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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】防水仕様の電気スイッチ組立体
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/06 20060101AFI20230809BHJP
   H01H 9/04 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
H01H13/06 B
H01H9/04 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021559721
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 EP2020060563
(87)【国際公開番号】W WO2020212406
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-10-27
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】19382308.5
(32)【優先日】2019-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520161894
【氏名又は名称】プレモ,エスアー.
(74)【代理人】
【識別番号】100081053
【弁理士】
【氏名又は名称】三俣 弘文
(72)【発明者】
【氏名】ヒメネス パヴォン、ホセ アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス レイナ,フアン
(72)【発明者】
【氏名】ロハス クエバス,アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ナバッロ ペレス,フランシスコ エツェクイエル
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】内田 博之
【審判官】尾崎 和寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-146806(JP,A)
【文献】特開2012-9419(JP,A)
【文献】特開2012-150916(JP,A)
【文献】登録実用新案第3046865(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/06 , H01H 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水仕様のプッシュボタン式電気スイッチ組立体(10)において、
-閉じた区画室と、
-前記区画室内に収納されたプッシュボタン部分(30)を備えた電子スイッチ要素を搭載・支持するプリント回路基板(14)と
を有し、前記プリント回路基板(14)は、自身に接続され前記区画室から出る絶縁された導電体(16)を有し、
前記区画室は、第1開口部(11a)と第2開口部(11b)を有する空洞を含むケーシング(11)の内部に規定され、前記第1開口部(11a)と第2開口部(11b)とは互いに向かい合い、
前記第1開口部(11a)は、圧縮性の可撓性本体(12)により密閉され、前記可撓性本体(12)の部分(12a)は、前記電気スイッチ組立体(10)のプッシュボタン部分(30)に面して配置され、前記ケーシング(11)に取り付けられ、
前記第2開口部(11b)は、閉鎖カバー(13)によって密閉され、
前記可撓性本体(12)は、前記ケーシング(11)の空洞内に一部延在し、環状フランジ(12b)で内部部分を形成し、前記環状フランジ(12b)は、前記ケーシング(11)の第1開口部(11a)の外から延びそれに隣接して前記ケーシング(11)の内面に配置され、
前記プリント回路基板(14)は、前記可撓性本体(12)のくぼみ部分に取り付けられ、
前記閉鎖カバー(13)は、その内面の中央領域に突起(19)とそれを包囲する環状壁(18)とを有し、前記環状壁(18)は、前記ケーシング(11)の空洞内に挿入され、その自由端で前記可撓性本体(12)の表面との周縁当たり接触を確立し、前記電子スイッチ要素を囲み、防水性を確保し、
前記プリント回路基板(14)は、一方の面の周辺領域では前記環状フランジ(12b)で、他方の面の中央領域では突起(19)で支持され
前記導電体(16)は、前記ケーシング(11)の側面窓(17)から出て、前記側面窓(17)は前記可撓性本体(12)の延長部(12c)で埋められ、前記延長部(12c)を前記導電体(16)が貫通する
ことを特徴とする防水仕様のプッシュボタン式電気スイッチ組立体。
【請求項2】
前記可撓性本体(12)は第2環状壁(20)をさらに備え、前記第2環状壁(20)は前記ケーシング(11)の空洞内を延び、前記プリント回路基板(14)を包囲し、
前記第2環状壁(20)の先端は、前記閉鎖カバー(13)の内面との周縁当たり接触を確立する
ことを特徴とする請求項1記載の電気スイッチ組立体。
【請求項3】
前記第2環状壁(20)と前記環状壁(18)は、異なる幅を有し、一体に適合する
ことを特徴とする請求項2記載の電気スイッチ組立体。
【請求項4】
前記可撓性本体(12)は、-85℃から+85℃までの温度範囲で機能するエラストマー熱可塑性材料製である
ことを特徴とする請求項1-3のいずれか1項に記載の電気スイッチ組立体。
【請求項5】
前記ケーシング(11)は剛性ケーシングであり、前記環状フランジ(12b)は、オーバーモールドにより成形され、前記第1開口部(11a)を囲むケーシングの内面の一部に当たる
ことを特徴とする請求項1記載の電気スイッチ組立体。
【請求項6】
前記可撓性本体(12)の外側部分が、外側を向いたプッシュボタン要素(15)を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の電気スイッチ組立体。
【請求項7】
前記ケーシング(11)は剛性ケーシングであり、前記可撓性本体(12)は平坦な内側表面を有する屈曲部(12d)を有し、前記内側表面は、前記第1開口部(11a)の内面の一部に当てて配置され、前記環状壁(18)によって圧縮される。
ことを特徴とする請求項2に記載の電気スイッチ組立体。
【請求項8】
前記第2環状壁(20)は前記屈曲部(12d)の内側表面から突出する
ことを特徴とする請求項7に記載の電気スイッチ組立体。
【請求項9】
前記閉鎖カバー(13)は、超音波溶接により、前記ケーシング(11)に固定される
ことを特徴とする請求項1に記載の電気スイッチ組立体。
【請求項10】
前記閉鎖カバー(13)は、機械的固定手段により、前記ケーシング(11)に固定される
ことを特徴とする請求項1に記載の電気スイッチ組立体。
【請求項11】
前記機械的固定手段は、前記閉鎖カバー(13)の突起部(21)と前記ケーシング(11)の壁の側面開口(22)との係合である
ことを特徴とする請求項10に記載の電気スイッチ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水との接触に特に耐性のある防水仕様の電気スイッチ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
絶縁性電気機器と電子機器(以下単に「電気・電子機器」と称する)、特に絶縁性スイッチは、今日最も重要である。その意味で、電気・電子機器は、使用中の動作に関してますます厳しくなる試験を受けており、水、加圧水、生理食塩水の浸水試験が最も厳しいものの1つである複合試験に合格する必要がある。これは、水が、最小限の浸透の場合においても、電気・電子機器内に浸透したり、電気・電子機器に影響を与えないことを確認する為である。
【0003】
さらに、今日の自動車分野では、最適化、小型化、化学接着剤の削減、リサイクル可能で製造が容易な材料の使用は、適切なシーリング(封止)を実現し、水の浸透と到達を防ぐスイッチ装置の機能に加えて、不可欠である。
【0004】
電気スイッチを保護するために今日最も広く使用されているシステムの1つは、熱可塑性プラスチックでオーバーモールドを実行することである。これは、高価なシステムであるが、内部の電気・電子部品への全ての水入口を閉じることはできない。
【文献】US8822863-B2
【文献】DE102016013790A1
【文献】DE202016107304U1
【文献】EP1032004A2
【0005】
特許文献1は、水分又は湿分の浸透に耐性のある密封スイッチを開示する。このスイッチは、空洞を規定するケーシング2によって形成される。この空洞内にPCBアセンブリが収容される。PCBアセンブリは、PCB6、触覚電気スイッチ7、他の構成要素(例:コンデンサ8又は抵抗器9など)、ケーブル13eにより形成される。このケーブル13eは、ケーシング2の開口部14を通る。
【0006】
ケーシング2は、上部開口部2Aと下部開口部2Uとを有する。上部開口部2Aは、エラストマー製プッシュボタン3によって密封される。下部開口部2Uは、成形可能な射出材料11によって密封される。かくしてケーシング2は完全に密封されている。
【0007】
一実施例によれば、プッシュボタン3は、射出/成形プロセス中にケーシング2に対してオーバーモールドされる。それによって上部開口部2Aを密閉する。成型可能材料11好ましくはポリアミド(TPE-A)が、 PCBアセンブリ5がケーシング2に挿入された後、注入される。すると、接着性アタッチメントが、成形可能材料11とプッシュボタン3との間と、ケーシング2とPCBアセンブリ5との間に形成される。成形可能材料11が固まると、ケーシング2の下部開口部2Uと開口部14を密封する。これにより、ケーシング2の内部空洞の形状を採る。
【0008】
さらに、成型可能材料11がケーシング2の空洞内に注入されると、ケーブル13の周りにシールが形成される。
【0009】
気密又は水密(以下「水密」又は「防水仕様」と総称する)プッシュボタンスイッチ、即ちスイッチを収納するケーシングの上部部分とエポキシ樹脂で充填されたケーシングの下部部分に対しオーバーモールドされたプッシュボタン部分の手段により同様の方法で作られた装置は、特許文献2に開示されている。
【0010】
特許文献3は、水、特に噴流水からの保護が改善され、安全なスイッチ動作を備えた携帯送信機を開示する。 この携帯送信機は、弾性封止ブロック60を間に挟んで結合された2つのシェルを有する。これらのシェルが、ハウジングを規定し、周辺スカート75を有する上部シェル70と、周辺スカート14を有する下部シェル10とを含む。これらのシェル70の第1のものは開口部71を有する。この開口部71を通って、キー51のキーパッド53がある。キー51は、2つのハウジングの間に配置されている弾性封止ブロック60の一部である。キー52は、プリント回路基板30によって支持された(スイッチング・マット50の)スイッチを操作するように設計されている。
【0011】
特許文献4は、防水仕様のスイッチング・デバイスを開示する。このデバイスは、一緒に留められた2つの部分31、32から形成された本体を有する。下部シェル32は、内側に突出する舌状部分34を備えた直立した周辺フランジ33を有する。この舌状部分34は、上部部分31の対応する部分35とクリップ可能に係合しケースを形成する。弾性ボタンの形態のエラストマー操作部材36は、上部部分31の穴を貫通し、回路装置11を操作する下向き突起37を有する。ボタン36は、上部部分31の内壁に沿って延在し、その壁にオーバーモールドされて、シールを形成する。ケースの下部部分32は、さらに直立したリブ38を有し、このリブ38は、2つの部分が一緒に留められる(クリップされる)と、弾性体の端面39に当たって押し付けられて、所定の位置に保持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記特許に開示されたプッシュボタン本体をオーバーモールドする技術は、特別な接着剤又はコーティングの使用を回避できるが、ケーシングの空洞内で固まる物質を注入又は充填する手段でケーシングを封止する手段が依然として使用されており、スイッチの組み立て作業は複雑で費用がかかるものとなっている。
【0013】
本発明の目的は、スイッチのケーシングへの樹脂等の充填を止め、物理的なバリアの手段により防水性を提供することである。この物理的なバリアは、ケーシングの開口部の閉鎖カバーから得られた連続する壁と、プッシュボタンを形成するために使用される可撓性本体との間の当たり接触により得られたものである。この連続する壁がスイッチが配置されている領域を取り囲んでいる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記したように、本発明は、電子製品の防水性の欠如に関連する問題と、電子製品が腐食と短絡などの他の問題によって受ける悪影響を解決する。
【0015】
提案された解決策は接着剤の使用を回避できる。それにより、気泡発生、発生した気泡検出の困難さ、架橋の欠如、均一性の見落とし等の問題を解決する。さらに、提案された解決策は、スイッチの組み立てを容易にし、システムの信頼性と組立の安定性を向上し、防水壁の数を増す。その結果防水性に対する安全性を高める。
【0016】
提案された構造は、圧縮状態の弾性材料を同時に変更するだけで、温度と水の両方に対する耐性を向上させる。この弾性材料として、TPE (熱可塑性エラストマー)又はシリコーン(LSR)が選択される。TPEは低温に適する。シリコーン(LSR)は、クリープ変形が少なく、圧縮歪みが小さく、広い温度範囲での耐性が高い。
【0017】
本発明の防水仕様の電気スイッチ組立体は、
閉じた区画室 と、前記閉じた区画室内に収容され導電体に接続される電気スイッチとを含む。
前記閉じた区画室は、2つの開口部を有する空洞を規定するケーシング内に形成される。この2つの開口部の内の第1開口部は前記ケーシングに取り付けられた圧縮性の可撓性本体によって密閉され、第2開口部はカバーによって密閉される。これは、既に公知であり、特に特許文献1に開示されている。
【0018】
スイッチ組立体のこの既知の構造に対して本発明は以下の特徴を有する。圧縮性の可撓性本体がケーシングの空洞内に部分的に延在し、スイッチが配置される又は取り付けられる表面を提供する。ケーシングの第2開口部の閉鎖カバーは、その内面に、(任意の適切な断面の)環状壁をさらに有する。この環状壁は、空洞内に挿入され、可撓性本体の前記表面との周縁での当たり接触(輪郭全体に沿って押しつける接触)を確立する。閉鎖カバーのこの環状壁はスイッチを完全に囲み、それにより防水性を確保する。言い換えると、この環状壁は、ケーシングの第2開口部をカバーで閉じた時に、追加の水密バリア(障壁)を提供する。この第2開口部はスイッチを収容する内部空洞へのアクセスを提供する。
【0019】
この解決策は剛性ケーシングと可撓性本体により実現される。この剛性ケーシングは、互いに向かい合って形成された第1開口部と第2開口部を有する。この可撓性本体は、オーバーモールドによって剛性ケーシングの第1開口部に取り付けられ、その内面の部分に対して配置される環状フランジを含む。このケーシングは、第1の開口部を取り囲み、スイッチの支持面を規定する。
【0020】
さらに、可撓性本体は、プッシュボタンとして構成された外側部分をオーバーモールドによって、取り付けることも可能である。
【0021】
第2実施例では、可撓性本体は、オーバーモールドする必要がない。その結果、組み立ての作業とコス トを削減し、同様な効果的な防水性を提供できる。
【0022】
この第2実施例では、剛性ケーシングが同様に使用される。この剛性ケーシングの第1と第2の開口部は互いに反対側にある。圧縮性のエラストマー(可撓性)本体は、ケーシング内に導入され、第1開口部から現れる。可撓性本体の屈曲部は、その平坦な部分がケーシングの内面の一部に対して配置され、ケーシングの第1開口部を包囲する。可撓性本体の平坦な面は、カバーの内面の環状壁によって押されている。この第2実施例では、可撓性本体は、更に第2環状壁を有する。この第2環状壁は、ケーシングの空洞の外側(第2開口部)に向かって延在し、屈曲部から突出し、第2開口部に配置された閉鎖カバーの内面との周囲での当たり接触を確立する。この環状壁の自由端(丸みを帯びた横方向の輪郭を有する)が、前記内面を圧迫している。
【0023】
この第2実施例では、可撓性本体の第2環状壁とカバーの環状壁は、異なる幅を有し、それらが一緒に取り付けられている配置では、非常に近接して配置される。そのため二重の水密バリアを提供できる。
【0024】
この第2実施例では、可撓性本体がオーバーモールドによってケーシングの本体に取り付けられていないので、ケーシングの材料(一般にポリマー材料)と適合性のあるエラストマーを使用する必要はない。そのため、アプリケーションの技術的要件に応じて、市販されている任意のエラストマーが使用可能である。
【0025】
この可撓性本体は、-85°~+85°の温度範囲で機能的に動作可能なエラストマー熱可塑性材料製である。
【0026】
上記の電気スイッチは、プリント回路基板を含む。このプリント回路基板は、電気・電子機器を搭載/支持する。このプリント回路基板には、2つの絶縁処理した導電体の端部が溶接で接続される。この導電体は、エラストマー(可撓性)本体を通過しケーシングの外側に延びる。プリント回路基板は、可撓性本体のくぼんだ部分に取り付けられる。このくぼんだ部分は、ケーシングの空洞の内側にある。水密機能を提供する周囲壁によって又は第2実施例の場合は2つの壁によって囲まれている。
【0027】
スイッチ要素に入る2本の絶縁導電体(ケーブル)は、ケーシングの側面窓を通って外部に出る。この側面窓は、可撓性本体の延長部によって占められ、そこを導電体が通過する。このタイプの配置がこの通路の水密性を確保する。
【0028】
ケーシングの第2開口部を塞ぐ閉鎖カバーは、前記ケーシングに、超音波溶接ビード又は機械的固定手段によって固定される。
【0029】
機械的固定手段は、例えば、閉鎖カバーの側面付属物による結合である。この側面付属物が、ケーシングの空洞内に挿入され、2つの対向する内壁と面一になり、内壁の側面窓又はくぼみに固定される。ケーシングの側面窓が存在する場合、水はこの窓を透過するが、水は二重壁バリアの外に流れ込むため、スイ ッチ要素の水に対する保護が維持される。
【0030】
上で説明したことに基づくと、本発明は、可撓性要素即ち可撓性本体を使用して、ケーシングの空洞に収容されたスイッチ要素又は電気・電子構成要素を絶縁する。かくして、1つの弾性要素が、2つの領域(スイッチ要素が空洞に取り付けられている領域とケーブル領域の両方)の水に対する1つの保護を与える(カバーする)。かくして、独立した接合要素の使用やあらゆるタイプの接着剤や熱硬化性樹脂の使用を回避できる。これらの使用は、今日まで組み立てコストが高くなっていた原因であった。
【0031】
上記の解決策の1つの利点は、技術的要件に応じて、交換されるべき1つの要素即ち可撓性本体のみで得られることである。
【0032】
防水性に加えて、別の利点は、実際の電気・電子構成要素又は装置の機械的保護である。これは、衝撃、外部抵抗、腐食などの要件に応じて選択できる要素によって保護されている。
【0033】
幾何学的位置例えば、平行、垂直、傾斜と言及する場合は、定義される理論的位置に対して最大±5°の偏りが有ってもよい。
【0034】
提供される任意の範囲の値は、その最終値に関して最適ではない場合があり、本発明の変形例の適応を必要とする場合がある。その結果、この最終値は、その適応が当業者の想定内にある場合には、本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】第1実施例による本発明の電気スイッチ組立体の断面斜視図である。
図2図1の電気スイッチ組立体を下から見た斜視図。閉鎖カバーが取り外されて、プリント回路基板とこの回路基板に接続された絶縁電気ケーブルを示す。
図3図1の電気スイッチ組立体を上から見た斜視図。ケーシングから出るプッシュボタンと絶縁電気ケーブルを示す。
図4】ケーシングの第2開口部を閉じる閉鎖カバーの斜視図。この閉鎖カバーの内面から隆起した環状壁と、その自由端を規定し丸みを帯びた断面を有する突起又は仕切りとを示す。
図5】第2実施例による本発明の電気スイッチ組立体の断面斜視図。
図6図5の電気スイッチ組立体を下から見た斜視図。閉鎖カバーが取り外されて、プリント回路基板と、第2環状壁と、絶縁電気ケーブルを示す。第2環状壁は、プリント回路基板を囲む可撓性本体から伸び、絶縁電気ケーブルは、プリント回路基板に接続され、可撓性本体の延長部12cを通過して外側に延びる。
図7図5の実施例のスイッチ組立体を上から見た斜視図。プッシュボタンと絶縁電気ケーブルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1から図3に、本発明の第1実施例である電気スイッチ組立体10の構造を示す。この電気スイッチ組立体10は、外部に向いたプッシュボタン要素15を有する。これは、ユーザが押すと、スイッチ組立体10内に封止された電子プッシュボタン部分30を駆動するボタンである。
【0037】
プッシュボタン要素15とケーシング11は、可撓性本体12によって取り付けられる。この可撓性本体12は、プッシュボタン要素15とケーシング11の両方に関してオーバーモールドされ、ケーシング11の第1開口部11aを閉じる。その結果、ケーシング11と可撓性本体12への水の侵入は、両者の間に、オーバーモール ドによる化学的接着と化学的適合性が存在するので防止される。閉鎖カバー13は、ケーシング11の第1開口部11aの反対側にある第2開口部11bを閉じる。可撓性本体12は、電気スイッチ10のプッシュボタン部分30に面して配置された部分12aを含む。プッシュボタン要素15が押され活性化されると、プッシュボタン部分30が作動する。可撓性本体12の部分12aは、ケーシング11の空洞内に配置されるが、環状フランジ12bを有する。この環状フランジ12bは、ケーシング11の第1開口部11aに隣接するケーシングの内面に当てて配置される。
【0038】
図2は、閉鎖カバー13を除いたスイッチ組立体10を示す。これにより、ケーシング11の空洞内で、プリント回路基板14を(ケーシング11の第2開口部11bを通して)見ることができる。プリント回路基板14は、電子スイッチ要素又はデバイスを搭載し、導電体16又はケーブルが溶接により取り付けられている。導電体16は、ケーシング11の側面窓17を通って外部に出る。側面窓17は、オーバーモールドされた可撓性本体12の延長部12cによって埋められる。その結果、導電体16は、延長部12c (図3を参照) を通して埋め込まれ、それ故通路の防水性が確保される。
【0039】
第2開口部11bは、閉鎖カバー13により閉鎖される。これは、超音波手段、モリ形状の閉鎖手段 (ケーシング11の壁に引っかける閉鎖カバー13の付属物)、又は接着剤により封止される。しかし接着剤による封止は避けなければならない。
【0040】
本発明によれば、閉鎖カバー13は、その内面に環状壁18(この場合長方形の断面を有する)を含む。環状壁18は、周縁での当たり接触を確立するまで、ケーシング11の空洞に挿入される。その自由端 (好ましくは丸みを帯びた横方向プロファイルを有する) は、可撓性本体12の表面(第1開口部11aに隣接するケーシング11の空洞の内面にオーバーモールドによって取り付けられた環状フランジ12bによって提供される) を押す/圧縮する。閉鎖カバー13の環状壁18は、スイッチ構成要素を搭載するプリント回路基板14を完全に囲み、可撓性本体12の内部に適合し、それによって防水性を確保する、
【0041】
可撓性本体12が、周囲に沿って、スイッチの電子部品又はデバイスの位置の輪郭全体に押し込まれることが最も重要である。このため、閉鎖カバー13の環状壁18は、可撓性本体12に適合する。これは、絶縁された導電体16との相互作用によって引き起こされる高さの変化があっても、可能である。図4は、壁18の端部形状を示す。壁18は、ケーブル16が通過できるように設計された外辺リップ又はアーチ形の部分を有する。
【0042】
さらに、第1実施例の解決策では、閉鎖カバー13は、その内面の中央部分に配置された突起19又は仕切りを有する。その突起19は、プリント回路基板14を支持しそれを所定の位置に保ち、可撓性本体12の内部に適合する(図1を参照)。しかし同時に、プリント回路基板14が支持と反対方向の反力を受けることを、プッシュボタン15がスイッチの電子部品又はデバイスに力を与え後者がプリント回路基板14に力を与える間、防がなければならない。
【0043】
図5-7は本発明の原理が適用される第2実施例を示す。この場合、可撓性本体12をオーバーモールドする必要はなく、製造コストを削減し同様の水密状態が得られる。
【0044】
第2実施例では、可撓性本体12はケーシング11の空洞に導入され、プッシュボタン部分は、第1開口部11aを通って現れ、曲げ部12dの平坦な面によって、ケーシング11の中に保持される。曲げ部12dの平坦な面は、第1開口部11aに隣接する空洞の内側エッジ上に支持されている。プリント回路基板14は、同様に、この可撓性本体12の内部即ち屈曲部12dによって境界が定められた領域に適合している。
【0045】
この場合、閉鎖カバー13は、環状壁18を有し、その自由端(丸みを帯びた横方向プロファイルを有する) が、電子部品を完全に囲む可撓性本体12の曲げ部である屈曲部12dの平坦な面を押す。可撓性本体12自体は、ケーシング11の空洞の外側(第2開口部11b)に向かって延びる別の第2環状壁20を有する。第2環状壁20は、前記内面を押して、第2開口部11bの閉鎖カバー13の内面との周辺係合接触を確立する。
【0046】
図5に見られるように、環状壁18と第2環状壁20とは、幅が異なり、互いに非常に接近して配置され、互いに適合している。
【0047】
図5は、閉鎖カバー13の一例を示す。この閉鎖カバー13は、ケーシング11に、その側面開口22とカバー13のグリップ又は突起部21との相互係合によって、取り付けられる。環状壁18と第2環状壁20によって提供される二重バリアがあるので、プリント回路基板1 4に関連するスイッチの電子部品又はデバイスの防水性が確保される。
【0048】
図6は、図2と同様に、プリント回路基板14を示す。このプリント回路基板14は、ケーシング11の空洞内に配置された可撓性本体12の中央部分に取り付けられる。図5を参照すると、第2環状壁20は、可撓性本体18に沿って外側に延び、閉鎖カバー13の内面を押す。ケーブル16は、ケーシング11上に形成された側面窓に向かって延びる。
【0049】
図7は、図3と同様に、プッシュボタンとして機能する上部セクションを有するスイッチ組立体を示す。
【0050】
第2実施例の1つの利点は、オーバーモールドによる可撓性本体の取り付けがないため、ケーシングの材料(通常はポリマー材料)と適合性のあるエラストマーを前記可撓性本体に使用する必要がないことである。
【0051】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7