(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】スラック分離装置および方法
(51)【国際特許分類】
B65B 39/00 20060101AFI20230809BHJP
B65B 1/32 20060101ALI20230809BHJP
B07B 13/05 20060101ALI20230809BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20230809BHJP
【FI】
B65B39/00 A
B65B1/32
B07B13/05
A23L5/00 Z
(21)【出願番号】P 2021523000
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 GB2019053085
(87)【国際公開番号】W WO2020089632
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-08-29
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】506315310
【氏名又は名称】イシダ ヨーロッパ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ISHIDA EUROPE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100111187
【氏名又は名称】加藤 秀忠
(74)【代理人】
【識別番号】100175617
【氏名又は名称】三崎 正輝
(74)【代理人】
【識別番号】100159916
【氏名又は名称】石川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】ブロン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シェペンス,ルード
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特許第4786002(JP,B1)
【文献】特開2002-248499(JP,A)
【文献】実開昭59-054824(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0007442(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1238705(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 39/00
B65B 1/32
B07B 13/05
A23L 5/00
B65D 88/26 - 88/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分けるためのホッパーであって、開位置と閉位置との間で移動可能な第1ゲートと、保持壁と、を備え、
前記第1ゲートは、
前記第1ゲートが前記開位置にあるときに、製品とスラックとの混合物を含む前記ホッパーの内容物を前記ホッパーから排出するための第1経路が形成され、
前記第1ゲートが前記閉位置にあるときに、製品が前記ホッパー内に保持されるように前記第1経路が前記第1ゲートによって閉じられ、かつ、前記第1経路とは異なる第2経路が、スラックを前記ホッパーから排出するために形成され、
前記ホッパーの内容物が前記第1経路を介して前記ホッパーを出る場所と、スラックが前記第2経路を介して前記ホッパーを出る場所との間に横方向のずれが存在する、
ように構成され、
前記ホッパーは、さらに、前記第1ゲートが前記閉位置にあるとき、前記第1ゲートと前記保持壁とが互いに向かって傾斜し、前記保持壁が前記第1ゲートの手前で停止して隙間を形成し、前記第1ゲートの遠位端が前記保持壁の下端から横方向にずれているように、前記第1ゲートおよび前記保持壁がそのまま延びていれば互いに交差したであろう位置を越えて前記第1ゲートが延びるよう構成される、
ホッパー。
【請求項2】
前記第1経路は、製品とスラックとの両方を放出できるような大きさの第1開口部を備え、前記第2経路は、製品ではなくスラックを放出できるような大きさの第2開口部を備える、
請求項1に記載のホッパー。
【請求項3】
前記ホッパーは、前記第2開口部が、前記閉位置にあるときの前記第1ゲートと前記保持壁の前記下端との間の前記隙間であるよう構成される、
請求項2に記載のホッパー。
【請求項4】
前記第1ゲートが前記開位置にあるときに、前記第1経路によって、前記ホッパーの内容物を重力下で前記ホッパーから第1方向に向かわせるように、
前記第1ゲートが前記閉位置にあるときに、前記第2経路によって、前記第1方向に対して角度を有する第2方向に、スラックを重力下で前記ホッパーから向かわせるように構成される、
請求項1から3のいずれか1項に記載のホッパー。
【請求項5】
前記保持壁は、前記第1ゲートが前記開位置にあるときに、前記ホッパーの内容物が前記保持壁を通過して前記第1方向に前記ホッパーから出るように垂直方向に対して鋭角である、
請求項3に従属する請求項4に記載のホッパー。
【請求項6】
前記第1ゲートが前記閉位置にあるときに、スラックが前記第1ゲート上を通過して前記第2方向に前記ホッパーから出るように、前記第1ゲートが垂直方向に対して鋭角になるように構成される、
請求項
4または5に記載のホッパー。
【請求項7】
第1ヒンジを備え、
前記第1ゲートは、前記第1ヒンジを中心とする回転により前記開位置と前記閉位置との間で移動可能に構成される、
請求項1から6のいずれか1項に記載のホッパー。
【請求項8】
前記ホッパーが、計量ホッパー、プールホッパー、ブースターホッパー、タイミングホッパー、出力ホッパーまたは排出ホッパーである、
請求項1から7のいずれか1項に記載のホッパー。
【請求項9】
製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分けるためのホッパーであって、開位置と閉位置との間で移動可能な第1ゲートと、保持壁と、を備え、
前記第1ゲートは、
前記第1ゲートが前記開位置にあるときに、製品とスラックとの混合物を含む前記ホッパーの内容物を前記ホッパーから排出するための第1経路が形成され、
前記第1ゲートが前記閉位置にあるときに、製品が前記ホッパー内に保持されるように前記第1経路が前記第1ゲートによって閉じられ、かつ、前記第1経路とは異なる第2経路が、スラックを前記ホッパーから排出するために形成され、
前記保持壁が、開位置と閉位置との間で移動可能な第2ゲートを備え、
前記第1ゲートおよび前記第2ゲートがそれぞれの開位置にあるとき、前記第1経路は前記第1ゲートと前記第2ゲートとの間に延び、
前記第1ゲートおよび前記第2ゲートがそれぞれの閉位置にあるとき、前記第1経路は閉鎖され、前記第2経路が前記第1ゲートと前記第2ゲートとの間に延び、
前記ホッパーの内容物が前記第1経路を介して前記ホッパーを出る場所と、スラックが前記第2経路を介して前記ホッパーを出る場所との間に横方向のずれが存在する、
ように構成され、
前記ホッパーは、さらに、前記第1ゲートおよび前記第2ゲートがそれぞれの閉位置にあるとき、前記第1ゲートと前記第2ゲートとが互いに向かって傾斜し、前記第2ゲートが前記第1ゲートの手前で停止して隙間を形成し、前記第1ゲートの遠位端が第2ゲートの遠位端から横方向にずれているように、前記第1ゲートおよび前記第2ゲートがそのまま延びていれば互いに交差したであろう位置を越えて前記第1ゲートが延びるよう構成される、
ホッパー。
【請求項10】
前記第1経路は、製品とスラックとの両方を放出できるような大きさの第1開口部を備え、前記第2経路は、製品ではなくスラックを放出できるような大きさの第2開口部を備える、
請求項9に記載のホッパー。
【請求項11】
前記ホッパーは、前記第2開口部が、前記閉位置にあるときの前記第1ゲートと前記第2ゲートの下端との間の前記隙間であるよう構成される、
請求項10に記載のホッパー。
【請求項12】
前記第1ゲートが前記開位置にあるときに、前記第1経路によって、前記ホッパーの内容物を重力下で前記ホッパーから第1方向に向かわせるように、
前記第1ゲートが前記閉位置にあるときに、前記第2経路によって、前記第1方向に対して角度を有する第2方向に、スラックを重力下で前記ホッパーから向かわせるように構成される、
請求項9から11のいずれか1項に記載のホッパー。
【請求項13】
前記保持壁は、前記第1ゲートが前記開位置にあるときに、前記ホッパーの内容物が前記保持壁を通過して前記第1方向に前記ホッパーから出るように垂直方向に対して鋭角である、
請求項11に従属する請求項12に記載のホッパー。
【請求項14】
前記第1ゲートが前記閉位置にあるときに、スラックが前記第1ゲート上を通過して前記第2方向に前記ホッパーから出るように、前記第1ゲートが垂直方向に対して鋭角になるように構成される、
請求項9から13のいずれか1項に記載のホッパー。
【請求項15】
前記第1ゲートおよび前記第2ゲートを、それぞれの閉位置と開位置との間
で同時に移動させるように構成される、
請求項9から14のいずれか1項に記載のホッパー。
【請求項16】
前記第1ゲートの長さは、前記第2ゲートの長さの少なくとも1.2
倍の長さである、
請求項9から15のいずれか1項に記載のホッパー。
【請求項17】
第1ヒンジを備え、
前記第1ゲートは、前記第1ヒンジを中心とする回転により前記開位置と前記閉位置との間で移動可能に構成される、
請求項9から16のいずれか1項に記載のホッパー。
【請求項18】
第2ヒンジを備え、
前記第2ゲートは、前記第2ヒンジを中心とする回転により前記開位置と前記閉位置との間で移動可能に構成される、
請求項9から17のいずれか1項に記載のホッパー。
【請求項19】
前記ホッパーが、計量ホッパー、プールホッパー、ブースターホッパー、タイミングホッパー、出力ホッパーまたは排出ホッパーである、
請求項9から18のいずれか1項に記載のホッパー。
【請求項20】
製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分離するための装置であって、
請求項1から19のいずれか1項に記載のホッパーと、
前記第1ゲートが前記開位置にあるときに、前記第1経路を経由して前記ホッパーから出てくる内容物を受け取るように配置される第1シュートと、
前記第1ゲートが前記閉位置にあるときに、前記第2経路を経由して前記ホッパーから出るスラックを受け取るように配置される第2シュートと、
を備える、
装置。
【請求項21】
前記第1シュートは、前記第1ゲートが前記開位置にあるときに、前記ホッパーの内容物が重力下で前記ホッパーの前記保持壁から前記
第1シュートの受け面上へ
と通過するように、前記ホッパーの前記保持壁に対して配置される、
請求項5または13に直接または間接的に従属する請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1シュートは、前記第1シュートに入るスラックが前記第1シュートを通って前記第2シュートに出るのを許容するが、前記第1シュートに入る製品が前記第1シュートを通って前記第2シュートに出るのを許容しないよう構成されるフィルターとして形成される、
請求項20または21に記載の装置。
【請求項23】
前記第2シュートは、前記第1シュートの周りに同心円状に配置される、
請求項22に記載の装置。
【請求項24】
包装装置であって、
請求項20から23のいずれか1項に記載の装置と、
前記第1シュートの下端に配置され、前記第1シュートで受け取った前記ホッパーの内容物が重力下で前記
第1シュートの受け面
を下方に通過して包装材内に入るように配置される包装充填装置と、
前記第1シュートが受け取った前記ホッパーの内容物が前記受け面を通過して前記包装材内に入ったならば、前記包装材を密封するように構成される密封装置と、
を備える、
包装装置。
【請求項25】
製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分けるための方法であって、
a)製品とスラックとの混合物を、請求項1から8のいずれか1項に記載のホッパーに導入し、前記第1ゲートが前記閉位置にある間は、前記ホッパーからの第1経路を遮断することによって製品を前記ホッパー内に保持するが、第2経路を通ってスラックが前記ホッパーから出るのを許容する工程と、
b)次に、前記ホッパーの内容物が前記第1経路を経由して前記ホッパーから出るように、前記第1ゲートを前記開位置に移動させる工程と、
c)次に、前記第1経路を遮断して前記ホッパー内に残っている余分なスラックを前記第2経路経由で前記ホッパーから排出するように、前記第1ゲートを前記閉位置に移動させる工程と、
を備える、
方法。
【請求項26】
工程a)からc)のすべての工程を連続して繰り返す工程をさらに含み、
工程b)の2番目の繰り返しが工程c)の1番目の繰り返しの少なくとも400ミリ秒後に起こる、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
工程a)の後に、
(i)前記ホッパーの内容物についての複数の重量測定値を時系列に取得する工程と、
(ii)前記複数の重量測定値に基づいて、前記ホッパー
の内容物の重量が安定したと判断する工程と、
をさらに備え、
工程b)は、前記判断がなされた後にのみ実行される、
請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
I.工程b)と同時に、前記第1経路を介して、前記ホッパーからの内容物を、前記ホッパーから包装材中に重力下
で通過させる工程と、
II.次に、前記包装材を密封する工程と、
をさらに備える、
請求項25から27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1経路を通って前記ホッパーから出てくる内容物からスラックをろ過して除去する工程をさらに備える、
請求項25から28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
請求項20から24のいずれか1項に記載の装置を用いて実行される、
請求項25から29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分けるための方法であって、
a)製品とスラックとの混合物を、請求項9から19のいずれか1項に記載のホッパーに導入し、前記第1ゲートおよび前記第2ゲートがそれぞれの前記開位置にある間は、前記ホッパーからの第1経路を遮断することによって製品を前記ホッパー内に保持するが、第2経路を通ってスラックが前記ホッパーから出るのを許容する工程と、
b)次に、前記ホッパーの内容物が前記第1経路を経由して前記ホッパーから出るように、前記第1ゲートおよび前記第2ゲートをそれぞれの前記開位置に移動させる工程と、
c)次に、前記第1経路を遮断して前記ホッパー内に残っている余分なスラックを前記第2経路経由で前記ホッパーから排出するように、前記第1ゲートおよび前記第2ゲートをそれぞれの前記閉位置に移動させる工程と、
を備える、
方法。
【請求項32】
工程b)は、前記第1ゲートおよび前記第2ゲートをそれぞれの前記開位置
に同時に移動させる工程を含む、
請求項31に記載の方法。
【請求項33】
工程a)からc)のすべての工程を連続して繰り返す工程をさらに含み、
工程b)の2番目の繰り返しが工程c)の1番目の繰り返しの少なくとも400ミリ秒後に起こる、
請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
工程a)の後に、
(i)前記ホッパーの内容物についての複数の重量測定値を時系列に取得する工程と、
(ii)前記複数の重量測定値に基づいて、前記ホッパー
の内容物の重量が安定したと判断する工程と、
をさらに備え、
工程b)は、前記判断がなされた後にのみ実行される、
請求項31から33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
I.工程b)と同時に、前記第1経路を介して、前記ホッパーからの内容物を、前記ホッパーから包装材中に重力下
で通過させる工程と、
II.次に、前記包装材を密封する工程と、
をさらに備える、
請求項31から34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記第1経路を通って前記ホッパーから出てくる内容物からスラックをろ過して除去する工程をさらに備える、
請求項31から35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
請求項20から24のいずれか1項に記載の装置を用いて実行される、
請求項31から36のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分離するための方法および装置に関する。例えば、スラックとして食品コーティングなどが考えられる。
【0002】
具体的には、いくつかの態様は、製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分けるためのホッパーと、このようなホッパーを含み、製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分離するための装置と、このようなホッパーを含む包装装置と、製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分ける方法と、に関する。
【背景技術】
【0003】
製品の中には、本明細書ではスラック(slack)と呼ぶ追加的な材料と共に包装されるものがある。スラックは、一般に実質上固体または液体形態であり、混合物を小分けして包装する前に、固体の製品と混合される。
【0004】
このようなスラックは、何らかの方法で製品を保護するために製品に含まれる場合があり、例えば、特定の化学物質への暴露による劣化や、包装材内での製品の動きによる劣化から製品を保護する。代替的または追加的に、何らかの方法で製品を改善するためにスラックが含まれる場合もあり、例えば、砂糖、パン粉またはハーブを食品にふんわりとコーティングして、味、食感、外観または匂いのうちの一以上を改善してもよい。
【0005】
コーティング工程等の一部の工程では、均一なコーティングを確実に実現するために、製品に対するスラックの割合が最終的な包装後の製品で必要とされるよりも高い割合となるように製品とスラックとを混合する必要があるかもしれない。しかしながら、この場合、製品から余分なスラックを包装前にどのように分離するかが問題となる。
【0006】
一部の工程では、製品とスラックと混合する工程と製品を包装する工程との間で余分なスラックを分離すれば、製品とスラックとが混合された時点での余分なスラックを生産ラインにフィードバックすることができ、無駄を減らせるという利点がある。
【0007】
製品によっては、余分なスラックを包装材内で自由に浮遊させておくことが好ましくない。例えば、オーブン調理を目的としてパン粉をまぶした食品の包装材内で余分なパン粉が浮遊している場合、その余分なスラックがオーブントレイに焼き付いてしまう可能性がある。包装の前に余分なスラックを分離しておけば、この問題を解決しやすくなる。
【0008】
製品とスラックとの混合物が包装材内に落下し、その後包装材の上端に向かって密封する場合に、さらなる問題が発生する可能性がある。製品がゼリー菓子でスラックが砂糖コーティングである場合など、スラックが製品よりもゆっくりとした速度で落下する場合、封止部内に挟まったスラックによって密封の品質が損なわれるかもしれない。密封工程に時間をかけて密封前にスラックを下に沈めることによってこの問題を回避できるが、当然ながら処理速度が遅くなってしまう。
【0009】
余分なスラックを分離するための別の方法および装置であって、上記の一以上の問題の解決に貢献し、および/または上記の一以上の利点をもたらす方法および装置が必要である。
【発明の概要】
【0010】
第1の態様によれば、製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分けるためのホッパーが提供される。ホッパーは、開位置と閉位置の間で移動可能なゲートを備える。ゲートは、開位置にあるときに、製品とスラックとの混合物を含むホッパーの内容物がホッパーを出るための第1経路を提供するように構成される。ゲートはさらに、閉位置にあると第1経路がゲートによって閉じられて製品がホッパー内に保持され、スラックがホッパーから出るための、第1経路とは異なる第2経路を設けるように構成される。これにより、後に詳述するように、このゲートを開閉することで、製品と余分なスラックとを分離することができる。
【0011】
第1経路は、製品とスラックとの両方を包装材等へと放出できるような大きさの第1開口部を備えてもよい。第2経路は、(例えば、回収や再利用のために)スラックは放出できるが、製品は放出できないような大きさの第2開口部を備えてもよい。
【0012】
ホッパーが保持壁をさらに備え、第2開口部が、閉位置にあるときのゲートと保持壁の下端との間の隙間であるようにホッパーを構成してもよい。
【0013】
好ましくは、第1経路および第2経路は、異なる方向に延びる。例えば、ゲートが開位置にあるときに、第1経路によってホッパーの内容物を重力下でホッパーから第1方向に向かわせるように、ホッパーをさらに構成してもよい。ゲートが閉位置にあるときに、第2経路によって重力下で第1方向に対して角度を有する第2方向にホッパーからスラックを向かわせるように、ホッパーをさらに構成してもよい。
【0014】
保持壁は、ゲートが開位置にあるときに、ホッパーの内容物が保持壁を通過して第1方向にホッパーから出るように垂直方向に対して鋭角にしてもよい。
【0015】
ゲートが閉位置にあるときに、ゲートが垂直方向に対して鋭角であってスラックがゲート上を通過して第2方向にホッパーから出るようにホッパーを構成してもよい。
【0016】
ホッパーの内容物が第1経路を介してホッパーを出る場所と、スラックが第2経路を介してホッパーを出る場所との間に横方向のずれが存在するようにホッパーを構成してもよい。このようにして、ホッパーの内容物とスラックとを別々の容器へと向かわせることができる。
【0017】
ゲートが閉位置にあるときに、ゲートの遠位端が保持壁の下端から横方向にずれているようにホッパーを構成してもよい。このようにして、余分なスラックを、製品とは別の容器へと向かわせることができる。
【0018】
ゲートが閉位置にあるとき、ゲートと保持壁とが互いに向かって傾斜し、保持壁がゲートの手前で停止して隙間を形成し、そのまま延びていれば保持壁と交差したであろう位置を越えてゲートが延びるようホッパーを構成してもよい。このようにして、余分なスラックを、製品とは別の容器へと向かわせることができる。
【0019】
ホッパーがヒンジを備えてもよく、ゲートは、ヒンジを中心に回転することによって、開位置と閉位置の間で移動可能であるように構成される。
【0020】
ホッパーは、計量ホッパー、プールホッパー、ブースターホッパー、タイミングホッパー、出力ホッパーまたは排出ホッパーであってよい。
【0021】
第1の態様の変形によれば、2つのゲート、即ち上述のような第1ゲートと、さらなる第2ゲートとを含むホッパーが提供される。
【0022】
具体的には、ダブルゲートを有するこのようなホッパーは、上記の実施形態のいずれかの特徴と、開位置と閉位置との間で移動可能な第2ゲートとを備えてもよく、第1および第2ゲートがそれぞれの開位置にあるとき、第1経路は第1ゲートと第2ゲートとの間に延びる。
【0023】
第1および第2ゲートがそれぞれの閉位置にあるとき、第1経路は閉鎖され、第2経路が第1ゲートと第2ゲートとの間に延びる。
【0024】
したがって、第1開口部は、それぞれ開位置にある第1および第2ゲートの間に形成され、第2開口部は、それぞれ閉位置にある第1および第2ゲートの間に形成される。
【0025】
保持壁の下端が第2ゲートの下端であることが好ましい。
【0026】
第1ゲートおよび第2ゲートを、それぞれの閉位置と開位置との間で実質的に同時に移動させるようにホッパーを構成することが好ましい。ホッパーの第1および第2ゲートが同時に(すなわち、一緒に即ち一斉に)開かれるそのような例によれば、ホッパーの内容物が第1経路を下って放出されるときに内容物に突然の衝撃が加わる。これは、粘着性のある製品や製品とスラックとの組み合わせであって、ホッパーの内側に付着したり粘着性があって付着したりする可能性がある場合に特に適している。したがって、2つのゲートを備えたホッパーは、製品の排出をより安定して実施でき、信頼性が高くなる可能性がある。
【0027】
第1ゲートおよび第2ゲートがそれぞれの閉位置にあるとき、第1ゲートの遠位端が第2ゲートの遠位端から横方向にずれているようにホッパーを構成してもよい。
【0028】
第1ゲートおよび第2ゲートがそれぞれの閉位置にあるとき、第1ゲートと第2ゲートとが互いに向かって傾斜し、第2ゲートが第1ゲートの手前で停止して隙間を形成し、手前で停止しなければゲート同士が交差したであろう位置を越えて第1ゲートが延びるようにホッパーを構成してもよい。
【0029】
第1ゲートの長さは、第2ゲートの長さの少なくとも1.2倍を超える、より好ましくは少なくとも1.5倍を超える長さとなるようにホッパーを構成してもよい。
【0030】
ホッパーがさらに第2ヒンジを備え、第2ゲートは、第2ヒンジを中心とした回転により開位置と閉位置との間で移動可能であるようホッパーを構成してもよい。
【0031】
第2の態様によれば、製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分離するための装置が提供される。この装置は、上述のホッパーと、ゲートが開位置にあるときに第1経路を介してホッパーから出るホッパーの内容物を受け取るように配置された第1シュートと、ゲートが閉位置にあるときに第2経路を介してホッパーから出るスラックを受け取るように配置された第2シュートとを備える。
【0032】
第1シュートは、ゲートが開位置にあるときに、ホッパーの内容物が重力によってホッパーの保持壁からシュートの受け面上へと滑らかに通過するように、ホッパーの保持壁に対して配置することができる。これにより、ホッパーから第1シュートへの移行時に製品に衝撃が加わることがないため、製品を覆っているスラックが剥がれる可能性が低くなる。
【0033】
第1シュートは、第1シュートに入るスラックが第1シュートを通って第2シュートに出るのを許容するが、第1シュートに入る製品が第1シュートを通って第2シュートに出るのを許容しないよう構成したフィルターとして形成することができる。これにより、製品が第1シュートに入ったときやそこを通過する際に製品から剥がれたスラックも含め、包装前にさらに多くの余分なスラックを製品から分離することが可能となる。
【0034】
第2シュートは第1シュートの周りに同心円状に配置可能である。これにより、製品が第1シュート内で跳ね返ったりおよび/または第1シュート内で大きな空気の動きがあって余分なスラックが製品とは異なる方向に移動したりした場合でも、余分なスラックが2番目のシュートに到達する可能性が高くなる。
【0035】
第3の態様によれば、上記の装置と、第1シュートの下端に配置された包装充填装置とを含む包装装置が提供される。包装充填装置は、第1シュートで受け取ったホッパーの内容物が重力によりシュートの受け面を滑らかに下方に通過して包装材内に入るように配置される。包装装置はさらに、第1シュートが受け取ったホッパーの内容物が受け面を通過して包装材内に入ったならば、包装材を密封するように構成された密封装置を備える。これにより、シュートの受け面を包装材内へと滑り落ちる際に製品に衝撃が加わることがないため、製品を覆っているスラックが剥がれる可能性が低くなる。衝撃がないことで、(シュートの受け面を製品と一緒に滑り落ちるスラックに対して)空気中に浮遊するスラック粒子の量も減少するはずであり、浮遊粒子が密封部に引っ掛かり、品質が落ちるリスクが減る。
【0036】
第4の態様によれば、製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分けるための方法が提供される。この方法は、
a)製品とスラックとの混合物を、開位置と閉位置の間で移動可能なゲートを備えたホッパーに導入し、ゲートが閉位置にある間は、ホッパーからの第1経路を遮断することによって製品をホッパー内に保持するが、第2経路を通ってスラックがホッパーから出るのを許容する工程と、
b)次に、ホッパーの内容物が第1経路を経由してホッパーから出るように、ゲートを開位置に移動させる工程と、
c)次に、ゲートを閉位置に移動させて第1経路を遮断し、ホッパー内に残っている余分なスラックを第2経路経由でホッパーから排出する工程と、を備える。
【0037】
幾つかの実施形態において、ホッパーが、開位置と閉位置との間で移動可能な第2ゲートを備えてもよく、工程a)は、第1ゲートおよび第2ゲートがそれぞれの閉位置にある間は、ホッパーから出る第1経路を遮断し、それによって製品をホッパー内に保持するが、第2経路を介してスラックがホッパーから出るのを許容するように実行されてもよい。
【0038】
工程b)は、第1ゲートおよび第2ゲートをそれぞれの開位置に移動させて、ホッパーの内容物が第1経路を通ってホッパーから出るようにする工程を備え、工程c)は、第1ゲートおよび第2ゲートをそれぞれの閉位置に移動させて、第1経路を遮断し、ホッパー内に残っている余分なスラックが第2経路を通ってホッパーから出るようにする工程を備えてもよい。
【0039】
工程b)が、第1ゲートおよび第2ゲートをそれぞれの開位置に実質的に同時に移動させる工程を備えることが好ましい。両方のゲートを同時に即ち一斉に開くことで、ホッパー内の内容物がゲートやホッパー内部に付着する可能性が低くなる。したがって、製品がより正確に排出され、信頼性が向上する。
【0040】
このような工程では、両方のゲートを開閉して、ホッパーから製品とスラックとを排出する。但し、いくつかの代替的な場合において、第1および第2ゲートのうちの一つのゲートを開くことによって(すなわち、第1ゲートまたは第2ゲートのいずれかを開位置に移動させることによって)、工程b)において第1経路を介してホッパーから製品およびスラックを放出してもよい。この場合、工程b)で開いた対応するゲートのみを工程c)では閉位置に戻せばよい。
【0041】
工程a)からc)のすべてを連続して繰り返す工程をさらに含み、工程b)の第2番目の繰り返しが工程c)の第1番目の繰り返しの少なくとも400ミリ秒後に起こるようにしてもよい。この一時停止により、余分なスラックがホッパーから出るまでの時間を確保することができる。
【0042】
この方法がさらに、工程a)の後に、
(i)ホッパーの内容物についての複数の重量測定値を時系列に取得する工程と、
(ii)複数の重量測定値に基づいて、ホッパー内容物の重量が安定したと判断する工程と、をさらに備え、
工程b)は、前記判断がなされた後にのみ実行されるようにしてもよい。これにより、第2経路を通じてホッパーから出ることができるすべての余分なスラックが処理された後でないと、ゲートが開いてホッパーの残りの内容物が第1経路を通じて出られないようにすることができる。
【0043】
この方法がさらに、
I.工程b)と同時に、第1経路を介してホッパーからの内容物を、ホッパーから包装材中に重力下で滑らかに通過させる工程と、
II.次に、包装材を密封する工程と、を備えてもよい。これにより、ホッパーから包装材内へと移行する際に製品に衝撃が加わることがないため、製品を覆っているスラックが剥がれる可能性が低くなる。
【0044】
この方法が、第1経路を通ってホッパーから出てくる内容物からスラックをろ過して除去する工程をさらに備えてもよい。
【0045】
この方法で使用されるホッパーは、上記のホッパーであってよい。この方法は、上記の装置を使用して実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本開示の幾つかの態様について、添付の図面を参照しながら以下に例示的に述べる。
【
図1A】包装工程で使用するための例示的な装置を示す図
【
図1C】例示的な計量ホッパーを閉じた状態の、
図1Aに示す例示的な装置の一部概略断面図
【
図1D】計量ホッパーが開いている状態を示す同様の概略図
【
図2】製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分離するための例示的な方法を示すフローチャート
【
図3A】例示的なホッパーのゲートが閉じた状態を示す、包装工程で使用するための例示的な装置の概略断面図
【
図3B】
図3Aに示す例において、ホッパーのゲートが開いた状態を示す概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下の記載は、当業者が本システムを製作及び使用できるように提示された、特定の用途に関する記述である。当業者であれば、開示した実施形態について様々な変更が容易に明らかとなるであろう。
【0048】
製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分離するために使用可能なホッパーについて以下に記載する。このホッパーは、開閉可能なゲートを有する。ゲートが開いていると、ホッパーに収容される製品および/またはスラックは、第1経路を介して自由に排出される。ゲートを閉じると第1経路が閉鎖されるが、ホッパーからの第2経路が利用可能であり、ホッパーに含まれるスラックを排出できる。この第2経路は、製品ではなくスラックのみが使用できるよう構成される。このようにして、製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分離することができる。
【0049】
図1Aは、包装工程でのこのようなホッパーの使用方法の例を示す図である。
【0050】
例示した装置1000では、プールホッパー(図示せず)が、砂糖漬けのゼリー菓子等の製品とスラックの混合物をリング状の計量ホッパー1100内に落とす。
【0051】
計量ホッパー1100はそれぞれ、内容物の重量を測定可能なセンサー(図示せず)を備える。このように、コンピュータ制御等によって複数の計量ホッパーを選択し、目標重量例えば250gに可能な限り近い重量を有するよう、一包装材内で各内容物を組み合わせることができる。
【0052】
複数の計量ホッパー1100が選択されると、これらのホッパーのゲート(図示せず)が開き、(隠れた位置を示すために破線で示す)排出シュート1200を通って選択されたホッパーの内容物をタイミングホッパー1300内に落下させることができる。
【0053】
次に、タイミングホッパー1300は、この内容物を包装用袋(図示せず)に落とし、その後、包装用袋が密封される。このプロセスをその後繰り返してもよい。
【0054】
この例では、計量ホッパー1100と排出シュート1200の両方を使用して、プールホッパーによって提供される製品とスラックとの混合物から余分なスラックをスラック用シュート1400へと分離する。スラックはその後、接続部1410でスラックシュート1400から抽出され、廃棄量を削減するためにプールホッパーへと戻される。
【0055】
排出シュート1200は、スラックシュート1400によって同心円状に囲まれており、この2つのシュートは、スラックがそれらの間を通過できるように間隔を置いて配置される。排出シュート1200は、平均製品寸法よりも小さい開口を有するメッシュで形成されているため、製品はメッシュを通過できないが、メッシュの大きさはスラック粒子の平均寸法よりも大きいため、スラックはメッシュを通過してスラックシュート1400へと進むことができる。したがって、排出シュート1200は、スラックフィルタとして作用する。
【0056】
装置は全体として、包装材へと供給される前のスラックコーティングされた製品への最後の衝撃が、計量ホッパー1100に落下したときに起こるように配置されている。このようにして、この地点を超えた後に製品から剥がれるコーティングの量が最小限に抑えられる。これにより、自由に浮遊するスラックが袋の密封を妨げるリスクが減少し、最終包装材内で自由に浮遊するスラックの量が減少する。
【0057】
図1Aの各計量ホッパー1100、および導入されたスラックと製品との混合物からこれらのホッパーによって余分なスラックをどのように分離するかについて、
図1B~
図1Dを参照してさらに詳細に説明する。
図1Bは、例示的な計量ホッパー1100の3次元図である。
図1Cは、例示的な計量ホッパー1100を閉じた状態の、
図1Aに示す例示的な装置1000の一部概略断面図である。
図1Dは、計量ホッパー1100が開いている状態を示す同様の概略図である。
【0058】
図1Bは、ゲート1110が閉位置にある計量ホッパー1100を示す図である。
図1C、
図1Dに示すように、ゲート1110は、ヒンジ1120を中心に閉位置と開位置との間を移動するよう制御可能である。
【0059】
閉位置では、ゲート1110は、Vと記した線によって示されるように垂直方向に対して角度を有している。ホッパーの保持壁1130もまた、垂直方向に対して角度を有し、ゲート1110に向かって下向きに傾斜し、スラックが通り抜けるのに十分な大きさの隙間1140が残るようゲートのすぐ手前まで延びているが、隙間の大きさは製品が通り抜けられるほど大きくはない。ゲート1110のリップ部1111は、保持壁1130を超えて突出している。
【0060】
製品とスラックとの混合物(
図1CのP+S)が閉じたホッパー1100に導入されると、製品はゲート1110と保持壁1130との間に保持される。一方、余分なスラック(S)は、リップ部1111を越えてスラック用シュート1400内へと流出する。
【0061】
ホッパーの内容物が下に落ちてホッパーの内容物の重量が安定するまでの時間を確保するために、例えば、ゲート1110の開閉の間に800ミリ秒の遅延時間を導入することができる。
【0062】
代替的または追加的に、計量ホッパーの内容物の重量を継続的に監視して、すべての計量ホッパーの重量が安定したならば、適切な計量ホッパーを選択するおよびそれぞれのゲートを開放する動作をすぐに実行できるようにする。但し安定する前にはこれらの動作を実行しない。例えば、各ホッパーの内容物の重量測定を定期的に、例えば10msごとに1回行うことができる。特定のホッパーの内容物の重量は、3回の連続した測定値が同じ値であるか、または例えば0.15gの範囲内であれば、安定していると判断できる。
【0063】
図1Dに示すように、ゲート1110が開くと、ホッパー内に残っている内容物が保持壁1130から排出シュート1200の受け面に滑らかに滑り落ちる。排出シュートは、移行中に製品のコーティングが剥がれるリスクを低減するために、垂直方向に対して保持壁1130と実質的に同じ角度となっている。
【0064】
いくつかの代替例では、ゲートが閉じているときにゲートと保持壁との両方を垂直方向に対して鋭角にするのではなく、保持壁を垂直にして、排出シュートが真下にくるようにしてもよい。
【0065】
いくつかの代替例では、ゲートのリップ部を曲げて、スラックがリップ部を出て、ゲートの残りの部分が延びる方向とは異なる方向に向かうようにしてもよい。
【0066】
いくつかの代替例では、隙間をメッシュで埋めて、余分なスラックをろ過して除去するようにしてもよい。これらの例では、メッシュによって隙間からの製品の落下が防げるため、隙間をもっと大きくできる可能性がある。
【0067】
いくつかの代替例では、ゲートを旋回させるのではなく、排出シュートの上部をよけるようにゲートを後退させてホッパーを開くようにしてもよい。
【0068】
いくつかの代替例では、重力の代わりに吸引を使用して余分なスラックを取り除いてもよい。たとえば、スラック放出用の隙間が、ホッパーの下端ではなくホッパーの壁のうちの1つのより高い位置にあり、この隙間を真空ポンプに接続して、余分なスラックをホッパーから吸引してもよい。
【0069】
上記のすべての例において、製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分けるためにホッパーが設けられる。ホッパーは、開位置と閉位置の間で移動可能なゲートを備える。ゲートは、ゲートが開位置にあるときに、製品とスラックとの混合物を含むホッパーの内容物がホッパーを出るための第1経路を提供するように構成される。ゲートが閉位置にあるとこの第1経路はゲートによって閉じられて製品がホッパー内に保持され、第1経路とは異なる第2経路が、スラックをホッパーから出すために設けられる。
【0070】
第1経路は、製品とスラックとの両方が放出できるような大きさの第1開口部を備えることができ、第2経路は、製品ではなくスラックを放出できるような大きさの第2開口部(
図1の例の隙間1440など)を備えることができる。
【0071】
第1および第2開口部は、
図1の例のように、製品および/またはスラックが重力により開口部を通って落下していくように配置可能である。
【0072】
あるいは、製品および/またはスラックを吸引等の他の手段によってホッパーから運び出してもよい。例えば、スラックを製品と一緒にホッパー内で下に沈ませた後、スラックを上から吸い上げてもよい。その場合、製品とスラックの種類によって、真空が十分に弱くて製品ではなくスラックのみを回収するものであるならば、スラックを吸い込む開口部は、実際には製品を放出できるほど十分な大きさであってもよい。
【0073】
ホッパーは保持壁を備えてもよく、
図1の例のように、閉位置にあるときのゲートと保持壁の下端との間の隙間が第2開口部であるようホッパーを構成する。
【0074】
ホッパーは、ゲートが開位置にあるときに、第1経路によってホッパーの内容物を重力下でホッパーから第1方向に向かわせるように、且つ、ゲートが閉位置にあるとき、第2経路によって重力下で第1方向に対して角度を有する第2方向にホッパーからスラックを向かわせるように構成可能である。第1方向は垂直方向であってよい。あるいは、
図1の例のように、第1方向と第2方向の両方を垂直方向に対して角度を有する方向としてもよい。
【0075】
保持壁は、ゲートが開いた位置にあるときに、
図1の例のように、ホッパーの内容物が保持壁を通過して第1方向にホッパーから出るように垂直方向に対して鋭角にできる。ホッパーの内容物の種類によっては、内容物が保持壁上を滑ったり、流れたり、転がったりする場合がある。
【0076】
ホッパーは、ゲートが閉じた位置にあるときに、
図1の例のように、ゲートが垂直方向に対して鋭角であってスラックがゲート上を通過して第2方向にホッパーから出るように構成可能である。
【0077】
ホッパーは、ホッパーの内容物が第1経路を介してホッパーを出る場所と、スラックが第2経路を介してホッパーを出る場所との間に横方向のずれが存在するように構成可能である。(
図1の例の場合がこれに該当するが、吸引によって余分なスラックが分離される場合には必要ない)。
【0078】
ホッパーは、ゲートが閉位置にあるときに、ゲートの遠位端が保持壁の下端とは横方向にずれており、
図1の例のようにリップ部を形成するよう構成可能である。
【0079】
ホッパーは、
図1の例のように、ゲートが閉位置にあるとき、ゲートと保持壁とが互いに向かって傾斜し、保持壁がゲートの手前で停止して隙間を形成し、そのまま延びていれば保持壁と交差したであろう位置を越えてゲートが延びるようホッパーを構成可能である。
【0080】
ホッパーは、
図1のヒンジ1120等のヒンジを備えることができ、ゲートは、
図1の例のように、ヒンジを中心に回転することによって、開位置と閉位置の間で移動可能であるように構成される。あるいは、ゲートは、開位置と閉位置の間をスライドするように構成してもよい。
【0081】
ホッパーは、計量ホッパー、つまり内容物の重量を測ることができるホッパーでもよいが、必須ではない。いくつかの例では、ホッパーは追加的または代替的に、プールホッパー、ブースターホッパー、タイミングホッパー、出力ホッパー、または排出ホッパーであってもよい。
【0082】
製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分離するための装置は、上述のいずれかのホッパーと、
図1の例の排出シュート1200のように、ゲートが開位置にあるときに第1経路を介してホッパーから出るホッパーの内容物を受け取るように配置された第1シュートと、
図1の例のスラックシュート1400のように、ゲートが閉位置にあるときに第2経路を介してホッパーから出るスラックを受け取るように配置された第2シュートとを備えることができる。
【0083】
第1シュートは、
図1の例のように、ゲートが開位置にあるときに、ホッパーの内容物が重力によってホッパーの保持壁からシュートの受け面上へと滑らかに通過するように、ホッパーの保持壁に対して配置することができる。
【0084】
第1シュートは、
図1の例に関連して上述したように、第1シュートに入るスラックが第1シュートを通って第2シュートに出るのを許容するが、第1シュートに入る製品が第1シュートを通って第2シュートに出るのを許容しないよう構成したフィルターとして形成することができる。
【0085】
図1の例のように、第2シュートは、第1シュートの周りに同心円状に配置可能である。
【0086】
包装装置は、上述の装置と、第1シュートの下端に配置され、第1シュートで受け取ったホッパーの内容物が重力によりシュートの受け面を滑らかに下方に通過して包装材内に入るように配置された包装充填装置と、第1シュートが受け取ったホッパーの内容物が受け面を通過して包装材内に入ったならば、包装材を密封するように構成された密封装置と、を備えることができる。あるいは、第1シュートを設けて製品を包装材内に搬送する代わりに、ホッパーの内容物を密封前の包装材に直接落下させてもよい。
【0087】
図2は、余分なスラックを製品とスラックとの混合物から分けるための例示的な方法200を示すフローチャートであり、破線は任意選択のステップを示す。ステップ210で、製品とスラックとの混合物が、開位置と閉位置との間で移動可能なゲートを含むホッパーに導入される。ゲートは閉位置にあり、ホッパーからの第1経路を遮断して製品をホッパー内に保持するが、スラックは第2経路を通ってホッパーから出ることができる。
【0088】
ステップ220で、ホッパーの内容物が第1経路を経由してホッパーから出るように、ゲートを開位置に移動させる。
【0089】
ステップ230で、ゲートを閉位置に移動して第1経路を遮断し、ホッパー内に残っている余分なスラックを第2経路経由でホッパーから排出する。
【0090】
これらの工程を、任意に繰り返してもよい。
【0091】
任意選択で、ステップ210と220の間に、ホッパーの内容物について複数の重量測定値を時系列に取得し、複数の重量測定値に基づいて、ホッパーの内容物の重量が安定したことを判定する工程211~215を更に備えてもよい。図示の例では、ステップ211で整数mをゼロに設定し、ステップ212でホッパー重量測定値W(m)を取得し、ステップ213でmを1つ増加させ、ステップ214でさらなるホッパー重量測定値W(m)を取得し、ステップ215でW(m)=W(m-1)であるかどうかを判断することでこれを達成する。結果が「Yes」であれば、ホッパーの重量は安定しており、ステップ220に進む。結果が「No」であれば、ステップ213に戻る。
【0092】
ステップ220と同時に、第1経路を介してホッパーを出るホッパーの内容物を、任意選択で、重力下でホッパーから包装材へと滑らかに通過させ、任意選択で、ステップ240で包装材を密封してもよい。
【0093】
第1経路を通ってホッパーから出てくる内容物から、任意でスラックをろ過して除去してもよい。
【0094】
方法200は、任意で、
図1の例の装置を使用可能である。
【0095】
同様に、方法200は、2つのゲート2110、2132を有するホッパー2100を示す
図3に示すような装置を使用して実施してもよい。これらのゲート2110、2132は、第1経路を開いたり遮断したりするよう共に開閉してもよい。2つのゲートを備えたこのような例は、特に
図1に示すような傾斜した保持壁1130を備えたホッパーにおいて、静止した保持壁に付着する可能性のある粘着性のある製品(マリネ液でコーティングされた肉、粘着性のある菓子類など)の使用に特に適している。
【0096】
より詳細には、
図3Aおよび
図3Bは、可動式の第1ゲート2110および対向する可動式の第2ゲート2132を備えたホッパー2100を示す図である。第2ゲート2132は、上部固定部2134をさらに含む保持壁の下部を形成する。したがって、上述した保持壁の下端の特徴が、第2ゲート2132の下端に適用される。
【0097】
図3のホッパー2100は、製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分離するためにも使用できる。ゲート2110、2132がそれぞれ開位置にあると、ホッパー2100内に含まれる製品および/またはスラックは、第1経路を介してホッパー2100から自由に排出される。ゲート2110、2132がそれぞれ閉位置にあるとき、ゲートが組み合わさって第1経路を遮断即ち閉鎖し、製品をホッパー2100内に保持する。但し、ゲート2110、2132がそれぞれ閉位置にあるとき、ホッパー2100からの第2経路は確保され、そこを通って(典型的には液体でありおよび/または製品に比して比較的小さい寸法である)スラックがホッパー2100から排出可能である。この第2経路は、製品ではなくスラックのみに使用できるよう構成される。このようにして、製品とスラックとの混合物から余分なスラックを分離することができる。
【0098】
また、
図3Aおよび
図3Bに示すように、排出シュート2200は、スラックシュート2400によって同心円状に囲まれており、この2つのシュートは、スラックがそれらの間を通過できるように間隔を置いて配置される。排出シュート2200は、平均製品寸法よりも小さい開口を有するメッシュで形成することが好ましく、製品はこのメッシュを通過できないが、メッシュの大きさはスラック粒子の平均寸法よりも大きいため、スラックはメッシュを通過してスラックシュート2400へと進むことができる。したがって、排出シュート2200は、スラックフィルタとして機能する。
【0099】
図3Aは、第1および第2ゲート2110、2132それぞれが閉位置にある場合の、閉配置のホッパー2100を示している。図示するように、閉位置での第1ゲート2110は、垂直方向に対して角度を有している。ホッパー2100の保持壁2132もまた、垂直方向に対して角度を有し、第1ゲート2110に向かって下向きに傾斜し、スラックが通り抜けるのに十分な大きさの隙間2140(即ち、第2開口部)が残るようゲートのすぐ手前まで延びているが、隙間の大きさは製品が通り抜けられるほど大きくはない。第1ゲート2110は、第2ゲート2132よりも長く、そのまま延びていれば第2ゲート2132と交差したであろう地点を越えて第1ゲート2110が延びている。
【0100】
製品とスラックとの混合物(
図3AのP+S)が閉じたホッパー2100に導入されると、製品は第1ゲート2110及び第2ゲート2132によって保持される。但し、余分なスラック(S)は、第1ゲート2110と第2ゲート2132との間に残る隙間2140を通って流出する。第2経路が延びるゲート2110、2132の間のこの隙間2140は、製品の平均最小寸法よりも小さいが、スラックの平均最大寸法よりも大きい。したがって、スラックは隙間2140を通過し、製品から分離される。
【0101】
分離されたスラックSは、より長い第1ゲート2110上を通過し、排出シュート2200の開口部2200a(例えば、穴または長穴(slot))を介してスラックシュート2400内に入る。さらなる実施形態では、排出シュート2200がメッシュであり、スラックSは、さらなる開口を必要とせずに排出シュート2200を通過することができる。場合によっては、排出シュート2200に入るスラックを回収し、以前の状態で(at an earlier state)処理ラインに再導入してもよい。
【0102】
図3Bは、第1および第2ゲート2110、2132それぞれが開位置にある場合の配置のホッパー2100を示す図である。これらの開位置2110、2132は、第1および第2ゲート2110、2132が重力によって落下する場合にそうであるように、実質的に垂直である。但し、ゲート2110、2132を、それぞれ他の位置に保持してもよい。
【0103】
この開放時の配置では、ホッパー2100の内容物(すなわち、製品Pおよび残りのスラックS)は、矢印P+Sによって示されるように、重力によって第1経路に沿って排出シュート2200に放出される。この第1経路は、開放状態のゲート2110、2132の間に延びており、ゲート2110、2132間の最小距離が製品とスラックのそれぞれの最大寸法よりも大きいため、製品とスラックの両方の排出を可能にする大きさの開口部(すなわち、第1開口部)がゲート間に形成される。
【0104】
上述したように、この第1経路を通過した製品Pは、その後、スラックSの程度が低下した状態で包装装置を用いて包装することができる。
【0105】
図示するように、第1および第2ゲート2110、2132は、ヒンジ2120a、2120bを中心に回転して、(
図3Aに示す破線の矢印とゲートとで示されるように)それぞれの閉位置と開位置との間を移動する。但し、これは必須ではなく、一以上のゲート2110、2132は、別の方法で(例えば、スライドして)移動してもよい。
【0106】
第1および第2ゲート2110、2132は、実質的に同時に開くことが好ましい。即ち、ゲート2110、2132が順次に開くのではなく、同時に即ち一斉に開く。両方のゲート2110、2132を一緒に動かすと、ホッパー2100の内容物に大きな衝撃が加わるので、粘着性の製品がホッパー2100の内部に付着して排出されないことがないように作用する。但し、さらなる実施形態において、ゲート2110、2132は、(例えば、より多くのスラックを生成するであろう乾燥製品への不必要な衝撃を回避するために)順次に開いてもよい。
【0107】
図3Aおよび
図3Bから理解されるように、製品とスラックとが通過する可能性がある第1経路と、スラックのみが移動する第2経路とは、横方向にずれており、異なる方向に延びている。但し(例えば、ホッパーからスラックを吸引して除去する場合)これは必須ではない。
【0108】
ホッパーは、
図1および
図2を参照して上記で説明したように、制御および計量してもよい。例えば、計量の前に内容物を安定させるために、例えば、ゲートの開閉の間に800msの遅延時間を導入することができる。あるいは、ホッパーの重量を連続的または定期的に監視し、重量が安定した時点で最終的な重量測定を行うことも可能である。
【0109】
同様に、さらなる実施形態において、
図3に示されるホッパー2100が、
図1および2を参照して上述した任意のまたは好ましい特徴のいずれかをさらに備えてもよい。例えば、第1ゲート2110は、第1ゲート2110を閉じたときに、第2経路に沿って移動するスラックが所望の方向に向かうまたはその方向に進路を変えるように、湾曲したまたは角度のついたリップ部を備えてもよい。
【0110】
本明細書を検討し本明細書に開示された実施形態を実施することによって、当業者には他の実施形態が明らかになるであろう。本明細書および実施例は、例示的なものとしてのみ考慮されることが意図されている。
【0111】
「上」、「下」、「横」、「前」、「後」、「前方」、「背面」といった用語等の構成要素の方向を説明する用語は、限定を意図したものではなく、単に、添付の図面の文脈において、これらの構成要素の相対的な位置の説明を容易にするために用いている。使用時や保管時には、構成要素が他の方向に配置される場合もある。
【0112】
さらに、本出願が方法または手順の工程を特定の順序で記載している場合、いくつかの工程を実行する順序を変更することが可能であるか、または特定の状況ではそのような変更が好都合である可能性がある。本明細書に記載されている方法または手順に関する請求項の特定のステップは、そのような順序の特異性が請求項で明示的に記載されていない限り、順序を特定していると解釈されないよう意図する。すなわち、操作/工程は、別段の指定がない限り、任意の順序で実行することができ、実施形態は、本明細書に開示されるものに追加またはそれより少ない操作/工程を含むことができる。さらに、特定の操作/工程を、別の操作の前、同時に、または後に実行することは、記載した実施形態に従っているものと考える。