(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】半導体ストリップ切断及び分類設備における半導体パッケージ移送のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230809BHJP
B65G 49/07 20060101ALI20230809BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G49/07 G
H01L21/78 N
(21)【出願番号】P 2021187076
(22)【出願日】2021-11-17
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0160025
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、チェ キョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヨン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヨン ファン
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-181936(JP,A)
【文献】特開平04-326546(JP,A)
【文献】特開2016-047563(JP,A)
【文献】実開平07-027154(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 49/07
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ストリップ切断及び分類設備における半導体パッケージの移送のための装置であって、
前記半導体パッケージを吸着するための真空ホールが設けられた吸着パネルと、
前記吸着パネルに結合され、前記真空ホールと連通する第1流路が内部に形成されたボディ部と、
前記第1流路に連結され、真空圧を印加するための空気が流動する吸引管路と、
前記吸引管路及び前記第1流路を介して真空圧を印加する真空圧形成部と、
前記真空圧形成部と前記吸引管路との間に配置され、前記吸引管路を開放又は閉鎖する第1バルブと、
前記真空ホールと前記真空圧形成部との間の経路上に連結され、外部の気体が流動しうる経路を形成する第2流路と、
前記第2流路に結合され、前記第2流路を開放又は閉鎖する第2バルブと、を含
み、
前記真空圧形成部による真空圧が印加されている間に前記第2流路が開放されることによって、前記吸着パネルが前記半導体パッケージを吸着した状態を維持しながら前記第1流路又は前記吸引管路に存在する水気が吸引されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記吸引管路の一部に配置され、前記吸引管路を介して流動する液体をフィルタリングするフィルタ部と、
前記フィルタ部によってフィルタリングされた前記液体を保管するドレイン容器と、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2流路は前記ボディ部に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2バルブは、前記ボディ部が目標移送位置に位置すると、一定時間の間開放されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第2バルブは、前記一定時間が経過すると閉鎖され、
前記第2バルブが閉鎖されると前記第1バルブが閉鎖されて前記真空圧が解除され、
前記真空圧が解除されると、前記半導体パッケージが前記目標移送位置に装着されることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2流路は、前記第1流路と前記ボディ部の側面部とを連結するように形成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第2流路は、前記第1流路と前記ボディ部の上面部とを連結するように形成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2流路は前記吸着パネルに形成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
半導体ストリップ切断及び分類設備における半導体パッケージの移送方法であって、
パッケージピッカーで前記半導体パッケージを吸着するための吸着ホールに連結されたボディ部の第1流路を介して真空圧を印加して前記半導体パッケージをピックアップするステップと、
前記半導体パッケージを吸着した前記パッケージピッカーを目標移送位置に位置させるステップと、
前記吸着ホールと前記真空圧を印加する真空圧形成部との間の経路上に連結され、外部の気体が流動しうる経路を形成する第2流路を
、前記真空圧が印加されている間に開放し、
前記パッケージピッカーが前記半導体パッケージを吸着した状態を維持しながら前記第1流路に存在する水気を吸引するステップと、
前記第2流路を遮断し、前記真空圧を解除して前記半導体パッケージを前記目標移送位置に装着させるステップと、を含む方法。
【請求項10】
前記第2流路は前記ボディ部に形成されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2流路の開放又は閉鎖は、前記第2流路に結合された第2バルブによって行われることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1流路に存在する水気を吸引するステップは、前記第2バルブを一定時間の間開放するステップを含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2流路は、前記第1流路と前記ボディ部の側面部とを連結するように形成されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記第2流路は、前記第1流路と前記ボディ部の上面部とを連結するように形成されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記第2流路は、前記半導体パッケージを吸着するための前記吸着ホールが設けられた吸着パネルに形成されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
半導体ストリップ切断及び分類設備であって、
複数のパッケージが配置された半導体ストリップが積載されるローディング部と、
前記半導体ストリップを切断して個別化された半導体パッケージを移送するパッケージピッカーを含む切断部と、
前記半導体パッケージを乾燥及び検査してトレイに収納する分類部と、を含み、
前記パッケージピッカーは、
前記半導体パッケージを吸着するための真空ホールが設けられた吸着パネルと、
前記吸着パネルに結合され、前記真空ホールと連通する第1流路が内部に形成されたボディ部と、
前記第1流路に連結され、真空圧を印加するための空気が流動する吸引管路と、
前記吸引管路及び前記第1流路を介して真空圧を印加する真空圧形成部と、
前記真空圧形成部と前記吸引管路との間に配置され、前記吸引管路を開放又は閉鎖する第1バルブと、
前記真空ホールと前記真空圧形成部との間の経路上に連結され、外部の気体が流動しうる経路を形成する第2流路と、
前記第2流路に結合され、前記第2流路を開放又は閉鎖する第2バルブと、を含
み、
前記真空圧形成部による真空圧が印加されている間に前記第2流路が開放されることによって、前記吸着パネルが前記半導体パッケージを吸着した状態を維持しながら前記第1流路又は前記吸引管路に存在する水気が吸引されることを特徴とする、半導体ストリップ切断及び分類設備。
【請求項17】
前記第1流路の一部に配置され、前記第1流路を介して流動する液体をフィルタリングするフィルタ部と、
前記フィルタ部によってフィルタリングされた前記液体を保管するドレイン容器と、をさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載の半導体ストリップ切断及び分類設備。
【請求項18】
前記第2バルブは、前記ボディ部が反転テーブルに位置すると、一定時間の間開放されることを特徴とする、請求項16に記載の半導体ストリップ切断及び分類設備。
【請求項19】
前記第2バルブは、前記一定時間が経過すると閉鎖され、
前記第2バルブが閉鎖されると前記第1バルブが閉鎖されて前記真空圧が解除され、
前記真空圧が解除されると、前記半導体パッケージが前記反転テーブルに装着されることを特徴とする、請求項18に記載の半導体ストリップ切断及び分類設備。
【請求項20】
前記第2流路は、前記第1流路と前記ボディ部の側面部とを連結するように形成されることを特徴とする、請求項16に記載の半導体ストリップ切断及び分類設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ストリップ切断及び分類設備における半導体パッケージ移送のための装置及び方法に係り、より具体的には、洗浄液を用いて洗浄された半導体パッケージを移送するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程は、ウエハ上に半導体素子を製造するための工程であって、例えば、露光、蒸着、エッチング、イオン注入、洗浄などを含む。半導体ストリップ切断及び分類装備は、複数のパッケージが配置されたストリップをパッケージ単位で切断して個別化し、各パッケージに対する洗浄、乾燥、検査を介して良好又は不良状態を区分して、最終的な収納容器であるトレイにそれぞれ分類して積載する。
【0003】
各パッケージに対する検査は、カメラなどのビジョン検査装置を用いて行われ、精密な検査のために、各パッケージに対しては、検査の妨げになるおそれのある異物が除去されなければならない。切断されたパッケージの洗浄に使用された洗浄液も、検査過程で邪魔になるおそれがあるので、パッケージに洗浄液が残っていないように管理する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の実施形態は、半導体ストリップ切断及び分類設備で洗浄液が残っていることを防止するとともに半導体パッケージを移送するための装置及び方法を提供することを目的とする。
【0005】
本発明の解決課題は、上述したものに限定されず、上述していない他の解決課題は、以降の記載から当業者に明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
半導体ストリップ切断及び分類設備における半導体パッケージ移送のための装置は、前記半導体パッケージを吸着するための真空ホールが設けられた吸着パネルと、前記吸着パネルに結合され、前記真空ホールと連通する第1流路が内部に形成されたボディ部と、前記第1流路に連結され、真空圧を印加するための空気が流動する吸引管路と、前記吸引管路及び前記第1流路を介して真空圧を印加する真空圧形成部と、前記真空圧形成部と前記吸引管路との間に配置され、前記吸引管路を開放又は閉鎖する第1バルブと、前記第1流路に連結され、外部の気体が流動しうる経路を形成する第2流路と、前記第2流路に結合され、前記第2流路を開放又は閉鎖する第2バルブと、を含む。
【0007】
本実施形態において、前記吸引管路の一部に配置され、前記吸引管路を介して流動する液体をフィルタリングするフィルタ部と、前記フィルタ部によってフィルタリングされた前記液体を保管するドレイン容器と、をさらに含むことができる。
【0008】
本実施形態において、前記第2流路は、前記ボディ部に形成されることができる。
【0009】
本実施形態において、前記第2バルブは、前記ボディ部が目標移送位置に位置すると、一定時間の間開放されることができる。
【0010】
本実施形態において、前記第2バルブは、前記一定時間が経過すると閉鎖され、前記第2バルブが閉鎖されると前記第1バルブが閉鎖されて前記真空圧が解除され、前記真空圧が解除されると、前記半導体パッケージが前記目標移送位置に装着されることができる。
【0011】
本実施形態において、前記第2流路は、前記第1流路と前記ボディ部の側面部とを連結するように形成されることができる。
【0012】
本実施形態において、前記第2流路は、前記第1流路と前記ボディ部の上面部とを連結するように形成されることができる。
【0013】
本実施形態において、前記第2流路は、前記吸着パネルに形成されることができる。
【0014】
本発明の実施形態による半導体ストリップ切断及び分類設備における半導体パッケージの移送方法は、パッケージピッカーで前記半導体パッケージを吸着するための吸着ホールに連結されたボディ部の第1流路を介して真空圧を印加して前記半導体パッケージをピックアップするステップと、前記半導体パッケージを吸着した前記パッケージピッカーを目標移送位置に位置させるステップと、前記第1流路に連結されて外部の気体が流動しうる経路を形成する第2流路を開放し、前記第1流路に存在する水気を吸引するステップと、前記第2流路を遮断し、前記真空圧を解除して前記半導体パッケージを前記目標移送位置に装着させるステップと、を含む。
【0015】
本実施形態において、前記第2流路は、前記ボディ部に形成されることができる。
【0016】
本実施形態において、前記第2流路の開放又は閉鎖は、前記第2流路に結合された第2バルブによって行われることができる。
【0017】
本実施形態において、前記第1流路に存在する水気を吸引するステップは、前記第2バルブを一定時間の間開放するステップを含むことができる。
【0018】
本実施形態において、前記第2流路は、前記第1流路と前記ボディ部の側面部とを連結するように形成されることができる。
【0019】
本実施形態において、前記第2流路は、前記第1流路と前記ボディ部の上面部とを連結するように形成されることができる。
【0020】
本実施形態において、前記第2流路は、前記半導体パッケージを吸着するための前記吸着ホールが設けられた前記吸着パネルに形成されることができる。
【0021】
本発明の実施形態による半導体ストリップ切断及び分類設備は、複数のパッケージが配置された半導体ストリップが積載されるローディング部と、前記半導体ストリップを切断して個別化された半導体パッケージを移送するパッケージピッカーを含む切断部と、前記半導体パッケージを乾燥及び検査してトレイに収納する分類部と、を含む。前記パッケージピッカーは、前記半導体パッケージを吸着するための真空ホールが設けられた吸着パネルと、前記吸着パネルに結合され、前記真空ホールと連通する第1流路が内部に形成されたボディ部と、前記第1流路に連結され、真空圧を印加するための空気が流動する吸引管路と、前記吸引管路及び前記第1流路を介して真空圧を印加する真空圧形成部と、前記真空圧形成部と前記吸引管路との間に配置され、前記吸引管路を開放又は閉鎖する第1バルブと、前記ボディ部の内部で前記ボディ部の側面部と前記第1流路との間に外部の気体が流動しうる経路を形成する第2流路と、前記第2流路に結合され、前記第2流路を開放又は閉鎖する第2バルブと、を含むことができる。
【0022】
一実施形態において、半導体ストリップ切断及び分類設備は、前記第1流路の一部に配置され、前記第1流路を介して流動する液体をフィルタリングするフィルタ部と、前記フィルタ部によってフィルタリングされた前記液体を保管するドレイン容器と、をさらに含むことができる。
【0023】
一実施形態において、前記第2バルブは、前記ボディ部が反転テーブルに位置すると、一定時間の間開放されることができる。
【0024】
一実施形態において、前記第2バルブは、前記一定時間が経過すると閉鎖され、前記第2バルブが閉鎖されると前記第1バルブが閉鎖されて前記真空圧が解除され、前記真空圧が解除されると、前記半導体パッケージが前記反転テーブルに装着されることができる。
【0025】
一実施形態において、前記第2流路は、前記第1流路と前記ボディ部の側面部とを連結するように形成されることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施形態によれば、外部の気体が流動しうる第2流路を構成して、半導体パッケージを吸着するための真空圧が印加される第1流路に残っている水気を吸引し、それにより水気が半導体パッケージに排出されることを防止することができる。
【0027】
本発明の効果は、上述したものに限定されず、上述していない他の効果は、以降の記載から当業者に明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施形態による半導体ストリップ切断及び分類設備の概略的な構造を示す。
【
図2】半導体パッケージの移送過程で水気が排出される場合を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態による半導体パッケージの移送のための装置の例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態による半導体パッケージの移送過程で第1流路に残っている水気を除去する過程を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態による半導体パッケージの移送のための装置における気体誘導の例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態による半導体パッケージを移送するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。本発明は、様々に異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0030】
本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたって、同一又は類似の構成要素については同一の参照符号を付する。
【0031】
また、幾つかの実施形態において、同一の構成を有する構成要素については、同一の符号を使用して代表的な実施形態でのみ説明し、それ以外の他の実施形態では、代表的な実施形態とは異なる構成についてのみ説明する。
【0032】
明細書全体にわたって、ある部分が他の部分と「連結(又は結合)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(又は結合)」されている場合だけでなく、別の部材を挟んで「間接的に連結(又は結合)」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0033】
他に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味を持っている。一般的に使用される辞典に定義されている用語は、関連技術の文脈上持つ意味と一致する意味を持つものと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0034】
図1は本発明の実施形態による半導体ストリップ切断及び分類設備の概略的な構造を示す。
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る半導体ストリップ切断及び分類設備10は、ローディング部100、切断部200、及び分類部300を含む。
【0035】
本発明の実施形態に係る半導体ストリップ切断及び分類設備は、複数のパッケージが配置された半導体ストリップSが積載されるローディング部100と、半導体ストリップSを切断して個別化された半導体パッケージPを移送するパッケージピッカー220を含む切断部200と、半導体パッケージPを乾燥及び検査してトレイに収納する分類部300と、を含む。
【0036】
ローディング部100は、外部から移送された半導体ストリップSを切断部200の一時保管部205に伝達する。
図1に詳細に示されていないが、ローディング部100は、半導体ストリップSが積載されるマガジンと、半導体ストリップSを押して伝達するプッシャーと、を含むことができる。ローディング部100に供給された半導体ストリップSは、一時保管部205に位置することができる。
【0037】
ストリップピッカー210は、一時保管部205に位置した半導体ストリップSを把持してチャックテーブル240へ移送する。パッケージピッカー220は、カッター250によって切断されてチャックテーブル240を介して移送された半導体パッケージPを真空吸着方式で把持して洗浄部260及び反転テーブル310へ移送する。第1ガイドフレーム230は、ストリップピッカー210、パッケージピッカー220がX軸方向に移動するための経路を提供する。第1ガイドフレーム230には、ストリップピッカー210及びパッケージピッカー220を移動させるための駆動部が結合できる。
【0038】
チャックテーブル240は、ストリップピッカー210とカッター250との間、及びカッター250とパッケージピッカー220との間で半導体ストリップSと半導体パッケージPがそれぞれ移送されるようにすることができる。チャックテーブル240は、Y軸方向に移動することができ、Z軸方向を中心に回転することができ、半導体ストリップSが装着されることができる。チャックテーブル240は、ストリップピッカー210によって移送された半導体ストリップSを吸着してカッター250へ移送する。また、チャックテーブル240は、カッター250によって切断が完了した複数の半導体パッケージPをパッケージピッカー220へ伝達する。つまり、チャックテーブル240は、カッター250と第1ガイドフレーム230との間を往復移動することができる。パッケージピッカー220は、洗浄部260で洗浄された半導体パッケージPを吸着して反転テーブル310へ移送し、反転テーブル310に移送された半導体パッケージPは、乾燥部320によって乾燥することができる。反転テーブル310は、第2ガイドフレーム315に沿って移動することができる。
【0039】
分類部300は、各半導体パッケージPに対する検査結果に基づいて半導体パッケージPをそれぞれ分類する。より具体的には、分類部300は、ビジョン検査部330、360によって検査が完了して第1パレットテーブル341と第2パレットテーブル346に積載された半導体パッケージPを個別にピックアップし、検査結果に基づいて順次分類して他所へ移送する。
【0040】
このための分類部300は、ソーティングピッカー370、ソーティングピッカー駆動部材380、第1搬出トレイ351、第2搬出トレイ356、第1搬出トレイ駆動部材350及び第2搬出トレイ駆動部材355を含むことができる。
【0041】
ソーティングピッカー370は、ビジョン検査部330、360によって検査が完了して第1パレットテーブル341と第2パレットテーブル346にそれぞれ積載された半導体パッケージPをピックアップして、後述する第1搬出トレイ351、第2搬出トレイ356へ移送する。
【0042】
ソーティングピッカー駆動部材380は、レール形状をしてX軸方向に設置され、一部分は検査部360と隣接するように位置することができる。ソーティングピッカー駆動部材380は、ソーティングピッカー370をX軸方向に移動させる。このためのソーティングピッカー駆動部材380は、ソーティングピッカー370の移動のための駆動手段が内蔵されているものであり得る。
【0043】
第1搬出トレイ351と第2搬出トレイ356は、それぞれ良品半導体パッケージPと不良品半導体パッケージPを積載して他所へ搬出することができる。これとは異なり、第1搬出トレイ351と第2搬出トレイ356は、製造された状態に応じて半導体パッケージPを等級付け、等級に合うようにそれぞれ積載することも可能である。例えば、第1搬出トレイ351はA等級の半導体パッケージPを積載し、第2搬出トレイ356はA等級よりも製造された状態が低いB等級の半導体パッケージPを積載することができる。
【0044】
ソーティングピッカー370が第1パレットテーブル341と第2パレットテーブル346から半導体パッケージPをピックアップして第1搬出トレイ351又は第2搬出トレイ356のそれぞれにすべて積載させると、第1搬出トレイ351又は第2搬出トレイ356は、Y軸方向に移動して半導体パッケージPを他所へ伝達する。
【0045】
第1搬出トレイ駆動部材350は、第1搬出トレイ351を移動させる。第1搬出トレイ駆動部材350は、第1搬出トレイ351の移動のための駆動手段が内蔵されているものであり得る。
【0046】
第2搬出トレイ駆動部材355は、第2搬出トレイ356を移動させる。第2搬出トレイ駆動部材355は、第2搬出トレイ356の移動のための駆動手段が内蔵されているものであり得る。
【0047】
半導体ストリップ切断及び分類設備は、前述したように、半導体ストリップSを切断、洗浄、乾燥、及び検査後に分類して他所へ排出することができる。一方、本発明の実施形態によるパッケージピッカー220が半導体ストリップ切断及び分類設備に含まれることに限定されず、一般的な半導体パッケージ製造システムに適用可能である。以下、本発明の実施形態によるパッケージピッカー220から半導体パッケージPへ水気が排出されることを防止するための装置及び方法について説明する。
【0048】
図2は半導体パッケージPの移送過程で水気が排出される場合を示す。半導体パッケージPを移送するパッケージピッカー220は、半導体パッケージPを吸着するための真空ホール2211が設けられた吸着パネル2210と、吸着パネル2210に結合され、真空ホール2211と連通する第1流路2221が内部に設けられたボディ部2220と、第1流路2221に連結されて真空圧を印加するための空気が流動する吸引管路2290と、吸引管路2290及び第1流路2221を介して真空圧を印加する真空圧形成部2230と、真空圧形成部2230と第1流路2221との間に配置され、第1流路2221を開放又は閉鎖する第1バルブ2240と、を含む。また、パッケージピッカー220は、吸引管路2290の一部に配置され、第1流路2221を介して流動する液体をフィルタリングするフィルタ部2270と、フィルタ部2270によってフィルタリングされた液体を保管するドレイン容器2280と、をさらに含む。また、ボディ部2220と吸引管路2290との間に締結され、第1流路2221と吸引管路2290とを連結する締結部2295がパッケージピッカー220に提供されることができる。
【0049】
吸着パネル2210を直接半導体パッケージPと接触させた後、真空圧を介して半導体パッケージPを吸着する。吸着パネル2210は、さまざまなタイプの半導体パッケージPをピックアップするためにパッケージタイプ別に異なるように構成されることができ、必要に応じて交換できる。ボディ部2220は、吸着パネル2210をクランプし、締結部2295を介して吸引管路2290に連結される。ボディ部2220は、水平方向及び垂直方向に移動することにより半導体パッケージPを移送することができ、ボディ部2220の駆動のための駆動部及び制御部が備えられることができる。吸引管路2290は、真空圧を印加するための気体が流動する管路であって、一定の長さを有するチューブの形状に実現できる。吸引管路2290の一部にフィルタ部2270が構成され、第1バルブ2240の開閉によって真空圧形成部2230による真空圧のための気体が流動する。
【0050】
図2の(a)を参照すると、半導体パッケージPの吸着のために印加された真空圧によって、半導体パッケージPに残っている洗浄液が一緒に上昇して第1流路2221と吸引管路2290に残っていることができる。洗浄液が第1流路2221と吸引管路2290に残っている状態で、半導体パッケージPを目標移送装置(例えば、反転テーブル310)に装着させるために真空圧を解除すると、
図2の(b)に示すように、第1流路2221と吸引管路2290に残っている洗浄液が一緒に排出されることができる。洗浄液が排出されると、反転テーブル310の周辺に位置した検査部330に水気が飛散するおそれがあって検査性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0051】
たとえ真空圧を印加する過程でフィルタ部2270まで到達した洗浄液は、ドレイン容器2280によって収集されて排出されないが、半導体パッケージPが吸着パネル2210に完全に吸着されて気体がもはやフィルタ部2270に流動しなければ、第1流路2221と吸引管路2290に残っている洗浄液も一緒に動かずに残っているようになる。
【0052】
したがって、本発明の実施形態は、半導体パッケージPが吸着パネル2210に吸着された後でも、持続的に気流をフィルタ部2270に誘導することにより、洗浄液が第1流路2221と吸引管路2290に残っていないようにし、それにより半導体パッケージPの吸着解除過程で洗浄液が排出されないようにする装置及び方法を提供する。本発明の実施形態による半導体パッケージPを移送するための装置(パッケージピッカー220)は、
図3のように構成されることができる。
【0053】
半導体ストリップ切断及び分類設備における半導体パッケージPの移送のための装置(パッケージピッカー220)は、半導体パッケージPを吸着するための真空ホール2211が設けられた吸着パネル2210と、吸着パネル2210に結合され、真空ホール2211と連通する第1流路2221が内部に設けられたボディ部2220と、第1流路2221に連結され、真空圧を印加するための空気が流動する吸引管路2290と、吸引管路2290及び第1流路2221を介して真空圧を印加する真空圧形成部2230と、真空圧形成部2230と吸引管路2290との間に配置され、吸引管路2290を開放又は閉鎖する第1バルブ2240と、ボディ部2220の内部でボディ部の側面部と前記第1流路との間に外部の気体が流動しうる経路を形成する第2流路2250と、第2流路2250に結合され、第2流路2250を開放又は閉鎖する第2バルブ2260と、を含む。
【0054】
本発明の実施形態によれば、半導体パッケージPが吸着パネル2210に吸着された場合でも、真空圧によって第2流路を介して気体が流動しうるため、第1流路2221と吸引管路2290に残っている洗浄液が気体と一緒に内部に流動してドレイン容器2280へ移動することができる。そのため、第1流路2221と吸引管路2290に洗浄液が残っていなくなり、真空吸着を解除して、半導体パッケージPが反転テーブル310に装着されるときに洗浄液が排出されることを防止することができる。
【0055】
一実施形態において、パッケージピッカー220は、吸引管路2290の一部に配置され、吸引管路2290を介して流動する液体をフィルタリングするフィルタ部2270と、フィルタ部2270によってフィルタリングされた液体を保管するドレイン容器2280と、をさらに含むことができる。
【0056】
図4の(a)を参照すると、パッケージピッカー220が真空圧を印加して半導体パッケージPを吸着した状態で反転テーブル310に到達すると、第2バルブ2260を開放して第2流路2250を介して外部の気体が内部に流入するようにする。すなわち、第2バルブ2260は、ボディ部2220が目標移送位置(反転テーブル310)に位置すると、一定時間の間開放されることができる。
図4の(b)を参照すると、第2流路2250を介して流入した気体の圧力によって、第1流路2221と吸引管路2290に残っている洗浄液がフィルタ部2270を介してドレイン容器2280で収集される。
【0057】
図4の(c)を参照すると、第2バルブ2260は、一定時間が経過すると閉鎖され、第2バルブ2260が閉鎖されると第1バルブ2240が閉鎖されて真空圧が解除され、真空圧が解除されると、半導体パッケージPが目標移送位置(反転テーブル310)に装着される。本発明の実施形態によれば、第1流路2221と吸引管路2290に洗浄液が残っていないため、半導体パッケージPが反転テーブル310に装着されるときに洗浄液が排出されることが防止される。
【0058】
図5は本発明の実施形態に係る半導体パッケージPの移送のための装置で外部の気体が流動する第2流路2250の例を示す。本発明の実施形態によれば、
図5の(a)、(c)に示すように、第2流路2250はボディ部2220に形成されることができる。また、
図5の(a)に示すように、第2流路2250は、第1流路2221と前記ボディ部の側面部とを連結するように形成されることができる。
【0059】
また、
図5の(c)に示すように、第2流路2250は、第1流路2221とボディ部2220の上面部とを連結するように形成されることができる。また、
図5の(b)に示すように、第2流路2250は吸着パネル2210に形成されることができる。
【0060】
図6は本発明の実施形態による半導体パッケージPを移送するための方法のフローチャートである。
図6の各動作は、半導体パッケージPの動作を制御する制御器によって、半導体ストリップ切断及び分類設備の各モジュールによって行われることができる。
【0061】
本発明の実施形態による半導体ストリップ切断及び分類設備で半導体パッケージPを移送するための方法は、パッケージピッカー220で半導体パッケージPを吸着するための吸着ホール2211に連結された第1流路2221を介して真空圧を印加して半導体パッケージPをピックアップするステップ(S605)と、半導体パッケージPを吸着したパッケージピッカー220を目標移送位置に位置させるステップ(S610)と、第1流路2221に連結され、外部の気体が流動しうる経路を形成する第2流路2250を開放して、第1流路2221に存在する水気を吸引するステップ(S615)と、第2流路2250を遮断し、真空圧を解除して半導体パッケージPを目標移送位置に装着させるステップ(S620)と、を含む。
【0062】
一実施形態において、第2流路2250は、
図5の(a)、(c)に示すようにボディ部2220に形成されることができる。
【0063】
一実施形態において、
図4に示すように、第2流路2250の開放又は閉鎖は、第2流路2250に結合された第2バルブ2260によって行われることができる。
【0064】
一実施形態において、
図4の(a)に示すように、第1流路2221に存在する水気を吸引するステップ(S615)は、第2バルブ2260を一定時間の間開放するステップを含むことができる。
【0065】
一実施形態において、
図5の(a)に示すように、第2流路2250は、第1流路2221とボディ部2220の側面部とを連結するように形成されることができる。
【0066】
一実施形態において、
図5の(c)に示すように、第2流路2250は、第1流路2221とボディ部2220の上面部とを連結するように形成されることができる。
【0067】
一実施形態において、
図5の(b)に示すように、第2流路2250は吸着パネル2210に形成されることができる。
【0068】
本実施形態及び本明細書に添付された図面は、本発明に含まれる技術的思想の一部を明確に示しているものに過ぎず、本発明の明細書及び図面に含まれている技術的思想の範囲内で当業者が容易に類推することができる変形例と具体的な実施形態はいずれも本発明の権利範囲に含まれることが自明であるというべきである。
【0069】
したがって、本発明の思想は、説明された実施形態に局限されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等であるか或いは等価的変形があるすべてのものは、本発明の思想の範疇に属するというべきである。
【符号の説明】
【0070】
100 ローディング部
200 切断部
205 一時保管部
210 ストリップピッカー
220 パッケージピッカー
230 第1ガイドフレーム
240 チャックテーブル
250 カッター
260 洗浄部
300 分類部
310 反転テーブル
315 第2ガイドフレーム
320 乾燥部
330 検査部
341 第1パレットテーブル
346 第2パレットテーブル
350 第1搬出トレイ駆動部材
351 第1搬出トレイ
355 第2搬出トレイ駆動部材
356 第2搬出トレイ
360 検査部
370 ソーティングピッカー
380 ソーティングピッカー駆動部材
P 半導体パッケージ
S 半導体ストリップ