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特許7329077ウェハの欠陥を自動的に探知及び制御する方法、及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】ウェハの欠陥を自動的に探知及び制御する方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20230809BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G01N21/956 A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021566323
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(86)【国際出願番号】 CN2020088889
(87)【国際公開番号】W WO2020224612
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】202010257939.1
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910376534.7
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523194961
【氏名又は名称】ジョンフアン アドヴァンスド セミコンダクター マテリアルズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】鄭 加鎮
(72)【発明者】
【氏名】陳 建銘
(72)【発明者】
【氏名】盧 健平
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-137229(JP,A)
【文献】特開2002-107310(JP,A)
【文献】特開2008-034817(JP,A)
【文献】特開平03-029310(JP,A)
【文献】特開平02-090531(JP,A)
【文献】特表2007-504480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G01N 21/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハの欠陥を自動的に探知及び制御する方法であって、
積層して設置される少なくとも1つのウェハを提供するステップと、
各前記ウェハの欠陥情報に基づいて、欠陥分布マップを構築するステップであって、前記欠陥情報は欠陥数量、欠陥種類及び欠陥位置を含むステップと、
前記欠陥分布マップにおいて少なくとも1つの所定領域を画定するステップと、
前記欠陥位置に基づいて、各前記所定領域における所定欠陥の数量を決定するステップと、
各前記所定領域における前記所定欠陥の数量を設定閾値と比較し、比較結果に基づいて、検出結果を決定するステップと、を含み、
a)1つの前記ウェハの第1表面の前記欠陥情報に基づいて二次元欠陥分布マップを構築し、
前記所定領域は、
前記第1表面の外周線が第1円形を形成し、前記第1円形と同心の複数の第2円形と複数の前記第1円形の直径とが交差して複数の前記所定領域を限定する条件、及び
前記所定領域が、1つの前記欠陥を円心とし、所定半径で画定される円形領域であり、各欠陥が1つの前記所定領域に対応する条件のうちのいずれか一つを満たす、
または、
b)複数の前記ウェハが占める立体空間及び複数の前記ウェハの前記欠陥情報に基づいて三次元欠陥分布マップを構築し、
前記所定領域は、
前記所定領域が複数の前記ウェハが占める立体空間である条件、及び
各前記所定領域が、1つの前記欠陥を通過し且つ複数の前記ウェハの積層方向に平行な直線を中心軸線とし、所定底面半径で画定される円筒形領域であり、各前記欠陥が1つの前記所定領域に対応する条件のうちのいずれか一つを満たす、
ことを特徴とするウェハの欠陥を自動的に探知及び制御する方法。
【請求項2】
二次元欠陥分布マップを構築する時、前記所定欠陥の数量は前記所定領域におけるすべての欠陥の数量の和であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記比較結果に基づいて検出結果を決定するステップは、前記所定欠陥の数量が設定閾値よりも小さい前記所定領域を合格領域と判定し、前記所定欠陥の数量が前記設定閾値以上の前記所定領域を不合格領域と判定するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各前記所定領域の面積は前記二次元欠陥分布マップの総面積の0.5%~5%であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
三次元欠陥分布マップを構築する時、
各前記所定領域の体積は複数の前記ウェハが占める立体空間の総体積の0.5%~5%であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記所定欠陥の数量は、異なる前記ウェハの前記欠陥位置が同じである欠陥の数量であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記比較結果に基づいて検出結果を決定するステップは、
前記所定欠陥の数量が設定閾値よりも小さい前記所定領域を合格領域と判定し、前記所定欠陥の数量が前記設定閾値以上の前記所定領域を不合格領域と判定するステップ、及び
積層して設置される複数の前記ウェハは同一インゴットからのウェハであり、前記所定欠陥の数量が前記設定閾値以上であると、前記所定欠陥が前記ウェハの製造加工プロセスに起因すると判定するステップのうちのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記所定領域は複数の前記ウェハが占める立体空間であり、前記方法は、
複数の前記ウェハの画像を取得するステップであって、複数の前記ウェハは同一インゴットからのウェハであり、複数の前記ウェハのエッジに位置決め点がそれぞれ形成されるステップと、
複数の前記ウェハの画像に対して立体化オーバーレイ処理を行い、前記立体化オーバーレイ処理は前記位置決め点に基づいて行われ、それにより複数の前記ウェハのオーバーレイ画像を取得するステップと、
前記オーバーレイ画像から欠陥を検索し、少なくとも2つのウェハの同じ位置に出現する連続型欠陥が存在するか否かを決定するステップであって、前記連続型欠陥の存在は前記欠陥が前記ウェハの製造加工プロセスに起因することを指示するステップと、を含むことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
数の前記ウェハの前記画像は複数の前記ウェハに対して画像処理を行う、又は複数の前記ウェハのデータセットを再構築することで取得されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記連続型欠陥は少なくとも3つのウェハに出現することを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記連続型欠陥は前記ウェハのエッジに位置し、連続型欠陥は、
X-Y-Z空間直交座標系を構築し、前記オーバーレイ画像の表面をZ軸に垂直に設置するステップと、
前記ウェハのエッジ上の各欠陥に対応する円弧線分を決定し、前記円弧線分の中心点を前記欠陥の表現点とするステップと、
前記表現点の前記X-Y-Z空間直交座標系での座標を決定するステップと、
隣接する2つのウェハにおいて、
(1)2つの前記表現点のx軸とy軸の座標差がそれぞれ第1所定閾値よりも小さい条件、及び
(2)2つの前記表現点に対応する円弧線分の前記オーバーレイ画像の表面での投影が少なくとも部分的に重なる条件のうちの少なくとも1つを満たす2つの表現点に対応する2つの欠陥を前記連続型欠陥とするステップによって決定されることを特徴とする請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1所定閾値は2つの前記表現点に対応する円弧線分の長さに基づいて決定されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1所定閾値は2つの前記表現点に対応する円弧線分のうち小さい円弧線分の長さの50%よりも小さいことを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記連続型欠陥は前記ウェハの内部に位置し、前記方法は、
X-Y-Z空間直交座標系を構築するステップと
数の前記ウェハのデータセットを取得し、前記データセットに基づいて前記X-Y-Z空間直交座標系において複数の前記ウェハの構造を再構築するステップと
数の前記ウェハの各表面にそれぞれ欠陥領域を決定するステップと、
前記欠陥領域の中心点を前記欠陥領域の表現点として決定するステップと、
隣接する2つのウェハにおいて、
(1)2つの前記中心点のx軸とy軸の座標差がそれぞれ第2所定閾値よりも小さい条件、及び
(2)2つの前記中心点に対応する欠陥領域の前記オーバーレイ画像の表面での投影が少なくとも部分的に重なる条件のうちの少なくとも1つを満たす2つの中心点に対応する2つの欠陥領域を前記連続型欠陥とするステップと、を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項15】
第2所定閾値は2つの欠陥領域の決定可能な最長線分により決定されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2所定閾値は前記最長線分の50%よりも小さいことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記欠陥領域は複数の欠陥点によって構成されることを特徴とする請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
ウェハの欠陥を自動的に探知及び制御するシステムであって、
請求項1~17のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成され、
少なくとも1つの前記ウェハの欠陥情報に基づいて欠陥分布マップを構築するように構成され、前記欠陥情報は欠陥数量、欠陥種類及び欠陥位置を含むマップ構築ユニットと、
前記マップ構築ユニットに接続され、前記欠陥分布マップにおいて少なくとも1つの所定領域を画定するように構成される領域画定ユニットと、
前記マップ構築ユニット及び前記領域画定ユニットに接続され、各前記所定領域における所定欠陥の数量を統計するように構成される統計ユニットと、
前記統計ユニットに接続され、各前記所定領域における前記所定欠陥の数量を設定閾値と比較し、比較結果に基づいて、検出結果を決定するように構成される比較ユニットと、を含むことを特徴とするウェハの欠陥を自動的に探知及び制御するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権情報
本開示は、2019年5月7日に中国特許庁に提出された、出願番号が201910376534.7である中国特許出願、及び2020年4月3日に中国特許庁に提出された、出願番号が202010257939.1である中国特許出願の優先権を主張し、その全内容が引用により本開示に組み込まれている。
【0002】
技術分野
本開示はウェハ検出技術分野に関し、具体的には、ウェハの欠陥を自動的に探知及び制御する方法、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ウェハ製造工程では、ウェハの表面に、例えば、cop(結晶一次粒子)、pits(ピット)、particles(粒子)、scratches(スクラッチ)、slip(スリップ)、bright field defects(明視野欠陥)、pin hole(air pocket)(エアポケット)等の様々な欠陥が発生する可能性があり、現在、様々な検出装置を用いてウェハの欠陥を検出するが、単一装置の検出結果に基づいて単一欠陥の判定を行い、このような検出及び判定方法は製造されるウェハの品質を十分に確保できず、その結果、後続のチップの不良率は依然として高い。
【0004】
また、加工プロセスにおける汚染や加工自体も多くの欠陥につながり、例えば、ワイヤーカット後で形成されるソーマーク(saw mark)、片面/両面研削ムラにより形成される研削痕(grinding mark)、研磨後で形成されるバンプ(bump)又は欠陥(PID)、熱処理後で発生するずれやスリップ(slip)、搬送過程でマニピュレーターにより引き起こされる摩耗又はスクラッチ等が挙げられる。上記欠陥タイプはウェハの様々な位置に発生する可能性があり、ほとんどはウェハのエッジに発生する。検出装置はいずれもウェハを1つずつ検出するため、1つのウェハの欠陥情報からその発生原因を特定することは困難である。それにもかかわらず、特にエッジ欠陥を有するウェハがクライアントの仕様規定を満たすため、不適切な加工プロセスにより連続して発生する問題を監視することはさらに困難である。
【0005】
従って、従来のウェハ検出の関連技術はまだ改善する余裕がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は関連技術の技術的問題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。このため、本開示の1つの目的は、製造されるチップの品質をよりよく確保できるウェハの欠陥を自動的に探知及び制御する方法、及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様では、本開示は、ウェハの欠陥を自動的に探知及び制御する方法を提供する。本開示の実施例によれば、該方法は、積層して設置される少なくとも1つのウェハを提供するステップと、各前記ウェハの欠陥情報に基づいて、欠陥分布マップを構築するステップであって、前記欠陥情報は欠陥数量、欠陥種類及び欠陥位置を含むステップと、前記欠陥分布マップにおいて少なくとも1つの所定領域を画定するステップと、前記欠陥位置に基づいて、各前記所定領域における所定欠陥の数量を決定するステップと、各前記所定領域における前記所定欠陥の数量を設定閾値と比較し、比較結果に基づいて、検出結果を決定するステップと、を含む。該方法によれば、ウェハの欠陥数量と欠陥種類を制御するとともに、欠陥の分布状況をさらに制御し、欠陥の集中分布による問題を回避することができ、それにより製造されるチップの品質をよりよく確保し、所定の欠陥種類の選択によって、ウェハ加工プロセスに存在する問題を効果的に反映でき、ウェハ製造プロセスを指導することに対して重要な意義がある。
【0008】
本開示の実施例によれば、1つの前記ウェハの第1表面の前記欠陥情報に基づいて二次元欠陥分布マップを構築する。
【0009】
本開示の実施例によれば、前記第1表面の外周線は第1円形を形成し、前記第1円形と同心の複数の第2円形と前記第1円形の円心を通過する複数の直径とは交差して複数の前記所定領域を限定する。
【0010】
本開示の実施例によれば、前記所定領域は、1つの前記欠陥を円心とし、所定半径で画定される円形領域であり、各欠陥は1つの前記所定領域に対応する。
【0011】
本開示の実施例によれば、各前記所定領域の面積は前記二次元欠陥分布マップの総面積の0.5%~5%である。
【0012】
本開示の実施例によれば、前記所定欠陥の数量は前記所定領域におけるすべての欠陥の数量の和である。
【0013】
本開示の実施例によれば、前記比較結果に基づいて検出結果を決定するステップは、前記所定欠陥の数量が設定閾値よりも小さい前記所定領域を合格領域と判定し、前記所定欠陥の数量が前記設定閾値以上の前記所定領域を不合格領域と判定するステップを含む。
【0014】
本開示の実施例によれば、複数の前記ウェハが占める立体空間及び複数の前記ウェハの前記欠陥数量と前記欠陥位置に基づいて三次元欠陥分布マップを構築する。
【0015】
本開示の実施例によれば、前記所定領域は複数の前記ウェハが占める立体空間である。
【0016】
本開示の実施例によれば、各前記所定領域は、1つの前記欠陥を通過し且つ複数の前記ウェハの積層方向に平行な直径を中心軸線とし、所定底面半径で画定される円筒形領域であり、各前記欠陥は1つの前記所定領域に対応する。
【0017】
本開示の実施例によれば、前記所定欠陥の数量は、異なる前記ウェハの前記欠陥位置が同じである欠陥の数量である。
【0018】
本開示の実施例によれば、前記比較結果に基づいて検出結果を決定するステップは、前記所定欠陥の数量が設定閾値よりも小さい前記所定領域を合格領域と判定し、前記所定欠陥の数量が前記設定閾値以上の前記所定領域を不合格領域と判定するステップ、及び積層して設置される複数のウェハは同一インゴットからのウェハであり、前記所定欠陥の数量が前記設定閾値以上であると、前記所定欠陥が前記ウェハの製造加工プロセスに起因すると判定するステップのうちのいずれか一つを含む。
【0019】
本開示の実施例によれば、各前記所定領域の体積は複数の前記ウェハが占める立体空間の総体積の0.5%~5%である。
【0020】
本開示の実施例によれば、前記所定領域は複数の前記ウェハが占める立体空間であり、前記方法は、複数の前記ウェハの画像を取得するステップであって、前記複数のウェハは同一インゴットからのウェハであり、複数の前記ウェハのエッジに位置決め点がそれぞれ形成されるステップと、複数の前記ウェハの画像に対して立体化オーバーレイ処理を行い、前記立体化オーバーレイ処理は前記位置決め点に基づいて行われ、それにより前記複数のウェハのオーバーレイ画像を取得するステップと、前記オーバーレイ画像から欠陥を検索し、少なくとも2つのウェハの同じ位置に出現する連続型欠陥が存在するか否かを決定するステップであって、前記連続型欠陥の存在は前記欠陥が前記ウェハの製造加工プロセスに起因することを指示するステップと、を含む。
【0021】
本開示の実施例によれば、前記複数のウェハの前記画像は前記複数のウェハに対して画像処理を行う、又は前記複数のウェハのデータセットを再構築することで取得される。
【0022】
本開示の実施例によれば、前記連続型欠陥は少なくとも3つのウェハに出現し、好ましくは、少なくとも5つのウェハに出現する。
【0023】
本開示の実施例によれば、前記連続型欠陥は前記ウェハのエッジに位置し、連続型欠陥は、X-Y-Z空間直交座標系を構築し、前記オーバーレイ画像の表面をZ軸に垂直に設置し、前記ウェハのエッジ上の各欠陥に対応する円弧線分を決定し、前記円弧線分の中心点を前記欠陥の表現点とするステップと、前記表現点の前記X-Y-Z空間直交座標系での座標を決定するステップと、隣接する2つのウェハにおいて、(1)前記2つの表現点のx軸とy軸の座標差がそれぞれ第1所定閾値よりも小さい条件、(2)前記2つの表現点に対応する円弧線分の前記オーバーレイ画像の表面での投影が少なくとも部分的に重なる条件のうちの少なくとも1つを満たす2つの表現点に対応する2つの欠陥を前記連続型欠陥とするステップとによって決定される。
【0024】
本開示の実施例によれば、前記第1所定閾値は前記2つの表現点に対応する円弧線分の長さに基づいて決定される。
【0025】
本開示の実施例によれば、前記第1所定閾値は前記2つの表現点に対応する円弧線分のうち小さい円弧線分の長さの50%よりも小さい。
【0026】
本開示の実施例によれば、前記連続型欠陥は前記ウェハの内部に位置し、前記方法は、X-Y-Z空間直交座標系を構築するステップと、前記複数のウェハのデータセットを取得し、前記データセットに基づいて前記X-Y-Z空間直交座標系において前記複数のウェハの構造を再構築するステップと、前記複数のウェハの各表面にそれぞれ欠陥領域を決定するステップと、前記欠陥領域の中心点を前記欠陥領域の表現点として決定するステップと、隣接する2つのウェハにおいて、(1)前記2つの中心点のx軸とy軸の座標差がそれぞれ第2所定閾値よりも小さい条件、(2)前記2つの中心点に対応する欠陥領域の前記オーバーレイ画像の表面での投影が少なくとも部分的に重なる条件のうちの少なくとも1つを満たす2つの中心点に対応する2つの欠陥領域を前記連続型欠陥とするステップと、を含む。
【0027】
本開示の実施例によれば、第2所定閾値は2つの欠陥領域の決定可能な最長線分により決定される。
【0028】
本開示の実施例によれば、前記第2所定閾値は前記最長線分の50%よりも小さい。
【0029】
本開示の実施例によれば、前記欠陥領域は複数の欠陥点によって構成される。
【0030】
本開示の別の態様では、本開示はウェハの欠陥を自動的に探知及び制御するシステムを提供する。本開示の実施例によれば、該システムは、少なくとも1つの前記ウェハの欠陥情報に基づいて欠陥分布マップを構築するように構築され、前記欠陥情報は欠陥数量、欠陥種類及び欠陥位置を含むマップ構築ユニットと、前記マップ構築ユニットに接続され、前記欠陥分布マップにおいて少なくとも1つの所定領域を画定するように構成される領域画定ユニットと、前記マップ構築ユニット及び前記領域画定ユニットに接続され、各前記所定領域における所定欠陥の数量を統計するように構成される統計ユニットと、前記統計ユニットに接続され、各前記所定領域における前記所定欠陥の数量を設定閾値と比較し、比較結果に基づいて、検出結果を決定するように構成される比較ユニットと、を含む。該システムはウェハの欠陥を自動的に探知し、少なくとも1つのウェハの欠陥を領域別に統計して制御することができ、それにより製造されるチップの品質をよく確保し、歩留まりを向上させることができる。
【0031】
本開示の実施例によれば、上記システムは上記方法を効果的に実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本開示の一実施例に係る二次元欠陥分布マップの模式図である。
図2】本開示の一実施例に係る二次元欠陥分布マップの領域画定の模式図である。
図3】本開示の別の実施例に係る二次元欠陥分布マップの領域画定の模式図である。
図4】本開示の一実施例に係る三次元欠陥分布マップの模式図である。
図5】本開示の一実施例に係るウェハの欠陥を探知及び制御するシステムの構造模式図である。
図6】本開示の一実施例に係るウェハの欠陥を探知及び制御するシステムの構造模式図である。
図7】本開示の一実施例に係るウェハの欠陥を探知及び制御するシステムの構造模式図である。
図8】本開示の一実施例に係るウェハの欠陥を探知及び制御する方法において複数のウェハのオーバーレイ画像を取得する方法の模式的フローチャートである。
図9】本開示の一実施例に係るウェハの欠陥を探知及び制御する方法において複数のウェハのオーバーレイ画像を取得する。
図10】本開示の別の実施例に係るウェハの欠陥を探知及び制御する方法において複数のウェハのオーバーレイ画像を取得する。
図11】本開示の別の実施例に係るウェハの欠陥を探知及び制御する方法において複数のウェハのオーバーレイ画像を取得する。
図12】本開示の別の実施例に係るウェハの欠陥を探知及び制御する方法において複数のウェハのオーバーレイ画像を取得する。
図13】本開示の別の実施例に係るウェハの欠陥を探知及び制御する方法において複数のウェハのオーバーレイ画像を取得する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本開示の実施例を詳細に説明する。以下説明される実施例は例示的なものであり、単に本開示を解釈することに用いられ、本開示を限定しないと理解すべきである。実施例において具体的な技術又は条件が明記されていない場合、この分野の文献に説明される技術又は条件又は製品の取扱説明書に従って行う。使用される試薬又は装置について、メーカーが明記されていない限り、市販から購入できる一般的な製品である。
【0034】
本開示は開示者の以下の発見及び知識に基づいてなされるものである。
【0035】
現在、ウェハを検出するにもかかわらず製造されるウェハの品質をよく確保できないだけでなく、ウェハ加工プロセスに存在する問題を効果的に反映できない問題に対して、発明者は深く分析したところ、主な原因の1つとして、従来のウェハ検出は通常欠陥種類及び数量のみに依存して制御を行うことを見出し、例えば、10個の粒子欠陥を制御し、この10個の粒子欠陥はウェハの表面の全面に分散する可能性があり、ある領域に集中する可能性があり、又は連続型欠陥(前後ウェハ)等であり、分散する場合、製造されるチップの品質に対する影響が小さい可能性があるが、一方、1つの領域に集中する場合、欠陥集中分布領域で製造されるチップの品質に深刻な影響を与える可能性があり、即ち、従来の検出方法は製造されるチップの品質に対する欠陥分布状況の影響を考慮していない。また、現在、検出装置はいずれもウェハを1つずつ検出するため、1つのウェハに存在する欠陥からその発生原因を監視することは困難である。特にエッジ欠陥を有するウェハがクライアントの仕様規定を満たすため、不適切な加工プロセスにより連続して発生する問題を監視することはさらに困難であり、特定の方法によってプロセスに存在する問題を迅速に見つけることができれば、このような欠陥が再発する確率を根本的に減らすことができる。上記発見に基づいて、発明者は研究を重ねたところ、欠陥種類、欠陥数量及び欠陥分布を同時に考慮する検出及び制御方法を提案し、具体的には、1つのウェハを利用して検出結果(TFF、Klarf、CSV、画像等のフォーマット)を出力し、欠陥数量、欠陥種類、欠陥位置分布等の条件に対して自動判断を行い、製造されるチップの品質を確保し、又はウェハ加工プロセスにおける問題を効果的に反映する。
【0036】
この事情に鑑みて、本開示の一態様では、本開示はウェハの欠陥を自動的に探知及び制御する方法を提供する。本開示の実施例によれば、該方法は、積層して設置される少なくとも1つのウェハを提供するステップと、各前記ウェハの欠陥情報に基づいて、欠陥分布マップを構築するステップであって、前記欠陥情報は欠陥数量、欠陥種類及び欠陥位置を含むステップと、前記欠陥分布マップにおいて少なくとも1つの所定領域を画定するステップと、前記欠陥位置に基づいて、各前記所定領域における所定欠陥の数量を決定するステップと、各前記所定領域における前記所定欠陥の数量を設定閾値と比較し、比較結果に基づいて、検出結果を決定するステップと、を含む。該方法によって、ウェハの欠陥数量と欠陥種類を制御するとともに、欠陥の分布状況を制御し、欠陥集中による問題を回避することができ、それにより製造されるウェハの品質をよりよく確保でき、また、さらに欠陥分布状況によって、ウェハ加工プロセスに存在する問題を効果的に反映でき、それによりウェハ製造プロセスに対して指導的意義がある。
【0037】
本開示の実施例によれば、ウェハの材質は具体的には、シリコンウェハ、サファイア、炭化ケイ素等であってもよく、ウェハのサイズについて、特に限定せず、任意のサイズのウェハであってもよく、具体的には、直径が100mm、150mm、200mm、300mm、400mm、450mm、660mm等のウェハを含むが、これらに限定されず、ウェハの厚さは数十ミクロン又は数百ミクロンであってもよく、具体的には、18ミクロン、20ミクロン、52ミクロン、67ミクロン、600ミクロン、725ミクロン、755ミクロン、770ミクロン等が挙げられ、実際の必要に応じて柔軟に選択でき、ここでは詳細説明をしない。
【0038】
いくつかの実施例では、該方法は、1つのウェハにおける欠陥を探知及び制御することができ、このとき、1つのウェハを提供すればよく、別のいくつかの実施例では、該方法は、複数のウェハを同時に検出でき、このとき、複数のウェハを積層して設置し、具体的には、複数のウェハの円心は一直線上にあり、複数のウェハの方位は一致し、即ち、ウェハを製造する時、ウェハの特定の位置に位置決めマーク(例えば、位置決め点、位置決め溝等)を設置し、積層して設置される複数のウェハの位置決めマークは積層方向においてアライメントして設置される。このように、複数のウェハの欠陥の位置は1つの座標系において直接位置決められ、それにより分析統計を簡単に行うことができる。
【0039】
本開示の実施例によれば、該方法は、ウェハの異なる種類の欠陥を探知及び制御でき、具体的には、cop(結晶一次粒子)、pits(ピット)、particles(粒子)、scratches(スクラッチ)、slip(スリップ)、bright field defects(明視野欠陥)、pin hole(air pocket)(エアポケット)等が挙げられ、具体的には、必要に応じて、特定の一つの欠陥のみ、特定のいくつかの種類の欠陥又はすべての種類の欠陥を探知及び制御することを選択できる。
【0040】
本開示の実施例によれば、必要に応じて、該方法では、二次元平面における欠陥を探知及び制御してもよく、三次元立体空間における欠陥を探知及び制御してもよい。
【0041】
一実施形態では、1つの前記ウェハの第1表面の前記欠陥情報に基づいて二次元欠陥分布マップを構築する。ウェハの第1表面とは、ウェハの1つの円形表面であり、対応して、上記二次元欠陥分布マップは第1表面に対応する1つの円形二次元平面であり、該二次元平面に該表面のすべての欠陥及びその位置がマーキングされている。1つの具体的な実施例では、円形二次元欠陥分布マップは図1を参照でき、円形領域中の点は欠陥1であり、色合いが異なる点は異なる種類の欠陥である。
【0042】
本開示の実施例によれば、異なる画定方式によって二次元欠陥分布マップに対して領域画定を行うことができ、領域画定方式はできるだけ二次元円形平面における欠陥の分布状況をよりよく示すべきである。いくつかの具体的な実施例では、図2に示すように、前記第1表面の外周線は第1円形10を形成し、前記第1円形10と同心の複数の第2円形20と前記第1円形10の円心を通過する複数の直径11とは交差して複数の前記所定領域30を限定する。別のいくつかの具体的な実施例では、図3図3には、すべての所定領域ではなく、4つの所定領域のみが示されている)に示すように、前記所定領域30は1つの前記欠陥を円心とし、所定半径で画定される円形領域であり、各欠陥は1つの前記所定領域に対応する。上記領域画定方式によって、欠陥の集中分布状況をよりよく探知及び制御でき、さらに製造されるチップの品質をよりよく確保できる。
【0043】
ただし、各欠陥は1つの点ではなく、一定の面積を占める可能性があり、本明細書では、1つの欠陥を円心とすることは、欠陥中のいずれかの点を円心とすることであってもよく、いくつかの具体的な実施例では、欠陥の外周線で形成される図形の幾何学的中心を円心としてもよい。
【0044】
理解できるように、上記複数の第2円形の半径は異なり、第1円形から徐々に縮小してもよいが、隣接する2つの第2円形の半径差について特に限定せず、実際の領域画定の必要に応じて柔軟に選択でき、任意の隣接する2つの第2円形の半径差は同じであってもよく、異なってもよく、上記複数の直径は異なる方向の直径であり、隣接する2つの直径は一定の夾角を有し、該夾角の大きさも領域画定の必要に応じて柔軟に選択でき、任意の隣接する2つの直径の夾角は同じであってもよく、異なってもよい。
【0045】
本開示の実施例によれば、欠陥の分布状況をよりよく探知及び制御するために、各所定領域の面積は小さければ小さいほどよく、複数の所定領域はできるだけ二次元欠陥分布マップ全体にわたって均一に分布すべきであり、一方、所定領域の面積が小さいほど、統計が複雑であるため、様々な要素を考慮して、各前記所定領域の面積は前記二次元欠陥分布マップの総面積の0.5%~5%(具体的には、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%等)であるようにしてもよい。各所定領域の面積は同じであってもよく、異なってもよく、具体的には、実際の必要に応じて選択できる。
【0046】
本開示の実施例によれば、本明細書に記載される「所定欠陥」とは、一定の条件を満たす欠陥であり、具体的な条件は実際の必要に応じて選択でき、例えば、特定の一つの欠陥、特定のいくつかの種類の欠陥の和等を含むが、これらに限定されない。いくつかの具体的な実施例では、二次元平面における欠陥を探知及び制御する時、前記所定欠陥の数量は前記所定領域におけるすべての欠陥の数量の和である。つまり、二次元欠陥分布マップにおいて複数の所定領域を画定した後、各所定領域におけるすべての種類の欠陥の数量を統計し、その後、統計したすべての種類の欠陥の数量を設定閾値と比較する。
【0047】
具体的には、二次元欠陥分布マップに対して、前記比較結果に基づいて検出結果を決定するステップは、前記所定欠陥の数量が設定閾値よりも小さい前記所定領域を合格領域と判定し、前記所定欠陥の数量が前記設定閾値以上の前記所定領域を不合格領域と判定するステップを含む。
【0048】
本開示の実施例によれば、本明細書では、設定閾値は様々な使用要件に応じて手動で設定でき、品質要求が高い製品の場合、設定閾値は小さく、一方、品質要件が相対的に低い製品の場合、設定閾値は相対的に大きいようにしてもよく、具体的には、実際の必要に応じて柔軟に調整すればよい。
【0049】
1つの具体的な実施例では、該ウェハの欠陥を探知及び制御する方法は以下のステップを含んでもよい。1つの直径300mmのウェハを提供し、該ウェハの欠陥数量と欠陥位置に基づいて、二次元欠陥分布マップを構築し(図1参照)、ウェハの外周線で形成される第1円形と同心の複数の第2円形20と複数の第1円形の直径とが交差して所定領域を画定し(図2参照)、複数の第2円形の半径はそれぞれ65mm、93mm、113mm、131mm及び148mmであり、隣接する2つの直径の夾角は15度であり、その後、各所定領域におけるすべての種類の欠陥の数量を統計し、設定閾値を4とし、各所定領域におけるすべての種類の欠陥の数量を設定閾値4と比較し、すべての種類の欠陥の数量が設定閾値4よりも小さい所定領域を合格領域と判定し、すべての種類の欠陥の数量が4以上の所定領域を不合格領域(図2中の黒枠領域を参照)と判定し、色合いが異なる点は異なる種類の欠陥である。
【0050】
別の具体的な実施例では、該ウェハの欠陥を探知及び制御する方法は以下のステップを含んでもよい。1つの直径300mmのウェハを提供し、該ウェハの欠陥数量と欠陥位置に基づいて、二次元欠陥分布マップを構築し(図1参照)、二次元欠陥分布マップにおける各欠陥を円心とし、所定半径20mmで円形の所定領域を画定し(図3参照)、各欠陥は1つの前記所定領域に対応し、その後、各所定領域におけるすべての種類の欠陥の数量を統計し、設定閾値を6とし、各所定領域におけるすべての種類の欠陥の数量を設定閾値6と比較し、すべての種類の欠陥の数量が設定閾値6よりも小さい所定領域を合格領域と判定し、すべての種類の欠陥の数量が6以上の所定領域を不合格領域(図3中の黒枠領域を参照)と判定し、色合いが異なる点は異なる種類の欠陥である。
【0051】
別の実施形態では、積層して設置される複数の前記ウェハが占める立体空間及び複数の前記ウェハの前記欠陥情報に基づいて三次元欠陥分布マップを構築する。具体的には、該三次元欠陥分布マップは1つの円筒形の立体空間に対応し、具体的なサイズは積層して設置される複数のウェハが占める体積と同じであり、複数のウェハのすべての欠陥及びその位置が示されている。1つの具体的な実施例では、円筒形三次元欠陥分布マップは図4を参照でき、円筒形空間中の点は欠陥1であり、色合いが異なる点は異なる種類の欠陥である。
【0052】
本開示の実施例によれば、三次元立体空間における欠陥を探知及び制御する時、領域画定の一般的な原則は、二次元平面における欠陥を探知及び制御することと同じであるが、各所定領域が1つの立体空間になる。いくつかの具体的な実施例では、複数のウェハが占める立体空間は1つの所定領域を形成できる。別のいくつかの具体的な実施例では、図4図4には、すべての所定領域ではなく、1つの所定領域のみが示されている)に示すように、各前記所定領域は、1つの前記欠陥を通過し且つ複数の前記ウェハの積層方向に平行な直線を中心軸線とし、所定底面半径で画定される円筒形領域であり、各前記欠陥は1つの前記所定領域に対応する。上記領域画定方式によって、欠陥の集中分布状況をよりよく探知及び制御でき、さらに製造されるチップの品質をよりよく確保できる。
【0053】
ただし、上述したように、欠陥は一定の面積を占め、本明細書では、1つの前記欠陥を通過し且つ複数の前記ウェハの積層方向に平行な直線を中心軸線とすることについて、該直線は欠陥中のいずれかの点を通過することであってもよく、具体的には、該直線は該欠陥の外周線で形成される図形の幾何学的中心を通過してもよい。
【0054】
本開示の実施例によれば、各所定領域の所定底面半径は実際の必要に応じて柔軟に調整でき、欠陥の分布状況をよりよく示せばよく、複数の所定領域の所定底面半径は同じであってもよく、異なってもよい。いくつかの具体的な実施例では、欠陥分布状況をよりよく示すために、各前記所定領域の体積は複数の前記ウェハが占める立体空間の総体積の0.5%~5%(具体的には、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%等)である。それにより、複数のウェハの欠陥を効果的に制御し、領域画定が合理的であり、統計の作業負荷も過剰に大きくなることがない。
【0055】
いくつかの具体的な実施例では、三次元立体空間における欠陥を探知及び制御する時、前記所定欠陥の数量は、異なる前記ウェハの前記欠陥位置が同じである欠陥の数量である(又は連続型欠陥という)。つまり、三次元欠陥分布マップにおいて複数の所定領域を画定した後、該領域における各ウェハの欠陥を統計し、その後、異なるウェハの欠陥の位置が同じであるか否かを比較し、位置が同じで且つ異なるウェハにある欠陥の数量を記録し(位置が同じである欠陥は複数のウェハの積層方向においてアライメントし、又は、位置が同じである欠陥は複数のウェハが占める円筒形空間の底面での正投影が少なくとも部分的に重なる)。それにより、ウェハの欠陥を探知及び制御するだけでなく、ウェハ生産ラインに存在する可能性がある問題を反映でき、即ち、複数のウェハの同一位置に欠陥が出現する場合、該位置に対応するウェハ生産ラインの工程に問題が存在する。
【0056】
本開示の実施例によれば、異なるウェハにあり、且つ積層して設置される複数のウェハが占める円筒形空間の底面での正投影が少なくとも部分的に重なる欠陥を、異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥とするようにしてもよい。
【0057】
本開示の一実施例によれば、前記所定欠陥は前記ウェハのエッジに位置し、異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥は以下のステップによって決定される。
X-Y-Z空間直交座標系を構築し、積層して設置される複数のウェハが占める円筒形空間の底面をZ軸に垂直に設置し、前記ウェハのエッジ上の各欠陥に対応する円弧線分を決定し、前記円弧線分の中心点を前記欠陥の表現点とし、前記表現点の前記X-Y-Z空間直交座標系での座標を決定する。隣接する2つのウェハにおいて、
(1)前記2つの表現点のx軸とy軸の座標差がそれぞれ第1所定閾値よりも小さい条件、及び
(2)前記2つの表現点に対応する円弧線分の、積層して設置される複数のウェハが占める円筒形空間の底面での投影が少なくとも部分的に重なる条件のうちの少なくとも1つを満たす2つの表現点に対応する2つの欠陥を異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥とする。
【0058】
従って、本開示の一実施例によれば、2つの表現点のx軸とy軸の座標差がそれぞれ第1所定閾値よりも小さい場合、この2つの表現点に対応する2つの欠陥を異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥とするようにしてもよい。
【0059】
本開示の別の実施例によれば、2つの表現点に対応する円弧線分の、積層して設置される複数のウェハが占める円筒形空間の底面での投影が少なくとも部分的に重なる場合、この2つの表現点に対応する2つの欠陥を異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥とするようにしてもよい。具体的には、該重なり部分の長さはそのうちの短い円弧線分の長さの少なくとも50%である。
【0060】
本開示のさらに別の実施例によれば、2つの表現点のx軸とy軸の座標差がそれぞれ第1所定閾値よりも小さく、且つ2つの表現点に対応する円弧線分の、積層して設置される複数のウェハが占める円筒形空間の底面での投影が少なくとも部分的に重なる場合、この2つの表現点に対応する2つの欠陥を異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥とするようにしてもよい。
【0061】
本開示の具体的な実施例によれば、2つの表現点に対応する円弧線分の、積層して設置される複数のウェハが占める円筒形空間の底面での投影が少なくとも部分的に重なることについて、2つの円弧線分の一部のX座標と一部のY座標は同じであると理解してもよい。
【0062】
本開示の具体的な実施例によれば、上記第1所定閾値は、前記2つの表現点に対応する円弧線分の長さに基づいて決定される。具体的には、前記第1所定閾値は前記2つの表現点に対応する円弧線分のうち小さい円弧線分の長さの50%よりも小さい。従って、具体的には、2つの表現点のx軸とy軸の座標差が小さいほど、2つの欠陥の円弧線分の重なりが多いことを示し、この場合、2つの欠陥の位置が近いほど、関連性が大きい。よって、該所定欠陥を分析することは、ウェハ製造プロセスの最適化及び調整にさらに意義がある。
【0063】
本開示の一実施例によれば、前記所定欠陥は前記ウェハの内部に位置し、異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥を決定する方法は以下のステップを含んでもよい。
X-Y-Z空間直交座標系を構築し、積層して設置される複数のウェハが占める円筒形空間の底面をZ軸に垂直に設置し、前記複数のウェハの各表面にそれぞれ欠陥領域を決定し、前記欠陥領域の中心点を前記欠陥領域の表現点として決定し(図13に示すウェハ表面の欠陥画像の積層)、
複数のウェハにおいて、
(1)前記2つの中心点のx軸とy軸の座標差がそれぞれ第2所定閾値よりも小さい条件、及び
(2)前記2つの中心点に対応する欠陥領域の、積層して設置される複数のウェハが占める円筒形空間の底面での投影が少なくとも部分的に重なる条件のうちの少なくとも1つを満たす2つの中心点に対応する2つの欠陥領域を異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥とする。
【0064】
従って、異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥が前記ウェハの内部に位置する場合、本開示は1つのウェハに密に分布する複数の欠陥を1つの欠陥領域とし、連続する複数のウェハの同じ位置に該欠陥領域が出現する場合、該複数の欠陥領域を異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥とする。隣接する2つの欠陥領域の間、完全に同じではない場合、欠陥領域の中心点の座標差に応じて、異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥であるか否かを判断する。例えば、2つの中心点のx軸とy軸の座標差がそれぞれ第2所定閾値よりも小さい場合、異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥であると判定するようにしてもよい。2つの欠陥領域が重なるか否かに応じて、異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥であると判断するようにしてもよい。例えば、2つのウェハの2つの欠陥領域の、積層して設置される複数のウェハが占める円筒形空間の底面での投影が少なくとも部分的に重なる場合、異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥であると判定するようにしてもよい。それにより、該異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥を分析でき、ウェハ製造プロセスの最適化を指導することに用いられ、それによりウェハの品質を根本的に向上させる。
【0065】
本開示の一実施例によれば、第2所定閾値は2つの欠陥領域の決定可能な最長線分により決定される。即ち、各欠陥領域は不規則な領域である可能性があり、該不規則な領域のエッジ上の最も遠い2つの点の距離を最長線分と設定する。該第2所定閾値は最長線分の50%よりも小さい。2つの中心点のx軸とy軸の座標差がそれぞれ第2所定閾値よりも小さい場合、具体的には、2つの中心点のx軸とy軸の座標差が小さいほど、2つの欠陥領域の重なり面積が多いことを示し、この場合、2つの欠陥領域の位置が近いほど、関連性が大きい。よって、該異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥を分析することは、ウェハ製造プロセスの最適化及び調整にさらに意味がある。
【0066】
本開示の具体的な実施例によれば、上記ウェハにおける欠陥領域は複数の欠陥によって構成される。上記Z軸方向における異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥と決定される2つの欠陥領域内に少なくとも1%の欠陥が完全に同じであり、即ち、少なくとも1%の欠陥はZ軸において類似するx座標とy座標を有する。
【0067】
本開示の具体的な実施例によれば、上記異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥を決定する方法では、前記2つの中心点に対応する欠陥領域の、積層して設置される複数のウェハが占める円筒形空間の底面での投影は少なくとも部分的に重なる。具体的には、該重なり面積はそのうちの小さい欠陥領域の面積の少なくとも50%である。それにより、この2つの欠陥領域の関連性を確保でき、さらに該欠陥の発生原因をより正確に分析することで、ウェハ製造方法を指導し、ウェハの品質を向上させる。
【0068】
具体的には、三次元欠陥分布マップに対して、いくつかの実施例では、前記比較結果に基づいて検出結果を決定するステップは、前記所定欠陥の数量が設定閾値よりも小さい前記所定領域を合格領域と判定し、前記所定欠陥の数量が前記設定閾値以上の前記所定領域を不合格領域と判定するステップを含み、別のいくつかの実施例では、積層して設置される複数のウェハは同一インゴットからのウェハであり、前記比較結果に基づいて検出結果を決定するステップは、前記所定欠陥の数量が前記設定閾値以上であると、前記所定欠陥が前記ウェハの製造加工プロセスに起因すると判定するステップを含む。
【0069】
1つの具体的な実施例では、該ウェハの欠陥を探知及び制御する方法は以下のステップを含んでもよい。直径が300mmで積層して設置される複数のウェハを提供し、積層して設置される複数の前記ウェハが占める立体空間及び複数の前記ウェハの前記欠陥数量と前記欠陥位置に基づいて三次元欠陥分布マップを構築し(図4参照)、その後、三次元欠陥分布マップにおいて所定領域を画定し、各所定領域は、1つの前記欠陥を通過し且つ複数の前記ウェハの積層方向に平行な直線を中心軸線とし、所定底面半径2mmで画定される円筒形領域であり、各前記欠陥は1つの前記所定領域に対応し、その後、各所定領域における異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥の数量を統計し、設定閾値2と比較し、異なるウェハにおける同じ欠陥位置の欠陥の数量が設定閾値よりも小さい所定領域を合格領域と判定し、異なるウェハにおける同じ欠陥位置の欠陥の数量が設定閾値2以上の所定領域を不合格領域(図4に示される所定領域30を参照)と判定する。
【0070】
別の具体的な実施例では、該ウェハの欠陥を探知及び制御する方法は以下のステップを含んでもよい。直径が300mmで積層して設置される複数のウェハを提供し、積層して設置される複数の前記ウェハが占める立体空間及び複数の前記ウェハの前記欠陥数量と前記欠陥位置に基づいて三次元欠陥分布マップを構築し、複数のウェハが占める空間を1つの所定領域とし、その後、該所定領域における異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥の数量を統計し、設定閾値2と比較し、異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥の数量が2以上である場合、前記所定欠陥が前記ウェハの製造加工プロセスに起因すると判定する。
【0071】
本開示の実施例によれば、各ウェハの欠陥数量、欠陥種類及び欠陥位置は一般的な方法によって検出可能であり、例えば、結晶一次粒子、ピット、粒子、スクラッチ、明視野欠陥やスリップ等の欠陥は、レーザー走査(例えば、KLA SPシリーズ、Hitachi LSシリーズレーザー走査装置)、SIRD検出、赤外線走査等によって検出可能であり、エアポケットは赤外線走査、X線等によって検出可能であり、検出後、装置は検出データを出力する。検出データはウェハの画像であってもよく、すべての欠陥情報ドキュメントであってもよく、該方法では、上記ウェハの画像(欠陥画像、検出画像)又は欠陥情報ドキュメントに基づいて欠陥分布マップを直接構築してもよい。
【0072】
別の具体的な実施例では、該ウェハの欠陥を探知及び制御する方法は、複数のウェハが占める空間を1つの所定領域とし、同一インゴットからの複数のウェハの画像を取得するステップであって、前記複数のウェハのエッジにそれぞれ位置決め点が形成されているステップと、前記複数のウェハの画像に対して立体化オーバーレイ処理を行うステップであって、前記立体化オーバーレイ処理は前記位置決め点に基づいて行われ、それにより前記複数のウェハのオーバーレイ画像を取得するステップと、前記オーバーレイ画像から欠陥を検索し、少なくとも2つのウェハの同じ位置に出現する連続型欠陥が存在するか否かを決定するステップであって、前記連続型欠陥の存在は前記欠陥が前記ウェハの製造加工プロセスに起因することを指示するステップと、を含んでもよい。現在、従来のウェハ検出方法はほとんど1つのウェハを検出する。発明者は、ウェハを1つずつ検出するため、ウェハの欠陥がさらに独立し、欠陥の統計分析に不利であり、さらに無形で関連付けられている欠陥を分離してしまう可能性があることを見出した。従って、発明者は、1つのウェハの検出では複数のウェハに欠陥の共通性と関連性が存在することを発見できず、それにより該欠陥の発生原因を分析することはさらに困難であると判断する。従って、同一インゴットからの複数のウェハの画像を統合してオーバーレイ画像を形成し、オーバーレイ画像から欠陥を検索し、連続型欠陥が存在するか否かを決定することを提案して、連続欠陥が少なくとも2つのウェハの同じ位置に出現し、該連続型欠陥の存在は欠陥がウェハの製造プロセスに起因することを指示する。従って、本開示の上記実施例の方法は、各ウェハの欠陥間に存在する共通性と関連性を簡単かつ明確に発見でき、それにより欠陥の統計分析が容易になる。ウェハプロセスに発生する欠陥は加工装置又はプロセスが不適切であることにより連続的に発生し、従って、該方法は各生産バッチのウェハの欠陥分布状况を監視でき、連続的に発生する場合、できるだけ早くリアルタイムに発見して修正し、生産性を向上させ、損失を削減させる。
【0073】
具体的には、同一インゴットからの複数のウェハの画像を取得し、前記複数のウェハのエッジにそれぞれ位置決め点が形成され、前記複数のウェハの画像に対して立体化オーバーレイアライメント処理を行い、前記立体化オーバーレイ処理は前記位置決め点に基づいて行われ、それにより前記複数のウェハのオーバーレイ画像を取得する。該立体化オーバーレイ処理方式は平行アライメント処理、傾斜アライメント処理、回転アライメント処理等の方式であってもよい。以下の実施例では、立体化オーバーレイ処理は平行アライメント処理方式によって説明され、該技術的解決手段の保護は具体的なアライメント方式に限定されない。
【0074】
本開示の実施例によれば、複数のウェハの画像は、複数のウェハに対して画像処理を行う、又は複数のウェハのデータセットを再構築することで取得される。即ち、1つのウェハを製造した後、走査してこの1つのウェハの立体画像を取得し、又は取得したこの1つのウェハの立体画像を1つのウェハデータセットに基づいて再構築する。
【0075】
具体的には、各ウェハの画像エッジにそれぞれ位置決め点が形成され、各画像の位置決め点に基づいて、複数のウェハの画像に対して元の順序で平行アライメント処理を行い、複数のウェハのオーバーレイ画像を取得する。
【0076】
本開示の具体的な実施例によれば、OPENGLプラットホーム又はDirectXプラットホームを用いて複数のウェハのオーバーレイ画像を作成することができる。
【0077】
本開示の1つの具体的な実施例によれば、オーバーレイ画像の種類を選択し、画像ファイル又はデータファイルを読み込んで選択するステップと、画像ファイルを処理してカットする又はデータファイルから画像ファイルに変換するステップと、画像ファイルを透明処理するステップと、3D空間を作成し、前記3D空間を使用して画像ファイルを読み込んでオーバーレイし、オーバーレイ画像を取得するステップとによってオーバーレイ画像を作成する(図8参照)ようにしてもよい。
【0078】
本開示の具体的な実施例によれば、上記ステップでは、画像ファイルは加工パラメータ及び表面パラメータを含んでもよい。加工パラメータは、厚さ、たわみ、反り、平坦度、ナノトポグラフィ等を含んでもよく、表面パラメータは、スクラッチ、クラック、ソーマーク、エアポケット、コバ欠け等を含んでもよい。
【0079】
本開示の具体的な実施例によれば、上記方法によって製造されるオーバーレイ画像は図9~12に示される。具体的には、図9はウェハの厚さ画像のオーバーレイ、図10はウェハ表面のナノトポロジー画像のオーバーレイ、図11はウェハのSPV画像のオーバーレイ、図12は3Dウェハの厚さ画像のオーバーレイである。
【0080】
具体的には、前記オーバーレイ画像から欠陥を検索し、連続型欠陥が存在するか否かを決定し、前記連続型欠陥は少なくとも2つのウェハの同じ位置に出現し、前記連続型欠陥の存在は前記欠陥が前記ウェハの製造プロセスに起因することを指示する。
【0081】
それにより、複数のウェハをオーバーレイして形成されるオーバーレイ画像を観察することで、欠陥の関連性を発見できる。例えば、連続するいくつかのウェハの同じ位置に、同じ欠陥が出現する。さらにこの連続する欠陥の関連性を確立し、この欠陥を連続型欠陥と定義し、さらに該連続型欠陥の発生原因がウェハ製造プロセスのどのステップに起因するかを分析し、それにより製造プロセスの最適化又は調整を指導する。
【0082】
本開示の一実施例によれば、上記連続型欠陥は少なくとも3つのウェハに出現する必要がある。1つ又は2つのウェハのみに出現する欠陥は偶発的であり、ランダムに出現する可能性もあり、従って分析対象とならず、さらに連続型欠陥として確認することができない。
【0083】
本開示の具体的な実施例によれば、上記連続型欠陥は好ましくは少なくとも5つのウェハに出現する。それにより、該欠陥はウェハ製造プロセスに起因すると判断できる。その発生原因を分析することは、製造プロセスの最適化及び調整のためにより価値がある。
【0084】
ただし、該連続型欠陥の決定方法は上記異なるウェハの同じ欠陥位置の欠陥の決定方法と同じであるため、ここでは詳細説明を省略する。
【0085】
本開示の上記方法は、ウェハ表面の欠陥分布を自動的に監視し、表面に特定の欠陥があるウェハを効果的に遮断することができ、従来のシリコンウェハ表面の欠陥数量を制御する検出方法では実現できない欠陥分布を考慮に入れる効果を実現でき、さらに特定の欠陥があるウェハはクライアント側に異常が発生してクライアント側の歩留まりを損なう問題を回避し、クライアントの満足度を効果的に向上させることができる。
【0086】
本開示の別の態様では、本開示はウェハの欠陥を自動的に探知及び制御するシステムを提供する。本開示の実施例によれば、図5に示すように、該システムは、少なくとも1つの前記ウェハの欠陥情報に基づいて欠陥分布マップを構築するマップ構築ユニット100と、前記マップ構築ユニット100に接続され、前記欠陥分布マップにおいて少なくとも1つの所定領域を画定するように構成される領域画定ユニット200と、前記マップ構築ユニット100及び前記領域画定ユニット200に接続され、各前記所定領域における所定欠陥の数量を統計するように構成される統計ユニット300と、前記統計ユニット300に接続され、各前記所定領域における前記所定欠陥の数量を設定閾値と比較し、比較結果に基づいて、検出結果を決定するように構成される比較ユニット400と、を含む。該システムは、ウェハの欠陥を自動的に探知し、少なくとも1つのウェハの欠陥を領域別に統計して制御することができ、それにより製造されるウェハの品質をよりよく確保し、歩留まりを向上させることができる。
【0087】
本開示の実施例によれば、図6に示すように、該システムは、前記比較ユニット400に接続され、前記検出結果を出力するように構成される結果出力ユニット500をさらに含んでもよい。それにより、技術者は検出結果を簡単に閲覧できる。
【0088】
本開示の実施例によれば、上記システムは上記方法を効果的に実行でき、各ユニットの具体的な動作プロセスは以上説明された方法を参照できるため、ここでは詳細説明を省略する。
【0089】
いくつかの実施例では、上記検出した検出データドキュメントをマップ構築ユニットに直接入力し、欠陥分布マップの構築を行い、その後、後続のステップを行うようにしてもよい。別のいくつかの実施例では、図7に示すように、該システムは、ウェハの欠陥を検出するように構成される検出ユニット600をさらに備えてもよく、該検出ユニット600はマップ構築ユニットに接続され、ウェハの欠陥を自動的に検出し、検出データを生成し、マップ構築ユニットに出力することができ、その後、後続のステップを順次行う。
【0090】
本明細書の説明では、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」等を参照する説明は、該実施例又は例を参照しながら説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な表現は必ずしも同じ実施例又は例に対するものではない。そして、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性はいずれか1つ又は複数の実施例又は例において適宜組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者は本明細書で説明される異なる実施例又は例及び異なる実施例又は例の特徴を組み合わせることができる。
【0091】
以上、本開示の実施例を示しながら説明したが、理解できるように、上記実施例は例示的なものであり、本開示を限定しないと理解すべきであり、当業者は本開示の範囲内を逸脱せずに上記実施例に対して変化、変更、置換や変形を行うことができる。
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