(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】高出力LED用の埋め込み可能モジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230809BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20230809BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20230809BHJP
A61B 1/06 20060101ALI20230809BHJP
A61B 1/07 20060101ALI20230809BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20230809BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20230809BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20230809BHJP
F21W 131/20 20060101ALN20230809BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230809BHJP
【FI】
F21S2/00 610
G02B7/02 B
G02B7/02 A
G02B3/00
A61B1/06 530
A61B1/07 730
H01L33/00 L
F21S2/00 330
F21V17/00 200
F21V5/00 510
F21W131:20
F21Y115:10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022122459
(22)【出願日】2022-08-01
(62)【分割の表示】P 2018542988の分割
【原出願日】2016-10-28
【審査請求日】2022-08-31
(32)【優先日】2015-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518150541
【氏名又は名称】アセラ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルート,トーマス・ブイ
(72)【発明者】
【氏名】デービス,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】クック,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,カールトン
(72)【発明者】
【氏名】レオ,デービッド
(72)【発明者】
【氏名】エプスタイン,マイケル・エス
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0201100(US,A1)
【文献】特開2002-345748(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02B 7/02
G02B 3/00
A61B 1/06
A61B 1/07
H01L 33/00
F21V 17/00
F21V 5/00
F21W 131/20
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光モジュールであって:
近位末端から遠位末端へ延びる中空チャンバーを提供するハウジングと;
前記中空チャンバー内に位置し、レンズ本体を有するレンズであって、前記レンズ本体が:
光源から光を受けるように構成されている入力面、および
前記入力サービスで受けた前記光の一部が前記レンズを出るように構成されている出力面、
を備える、レンズと;
前記中空チャンバーに、前記近位末端で連結し、光を前記レンズの前記入力面に提供するように構成されている光源と;
アダプターであって:
前記中空チャンバーの前記遠位末端に、取り出し可能かつ交換可能に結合し、かつ
光ガイドの近位部を受容して、前記光ガイドが前記アダプターの内部にしっかりと取り付けられて、前記レンズの前記出力面を出射する前記光の少なくとも一部を受ける
ように構成されているアダプターと;
を備える光モジュール。
【請求項2】
前記中空チャンバーに内に配置され、前記レンズの前記出力面に光学的に結合した光学ウインドであって、その内部を、前記レンズを出射する前記光が通るようになっている光学ウインドをさらに備える、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記光源が、発光ダイオード(LED)を備える、請求項1または2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記光ウインドが、サファイアウインドおよび石英ウインドのいずれかを備える、請求項2~3のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記ハウジングの遠位末端に配置された複数の内部ネジ山を、さらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項6】
前記遠位末端に脱着可能に結合するために適合したリングをさらに備える、請求項5に記載の光モジュール。
【請求項7】
前記リングが、前記ハウジングの前記遠位末端で前記内部ネジ山との係合に適合した複数の内部ネジ山を備え、前記リングが、前記アダプターに結合するための開口部を、任意選択的に含む、請求項6に記載の光モジュール。
【請求項8】
前記光学ウインドと前記リングとの間に配置されたガスケットをさらに備える、請求項7に記載の光モジュール。
【請求項9】
前記光ガイドが、光ファイバーを備える、請求項8に記載の光モジュール。
【請求項10】
その上にLEDが配設されるプリント回路基板をさらに備え、前記プリント回路基板が、電力を上記LEDに適用するために複数の導線を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項11】
前記ハウジングの前記近位末端に結合されたプレートをさらに備え、前記プレートが、前記導線が電源に結合するためにそこを通って延びる複数の穴を有する、請求項10に記載の光モジュール。
【請求項12】
前記ハウジングが、実質的に円筒形を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項13】
前記少なくとも1つのショルダーが、少なくとも1つのスリーブにより、前記カラーに接触するように提供される、請求項1~3のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項14】
前記レンズは、前記入力面を有する近位セクションと、前記出力面を有する遠位セクションと、を備えるレンズ本体を備え、
前記近位セクションは、実質的に楕円形の外周面をさらに備え、前記楕円形の外周面は、前記入力面を介してレンズ本体に入射する光の少なくとも1部を受容し、かつ、前記受容した光の少なくとも一部を、内部全反射によって、前記遠位セクションに方向付け、前記遠位セクションに方向付けられた前記光の少なくとも一部が、前記出力面を通って前記レンズ本体を出射するようにする、請求項1~13のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項15】
前記楕円形の外周面は、近位焦点および遠位焦点により特徴付けられ、かつ、前記楕円形の外周面は、前記遠位焦点が前記レンズ本体の遠位セクションに位置するような形状になっている、請求項14に記載の光モジュール。
【請求項16】
前記レンズ本体は、ポリマー材料を含んでなり、前記ポリマー材料が任意選択的に、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、および高密度ポリエチレンのうちの任意のものである、請求項14または15に記載の光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2015年10月28日に出願された出願番号第62/247,454号を有する「光出力LED用の埋め込み可能モジュール(Embeddable module for light output LED)」という表題の仮特許出願、および2015年10月28日に出願された出願番号第62/247,451号を有する「高出力LED用の楕円形光学レンズ(Elliptical optical lens for high output LED)」という表題の仮特許出願、および2015年10月28日に出願された出願番号第62/247,456号を有する「ハンドヘルドモバイル光源(Handheld mobile light source)」という表題の仮特許出願の優先権を主張し、これらはそれぞれ引用により全部、本明細書に編入する。
【0002】
本出願はまた、本出願と同時に出願され、引用によりそれらの全部、本明細書に編入する「高出力LED用の楕円形光学レンズ」および「ハンドヘルドモバイル光源」という表題の実用出願に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
本発明は一般に、内視鏡のような種々の装置に埋めて視野を照明する光を提供することができる光モジュールに関する。多くの態様で、光モジュールは高強度、低発熱光を提供することができる。
【発明の概要】
【0004】
一つの態様では光モジュールが開示され、これは近位末端から遠位末端へ延びる中空チャンバーを提供するハウジング(例えばハンドヘルドハウジング)、および中空チャンバー内に位置するレンズ、ここでレンズは光源から光を受ける入力面、および光がレンズを通って出る出力面を備えたレンズ本体を有する。レンズはさらにレンズ本体を少なくとも部分的に囲むカラー(collar)を含む。光モジュールはさらにレンズに機械的支持を提供するために、中空チャンバー内でレンズカラーに接して配置された少なくとも一つのショルダーを含む。例としてショルダーはレンズカラーと接して設置される少なくとも一つのスリーブにより提供され、レンズに機械的支持を与えることができる。光をレンズの入力面に提供するために、光源が中空チャンバーにその近位末端で結合する(例えば中空チャンバー内に配置される)。幾つかの態様では、光モジュールは、レンズを出る光が光モジュールを出る前に光学ウインドを通過するように、中空チャンバー内に配置され、そしてレンズの出力面に光学的に結合した光学ウインドを含むことができる。多くの態様ではレンズは中空チャンバーに取り出し可能かつ交換可能に配置する場合がある。
【0005】
様々な光源を使用することができる。幾つかの態様では、光源は1もしくは複数の発光ダイオード(LED)を含む場合がある。紫外線、赤外線、遠赤外線および電磁気スペクトルの可視部分の波長のような異なる波長で放射線を発する様々なLEDを使用する場合がある。
【0006】
光学ウインドは、様々な材料から形成することができる。適切な材料の幾つかの例には、限定するわけではないが、サファイア、石英およびガラスがある。幾つかの態様では、ウインドは特定の波長の光を遮断する一方、他の波長の通過を可能とするフィルターとしても機能することができる。例えば光学ウインドは、ハイパス、ロウパスまたはバンドパ
スフィルターとして機能することができる。例として、光学ウインドは紫外線および赤外線の波長を遮断できるが、可視波長は通過できるようにする。
【0007】
幾つかの態様では、光モジュールは光モジュールのハウジング、例えばその遠位末端に、取り出し可能かつ交換可能に結合された保持ウインドをさらに含む。例として幾つかのそのような態様では、保持ウインドは、光モジュールのハウジングの遠位末端に提供された複数のネジ山(例えば内部ネジ山)に取り出し可能かつ交換可能に係合することができる複数のネジ山を含む場合がある。
【0008】
幾つかの態様では、保持ウインドは、遠位開口部を介して(例えば光ガイドが接続されるアダプターを介して)光ガイドへ結合するために、近位開口部から遠位開口部へ延びる内部通路を含む場合がある。
【0009】
幾つかの態様では、ガスケットを保持ウインドと光学ウインドとの間に配置して、それらの間に封止を提供する場合がある。そのような幾つかの態様では、保持ウインドがガスケットを押して封止を提供し、そしてさらに光学ウインドに機械的支持を提供する。
【0010】
光源(例えばLED)は、モジュールのハウジング内に、例えばその近位末端で配置されたプリント回路(PC)基板上に取り付けられる場合がある。基板はさらに電力を光源に供給するために、光モジュールを電源に結合するための複数の導線を含む場合がある。さらにプレートがモジュールのハウジングの近位末端に接続されて、ハウジング内の上の構成要素を確実に保持することを容易にし、そして場合によってはハウジング内部を外部環境から封止することを促進する場合がある。プレートは導線を電源に接続するために突き出ることができる複数の開口部を含む場合がある。
【0011】
幾つかの態様では、レンズは前記入力面を有する近位セクション(proximal section)から前記出力面を有する遠位セクション(distal section)に延びるレンズ本体を含む。近位セクションはさらに、遠位セクションに向けられる光の少なくとも一部が前記出力面を通ってレンズ本体から出るように、前記入力面を介してレンズ本体に入る少なくとも一部の光を受け、そして受けた光の少なくとも幾らかを全内反射を介して遠位セクションに向ける実質的に楕円形の外周面(elliptical
peripheral surface)を備える。外周楕円面は、近位焦点および遠位焦点により特徴付けることができる。幾つかの態様では、遠位焦点がレンズに対して外側、例えばレンズの出力面上で少し離れて位置する。例えば遠位焦点は、光ガイドが光モジュールに結合すると、光ガイドの近位末端内になるように、レンズ本体の外側で出力面の上で少し離れてた位置とすることができる。他の態様では、遠位焦点はレンズの本体の遠位セクションに位置することができる。幾つかの態様では、遠位焦点はレンズの出力面に配置する場合がある。さらに幾つかの態様では、楕円面の近位焦点は例えば光源に、または光源の近傍に配置する場合がある。
【0012】
幾つかの態様では、レンズカラーがレンズ本体の近位と遠位セクションとの間の境界に配置される。
【0013】
幾つかの態様では、レンズは中央凸部および中央凸部を囲む外周部を有する入力面を有する場合がある。幾つかの態様では、入力面の外周部は外周部を介してレンズ本体に入る光の少なくとも一部がそれにより反射されることになる外周楕円面に広がるように構成される。幾つかの態様では、入力面の外周部は、その部分を介してレンズ本体に入る光の少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%(そして好ましくは100%)が、それにより反射されるレンズ本体の外周面に広がるように形成される。幾つかの態様では、入力面の外周部は近位凹区分(segment)および遠位凸区
分を含む。
【0014】
幾つかの態様では、入力面の凸部および/または楕円形の外周面が約50~約300Dの範囲の正の屈折力(positive optical power)を現す場合がある。幾つかの態様では、入力面の凸部は、その部分を介してレンズ本体に入る光が、楕円形の外周面を打つことなくレンズの出力面に広がるように構成される。
【0015】
幾つかの態様では、入力面が光源の少なくとも一部を受けるように構成された孔を形成する。幾つかの態様では、楕円外周面の近位焦点が孔内に配置される。
【0016】
幾つかの態様では、レンズの入力面が光源により発光される光の少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%(そして好ましくは100%)を捕捉するように構成される。
【0017】
幾つかの態様では、レンズ本体は光軸について回転的に対称であり、そしてその出力面が実質的に平らであり、そしてその軸に直交している。
【0018】
光モジュールの様々な構成要素は、種々の異なる材料で形成する場合がある。例えばレンズは任意の適切なポリマー材料、例えばポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)で形成する場合がある。LEDが電磁気スペクトルの赤外線領域の放射線を発する場合、レンズは高密度ポリエチレン(HDPE)で形成する場合がある。幾つかの態様では、モジュールのハウジングおよび/またはスリーブは金属またはプラスチックで形成する場合がある。
【0019】
関連する態様では光モジュールが開示され、これは近位末端から遠位末端へ延びる中空チャンバーを提供するハウジング、および中空チャンバー内に位置するレンズを含み、ここでレンズは光源から光を受ける入力面、およびレンズ本体を出る光が通る出力面、およびその上の入射光を全内反射を介して出力面に向ける外周楕円面を備えたレンズ本体を有し、該レンズはさらにレンズ本体を少なくとも部分的に囲むカラーを備えている。光モジュールはさらにレンズをハウジング内に配置するために、上にレンズカラーを設置できる少なくとも一つのショルダーを含む。光をレンズに提供するために、光源、例えばLEDが中空チャンバーに例えばその近位末端で結合する。幾つかの態様では、レンズを出る光が光モジュールを出る前に光学ウインドを通過するように、光学ウインドが中空チャンバー内に配置され、そしてレンズの出力面に光学的に結合される。幾つかの態様では、ショルダーをハウジングの一部として形成する場合がある。他の態様では、ショルダーはモジュールのハウジング内に配置されるスリーブにより提供される場合がある。
【0020】
関連する態様では、視野に照明を提供する装置が開示され、これはハウジング、ハウジングに結合した取り出し可能かつ交換可能な光モジュール、およびハウジングに機械的に結合し、そして光モジュールに光学的に結合してそこから光を受ける1もしくは複数の光ガイドを含む。幾つかの態様では、ハウジングは光モジュールを受けるためのエンクロージャーを含む。そのような幾つかの態様では、光ガイド(1もしくは複数)がハウジング内に、そして光モジュールに光学的に結合して配置されて、そこから光を受ける。光ガイド(1もしくは複数)は、ハウジング内の開口部に延びることができ、そこを通って光ガイド(1もしくは複数)を出る光は装置を出て視野を照らすことができる。例として装置は内視鏡、外科医術用ヘッドライト、ビデオカメラ、開創器、検鏡、および高い強度、高品質光が要求される他の装置の場合がある。
【0021】
例としてそのような装置は内視鏡の場合がある。そのような幾つかの態様では、内視鏡は使い捨ての内視鏡の場合がある。
【0022】
関連する態様では光モジュールが開示され、これは近位末端から遠位末端に延びる中空チャンバーを提供するハウジング、該中空チャンバー内に位置するレンズ、該レンズは光源から光を受ける入力面、およびレンズ本体を出る光が通る出力面を備えたレンズ本体を有し、前記レンズはさらに該レンズ本体を少なくとも部分的に囲むカラーを備える。光モジュールはさらに該カラーを上に設置する少なくとも一つのショルダーを含む。光をレンズの入力面に提供するために、光源が中空チャンバーに遠位末端で結合する。
【0023】
幾つかの態様では、レンズを出る光が光モジュールを出る前にウインドを通過するように、光学ウインド(例えばサファイアまたは石英で形成されている)が中空チャンバー内に配置され、そしてレンズの出力面に光学的に結合される。
【0024】
幾つかの態様では、光モジュールは中空チャンバー内に配置された少なくとも一つのスリーブを含み、これはレンズを保持するためのショルダーを提供する。幾つかの態様では、ショルダーはハウジングの内壁からハウジングに延びる突起として形成される。
【0025】
幾つかの態様では、レンズは、該入力面を介してレンズ本体に入る光の少なくとも一部を受け、そして該受けた光を全内反射を介して出力面に向ける外周面を含む。幾つかの態様では、外周面は入力焦点および出力焦点を特徴とする先端が切断された楕円形を有する。そのような幾つかの態様では、入力焦点は光源に、または光源の近傍に位置し、そして出力焦点は該レンズに対して外側の、レンズの出力面上で少し離れて位置する。他の態様では、出力焦点はレンズの内側、例えばレンズの出力面下または出力面に配置される。
【0026】
幾つかの態様では、光モジュールはハウジングの遠位末端に取り出し可能かつ交換可能に結合した保持ウインドを含む場合がある。保持ウインドは、該光ガイドを光モジュールに光学的に結合するために、アダプターハウジングを1もしくは複数の光ガイドに結合するように構成する場合がある。
【0027】
本発明の様々な態様のさらなる理解は、以下に簡単に説明する関連図面と一緒に、以下の詳細な説明を参照することにより得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本教示の態様による光モジュールの概略図である。
【
図2A】
図1に表した光モジュールの断面図であり、その様々な構成要素を具体的に説明する。
【
図2B】
図1に表した光モジュールの概略分解図である。
【
図3】
図1の光モジュールおよび光モジュールに結合することができる光ガイドアダプターを概略的に表す。
【
図4】本教示による光モジュールが埋め込まれている例示的な内視鏡を概略的に表す。
【
図5】本教示による光モジュールで使用するために適するレンズの概略断面図である。
【
図6】別の態様による光モジュールの概略断面図である。
【
図7】
図6に表す光モジュールに使用されているレンズの概略斜視図である。
【
図8】別の態様による光モジュールの最上面(top)斜視図である。
【
図9】
図8に表す光モジュールの別の最上面斜視図である。
【
図10】
図8に表す光モジュールの底面(bottom)斜視図である。
【
図15】光モジュールのウインドリングの最上面斜視図である。
【
図17】光モジュールの光学ウインドの斜視図である。
【
図18】光モジュールのレンズの最上面斜視図である。
【
図19】光モジュールのレンズの別の最上面斜視図である。
【
図20】光モジュールのレンズの底面斜視図である。
【
図24】光モジュールのレンズの側面断面図である。
【
図25】光モジュールのレンズの底面側面断面図である。
【
図26】レンズを保持するように構成された光モジュールのハウジング部分の最上面斜視図である。
【
図28】一態様による光モジュールに使用されたLEDの最上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明
本発明は一般に、医療用および工業用内視鏡のような様々な装置に取り込んで、装置がそれらの意図する目的に使用されるとき、視野を照らす光を提供することができる光モジュールに関する。以下に詳細に検討するように、多くの態様において、光モジュールは内視鏡のような装置に取り出し可能かつ交換可能に埋め込まれて、光源(LED)により発光される光を装置の光ガイド(例えば光ファイバーまたは光ファイバーの束)に効率的に移すことができる。特に多くの態様では、光モジュールはLEDにより発光される光を広い角度にわたって集め、そしてその光を収束してガイドに効率的に結合するためのレンズを使用する。
【0030】
様々な用語は、本明細書では当該技術でそれらの通例の意味と一致して使用する。さらに説明の例として幾つかの用語を以下に定義する:
用語「屈折力(optical power)」は本明細書では当該技術でその通例の意味と一致して使用し、光学素子または面が入射光を収束または広げる程度を称し、そして面の素子の焦点距離の逆数に等しい。
【0031】
用語「開口数(numerical aperture)」は本明細書では当該技術でその通例の意味と一致して使用し、光学素子またはシステムが光を発するか、または受けることができる角度の範囲を特徴付ける無次元数を指す。
【0032】
本明細書で使用する用語「楕円面」または類似の用語は、楕円のセクションとして形成される面を指す。換言すると、楕円面は先端が切り取られた楕円の形態である。
【0033】
本明細書で使用する用語「約」はおよそ数値の最大10%の変動を示すことを意図している。
【0034】
本明細書で使用する用語「実質的に」とは、完全な状態または条件に対して5%未満の偏差を示すことを意図している。
【0035】
図1、2A、2Bおよび3に関して、本教示の態様による光モジュール100は、近位末端(PE)から遠位末端(DE)へ延びる中空チャンバー104を提供する実質的に円
筒形のハウジング102を含む。以下により詳細に検討するように、中空チャンバー104は光モジュールの複数の構成要素を収容する場合がある。
【0036】
より具体的には光モジュール100はプリント回路基板106を含み、その上に発光ダイオード(LED)108が取り付けられる。回路基板106は、電力をLED108に供給し、そして場合によってはLED108により発光される光の強度を制御するために、回路基板を電源に結合するための一対の導線108a/108bを含む。幾つかの態様では、LED108は約1mm×1mmの発光面を有することができ、そして広帯域で連続する可視光、例えば約470から700nmの間の波長を発光するために、波長変換材料(例えばリン)でコートすることができる。幾つかの態様では、LED108により発光される光は、約160度の拡角(すなわち中の約90%の光が発光する角度)を有する。幾つかの態様では、LED108は高電力LED(例えばLuxeon III Model LXHL-LW3C)であり、これは典型的な3.7Vの順電圧および典型的な700mAの操作電流で操作することができる。一般に、様々なLEDを使用でき、それらには様々な異なる波長、例えば430nm,470nm、近赤外線、赤外線または可視で放射線を提供するLEDを含む。幾つかの態様では、多数のLEDを使用することができる。
【0037】
光モジュール100はさらに、LED108を少なくとも一部受けるための孔を形成する入力面114を提供するレンズ本体112aを有するレンズ112を含む。LEDにより発光される光の少なくとも一部が、入力面114を介してレンズ本体に入る。幾つかの態様では、入力面114はLED108により発光される光の少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%(そして好ましくは100%)を受ける。レンズ112はさらに、レンズ本体を出ることができる光が通る出力面116を含む。以下に詳細に検討するように、レンズ112はさらに、レンズ本体を部分的に囲むカラー118を含む。カラー118は、より下の面118aおよびより上の面11bを含む。
【0038】
幾つかの態様では、光は約0.5~約0.9、例えば0.66または0.88の範囲の開口数を持つレンズを出る。幾つかの態様では、レンズを出る光に関連する開口数が、光の光ガイドへの効率的結合を可能にするようにレンズは構成され、光ガイドは出力面から光を受けるためにレンズの出力面に光学的に結合される。例えば幾つかの態様では、レンズを出る光に関連する開口数は、レンズから光を受ける光ファイバー(または光ファイバーの束)の入力開口数に実質的に等しくなり得る。複数の異なる種類の光ガイドを使用する場合がある。例えば光ガイドは単一の光ファイバー、光ファイバーの束(例えば複数の四角または丸形の光ファイバー)、液体光ガイド、光ガイドを形成するためのガラスまたはプラスチックで作られた複数のテーパー(tapers)等の場合がある。
【0039】
底板120は中空シェル(shell)104の近位末端に結合され、このシェルは回路基板106用の座を提供する。底板120は一対の開口部120aおよび120bを含み、これを通って導線108a/108bは電源に結合するために突き出る場合がある。
【0040】
この態様では、光モジュールはまたレンズカラーの反対側に配置される一対のスリーブ122/124も含む。この態様では、各スリーブ122/124が円筒状の形態である。より具体的には、スリーブ122は底部環状面122bと最上部環状面122cとの間に延びる環状シェル122aを含む。中空チャンバー104内で組み立てた時、スリーブ122の底部環状面122bは回路基板の外側部分に設置され、そして最上部環状面122cはレンズカラー118の下部環状面と接触してレンズ用の座を提供する。
【0041】
スリーブ124は、同様に底部環状面124bと最上部環状面124cの間に延びる環状シェル124aを含む。中空チャンバー104内で組み立てた時、底部環状面124b
はレンズカラーの上部環状面118と接触する。このように、二つのスリーブ122および124はレンズを中空チャンバー104内に配置し易くし、そしてレンズに機械的支持を提供する。
【0042】
この態様では、光モジュールは、レンズを出る光(また少なくともその光の一部)が光モジュールを出る前に光学ウインド126を通過するように、レンズ112の出力面116に光学的に結合した光学ウインド126を含む。さらに具体的には、中空チャンバー104内で組み立てた時、光学ウインド126はスリーブ12の最上部環状面124c上に設置される。この態様では、光学ウインドは、下部(lower)および上部(upper)平面(flat face)126aおよび126bを有する円盤形である。幾つかの態様では、光学ウインドは約0.5mm~約2mmの範囲の厚さを有する場合があるが、他の厚さもまた使用できる。
【0043】
光学ウインド126はレンズの出力面を保護することができる。加えて幾つかの態様では、光学ウインド126はレンズを出る光の1もしくは複数の特性を調整することができる。例として光学ウインド126はフィルター、例えばバンドパスフィルターとして機能するように選択でき、レンズを出る特定の波長の光の通過を可能にすると同時に、他の波長は遮断する。例えばそのようなレンズを出る光のフィルタリングは、光の色の温度を調整するために使用することができる。光学ウインド126は、サファイア、石英、ガラス等のような種々の異なる材料で形成することができる。幾つかの態様では、光学ウインド126を形成する材料は、実質的に可視放射線に対して透明である。他の態様では、光学ウインド126は電磁気スペクトルの別の領域の放射線に対して透明である。例として光モジュールが赤外線領域の電磁気スペクトルの放射線を発光する幾つかの態様では、光学ウインド126は高密度ポリエチレンで形成することができる。
【0044】
光モジュール100はさらに、ハウジング102の遠位末端に取り出し可能かつ交換可能に付けられた保持ウインド128(本明細書ではリングウインドとも称する)を含む。より具体的には、
図2Aおよび2Bに関して、この態様では、保持ウインド128が、ハウジング102aの遠位末端に提供された複数の内部ネジ山102aと係合できる複数の外部ネジ山128aを含む。以下に詳細に検討するように、保持ウインド128は環状形を有し、光ガイドアダプターを収容するための下部開口部129から上部開口部129bへと延びる内部通路129を提供する。保持ウインド128は、保持ウインドを光ガイドアダプターに係合するために、複数の4内部ネジ山128bを含む。
【0045】
構成要素が中空チャンバー104内で組み立てられたとき、保持ウインドがガスケットを押して、光学ウインドを正しい位置に保持し易くし、そして封止を提供するように、ガスケット127が保持ウインド128と光学ウインド126との間に配置される。
【0046】
図3に関して、保持ウインド128はアダプター130に取り出し可能かつ交換可能に結合することができ、ここでアダプターは次いで光ガイド(例えば光ファイバーの束)132に結合することができる。この態様では、アダプター130は、保持ウインドの内部ネジ山128bに係合することができる複数の外部ネジ山130aを含み、アダプターを保持ウインドに取り出し可能かつ交換可能に結合する。
【0047】
この態様では、130アダプターは、光ガイド132を受けるために中央中空通路130cを有する実質的に円筒形のハウジング130bを含む。ハウジングは、光ガイド132をアダプター130に固定する保持ピン130eを受けるための開口部130dを含む。
【0048】
幾つかの態様では、光ガイド130の入力面(1もしくは複数)が光学ウインド126
の上面126aと接する場合がある。他の態様では、光ファイバーの入力面(1もしくは複数)は、光学ウインド126の上面から少し離れて配置される場合がある。幾つかの態様では、光を光ガイドに効率的に結合できるように、光ガイドの入力面(1もしくは複数)は実質的に平らであり、そして光学ウインドの上面の照射領域と実質的に等しい面積を有する。幾つかの態様では、ゲルまたは接着剤セメントのような屈折率が合う材料を光学ウインド126の上面126aに適用して、光を光ガイドへ効率的に結合し易くすることができる。
【0049】
上記のように、複数の異なる種類の光ガイドを使用する場合がある。例えば光ガイド132は単一の光ファイバー、光ファイバーの束(例えば複数の四角または丸形の光ファイバー)、液体光ガイド、光ガイドを形成するためのガラスまたはプラスチックで作られた複数のテーパー等の場合がある。
【0050】
幾つかの態様では、光モジュールは、LED108により発光される光を光モジュールに結合する光ガイドに保持ウインドを介して、少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%の効率で伝達する。換言すると光モジュールはLEDにより発光される光を光ガイドに少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、光ガイドに移す。幾つかの態様では、光モジュールから出て光ガイドへ結合される光に関する開口数は、光の光ガイドへの効率的結合を最適化するように選択される。例えば光学モジュールは、約0.5,0.66,または0.88の入力開口数を有する光ファイバーへの光の効率的結合のために構成される場合がある。さらに複数のサイズを有する光ファイバーを使用して、光モジュールからの光を受ける場合がある。例えば約2.1mm、約3mm,約3.4mm,約4mm,約5mm,または約6mmの直径を有するファイバーを使用する場合がある。各ファイバーのサイズに関して、レンズは例えばその外周面の曲率、入力面のサイズを調整することにより形成して、LED108により発光される光の光ファイバー、または光ファイバーの束への効率的結合を提供する場合がある。
【0051】
以下の表1は、光の異なるサイズのファイバーへの結合について、様々な光モジュール100の実施の理論的模擬効率を与え、ここでレンズサイズとはレンズの出力面の直径を指す。表1に示すデータは、たとえファイバーサイズが2.1mmほど小さくても、光モジュールはLEDによる発光をファイバーに効率的に結合できることを表す。さらにデータは、4mmのレンズサイズで光の異なるファイバーサイズへの効率的な光学的結合が達成できることを示す。
【0052】
【0053】
本教示による光モジュールは、多くの利点を提供する。例えばそのような光モジュールは埋め込まれ、そして多くの種類の異なる種類の照明装置との使用に容易に適合させることができる。例として、本教示による光モジュールは、医療用および工業用内視鏡、ビデオカメラ、開創器、検鏡、外科用ヘッドライトおよび高い強度、高品質な光が要求される他の装置に埋め込むことができる。
【0054】
例として、
図4では本教示の態様による内視鏡200を概略的に表示し、ここでは光モジュール100が組み込まれている。より具体的には、内視鏡200は、光モジュール100を取り出し可能かつ交換可能に受けるためのエンクロージャー204を提供する本体202を含む。内視鏡200はさらに、1または光ファイバー206を含み、これらはそこからの光を受けるために光モジュールに光学的に結合されている。光ファイバーは内視鏡の遠位末端(DE)に延び、それを通って光が内視鏡から出て視野を照らす。内視鏡200はさらに光検出器(示さず)、および当該技術分野で知られている方法で視野の画像を作成するために、視野から放射される光を検出器に向けるためのレンズ、ミラーのような1もしくは複数の光学的構成要素(示さず)を含むことができる。さらに例示的内視鏡200は、画像を作成し、そして画像を例えば医療専門家が観察するモニター(示さず)に近位コネクタ206を介して伝達する処理回路を含むことができる。また例示的内視鏡200は、使用者が内視鏡を操作できるようにするユーザーインターフェース要素208を含むことができる。
【0055】
上記のように、この態様では、レンズ112は入力面114および出力面116、および全内反射を介してその上の入射光を反射するように構成された楕円形の外周面115を含む。さらに具体的に説明すると、
図5はレンズ112がLED108からの光を受ける入力面114を有する近位セクション113およびレンズを出る光が通る出力面116および外周面116aを有する遠位セクション115を含むことを概略的に説明する。この態様では、遠位セクション115の外周面116aは先端が切断された円錐形であるが、他の態様では異なる形状を有する場合がある。カラー118が近位セクションと遠位セクションとの間の境界に配置される。この態様では、レンズ112の入力面114が孔を形成し、そして外周部114bにより囲まれる中央凸部114aを含む。この態様では、入力面の外周部114bは近位凹区分(A)および遠位凸区分(B)を含む。近位セクション113は楕円形の外周面117を含み、これは二つの焦点f1(本明細書では入力焦点と呼ぶ)およびf2を(本明細書では出力焦点と呼ぶ)を有する先端が切断された楕円形の形態である。焦点f1は入力孔内またはLED上もしくはその近傍に位置し、そしてもう一つの焦点f2はレンズから少し離れた(d)、例えば約4mm~約6mmの範囲で外側の出力面116の上に位置する。多くの態様で、出力焦点f2はレンズに光学的に結合された光ガイドの近位セクション内になるように配置され、レンズから出る光が光ガイド
に効率的に結合することを確実にする。
【0056】
他の態様では、出力焦点f2はレンズ本体内、例えばレンズの出力面の下または出力面にあることができる。幾つかの態様では、遠位焦点1240の位置は、遠位焦点から広がる光線が、光の光ガイドへの結合を最大にするレンズに結合する光ガイドの入力面をわたる角拡散を現すように選択される。例えば広がるビームは、光ガイドの入力開口数に見合う角拡散を有する場合がある。
【0057】
幾つかの態様では、いかなる凸部114aおよび楕円形の外周面117も約50ジオプトリから約300ジオプトリの範囲の正の屈折力を現すが、他の屈折力も使用することができる。幾つかの他の態様では、凸部はその焦点(すなわちその部分により屈折した光線が収束する点)がレンズに対して外部になるように構成される。例として凸部の焦点は、レンズに結合した光ガイドの近位末端内でよく、あるいは光パイプの入力面を照らすために、焦点から広がる光線が、光ガイドの入力面により囲まれる(subtended)立体角に対応する最大の角拡散を現すように、レンズおよび光パイプの両方に対して外側でよい。例としてそのような幾つかの態様では、凸部の焦点は楕円形の外周面の遠位焦点と実質的に一致する場合がある。
【0058】
レンズ112は任意の適切な材料、例えば種々の異なるポリマー材料で形成することができる。そのような材料の幾つかの例には、限定するわけではないが、ポリメチルメタクリレート(PMMA)およびポリカーボネートがある。LED106が電磁気スペクトルの赤外線領域の放射線を発する幾つかの態様では、レンズは高密度ポリエチレンで形成してその放射線波長に対して実質的に透明となる場合がある。幾つかの態様では、レンズの近位および遠位セクション、ならびにレンズカラーは例えば成型または当該技術分野で既知の製造技術を使用して一体型ユニットとして形成される。
【0059】
図2Aならびに
図5に関して、幾つかの態様では、レンズ112はLEDと入力面の凸部114aとの間の距離が、約0.3mm未満、または約0.2mm未満となるようにLED106に結合される。幾つかの例では、LED106と入力面の凸部114aとの間の距離は約0.24mmである。
【0060】
図6および7に関して、別の態様による光モジュール300は、レンズ302が取り出し可能かつ交換可能に配置できるハウジング301を含む。レンズ302はプリント回路基板308上に取り付けられたLED306に光学的に結合した入力面304を含み、それらから光を受ける。レンズ302はさらに出力面310(これはこの態様では、実質的に平らである)を含み、これを通って光はレンズを出る。またレンズ302は、その入力面を通ってレンズに入る光の少なくとも一部を受け、そして全内反射を介して入射光を出力面に向ける外周面312を含む。前記態様と同様に、外周面312は先端が切断された楕円形の形態であり、これは入力焦点f1をLED306上もしくはその近傍に含み、そして出力焦点f2はレンズから少し離れて、例えば約4mm~約6mmの範囲で外側の、レンズの出力面310の上である。幾つかの態様では、楕円形の外周面312はレンズの入力面からその出力面に延びる場合がある。幾つかの他の態様では、レンズの外周面の近位部分312aは楕円形(例えば入力面からカラー314に延びる部分)を有する場合があり、そして外周面の遠位部分312bは異なる形(例えば先端が切断された円錐形)を有する場合がある。
【0061】
カラー(本明細書ではフランジとも称する)314は部分的にレンズ本体を囲み、そして以下に詳細に検討するように、ハウジング301内にレンズを配置し易くする。
【0062】
より具体的には、カラー314の下面と接触しているスリーブ316がプリント回路基
板308上にレンズ312を支持する。別のスリーブ318はレンズカラー314の上面に設置され、そしてレンズの出力面310の上の距離Dで光学ウインド320を支持する。光学ウインド320は、例えば前記態様と関連して上で検討したように実施する場合がある。
【0063】
保持ウインド322は、ハウジング301の内面に提供されるそれぞれのネジ山と係合する複数のネジ山322aを介してハウジングに脱着可能に結合される。保持ウインド322と光学ウインド320との間に配置されるガスケット322が封止を提供する場合がある。前記態様と同様に、保持ウインド322は光モジュール300を光ガイドに光学的に結合するために、光ガイド(示さず)のアダプター326に接続する場合がある。
【0064】
光モジュール300は光モジュールを電源、例えば1もしくは複数の電池に接続するために一対の導線300aおよび300bを含む。
【0065】
図8~29に関して、別の態様による光モジュール1は、互いに脱着可能に結合したレンズホルダー17およびウインドリング8を有する外部ハウジング5を含む。この態様では、レンズホルダー17は、最上開口部20および底部開口部21を持つ円筒状の内部通路19を含む。レンズホルダー17は、光学レンズ3を内部通路19内に保持するための内部ショルダー22を含む。レンズホルダー17はさらにサファイアウインド14を光学レンズ3の出力面4にわたって実質的に平らに整列して保持するため、第2の内部ショルダー23を含む。レンズホルダー17の底部開口部21は、任意の配線または電源がLED2に操作可能に接続されるようにする。
【0066】
この態様では、光学レンズ3はLED2による発光が通過できるようにする1つの透明材料で形成される。例えばレンズ3はガラス、プラスチックまたはサファイアで形成することができる。レンズ3はLED2からの光を受けるために入力面10を有する近位(または受光)セクション9、および実質的に平らな出力面4を有する遠位(または発光)セクション6を含む。また光学レンズ3は、レンズホルダー17内に保持されるために、内部ショルダー22に設置されることができるカラー8を含む。入力面10は、集合して孔11を形成する外周曲面12および中央凸面13を含む。光学レンズ3は、全内反射を介して入射光を反射する外周楕円面を含む。
【0067】
ウインドリング18は、最上開口部25および底部開口部26を持つ円筒状の内部通路24を含む。ウインドリング18はサファイアウインド14の最上面15と接して、サファイアウインドを内部ショルダー23に対して固定する。この態様では、ウインドリング18の底面およびレンズホルダー17の最上面は、互いに脱着できるように連結するためのネジ状である。
【0068】
外部ハウジング5はLED2、楕円形の光学レンズ3およびサファイアウインド14を外部環境から保護する。弾力のある外部ハウジング5は、内部LED2、楕円形の光学レンズ3およびサファイアウインド14を誤整列または損傷する恐れなしにモジュール1が照明装置に付けられようにする。幾つかの態様では、レンズホルダー17およびウインドリング18は金属、合金またはプラスチックで形成する場合がある。
【0069】
幾つかの態様では、モジュール1は電力をLED2および任意の回路に供給するために電源につながれて、正しい電圧をLED2に提供することができ、その両方とも当該技術では周知である。例として電源は1もしくは複数の電池またはAC線間電力であることができる。
【0070】
前記態様と同様に、光モジュール1は光ガイド、例えば照明装置の光ガイドに結合して
、LED2からの光を光ガイドへ提供することができる。いったん電源に接続されれば、LED2はある角度範囲(angular extent)、例えば約160度の拡角を特徴とする角度範囲にわたって広がる光を発する。この光は孔11を介してレンズ3により受けられる。多くの態様で、LEDによる発光の大部分、および場合によってはLEDによる発光のすべてがレンズ3の入力面10により捕捉される。レンズに入る光はその外周楕円面により反射される内部反射を介して、または直接その出力面4に伝えられ、そしてその出力面を通って出る。幾つかの態様では、レンズから出る光はLEDによる発光に関する拡角よりも小さい拡角である。例えばレンズから出る光に関する拡角は、LEDによる発光の拡角よりも約30%、40%、50%、60%または70%小さくなる場合がある。例えば幾つかの態様では、LED2による発光は約160度の拡角が特徴とする場合があり、そしてレンズを出る光は約66度の拡角を特徴とする場合がある。レンズを出る光はサファイアウインドを通過して光ガイドに結合されることになる。
【0071】
楕円形レンズ3の実質的に平らな最上面4は、サファイアウインド14の実質的に平らな底面16と接して設置されるか、あるいは機械的に可能なようにこの面近くに設置される。理想的には両面ができる限り平らであり、これが平面間の界面のすべて、または実質的な部分にわたり良好な接触、または極めてわずかな分離を達成する。発光はレンズ3からサファイアウインド14へ伝えられる。
【0072】
幾つかの態様では、レンズ3の出力面4はサファイアウインド14の実質的に平らな底面16に合った屈折率である場合がある。例えば幾つかの態様では、液体、ゲルまたは接着剤セメントのような屈折率が合う材料を使用して、レンズ3の出力面4とサファイアウインドの底面16との間の屈折率の適合を提供することができる。
【0073】
さらに幾つかの態様では、サファイアウインド14の平らな最上面15は、光ガイド、例えば照明システムの入力光ガイドの入力面に合った屈折率の場合がある。幾つかの態様では、照明装置の入力光ガイドは平らな入力面を有する場合があり、理想的にはサファイアウインド14の平らな最上面15の全発光領域を満たす。入力光ガイド面(input
light guide face)は、サファイアウインド14の平らな最上面15と接触して配置されるか、あるいは機械的に可能なかぎりこの面の近くに配置される。理想的には両面が平らであり、それらの間の良好な接触を促進する。入力光ガイドの可撓性は、この二つの面の間のより高度な接触を援助することができる。これにより確実にサファイアウインド14の平らな最上面15外の光を、入力光ガイドへ効率的に結合する。
【0074】
本発明の態様では、サファイアウインド14の平らな最上面15は、さらに光ガイドへの光の結合を改善するために、入力光ガイドの屈折率に実質的に合わせるため、液体、セメント(接着剤)、またはゲルのような屈折率が合う材料を有する場合がある。
【0075】
幾つかの態様では、光ガイドは単一の光ガイドファイバー、複数の四角または丸形の光ガイドファイバー、液体光ガイド、光ガイドを形成するために結合された複数のプラスチックまたはガラスファイバー、光ガイドを形成するために結合された複数のプラスチックまたはガラス棒、光ガイドを形成するために結合されたガラスまたはプラスチックファイバーで作られた複数のテーパー、または光ガイドを形成するために結合されたガラスまたはプラスチックで作られた複数の固体テーパーの場合がある。
【0076】
発光はサファイアウインド14から光ガイドへと移される。その結果、LED2から大量の光を光ガイドの遠位末端に伝えて、例えば内視鏡システムで調査中の物体を照射することができる。
【0077】
LED2、楕円形の光学レンズ3およびサファイアウインド14の間に追加の光学素子
(optics)が無いので、モジュール1に関する機械的設計および空間的要件は簡略となり、例えば既存の照明装置へのより容易な挿入を可能にする。幾つかの態様では、小型電池をLED2の電力として使用でき、これにより光モジュールが小型の照明装置で使用できるようになると同時に、望まれる照明を提供することを可能とする。
【0078】
当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに様々な変更を上記態様に行うことができると考えるだろう。さらに一態様の様々な構成要素は、別の態様に使用することができる。例えば一態様のレンズは別の態様に取り込むことができる。