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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】クリップアプライヤ及びカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/128 20060101AFI20230809BHJP
   A61B 17/122 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
A61B17/128
A61B17/122 100
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021502823
(86)(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 US2019042390
(87)【国際公開番号】W WO2020018784
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-03-16
(31)【優先権主張番号】62/700,031
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515257519
【氏名又は名称】テレフレックス メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】テイラー ウォーレン
(72)【発明者】
【氏名】シェレンバーガー カーソン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウィレット リン
(72)【発明者】
【氏名】ホワイティング ポール イー
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-200039(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0165422(US,A1)
【文献】特表2011-517423(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0040875(US,A1)
【文献】特表2004-535236(JP,A)
【文献】米国特許第04428374(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/128
A61B 17/122
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジのキャビティに含まれる外科用クリップを解除可能に固定するように構成されたクリップアプライヤであって、前記外科用クリップが、第1の脚部材及び第2の脚部材を含み、
第1のクリップ係合内側部分及び第1のカートリッジ係合外側部分を含む第1の顎部材であって、前記第1のクリップ係合内側部分が前記第1の脚部材の一部を受け入れるように構成された少なくとも1つの凹部を含み、前記第1のカートリッジ係合外側部分が前記第1のクリップ係合内側部分の横方向に延びる少なくとも1つの第1のフランジを含み、前記少なくとも1つの第1のフランジが、前記カートリッジの第1の側面に当接して前記第1の顎部材を前記第1の脚部材と位置合わせするように構成されている、第1の顎部材と、
第2のクリップ係合内側部分及び第2のカートリッジ係合外側部分を含む第2の顎部材であって、前記第2のクリップ係合内側部分が前記第2の脚部材の一部を受け入れるように構成された少なくとも1つの凹部を含み、前記第2のカートリッジ係合外側部分が前記第2のクリップ係合内側部分の横方向に延びる少なくとも1つの第2のフランジを含み、前記少なくとも1つの第2のフランジが、前記カートリッジの第2の側面に当接して前記第2の顎部材を前記第2の脚部材と位置合わせするように構成されている、第2の顎部材と、
を備える、クリップアプライヤ。
【請求項2】
前記第1のカートリッジ係合外側部分が、前記第1のクリップ係合内側部分の幅よりも広い幅を有し、
前記第2のカートリッジ係合外側部分は、前記第2のクリップ係合内側部分の幅よりも広い幅を有する、
請求項1に記載のクリップアプライヤ。
【請求項3】
前記第1のクリップ係合内側部分の前記少なくとも1の凹部及び前記第2のクリップ係合内側部分の前記少なくとも1の凹部は、前記キャビティに挿入されて、前記少なくとも1つの第1のフランジ及び前記少なくとも1つの第2のフランジが前記キャビティの外側に留まりながら前記外科用クリップを係合するように構成される、請求項1又は2に記載のクリップアプライヤ。
【請求項4】
前記第1のクリップ係合内側部分の前記少なくとも1つの凹部が、前記第1の脚部材上の第1のボス及び第2のボスを受け入れるように構成され、離間して配置された第1の凹部及び第2の凹部を含み、
前記第2のクリップ係合内側部分の前記少なくとも1つの凹部が、前記第2の脚部材上の第1のボス及び第2のボスを受け入れるように構成され、離間して配置された第1の凹部及び第2の凹部を含む、
請求項1~3の何れか1項に記載のクリップアプライヤ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第1のフランジが、前記第1のクリップ係合内側部分の対向する横方向に延びる一対の第1のフランジを含み、
前記少なくとも1つの第2のフランジが、前記第2のクリップ係合内側部分の対向する横方向に延びる一対の第2のフランジを含む、
請求項1~4の何れか1項に記載のクリップアプライヤ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1のフランジが、少なくとも部分的に先細になっており、
前記少なくとも1つの第2のフランジが、少なくとも部分的に先細になっている、
請求項1~5の何れか1項に記載のクリップアプライヤ。
【請求項7】
前記クリップアプライヤは、前記第1の顎部材及び第2の顎部材のうちの少なくとも1つに第1の突出部及び第2の突出部を含み、前記外科用クリップの近位部分を前記第1の突出部と前記第2の突出部との間に受け入れて、前記外科用クリップの近位部分を横方向に安定化させるように構成されている、請求項1~6の何れか1項に記載のクリップアプライヤ。
【請求項8】
前記第1の突出部は、前記第1の顎部材上にあり、前記第2の突出部は、前記第2の顎部材上にある、請求項7に記載のクリップアプライヤ。
【請求項9】
前記第1の突出部及び前記第2の突出部が、前記第1の顎部材及び第2の顎部材のうちの少なくとも1つの顎部材の取り付け部分から延在し、前記第1の突出部及び前記第2の突出部は、前記取り付け部分の幅よりも小さい幅を有する、請求項7又は8に記載のクリップアプライヤ。
【請求項10】
前記クリップアプライヤが開放構成にあるときに、前記少なくとも1つの第1のフランジ及び前記少なくとも1つの第2のフランジがV字形を形成している、請求項1~9の何れか1項に記載のクリップアプライヤ。
【請求項11】
カートリッジのキャビティに含まれる外科用クリップを解除可能に固定するように構成されたクリップアプライヤであって、前記外科用クリップが、第1の脚部材及び第2の脚部材を含み、
前記第1の脚部材を係合するように構成された第1のクリップ係合部分と、前記第1のクリップ係合部分の横方向に延びる少なくとも1つの第1のフランジを含む第1のカートリッジ係合部分とを含む第1の顎部材であって、前記少なくとも1つの第1のフランジが、カートリッジの第1の側面に当接して前記第1の顎部材を前記第1の脚部材と位置合わせするように構成された、第1の顎部材と、
前記第2の脚部材を係合するように構成された第2のクリップ係合部分と、前記第2のクリップ係合部分の横方向に延びる少なくとも1つの第2のフランジを含む第2のカートリッジ係合部分とを含む第2の顎部材であって、前記少なくとも1つの第2のフランジが、前記カートリッジの第2の側面に当接して前記第2の顎部材を前記第2の脚部材と位置合わせするように構成された、第2の顎部材と、
を備え、
前記クリップアプライヤは、前記第1の顎部材及び第2の顎部材のうちの少なくとも1つに第1の突出部及び第2の突出部を含み、前記外科用クリップの近位部分を前記第1の突出部と前記第2の突出部との間に受け入れ、前記外科用クリップの近位部分を横方向に安定化させるように構成されている、クリップアプライヤ。
【請求項12】
前記第1のクリップ係合部分は、前記第1の脚部材の一部を受け入れるように構成された少なくとも1つの凹部を含み、前記第2のクリップ係合部分は、前記第2の脚部材の一部を受け入れるように構成された少なくともつの凹部を含む、請求項11に記載のクリップアプライヤ。
【請求項13】
前記第1の突出部は、前記第1の顎部材上にあり、前記第2の突出部は、前記第2の顎部材上にある、請求項11又は12に記載のクリップアプライヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、2018年7月18日に提出された米国特許仮出願第62/700,031号に対する優先権を主張し、この開示内容全体は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に、医療装置に関し、より詳細には、外科用クリップを組織に適用するためのクリップアプライヤ及びカートリッジに関する。
【背景技術】
【0003】
組織(例えば、血管、リンパ節、神経、胆嚢管、又は心臓組織)の結紮は、多くの外科手術において一般的に行われていることである。現在の結紮システムは、多くの場合、外科用クリップ、クリップアプライヤ、及び/又はカートリッジを含む。クリップアプライヤは、ユーザがカートリッジから手術用クリップを把持して、手術用クリップを組織、に適用するため、例えば、血管(静脈や動脈など)を結紮するために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第5,100,416号明細書
【文献】米国特許第9,445,820号明細書
【文献】米国特許出願第15/927,763号明細書
【文献】米国特許第6,880,699号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、クリップアプライヤシステムの1又は2以上の機能を改善する必要があることを認識している。現行のクリップアプライヤシステムは、カートリッジ、外科用クリップ、及び/又はクリップアプライヤの顎部材間で完全に信頼できるインターフェースがない。例えば、ユーザは、カートリッジからクリップアプライヤに外科用クリップを装填するのが困難と感じることが多い。外科用クリップのサイズが小さく、カートリッジに位置合わせ機能がないことに起因して、クリップアプライヤと外科用クリップのボスとの位置合わせが難しい可能性がある。2つの構成要素間の係合が不十分であると、適用中に外科用クリップの位置ずれ又は脱落が生じる可能性がある。外科用クリップが体内に配置されているときに組織に接触した場合、外科用クリップの近位部分の安定性に欠ける理由から、クリップの近位部分がクリップアプライヤに対して横方向に移動又は「フィッシュテーリング(尻振り)」する可能性がある。開示されたクリップアプライヤ、カートリッジ、及び/又はクリップアプライヤシステムは、これらの問題の1又は2以上、及び/又は従来技術の他の問題を軽減及び/又は克服することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、カートリッジのキャビティに含まれる外科用クリップを解除可能に固定するように構成されたクリップアプライヤであって、外科用クリップが、第1及び第2の脚部材を含むことができ、クリップアプライヤは、第1の脚部材を係合するように構成された第1のクリップ係合部分と、第1のクリップ係合部分の横方向に延びる少なくとも1つの第1のフランジを有する第1のカートリッジ係合部分と、を含む第1の顎部材であって、少なくとも1つの第1のフランジが、カートリッジの第1の側面に当接して第1の顎部材を第1の脚部材と位置合わせするように構成された、第1の顎部材と、第2の脚部材を係合するように構成された第2のクリップ係合部分と、第2の係合部分の横方向に延びる少なくとも1つの第2のフランジを有する第1のカートリッジ係合部分とを含む第2の顎部材であって、少なくとも1つの第2のフランジが、カートリッジの第2の側面に当接して第2の顎部材を2番目の脚部材と位置合わせするように構成された、第2の顎部材と、を備える、クリップアプライヤに関する。
【0007】
クリップアプライヤの幾つかの実施形態では、第1のカートリッジ係合部分は、第1のクリップ係合部分の幅よりも大きい幅を有することができ、第2のカートリッジ係合部分は、第2のクリップ係合部分の幅よりも大きい幅を有することができる。クリップアプライヤの幾つかの実施形態では、第1のクリップ係合部分及び第2のクリップ係合部分は、キャビティに挿入されて、少なくとも1つの第1のフランジ及び少なくとも1つの第2のフランジがキャビティの外側に留まりながら外科用クリップを係合するように構成することができる。クリップアプライヤの幾つかの実施形態では、第1のクリップ係合部分は、第1の脚部材上にボスを受け入れるように構成された少なくとも1つの凹部を含むことができ、第2のクリップ係合部分は、第2の脚部材上にボスを受け入れるように構成された少なくとも1つの凹部を含むことができる。クリップアプライヤの幾つかの実施形態では、第1のクリップ係合部分の少なくとも1つの凹部は、第1の脚部材上の第1及び第2のボスを受け入れるように構成された離間して配置された第1及び第2の凹部を含むことができ、第2のクリップ係合部分の少なくとも1つの凹部が、第2の脚部材上の第1及び第2のボスを係合するように構成された離間して配置された第1及び第2の凹部を含むことができる。クリップアプライヤの幾つかの実施形態では、少なくとも1つの第1のフランジは、第1のクリップ係合部分の対向する横方向に延びる一対の第1のフランジを含むことができ、少なくとも1つの第2のフランジは、第2のクリップ係合部分の対向する横方向に延びる一対の第2のフランジを含むことができる。クリップアプライヤの幾つかの実施形態では、少なくとも1つの第1のフランジは、少なくとも部分的に先細になることができ、少なくとも1つの第2のフランジは、少なくとも部分的に先細になることができる。クリップアプライヤの幾つかの実施形態では、クリップアプライヤは、第1及び第2の顎部材の少なくとも1つの安定化部分を更に含むことができ、安定化部分は、外科用クリップの近位部分を横方向に安定化するように構成される。クリップアプライヤの幾つかの実施形態では、安定化部分は、第1及び第2の突出部を含むことができ、クリップアプライヤは、第1及び第2の突出部の間に外科用クリップの近位部分を受け入れるように構成される。クリップアプライヤの幾つかの実施形態では、安定化部分は、第1及び第2の顎部材のうちの少なくとも1つの顎部材の取り付け部分から延在することができ、安定化部分は、取り付け部分の幅よりも小さい幅を有することができる。クリップアプライヤの幾つかの実施形態では、クリップアプライヤが開放構成にあるときに、少なくとも1つの第1のフランジ及び少なくとも1つの第2のフランジがV字形を形成することができる。
【0008】
本発明の第2の態様は、カートリッジから外科用クリップをクリップアプライヤに装填する方法に関する。外科用クリップは第1及び第2の脚部材を含み、クリップアプライヤが第1及び第2の顎部材を含むことができる。本方法は、第1の顎部材の少なくとも1つの第1のフランジをカートリッジの第1の側面に当接させて、第1の顎部材を第1の脚部材と位置合わせするステップと、第2の顎部材の少なくとも1つの第2のフランジをカートリッジの第2の側面に当接させて、第2の顎部材を第2の脚部材と位置合わせするステップと、第1の脚部材を第1の顎部材の第1の係合部分と係合させるステップと、第2の脚部材を第2の顎部材の第2の係合部分と係合させるステップと、を含むことができる。
【0009】
本方法の幾つかの実施形態では、本方法は、第1の顎部材の少なくとも1つの凹部において第1のボスを受け入れて、第1の脚部材を係合するステップと、第2の顎部材の少なくとも1つの凹部に第2のボスを受け入れて第2の脚部材を係合するステップと、を含むことができる。本方法の幾つかの実施形態では、第1の顎部材の少なくとも1つの第1のフランジを当接させるステップは、第1の係合部分の横方向に延在する一対の第1のフランジを第1の側面に当接させるステップを含むことができ、第2の顎部材の少なくとも1つの第2のフランジを当接させるステップは、第2の係合部分の横方向に延びる一対の第2のフランジを第2の側面に当接させるステップを含むことができる。本方法の幾つかの実施形態では、本方法は、クリップアプライヤの安定化部分をカートリッジの凹部に挿入して、安定化部分で外科用クリップの近位部分を横方向に安定化させるステップを更に含むことができる。
【0010】
本発明の第3の態様は、外科用クリップのカートリッジに関する。カートリッジは、ベースと、ベースから延びる複数の壁と、を含むことができ、複数の壁が、外科用クリップを受け入れるように構成された少なくとも1つのキャビティによって離間して配置され、複数の壁が、約15から30度の間の角度を定める第1及び第2の側面を含み、第1及び第2の側面が、外科用クリップの装填中に開放構成でクリップアプライヤを係合するように構成されている。
【0011】
第3の態様のカートリッジの幾つかの実施形態では、角度は、約18度から25度の間とすることができる。第3の態様のカートリッジの幾つかの実施形態では、側面は、少なくとも1つのキャビティの外側にあることができる。第3の態様のカートリッジの幾つかの実施形態では、カートリッジは、外科用クリップを支持するように構成された支持部材を更に含むことができ、支持部材は、複数の壁の間に延びる。第3の態様のカートリッジの幾つかの実施形態では、カートリッジは、外科用クリップの装填中にクリップアプライヤの安定化部分を受け入れるように構成された少なくとも1つの凹部を更に含むことができ、少なくとも1つの凹部が、複数の壁の少なくとも1つに沿って延びる。第3の態様のカートリッジの幾つかの実施形態では、側面は、ベースから延びることができる。第3の態様のカートリッジの幾つかの実施形態では、カートリッジは、少なくとも1つのキャビティに受け入れられたときに外科用クリップを係合するように構成された可撓性インサートを更に含むことができる。
【0012】
本発明の第4の態様は、外科用クリップのカートリッジに関する。カートリッジは、ベースと、ベースから延びる第1及び第2の壁と、第1の壁と第2の壁との間で、外科用クリップを受け入れるように構成されたキャビティと、第1の壁と第2の壁との間に延び、外科用クリップを支持するように構成された支持部材と、外科用クリップの装填中にクリップアプライヤの顎部材を受け入れるように構成され、第1及び第2の壁の少なくとも1つに沿って延びる少なくとも1つの凹部と、を含むことができる。
【0013】
第4の態様のカートリッジの幾つかの実施形態では、少なくとも1つの凹部は、支持部材と第1の壁との間の第1の凹部と、支持部材と第2の壁との間の第2の凹部と、を含むことができる。第4の態様のカートリッジの幾つかの実施形態では、カートリッジは、少なくとも1つの凹部を定める少なくとも1つの凹状部を更に含むことができる。第4の態様のカートリッジの幾つかの態様では、少なくとも1つの凹状部は、支持部材と第1の壁との間の第1の凹状部と、支持部材と第2の壁との間の第2の凹状部とを含むことができる。第4の態様のカートリッジの幾つかの態様では、少なくとも1つの凹状部は、支持部材の長さを上回る長さを有することができる。第4の態様のカートリッジの幾つかの態様では、複数の壁は、約15から30度の間の角度を定める第1及び第2の側面を含むことができ、第1及び第2の側面は、外科用クリップの装填中に開放構成でクリップアプライヤを係合するように構成される。
【0014】
本発明を容易に理解できるようにするために、本発明の態様は、添付図面において実施例として例示されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明によるクリップアプライヤの例示的な実施形態の側面図である。
図2】本発明による外科用クリップが装填された、図1のクリップアプライヤの例示的な実施形態の側面図である。
図3図1及び図2の例示的なクリップアプライヤの斜視図である。
図4A】本発明による外科用クリップを含むカートリッジの第1の例示的な実施形態の斜視図を示す。
図4B図4Aの第1の例示的なカートリッジの側面図である。
図4C図4A-Bの第1の例示的なカートリッジの上面図である。
図5A図4A-4Cの第1の例示的なカートリッジからの外科用クリップが装填された、図1~3の例示的なクリップアプライヤの斜視図である。
図5B図4A-4Cの第1の例示的なカートリッジから外科用クリップ(見えない)が装填された、図1~2の例示的なクリップアプライヤの側面図である。
図6A】本発明によるカートリッジの第2の例示的な実施形態の斜視図である。
図6B図6Aの第2の例示的なカートリッジの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面及び以下の詳細な説明では、同じ要素又は類似の要素を参照するために同じ参照番号が使用される。
【0017】
本発明は、一般に、外科用クリップの装填及び/又は安定性を容易にするように構成されたカートリッジ、クリップアプライヤ、及び/又はクリップアプライヤ組立体に関する。幾つかの実施形態では、クリップアプライヤは、第1及び第2の顎部材のそれぞれにカートリッジ係合部分及びクリップ係合部分を含むことができる。カートリッジ係合部分は、クリップアプライヤの顎部材の遠位部分から横方向に延びる1又は2以上のフランジを含むことができる。1又は2以上のフランジは、クリップの装填及び/又はピックアップ中にカートリッジと相互作用することができる。1又は2以上のフランジは、開放構成の際に鋭角の「V」字形状を形成することができる。更に、幾つかの実施形態では、鋭角は、1又は2以上のフランジの少なくとも一部のテーパーを生成する角度の付いた内面間に形成することができる。1又は2以上のフランジの鋭角は、外科用クリップを含むカートリッジの壁の側面間の角度と一致することができる。従って、クリップアプライヤは、カートリッジの嵌合形状と係合及び/又は嵌合することができ、カートリッジは、クリップアプライヤを理想的な方向に案内して、クリップのボスを一貫して正常に係合させることができる。クリップ係合部分はまた、カートリッジのキャビティに挿入されて、装填及び/又はピックアップ中に外科用クリップを確実に係合するように構成することができる。
【0018】
幾つかの実施形態では、クリップアプライヤは、クリップアプライヤと外科用クリップとの間の第3の接触点を含むことができる。第3の接触点は、クリップアプライヤの1又は2以上の突出部と外科用クリップの近位部分との間に形成され、外科用クリップの横方向の安定性を実質的に高めることができる。1又は2以上の突出部は、外科用クリップのヒンジ部分に横方向の力を提供して、装填及び/又は適用中の外科用クリップのフィッシュテーリングを排除又は低減することができる。カートリッジは、カートリッジのキャビティから外科用クリップを装填するときに突出部を受け入れるように構成された1又は2以上の凹部を含むことができる。従って、カートリッジ係合部分は、カートリッジとの確実な嵌合係合を提供するために、クリップ係合部分及び安定化部分を上回る横幅を有することができる。カートリッジ係合部分はまた、フランジがキャビティの外側に留まりながらクリップアプライヤがカートリッジのキャビティ内の外科用クリップと係合するように、クリップ係合部分及び安定化部分よりも低い、クリップアプライヤの旋回方向の高さを有することができる。
【0019】
図1は、クリップアプライヤ100の側面図を示しており、図2は、外科用クリップ200が装填されたクリップアプライヤ100の側面図を示し、図3は、外科用クリップ200がないクリップアプライヤ100の斜視図を示している。図示のように、クリップアプライヤ100は、シャフト14の近位端に接続されたハンドル機構12と、シャフト14の遠位端に枢動可能に接続された顎機構16とを含むことができる。ハンドル機構12は、顎機構16を開放構成と閉鎖構成との間で作動させるように構成されたアクチュエータトリガー18を含むことができる。
【0020】
外科用クリップ200は、ヒンジ部分206にて枢動可能に結合された第1の脚部材202及び第2の脚部材204を含むことができる。外科用クリップ200は、1又は2以上のラッチ又はロック機構を含むことができる。例えば、第1の脚部材202は、フック部材208を有する遠位端部分を含むことができ、第2の脚部材204は、先端部材210を有する遠位端部分を含むことができる。第1の脚部材202及び/又は第2の脚部材204は、ヒンジ部分206に、開放構成と閉鎖構成との間で互いに相対的に旋回するように構成することができる。フック部材208は、閉鎖構成で外科用クリップ200をロック及び/又はラッチするために、先端部材210の周りを偏向するように構成することができる。外科用クリップ200は更に、1又は2以上の係合部分を含むことができる。例えば、第1の脚部材202は、フック部材208の近くの遠位端部分に1又は2以上のボス212を含むことができ、第2の脚部材204は、先端部材210にて遠位端部分に1又は2以上のボス210を含むことができる。1又は2以上のボス212、214は、組織への外科用クリップ200の装填及び/又は適用中に、クリップアプライヤ100に固定することができる。外科用クリップ200の例示的な実施形態は更に、米国特許第5,100,416号及び第9,445,820号で開示されており、これらの開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
クリップアプライヤ100の顎機構16は、カートリッジ300、400(例えば、図4A~5B及び図6A~B)から外科用クリップ200を装填して、外科用クリップ200を組織に適用することができる。顎機構16は、第1の脚部材202を係合するように構成された第1の顎部材102と、第2の脚部材204を係合するように構成された第2の顎部材104とを含むことができる。第1の顎部材102及び/又は第2の顎部材104は、外科用クリップ200を開放構成と閉鎖構成との間で移動させるために、例えば、ヒンジピン228(例えば、図5A)によって、互いに対して旋回するように構成することができる。
【0022】
第1の顎部材102は、第1の脚部材202の遠位端部分を係合するように構成された第1のクリップ係合部分112と、第2の脚部材204の遠位端部分を係合するように構成された第2のクリップ係合部分114とを含むことができる。図3に更に示されているように、第1のクリップ係合部分112は、チャネル118によって離間された第1及び第2の壁又は突出部116を含むことができる。第1の脚部材202は、チャネル118において受け入れることができる。第1及び第2の突出部116の各々は、第1の脚部材202の1又は2以上のボス212を受け入れるように構成された凹部124を有することができる。同様に、第2のクリップ係合部分112は、チャネル122によって離間された第1及び第2の壁又は突出部120を含むことができる。第2の脚部材204は、チャネル122において受け入れることができる。第1及び第2の突出部120の各々は、第2の脚部材204の1又は2以上のボス210を受け入れるように構成された凹部126を有することができる。
【0023】
第1の顎部材102は、第1のクリップ係合部分112の横方向に延びる少なくとも1つの第1のフランジ140を含む第1のカートリッジ係合部分を含むことができる。例えば、第1の顎部材102は、第1のクリップ係合部分112の対向する横方向に延びる一対の第1のフランジ140を含むことができる。第2の顎部材104は、第2のクリップ係合部分114の横方向に延びる少なくとも1つの第2のフランジ142を含む第2のカートリッジ係合部分を含むことができる。例えば、第2の顎部材104は、第2のクリップ係合部分112の対向する横方向に延びる一対の第2のフランジ142を含むことができる。言い換えると、クリップ係合部112、114は、対向する顎部材102、104に向かって旋回方向で延在し、少なくとも1つのフランジ140、142は、旋回方向を横切ってクリップ係合部112、114の周辺に延在する。フランジ140、142の幅の議論を容易にするために、顎部材102、104の各々のカートリッジ係合部分は、1又は2以上の対向するフランジ140、142及びクリップ係合部分112、114に取り付けられこれらを架橋するクリップアプライヤ100の一部分を含む外側部分とみなすことができる。
【0024】
クリップ係合部分112、114及び/又はフランジ140、142は、カートリッジ300、400内に含まれる場合、クリップアプライヤ100を外科用クリップ200と位置合わせするように構成することができる。例えば、クリップ係合部分112は、カートリッジ300、400のキャビティ304、404(例えば、図4A~5B)内に挿入されて、内面と係合し、カートリッジ300、400に対する横方向運動及び/又は回転運動を防止及び/又は低減することができる。本明細書で更に検討するように、フランジ140、142は、カートリッジ300、400(例えば、図4A~5B)のキャビティ304、404の外側の側面310と係合して、クリップアプライヤ100をカートリッジ300、400に対して長手方向に案内することができる。フランジ140、142は、突出部116、120よりも実質的に低い旋回方向高さを有することができる。フランジ140、142は、フランジ140、142の少なくとも一部に沿って延びる角度のある内面143を有し、フランジ140、142が、遠位方向の高さが徐々に減少するように、少なくとも部分的に先細にすることができる。フランジ140、142の角度の付いた内面143は、図5Bに示されるように、カートリッジ300、400の側面310と同一平面の係合を生成することができる。幾つかの実施形態では、角度の付いた内面143は、フランジ140、142の実質的に全長にわたって延びることができる。
【0025】
顎機構16は、第1の顎部材102及び第2の顎部材104の一方又は両方の安定化部分130を含むことができる。安定化部分130は、外科用クリップ200の近位部分(例えば、ヒンジ部分206)を係合及び/又は受け入れるように構成することができる。例えば、安定化部分130は、チャネル136によって離間された第1及び第2の突出部132を含むことができる。外科用クリップ200の近位部分は、チャネル136内に受け入れることができ、第1及び第2の突出部132は、外科用クリップ200の近位部分(例えば、ヒンジ部分206)に横方向の力を加えて、外科用クリップ200を安定させ及び/又はフィッシュテーリングを防止又は低減するように構成することができる。安定化部分130は、閉鎖中にフック部材208が先端部材210の周りで偏向するときに、脚部材202、204が伸長できるように、外科用クリップ200に近位に当接しないようにすることができる。第1の顎部材102上にある場合、安定化部分130は、開放構成(図1~3)で第2の顎部材104から離間して配置され、閉鎖構成(図示せず)で第2の顎部材104のチャネル122の幅広部分123に受け入れることができる。しかしながら、安定化部分130は、他の構成を有することができる。例えば、第1及び第2の突出部134は、対向する顎部材102、104から延びることができる。この例示的な実施形態では、第1及び第2の突出部134は、クリップアプライヤ100を開閉するときの干渉を防ぎながら、外科用クリップ200に横方向の力を加えるために依然として横方向にオフセットすることができる。突出部132間のチャネル136は、チャネル118及び/又はチャネル122と連通することができる。安定化部分130は、第1の顎部材102及び第2の顎部材104のうちの少なくとも1つに解除可能に固定及び/又は一体化することができる。安定化部分130の例示的な特徴及び実施形態は更に、米国特許出願第15/927,763号において更に開示され、その開示全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0026】
安定化部分130は、第1の顎部材102の少なくとも1つの取り付け部分134から延びることができる。安定化部分130は、外科用クリップ200と係合するためのカートリッジ300、400のキャビティ304、404への安定化部分130の挿入を容易にするよう、取り付け部分134の幅よりも狭い幅を有することができる。安定化部分130はまた、カートリッジ300、400内に含まれる場合、クリップアプライヤ100を外科用クリップ200と位置合わせするように構成することができる。例えば、安定化部分130をカートリッジ300、400に挿入して、チャネル136内の外科用クリップ200を受け入れることができ、一方、突出部132は、キャビティ304、404の内面と係合して、カートリッジ300、400に対するクリップアプライヤ100の横方向移動及び/又は回転運動を防止又は低減し、取り付け部分134がキャビティ304、404の外側に維持される。取り付け部分134の遠位面は、壁302の一部と係合することができる。
【0027】
従って、カートリッジ300、400との嵌合を容易にするために、第1のカートリッジ係合部分は、第1のクリップ係合部分の幅(例えば、対向する突出部116、120の対向する側部の間の幅)及び安定化部分の幅(例えば、対向する突出部132の対向する側部の間の幅)を上回る幅(例えば、対向するフランジ140、142の対向する側の間の幅)を有することができる。カートリッジ係合部はまた、クリップ係合部分の高さ(例えば、突出部116、120の内端と外端との間の距離)及び安定化部分の高さ(例えば、安定化部分130の内端と外端との間の距離)よりも実質的に小さい、クリップアプライヤの旋回方向の高さ(例えば、フランジ140、142の内面143と外面との間の距離)を有し、その結果、フランジがキャビティ304、404の外側に留まっている間、クリップ係合部分112、114及び安定化部分130が、キャビティ304、404内に更に内側に延びるようになる。カートリッジ係合部分、クリップ係合部分112、114、及び/又は安定化部分130は、第1及び第2の顎部材102、104の各々に一体的に形成することができる。
【0028】
図4A~Cは、外科用クリップ200が装填されたカートリッジ300の第1の実施形態を示している。カートリッジ300は、これらの間に1又は2以上のキャビティ304を定める複数の壁302を含むことができる。1又は2以上のキャビティ304は、格納構成で1又は2以上の外科用クリップ200を受け入れることができる。外科用クリップ200は、キャビティ304内に配置された1又は2以上の支持部材306によって支持することができる。例えば、ヒンジ部分206は、支持部材306を係合することができ、第1及び第2の脚部材202、204は、支持部材306の対向する両側にまたぐことができる。支持部材306は、隣接する壁302及び/又は凹状部308の間に延在することができる。
【0029】
壁302は、複数の面を含むことができる。例えば、壁302は、1又は2以上の側面310と、1又は2以上の中間面312と、1又は2以上の上部凸面314と、を含むことができる。側面310は、ベース316から中間面312まで延在することができ、中間面312は、上部凸面314によって上部にて接合することができる。各壁302は、対向する側部で第1及び第2の側面310を有することができる。第1及び第2の側面310は、実質的に平坦であり、これらの間に鋭角を定めることができる。側面310の鋭角は、開放構成における第1及び第2の顎部材102、104のフランジ140、142によって定義される鋭角と一致することができる。従って、第1及び第2の面310は、クリップアプライヤ100がカートリッジ300に挿入されて外科用クリップ200を装填するときに、開放構成で第1及び第2の顎部材102、104を係合及び/又は案内することができる。第1及び第2の側面310間の角度は、外科用クリップ200のサイズに対して、及び第1及び第2の顎部材102、104の開放構成に当接するように最適化することができる。幾つかの実施形態では、第1及び第2の側面310間の角度は、約15度から30度の間とすることができる。幾つかの実施形態では、第1の側面310と第2の側面310との間の角度は、約18度から25度の間とすることができる。中間面312は、側面310よりも大きな角度を間に定め、壁302を幅広にし、隣接する壁302の間に外科用クリップ100を受け入れることを可能にすることができる。側面310は、キャビティ304の外側又は外部に存在し、クリップアプライヤ100のフランジ140、142に当接することができる。
【0030】
1又は2以上の切り欠き又は凹状部308は、壁302に沿って延在することができ、クリップアプライヤ100の安定化部分130を受け入れるように構成された切り欠き又は凹部309を定めることができる。凹状部308は、支持部材306と壁302との間の、支持部材306の対向する端部に配置することができる。凹状部308は、支持部材306の長さを上回る、壁302に沿って延びる長さを有することができ、凹状部308は、外科用クリップ200の脚部材202、204の側面を支持することができる。図示のように、凹状部308は、壁302から延びる突出部を具現化することができ、凹状部308は、壁302に沿って延びる実質的に平坦で垂直に面する肩部を定めることができる。しかしながら、凹状部308は、複数の他の形状及び構成を具現化できることは企図される。従って、凹部309は、それぞれの凹状部308と上部凸状部314との間で垂直方向に延在し、それぞれの支持部材306と壁302との間で横方向に延在することができる。キャビティ314及び凹部309は、本明細書では別個の領域として記載することができるが、キャビティ314及び凹部309は、カートリッジ300の連続的な開放領域として互いに連通できることは容易に明らかであるはずである。従って、凹部309は、外科用クリップ200の側方のキャビティ314の上部であり、安定化部分130を受け入れるか又は収容するように構成することができる。凹部309は、本明細書で論じられるように、安定化部分130を受け入れ、クリップアプライヤ200の嵌合を容易にするために、外科用クリップ200の少なくとも2倍の幅で壁302間に延びるキャビティ314の幅を生成することができる。
【0031】
図4A~Cに更に示されるように、ベース316は、底部326及び外壁328を含むことができる。壁302は、ベース316の底部326からベース316の外壁328の間に延在することができる。壁302、支持部材306、凹状部308、及びベース316は、一体的に形成することができる。例えば、構成要素は、単体構造のプラスチックボディであり、射出成形によって形成することができる。しかしながら、構成要素の1又は2以上は、個別に形成して、例えば溶接又は接着によって取り付けることができると企図される。
【0032】
カートリッジ300は更に、図6A~Bのカートリッジ400に関して例示的に示されるように、キャビティ304内に延在して外科用クリップ200を固定するタブを有する可撓性インサートを含むことができる。タブは、脚部材202、204及び/又はボス212、214を係合し、外科用クリップ200がカートリッジ300から脱落するのを防ぐことができる。タブは、顎部材102、104がカートリッジ300に挿入されて外科用クリップ200を解除するときに、下向きに偏向することができる。フレキシブルインサートは、ベース316から延びるピン318を受け入れるフレキシブルインサートのアパーチャを用いてベース316に固定することができる。
【0033】
図5A~Bは、カートリッジ300から外科用クリップ200(見えない)が装填されているクリップアプライヤ100を示している。カートリッジ300は、格納構成でキャビティ304内の外科用クリップ200を受け入れることができる。カートリッジ300は、クリップアプライヤに外科用クリップ200が装填されるときに、開放構成でクリップアプライヤ100を受け入れることができる。例えば、クリップアプライヤ100のクリップ係合部分112、114は、キャビティ304に挿入されて、外科用クリップ200の脚部材202、204を係合することができる。安定化部分130は、凹部309に挿入され、外科用クリップ200の近位端を受け入れることができるが、取り付け部分134は、キャビティ304に受け入れられないようなサイズにすることができる。フランジ140、142は、キャビティ304の外側に留まりながら、カートリッジ300に挿入されて、側面310に当接することができる。その意味でも、第1の顎部材102及び第2の顎部材104は、カートリッジ300のキャビティ304に受け入れられるサイズにされた第1の部分と、カートリッジ300のキャビティ304に受け入れられないサイズにされた第2の部分とを含むことができる。同様に、安定化部分130は、カートリッジ300の凹部309に受け入れられるサイズにされた第1の部分(突出部132)と、カートリッジ300の凹部309に受け入れられないサイズにされた第2の部分134とを含むことができる。
【0034】
図5Bに示されるように、クリップアプライヤ100が開放構成にあるときのフランジ140、142間の角度αは、側面310間の角度αと一致することができる。幾つかの実施形態では、角度αは、約15度から30度の間とすることができる。幾つかの実施形態では、角度αは、約18度から25度の間とすることができる。側面310は、顎部材102、104を案内して、クリップアプライヤ100を位置合わせし、脚部材202、204の適切な係合を確実にすることができる。例えば、側面310は、図2に示されるように、ボス212、214が凹部124、126に適切に受け入れられることを確実にすることができる。フランジ140、142の角度αは、角度の付いた内面143によって定めることができる。
【0035】
図6A~Bは、カートリッジ400の第2の実施形態を示している。カートリッジ400は、カートリッジ300の特徴と同様であり、図面に同様に示されている特徴を含むことができ、これらは、簡潔にするために本明細書では論じられていない。カートリッジ400は、これらの間に1又は2以上のキャビティ404を定める複数の壁402を含むことができる。1又は2以上のキャビティ404は、格納構成で1又は2以上の外科用クリップ200を受け入れることができる。外科用クリップ200は、キャビティ404内に配置された1又は2以上の支持部材406によって支持することができる。例えば、ヒンジ部分206は、支持部材406と係合することができ、第1及び第2の脚部材202、204は、支持部材406の対向する側部にまたぐことができる。支持部材346は、隣接する壁402及び/又は凹状部408の間に延在することができる。
【0036】
壁402は、複数の面を含むことができる。例えば、壁302は、1又は2以上の側面410と、1又は2以上の上部凸面414を含むことができる。側面410は、ベース416から延在し、凸面414によって上部にて接合することができる。各壁402は、対向する側部で第1及び第2の側面410を有することができる。第1及び第2の側面410は、実質的に平坦であり、これらの間に鋭角を定めることができる。側面410の鋭角は、開放構成における第1及び第2の顎部材102、104のフランジ140、142によって定義される鋭角と一致することができる。従って、第1及び第2の面410は、クリップアプライヤ100がカートリッジ400に挿入されて外科用クリップ200を装填するときに、開放構成で第1及び第2の顎部材102、104を係合及び/又は案内することができる。幾つかの実施形態では、第1及び第2の側面410間の角度は、約15度から30度の間とすることができる。幾つかの実施形態では、第1及び第2の側面410間の角度は、約18度から25度の間とすることができる。壁402は、短縮された長さを有する中間面(図4A~5Bの中間面312に対応する)を含み、カートリッジ400がより小さな外科用クリップ200を含むように寸法決定できるようにすることができる。側面410は、クリップアプライヤ100のフランジ140、142を接するように、キャビティ404の外側又は外部に存在することができる。
【0037】
1又は2以上の凹状部408は、壁402に沿って延在することができ、クリップアプライヤ100の安定化部分130を受け入れるように構成された凹部409を定めることができる。凹状部408は、支持部材406と壁402との間の支持部材406の対向する端部に配置することができる。凹状部408は、支持部材406の長さを上回る、壁402に沿って延びる長さを有することができ、凹状部408は、外科用クリップ200の脚部材202、204の側面を支持することができる。図示のように、凹状部408は、壁402から延びる突出部を具現化することができ、凹状部408は、壁402に沿って延びる実質的に平坦で垂直に面する肩部を定めることができる。しかしながら、凹状部408は、複数の形状及び構成を具現化することができると企図される。従って、凹部409は、それぞれの凹状部408と上部凸状部414との間で垂直方向に延在し、それぞれの支持部材406と壁402との間で横方向に延在することができる。キャビティ414及び凹部409は、本明細書では別個の領域として記載することができるが、キャビティ414及び凹部309は、カートリッジ400の連続的な開放領域として互いに連通できることは容易に明らかであるはずである。従って、凹部409は、外科用クリップ200の側方のキャビティ414の上部であり、安定化部分130を受け入れるか又は収容するように構成することができる。凹部409は、本明細書で論じられるように、安定化部分130を受け入れ、クリップアプライヤ200の嵌合を容易にするように、外科用クリップ200の少なくとも2倍の幅で壁402間に延びるキャビティ414の幅を生成することができる。
【0038】
図6A~Bに更に示されるように、ベース416は、底部(図示せず)及び外壁428を含むことができる。壁402は、ベース416の底部からベース416の外壁428の間に延在することができる。壁402、支持部材406、凹状部408、及びベース416は、一体的に形成することができる。例えば、構成要素は、単体構造のプラスチックボディであり、射出成形によって形成することができる。しかしながら、構成要素の1又は2以上は、個別に形成して、例えば溶接又は接着によって取り付けることができると企図される。
【0039】
カートリッジ400は、図6A-Bに示されるように、キャビティ404内に延在して外科用クリップ200(図示せず)を固定するタブ422を有する可撓性インサート420を含むことができる。タブ422は、脚部材202、204及び/又はボス212、214を係合し、外科用クリップ200がカートリッジ400から脱落するのを防ぐことができる。タブ422は、顎部材102、104がカートリッジ400に挿入されて外科用クリップ200を解除するときに、下向きに偏向することができる。可撓性インサート420は、ベース416から延びるピン418を受け入れる可撓性インサート420のアパーチャ424を用いてベース416に固定することができる。外科用クリップ200の保持及び/又はカートリッジ300、400の製造に関する更なる議論は、米国特許第6,880,699号で見出すことができ、この開示内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
本発明の多くの特徴及び利点は詳細な明細書から明らかであり、従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨及び範囲に入るこのような本発明の特徴及び利点を全て網羅するものとする。更に、数多くの変更形態及び変形形態が当業者には容易に見出されることになるので、本発明を図示し説明した正確な構造及び動作に限定することは望ましくなく、従って、全ての適切な変更形態及び等価物に対処可能であり、これらは本発明の範囲に入る。
本発明のその他の実施態様を以下に記載する。
〔実施態様1〕
カートリッジから外科用クリップをクリップアプライヤに装填する方法であって、前記外科用クリップが第1の脚部材及び第2の脚部材を含み、前記クリップアプライヤが第1の顎部材及び第2の顎部材を含み、
前記第1の顎部材の少なくとも1つの第1のフランジを前記カートリッジの第1の側面に当接させて、前記第1の顎部材を前記第1の脚部材と位置合わせするステップと、
前記第2の顎部材の少なくとも1つの第2のフランジを前記カートリッジの第2の側面に当接させて、前記第2の顎部材を前記第2の脚部材と位置合わせするステップと、
前記第1の脚部材を前記第1の顎部材の第1の係合部分と係合させるステップと、
前記第2の脚部材を前記第2の顎部材の第2の係合部分と係合させるステップと、
を含む、方法。
〔実施態様2〕
前記第1の顎部材の少なくとも1つの凹部において第1のボスを受け入れて、前記第1の脚部材を係合するステップと、
前記第2の顎部材の少なくとも1つの凹部において第2のボスを受け入れて、前記第2の脚部材と係合するステップと、
を含む、実施態様1に記載の方法。
〔実施態様3〕
前記第1の顎部材の少なくとも1つの第1のフランジを当接させるステップが、前記第1の係合部分の横方向に延在する一対の第1のフランジを前記第1の側面に当接させるステップを含み、
前記第2の顎部材の少なくとも1つの第2のフランジを当接させるステップは、前記第2の係合部分の横方向に延在する一対の第2のフランジを前記第2の側面に当接させるステップを含む、
実施態様1又は2に記載の方法。
〔実施態様4〕
前記クリップアプライヤの安定化部分を前記カートリッジの凹部に挿入して、前記安定化部分で前記外科用クリップの近位部分を横方向に安定化させるステップを更に含む、実施態様1~3の何れか1つに記載の方法。
〔実施態様5〕
外科用クリップのカートリッジであって、
ベースと、
前記ベースから延びる複数の壁と、
を備え、前記複数の壁が、前記外科用クリップを受け入れるように構成された少なくとも1つのキャビティによって離間して配置され、前記複数の壁が、約15から30度の間の角度を定める第1の側面及び第2の側面を含み、前記第1の側面及び第2の側面が、前記外科用クリップの装填中に開放構成でクリップアプライヤを係合するように構成されている、カートリッジ。
〔実施態様6〕
前記角度が約18から25度の間である、実施態様5に記載のカートリッジ。
〔実施態様7〕
前記第1の側面及び第2の側面が、前記少なくとも1つのキャビティの外側にある、実施態様5又は6に記載のカートリッジ。
〔実施態様8〕
前記外科用クリップを支持するように構成された支持部材を更に備え、前記支持部材が前記複数の壁の間に延びる、実施態様5~7の何れか1つに記載のカートリッジ。
〔実施態様9〕
前記外科用クリップの装填中に前記クリップアプライヤの安定化部分を受け入れるように構成された少なくとも1つの凹部を更に備え、前記少なくとも1つの凹部が、前記複数の壁のうちの少なくとも1つに沿って延びる、実施態様5~8の何れか1つに記載のカートリッジ。
〔実施態様10〕
前記側面が、前記ベースから延びる、実施態様5~9の何れか1つに記載のカートリッジ。
〔実施態様11〕
前記少なくとも1つのキャビティに受け入れられたときに前記外科用クリップを係合するように構成された可撓性インサートを更に備える、実施態様5~10の何れか1つに記載のカートリッジ。
〔実施態様12〕
外科用クリップのカートリッジであって、
ベースと、
前記ベースから延びる第1の壁及び第2の壁と、
前記第1の壁と前記第2の壁との間で、前記外科用クリップを受け入れるように構成されたキャビティと、
前記第1の壁と前記第2の壁との間に延び、前記外科用クリップを支持するように構成された支持部材と、
前記外科用クリップの装填中にクリップアプライヤの顎部材を受け入れるように構成され、前記1の壁及び前記第2の壁の少なくとも1つに沿って延びる少なくとも1つの凹部と、
を備える、カートリッジ。
〔実施態様13〕
前記少なくとも1つの凹部が、
前記支持部材と前記第1の壁との間の第1の凹部と、
前記支持部材と前記第2の壁との間の第2の凹部と、
を含む、実施態様12に記載のカートリッジ。
〔実施態様14〕
前記少なくとも1つの凹部を定める少なくとも1つの凹状部を更に備える、実施態様12又は13に記載のカートリッジ。
〔実施態様15〕
前記少なくとも1つの凹状部が、
前記支持部材と前記第1の壁との間の第1の凹状部と、
前記支持部材と前記第2の壁との間の第2の凹状部と、
を含む、実施態様14に記載のカートリッジ。
〔実施態様16〕
前記少なくとも1つの凹状部が、前記支持部材の長さを上回る長さを有する、実施態様14又は15に記載のカートリッジ。
〔実施態様17〕
前記複数の壁が、約15から30度の間の角度を定める第1の側面及び第2の側面を第1に含み、前記第1の側面及び第2の側面が、前記外科用クリップの装填中に開放構成でクリップアプライヤを係合するように構成される、実施態様13~16の何れか1つに記載のカートリッジ。
【符号の説明】
【0041】
12 ハンドル機構
14 シャフト
16 顎機構
18 アクチュエータトリガー
100 クリップアプライヤ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B