特許 7329000 煎じ出し製品用のフィルタバッグを形成するための機械

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2023-08-08

(45)【発行日】2023-08-17

(54)【発明の名称】煎じ出し製品用のフィルタバッグを形成するための機械

(51)【国際特許分類】

   B65B 29/04 20060101AFI20230809BHJP

【ＦＩ】

B65B29/04

【請求項の数】 12

(21)【出願番号】P 2020570969

(86)(22)【出願日】2019-06-19

(65)【公表番号】

(43)【公表日】2021-10-14

(86)【国際出願番号】 IB2019055150

(87)【国際公開番号】W WO2019244064

(87)【国際公開日】2019-12-26

【審査請求日】2022-05-12

(31)【優先権主張番号】102018000006476

(32)【優先日】2018-06-20

(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT

(73)【特許権者】

【識別番号】594073646

【氏名又は名称】イ．エンメ．ア．インドゥストリア マッキーネ アウトマティケ ソチエタ ペル アツィオニ

(74)【代理人】

【識別番号】100159905

【弁理士】

【氏名又は名称】宮垣 丈晴

(74)【代理人】

【識別番号】100142882

【弁理士】

【氏名又は名称】合路 裕介

(74)【代理人】

【識別番号】100158610

【弁理士】

【氏名又は名称】吉田 新吾

(74)【代理人】

【識別番号】100132698

【弁理士】

【氏名又は名称】川分 康博

(72)【発明者】

【氏名】リボラ，サウロ

(72)【発明者】

【氏名】セルメンギ，アンドレア

(72)【発明者】

【氏名】ビアンキ，マウロ

【審査官】西塚 祐斗

(56)【参考文献】

【文献】国際公開第２００９／１４１８６８（ＷＯ，Ａ１）

【文献】国際公開第２０１０／０７２６４３（ＷＯ，Ａ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ６５Ｂ ２９／０４

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

煎じ出し製品用のフィルタバッグを製造するための機械であって、各フィルタバッグは、把持タグ（３）と接続するためのスレッド（２）が関連付けられたフィルタ材料片で得られ、フィルタバッグを製造するための機械（１００）は、少なくとも、
作業面を規定するホイール（４）であって、円形の供給方向（Ｄ）を有する作業経路（Ｐ）を規定するように、それ自体の回転軸（４Ｘ）を中心に回転するホイール（４）と、
個々のタグ（３）を、前記作業経路（Ｐ）の事前に規定された配置領域において前記作業面に、同調して、配置するための第１の供給ステーション（５）と、
前記ホイール（４）の前記供給方向（Ｄ）に関して前記個々のタグ（３）を配置するための前記配置領域の下流の事前に規定された領域から開始して、曲進経路に沿って、前記作業面上に連続スレッド（２）を供給するための第２の供給ステーション（６）と、
前記ホイール（４）の前記供給方向（Ｄ）に関して前記第２の供給ステーション（６）に対して下流に配置された第３の供給ステーション（７）であって、前記連続スレッド（２）の織りと前記タグ（３）とを重ね合わせるフィルタ材料の連続ストリップ（１）を前記作業面に供給するための第３の供給ステーション（７）と、
前記ホイール（４）の前記供給方向（Ｄ）に関して前記第１の供給ステーション（５）および第２の供給ステーション（６）の下流に配置された、前記連続スレッド（２）と前記タグ（３）とフィルタ材料の前記連続ストリップ（１）との間にシールを形成するように設計されたシール手段（８、９）と、
フィルタ材料の前記連続ストリップ（１）を供給ライン（Ｌ１）に沿って移動させ且つフィルタ材料の前記連続ストリップ（１）の前記供給ライン（Ｌ１）に関して前記ホイール（４）の下流に位置する少なくとも第１の供給装置（１１）と、
フィルタ材料の前記連続ストリップ（１）の前記供給方向（Ｄ）に関して前記第１の供給装置（１１）の下流に配置された、前記タグ（３）と前記連続スレッド（２）から得られるスレッド（２）とを備えた前記フィルタバッグを完成させるための完成ステーション（１０）であって、前記フィルタバッグを形成し、形成された前記フィルタバッグに１回分の煎じ出し製品を導入し、前記１回分の煎じ出し製品を収容する前記フィルタバッグを閉じるように構成された完成ステーション（１０）と、を備え、
前記少なくとも第１の供給装置（１１）は、制御された態様で、すなわち可変に、前記ホイール（４）の前記作業面に配置されるフィルタ材料の連続ストリップ（１）を必要な量だけ供給するための２つの第１の供給ローラ（１２、１３）を備え、前記２つの第１の供給ローラ（１２、１３）は、所望のサイズのフィルタバッグを形成するのに必要な前記フィルタ材料片の長さに応じて、前記２つの第１の供給ローラ（１２、１３）の回転速度をモータによって調整するための制御システムによって制御され、前記機械は、
フィルタ材料の前記連続ストリップ（１）を移送するための移送装置（１８）であって、供給されているフィルタ材料の前記連続ストリップ（１）を横方向に移動させる、すなわち、フィルタ材料の前記連続ストリップ（１）の中心線軸（Ｘ１）が前記ホイール（４）の前記作業面上の作業ラインと一致するように、フィルタ材料の前記連続ストリップ（１）の前記中心線軸（Ｘ１）の位置を修正する移送装置（１８）を備え、前記作業ラインは、フィルタ材料の前記連続ストリップ（１）を供給するための前記供給ライン（Ｌ１）に平行であり且つ前記所望のサイズのフィルタバッグに応じて規定される、機械。

【請求項2】

前記２つの第１の供給ローラ（１２、１３）が、交互のまたは段階的な回転運動で動作することができる、請求項１に記載の機械。

【請求項3】

前記第１の供給装置（１１）と前記完成ステーション（１０）との間に配置された、フィルタ材料の前記連続ストリップ（１）を移動させるための第２の供給装置（１４）を備え、
前記第２の供給装置（１４）は、フィルタ材料の前記連続ストリップ（１）を供給するための２つの第２のローラ（１５、１６）を有し、前記２つの第２のローラ（１５、１６）は、制御された態様で、前記完成ステーションにフィルタ材料の前記連続ストリップ（１）を供給および配置するように構成されている、請求項１に記載の機械。

【請求項4】

前記２つの第２のローラ（１５、１６）は、連続的な回転運動で動作することができる、請求項３に記載の機械。

【請求項5】

フィルタ材料の前記連続ストリップ（１）の供給を調節するための補償装置（１７）を備え、
前記補償装置（１７）は、前記第１の供給装置（１１）と前記第２の供給装置（１４）との間に配置され、前記第１の供給装置（１１）および前記第２の供給装置（１４）のフィルタ材料の前記連続ストリップ（１）を供給するための種々の速度に応じて、前記第１の供給装置（１１）と前記第２の供給装置（１４）との間の材料の連続ストリップ（１）の供給を調節する、請求項３または４に記載の機械。

【請求項6】

前記移送装置（１８）が、供給されているフィルタ材料の前記連続ストリップ（１）を移動および捉えるための、ユニット（３０）に連結された少なくとも１つの移送ローラ（１９、２０）を備え、前記少なくとも１つの移送ローラ（１９、２０）の角度回転は、フィルタ材料の前記連続ストリップ（１）の前記中心線軸（Ｘ１）の位置を修正するように設計されている、請求項１から５のいずれか１項に記載の機械。

【請求項7】

前記ホイール（４）が、前記回転軸（４Ｘ）の周りに連続して複数の個々の作業面（４ａ）を規定するように角柱形状を有し、各単一の作業面（４ａ）の延設部は、順番に、個々の第１の供給ステーション（５）、第２の供給ステーション（６）および第３の供給ステーション（７）に移動するように、平坦である、請求項１から６のいずれか１項に記載の機械。

【請求項8】

前記ホイール（４）は、８つの独立した作業面（４ａ）を形成するように、断面において、八角形の形状を有する、請求項７に記載の機械。

【請求項9】

各作業面（４ａ）が、前記連続スレッド（２）の前記曲進経路の延設のための複数の突出基準ピン（２１）を有する、請求項７または８に記載の機械。

【請求項10】

前記シール手段が、
前記連続スレッド（２）と前記タグ（３）との間に第１の一連のシールを形成するように設計された、前記第２の供給ステーション（６）と前記第３の供給ステーション（７）との間に配置された第１のシール手段（８）と、
前記ホイール（４）の前記供給方向（Ｄ）に関して前記第１のシール手段（８）の下流に配置された第２のシール手段（９）であって、前記曲進経路に沿って配置された連続スレッド（２）の一部とフィルタ材料の前記連続ストリップ（１）との間、並びにフィルタ材料の前記連続ストリップ（１）と前記タグ（３）の間に複数のシールを形成するように構成された第２のシール手段（９）と、を備える、請求項１から９のいずれか１項に記載の機械。

【請求項11】

各第１のシール手段（８）および第２のシール手段（９）は、超音波シール用のそれぞれの単一ヘッド（２２、２３）から構成され、単一ヘッド（２２、２３）の各々が多角形の前記ホイール（４）の対応する作業面（４ａ）に作用する、請求項１０に記載の機械。

【請求項12】

前記制御システムは、前記２つの第１の供給ローラ（１２、１３）のそれぞれの複数の回転速度に対する複数の設定が格納されているメモリと動作可能に関連付けられている、請求項１から１１のいずれか１項に記載の機械。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、例えば、茶、コーヒー、カモミールなどの煎じ出し製品用のフィルタバッグを製造するための機械に関する。

【背景技術】

【0002】

本発明によるフィルタバッグは、いわゆる従来のタイプ、すなわち、シングルローブまたはダブルローブのフィルタバッグ（すなわち、平らな展開部を有する）、またはピラミッド型のフィルタバッグ（すなわち、実質的に３次元の展開部を有する）であり得る。

【0003】

両方のタイプのフィルタバッグは、共通の要素として、フィルタ材料紙片と１回分の煎じ出し製品、および、一方の側でフィルタ材料片に結合され、他方の側で把持タグに結合されるストレッチスレッドを有する。

【0004】

スレッドは通常、事前に規定された経路に沿ってフィルタバッグの周りに配置され且つ区別されたタイプの接合点（例えば、シーリングによる）で、すなわち、使用中も接合を維持する必要がある場合には強い点（strong points）で、または使用前にスレッドのその部分を切り離す必要がある場合には弱い点（light points）で、フィルタバッグに関連付けられる。

【0005】

ピラミッド型の上記フィルタバッグを形成するための機械の先行技術の解決策の１つは、同じ出願人による特許文書ＥＰ１５７２ ５３９に記載されている。

【0006】

ピラミッド型のフィルタバッグを製造するためのこの機械は、基本構造として、
円筒形の作業面を規定し且つ円形の供給方向を持つ作業経路を規定するようにそれ自体の軸を中心に回転するホイールと、
作業経路の事前に規定された領域において円筒形の作業面に、同調して（in phase）、個々のタグを配置するための第１の供給ステーションと、
供給方向に関して個々のタグを配置するための領域の下流の事前に規定された領域から開始して、曲進経路（weave path）に沿って、円筒形の作業面上に連続スレッドを供給するための第２の供給ステーションであって、スレッドの上述の曲進経路はまた、円筒形の作業面にある突出ピンの存在によって得られる、第２の供給ステーションと、
第２の供給ステーションに対して下流に配置された第３の供給ステーションであって、円筒形の作業面に沿って、スレッドの織りとタグとを重ね合わせるフィルタ材料の連続ストリップを供給するための第３の供給ステーションと、
スレッドとタグとの間に第１の一連のシールを形成するように構成された（特に強いタイプのシールを得るようにプログラムされた）、第２の供給ステーションと第３の供給ステーションとの間に配置された第１のソノトロードのグループと、
第１のソノトロードのグループの下流で、フィルタ材料のストリップが配置される円筒形の作業面に配置された第２のソノトロードのグループであって、曲進経路に沿って配置され且つフィルタ材料のストリップの下に存在するストレッチスレッドとストリップとの間、およびストリップとタグとの間（この場合、第２のソノトロードのグループは、弱いタイプのシールを得るように構成されている）の両方に複数のシールを形成するように構成された第２のソノトロードのグループと、
タグおよびスレッドを既に備えるフィルタバッグを完成させるための、ホイールの下流に配置されたステーションであって、フィルタバッグ（ピラミッド型または四面体形状）を幾何学的に形成し、１回分の煎じ出し製品を導入して、その形でフィルタバッグを閉じるように構成されたステーションと、を備える。

【0007】

しかしながら、実際には優れた性能レベルと信頼性を備えたこのタイプの機械は、四面体形状で且つ一定寸法のシングルタイプのフィルタバッグの形成に制約されており、したがって、市場が要求するサイズ変更の必要性がますます高まっていることを考慮すると、現在このタイプの自動機械に必要とされる動作上の柔軟性に欠ける。

【0008】

当該機械のもう１つの欠点は、ホイールの回転（連続的または段階的）をソノトロードのグループの動き（作業面に対して半径方向）に接続するキネマティックユニットの複雑さ、（強いまたは弱い接合点の形成から生じる）関連する可変時間および圧力を持つこと、およびそれらが点状に機能しなければならない曲面による。

【0009】

この構造は、機械のコストに影響を与える高コストに加えて、正しい機能を維持するために頻繁なチェックが実行されることを必要とし得る。

【発明の概要】

【0010】

本発明の目的は、上記の欠点を克服する、例えば、茶、コーヒー、カモミールなどの煎じ出し製品用のフィルタバッグを製造するための機械を提供することである。

【0011】

特に、本発明の目的は、機械の寸法を変更することなく、異なるサイズおよび異なる幾何学的形状のフィルタバッグの形成により生産の柔軟性を高めることができる、煎じ出し製品用のフィルタバッグを製造するための機械を提供することである。

【0012】

本発明のさらなる目的は、高い生産品質および高速での実行を維持しながら、形成ホイール周りの動作構成要素を単純化および低減することができる、煎じ出し製品用のフィルタバッグを製造するための機械を提供することである。

【0013】

前記目的は、添付の特許請求の範囲に特徴付けられるように、本発明による、例えば、茶、コーヒー、カモミールなどの煎じ出し製品用のフィルタバッグを形成するための機械によって完全に達成される。

【図面の簡単な説明】

【0014】

本発明の技術的特徴は、添付の図面に例として示されている、その好ましい非限定的な実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。

【図1】本発明による煎じ出し製品用のフィルタバッグを形成するための機械の正面図を示す。

【図2】図１の拡大された第１の詳細、特にフィルタ材料のストリップを供給するための第１および第２の装置を示す。

【図3】図１の拡大された第２の詳細、特にフィルタ材料のストリップを供給するための第１および第２の装置並びに移送装置を示す。

【図4】図１の拡大された第３の詳細、特にフィルタ材料のストリップを供給するための動作ホイールを示す。

【図5】図４の拡大された第４の詳細、特に動作ホイールの作業面の、他の部分をより良く示すために一部が切り取られた概略上面図を示す。

【発明を実施するための形態】

【0015】

添付の図面、特に図１を参照すると、全体として１００とラベル付けされた本発明による機械は、煎じ出し製品用のフィルタバッグを形成するために使用される。

【0016】

以下に説明するように、機械１００は、ピラミッド型のバッグなどの三次元のフィルタバッグと、長方形の形状を有するいわゆる従来のシングルローブまたはダブルローブのフィルタバッグの両方を形成するように構成される。

【0017】

上記の形状に関係なく、各フィルタバッグは、把持タグ３に接続するためのスレッド２が関連付けられたフィルタ材料片から出発して、機械１００で得られる。

【0018】

図示のように、フィルタバッグを形成するための機械１００は、作業面を規定するホイール４を備える（図４）。

【0019】

ホイール４は、円形の供給方向Ｄ（この場合は時計回りの方向）を有する作業経路Ｐを規定するように、それ自体の軸４Ｘを中心に回転する。

【0020】

機械１００はまた、作業経路Ｐの事前に規定された配置領域における作業面上に、同調して、個々のタグ３を配置するための第１の供給ステーション５を備える。

【0021】

図示のように、機械１００は、ホイール４の供給方向Ｄに関して個々のタグ３を配置するための領域の下流の事前に規定された領域から開始して、作業面上に連続スレッド２を、曲進経路に沿って、供給するための第２の供給ステーション６を備える。

【0022】

機械１００はまた、作業面上にスレッド２の織りとタグ３とを重ね合わせるフィルタ材料の連続ストリップ１を供給するための第３の供給ステーション７を備える。供給ステーション７は、ホイール４の供給方向Ｄに関して第２の供給ステーション６の下流に配置されている。

【0023】

再び図示されるように、機械１００は、スレッド２とタグ３とフィルタ材料のストリップ１との間にシールを形成するように構成された、ホイール４の供給方向Ｄに関して第１の供給ステーション５および第２の供給ステーション６の下流に位置するシール手段８、９を備える。

【0024】

再び図示されるように、機械１００は、フィルタ材料のストリップ１を供給ラインＬ１に沿って移動させるための、フィルタ材料のストリップ１の供給方向Ｌ１に関して動作ホイール４の下流に位置する少なくとも第１の供給装置１１を備える。

【0025】

再び図示されるように、機械１００は、フィルタ材料のストリップ１の供給方向Ｄに関して供給装置１１の下流に配置された、タグ３およびスレッド２を備えたフィルタバッグを完成させるためのステーション１０を備える。ステーション１０は、フィルタバッグを形成し、形成されたフィルタバッグに１回分の煎じ出し製品を導入し、１回分の煎じ出し製品を収容する（三次元または長方形であり得るその最終形状の）フィルタバッグを閉じるように構成されている。

【0026】

図示のように、第１の供給装置１１は、（並んで配置される）２つの第１の供給ローラ１２、１３を有し、２つの第１の供給ローラ１２、１３は、制御された態様で、すなわち可変で、ホイール４の作業面に配置されるフィルタ材料のストリップ１の量をほどく。

【0027】

２つの第１の供給ローラ１２および１３は制御システムによって制御され、制御システムは、所望のサイズのフィルタバッグを形成するのに必要なフィルタ材料片の長さに応じて、２つの第１の供給ローラ１２、１３の回転速度を、モータによって、調整するように構成されている。

【0028】

好ましくは、２つの第１の供給ローラ１２、１３は、交互のまたは段階的な回転運動で動作することができる。第１の供給装置は、動作ホイールおよびその後の完成ステーションの両方において、フィルタバッグの構成要素（フィルタ材料片、スレッドおよびタグ）を取り付けるステップおよびプロセスを変更することなく、フィルタ材料片の、したがってフィルタバッグのタイプの寸法を変更することを可能にすることに留意されたい。

【0029】

タグ３を供給するための第１のステーション５は、単一のタグ３を切断して動作ホイール４上に配置するためのユニット５ｂに供給されるタグ３の連続ストリップを保管するためのリールシステム５ａを備えることに留意されたい。

【0030】

好ましくは、連続スレッド２を供給するための第２のステーション６は、ホイール４の事前に規定された経路またはパターンに沿って、スレッド２を配置するためのアーム６ｂを有する、動作ホイール４上にスレッド２を配置するためのユニット６ａを供給するスプールタイプのマガジン（図示せず）を備える。

【0031】

スレッド２の曲進経路は、非限定的な例として、図５に示されている。

【0032】

フィルタ材料のストリップ１を供給するための第３のステーション７は、動作ホイール４に到達するまで（適切なローラによって）ほどかれたフィルタ材料の連続ストリップ１を保管するためのリールシステム７ａを備えることにも留意されたい。

【0033】

シール手段８、９の間には、フィルタ材料の連続ストリップ１の下に存在するスレッド２の織り部分を残りの連続スレッド２から分離するように構成された切断要素３１が存在することに留意されたい。

【0034】

上記の完成ステーション１０は、煎じ出し製品の少なくとも１つの投与機１０ａと、垂直な供給軸１０Ｚに沿った移動中に、フィルタ材料のストリップ１を形成および閉じて閉じた管状構成にするためのサブステーション１０ｂとを備える。その下向きの動きに沿って、フィルタ材料のストリップ１は、フィルタバッグのボトム、フィルタバッグのヘッドを形成し（１回分の煎じ出し製品の導入後に）、且つこのように形成されたフィルタバッグを取り外すために、（詳細には示されていない）一連の閉鎖ステーションによって捉えられる（intercepted）。

【0035】

フィルタバッグのサイズ（四面体または長方形）は、フィルタ材料の連続ストリップ１の下向きの垂直軸に沿ったシーリングシステムのタイプ、配置、およびプログラムされた駆動、および（以下でより詳細に説明するように）フィルタ材料の連続ストリップ１の形成ステーション１０ｂへの到着位置による。

【0036】

異なる幾何学的構成を有するフィルタバッグを完成させるためのステーションの２つの例は、同じ出願人の名前の特許文書ＥＰ１５７２ ５３９およびＥＰ ２５６３ ６７１に示されている。

【0037】

フィルタ材料のストリップ１は、フィルタ材料のストリップ１を供給するための第３のステーション７から（すなわち、リール７ａから）直接、フィルタ材料のストリップ１の中心線軸Ｘ１と一致するフィルタ材料のストリップ１を供給するためのラインＬ１に沿ってホイール４を通過して、交互にまたは段階的に移動可能な第１の供給装置１１に延びることに留意されたい。

【0038】

機械１００は、第１の供給装置１１と形成ステーション１０との間に配置された、フィルタ材料のストリップ１を移動させるための第２の供給装置１４を備える。

【0039】

第２の供給装置１４は、完成ステーション１０にフィルタ材料のストリップ１を、制御された態様で、供給および配置するように構成された、フィルタ材料のストリップ１を供給するための２つの第２のローラ１５、１６を有する。

【0040】

これに照らして、第１の供給装置１１は、交互または段階的に回転する２つの第１のローラ１２、１３を有し、第２の装置１４は、連続的な回転運動で動作できる２つの第２のローラ１５、１６を有する。

【0041】

第１の供給装置１１および第２の供給装置１４の２対のローラの動きのこの違いにより、完成ステーション１０（通常はより高い動作速度を持つ）の動作のために、動作ホイール４の動作と、スレッド２およびタグ３のためのそれぞれのステーションとを適合させることが可能になり、使用されるフィルタ材料片のサイズの適応が可能である。

【0042】

第１の供給装置１１は、互いに平行であり且つ水平方向に延びる２つの第１のローラ１２、１３を備える。２つの第１のローラは、２つの第１のローラのうちの少なくとも一方のための駆動ユニットが存在するフレームによって支持されている。駆動ユニットは、フィルタ材料の連続ストリップ１の供給を調節するために、第１のローラ１２および１３の段階的な動きを制御するユニットに接続されている。

【0043】

第２の供給装置１４は、互いに平行であり且つ水平方向に延びる２つの第２のローラ１５、１６を備える。２つの第２のローラは、２つの第２のローラのうちの少なくとも一方のための駆動ユニットが存在するフレームによって支持されている。駆動ユニットは、第２のローラ１５および１６の連続的な動きを制御して、フィルタバッグを完成させるためのステーション１０へのフィルタ材料の連続ストリップ１の供給を制御するユニットに接続されている。

【0044】

図示のように、機械１００はまた、フィルタ材料のストリップ１の供給を調節するための補償装置１７を備える。

【0045】

これに照らして、補償装置１７は、第１の供給装置１１および第２の供給装置１４のフィルタ材料のストリップ１を供給するための種々の速度に応じて、２つの装置１１、１４の間の材料の供給ストリップ１の供給を調節するために、第１の供給装置１１と第２の供給装置１４との間に配置される。

【0046】

補償装置１７は、フィルタ材料の連続ストリップ１を捉えるためのローラ１７ａを備えることに留意されたい。ローラ１７ａは回転可能にアイドル状態であり且つ機械のフレーム１００Ｔに連結された振り子アーム１７ｂに接続されている。

【0047】

アーム１７ｂの振り子の動きは、動作供給要件に応じて、第１の供給装置１１および第２の供給装置１４の間のフィルタ材料のストリップの展開を修正するように、制御される（要するに、装置は、第１の供給装置１１の段階移動に影響を与えることなく、第２の供給装置１４のための一種のバッファを作成する）。

【0048】

図示のように、機械１００は、フィルタ材料のストリップ１を移送するための装置１８であって、フィルタ材料のストリップ１の中心線軸Ｘ１がホイール４の作業面上の作業ラインと一致するように、供給されるフィルタ材料のストリップ１を横方向に移動させる、すなわち、フィルタ材料のストリップ１の中心線軸Ｘ１の位置を変更するための装置１８を備える。

【0049】

作業ラインは、フィルタ材料のストリップ１の供給ラインＬ１に平行であり且つ所望のフィルタバッグのサイズに応じて規定されることに留意されたい。これに照らして、並進装置１８は、第１の供給装置１１と第２の供給装置１４（および続いて補償装置１７）との間に配置され且つ形成される異なるサイズのフィルタバッグに切り替えるときに作動するように構成される。

【0050】

好ましくは、移送装置１８は、供給されるフィルタ材料のストリップ１を移動および捉えるための、ユニット３０に連結された少なくとも移送ローラ１９、２０を備える。

【0051】

これに照らして、少なくとも１つの移送ローラ１９、２０の角度回転は、フィルタ材料のストリップ１の中心線軸Ｘ１の位置を変更するように設計されている。

【0052】

より詳細には、移送装置１８は、固定軸を備えた一対の移送ローラまたはシャフト１９、２０を備え、これらは、シャフト１９、２０がフィルタ材料のストリップ１が通過するための経路によって離間されている非動作位置と、シャフト１９、２０がフィルタ材料のストリップ１の経路に沿って配置される動作位置との間で、シャフト１９、２０を移動させるためのユニット３０に重ね合わされ且つ連結されており、供給されているフィルタ材料のストリップ１を横方向に移動するように構成されたシャフト１９、２０を通過するフィルタ材料のストリップ１の通路を修正する（図３）。

【0053】

換言すれば、一対のシャフト１９および２０は、調整システム（例えば、垂直連結延長部を備えた共有支持ピン）を有し、調整システムは、機械のセットアップによって必要とされる場合に、それがフィルタ材料の連続ストリップ１の経路の一部となるような位置にそれらを移動させることができる。

【0054】

一対のシャフト１９および２０は、それらの延設軸が第１の供給装置および第２の供給装置１４の第１のローラ１２、１３および第２のローラ１４、１５の回転軸に対して傾斜して、配置される。

【0055】

これに照らして、フィルタ材料の連続ストリップ１は、最初に上部シャフト１９に巻かれ、次に下部シャフト２０に入り、一種の「Ｚ」経路を形成する。

【0056】

一対のシャフト１９、２０を移動させるためのユニット３０のおかげで、シャフト１９、２０の固定面に沿ってフィルタ材料の連続ストリップ１をスライドするように、一対のシャフト１９、２０の傾斜角を（また、オペレータによる手動の操作で）変更することが可能であり、したがって、その供給ラインＬ１に対するフィルタ材料のストリップ１の中心線軸Ｘ１の位置を修正することが可能である。

【0057】

図示のように（図１、４）、ホイール４は、回転軸４Ｘの周りに連続して複数の個々の作業面４ａを規定するように角柱形状を有する。

【0058】

これに照らして、各単一の作業面４ａの延設部は、順番に、個々の第１の供給ステーション５、第２の供給ステーション６および第３の供給ステーション７に移動するように、平坦である。

【0059】

好ましくは、しかし本発明を限定することなく、ホイール４は、８つの独立した作業面４ａを形成するように、断面において八角形の形状を有する。

【0060】

好ましくは、各作業面４ａは、スレッド２の曲進経路の延設のための複数の突出基準ピン２１を有する。

【0061】

再び図示されるように、機械１００は、第２の供給ステーション６と第３の供給ステーション７との間に配置され、スレッド２とタグ３との間に第１の一連のシールを形成するように設計された第１のシール手段８を備える。

【0062】

さらに、機械１００は、ホイール４の供給方向Ｄに関して第１のシール手段８の下流に配置された第２のシール手段９を備え、第２のシール手段９は、曲進経路に沿って配置されたスレッド２の一部とフィルタ材料のストリップ１との間、並びにフィルタ材料のストリップ１とタグ３との間に複数のシールを形成するように構成されている。

【0063】

この構造のおかげで、各第１のシール手段８および第２のシール手段９は、超音波シール用の対応する単一ヘッド２２、２３から構成され、単一ヘッド２２、２３の各々が多角形のホイール４の対応する作業面４ａであって、毎回単一のヘッド２２、２３の前に進められる作業面４ａに作用する。

【0064】

言い換えれば、個々の平坦な作業面の存在により、（弱いまたは強い）接合点を作るために必要な全てのソノトロードを２つの単一ヘッドで構成することができ、各々がホイール４の軸４Ｘに対して直線的且つ半径方向の動きで動作する２つ以上のソノトロードをグループ化する。この機能により、高いパフォーマンス速度と相まって、優れた品質の接合点を得ることができる。

【0065】

また、上記の制御システムは、２つの第１の供給ローラ１２、１３のそれぞれの複数の回転速度に対する複数の設定が格納されているメモリと動作可能に関連付けられていることにも留意されたい。このように構成された機械のおかげで、多くの利点を備えた事前に設定された目的が達成される。

【0066】

第１の供給装置の存在は、フィルタバッグを形成するフィルタ材料片の寸法サイズを迅速且つ安全に変更することを可能にする。

【0067】

第２の供給装置の存在は、動作ホイール上で実行される各ステップの動作速度に影響を与えることなく、フィルタバッグを完成させるためのステーションにおいて高い生産速度を維持することを可能にする。

【0068】

（移動可能な）移送装置の存在は、完成されるフィルタバッグのタイプに応じて、および、したがって、完成ステーションにおいて形成されるシールの位置に応じて、フィルタ材料の連続ストリップの位置を変更することを可能にする。

【0069】

多角形のホイールを使用すると、結合される構成要素の位置決めの品質が向上し、種々のステーションの動作構成要素が運動学的に簡素化される。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0070】

【文献】ＥＰ １５７２ ５３９

【文献】ＥＰ ２５６３ ６７１

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】