してもよい。例えば上述の図8を用いた例において、関連ジオフェンス「イチ」が識別するジオフェンスに対しても端末2がチェックインしたと判定してもよい。なお、一のジオフェンス(上述の図8を用いた例におけるポイント名「ゼロ」が識別するジオフェンス)に対応付けられた関連ジオフェンスが複数ある場合は、当該複数の関連ジオフェンス全てに対しても端末2がチェックインしたと判定してもよい。
【0040】
チェックイン判定部14は、各ジオフェンスに対して地理的範囲が小さい順に端末2のチェックインを判定してもよい。より具体的には、チェックイン判定部14は、予め地理的範囲が小さい順にソートされたジオフェンス情報又は関連ジオフェンス情報の各ジオフェンスに対して当該ソートされた順に端末2のチェックインを判定してもよいし、ジオフェンス情報又は関連ジオフェンス情報の各ジオフェンスに対してチェックイン判定部14が各ジオフェンスの地理的範囲が小さい順にソートした上で、各ジオフェンスに対して当該ソートされた順に端末2のチェックインを判定してもよい。
【0041】
チェックイン判定部14は、端末2のチェックインを判定した後、判定結果又は当該判定結果に基づく情報を、当該端末2、チェックイン判定装置1の他の機能、又は他の装置に送信(出力)してもよい。判定結果は、例えば、当該2のUUID、チェックインを判定したジオフェンスのポイント名、及びチェックインの判定の対象である端末2の位置特定情報を取得したタイミングであるdatetimeを含んでもよいし、その他の情報を含んでもよい。
【0042】
チェックイン判定部14の処理例について、図10を用いて説明する。図10は、チェックイン判定部14によるチェックインの判定処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明において特に断りがない限り、処理の主体はチェックイン判定部14である。
【0043】
まず、位置特定情報取得部13が、端末2の位置特定情報を取得する(ステップS10)。なお、位置特定情報にはUUID、Lat、Lon及びdatetimeが含まれているものとする。次に、関連ジオフェンス情報格納部12によって格納された関連ジオフェンス情報のレコードを抽出し、各レコードに対して以降のS11~S15の処理を繰り返し行うループ処理(S11ループ)を実行する(ステップS11)。S11ループにおいて、まず、本ループの対象とするレコードである対象レコード(ジオフェンス)を読み出す(ステップS12)。次に、S12にて読み出した対象レコードが示すジオフェンスがチェックインの判定済み(判定対象外とされているか)か否かを判定する(ステップS13)。S13にてチェックインの判定済みではない(判定対象外とされていない)と判定された場合(S13:NO)、S12にて読み出した対象レコードが示すジオフェンスに対して端末2がチェックインした(端末2は当該ジオフェンスに含まれる)か否かを判定する(ステップS14)。より具体的には、対象レコードのLat及びLonを中心とする、対象レコードの半径を半径とする円内に、S10にて取得した位置特定情報に含まれるLat及びLonで示される位置が含まれるか否かを判定する。S14にてチェックインしたと判定された場合(S14:YES)、端末2がチェックインしたと判定すると共に、S12にて読み出した対象レコードに対応付けられた関連ジオフェンスを、チェックインの判定済みである(チェックインしたと判定する)とする(旨の情報をメモリに一時的に格納し、上述のS13にて参照する)、及び/又は、以降の判定において判定対象外とする(旨の情報をメモリに一時的に格納し、上述のS13にて参照する)(ステップS15)。なお、S15において、判定結果(例えば、当該2のUUID、チェックインを判定したジオフェンスのポイント名、及びチェックインの判定の対象である端末2の位置特定情報を取得したタイミングであるdatetimeを含む情報)又は当該判定結果に基づく情報を、端末2、チェックイン判定装置1の他の機能、又は他の装置に送信してもよい。
【0044】
S15の後、又はS13にてチェックインの判定済みである(判定対象外とされている)と判定された場合(S13:YES)、又はS14にてチェックインしていないと判定された場合(S14:NO)、S11ループにおける次のループに移行する(関連ジオフェンス情報のレコードのうち次の対象レコードに対してS11ループを実行する)。S11ループにおける全てのループが完了した後(全ての対象レコードに対してS11ループが実行された後)、チェックインの判定処理を終了する。
【0045】
上記チェックインの判定処理の説明において、S11ループにて関連ジオフェンス情報格納部12によって格納された関連ジオフェンス情報のレコードを用いる説明を行ったが、これに限らず、替わりに、ジオフェンス情報格納部10によって格納されたジオフェンス情報のレコードを用いてもよい。この場合、S15にて関連ジオフェンスを抽出する際に、関連ジオフェンス情報格納部12によって格納された関連ジオフェンス情報を参照し、対象レコードに対応する関連ジオフェンスを抽出するものとする。
【0046】
次に、本実施形態のように構成されたチェックイン判定装置1の作用効果について説明する。
【0047】
本実施形態のチェックイン判定装置1によれば、ジオフェンスごとに当該ジオフェンスとの距離に基づいて他のジオフェンスである関連ジオフェンスを対応付けた関連ジオフェンス情報を格納する関連ジオフェンス情報格納部12を備え、チェックイン判定部14により、各ジオフェンスに対して順に端末2のチェックインが判定されると共に、端末2が一のジオフェンスに対してチェックインしたと判定されると、関連ジオフェンス情報格納部12によって格納された関連ジオフェンス情報において当該一のジオフェンスに対応付けられた関連ジオフェンスが、以降の判定において判定対象外とされる。すなわち、端末2のチェックインの判定において、一のジオフェンスに対してチェックインしたと判定されると、当該一のジオフェンスに距離に基づいて対応付けられた関連ジオフェンスが判定対象外とされる。これは、例えば、端末2が一のジオフェンスに対してチェックインした場合、当該一のジオフェンスに距離に基づいて対応付けられた関連ジオフェンスに対しても当該端末2がチェックインした可能性が高いため、当該関連ジオフェンスの判定を省略可能であることに基づく。このように、チェックインの判定の対象であるジオフェンスを減らすことができるため、より高速にチェックインを判定することができる。
【0048】
また、本実施形態のチェックイン判定装置1によれば、チェックイン判定部14により、端末2が一のジオフェンスに対してチェックインしたと判定されると、関連ジオフェンス情報格納部12によって格納された関連ジオフェンス情報において当該一のジオフェンスに対応付けられた関連ジオフェンスに対しても当該端末2がチェックインしたと判定される。これは、例えば、端末2が一のジオフェンスに対してチェックインした場合、当該一のジオフェンスに距離に基づいて対応付けられた関連ジオフェンスに対しても当該端末2がチェックインした可能性が高いことに基づく。このように、一つのジオフェンスに対するチェックインの判定により複数のジオフェンスに対するチェックインの判定を行うことができるため、より高速にチェックインを判定することができる。
【0049】
また、本実施形態のチェックイン判定装置1によれば、関連ジオフェンス情報において、ジオフェンスごとに当該ジオフェンスの少なくとも一部の地理的範囲が重なっている関連ジオフェンスが対応付けられている。これは、例えば、端末2が一のジオフェンスに対してチェックインした場合、当該一のジオフェンスの少なくとも一部の地理的範囲が重なっている関連ジオフェンスに対しても当該端末2がチェックインした可能性が高いことに基づく。
【0050】
また、本実施形態のチェックイン判定装置1によれば、関連ジオフェンス情報において、ジオフェンスごとに当該ジオフェンスの全ての地理的範囲を包含する関連ジオフェンスが対応付けられている。これは、例えば、端末2が一のジオフェンスに対してチェックインした場合、当該一のジオフェンスの全ての地理的範囲を包含する関連ジオフェンスに対しても当該端末2がチェックインしていることに基づく。
【0051】
また、本実施形態のチェックイン判定装置1によれば、チェックイン判定部14により、各ジオフェンスに対して地理的範囲が小さい順に端末のチェックインが判定される。一般的に、あるジオフェンスを包含するジオフェンスは、当該あるジオフェンスよりも地理的範囲が大きい(広い)。各ジオフェンスに対して地理的範囲が小さい順に端末のチェックインを判定した場合、例えば、各ジオフェンスの全ての地理的範囲を包含する関連ジオフェンスをより早い段階により多く抽出することができ、それにより、より早い段階により多くのジオフェンスを判定対象外(及び/又はチェックインの判定済み)とすることができるため、より高速にチェックインを判定することができる。
【0052】
また、本実施形態のチェックイン判定装置1によれば、関連ジオフェンス情報を作成する関連ジオフェンス情報作成部11を備え、関連ジオフェンス情報格納部12により、関連ジオフェンス情報作成部11によって作成された関連ジオフェンス情報が格納される。これにより、例えば、任意のタイミングでより確実に関連ジオフェンス情報を作成及び格納することができる。
【0053】
ここで、従来技術にてチェックインを判定する装置(従来装置)について説明する。従来装置では、以下の通り比較し、条件を満たしたものをチェックインしたと判定する。例えば端末のLat及びLonが入力された場合は、DB内のジオフェオンスに関する各レコードのLat及びLonとの距離を計算し、ジオフェンスの半径以下か否かを比較する。また例えば端末のネットワーク通信に係るSSID又はBSSIDが入力された場合は、DB内のジオフェンスに関する各レコードのSSID又はBSSIDと合致するか否かを比較する。このように従来装置において計算量は、入力されるデータの数に対してDBのレコード数を乗じたものに対応し、全数検索となる(複数のジオフェンスにチェックインすることもあるため、DBは全レコード判定となる)。すなわち、従来装置では計算量が膨大となり、端末のチェックインを判定するのに時間がかかる。
【0054】
一方、本実施形態のチェックイン判定装置1では、上述の通り、判定すべきジオフェンスの数を効率化することで、チェックインの判定を高速化している。より具体的には、チェックイン判定装置1は、重なっているジオフェンスを対象に1つにまとめられるかを判断し、マージすることで判定する回数を減らす。例えば、包含関係にあるジオフェンスは、小さいジオフェンス(円)へのチェックインが判定されたら、大きいジオフェンス(円)へのチェックインも連動して判定し、判定をスキップする。また例えば、一部が重なっているジオフェンスについてはその外接円(又は外接するエリア、内包範囲など)を設定し、各ジオフェンスから外接円(又は外接するエリア、内包範囲など)までの距離がすべて設定値以下であれば1つのフェンスとみなし、同様に判定をスキップする。以上により、チェックイン判定装置1は、より高速にチェックインを判定することができる。
【0055】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0056】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0057】
例えば、本開示の一実施の形態におけるチェックイン判定装置1などは、本開示のチェックインの判定処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図11は、本開示の一実施の形態に係るチェックイン判定装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のチェックイン判定装置1は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0058】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。チェックイン判定装置1のハードウェア構成は、図11に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0059】
チェックイン判定装置1における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0060】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の関連ジオフェンス情報作成部11、位置特定情報取得部13及びチェックイン判定部14などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0061】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、関連ジオフェンス情報作成部11、位置特定情報取得部13及びチェックイン判定部14は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0062】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0063】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0064】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の位置特定情報取得部13及びチェックイン判定部14などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0065】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0066】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0067】
また、チェックイン判定装置1は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0068】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。
【0069】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0070】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0071】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0072】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0073】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0074】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0075】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0076】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0077】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0078】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0079】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0080】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0081】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。
【0082】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0083】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0084】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0085】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0086】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0087】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0088】
本開示において、例えば、英語でのa、an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0089】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1…チェックイン判定装置、2…端末、3…チェックイン判定システム、10…ジオフェンス情報格納部、11…関連ジオフェンス情報作成部、12…関連ジオフェンス情報格納部、13…位置特定情報取得部、14…チェックイン判定部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11